日中は子どもの相手や家事に追われて、おひとり様時間ができるのは子どもの寝かしつけ後の夜だけ。小さな子どもがいると、映画館にも気軽に足を運べないですよね。子ども向けの映画ならともかく、大人向けの映画を観たのは、もう数年前…と諦めているママも多いのでは?たまには自分好みの流行りの映画が観たい! 自分時間をゆったり映画タイムに使いたい! そんなママにオススメしたいのが、Amazon Prime Videoのデジタルレンタルサービスです。Amazon Prime Videoがあると、どんな暮らしができるのでしょうか? さっそく、その魅力を紹介しましょう。1. 話題作をいち早く楽しめるからひとり時間や夫婦時間が充実!子どもが産まれる前は、テレビやSNSで話題になった映画をいち早く観にいっていたという夫婦も多いのでは? テレビやSNSで盛り上がっている話題作を観たいのは、パパも一緒かもしれません。Amazon Prime Videoは話題作を豊富に取り揃えているのが魅力。子どもが眠ったら、電気を消しておやつを用意。映画館のような雰囲気を演出して、久々の映画デート気分を満喫するのもおすすめです。おうち時間が増えている今だからこそ、夫婦の時間も大切に…!なかでも注目したいのは第92回アカデミー賞最多4部門に輝いた今年一番の話題作映画『パラサイト 半地下の家族』! 6月19日より独占先行レンタルで配信しています。 『パラサイト 半地下の家族』は、韓国の若き巨匠ポン・ジュノがメガホンを取り、100%予測不能な展開に、いま世界が直面している貧富格差への痛烈な批判を内包した超一級のエンターテインメント作品。日本国内でも興行収入46億円突破、累計動員330万人超えなど、一大ブームを巻き起こした名作が、早くもおうちで楽しめるんです。ほかにも新海誠監督の『天気の子』や、世界中を席巻した『ジョーカー』、ジョーカーの恋人としても知られる『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』、待望の映画化となった田中圭主演『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』、さらには小栗旬の『人間失格 太宰治と3人の女たち』、高橋一生の『ロマンスドール』など、観たいと思っていた、あの作品たちが勢揃い。大人気の韓国作品は、映画レビューサイトで高評価が並ぶ『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』をはじめ、ラブストーリーからサスペンスまで、幅広いタイトルが並びます。もちろん、子ども向け作品も豊富なラインナップ。『アンパンマン』『LEGO』『ハローキティ』といったおなじみのシリーズコンテンツも充実しているから、思うように外出できない時でも、家族でリフレッシュできちゃいます。すでにプライム会員のママも、同じく1本からレンタル可能。気になる映画があればさっそく覗いてみて。実は、デジタルレンタルがスタートしているかも!?2. 子どもが早く寝てくれた夜に…1クリックでひとり映画!めずらしく子どもが早く寝て、急に自分時間ができた…なんて時に、サッと借りて、すぐに映画を楽しむことができるのが、Amazon Prime Videoの特長。貴重な自分時間を最大限に有効活用できるのは、ママにとって本当にありがたいことですよね。Amazon Prime Videoで、レンタルをするだけなら、プライム会員登録が不要だから、「観たい」と思ったタイミングでレンタルOK! プライム会員でない方でも、1クリックで好きな映画が借りられます。字幕をつければ小さな音でも楽しめるので、一度寝た子どもが起きてしまう「なんてこった!!」な状況も回避。1日の終わりにパジャマ姿で、のんびりと映画を楽しむ最高の贅沢をぜひ。ちなみに、視聴開始をすると48時間後(※)に自動でレンタル期間が終了するため、おっちょこちょいのママでも延滞料金がかかってしまう心配はなし。“在庫切れ”がなく、観たい作品を観たいタイミングで観ることができるのも助かります。3.テレビ以外でも、いつでもどこでも視聴可能!テレビに限らずスマホやタブレットでも視聴可能なのも魅力。映画をまるまる1本通して観る時間がなくても、通勤時間にお気に入りの作品をちょこちょこ楽しめます。とはいえ外出先で動画を観る際に、どうしても気になるのがデータ通信量。そんな中でも、あらかじめ作品をダウンロードすることで、ネットに接続せずとも動画が観られるという優秀さ。おでかけ前に子どもが大好きな作品をダウンロードしておけば、長時間の車や電車移動の際にも、活躍してくれること間違いなし。子どもが移動時間を楽しく過ごせるだけでなく、「グズッた時には“あの映画”がある!」と思えることで、ママにも心の余裕が生まれるはずですよ!■ひとりで!家族で!気軽に話題作を堪能Amazon Prime Video は月額料金がかからず、ほとんどの作品が1本あたり399円~500円程度でレンタル可能(※)。思い立った瞬間に、手軽な料金で外出せずとも映画が楽しめるのは、ママにとって願ったり叶ったりのサービスです。ひとりで“恋愛映画”に胸キュンするもよし、夫婦で“話題作”にハラハラドキドキするもよし、親子で“アニメ”を楽しむもよし。大注目の『パラサイト 半地下の家族』をいち早く観られるAmazon Prime Videoのデジタルレンタルサービスで、さらに充実したおうち時間を過ごしてみませんか?※レンタル期間、料金は、作品によって異なります。※「パラサイト 半地下の家族」以外は先行配信ではありませんAmazon Prime Videoとは?Amazon Prime Videoでは、プライム会員なら追加料金なしの見放題対象作品だけでなく、プライム会員登録なしで、最新の映画などを1クリックでレンタルすることも可能です。レンタル期間は、レンタルをスタートしたその日から30日の間であればいつでも視聴開始が可能なため、お好きなタイミングでお楽しみいただけます。30日間で一度視聴開始をすると、48時間後に自動でレンタル期間が終了するため、延滞料金は発生しません。Prime Videoのアプリをご利用いただければ、対応するテレビ、PlayStation、Wii、モバイルデバイス、Amazon Fire TV、Fire TV Stick、Fireタブレット、Apple TV、Chromecast、オンラインなどで、どこでも視聴いただけます。ご利用いただけるデバイスのリストは、 こちら をご参照ください。 Amazon Prime Video「パラサイト 半地下の家族」の詳細はこちら! PR:アマゾンジャパン合同会社
2020年06月25日現地時間2月9日に行われた第92回アカデミー賞。日本のみならず世界を席巻中のポン・ジュノ監督による韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が作品賞ほか4部門を制し、歴史的快挙を成し遂げたメモリアルな授賞式となった。アワードでは各賞の最優秀作品が発表される以外にも、趣向を凝らしたステージパフォーマンスが目を楽しませてくれるが、その中でも強烈な印象を残したのは2人の歌姫の存在だ。その歌姫とはミュージカル女優シンシア・エリヴォと、個性派アーティスト、ジャネール・モネイ。奴隷解放活動家ハリエット・タブマンの激動の人生を活写した『ハリエット』(6月5日公開)では、2人の熱き共演が堪能できる。奴隷から「英雄」へ知られざる真実の物語『ハリエット』米・メリーランド州で奴隷の子として産まれたハリエット・タブマンは、19世紀半ばに活躍した実在する奴隷解放活動家だ。秘密結社「地下鉄道」の“車掌”として、奴隷州から自由州へと逃亡する奴隷を誘導する係を担い、手助けした人数は70人以上。南北戦争では自ら黒人兵士を率いて戦い、750人以上もの奴隷を解放している。本作は6歳の頃から奴隷として過酷な労働を強いられていたアラミンタ・ロス(通称ミンティ)の決死の脱走劇と、ハリエット・タブマンと名を変え「英雄」となっていく姿を真正面から描いた知られざる真実の物語だ。雄大な平原や木々生い茂る森を駆け抜け、時には濁流にも飛び込み自由を勝ち取ったハリエット。命の危険も顧みずに、家族や仲間のために組織を先導した彼女の崇高なる志と不屈の精神は、いまなお残る不平等と不寛容な社会を生きる現代人の心に深い感銘を与えることだろう。ハリエットを熱演そして熱唱!シンシア・エリヴォ今回、不屈の魂を持つハリエットに扮したのはミュージカル女優として活躍中のシンシア・エリヴォ。ブロードウェイデビューとなった「カラーパープル」で演じた主人公セリー役が高く評価され、主要な演技賞で主演女優賞を受賞したほか、トニー賞では最優秀主演女優賞に輝いている。また今年1月には三浦春馬と共演した「シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬」が東京で開催されたのも記憶に新しい。スクリーンデビューはジェフ・ブリッジス、クリス・ヘムズワースと共演した犯罪サスペンス『ホテル・エルロワイヤル』(2018年)。そして三本目の映画出演にしてタイトルロールを務めた本作では、歴史に名を残す女性活動家を熱演したほか主題歌を熱唱し、アカデミー賞(主演女優賞、歌曲賞)でWノミネートの快挙に!本作では虐げられている仲間たちのために奔走するハリエットの勇猛果敢ぶりを骨太に活写する一方で、妻として、家族の一員として愛する人たちを守りたいと願う彼女の根底に流れる“人間的な温もり”にも焦点を当てている。また、13歳の時に頭がい骨陥没の重症を負わされ、生涯ナルコレプシー(強い眠気に襲われる睡眠障害の一種)の後遺症に苦しめられたというハリエット。多くの奴隷の逃亡を成功させた彼女は尊敬を込めて「黒人たちのモーゼ」と呼ばれていたが、劇中では彼女が常人とは少し違う神秘的な存在としてとらえられていた一面も映し出す。そんなハリエットを全身全霊で体現したシンシアの“魂の演技”に、圧倒されることだろう。そして演技と同じく強烈な印象を残すのが、シンシアが歌う主題歌「スタンド・アップ」。アカデミー賞授賞式では歌曲賞にノミネートされた候補者たちが素晴らしいパフォーマンスを披露したが、満を持して登場したシンシアは抜群のカリスマ性を発揮してステージを支配。そのパワフルな歌声には世界がくぎ付けに!気高き奴隷制度廃止論者マリーを好演!ジャネール・モネイジャネール・モネイは歌手、作曲家、音楽プロデューサー、モデルと複数の分野で活躍する、エキセントリックでフューチャリスティックな個性派アーティストだ。ソウルやポップほか多彩なジャンルを繰り出すシームレスな楽曲構成が魅力で、初来日となった昨年夏の「FUJI ROCK FESTIVAL ’19」ではその見事なパフォーマンスと共にメッセージ性の高さも絶賛されている。またアカデミー賞授賞式においてはオープニングの“スペシャル・パフォーマンス”として登場。ステージ後半ではアリ・アスター監督作『ミッドサマー』を彷彿とさせる衣装をまとい、自身のヒット曲「Come Alive」を主張と共にエネルギッシュに披露し、会場は熱気の渦に!ジャネールはNASAを支えるヒロインをモチーフにした『ドリーム』(2016年)でスクリーンデビュー。その後も第89回アカデミー賞で作品賞ほか3冠に輝いた『ムーンライト』(2016年)や彼女を模したバービー人形も登場するロバート・ゼメキス監督作『マーウェン』(2018年)に出演するなど、女優としても着実に作品を重ねている。そんなジャネールが本作で扮するのは、奴隷制度が廃止されているペンシルベニア州へと逃れてきたハリエットをかくまう、気高き奴隷制度廃止論者マリー・ブキャナン。自由の地フィラデルフィアで自由黒人として暮らすマリーは、ハリエットが“車掌”として活動する際に怪しまれないようドレスを与え、レディとしての立ち居振る舞いを教え込む。出会った瞬間は警戒しあっていた2人が、尊敬と友情の念で結ばれる印象的なシーンもお見逃しなく。後年は婦人参政権運動に参加するなど女性の地位向上にも尽力し、「アメリカ史で最も有名な10人」に選ばれたこともあるハリエット・タブマン。オバマ政権時代には、彼女の肖像がアフリカ系アメリカ人として史上初となる新20ドル札に採用されることが決定している。だが、婦人参政権運動100周年となる2020年に予定されていた新紙幣の発行は、トランプ政権となった現在では事実上膠着状態に…。自由への渇望と不屈の精神を描く『ハリエット』。本作が訴えかけてくるテーマを、いまこそ噛みしめたい。《text:足立美由紀》(text:Miyuki Adachi)■関連作品:ハリエット 2020年6月5日より全国にて公開© 2019Universal Pictures International, Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc.
