1994年5月に演出家・串田和美と十八世中村勘三郎がタッグを組み幕を開けた“コクーン歌舞伎”。古典歌舞伎を現代に通じる新たな解釈を取り入れた斬新な演出で、話題作を生み出してきた同シリーズの第十八弾『天日坊』が2月1日、渋谷・Bunkamuraシアターコクーンにて開幕した。演出・美術の串田和美と脚本の宮藤官九郎によって練り上げられ、河竹黙阿弥の隠れた名作を現代に蘇らせた本作は観る者の胸に刺さり大きな反響を呼び、2012年の初演時、千穐楽には当日券を求める人々が列をなすほど大変好評を博した。<ストーリー>ふとしたきっかけから将軍頼朝の落胤になりすまし鎌倉を目指す法策(後の天日坊)。旅の途中で盗賊・地雷太郎とその妻・お六と出会い、思いもよらぬ自分の運命を知る・・・「俺は誰だあっ!」狙うは天下! 若者たちは壮大な野望と純粋な希いを胸に疾駆する。彼らの人生を賭けた大勝負がはじまる―開幕に際し、法策(後の天日坊)を勤める中村勘九郎、人丸お六を勤める中村七之助、地雷太郎を勤める中村獅童のコメントと舞台写真が到着。【中村勘九郎】法策という人物を一言で表すなら“無”結局最後まで自分が誰なのかわからない。そうした精神的な複雑さに加えて、ずっと出ずっぱりな上に衣裳も重い。もう毎回、ぐったりでした。今まで生きたなかで一番疲れた役です。その法策としてまた生きる。もう一度“無”になってその場その場で感じることを大切に、その一方でビジュアル部分もしっかりと見せていきたいと思います。【中村獅童】前回ご覧くださった方の中には、コクーン史上最高傑作とおっしゃってくださる方もいらして、再演を望む声も多く本当にうれしかったです。その期待に応えられるよう、今回はさらに進化したものをお見せしたいと思います。江戸時代のアウトローのかっこよさを感じていただけたらと思います。【中村七之助】初演はちょうどスカイツリーがオープンした年でエレベータ―を降りたところに浮世絵が飾ってあったんです。マーメイドドレスのようなシルエットで髑髏柄の着物を着た女性の絵を見ると「人丸お六」と書いてあったんです。衣裳や小道具はそれを参考に作らせていただきました。前回は時間的に間に合わなかった部分もありましたので、今回はこだわっていきたいと思っています。以上、第十八弾「天日坊」本公演プログラムより抜粋公演は2月26日(土)まで、東京渋谷のBunkamuraシアターコクーンにて。
2022年02月02日中村勘九郎、七之助を中心に中村屋一門が出演して、2005年から毎年全国を巡業してきた『春暁特別公演』『陽春特別公演』。2020年には一度中止になったものの、2021年の「春暁」には勘九郎の息子である勘太郎と長三郎が巡業公演に初参加、大きな話題を呼んだ。元々は、若いファンから“地方に住んでいると、交通費や宿泊費がかかってなかなか歌舞伎を観に行くことが出来ない”という手紙をもらったことから始まったという、兄弟ふたりが中心の巡業公演。今年も趣向を凝らした演目を用意し、「全国の皆様に楽しんでいただけるように」(勘九郎)と意気込んでいる。まずは勘九郎と七之助、さらに中村屋の部屋子で十八代目勘三郎から「第三の息子」と呼ばれた鶴松を中心に、3月6日から全国16ヶ所を回る『春暁特別公演 2022』。勘九郎と鶴松が出演する「高坏」は、コミカルなストーリーと、次郎冠者(勘九郎)が高下駄で軽快に“和製タップ”を踏むのが見どころだ。七之助が4役を演じる「隅田川千種濡事」も、わずか数秒の早替り(舞台上での早替りも!)で毎回盛り上がる人気の演目。勘九郎は「『高坏』は、父も祖父も踊ってきた中村屋を代表する作品。高下駄で踊る技術も必要ではあるのですが、まずは桜満開の下で踊る春の雰囲気を楽しんでいただけたら」と話す。そして3月30日から全国5カ所を巡る『陽春特別公演 2022』は、勘太郎・長三郎の「玉兎」と、勘九郎・七之助が出演する「色彩間苅豆」の2演目。「玉兎」は元々ひとりの舞踊で、勘太郎が歌舞伎座でも魅せてくれた演目だ。今回は長三郎が加わり二羽の兎に扮する珍しいバージョン。一方の「色彩~」は男女の因果因縁を描いた物語で、百姓与右衛門、実は浪人久保田金五郎を勘九郎が、悲しい運命に翻弄される腰元かさねを七之助が演じる。「親の怨念から顔が醜く変わってしまう哀しい女性ですが、与右衛門への気持ちを大切に」と七之助。勘九郎も「今の女性にも共感していただけるのでは」と語る。また、毎年オンエアされているテレビ番組でも微笑ましい成長ぶりが注目されている勘太郎と長三郎。今年11歳と9歳になるふたりながら、舞台上では芝居心あふれる姿をしっかりと見せてくれる。「最近はいっそう稽古事に身が入っていて、とても心強いですよ」と勘九郎も“共演者”として頼もしげだ。「春暁」「陽春」共にトークコーナーとミニ歌舞伎塾もあるので、歌舞伎ファンはもちろん、歌舞伎ビギナーも盛り上がり必至。楽しみな本番に期待したい。取材・文/佐藤さくら
2022年01月24日今年で17年目を迎える中村屋一門恒例の全国巡業公演。歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助がリモート会見で見どころを語った。2022年春は『春暁特別公演』に加え、勘太郎、長三郎の子役を交えた『陽春特別公演』の2公演を上演する。生の歌舞伎の楽しさに触れ「元気になってお帰りいただきたい」と声を揃えるふたり。歌舞伎のいろはを解く「歌舞伎塾」や素顔が垣間見られる人気の「トークコーナー」を交えた構成で、演目にも趣向を凝らす。「中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演2022」「中村勘九郎 中村七之助 中村勘太郎 中村長三郎 陽春特別公演2022」チケット情報『春暁特別公演』で勘九郎はお家芸「高坏(たかつき)」に出演する。花見の席で大名から高坏を買うよう命じられた次郎冠者(勘九郎)。しかし、それが何か分からず「高坏買いましょう」と声を張り上げて歩き出すと、そこへ高足売が現れて……。下駄でタップという趣向が楽しい軽妙洒脱な舞踊劇だ。「祖父の十七代目中村勘三郎が今の演出、振りにしたもので、中村屋にとっても大切な演目のひとつ。華やかな作品でお花見気分を味わって」と勘九郎が陽気に盛り上げる。七之助が勤めるのは心中物「隅田川千種濡事(すみだがわちぐさのぬれごと)」。四世鶴屋南北作「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」(通称「お染の七役」)の大詰めを長唄の舞踊劇に仕立てたオリジナル演目で、七之助はお染、久松、お光、土手のお六の4役を踊る。「歌舞伎のエンターテインメント性を生でご覧いただける絶好の機会」であると同時に、男女の演じ分けや早替りなど役者、七之助の魅力を存分に堪能できる。続く『陽春特別公演』は勘太郎、長三郎の幼い兄弟が清元で踊る「玉兎」で幕が開く。息子の成長を見守る勘九郎は「何より芝居好きなのが嬉しい」と目を細める。ふたりともすでに踊りは入っているが、「今回はひとりで踊るものをふたり用に変える構成」につき、ブラッシュアップした内容でお届けする。また、今公演では勘太郎、長三郎がイラストを担当した手ぬぐいなどの公演記念グッズを初めて販売することも明かされた。打って変わり、勘九郎と七之助は清元を代表する名作怪談舞踊劇「かさね」を。腰元かさね(七之助)が最愛の与右衛門(勘九郎)に鎌で殺されたことに始まる因果因縁の物語。「男女のドロドロした部分や清元の名文句、名調子、その美しさも見せる。現代の女性にもドラマティックに観ていただけます」と勘九郎。最終的には顔が醜くなり足が折れどん底に突き落とされるかさね。七之助は「女性としてすべてが崩れる様を見せられたら」と語り、踊りでは勘九郎と阿吽の呼吸で魅了する。「互いが磁石のようにべったり引っ付いたり、拒絶し合ったり関係性にメリハリを付けるのが効果的で、そこが踊りの面白さ、深さになってくる。『玉兎』とはガラッと違う踊りを楽しんでいただきたい」とアピールした。『春暁特別公演』は3月6日(日)から26日(土)まで奈良、滋賀、兵庫ほか全国16か所にて、続く『陽春特別公演』は3月30日(水)から4月4日(月)まで大阪・フェニーチェ堺大ホールほか全国5か所にて。チケットは両公演、1月15日(土)10時よりプリセールを実施。取材・文:石橋法子
2022年01月14日中村勘九郎、中村七之助を中心に、中村屋一門が行う全国巡業公演『春暁特別公演2022』『陽春特別公演2022』の開催を前に、両名がリモート取材会を行い、意気込みを語った。地方の歌舞伎ファンに向けた特別公演で、2005年から毎年欠かさず上演。2020年は中止となったが、昨年3月~4月の春暁特別公演で再開し、中村勘太郎、中村長三郎が巡業公演に初参加したことも話題を集めた。『春暁特別公演2022』で披露する「高坏(たかつき)長唄囃子連中」について、勘九郎は「とても華やかな演目。今はお花見が自由にできないですけど、ぜひお花見気分を味わっていただければ」とアピール。また、今回、栃木公演が実現することで“47都道府県制覇”を達成し「やっとですね、念願が叶った」と喜びの声をあげた。高下駄を新調したことも明かし、「以前は父の下駄を使っていたが、やはり人それぞれのサイズ感もあるので。今回が初お目見えになる」。七之助は「隅田川千種濡事(すみだがわちぐさのぬれごと)」にて、四役早替りに挑むことになり「エンターテインメント性が高いので、ぜひ生でお楽しみいただければ」と語った。一方、『陽春特別公演2022』ではふたりの共演で「色彩間苅豆かさね」を披露。「清元(連中)の代表的な作品で、名調子もある。女と男のドロドロした部分も含めて、ストーリーも面白い」(勘九郎)、「かさね役はフランス公演で演じさせていただいたが、日本では初めて。自分自身、すごく楽しみにしている」(七之助)と見どころを紹介した。また、『陽春特別公演2022』の「玉兎(たまうさぎ)」では、勘九郎の息子である勘太郎、長三郎がそれぞれ、月之助役、兎之助役で出演することも決定。勘九郎が「プレッシャーもあるでしょうが、稽古事にも身が入っていて、すくすく成長しており、とても心強い。芝居好きなのが何よりうれしい」と目を細めると、七之助も「特に長三郎は、責任感が高まったように見える」と太鼓判。勘太郎と長三郎の得意な絵をモチーフに、手ぬぐいなどのオフィシャルグッズが発売されることも明かされた。