●CEATECを彩ったロボットたちロボットブームと呼ばれる中で開催された今年のCEATECでは、ロボット電話「RoBoHoN」(ロボホン)や、洗濯物折り畳みロボット「laundroid」(ランドロイド)など、非常にユニークなロボット製品の発表が相次いだ。本レポートでは、CEATECで見つけたロボット関連の話題について紹介する。○新型になったチアリーディング部まずはCEATECの定番といえる村田製作所のブース。同社は昨年、「ムラタセイサク君」「ムラタセイコちゃん」に続く第3世代のデモロボットとして「村田製作所チアリーディング部」をデビューさせているが、今年も引き続き、このチアリーディング部10体のロボットによるステージショーを行っていた。チアリーディング部は、身長36cm、体重1.5kgの玉乗りロボットである。今年のロボット、外観は昨年と同じように見えるが、信頼性を向上させるために、ハードウェアは新設計で作り直したという。これにより、旧型では移動速度が最大20cm/sに抑えられていたところ、新型では25cm/sまで出せるようになった。昨年は転倒するシーンもたびたびあったが、改良した新型では転倒が少なくなったという。筆者が見た初日1回目のステージショーでは見事ノートラブルで成功。ロボットの動きも、昨年よりは安定しているように見えた。○予測精度が向上した卓球ロボットオムロンは、進化した卓球ロボットを出展していた。昨年と同じように、ステレオカメラの画像からピンポン球の軌道を予測し、パラレルリンクのロボットで打ち返すことができるというシステムだが、今年は予測精度が向上。また予測結果を卓球台に表示して、人間をアシストする機能も追加されている。昨年はパラメータとして重力しか予測に使っていなかったが、今年のバージョンではこれに加え、ピンポン球の回転による軌道変化も考慮することで、予測の精度を向上させた。回転はカメラの映像から直接検出しているわけではなく、予測した軌道と実際の軌道のズレから推測、それを軌道予測の計算にフィードバックしているそうだ。ところでこの卓球ロボットにはまだ名前が無かったのだが、同社は公募で決めることを発表。10月21日まで、同社WEBサイトの応募フォームで受け付けるとのこと。○折り鶴が空を飛ぶロームは、マイコンボード「Lazurite」(ラズライト)を使った技術デモンストレーションとして、折り鶴型の羽ばたき飛行機「ORIZURU」を披露していた。Lazuriteは省電力が特徴のArduino互換ボード。現在、標準サイズの「Lazurite Basic」が販売中だが、ORIZURUには、IoT向けに小型化した新型基板「Lazurite Fly」を搭載した。この新型基板はSDカードサイズで、マイコン、モータードライバ、各種センサー(地磁気、加速度、気圧、照度・近接)、920MHz無線を全てオンボード搭載。これにバッテリとモーターを繋ぐだけで、様々なロボットを作ることができる。発売日や価格は未定だが、ネットショップ等で個人でも購入できるようになるとのこと。○スマホとロボットが融合!来場者の注目度が高かったのはシャープのロボット電話「RoBoHoN」(ロボホン)だ。これはロボットとスマートフォンが融合した製品で、2足歩行が可能なほか、小型プロジェクターまで内蔵。サイズは約19.5cm、重さは約390gと、携帯電話としてはちょっと大きくて重いが、これを持ち歩けば目立つこと間違い無しだ。このRoBoHoN、2足歩行ロボットとしてはかなり小さい。まだ開発中のためか、ブースの説明員に何を聞いても「非公開」と言われてしまうのだが、とりあえずデモやコンセプトムービーの動きからすると、自由度は足3軸×2、腕3軸×2、首2軸の計14軸ではないだろうか。全体のバランスとしては、足がやや短い印象を受ける。通話、メール、アプリ、検索、カメラなど、普通のスマホの機能は一通り揃える。背面に液晶画面があるが、音声認識による操作が基本となるようだ。サーボモーターがこれだけ使われるとなると、バッテリの持ちはちょっと気になるところだが、2016年前半という発売が非常に楽しみな製品だ。なお価格は未定とのこと。●人類の夢がついに実現? 洗濯物折り畳みロボット○洗濯物の折り畳みを自動化seven dreamers laboratoriesは、全自動洗濯物折り畳み機「laundroid」(ランドロイド)を世界で初めて実用化、ブースで試作機のデモを披露していた。乾燥が終わった洗濯物を投入すると、衣類の種類を認識して折り畳み、収納まで自動で行うという。2016年度中に先行予約販売が開始される見込み。これまで、洗濯と乾燥までは自動化できていたが、その後の折り畳みは自分でやるしかなかった。そこで、同社は2005年から開発を開始。同社によれば、折り畳み作業に要する時間は人生で約9,000時間、約375日にもなるということで、これを自動化することで、自由な時間を手に入れられるとアピールする。2017年に発売する第1弾モデルは折り畳み専用機となるが、2019年には、洗濯から折り畳みまで全て行えるオールインワンモデルを投入、洗濯を完全に自動化する。さらに2020年には家に一体化、各部屋のクローゼットに自動で収納することも目指す。製品化に向け、パナソニックと大和ハウス工業と協業、共同開発を開始したそうだ。デモでは、Tシャツの投入から取り出しまで4分半ほどかかっていたが、実際には物により、5~10分ほどになるという。第1弾モデルは40枚、4.5kgの洗濯物を投入可能で、終了まで3~6時間ほどかかるため、夜に開始して朝には終わるような使用イメージのようだ。○注目のホビー向けロボットキットタカラトミーから11月上旬発売予定というロボットキット「MECCANOID」(メカノイド)も出展されていた。なんといっても、税別5万円という低価格で、身長122cmの大きなロボットを作ることができるのが特徴。さすがに2足歩行ではないものの、音声認識やモーションキャプチャーなど、機能はなかなか本格的だ。○台湾発の新型ホビーロボットXYZプリンティングジャパンのブースでは、現在開発中の2足歩行ロボットが展示されていた。今年のCOMPUTEXで披露されたプロトタイプではROBOTIS製のサーボモーターが入っていたが、CEATECで展示されていたものには自社開発のサーボモーターが使われていた。発売時期は未定で、米国か台湾で先行販売する予定だという。○スケルトニクスの次世代機は?スケルトニクスは情報処理推進機構(IPA)のブースにて、最新世代の外骨格ロボットスーツ「スケルトニクス・アライブ」を展示していた。今までのスケルトニクスシリーズは全て人力で動かしていたが、同社は現在、動力付きの次世代機を開発中。年内の完成を目指しており、来年度の発表を予定しているとのこと。アクチュエータが何になるかは明らかにされていないが、重量は現在の10倍の400kgくらいになるそうだ。○仮想空間でのロボットコンテストCEATECの会場内で、「ジャパンバーチャルロボティクスチャレンジ」(JVRC)が開催されている。これは災害対応ロボットによる競技会で、実機は使わず、全て計算機上だけで実施するのが特徴。「DARPA Robotics Challenge」(DRC)の日本版、シミュレーション版と言えるだろう。この競技については後日、別途レポート記事でお伝えする予定だ。
2015年10月09日コトブキヤが展開するオリジナルロボットのプラモデル「フレームアームズ」のスピンアウトシリーズ「フレームアームズ・ガール(FA:G)」から、シリーズ初のカスタム用"素体"として、「マテリア」が2色展開で2016年に発売される。現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中で、価格は各3,888円(税込)。「フレームアームズ・ガール」は、既存の「フレームアームズ」シリーズを、イラストレーターの島田フミカネ氏が美少女化を手がけ、新たなプラモデルとして展開。「フレームアームズ」の特徴である各部の複数の3mm径の穴とPVC製の手首により、膨大なM.S.Gのウェポンシリーズや「フレームアームズ」シリーズの武器や外装を使用することもでき、自分だけのオリジナルなカスタマイズが可能となっている。今回発売される「マテリア」は、通常カラー版の「フレームアームズ・ガール マテリア Normal Ver.」(2016年1月発売)とホワイトカラー版の「フレームアームズ・ガール マテリア White Ver.」(2016年2月発売)の2タイプ。ともに既存の「FA:G」シリーズとの互換性を備えている。可動面では体育座りもできる広範囲な動きができ、腕や太腿アーマーの交換により既存のM.S.Gシリーズやフレームアームズの武装併用も可能となる。「笑い顔正面向き」「笑い顔右向き」「ほほ笑み顔左向き」の計3種の表情パーツ、手首(左右5種)、デカールが付属し、カスタム性をさらに広げるアイテムとなっている。なお、「フレームアームズ・ガール マテリア Normal Ver.」には、コトブキヤショップ限定(秋葉原館、日本橋、オンラインショップ)特典として、特別カラーの髪の毛パーツ&タンポ無しの顔パーツ一式が付属する。特典はなくなり次第終了となる。「フレームアームズ・ガール マテリア Normal Ver.」「フレームアームズ・ガール マテリア White Ver.」はともに価格は3,888円(税込)で、現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約中。商品の発売および発送は、2016年1月、2月を予定している。(C)KOTOBUKIYA