2020年06月01日日本国内で興行収入46億円突破、累計動員330万人を超える記録を更新、モノクロVer.とIMAX版も劇場公開される『パラサイト 半地下の家族』。そのBlu-ray&DVD/配信版のリリースが決定、ポン・ジュノ監督と主演ソン・ガンホからスペシャルインタビュー動画が到着した。第92回アカデミー賞最多4部門(作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞)に輝き、第72回カンヌ国際映画祭<最高賞>パルムドールを受賞し、全世界を熱狂させた本作。6月19日(金)よりAmazon Prime Video にて2週間独占先行レンタル・購入配信のほか、7月22日(金)発売のセル版には、本編には収録されなかった衝撃の未公開シーン集や、ポン・ジュノ監督が新たに創り上げた「モノクロVer.」本編など特典満載となっている。セルBlu-ray版には豪華特典の数々を大ボリュームで収録「未公開シーン集」には半地下で暮らすキム一家の日常が垣間見えるシーンや、キム一家が“パラサイト”した高台の豪邸で遭遇する衝撃シーンなど、本編には収録されなかった貴重な映像の数々や、劇場での公開も決定している「モノクロVer.」の本編映像を収録。モノクロVer.は、ポン・ジュノ監督とホン・ギョンピョ撮影監督が1シーンずつ調整して仕上げ、白黒ならではの美しさを生み出し、一度本編を見た方にも新たなインパクトを残す強烈な映像となっている。さらに、昨年12月に来日したポン・ジュノ監督&主演ソン・ガンホのイベント映像集や、ポン・ジュノ監督の手描きイラストを使用したスペシャル三方背BOX、貴重な監督インタビューを収録したオールカラーブックレットなど、豪華特典。また、バップ通販特典には、本編に登場し、SNSでも話題となった韓国料理“チャパグリ”を味わうためのオリジナル韓国箸や、Amazon特典にはメイキング映像を収録したスペシャルDVDも。日本語吹替版の声の出演は、山路和弘(ソン・ガンホ)、堀川仁(イ・ソンギュン)、折笠富美子(チョ・ヨジョン)、柳田淳一(チェ・ウシク)、味里(パク・ソダム)、斉藤こず恵(イ・ジョンウン)、今泉葉子(チャン・ヘジン)らが揃った。パッケージ版リリースに寄せ、ポン・ジュノ&ソン・ガンホが語る!スペシャルインタビュー動画では、2人が自宅で『パラサイト』を見る際のポイントを語っている。ポン・ジュノ監督最初に劇場でご覧になった時は、後半の予想できない展開に何度も衝撃を受けたはずです。しかしBlu-rayやDVDでは、既にストーリーを知った上で映画を繰り返し観ることができます。後半の衝撃的展開につながるとても細やかな伏線が、実は前半に少しずつ見え隠れしていますので、結末に繋がる伏線探しを楽しみながら観てください。主演ソン・ガンホ(キム・ギテク役)貧しいキム家と大富豪パク家同士の、し烈な演技対決を楽しんでいただけたらと思います。劇場で初めて映画をご覧になった時は、映画自体に集中して余裕がなかったかもしれません。Blu-rayやDVDでは俳優たちのアンサンブルや演技対決をじっくりと堪能してください。『パラサイト 半地下の家族』は6月19日(金)よりAmazon Prime Videoにて2週間独占先行レンタル・購入配信、7月3日(金)よりBlu-ray&DVDレンタル/配信開始、7月22日(金)よりセルBlu-ray&DVD発売。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年05月29日アカデミー賞作品賞を受賞、日本でも空前の大ヒットとなった『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督の代表作3作がBlu-ray BOXで登場。『殺人の追憶』は4Kニューマスター版に、『母なる証明』はモノクロ版初ソフト化、そして長編デビュー作『ほえる犬は噛まない』が初Blu-ray化される。大ヒットした2作目『殺人の追憶』(2003)ソン・ガンホ主演、実際の未解決の連続殺人事件を基にしたミステリー最高傑作が4Kニューマスターを使用しBlu-rayで再リリース。2019年9月、最新のDNA鑑定で時効が成立している実際の犯人が特定されたことも話題に。キム・ヘジャの怪演に注目『母なる証明』(2009)殺人事件の容疑者となった息子を救うため、真犯人を追う母親の姿を極限まで描くヒューマン・ミステリー。母親役をキム・ヘジャ、息子役をウォンビンが熱演。モノクロ版本編が日本初のソフト化。長編デビュー作『ほえる犬は噛まない』(2000)ポン・ジュノ監督の記念すべき長編デビュー作が初のBlu-ray化!閑静な郊外の団地で起こった連続小犬失踪事件を巡る、ちょっぴりシュールなシニカルコメディ。事件を追う管理事務所で働く冴えない女性をペ・ドゥナが演じている。「ポン・ジュノ傑作選Blu-ray BOX」、単品作品(Blu-ray・DVD)は7月22日(水)より発売。(text:cinemacafe.net)
2020年05月29日第72回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドール受賞を受賞したポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』のモノクロVer.とIMAXの劇場公開日が決定した。新型コロナウイルス感染症拡大の状況を鑑みて、上映日を調整していたモノクロVer.とIMAXでの上映。今回、緊急事態宣言の全面解除を受け、モノクロVer.は6月5日(金)、IMAXはその翌週6月12日(金)より公開されることが決定。さらに公開日決定と併せて、<劇場来場時のお願い>として、新型コロナウイルス感染予防対策を呼びかけるビジュアルも新たに到着。貧しいキム一家と裕福なパク一家が「マスク着用忘れずに」とマスクを着用、そして「適切な距離も保ちましょう」と自虐気味にソーシャルディスタンスを推進するコピーも添えられている。『パラサイト 半地下の家族』モノクロVer.は6月5日(金)、IMAXはその翌週6月12日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年05月28日ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』が、この度、スクリーンでの映画体験を待ち望むファンに向け、IMAXとモノクロVer.で劇場公開されることが決定。併せて、新たに2種類のビジュアルとモノクロVer.の予告編が公開された。第92回アカデミー賞で外国語映画として初めての作品賞を受賞、さらに監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4冠に輝いた本作。公開直後から日本でも大ヒットとなり、日本国内の観客動員数は330万人を超え、興行収入も45.5億円を突破。韓国映画として国内興行収入1位の記録を塗り替えただけではなく、『グリーンブック』(21.6億円)や『ラ・ラ・ランド』(44.2億円)など、近年のアカデミー賞受賞で大きな話題となった作品を引き離し、社会現象ともいえる大きな盛り上がりを見せた。そんな本作のIMAX上映は、北米ではオスカー獲得後の2月に1週間限定の上映が行われた、映画ファンの間でも話題となっていたバージョン。映像はIMAX仕様にあわせるためデジタルリマスター化され、臨場感がより際立ち、映画の吸引力を濃厚に感じられる映像体験が劇場で楽しめる。ポン・ジュノ「まるで昔の物語を見ているかのような不思議な感覚」また、映画ファンは垂涎モノのひと味違った感覚で本作を堪能できるモノクロVer.での上映も決定。実は、オリジナルのカラーVer.(通常版)がカンヌ国際映画祭でお披露目をされる前に作られたというモノクロVer.。ポン監督は「黒澤明、ジャン・ルノワール、ジョン・フォード、アルフレッド・ヒッチコックなど偉大な監督たちのフィルモグラフィーには、モノクロ映画の時代とカラー映画の時代とがありますが、私たちの世代はモノクロ映画を作る機会がありませんでした。自分もクラシックの仲間入りをしてみたいという夢を、最新のデジタル技術のおかげで実現することができました」と、製作の理由を語る。さらに、モノクロVer.をこれから見る観客に向けて監督は、「同じ映画がモノクロになることで、鑑賞体験がどれだけ変わるものか、面白く感じていただけると思います。私は今まで二度このバージョンを観ていますが、初めは寓話のように感じられ、まるで昔の物語を見ているかのような不思議な感覚になりました。二度目は、映画がより現実的で鋭く感じられ、まるで刃物で切りつけられるかのようでした。俳優たちの演技がさらに際立ち、より登場人物を中心に映画が展開しているようにも思えました。観客のみなさんが、カラー版の鑑賞体験と比較しご自身の『パラサイト』モノクロ版の鑑賞方法を見つけてくれたら嬉しいです」と、自身の感想と併せてメッセージを寄せた。現在、コロナ禍の終息を祈念しつつ、公開日は劇場再開後に向けて調整中という本作。視覚的な変化はもちろん、観た方なら分かる「におい」までも、より強く画面から感じられそうな貴重なモノクロVer.の上映、そして圧倒的な臨場感を味わえるIMAX上映。新たな『パラサイト』をぜひスクリーンで体感してはいかがだろうか。『パラサイト 半地下の家族』IMAX、モノクロVer.は近日公開予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年05月20日『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ国際映画祭でプレミア上映されてから1周年を迎えた。これを記念し、同作の北米配給を担当したネオン社が、「Parasite-A Year of Cinema」というタイトルの特別動画を公開した。5分半ほどの長さの動画で、冒頭はカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールに輝いたシーンから始まる。その後は世界各国の映画ファンを熱狂の渦に巻き込んだ怒涛の1年が描かれる。ポン・ジュノ監督がジミー・ファロンのトーク番組に出演する様子や、SAGアワードやゴールデングローブ賞などの賞を受賞したときの映像も収められている。クライマックスはもちろんアカデミー賞だ。外国語作品として初の作品賞を獲得し、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の計4部門を受賞。ジュノ監督は受賞スピーチで「ありがとうございます。明日の朝までお酒を飲みます」と言って笑わせたが、これを有言実行していたことが明らかに。動画の最後で関係者らと朝4時まで楽しそうに飲み明かしていた。また、「映画は人と人をつないでくれます。これ(功績)を可能にしてくれたみなさんに感謝します」「みんなのことが恋しいです。また一緒にお酒を飲みかわすときまで」とのメッセージが表示された。(Hiromi Kaku)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年05月15日韓国映画『地球を守れ!(Save the Green Planet!)』が英語でリメイクされることになった。製作は、『パラサイト 半地下の家族』のCJエンタテインメント。監督はオリジナルのチャン・ジュヌァン。プロデューサーには『ミッドサマー』のアリ・アスターも名を連ねる。オリジナルの公開は2003年。釜山映画祭で作品賞、監督賞、主演男優賞などを受賞、カンヌ映画祭でも上映されたが、日本では劇場公開されていない。エイリアンが地球を滅ぼそうとしていると信じる青年が、恋人の協力も得て、地球を守るために大胆な行動に出るSFコメディだ。脚本はこれから執筆される。文=猿渡由紀