新型コロナウイルスの感染状況が依然不透明な中での全国巡業となるが、勘九郎は「まだまだ歌舞伎を生でご覧になったことがない方がたくさんいらっしゃる。47都道府県制覇に満足せず、より精力的に続けていきたい」と抱負のコメント。七之助は「まだまだ大変な状況ですが、私たちにできることは、お客様に今の苦しみを忘れていただき、少しでも元気になってお帰りいただくこと」と背筋を伸ばした。取材・文:内田涼<公演概要>「中村勘九郎 中村七之助『春暁特別公演2022』」2022年3月6日(日) ~3月26日(土) 全国16カ所【一】高坏(たかつき)長唄囃子連中次郎冠者:中村勘九郎、大名某:中村小三郎、太郎冠者:中村仲助(昼)/中村仲侍(夜)、高足売:中村鶴松【二】トークコーナー中村勘九郎、中村七之助、中村鶴松【三】於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)より「隅田川千種濡事(すみだがわちぐさのぬれごと)」長唄囃子連中許嫁 お光/油屋娘お染:中村七之助、丁稚 久松/土手のお六/猿回し夫婦 長三:中村いてう、猿回し夫婦 お作:澤村國久「中村勘九郎 中村七之助『陽春特別公演2022』」2022年3月30日(水) ~4月4日(月) 全国5カ所【一】玉兎(たまうさぎ) 清元連中月之助:中村勘太郎、兎之助:中村長三郎【二】トーク&ミニ歌舞伎塾中村勘九郎、中村七之助、中村勘太郎、中村長三郎【三】色彩間苅豆かさね 清元連中与右衛門:中村勘九郎、かさね:中村七之助
2022年01月08日『十二月大歌舞伎』が12月1日、東京・歌舞伎座で開幕した。この度、第二部『ぢいさんばあさん』に出演する尾上菊之助と中村勘九郎からのコメントが到着した。歌舞伎座12月公演『十二月大歌舞伎』の第二部で上演される『ぢいさんばあさん』は、森鷗外の短編小説を原作に劇作家の宇野信夫が作・演出を手がけ、昭和26(1951)年に初演された新歌舞伎である。変わらぬ夫婦愛を描いた名作に今回初役で挑戦するのが、尾上菊之助と中村勘九郎。歌舞伎はもちろん、連続テレビ小説への出演や大河ドラマなど映像ジャンルでの活躍も記憶に新しい両者だが、今回は約5年ぶりに夫婦役での共演となる。演じるのは、それぞれの父、そして祖父も勤めてきた伊織とるんというおしどり夫婦。1年を締めくくる12月にほっこりと心あたたまる愛情物語を堪能してほしい。尾上と中村からのコメントは以下の通り。――『ぢいさんばあさん』の思い出、作品の印象菊之助:若夫婦のきくという役でこれまで2回出させていただいて、その時は父(尾上菊五郎)がるんを勤めておりました。お互いのことを「思う」、「偲ぶ」、「慈しむ」という、なかなか今では感じづらくなっている日本人の大事にしなければいけない心というものがこの作品にはこもっていると感じておりました。今回は勘九郎さんと一緒に勤めさせていただきますけれども、ふたりでこの心を大切にしながら、先人たちが築き上げてきた心を大事にしながら勤めていきたいと思います。勘九郎:私は弟の久右衛門を勤めさせていただいたことがあります。その時は父(十八代目中村勘三郎)が伊織を演じており、るんを玉三郎のおじさまが演じておりました。久右衛門は最初の場面で出番が終わってしまうのですが、そのあとの二場面を毎日のように拝見して、演じていないのに毎日涙が出ていた記憶があります。すごくあったかい作品でもありますし、父や祖父のようにチャーミングで可愛らしい伊織や夫婦像というのを菊之助さんとともにできればいいなと思っております。――久々の夫婦役での共演、若手との共演について菊之助:5年ぶりなんですね、勘九郎さんと夫婦を演じさせていただくのが。その時も色々お話をさせていただきながら作り上げていった思い出もありますので、今回もふたりで話し合いながら作り上げていければという風に思っております。今回若手の歌昇さんや尾上右近さんたちとも一緒に舞台を作っていますが、みんな本当にこの作品を良くしようという心意気が一つの方向に向かっています。一場面一場面、みんなで作り上げていくお芝居だという風に改めて感じています。勘九郎:5年前演じさせていただいた時もバカップルというか…イチャイチャが激しい夫婦を演じさせていただいて、今回の伊織とるんも上品ではありますけれども負けず劣らずのおしどり夫婦です。今、稽古をしながら2日間とも違った感じというか、毎回新鮮にできるというのがすごく幸せです。本当に信頼しきっている方なのでとても楽しいです。――意気込み菊之助:ばあさんのるんを勤めさせていただきます。結婚して赤ちゃんも生まれたばかりの夫婦が別れ別れになって、今度会うときには姿形はおばあさんとおじいさんになっている…。勘九郎さん演じる伊織との日々の舞台での化学反応を楽しみながら、37年という時間をかみしめながら日々勤めたいと思っております。勘九郎:今、まだコロナ禍ということで大切な人、会いたい人に会えない時代で、とてもお客様の心に刺さる作品になっているなと思います。先人たちが築き上げてきたすばらしい演出や、技というものを受け継ぎながら、今の私たちの心を入れて勤めたいと思っております。ほっこりできる作品ですのでぜひ劇場へ足をお運びください。『ぢいさんばあさん』 あらすじとみどころおしどり夫婦を描いたあたたかい愛情物語江戸番町に住む江戸大番役の美濃部伊織と妻るんは評判のおしどり夫婦。子どもも生まれ幸せに暮らしていた矢先、伊織は喧嘩で負傷した義弟の宮重久右衛門に代わり 1 年間単身京都で勤めをすることになる。翌年の桜時の再会を誓い別れる二人。ところが、伊織は京でふとした弾みから同輩の下嶋甚右衛門を誤って斬ってしまい、越前にお預けの身となって江戸への帰参が叶わなくなってしまう。月日は流れ、二人が離れ離れになってから37 年 、罪が許された伊織とるんはようやく再会の日を迎える。前半の心浮き立つ若夫婦の初々しいやり取り、後半の時が流れお互い白髪となった二人が寄り添って交わすしみじみとした会話に胸を打たれる、変わらぬ夫婦愛を描いた名作。『十二月大歌舞伎』は12月26日(日)まで、東京・歌舞伎座にて午前11時~(第一部)、午後2時30分~(第二部)、午後6時~(第三部)の三部制(各部総入れ替え、幕間あり)で上演。
2021年12月01日11月11日よりTBS赤坂ACTシアターにて、『赤坂大歌舞伎』が開幕。出演者コメントと舞台写真が公開された。赤坂大歌舞伎とは、十八代目中村勘三郎の「芸能の街・赤坂で歌舞伎を!」という一言から2008年にスタートし、誰にでも親しみやすい演目で幅広く人気を博してきた名物シリーズ。2013年からは中村勘九郎、中村七之助兄弟が亡き父の遺志を継いで公演を続け、さらなる進化を遂げてきた。今回上演される演目は『廓噺山名屋浦里(やまなやうらざと)』、『越後獅子(えちごじし)』、『宵赤坂俄廓景色(よいのあかさかにわかのさとげしき)』の3作。『廓噺山名屋浦里』は、江戸時代に名を馳せた花魁「扇屋の花扇」にまつわる実話で2015年、このTBS赤坂ACTシアターにて、笑福亭鶴瓶が落語として披露。その翌年には「この落語を歌舞伎にしたい」と熱望した中村勘九郎が、中村七之助らとともに、八月納涼歌舞伎の一演目として舞台化し、大きな話題となった。以来、再演を待ち望む声も多いこの作品が、ゆかりの地TBS赤坂ACTシアターで、5年ぶりの上演を果たす。『越後獅子』は長唄にのせて、手おどり、足拍子、布さらしと、様々な踊りの表現を披露。舞台を締めくくる『宵赤坂俄廓景色』は、今回の赤坂大歌舞伎ならではの趣向を取り入れ、赤坂がかつて花街だった時代を想起させるような、華やかな作品となる。現在赤坂Bizタワーにて『赤坂大歌舞伎』のフォトスポットも設置されている。記念すべき第1回公演に出演の中村扇雀をはじめ、片岡亀蔵、中村虎之介、中村鶴松と魅力溢れる顔ぶれに加え、勘九郎の長男、中村勘太郎(10歳)と次男、中村長三郎(8歳)が『赤坂大歌舞伎』に初登場。勘九郎は、「赤坂大歌舞伎を見てくださった方々からは、わかりやすかった、という感想をよくいただきます。今は歌舞伎を見たことがない方が多いので、少しでも多くの方々に歌舞伎の世界を感じていただければいいなと思います」とコメント。七之助も「今回の演目は、どれ1つとして予習をしてくる必要はありませんので、なにも考えずにお席に座ってくだされば大丈夫です。わたしたちもお客様の反応をダイレクトに感じさせていただきます」と意気込みを語った。出演者コメント●中村勘九郎平成20年に父が赤坂大歌舞伎をはじめ、一回り、あっという間ですけれど、また赤坂に大歌舞伎開催できることをとても嬉しく思います。●中村七之助4年ぶりの赤坂大歌舞伎。こういう状況下で開催が出来たことがとても嬉しいです。●中村扇雀歌舞伎は敷居が高いという方が多いですが、赤坂大歌舞伎ではそんな敷居を乗り越えられるような、どなたが見ても楽しめるような歌舞伎をやろう と演目を選び、その結果、多くの新しいお客様に見ていただけました。初めて歌舞伎をご覧になる方も楽しめて、最後にはあっと驚く仕掛けもあるので、歌舞伎にご縁のなかった方も、コロナが落ち着いてどこかに出かけようという時は「赤坂大歌舞伎」に足を運んでいただきたいと思います。■公演概要TBS開局70周年記念赤坂大歌舞伎日程:2021年11月11日(木)~11月26日(金)会場:TBS赤坂ACTシアター(東京都港区赤坂5-3-2 赤坂サカス内)一、『廓噺山名屋浦里』出演:中村勘九郎中村七之助 中村虎之介中村鶴松片岡亀蔵中村扇雀原作:くまざわあかね脚本 :小佐田定雄演出:今井豊茂美術:中嶋正留二、『越後獅子』長唄囃子連中出演:中村勘太郎『宵赤坂俄廓景色』長唄囃子連中出演:中村勘九郎中村七之助 中村虎之介中村長三郎中村鶴松片岡亀蔵中村扇雀
