『ジャングル・ブック』の物語はアニメーション映画などでご存じの方も多いはず。この舞台はその原作となる児童小説の作者であり、ノーベル文学賞を受賞したイギリス人作家、ラドヤード・キプリングの一編の詩『My Boy Jack』から創作された家族の物語だ。第一次世界大戦を背景に、国家のためと固い信念のもとに息子を戦地に送り出した父ラドヤード、まだ幼い息子を危険な目にあわせたくない母キャリー、父親の期待を背負って軍人となる息子ジャック、そして弟ジャックの決断に心を痛める姉エルシー。演出の上村聡史は、家族愛のもとに引き出される衝突、怒り、悲しみ、悔恨といった激情を緻密にすくい上げ、深い余韻をもたらす上質の会話劇に仕立て上げた。「My Boy Jack」チケット情報父の力によって入隊を果たし、戦線へと送られるジャック。不安に苛まれながら彼の帰還を待つキャリーとエルシー、そしてラドヤードは、突撃命令が下った後のジャックの消息を追い求めていく。何より感銘を受けたのは、劇世界への集中を途切らせない俳優陣の確かな表現力だ。ラドヤード役の眞島秀和は、紳士的でソフトな物腰に作家らしき品性が漂い、自己中心的で横暴な振る舞いにも、時代に操られた虚しさが滲む。ジャックやエルシーとなにげない会話を交わすシーンは微笑ましさと物悲しさが交錯し、不器用な愛情があたたかくも切ない。倉科カナは、持ち前の瑞々しいイメージから“息子を戦地に送る母親”役は課題が大きいかと思いきや、ドレス姿のたおやかさ、艶のある低音の声が非常に魅力的で、仕草の端々から母の無償の愛と嘆きが立ちのぼる。二幕、夫へ向けて抑え続けた感情がほとばしるシーンでの、キャリーの悲壮な叫びに心震わされた。前田旺志郎は、家族思いの心優しい息子と、過酷な戦場で必死に指揮をとる上官、それぞれのジャックをひたむきに体現。少年のあどけなさが印象に残るがゆえに、キプリング家の人々に共鳴し、彼の消息を胸を締め付けられる思いで追ってしまう。エルシー役の夏子は、その立ち姿の美しさと明瞭かつ涼やかな声が、深い悲しみの展開において救いの光になっていた。父親を問い詰める真っ直ぐな正義感、家族を勇気づける朗らかな振る舞いが健気で愛おしい。家族4人の見事なコンビネーションのみならず、佐川和正、土屋佑壱、小林大介の巧者三人の表現にも感嘆。それぞれが兵士ほか二役を担い、卓越した技量でドラマを盛り立てる。特に二幕、兵士役の佐川がジャックの消息を語るシーンでは、その圧巻の演技を客席中が息を詰めて見守っていた。ジャックがこぼした「本当の自分になりたい」の一言が胸に重く響く。時代や国、著名作家の逸話といった枠を取っ払い、シンプルに湧き上がるのは戦争という理不尽への怒りと、家族を思う気持ちの尊さだ。さまざまな思考を促す佳品、その豊かな余韻をぜひ多くの人に体感してもらいたい。同時に、その素晴らしさを届けてくれる表現者たちの“生の力”に圧倒されてほしい。文:上野紀子
2023年10月26日故ジャニー喜多川元社長が、菊田一夫演劇賞特別賞を取り消されたことが18日、明らかになった。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。2003年4月4日に第28回(2002年度)菊田一夫演劇賞の選考結果を発表し、永年のショービジネスに対する多大な情熱と功績を讃え、故ジャニー喜多川氏に対して菊田一夫演劇賞特別賞が贈られていた。この度、一般社団法人映画演劇文化協会は、故ジャニー喜多川氏による性加害の実態が明らかとなったことから「菊田一夫演劇賞における顕彰に相応しくないとの判断に至りました」と発表。贈賞を取り消すとともに、協会のホームページ、菊田一夫演劇賞の授賞記録からも削除した。
2023年10月18日多くの作品が親しみのある現代語に訳され、初心者でも読みやすくなっている古典文学。その魅力や楽しみ方について、古典文学愛好家である、書評家・三宅香帆さんと翻訳家・イザベラ・ディオニシオさんが語ります。最初にハマる古典はやっぱり『源氏物語』。三宅香帆(以下、三宅):私が古典に興味を持つきっかけとなったのは、実は氷室冴子先生の『なんて素敵にジャパネスク』という少女小説なんです。イザベラ・ディオニシオ(以下、イザベラ):ライトノベルズや漫画は入り口にぴったりですよね!三宅:平安時代が舞台の話ですごく面白かったんですが、未完で終わってしまって。その続きが読みたすぎて、あとがきに元ネタになっていると書かれていた『大鏡』や『源氏物語』に手を出して。大学では国文学を勉強して、がっつりと読むようになりました。イザベラ:私は子供の頃からギリシャ神話に興味があって、それをテーマにした児童書を読んでいたんです。でも、だんだん原文で読みたくなって。高校はクラシック系の学校に入り、ラテン語や古代ギリシャ語を中心に勉強しました。三宅:え~、すごい!イザベラ:イタリアの高校は、日本の専門学校に近い感じなんです。それで古典作品をいろいろ読み漁って、古代ギリシャやローマの日常生活とか恋愛事情を知りました。三宅:それで、なぜ日本の古典に興味を持ったんですか?イザベラ:大学に入る時に、軽い気持ちで日本文学の講義をとったんですよね(笑)。でも、歴史から学んでいくうちに、どんどん古典文学にハマっていって。最初に読んだのは『源氏物語』でした。『源氏物語』は女性キャラが魅力的。三宅:やっぱり、日本最古の恋愛ロマンスですもんね!イザベラ:のめり込みましたね。登場人物を知り合いに例えたりして、友達と楽しんでいました。三宅:『源氏物語』は盛り上がりますよね!私も大学生の時に、ドラマ化するならこの役はあの俳優さんがいいとか、勝手に配役を妄想してました(笑)。イザベラ:主人公の光源氏よりも、女性キャラクターの方が個性的だし、断然、色鮮やか。だから、想像力を掻き立てられるんですよね。三宅:『源氏物語』って読む時の年齢によって感情移入するキャラが替わりませんか?最初は自分がまだ子供だったということもあって、雲居の雁がかわいくて好きだったんですが、大人になった今は朧月夜のような主体的な女性に惹かれる。嫉妬深くて、生き霊を飛ばす六条御息所も、最初はただただ怖い!って思ったけれど、嫉妬しちゃいけないと思うからこそ、生き霊になってしまった気持ちも今なら少しはわかる。イザベラ:確かに。「自分は身分も教養も容姿も申し分ないはずなのに、なぜ私じゃなくてあの子を選ぶわけ?なんで振り向いてくれないの?」って思ってしまうとか…ね。怨念で死に追いやってしまうのはどうかと思いますが(笑)。三宅:そんな簡単なものじゃないんですよね、恋愛は(笑)。イザベラ:恋愛はケミストリーだから、いくら高スペックな女性でも、必ずしも恋が上手くいくとは限らない。作者の紫式部は当時からそういうことをわかったうえで、確信的に書いていたんですよね。三宅:最愛の妻とは子供ができず、若い愛人にサクッとできてしまう話もすごいなぁと思いました。現代の話だと言ってもまったく違和感ないし、なかなか深いですよね。読み比べも楽しい。人気作家が手がける『源氏物語』『源氏物語』1角田光代 訳2017年に満を持して出版された、最も新しい角田訳。原文に忠実ながらも非常に読みやすく、昔も今もつながる感情を重視し、小説としての面白さが存分に堪能できる。この秋、待望の文庫化。10/6発売。¥880/河出文庫『全訳 源氏物語 新装版』1与謝野晶子 訳少女の頃から『源氏物語』を愛読してきた与謝野晶子が晩年に書いた54帖全訳の決定版。与謝野版の出版により、一般にも広く普及されるようになった。その現代語訳は格調高い筆致が特徴。¥836/角川文庫『潤一郎訳 源氏物語』1谷崎潤一郎 訳文豪・谷崎潤一郎による現代語訳は、京都の女語りを意識した流麗な雅文体。原文の雰囲気を生かして、継ぎ目のない長文で主語も入らないため、初めて『源氏物語』を読んでみようと思う読者にはやや難しい。¥1,100/中公文庫『新源氏物語』上田辺聖子 著もともと『週刊朝日』に連載されていたもので、男性にもわかりやすい物語を目指して、原書を大幅にリライト。田辺の創作が少し加えられているうえ、会話を多用しているので現代小説のように読める。¥990/新潮文庫(写真・左)三宅香帆さん書評家。1994年生まれ、高知県出身。京都大学大学院修士課程修了。著書に『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』ほか多数。いつか『更科日記』を現代語訳することが夢。(写真・右)イザベラ・ディオニシオさん翻訳者、エッセイスト。イタリア出身。大学時代より日本文学に親しみ、2005年に来日。著書に『平安女子は、みんな必死で恋してた』『女を書けない文豪(オトコ)たち』『悩んでもがいて、作家になった彼女たち』。趣味はごろごろしながら本を読むこと。※『anan』2023年10月11日号より。写真・福森クニヒロ黒川ひろみ取材、文・野尻和代(by anan編集部)
2023年10月09日羊文学の横浜アリーナ単独ライブ「羊文学 LIVE 2024 “III”」が、2024年4月21日(日)に開催される。羊文学の横浜アリーナライブ「羊文学 LIVE 2024 “III”」新曲「more than words」がTVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」のエンディングテーマに採用、同曲を含む12曲を収録した新作アルバム『12 hugs(like butterflies)』のリリースを12月に控えるなど、今さらなる注目を集めている羊文学。アルバムのリリースと共に開催が発表された今回のライブは、バンドのキャリア史上最大規模となる初のアリーナ公演。チケットは10月3日(火)より、オフィシャル一般先行1次とファンクラブ先行の受付がスタートする。開催概要羊文学 横浜アリーナ単独ライブ「羊文学 LIVE 2024 “III”」開催日:2024年4月21日(日)会場:横浜アリーナ時間:開場 17:00 / 開演 18:00全席指定:前売 7,800円<チケット>・オフィシャル一般先行1次受付日程:10月3日(火) 21:00〜10月22日(日) 23:59チケット受付:チケットぴあ・ファンクラブ先行受付日程:10月3日(火) 21:00〜10月22日(日) 23:59【問い合わせ先】スマッシュTEL:03-3444-6751ホットスタッフTEL:050-5211-6077
2023年10月07日「猫」を取り巻く純文学。文:八木奈々写真:後藤祐樹「猫」。さっきまでのんびり寝ていたかと思えば、風で動いたカーテンや突然訪れた虫たちに大歓迎とばかりに飛びつき戯れる、そんな自由気ままに生きるその姿はどこまでも愛おしく、どこか羨ましく、その前では多くの人が無条件に笑顔になってしまいます。そう、もしかしたら疲れた私達人間に癒しを届けるためにやってきた魔法使いなのかもしれません。写真はイメージです。そんな猫たちに魅了されるのは、日々文章を紡ぐ作家さんたちも同じです。その証拠にあらゆるジャンルの本に“猫”はその姿や立場を変えて自由な形で登場しています。今回はそんな“猫”の魅力を再確認できる、猫好きさんの心を掴んで離さない癒しの“猫”作品をご紹介させていただきます。1.奥泉光『「吾輩は猫である」殺人事件』題名の通り、かの有名な「吾輩は猫である」の“あの猫”が生きていたという設定に始まる本作品。夏目漱石を彷彿とさせる文体で続編小説のように楽しめます。親しみのある登場人物達が思わぬ陰の一面を持っているなんて考えも及ばず、“腑に落ちないまま”惹きこまれていきます。冒頭のあの一文がこんな展開に繋がっているなんて、そして、ちゃんと収拾がつくなんて……。正直読むのにはかなり時間がかかってしまったのですが、不思議なもので、読み終え振り返ってみると、これは物凄く面白いかもしれない……と思わされました。ぜひ、『吾輩は猫である』を読んだあとに続けてこの作品に触れてみてください。きっとあなたも私と同様、どこまでが漱石で、どこからが奥泉光か分からなくなるでしょう。2.越谷オサム『陽だまりの彼女』10年ぶりに中学時代の幼馴染と偶然出会い……というどこにでもありそうな真っ直ぐな恋愛小説。切なくて残酷だけれど、明るくて甘く、胸焼けするほどベタ甘な恋愛描写が続くため、つい飛ばし読みしてしまいそうになりますが、どうか一文字も逃さずに読み進めてみてください。驚愕とも、呆気ないともとれる物語の結末と、後に気づく構成力に、見事なまでに振り回されます。正直、好き嫌いが大きく分かれる作品かもしれません。