2020年05月08日『パラサイト 半地下の家族』を手掛けた韓国の映画会社「CJエンタテインメント」が、シン・ハギュン主演の韓国映画『Save the Green Planet!』(2003年公開)の英語版リメイクを製作するという。「Variety」誌などが報じた。「CJエンタテインメント」は、オリジナル版『Save the Green Planet!』の製作も担当しており、英語版は『へレディタリー/継承』&『ミッドサマー』のデュオ、アリ・アスター監督&プロデューサーのラース・クヌードセンとタッグを組んで製作を行う。監督はオリジナル版と同じくチャン・ジュナン(『ファイ 悪魔に育てられた少年』)が務める。脚本はウィル・トレイシー(「キング・オブ・メディア」)に打診しているとのこと。オリジナル版は、地球がエイリアンによって侵略寸前であり、地球を救える者は自分しかいないと信じ込んでいる男が主人公のブラックコメディ&SF作品。「CJエンタテインメント」のマイク・リーは、「私たちが『パラサイト』から学んだことは、世界中の観客がジャンルを取り払った大きなテーマの作品を観たがっているということ。チャン監督はその道の達人ですし、アリ、ラース、ウィルとともに働けることをうれしく思います。彼らは特別であったオリジナル版を、『今だからこそ』と感じられる英語版にしてくれるでしょう」と語っている。(Hiromi Kaku)
2020年05月08日第92回アカデミー賞で『パラサイト 半地下の家族』がアジア映画として初めて作品賞を受賞、さらには「BTS」(防弾少年団)が米ビルボートチャートで記録を更新し、第62回グラミー賞授賞式で初パフォーマンスを行うなど、いま韓国は世界が最も注目するエンターテインメント大国。日本でも、韓国映画だけでなく、人気漫画を原作にしたドラマや、「TWICE」のプロデューサーが手がけるオーディション番組、本国で圧倒的人気を誇る恋愛リアリティ番組など、さまざま角度からエンタメ好きを刺激する韓国発のコンテンツを配信で楽しむことができる。恋する気持ちをアプリで告白!?ドラマ「恋するアプリ Love Alarm」(Netflix)自分に恋する人が半径10m以内にいると知らせてくれるアプリ、“ラブアラーム”。好きな人の気持ちや自分の人気度を試そうと同級生たちが盛り上がる中、主人公の女子高生キム・ジョジョはある事情から夢中になれずにいた。やがて、転校生のソノと出会ったジョジョが、ついに"ラブアラーム"を起動させると両思いに。しかし、ソノの幼なじみ・ヘヨンもジョジョを一途に思い続けており…。人気WEB漫画を原作にした本作は、「半径10m以内に好きな人がいたらアラームが鳴る」“ラブアラーム”の見せ方がキュートながら、アプリに左右されるそれぞれの恋愛模様が切なく、リアル。SNS疲れや若者の自殺など他人事ではない問題にも踏み込みつつ、数々の名セリフで大人も魅了する。子役から活躍し、「太陽を抱く月」「仮面の王 イ・ソン」などで"時代劇女神”と呼ばれるキム・ソヒョンは、久々の学園ドラマ。映画『感染家族』で注目されたチョン・ガラム、そして韓国版「カノジョは嘘を愛しすぎてる」や「ビューティフル・バンパイア」のソン・ガンのイケメンぶりも話題を呼び、先日シーズン2の製作が発表された。未来のガールズグループがここから誕生!?オーディション番組「NiziProject」(Hulu)「TWICE」や「2PM」「Stray Kids」などが所属する韓国大手プロダクション「JYP」とソニーミュージックが組み、2019年7月~8月に日本国内8都市、ハワイ、L.A.を含めた全10か所、国籍不問で開催されたグローバル・オーディション「Nizi Project」。そのオーディションの様子や、1万人以上の中から選抜された26名が参加した合宿トレーニングに密着していく。日本合宿の最終ステージには「TWICE」のサナとモモが特別審査員として参加した。韓国のみならず、世界中から注目されるK-POPアーティストを生み出し、自身も韓国を代表するミュージシャンにしてプロデューサーである「JYP」代表J.Y. Park(パク・ジニョン)のお眼鏡にかなうのは誰なのか?ここから発掘、育成、選抜されたガールズグループのメンバーはメジャーデビューも予定されている。シーズン2が4月24日(金)22時より配信開始。日本で最速独占配信!新感覚・恋リア「HEART SIGNAL3」(ABEMA)若い男女が“シグナルハウス”での1か月間の共同生活を通して繰り広げる恋愛模様を追いかけた、韓国で圧倒的人気を誇る恋愛リアリティーショー。入居者はたとえ気になった相手がいても、同居が終わる1か月後まで直接告白をすることができず、毎晩“自分の正体を明かさず”に気になる異性1人にだけメッセージを送る、というルール。そのドキドキの共同生活の様子だけでなく、パネラーたちが入居者のラブライン(相関図)を予想するという、推理ゲームの要素も人気の秘密となっている。そのシリーズ最新作「HEART SIGNAL3」には新ルールが追加。入居1週間前から始まる感性マッチング、本能的なシグナルを映し出す特殊カメラ、そして裏で動く“隠されたルール”「JOKER」が加わり、 “感性”と“本能”という、これまでになかった新しい視点での推理が可能に。ABEMAでは韓国での放送翌週に、日本語字幕付きの最速独占配信で楽しむことができる。また、今回は最高峰レベルに洗練された美男美女が登場。そんな彼らが気になる相手に視線を送り、リアルガチな熱い恋愛模様を繰り広げるさまは、韓国ドラマや映画にドハマり中の人たちも夢中になってしまいそう。「HEART SIGNAL3」はAbemaSPECIALチャンネルにて最新話まで全話無料配信中。「HEART SIGNAL」は4月27日週に、「HEART SIGNAL2」は5月4日週にAbemaビデオにて全話無料配信(1週間)。(text:Reiko Uehara)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年04月23日『パラサイト 半地下の家族』を抑え、韓国映画での歴代興行収入No.1の記録的メガヒットとなった『エクストリーム・ジョブ』が、本日4月10日(金)より期間限定先行配信。これを記念して、アクション映画のカッコいいオープニングとはほど遠い(!?)約2分の冒頭映像が公開された。公開された冒頭映像は、イ・ハニ演じるチャン刑事の一風変わった麻薬捜査シーンが映し出されている。メガホンをとるのは、『過速スキャンダル』『サニー 永遠の仲間たち』の脚本を担当し、『二十歳』では専売特許の「言葉遊びコメディー」で300万人の観客を動員したイ・ビョンホン監督。本作では、特有のパンチの効いたセリフに奇抜な素材と設定で、未だかつてない極上のアクション・エンターテインメントを誕生させた。2019年に韓国で公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』『アナと雪の女王2』、そして『パラサイト 半地下の家族』などの大作・話題作を抑え2019年度NO.1ヒットを記録、さらには韓国歴代興行収入を塗り替えるまでに大ヒット、一大旋風を巻き起こした本作。今回の配信は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、外出自粛をする人たちへ娯楽環境の提供として実施が決定した。『エクストリーム・ジョブ』はParavi、TSUTAYA TV、Amazon Prime Video、U-NEXT、Google、Rakuten TV、dTVほか各動画配信サービスにて配信中。(価格:1,200円)(text:cinemacafe.net)■関連作品:エクストリーム・ジョブ 2020年1月3日よりシネマート新宿ほか全国にて公開©2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED
2020年04月10日《text:西森路代》『パラサイト』が米アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞により話題となっている。そんな中、もっといろんな韓国映画を見てみたいと思い始めたけれど、何から手をつければいいか迷っている人も多いのでは。コロナウィルスの影響で、仕事がテレワークとなったり、自宅で過ごす時間も多くなった今、入門編から、中級編、上級編とわけ、気軽に見れるものから、見ごたえのある作品まで、6本の韓国映画をオススメします。入門編『サニー 永遠の仲間たち』この作品は、日本でも篠原涼子主演、大根仁監督で2018年に『SUNNY 強い気持ち・強い愛』というタイトルでリメイクされたから知っている人も多いのでは。元になった韓国映画は2011年に公開された。がんで余命いくばくもない40代の女性が、同級生たちと再会し、過去の思い出とともに紡がれるストーリーだ。かつては輝いていて希望に満ち溢れた「サニー」と呼ばれるグループの仲間たちも、今やそれぞれが人生の岐路に立たされていた。あるものは結婚したものの夫に浮気されていたり。またあるものは、かつてはミス・コリアにあこがれていたが、今は酒場で働き、生活は安定していない。こんな風に、決して順風満帆ではない人生を送っている女性たちのリアルを描きつつ、仲間が再会したことで、少しだけ前に向いて歩きだす姿に心をゆさぶられる。『グッバイ・シングル』韓国のスター、キム・ヘスがわがままなトップ女優に扮し、また彼女を支えるスタイリストをマーベルの『エターナルズ』に出演することも決まっているマ・ドンソクが演じたコミカルな一作。