意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「エドテック」です。教育格差や不登校、地方創生など、諸問題の解決にも。エドテック(EdTech)とは、Education(教育)とTechnology(科学技術)を組み合わせた造語で、教育分野にイノベーションを起こそうと、世界中に広がっている取り組みです。アメリカでは、貧困問題、教育格差を解消するために、10年以上前に政府が貧困地域にノート型パソコンを配布し、授業カリキュラムを配信しました。現在では、スタンフォード大学やハーバード大学がインターネットで授業を公開するなど、遠隔地に高等教育を届ける仕組みを作っています。エドテックの最たるものとして、人気を集めているのが、アメリカのミネルバ大学。この学校にキャンパスはなく、全寮制なのに授業はすべてオンライン。サンフランシスコを皮切りに、学期ごとに学生は世界の7都市を巡って授業を受けます。世界中の教師が参加し、オンライン・ミーティングの形で授業を進行。学生の発言はすべて記録され、AIによって個々の弱点などを検出。一人一人に適切な指導が行われるのです。教室内で生徒のレベルに差があることや、不登校や引きこもりの問題は日本でも深刻化しています。平成28年度の不登校を含む引きこもりは、小学生で約7万人。中学生は約14万人、高校生は約8万人です。ニートの大人の2割は元引きこもり児だったという統計もあり、減少する労働人口を補う上でも、インターネットを使って、家にいながら安心して学べる仕組みを作ることは重要です。ネット環境さえ整えば、都市の学校に行かずとも、離島でもどこでも最新の授業を受けられますから、地域による格差もなくなり、地方創生にも一役買うことができるでしょう。これからは単純な仕事はAIやロボットが担いますから、暗記した知識より、それらに適切な指示を与えられる、そんな人材が必要になります。そこで、経済産業省はIT企業やNPOと協力し、「未来の教室」という名を掲げ、効率的な知識習得と、課題の発見・解決能力を育成する学習プログラムの開発を行っています。エドテックは学校教育にとどまらず、人生100年時代のリカレント教育、ITや医療などの専門分野の学習にも生かされています。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年10月10日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年10月09日埼玉県飯能市にて開業準備中フィンテック グローバル株式会社と株式会社ムーミン物語は、北欧の豊かさを感じることのできる「metsa(メッツァ)」を、埼玉県飯能市に順次開業します。その第一弾は、2018年11月9日(金)にスタートする「metsa village(メッツァビレッジ)」。北欧フィンランドのイメージは?今年3月に国連より発表された「世界幸福度ランキング」のトップは、フィンランドであることをご存じでしょうか。オーロラやムーミンをイメージする人は多いかと思いますが、サウナが充実していることも有名です。北欧のライフスタイルを体験「メッツァ」は、北欧の暮らしを通じて、心の豊かさを大切にできる場所を目指します。「メッツァビレッジ」では、そのライフスタイルを体験してみてください。なお、来年3月には「ムーミンバレーパーク」がオープン予定です。(画像はプレスリリースより)【参考】※metsa(メッツァ) 公式サイト※プレスリリース
2018年08月17日京都水族館のイルカパフォーマンスをエイベックスが企画・制作。劇場型イルカパフォーマンス「ラ・ラ・フィン サーカス(La・La・Fin CIRCUS)」が2018年7月21日(土)から9月21日(金)まで開催される。エイベックスが初めて国内水族館のイルカパフォーマンスの演出を担当。劇場型イルカパフォーマンス「ラ・ラ・フィン サーカス」と題し、全4章(予定)のプログラムを手掛ける。スタートとなる第1章は「友情」がテーマ。イルカ3頭とトレーナー3名に加えて、サーカス団を演じるパフォーマー4名が参加。4人組の「スペースサーカス団 スパーク一座」が京都水族館のイルカスタジアムを訪れたら…という設定のストーリーが展開される。イルカやトレーナーと遊び、心を通わせていく他の団員たち。一方で、イルカと一緒にパフォーマンスをする機会を設けたスパークー座の団長だが、なかなかマジックショーが上手くいかず悩んでいる。そんな団長がイルカやトレーナーたちと交流することで変化していく…。約20分の1プログラムの中で、人やいきものと心を通わせることの楽しさや大切さを学んでいく一つの物語が綴られる予定だ。パフォーマンスの前後には、パフォーマーと来場者がハイタッチをしたり、ジョークで笑いあって交流するグリーティングタイムを用意。来場者の反応によって、ショーの内容も変化するため、日々異なるプログラムが展開されるのも「ラ・ラ・フィン サーカス」の魅力だ。【詳細】京都水族館「ラ・ラ・フィン サーカス」期間:2018年7月21日(土)~9月21日(金)時間:平日・土曜日 11:30、13:30、16:00、19:30日曜日 11:00、13:00、14:45、16:30、19:30※1公演あたり約20分※いきものの体調により予告なく内容変更となる場合あり。場所:京都水族館住所:京都市下京区観喜寺町 35-1(梅小路公園内)時間:10:00~18:00 ※延長営業期間中は20:00まで。(最終入場は閉館時間の1時間前まで)料金:大人 2,050円(1,850円)、大学・高校生 1,550円(1,400円)、中・小学生 1,000円(900円)、幼児3歳以上 600円(540円)※()内は20名以上の一般団体料金※中学生、高校生、大学生は、チケット売り場で生徒手帳の提示が必要。※障がい者手帳を提示の人と同伴者(1名)は、一般料金の半額。
2018年07月05日10年後も快適に着られる衣類株式会社Body&Beautyが、2018年4月17日(火曜日)より「シルバーテック」のレディースアンダーウエアを新発売します。「シルバーテック」は、デンマークで誕生したオーガニック・アパレルブランド。宇宙服の抗菌防臭技術と最高品質のトルコ産オーガニックコットンを融合し、温度調整機能と発汗抑制機能を実現しました。10年後にも快適に着られるようにデザイン・縫製された肌にも環境にもやさしい衣類を展開しています。自然環境と労働環境に配慮した製品今回新発売された製品はTシャツ(5400円)、ショーツ(3300円)、ショートソックス(2足組1セット3700円)、レギュラーソックス(2足組1セット3900円)の4種類。繊維に織り込まれた銀が自然に温度の調節をサポート。暑いときは外に熱を逃し、汗をおさえる効果があります。正しくオーガニックである繊維製品に与えられる「GOTS(Global Organic Textile Standard)」、有害化学物質を含まない安全な繊維製品のための認証である「Oeko-Tex Standard 100」、世界最大の労働環境認定プログラム「WRAP(Worldwide Responsible Accredited Production)」という3つの認証を受けた、自然環境と労働環境のどちらにも配慮している製品でもあります。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社Body&Beautyのプレスリリース/ValuePress※シルバーテック公式サイト
2018年04月23日前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のクライマックスで、カイロ・レンと対決するも、背中に深い傷を負わされ意識不明に陥ったフィン。ついに公開が近づく最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』では眠りから覚醒した活躍が見られそうだ。「言うならば、フィン2.0さ」と笑顔で語るのは、フィン役で一躍ブレイクを果たしたジョン・ボイエガ。戦うことに葛藤し、銀河を脅かすファースト・オーダーから脱走した元ストームトルーパーの彼は、いまやレジスタンスの一員として、自分なりの正義を貫こうとしている。ただし、その素性は実際のところ、ナゾだらけ…。ボイエガ本人も「前作を撮り終えて、まず頭をよぎったのは『結局、フィンって何者?』ってこと。ファンのみんなと同じ疑問だよね」とふり返る。それだけに『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』はほかのキャラクター同様、フィンにとっても重要な分岐点となるという。「彼は自分がいるべき場所を、自分で“決断”するんだ。フィンは一体、何に自分を投影していたのか?それはとても重要なことだ」。すでに解禁されているポスタービジュアルや、予告編映像から「いままでのスター・ウォーズとは何かが違う」と予感するファンも多いはずだが、その点については「まさにその通り」とニヤリ。「ライアン(監督と脚本を手がけるライアン・ジョンソン)は、リスクを恐れず、独創的なアプローチでスター・ウォーズの世界観を押し広げようとしている。現場にいたルーカスフィルムの人間さえも、『おお』って驚くほどだからね。