歌舞伎俳優の中村勘太郎が、来年2月に六代目中村勘九郎襲名披露の成功を祈願して11月27日、東京・浅草寺でお練りを行った。父、中村勘三郎と弟の中村七之助らとともに雷門前を出発し、ゆっくりと本堂までお練りを開始。晴天となったこの日、人気役者を一目見ようと2万5千人が集まり、「中村屋!」と声がかかると笑顔で応えていた。新橋演舞場二月大歌舞伎<中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露>チケット情報勘太郎は「勘九郎という、父が46年間名乗っていた名前を継ぐプレッシャーはあります。みなさまからの笑顔とご声援を胸に、1年間しっかり務めたいと思います」と挨拶。また勘三郎は「勘九郎っていい名前ですけど大した事ありません。(自分が)勘三郎を継いだ時のほうがプレッシャーがありました。気楽にいい勘九郎にしてもらいたい」とエールを送った。勘九郎を名乗る実感がまだ湧かないという勘太郎だが、「謙虚な気持ちと向上心と、ハングリー精神を忘れないように務めたい」と話し、気持ちを引き締めていた。なお、勘太郎としての出演は今年12月の『平成中村座』(東京・浅草)が最後となる。襲名披露は、来年2月2日(木)から26日(日)まで東京・新橋演舞場にて興行を行い、その後、3月に平成中村座、9月に大阪・松竹座、10月に名古屋・御園座、12月に京都・南座、2013年2月に福岡・博多座と各地を回る。新橋演舞場のチケットは12月23日(金)より発売。
2011年11月28日ほぼ毎年異なる土地に仮設劇場を設え、江戸時代の芝居小屋の熱気を感じてもらおうと、中村勘三郎を中心に公演を行ってきた平成中村座。今回は12年目にして旗揚げの地であると同時に、江戸時代の中村座が隆盛を誇っていた猿若町にほど近い浅草に帰ってきた。さらに話題のスカイツリーも目の前で、“伝統”と“いま”を併せ持つ平成中村座にはぴったりのロケーション。勘三郎や中村勘太郎、中村七之助ら中村屋ファミリーはもちろん、それぞれの月に看板役者を迎えて来年5月まで贈る本公演。11月1日の初日は勘三郎が病気療養を乗り越えての東京復帰でもあり、場内はこの日を待ちわびた観客で埋め尽くされた。『平成中村座』チケット情報今月の演目は、昼が『双蝶々曲輪日記 角力場』『お祭り』『義経千本桜 渡海屋/大物浦』、夜が『猿若江戸の初櫓』『伊賀越道中双六 沼津』『弁天娘女男白浪』。まずは昼の部、勘三郎演じる鳶頭がイナセに踊る『お祭り』に注目だ。いよいよ勘三郎が登場すると、客席から「待ってました!」の声がかかり「待っていたとはありがたい」とお決まりのやりとりが。鳴り止まない拍手のなか、江戸の男の粋や愛嬌、色気をたっぷりとふくんで踊る勘三郎。ラストにはなんと後ろの扉が開け放たれ、真後ろにそびえ立つスカイツリーが出現!客席から大きなどよめきが起こった。さらに『渡海屋/大物浦』では、碇を担いで入水する平知盛役の片岡仁左衛門がさすがの風格。大関の濡髪長五郎(中村橋之助)と幕下力士・放駒長吉(勘太郎)の睨み合いがコミカルな『角力場』など、それぞれに見どころ満載だ。夜の部で見逃せないのは、やはり『沼津』。生き別れの親子、雲助の平作(勘三郎)と呉服屋十兵衛(仁左衛門)が偶然出会い、客席を街道に見立てて歩きながらのアドリブも楽しい前半から、哀しい別れを選ぶラストまで細やかな芝居が続く。貧乏暮らしながら心を尽くして客人をもてなす平作の素朴な温かさ、洗練された商人だが言動の端々に優しさをにじませる十兵衛など、勘三郎と仁左衛門ならではの造形が胸に迫る。他にも初世勘三郎が芝居小屋の櫓を上げるまでを綴る『猿若江戸の初櫓』、女装の盗賊・弁天小僧を七之助が少年らしさを残しつつ艶やかに、南郷力丸を勘太郎が男くささを漂わせて演じる『弁天娘女男白浪』など、理屈抜きに楽しめる演目ばかり。藁の匂いや着物の衣擦れの音など、舞台と客席が近いからこそ得られる感覚も貴重。まさに歌舞伎の醍醐味をまるごと味わえる機会といえるだろう。取材・文佐藤さくら11月興行は11月26日(土)まで上演。その後2012年5月まで、ひと月ごとに演目を変えて公演が行われる。チケットは12月興行まで発売中。