ある日女優のジュヨンは仕事も落ち目で年下の彼氏にもふられ、自分だけの味方を作りたいと妊娠を計画する。彼女は妊娠を発表することになるが、それは偽装で、とある望まぬ妊娠をした少女の子供を自分のところで隠れて引き取ろうとしていたのだった…。わがままな女優と少女が同居生活を始め、当初は反発しあうときもあったが、次第に姉妹か親子かというような関係性になっていくのが見もののシスターフッドな作品。普段は強くて正義感ある姿がトレードマークのマ・ドンソクの、わがままな女優に振り回されつつも、細やかな気遣いを忘れない新境地のキャラクターにも注目だ。中級編『新感染 ファイナル・エクスプレス』ソウルと釜山を結ぶ高速鉄道で、謎のウィルスの感染によって乗客がパニックに陥る様子を描いた作品。要はゾンビ映画と言っていいだろう。主演は、今年『82年生まれ、キム・ジヨン』の公開も決まっているコン・ユ。彼が演じる役は仕事にあけくれ決して模範的とはいいがたい父親だった。そんな彼が娘を連れて高速鉄道に乗り釜山に向かう中で、自身の父親としての在り方についても気づいていく。先述の『グッバイ・シングル』にも出演のマ・ドンソクの繰り広げる力強いアクションや、「気は優しくて力持ち」なキャラクターにも注目だ。パニック映画として、終始ハラハラドキドキもできるし、その中にある人間ドラマにも深みがあって、満足度が高い一作。また『パラサイト』でソン・ガンホの長男役を演じたチェ・ウシクも重要な役どころで登場するので目が離せない。『タクシー運転手 約束は海を越えて』『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホ主演。韓国で実際に起こった光州事件当時のソウルと光州を描く。タクシー運転手として、娘とつつましいながらも幸せに暮らしていた主人公のマンソプが、ひょんなきっかけから、ドイツ人記者のピーターを乗せて光州に向かうことに。しかし、光州に到着してみると、そこは警戒軍が民衆に向かって発砲を繰り広げる、武装闘争の場となっていた。自分の半径数メートルの幸せを求めていたマンソプも、この事態を見て、自分だけではどうにもできないことがあるという憤りを感じることとなる。平和な状況に満足していたならば響かないかもしれないが、何らかの危機感を感じているものならば、自分はそんなときにどうあればよいのかを考えさせられ、心にズシっとしたものを感じさせる。上級編『新しき世界』ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェが主演。犯罪組織に属するイ・ジャソンとチョン・チョン。しかし、ジャソンは警察から捜査を任された潜入捜査官であった。こう書くと、香港の『インファナル・アフェア』を思い起こさせるものがあるが、こうした潜入捜査官ものの物語を更新し、また韓国ノワールというジャンルを確立した一作と言っても過言ではないだろう。可愛げがあって憎めないチョン・チョンと、そんなチョン・チョンにやれやれ感で応じるクールなジャソンのキャラクターの対比も良いが、そんな2人が友情というだけではとどまらない気持ちを持ちつつも、ジャソンが潜入捜査官であるという秘密を抱え持っていることで起こる悲劇。そして彼がどう運命を受け入れるのか…。とにかく描かれている気持ちが濃くて何度でも見てしまいたくなる。『生き残るための3つの取引』先述の『新しき世界』の監督のパク・フンジョンが脚本を担当し、『ベテラン』など、今や韓国のアクション映画の代表格となったリュ・スンワンが監督をした一作。凄惨な連続殺人事件が起こり、その容疑者をある刑事が過って射殺してしまう。警察庁広域捜査隊のチョルギ刑事(ファン・ジョンミン)は、警察庁から依頼され、その連続殺人事件の犯人をでっちあげるという暴挙に出る。チョルギは作戦を実行するため、元暴力団の不動産会社社長チャン・ソック(ユ・ヘジン)に協力を仰ぐ。一方、検事のチュ・ヤン(リュ・スンボム)は自らも賄賂を受け取る汚職検事であるが、チョルギを不信に思い彼を追う。正義をベースに進む韓国映画が昨今は多い中、正義のない3人の男の運命を描くという複雑な作品だけに、上級編としておススメしたい。(text:西森路代)■関連作品:生き残るための3つの取引 2011年4月29日より銀座シネパトス、シネマート新宿ほか全国にて公開© 2010 CJ Entertainment Inc. All Rights Reservedサニー 永遠の仲間たち 2012年5月19日よりBunkamuraル・シネマ 、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011 CJ E&M Corporation. All Rights Reserved新しき世界 2014年2月1日より、丸の内TOEIシネマート新宿ほか全国にて公開© 2012 NEXT ENTERTAINMENT WORLD Inc. & SANAI PICTURES Co. Ltd. All Rights Reserved.新感染 ファイナル・エクスプレス 2017年9月1日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜 2018年4月21日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2017 SHOWBOX AND THE LAMP. ALL RIGHTS RESERVED.
2020年04月08日東西冷戦下、手作りの熱気球で西ドイツを目指した平凡な家族の勇気と絆を描く実話サスペンス『BALLOON』(原題)が、邦題を『バルーン 奇蹟の脱出飛行』として公開されることが決定した。■ストーリー1979年、東ドイツ・テューリンゲン州の電気技師ペーターとその家族は、手作りの熱気球で西ドイツを目指すが、国境までわずか数百メートルの地点に不時着してしまう。東ドイツでの抑圧された日常を逃れ、自由な未来を夢見ていたペーターは、準備に2年を費やした計画の失敗に落胆の色を隠せない。しかし妻とふたりの息子に背中を押されたペーターは、親友ギュンターの家族も巻き込み、新たな気球による脱出作戦への挑戦を決意する。ギュンターが兵役を控えているため、作戦のリミットはわずか6週間。ふたつの家族は一丸となって不眠不休の気球作りに没頭するが、国家の威信を懸けて捜査する秘密警察の包囲網が間近に迫っていた…。■東西冷戦下、西ドイツへと亡命した家族描いた実話サスペンス東西冷戦下、西ドイツへと亡命した家族の奇想天外でスリリングな“逃飛行”を描いた本作は、1979年に実際に起きた奇蹟の実話を基にしている。ハリウッドのアドベンチャー映画さながらの脱出劇を実行し、本当に成功させてしまったのは、特殊技術も持たないごく平凡な一般市民で、総勢8名のメンバーの半分は幼児を含む子どもだった。そんな彼らが、当時のメディアに「東ドイツからの最も華々しい亡命」と世界的に報じられた奇蹟の脱出作戦をいかにして成し遂げたのか。国家の裏切り者として逮捕、投獄されるリスクを知りながら、命を危険にさらしてまでも、なぜ一か八かの亡命を決断したのか。本作では、これらの疑問を解き明かすとともに、息もつかせぬ圧倒的なスリルと力強いエモーションで観る者を魅了する。監督を務めたのは、『小さなバイキング ビッケ』『マニトの靴』などを手掛けたミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ。手作りの熱気球で西ドイツを目指す家族を、『マーラー 君に捧げるアダージョ』『ルートヴィヒ』のフリードリヒ・ミュッケのほか、カロリーヌ・シュッヘ、デヴィッド・クロス、アリシア・フォン・リットベルクらが演じる。『バルーン 奇蹟の脱出飛行』は今夏よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年03月26日米国アカデミー賞で4冠に輝き、世界中を席巻した映画『パラサイト 半地下の家族』の“パク社長”ことイ・ソンギュンの主演最新ドラマ「検事内伝」が、CS放送局「衛星劇場」にて5月14日(木)から日本初放送されることになった。本作は、地方の検察庁で働くごくごく一般的なサラリーマン検事と、中央地検からやってきた超エリート女性検事が反発し合いながらも絆を深めていく、笑って泣けるリーガル・ハートフルドラマ。元検事によるベストセラー・エッセーを原作に、地味で哀愁漂うサラリーマン検事と、子育てとの両立に苦戦する母親検事、プライベート重視の若者検事など、一般社会に通ずる社会人たちのそれぞれの生き様をリアルに描き出した。また、“モッパンドラマ”(「モッパン」=「食べる」+「放送」の造語)として、検事たちが頬張る、食欲そそるサラメシの数々も注目を集めた。ストーリー故郷のジニョンで、野望もなく平凡に暮らしていたごく普通の“サラリーマン検事”のソヌン。そんなある日、ソウルからエリート女性検事ミョンジュが赴任してくる。検事として成功していたはずのミョンジュが、なぜ地方のジニョンへ突然やってきたのか?しかしジニョン支庁の検事たちはそんなことを悠長に考えるヒマもなく、ミョンジュの登場によって振り回されることに。事あるごとに対立するソヌンとミョンジュ。実は2人は大学の同窓で、当時からエリートであったミョンジュは、あることをきっかけにソヌンをライバル視していたのだ。ケンカばかりの2人は果たして分かりあうことができるのか!?そして平穏な日常を壊されたソヌンたちの運命は!?「検事内伝」は5月14日より毎週木曜23時~CS放送局「衛星劇場」にて放送(※2話連続放送)。(text:cinemacafe.net)
2020年03月23日最新作『パラサイト半地下の家族』が公開中のポン・ジュノ監督の過去作を集めた特集上映「鬼才ポン・ジュノの世界!」が東京・渋谷のユーロスペースで開催されている。ポン・ジュノ監督は新作『パラサイト…』でカンヌ映画祭最高賞パルムドール、アカデミー作品賞など数多くの栄冠に輝いたが、作品を描く姿勢や題材の選び方は、どの作品にも共通する部分が多い。複数のエピソードを巧みに描き分ける短編『支離滅裂』や、子犬の失踪事件を追う主人公を描いた長編デビュー作『ほえる犬は噛まない』、連続殺人事件を追う刑事たちの姿を通してその背後にある社会を描いた『殺人の追憶』……どの作品も、登場人物のキャラクター表現のうまさ、観客の意表をつくギャグ表現、緊迫感みなぎるラストの展開、そして小さな社会や家族から国家や社会システムを見通す視点など多くのポイントで共通点があり、続けて観ることでポン・ジュノ監督の“作家性”がしっかりと浮かび上がってくる。その一方、監督はキャリアを重ねるごとに映画の“語り”を洗練させてきた。日常の風景を少し変わったカメラ位置から切り取る点や、画面いっぱいにひろがる同一のモチーフ(集合住宅のドア、夜に浮かび上がる家々の灯り)、モンタージュ表現を用いて語りを加速させる手法など共通点は多いが、そのスキルは作品を重ねるごとに進化。海外の映画人とのコラボレーション作品『スノーピアサー』、『オクジャ』を経て、“映像で語ること”のレベルが格段の進化を遂げており、作品を時系列で観ていくことで『パラサイト』にいたる道すじが見えてくる。今回の特集ではポン・ジュノ監督の過去作4本を連日上映。改めて振り返ることで、ポン・ジュノ監督の“変わらない姿勢・視点”と“映画作家としての進化・成熟”の両方を感じられるはずだ。特集上映「鬼才ポン・ジュノの世界!」『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』デジタルリマスター版『母なる証明』『スノーピアサー』ユーロスペースで開催中