私も学生時代に初めて読んだときは感情移入できず本を閉じてしまいましたが、今、時を経て、ふと大切な人を思い出すようにこの本に会いたくなるときがあります。なんとなく、ただ会いたい人に会いに行くように。読後は、あなたの大切な人が、ひとり増えるかもしれません。3.小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』少年がチェスと猫に出会い、たくさんの人と心を繋げていく、静謐で美しくどこまでも慈愛に満ちた本作品。登場人物の会話シーンは少なく、私達読み手の五感、はたまた六感にまでも訴えかけてきます。沢山の因果が折り重なって進んでいくストーリーは、チェスを知らない私でも、芸術的なチェスマッチのように感じられました。そして、チェスの盤、ビルの屋上、回送バスの中……物語の中の景色一つひとつは“自分が収まっている限られた場所”を儚く美しく意識させてきます。読後、この物語を素直に“うつくしい”と思えたとき、私は涙が出てきました。ぜひあなたも耳を澄ませ、息をひそめ、小川洋子の世界に深く沈んでみてください。■純文学であなたの世界を広げてみませんか娯楽性よりも芸術性に重きを置いているとされる“純文学”ですが、実は読み手に優しい物語も多く、その世界にどっぷりと浸からせてくれます。ぜひ、猫をはじめ、好きなものを通して普段は読まないジャンルにも手を伸ばしてみてください。あなたの見ている世界が広がりますように。■「TheBookNook」についてこの連載は、書評でもあり、“作者”とその周辺についてお話をする隔週の連載となります。書店とも図書館とも違う、ただの本好きの素人目線でお届けする今連載。「あまり本は買わない」「最近本はご無沙汰だなあ」という人にこそぜひ覗いていただきたいと私は考えています。一冊の本から始まる「新しい物語」。「TheBookNook」は“本と人との出会いの場”であり、そんな空間と時間を提供する連載でありたいと思っています。次回からはさらに多くの本を深く紹介していきますのでお楽しみに。↓ 八木奈々さんご紹介作品の購入はこちらから ↓↓ 猫のいる暮らし、おすすめグッズ ↓「ユカイ工学 Qoobo(クーボ)しっぽ ふりふり ロボットセラピークッション」しっぽのついたクッション型セラピーロボット。撫でると、まるで猫のようにしっぽを振って応えてくれます。「パーフェクトペット ぬいぐるみ 猫」お腹のあたりがまるで息をしているかのようにほのかに動くぬいぐるみ。みているだけで癒されそうです。「YETI Rambler マグ」大容量のマグカップ。好みの飲み物をたっぷり用意して、香りにも癒されつつリラックスしたひとときを。
2023年10月06日戦地に息子を送り出した一家の苦悩を描く舞台「My Boy Jack」が10月7日(土)に開幕する。9月下旬に行なわれた稽古の模様を取材した。ノーベル文学賞受賞作家で、「ジャングル・ブック」の作者としても知られ、第一次世界大戦で息子を戦地で亡くしているラドヤード・キプリング。彼の手による同名の詩を戯曲化した本作。上村聡史が演出を務め、眞島秀和が一家の長・ラドヤードを演じ、その妻・キャリーを倉科カナ、戦地へと赴く長男・ジョンを前田旺志郎、そして、姉のエルシーを夏子が演じる。この日は、通し稽古が行われ、前半の第1幕を見学した。物語は、まもなく16歳になるジョンと父親のラドヤードが陸軍の入隊面接に行く準備をするところから始まる。メガネなしでは数メートル先の視界もおぼつかないジョンだが、父はそんなことお構いなしに息子を鼓舞する。陸軍の面接では、やはり近視を理由に断られるが、最終的にラドヤードは著名な作家としての人脈を駆使し、息子を軍へとねじ込み、その後、ジョンはドイツとの戦いの最前線に送られることになる…。息子が従軍し国家に奉仕することを「チャンス」と口にするラドヤード。知性と威厳にあふれる一家の長を眞島が力強く演じる。早い段階からドイツの侵攻を予知する慧眼と共に、家族への愛や優しさも持ち合わせているが、その高い知性が第一に向けられるのはあくまで“国家”。現代に生きる我々は、その後の歴史や彼の息子の運命を知っているがゆえに、ラドヤードの勇ましい言葉に愚かさや虚しさを覚えるが、一方でこうした歴史の教訓を社会全体で共有する100年後の世界に生きながら、いまなお戦争を止める術を持たない我々に、彼の振る舞いを嗤い、責める資格などあるのか。前田は、国家への忠誠や奉仕などではなく、ただ権威主義的な父親の束縛から逃れるために入隊を志願する10代の若者の苦悩や恐怖を繊細に演じており「家じゅうを探しても、気持ちよく座れるイスが1個もないんだ」「僕はただ、本当の自分になりたいだけ」という言葉が胸に迫るが、彼の不幸は“自分探し”のための父からの逃避先が、最前線の塹壕という地獄だったこと。倉科、夏子の言葉や佇まいからは、ジョンが「国家のため」という大義の下、戦地に送られることへの不安や怒り、そして無力感がひしひしと伝わってくる。戦争という過酷な現実、暴力を前にした一家はどのように変容していくのか――。「My Boy Jack」は10月7日(土)より紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAほか全国3都市で上演。取材・文:黒豆直樹
2023年10月04日積水ハウス株式会社は、本日発表の「第17回キッズデザイン賞」において3作品がそれぞれこども政策担当大臣賞・キッズデザイン協議会会長賞・BEYOND COVID-19特別賞を受賞しました。キッズデザイン賞は、キッズデザイン協議会主催の子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象とする顕彰制度で、大人が使うものでも子どもに配慮されたものやサービスはすべて対象とし、普及を後押しすることで子どもを産み育てやすい社会づくりを目指しています。キッズデザイン賞受賞作品258点の中から、優秀作品へノミネートされた37作品が最優秀賞、優秀賞、奨励賞、特別賞として選出され、当社は『「一つ屋根の下で一緒に過ごす!」フジ虎ノ門こどもセンター』がこども政策担当大臣賞に、『~子育て世代へ LIFE IDEASを盛り込んだ住まい提案~ 積水ハウス ノイエ』がキッズデザイン協議会会長賞に、そして『分譲マンションにおける子育て支援サービスの提案』がBEYOND COVID-19特別賞に選出されました。キッズ・ファースト企業である積水ハウスは、2007 年の設立第1回から17年連続、累計116作品を受賞しています。受賞作品表1: 積水ハウスは“「わが家」を世界一幸せな場所にする“というグローバルビジョンのもと、子どもたちや高齢者を含む誰もが安全で使いやすい「スマート ユニバーサルデザイン」の推進など、子どもや子育てに関わる社会課題解決に取り組み、人生100年時代における「幸せ住まい」を追求し続けてまいります。キッズデザイン賞 公式サイト: キッズデザイン協議会HP: 受賞作品詳細■優秀賞 こども政策担当大臣賞:「一つ屋根の下で一緒に過ごす!」フジ虎ノ門こどもセンター受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門 地域・社会部門【作品説明】:一つ屋根の下で、ケアの必要な健常児とチャレンジドが一緒に過ごすこどもセンターを医療法人が運営。こどもたちが安心して学び生きるためのコミュニケーションを実践しています。小児難病や発達障がい、不登校児を支援、放課後児童クラブを併設、保護者様の子育て不安解消等、”すべてはこども達のために”をテーマに、地域の持続可能な暮らしを支える場を目指します。公式サイト: 【受賞理由】:「未就学から高校生まで、多様な立場の多世代交流を促す空間とプログラムが相互の学びの場になる。インクルーシブデザインが意味する、多様な存在を認め合い、交流と気づきを得るという考え方はキッズデザインでも非常に重要な視点であり、本賞にふさわしい内容である。」■奨励賞 キッズデザイン協議会会長賞:~子育て世代へ LIFE IDEASを盛り込んだ住まい提案~ 積水ハウス ノイエ受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門 個人・家庭部門【作品説明】:共働きを中心とした子育て世代の家族に向け、積水ハウス ノイエでは、家事を効率化しつつ子どもと一緒に過ごす時間を楽しめるアイデアやデザインが盛り込まれた『パッケージプラン』を提案しています。吟味を重ねてつくり上げた理想のプランの中から最適な住まいを提案し、家族みんなが楽しく共に成長できる住まいを提供していきます。公式サイト: 【受賞理由】:「収納・家事・食事・育児の4つのテーマについてリサーチ、アンケートを実施し、データに基づいたプランをパッケージ化した子育て支援住宅の提案である。それぞれの間取りや設備、空間のアイデアは子育て層の悩みやニーズを丹念に拾い、解決策を提示したもので現実的だ。」■特別賞 BEYOND COVID-19特別賞:分譲マンションにおける子育て支援サービスの提案受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門【作品説明】:これまでの分譲マンションにはない子育て支援サービス(設備)を提案します。1.共用エントランスに自動水栓・ソープディスペンサを備えた手洗いを設置。2.住戸玄関ポーチにネットスーパー用受取りボックスを設置。住戸内ではなく共用部に設置することで居住者共通のメリットとなります。今後子育て支援サービスとしてシリーズ化が可能です。【受賞理由】:大規模分譲マンションでありながら共用部に手洗い場や宅配ボックスなどを備え、インフラに新たな提案を行った。コロナ禍を経て日常の衛生に関するリテラシーも変化した。分譲マンションも個別住戸の集合体からコミュニティとしての機能が必要である。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月20日「SF界のノーベル文学賞」といわれるヒューゴー賞の長編部門をアジア圏作品として初受賞した世界的大ベストセラー「三体」が映像化、超大作SFドラマをWOWOWで日本独占初放送・配信する。2007年、北京オリンピック開催間近の中国。ナノ素材(マテリアル)の研究者ワン・ミャオは、突然訪ねてきた警官シー・チアンによって正体不明の秘密会議に招集される。そこで世界各地で相次ぐ科学者の自殺、そして知り合いの女性物理学者の死を知らされたワン・ミャオ。一連の自殺の陰に潜む学術組織“科学境界(フロンティア)”への潜入を依頼された彼は、科学境界の“主”を探るべく、史強とともに異星が舞台のVRゲーム「三体」の世界に入るが、そこにはある秘密が…。SF超大作ドラマ「三体」は、2023年1月に中国の配信プラットフォーム“テンセントビデオ”で配信。配信開始1時間で話題性の高さを表わす“熱度指数”が同プラットフォーム史上最速で2万超えを記録し、“ホットランキング”でも30日連続でランキング1位を独占。さらに評価参加数が過去最高となる220万を突破し、記録的ヒットとなった作品。脚本執筆に4年、撮影に126日間、最新の映像技術を駆使して映像化不可能ともいわれた原作の世界観を忠実に再現した驚異的なクオリティーに、視聴者からは絶賛の声があがった。謎が謎を呼ぶ予想のつかないサスペンス展開と、人類に迫り来る巨大な危機に立ち向かう重厚な人間ドラマも見どころとなっている。SF超大作「三体」は10月7日(土)・8日(日)に第1~10話、11月に第11~20話、12月に第21~30話とWOWOWにて3か月連続放送・配信(第1話無料放送/期間限定無料配信)。(シネマカフェ編集部)