これには僕まで『イエス、これはいいぞ』って内心思ったよ」と胸を高鳴らせる。瞬く間に知名度を高め、エマ・ワトソンと共演した『ザ・サークル』、キャスリン・ビグロー監督の最新作『デトロイト』、巨大怪獣と対峙する『パシフィック・リム:アップライジング』(原題)と話題作への出演が目白押しだ。「確かに環境は変わったけど、結局、自分は自分でしかないからね。それにフィンを演じていることで、うれしいことも多いよ。以前、空港でトランジットを待っていたら、小さな女の子が声をかけてくれたんだ。『背中は大丈夫?カイロ・レンにやられたでしょ?』って。もちろん、僕は『ああ、もう大丈夫だよ』と答えたんだ」。さて、フィンとの因縁といえば、カイロ・レンのほかにもう1人。フィンの“元ボス”であり、前作で破壊されたスターキラー基地から生き延びた邪悪な女戦士、キャプテン・ファズマだ。そもそも、フィンに脅された挙句、基地を覆っていたシールドを解除してしまった戦犯だけに、フィンへの恨みつらみは並々ならぬものがあるはず。そんな宿敵2人が『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で一騎打ちを繰り広げることに!鋼鉄のマスクをかぶり、重厚な鎧に身を包んだファズマを演じるグウェンドリン・クリスティに「今回こそ、マスクを外して、素顔を見せてくれるの?」とダメ元で質問したが、やはり「それは答えられないわ(笑)」と一蹴されてしまった。「SFやアクション映画における伝統的なヒロイン像って、男目線で想像されたものが多かった。具体的に言えば、肌の露出が多いとかね。でも、ファズマは正反対。だからこそ、ファンの興味や好奇心を刺激した。何よりも私自身が、ファズマにものすごく興味を抱いたわ。マスク越しに、彼女の威厳を表現するのは、女優として大きなチャレンジだったしね」。子どもの頃から『スター・ウォーズ』が大好きだったといい、「一番好きなキャラクターは、プリンセス・レイアね。彼女はスクリーンを通して、幼い私に話しかけてきたの。頭が良くて、強い存在。まったく新しいヒロインに見えたわ」とふり返る。公開が待たれる『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』については、「本当に並外れた映画。登場人物たちの自己探求はより深まるし、関係性も複雑で予測不能よ。当然ながら、そこから彼らの“決断”が生まれるの」と自信を示した。『スター・ウォーズ』の世界において、ボイエガは黒人俳優として初めて主要キャラクターのフィンを演じ(もちろん筆者はランド・カルリジアン、メイス・ウィンドゥを忘れてはいない)、クリスティは独自のアプローチで、シリーズ初の女性ヴィラン(悪役)であるファズマを生み出した。40年以上の歴史を誇る神話に、新たな息吹と可能性をもたらしているフィン&ファズマの決断、そして因縁の行方が、最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でどこまで明かされるかに注目したい。協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン(text:Ryo Uchida)
2017年12月02日マーガレット・ハウエル アイデア(MARGARET HOWELL idea)は、ソーラーテック搭載の新作腕時計「Solar Metal」3種を2017年10月12日(木)に発売する。新作モデルは、ケース径28.7mmと従来のモデルよりも大きめのケースを採用し、12時位置のインデックスを2本にしたことで、見やすさを向上。ソーラーテックを搭載しているため定期的な電池交換が不要な点も魅力的だ。ステンレス製のケースやバンドは、シルバー、ローズゴールド、ピンクゴールドの3色を展開。バンドの駒サイズを細かく設定し、腕にフィットする快適さを追求している。光沢感のある文字板や、シンプルなデザインが上品さを演出する。【詳細】マーガレット・ハウエル アイデア Solar Metal発売日:2017年10月12日(木)型番/色:KP3-015-11/シルバー、KP3-023-31/ローズゴールド、KP3-066-91/ピンクゴールド価格:シルバー 38,000円+税、ローズゴールド・ピンクゴールド 40,000円+税ケース・バンド:ステンレス製ガラス:球面クリスタルガラスサイズ:ケース径 28.7mm / 厚さ 8.5mm(設計値)機能:Cal.E031 月差±15 秒、ソーラーテック(光発電)、フル充電時6ヶ月、5気圧防水【問い合わせ先】シチズンお客様時計相談室 フリーダイヤルTEL:0120-78-4807 ※受付時間 9:30~17:30 祝日除く月~金
2017年10月13日ナイキ(NIKE)より、「テック ハイパーメッシュ」コレクションが登場。2016年5月5日(木)より、NIKE.COM/SPORTSWEARと一部のナイキ スポーツウェア取扱店で発売される。春から夏に季節が移り変わるこの時期、気温や天候の変化に対応出来る、汎用性の高いアパレルが必要になる。「テック ハイパーメッシュ」コレクションは、風から身を守る布帛素材に、抜群の通気性のメッシュを挿入。寒さを凌ぎながら、汗はこもらないという理想的な使用感を実現している。またメッシュ部分は、通気性だけではなく、モダンなデザインと人間工学に基づくフィット感をもたらすように加工。メンズはロングスリーブ、ウィメンズはノースリーブのトップスが展開される。【詳細】ナイキ テック ハイパーメッシュコレクション発売日:2016年5月5日(木)販売店舗:NIKE.COM/SPORTSWEAR、一部ナイキ スポーツウェア取扱店価格:・メンズ ナイキ テック ハイパー メッシュ ウィンドランナー 19,440円(税込)・ウィメンズ ナイキ テック ハイパー メッシュ ベスト 12,960円(税込)【問い合わせ先】TEL:0120-6453-77
2016年05月02日マクロミルは4月5日、金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語「FinTech(フィンテック)」系サービスの認知とイメージについての調査結果を発表した。調査は2月4日~5日、全国の20歳~69歳男女1万人を対象に行われた。FinTechという言葉の認知率は全体の15%で、「具体的な内容まで知っていた」人は3%にとどまり、全体の85%が「聞いたことがない」という結果に。性別では、男性で「名前を聞いたことがある」のが21%だったのに対し、女性では9%と認知率に差があった。性年代別では、男性は年代が上がることに認知率が下がり、女性は逆に年代が上がるごとに認知率が上がることがわかった。FinTech系金融サービスの認知について聞いてみたところ、「ネットバンキング(PC)」が80%と最も高く、「ネットバンキング(スマホ)」が50%、「暗号通貨」20%と続く。利用率については、ネットバンキング(PC)で52%、ネットバンキング(スマホ)では18%、それ以外も5%以下とほとんど利用されていなかった。何らかのネット上の金融サービスを知っていると回答した人に、それぞれイメージについて聞いてみたところ、ほとんどすべてのサービスで「情報漏えいが怖い」が上位にあがった。2番目には「今後普及すると思う」「新しさを感じる」という回答が続いた。
2016年04月05日オリックス・レンテックは4月1日、法人向けロボットレンタルサービス「RoboRen」を開始すると発表した。また、同サービス第1弾としてスイスABBの産業用ロボット「YuMi」をレンタルすることができる「YuMi検証パック」の予約受付を開始した。同検証パックでは、YuMiとその周辺機器を月額19万9000円(税別)で最大6カ月レンタルすることができる。また、検証後に引き続き利用を希望する場合は、継続プランとして24カ月、または36ヶ月の長期レンタルも可能。長期レンタルの料金(税別)は24カ月プランが月額22万1700円、36カ月が月額14万8700円となっている(ソフトウェアライセンス、PCは別途費用が発生)。YuMiは安全柵で囲うことなく人間と並んで作業か可能な協働型の双腕ロボット。スマートフォンの組み立てなど精密な作業が可能なほか、基本操作にプログラミング言語などの専門知識を必要としない。また、総重量が38kgと持ち運びが可能で、100ボルト電源で使用できるため、オフィスでも利用可能だとする。オリックス・レンテックは、今後高い需要が見込まれる産業用、コミュニケーショ用、介護用などの最新鋭ロボットのラインアップを拡充し、ロボット活用を支援する利便性の高いサービスを提供していくとしている。