2020年03月22日今年のアカデミー賞で、『パラサイト 半地下の家族』が作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門を受賞し、一躍世界の注目を集めた韓国映画。歴史は浅いものの、その進化のスピードはものすごく、今や技術面でも脚本面でもハリウッドに負けないという。そこで、映画ライターのよしひろまさみちさんに今、見るべき作品を聞いた。■ポン・ジュノ監督が描く少女と動物の友情『okja/オクジャ』配信:Netflixオリジナル韓国の山村で暮らす少女ミジャは、大きく穏やかな動物オクジャが大の親友。ある日、アメリカにある多国籍企業が、ある計画のためにオクジャに目をつけ、連れ去ってしまう。食の問題をブラックユーモアたっぷりに描いた米韓合作。■光州事件を実話ベースに描いた感動作『タクシー運転手~約束は海を越えて~』配信:Amazon prime videoほか1980年5月、光州で大規模なデモが発生し、軍が街を封鎖した噂が流れる。ドイツ人記者ピーターは、タクシー運転手を雇い、現地に向かう。民主化運動のきっかけとなった光州事件が世界に報じられるまでの決死の数日を描く人間ドラマ。■南北問題を社会派エンタメにした娯楽作!『鋼鉄の雨』配信:Netflixオリジナル韓国企業が北朝鮮と手を結ぶ記念すべき日にクーデターが発生。最高指導者は瀕死の重傷を負い、その場にいあわせた元工作員チョルウは彼を連れて韓国へ脱出するのだが……。南北の緊張関係を舞台にした、社会派フィクション。■パンデミック系ノンストップムービー『新感染ファイナル・エクスプレス』配信:Hulu、Netflix、Amazon prime videoほかファンドマネージャーのソグは、娘を連れて別居中の妻のいる釜山へ。ちょうどそのころ、ソウルを起点に謎のウイルス感染が急速に蔓延。彼らが乗る釜山行き高速鉄道にも感染者が乗り込んで……。丁寧なキャラクター描写が秀逸な感動作。■韓国民主化闘争を描く骨太な社会派ドラマ『1987、ある闘いの真実』配信:Hulu、Amazon prime videoほか1987年1月、軍政下の韓国。警察の尋問で大学生が死んでしまい、隠蔽工作が始まる。疑念を抱いた検事、真実を公表しようとする新聞記者と刑務所看守などが立ち上がるのだが……。民主化のきっかけとなった実話の裏には、報道 vs. 権力という構図が。■南北がタッグを組んだ痛快刑事アクション『コンフィデンシャル/共助」配信:Hulu、Amazon prime videoほか米ドル偽札を作る組織の捜査をしていた北朝鮮の刑事チョルリョンは、原板を持って逃亡した組織を追い韓国へ。韓国側の協力も得て、史上初となる南北共助捜査が始まるのだが……。北のエリート刑事と南の熱血刑事の掛け合いが絶妙。■韓国映画歴代興行収入第2位の超大作『国際市場で逢いましょう』配信:Hulu、Amazon prime videoほか朝鮮戦争時に母と2人の妹と釜山に避難したドクスは、一家の大黒柱として西ドイツへの出稼ぎ、ベトナム戦争出征などを経験。釜山の国際市場を起点に、時代の荒波にもまれながらも、家族のために生き抜こうとした男を描く大河ドラマ。この20年、韓国映画界は豪速で躍進し、ついには映画界最高の賞をゲットするほどに。「よく言われるのは、韓国は映画コンテンツを国策としてやっているから強い、ということ。でも、それだけではオスカーは獲れないし、韓国と同レベルの政府助成が他国でも当たり前なんです」そう、よしひろさんは語る。では、何が日本映画より進化しているのだろう。「大きな理由は2つ。(1)国の文化予算の使い道、(2)現場の環境です。(1)は韓国の場合、単純に日本の倍くらいの予算と助成金制度があります。日本も助成金制度はありますが、映画作りのプロセス上で『実際の撮影に関わるもの』にしか使えないルールがあり、物語を決める企画段階、または宣伝などには助成金が使えません」また、「少ない予算の中でも選ばれし中規模級の作品にしか割り当てがいかないのも問題」とよしひろさんは言う。「(2)に関しては、じつは韓国映画の制作現場は、ハリウッド同様に労働者ファーストの契約があります。これは『パラサイト』の監督のポン・ジュノをはじめ、すでにハリウッドで仕事をしたことのある映画人が変えたこと。働く人の環境がよくなければ、いい作品は作れない、という基本に立ち返ったことで、この数年の作品クオリティが飛躍的に向上。そればかりか、労働条件が同じということで、ハリウッド映画の招致もスムーズに。マーベル映画のロケを招くことにも成功しました」「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月19日米アカデミー賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』の“奥様”で話題のチョ・ヨジョンと、「復活」「魔王」というヒットドラマ製作陣と組んだ「凍てついた愛」が6月よりリリースされることが決定した。「復活」「魔王」脚本家・監督の黄金コンビ最新作ソン・ジュンギ&チャン・ドンゴンの「アスダル年代記」など韓国作品以外に、中国でも活躍するチュ・ジャヒョンが、学校の屋上から転落し、意識不明となった息子のために奮闘する母親イナ役、アカデミー賞4冠を達成し、日本でも記録的な大ヒットとなっている『パラサイト 半地下の家族』のチョ・ヨジョンが、イナを苦しめる母親ウンジュ役を演じる本作。「復活」「魔王」「サメ~愛の黙示録~」などのヒットメーカーコンビ、脚本家キム・ジウと監督パク・チャンホンによる最新作は、国際派女優による迫真の演技合戦も要注目。エゴイズムと愛情に揺れる親子の葛藤を描いた話題作2018年の大ヒットドラマ「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」で、韓国の非地上波チャンネルとして歴代最高視聴率を記録したJTBC。その勢いそのままに、本作でも同様に“親のエゴイズム”や“抑圧された子どもたち”というテーマを引き継ぎ、校内暴力の裏に潜む親たちの欲望を生々しく描き、現代社会の闇に鋭く切り込んだ。子を持つ親が心打たれると、韓国でも話題を呼んだ。人気子役出身の注目株ナム・ダルム&ソ・ドンヒョン出演物語のキーパーソンとなる中学生ソンホ役には、「あなたが眠っている間に」「王は愛する」など数々の話題作に子役として演技を重ねてきたナム・ダルムが抜擢。同級生ジュンソク役は、「私たちが出会った奇跡」などに出演した同じく子役出身のソ・ドンヒョン。大人たちの感情に巻き込まれ、怒りと哀しみが入り混じった感情表現が視聴者の心を掴む。あらすじ皆既月食の夜、中学3年生の息子が学校の屋上から転落し意識を失った。突如として降りかかった悲しい現実に打ちひしがれながらも、自殺未遂ではないと信じる母親が、愛する息子のため真実を明らかにしようと立ち向かう。しかし、そこには母親たちのリアルな感情が複雑に絡み合う、凍てついた世界が待ち受けていたーー。「凍てついた愛」は6月3日(水)よりDVD発売、レンタル開始。(text:cinemacafe.net)
2020年03月08日2月29日、3月1日の全国映画動員ランキングは、公開8週目の『パラサイト 半地下の家族』(全国328館)が今週も首位を守った。公開2週目の『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(全国322館)も先週と変わらず2位をキープ。アニメーション業界で活動する若者たちを描いた『劇場版 SHIROBAKO』(全国157館)は初登場3位になった。公開4週目の『犬鳴村』(全国210館)は先週3位から4位に。ハリソン・フォードが主演を務める映画『野性の呼び声』(全国338館)は初登場5位になった。公開2週目の『ミッドサマー』(全国107館)は先週7位から順位をあげて6位に。そのほか新作では、ギレルモ・デル・トロ監督がプロデュースを務め、アルヴィン・シュワルツによる小説シリーズを映画化したホラー『スケアリーストーリーズ 怖い本』(全国188館)が初登場10位。『仮面ライダージオウNEXT TIMEゲイツ、マジェスティ』は初登場11位につけている。次週は『仮面病棟』『劇場版ウルトラマンタイガニュージェネクライマックス』『劇場版 おいしい給食 Final Battle』『ジュディ 虹の彼方に』『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』『星屑の町』『酔うと化け物になる父がつらい』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『パラサイト 半地下の家族』2位『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』3位『劇場版 SHIROBAKO』4位『犬鳴村』5位『野性の呼び声』6位『ミッドサマー』7位『ヲタクに恋は難しい』8位『1917 命をかけた伝令』9位『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』10位『スケアリーストーリーズ 怖い本』