2023年08月17日「ジャングル・ブック」で知られるノーベル文学賞作家のラドヤード・キプリングが、第一次世界大戦中に書いた詩を名優デイヴィッド・ヘイグが戯曲化し、舞台化、さらに映像化もされた『My Boy Jack』が上村聡史の演出で上演される。一家の厳格な父であり、近視ゆえに軍に入隊できない息子を人脈を使ってねじ込むラドヤードを眞島秀和が演じる。健康な肉体を持つ者は戦地に行くべしという理想を掲げ、妻や姉の反対を振り切り、誇りを持って息子のジョン(ジャック)を戦地へと送り出すラドヤード。だが、西部戦線へと出征したジョンは戦地で消息不明となり…。ラドヤードについて眞島は「最初に台本を読んだ時は、相当な“堅物(かたぶつ)”という印象だったんですが、映画を観たら、愛国心があり、家の名誉も重んじるんだけど、父として息子への愛情を持っている人物であり、時代が彼にそうさせた部分があるのかなと感じました」と語る。ラドヤードが戦争中にしたためた『My Boy Jack』という詩は、声高に戦争が悪いと言うでもなく、「息子を返せ」と叫ぶでもなく、荒れ狂う時代の中で、なすすべもなくいる者のやり場のない憤りや嘆きがつづられる。劇中、息子が行方不明との報に接したラドヤードが「たとえ死んだとしても、それは最高の瞬間だったかもしれない。生き残るよりも良かったかもしれない」という意味のセリフを口にするシーンがある。いったい、どんな思いで彼はこの言葉を口にしたのか。「そう思うしかなかったということなのか…? 戦争の怖さってそういう部分にあるのかもしれません。戦地で殺し合いをする中で“名誉”というものが生まれてしまう怖さですよね。母親は、そんな父とは全く違う思いで息子を見ていますが、一家の長として、そうあらねばならない――そこに縛られているのかなと」当時の一家の主としてふるまうラドヤードのセリフからは、60代に近いような貫禄や重みが感じられるが、実際には戦時中は40代後半から50代であり、現在の眞島とさほど変わらない。現代とは異なる「あの時代の人間の密度の濃さ、骨太さを稽古を重ねていく中で身に着けたい」と語る眞島。一方で「もし、彼がもっと歳を重ねていたら、そこまで無理して戦地に息子を送らなかったんじゃないかとも思います」とも。苦悩と葛藤を内に抱えた父親像をどんな形で舞台上で表現してくれるのか楽しみだ。『My Boy Jack』は10月7日(土)より紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演。取材・文:黒豆直樹スタイリスト:増井芳江ヘアメイク:佐伯憂香
2023年08月07日これまで100冊以上の絵本を出版し、児童文学界のノーベル賞といわれるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞した絵本作家、荒井良二さん。現在では活躍の場を広げ、絵本にとどまらない表現の世界を自由に旅している。そんなアーティストとしての荒井さんが出力全開で臨む展覧会「new born荒井良二いつも しらないところへ たびするきぶんだった」が開幕する。「手のひらで読む絵本世界とはまた異なる世界へ誘ってくれるのではないでしょうか」と学芸員の中村貴絵さん。荒井さんはここ10年ほどの間に新しい活動期に入った。東日本大震災後は被災地をめぐるワークショップツアーを実施、2014~’18年には「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」の芸術監督を務めている。「それまでの表現媒体が絵本だったというだけで、もともと社会の観察者としての一面があったのだと思います。それがこうした活動をきっかけに開花し、アートを媒介に社会や地域、人、歴史とつながっていったのではないでしょうか」本展では代表作の絵本『あさになったのでまどをあけますよ』などの原画の展示に加え、新作絵画や立体作品など約300点を展示。山形ビエンナーレで発表された物語「山のヨーナ」のインスタレーションを再構成した作品や、大分県の公園に設置されたオブジェ《たいようをすいこむモン》のマケット(試作の模型)も登場。開幕前にワークショップの参加者と共に制作した作品も展示予定だ。面白いのはどんなに道具や場所が変わっても、荒井さんの飄々とした物腰はそのままに見えること。「新しいジャンルに飛び込み、表現の枠を広げていくことに躊躇がない現在進行形のアーティストだと思います。ただそこに大きな覚悟はなく、展覧会のタイトルのように、あくまで知らない場所を旅する『気分』であるところが、実に荒井さんらしい」私たちもそんな気分に身を委ねて、荒井良二さんの新しい世界を旅してみたい。『あさになったのでまどをあけますよ』原画 2011年 偕成社、個人蔵 ©Arai Ryoji《new born 旅する名前のない家たちを ぼくたちは古いバケツを持って追いかけ 湧く水を汲み出す》制作風景《絵の中のぼくとぼくの中の絵》2023、個人蔵 ©Arai Ryoji《流れ星スパーク奏でよギター》2022年、個人蔵 ©Arai Ryojiあらい・りょうじ1956年、山形県生まれ。2005年、アジアで初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。『たいようオルガン』でJBBY賞など国内でも受賞多数。ライブペインティング、ワークショップのほか、作詞・作曲など音楽活動も行う。最新刊は絵本『ねこのゆめ』(NHK出版)。写真:志鎌康平「new born荒井良二いつも しらないところへ たびするきぶんだった」横須賀美術館神奈川県横須賀市鴨居4‐1開催中~9月3日(日)10時~18時8/7休一般1300円ほかTEL:046・845・1211※『anan』2023年7月12日号より。取材、文・松本あかね(by anan編集部)
2023年07月11日羊文学の全国ライブツアー「羊文学 Tour 2023 “if i were an angel,”」の開催が決定。2023年9月2日(土)の新潟公演を皮切りに、全国10都市で全12公演が行われる。羊文学、約1年ぶりとなる全国ライブツアー20232023年に最新アルバム「our hope」が「第15回CDショップ大賞2023」の大賞<青>を受賞、「永遠のブルー」や「FOOL」といった新曲もコンスタントにリリースするなど、しなやかに旋風を巻き起こしながら精力的に活動を続けている羊文学。2022年6月に行われた「羊文学 Tour 2022 “OOPARTS”」以来1年ぶりとなる今回の全国ツアーでは、全国10都市を巡回。チケットは7月1日(土)より一般発売される。“もし私が天使だったら”を意味するツアータイトルのビジュアルは、羊文学とコラボレーションを重ねているアートディレクター/グラフィックデザイナーの田中せり、写真はニコ・ペレズ(Nico Perez)が手掛けている。開催概要羊文学 2023年全国ライブツアー「羊文学 Tour 2023 “if i were an angel,”」公演スケジュール:■9月2日(土)@新潟 新潟ロッツ時間:OPEN 17:00 / START 18:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)■9月5日(火)@神奈川 KT Zepp 横浜時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)■9月8日(金)@北海道 Zepp 札幌時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)■9月14日(木)@大阪 Zepp 難波時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)■9月15日(金)@大阪 Zepp 難波時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)■9月18日(月・祝)@宮城 仙台ギグス時間:OPEN 17:00 / START 18:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)■9月20日(水)@愛知 Zepp 名古屋時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)■9月22日(金)@福岡 Zepp 福岡時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)■9月29日(金)@広島 広島CLUB QUATTRO時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)■10月1日(日)@香川 フェストハレ 高松時間:OPEN 17:00 / START 18:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)■10月3日(火)@東京 Zepp 羽田時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)■10月4日(水)@東京 Zepp 羽田時間:OPEN 18:00 / START 19:00チケット価格:[スタンディング]前売5,000円(ドリンク代別)[2階指定席]前売5,500円(ドリンク代別)<チケット>一般発売日:2023年7月1日(土)10:00~チケット取扱:イープラス、ローチケ、ぴあ【問い合わせ先】スマッシュTEL:03-3444-6751
2023年07月03日2005 年に児童文学のノーベル賞と称されるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を日本人として初めて受賞し、世界的な評価を受けた荒井良二(1956-)は、絵本作家であると同時に、絵画、立体作品、インスタレーション、音楽、舞台美術など、ジャンルを問わない幅広い分野で活躍するアーティストだ。その多彩な活動を紹介する個展が、神奈川県の横須賀美術館で、7月1日(土)から9月3日(日)まで開催される。同展のタイトルにある「いつも しらないところへ たびするきぶんだった」という言葉は、様々なジャンルの壁を超越して飛び込んだ先の、ルールも分からない「知らないところ」で、それでも自分なりの仕事をするという、創作に対する荒井の姿勢を示しているという。そのチャレンジングな姿勢は、困難や制約も楽しむような、まさしく旅するときの前向きな気持ちに溢れたものなのだ。同展は、そうした旅するような気分で新たな作品を生み出し続ける荒井の創作活動を、新作や過去の作品を織り交ぜて紹介するもの。これまで手がけてきた100冊以上の絵本と書籍のなかから、代表的な作品の原画がずらりと並ぶのが、同展の大きな見どころのひとつだ。また、新作絵画や、大分県の公園に設置されたオブジェのマケット、芸術監督を務めた「山形ビエンナーレ2018」で発表した立体物の再構成など、荒井の創作の現在地も紹介される。展示の最後には、今回の展覧会名とも結びつく新作のインスタレーション《new born 旅する名前のない家たちを ぼくたちは古いバケツを持って追いかけ 湧く水を汲み出す》が登場する。子供一人ひとりがひとつの家となり、展示室に点在するその小さな家々が、それぞれに物語を内包しながら旅をしていくイメージでつくられたという。来館者は、それぞれの子供たちの物語を想像しながら、会場をゆっくりと巡ることになる。荒井のこれまでの旅をたどり、これからどこへ出かけていくのかを見ていく同展は、ここからまた新しい荒井良二が「誕生=new born」する場ともなるのだろう。色彩豊かな楽しい展示を通して、その創作をめぐる旅を体感したい。<開催情報>『new born 荒井良二 いつも しらないところへ たびするきぶんだった』会期:2023年7月1日(土)~9月3日(日)会場:横須賀美術館時間:10:00~18:00休館日:7月3日(月)、8月7日(月)料金:一般1,300円、大高・65歳以上1,100円展覧会公式サイト:
2023年06月23日アカデミー賞の資格を得るためのルールが、一部変更になった。アカデミー賞は劇場で上映される映画のためのものだということがより強調された形だ。現状では、年内に最低7日間、アメリカ国内の6つの指定都市のうちひとつの街で劇場公開されれば、資格がもらえる。これは「資格を得るための上映」と呼ばれる。だが、2024年以後の公開作品は、「資格を得るための上映」の後、45日以内にアメリカの10都市で最低1週間上映しなければならなくなる。本格公開が年明けの場合、配給会社はアカデミーに公開計画を提出する必要がある。この変更の影響を受けるのは、主に配信作品と小規模のインディーズ映画。1週間だけ公開して資格を得れば、あとは配信という方法は、オスカーを狙う以上、来年からは通じなくなる。文=猿渡由紀