2015年10月07日●RoBoHoNとはシャープは6日、モバイル型ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」を、2016年前半に販売することを発表した。価格や発売時期は未定。本稿では、同日行われた発表会の模様をレポートする。○二足歩行し、話し、踊れる「電話」RoBoHoNはロボ・ガレージの代表取締役であるロボットクリエイターの高橋智隆氏と共同開発された、携帯情報端末。本体は二足歩行が可能なヒューマノイドタイプのロボットで、身長は約19.5cm、重さは約390g。上着のポケットやバッグに入るサイズだという。ユーザーとは音声で対話し、操作する。内部には3G/LTEの通信モジュールとWi-Fiを内蔵しているほか、背面に小型のタッチパネル液晶を、頭部にカメラやフォーカスフリーのレーザープロジェクターを内蔵しており、タッチ操作でメールを送信したり、撮影した写真を壁などに映し出して見られる。音声インターフェースには同社の「ココロエンジン」を採用し、自然な会話での応対が可能。例えば「RoBoHoN、写真を撮って」と言うと、RoBoHoN自身も「うん、いいよ」とフランクな口調で応対し、写真を撮影してくれる。顔認識によりユーザーを認識しており、状況により気遣いの言葉なども投げかけてくれるという。動きは比較的ゆっくりめだが、手を振る、向きを変えるといったシンプルなものから、座った状態から立ち上がる、歩く、踊るといったアクティブな動きもでき、電話というイメージからはかなりかけ離れている。●スマホよりも話しかけやすい?○一人一台の存在が目標共同開発を担当した高橋氏は、家庭用ロボットというと人型ロボットが掃除している姿などを思い浮かべるが、そうしたタスクは例えばロボット掃除機の方がはるかに効率的であると指摘し、一方で人が対話するものとしては、スマートフォンのような四角い箱よりも、人や動物の姿をしているものの方が抵抗が少ないという研究結果を紹介。その上で、スマートフォンの次のイノベーションとして、スマートウォッチやスマートグラスではなく、ロボットとスマートフォンの融合を提唱。これまでの家庭用ロボットと言われるものが、据え置きの電話やデスクトップパソコンのように家族全体のものであったのに対し、スマートフォンやノートPCのように一人一台の存在としてのモバイル型ロボットという存在にしたいと語った。また、シャープの代表取締役でもあるコンシューマエレクトロニクスカンパニーの長谷川祥典社長は、RoBoHoNはココロプロジェクトの象徴的存在として、コンシューマエレクトロニクスカンパニーの技術を結集した存在と紹介。機能的に便利なタッチUIと、情緒的に楽しい動きや対話式インターフェースを持つ、使う人の気持ちに応える新しい電話の形であるとし、話しかけやすい姿と音声対話によるインターフェースで、サービスをもっと気軽に、楽しく利用できるようにしたいと語った。公式サイトでも利用例などが公開されているが、電話をかける姿などは確かに滑稽に見えるが、全体的な動きなどはかなりいい感じに見え、発表会後の報道陣の間でもかなり好意的な意見が飛び交っていた。今までにない発想の製品だけに、「電話」というジャンルに止まらず、ホビーや医療・介護、教育など様々なジャンルからの引き合いもありそうだ。
2015年10月06日シャープは6日、モバイル型ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」を2016年前半に発売すると発表した。携帯電話の基本機能のほか、小型プロジェクターも搭載、音声対応を介した操作も行える。RoBoHoNは、ロボットクリエイター高橋智隆氏と共同で開発した次世代の携帯情報通信端末。二足歩行が可能なヒューマノイドロボットで、携帯電話機能として、モバイル通信(LTE/3G)に対応し、音声通話、メール、カメラを備え、搭載のタッチパネルでの操作も可能。フォーカスフリーの小型プロジェクタにより写真や映像、地図などを投影することもできる。音声対話のでの操作も可能で、ロボットとしてのコミュニケーション動作やキャラクター性による対話も実現するという。なお、サイズは高さ19.5cm、重さは約390g。衣類のポケットや鞄に入れて持ち運びも行えると同社は主張している。
2015年10月06日モデルで女優の光宗薫、アニメ監督の荒牧伸志、映画監督の辻本貴則が3日、都内で行われた、ニコニコ生放送のスペシャル番組『オレたちのロボット映画ベスト10』の出演した。同番組は、ニール・ブロムカンプ監督が手掛けたSFロボット映画『チャッピー』のブルーレイ&DVD発売を記念したもの。応援ゲストとして登場した光宗は、「『アンドリューNDR114』や『A.I.』など、ヒューマンよりの作品が好き。『チャッピー』は、生活に密着してる設定が新鮮で面白い」と作品の感想を語り、「ロボット映画は敷居が高いと思っている人にとって、見やすい作品だと思う。笑いもあるし、チャッピーの表情の変化だけで泣けます」と笑顔でアピールした。また、映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー』などを手掛ける辻本監督は、「チャッピーはロボコップと違い、人間みたいな動きをする。考え方が進化したんだなと思いました」とロボット映画の変化を感じた様子。一方、CGアニメーション映画『アップルシード』、『キャプテンハーロック』などを手掛けた荒牧監督は、「80年代アニメを実写で見せてくれてうれしいと同時に、面白いことをやられて悔しい気持ちもある。チャッピーが悪いヤツに育てられるというのが新しいですよね」と正直な気持ちを明かしていた。
2015年10月04日カプコンは9月19日、「戦国BASARA」とシャープのロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」シリーズとのコラボレーションモデル「プレミアムなCOCOROBO 戦国BASARA 伊達政宗ver.」を製品化するプロジェクトについて発表した。伊達政宗オリジナルボイスで会話するロボット掃除機。発売時期や価格については明らかになっていない。「戦国BASARA」とはカプコンから発売されているアクションゲーム。シリーズ10周年を記念して、シャープの人工知能搭載ロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」とのコラボレーションモデル「プレミアムなCOCOROBO 戦国BASARA 伊達政宗ver.」の製品化を決定した。これまでシャープの社内プロジェクト「プレミアムなCOCOROBO」は、第1弾として<妹ver.>、第2弾として<黒執事ver.>を手がけてきた実績を持つ。<妹ver.>と<黒執事ver.>は、シャープのロボット掃除機における最上位モデル「RX-V200」がベースとなっている。伊達政宗ver.についても、自動掃除や声での操作のほか、クラウド連携が可能になっているという。そのほか、伊達政宗オリジナルボイスで会話することも明らかになっているが、発売時期や価格についてはまだ発表されておらず、「戦国BASARAシリーズ10周年記念 公式サイト」上では「続報を待て!」とされている。
2015年09月21日オムロンは9月16日、産業用ロボットメーカーの米アデプト テクノロジー(アデプト)を約2億100万ドルで買収すると発表した。公開買付けは9月23日(米国時間)に開始し、10月22日(米国時間)に終了する予定。アデプトはロボット制御する技術やビジョンセンサー技術に強みを持つ。特に、ロボット制御技術では、高速性となめらかな軌跡制御を両立させる技術を保有しており、繰り返し精度において業界最速クラスの性能を実現している。オムロンは自社の制御機器とオートメーション技術にアデプトのロボット技術を取り込むことで、自動車、デジタルデバイス、食品飲料などの産業に向けた「新しいオートメーションの創造」を推進し、産業の抱える課題に応えるためのソリューションを、メンテナンスやサポートと共に提供するとしている。
2015年09月16日電通は9月11日、ワン・トゥー・テン・ロボティクス(1-10Robotics)と業務提携し、最先端のコミュニケーションロボット用AI(人工知能)や会話エンジンの開発を推進していくことを発表した。電通は2014年11月に社内横断組織「電通ロボット推進センター」を立ち上げ、「開発」「エージェンシー」「コンテンツ」の3つのビジネス領域から顧客が抱えるさまざまなロボットに関する課題解決のためのソリューションを提供してきた。1-10Roboticsは1-10HOLDINGSが、コミュニケーション分野でのロボットの市場規模が2020年までに少なくとも現在の3倍となる6,000億円超に拡大するとの予測から設立した子会社で、ロボット関連テクノロジーの専門会社として最先端のコミュニケーションロボット用AIや会話エンジンの開発を行っていく。すでに、1-10HOLDINGSの子会社ワン・トゥー・テン・デザインは、ソフトバンクの感情を持ったパーソナルロボット「Pepper」の開発にも携わるなど、ロボット開発分野で多くの実績を残しており、1-10Roboticsはその事業を継承する。
2015年09月11日ワン・トゥー・テン・ホールディングス(1-10HOLDINGS)は9月10日、ロボット用の対話型システム開発やアプリケーション開発、およびロボットを活用した広告制作を専門とする専門会社「ワン・トゥー・テン・ロボティクス(1-10Robotics)」を設立したと発表した。1-10HOLDINGSでは子会社の「ワン・トゥー・テン・デザイン(1-10design)」が2013年1月より、パーソナルロボット「Pepper」の開発に関与してきた経緯もあり、今後、より高度な会話エンジンを中心に開発力の強化を進めて、人工知能(AI)分野などの先進研究を行っていくといった事業の展開を図っていくことを目的に、新会社の設立に至ったという。なお新会社の代表取締役社長には1-10designのCTOである長井健一氏が就任したほか、新会社の設立に併せて電通とも業務提携をしたとのことで、今後も、さらなるソフトバンクロボティクスとの協力体制の強化を図っていくとしている。
2015年09月10日ユカイ工学は9月8日、同社のコミュニケーションロボット「BOCCO」の無料Androidアプリをリリースしたと発表した。「BOCCO」は、家に設置することで、外出先から伝言もしくはテキストの送信を可能とするロボット。例えば、家庭で子供が親より先に帰宅した場合、ドアにつけた積み木センサーが反応し「玄関センサーが反応しました」などのメッセージを親のスマートフォンに通知することができる。また、スマートフォンから音声メッセージをBOCCOへ送り再生できるほか、メール読み上げ機能を有するため、文字が読めない子供やスマートフォンの操作に慣れない高齢者ともコミュニケーションを図ることが可能だ。価格は3万1320円で、DMM.make ROBOTSおよびau Wallet Marketで購入することができる。また、ユカイ工学は同日よりリノべると提携し、住宅での音声による通知が"状況に応じた音声"での通知となるBOCCOのAPIを利用したアプリケーションの開発を開始したことも明かした。これにより給湯器などからあらかじめ決まった音声の再生だけだったものが、ニュースや天気予報、家族の帰宅時間などを相手に合わせた内容で伝えることができるようになるという。
2015年09月09日森永製菓は9月1日、会話の間を埋めるロボット「バニラモナカ専用営業ロボ」を開発したと発表した。同ロボットは、同社のチョコモナカジャンボの派生商品である「バニラモナカジャンボ」の販促PRの一環として企画されたもので、感音センサーにより会話の間を検知すると、「そうなっちゃいますよねぇ」「そう感じることは多々あります」などのコメントをランダムで発信するという。開発の背景について同社は「全国の弊社冷菓担当営業にヒアリングを実施致したところ、流通様との商談において十分なパフォーマンスが発揮出来ていないことが判明。アンケートの結果、商談時の「間の取り方」に自信が無いという意見が多く、さらに、その中の約7割が、商談の最中に思わず仲間の助け舟を期待してしまうと考えていることが分かりました。」と説明。この事実を「真摯に捉え」そのソリューションとして、営業活動の最中に出来てしまう会話の「間」を埋めるロボットの開発を企画したのだという。「バニラモナカ専用営業ロボ」は今後、実際に同社の営業活動の中で使用されるほか、プレゼントキャンペーンの賞品になるという。