2016年04月01日昨今、FinTech(フィンテック)という言葉がニュースや雑誌等で盛り上がりをみせていますが、皆さんはご存知でしょうか。今、世界中が注目するFinTech。金融業界に関わりのない方々にとっては関係ないと思っていませんか。今、何が起きようとしているのかご存知ない方も多いと思われますが、実は、中小事業者こそFinTechサービスの享受者として、ビジネス変革の大きな機会と成り得るのです。FinTechは、中小事業者側からみると、事業の管理や財務の部分そのものであり、中小事業者の最大の悩みであるお金の問題を解決することを期待されています。第1回では、FinTechの概要を説明し、2回・3回では、FinTechが中小企業にどのような影響をもたらすのかを、中小事業者の目線で解説します。○FinTechの概念まずは、FinTechという言葉ですが、これは「Finance」と「Technology」を掛けあわせた造語です。これを日本語に訳すと、そのまま「金融」と「テクノロジー(技術)」となりますが、金融とテクノロジーを融合させて全く新しい金融サービスを創りだそうとするムーブメントのことをFinTechと言います。ここで、金融とは、今までは銀行や証券会社等が行ってきた業務です。例えば、融資、決済、資産運用等の金融サービスをイメージいただければよいと思います。また、テクノロジーは、クラウドの普及や、各企業が運営するネットサービスを連結する仕組みであるAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)、人間の脳が行っている知的な作業をコンピューターが代替するAI(人工知能)、さらには、データ改ざんの可能性をほぼ不可能にしたブロックチェーン等が挙げられます。難しい用語の説明は他に譲りますが、技術の進展により、これら技術を有したITベンチャーやネット企業が、未開拓であった金融ニーズを掘り起こすとともに、より効率的により安価に金融サービスを顧客に届けることが可能となったことがFinTechの背景にあります。○日本でも多くのFinTechサービスがそれでは、日本における代表的なFinTechサービスを以下で紹介します。皆さんの中には、FinTechという言葉を意識せずに、普段の生活で既に利用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。まず、個人財務管理の分野では、マネーフォワード、マネーツリー、BearTail、Zaimが、複数の銀行口座情報やクレジットカード明細、ポイント情報等をまとめて管理し可視化することで、今まで手作業で作成していた家計簿の作成をラクにしました。既に多くの個人ユーザに利用されています。多くのサービスで無料から利用できるため、家計簿からFinTechを手軽に体験してみるのもよいでしょう。会計財務の分野では、freee、MFクラウド、A-SaaS(エーサース)が、クラウド型会計システムとして提供されています。中小事業者で日々行われる記帳業務を、個人財務管理でも利用されるデータアグリゲーション機能により、銀行口座やクレジットカードの取引明細から自動で仕訳化することを可能とし、バックフィス業務の効率化を実現しました。A-SaaSは、クラウド型税務システムを提供しており、会計から税務申告書作成、マイナンバー対応まで一気通貫で、クラウドで完結できるシステムを提供しています。決済の分野においては、米Square、楽天スマートペイ、コイニーが、スマホやタブレットに専用リーダーを取り付けるだけで、スマホでのクレジットカード決済を可能にしました。専用の高額な端末を導入しなくとも、クレジット決済を手軽に提供できるため、主に小規模店舗から支持を集めています。また、SPIKEは、Webサイト上でのクレジットカード決済の導入を誰でも簡単に実現することを可能とし、月額決済額100万円までは無料で利用できることもあり、中小事業者のクレジットカード決済の導入コストを劇的に削減しました。融資の分野では、現状大きく2つのグループに分けられます。マネオ、クラウドクレジット等に代表される貸付型クラウドファンディングと、GMOペイメントゲートウェイ、楽天カードに代表されるオンライン融資です。貸付型クラウドファンディングは、運営会社が、融資先企業を審査した上でローンファンドを組成し、そのファンド資金を一般投資家にインターネットを通して募る形であり、一般投資家からみた場合は既存金融商品にはない高い利回りを実現できています。また、オンライン融資は、EC事業者の日々の決済データを利用した独自の審査モデルを構築することで、EC事業者の資金ニーズに対して、オンライン上での融資申込とスピード入金を可能にしました。これは企業の決済データも持たない銀行では実現が難しい融資手法であり注目されています。投資支援の分野では、お金のデザインが代表されます。独自に開発したアルゴリズムにより、これまで一部の富裕層や機関投資家が享受できていたプロの資産運用アドバイスを低額で一般の投資家でも利用できるサービスとして注目されています。最後に、暗号通貨の分野になります。ビットコイン販売所を運営するbitFlyer(ビットフライヤー)が代表されます。日本では2年前に「MT・GOX(マウントゴックス)」の経営破綻を覚えている方もいるかと思いますが、このビットコインに代表される暗号通貨は、法定通貨の代替、安価な決済や送金手段として期待されており、これを可能とする技術(ブロックチェーン)とともに注目されています。以上が、FinTechの代表的なサービスです。意識せずに使っていたサービスもあったのではないでしょうか。FinTechは、既存の金融機関やIT関連企業だけでなく、金融庁や経済産業省なども注目しており、定期的に勉強会が行われたりしています。今後の注目ビジネスの一つとして、ぜひ動向を追ってみてください。次回は、FinTechが中小企業にどのような影響を与えていくかに関してご紹介いたします。著者略歴依田勇生(よだいさお)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社 プロダクトグループ マネージャー 公認会計士2006年PwCあらた監査法人に入社。上場企業の会計監査業務、金融機関におけるストラクチャードファイナンスリスク査定/開示業務に従事。2011年プライスウォーターハウスクーパース株式会社(現PwCアドバイザリー合同会社)に転籍し、中小企業から上場企業まで幅広く事業再生業務に関与。2015年にアカウンティング・サース・ジャパン株式会社に参画。中小企業及び会計事務所へのクラウド税務会計システムの導入を支援し、クラウド化による中小企業への経営改善を推進。
2016年03月30日NECは3月29日、先進のICTを活用して新たな金融サービスを創出するFinTech(フィンテック)関連事業を推進する組織として、4月1日に「FinTech事業開発室」を新設することを発表した。「FinTech事業開発室」は、全社注力事業の牽引やビジネスモデル変革の推進などを担う「ビジネスイノベーション統括ユニット」内に設立されるという。同室は、研究者および営業・マーケティング・ソリューションコーディネータなどのスキルを有する要員約20名の体制で活動を開始し、北米・シンガポール・インド・欧州などの拠点と連携しながらグローバルに事業を推進し、体制も順次拡充していく予定としている。また、同社における組織横断的なFinTech事業戦略の策定、オープンイノベーションを通じたFinTechサービスの開発、金融業・流通業・通信業や政府/自治体などとの協業による新規サービスの創出を進めていくという。
2016年03月29日テックウインドは15日、ウエスタンデジタル製の3.5インチHDDとして、容量8TBモデル「WD80EFZX」の取り扱いを開始した。3月17日より発売する。店頭予想価格は39,800円(税込)前後。WD80EFZXは、ウエスタンデジタルが3月2日に発表した製品となる。NAS用HDD「WD Red」にカテゴリされており、米HGST社のヘリウム封入技術「HelioSeal技術」を採用。ディスク回転時の空気抵抗を抑えることで、パフォーマンスを向上させ電力消費を最適化し、8TBの大容量を達成している。プラッタ枚数は7枚で、ディスク回転速度は5,400rpm。インタフェースはSATA 6Gbps。ファームウェアに「NASware 3.0」を搭載し、消費電力を最適化することで、MTBFが標準のデスクトップ用HDDから35%向上したとする。
2016年03月15日SBIホールディングスは3月14日、米フィンテック企業R3 CEV LLC(R3 CEV)が主導するブロックチェーンコンソーシアム「R3」に参加すると発表した。R3 CEVはブロックチェーン技術に強みを持つ米国のスタートアップ企業で、ブロックチェーン技術の確立に向けたプロジェクトを世界規模で進めている。現在、「R3」コンソーシアムは世界各国の金融機関42社が参加しており、ブロックチェーン技術を活用し、金融市場の効率化に取り組む世界最大級のワーキンググループ。既にコンソーシアムに参加する一部の金融機関において、ブロックチェーン技術の実証実験などを進めており、同技術の金融サービスへの活用を推進している。SBIホールディングスは、日本におけるFinTech企業の先駆けとして、創業期よりインターネットを活用した多様な金融サービス事業を展開しており、各事業において顧客利便性の向上やサービスの独自性の追求、他社との差別化を図るべく、グループ各社において新技術の導入を促進している。同社は、インターネットをメインチャネルとする金融グループとして、世界で初めてR3 CEVが主導するコンソーシアム「R3」に参加し、グループの金融サービスにおけるブロックチェーン技術の活用を積極的に検討していく方針だ。