2023年06月22日20年余の歴史を持つ「女による女のためのR‐18文学賞」。宮島未奈さんは2021年、「ありがとう西武大津店」でその大賞、読者賞、友近賞(特別選考委員・友近さんの名前を冠した賞)をトリプル受賞。3冠を射止めたのは史上初だ。その受賞作を含む『成瀬は天下を取りにいく』は、本好きの間では刊行前から話題に。とりわけ主人公・成瀬あかりの突き抜け方に揺さぶられ、推し宣言するファンが続出!「私も応募作を書き終わったときに、『成瀬のようにふるまいたかったけれど、できなかった人に読んでほしいな』と思っていたんです。そうしたらAマッソの加納愛子さんが〈成瀬になりたくて、なれなかった〉と私の思いそのままのコメントをくださって、これには感動しました」「R‐18文学賞」受賞作は、成瀬の幼なじみ・島崎みゆきの視点で進む。中学2年の夏休み、コロナ禍に閉館が決まった西武大津店に通い、ローカルテレビの中継番組に映り続けると決めた成瀬。風変わりな思い出作りに挑む少女たちのひと夏を描く。続く2話目「膳所(ぜぜ)から来ました」で成瀬は〈お笑いの頂点を目指そうと思う〉と島崎を誘って〈ゼゼカラ〉というお笑いコンビを結成。「主人公は、変わっているけれどなんでもできてしまう子がいいなと思ったんですね。もちろん成瀬のキャラクターも好きですが、私がいちばんうらやましかったのは島崎みたいな友達がいることです。10代20代の未熟な時期、ただ一緒にいることを友情としたり、それもお互い厳しいことは言わないようにして平穏を保ったりしますよね。だからよけいに、厳しいことも言うけれど基本的に成瀬を全肯定してくれる島崎みたいな存在が私も欲しかったです」最終話「ときめき江州(ごうしゅう)音頭」は、怖いものなしの成瀬に、初めての逆境が訪れるというストーリー。「成瀬にとっていちばん耐えがたいことは何かと考えたら、ああいう展開になりました」また、作中では琵琶湖の観光船「ミシガン」ほか実在の名称も登場。滋賀という土地が魅力的に描かれる。「私は実は『びわ湖アンバサダー』でして(笑)。私自身がミシガンには何度も乗っているんです。描写にはその経験が生きています」本書は、そんなローカル愛に満ちた、新たな滋賀文学でもある。『成瀬は天下を取りにいく』作中に登場する〈ときめき坂〉は大津市実在の場所(他のときめき小学校やときめき夏祭りは架空のもの)。6編からなる連作短編集だ。新潮社1705円みやじま・みな1983年、静岡県生まれ。現在は、本書の舞台でもある滋賀県大津市に在住。京都大学文学部卒。2018年「二位の君」で第196回コバルト短編小説新人賞を受賞(宮島ムー名義)。※『anan』2023年4月12日号より。写真・土佐麻理子(宮島さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2023年04月10日~全国から集まった217編の中から大賞・佳作・中野区賞に加えて篠原哲雄監督特別賞が授与~2023年3月19日(日)東京中野物語2022文学賞(主催:一般社団法人 中野区観光協会/東京中野物語プロジェクト実行委員会)の授賞式が中野セントラルパークカンファレンスで開催され、約200名の参加者が見守る中、大賞1名、佳作2名、中野区賞1名、篠原哲雄監督特別賞1名と計5名の受賞者が発表、表彰されました。東京中野物語2022文学賞は2020年頃から中野区の町づくりや文化活動にかかわる有志により計画され、日本の各地から上京した多くの若い世代が青春の一時代を過ごす町として知られる中野区から、新たな才能を発掘するきっかけとなればと2022年に実行委員会が発足。「中野を基地として広く作品を募集し、文学のみならず、映像、演劇、アニメにも発展していく題材を見出し、若者の夢を育む町・中野から世界に向けて新たな物語を発信すること」を目的として新設されました。2022年4月30日~9月15日の期間、年齢やジャンルを問わず、作品テーマも設けず幅広く作品を募集。11歳から96歳まで全国各地から、青春小説、社会派小説、歴史小説など多岐にわたるジャンルの217編の応募があり、その内83編が中野に関係する作品でした。一次選考で64編、二次選考で8編に絞られた中から最終選考が行われました。また実行委員の選考により、一次選考を通過した中野区賞候補36編から中野区賞を選出しました。大賞は作家の中島京子さん、佳作は歌手・タレントの中川翔子さん、作家のエージェント会社代表・小説家の鬼塚忠さん、中野区賞は酒井直人中野区長から授与されました。また、当初予定されていなかったものの、最終選考でどうしても「もう1編」と篠原哲雄監督が推した作品に篠原哲雄監督特別賞が授与されました。同文学賞は今後、隔年での開催を予定。また、今回の受賞作を含む最終選考に残った8編と、中野区賞の最終選考における受賞作と次点の2編を合わせた10編については、電子書籍化と、期間限定での無料配信を予定しています。詳細は公式サイト、公式SNSでのお知らせを予定しています。東京中野物語実行委員・最終選考委員・受賞者の方々■受賞作品/受賞者プロフィール/賞概要/受賞の言葉中島京子さんと大賞受賞者《大賞》『悔いの華 (くいのはな)』原 浩一郎(はら こういちろう)さん(賞金30万円+副賞)1955年鹿児島県川内市生まれ。立命館大卒。家庭裁判所調査官として勤務したのち、さまざまな職を経て、公立中学校、就労困難者支援団体、刑務所等に勤務。第11回・第13回銀華文学賞(『文芸思潮』アジア文化社)最優秀賞を受賞。2020年「魂の文学・生きる武器としての文学」を掲げ季刊投稿誌『文芸エム』を刊行している。「読む人の魂を突き動かすような物語を、これからも書いていけるように精進したい」鬼塚忠さんと佳作受賞者《佳作》『鬼祓い桃園神社 (おにばらいももぞのじんじゃ)』菊一 馬絽(きくいち まろ)さん(賞金5万円+副賞)中野区在住、会社員。「生まれ育った中野の街、いっしょに遊んだ友人との思い出が書かせてくれた」中川翔子さんと佳作受賞者《佳作》『にゅうらいふ』大塚 雅美(おおつか まさみ)さん(賞金5万円+副賞)1999年生まれ。高校生の頃、万年筆でノートに日記を書くことから文章を書きはじめる。それ以来、書くことによって自分の体験や心情を言葉にすることが生きがいになっている。文章を書くときの身体感覚、人が語っている時に漏れ出す言葉など、言葉にまつわる身体性をテーマに小説や散文を書いている。「ノートに綴っていた物語がこのような賞を頂けて嬉しいです」酒井直人中野区長と中野区賞受賞者《中野区賞》『始発電車は午前五時(しはつでんしゃはごぜんごじ)』北森 春土(きたもり はると)さん(賞金10万円+副賞)1955年父母の出身地鹿児島県大島郡にて出生。早稲田大学法学部在学中から学習塾講師。いったん帰郷して量販店、輸入雑貨店に勤務。再度上京後、予備校講師、家庭教師。主に大学受験英語を担当して現在に至る。「中野で育んできた青春時代だった。今回の受賞は10代の頃から一緒に過ごしてきた仲間たちのおかげ」篠原哲雄さんと篠原哲雄監督特別賞受賞者《篠原哲雄監督特別賞》『ささやかな音を聴く(ささやかなおとをきく)』高城つかさ(たき つかさ)さん1998年神奈川県出身、東京育ち。2018年より執筆業をはじめ、2021年より小説を書き始める。「小説を書き始めてまだ間もないのに、このような賞を頂けて本当に嬉しい」■中島京子さんによる総評初めてできた文学賞で、告知期間も短い中、217編もの応募があったことはとても喜ばしいことでした。最終選考に残った8作品それぞれに魅力があり、選考に時間がかかりました。結果として、当初予定していなかった篠原哲雄監督特別賞を設け、4作品を選定しました(受賞作のうち中野区賞は実行委員会による選定)。最終選考に残ったものは奇しくも20代と60代の作者の作品でした。一次選考・二次選考に関わった方々によると、やはり「中野」の名前を冠した文学賞なので、中野の町に関する小説が多く、なかでも中野ブロードウェイに題材を取ったり、中野を舞台にした青春グラフィティが多かったとのことです。大賞を受賞した『悔いの華』は刑務官の主人公や、細部の描写が丁寧でリアリティがあり、選考会でも最初から高評価が揺るぎませんでした。タイトルはもう少しキャッチーでも良かったのではと個人的には思っています。佳作の『鬼祓い桃園神社』はプロの作品と思われるような完成度の高さでしたが、キャラクター設定や物語に既視感を抱くところもあり、最終話が少し弱いように感じました。佳作の『にゅうらいふ』は人間ならざる者、AIの恋愛を描きながら人の持つ原初的な喜びが感じられる作品でした。性描写が巧みでしたが少し冗長なところも感じられました。篠原哲雄監督特別賞の『ささやかな音を聴く』は文章がとても良かったのですが、小説としては少々粗が多く、偶然に頼る筋運びが気になりましたが、篠原監督の推しもあり、受賞となりました。■シンポジウム「文学賞により中野の活性化を」が同時開催授賞式後には、最終選考委員の中島京子さん (小説家)、篠原哲雄さん (映画監督)、中川翔子さん (歌手・タレント)、鬼塚 忠 (小説家・作家エージェント)に加え、実行委員長の佐々木洋文さんがパネリストとして加わり、「文学賞により中野の活性化を」をテーマとしたシンポジウムが開催されました。コーディネーターを務めた副実行委員長西田聖志郎さんの司会ものもと、文化活性が町おこし、町づくりにつながっていくのではないかという議論がなされました。本イベントは公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】 の対象となっています。中川翔子さんは、「コロナ禍で閉店してしまったお店や、少子化による統廃合で無くなった学校など、町は変化してしまうけれど、物語などの作品になることで記憶に残る。なくなっていくものの寂しさはありつつも、文章で心の旅ができる。この文学賞をきっかけに中野を描きたいという人が沢山出てきてくれればいいなと思う」と、祖母の代から3代中野に住む中野への愛あふれるコメントをしていました。実行委員長の佐々木洋文さんは「中野サンプラザの解体、新設など中野の駅前再開発が進む中、建物が新しくなってもそこに文化がないと町としては魅力に欠けるのではないか、という視点から始まった文学賞創設。人々の心に残る作品に登場する町には行きたくなるもの。この文学賞から書籍化、映像化作品が生まれて中野の町の魅力が伝わればいいなと思います」と、文学賞による町おこしへの想いを述べていました。篠原哲雄さんは、映画化には費用も時間もかかるが、この文学賞をきっかけとして、心の葛藤をリアルに描くような作品が中野から世界に向けて発信できたらと期待を込めて話していました。■最終選考委員プロフィール【中島 京子さん】東京都出身。2003年に小説『FUTON』でデビュー。以後『イトウの恋』『ツアー1989』『冠・婚・葬・祭』など次々に作品を発表し、2010年に『小さいおうち』で直木賞を受賞。2014年に『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞、2015年に『かたづの! 』で河合隼雄物語賞、柴田錬三郎賞、歴史時代作家クラブ賞作品賞、および『長いお別れ』で中央公論文芸賞、2020年に『夢見る帝国図書館』で紫式部文学賞、2022年に『ムーンライト・イン』『やさしい猫』で芸術選奨文部科学大臣賞、『やさしい猫』で吉川英治文学賞を受賞。その他に『平成大家族』『エルニーニョ』『東京観光』『眺望絶佳』など著書多数。『小さいおうち』は2014年に山田洋次監督によって映画化されている。初めての一人暮らしの町は中野区。【篠原 哲雄さん】東京都出身。中野区在住。助監督として森田芳光、金子修介監督作品などに携わる傍ら、自主制作も開始。1989年に8ミリ『RUNNING HIGH』がPFF‘89にて特別賞受賞。1993年に16ミリ『草の上の仕事』が神戸国際インディペンデント映画祭にてグランプリ受賞、劇場公開となる。1996年、山崎まさよしが主演した初長編『月とキャベツ』以降30本以上の映画を撮り続ける。2018年、『花戦さ』で日本アカデミー賞優秀監督賞受賞。近作は2021年公開の『犬部!』。2022年は町の本屋を舞台にした『本を贈る』を初の配信ドラマとして発表し評判を呼ぶ。【中川 翔子さん】東京都中野区出身。2002年に芸能界デビュー。歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターとして活動。文化人活動としては書籍『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』発売や、2025年に開催される大阪・関西万博キャラクターデザイン選考委員を務める。【鬼塚 忠さん】1965年、鹿児島県出身。1997年、海外作家のエージェントである英系資本のイングリッシュエージェンシー・ジャパンに入社。