2015年09月02日ご存知かも知れないが、いまやロボットはフィクションの世界をとっくに飛び出している。日本政府も、東京五輪が開催される2020年に向けて、ロボット化社会を世界に向けてアピールしていくと強く打ち出すなど、重要に位置づけている。そしてそんな“ロボット立国”に向けた流れは、教育の世界にも大きく影響し始めているようだ。その象徴の1つと言えるのが、子ども向けのロボット・プログラミング教室「栄光ロボットアカデミー」だ。ここでは一体どのような授業が行われているのかを探るべく、教室の片隅にお邪魔させてもらった。○自分だけのロボットをつくっちゃおう!東京スカイツリーの“麓”にある「栄光ロボットアカデミー 東京スカイツリータウン校」の教室。今回、子どもたちがつくるのは「ホッケーロボット」だという。教室には夏休みに入ったばかりの小学校低学年の生徒が7人、それに先生が2人つくというまさに“少数精鋭”教育のようだ。毎回、授業のはじめにはその日につくるロボットの予想図を描くという。「ホッケー」ができるロボットとは、果たしてどのようなロボットなのか──子どもたちは思い思いのアイデアを絵や言葉で紙に描いていった。ある男の子の紙には、ターミネーターをイメージした強そうなロボットの絵が描かれている。“モーションセンサーをつけたい”と、かなり本格的な発言をする子どももいた。先生は、一人一人の絵を見ながら、子どもたちからの説明に耳を傾けているが、決して“ダメ出し”はしない。むしろどんな奇想天外なアイデアが出てくるのか楽しみにしているようにすら見える。イメージを膨らませたところで、先生がホッケーロボットに必要となる3つの要素を確認する。まず、「テーブル」、「たま」、そしてたまを打ち返す「ホッケーマレット」という道具だ。ロボットつくりには、「WeDoファミリーロボ」という教材が使われる。これは、レゴブロックで組み立てたロボットを、PC上のアイコンの組み合わせによる簡単なプログラムで動かすことができるというユニークな学習教材。普段遊び慣れたレゴブロックなので、初めてであっても、自分が思い描いたロボットを自在に組み立てることができるのだという。○何をやっても自由!ただし、ゴールは明確にだいたいのアイデアが固まったら、いよいよここからは実際に組み立てに入る。まずはホッケーのテーブルの作成だが、これは先生が示した完成図を見ながらみんな楽々とクリア。お互いのテーブルとテーブルをつなげて対戦するのだという。続いてはホッケーマレットの作成だが、どうやらホッケーロボットづくりはここが最大のポイントのようだ。台(ホッケーテーブル)にはモーターが取り付けられており、このモーターは、USBケーブル経由で接続したPCからプログラミングによる制御が可能となっている。先生が、「ここからは自由。モーターには何をつけてもいいので、どんどん自分で考えよう」と生徒たちの背中を押した。何をやっても良し、となると逆に戸惑うもの。子どもたちは、シャフトやギアなどのパーツを組み合わせて試行錯誤している。ある生徒が「ロボットの足でサッカーみたいにたまを蹴りたいんだけど、うまくいかなくて……」と困っていると、“ここをこうするといいんじゃない”と先生がアドバイスする。ここで一旦、他の友だちのロボットの見学タイムとなる。みんながどんなロボットをつくっているのか、お互いのアイデアを興味津々で確認する子どもたちの声で教室は賑やか。なかでもみんなの目を引いていたのが、大きな板のマレットをまわして打ち返すというアイデア。一見強そうなのだが、どうやらマレットがテーブルにひっかかってしまいうまくまわらないようだ。先生は、何ができるロボットをつくればいいのか、3つのチェック項目を示した。ボールをとめることができるかボールをうつことができるかゴールをきめることができるかそして、子どもたちがつくったロボット同士をつなげて対戦を行ってみる。その間にも先生は、このロボットの弱点はどこでしょう? などと問いかけ続けている。マレットの下側が大きく空いてしまっていたり、マレットの幅が狭すぎたり、さまざまな“改善点”が見つかっていった。また構造だけでなく、モーターの挙動も大事な要素だ。アプリケーション上でアイコンを組み合わせるだけでモーターの動作パターンをプログラミングできるようになっているのだが、モーションセンサーにこだわっていたさっきの子どもは、たまにセンサーが反応したら1秒間モーターを動かすという、なかなか高度なプログラミングをしていた。○楽しみながら考え、工夫することが大事友達のロボットを見て、また実際に対戦してみて、どうすれば相手のホッケーロボットよりも強いロボットをつくることができるのかを考えた子どもたちは、自分のロボットの改良にとりかかった。どんな工夫が必要なのか確認しながらブロックを組み替えていく。先ほどのマレットが大きすぎて回転しなかった子どもは、マレットの位置をテーブルから離すことで見事、回転できるようにしていた。こうしてどのロボットも確実にたまを打ち返せるようになったところで、この日の授業はおしまい。ロボットを家に持ち帰り、さらに強くするためのアイデアを練ってくることが次回に向けた宿題だ。宿題とは言っても、こんな楽しい宿題はないはず。先生が強いロボットづくりのヒントを与えると、みんなで仲良く挨拶と片付けだ。そして最後は、外野から様子をうかがっていたお父さんお母さんに、この日の授業の趣旨を先生が説明。「自由につくりながら工夫することが大事」という言葉に誰もが深くうなづいていたのが印象的だった──。教室終了後、2人の先生に話をきいてみた。三枝泰憲先生に、子どもたちに教える際に心がけている点を聞くと、「どうしてうまくいかないのか考え、工夫して、最後には自分でできたんだという喜びを知ってほしいので、答えはなるべく示さずに、子どもたちのアイデアを引き出せるよう心がけています」と答えてくれた。栄光ロボットアカデミーの責任者でもある富田一央先生は、子どもの発想の豊かさに毎回驚かされるという。「私も含めて大人の場合、何か工夫するにしてもどうしても既存の手法にとらわれがちです。だけど子どもたちは、思いもかけないユニークなアイデアを次々とぶつけてくるので、実は私達の方もすごく勉強になるんですよ」自由で力強いアイデアとそれを実現するための論理的思考力、このどちらも楽しみながらのびのびと伸ばせることが栄光ロボットアカデミーの魅力のようだ。この日の授業中に誕生した子どもたちのアイデアのどれかが、未来のロボットに活かされるかもしれない──そんな想像をしてみると、こっちまでなんだか楽しくなってきた。
2015年08月25日東京都・上野の上野の森美術館は、アニメに登場する数々のロボットデザインを手がけた大河原邦男の、活動の歴史をたどる展覧会「メカニックデザイナー 大河原邦男展」を開催する。会期は8月8日~9月27日。開館時間は10:00~17:00。入場料は一般1,500円、高大生1,200円、小中生500円。同展は、「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」、「機動戦士ガンダム」、「装甲騎兵ボトムズ」など、誰もがあこがれ夢中になったアニメに登場する数々のロボットデザインを手がけた大河原氏が、これまでに描いたイラストや設定資料、同展描き下ろしの作品など約500点を一堂に展示し、大河原氏の40年以上に渡る活動の歴史を詳細に伝えるもの。大河原氏は、1972年に「科学忍者隊ガッチャマン」でデビューを果たした後「タイムボカンシリーズヤッターマン」、「機動戦士ガンダム」、「装甲騎兵ボトムズ」などの作品に次々と参加し、ロボットアニメにおける「メカニックデザイナー」という職業を世に確立してきた。現在も第一線で活躍しながら、工業メーカーや地方自治体との仕事を手がけるなど、活動の幅を広げているという。同展では、本邦初公開の資料を加えた40余年に渡る全仕事を振り返り、大河原のデザインの神髄に迫る。なお、展覧会の音声ガイドでは、大河原メカに関わりの深い声優、保志総一朗と小松未可子がナビゲーターをつとめる。また、同展開催にあたり、大河原氏が特別に描き下ろした作品が展示される。展覧会の目玉でもあるこの作品はB2サイズ6枚が屏風のように連なり、縦約72cm、横幅は約3mにも及ぶ大作で、大河原氏がこれまでにデザインされたロボットたちが作品という枠を超えて集結する、大河原ヒストリーが凝縮された作品となっている。そのほか、会場では、「MG 1/100 ストライクフリーダムガンダム メカニックデザイナー 大河原邦男展Ver.」(6,480円)、「ヤクト ダグラム メカニックデザイナー 大河原邦男Ver.」(4,200円)が発売される。「MG 1/100 ストライクフリーダムガンダム」は、大河原邦男氏のイニシャルのように輝く噴射を模したPET素材によるエフェクトパーツ「OK エフェクト」がこのキット専用に制作され付属する。また、大河原氏がこのキットのために手がけたデザイン案を元に、オリジナルマーキングシールや成型色を再設定しているとのこと。そのほか、ボックスアート(外箱)は描き下ろしイラストを使用しているということだ。さらに、東京会場での購入者には「メカニックデザイナー 大河原邦男展」上野の森美術館限定メタリックシールがプレゼントされる。また、関連企画として、東京都美術館講堂にて大河原氏によるトークショーが開催される。開催日時は8月29日(ゲストはアーティスト・作家の永野護)および8月30日(ゲスト未定)、いずれも13:00~15:00。また、「メカニックデザイナー 大河原邦男展」図録にサインをもらうことができるサイン会も開催される。開催日時は8月22日、9月12日の各日13:00と15:00より。応募方法など詳細は後日、同展公式Webサイトや特設サイトで発表されるとのこと。
2015年08月24日KDDIは6日、グローバル・ブレイン運営のコーポレート・ベンチャー・ファンド「KDDI Open Innovation Fund」を通じて、ファミリー向け知能ロボット"Jibo(ジーボ)"を開発する米国拠点の企業「Jibo」に出資したと発表した。出資額は明らかにされていない。Jiboは「顔認識」「写真撮影」「物語の読み聞かせ」「メッセージやスケジュールの読み上げ」「テレビ電話」の5機能がデフォルトで搭載予定のファミリー向け知能ロボット。開発者はSDKを通じてJiboの機能拡張が行える。Jiboはマサチューセッツ工科大学メディアラボで、パーソナルロボット研究グループを率いるシンシア・ブリジール准教授が創業者として開発。サービス用ロボット市場の拡大が見込まれ、ロボットと同名の企業Jiboはロボティクス市場における有望なスタートアップ企業であると判断され、今回の資本提携に至った。KDDIは今回の出資を通じて、Jiboが日本進出の際に、ビジネス開発、マーケティング、ローカライズなどの支援を行っていく予定。また、Jiboを中心としたサービスを提供していく。