2020年03月02日朝鮮王朝時代を舞台に、物怪(ムルゲ)と呼ばれるモンスターが登場する韓国時代劇エンターテインメント映画『ムルゲ 王朝の怪物』。この度、『パラサイト 半地下の家族』の長男役で注目を集めるチェ・ウシクの登場シーンを含めた、韓国版劇場予告編の日本仕様バージョンの映像が解禁された。国内に疾病が蔓延する中、宮廷の背後にそびえる仁王山(イナンサン)に“物怪”(ムルゲ)が現れるという噂が流れる。ムルゲと遭遇した人間は逃げおおせても疫病にかかり、悲惨な死を迎えるという。民衆が恐怖と混乱に陥る中、それに乗じて王の失権を目論む陰謀が密かに計画されることに…。今回解禁となった本編のシーンは、政争によって朝廷から追放された最強の武人、ユン・ギョム(キム・ミョンミン)を再び朝廷に呼び戻すため派遣されたホ宣伝官(チェ・ウシク)が、ユン・ギョム、そして彼の娘である弓の達人ミョン(イ・ヘリ)と出会う最初の重要なシーン。特に見ものは、アカデミー賞4部門を受賞し、日本でも大ヒット中の『パラサイト 半地下の家族』で長男役を演じているチェ・ウシクが、同作とは打って変わって朝廷に仕える青年としてクールでかっこよく登場する姿。そして、K-POPグループ「Girl’s Day」のメンバーとして活躍し、韓国歴代視聴率No.1ドラマ「恋のスケッチ~応答せよ1988~」でヒロインを務めたイ・ヘリ演じるミョンの美しく凛々しい姿。さらに韓国版予告編は、物怪(ムルゲ)を中心にしたモンスタームービー的に描かれ、迫力もたっぷりだ。監督は、チョン・ジェヨン、チョン・ドヨンW主演の『カウントダウン』でデビューし、『パラサイト』イ・ソンギュン主演の『奴が嘲笑う』でもエンタメ、アクションのツボを得た演出でヒットを放ったホ・ジョンホ。本作では王宮のオールセットという入念な準備を経て、新境地となる時代劇に挑んでいる。『ムルゲ 王朝の怪物』は3月13日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年02月29日『パラサイト 半地下の家族』のストーリーボードが、グラフィックノベル本としてアメリカで出版されることになった。ストーリーボードを描いたのはポン・ジュノ本人。セリフ、カメラの位置などの指示は、英語と韓国語、両方で書かれるとのこと。ページ数は304で、冒頭にはポン・ジュノによる前書きが入る。タイトルは『Parasite:The Screenplay and the Storyboard Book』。アメリカではこの夏、韓国では10月に出版される予定。『パラサイト 半地下の家族』は現在までに北米で5,000万ドル弱、全世界で2億ドル以上の劇場興収を上げている。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』公開中
2020年02月28日現在、韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』が世界中を席巻していることもあり、アジアの映画界も活気に満ちているところですが、今回ご紹介するのは、中国新世代をけん引する新鋭監督が放つ話題作です。それは……。『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』【映画、ときどき私】 vol. 294父親の死をきっかけに、故郷の凱里(かいり)へと帰ってきたルオ・ホンウ。彼は、マフィアに殺された幼なじみや自分を捨てて駆け落ちした母の記憶を拾い集めるように、街をさまよっていた。そして何よりもルオの心から離れなかったのは、運命の女だと思っていたワン・チーウェンのこと。いつしか女の面影を追い求めて、旅へと出ることになるのだった……。本作は、中国国内で公開1日にして41億円という驚異的な興行収入を叩き出し、アメリカでもロングランとなった注目作。なかでも映画が始まって80分ほどしてから2Dから3Dへと切り替わり、そこから60分ワンカットで見せる驚異の映像には称賛の声が上がっています。そこで、その舞台裏についてこちらの方にお話をうかがってきました。中国の若き鬼才ビー・ガン監督!2015年に26歳という若さで『凱里ブルース』で長編監督デビューを果たし、国際的な評価を得たビー・ガン監督。長編2作目となる本作は、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への出品を皮切りに、各国の映画祭で話題となっています。監督にとって意欲作ともいえる作品へ込めた思いや大ヒットの理由などについて語っていただきました。―まずは、今回初めて日本に来られたそうですが、どのような印象を受けているのかを教えてください。監督最初に見た印象として、日本は秩序に満ちた場所だと感じました。それは車から見る景色や街路樹の配列ひとつとってもそうですが、美しい秩序がある国だと思います。―そんなふうに、日常生活で目に入ってくるものからインスピレーションを得ることは多いですか?監督確かに、インスピレーションの源は、自分の暮らしのいろいろなディテールからすくい上げることはあります。ただ、実際に作品を作り終えて、自分で振り返ってみたときにどこからインスピレーションを拾ってきたのかは、自分自身でも思い出せないことが多いんですよ。ちなみに、今回の作品で言うならば、3Dのシーンを撮った場所は前作の『凱里ブルース』の撮影でも使っていた場所で、「次もここで撮りたい」とずっと思っていたので、前作との関連はすごく大きいと思います。―ということは、この作品に関しては、まずは場所から生まれたということでしょうか。監督そうですね、最初からそれは頭のなかにありました。脚本を書いているときは、記憶と夢の2つを軸にした作品にしようと思っていたのですが、この場所のことがどうしても忘れられなかったので、ここを舞台にしようと決めてから物語を組み立てていきました。偶然が重なって思わぬ現象が起きた―中国では歴史的な大ヒットを記録されましたが、観客の心を掴んだ一番の要因は何だとお考えですか?監督今回成功した理由は、とても複雑なものだと考えています。というのも、この映画はアートフィルムに属すると思いますが、中国だけでなく、世界の映画マーケットにおいても、観客が「アートフィルムを観に行かなければ!」と思うような現象というのは、いまだかつて例がなかったことかもしれないからです。私たちが工夫したのは、映画のポスターや予告編を作る際に、作品の質感や雰囲気、本作で伝えたいロマンや美学といったものをなるべく伝えられるようにすること。さらに、封切の日にも意味を持たせるようにしました。―具体的にはどういったことをしたのでしょうか?監督英語のタイトルは邦題と同じく「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」という意味ですが、中国語のタイトルを直訳すると「地球最後の夜」となります。それにちなんで、公開日を12月31日の夜にし、映画の終わり時間をちょうど0時に設定したんです。そうしたところ、「1年の最後に『地球最後の夜』という映画を見て、恋人と年越しのくちづけを交わそう」とSNSを中心に話題となり、偶然が重なってこのような現象を引き起こしました。とはいえ、内容が難解すぎたようで、観客からいろいろな意見も上がりましたが、結果的には芸術と観客をつなげることができたのではないかと考えています。―さまざまな要素がうまく重なり、これほどの動員へとつながったのですね。監督ただ、こういった一連のブームのあとに私が思ったのは、中国の観客の多くは世俗的でわかりやすく、心の交流を感じられるような映画を望んでいるのであって、芸術性の高いものはまだまだ受け入れられないのが現状なんだなということでした。とはいえ、中国はすごく広いですし、人種も複雑なので、客層に合わせて宣伝方法を変えたり、手の込んだことをするというのもなかなかできないのが現実です。もし、若い人に来てほしいと思ったら、彼らの共感を得られるようなものにしなければいけませんが、それがもっとも難しい部分でもあります。とてつもない挑戦にみんなで立ち向かった―本作では、主演を務めたタン・ウェイさんとホアン・ジエさんの存在感も見事でしたが、監督からはどのような演出をされたのでしょうか。監督実は、彼らのように第一線で活躍するプロの役者さんと一緒にお仕事させていただくのは、僕にとって初めての経験でした。そういったこともあり、演技に関して指導することはほとんどありませんでしたが、3Dの部分は60分の長回しで、すべてを一気に撮らなければいけないというとても難易度の高い撮影だったので、立ち位置などは正確にお願いしました。とにかくリハーサルが大変でしたし、5回ほど撮り直しもしましたが、もし観客のみなさんがご満足いただける内容になっているとすれば、それは私たちの努力が実った結果だと言えると思っています。―実際にキャストとスタッフのみなさんにとってかなりの挑戦だったと思いますが、撮影で大変だったことを教えてください。監督まず苦労話について質問を受けるたびに私が言っているのは、「技術的に難しいこと」と「良い映画であること」は必ずしもイコールではないということ。あくまでもそれを前提に聞いていただければと思います。最後のシーンにどのくらい時間をかけたのかを正確に計算したわけではないですが、この映画の制作にかかった期間は、およそ9か月。後半のシーンには、その約半分を費やしています。特に長回しのところでは、撮影中にどうすればスムーズに進めるのか、細かくコミュニケーションを取り、みんなの呼吸を合わせるためのリハーサルを何度もしなければいけなかったので、とてつもない挑戦ではありました。―前作でも40分ワンカットのシーンがあり、長回しは監督の作品において特徴のひとつでもありますが、長回しならではの魅力はどんなところですか?監督たとえば、『凱里ブルース』では時間をテーマにした映画だったということもあり、時間を完全な状態で表現したいと思い、長回しという手法を取りました。本作は記憶と夢が中心ではありますが、時間と空間を提示するためには、時間の構造をそのまま体験していただきたかったので、今回も長回しが有効だったと思っています。日本のカルチャーには親しみを感じている―なるほど。ちなみに、もともと映画監督になろうと思ったきっかけは何ですか?監督大学に入ったとき、初めてたくさんの映画を観るようになったんですが、そこで「アンドレイ・タルコフスキー監督のような作品を撮りたい」と思うようになり、映画監督を目指すようになりました。―そのなかで影響を受けている作品などがあれば、教えてください。監督たくさんありすぎて選ぶのが難しいですが、数多くの名作を観るなかで学習し、それぞれの良い部分を自分のなかに吸収してきました。その過程では、本当に多くの傑作と出会うことができたと思っています。日本の作品を挙げるなら、伊丹十三監督の『タンポポ』が好きですね。―劇中では日本の曲も使われていましたが、日本の文化に影響を受けていることはありますか?監督私が幼いころから、テレビをつければ日本のアニメが流れていたので、日本のカルチャーに触れて育ったと言えるかもしれません。実際、それらの作品を介して日本的なことや建築など、日本についてある程度知ることができましたから。あとは、日本が作ったゲームでもよく遊んでいたので、日本には親しみを感じていますし、私の子どもも日本のアニメをいつも見ていますよ。