数々の海外作家の日本語書籍の出版に携わる。2001年、自ら作るコンテンツで勝負したいからと日本人作家のエージェント会社であるアップルシード・エージェンシーを設立。多くの作家を発掘・プロデュースし、ベストセラー作家を育てる。自身も9作の小説を書き、『Little DJ』、『カルテット』、『花戦さ』など7作が映画化されている。東京中野物語2022文学賞 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年03月24日小説家の大江健三郎さんが、2023年3月3日に亡くなっていたことが分かりました。享年88歳でした。株式会社講談社が同月13日に発表した内容によると、死因は老衰だとのこと。作家でノーベル文学賞受賞者の大江健三郎さんが3月3日未明、老衰のため逝去されました。享年88。葬儀は家族葬にて執り行われました。ここに、謹んで哀悼の意を表し、お知らせ申し上げます。講談社ウェブサイトーより引用東京大学に在学していた1957年に、大江さんが発表したデビュー作『奇妙な仕事』は、同大学で行われた文芸・評論コンクールで注目を集めました。1958年、23歳の時には、『飼育』が芥川龍之介賞に。以後も多数の作品で功績を残し、1994年には川端康成以来、日本人では2人目となるノーベル文学賞を受賞しました。そのほかの代表作として、『芽むしり仔撃ち』『個人的な体験』『万延元年のフットボール』などがあります。日本の小説界をけん引し、数々の名作を残してきた大江さんの訃報に、ネット上では「とてもショック」「よく作品を読んでいただけに悲しい」といったコメントが上がりました。大江さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2023年03月13日「第46回日本アカデミー賞授賞式」が3月10日(金)に開催され、『ある男』が最優秀作品賞を受賞した。今回、12部門13賞を受賞していた最多の『ある男』だが、結果、作品賞に加え、監督賞、主演男優賞ほか計8部門において最優秀賞を受賞し、本年度の日本映画の“顔”なった。『ある男』は、『愚行録』や『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督が同名小説を映画化。亡き夫(窪田正孝)の名が別人のものだったと知った妻(安藤サクラ)が、知り合いの弁護士(妻夫木聡)に身元調査を依頼し、次第に夫の壮絶な過去が明らかになっていく物語。出自や家庭環境をめぐる差別やレッテルも容赦なく映しながら、アイデンティティを問う人間ドラマであり、ミステリー作品だ。檀上に妻夫木さんらキャストやスタッフとともに立った石川監督。最優秀監督賞を受賞の際には、「今日、本当にたまたまいただきましたが、バトンなんだなって感じがすごくしています。本当に先輩方が作った日本映画という大河があって、僕らがつめていくというバトンだと受け止めています」と語っていた。写真提供: 東京写真記者協会そんな石川監督の姿を笑顔で見つめていた妻夫木さんだが、マイクを握るととたんに目には涙が浮かんだ。「うれしいです。監督とはデビュー作から一緒で…」と話し、横にいる窪田さんがそっと妻夫木さんを支えた。妻夫木さんは「一番、僕は彼の才能というものを間近で見ていた自負があるので、認めてくださったのが本当にうれしいです」と喜びで声を震わせた。窪田さんも「本当におめでとうございます。この作品に関われて一員になれて、心からうれしいです。これからの財産になるし縁を少しずつ広げて映画をみんなで盛り上げていきたいです」と言い、安藤さんも「おめでとうございます!これ以上のものはないなって、おめでとうございます!」と笑顔を見せた。清野菜名も「本当におめでとうございます。こんな素敵な作品に参加できてラッキーだなと思います、私も頑張っていきます」と最後は涙声になっていた。そのほか、最優秀アニメーション作品賞は『THE FIRST SLAM DUNK』が受賞。企画から13年かけて制作された本作は、アニメ版でも映像化していない原作内の最終試合を新たな視点で描き、新旧ファンを興奮させ感動を呼んだ。そして現在も公開中、興行収入も100億円を超えて数字を伸ばし続けている。(cinamacafe.net)■関連作品:THE FIRST SLAM DUNK 2022年12月3日より全国にて公開© I.T.PLANNING,INC. © 2022 SLAM DUNK Film Partnersある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会
2023年03月10日羊文学の新曲「FOOL」が、2023年4月26日(水)に配信リリース。テレビドラマ『往生際の意味を知れ!』のエンディング主題歌となる。羊文学の新曲「FOOL」ドラマED主題歌に2023年は、三浦透子主演の映画『そばかす』の主題歌「風になれ」をリリース、NTTドコモの新CMソングとして新曲「永遠のブルー」を書き下ろしたことでも話題の羊文学。9月からは、全国10カ所をまわるワンマンツアー「羊文学 Tour 2023」を開催するなど、精力的に活動している。そんな羊文学が、新曲「FOOL」を発表。見上愛と青木柚のW主演によるテレビドラマ『往生際の意味を知れ!』のエンディング主題歌として書き下ろした。見上愛出演のミュージックビデオミュージックビデオには、ドラマで主演を務める女優の見上愛が出演する。テレビドラマ『往生際の意味を知れ!』なお、テレビドラマ『往生際の意味を知れ!』は、2020年2月から『週刊ピックコミックスピリッツ』にて連載スタートし、緊急重版が相次ぐほどの人気を博している同名コミックを原作とするもの。7年ぶりに再会を果たした元カノと元カレによるやり直しラブストーリーを描いた作品となっている。<羊文学コメント>お話をいただいて原作読み始めたら、一瞬でハートをつかまれて、今出ている6巻まで一日で読み切ってしまいました。恋愛の、人生のバイブルにしたいです…。本当に大好きな作品に出会えて、そしてその映像化に携われて幸せで嬉しいです。怒りでめちゃめちゃになりながらも、強く生きていきたいと思った時に書いた曲がかっこいい日和ちゃんの姿に重なって届けばいいなと思います。『FOOL』よろしくおねがいします!【詳細】羊文学 新曲「FOOL」配信日:2023年4月26日(水)※テレビドラマ『往生際の意味を知れ!』エンディング主題歌。■テレビドラマ『往生際の意味を知れ!』放送開始日:2023年3月7日(火)※MBSは3月7日(火)25:04~、TBSは3月7日(火)25:33~原作:米代恭『往生際の意味を知れ!』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)出演:見上愛、青木柚
2023年02月25日日本公開から半年以上、全国各地の映画館でロングラン上映を続けている『PLAN75』。この度、第65回ブルーリボン賞にて主演女優賞(倍賞千恵子)&監督賞(早川千絵)を受賞したことを記念して、公開時のメイン館である新宿ピカデリーにて3月10日(金)より再々上映が決定した。6月の公開週にはメイン館の新宿ピカデリーの週末動員数で、『トップガン マーヴェリック』の動員を抑え1位を記録。シネスイッチ銀座では、金曜日の初回からチケットを求めて観客が長蛇の列をなし、土日も満席の回が続出。30代以降の映画ファンを中心に女性のグループ、夫婦・カップルなど複数での鑑賞が多く、幅広い客層に支えられてロングラン上映、現在、興行収入は3.4億円に迫っている。SNSを中心に「震えるほど感動」「頭から離れない」「“生きる”という命題を観る者に突きつける大傑作」など絶賛の声が多く寄せられたほか、“75歳以上に生死の選択権を与える<プラン75>の制度”に対して、賛否両論を巻き起こした本作。作品への口コミの高さに加え、キャスト陣の演技も高く評価され、第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、優秀脚本賞や第65回ブルーリボン賞 主演女優賞、監督賞をはじめとした国内の主要映画賞を獲得している。また、第47回トロント国際映画祭のコンテンポラリー・ワールド・シネマ部門や国際映画祭への出品も相次ぎ、フランス、シンガポール、タイ、台湾など30か国以上の国と地域で配給されるなど、世界各国でも評価を受けている。この度、3度目の新宿ピカデリーでの上映決定を受け、倍賞さんは「監督をはじめ、キャスト、スタッフの皆さんと同じ方向を向いて一生懸命に作り上げた作品を多くの方にご覧いただけて嬉しいです」とコメント。なお、早川監督は次回作に向け、脚本を執筆し始めているという。『PLAN 75』は3月10日(金)より新宿ピカデリーにて再々上映、全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:PLAN75 2022年6月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee
2023年02月24日羊文学が新曲「永遠のブルー」を2023年3月1日(水)に配信リリース。NTTドコモCMソングとして起用される。羊文学の新曲「永遠のブルー」CMソングに2023年は、三浦透子主演の映画『そばかす』の主題歌「風になれ」をリリースしたことで話題の羊文学。9月からは、全国10カ所をまわるワンマンツアー「羊文学 Tour 2023」を開催するなど、精力的に活動している。そんな羊文学が新曲「永遠のブルー」をリリース。ドコモ青春割の新CM「ブレない青春」篇、「ブレない旅立ち」篇に起用される。青春感あふれる映像と、「永遠のブルー」がどのようにマッチしているのか、オンエアを楽しみにしたい。<羊文学 塩塚モエカコメント>少し大人になって、失いたくないものが増えてきたので、迷いが多くなった気がします。一方で、自分が幸せになることを諦めたくないし、今日もいい日だった、と感じられることが、自分の生き物としての役目だと気づきました。私は、自分の幸せを求めることを一番に生きていきたいです。それが、周りの人の幸せに繋がると思うからです。でも、それは勇気と根気のいることでもあると思います。私もまだまだできません。同じように感じているのに、踏み出せない人がいれば、それを応援できれば嬉しいです。【詳細】羊文学 新曲「永遠のブルー」配信日:2023年3月1日(水)※2023年2月20日(月)よりオンエアのNTTドコモCMソング。
2023年02月23日第35回(2011年)より開催し、今年で11年目を迎える日本アカデミー賞新人俳優賞受賞者の撮りおろし企画「NEW CINEMA FACE」。今回も同賞に選ばれた小野花梨、菊池日菜子、生見愛瑠、福本莉子、有岡大貴、番家一路、松村北斗、目黒蓮の新たな装いと表情によるビジュアルがRAYARD MIYASHITA PARKに登場する。日本アカデミー賞の歴史の中で、第5回から設けられた新人俳優賞。受賞者はその後も「主演」「助演」で 再び日本アカデミー賞を受賞するなど各方面で活躍を続けている。日本アカデミー賞協会会員約4,000人の投票により決定し、原則として映画初出演でなくとも、主演・助演クラスの大役を演じ、印象を与えた俳優を対象とされる。そんな次世代の映画界を担う新人俳優賞受賞者たちが一堂に会する「NEW CINEMA FACE」は毎年、期間限定で掲出されると多くの人々が現地を訪れ、映画ファンのフォトスポットとして話題に。日本アカデミー賞授賞式の前のもう1つの企画として盛り上がりを見せている。なお、受賞者からは、自分にとって「映画」とは?10年後20年後の自分像は?という問いについてのコメントも到着している(五十音順)。小野花梨『ハケンアニメ!』私にとって映画は敵であり味方ですね。自分を生かしているという意味では大きな味方だけど、その中で私は戦っていかなければならないですし、長くこのお仕事をしたいのなら評価され続けなければいけないというシビアさもある。どこかで誰かに求められていなくては出来ないお仕事ですから。10年後20年後も誰かに求めていただけるような存在でいられたらなと思います。菊池日菜子『月の満ち欠け』知らない世界を教えてくれるのが映画だと思います。自分のコミュニティの中だけで得られる知識や考えは、どうしても偏ってしまう部分があって、そういった部分を壊してくれるのが映画だと思っています。今後は感情を放出すること、演じること、表現することを楽しみながら俳優として生きていけたらいいなと。