トヨタは、プリウスに使用されている各種部品を擬人化し、新型プリウスの魅力を伝えるサイト「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」にて、OSTER Projectによるキャンペーンソング「シジョウノコエ(OSTER project/VOCALO ver.)」を公開した。同曲では、新型プリウスの試乗会に参加した50人のユーザーからの感想を、そのまま歌詞として採用。ボーカルはVOCALOID「GUMI」が、楽曲はボカロPとしても高い人気を誇るOSTER Projectが担当している。また、ミュージックビデオには、新型プリウスを支える40の部品を、機能や特徴をもとに24人の有名イラストレーターが擬人化したキャラたちも登場する。なお、楽曲を提供したOSTER Projectは、2000年よりネットを中心とした音楽活動を始め、コンポーザー/アレンジャー、ボカロPとしてだけでなく、PV制作、ボーカリストへの楽曲提供、 ライブ、プロデュース、DJ、アーティストなど、幅広く活躍する女性マルチクリエーターだ。
2016年02月02日トヨタ自動車と子会社であるダイハツ工業は29日、株式交換によるダイハツの完全子会社化(2016年8月予定)について合意したと発表した。今回の合意は、トヨタおよびダイハツの更なる持続的成長に向け、同一の戦略のもと、小型車事業においてより選択と集中を進め、両ブランドにおける「もっといいクルマづくり」を一層進化させていくことを狙いとしたもの。目的は、共通の戦略のもとで両社の技術・ノウハウや事業基盤を融合することで両ブランドの特色を活かした魅力的でグローバルに競争力のある商品を展開することだとしている。小型車戦略は、トヨタブランドとダイハツブランドの差別化を進め、それぞれのユーザーにとって最適な商品ラインナップを拡充。ダイハツが主体となって、これまで培った現地のユーザー目線に立ったクルマづくりや、軽自動車を基盤・基点とした商品企画・技術開発のノウハウ・プロセスをさらに進化させ、小型車領域での両ブランドの商品を開発する。技術戦略は、トヨタとダイハツは、技術戦略を初期構想の段階から共有し、トヨタは環境・安全・安心・快適技術面での技術開発を進め、ダイハツはパッケージング力、低コスト技術、低燃費技術に加え、先進技術の低コスト化・コンパクト化を推進。また、ダイハツ独自のクルマづくりのノウハウをトヨタグループ内で共有し、上位車種でのコスト競争力にも貢献する。事業戦略は、新興国市場においてそれぞれの事業基盤を活用しあい、ダイハツが主体となって、開発・調達・生産といったモノづくりをスピーディーかつ効率的に推進。国内事業では、トヨタの販売のノウハウやインフラも相互活用し、ダイハツブランド力向上と収益力の両立を図る。今回の合意を通じて、トヨタとダイハツは、今後もそれぞれの強みを活かすマネジメントの独自性は維持しつつ、戦略を共有し、お互いに切磋琢磨しながら、一体となって高度化する技術革新やスピーディーな事業展開など難易度の高い課題に対応し、両社の企業価値向上に努めていくとしている。トヨタの豊田章男社長は、「お互いがこだわりを捨てて、任せるところは任せ、それぞれが得意分野を全力で伸ばしていく、すなわち"選択と集中"、それこそがグローバル競争を勝ち抜いていくための鍵になる」と語り、ダイハツの三井正則社長は「次の100年に向けた成長の道筋を描く事ができた。トヨタとの関係をより強固にすることで、今後のダイハツの成長、そして『ダイハツブランドの世界基準への進化』に踏み出していきたい」と語った。
2016年01月29日トヨタ自動車(トヨタ)は1月4日、米国で2017年以降のモデル切り替えから車載通信機(データ・コミュニケーション・モジュール:DCM)の搭載率を高め、順次、米国以外の地域に対象地域を拡大すると発表した。車両データの送信を行うDCMの搭載率向上を通じ、これまで以上に収集データを製品開発やアフターサービスに活用していくという。また、膨大なデータ処理を行うためのITインフラを機能拡張し、現行のトヨタ・スマート・センター内にトヨタ・ビッグデータ・センター(TBDC)を構築する。さらに、現在は国・地域で仕様の異なるDCMを、2019年までにグローバルで共通化し、順次切り替えていくほか、DCM通信をグローバルに集約管理する機能をトヨタ・スマート・センターに付加するとしている。同発表では車載システム上でのスマートフォンアプリ利用にも言及。ユーザーや車両の情報を保護するために、UIEvolutionと共同で、車載システムに実装する標準ミドルウェアを開発し、グローバルに展開していくことを明かした。同業務提携によって、UIEは車両データを用いたスマートフォンアプリを開発したり、そのサービス環境をトヨタが認証した外部のサービス・アプリなどの事業者に提供したりすることが可能になる。これによりスマートフォンが高セキュリティ環境下でTBDCを介して車両データにアクセスすることになり、安全で安心なスマートフォン連携サービスを提供できるようになるという。トヨタは「IoT時代の到来を踏まえ、お客様が安心して楽しめるモビリティ社会実現に向け、安全で高セキュリティな『つながる』クルマと、そのITプラットフォームのグローバル展開を推進していく。」とコメントしている。