2016年03月15日凸版印刷と東芝テックは3月3日、凸版印刷の電子チラシ・サービスである「Shufoo! (シュフー)」と東芝テックの電子レシート・サービスである「スマートレシート」を連携させ、流通企業がShufoo!に配信したコンテンツによる来店効果を可視化できると共に、顧客の購買履歴に基づくコンテンツのセグメント配信でCRMを可能にするという「Shufoo! レシートデータ連携サービス」を開発したと発表した。サービスの提供開始は2017年度の予定。Shufoo!は、買い物前にチラシを主としたコンテンツを閲覧するサービスとして多くの生活者に支持されるメディアに成長したといい、多くの流通企業が店舗への来店を促進するメディアとして利用しているという。スマートレシートは、レシートのデジタル化によるコスト削減に加えて、買い物後の購買履歴に応じたOne to One販促や販促実施後の効果検証ができるサービスとのこと。同サービスでは、Shufoo!とスマートレシート双方の価値を組み合わせることで、流通企業は買い物前のチラシ閲覧行動と買い物後の購買データを連動させ、顧客に対して最適でお得な情報配信を実現し、さらなる来店と購買を促すことが可能になるとしている。両社は流通企業と共同で2016年度後半から実証実験を実施し、2017年度のサービス開始を目指す。
2016年03月04日ITとファッションの未来を描くイベント「ファッションテック サミット#001(FashionTech Summit #001)」が、3月4日から6日まで東京・御茶ノ水のデジタルハリウッド大学駿河台キャンパスで開催される。同イベントは、テクノロジーアートを都市へ実装する実験的なカルチャーイベント「メディア アンビション トーキョー2016(MEDIA AMBITION TOKYO 2016)」の一環として開催されるもの。会場では、テクノロジーを利用することによりファッション界の広がりをサポートする「ファッションテック」の活用に取り組んでいる企業や、新たなテクノロジーでサービスを提供するスマートアップ企業によるピッチやハッカソンが行われる。3月4日の19時30分から21時30分までは、バーチャル試着ソリューション「バーチャサイズ(Virtusize)」の日本代表であるAndreas Olausson、三越伊勢丹特命担当部長の北川竜也、ABEJA事業本部マネージャーの書上拓郎、ベイクルーズ取締役ICT統括の村田昭彦によるパネルディスカッション「FashionTechと従来のファッション・ビジネスをつなぐもの」を開催。3月5日の10時30分から3月6日の16時までは、モード・ファクトリー・ドット・コム代表の平田元吉をモデレーターに迎えたファッションテックハッカソン「未来のファッション」が開催され、審査員には市川渚(『DiFa』編集長)、小川徹(NHK デジタルコンテンツセンター 副部長)、北川竜也(三越伊勢丹特命担当部長)、桐島ローランド(写真家、マルチクリエイター)、軍地彩弓(『 Numero TOKYO』エディトリアル・ディレクター)、関根修二(BEAMS社長室 宣伝広報統括本部デジタルコミュニケーションマネージャー)、中里周子(NORIKONAKAZATOデザイナー)、西垣雄太(『SnSnap』CO-FOUNDER/CEO 最高経営責任者)らが名を連ねる。3月5日の11時から12時30分まではスタイラー代表取締役の小関翼をモデレーターに迎えた基調講演「FashionTechとスタートアップハブのこれから」、13時から15時までは、The World Elementsの野垣映二、FITTYの本間佑史子、LaFabricの森雄一郎らが参加するピッチイベント「sprout annex ~FashionTech~」が行われる。さらに、17時から19時までは、モデレーターに小関を迎えたパネルディスカッション「FashionTech Startupにとっての東京」も開催される。3月6日の10時から11時は、エー ディグリー ファーレンハイト(A DEGREE FAHRENHEIT)とハナエモリ マニュスクリ(Hanae Mori manuscrit)のデザイナーである天津憂とデジタルファッション代表取締役の森田修史による講演「東京ファッションとテクノロジーの可能性」、13時30分から15時までは、モード・ファクトリー・ドット・コム代表の平田元吉、小関によるトークセッション「FashionTech Summit #001を終えて。#002へ」を実施。18時30から21時までは、登壇者、ハッカソン参加者を交えた懇親会も行われる予定だ。【イベント情報】「FashionTech Summit #001」会場:デジタルハリウッド大学 駿河台キャンパス住所:東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア 3階会期:3月4日~3月6日時間:4日/19:00、19:30開始、5日/11:00~19:00(ハッカソンは10:00受付、10:30開始)、6日/10:00~16:00料金:初日無料、学生1,000円、社会人1Day3,000円、全日5,000円
2016年03月03日ソフトバンク・テクノロジーの子会社であるM-SOLUTIONS(M-SOL)は2月29日、パソナテックとソフトバンクロボティクスが開発・提供する人型ロボット「Pepper」の動作を設定する「Smart at robo for Pepper」を通じて、新しい労働力としてロボット活用を推進し、ロボアプリ開発における開発期間の長期化や費用負担の軽減を目的に協業を開始したと発表した。Smart at robo for Pepperは、Pepperの会話や動作を簡単に設定できるサービス。アプリケーションの開発知識がなくても、Web画面からの操作であいさつやディスプレイ表示などいつでも自由に設定し、Pepperに思い通りの動きをさせることができるようになる。M-SOLは、ソフトバンクロボティクスが認定する「ロボアプリパートナー」で、サイボウズが提供する業務アプリ開発プラットフォーム「kintone」をベースにしたSmart at robo for Pepperを提供している。同サービスは、エンドユーザーのPepper活用推進につながるだけでなく、M-SOLのロボアプリ開発にも利用しており、開発効率が向上しているという。パソナテックもソフトバンクロボティクスが認定するロボアプリパートナーとして、Pepperを活用した各種業務支援サービスや、「むすぶkintoneサービス」を活用した高速アプリケーション開発を提供するPepperの「ECOアプリケーション」開発などを提供している。今回、M-SOLはパソナテックにSmart at robo for Pepperを提供し、Pepperとkintoneの連携に関する技術支援を行う。また、パソナテックは、ロボティクス・サービス・インテグレーション事業において、Smart at robo for Pepperの活用や顧客の要望に応じた同サービスの機能拡張をkintoneを利用し、実現していく。
2016年03月01日マネーツリーは、経費精算サービス「Staple(ステイプル)」を提供するクラウドキャストと、クラウド型請求管理ソフト「MakeLeaps(メイクリープス)」を提供するメイクリープスという2社との提携を発表した。両社ともに、マネーツリーの金融インフラサービス「MT LINK」を導入することが明らかになっている。今回は、フィンテック系の有力なスタートアップ企業として世間から注目を集めている2社と連携する運びとなった。両社ともに、サービスの顧客満足度の向上のために、汎用性の高いMT LINKを導入したとのことだ。MT LINKは、国内2,400社以上の金融機関(銀行、クレジットカード、電子マネー、ポイント)から、明細データを自動的に取得できるクラウドサービス。いつどこで、お金がどう動いているか、既存のシステムと連携し、活用できるのが特徴だ。MT LINKは、先日、みずほ銀行への提供を発表し、今回新たに加わった2社を含め、公式に9社のパートナーシップ契約を締結している。マネーツリーは、自社だけでサービスを完結させず、MT LINKのプラットフォームを業種、規模を問わずに、大企業、中小企業、スタートアップといった様々な規模の会社に提供していきたいと、今後の展開も表明している。また、iOSアプリ版「Moneytree 一生通帳、家計簿より楽チン」のみで対応していた法人口座の管理が、Webブラウザ版でも可能になりますとなった。これまで、限定されたWindowsマシンだけしかアクセスできなかった法人口座が、Macはもちろん、どんな環境のマシンでも確認できるようになる。いつでもユニバーサルでアクセスできるようになった法人口座機能は業界初の対応になるとのことだ。