―それでは最後に、これからますます世界が注目する監督の今後について教えてください。監督いまちょうど3作目の脚本を書いている段階ですが、日本の滞在中にも2日間ほど脚本を書く作業をしようと考えています。なので、何か日本からいい影響をもらえたらいいですね(笑)。撮影は2021年を目指しているので、そこに向けてがんばりたいと思ってます。先の見えない旅へと引き込まれる!現実と夢を行ったり来たりするような幻想的な映像体験を味わえる本作。ミステリアスな男女が放つ色気と美しさに誘われ、誰も知らない別世界へとあなたも足を踏み入れてみては?謎めいた予告編はこちら!作品情報『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』2月28日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリー、池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開配給:リアリーライクフィルムズ+ドリームキッド©2018 Dangmai Films Co., LTD - Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD / ReallyLikeFilms LCC.監督デビュー作『凱里ブルース』も4月18日(土)より、シアター・イメージフォーラムにて公開決定!©Blackfin(Beijing)Culture & MediaCo.,Ltd – Heaven Pictures(Beijing)The Movie Co., - LtdEdward DING – BI Gan / ReallyLikeFilms
2020年02月26日2月22日、23日の全国映画動員ランキングは、公開7週目の『パラサイト 半地下の家族』(全国311館)が先週に続いて首位を守った。スマートフォンをきっかけにはじまる恐怖を描いたヒット作の続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(全国323館)は初登場2位に。公開3週目の『犬鳴村』(全国211館)と、同じく公開3週目の『ヲタクに恋は難しい』(全国304館)は先週と変わらず3位、4位につけている。そのほか新作では、大人気アニメシリーズの20周年を記念して作られた『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』(全国48館)が初登場6位。『ヘレディタリー/継承』で高い評価を得たアリ・アスター監督の新作『ミッドサマー』(全国106館)が初登場7位。人気シリーズをクリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカの新キャストで新たに映画化した『チャーリーズ・エンジェル』(全国305館)が初登場8位に。2016年に実際に起きたスキャンダルの裏側をシャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーの出演で描く『スキャンダル』(全国200館)が初登場9位に入った。また、公開14週目の『アナと雪の女王2』(全国379館)は11位になり初めてベスト10から外れた。次週は『映画しまじろう「しまじろうとそらとぶふね」』『架空OL日記』『仮面ライダージオウNEXT TIMEゲイツ、マジェスティ』『黒い司法 0%からの奇跡』『劇場版「SHIROBAKO」』『スケアリーストーリーズ 怖い本』『初恋』『野性の呼び声』『レ・ミゼラブル』『ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『パラサイト 半地下の家族』2位『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』3位『犬鳴村』4位『ヲタクに恋は難しい』5位『1917 命をかけた伝令』6位『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』7位『ミッドサマー』8位『チャーリーズ・エンジェル』9位『スキャンダル』10位『AI崩壊』
2020年02月25日第92回アカデミー賞最多4部門を受賞した話題作『パラサイト 半地下の家族』の舞台挨拶が2月24日(月・祝)に行われ、ポン・ジュノ監督と主演ソン・ガンホが凱旋来日した。そして、両氏の大ファンである草なぎ剛が花束を手にサプライズで登場、お祝いムードをさらに盛り上げた。草なぎさん、流暢な韓国語で挨拶&思いを語る草なぎさんは興奮した面持ちで、「一番尊敬する俳優さん、いつもおふたりから力をいただいています!」とポン監督とソンさんに流暢な韓国語で気持ちをぶつける。これまでのポン監督の作品群も「『スノーピアサー』以外、観ています!」と言い、『パラサイト』においても、「本当に一流のエンターテインメントになっていて、退屈するところがひと時もなかった。観終わった後に、あそこがどうだ、こうだと話したくなるような作品で、家族愛も描かれていて」と上映後の場内とあって、ネタバレも解禁しながら感想をよどみなくしゃべる。後半のあるシーンについて、草なぎさんは「“計画を立てなければ失敗することはない”っていうセリフ、基本的に僕もノープランなんで(笑)、とても心に響いたシーンです。監督とガンホさんのタッグは『殺人の追憶』とかも好きで、鬼気迫った場面でもブラックユーモアが利いていて、大変なときでも違うことを考えたりするのかなと感じます」と自身の思いを織り交ぜながら、終始テンション高く語っていた。『パラサイト』は全員失業中、半地下住宅で暮らす貧しいキム一家の物語。大学受験に失敗し続けている長男ギウは、エリート大学生の友達に家庭教師の仕事を紹介され、身分を偽りIT企業を経営するパク社長一家が暮らす高台の大豪邸に勤め出す。続けて、美術家庭教師として妹ギジョンを紹介し、徐々にパク一家にパラサイトしていくキム家族。しかし、彼らが辿り着く先には、誰にも想像し得ない衝撃の光景が待ち構えていた。ポン監督&ソンさん、オスカー受賞について「観客の皆さんの熱い反応がうれしい」アカデミー賞4部門に輝いたことについて、当時の感想を聞かれると、ポン監督は、「まったく計画していたことではないです。けど、訪れた賞に関してはうれしくもあり、少し気が動転しているような感じでした。本当に貴重な賞をいただいたと思っていますし、トロフィーは大切に家にしまっています」と微笑む。しかし、「アカデミー賞以前に日本や様々な国で、観客に熱烈な反応をいただいたのがうれしいことです。皆さんに知っていただいて、大きく受け止められて熱い反応をいただけたこと、受賞以上に、観客の皆さんの熱い反応をとてもうれしく感じているんです」と真摯に観客に感謝を伝えた。ソンさんも共鳴し、「韓国の観客は日本の映画を、日本の皆さんは韓国映画を楽しむ、触れ合って共感できることが何より大切です。以前から日本の巨匠と呼ばれる監督の映画が公開されてきましたし、こうして共感できるきっかけになった気がして、とてもうれしく思っています。『パラサイト』が心の中にずっと長く残る映画になってくれたらうれしいです」と映画を通しての交流について思いを打ち明けていた。『パラサイト 半地下の家族』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年02月24日韓国映画101年の歴史上初であると同時に、非英語映画の作品としては初めての快挙だった映画『パラサイト半地下の家族』(以下『パラサイト』)の米アカデミー賞4部門受賞。『パラサイト』の主人公は、“半地下住宅”に住み、しがない内職で生活をつなぐキム家の4人。彼らが、巧みな手を使って裕福な家庭・パク家の家庭教師や運転手、家政婦につくことで、彼らに“寄生”していく様子を描いている。韓国国内には、実際におよそ86万人が半地下・地下住宅に住んでいると言われている。『パラサイト』は「韓国における経済格差をリアルに切り取った映画だ」という意見も多い。20日、文在寅大統領はポン・ジュノ監督ら制作陣や出演者たちを大統領官邸・青瓦台(チョンワデ)に招待し、昼食を共にした。文大統領は「映画産業の隆盛をしっかり支援する」としながらも、「不平等の解消を最高の国政目標にしているが、反対も多く、すっきりとすぐに成果が現れない」とポン・ジュノ監督に語った。「物語終盤、キム家とパク家の間に“大事件”が起きることでクライマックスを迎えます。監督は、このまま貧富の差が広がれば、やがて“事件”が起こることを危惧しているのではないでしょうか。文政権下で不景気にあえぐ韓国社会に対する不満や富裕層への怨恨は、爆発寸前まで来ていることを映画で伝えたかったのかも知れません」そう語るのは韓国人の作家・ルポライターの柳在順(ユ・ジェスン)さん。映画にこめられたメッセージについて解説しながらも、「貧困層の『希望』を描いてもいる」と付け加える。「富裕層を代表するパク家の主人はIT社長という設定でした。しかし、彼の両親については一切語られないこと、さらには財閥系ではない会社の社長であることから、“パク家の主人は富裕層に成り上がったタイプなのではないか”と韓国の人は感じています。韓国国内の大企業は財閥系であることがほとんどで、“半地下”の家庭に生まれた子どもは彼らのようなトップにはなれない。これが現在の経済格差の原因であることは韓国国民もわかっていますが、起業してIT社長になれば、富裕層になれるかもしれない──と考えている人は少なくありません」パク家主人の過去は、もう一つのシーンを見ても推察できるという。「パク家夫婦が、“チャパグリ”が好物だということを語るシーンがあります。これは韓国国内で実際に売られている『チャパゲッティ』『ノグリ』という2種類のインスタント麺を混ぜて作る手軽な料理で、いわゆる“庶民の味”。しかも、そんな庶民の食事に牛肉を加えるのがパク家の好み。富の象徴ともいえる牛肉をわざわざ足していることから、パク家主人は“半地下からの成金”なのではないかと、観る人に印象を与えているのです」運転手や家政婦を雇い高台の豪邸で暮らしていたが、ひとつのことがきっかけでトラブルの渦へと巻き込まれていったパク家の人物たち。あなたの目には、この主人はどのように映っただろうか。
2020年02月21日オスカー作品賞の勢いが止まらない『パラサイト 半地下の家族』が、北米でIMAX上映されることになった。今週金曜日から1週間のみの限定上映。アメリカでは200スクリーン、カナダでは14スクリーンで上映される。IMAX仕様に合わせるよう、デジタル再マスターされたバージョンだ。『パラサイト』の北米公開は昨年11月。現在までに4,500万ドルを売り上げている。すでにDVDもリリースされているが、オスカー効果を受けて興行成績はさらにアップ。先週末のボックスオフィスランキングでは7位だった。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』全国公開中