2011年11月02日今年9月、東京・新橋演舞場『秀山祭九月大歌舞伎』興行で、三代目中村又五郎、四代目中村歌昇をそれぞれ襲名する歌舞伎俳優の中村歌昇と長男の中村種太郎が、中村吉右衛門、中村歌六らとともに8月22日、東京・浅草寺で「お練り」を行った。チケット情報鳴物の山車と木遣り(きやり)に先導され、雷門を盛大に出発。1万人の人で賑わう仲見世を経て、「播磨屋!」、「又播磨!」などの掛け声が飛び交う中、本堂に向かい成功を祈願した。朝から激しく降っていた雨も「お練り」が始まるとすっかり止み、天さえも味方につけているかのよう。なお、浅草寺での「お練り」は2005年1月の中村勘三郎以来6年7か月ぶり。三代目又五郎を襲名する中村歌昇は、「本日は本当にありがとうございます。お天気の悪い中、木遣りの方々、お囃子のあやめ連の方々、浅草の芸子の皆様、ありがとうございます。皆様のご声援に応えるべく、この道一層の精進をいたし、ひとかどの役者になることが、皆様へのご恩返しだと思っております」とコメント。また、四代目歌昇を襲名する中村種太郎は「このようにお練りをさせていただくことは、色々な方々のお力があってのことだと思っております。感謝の気持ちを持って、一所懸命舞台を勤めることが一番の恩返しだと思ってております」と抱負を語った。播磨屋一門の長である中村吉右衛門は「本日はお足元の悪いなか、かくも賑々しくお運びいただき誠にありがとうございます。皆様方のお力によって、舞台で力を発揮できることと思います。ぜひとも又五郎、歌昇をどうぞ宜しくお願いいたします」と締めた。公演は同劇場にて9月1日(木)から25日(日)まで上演。チケットは発売中。
2011年08月23日7月31日、東京・新橋演舞場で行われる『八月花形歌舞伎』の第二部で上演される、新作歌舞伎『東雲烏恋真似琴(あけがらすこいのまねごと)』の舞台成功祈願のため、歌舞伎俳優の中村福助、中村橋之助、中村獅童、中村勘太郎ら人気俳優と、劇作家・演出家のG2が亀戸天神社を訪れた。チケット情報G2は、橋之助主演舞台『魔界転生』(2006年)と『憑神』(2007年)で脚本と演出を手掛けた縁から、今回初めて歌舞伎を作・演出することになった。『東雲烏恋真似琴』は、橋之助演じる堅物の御家人・新左衛門が、ひょんなことから花魁の小夜と結婚することになるが、彼女は別れた元恋人に殺されてしまう。その死を認めたくない新左衛門はある日小夜そっくりの人形を手に入れると、人形を本物の小夜と思い込み一緒に暮らし始める。そのうち小夜が生きているという噂が広まり……というストーリー。祈願後、会見に応じた橋之助は「G2さんとは前に歌舞伎以外で2作やらせていただきましたが、淡い気持ちでいつか歌舞伎を一緒にと思っていました。気心知れたみんなと良い作品を作っていきたい」と意気込みを語った。小夜を演じる福助は「橋之助さんの妄想で人形が動くという話を聞いてホラー映画を勉強していたら、G2さんがホラーは嫌いだそうで、非常に淡い作品になってます。観終わった後キュンという気持ちになると思います」と作品の見どころをアピール。また、獅童は「人形職人の役をやらせていただいています。毎日とってもキュンとしてます」、勘太郎は「(出演陣を見て)悪人顔が揃ってますが、悪人は一切出てきません」とそれぞれの思いを語った。なお、第一部では女郎と役者のはかない愛を描く『花魁草』を福助と獅童で、『櫓のお七』では七之助が八百屋お七を演じる。勘太郎が4役早替わりを勤める第三部『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』なども話題。公演は8月6日(土)より27日(土)まで。チケットは発売中。