2016年02月27日日本IBMは2月24日、金融とテクノロジーを組み合わせた新たな金融サービスを実現するフィンテック(FinTech)への取り組みの一環として、オープンかつ汎用的な「FinTech 共通API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)」を銀行向けに提供を開始した。現在、多くのFinTechサービスは画面情報のやりとりで銀行システムとの連携に加え、利用者がインターネットバンキングのIDとパスワードをFinTechサービスに登録することで、銀行取引データとの連携を図っている。そのため、FinTechサービスとの連携においては、銀行システムの仕様変更への迅速な対応、セキュリティの確実性、アプリケーション開発の生産性といった課題があるという。FinTech 共通APIは、FinTechサービスと既存のインターネットバンキングをアプリケーション間で接続し、残高照会、入出金明細照会、口座情報照会といったインタフェースを含むAPI群。また、APIの標準化を推進している「BIAN(Banking Industry Architecture Network)」の仕様に基づいており、オープンかつ汎用的な点が特徴。同APIを利用した場合、画面情報のやりとりではなくアプリケーション間を接続するため、銀行側の画面変更にFinTechサービスが即座に対応できずエラーが発生するといったことがなくなり、利用者の利便性が向上するという。また、FinTechサービスと各銀行のサービスとのインタフェースを個別に設計する必要がなくなり、開発に要する時間とコストを削減できるとしている。セキュリティについては、オープンな認証プロトコル「OAuth」により、利用者のIDやパスワードを銀行が認証したうえで、FinTechサービスの利用を許可する仕組みとなり、セキュリティーが強化される。IBMのAPI作成・管理・運用ソフトウェア「IBM API Connect 」と「IBM DataPower Gateway」により、提供されるオープンな認証プロトコル「OAuth」と連携し、強固なセキュリティを実現しているという。さらに、銀行が新たなFinTechサービスを容易に試せるテスト用APIとして「チャレンジ・スタブ」やFinTechアプリケーションのデータを各銀行向けのデータに変換する機能「データ・マッピング」も提供するとしている。
2016年02月25日ダイヤテックは19日、Cherry MX 青軸/茶軸を採用したテンキーレスキーボード「Majestouch 2 Tenkeyless」の限定カラーを、数量限定で販売開始した。直販価格は税込14,800円。クリームがかったホワイトをベースに、印字をグリーンとしたキーボード。直販限定カラーで、キースイッチがCherry MX 青軸の「FKBN91MC/NCW2」、Cherry MX 茶軸の「FKBN91M/NCW2」の2種類を数量限定で用意する。[Shift]キー、[Enter]キーは、標準搭載のホワイトカラーに加え、グリーンカラーのキーキャップを同梱する。本体サイズはW356×D135×H33mm(スタンド使用時44mm)、重量は980g。キーピッチは19mmで、キーストロークは4±0.5mm。インタフェースはUSBで、同梱するPS/2用変換コネクタにより、PS/2でも接続できる。ケーブルは直付で長さは1.5m。
2016年02月19日クラウドワークスは2月18日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のFintech推進組織「イノベーション・ラボ」のロゴ募集を実施すると発表した。MUFGは、ITサービスによって金融サービスの革新を進める、いわゆる「Fintech」を推進する専門部署として「イノベーション・ラボ」を1月8日に設立。同組織では、スタートアップ企業や大学などの外部の知見を積極的に取り入れ、「オープンイノベーションによる革新的な金融サービスの創造」に取り組むという。クラウドワークスは、クラウドソーシングプラットフォームを展開しており、「オープンイノベーションの要素を活用する」という目的のもとに、ロゴとステッカーのデザインを募集する。採用された際の報酬は10万8000円(税込)で、期間は29日までとなる。募集は、クラウドワークスWebサイトで行われる。MUFGとクラウドワークスは、今回のクラウドソーシング活用による成果をもとに、Fintech関連イベントの開催や新規の金融サービス開発に取り組むほか、イノベーション・ラボの研究を通して開発したサービスとクラウドソーシングを連携して、クラウドワークス上の"仕事実績"に基づいた与信データを活用した個人向け金融事業の展開なども検討し、「新たなビジネスモデルの創出」を図るとしている。
2016年02月18日●モバイルフィンテックとはKDDIは17日、「auのほけん・ローン」を4月より提供開始すると発表した。同社では新しい金融サービスを開発・提供していきたい考えだ。なぜ携帯電話の会社が、このタイミングで「保険」と「ローン」のサービスを開始するのだろうか。都内で開催された記者説明会では、その狙いが明かされた。本稿で紹介していきたい。○KDDIの狙う「モバイルフィンテック」とは携帯電話の通信事業者であるKDDIが、保険とローンのサービスを開始する。いささか唐突に思われる方もいるだろう。ただ、同社では2008年に「じぶん銀行」を設立、2010年に「au 損保」を設立、2014年にKDDI フィナンシャルサービスを設立するなど、かねてから金融サービスにも積極的に取り組んできた経緯がある。2014年には、同社オリジナルのプリペイドカード/クレジットカードである「au WALLET」の提供を開始。ネットとリアルの垣根をなくすサービスにより、ユーザーの利便性を高めつつ長期契約を促進、解約率の低下につなげてきた。同社が「決済」(au WALLET)、「保険」(au損保)、「住居費」(じぶん銀行)などの分野で蓄積してきた運営ノウハウを活かして、より踏み込んだ金融サービスの「auのほけん・ローン」を開始する、と考えればそれほど違和感はない。改めていうまでもなく、保険やローンは大きな金額を長期に渡って運用するサービスである。au WALLET経済圏の規模を拡大させ、長期利用をさらに促進する、という同社の事業戦略とも合致している。しかし、金融業界ではすでに様々な企業がサービスを展開している。KDDIでは、どのように差別化要素を打ち出していくのだろうか。記者説明会では「フィンテック」なる言葉が繰り返し用いられた。フィンテック(Fintech)とは「IT技術を活用して新たな金融サービスを生み出す」を意味する言葉で、ここ数年来、金融業界を中心に頻繁に使われるようになった。KDDIでは、モバイルの利便性と金融サービスを組み合わせた「モバイルフィンテック」を提供、ユーザーのライフステージに最適な保険とローンを提供していきたい考えだ。●サポートセンターを設置○保険料が安くなる!?今回発表されたのは「auの生命ほけん」「auの損害ほけん」「auのローン」の3サービス。auの生命ほけんは、「au 定期ほけん/医療ほけん/医療ほけん レディース」、auの損害ほけんは「au 自転車向けほけん/ペットほけん/海外旅行ほけん/国内旅行ほけん/ゴルフほけん/傷害ほけん 交通事故/傷害ほけん 日常の事故」、auのローンは「au 住宅ローン」を予定している。KDDIの代表取締役執行役員専務である高橋氏は、すべての取引がモバイルだけで完結する、モバイルフィンテックならではのメリットについて説明した。例えば上記の3サービスは、スマホ・PCからオンラインで24時間いつでも思い立ったときに申し込める仕様。審査時の必要書類はスマホで撮影してウェブサイトから提出できる。auの生命ほけんでは最短で2日で支払われるケースがあり、auの住宅ローンでは仮審査の申し込みから契約手続き完了まで最短で10営業日で終わることもあるとアピールしている。また、保険料が安くなる仕組みについても言及した。保険料は「付加保険料」と「純保険料」からなるが、このうち付加保険料は人件費、支店の運営コストなどを含んでいる。モバイルフィンテックならインターネットで申し込めるため、対面販売方式に比べて人件費が削減でき、支店の運営コストも必要なくなる。経費の浮いた分、利用者には安い金額で保険を提供できる理屈だ。インターネットでの通信販売について心配に思うユーザーのために同社ではフィナンシャルサポートセンターを設置。対面での安心感も提供する。このほか、直営のau ショップでのサポートも順次展開していく見込みだ。なぜ、このタイミングでの提供なのか。高橋氏は、今春から電力小売自由化が開始されることに加え、マイナス金利の影響もあり、家計や住宅ローンなどの見直しを検討している人が増えている、といった背景を前提に「いまが良い時期」と判断したと説いた。最後に、同氏は「au でんきの次の商品として、もう一段階、二段階お客様と深く長くお付き合いしていけるサービスにしていきたい。皆様には今後とも末長く、色々な商品を介してauにお付き合いいただけたら」と話し、今後の展開に期待を寄せた。●スマホを解約した場合の住宅ローンは?○auを解約したら住宅ローンはどうなる?説明会の最後に質疑応答、および囲み取材が行われ、高橋氏と、バリュー事業本部の勝木朋彦氏が対応した。携帯電話とのセット割については「検討している」とのことで、詳細は近日中に発表される予定。仮にKDDIの携帯電話を解約した場合の住宅ローンの取り扱いについて高橋氏は「住宅ローンはじぶん銀行の口座から引き落とされるため、じぶん銀行の口座に残高があれば継続して支払うことができる」と語った。「au IDにひもづく顧客データを活用することはあるか」との質問に、高橋氏は「お客様のビッグデータを解析して、と言うと気持ち悪く聞こえるかもしれないが、他社でもしっかりと分析しており、我々もやっていきたい。データを元に、新たな商品の開発に結びつけていけたら」と回答。「保険業法で、保険料の割引きはできないのではないか」との指摘には「法律を精査して、ルールの範囲内でできる手立てを考えていきたい。ポイントで還元するなど、(あらゆる可能性について)いま金融庁と話をしている。皆様には、お得な形でお届けしていきたい」とのこと。また「住宅ローンと通信料金では規模感が違う。多少の割引きで、利用者は増えると思うか」との質問に、高橋氏は「こうしたサービスをきっかけに、モバイルを使ったネット住宅ローンが脚光を浴びて消費者に届けば。社内でも、これだけ安い商品が実現できることについて驚きがあった。ユーザーさんにお届けするタイミングとしては非常に良いと感じている。auが保険とローンを開始することで、安心感がある。事故があってもauだったらちゃんと払ってくれるだろう、住宅ローンにしても途中で返してくれということにはならないだろう、といった安心感、それに利便性。そこに若干の割引きが実現できれば」と力を込めた。マイナス金利の影響もあり、既存の銀行でも利ざやをとるのが難しいと言われている、との指摘には「じぶん銀行からすると、運用の手段として使ってもらえることもメリット。住宅ローンが、いま重要な位置付けになっている。我々は、ずっとモバイルならではの金融商品をつくってきたつもり。このあたりが強みになる」と持論を展開した。