2021年11月12日渋谷・コクーン歌舞伎 第十八弾『天日坊(てんにちぼう)』が、2022年2月に東京・渋谷のBunkamura シアターコクーンにて上演される。チケットの発売は2021年12月を予定している。宮藤官九郎×串田和美の『天日坊』再び演出家・串田和美と十八世中村勘三郎がタッグを組み1994年に誕生した“渋谷・コクーン歌舞伎”。古典歌舞伎を一から読み直し、現代に重ね合わせて新しい角度から演出する斬新な手法で、『東海道四谷怪談』や『夏祭浪花鑑』など次々と話題作を生んできた。中でも、2012年に宮藤官九郎の脚本、串田和美の演出・美術により初演から145年の時を超えて上演された『天日坊』は、自らの運命を探し求めて邁進する主人公・天日坊の姿が観客の胸を打ち、大きな反響を呼んだ。そんな人気作品『天日坊』が10年ぶりに再演され、大河ドラマ『いだてん』の脚本も記憶に新しい宮藤官九郎と演出家・串田和美が再びタッグを組むことに。中村勘九郎、中村七之助、中村獅童が続投キャストには、前回に続き中村勘九郎、中村七之助、中村獅童が名を連ね、疾走感溢れる作品を舞台上から観客に届ける。『天日坊』あらすじふとしたきっかけから将軍頼朝の落胤になりすまし鎌倉を目指す法策(後の天日坊)。旅の途中で盗賊・地雷太郎とその妻お六と出会い、思いもよらぬ自分の運命を知る・・・「俺は誰だあっ!」狙うは天下!若者たちは壮大な野望と純粋な希いを胸に疾駆する。彼らの人生を賭けた大勝負がはじまるー。公演概要渋谷・コクーン歌舞伎 第十八弾『天日坊』上演時期:2022年2月チケット発売:2021年12月予定会場:Bunkamura シアターコクーン住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1原作:河竹黙阿弥「五十三次天日坊」演出・美術:串田和美脚本:宮藤官九郎出演:中村勘九郎、中村七之助、中村獅童、ほか
2021年10月15日歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助が9月24日、オンライン発表会見を行い、TBS赤坂ACTシアターで上演されるTBS開局70周年記念「赤坂大歌舞伎」(11月11日~)への意気込みを語った。十八代目中村勘三郎が2008年にスタートさせた名物シリーズ「赤坂大歌舞伎」。2013年からは中村勘九郎、中村七之助兄弟が亡き父の遺志を継ぎ、公演を重ねてきたが、昨年5月に予定されていた6回目の上演は、コロナ禍の影響で中止を余儀なくされ、演目も新たに今秋の上演が改めて決定した。今回上演される演目は『廓噺山名屋浦里(さとのうわさやまなやうらざと』、『越後獅子(えちごじし)』、『宵赤坂俄廓景色(よいのあかさかにわかのさとげしき)』の3作。『廓噺山名屋浦里』は笑福亭鶴瓶の落語をもとに、「この落語を歌舞伎にしたい」と熱望した勘九郎が七之助らとともに舞台化し、今回が5年ぶりの再上演となる。勘九郎は初演を振り返り、「ラストは大団円というより、美しさと幻想の中で終わるので、カーテンコールが起こる演目ではないが、実際にはカーテンコールが起こって、拍手も鳴りやまなかった。鶴瓶さんとタモリさんがいらっしゃっていて、おふたりも舞台にあがって一緒にご挨拶してくださった」としみじみ。昨年の中止については「あとは稽古に入るだけという段階だったので、とても残念でしたし、悔しい思いをした。去年の分も今年にかけている」と闘志を燃やしていた。七之助も「花魁浦里は女形の後輩に人気があって、終わった後、ここぞとばかりに『やりたい、やりたい』とみんな楽屋にやって来た」と初演での印象的なエピソードを回想。「女形は一生懸命汗水たらしても、途中で出なくなって幕切れもあるが、花魁浦里はとってもメインで、いろんな色を見せながら、最後まで残るので“得”なんですよね(笑)」とやりがいを熱弁していた。『越後獅子』は長唄にのせて、手おどり、足拍子、布さらしと、様々な踊りの表現を披露。舞台を締めくくる『宵赤坂俄廓景色』は、赤坂がかつて花街だった時代を想起させるような華やかな作品で、勘九郎の長男・勘太郎、次男・長三郎が初登場することも話題を集める。勘九郎は「父が遺してくれたものですし、僕としても出てほしい思いがある」といい、「大人になって、どれくらい覚えているかはわかりませんが、『出た』という記憶や劇場の空気を味わうのと、そうでないかは全然違いますから、ありがたいですね。堂々と踊ってほしい」と目を細めていた。劇場は大規模な改修工事に入ることが決定しており、その大きな節目の作品として「赤坂大歌舞伎」が華を添える形になる。加えて、コロナ禍での上演となるが、勘九郎は「まだ探り探りの状況が続くと思うが、お客様が満席になっている風景を子どもたちに伝えたいですね」と希望を示し、「以前の熱狂を味わえる日は来ると思うので、需要がある役者として、需要がある作品を積極的にやっていきたいです」と決意を新たにしていた。チケット発売は9月25日(土)より。取材・文:内田涼▼公演概要TBS開局70周年記念「赤坂大歌舞伎」日程:2021年11月11日(木)~11月26日(金)会場:TBS赤坂ACTシアター(東京都港区赤坂5-3-2 赤坂サカス内)一、『廓噺山名屋浦里』出演:中村勘九郎 中村七之助 中村虎之介 中村鶴松 片岡亀蔵 中村扇雀原作:くまざわあかね脚本:小佐田定雄演出:今井豊茂美術:中嶋正留二、『越後獅子』長唄囃子連中出演:中村勘太郎『宵赤坂俄廓景色』長唄囃子連中出演:中村勘九郎 中村七之助 中村虎之介 中村長三郎 中村鶴松 片岡亀蔵 中村扇雀
2021年09月24日中村勘九郎、中村七之助を中心に、中村屋一門が2005年より毎年行う全国巡業公演『錦秋特別公演』が10月より全国15カ所で開催される。昨年はコロナ禍によりやむなく中止。今年の巡業は中村勘太郎、中村長三郎が初めて参加した春公演に次いで2度目となる。「昨年伺えなかった土地に春と秋、2回に分けて伺えるのがうれしい」と勘九郎。七之助は「待っていてくださる方がいることがありがたい。春公演ではたくさんの拍手に、役者は居てもいいんだと思えた」と振り返る。それぞれ感謝の思いを胸に、合同取材会で秋公演への想いを語った。「中村勘九郎 中村七之助 錦秋特別公演 2021」チケット情報演目は『浦島』『甦大宝春日龍神(よみがえるたいほうかすがりゅうじん)』『トークコーナー』の全3つ。昔ばなしの後日談を舞踊化した『浦島』は成長株の鶴松が勤める。勘九郎は「歌舞伎を初めて観る方にはストーリー性も分かりやすく曲調も華やか。二枚扇というお扇子を使って踊るテクニカルな踊りは目にも楽しい」と解説。生前、父である中村勘三郎(18代目)が勘九郎の浦島をひどく気に入っていたと言い「鶴松にもしっかり継承できれば」と語る。『甦大宝春日龍神』は春日大社「第六十次式年造替記念」として2014年に創作された奉納舞踊。前半は春日の野の四季折々の素晴らしさを芝居仕立てで踊り、後半は龍神、龍女が荒々しく舞い踊る。「神がかったものに触れることによって、神秘的な思いになっていただければ」と勘九郎。七之助も奉納当日に、龍神の存在を感じるような出来事があったと明かす。「水の神様なので当日は雨だろうと話していたら、踊っている間は降らなかったのに踊り終えた瞬間に土砂降りの雨が降ってきた。野外だったので、兄と二人で『願いが通じたね』と。そういう摩訶不思議な現象が起こったりする。今回はとくに世の中が平穏無事であることを強く思いながら踊りたい」。最後の「トークコーナー」はスーツ姿の2人が等身大の素顔を垣間見せる人気コーナー。2年ほど前から定番だった七之助への結婚に関する質問がパタリと止んだ。「お客様も諦めたのかな」と勘九郎。当の本人は、結婚願望はないと言うが「こればっかりは分からないですよね。理想? 考えたこともないですけど、芝居が好きってことかな。同じものを楽しめる人だったらいいなと思います」。芝居は「心の栄養」とは勘九郎。「辛い状況が続くなかで、歌舞伎という非現実の世界へ飛び込むことによって、少しでもお客様を癒すことができればうれしい。感染対策を徹底して安心安全にご覧いただくというのが私たちの想いです」。七之助も「舞台で得た感動を明日への希望につなげていただければ幸いですし、僕らがやる意味もそこにある」と決意を語った。公演は、10月5日(火)東京・品川きゅりあん大ホールを皮切りに、全国を巡演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年09月01日江戸時代の伝説の歌舞伎役者・初代 中村仲蔵の下克上物語を、忠臣蔵を軸にドラマ化した「忠臣蔵狂詩曲 No.5 中村仲蔵 出世階段」が今年12月に放送決定。主演は中村勘九郎が務め、上白石萌音、中村七之助、尾上松也、藤原竜也、段田安則、市村正親ら豪華キャストが共演する。落語や講談で人気の「中村仲蔵」は、初代 中村仲蔵(1736ー1790)が裸一貫からはい上がる実話をベースとした下克上物語。今回、その物語を国民的人気を誇る「忠臣蔵」を軸にドラマ化。大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」以来の映像作品主役となる勘九郎さんが、その傑出した身体表現力で天才俳優の一代記を演じる。また、もうひとつの主役ともいえるのが、江戸の芝居小屋。初代 中村勘三郎が興した中村座(猿若座)に始まるとされる芝居小屋は、江戸時代を通じて庶民最大の娯楽場となった。日の出から日没まで熱気に満ちていたという当時の芝居小屋を巨大セットで再現。小屋に生きる裏方や地方(歌舞伎音楽の演奏家)、稲荷町(いなりまち)と呼ばれた大部屋役者たちなど、芝居小屋を取り巻く人々も生き生きと描き、江戸歌舞伎の熱狂と魅力を伝えていく。超人気演目「仮名手本忠臣蔵」の五段目で、全く見せ場のない地味な役を割り当てられた仲蔵に一発大逆転はあるのか?厳しい階級制度で縛られた当時の歌舞伎界で、貧困やいじめに苦しみながらも、血の滲むような努力と才智でスターの座をつかんだ仲蔵の痛快な出世物語を、年末にエンターテインメント巨編として放送する。仲蔵の才能を見抜いて抜擢をする当時の大スター・四代目 市川團十郎、それを妬んで敵対する人気歌舞伎役者や座付き作者など、ひと癖もふた癖もある実在の江戸の演劇人たちを演じるのは現代の演劇界のオールスター。今回、勘九郎さんら5名のキャスト陣からコメントが到着した。中村勘九郎/初代 中村仲蔵 役「不思議な縁を感じます」中村仲蔵のことは父(十八代目中村勘三郎)が三代目仲蔵の伝記「手前味噌」に大変感銘を受け愛読していたので、よく聞いていました。仲蔵ゆかりの志賀山三番叟を踊ったこともあります。江戸時代、初代勘三郎が興した中村座に出演し、中村座を救った人でもあるので、その役を演じられることに不思議な縁を感じます。今回とても素晴らしい芝居小屋のセットに足を踏み入れ、思わず泣きました。持って帰りたい!仲蔵は差別を受け大変苦労した人ですが、芝居が好きという情熱に支えられていたと思います。