2015年08月06日いま、どんどんロボットが人間の仕事を代行する時代になっています。決して他人事ではなく、みなさんのオフィスでも近々、ロボットと一緒に働くことになるかも?今回は、『Daily Mail Online』から、ついに来るかもしれない、未来のロボットスタッフについてお伝えします■管理職たちはロボットの使用に好意的!『Expert Market』は、さまざまな産業の上級管理職200人に、ロボットや機械使用についての意識をたずねる調査を行いました。スポークマンによれば、調査結果では70%が機械と一緒に働くことについて好意的に感じていたようです。そして、半数がロボットを人間の代用とすることに罪悪感がないと答えていることから、多くの管理職たちは従業員を機械に代えることについて、特に抵抗がないようです。■電話応対の50%はロボットができる?『Expert Market』の調査によれば、最近の人工知能の発達を受け、技術が持ちうる脅威について、有力な科学者たちが警告を発するようになったそうです。ほとんどの人が機械で担えると考えている仕事は、管理(59.0%)や電話応対(50.0%)、メール返信とタイピング(50.5%)でした。レポート執筆(38.5%)を代われると考える人も多く、少数ですが重要なミーティング(12.0%)や自分の仕事のほとんどを代われる(15.0%)と回答する人もいました。チーフ・エグゼクティブのような高い地位の高い役職については、ロボットは適さないと考えられてきましたが52%の人はロボットがオフィスマネージャーとして働くことができると考えており、44%はITが可能、28%は財政が適していると考えています。■ロボットは人間と違って病気をしないロボットをスタッフにすることの利点として、63.5%の人が病気になって仕事を休まないことを挙げています。仕事の質が一定であるという点も大きく評価され、次に退職しない(34.5%)、研修せずに仕事ができる(33.5%)という点が挙げられています。少数派の意見としては、自分の判断に口答えしない(22.0%)、昇給やボーナスの心配をしなくていい(19.5%)、自分の仕事を取ろうとしない(11.0%)、ていねいに対応しなくてもよい(8.0%)という点が挙げられています。管理職の人たちにとっては、ロボットは都合のよい部下かもしれませんね。■ただしロボットに人が殺される事件もしかし自動車工場では、暴走したロボットに技術者が殺されるという痛ましい事件が起きてしまいました。その技術者は、ロボットのアームに拾い上げられ、潰されてしまったのです。これは、ヨーロッパで初めての産業ロボットが引き起こした人間の死であり、SF映画で描かれた機械の脅威が示唆されます。映画「A.I.」では、多くの仕事がロボットによって担われており、人間は余暇を楽しむ時間を多く持つことができるようになりましたが、のちにロボットたちは機能不全を起こしていきます。今年から始まったアメリカの人気テレビシリーズ「Humans」では、家事をする召使いのようなアンドロイドが使われていますが、徐々に制御ができなくなっていきます。調査によれば、ほとんどの管理職たちが、ロボットは人間らしい見た目ではなく、機械のようなかたちをしてほしいと答えているのは、無意識にロボットの脅威を感じているからかもしれません。ロボットができる仕事は増えてきましたが、その反面ロボットの脅威も増しているようです。スタッフとしてロボットを使いたいと思う管理職たちも、人間そっくりのロボットを使うことには及び腰。人間の仕事をロボットが代わりにやることが増えても、まだまだ人間が必要とされるシチュエーションは多そうです。(文/和洲太郎)【参考】※Will a robot take your job? Majority of senior managers say they would use a robot to do white collar office work-Daily Mail Online
2015年08月05日NTTデータ、NTT、ヴイストンの3社は7月28日、人を取り巻くさまざまなセンサーやデバイスあるいは複数のロボットと、ユーザーとの言語および非言語によるやりとりを通じて、人の状態や状況を理解し、働きかけ、新たな行動や気付きを促すことで人の可能性を広げることを可能とするクラウド型マルチデバイスインタラクションサービスの受容性・有効性の検証に関する共同実験を開始する。同実験では、ユーザーとセンサーやロボットとの対話によって得られたデータを分析して状況を判断し、ロボットが状況に適した声がけを行うことで、人の行動や気付きを促進させる一連の流れを検証し、さまざまなサービスへの適用を検討する予定。各社の役割と技術として、NTTデータは、クラウドロボティクス基盤と、コミュニケーションロボットを活用した「高齢者支援サービス」の実証実験でこれまでに得られた知見やノウハウを提供し、クラウド型マルチデバイスインタラクションサービスの受容性・有効性の評価と、新たなトライアルユーザーの獲得および新領域におけるビジネス化の検討を行う。NTTは、NTTサービスエボリューション研究所が開発した完全クラウド対応型デバイス連携制御技術「R-env:連舞」と、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した音声認識・対話制御・音声合成技術および収集対象の音声だけを確実に捉える集音技術を提供し、NTTデータのクラウドロボティクス基盤と接続することによって、ロボットやセンサーなど各種デバイスと連携したクラウド型マルチデバイスインタラクションサービスにおける「人の可能性を広げる」インタラクション技術の実用化および有効性の確認と技術課題の抽出を行う。ヴイストンは、コミュニケーションロボット「Sota」およびその動作ノウハウを提供し、高性能な音声対話機能を搭載したロボットの技術検証や、さまざまな利用形態での有効性の評価と適用領域拡大の検討を行う。具体的な取り組みとして、「高齢者向けサービス」ではサービス付き高齢者住宅や介護施設において、介護者とともにロボットが被介護者とコミュニケーションを行うことで、会話の促進や、血圧計等の健康モニタリングデバイスと連携した情報収集を行う。また、「子ども向けサービス」では、学校や博物館等の公共施設におけるロボットとの日々の会話や、子どもが日常的に持ち歩く腕時計型デバイス等の情報を通じて、保護者の目が届きにくい日常の変化を理解し働きかけることで、学習用途から迷子の防止に至るまで子どもの気持ちをくんだサポートの実現を目指す。
2015年07月28日RT.ワークスは7月14日、高齢者を中心とした屋外での移動を支援する移動型ロボット「ロボットアシストウォーカー RT.1」を同日より正式販売すると発表。併せて、日本品質保証機構(JQA)より、国際規格ISO13482に基づく安全性評価の結果、認証に値するとして、7月8日付で認証書が発行されたことを受け、授与式が執り行われた。今回、ISO13482の認証の対象となったのは、規定される3タイプのロボット(physical assistant robot、mobile servant、person carrier robot)のうち、mobilie servant robot(移動型ロボット)で、認証式にはRT.ワークスの代表取締役社長である河野誠氏が登場。JQA認証精度開発普及室 専務理事の矢野忠行氏より、認証書を授与された。RT.1は、屋外型の移動支援ロボットとしては初めてのISO13482の認証を取得したロボットとなる。ブラシレスモータを2機搭載しており、上り坂でのパワーアシスト、下り坂での自動減速ならびに坂道での自動ブレーキ機能などを実現する。また、前方のカゴは最大10kgまでの荷物を載せられるほか、休憩椅子として用いる場合は最大100kgまでの体重に対応する。さらに、通信モジュールが搭載されているため、GPSとインターネットを活用した家族などが位置を確認できる「みまもり機能」や、どの程度歩いたかを調べる「ヘルスケア機能」、転倒時などの異常事態を検知して関係者に緊急通知を送信する「緊急通知機能」なども利用することが可能だ(別途、通信契約などが必要)。RT.ワークスの河野社長氏は、「我々は、シニア層が自発的に外に出かけることをサポートすることを目的としている。"健康に年を重ねて第2の人生をより豊かにする"という意味と"シニアが再び積極的に社会とつながっていけるようアンコールを贈る"という意味を持たせたコンセプト『アンコールスマートプロジェクト』を今年度の新プロジェクトとして立ち上げ、ロボットとIoT技術の融合により、RT.1をIT版転ばぬ先の杖として確立することを目指す」とした。また、生活不活化病の第一人者であり、RT.1の認証などにも関わった産業技術総合研究所 ロボットイノベーション研究センターの大川弥生氏も登壇。ロボット介護機器の開発について「開発の基本方針としては、その目的と効果を機械としての性能ではなく、人に対する影響として見る必要があり、よく人や物が行う介護を実践するための物的介護手段として位置づける必要がある」とし、人を中心にして考えていく必要性を強調。また、生活不活発病に対して「生活が不活発になる大きな原因の1つは、することが何もない、という点。ここは、歳だから、動いても、といった遠慮の部分があるほか、社会通念として、高齢者は弱者であり、あまり出歩かない方が良いのでは、といったものがある。こうした社会通念から、高齢者の置かれた現状を把握して、それを覆していくことが、生活不活発病の抑止につながり、充実した人生を送ることにつながる」とし、RT.1の存在は、そうした人生の充実させる一助となるとした。なお、RT.1の価格はオープンとしているが、直販価格は機体単体で22万8000円(税別)を予定しているほか、機体に3年間の通信サービスを付与する場合で、24万8000円(同)としている。このほか、3年間の傷害保険や対物保険、修理保証などをオプションで選択することも可能で、オプションをフルに選択した場合、追加費用は3万9000円(同)としている。同社での直販のほか、大手百貨店や介護保険機器販売を手掛ける企業、地域でのネットワークを有するJAなどでの販売も積極的に進めていくとしており、3年間でRT.1ならびに同ロボットのコアである「RT.1エンジン」を用いたシリーズ全体として2万台の販売を目指すとしている。