2016年01月05日トヨタ自動車(トヨタ)は1月4日、フォード・モーター・カンパニー(フォード)およびその子会社リビオと、同社の「スマートデバイスリンク」(SDL)の展開で協力すべく、共同で仕様開発・運営を行う枠組みを構築することで合意したと発表した。今後、ほかの自動車会社やアプリ開発会社にも、参画を呼び掛けていくほか、トヨタとしても今後、SDLを用いた車載システムをを商品化する予定。SDLは、スマートフォンアプリと車両がつながるためのオープンソースプラットフォーム。音声認識機能や車載の操作パネルで、車内でもスマートフォンアプリを操作し、エンターテイメントや道路情報などを利用することができるようになる。また、SDLを採用する自動車会社が増えれば、アプリ開発者はSDLを用いて、複数社の車載システムと互換性のあるアプリを一度に開発できるため、短期間でより多くのアプリを提供できるようになる。トヨタは「クルマの特性に合った、安全に、安心して利用いただけるスマートフォンとの『つながる』サービスを開発することが、自動車会社だからこそお客様にお届けできる価値だと考えている。そうした思いを共有する多くの会社が、SDL展開に向けた今回の取り組みに参画いただけることを期待している」とコメントしている。
2016年01月05日トヨタ自動車(トヨタ)は12月22日、市販車に搭載しているカメラやGPSを活用して、自動運転の走行に必要となる高精度地図を自動的に生成する「地図自動生成システム」を開発したと発表した。同システムは1月6日~9日に米ネバダ州ラスベガスで開催される「2016 International CES」で披露される。「地図自動生成システム」は、豊田中央研究所が開発した空間情報の自動生成技術「COSMIC」を採用し、車両から収集した画像データとGPS信号から高精度地図データを生成する。走行軌跡を高精度に推定する技術と、複数車両から収集した路面画像データを統合・補正する技術により、車載カメラとGPSデータの誤差を解消する(直線路の場合で誤差5cm以内)。また、情報収集に市販車両や既存インフラを活用することで、リアルタイムにデータ更新が可能で、かつ安価なシステム構築も可能となるという。同システムは、同社が2020年頃に実用化を目指し開発中の自動車専用道路での自動運転で必要となる要素技術の1つであり、将来的には一般道や道路上の障害物への対応など、機能を拡張していく。また、高精度地図データの公共・民間サービスへの活用も視野に、地図メーカーとの連携強化も進めていく。
2015年12月22日トヨタ自動車(トヨタ)は11月6日、2016年1月に人工知能技術の研究・開発の拠点として、新会社「TOYOTA RESEARCH INSTITUTE, INC.(TRI)」を米カリフォルニア州パロ・アルトに設立すると発表した。新会社は約200名規模となる予定で、今後5年間で約10億ドルを投入する。TRIでは、人工知能技術を通じてビッグデータを活用することで、社会のさまざまな課題を解決し、将来の持続可能なモビリティ社会の実現ならびに、誰もが安心して安全・自由に、より豊かに暮らすことができる社会の実現を目指し、革新的な商品の企画・開発を進めるという。また、新会社のCEOにはトヨタのExecutive Technical Advisorであるギル・プラット氏が就任し、マサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学に設立した研究センターとの連携を進めるなど、研究体制を強化していく。プラット氏は「TRIでは、事故を起こさないクルマ、誰もが移動の自由を享受できるモビリティ、高齢者の尊厳ある老後をサポートするロボットなど、人と協調できる人工知能技術の開発に取り組む。さらには、新材料探索・生産管理システムなど幅広い領域での応用に向けた技術開発を行い、社会に貢献したい」とコメントしている。
2015年11月06日トヨタ自動車はこのほど、持続可能な社会の実現に貢献するための新たなチャレンジとして「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表した。併せて、同チャレンジの実現に向けて、当面の実行計画である第6次「トヨタ環境取組プラン」を策定し、2016年度から2020年度までの5カ年計画として展開を図る。「トヨタ環境チャレンジ2050」は、気候変動、水不足、資源枯渇、生物多様性の劣化といった地球環境の問題に対し、クルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけるとともに、社会にプラスをもたらすことを目指して、「もっといいクルマ」「もっといいモノづくり」「いい町・いい社会」の3つの領域で6つのチャレンジを掲げている。6つのチャレンジとは、「新車CO2ゼロチャレンジ」「ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ」「工場CO2ゼロチャレンジ」「水環境インパクト最小化チャレンジ」「循環型社会・システム構築チャレンジ」「人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ」。「新車CO2ゼロチャレンジ」では、2050年グローバル新車平均走行時CO2排出量を2010年比で90%削減にチャレンジ。具体的には、燃料電池自動車(FCV)の販売を、2020年頃以降にグローバルで年間3万台以上、日本では年間では1万数千台程度とし、燃料電池(FC)バスを2016年度中に東京都を中心に導入開始、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて100台以上を目途に準備を推進。ハイブリッド車(HV)の販売は、2020年までに年間で150万台、累計で1,500万台などの目標を掲げている。その他、「ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ」では、ライフサイクル視点で材料・部品・モノづくりを含めたトータルでのCO2排出ゼロ。「工場CO2ゼロチャレンジ」では、2050年グローバル工場CO2排出ゼロ。「水環境インパクト最小化チャレンジ」では、各国地域事情に応じた水使用量の最小化と排水の管理。「循環型社会・システム構築チャレンジ」では、日本で培った"適正処理"やリサイクルの技術・システムのグローバル展開に向けて、2016年から2つのプロジェクトの開始。「人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ」では、自然保全活動をグループ・関係会社から地域・世界、そして未来へつなぐために、2016年から3つのプロジェクトの展開を目標としている。