「好き」こそ人を奮い立たせ、上達させ、信念を与えるものです。そんな情熱を感じていただけたら本望です。上白石萌音/仲蔵の妻・お岸 役「朗らかに務めたい」「令和元年版 怪談牡丹燈籠」以来、再び源(孝志)監督のもとでお芝居ができることが心底うれしいです。脚本はやはり本当に面白く、夢中で読んでしまいました。お岸は、こんな女房が家で待っていたら愉 しいだろうな、というような女性です。三味線と唄で仲蔵さんを癒やし、励まし、勇気づけられるよう、朗らかに務めたいと思います。これ以上ないほど豪華な出演者の皆様による「芝居」の真髄。もうすでに完成が待ち遠しいです。ぜひご期待ください。藤原竜也/謎の侍 役「もっと一緒に演っていたい」僕の撮影は2日間だけでしたが、内容の濃い2日間でした。勘九郎さんと空気を合わせて、芝居を作っていく感じがとても楽しかったです。「もっともっと一緒に演っていたいな」って思わせてくれるような人ですね。刀や傘のさばき方は非常に難しかったですが子供のころから厳しく作法を仕込まれている歌舞伎俳優さんから直接教えてもらえたのは貴重な経験でした。最初から最後まで楽しめる贅沢な作品になると思います。段田安則/狂言作者・金井三笑 役「演じがいがあります」勘九郎さんが仲蔵を演じられるのは、ピッタリだと思いますが、その仲蔵をいじめる狂言作者の役ということで演じがいがあります。今も昔も嫌味な演出家やプロデューサーはいて、大人の事情で配役が決まったりとかあったのでしょうね。みんな芝居が心底好きでそのためなら命がけというのも一緒でしょう。ヒエラルキーの厳しい世界で成り上がっていくサクセスストーリーですが、そうそう簡単に成功はさせませんよ。大きな障害として立ちはだかって仲蔵をいじめたいです。(笑)市村正親/四代目 市川團十郎(二代目 松本幸四郎)役「歌舞伎役者を演じられるのは役者人生のごほうび」歌舞伎は昔から演技の勉強のために拝見していました。勘三郎さん(十八代目)の芝居に感激してファンレターを送ったこともあります。今回歌舞伎役者を演じられるのは役者人生のごほうび。天国で勘三郎さんもびっくりしていることでしょう。歌舞伎は見るとやるとでは大違い!ミュージカルでも「歌いすぎるな、芝居しろ」と言いますが、歌舞伎独特の語調の心地よさを感じさせながら、ぐっと 芝居心を入れるのにはどうすればいいのか、悩みながら一生懸命演じています。ドラマ「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」は12月、NHK BSプレミアム・BS4Kにて前・後編放送(各89分)。(text:cinemacafe.net)
2021年07月20日松本の夏の風物詩として名高い「信州・まつもと大歌舞伎2021」が6月17日から22日まで、長野県・まつもと市民芸術館で開催される。2008 年の平成中村座公演を皮切りに、毎回、市民サポーターが公演を支え、街全体が大きな盛り上がりを見せることで知られる同公演。今年の演目は『夏祭浪花鑑』(演出・美術/串田和美)だ。期間中、6月20日15時公演がオンライン生配信されることになり、団七九郎兵衛を演じる中村勘九郎が意気込みを語った。「必ずやりたかったことが実現できて良かった。移動の制限もある中、全国の皆さんにお届けするなら、配信が一番」と喜びを語る勘九郎。『夏祭浪花鑑』といえば、渋谷・コクーン歌舞伎第十七弾として5月に上演されたが、緊急事態宣言を受けて、初日の5月6日~11日までが公演中止になってしまった経緯もあり、「チケットをお求めくださった方々にも、どうにかお届けしたいという気持ちもあった」と“雪辱”に思いはひとしおだ。もともとは「生の舞台をご覧いただくのが一番。配信には後ろ向きだった」というが、昨年7月、浅草公会堂で実施した無観客ライブ配信などの経験を通して、「お客様から『待っていました』『やってくれて、ありがとう』という反応をいただいた。コロナが収束しても、配信は続けていきたいなと。役者から出る独特な“気”を感じていただければ」と今後も積極的に取り組む姿勢を示した。「場所をなくしたエンタテインメントを支援するのが配信。今まで、歌舞伎に触れる機会がなかった方々にも、少しでも興味を持ってもらえれば」(勘九郎)有観客の舞台を生配信するのは、初めて。「信州・まつもと大歌舞伎2021」は100%の客席稼働が予定されており、「この1年ほどお客様が100%入ったこともなかったと思うので、その雰囲気を味わってもらえれば。コクーンとは、箱の大きさも違いますので、稽古もやり直しますし、演出や雰囲気も変わるので、変化も味わってもらえるはず」とアピールする。『夏祭浪花鑑』チラシ2008年にスタートした「信州・まつもと大歌舞伎」の開催は3年ぶり、7回目。平成中村座公演『夏祭浪花鑑』を皮切りに、その後は渋谷・コクーン歌舞伎『佐倉義民傳』『天日坊』『三人吉三』『四谷怪談』『切られの与三』を上演し、今年は記念すべき第1回から13年ぶりとなる『夏祭浪花鑑』が凱旋する。「市民サポーターの皆さんが、街ぐるみで本当に尽力くださっている。行けば、スーパースターになった気分ですよ(笑)。わざわざ車をとめて、手を振ってくれたり。長三郎にとっては、初めての松本。今は以前のような交流を近くで感じることはできませんが、サポートしていただくありがたさを感じてもらえれば」(勘九郎)取材・文:内田涼写真提供:松竹【公演詳細】信州・まつもと大歌舞伎2021『夏祭浪花鑑』2021年6月17日(木)~2021年6月22日(火)会場:長野県・まつもと市民芸術館 主ホール【ライブ配信】日時:6月20日(日)15:00公演 (アーカイブ配信なし)※14:40より生配信限定の特別映像を配信。チケット料金:3,500円(税込)+お客様手数料220円※有料配信チケットは、6月20日(日)15:30まで販売。チケット発売日:6月8日(火)10:00配信サービス:ぴあ「PIA LIVE STREAM」、松竹「歌舞伎オンデマンド」ほかチケット情報
2021年06月08日女優の中村アンがブランドアンバサダーを務めるアンダーアーマーの新ムービー「THE ONLY WAY IS THROUGH 前へ -中村アン」が1日、公開された。今回の新ブランドムービーでは、現代の女性のNEW NORMALなライフスタイルシーンを等身大の姿で切り取り、スポーツやトレーニングを習慣化することで身体と心が強くなれるということを表現。不安定で目まぐるしく変化する現在の状況でも、逆境に負けずに進み続ける女性像を描いた。あわせて公開されたビジュアルでは、引き締まった美尻や背中が印象的なバックショットなど、中村がトレーニングに励む姿を披露している。
2021年04月01日3月4日(木)より上演される歌舞伎座『三月大歌舞伎』の第1部『猿若江戸の初櫓』に、『二月大歌舞伎』に引き続き中村勘九郎と中村七之助が出演する。『猿若江戸の初櫓』は、新年を迎えた江戸の町を舞台に猿若の機転を利かせた働きが奉行に認められ、江戸で初めて官許の櫓をあげた芝居小屋の開場を許されるまでが描かれる、江戸歌舞伎の幕開けをモチーフにした作品。歌舞伎座では1987(昭和62)年1月に江戸歌舞伎360年を記念した「猿若祭」で初演された舞踊劇だ。上演中の『二月大歌舞伎』第3部で三十三回忌追善が行われている十七世中村勘三郎の“勘三郎”の名跡の始まり、初世勘三郎ゆかりの演目で、勘九郎が猿若、七之助が出雲の阿国を勤める。平成29年2月歌舞伎座『猿若江戸の初櫓』より、猿若=中村勘九郎(c)松竹平成29年2月歌舞伎座『猿若江戸の初櫓』より、出雲の阿国=中村七之助(c)松竹上演に際し、作品ゆかりの地「江戸歌舞伎発祥之地」記念碑を訪れたふたり。「父が子供の頃に“ここに中村座があったんだよ”、と教えてくれたのを思い出します。」と在りし日に思いを馳せた勘九郎は、「(初世勘三郎は)江戸の真ん中に(中村座を)建てるというプロデュース能力、座元としての手腕に優れていた人、祖父も父もプロデュース能力に優れていた人でした。これは不思議な“中村勘三郎”という名前に宿った魂なのかな、と思います」と語り、七之助も「ここから始まったんだ、という思いです。本来なら父がここに立って写真を撮っているはずであろうと思いますが、改めて兄弟で中村屋を背負うこと、また今月立派に勤めている勘太郎と長三郎のふたりも背負っていくんだなというプレッシャーと楽しみと、半分半分な気持ちです」と語った。中村勘九郎『猿若江戸の初櫓』について勘九郎は、「私たちが初舞台の時(1987年1月)に初演した踊りで、父の襲名など区切り区切りで踊らせていただきました。(中略)397年歌舞伎が続けられているというのも先人たちや歌舞伎を愛する人々の思いが詰まったパワーがあってこそ。このコロナ禍に於いて、再出発というような気持でめでたく舞えたら」と意気込みを語り、七之助も「中村屋にとって所縁のあるものを兄弟で歌舞伎座の序幕からやらせていただけるのは本当に幸せ。」と感慨深げ。「(演じる出雲の阿国は)華やかさもありつつ、途中厳かに踊るところもあって、とても緩急があります。振付も面白くて、賑やかで綺麗ですので、まだまだいろいろある時期ですが、何も考えず明るく楽しんでいただけたら」と活気あふれる舞踊劇の見どころを語った。『三月大歌舞伎』は3月4日(木)から29日(月)まで東京・歌舞伎座にて、3部制で上演。中村七之助歌舞伎座『三月大歌舞伎』演目【第一部】11:00開演一、『猿若江戸の初櫓』二、『戻駕色相肩』【第二部】14:00開演一、『熊谷陣屋』二、『雪暮夜入谷畦道』【第三部】18:30開演一、『楼門五三桐』二、『隅田川』(Aプロ)二、上 『雪』(Bプロ)下 『鐘ヶ岬』(Bプロ)2021年3月4日(木)~2021年3月29日(月)会場:東京・歌舞伎座
2021年02月22日女優の中村アンがブランドアンバサダーを務めるアンダーアーマーの新ムービー「THE ONLY WAY IS THROUGH 前へ -TRAINING 中村アン」が15日、公開された。今回のムービーでは、不安定で目まぐるしく変化する現在の状況でも体と心を強く持ち、逆境に負けず前に進み続ける女性を中村が表現。真剣な表情でトレーニングに打ち込み、鍛え抜かれた美ボディを披露した。「不安や悩み、葛藤があったとしても、トレーニングやスポーツのあるライフスタイルを通じて心は強くなり、自分と向き合うことでポジティブな気持ちが生まれる」そんなブランドメッセージを通じて、女性たちを勇気づけることを目的としたムービーに仕上がっている。