それを叶えるためにも今、もっともっと頑張ろうと思います。生見愛瑠『モエカレはオレンジ色』どれだけ眠くても夜更かししてしまうほど映画を見る時間は贅沢だなって思っています。普段生きていたら感じない感情に引きずられたり、自分にない価値観を知ることが出来て、すごく勉強になるし面白いです。10年後20年後、その時やりたいことが何かはわからないですけど、物を作ることがすごく好きなので、たくさん経験を積んで何かを作っていたらいいなって思っています。福本莉子『今夜、世界からこの恋が消えても』日常では体験できないことをスクリーンを通して体験できるところが映画の魅力だと思っています。行き詰まっている時に背中を押してもらったり、生きる上でのヒントが凄く詰まっている。将来的にもこのお仕事は続けられたらいいですね。この賞をきっかけに、いろんな作品、役、自分に出会って、お仕事じゃないところでもいろんなものを学んで、発見して、人として成長していけたらなと思います。有岡大貴『シン・ウルトラマン』いろんなことの源みたいな感じです。普段はグループで活動させてもらっていて、ライブもそうですが、日々インプットが必要だと感じていて。そんなときに劇場で映画を観ることでインスピレーションや刺激を受けて、本当に助けられています。この先も変わらず映画に触れていたいですし、もし俳優として呼んでいただけることがあるのならば、この賞に恥じないお芝居ができたらと思います。番家一路『サバカンSABAKAN』映画に出ている人はすごいなと思っていたので『サバカンSABAKAN』に出て、自分が映画の中にいるんだって考えたら不思議な気持ちになりました。また是非やりたいです。10年後20年後も俳優業を続けているか他の道に進むかはわからないけど、楽しんでいてほしいと思います。ほかの道は...お金持ちになりたいというか、楽しく生きていきたいので社長とか!? になりたいです。松村北斗『ホリックxxxHOLiC』映画は見に行こうと思わないと見られないけど、そういう意味で価値のある物を作って、受け取ってもらおうとする熱量みたいなものを感じます。僕を選んでくれた方に「やっぱりあの時、俺、私、間違ってなかったな。先見の明があったな」と思ってもらえるような10年後20年後でありたいし、映画に憧れみたいなものがあるのでお芝居は「頼むからやめてくれ」って言われるまで挑戦したいですね。目黒 蓮『月の満ち欠け』映画は、明日も頑張ろうと思えるような、その先の人生になにか影響するような、不思議なパワーのあるエンターテインメントだと思っています。自分が出た作品も誰かを励ますことが出来たら嬉しいです。一回きりの人生なので、10年先も、20年先も悔いのない、少しでも楽しい時間が増えるような生き方ができていたらいいなと思います。「NEW CINEMA FACE 2023」は2月23日(木・祝)~3月16日(木)までRAYARD MIYASHITA PARK【South】2F入口横、渋谷駅方面エレベーター・2F歩道橋付近・3Fフードホール、【North】2Fエレベーター付近にて掲出。第46回 日本アカデミー賞授賞式は3月10日(金)にグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて開催。(text:cinemacafe.net)
2023年02月15日毎年、映画の祭典『アカデミー賞』の時期を迎えると話題になる、『ゴールデンラズベリー賞(通称:ラジー賞)』が、2023年、物議をかもしています。ラジー賞とは、アカデミー賞授賞式の前夜に、最低な映画を表彰するという、ノミネートされることそのものが不名誉な賞。その内容から、問題視されるのは今回が初めてのことではありませんが、2023年は、ラジー賞の最低女優賞に、12歳の俳優がノミネートされたことで、世間から批判の声が相次ぐ事態となりました。ラジー賞、12歳の俳優をノミネートし炎上今回、ノミネートされたのは、映画『炎の少女チャーリー』で主演を務めた、ライアン・キーラ・アームストロング。過去には、人気俳優のサンドラ・ブロックが最低女優賞にノミネートされたものの、表彰式の場を逆に作品の宣伝に変える対応が話題になったこともありました。しかし、それができたのは、ブロックが地位を確立した俳優であり、ラジー賞に対して皮肉で返すだけの経験もキャリアもあったからでしょう。12歳という若さの俳優に『最低女優賞』というレッテルを貼ることで、「彼女の将来をつぶしかねないのではないか」「いじめを助長する」と危惧する声も多く、後にラジー賞共同創設者のジョン・ウィルソンはアームストロングへの謝罪の声明とともに、候補から外したことも発表しました。また、18歳以上を対象にノミネートするガイドラインを設けたことも明かしたものの、その決定にもまた、多くのコメントが寄せられています。・もはやラジー賞を構成するすべての要素が時代遅れ。・そろそろラジー賞の開催そのものを止める時が来たのでは。・遅すぎるレベル。ガイドラインを設けたところで、不名誉な賞をもらうのは、年齢に関係なく嫌だろう。ラジー賞をエンタメととらえ、ユーモアに変える風潮を評価する声があるのも事実。しかし、時代が変われば社会の風潮も変わります。ラジー賞側が今回の騒動を受け、さらなる変革を加えるのかにも注目したいところ。なお、アームストロングが主演を務めた『炎の少女チャーリー』は、スティーヴン・キングの小説『ファイアスターター』を原作にしたホラー映画で、日本では2022年6月17日に公開されています。[文・構成/grape編集部]
2023年01月26日「第46回日本アカデミー賞」の正賞15部門各優秀賞および新人俳優賞が1月23日(月)に発表された。なお、司会は羽鳥慎一と有村架純が務める。優秀作品賞を受賞したのは、『ある男』、『シン・ウルトラマン』、『月の満ち欠け』、『ハケンアニメ!』、『流浪の月』の5本となった。島谷能成会長は、「2022年は観客動員数が(前年と比べて)約30%増、お客さんが映画館に戻ってくれている1年でした。興行収入100億円を超える作品が5本も出て、そんなのは初めて。豊作の1年だった」とふり返った。なお、第46回日本アカデミー賞は、2022年1月1日~12月31日までに東京地区において有料で初公開された、40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品、ならびに劇場公開を目的に製作された新作で、東京地区の同一劇場で1日3回、かつ2週間以上、映画館のみで連続して上映された作品が対象になっている。今回で連続4回目の司会となった羽鳥さんは、「毎年緊張してやっております」と話す。「今回は、(コロナ禍以降)初めてお客さんが100%入るということで、楽しみたいと思いつつまた緊張感が上がるなと。けど、通常に戻ってきたうれしさもあります」と声を弾ませた。同じく司会を行うのは、第45回同賞で『花束みたいな恋をした』にて最優秀主演女優賞を受賞した有村さん。有村さんは、「まさかこのような日がくるとは思っておらず、大きな式典の司会を務めるなんてと感慨深く思います。会場にいらっしゃる登壇者の方々、お客様の皆さんと一緒に、素敵な夜を過ごせるよう自分自身も楽しみながらまっとうできればと思います」と心を込めた。アカデミー賞授賞式の場について、有村さんは「どの作品においても、自分が参加していない作品でも、同じ志を持った方たち、戦友のような・仲間のような方たちが集まって、ひとおもいに心を込めてご自身の言葉でスピーチされる時間を共有できることが、私はとてもこの空間において幸せだなと感じました。当日、皆さんにとっても、そのような思いのあふれる1日になれたらいいなと思います」と語っていた。授賞式は3月10日(金)にグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで行われ、各部門の最優秀賞が発表される。(cinamacafe.net)
2023年01月23日“アニメーションのアカデミー賞”とも呼ばれる第50回アニー賞のノミネートが、日本時間1月18日深夜に発表。湯浅政明監督の『犬王』が長編インディペンデント作品賞と脚本賞(野木亜紀子)にノミネートされた。本作は、「平家物語 犬王の巻」(著:古川日出男)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚との強烈な友情と“能楽”の世界を鮮烈な視点で描いた作品。湯浅監督×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)らクリエイター陣にくわえ、犬王役には、「女王蜂」として音楽活動をはじめ止まらない躍進を遂げるアヴちゃん。友魚役は、カテゴリーに縛られない表現者として卓越した演技力・歌唱力を持つ森山未來が演じている。2022年5月28日に全国121館で封切られ、観客動員数24万人、興行収入3.5億を突破。公開から7か月を超えるいまもロングラン上映を続けている。また、アニー賞は1972年、国際アニメーションフィルム協会(International Animated Film Association)によって設立。年に一度、世界中の優れたアニメーション作品・スタッフ・キャストに贈られる賞で、“アニメーション界のアカデミー賞”とも呼ばれる。湯浅監督作品が同・長編インディペンデント作品賞にノミネートされるのは『きみと、波にのれたら』(2021)以来2度目。「アドベンチャー・タイム」でのTV部門監督賞へのノミネートも併せると3度目となる。受賞した場合、日本製作の作品としては2018年の『未来のミライ』(細田守監督/スタジオ地図)に次ぐ快挙に。脚本賞は宮崎駿監督/スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』(2002)、『風立ちぬ』(2013)以来のノミネート。長編インディペンデント作品賞には、A24が北米配給したストップモーションアニメ『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)やNetflixアニメ映画『エルマーのぼうけん』などがノミネートされている。受賞作品は日本時間2月26日(日)、現地時間2月25日(土)にロサンゼルスで予定されている授賞式で発表。主なノミネートは以下の通り。『私ときどきレッサーパンダ』第50回アニー賞主要ノミネート作品賞『私ときどきレッサーパンダ』『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『長ぐつをはいたネコと9つの命』『ジェイコブと海の怪物』『ウェンデルとワイルド』長編インディペンデント作品賞『Charlotte』(原題)『犬王』『Little Nicholas, Happy As Can Be』(原題)『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『エルマーのぼうけん』監督賞(長編)ドミー・シー『私ときどきレッサーパンダ』ギレルモ・デル・トロ、マーク・グスタフソン『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』ディーン・フライシャー・キャンプ他『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)ノラ・トゥーミー『エルマーのぼうけん』ヘンリー・セリック『ウェンデルとワイルド』脚本賞(長編)ドミー・シー、ジュリア・チョー『私ときどきレッサーパンダ』ジェイソン・ロフタス『ETERNAL SPRING(長春)』野木亜紀子『犬王』ディーン・フライシャー・キャンプ、ジョニー・スレイト他『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners私ときどきレッサーパンダ 3月11日よりディズニープラスにて見放題で独占配信開始©2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.長ぐつをはいたネコと9つの命 2023年3月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年01月18日~3月19日(日)最終選考結果発表・授賞式イベント開催~一般社団法人 中野区観光協会/東京中野物語プロジェクト実行委員会では「東京中野物語2022文学賞」の二次審査の選考結果を公式サイトで発表しました。