2015年07月14日オリックスとドーワテクノスは7月7月、安川電機の製品を中心とした産業用ロボットなどのFAシステムの販売ならびに導入支援について業務提携したと発表した。今回の提携は、産業用ロボットの導入を検討している製造メーカーに、診断から販売・施工・保守までのトータルサービスを提供することを目的としたもの。オリックスでは、自社の営業ネットワークを生かし、製造工場の自動化や省力化ニーズのあるカスタマに、ドーワテクノスとともに無料で診断を実施し、最適な製造ラインの構築と導入支援策を提案していくとする。また、ロボット設備の販売だけにとどまらず、製造ラインの設計・施工、保守・メンテナンスから、リースといった金融機能の提供、行政への各種補助金などの申請業務まで含めた形での支援を行っていくとしている。なお両社はまず、産業用ロボット大手の安川電機の本社があり北九州市を中心に九州地区でのサービス提供を開始し、将来的には全国展開を図っていきたいとしている。
2015年07月10日日本空港ビルデングとCYBERDYNE(サイバーダイン)は7月2日、羽田空港旅客ターミナルビルへの次世代型ロボット導入等における業務提携に関する基本合意書を締結したことを発表した。日本空港ビルデングは首都圏空港を中心とした航空需要は増加を続ける中で、少子高齢化や労働人口の減少といった課題に対し、旅客ターミナルビルにおける最先端テクノロジーの導入を検討してきた。その中で、サイバニクス技術(※)を用いたロボットスーツ「HAL(ハル)」を開発しているサイバーダインとの締結にいたったという。サイバーダインは2004年に筑波大学発ベンチャーとして設立以来、近年はこれらの技術を用いた作業支援ロボット等についても実用化・製品化をしている。同基本合意書は、日本の玄関口である羽田空港から日本の技術を発信していくこと、また、空港利用者に対する安全・安心・便利を前提とした良質なサービスを提供すること、および、空港従業員がより健康的に働きやすい環境を創出することを目的として締結された。両社は同基本合意書の締結を皮切りに、羽田空港全体として各関係者と連携しながら「世界に先駆けた空港におけるロボット技術活用の未来像」を創出し、より魅力ある羽田空港の発展に貢献していくという。同基本合意書の内容は、サイバーダインが開発製造したロボットスーツHAL作業支援用(腰タイプ)・クリーンロボット・搬送ロボット等を、日本空港ビルデングが管理・運営する羽田空港旅客ターミナルビルへ導入すること、また、日本空港ビルデングによる空港での販売促進および保守サービスで展開することとしている。さらに、日本空港ビルデングの持つ空港事業における知見や実績と、サイバーダインの持つサイバニクス技術を活かした次世代型ロボット化空港モデルの創出を目指すとしている。※サイバニクスとは、サイバネティクス・メカトロニクス・情報技術を中核として、IT技術、ロボット工学脳・神経科学、生理学、行動科学、心理学、法学、倫理学、感性学を融合複合した新しい学術領域で、筑波大学大学院の山海嘉之教授が創設したもの。それを応用した各種技術がサイバニックス技術と呼ばれている
2015年07月03日3年後にはロボットが接客を行うことが当たり前の世界になっている――。このように語るのは、リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 クライアントソリューションユニット リアルマーケティング開発1グループでAirウェイトプロデューサーを務める渡瀬 丈弘氏だ。先週、感情を持つロボット「Pepper」の一般販売が開始され、わずか1分で当初販売予定数の1000台を売り切った。Pepperは、家庭で利用できるロボット、コミュニケーションを取れる家族のような存在として開発されているが、その一方で企業の導入も進んでいる。ネスレ日本がすでに1000台の導入を決めており、みずほ銀行でも採用が決定している。さらには、特定業界別にアプリケーションやサポート体制を構築している「Pepper for Biz」を秋より提供するほか、7月1日からはアルバイト派遣も始まる。前述の渡瀬氏が所属するリクルートライフスタイルでも、早くからPepperに着目。2月に一般販売に先駆けて行われた開発者向け販売時に数台を購入し、さまざまな検証を続けてきた。渡瀬氏は「Airウェイト」という待ち時間解消サービスのプロダクト開発を務めている人物で、Pepperが登場する前からさまざまな業種・業態向けにサービス展開を行ってきた。「プロダクトをリリースする前から『俺のフレンチ』さんなどと共同で実証実験を行い、15店舗、延べ1万人のお客様に『Airウェイト』を利用していただきました。もともとホットペッパーのチームで、飲食店などの業務改善としてAirウェイトの提供を始めましたが、その後は病院やホテルなど、ほかの業態でも採用が進んでいます」(渡瀬氏)Airウェイトは待ち時間解消サービスとして、飲食店の行列解消を目的に開発された。中には「並ぶのも楽しみの一つ」と思う人もいるかもしれないが、客が待ち時間を有効に使えるように、整理券の発券やQRコード読み込みによるメール通知など、その場にいなくても入店の順番待ちが可能になっている。もちろん、客の満足度向上だけがこのプロダクトの狙いではない。"行列待ち"は、人気店の証である一方で、さまざまな弊害を生む。夏場には熱中症対策で水を配る必要があったり、行列で公共の歩道を専有することで、近隣店舗からの苦情などにつながったりするケースもある。こうした問題の対策としてもAirウェイトは有効な解決策と言える。また、店頭対応だけでなく、Web予約のバックエンドソリューションとしても提供しており、ビックカメラの予約受付なども同プロダクトを活用しているそうだ。「ほかに導入が進んでいるところは病院です。個人経営のお医者様に導入していただいているのですが、例えば病院では待合室で待っている間に、ほかの患者さんから病気がうつるリスクがあります。そうした課題への対処策として、Airウェイトを利用していただいているようです」(渡瀬氏)○リアル脱出ゲームの受付を行うPepperリクルートライフスタイルでは、PepperとAirウェイトをどのように活用しているのか、まずは、実証実験の様子を動画でご覧いただきたい。上の画像のように、これまでWeb UIでやりとりしてきた内容を、すべてPepperとの会話で完結させている。最後の整理券の発券こそ、レシートプリンタの接続インタフェースであるBluetoothをPepperが搭載していないため、iPad経由の接続となっているが、概ねの操作はPepperで行えている。Pepperを活用した理由について、渡瀬氏は「会話で終われるところがポイント」と話す。Pepperは目新しいデバイスとして、"客寄せパンダ"的な立ち位置に注目が集まるが、渡瀬氏はそちらよりも会話に注目しているという。「確かに目が行きがちな、アイキャッチ的な要素もありますが、それは動機付けであり、それ以上の広がりが見えるのがPepperなんです。iPadだけだと、アプリUIで機械的な操作に終始してしまいますが、Pepperは会話、コミュニケーションという場から世界が広がるんです。そのコミュニケーションを見ることで、他の人も立ち止まり、さらに活気付いていくという動線で考えています」(渡瀬氏)また、渡瀬氏によると「ビッグデータ」にも活路を見出している。これは、Pepperの開発元であるソフトバンクロボティクスの吉田氏も語っていたことだが、これまで定量的に測ることが難しかった待ち時間のデータを店舗ごとに蓄積できるため、待ち時間が長期化してしまっている店舗と早い店舗の差を見出しやすくなる。これはPepperに限らずAirウェイトというプロダクト自体のメリットになるが、Pepper自体でも今回の実証実験を通して、新たに改善につなげていくポイントがある。「Pepperにはソフトバンクさんが用意した辞書やAI技術がありますが、私達はAirウェイトアプリの中に、独自の辞書と応対するプログラムを組み込んでいます。今回は初めての実証実験なので、私たちが頭で考えた単語しか使えていません。そのために単語の量が圧倒的に足りない。だから、今回のコミュニケーションを生かして、次につなげていきたいと思っています」(渡瀬氏)「こうした実績を積み重ねることでほかのプレイヤーに先んじてロボットによる接客対応の知見を蓄積したい」と渡瀬氏。その先には、冒頭のコメント「3年後にはロボットが接客を行うことが当たり前の世界になっている」という時代を見据えているわけだ。もちろん、ロボットの普及にはプログラミングのしやすさなどが課題となっているが、アプリ制作を担当したニアの代表取締役 丸山 弘氏に話を伺ったところ、「Pythonを昔から使っている人間にとってはやりやすい。GUIによる実装もできるため、そう複雑にはならない」としていた。Pepperに対応したAirウェイトをどのように広げるかについて、言及を避けたものの、こうした実証実験は「(今回のリアル脱出ゲームなどの)アミューズメント施設などの同業他社さんからの引き合いは多い」としていた。実証実験を超えての実導入には、Pepper自体の導入コストなども問題となる。現時点で「Pepperアプリのストアに公開するか、Pepperを当社から貸し出すかなど、詳細は何も決まっていない」(広報部)という。今回の取材で1時間ほどPepperを見ていたが、渡瀬氏が話すようなコミュニケーションによる接客喚起はまだまだ道半ばという印象を受けた。もちろん、Pepperという目新しさが、中国人観光客などに好評で、「Hello!」「ニーハオ!」と、多く声をかけてもらってた。ただ、本来の目的は「いかにして店舗に注目を集め、なおかつ接客業務をスムーズにこなせるか」だ。Pepperの開発者向けモデルということもあり、CPUが一般販売モデルよりも劣るほか、システムバージョンも古いもの。そのため、致し方ない部分もある。今後、今回のナレッジを生かして語彙、辞書の拡充を図り、法人のPepper導入企業が増えてきた段階でAirウェイトアプリを提供し、更さらなるスパイラルアップが果たせるように軌道に乗せることができれば、「3年後のロボット普及」時に、先んじて接客アプリの第一人者として君臨できる可能性はあるだろう。