2021年02月15日(左から)松山ケンイチ、中村勘九郎、井上真央ほかのドラマなら合格点の視聴率でも、“テッパン”といわれる大河ドラマでは厳しい評価が下される。そんな“ワーストランキング”作品の主演俳優たちがハマる“落とし穴”とは──。“朝ドラ”と並んで国民的なドラマと言われるNHKの『大河ドラマ』。1963年に始まり、かつては平均視聴率30%を超える大ヒットドラマも生まれた。ところが2000年代に入ると視聴率も頭打ち。2010年代には“平均視聴率15%を獲得したら、合格”といった空気がNHK内にも漂っているという。2月7日に最終回を迎えた『麒麟がくる』の視聴率もふたケタ台前半を推移するのがやっと。やや物足りなさを感じるが、その一方で内容に関しては高く評価する声もある。「史実に忠実に視聴者が知っている歴史をそのまま見せてくれたのが昔の大河ドラマ。でも『麒麟がくる』では新しい織田信長像を作り出した。本能寺の変についても諸説ある中、今までと違う視点から魅力的に描いてみせた。そのあたりは見応え十分でした」と話すのはドラマウォッチャーでフリーライターの田幸和歌子さん。しかし以前に比べ、視聴率をとれていないということも事実。■人気脚本家でも大スベリ!『いだてん』はどうだった?いったい大河ドラマに何が起きているのか。『ワースト大河』のランキングを振り返りながら、考えてみたい。ぶっちぎりの『ワースト大河』第1位は、一昨年放送の中村勘九郎、阿部サダヲがリレー形式でW主演する『いだてん~東京オリムピック噺~』(平均視聴率8・2%)。朝ドラ『あまちゃん』で大ヒットを飛ばした脚本家“クドカン”こと宮藤官九郎がオリンピックをテーマに書き下ろしたオリジナル作品。大きな期待が寄せられていただけに、残念な結果となった。「時代が行ったり来たり。それが後で結びつき、大きな快感が待っているのですが、序盤はやっぱり難解で戸惑う面もあった。それが原因で脱落する視聴者も多かったようです」(田幸さん、以下同)物語が時系列で進まず、ストーリーのテンポが早い。さらにドラマの中に映像資料を入れたことにも田幸さんは異論を挟む。「貴重な映像資料が豊富なNHKだけに、使わなければいけないと思ったのか……。途中に当時の映像を挟むことで物語が途切れる違和感や、もったいなさを感じました。入れるなら、最後にまとめる方法もあったのではないでしょうか」さらに視聴率を考えるなら、中村勘九郎よりも、親しみやすい阿部サダヲのパートから始めてみたほうが見やすかったのではないかと、田幸さんは言う。2019年のラクビーW杯、日本vsスコットランド戦の劇的勝利の裏で放送された第39話『懐かしの満州』は史上ワーストの視聴率3.7%を記録。実は同時期、阿部は自動車での接触事故を起こし、まさに受難続きとなった。しかし、この回こそクドカン自身が最も描きたかった放送回でもあり、ファンの間では“神回”と呼ばれている。脚本家が力を込めた話だったが、まさかの最低視聴率を記録してしまうとは思いもしなかったことだろう。■実力派俳優でも難しいのはなぜ?『ワースト大河』の第2位にランクインしたのは2015年に放送された井上真央主演の『花燃ゆ』(平均視聴率12.0%)。江戸末期の長州藩を舞台に吉田松陰の末妹・文役を井上が好演。当時旬の東出昌大、高良健吾、賀来賢人たちイケメン俳優がそろい踏みしたことから当初“イケメン大河”と呼ばれた。「ほかにも“セクシー大河”“幕末男子の育て方”などのキャッチコピーが躍り、始まる前から拒絶反応を起こしてしまった大河ファンが続出。ファンの多くが見たいのはそんなことじゃないんですよ。完全に作り手サイドの戦略ミス。イケメンや胸キュンのポイントは視聴者が勝手に見つけて、SNSで盛り上がるもの。制作サイドが仕掛けるものではありません」しかも主人公である文の知名度が低く、視聴者の興味を引くポイントが少なかった。そういった題材選びにも問題があったと田幸さんは、低視聴率の原因を分析する。さらに主演する井上真央が「主人公である私の力不足」と放送中にもかかわらず謝罪するという前代未聞のオマケつき。「真央さんは2011年、朝ドラ『おひさま』でもヒロインを務めるなど誰もが認める女優。『花燃ゆ』での演技も魅力的でよかった。朝ドラや大河は視聴率がとれないとその後、民放の連ドラに呼ばれなくなるなど前途ある俳優の将来をつぶしかねない諸刃の剣でもあります」実はワースト大河第2位で同率、2012年に放送された大河ドラマ『平清盛』でも、主演する松山ケンイチがそのような憂き目にあっている。大河放送終了後、約1年間テレビドラマに出演していないのだ。「ロンドンオリンピックなどもあり、最低視聴率を更新するなど苦杯をなめ、その後の松山の俳優人生にも影を落としてしまいました」だがその一方で、いまだに“清盛最強説”を唱える熱心なファンもいる。「画作りもリアリティーを追求したため、当時の兵庫県知事が“画面が汚い”など発言。“受けつけない”と離脱した視聴者もいました。ですが悪役と捉えられがちな清盛を主人公にとらえ、その光と影を描く藤本有紀さんの脚本が本当に素晴らしかった」ちなみに藤本氏が脚本を手がけた2007年の朝ドラ『ちりとてちん』も視聴率にこそ恵まれなかったものの熱狂的なファンに支えられDVDの売り上げは上々。「日が当たらない人に日を当てる」藤本脚本ならではの持ち味が出ていると田幸さんは解説する。『ワースト大河4位』にランクインしたのは2018年の大河ドラマ『西郷どん』(平均視聴率12.7%)。主演する鈴木亮平が役作りのために体重を25キロ増やすなど徹底し、明治維新の英雄・西郷隆盛を熱演。だが、メジャーな主人公なのに、視聴率は伸びず──。「『不機嫌な果実』『anego』でもコンビを組んだ林真理子原作、中園ミホ脚本のヒットメーカーが再びタッグを組み女性の視点から“愛にあふれるリーダー”を描き、人間ドラマとして魅力は十分。ただ薩長連合など歴史ドラマとしての描き方が薄く、大河ファンからは歴史のツボを押さえていないと指摘する声も上がっていました」やはり、王道の歴史を押さえない限り、大河ファンの琴線に触れることは難しいのかもしれない。■イケメン俳優が多くてもダメ?“王道”からはずれるということでは、2017年に放送された『おんな城主直虎』(平均視聴率12.8%)は、チャレンジした作品に違いない。主人公・直虎(柴咲コウ)、井伊直親(三浦春馬さん)、小野政次(高橋一生)3人の幼なじみの友情と恋愛模様を絡め、新鮮ではあった。「主人公の井伊直虎は、今も『男性説』『女性説』があって視点の面白さは抜群。女性ファンの中には高橋一生、三浦春馬、菅田将暉たち俳優同士の掛け合いに萌えるオタクファンもたくさんいましたが、“イケメン”に興味がなく、歴史ドラマを欲している従来の大河ファンには今ひとつ響いていません」そして、2013年放送の『八重の桜』(平均視聴率14.6%)は、善戦したにもかかわらず平均視聴率15%に届かなかった。「幕末の会津出身で同志社大学を創設した新島襄の妻となった新島八重を大河ドラマ初出演の綾瀬はるかが熱演。でも“みんなが見たい綾瀬はるかはこれじゃない”という意見が噴出していました」当初はまったく別の作品を企画していたものの、2011年の東日本大震災をきっかけに、NHK内部で東北の復興を支援するため、福島県を舞台にした企画が浮上。昭和期まで存命の人物を取り上げるのは1985年『春の波涛』以来。異例づくしの大河ドラマに対するファンの反応は今ひとつ冷ややかだった。大河ゆえに“ワースト”に入ってしまったが、ほかのドラマなら十分に合格点の、2010年以降、平均視聴率15%超えを達成した大河ドラマにも注目してみたい。■15%超えした大河ドラマは?まずは2014年に放送されたV6のメンバー岡田准一が主演する大河ドラマ『軍師官兵衛』(平均視聴率15.8%)。「主人公・黒田官兵衛に対する岡田君の気合がすさまじかった。1年に及ぶ幽閉シーンでは、蓬髪に髭もボウボウ。皮膚病に侵され五体も満足に動かすことができない迫真の演技には、ここまでやるのかと胸打たれました。でも、黒田官兵衛は決して知名度が高いわけではありません。歴史ファン以外には受け入れられにくかったのでしょう」また、「恋愛や家族パートはいらない」「もっと合戦を見せてほしい」「いろんな手柄がすべて官兵衛の手柄って本当なの?」といった声も放送当時に上がっていた。「いろいろな声はありましたが、この作品をきっかけに岡田君は馬術や剣術にも磨きをかけ、後に映画『関ヶ原』『散り椿』で日本アカデミー賞・優秀主演男優賞を受賞。数字はとれなかったけど、彼にはプラスになった作品ということが救いですね(笑)」そして忘れてはならないのが2016年に放送された『真田丸』(平均視聴率16.6%)。「本能寺の変や関ヶ原の戦いなど真田家が関わっていない出来事は“ナレ死”ですませるなど、話題を呼んだヒットワードも満載。三谷幸喜脚本による新しい大河ならではの面白さがちりばめられていました」“ナレ死”とはナレーションだけで歴史上の大きなターニングポイントをすませてしまう演出。そこに物足りなさを感じた視聴者も多かった。そしてランキング外だが18位に入った、2010年に福山雅治主演で放送された『龍馬伝』(平均視聴率18.7%)。「当時人気の頂点にいた福山が、憧れのヒーロー坂本龍馬を演じるとあって始まる前から大河ファンもヒートアップ。フィルム調の画質をはじめ、映像も攻めていました。このとき、岡田以蔵役で出演していた佐藤健が『龍馬伝』の大友啓史監督と組んでスタートするのが『るろうに剣心』シリーズ。今をときめく佐藤健の出世作でもあります」平均視聴率15%でも“コケた”枠に入ってしまう大河。だが、それぞれの作品がファンの心をつかむ歴史ドラマの魅力にあふれているのだ。■プレッシャーを押し返せるか!?そして注目されるのは、2月14日からスタートする吉沢亮主演の『青天を衝け』。新しい1万円札の顔になる日本の“資本主義の父”と言われる渋沢栄一の生涯を描いた、大河ドラマでは鬼門といわれる近代モノ。なぜ視聴率がとれないとされるのか。「大河ファンは、華やかな合戦シーンを繰り広げる有名武将の活躍を期待している。近代モノだとつい“これ、朝ドラでもよかったんじゃない”といった気分になってしまう」しかし今回のマイナス要素は、これだけではない。