2022年4月30日(土)〜9月15日(木)の募集期間に寄せられた217作品から一次審査を経て64作品に絞られて、二次選考を通過した作品は8編となりました。選ばれた8作品は、青春小説から社会派小説、歴史小説などジャンルも様々で、世相を取り入れたテーマや、中野を舞台にした作品もあります。ここから、中島京子さん(小説家)、篠原哲雄さん(映画監督)、中川翔子さん(歌手・タレント)、鬼塚忠さん(小説家、作家エージェント)の最終選考委員4名の選考により、大賞1編、佳作2編が選ばれます。また、二次選考に残った64作品の中から、中野区に関係する場所、人物などを題材にした1編が中野区観光協会及び東京中野物語実行委員会の選考委員により中野区賞として選定されます。最終選考の結果発表は、授賞式も兼ねて2023年3月19日(日)に行われます。二次審査通過8作品一覧ペンネーム氏名(本名での応募者は本名)「タイトル」※敬称略・五十音順・大倉順憲「往復書簡〜ロックと納豆とバカ親子〜」・大塚雅美「にゅうらいふ」・菊一馬絽「鬼祓い桃園神社」・高城つかさ「ささやかな音を聴く」・夏乃空「はじまりの、その日」・原浩一郎 「悔いの華」・文月蒼「水槽世界」・堀井拓馬「サビーヌにつぐ」受賞式詳細■日時:2023年3月19日(日)13:00~(12:30開場)■場所:中野セントラルパークカンファレンス(東京都中野区中野4丁目10番2号) ■入場料:2,000円東京中野物語2022文学賞とは中野区は東京23区の中でも比較的家賃相場が安く、治安も良いことから、初めて一人暮らしをする町として人気があり、日本各地から上京した方が青春の一時代を過ごした思い出の町として映画や小説の舞台にもなっています。また、中野サンプラザをはじめ劇場やホールも多く、映画、演劇、アニメ関係者が多く居住する町としても知られています。「東京中野物語2022文学賞」は新たな才能の発掘を目指して開催し大賞と佳作を選定し、それとは別に、中野区に関係する場所、人物などを題材にした作品から中野区賞を選定します。最終選考委員には中島京子さん(小説家)、篠原哲雄さん(映画監督)、中川翔子さん(歌手・タレント)、鬼塚忠さん(小説家、作家エージェント)といった、エンターテインメント業界の第一線で活躍する方々を迎え、映画化・演劇化・アニメ化の可能性も視野にいれて、作品選考を行います。東京中野物語2022文学賞 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年01月14日羊文学の新曲「生活」が、2022年12月26日(月)に配信リリース。羊文学が新曲「生活」をリリース羊文学は、ボーカル・ギターの塩塚モエカ、ベースの河西ゆりか、ドラムのフクダヒロアからなるオルナティブロックバンド。2022年は、最新アルバム『our hope』のリリースや全国ライブツアー「OOPARTS」の開催などで注目を集めた。そんな羊文学が、新曲「生活」を配信リリースする。インディーズ時代からの楽曲新曲「生活」は、ボーカル・.塩塚モエカが20歳頃に制作した楽曲。インディーズ時代よりワンマンなどではたびたび披露されてきたが、これまでリリースされてこなかった羊文学の知る人ぞ知る“秘蔵曲”だ。2022年12月に開催されたクリスマスライブ「まほうがつかえる2022」で久々に披露され、満を持してのリリースとなる。【詳細】羊文学 新曲 「生活」配信日:2022年12月26日(月)
2022年12月29日第47回報知映画賞の表彰式が22日に都内で行われ、各賞の受賞者が登場した。映画『流浪の月』で助演男優賞を受賞した横浜流星。会場には来られなかったもののVTRメッセージを寄せ「悩みもがきながらも監督を信じて必死に生きようとして来ました。監督、広瀬(すず)さん、松坂(桃李)さん、そしてその他のキャストの皆様、スタッフの皆様がいたから、人間らしくもがいている亮が出来上がったと思います。皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」と言葉を伝える。さらに「これからも『流浪の月』で得たものを次の作品、次の作品に活かして、ひとつひとつ積み重ねて皆さんに心に響く作品をお届けできるよう精進します」と意気込んだ。李相日監督は「横浜くん、ゆくゆくはトム・クルーズのように……はならないと思いますけれど、ストイックさは引けをとっていない」と表す。「横浜くんは空手をずっとやっておりまして、極めて厳しいストイックな性格。今回演じた亮という男は強くあらねばならないという生き方をしてきたと思うんですけど、女性に暴力をふるってしまうような非常に繊細で心の弱い男の内面なので、自分と違う生き方をしてきた男をどう掴むか、撮影中も撮影以外も常に悩んでストイックに探している姿が印象的でした」と振り返る。さらに李監督は横浜に対し「努力の賜物であると思うんですけど、戦友である広瀬すずとの関わりが非常に大きかったと思いますし、我々スタッフも全員で彼を支えて来た成果として受け止めて、非常に嬉しく思っております」と祝福。「賞をいただくということは、非常にこの先厳しく、なかなか褒めてもらえないゾーンに入ると思うので、より高みに向かってストイックに続けてくれる姿を見守っていきたいと思います」とエールを送った。○第47回報知映画賞 受賞・登壇者一覧作品賞・邦画部門:『ある男』石川慶監督作品賞・海外部門:『トップガンマーヴェリック』東宝東和 代表取締役社長 山崎敏アニメ作品賞:『劇場版四畳半タイムマシンブルース』夏目真悟監督主演男優賞:福山雅治『沈黙のパレード』主演女優賞:有村架純『前科者』助演男優賞:横浜流星 『流浪の月』助演女優賞:尾野真千子 『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカンSABAKAN』監督賞:片山慎三『さがす』新人賞:嵐莉菜 『マイスモールランド』新人賞:白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』
2022年12月22日ノーベル文学賞受賞作家、ペーター・ハントケによる初期の戯曲作品『カスパー』が、本作が初舞台となる寛一郎を主演に、来春3月、東京芸術劇場シアターイーストにて上演されることが決定した。ヴィム・ヴェンダース監督作『ベルリン・天使の詩』の脚本家としても知られ、2019年のノーベル文学賞受賞作家であるペーター・ハントケが、19世紀はじめに実在した謎多きドイツ人孤児のカスパー・ハウザーを題材に描いた問題作『カスパー』。カスパーは幼少期より暗い牢のような場所に約16年間監禁され、発見された当時はひとつの文章しか話せなかったと言われているが、本作は彼個人の史実を描くのではなく、“ことば”を知ることによって社会にとらわれていくひとりの青年を描き、個人と社会、そして教育とは何かについて現代に突きつける衝撃作だ。本作で初舞台にして初主演に挑むのは、映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『菊とギロチン』などで数々の賞を受賞し、現在放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に公暁役で出演した俳優の寛一郎。演出には、渡辺謙主演の舞台『ピサロ』や、アダム・クーパー主演の『兵士の物語』など、バレエからオペラ、演劇とさまざまなジャンルの演出を手がけてきた英国人演出家、ウィル・タケット。外界や他人との接触がまったくなかったカスパーが保護され、“ことば”の意味を知り、文明社会に突然放り込まれていく中で、カスパーは何と出会い、どこへ向かい、そして何を手に入れ、何を失うのかを、身体表現を駆使した演出で作り上げていく。言葉を通じて他者との関係性を形作り、社会生活を営むことが当たり前の人間世界にあって、その根本から考えさせられる本作。この戯曲が描くテーマに惹かれて舞台に初挑戦することにしたと話す寛一郎が、名匠ウィル・タケットとのタッグでどのような世界を魅せてくれるのか、期待が高まる。【寛一郎 コメント全文】まず台本が非常に興味深く、そして面白かったです。作家が描いている「言葉」というものの認識の深さ、それを反芻して、言語から身の回りの事象を捉えていくという、作家の視点がとても印象深い作品だと思い、この題材を、この作品を演ってみたい、と純粋に思いました。舞台に立つことはこの台本と出会うまで全く考えていませんでしたが、とにかくこの作品を演ってみたいと思いました。まず作品があって、それが舞台のための戯曲だったということです。初めて舞台で演じるにしてはハードルが高い作品かもしれないので、楽しみであると同時に、もちろん不安も感じています(笑)。そしてこの作品との出会いはこれまで生きてきた自分の人生を省みることになるかもしれません。数奇な運命を生きたカスパー・ハウザーという人物をもともとご存じの方、またそうでない方にも楽しめる作品にしたいと思いますので、ぜひご来場ください。よろしくお願いいたします。【公演概要】『カスパー』会期:2023年3月19日(日)〜3月31日(金)劇場:東京芸術劇場シアターイーストチケット発売:2023年1月中旬作:ペーター・ハントケ訳:池田信雄演出:ウィル・タケット出演:寛一郎ほか企画製作:TSPお問い合わせ:contact@tspnet.co.jp
2022年12月15日第80回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表され、日本のアニメ『犬王』(湯浅政明監督)がアニメ映画賞にノミネートされた。作品賞(ドラマ部門)に、ジェームズ・キャメロン監督の渾身作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や大ヒット作『トップガン マーヴェリック』といったエンターテイメント超大作がノミネート。キャメロン監督は監督賞にもノミネートされたが、同賞には女性監督のノミネートはなかった。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』最多は『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督の最新作『イニシェリン島の精霊』が8部門で、A24作品の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が6部門で続いた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』非英語映画賞には、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した韓国パク・チャヌク監督の『別れる決心』や、『バーフバリ』S・S・ラージャマウリ監督による『RRR』も選出された。『別れる決心』受賞者・受賞作品は2023年1月10日に開催される授賞式にて発表。昨年は、主催する「ハリウッド外国プレス協会」ことHFPA(=Hollywood Foreign Press Association)の人種差別や特権体質が問題視され、トム・クルーズら俳優やAmazon、Netflix、ワーナー・メディアがボイコットを表明。授賞式は無観客開催で米NBCがテレビ中継を取りやめたが、今回は同局にて授賞式の放送が決定している。