2016年02月17日テックビューロは2月12日、シンガポールにて設立されたFinTech企業であるDragonfly Fintech(ドラゴンフライフィンテック)と、ドラゴンフライフィンテックが有するブロックチェーンベースの決済プラットフォーム「Automated Clearing and E-Settlement(ACES)」を日本市場に提供するための合弁事業設立に関して、基本合意書を締結したと発表した。ACESはブロックチェーン技術を用いた決済ソリューション。同プラットフォームは特許申請済みの手法により、デジタルマネーと法定通貨の為替交換を活用して電子決済処理の手順を効率化するという。この手法により、以下のようなメリットがもたらされるという。コスト、時間、リソースの大幅な削減コンプライアンスにおける煩雑さの軽減銀行における、決済およびクリアリングハウス処理の内部完結と、即時決済によるカウンターパーティーリスクの軽減リアルタイム総取引による即時流動性の実現物理的な主体のないバーチャルなインターネットモバイルバンキングの実現ACESは旧来の一般的な決済手法とは異なり、ブロックチェーンを活用することによって中継銀行を不要とする決済ソリューションだという。ブロックチェーン技術によってメッセージング手順が不要となり、安全に支払決済をマッチングすることを可能としている。規制改正を待たずに、送金の決済時に効率の高い経路を自動的にたどることによって送金効率を大幅に向上させるとしている。本合弁事業によって、両社は日本市場においてACESとテックビューロの「mijin」を併用した包括的なソリューションを提供することが可能となった。ACESは、2016年第3四半期にサービスの提供開始を予定している。
2016年02月12日テックは10日、HDMI出力を備えた小型のデジタル顕微鏡「HidemicronFHD」を発表した。2月15日から発売する。推定市場価格は29,800円前後(税別)。HDMI入力を備えたテレビや液晶ディスプレイに映像を出力できるデジタル顕微鏡。大画面で最大220倍の光学ズームによるミクロの世界を楽しめる。最大解像度は1,920×1,080ドットで、フレームレートは30fps。300万画素のイメージセンサーを搭載し、シャッターボタンを押すことで静止画の撮影も可能。先端部にはLED×8個を装備しており、被写体を照らしての観察、撮影も行える。画像の保存はmicroSDメモリーカードを利用。対応容量は32GBまでで、保存形式はJPG。秒単位で画像の連続保存を行うインターバル撮影にも対応。生物の動きを観察するといった用途に役立つ。秒数の設定は1秒~999秒で、最大999枚まで撮影可能。シャッタースピードは1秒から1/1,000(オート)。電源用のUSBポートを備え、本体サイズはW44×H154mm、重量は約82g。
2016年02月10日●サービス誕生の背景にある、不動産市場の課題テクノロジーの力によって不動産業界に革新的な変化をもたらそうという「リアルエステート・テック(不動産テック)」という言葉が、金融業界で盛り上がる「フィンテック(金融テック)」と並んで昨年から話題になるようになってきた。不動産テックとは、これまで不動産会社が管理してきた中古物件の様々な情報をオープン化し、インターネットを通じて一般消費者が自身の物件価値の把握や売買のために有効活用することができるようにしようという動きで、今回取材したヤフーとソニー不動産が共同で運営する「おうちダイレクト」をはじめ、不動産情報サイトのHOME’Sが開始した「PRICE MAP」、求人サービスで知られるリブセンスが開始した「イエシル」など、既に様々なサービスが生まれている。こうした不動産テックは従来の不動産取引にあるどのような課題を解決し、何を目指しているのか。不動産の個人売買プラットフォーム「おうちダイレクト」をソニー不動産と共同で運営する、ヤフー 不動産本部で「Yahoo!不動産」のサービスマネージャーを務める山口隆志氏に話を伺った。2015年11月にサービスインした「おうちダイレクト」は、マンション所有者が自分自身で物件価格を決定して売り出し、購入検討者と直接対話しながら物件を売却することができるサービスだ。売買交渉のサポートや重要事項説明、売買契約や引き渡し時の手続きといった法令で定められている不動産取引業務は、ソニー不動産がサポートするという。そして、マンション所有者が自分の物件価値を把握するために、過去の売買履歴を基にしたビッグデータと、ソニーとソニー不動産が共同開発した機械学習ソリューションによって、物件の資産価値を独自のアルゴリズムで推定する「不動産価格推定エンジン」を提供している。実際に売り出すことができるマンションは現在のところ東京都23区内に限られているが、不動産価格推定エンジンのデータベースの量は既に1都3県の約5万棟のマンションに及ぶ。山口氏は、このサービスを生み出した背景について、現在の不動産市場が抱える課題を挙げている。それは、“一度購入した新築物件に一生住み続ける”というライフスタイルそのものに対する疑問だ。「本来であれば、子どもの成長などライフスタイルの変化に合わせて住み替えていくという選択肢があってもいいはず。しかし、日本では自分の所有する不動産をどのように活用していくのかという点に対するリテラシーが少ないのが現状だ」と山口氏は説明する。実際に、日本の住宅流通戸数に占める中古物件の割合は、約14.7%。これは、米国と比べると8分の1程度と非常に少ない数字だ。「日本では人口が減少し、空き家が増加しているのにも関わらず、その住戸活用が米国に比べて進んでいない。都市部における新築マンション建設が土地の枯渇などを背景に限界に達しようとしている中で、このままの状況では不動産市場そのものが減速してしまうという懸念がある」(山口氏)ではなぜ、私たちは購入したマンションを手放すことができないのか。最も大きなネックは、住み替えに掛かる膨大なコストだ。例えば、売却するために必要な手数料や税金などは、100万円以上掛かる場合があり、それに住宅ローンの残債、新居への引越し費用を加えると、コストは三重構造になる。加えて、不動産会社の査定に基づく肝心の物件売却価格は、提示されても情報不足のためにその良し悪しを判断することができず、結果的にこうしたコストを吸収できない場合が多い。山口氏によると、「おうちダイレクト」はこうした不動産売却時にマンション所有者が感じる不透明感や、コストファットになる構造をテクノロジーによって解決しようと生み出されたのだという。「もちろん、普通の人は複雑な手続きを代行してくれる不動産会社へ売却することが当たり前だろう。しかし、私たちは従来の方法での売却に(コスト負担などの点で)抵抗があった消費者に新しい選択肢を提供することによって、不動産売買のマーケット全体が拡大し、中古物件の市場そのものが活性化するのではないかと考えている。売買プロセスを見直し、ユーザー自身がDIY的に売却することができる環境を作ることで、売却する人にとっては住み替えるコストの最適化が期待できる。そうすれば、“住み替えたいけれど、動けない”という人々が動き出すのではないか」(山口氏)しかし、山口氏はこの個人が不動産物件を売却するというスタイルは、従来の不動産業界のエコシステムを駆逐する存在にはならないとしている。あくまでも、これまでどおり“住み続けるか”、“高いコストを掛けて住み替えるか”という2択の間で沈黙していた潜在顧客を呼び覚ますための、有力な“第3の選択肢”を生み出すことを目的としているという。「このサービスが、従来の不動産売買に取って代わりメジャーな存在になるとは考えていない。しかし、大きな選択肢のひとつになるのではないかと考えている」(山口氏)●反響は大きいものの、物件数の増加には啓蒙・啓発が課題このような考えを背景にスタートした「おうちダイレクト」だが、その滑り出しはスロースタートだ。サービス開始時は売り出せる物件の対象地域が都内6区に限られていたという事情があるものの、実際に公開されている売却物件数は十分とは言えない。