スタートが2月にずれ込み、放送回数も未定のまま。さらに来年には三谷幸喜脚本・小栗旬主演の『鎌倉殿の13人』、再来年には嵐・松本潤主演の『どうする家康』といった作品が早くも発表された。「三重苦ともいうべきマイナスからのスタート。でも、そのぶん頑張ってほしいという思いで大河ファンも応援します。主演する吉沢亮は朝ドラ『なつぞら』でも、登場シーンが少ないにもかかわらず抜群の輝きを見せてくれました。地味な内容でもまわりが盛り上げて、彼にはぜひ輝いてほしい」しかも徳川慶喜役には、元SMAPの草なぎ剛が登場。長瀬智也、堂本剛とともにジャニーズ枠に収まりきらない素晴らしい演技力にも注目したいと田幸さんは熱く語る。こんな状況で始まる『青天を衝け』。はたして、近代モノのジンクスを覆すことができるのか、それともワーストランキングに名を連ねることになるのか──。華々しく大河主演俳優としてスポットを浴びた吉沢だが、その足元にあるのはスターへの階段か“落とし穴”か──。■大河ドラマワースト15■1『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019)8.2%中村勘九郎阿部サダヲ2『花燃ゆ』(2015)12%井上真央2『平清盛』(2012)12%松山ケンイチ4『西郷どん』(2018)12.7%鈴木亮平5『おんな城主直虎』(2017)12.8%柴咲コウ6『花の乱』(1994)14.1%三田佳子7『竜馬がゆく』(1968)14.5%北大路欣也8『八重の桜』(2013)14.6%綾瀬はるか9『軍師官兵衛』(2014)15.8%岡田准一10『真田丸』(2016)16.6%堺雅人11『武蔵 MUSASHI』(2003)16.7%市川海老蔵(当時・新之助)12『琉球の風』(1993 1~6月)17.3%東山紀之13『新選組!』(2004)17.4%香取慎吾14『江・姫たちの戦国』(2011)17.7%上野樹里14『炎立つ』(1993 6~12月)17.7%渡辺謙・村上弘明田幸和歌子:たこう・わかこドラマコラムの執筆や、ジャニーズウォッチャーとして活動。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など(取材・文/KAPPO INLET GROOVE)
2021年02月14日本日2月2日(火)より歌舞伎座で上演される「二月大歌舞伎」第三部の特別ポスター2枚が公開された。公開されたのは「二月大歌舞伎」第三部で十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言として上演される、十七世に所縁の『奥州安達原 袖萩祭文』、十七世の孫にあたる中村勘九郎・七之助兄弟が出演する『連獅子』のポスター。1月中旬に篠山紀信が中村勘九郎、中村七之助、中村勘太郎、中村長三郎のスチール撮影を実施。篠山は勘太郎、長三郎兄弟の初舞台の際にも『門出二人桃太郎』の撮影をしており、当日は和やかなムードで撮影が行われた。『奥州安達原』では、十七世勘三郎の当り役であった安倍貞任と袖萩をそれぞれ勘九郎と七之助が務め、また娘お君を長三郎が務める。ポスターに写るのは、むしろを被って雪道を進む袖萩とお君の親子。お君は目の見えない母親に寄り添い、甲斐甲斐しくその手を引く。このあとに待ち受ける悲劇を思うと、ふたりの健気な姿がよりいっそう胸に迫ってくるだろう。『連獅子』では、親獅子の精を勘九郎が、仔獅子の精を勘太郎が勤め、十七世勘三郎を偲ぶ。きりりと引き締まった表情のふたりからは、親から子へと、中村屋が大切に演じてきた『連獅子』を継いでいくという喜びと覚悟が伝わってくる。本公演では最年少の9歳にして、仔獅子の精に初めて挑む勘太郎。指の先にまで込められた気合が感じられる、鮮やかかつ力強い一枚に仕上がった。これらの特別ポスターは、歌舞伎座のほか、東京メトロの主要駅に掲出される。また、歌舞伎座地下2階の木挽町広場や、1階お土産処「木挽町」などでも販売されるので、ぜひ注目してほしい。【公演概要】「二月大歌舞伎」開催日:2月2日(火)~27日(土)※8日(月)・18日(木)休演劇場:歌舞伎座第一部:10:30~第二部:14:15~第三部:17:30〜※当初の発表から開演時間を変更しております( )
2021年02月02日1月に続き3部制で行われる2月の歌舞伎座の第3部は、「十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言」の2演目。十七世勘三郎は、現在の勘九郎が6歳、七之助が4歳の時に亡くなったふたりの祖父で、立役(男役)も女方も自在、78年の生涯につとめた役の数がなんと800以上という、正真正銘の歌舞伎界のレジェンドだった。勘九郎は、「祖父は父(十八代目勘三郎)に、『歌舞伎座で追善ができるような役者になっとくれ』とずっと言っておりまして、三十三回忌は父が必ずやるものと、僕たちも思っていたんですけれども……」と、一瞬だけうつむいた後、「その父の遺志を引き継いで、(コロナ禍の)大変な時期に追善ができるという喜びと感謝の気持ちで、一生懸命やらせていただきます」と、きっぱり言って覚悟を見せた。父はすでにないが、心強い弟の七之助と、芝居心いっぱいで頼もしい長男・勘太郎と次男・長三郎。若き中村屋ファミリーが一丸となって、多才で偉大、かつチャーミングだった十七代目の当たり役に挑む。『連獅子』親獅子の精:中村勘九郎、仔獅子の精:中村勘太郎撮影:篠山紀信『連獅子』は、厳しい獅子の子育てのさまが、幼い頃から父に教えを受ける歌舞伎俳優の親子の姿に重なる人気舞踊。中村屋では、十八世勘三郎が歌舞伎座で仔獅子役を初めて踊ったのが13歳、勘九郎と七之助が10歳と、最年少記録を作ってきた。七之助は、「(初役の兄が踊るのを)大変そうだなあ。がんばれ! という気持ちで観ていました。自分が踊ることになるとはあまり思っていなかったんですが、その2年後に踊ってみて、本当に苦しかった思い出があります。父からは、『ぜんぶ出し切れ。うまい下手じゃない。火の玉みたいに踊りなさい』と言われたことが、すごく耳に残っています」。今回仔獅子を踊る勘太郎は9歳で、父の最年少記録を更新。「抜かれた!」と悔しそうな勘九郎は、「七之助が言ったとおり、うまい下手ではなく魂で踊るのが大切なんですが、その前にまず、踊りの基礎がなっていないといけない。形があって、その中に心を入れるという作業が重要なんです。父もよく言っていましたが、お客様は後ジテの毛振りを喜んでくださるけど、それはおまけみたいなもの。前ジテがとても大事な踊りだということを、肝に銘じて踊ってほしいですね」と親獅子らしい威厳。体力をつけるためにランニングや腹筋をしているという勘太郎は、「お父ちゃま達が軽そうに踊ってたから、あんまり重くないんだなと思っていたんですけど、(衣裳や鬘を)着てみたらものすごく重くて、写真撮影が終わった後に踊ったら、死にそうになりました」と告白(泣きそうになったらしい)。『袖萩祭文』袖萩:中村七之助、お君:中村長三郎撮影:篠山紀信『袖萩祭文』は、盲目となり雪のなか門付け芸で三味線を弾きながら勘当された親に許しを乞う袖萩と、そんな母をかいがいしく労る娘のお君の姿が、涙を誘う義太夫狂言。七之助が初役で袖萩をつとめ、7歳の長三郎が、しどころの多いお君に挑戦する。「奥州で最強とされた安倍一族の話ですが、ここは一族の成り立ちや絆、プライドなどの要素が詰まった素晴らしい場面で、袖萩はそのキーポイントになる役。お君ちゃんはいろいろな仕事をしなければなりませんが、それが仕事に見えず、袖萩と深い愛情で繋がっている母娘と見ていただけるよう、一生懸命につとめます」と甥っ子を慈しむように話す七之助に対し、いつも周囲をハラハラさせながら、本番には強いという実績がある長三郎は、「緊張と楽しみがくっついてます」と、大物らしい含蓄に富むコメント。泉下の十七世と十八世が、大きな力で4人を見護り、一段と成長させてくれることだろう。後列左から、中村七之助、中村勘九郎、前列左から、中村長三郎、中村勘太郎(c)松竹取材・文:伊達なつめ歌舞伎座『二月大歌舞伎』2021年2月2日(火)~2021年2月27日(土)会場:東京・歌舞伎座
2021年01月30日アニメ『ポケットモンスター』シリーズの劇場最新作『劇場版ポケットモンスター ココ』が、昨年12月25日に公開され、早くも観客動員数100万人を突破した。このヒットを記念して、歴代の劇場版からファンの投票で選ばれた「もう一度観たい最高傑作」を2月7日(日)12時からYouTubeで一挙配信することが決定。現在も投票が呼びかけられている。『ポケットモンスター』の映画化は、1998年の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』に始まり、最新作で23作目を迎えた。『劇場版ポケットモンスター ココ』はジャングルを舞台に、ポケモンに育てられた10歳の少年・ココと、ココを育てた幻のポケモン・ザルードの親子の愛を描いた今までにないカタチの絆の物語となっている。声優にはココ役に上白石萌歌、6代目中村勘九郎を襲名した中村勘九郎がザルードを演じ、こちらも話題となった。本作のヒットで企画された投票企画は『劇場版ポケットモンスター』『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ』『ポケモン・ザ・ムービーXY』の各シリーズ(全19作品)の中で、それぞれ好きな作品に投票し、シリーズ別の1位作品が一挙配信される。歴代シリーズをまたいだ一挙配信はポケモン映画として史上初の試みとなる。投票期間は2月4日(木)終日。この機会にお気に入りの『ポケモン』映画に投票してほしい。■企画情報「~ココ大ヒット記念投票企画~みんなで決めよう!ポケモン映画歴代シリーズNo.1 決定戦!」投票期間:2月4日(木)23時59分まで<対象作品全19本>『劇場版ポケットモンスター』シリーズ1998年『ミュウツーの逆襲』1999年『幻のポケモン ルギア爆誕』2000年『結晶塔の帝王 エンテイ』2001年『セレビィ 時を超えた遭遇』2002年『水の都の護神 ラティアスとラティオス』『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』シリーズ2003年『七夜の願い星 ジラーチ』2004年『裂空の訪問者 デオキシス』2005年『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』2006年『ポケモンレンジャーと蒼海(うみ)の王子 マナフィ』『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』シリーズ2007年『ディアルガVSパルキアVSダークライ』2008年『ギラティナと氷空(そら)の花束 シェイミ』2009年『アルセウス 超克(ちょうこく)の時空へ』2010年『幻影の覇者 ゾロアーク』『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ』シリーズ2011年『ビクティニと黒き英雄 ゼクロム / 白き英雄 レシラム』2012年『キュレムVS聖剣士 ケルディオ』2013年『神速(しんそく)のゲノセクト ミュウツー覚醒』『ポケモン・ザ・ムービーXY」シリーズ2014年『破壊の繭とディアンシー』2015年『光輪(リング)の超魔神 フーパ』2016年『ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ』■公開情報『劇場版ポケットモンスター ココ』全国東宝系にて大ヒット公開中