2015年10月15日トヨタ自動車(トヨタ)は9月30日、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)専用周波数(760MHz)による運転支援システムITS Connectを近日国内で販売する車種に搭載し、2015年内に3車種まで展開すると発表した。同システムは、車両に搭載された通信装置、または交差点・信号機に設置された通信装置を使用することで、車に搭載したセンサーでは捉えきれない見通し外の車や人の存在、信号の情報を、道路と車または車同士が直接通信することで取得し、ドライバーに知らせるというもの。同社は、ITS Connect搭載車種を順次拡大していくことで、国内の事故総件数の約4割を占める交差点周辺で発生する自己の低減に貢献していくとしている。
2015年09月30日東京国立博物館で10月2日と3日に、移動映画館のキノ・イグルーと共催で「博物館で野外シネマ」が開催される。昨年行われた第1回目では、2日間で計8,600人の来場者を迎え、大好評を博した「博物館で野外シネマ」。第2回目となる今年は、宮沢賢治による名作を、ますむらひろしによる猫のキャラクターで長編アニメーション化した、杉井ギザブロー監督作『銀河鉄道の夜』を上映。より多くの人々が楽しめるよう、前回よりも大きなスクリーンで上映される予定だ。なお、同作の上映日限定で、夜間開館も実施。特別展「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」などを、映画鑑賞後に観覧することが出来る。その他、当日は「博物館でアジアの旅」も開催しており、アジアの展示やイベントとともに、アジア料理やアジアビール、コーヒーなども楽しめる。【イベント情報】「博物館で野外シネマ」会場:東京国立博物館本館前住所:東京都台東区上野公園13-9会期:10月2日~3日時間:19:00~料金:無料 ※当日の入館料は有
2015年09月28日トリップアドバイザーはこのほど、世界の博物館・美術館をランキング化した「トラベラーズチョイス 世界の人気観光スポット 2015 ~博物館・美術館編~」を発表した。同社の「トラベラーズチョイス」では、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」に投稿された世界中の旅行者の口コミをもとに、優れた施設を表彰している。今回のランキングは、2014年1月~12月に同サイト上に投稿された旅行者のクチコミ評価の平均値や投稿数などを独自のアルゴリズムにて集計し、算出された。日本国内のランキングでは、「広島平和記念資料館」(広島県広島市)が2年連続でトップとなった。「Totally heartbreaking.(胸が張り裂けるような思いになった)」など、当時の資料を目の当たりにした時の衝撃を伝える口コミが数多く寄せられたという。また、2位には「箱根彫刻の森美術館」(神奈川県箱根町)、3位には「MIHO MUSEUM」(滋賀県甲賀市)がランクインした。アジアのランキングでは、「秦始皇兵馬俑博物館」(中国)が2年連続で1位に。3位に「広島平和記念資料館」がランクインしたほか、12位に「箱根彫刻の森美術館」、15位に「MIHO MUSEUM」、24位に「鉄道博物館」が入った。世界ランキングの1位には昨年の7位から大きく順位を上げて「メトロポリタン美術館」(アメリカ)がランクイン。世界各国の芸術・文明を先史時代から現代までカバーした300万点の展示物は、「1日では回りきれないほどのボリューム」と評判とのこと。アジア1位の「秦始皇兵馬俑博物館」は、世界ランキングでは23位となった。なお、ランキングの詳細は公式サイトにて公開されている。
2015年09月26日トヨタマーケティングジャパン及びトヨタモデリスタインターナショナルは24日、新型「オーリス」をベースに、アニメーション「機動戦士ガンダム」とコラボレーションしたカスタマイズカー「シャア専用オーリスII」を開発し、10月1日に発売すると発表した。今回の「シャア専用オーリスII」は、2015年4月にマイナーチェンジした新型オーリスをベースに、「"シャア専用"を全身で感じる体験」をコンセプトに開発した新モデル。外装中心のカスタマイズだった初代モデルを進化させ、外装パーツの大胆な刷新、専用シートを装備するなどの内装のデザイン・質感を向上している。専用シート「ZTコクピットシート"Code CHAR"」は、ロゴマークを大胆にあしらえたデザインや繊細なステッチのみならず、スポーツシートとしてのホールド性にも優れる。また、イグニッションON・ヘッドライトONなど様々なシチュエーションで、モビルスーツに乗り込んだような体験ができるオリジナルサウンドエフェクト「ZT サウンドエフェクト"Universal Century sounds"」を用意(音源は8種類)するなど、すべてをこだわりのカスタマイズで仕上げた。外装は、初代のやや無骨なデザインから、より洗練されていながら「速さ」「強さ」を感じさせるイメージで進化。エアロパーツは、サイドビューにモビルスーツテイストを表現する「フェンダーシュラウド」を加え、新デザインのフロントスポイラー/サイドスカート/リヤスカートを用意している。シャア専用機を象徴するパーツ「ZT指揮官用ブレードアンテナ」「ZTエンブレム」は小変更で継続。ZTエンブレムは夜間に発光(スモールランプ連動)する事で存在感がアップした。さらに初代とともに同時発売した「シャア専用ナビ」も、「シャア専用オーリスIIナビ」としてグレードアップ。シャアによる音声案内に加え、「機動戦士ガンダム」の女性キャラクター「ララァ」による音声案内(「大佐、今日からノーマルスーツを着けて出撃なさってください」「ウフフ、音声の設定が可能です」など)も加わった。販売形態は、コンプリートカーを4種の車体グレード(計300台限定)で用意し、各カスタマイズパーツも個別に販売。パーツを組み合わせて個性のあるカスタマイズも可能としている。シャア専用オーリスIIコンプリートカーの価格は、321万6,437円~370万9,310円(いずれも税込)。
