ジュリー・アンドリュース主演で1964年、世界的大ヒットを記録したディズニー映画として知られる『メリー・ポピンズ』。2004年には、パメラ・トラバースの原作小説をもとに、ディズニーと『オペラ座の怪人』『レ・ミゼラブル』などのサー・キャメロン・マッキントッシュがプロデュース、ディズニー映画版の楽曲も使用し、マシュー・ボーンが振付けを担当しミュージカル化された。このミュージカル『メリー・ポピンズ』が2018年3月に、日本初演を迎える。「チム・チム・チェリー」「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」など、誰もが口ずさめる名曲に彩られ、バンクス家にやってくるナニー(子守)の"メリー・ポピンズ"が一家に影響を与えていく物語は、濱田めぐみ、平原綾香、大貫勇輔、柿澤勇人といった現在のミュージカル界を引っ張る俳優陣によって届けられる。この作品の魅力はどこにあるのか、ホリプロ・堀義貴社長に話を聞いた。○ホリプロではなかなかないハッピーな作品――堀社長がロンドンで『メリー・ポピンズ』を観たときにどのような魅力を感じたんですか?観た後に、つい歌を口ずさんでしまうんですよね。僕は子供の頃に映画を観ていましたし、観たことがない人でも、曲はどこかで聞いたことがあると思うんです。劇場を出た後に、軽くステップを踏みながら鼻歌を歌いたくたくなって、魔法にかかってしまう作品なんです。ホリプロでこんなハッピーハッピーな作品、なかなかないですからね! 『デスノート THE MUSICAL』のように大体死ぬか、周りから総攻撃されるかですから(笑)。『ピーター・パン』以来のハッピー感ですよ。ウォルト・ディズニーの「人はみんな始めは子供だった」という言葉がありますけど、ディズニーランドに行くといい年齢でもあの"耳"をつけたくなるのは、あの世界にガラッと自分を変えられるからですよね。劇場って、どこか頑なでスノッブな雰囲気もあると思うのですが、この作品は大人が見て「自分が子供だった」ということを再認識すると思います。自分が会社と家の往復だったことに気がつかされるでしょうし、世界の色彩が見えてくると思いますよ。子供目線でも、大人目線で観ることができて、誰が観ても面白いものになっているはずです。――映画を見直して、改めて「こんな話だったのか」と思わせられました。深い話なんですよね。ファミリーで観に来たら、子供が楽しくてきゃあきゃあ言ってる横で、親の方が感動して泣いている、ということは起きると思いますよ。○キャストがなかなか決まらない苦労――今回の公演にたどり着くのに大変だったのはどのような点だったのですか?……キャストオーディションの結論が出ない(笑)。劇場はおさえてしまっているし、今更「やれない」と言えないですし、発表も遅くなりました。いざ稽古に進めばプロばかりですから心配していないんですけど、大変だったのはキャメロン・マッキントッシュの求めるキャストがなかなか決まらない。それに尽きます。――バート役の柿澤勇人さんも不安になりながらオーディションに臨んでいたとおっしゃってました。逆に言うと、「"もう中学生"さんをミュージカルに」なんて発想は、僕らにはありませんでしたから(笑)。異分子ですよね。また日本の感覚ですと、だいたいWキャストは似た雰囲気の人を選ぶものですが、そういう発想がなく、全く違う2人を選ぶんです。――でも、そこまでの時間をかけて選ばれたキャストには、大満足ということですよね。それは間違いないはずです。歌と踊りに関して、特にタップダンスに関しての要求はものすごく高いものでした。ダンサーとして活躍する大貫(勇輔)も今までタップをそんなにやっていたわけじゃないので、ずいぶん前から練習をしていました。――演出面よりも、キャストオーディションの方が大変でしたか?フライングは『ピーターパン』で30年以上やっていますので、自信があります。でもキャストがいないとどうしようもないので、そこが大変でしたね。――ぜひこのシーンに注目して欲しいというところを教えてください。やはり、群舞です。