2015年06月29日フラワーロボティクスは6月23日、2014年9月にコンセプトを発表して以来、開発を続けていた家庭用ロボット「Patin」のプロトタイプを発表した。Patinは、AIを搭載した家庭用ロボットプラットフォームとして開発されたもので、利用者の嗜好や、生活習慣から取得したデータを蓄積していく事で成長させていくことをコンセプトとしている。同ロボットは「本体」「ピット」「クラウド」と、上部に取り付ける「サービスユニット」という構成になっている。本体には自律移動や、人・障害物の発見に利用する各種センサとスピーカー、全方位回転を実現するオムニホイールが搭載されている。本体とWi-Fiで接続して、クラウドと通信させる機能を有しており、クラウドは各Patinが集約した行動情報などを蓄積するとともに、Patinの機能更新のための情報発信などを行う。「サービスユニット」は同ロボット最大の特徴で、これを取り替えることによって既存の製品を「ロボット化」することができる。例えば、Patinの上にランプを取り付ける事で、自律移動をするロボットランプとなる。Patinに「明かりをやさしくして」などと話しかける事で光を調整し、それを日々繰り返す事でユーザー好みの光の具合をPatinが覚えていくというわけだ。サービスユニットの開発はサードパーティが行う。ソフト・ハード・量産化などの面で検証が必要な段階であるため、SDKの提供はフラワーロボティクスとの協業契約後に行うが、将来的にはプラットフォームをオープン化することも視野に入れている。また、ソフトウェアプラットフォームとしてPatin SDKが搭載されており、開発者がPatinのサービスユニットのソフト部分を開発することができる。Patin SDKはJavaでの簡易的なAPI、Eclipseプラグインを用いた開発ツールおよび、オープンソースシミュレーターが含まれていて、ROS(Robot Operating System)の知識がさほどない開発者も開発に参加できる。今後は、量産設計専門会社と提携して量産化に向けた取り組みを進めていき、2016年下半期の販売を開始する計画となっている。
2015年06月23日●ユーザー自身が組み立てるロボット「PLEN. D」というロボットをご存知だろうか? 「Plen. D」は大阪市に拠点を置くプレンプロジェクトが開発したロボットで、DMM.com(DMM)のロボットキャリア事業を通じて今年の春から販売が開始されている。同ロボットは運動性能に優れていることが特徴で、iPhoneアプリから簡単操作で歩行だけでなく、サッカーやローラースケートをさせることができる。しかし、「PLEN. D」にはもう1つ大きな特徴がある。それは「自分で組み立てる」こと。DMMでは「PLEN. D」のほかに、富士ソフトの「Palmi」、ユカイ光学「BOCCO」、ロボットゆうえんちの「プリメイド AI」、「Robi 組み立て代行バージョン」を取り扱っているが、ユーザー自身が組み立てるのは「PLEN. D」だけ。「これはぜひ組み立ててみたい!」と思い、DMMに打診してみたところ、ありがたいことに1体お借りすることができたので、本稿では「PLEN. D」を組み立てる模様をご紹介する。ちなみに、「組み立ててみたい!」と思ったものの、筆者にロボットを組み立てた経験はない。もっと言えば、子供の頃からプラモデルもロクに作ったことが無く、大人になってからも家具やテレビの組み立てを嫁に任せる始末だ。DMMは「大体2時間くらいでできますよ。」と言っていたが果たして…○「PLEN. D」が到着!DMMに打診してからおよそ2週間後に届いたのがこちら。この箱に写っているのが今回組み立てる「PLEN. D」だ。キットにはロボットの部品のほか、「PLEN. D」に持たせたりすることができる組み立てサイコロ、おもちゃのボール、ドライバー、説明書などが入ったUSBが付随してくる。各部品には番号が振られていて、説明書を見ながら各工程に必要な部品をピックアップしながら組み立てていくことになる。●組み立てスタート!○部品の向きに注意!まずは右足から組み立てていく。「PLEN. D」には人間と同じように足首、膝、股関節があって、それを下から順番に組み上げていくことになる。ここで注意しなくてはならないのが、部品の向き。部品の中には左右共通のものもあるので、その向きを間違えると「PLEN. D」の関節があらぬ方に曲がってしまい、組み直さなければならなくなる。ちなみに筆者は初っ端の足裏プレートの向きを間違えたことに気づかず、一度右足ユニットを組み上げて、写真と見比べて「膝の向き」が逆になっていることを発見し、直すのに10分くらいかかってしまった。○組み立てにも徐々に慣れていく手戻りもあって、右足ユニットは組み上げるのには若干苦労したが、だんだん慣れてきたのか左足ユニットは迷いなく組み立てることができた。足の次は腕。腕は足に比べパーツが少ないため非常に簡単だった。足・腕と揃えたら胴体の組み立てに入る。胴体も部品は2つと少なく、すぐに完了。その後、手を取り付ける。足も取り付けて早く立たせてあげたいところだが、その前に「PLEN. D」の心臓部となるマイコンボードを取り付ける。マイコンボードの取り付けは、配線を圧迫しないようにスペーサーを挟んでビス止めをしていく。説明書には「スペーサーを入れるときはピンセットを使うと便利です」と書いてあるのだが、キットにはドライバーしか附属していないので、事前にピンセットを用意しておくことをおすすめする。筆者が不器用であることに加え、ピンセットを持っていなかったため、この作業にはなかなか苦労した。●完成まであと少し!○ケーブルの向きも要注意マイコンボードの取り付けが終わったら、足を取り付ける。ここでようやく「Plen. D」を立たせることができる。あれだけバラバラだったパーツから自分で組み立ててきたのかと思うと、なかなか感慨深かった。「Plen. D」の四肢が無事胴体につながったところで、マイコンボードの配線に移る。説明書で指示される通りにマイコンボードのピンにコネクタを差し込んでいくわけだが、ここでも向きに注意が必要だ。各ケーブルの信号線を内側にして接続しないと、モーターを制御することができなくなってしまう。筆者はここでも間違いを犯し、後で電源を入れたら「Plen. D」の右足首が痙攣したような動きになってしまい、配線をやり直すことになった。配線が完了したら、あとは仕上げだ。肘、腕などのプラスチックカバーを取り付けていく。ここまで来るとさすがにドライバーとビスの扱いにも慣れたので問題なく作業を進める。最後にバッテリーパックを付けて、腹のカバーを装着させれば完成だ。○所々の「粗さ」も「自分が作った感」に組み立ててみて思ったのは、やはり「組み立てることは楽しい」ということだ。説明書が丁寧に作られているため迷うことも少なく、慣れてきたらどんどん熱中して時間を忘れてしまったほどだ。完成後に改めて眺めると、初心者が作っただけあって、ケーブルのたわみが不均一であるなど「粗さ」があるのだが、そういった点も「自分が作った感」を強める要素だ。筆者がとても不器用で、撮影しながらの作業であったこともあり、完成までにかかった時間は約3時間。DMMが言っていた2時間を大幅にオーバーしてしまったが、ロボット初心者でも楽しみながら組み立てることができた。もちろん、組み立てて終わりというわけではなく、作ったからには「Plen. D」で遊ばなければ意味が無い。冒頭で述べたように、「Plen. D」はさまざまな動きをさせることが可能なので「何をさせてみようか」とワクワクしている。今後、「Plen. D」の操作方法や遊び方について順次紹介していく予定だ。
2015年06月19日アスラテックとBRAVE ROBOTICSは6月12日、全長約3.5mの変形ロボット「J-deite RIDE(ジェイダイト・ライド)」の開発を開始したと発表した。J-deite RIDEは人型のロボットモードと車型のビークルモードに変形できるロボットで、ロボットモードでは2足歩行が可能なほか、ビークルモードでは実際に人が乗って運転できるようになる予定だという。ロボットの制御システムには、アスラテックの「V-Sido OS」が用いられる予定で、ロボットのハードウェア面をBRAVE ROBOTICSが、システム面をアスラテックがそれぞれ担当する形で開発が進められる予定だという。なおJ-deite RIDEの開発過程は、Project J-deiteのWebサイトにて順次公開されていく予定で、完成は2017年中を目指すとしている。
2015年06月12日●苦労の連続だった「人間とロボットの対決」産業用ロボットの製造を行う企業「安川電機」の100周年記念プロジェクト「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」のムービーが国内外で話題となっている。動画のストーリーは、5つの世界記録を保持する居合い切りの達人で、"平成の侍"の異名を持つ居合術家・町井勲氏の剣技を3D解析し、そこから作ったプログラムにより動作する同社の産業用ロボット「MOTOMAN」と対決するというものだ。この動画の制作を手がけたのは、愛らしいチワワと「どうする?アイフル!」のフレーズで一斉を風靡したあのCMを仕掛けた、電通の阿部光史氏。今回は、阿部氏と映像制作を指揮したエンジンフィルムの蜷川裕一氏に、企画が生まれた経緯や制作時の詳細なお話を伺った。阿部光史クリエイティブ・ディレクター電通第4CRプランニング局 デジタル・クリエーティブ・センター デジタルクリエーティブ4部。兵庫県神戸市生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒。 電通関西支社、ビーコンコミュニケーションズを経て電通第4CRP局勤務。「どうする?アイフル!」のくぅーちゃんシリーズでアイフルを業界4位からトップに。2004年度CM好感度ランキング1位・ACC賞・TCC賞・広告電通賞・NYフェスティバル・ワンショーなど。 東京コピーライターズクラブ会員。社内ギークラボ主催。趣味はアート収集と水泳と電子工作。 Youtubeにアップした自作MIDIオンド・マルトノ映像がなぜかチリで大人気。蜷川裕一プロデューサー株式会社エンジンフィルム。1978年神奈川県生まれ。2001年エンジンフイルム入社プロダクションマネージャーを経て現在に至る。――まず最初に、このプロジェクトのどの段階から参加されたのか教えてください。阿部氏:一番最初の段階から参加しています。2年くらい前になるのですが、安川電機に向けて「産業用ロボットを使ったPR映像を作りませんか」という提案をしたのが始まりです。その中で、同社が2年後に100周年を迎えるとうかがいまして、では、それに向けて作ってみませんかということになったんです。MOTOMANのスピードの速さや正確性、また人間のようなしなやかな動きといった、ロボットが持っている特長をいかにプレゼンテーションをするかということを軸に、企画を3案作りました。その中のひとつが「居合い切り」で、同社の方に選んでいただいたことでこのテーマに決まりました。――ちなみに他の2案は?阿部氏: ひとつは楽器を弾くというもので、もうひとつは野球をするというものでした。――数ある安川電機のロボットの中で、このプロジェクトに使うロボットを選んだ時の選定理由は何だったのでしょうか?阿部氏: 100周年の節目の年を飾るムービーということで、僕も安川電機のみなさんも、最初の企画提案の段階から、主力製品のひとつであるMOTOMANを中心に据えていました。MOTOMANにも色々なサイズがあるのですが、居合いに一番最適なサイズということで、MOTOMANの中でもMH24が選ばれています。――ロボットの調整には苦労されたということですが、リリースに記載されていないことで印象的なエピソードなどありましたら教えていただきたく思います。