2021年01月27日2021年1月25日、歌舞伎役者の中村勘九郎さんと、息子である長男の勘太郎さん、次男の長三郎さんがトーク番組『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演しました。中村さん親子は、4年前にも同番組に3人で出演。2021年1月現在、9歳になった勘太郎さんと、7歳になった長三郎さんの成長ぶりに、MCを務めるタレントの黒柳徹子さんは頬を緩ませていました。歴史好きは隔世遺伝?中村勘太郎と亡き勘三郎の共通点2人の成長ぶりに触れながら、それぞれの好きなことについて黒柳さんが質問。すると、勘太郎さんは、「歴史が好きで、歴史博士になりたい」と回答しました。その後、勘太郎さんは黒柳さんに、オリジナルの武将クイズを出題。黒柳さんも答えが分からないほど難題なクイズを出題し、博識ぶりを見せつけたのです。父親の勘九郎さんによると、亡き十八代目中村勘三郎さんも歴史が大好きだったのだとか。(勘太郎さんは)本当に好きなんですよ、歴史が。これ、隔世遺伝で。うちの父が史学科出身で、歴史が大好きだったので。もし生きていたら彼と、とてもマニアックな話で盛り上がってるんだろうなと思いまして。徹子の部屋ーより引用中村勘太郎と長三郎、『BTS』にドハマり中また、勘太郎さんと長三郎さんは「歌とダンスも大好き」と話し、現在、韓国のアイドルグループ『BTS』に夢中になっていることを明かしました。勘太郎さんと長三郎さんは黒柳さんの前で、『BTS』の楽曲『Dynamite』の歌と踊りを披露。母親が歌うのを聞いて、英語の歌詞も完ぺきに覚えてしまったのだそうです。2人のなめらかな英語の発音と、勘太郎さんの完ぺきなダンスは視聴者を驚かせています。・何気なく見ていた『徹子の部屋』で勘太郎くんと長三郎くんの、英語の発音のよさにびっくり。・突然の『BTS』がかわいすぎて癒されましたー!さすが、歌もダンスも上手ですね。・勘九郎くん、長三郎くん、かわいすぎてもう胸がいっぱい!話し方から、所作から、本当に素敵だなあ。『BTS』の歌と踊りも、もっと見ていたかった。・勘太郎さんと長三郎さんの『BTS』が、インパクト強すぎて思わず目がくぎ付けになった!とっても上手!番組の最後に黒柳さんは、「今度は、勘太郎さんと長三郎さんの2人でいらしてね」とひと言。父親の勘九郎さんが「もう僕はいらないですか!?」と反応すると、「もうその頃には2人でお話しできるでしょうから」とスタジオを笑わせていました。これからの勘太郎さんと長三郎さんの成長ぶりが楽しみですね。[文・構成/grape編集部]
2021年01月25日●憧れのポケモン映画に少年役で参戦! 声を潰して役作り映画、ドラマ、舞台にと新たなチャレンジを続け、女優としての実力をめきめきと発揮するだけでなく、トーク番組などで見せる朗らかな人柄も人気の上白石萌歌。ポケモン映画の最新作『劇場版ポケットモンスター ココ』では、ポケモンと人間の間で揺れ動く10歳の少年・ココ役を演じている。親子の絆を描く映画にちなみ、両親の教えを尋ねると、「いつまでも学び続けなさい」「久しぶりに誰かと会うとしたら、なにかお礼をすることがなかったかを考えなさい」という、大切にしている言葉を紹介。また、両親に感謝していることを聞いてみると「姉と“姉妹”として産み落としてくれたこと」と笑顔で即答した。本作は、1998年の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から始まって今年で23作目を迎えるポケモン映画の最新作。森を舞台に、人間の少年・ココと、ココを育てたポケモン・ザルードの親子の愛と絆を描く。ポケモンに育てられた少年のココを上白石、森でココを見つけ育てた幻のポケモン・ザルードを中村勘九郎が演じている。2000年生まれで、今年20歳となった上白石は「ドンピシャでポケモン世代」とのこと。「今回のお話をいただいて、演じる役柄について『ポケモンに育てられた人間の役です』と聞いたときに、『私のことだ』と思ったんです。子どもの頃からポケモンのアニメも観ていたし、ゲームも楽しんでいました。私にとって、初めて劇場に観に行った映画もポケモンだったんです。当時の私に夢を与えてくれたものに、今度は与える側として参加できるなんて感慨深いですし、とても光栄です」と喜びをあふれさせる。一方で「年齢も性別も違うし、自分とはかけ離れた存在。そういう役が演じられるのもアニメーションの面白いところではありますが、やはりプレッシャーもありました」と話す。細田守監督による『未来のミライ』で4歳の男の子役を演じたこともある彼女だが、「声のお仕事はとても難しいです。一瞬、一瞬、ささいな表現がとても大事になるお仕事ですし、監督をはじめ、絵を描いてくださった方など、たくさんの方の手によってココが生まれています。必死に声を当てさせてもらいました」と情熱を注いだ。具体的な役作りについては、「声を潰しにかかった」と驚きの告白。「10歳くらいの男の子って、毎日大きな声を出しているからなのか、よく声が枯れたりしていますよね。ココは野生的に育った子でもあるので、がなったり、声を荒げたりして、声を潰そうと思って。人生で初めてというくらいのレベルで、声を枯らしました。プロの声優さんにとっては、きっと考えられないくらいよくないことかもしれませんよね。でも私は何かを犠牲にすることくらいしか、手段がなくて…」と苦笑い。「また音響監督の三間(雅文)さんから、『女の子は頭で怒るけれど、男の子は腹で怒る』と教えていただいて。重心をグッと下げて、お腹から声を出してみたら、本当に少年のような声が出たんです。三間さんが精神論と肉体論を同時に教えてくださって、ものすごくありがたかったです」とたくさんの学びがあったという。●女優としての転機は? “上白石家”の教えも明かすポケモンに育てられ、成長するに従い「自分は何者なんだ?」と考えていくココ。上白石は「ココは自分がどこから来て、これからどこへ向かうべきかという、アイデンティティを模索している。そういった経験は、私にもあります」と心を寄せる。2011年、ココと同年齢の10歳で東宝シンデレラオーディションのグランプリを受賞して、芸能界入りした上白石。「この世界に入った当初は、習い事のように学ばせていただいている感覚」だったそうで、女優という道に進みたいと決心がついたのは「ここ3、4年のこと」だという。転機としてあげるのが、2018年のドラマ『義母と娘のブルース』。「綾瀬(はるか)さんと対峙する場面も多く、自分の力不足をすごく感じました。へこんだり、砕ける瞬間があったからこそ、そのときの自分の限界や、置かれている状況も見つめることができたのだと思います。また街中で役名で呼んでいただくこともあって、自覚と責任を持ってお仕事をしたいと感じることもできました。苦しい思いもしましたが、あのドラマがあったからこそ、今がある」。さらにNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で演じた前畑秀子役からも力をもらったそうで、「7kgの増量をして、役づくりしました。体当たりだったと言われればそうかもしれませんが、そういった挑戦のできる役を任せていただけたこともうれしくて。あの役を演じられたことは、私の誇りです」と清々しく語る姿も、なんとも頼もしい。姉の萌音と共に女優として飛躍し、バラエティやトーク番組で見せる人との接し方や、温かな人柄も、視聴者を魅了している。彼女たちを見ていると、「一体、両親からはどのように育てられてきたのだろうか…」と思う人も多いはず。上白石は「両親共に教師で、父は今でも現役で教師をしているのですが、『いつまでも学び続けなさい』とよく言われています。どの役を演じるにしても、探求していくことが一番大事。いくつになっても学び続けることは大事だなと、改めて思います」と語り、「お堅い家庭ですよね」とにっこり。また「『久しぶりに誰かと会うとしたら、なにかお礼をすることがなかったかを考えろ』とも言われます」と感謝の気持ちも大事にしているといい、「父も母も、人が好きなんです。お店やご飯屋さんなど、行った先で出会った人とすぐに仲良くなるんですよ。そんな陽気な両親のもと育ったので、私も前向きさが身についたのかもしれません」としみじみ。両親に感謝したいことは、「姉と“姉妹”として産み落としてくれたこと」。「コロナ禍の自粛期間、2カ月の間、2人で一緒に家にいても一度もケンカしなかったんです!我ながら、本当に仲が良いんだなと思いました。『結婚するならこういう人がいいな』とリアルに思うくらい、好きですね」と笑い、「誰よりも仲が良いし、良き相談相手であり、ライバルでもある。人脈も二倍になるので、初めてお会いする方でも『姉がお世話になりました』という話で打ち解けることもできる。また、姉に悩み事を話すと『わかるよ』と理解してくれるので、同じ女優というお仕事をしていて、とても心強いです。1人で上京してきていたら、こんなふうにお仕事を楽しむことができなかったと思います」と打ち明けた。映画『劇場版ポケットモンスター ココ』は、12月25日より全国公開。■上白石萌歌2000年2月28日生まれ、鹿児島県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し芸能界デビュー。近年の出演作は、ドラマ『義母と娘のブルース』(18・TBS)、『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(19・日テレ)、『いだてん~東京オリムピック噺~』(19・NHK)、映画『羊と鋼の森』(18)、『3D彼女 リアルガール』(18)、『未来のミライ』(18)、舞台『ゲルニカ』(20)など。また、ドラマ『教場II』が2021年1月3・4日放送。主演映画『子供はわかってあげない』が2021年夏公開。(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku(C)Pokemon(C)2020 ピカチュウプロジェクト