泣けるバラードや、歌いあげる曲も魅力かもしれないけど、ミュージカルの醍醐味といえば、全員が一糸乱れずバチっと決まるところ。群舞のシーンは、観終わった後に本当に幸せな気分になります。普通のミュージカルでもすごいのに、ディズニーの作品はフィニッシュが決まった時の心地良さが格別なんです。ディズニーランドのパレードの最後も気持ちいいじゃないですか。――ディズニーランドに行くような気持ちで観に行けるんですね。あまりミュージカルになじみのないという方にもわかりやすいし、大人が観ると深いし、子供は楽しめるし、どっぷり世界に浸かっていただけると思います。『レ・ミゼラブル』のキャメロン・マッキントッシュが何十年もミュージカルにしたがっていた作品で、天才振付師のマシュー・ボーンが振り付けを行っていて、大変な作品なんです。ディズニー、マッキントッシュ、マシュー・ボーンと、作り手のアベンジャーズのようなこの作品を楽しんでいただければと思います。○ミュージカル『メリー・ポピンズ』出演:濱田めぐみ・平原綾香/大貫勇輔・柿澤勇人/駒田一・山路和弘/木村花代・三森千愛/島田歌穂・鈴木ほのか ほか東京公演:東急シアターオーブ3月25日〜5月7日 ※プレビュー公演:3月18日〜24日大阪公演:梅田芸術劇場メインホール5月19日〜6月5日(C)Disney/CML
2018年03月13日ディズニーの不朽の名作映画『メリー・ポピンズ』がミュージカル化。その日本初演が、2018年3月、東京・東急シアターオーブで幕を開ける。そこでオーディエンス200名が見守るなか、ほぼ全キャストが登壇する大規模な記者会見が行われた。【チケット情報はこちら】冒頭を飾ったのは、誰もが知る『メリー・ポピンズ』の名曲の数々。バート役の柿澤勇人が『チム・チム・チェリー』を歌い始めた途端、会場は早くも『メリー・ポピンズ』の魔法の世界へ。そこにバート役Wキャストの大貫勇輔、メリー・ポピンズそのものといったいで立ちの濱田めぐみ、メリー・ポピンズ役Wキャストの平原綾香も登場。メリー・ポピンズを象徴する『プラクティカリー パーフェクト』から名曲中の名曲『フィード ザ バーズ』、全キャストが登場しての華やかな『ジョリー ホリデイ』までが一気に披露されると、会場のテンションは最高潮に。心地よい高揚感に包まれつつ、キャストによる挨拶が始まった。濱田にとってディズニー作品への出演は、劇団四季時代から数えて4作目。「想像を具現化し、舞台上にかたちとして見せるのはディズニーミュージカルが一番」とその魅力を語り、「ひとつひとつを明確に、はっきりとした夢のかたちをお届け出来るよう精進したい」と意気込む。3作目のミュージカル出演となる平原は、自らの前世について「平原さんはまだ地球に慣れていないから頑張って」と言われたことがある過去を告白。演出家から「メリー・ポピンズは宇宙人のようなもの」とアドバイスされたことを受け、「宇宙人だったころを思い出して頑張りたい」と、会場の笑いを誘った。大貫は「正直プレッシャーの方がかなり大きい」と切り出しつつも、「日本初演のオリジナルキャストに選ばれたことは本当に嬉しい。全力で、楽しみつつ稽古に取り組んでいけたら」と目を輝かせる。柿澤はこれまで人を殺める役が多かったことから、「やっと大人から子供まで楽しめる役に挑戦出来る。たまには僕も愛されたい!」と、平原に続く笑いを会場に呼び起こした。他にもジョージ・バンクス役の駒田一、山路和弘、ウィニフレッド・バンクス役の木村花代、三森千愛、バードウーマンとミス・アンドリュー2役の島田歌穂、鈴木ほのからが登壇。それぞれ本作にかける思いを熱く語った。最後には「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」を全員で熱唱。その美しく力強い歌声は、本番への期待をさらに高めてくれた。公演は2018年3月18日(日)より。なお、チケットの一般発売に先駆けて、チケットぴあでは抽選先行を実施中。いち早プレリザーブの受付は11月27日(月)午前11時、プレリザーブの受付は11月30日(木)11時まで。取材・文:野上瑠美子