※主なノミネートは以下のとおり【映画部門】作品賞(ドラマ部門)『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『エルヴィス』『フェイブルマンズ』『TÁR』『トップガン マーヴェリック』作品賞(ミュージカル・コメディ部門)『バビロン』『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』『逆転のトライアングル』監督賞ジェームズ・キャメロン『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』バズ・ラーマン『エルヴィス』マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』脚本賞『TÁR』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『イニシェリン島の精霊』『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『フェイブルマンズ』主演男優賞(ドラマ部門)オースティン・バトラー 『エルヴィス』ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』ヒュー・ジャックマン 『The Son/息子』ビル・ナイ 『生きる LIVING』ジェレミー・ポープ『The Inspection』(原題)主演女優賞(ドラマ部門)ケイト・ブランシェット『TÁR』オリヴィア・コールマン 『エンパイア・オブ・ライト』ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King』(原題)アナ・デ・アルマス 『ブロンド』ミシェル・ウィリアムズ 『フェイブルマンズ』主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)レスリー・マンヴィル 『ミセス・ハリス、パリへ行く』マーゴット・ロビー 『バビロン』アニャ・テイラー=ジョイ 『ザ・メニュー』エマ・トンプソン『Good Luck to You, Leo Grande』(原題)ミシェル・ヨー 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ディエゴ・カルバ『バビロン』ダニエル・クレイグ 『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』アダム・ドライバー『ホワイト・ノイズ』コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』レイフ・ファインズ 『ザ・メニュー』助演男優賞ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』ブラッド・ピット『バビロン』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』エディ・レッドメイン『グッド・ナース』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』ジェイミー・リー・カーティス 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ドリー・デ・レオン『逆転のトライアングル』キャリー・マリガン『SHE SAID/シー・セッドその名を暴け』アニメ映画賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『犬王』『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『長ぐつをはいたネコと9つの命』『私ときどきレッサーパンダ』非英語映画賞『西部戦線異状なし』(ドイツ)『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)『CLOSE/クロース』(ベルギー・フランス・オランダ)『別れる決心』(韓国)『RRR』(インド)主題歌賞「Carolina」『ザリガニの鳴くところ』「Ciao Papa」『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』「Lift Me Up」『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』「Naatu Naatu」『RRR』【テレビ部門】作品賞(ミュージカル・コメディ部門)「アボット エレメンタリー」「一流シェフのファミリーレストラン」「Hacks」(原題)「マーダーズ・イン・ビルディング」「ウェンズデー」作品賞(ドラマ部門)「ベター・コール・ソウル」「ザ・クラウン」「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」「オザークヘようこそ」「セヴェランス」主演男優賞(ドラマ部門)ジェフ・ブリッジス「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ケヴィン・コスナー「イエローストーン」ディエゴ・ルナ「キャシアン・アンドー」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」アダム・スコット「セヴェランス」主演女優賞(ドラマ部門)エマ・ダーシー「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ローラ・リニー「オザークヘようこそ」イメルダ・スタウントン「ザ・クラウン」ヒラリー・スワンク「アラスカ・デイリー」ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ドナルド・グローヴァー「アトランタ」ビル・ヘイダー「バリー」スティーヴ・マーティン「マーダーズ・イン・ビルディング」マーティン・ショート「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)キンタ・ブランソン「アボット エレメンタリー」ケイリー・クオコ「フライト・アテンダント」セレーナ・ゴメス「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェナ・オルテガ「ウェンズデー」ジーン・スマート「Hacks」(原題)助演男優賞ジョン・リスゴー「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ジョナサン・プライス「ザ・クラウン」ジョン・タトゥーロ「セヴェランス」テイラー・ジェームズ・ウィリアムズ「アボット エレメンタリー」ヘンリー・ウィンクラー「バリー」助演女優賞エリザベス・デビッキ「ザ・クラウン」ハンナ・アインビンデル「Hacks」(原題)ジュリア・ガーナー「オザークヘようこそ」ジャネール・ジェームズ「アボット エレメンタリー」シェリル・リー・ラルフ「アボット エレメンタリー」作品賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)「ブラック・バード」「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」「パム&トミー」「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)タロン・エジャトン「ブラック・バード」コリン・ファース「ザ・ステアケース -偽りだらけの真実-」アンドリュー・ガーフィールド「アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実」エヴァン・ピータース「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」セバスチャン・スタン「パム&トミー」主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)ジェシカ・チャステイン「George & Tammy」(原題)ジュリア・ガーナー「令嬢アンナの真実」リリー・ジェームズ「パム&トミー」ジュリア・ロバーツ「ガスリッド 陰謀と真実」アマンダ・セイフライド「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partnersエルヴィス 2022年7月1日より全国にて公開© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedアバター:ウェイ・オブ・ウォーター 2022年12月16日より全国にて公開© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.バビロン(2022) 2023年、全国にて公開© 2022 Paramount Pictures. All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.別れる決心 2023年2月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED
2022年12月13日本年度ノーベル文学賞を受賞したフランスの作家アニー・エルノーの、若き日の実体験に基づく小説「事件」を映画化した『あのこと』。この度の受賞を記念し、本作の主人公アンヌが親友に妊娠を告げるシーンの本編映像が解禁された。12月10日にスウェーデンのストックホルムにて行われたノーベル賞授賞式。本作の原作小説「事件」の作者アニー・エルノーが今年の文学賞に選ばれ、彼女も授賞式に参加した。映画の舞台となる1960年代のフランスでは、法律で人口中絶が禁じられており、何らかの処置を受けた女性と関与した医師や助産婦、さらには助言や斡旋をした者にも懲役と罰金が科されていた。今回解禁となる映像は、妊娠への焦りと恐怖を1人で抱えきれなくなったアンヌが、親友に事実を告げるシーン。アンヌと同じ学部に通い、ともに勉学に励み、ときには3人でクラブへ夜遊びに出かける、心許せる親友であるエレーヌとブリジットに打ち明けている。彼女たちの前で膨らんできたお腹を見せると、絶句する2人。「処置する。お願い、誰か探して」と助けを求めるアンヌに、エレーヌは手を差し伸べようとするが、ブリジットは「私たちには関係ない。刑務所に入りたい?」と制する。そして「好きにして。でも巻き込まないで」とアンヌを冷たく見放すも、やるせない表情を見せる、というシーン。いくら親友であっても、中絶に手を貸せば自身も罪を問われることになってしまう時代。彼女たちもアンヌと同じように夢を持ち、大学に進学した自身の努力を簡単に無駄にするわけにはいかないのだ。望まぬ妊娠によって、友情すらも失い、孤独な状況下におかれるしかないという、女性ゆえに理不尽な待遇をうけるアンヌ。本作の監督を務めたオードレイ・ディヴァンは、脚本を執筆する前に作者のエルノーと一緒に過ごし、エルノーから当時のこと詳しく聞いたという。ディヴァン監督は、「話をしながらエルノーは目に涙を浮かべていました」とふり返り、「80歳を超え今なお、いえていない彼女の痛みと激しい悲しみをどうにかして世に伝えたいと強く思いました」と語っている。またエルノー本人は小説の中で「わたしの経験を過去の話として埋もれさせてしまってもよい理由があるとは思えない」と記しており、相当な覚悟を持って「事件」を執筆したことがうかがえる。アニー・エルノー原作映画『シンプルな情熱』特別上映決定さらに『あのこと』の公開を記念して、エルノー原作映画『シンプルな情熱』(21)が、Bunkamuraル・シネマでの特別上映が決定。原作はエルノーが1992年に発表した作品で、自身の実体験が赤裸々に綴られ、日本でも人気作家から熱く支持された。『シンプルな情熱』教師のエレーヌには、『若い女』でリュミエール賞有望女優賞を受賞した実力派レティシア・ドッシュ。年下の既婚者アレクサンドルを演じるのは、かつて英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルを務め、現在は異端のダンサー、俳優としても活躍するセルゲイ・ポルーニン。レバノン出身のダニエル・アービッド監督が原作のスピリットを忠実に映画化することに成功。2020年カンヌ国際映画祭に公式選出され絶賛された。『あのこと』はBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開中。『シンプルな情熱』は12月16日(金)よりBunkamuraル・シネマにて特別上映。(text:cinemacafe.net)■関連作品:シンプルな情熱 2021年7月2日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開©2019 L.FP. Les Films Pelléas – Auvergne - Rhône-Alpes Cinéma - Versus productionあのこと 2022年12月2日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2021 RECTANGLE PRODUCTIONS - FRANCE 3 CINÉMA - WILD BUNCH - SRAB FILM
2022年12月12日