2015年09月25日10月2日(金)と3日(土)、東京国立博物館にて野外上映イベント「博物館で野外シネマ」が開催。杉井ギサブロー監督作のアニメーション『銀河鉄道の夜』が上映される。今年で2回目の開催を迎える「博物館で野外シネマ」。第一回目開催時には、『バケモノの子』が公開中の細田守監督作『時をかける少女』を上映し、8,600人もの来場者数を記録した。昨年と同様、移動映画館として活動する「キノ・イグルー」との共催で実施される今年は、1985年公開のアニメーション『銀河鉄道の夜』を上映。本作は、猫のキャラクターを登場人物に、多くの宮沢賢治原作の漫画化を手掛けるますむらひろしの漫画原作を、『タッチ』『あらしのよるに』などの杉井ギサブローが映画した作品。来年生誕120周年を迎える宮沢賢治は、東京国立博物館を愛し、足しげく通ったことが短歌や手紙に残されていることから、本作がセレクトされた。また、開催日の2日間は特別展「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」を含め、22時までの特別夜間開館を実施。さらに、同じく特別展の「博物館でアジアの旅」期間中つき、アジアの展示やイベントとともに、アジア料理の屋台やアジアビール、コーヒーなども楽しむことができる。秋の夜長のお出かけ先としてチェックしてみて。「博物館で野外シネマ」は、10月2日(金)、3日(土)東京国立博物館にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月10日トヨタ自動車(トヨタ)は9月8日(現地時間)、米国ネバダ州・ラスベガスにおいて新型プリウスを発表した。4代目となる新型プリウスでは、プリウスの特徴であるトライアングルシルエットのデザインを継承しつつ、パワートレーンユニットとプラットフォームを一体的に開発する「Toyota New Global Architecture」による低重心パッケージを融合。ルーフの頂点を20mm低くするとともに前出ししたほか、エンジンフードも低く抑えられている。また、熱効率を40%以上高めたエンジン、トランスアクスル、モーター、電池といった各ユニットを、よりコンパクトに、かつ軽量化したことにより、低燃費性能が向上。さらに、クルマだけではなく歩行者も認識する歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティをはじめとする4つの安全機能をセットにした衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を採用した。なお、新型プリウスは、2015年年末から日本で販売を始め、順次世界各国・各地域での販売を開始する予定となっている。
2015年09月09日トヨタ自動車(トヨタ)は9月4日、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)およびスタンフォード大学のスタンフォード人工知能研究所(SAIL)と、人工知能に関する研究で連携していくことに合意したと発表した。今後5年間でトヨタは、合計約5000万ドル(約60億円)の予算を投じ、CSAILおよびSAILそれぞれと連携研究センターを設立する。両連携研究センターでは、クルマやロボットへの応用を目指し、「さまざまな環境における物体の認識」「高度な状況判断」「人と機械との安全な相互協調」といった技術の研究を推進するとしている。また、トヨタはDARPA Robotics Challengeの元プログラムマネージャーであるギル・プラット博士を招聘し、同博士の協力のもとクルマやロボットの知能化研究に取り組んでいく。両連携研究センターで今後実施する研究やその活用もプラット博士の助言を得ながら進めていくこととなる。今回の連携研究に関し、トヨタは「今回の連携では、クルマに留まらず、お客様の暮らし全般をより良いものにすることを目標に、研究に取り組んでいく。人工知能研究の最先端を走る米国のトップ2大学および、プラット博士との協力のもと、これまでにない新たなテーマに挑戦し、トヨタの研究開発を大きく飛躍させていきたい」とコメントしている。
2015年09月07日国立科学博物館は9月1日、「国立科学博物館重要科学技術仕様(愛称:未来技術遺産)」に、ソニーの「AIBO」など25件を選定した。「未来技術遺産」は日本の科学技術の歴史を示す事物で、科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの、ならびに国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたものを、国立科学博物館が選定し登録するというもの。2008年から毎年発表されており、昨年は日本初の噴流式洗濯機「電機洗濯機 SW-53」や富士フイルムの「フジカラー 写ルンです」などが選出された。今年は「AIBO」のほか、世界初の産業レーザディスクプレーヤであるパイオニアの「PR-7820」、海軍航空本部が製作した「海軍航空機用塗料識別標準(色見本帳)」などが登録された。2015年度登録の「未来技術遺産」は以下の通り:
2015年09月01日トヨタ自動車(トヨタ)は8月20日、同社の高級車ブランド「LEXUS」のSUVラインアップのフラッグシップモデル「LX570」を9月14日に発売すると発表した。価格は1100万円。LXは1996年にLEXUS初のSUVとして北米で発売されて以来、北米、中近東、およびロシアを中心に海外で販売を拡大してきた。今回、LX570の導入に合わせて、3列シートのラグジュアリーSUVとして日本でも販売する。LX570はV8・5.7lエンジンを搭載し、2000r.p.m.から最大トルクの約90%を発生させるワイドなトルクバンドを実現。スーパーインテリジェント8速オートマチックと組み合わせることで、オンロードでは伸びやかな加速を、オフロードでは低・中速域での力強さを発揮する。また、LEXUSとして初めてCUSTOMIZEモード搭載のドライブモードセレクトを採用。CUSTOMIZEモード時には、パワートレーン、シャシー、空調の各制御の組み合わせを自由に選択でき、よりドライバーの嗜好に応じた走行モードを実現する。さらに、オートエアコン、ステアリングヒーター、シートヒーター・シートベンチレーションの各機能を連動して作動させる「レクサス クライメイト コンシェルジュ」や、降車時に自動で車高調整を行う「乗降モード」などの機能を標準装備。このほか、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせ、高い認識性能と信頼性を両立し、多面的な安全運転支援を可能にした予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」を国内で初めて採用した。
2015年08月21日©Singapore Tourism Boardシンガポールで最古の博物館「National Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)」。シンガポールの歴史と人々の生活様式を展示する傍ら、年間を通して様々なイベントを催すドーム型の屋根が特徴的な同館は、独自の文化を象徴する、シンガポール人の誇りとなっている。シンガポール最古の博物館©Singapore Tourism Board厳かな外観とドーム型の天井が目を引くシンガポール国立美術館は、1819年にイギリスから上陸したラッフルズ卿が夢見ていた「文学と歴史について学べる機関の設立」という意思を継いで、彼の没後1849年に図書館兼博物館としてスタートしたのが始まり。エントランスのある「旧館」は、1887年に建設された。ラッフルズホテルと同じ、ネオパラディアン様式の旧館は、ロビーの屋根部分を彩るステンドグラスも印象的。無料日本語ガイドツアーも開催!シンガポールを深く知ろう旧館に増築する形で、モダンな新館が誕生したのが2006年。旧館と合わせて18,400平方メートルもの敷地面積を誇り、現在ではシンガポール最大の博物館として、シンガポールの歴史を重んじながらも、常に革新的な展示で人々を魅了し続けている。2015年7月現在「SINGAPURA:700YEARS」と題し、14世紀からのシンガポールの歴史を辿る展示が開催中。(※2015年8月10日まで)館内では、在住日本人ボランティアによる日本語無料ガイドツアーも実施される。月~金の10:30、第一土曜日の13:30に地下のExhibition Galleryに集合すれば、誰でも無料で参加可。せっかくの機会に日本語でシンガポールをじっくりと学ぶのもよいだろう。(※集合場所は季節によって変わる可能性もあるので、公式HPを確認)©Singapore Tourism BoardNational Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)・住所:93 Stamford Road Singapore 178897・営業時間:10:00~18:00(最終入場は17:30)・電話:(+65) 6332 3659 / (+65) 6332 5642・入場料金:建物への入場のみは無料。展示の見学は、大人S$6学生S$3・アクセス方法:ブラスバサ駅、ドービーゴート駅からそれぞれ徒歩5分。※国立博物館を含む3か所のミュージアムを巡回するシャトルバスサービス有り。詳しい時刻表や乗り場は公式HP参照。
2015年07月26日トヨタ自動車(以下トヨタ)、三井住友銀行および、スパークス・グループ(以下スパークス)の3社は22日、新たなファンドの設立について今後詳細を検討していくために、互いに連携することを目的とした覚書に調印したと発表した。○未来社会を開拓する技術開発を手掛ける企業・プロジェクトが対象新たなファンドは、未来社会を開拓する技術開発を手掛ける企業・プロジェクトを対象に、機動的に資金を投入していく事で、イノベーションの促進と、それに基づく次世代社会の実現を目指していくものだという。具体的には「知能化技術」、「ロボティクス」、「水素社会実現に資する技術」の3分野を想定しているという。同ファンドの設立により、トヨタは新技術や市場動向等の広範な情報をタイムリーに入手し、事業戦略に活用するとともに、革新技術を有する企業の成長・事業化を支援することで新たな価値の普及に貢献していくとしている。三井住友銀行は、次世代技術の育成という社会的意義の高いファンドを通じて、経済成長のけん引役としての役割を果たし、将来の有望企業の発掘と育成に努めていくとしている。また、スパークスは、次世代の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓していきたいと考えているとしている。なお、今後3社で、出資規模・その他の出資者・投資対象などの詳細な検討を進め、2015年秋ごろのファンド設立を目指していく予定としている。
2015年07月23日トヨタ自動車(トヨタ)と日野自動車(日野)は7月21日、東京都において燃料電池バス(FCバス)の実証実験を7月24日から30日にかけて実施すると発表した。実験では、非常時を想定した外部電源供給システムの公開給電実証を7月25日に東京都環境科学研究所で、公共交通としての実用性を確認する走行実証を7月24日、27日~30日に東京都心部および臨海地域で実施する。実験で使用するFCバスは、日野のハイブリッド ノンステップバスをベースに、トヨタが燃料電池車「MIRAI」向けに開発した「トヨタフューエルセルシステム」を搭載したもの。出力を高めるためにFCスタックおよびモーターを2個搭載しているほか、高圧水素タンクを8本搭載し、バス用に最適な設計となっているという。