この点について、山口氏は「多いか少ないかと言われたら、もう少し頑張らなくてはいけない数字。満足はしていない。しかし、自分の所有物件の価値を検索する機能の利用者は昨年12月時点で目標を達成しており、問合せも多い。潜在顧客の取り込みには成功しているのではないか」と評価する。なお、今後掲載する予定の審査中物件も控えているという。それでは、今後どのような戦略で物件数や利用者を増やしていくのか。1月14日に開始した売り出し物件の対象エリア拡大に加え、“自分自身で所有している不動産を売却する”という考え方そのものの啓蒙・啓発、そして実際の手続きのサポートが課題だという。山口氏によると、昨年12月と今年1月にはマンション売却を検討している人を対象にしたセミナーを実施。従来の売却方法と個人売却がどのように違うのか、実際にどのようにサービスを活用するのかなどについて説明を行い、質疑応答や個別相談も実施したのだという。「“自分で物件を売るとはどういうことか”という点の理解を深めてもらい、サービスに対するハードルを下げていきたい」(山口氏)また、これまでは不動産会社に任せていた物件広告の制作、書類の用意、売却時のリフォームやクリーニングなどをサポートするようなサービスも検討しているとのこと。そして、現在は1都3県に限定している不動産価格推定エンジンのデータベース量の拡大にも意欲的だ。「目指しているのは、世の中の全ての不動産情報をオープン化すること。自分の住宅の価値がどのような要素で決まっているのかを米国並みにクリアにすることで、不動産取引の透明性を確保したい。また、自分の住宅に対する投資(リフォームや修繕など)を物件価値に反映できるようにすることで、投資対効果を明確にしたい」(山口氏)。○社会の課題に対して、ひとつの選択肢を提示したいこのように、ヤフーとソニー不動産が物件の個人売買に本気で乗り出し、他社も様々なサービスを生み出して不動産テックを盛り上げている背景には、「2020年までに中古住宅流通市場やリフォーム市場を倍増させる」という国の政策がある。山口氏も、新築マンションの着工件数が減少していることなどを踏まえて、「中古住宅市場が活性化するポテンシャルは十分にある」と語り、今後も「おうちダイレクト」のサービス拡充に取り組んでいきたい考えだ。「市場における勝者になるつもりはない。社会の課題に対してひとつの選択肢を提示するという意識で取り組んでいる。今後も、従来の不動産取引に対する疑問を解決するような挑戦は、様々な企業から生まれてくる。テクノロジー業界だけでなく不動産業界からも色々なチャレンジを生み出されれば、消費者の選択肢は更に増えるのではないか」(山口氏)そして、物件の個人売買が不動産所有者にとって有力な選択肢となるために、同社ではユーザーの声を踏まえて、物件の歴史や地域の情報を網羅したデータベースの網羅性の確保などサービスの改善に取り組み、売買事例を増やしていきたい考えだ。「まずは利便性を追求し、個人売買に対する不安を解消していくことによって、サービスに対する門戸を広げていきたい。キャズムを超えるまでは、サービス開発に徹底的に投資をして、本気で取り組む。数年後には、個人が物件を売却する“個売”が不動産所有者にとって有力な選択肢となる時代を生み出していきたい」(山口氏)
2016年02月09日P2Pファイナンスは、Fintechにおける古くて新しいテーマの一つです。お金の融通という、金融の本命機能の新しい形での提供について、個人向けのビジネスの代表的な例を今回は見ることとします。○P2PレンディングとはP2Pレンディングとは、お金の借り手と貸し手について、インターネット上のプラットフォームを用意して貸付を行う仕組みです。従来、銀行は預金を集め、お金を借りたい人により高い金利にて貸付を行うことで、その差額を収益源としてきました。P2Pレンディングでは、お金を借りたい人がプラットフォームに申し込みを行うと、直接お金を貸せる人とのマッチングを受けることができます。当然ながら、借り手が破産などで返済不能となれば、貸し手側も損失を被ることとなります。この形は、銀行などの金融機関の中抜きともいえる構図であることから、インターネットの普及当初より多くの関係者が期待してきたものでもありました。現存するプレーヤーの中で、いち早く規模を拡大したP2Pレンディングのプレーヤーとしては、2005年よりサービスを開始した英国のZopaがあります。その後、様々なプレーヤーが台頭した中、実際に大規模のスケール化に成功した事例としては、2014年に上場した米国の「Lending Club」があります。○Lending Clubの急拡大とその背景Lending Clubは個人の住宅ローンやクレジットカードローンの借り換えなどに焦点を当て、累計で1兆円以上の融資をマッチングしてきたプラットフォームです。同社が拡大を遂げた理由としては、P2Pレンディングにおける貸出実績の蓄積と、機関投資家の参加があります。貸出の実績については、様々なプラットフォームが設立されてから、5-10年が経過したことで、このような借り手の平均的な姿や、景気が悪くなった際の返済能力について、統計的な判断が可能となってきたことが挙げられます。このことにより、例えば事前にプラットフォーム側で、この借り手は安全、この借り手はリスクが高い、といった格付けを行うことが可能となってきました。格付けが可能となったことで、投資家層は従来の個人投資家中心の形から、運用リターンを求めるヘッジファンドなどへの拡大が見られています。莫大な運用資産を持つ機関投資家は、個人以上に迅速な投資が可能であるため、プラットフォームの規模拡大に寄与し、Lending Clubは上場にまで至りました。○学費ローンに新しい姿をもたらすSoFiP2Pレンディングの、より新しい付加価値を示す代表格といえるのが「SoFi」です。同社は2015年10月にソフトバンク社から1,200億円という巨額の資金調達を行ったことでも有名となりました。同社は学生の学費ローンの借り換えに強みを持つプラットフォームで、すでに発生した学費の返済を、より借り手に有利な利率で行うことを強みとしています。その背景として、ビッグデータを活用し、返済能力の高い借り手を探し出すのと共に、貸し手側についても大学の卒業生たちを集めることで、高い金利を要求しにくい層を選んでいることが挙げられます。また、単純に借り手と貸し手をマッチングするのみでなく、履歴書の書き方や、面接の受け方の訓練、キャリアに向けた相談などを実施することで、借り手の将来の給与水準を上げる取り組みも行っています。借り手の返済能力が改善することで、単純なプラットフォームとして以上の価値を提供している好例となります。○日本におけるP2Pレンディング日本でも数社、P2Pレンディングは存在していますが、これらの拡大はまだ緒についた段階といえます。その大きな背景としては低金利環境があり、個人や中小企業が比較的安い金利でお金を借りることができ、それゆえプラットフォームへの需要が相対的には低い点が、英国や米国などとは異なる背景といえます。しかしながら、上記のようなビッグデータの活用や、借り手の質を上げることができるプラットフォームといったアイデアは、日進月歩でその精度を向上させてきています。これらをうまく生かすことができるプレーヤーが出てくることで、新しいローンの借り方が浸透する日も来るのかもしれません。○執筆者プロフィール : 瀧 俊雄(たき としお)株式会社マネーフォワード取締役 マネーフォワードFintech研究所長。2004年慶應義塾大学経済学部卒業後、野村證券入社。野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究に従事する。2011年スタンフォード大学経営大学院に留学。卒業後は野村ホールディングスCEOオフィスに所属する。その後マネーフォワードを創業し、経営全般やカスタマーサポート、お金やサービスに関する調査・研究を担当。TechCrunchや週刊金融財政事情などに寄稿。
2016年02月04日JT(日本たばこ産業)は3月上旬、たばこ用デバイス「プルーム・テック」(4,000円)および専用たばこカプセル「メビウス・フォー・プルーム・テック」3銘柄(各460円)を発売する。販売場所は、福岡県福岡市の一部販売店とJTクリエイティブサービスによるオンラインショップ。同社は2013年12月から、たばこ葉が詰まった専用のたばこポッドを直接加熱し、たばこベイパーを楽しむたばこ用デバイス「プルーム」を販売している。今回発売する「プルーム・テック」は、従来のようにたばこ葉を燃やしたり、直接加熱をせずにたばこベイパーを楽しめるたばこ用具。火を使わないため、燃焼に伴う煙のにおいがなく、灰も出ないというメリットがあるとのこと。同商品は、バッテリーとカートリッジからなっており、たばこ葉が詰まった専用たばこカプセルをセットして使用する。カートリッジ内のリキッドを霧化し、たばこカプセル内を通すことで、たばこベイパーを発生させる独自のテクノロジーにより、クリアなたばこの味わいを実現したという。また、吸い込むだけで起動するなど使いやすさにもこだわった。形状はコンパクトなスティックタイプであるため、持ち運びもしやすい。専用のたばこカプセルとして、スムースな味わいが特徴の「メビウス・フォー・プルーム・テック」も開発。好みに合わせて選べるようレギュラー1銘柄、メンソール2銘柄の計3銘柄を用意する。いずれもたばこカプセル5本、カートリッジ1本がセットになっている。※価格はすべて税込