蜷川氏:テスト段階ではなかなか「切る」こと自体が成功しなかったので、そこを繰り返し繰り返し試行錯誤して進めました。一回失敗するごとに、プログラミングへ変更を加えていただいたことが印象に残っています。また、刀はわずかにゆがむだけで切れ味が変わったりする微妙なものだったので、そこが大変でした。ロボットはやはり人間を超える力をもっているので、対象物が切れなくても、そのままアームを押し進めようとしてしまうんです。人間であれば、腕の力の方が弱いので先に手から刀が離れると思うんですけれども、ロボットの場合はボルトで強く刀を固定していますし、そのまま力を加えてしまうので、固定した部分が曲がってしまうということがありました。曲がると刀鍛冶の方にお願いして修理するのですが、長いと1週間くらいかかって……。直しては取り付け、また曲がって……という繰り返しでした。阿部氏: :1カ月近く「切れない」という連絡が続く状況で、かなり精神的につらい撮影ではありました。MOTOMANが物を切れないことには、撮影が進められないので……。――できあがった映像を見る限り、人間(町井氏)とロボット(MOTOMAN)が拮抗しているようにも見えるのですが、そこにたどりつくまでが苦労の連続だったのですね。蜷川氏:映像だけ見ると、MOTOMANがスパスパと物を切っているので、ロボットだから簡単にこなしているのだろうと思っている方もいらっしゃるかもしれないですね。●ロボットの居合い切りに隠れた"師匠の教え"――MOTOMANの調整にはとても苦労されたとのことですが、映像では非常に鮮やかな剣技を披露しています。成功のきっかけは何だったのでしょうか?阿部氏: :現場に町井さんが入ったことですね。最終的な微調整に町井さんが入っていただいてから、MOTOMANの剣技が成功する確率が上がっていきました。――MOTOMANの動きは町井さんの動きを解析したデータによるものですが、ご本人の目視と調整がさらに重要だったということですか?阿部氏: :そうです。現場でも、(MOTOMANの刀の)入射の角度は、町井さんが気にして何度も調整してくださいました。――映像のストーリーとしては「人間とロボットの力比べ」と言った風に見えますが、実際には町井さんもMOTOMANの成功のために尽力されていたんですね。阿部氏: 本当に切れなくて困っていたので、町井さんには助けていただきました。また、チームの中でも、完全に対等な対決というよりは、師弟対決といった意識が強かったように思います。あまり強くそうした演出は入れていませんが、角度の調整など町井さんがロボットに「教えている」場面も入っていますし、MOTOMANの剣技に、町井さんが「おまえ、なかなか頑張っているな」というような視線を送る場面もあります。――「師弟対決」という表現はとても素敵ですね。映像の中で、「四方切り」に始まり、「袈裟斬り」「切り上げ」と町井氏の剣技をロボットがなぞっていく様子は圧巻ですが、クライマックス直前の「水平斬り」のみ、ロボットの方が斬るオレンジの数が多くされているなど、高度な技にチャレンジし人間(町井さん)を圧倒しているように見えました。このような構成にした理由は?阿部氏: ざっくばらんに言うと、「弟子がなかなかやる感じになってきた」というストーリーです。人間から学び、技が高まったことが分かるような見せ方にしています。そうは言っても、さやえんどうを水平に切る時も、町井さんが教えたことで切れるようになったという映像構成になっています。――ここからは、映像の見せ方についてお伺いします。色合いの彩度はかなり抑えめで、テロップやロゴなども含め、白・黒・ポイントに赤といった、かなり選ばれた色しか使われていないように見えます。こうした画面作りのねらいや工夫などを教えてください。阿部氏: 居合いというテーマを考えたとき、ロボットと町井さんの関係をクールな映像で見せるためです。文字はデザイナーの方で和にプラスしてロボットをイメージしたカラーリングだったりですとか、文字の出し方を何度かトライして、進めていきました。アートディレクターも入っていたので、映像のイメージは監督に僕ら代理店サイドから提示したのですが、強い光がロボットに当たって時折ギラリと光るような印象のものを提案しました。また、刀は暗いところで光るほうが非常にシャープに見えるんです。全体的にシャープに見せつつ、ロボットの存在感を演出しました。――字幕の情報量が多く、日本語と英語が併記されているのが印象的です。海外メディアや著名人にも注目されているこのムービーですが、やはり海外で見られることを強く想定して映像づくりをされていったのでしょうか?阿部氏: デザインサイドのことで言いますと、日本語のアニメーションを重点的に作っています。英語に関しては、世界の人がYouTubeに見るという前提で、字幕としてあとから入れました。そのため、英語字幕がないものが完成品と言えるんですけれども、誰が見ても分かるようにつけました。かつ、小さい画面でも見やすいようにボールドのフォントで入れています。また、デザイン面以外のところで、安川電機はBtoBでは大きな市場規模を占めていて、世界を相手にしている企業ですが、事業領域として一般の方(BtoC)にはあまり接点がありません。そんな同社のPR映像が世界に広がって、「日本のこの映像がすごい」と話題になることを狙うとして、日本をイメージさせる要素が必要だと考えました。日本というと、産業用のロボットからガンダムなども含め「ロボット」の印象が強いですし、また「侍」は海外の方にとって日本を強く想起させるキーワードです。そこでふたつを組み合わせて、「安川電機のロボットも日本の文化もすごい」ということが伝わるように企画を考えました。――YASKAWA BUSHIDO PROJECTのロゴや千本切りの際のピクトグラムアイコンのようなビジュアル面のデザインも新規に起こしたのでしょうか?阿部氏: はい、そうです。監督のディレクションのもと、日本語のアニメーションを担当したデザイナーの方が手がけました。――メイキングの画像の中で、カメラマンの方が安全のために甲冑を着用されていましたが、「武士道」プロジェクトにおいて西洋甲冑を着用した理由は?阿部氏: 基本的には人があまり近くに行くと危ないので、大半がそうしない形で撮影されています。しかし、寄って人の手で撮らないといけない場面もあったので、甲冑を着たカメラマンが対応する場面はあったというのが前提です。確かに居合い切りから連想されるのは日本の鎧なんですが、脇の下など、多くの部位に隙間があるんですよね。比較した場合、甲冑の方が体が守られるというのが一点。それに加えて、本番の映像に映るわけではないにしろ、全体の流れの中で面白く見えるのではないのではないかという監督のアイデアで採用されました。――各方面のクリエイターが総動員されて作られたこの映像ですが、ここで得られたMOTOMANのプログラミングや動きは今後別の場面で活用されるご予定はありますか?阿部氏: 実は今回、MOTOMANの使い方としてはかなりイレギュラーなことをしています。町井さんの動きを再現するため、所定の電圧よりも出力を上げているんです。そのまま使っていると負担が大きくなるくらい、通常の使用を超えたことをやらせていて、安全圏内での作業とは異なるので、そのまま実際の業務内で使えるということではないでしょう。ですので、居合いの動きがそのまま業務的に生かされるということはないかと思いますが、この動画は国内外で広く見ていただけていて、「安川電機のロボットは非常に正確に動く」というイメージが世界に広がったことには手応えを感じています。そういったブランディングの面で、BtoBの場面でも話題に上ればと思っています。ムービーについてはこれからどこまで伸びるかという段階ですが、安川電機のみなさまにも喜んでいただけています。――ここは特に見てほしい、というような要素が他にあればぜひ教えてください。阿部氏: 映像に関してはこれまでお話した通りなのですが、サウンドデザインにも注目していただけると嬉しいです。かなり豊かな作りをしているので。YouTubeで公開しているためパソコンなどで再生することが多いと思うのですが、ぜひヘッドホンで聴いていただきたいな、と。そうすると、いわゆるPCのスピーカーからは聞こえない音楽や環境音がわかって、映像の印象がより強く見えるのではないかと思います。――最後に、人の心に残る映像・CMを作り続けている阿部さんから、広告のクリエイティブを目指す人にメッセージをいただけますでしょうか。阿部氏: 大切なのは「新しいもの」を作ることです。今までに見たことがないものは、かなり高い確率で人の目を集めます。やはり見たことのない映像は強い力を持つので、皆さんそれを生み出すべく、広告業界を目指しているのではないかと思います。同時にそれは「誰ひとりとして作り方が分からない映像」であるということも意味しています。ですから、頭の中にあるイメージを実現化する時、非常に苦労するんです。絶対にひどい目に遭います(笑) 何しろ前例がないので。今回も、ものすごく難しい関門をくぐり抜ける必要があって、心底途方に暮れたこともありました。もう無理なんじゃないかと思うこともありました。スタッフのみなさんの力を借りて、こうして形にできたことが本当に嬉しいです。これから広告のクリエイティブを目指す人たちも、制作にあたってとんでもない苦労や問題を抱えることになった時は、「自分はこれまでにないものを作ろうとしているんだ」ということを信じて、前に突き進んでください。逆に、そうした事柄が起こらない時は、作っているものが「誰かの作った何か」であるということです。ぜひ若い人たちにはチャレンジしていただきたいです。
2015年06月12日安川電機は6月5日、創立100周年事業の一環として、同社の産業用ロボット「MOTOMAN-MH24」が居合術に挑戦する「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」の動画を公開した。同プロジェクトでは、「6mmBB弾居合斬り」などの世界記録を保持する居合術家・町井勲氏の剣技を「MOTOMAN-MH24」で再現することに挑戦。動画では、居合術の基本形である「四方切り」に始まり、「袈裟斬り」「切り上げ」「水平斬り」を再現しながら、最後に世界初と成る「人間とロボットによる千本切り」を披露している。安川電機は町井氏の剣技をモーションキャプチャし3D解析、そのデータをもとにプログラミングしたが上手くいかず、刀の入射角度や速度の調整を何度も繰り返して成功にこぎつけた。なお、ロボットが使用している刀は江戸時代に作られた逸品で、最新のロボットと歴史ある刀の共演も動画の見どころとなっている。