2015年07月21日トヨタマーケティングジャパンは17日、2013年に発売した「シャア専用オーリス」の2代目となる「シャア専用オーリスII コンセプト」を開発し、18日から六本木ヒルズで開かれる『機動戦士ガンダム展』の会場において一般公開すると発表した。シャア専用オーリスII コンセプトは、2015年4月に発売された新型「オーリス」をベースに開発したモデル。新開発1.2L直噴ターボエンジンの搭載車をベースに、新デザインのシャア専用エアロパーツやマフラーや、シャア専用スポーツシートを装備するなど、内外装のカスタマイズが行われている。市販化については検討を進めているが、現時点では未定。シャア専用オーリスII コンセプト展示は、7月18日~20日開催の『機動戦士ガンダム展』(六本木ヒルズ52階 森アーツギャラリー)で行われるほか、東京臨海副都心の「メガウェブ」では7月21日~8月中旬の期間に常設展示、幕張メッセで8月22日~23日に開催される『キャラホビ2015』にも展示される予定。なお、「メガウェブ」と『キャラホビ2015』では、「量産ザクモデル コンセプト」の展示も予定されている。また、同車の登場にあわせて「ジオニックトヨタ」の活動再開も発表された。「ジオニックトヨタ」とは、2013年にトヨタ自動車と、機動戦士ガンダムに登場する"ジオン公国を代表する重機メーカーのジオニック社"が技術提携を行い設立したヴァーチャルカンパニー。ジオニックトヨタWebサイトのリニュアルオープンも行われ、17日から新規社員の募集が開始されている。今後、同Webサイトをベースに、市販モデルへの反映を目指した外装デザインの募集や、コンセプトカーの試乗会への参加募集などを行っていく。
2015年07月18日トヨタがスウェーデンで放送開始したラジオCMを称賛するツイートが、Twitter上に世界中から寄せられている。同ラジオCMは、運転中のiPhone操作の防止を目的としたもので、放送されるとiPhoneの通信機能が制限される仕組みになっている。同ラジオCMでは、iPhoneの音声認識機能「Siri」を利用。ラジオから「Hey Siri. Please turn airplane mode on.(Siri、機内モードをオンにして)」と流れ、車内のiPhoneが機内モードに設定される。これにより、iPhoneの通信機能が遮断され、メールなどの操作ができなくなってしまう。運転中のiPhone操作の防止を目的としており、スウェーデンでは、朝と夕のラッシュ時に放送されている。Twitter上では、このCMに対し「面白い」「アイデアが最高」「素晴らしい」「事故防止につながる」「効果が出るといいなあ」など世界中から、称賛するツイートが寄せられている。日本国内での放送についてトヨタマーケティングジャパンに問い合わせたところ「日本国内での放送は予定していない」とのことだった。
2015年07月14日トヨタ自動車(トヨタ)、日産自動車(日産)、本田技研工業(ホンダ)は7月1日、水素ステーションの整備促進に向けた支援策を発表した。3社は今年2月に水素ステーションの整備促進に向けて支援策を共同で推進することに合意しており今回の発表はそれを踏まえたものとなる。具体的には、3社は政府による水素ステーションの運営支援と協調し、水素供給ビジネスへの参入を決めたインフラ事業者に対して、水素ステーションの運営経費の一部を支援するとともに、同取り組みの周知を図り新規参入を促していくとしている。運営費の支援は水素供給・利用技術研究組合(HySUT)への資金拠出を通じて行われ、支援割合は1/3かつ1基あたり年間1100万円を上限に、同日より2015年度分の申請を受け付ける。さらに3社は、水素ステーションに関するニーズやステーション稼働履歴といった情報の活用や、水素ステーションの利便性の向上、燃料電池自動車や水素に対する理解促進および認知度の向上についてインフラ事業者と共同で取り組んでいくとしている。
2015年07月01日トヨタ自動車は6月25日、「もっといいクルマづくり」とそれを支える「人づくり」の一環として、トヨタの従業員が北米の道を走破するプロジェクトをスタートさせたことを発表した。同プロジェクトは、北米事業体の車両開発メンバーを含む140名のトヨタ従業員が、6月24日から約半年間にわたり、北米大陸の厳しい道を走行するもの。今年は酷暑地(デスバレー)や冬には極寒地(アラスカ、カナダ)など、昨年とは表情の異なる道を走行し、従業員のさらなる「いいクルマづくり」のための感性磨きにつなげる。同社は、昨秋にも「豪州走破プロジェクト」を実施。砂漠や悪路が続く過酷な道のり約2万kmを参加した従業員41名がステアリングを握り、テストコースでは得ることのできない"クルマづくりに生きるヒントの数々"を現地の道から学んだという。ルートとして、夏季はテキサス州をスタートし、東海岸からカナダ、メキシコを経由し米国を横断、冬季はカナダとアラスカでの寒冷地を走行する。走破車両は基本的に北米生産車(タンドラ、ハイランダー、カムリ)やプリウスなど9台を利用し、道の状況に応じてMIRAIなども予定。