2011年08月01日日本映画初の実写長編3D映画となる『戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH』が、10月17日(土)に公開初日を迎え、柳楽優弥、蓮佛美沙子、勝地涼、前田愛、水野絵梨奈という主要キャスト陣と清水崇監督による舞台挨拶が行われた。歌舞伎役者の中村勘太郎さんとの挙式を10日後に控え、本作が独身最後の公開映画となった前田さんに、共演陣がお祝いの花束を手渡すというサプライズも!驚いた前田さんは、なんと3Dメガネを着けたままお礼のコメントを発しようとする一幕もあり、会場は大きな盛り上がりを見せた。主演の柳楽さんは、映画を観たばかりの観客に向かって「(劇中の)僕のこと分かりました?ふっくらしてたので(笑)、かなりつらいかなと思ったんですが、それはまぁ、役作りということで!」といきなり自虐的な挨拶。勝地さんからは、柳楽さんが怖がるときの反応が薄いとのツッコミが…。そんな柳楽さんが頑張って悲鳴を上げたというシーンについて「悲鳴を上げて、涙まで流したシーンがなくなってたんですが…」と監督に尋ねると、清水監督からは「あそこはカットしたの(笑)」と本人も知らなかった新事実が発覚!「ええーっ!?」とかなり驚いていた。さらに監督は「(柳楽さんは)悲鳴を上げるシーンの撮影の前は『ここは悲鳴を上げない方が…』とすごくアプローチしてきました(笑)。でも、そこは譲りませんでした」とニンマリ。蓮佛さんは現場の様子について「みんな、あまり積極的な方ではないので、控え室で紙きれに“好きな色はなんですか?”とか“好きな食べ物は何ですか?”と質問を書いて、それに答えていくっていうのをやって仲良くなっていきました」と内気なキャスト陣の内幕を明かしてくれた。勝地さんは「(戦慄迷宮内では)トイレに行くのも怖かったです。僕の子供時代の役の男の子に『ついて行ってやるよ』と言いながら、一緒にトイレに行って『何怖がってんだよー』と言いながら、本当は僕が一番怖がっていました」と自らのビビリぶりを告白し、会場は笑いに包まれた。水野さんは「勝地さんが錯乱して、戦慄迷宮内のいろんな部屋をフラフラと歩くシーンで、お化けのマネキンにぶつかるところがあるのですが、音に驚いて演技じゃなく本当にビックリしているので、私の素のリアクションをもう一度観て確認してみて下さい」としっかりアピール。前田さんは「白いコンタクトレンズを毎回つけなきゃいけなかったんですが、その度にお化け屋敷の洗面台に行くのが嫌で…。撮影が終わって1回コンタクトを外したのに、監督から『撮り直し!』と言われたときは、『コノヤロー』と思いました(笑)」と撮影の思い出を語った。そして、柳楽さんと蓮佛さんから花束を受け取ると「私事ですが、ありがとうございます」と嬉しそう。監督から何度もしつこく「おめでとう!」と言われると「もういいです!」と照れながらも喜びいっぱいの表情を浮かべていた。『戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH』は新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開中。■関連作品:戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH 2009年10月17日新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009■関連記事:3連休は新感覚を先取り!『戦慄迷宮3D』見どころ凝縮のフッテージが無料で上映『戦慄迷宮3D』柳楽優弥インタビュー「お化け屋敷はM・キャリーに誘われてもノー」『戦慄迷宮3D』世界配給決定!柳楽優弥は映画祭よりも観光で海外に行きたい?清水崇ティーチイン付き!『戦慄迷宮』3D特別試写会に5組10名様をご招待清水崇、アジア代表でヴェネチア入りジャパニーズ3Dホラーに1,000人驚愕!
2009年10月17日