2015年06月05日3Dプリンタメーカーの台湾XYZprintingは、ホビー・教育向けの2足歩行ロボットや、車輪型のサービスロボットを紹介していた。いずれも現在開発中のプロトタイプで、2015年10月くらいの発売開始を予定しているという。同社がロボットを発売するのはこれが初めて。価格の安さもあり、話題となりそうだ。2足歩行ロボットは2種類開発。上位モデルは身長396mm、重量2.0kgで、18自由度(腕6、足12)を持つ本格的なロボットになる。Arduino互換のコントローラ、センサー(加速度センサー、ジャイロセンサー、赤外線距離センサー)、リチウムイオンバッテリ、LED、ブザーなどを搭載。通信はBluetoothを利用する。通常、このクラスのロボットになると、価格は10数万~20万円程度になるが、同社は600ドル以下での販売を予定しているという。なお、デモ機ではROBOTIS製のサーボモーター「Dynamixel AX-12A」を使用していたが、コストダウンのために、製品版では自社製のサーボモーターを搭載する計画とのこと。一方、下位モデルの方は、身長は439mm、重量は1.85kgであるが、自由度は10に抑えられている。価格は300ドル以下の予定で、完成済みバージョンと組み立てキットの2種類が用意される。両モデルとも、ロボットの動きはユーザーが自由に設定することが可能。同社のモーション作成ソフトウェアが使えるほか、Arduino IDEによるプログラミングにも対応するので、教育用にも良いだろう。なおハードウェアの仕様は公開され、ユーザーがオリジナルの外装を3Dプリンタで作り、換装することもできる。また、10インチ液晶画面を搭載する自走式のサービスロボットも開発中だった。スーパーマーケット、オフィス、家庭などでの利用を想定しているとのことで、場所の案内、家電の制御、留守番などの機能がある。価格は用途次第になるが、家庭向けは1,000ドルくらいで考えているということだ。
2015年06月05日NTTドコモは6月4日、タカラトミーとクラウド型"おはなしロボット"「OHaNAS(オハナス)」を共同で開発したと発表した。「OHaNAS」は、「しゃべってコンシェル」の技術を応用した、パートナー向けのプラットフォーム「自然対話プラットフォーム」を初めて採用した商品。自然対話プラットフォームは、4つの技術から構成される「しゃべってコンシェル」に加え、「文章正規化」「外部コンテンツ連携」「キャラクター風発話変換」「ユーザー情報自動検出」の4つの技術から構成されるクラウド型システム。「OHaNAS」は同プラットフォームの「意図解釈」「シナリオ対話」「知識Q&A」「文章正規化機能」「外部コンテンツ連携機能」を使用している。これまでパートナーが、「しゃべってコンシェル」で活用している意図解釈機能などを用いて対話機能を利用する製品を作る場合は、会話で対になる文章をサーバに個別に登録する必要があった。これに対し、同プラットフォームでは、1つの文章を設定するだけで、同じ意味の多くの文章に応答すること、ニュース等のリアルタイムに更新される関連情報も織り交ぜた会話することが可能。「OHaNAS」は10月1日に発売される予定で、希望小売価格は1万9800円(税別)。「OHaNAS」に話しかけると、疑問に答えてくれたり、ニュースや天気などリアルタイムに変化する最新情報を教えてくれたり、晩御飯の献立を一緒に考えてくれたりと、あたかも人と会話するように自然にユーザーをサポートしてくれるという。スマートフォンやタブレットを経由し、意図解釈機能などを備えた各種クラウド上のサーバに接続することで、「OHaNAS」との自然な会話が可能になり、これまでにない自然な会話によるコミュニケーションを実現した。「OHaNAS」と会話をするには、スマートフォンやタブレットに専用アプリをダウンロードが必要。電源を入れ、端末とペアリングした後、頭をなで、目のLEDランプが青色になれば、話しかけることが可能になる。
2015年06月05日日本ユニシスは6月4日、三井不動産がオフィスビルのコンセプトとして掲げている「その先の、オフィスへ」の一環として、フォトシンスのスマートロックロボット「Akerun」を活用し、IoTによる受付の無人化やスムーズな課金が可能なワーキングスペース実現のための実証実験を実施すると発表した。フォトシンスが開発したスマートロックロボット「Akerun」は、サムターン付きドア錠をスマートフォンアプリで操作することができるデバイス。既存のドア錠に後付けするだけで利用可能なため、ビルの空きスペースをスピーディーにオフィススペースにすることができる。今回、行われる実証実験では、フォトシンスのスマートロックロボット「Akerun」と、日本ユニシスのプラットフォームサービス構築におけるノウハウを組み合わせることにより、三井不動産のテナント企業のワーカーに、新しい働き方、ワーキングスペースをスピーディーに提供することが可能になるとして、その効果と課題を共同で検証する。実証実験は「Clipニホンバシ」などで、2015年7月下旬から10月下旬にかけて行われる予定。
2015年06月05日ASUSTeK Computerは29日、オリジナルロボットフィギュア「R.O.G.ロボット」が付属するNVIDIA GeForce GTX 980搭載OC対応グラフィックスカード「GOLD20TH-GTX980-P-4GD5」を発表した。6月15日から20枚限定、予約者限定で販売する。価格はオープン、予想価格は100,000円前後。「R.O.G.」シリーズに属するオリジナルロボットフィギュア「R.O.G.ロボット」が付属するグラフィックスカード。ASUSTeK Computerがグラフィックスカードを最初に発売してから20周年を迎えたことを記念し、限定20枚のみ発売される。6月14日まで予約を受け付け、予約者が多数の場合は抽選となる。詳細は予約受付ページを参照のこと。製品は、GPUにNVIDIA GeForce GTX 980を搭載し、ボディ全体を金と黒のツートンカラーで構成。ヒートパイプをGPUに密着させたGPUクーラー「DirectCU II」を搭載し、熱の移動効率を高めている。さらに、放熱フィンにはデュアルファンで風を送り、冷却性能を向上。リファレンスクーラーと比較して、高負荷時の冷却効率が最高で15%向上し、静音性も最高で3倍静かだとしている。「ゼロノイズファン」機能によって、GPUの温度が上昇したときのみファンを動作させる。温度が低いときはファンが回転せず、ノイズも発生しない。液体窒素冷却などを使用する際に、メモリの霜を融かす「Memory Defroster」も搭載する。コンデンサには-75度~125度までの温度耐性をもつ日本製「Black Metallic Capacitor」(ニチコンGTシリーズ)を採用し、高寿命化を図った。高品質のカスタム部品「Super Alloy Power」によって部品レベルで性能を向上させ、発熱を抑えてコイル鳴きなどを防いでいる。主な仕様は、CUDAコア数が2,048基、コアクロックが1,317MHz、メモリクロックが7,010MHz、メモリは256bit接続のGDDR5 4GB。PCとの接続バスインタフェースはPCI Express 3.0 x16。映像出力端子はHDMI(2.0)×1、DVI-I×1、DisplayPort×3。補助電源は8ピン×2+4ピン×1。本体サイズは約W297×D152×H41mm。
2015年05月29日●DeNAが自動車業界に参入する理由は?ディー・エヌ・エーとZMPは、ロボットタクシー事業の実現に向けた合弁会社「ロボットタクシー」を29日に設立する。それに先立ち両社は28日、都内で共同記者説明会を開催した。○今こそネット企業が参入すべきロボットタクシーでは、DeNAのインターネットサービスにおけるノウハウと、ZMPの自動運転に関する技術を連携させることで、いわゆる“無人タクシー”の実現を目指す。当面は自動運転技術の研究・開発、さらに将来の利用者の開拓や利用促進を行っていく。なぜ、いまこのタイミングでDeNAは自動車業界に参入するのだろうか。説明会に登壇したディー・エヌ・エー執行役員の中島宏氏は、その理由と狙いについて「言うまでもなく、自動車産業は日本で最も規模の大きな産業。周辺事業を含めるとトータルで50兆円以上の規模となる。それに加えて、いま自動車産業は変革の時期を迎えている。巨大な自動車産業が、遅れてきたIT革命にさらされている、という人もいる。DeNAにとってもビジネスチャンスがあると判断した」と説明した。また同氏は「個人的な想い」と前置きした上で、「日本の基幹産業である自動車産業が世界で勝つためにも、日本のインターネット会社が自動車産業に参入していくべきである」と力説した。グローバル市場に目を転じると、Google、Apple、アリババといった巨大な企業がインターネットと自動車の融合を模索している。したがって今後、日本の自動車メーカーが世界で生き残っていくには、インターネットによる変革にいち早く順応する必要がある、というのが中島氏の主張だ。●ZMPではすでに公道での実験を開始○公道で実証実験を開始続いて、ZMP 代表取締役社長の谷口恒氏が登壇して挨拶した。同社ではロボットタクシーの実現に向けて、すでに公道における実証実験を開始している。これは愛知県と愛知県警の協力のもと、2014年末から名古屋市内で行っているものだ。緊急の場合に備えて運転席にドライバーを乗車させた上で、ハンドルやアクセル、ブレーキなどの操作をすべてコンピュータに任せ、2km程度の距離を時速60kmほどで走らせているという。谷口氏は、ロボットタクシーの意義について「運転できない人のため。例えば、高齢者には移動の自由を提供したい。子供たちには安全と安心を、ハンディキャップをもった人にも便利な足を提供したい」と説明した。ロボットタクシーの構想を発表してからというもの、全国から「1日でも早く実現してほしい」という声が多くよせられているという。●事故の際など、課題も山積○今後の課題現在の道路交通法では、まだ無人の乗用車を公道に走らせることができない。国際的にも、ジュネーブ条約で禁止されている。ロボットタクシーを実現させるためには、これらの法が改正されることが絶対条件となる。しかし、法が改正されるまで待っていたらグローバル企業に出し抜かれる、というのが中島氏と谷口氏の共通認識だ。このためリスクをとって、先行して開発を進めている。ロボットタクシーが事故を起こした場合の対応など、これから詰めていかなければいけない課題も多い。また、利用者の懸念をどう克服していくかも、大きな問題。谷口氏は「乗車する一般の利用者が“怖い”と思ったり、受け入れがたい状況になってしまうと、どんなに優れた技術でも社会に浸透しない。ロボットタクシーは安全で楽しく、便利なものだと、ご理解いただけるように、努力をしていかなくてはならない」と説明した。法の問題を抜きにすれば、技術的には数年もかからないうちに無人タクシーを実現できる見込みだという。中島氏は「2020年には、充分に間に合うと思っている。東京オリンピックの頃に、東京に無人のタクシーを走らせたい。外国の方に東京はすごい、と言われるような状況にしたい」と夢を語った。
2015年05月28日