2015年06月26日北米トヨタはこのほど、米国テキサス州プレイノに建設予定の北米新本社キャンパスの完成予想図を公表した。トヨタは、各部署の連携を一層深めて「もっといいクルマ」をより迅速に提供すべく、北米本社機能の集約・移転を進めており、2015年1月に建設予定地で起工式を行うなど、「北米ワントヨタ」実現に向けた準備を行っている。新キャンパスでは、7つのオフィス棟に囲まれた中心地に、「Central Plaza」を建設。Centralとの文字通り、コミュニケーションの中心となるべく、カフェテリアやジムのほか、従業員同士の交流に使えるスペースなどを配置した。また、自然を活用した環境に優しい特長を多く備えており、建物外壁をガラス張りとして自然光を最大限活用する一方で、南側に張り出した屋根が日差しを適切なレベルに抑えるよう設計。建屋や駐車場には太陽光パネルを設置し、敷地内には乾燥に強い地元産の樹木を用いてテキサス州中北部らしい緑化を施した。さらに、新本社で使用する水を確保、貯蔵するための灌漑設備を用いており、水を大切に使うキャンパスを目指しているとのこと。
2015年06月25日トヨタ自動車(トヨタ)は6月17日、ランドクルーザープラドを一部改良し、同日より販売を開始した。今回の一部改良では、新開発の2.8Lクリーンディーゼルエンジン「1GD-FTV」を国内で初めて搭載した。次世代高断熱ディーゼル燃焼やコンパクトで高効率のターボチャージャーを併用することで、低回転でも高トルクを発揮できる動力性能を備えるとともに、低燃費・低排出ガスを実現し、JC08モード走行燃費111.8km/Lを達成した。さらに、新開発の尿素SCRシステムなどの採用により、NOxを大幅に低減。これにより、排出ガス規制の基準「ポスト新長期規制」に適応したクリーンディーゼル車として「エコカー減税」の対象となるほか、「CEV補助金」制度を利用した場合、最大約24万円が給付される。また、2.7Lガソリン車はトランスミッションを6速オートマチックに多段化するとともに、エンジンを改良し燃費を向上させることに成功した。このほかでは、従来型で好評のLEDヘッドランプをディーゼル車に標準装備するとともに、外板色には新色のレッドマイカメタリックを含む全10色が用意された。価格は2.7Lガソリン車が334万9963円~、2.8Lディーゼル車が396万4582円~となっている。
2015年06月17日トヨタ自動車は6月3日、米国フォード・モーターと、フォードの子会社であるリビオと、フォードの「スマートデバイスリンク」(SDL)を今後、トヨタ・レクサス車両に導入するための検討に入ることで合意したと発表した。SDLは、スマートフォンアプリを車載システム上で利用できるようにするためのオープンソース・プラットフォーム。SDLにより、スマートフォンとクルマがつながり、利用者は音声認識機能や車載の操作パネル・ディスプレイを通じて、車内でもスマートフォンのアプリを操作し、エンターテイメントや道路情報などを利用可能になる。スマートフォン・アプリの開発者はSDLを用いることで、複数の車載システム上で動作可能なアプリを一度に開発することができる。トヨタとフォードは2011年8月、より安全・安心で、利便性の高い次世代車載テレマティクスの標準化に関する協業に合意しており、今回の合意はその協業を一歩進めるものとなる。
2015年06月04日トヨタ自動車(トヨタ)は6月3日、フォード・モーター・カンパニー(フォード)と、フォードの子会社リビオと、同社の「スマートデバイスリンク(SDL)」をトヨタのレクサスに導入するための検討に入ることで合意したと発表した。トヨタとフォードは2011年8月に次世代車載テレマティクスの標準化に関する協業に合意しており、今回の合意はそれを前進させるものとなる。SDLはスマートフォンアプリを車載システム上で利用できるようにするためのオープンソースプラットフォーム。音声認識機能や車載の操作パネルで、車内でもスマートフォンアプリを操作し、エンターテイメントや道路情報などを利用することができるようになる。また、SDLを採用することで、スマートフォンアプリ開発者が、複数の車載システム上で動作可能なアプリを一度に開発できるため、より多くの消費者に向けアプリを提供することが可能となるなどのメリットもある。トヨタは「私たちは、車載用のスマートフォンアプリ市場が急速に成長する中、高性能で使いやすい『つながる』サービスを通じ、安全に配慮しつつクルマの『楽しさ』をお客様にご提供すべく、新技術に日々取り組んでいる。SDLに携わるフォードやリビオ社などとその思いを共有できていると確信している」とコメントしている。
2015年06月03日トヨタ自動車(トヨタ)は5月18日、ファインセラミックスセンター(JFCC)と共同で、燃料電池(FC)の触媒として用いられる「白金」の劣化をリアルタイムで観察できる手法を開発したと発表した。白金は、希少資源であるため高価であるとともに、発電に伴い「白金微粒子」が粗大化し、性能が低下することが知られている。触媒としての性能を維持するためには、「白金微粒子」が粗大化するメカニズムを解明する必要があるが、これまでの観察手法では、数nmレベルの「白金微粒子」がセル内で実際に作動している状態で確認できない、という技術的な課題があった。これに対し研究グループは、原子レベル(0.1nm)の物質の観察や分析ができる「透過型電子顕微鏡」を用いて、FCスタックのセル内で実際に化学反応が生じる環境・条件と同一の状態を模擬できる、観察用サンプルを作ることに成功。この観察用サンプルを「透過型電子顕微鏡」の中に組み込んだ状態で白金微粒子に電圧をかけることができる装置を開発した。これにより、FCが発電している時と同じ、化学反応を起こした状態で白金微粒子が粗大化していく環境を透過型電子顕微鏡の中で実現でき、粗大化のプロセスをリアルタイムで観察することが可能となった。同手法により、粗大化の要因として、白金微粒子の土台となるカーボン上で粗大化に至る挙動を引き起こす箇所やその時の電圧、さらには、土台の材料の種類によるそれらの違いなどが明らかになり、劣化のメカニズムを解析し、FCに不可欠な触媒である白金の性能・耐久性向上のための研究の推進に貢献することが期待される。