2017年11月24日ミュージカル『メリー・ポピンズ』の製作発表が21日、都内で行われ、濱田めぐみ、平原綾香、大貫勇輔、柿澤勇人、駒田一、山路和弘、木村花代、三森千愛、島田歌穂、鈴木ほのか、コング桑田、パパイヤ鈴木、浦嶋りんこ、久保田磨希、小野田龍之介、もう中学生が登場した。同作は、パメラ・トラバースの小説をもとに1964年、ジュリー・アンドリュース主演で世界的大ヒットを記録したディズニー映画『メリー・ポピンズ』を、『オペラ座の怪人』『レ・ミゼラブル』などのサー・キャメロンマッキントッシュがプロデュースし2004年にミュージカル化。今回が日本初演となる。ロンドンのバンクス家にやってきたナニーのメリー・ポピンズと家族の物語を描く。会見では、キャストによる「Chim Chim Cher-ee」「Practically Perfect」「Feed the Birds」「Jolly Holiday」「SUPERCALIFRAGILISTICEXPIALIDOCIOUS」の歌唱が披露された。メリー役の濱田は「小さい頃からの思い出とか懐かしい感じ、ノスタルジックな感じ、そういうのが全て詰め込まれてるのがディズニーミュージカル」と表し、「皆様にはっきりとした夢の形を見せられるように」と意気込む。また、濱田とWキャストでメリーを演じる平原は、同役を「完璧で宇宙人的なイメージ」と表現し、「演じるのがすごく難しい」と語った。平原は「『アウトデラックス』で前世を見てもらった時に、『平原さんは地球に慣れてないから頑張って』って言われたんです」と明かし、「ショックだったんですけど、プロデューサーに『メリー・ポピンズは宇宙人だから、まばたきもしないくらいの勢いなんだよ』と言われて。宇宙人だった頃を思い出してできるかなって」と自信を見せた。ダンサーとして活躍する大貫は「ここまでしっかりとしたタップが中心となった舞台は初めてだし、歌もものすごく僕にとっては課題。歌の稽古、タップの稽古はずっと準備しています」と明かした。柿澤も同じくタップダンスのレッスンを積んでいるが、実は「ダンスは本当に苦手」だという。柿澤が「劇団四季にいた時に、当時の演出家に『お前にはダンスの才能がない』と言われて。それまでダンスがすごい好きだったのに、才能がないって言われたから『じゃあやらないよ』と思って」と告白すると、平原は「上手だったよ!」とフォロー。柿澤はその言葉に「ダンス好き~!」と宣言していた。また、傘で飛ぶシーンが有名な同作だが、子供の頃に魔法を練習したことがあるか? という質問に、濱田は「物を念力で動かそうとしていました」と回答する。平原は「傘を持って、なりきって遊んでた時期もあった」とまさにメリー・ポピンズになりきっていことを明かし、大貫は「僕は(ドラゴンボールの)かめはめ波を本気で練習してました。友達に出せるようになったって嘘つきました」とそれぞれの魔法体験が明らかに。さらに柿澤が「僕も空を飛びたいと思って。鳥ってなんで飛べるかといったら、大胸筋がハンパないらしいんですよ。中学生の時に、本当に大胸筋ばかり鍛えて、飛べるんじゃないかと思ってました」と振り返ると、大貫は「科学的に5m胸筋があったら飛べるらしいですよ」と豆知識を披露。柿澤は「足りなかったか!」と悔しがっていた。
2017年11月21日エミリー・ブラントとリン=マヌエル・ミランダが出演する『メリー・ポピンズ』の新作『Mary Poppins Returns』(原題)にコリン・ファースが出演するようだ。「Variety」誌によると、現在、出演を交渉中のコリンは、フィデリティ信託銀行の社長ウィリアム・ウェザオール役を打診されているという。今年コリンは『ベストセラー編集者パーキンズに捧ぐ』(現在日本公開中)、『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』(10月29日(土)日本公開)と精力的に出演しており、『Mary Poppins Returns』公開までも待機作を多く控えている。オリジナル版の『メリー・ポピンズ』から20年後のロンドンを舞台に描く今作には、魔法使いでナニーのメリーのことが大好きだったバンクス家のジェーンとマイケルも登場。それぞれエミリー・モーティマーとベン・ウィショーが演じる。名女優メリル・ストリープもメリーのいとこ役としての出演が決定している。監督は『シカゴ』や『NINE』、『イントゥ・ザ・ウッズ』などミュージカル映画を得意とするロブ・マーシャル、音楽は『アダムス・ファミリー』や『ヘアスプレー』のマーク・シャイマンとパートナーのスコット・ウィットマンが手掛けるということだから、期待を裏切らないミュージカルになるだろう。(Hiromi Kaku)