2020年02月21日韓国国内だけでなく、日本も歓喜に沸いたアジア映画の快挙。しかし、韓国経済の実態を知る識者たちは、「この受賞は手放しで喜べない」と口をそろえるのだったーー。2月10日(日本時間)に行われた第92回アカデミー賞で、『パラサイト半地下の家族』(以下、『パラサイト』)が、作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4冠に輝いた。ポン・ジュノ監督(50)が成し遂げたこの偉業は、韓国映画101年の歴史上初であると同時に、非英語の作品としては初めての快挙だ。『パラサイト』は、“半地下住宅”で暮らす貧しい家族・キム一家4人を中心にしたストーリー。しがない内職で生活をつなぐ4人が、巧みに裕福な家庭・パク家に入り込み、家庭教師や運転手、家政婦につくことで、彼らに“寄生”していく様子が描かれている。キム家が住む“半地下住宅”という設定は、韓国の実態にもとづいている。半地下部屋とは、地上と地下の間に位置する居住空間のこと。もともとは、’60年代後半、南北問題が緊迫化するなかで、北朝鮮の侵攻に備えた地下の避難場所として、住宅施設に設置が義務づけられていたものが、徐々に居住空間へと変わっていった。家賃は一般的なアパートの半額で約3万〜5万円程度。キム家のように収入の少ない家庭や若者、年金のみを頼りに生活する高齢者などが住んでいるという。いっぽう、劇中でパク家が住んでいたのは庭が広く、浴室もテレビつきという“高台の大豪邸” 。キム家のような貧困層と、パク家のような富裕層の格差について、韓国が抱える問題を踏まえながら、ジャーナリストで『コリア・レポート』編集長の辺真一(ピョン・ジンイル)さんはこう語る。「韓国で、貧しい家庭に生まれた子どもが“成りあがる”というケースはめったにないのです。というのも、高収入を得るため一流企業に入社するには、名門大学に入らなければいけない。名門大学に入るためには、いい高校に……と、幼少期から塾通いをしたり、いい家庭教師をつけたりと、膨大な教育費が長期間にわたってかかってきます。そうなると、金持ちにあらずして一流大学、一流企業に入ることはできない。つまり、“親がダメだったら子もダメになる”という連鎖がどんどん広がっていくのです」そして、半地下に生まれた家庭の子どもは、富裕層の子どもと遊ぶことすら許されないという現状も……。「韓国ドラマではよく『賃貸アパートの子どもと遊ぶな』という表現が見られます。つまり、富裕層の親は、貧しい家庭の子と自分の子を遊ばせないように教育する。半地下の子どもに対しても同様でしょう。富裕層の子どもたちの間では、貧困層を差別するような言葉が流行してしまっている、という報道もあるほどです」(韓国在住ジャーナリスト)韓国人の作家・ルポライターの柳在順(ユ・ジェスン)さんは、『パラサイト』に込められたポン・ジュノ監督の“メッセージ”についてこう語る。「物語終盤、キム家とパク家の間に“大事件”が起きることで、この映画はクライマックスを迎えることになります。監督は、このまま貧富の差が広がれば、やがて“事件”が起こることを危惧しているのではないでしょうか。韓国はいま文在寅(ムン・ジェイン)政権下で、景気の悪化にあえいでいる。貧困層の韓国社会に対する不満や富裕層への怨恨は、爆発寸前まで来ていることを、映画で伝えたかったのかもしれません」「女性自身」2020年3月3日号 掲載
2020年02月20日2月10日(日本時間)に行われた第92回アカデミー賞で、『パラサイト半地下の家族』(以下、『パラサイト』)が、作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4冠に輝いた。ポン・ジュノ監督(50)が成し遂げたこの偉業は、韓国映画101年の歴史上初であると同時に、非英語の作品としては初めての快挙だーー。『パラサイト』は、“半地下住宅”で暮らす貧しい家族・キム一家4人を中心にしたストーリー。しがない内職で生活をつなぐ4人が、巧みに裕福な家庭・パク家に入り込み、家庭教師や運転手、家政婦につくことで、彼らに“寄生”していく様子が描かれている。「いま、国内外で話題を呼んでいるのは“チャパグリ”という料理。劇中で、家政婦についた母・チュンスクがパク家に振る舞ったもので、実際に売られている『チャパゲッティ』『ノグリ』という2種類のインスタント麺を混ぜて作る手軽な料理です。同商品のメーカーである『農心(ノンシン)』もこの快挙にあやかり、“お祝いキャンペーン”を催しています」(韓国在住ジャーナリスト)企業も国民も“祝賀ムード”に沸く韓国。しかし、この受賞を“手放しでは喜べないはず”と語るのは、ジャーナリストで『コリア・レポート』編集長の辺真一(ピョン・ジンイル)さんだ。「たしかに快挙かもしれませんが、この映画は韓国の格差社会を、あまりにリアルに描いたノンフィクション映画といってもよい。つまり、韓国における“社会の恥”が明らかになった作品でもあるのです」キム家が住む“半地下住宅”という設定は、韓国の実態にもとづいている。半地下部屋とは、地上と地下の間に位置する居住空間のこと。もともとは、’60年代後半、南北問題が緊迫化するなかで、北朝鮮の侵攻に備えた地下の避難場所として、住宅施設に設置が義務づけられていたものが、徐々に居住空間へと変わっていった。家賃は一般的なアパートの半額で約3万~5万円程度。キム家のように収入の少ない家庭や若者、年金のみを頼りに生活する高齢者などが住んでいるという。「’15年の韓国政府が発表した統計によると、約86万人が半地下または地下に住んでいるといわれています(韓国の人口は約5,000万人)。住民の生活は苦しく、日光が差さない半地下住宅は、カビ・高湿度・プライバシー侵害などの問題を抱えています」(前出・在住ジャーナリスト)皮肉にもポン・ジュノ監督の快挙によって抉り出された驚きの実態。アカデミー賞受賞は、貧困層に“光が差す”きっかけになるだろうか。「女性自身」2020年3月3日号 掲載
2020年02月20日2月15日、16日の全国映画動員ランキングは、アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞した『パラサイト 半地下の家族』(全国279館)が公開6週目でついに首位を飾った。サム・メンデス監督が第1次大戦下で危険な任務を命じられたイギリス人兵士ふたりの一日を描く『1917 命をかけた伝令』(全国317館)は初登場2位。公開2週目の『犬鳴村』(全国211館)は先週2位から3位になった。続いて公開2週目の『ヲタクに恋は難しい』(全国304館)は先週1位から4位に。公開3週目の『AI崩壊』(全国346館)は先週3位から5位に。公開13週目の『アナと雪の女王2』(全国382館)は先週7位から6位に順位をあげている。そのほか太宰治の未完の遺作をアレンジした、ケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲『グッドバイ』を映画化した『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』(全国152館)が初登場7位につけている。次週は『映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~』『恐竜超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』『スウィング・キッズ』『スキャンダル』『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』『チャーリーズ・エンジェル』『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』『名もなき生涯』『ミッドサマー』『Red』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『パラサイト 半地下の家族』2位『1917 命をかけた伝令』3位『犬鳴村』4位『ヲタクに恋は難しい』5位『AI崩壊』6位『アナと雪の女王2』7位『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』8位『キャッツ』9位『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー/魔進戦隊キラメイジャー エピソードZEROスーパー戦隊MOVIEパーティー』10位『カイジ ファイナルゲーム』
2020年02月17日英語以外の言語の作品として史上初めてオスカー作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』が、アメリカでテレビのミニシリーズになることがわかった。ただし、映画とは別のストーリー。ポン・ジュノが映画の脚本を考えているうちに出てきたアイデアはいろいろあったそうで、それらも何らかの形で活かされることになるようだ。また、言語は英語になるという。プロデューサーは『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『バイス』のアダム・マッケイ。製作放映はHBOだが、正式契約はこれからとのことだ。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』全国公開中
2020年02月12日現地時間9日のアカデミー賞授賞式で外国語の映画としては史上初めて作品賞に輝いたのを受け、『パラサイト 半地下の家族』のアメリカでの公開スクリーン数が倍近く増やされることになった。現在は1,060スクリーンでの上映だが、この金曜日からは2,000スクリーン以上となる。『パラサイト』は、アメリカでは10月に公開されており、先月末にはDVDもリリースされているが、受賞の勢いに乗って、さらにボックスオフィスの成績を上げるねらいだ。北米での現在までの売り上げは3,550万ドル。外国語映画で北米史上最高記録を持つのは『グリーン・デスティニー』の1億2,800万ドル。2位は『ライフ・イズ・ビューティフル』の5,720万ドルだ。『パラサイト』がそれらにどこまで迫れるか、注目される。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』全国公開中
2020年02月12日