2015年05月19日トヨタは5月7日、パーソナルモビリティ「TOYOTAi-ROAD」の本格的な実用化に向け、駐車・充電時の利便性の向上や「i-ROAD」の魅力を高めるパーツのカスタマイズなどにおいて、特有の知見や技術を持つ企業および一般の生活者と共同で取り組む新たな施策を7月より約1年間東京都内で実施すると発表した。具体的には、「i-ROAD」の特長であるバイクに近いコンパクトなボディサイズを生かし、スペース時間貸しを営む企業や都心にある商業施設を運営する企業とともに、狭小スペースや空きスペースの発掘を行い、「i-ROAD」専用の駐車スポットとして運用する。また、一般家庭用100Vでも普通充電できるため、同駐車スポットで利用できる電源供給コンセント口の発掘を併せて行い、その一部を充電可能な場所として運用する。さらに、パーツのカスタマイズでは、パーソナルモビリティとしてより自分らしい「i-ROAD」を楽しめるように、3Dプリンタを活用して利用者がボディパーツの一部を好みの色や表面加工等を施したパーツに交換可能とする。今回、「i-ROAD」10台を合計100名に1カ月程度貸し出し評価をもらう。モニターの応募受け付けは、特設Webサイト「OPENROADPROJECT」で開始されており、「i-ROAD」の日常的な利用ニーズなどを確認のうえ、順次選考する。
2015年05月08日全日本空輸(以下、ANA)とトヨタ紡織は4月21日都内で記者会見を開き、両社が共同開発した新航空機シートを発表した。シートは国内線普通席のシートで、6月より導入し、2016年度までにB767-300型機6機(席数合計1,560席)に装着する予定となっている。○トヨタ紡織初のシートは計1,560席今回、トヨタ紡織としては初めての航空機シート開発・製造となる。同社はコンパクトカーから高級車、スポーツカーまで、年間約700万台分のシートをトヨタ自動車をはじめとするカーメーカーに提供。近年は鉄道車両用シートも開発・製造しており、同社のシートは3月14日に全線開通した北陸新幹線の新型車両E7系・W7系のグランクラスにも搭載されている。共同開発するにあたり、ANAはエアラインとしてのノウハウ・ニーズを提供し、トヨタ紡織は長年にわたる自動車用シート開発を通して培ってきたデータと高品質のモノづくりを活用。構想・製造、国土交通省からの認可取得に至るまで3年をかけ、「お客様の心に残るひとときを」をコンセプトにしたシートが誕生した。新シートの仕様は、座席幅17.5インチ、座席間隔(ピッチ)31インチ、配列2-3-2。B767-300型機(普通席260席仕様)に装着し、合計6機(計1,560席)を予定している。ANAの国内線に関しては、2012年にB777、B787の薄型軽量シートを導入。今回はB767-300の普通席を刷新することで、国内航空の旅のさらなる快適さを追求していくという。なお、今回の新シートは5,6年の使用を予定している。○どんな体格の人もリラックスできるようにANAが2014年上期に利用者へ実施したアンケートでは、改善を要望する項目として約1/4以上の人が座席を指摘していたという。ANAの狙いとしては、快適性の向上とともに効率的な運航を実現するために、座席数を確保しながら1席の空間を広げる工夫と軽量化による燃油費負担軽減を目指していた。こうしたANAからの要望に対し、トヨタ紡織は改良の着眼点として「腰(骨盤)の安定」「座面の圧力分布の均一化」「自然なアームレストやテーブルの位置」という3点を設定。特に腰を安定させるために「体幹」を意識し、開発においても一番こだわったのがこの体幹だったという。腰をしっかり支持することで、腰周りの筋肉の疲労を抑え、結果、よりリラックスできる座り心地になるという。小柄な女性から大柄な男性も心地よくフィットするシートを追求し、身体にかかる圧力をバランスよく分散するように、背もたれや座面の形状、高さ、長さ、角度、構造を設計。特に背もたれは身体に負荷がかからないように立体形状にアルミをプレスして作成し、座面は固いウレタンと柔らかいウレタンを組み合わせた立体構造にするなどの工夫が施されている。また、座った際に見える前の座席の背面にもこだわり、目の高さにファブリックを配置するほか、丸みを帯びた形状にすることで圧迫感を低減させるという。使いやすさへのこだわりとして、身体に合ったテーブルの高さや、自然に肘が支えられるアームレストの高さなど、小柄な人から大柄な人まで誰もが心地よいと感じる位置やカタチを検証して設定した。会場には女子スキージャンプ 高梨沙羅選手が登場し、完成したばかりのシートを体験した。身長152cmの高梨選手は、「足がちゃんとついていることに感動しました。(今までのシートだと)足が短いので膝や腰に負担がかかっていたけれど、これならずっと座っていられそう」とその座り心地を評価していた。○"Made in Japan"のメリット現状、航空機シートは海外のシートメーカーが市場を占めている。その中で国内メーカーを採用するメリットとしてANA商品戦略部長 岡功士氏は、距離的な近さと日本語で話ができるという「意思疎通の早さ」のメリット、さらに、整備部品の調達コストも含めた「コストの削減」という長期的なメリットをあげた。またANA代表取締役社長 篠辺修氏も、「航空産業に関してシートについては海外メーカーが強いものの、日本においてもこれだけ自動車産業でシートを作っている有力なメーカーがある。だから、航空機シートだってあってもおかしくないだろうという気持ちは常にあった」とコメントしており、今回のシート開発が業界そのもののきっかけになることにも期待しているという。トヨタ紡織としては今回が初めての航空機シートであるが、今後については未定と言う。トヨタ紡織代表取締役社長 豊田周平氏も、「シートをやれるところはやっていきたい。ただ、どの業界のシートをやるべきなのかはしっかり見定めていかなければいけない。"Made in Japan"のシートとして今度も全日本空輸に買ってもらえるものを提案できるかどうかというのが、大切なファクターである」とコメントしている。
2015年04月21日