2016年10月20日ディズニーが贈る『メリー・ポピンズ・リターンズ』の公開日が、2018年12月25日に決定した。パメラ・L・トラバーズ著作の児童小説『メアリー・ポピンズ』シリーズを原作とする1964年作ミュージカル映画『メリー・ポピンズ』では、世代を超えて愛されている主人公メリー役をジュリー・アンドリュースが演じていたが、ロブ・マーシャル監督がメガホンを取る続編ではエミリー・ブラントが演じる。主演女優賞を含む5つのアカデミー賞を獲得した前作でのメリーの役どころは、銀行員の家庭の子供たちジェーンとマイケル・バンクスの世話をするためにロンドンにやってきた魔法を使える家庭教師であった。原作『メアリー・ポピンズ』は8冊から構成されており、1964年作の映画は1冊目の本を元に制作されていた。今回の新作は残り7冊部分にフォーカスを当てていくことになるようで、公式サイトが発表している同作品のあらすじには、「大恐慌時代のロンドン。大人になったジェーンとマイケル・バンクス、そしてマイケルの3人の子供たちが苦境に立たされているところに再びメリー・ポピンズが訪れる。メリーは友人ジャックの力を借りて、魔法で家族たちに生きる楽しみを見つけ、見失った人生を取り戻す手助けをする」と記されている。監督を務めるマーシャルは以前、同作品の制作チームに参加できることについて「ディズニーがパメラ・L・トラバーズのさらなる冒険を映画作品にしたいと言ってきてくれたことをととても誇りに思うし、うれしいよ」「アイコニック的な存在の前作は僕にとって、とても特別なものなんだ。だから、子供のときに感じたような驚きは最も苦しい時にさえ見つけることができる、というメリー・ポピンズのメッセージを新たな世代に伝えられるミュージカル映画を作るのが楽しみだよ」と語っていた。街灯をともす仕事をしているメアリーの友人ジャック役は、リン=マニュエル・ミランダが演じる。(C)BANG Media International
2016年06月02日1964年に映画化され、主演したジュリー・アンドリュースにアカデミー主演女優賞をもたらした“空飛ぶナニー”の物語、『メリー・ポピンズ』の続編製作が本格的に始動開始のようだ。米ウォルト・ディズニー・ピクチャーズからメリー・ポピンズ役にエミリー・ブラントを起用し、2018年12月25日(現地時間)に公開予定だということが正式に発表された。数か月前にエミリーがディズニーと出演交渉をしていると最初に報じた「Variety」誌によると、監督はロブ・マーシャル、製作はジョン・デルーカ、マーク・プラットで、エミリーが2014年に出演したディズニーのミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』と同じ製作チームが再びタッグを組む。現在エミリーの他には、新キャラクターで街灯を灯す“ランプライター”のジャック役にリン・マニュエル・ミランダがキャスティングされている。タイトルは『Mary Poppins Returns』(原題)になる模様で、舞台は大恐慌時代のロンドン。子どもだったバンクス家のジェーンとマイケルはすっかり大人になり、マイケルは3人の子持ちに。不幸な出来事があって落ち込んでいたマイケルらの元を訪れたメリー・ポピンズが、ユニークな魔法と友人ジャックの助けによって、彼らの人生で失われていた喜びと驚きを取り戻すお手伝いをするという話になるようだ。(Hiromi Kaku)
2016年06月01日