2016年02月03日テックウインドは26日、10台までのデバイスを同時に充電できる2.4A出力対応の充電器「スマートUSBチャージステーション」発表した。1月29日から発売する。店頭予想価格(税別)は9,800円前後。充電用のUSBポート×10基を備える充電器。全ポートは最大5V/2.4A出力に対応しており、USB充電のデバイス×最大10台を同時に充電可能。通電状況を確認するLEDを備え、複数のタブレットやスマートフォンなどを急速給電するのに適している。本体上部にはタブレットを立てて設置するための仕切り板を装備。仕切り板の設置幅は調整できるので、所持している端末に合わせて柔軟に対応できる。本体サイズは約W240×D135×H25mm、重量は約300g。
2016年01月27日テックは25日、2.0型液晶を搭載するHDアクションカメラ「TECACAMHD」を発表した。1月26日から発売する。価格はオープン、推定市場価格は4,980円前後(税別)。最大1,280×720ドット・フレームレート30fpsでの動画撮影が可能で、付属の専用アクセサリーを使って、ヘルメット、ベルト、自転車、バイクなどへ取り付けられる。車載用のカメラとしても利用可能。そのほかにも、本体での動画再生や静止画の撮影、動体探知、音声録画など、多彩な機能を搭載する。本体には900mAhのバッテリーを内蔵し、連続撮影時間は最大で約1時間。画角は120度で、最大30mの水深での撮影にも対応する。保存形式は、動画がMPEGかAVI、静止画がJPG。記録メディアにはmicroSDメモリーカード(Class 6、32GBまで対応)を使用する。付属品として、防水ケース、平面用マウント、防水ケース用クリップ、バイク用マウント、マルチファンクションクリップ、装着用ベルト、平面用/曲面用マウント、ネイキッドケース、三脚穴・クリップ付き、三脚マウントアダプターなどが付属する。イメージセンサーは1/4 CMOS(NOVATEK NT99141)、インタフェースはUSB 2.0。本体サイズはW29.8×D59.2×H41mm、重量は51.8g。
2016年01月25日○フィンテックふたたび今年に入り、より注目が高まっている「フィンテック」。日経平均株価の暴落をよそに、関連銘柄は爆騰し、すでに株価が10倍となる"テンバーガー"な銘柄もありました。フィンテックとは、"金融"と"テクノロジー"をかけた新語ながら、昨年指摘したように、定義は曖昧で実体はありません。とりわけ日本版のフィンテックへの過剰な期待には、不安がつきまといます。なぜなら、日本はすでにフィンテックの最先端を走っているからです。米国「スクエア」社がスマホに機器を取り付けるだけで、カード決済ができるサービスで急成長し、それをひっさげ鳴り物入りで日本上陸を果たしました。しかし、日本にはすでに「おサイフケータイ」や「パスモ」などの電子マネーが十分に普及しており、急に現金が必要となっても、全国津々浦々にまで整備されたコンビニ店内も含めた「ATM網」が完備されている「フィンテック先進国」です。特に「決済」というアプローチにおいての成長余地が乏しいのです。そして何より、日本における「フィンテック」との関係性に、日本のIT業界の本質的な問題があるのです。○浮世絵の末路算盤が電卓となり、パソコンの普及でExcelや会計ソフトが用いられ、ATMを挙げるまでもなく、金融と情報技術は不可分のものです。わざわざ「フィンテック」という命名は屋上屋を架すようなものですが、ここに「フィンテック」の本質があります。それは「eビジネス」や「Web2.0」、直近では「IoT」や「インダストリー4.0」などと同じく、すでにあるものを、わざわざ再定義(あるいは命名)することで、ビジネスの主導権を握るビジネスモデルとなっています。これは欧米人の得意技であり、盲目的に信仰するのが日本人なのです。「Web2.0」のときも、参加者が創りあげる「CGM」を礼賛し、日本のWeb業界人もこれを崇めていました。しかし、何のことはない「2ちゃんねる」のことで、これを模して生まれた海外のサイトすらある状況。Web2.0が提唱された時点で、日本はすでにトップランナーだったのです。ひとことで言えば「舶来信仰」。舶来製品を有り難がり、国内にすでにあるものを卑下するか無視する風土があります。フィンテックにもそのまま当てはまり、「浮世絵」を軽んじ、輸出用茶器の「緩衝材」にした江戸末期の日本から成長していないのかも知れません。○日本は関所ばかりさらに、金融庁に設けられた首相の諮問機関である「金融審議会」におけるフィンテックへの提言は、決済システムにばかり比重が置かれています。「フィンテック」により、出入り口を支配することで、金の流れを把握できると信じているのでしょうが、何のことはないお金の「関所」。箱根の関所で「入り鉄砲に出女」を監視した江戸時代と同じ発想です。これは役所だけを責める話ではありません。いわゆる「ITバブル」へと向かうネット勃興期、ITビジネスの主流はISP(プロバイダ)と通信回線、ポータルサイト(玄関サイト)などのインターネットの出入り口、つまりは関所ばかりだったのです。対する米国は、「eビジネス」や「Web2.0」のようなブームを仕掛けるビジネスモデルだけではなく、「バナー広告」によりネット上で収益を上げ、有償だった閲覧ソフトを無料にすることでシェアを奪い、市場を支配し、新しいビジネスモデルを生み出し続けています。ビジネスモデルとは、まったく新しい仕組みを創造するというより、すでにあるものを組み合わせて生み出されるものです。「看板」をネット上に置き換えたのが「バナー広告」で、無料配布からシェア拡大につなげるアプローチは、剃り刃交換の「ジレット」に遡ることができます。そして日本人にとって、ビジネスモデルの構築そのものは決して苦手ではありません。○天才の流儀今、大人気の朝ドラ『あさが来た』の主題歌を歌う「AKB48」。俗に「AKB商法」と揶揄される、握手券や投票権という「おまけ」でCDやDVDを購入させる構造は、何のことはないシールを競って集めた「ビックリマンチョコ」や、同封のカードを求めた「プロ野球カード」と同じです。そこに時間単位で女性と話が出来る「キャバクラ」の仕組みを、「握手会」として導入したことにより、完成したのが「AKB商法」。ダウンロードで音楽ソフトを入手する時代に、ミリオンレベルで物販する「ビジネスモデル」です。天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気がつかなかった旧事実に、気づく人のことであるとは、塩野七生氏の「ローマ人の物語ハンニバル戦記」において、アレキサンダー大王の戦術紹介の引用です。フィンテックにおける技術はもちろん、サービスにおいても日本は世界のトップランナーです。日本のIT業界の本質的な問題とは、日本国内にすでにある旧事実(技術)をないがしろにする「ビジネスモデル0.2」にあります。○エンタープライズ1.0への箴言日本版フィンテックにビジネスモデルがなし宮脇 睦(みやわき あつし)プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。営業の現場を知る強みを生かし、Webとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供している。コラムニストとして精力的に活動し、「Web担当者Forum(インプレスビジネスメディア)」、「通販支援ブログ(スクロール360)」でも連載しているほか、漫画原作も手がける。著書に「Web2.0が殺すもの」「楽天市場がなくなる日」(ともに洋泉社)がある。最新刊は7月10日に発行された電子書籍「食べログ化する政治~ネット世論と幼児化と山本太郎~」筆者ブログ「ITジャーナリスト宮脇睦の本当のことが言えない世界の片隅で」
2016年01月21日フィンエアーは1月21日、福岡=ヘルシンキ間の新規路線の就航日を5月8日と正式決定した。初便は5月7日ヘルシンキ発/5月8日福岡着となる。同路線はフィンエアー初の九州定期路線、さらには九州から唯一の欧州便として、AY076(福岡9:30発/ヘルシンキ13:55着)を水・金・日曜日の週3便、AY075(ヘルシンキ16:30発/福岡翌08:00着)を火・木・土曜日の週3便運航する。同路線の就航によって、成田/中部/関空のデイリー運航とあわせて、フィンエアーは日本の4大都市に週間最大で24便就航する。福岡は西日本の中でも重要な商業都市であり、九州全土ならびに中国地方西部へのアクセスに優れていることから、初年度は2016年10月までの約5カ月間で約1万4,000人(双方向)の利用者を見込んでいる。同路線にはエアバスA330での運航を予定しており、フィンエアーのA330には1機、フィンランドを代表するデザインブランドmarimekkoとのデザインコラボレーションによる特別塗装機が運用されている。標準仕様の場合、座席数は計263席(ビジネスクラス45席、エコノミークラス218席(うちエコノミーコンフォート40席)で、ビジネスクラスには最新のフルフラットシートを導入している。
2016年01月21日