2020年12月25日中村勘九郎撮影/伊藤和幸「声優をやると決まったときは、うれしくて家族にすぐ言いました。“ポケモンやるよ”って。みんな大好きなのでめちゃくちゃ喜んでくれましたね。そのあと情報が解禁されると、子どもの友達の間でも話題になったようで、その話を誇らしげに僕に語ってくれるんですよ。カッコいいお父さんっていいじゃないですか。そんな子どもたちの姿を見て、“ああ、いい仕事したな”って思いました(笑)」■思わず収録を止めてしまった理由とは?歌舞伎だけではなく、昨年は『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』で2度目の大河ドラマに出演するなど幅広く活躍。私生活では2児の父である中村勘九郎。この冬は、ポケモンと人間の親子愛を描いた『劇場版ポケットモンスター ココ』で、少年・ココを育てた幻のポケモン、ザルード役で声優に初挑戦した。「やってみて改めて声優さんってすごいなと。参加したおまえが言うなと言われるかもしれませんが、おいそれと受けちゃいかんなと思いました(笑)。あと、アフレコのときにピカチュウとかみなさんの声が先に吹き込まれていたんです。思わず感動して “わー、すげー!!”って言葉が出てしまい、収録を止めてもらいました(笑)」自身も昔からポケモン好きで、高校時代には劇場版の1作目『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』を見に行ったほど。「その作品が昨年3DCGとなって公開されたので、家族と見に行ったんです。高校時代なんて結婚もしていなかったし、子どものことなんて想像もつかなかった。それが20年以上たち、劇場に妻がいて子どもがいて一緒に見たというのは、とても幸せだなと感じましたね」■中村家、定番の年末年始の過ごし方今年は声優だけではなく、歌舞伎のライブ配信にも初挑戦するなど、コロナ禍の中でも精力的に活動を続けた。「とにかく腐らずにいなきゃいけないなというのを強く思った年ですね。あとは、自粛期間中に子どもたちとたくさん触れ合えたことは貴重でした。踊りの稽古を3本くらいやったんですけど、1本目の踊りは振りを覚えるまで時間がかかったんですが、2本、3本と続けていくことによって、振りの覚えがすごくよくなっていったんです。本当にスポンジのようにすべてを吸収していく彼らを見て、“ああ、これが成長なのかな”と。子どもから学ぶことが多かったですね」そんな中村家の年末年始の過ごし方の定番とは?「年越しは必ず浅草の浅草寺に除夜の鐘を打ちに行っています。今年はたぶん無理でしょうけど。あとはご挨拶回りをしたり、お弟子さんたちが集まって、一門で新年会をしています。うちは正月にカレーが出るんですが、それがめちゃくちゃうまいんですよ。なぜカレーが出るのか理由はわからないんですが、子どものころから必ず。今度のお正月はみんなで集まるのはやめるんですが、カレーだけは出してほしいなと思います(笑)」映画の初めての思い出「初めて見たのは、『ドラゴンボール』か『ドラえもん』か……たしかアニメだったと思います。妻との最初のデートで見たのが『レクイエム・フォー・ドリーム』。これがドラッグ中毒の話でファーストデートに選ぶ作品ではないなと反省した思い出が(笑)。あと父と2人きりで最初に行ったのが『マーズ・アタック!!』で、父がひたすら爆笑していたのを覚えています」『劇場版ポケットモンスター ココ』12月25日(金)より全国東宝系にて公開(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku(C)Pokemon (C)2020 ピカチュウプロジェクトヘアメイク/宮藤誠スタイリング/寺田邦子
2020年12月24日中村憲剛の偉大さはイベント名を見ても理解できる。12月21日に行われた引退セレモニーの正式名称は『おフロの恋人! LOTTE presents 中村憲剛引退セレモニー&優勝報告会』である。勝点83、26勝、88得点、得失点差57、2位に勝点18差、最少敗戦3試合などなど、記録尽くめで史上最速優勝を果たした川崎フロンターレの優勝報告会の前に、引退セレモニーと謳われているのだ。名前だけではない。2時間半ほどのプログラムの中で、鬼木達監督や谷口彰悟主将のあいさつなど優勝報告セレモニーは15分ほど。時間配分も大半は引退セレモニーが占めた。福田紀彦川崎市市長より市民栄誉賞が授与された (C)J.LEAGUE等々力陸上競技場に1万3000人を集めるなどセレモニーは異例の規模で行われたが、決して華美ではなかった。中村がどれだけクラブ・川崎市に愛され、中村がどれほどクラブ・川崎市に愛されていたかわかるあたたかいイベントであった。式はホームタウン活動で親交が深かった中原消防署や中原警察署、河川協力団体のとどろき水辺の楽校、フロンターレ算数ドリルで関わった川崎市立有馬小学校の関係者が感謝の言葉を並べてスタート。キングカズこと三浦知良をはじめ、川島永嗣、ジュニーニョなど盟友・戦友たちもビデオメッセージを送った。福田紀彦川崎市市長から市民栄誉賞が授与され、36名ものクラブOBも登壇した。さらに本人も登場。チームメイトからのメッセージ、家族からの花束贈呈、スキマスイッチ常田真太郎、SHISHAMOからのあいさつ、川崎市の小学生からの手作りシャーレのプレゼントなど、涙あり、笑いあり、感動ありのラインナップとなった。中村憲剛引退セレモニーに1万3000人が集った (C)J.LEAGUEエース・小林悠は涙ながらに「苦楽をともにした憲剛さんと初めて優勝した時を超える感動はこの先も絶対にない。一緒に抱き合って喜び合えたことが本当にうれしかった。憲剛さんがいなかったら、今の僕は絶対にないと断言できます。僕にとって大きな存在でした」と感謝の念を表した。長男・龍剛くんは「中村憲剛選手の18年間のサッカー人生は出来すぎでした。悲しい時も悔しい時もともに乗り越えてきた家族として、ありがとうと伝えたいです。引退、おめでとう。そして、ありがとう」と12歳とは思えぬクオリティの手紙を披露した。中村は集まったゆかりのある人々、チームメイト、クラブ関係者、そしてファン・サポーターに感謝の言葉を並べた。「みんながありがとうと言ってくれたけど、ありがとうと言いたいのは僕の方。何でもない大学生を拾ってくれたフロンターレには感謝しかありません。僕はフロンターレで学んだ。それは地域密着、『川崎市のみなさんを笑顔に、元気にする』こと。自分がただサッカーをやっていればいいという発想の人間だったら、ここまでプレイヤーとして続けられなかったと思うし、フロンターレもここまで大きくなることはなかったと思っている。本当にそういった意味でフロンターレに拾ってもらって心からよかったと思っているし、この18年間、本当に感謝の気持ちしかない。頼もしい後輩たちにフロンターレは任せて、僕は先のステージに進みたい。今日の景色は一生忘れません。本当に感謝しています。フロンターレ、最高です」胴上げの回数はもちろん背番号にちなみ14回 (C)J.LEAGUE場内一周では神輿にものった (C)J.LEAGUEチームメイトたちによって背番号と同じ14回を2セット胴上げされた中村は場内を一周。ファン・サポーターとの別れを惜しんだ。セレモニーを終えた後、中村は記者会見に登場し、「もう何だろ。すごいことが起きたんだなと。感情が揺さぶられて、心地よい疲労感で気持ちよかった。一生忘れられない光景がまたひとつ増えました。本当に引退するんだなと」と率直な感想を語った。さらに「夢見心地。今もフワっとしている。本当に感謝しかない。本当に幸せ者だなと。入れてくれたのもそうだし、ここまで大きく育ててくれたのもそう。僕も還元していかないといけない」と続けた。泣いたことを指摘されると、「泣かない方がおかしい(笑)。感情を揺さぶられすぎて、わけがわからなくなかった。みんなの思いがありがたすぎて。基本泣き虫だから、案の定泣きました」と頬を緩めた。チームを代表してメッセージを送る小林悠(川崎フロンターレ) (C)J.LEAGUE小林からのメッセージについて質問されと、「いつ泣くかなと見ていたが、あいつにしか話せない話をしてくれたので、僕も感極まった。僕の方こそ感謝している。彼が優勝させてくれたんで」と言い、龍剛くんの手紙について問われると、「息子の文章力の高さにちょっと引いた(笑)。彼が息子であることを僕は誇りに思う。もちろん妻もふたりの娘もそう。4人がいなければ、僕はここまでがんばれなかった。心の底から感謝している」と振り返った。サッカーを志す子どもたちへメッセージも送った。「僕自身足が遅かったり、体が小さかったりと劣等感を持っていた。劣等感を武器に変えることで道が切り開けて、40歳までやれた。可能性に蓋をせずに、毎日毎日トレーニングしていけば誰でも必ず道は開ける。受け入れてくれる素晴らしいクラブが川崎にはあると伝えたかった」次なる夢の日本代表監督について、コメントを求められると、「過程を経て、タイミングが合って初めてなれるもの。そうなるには本当に勝たないといけないし、評価されないといけない。自分から目指しますなんて軽々しく口にできないが、目指すのは自由」と口にした。大いなる目標の前に、目の前に迫った目標がある。もうひとつのタイトル『天皇杯』である。次なる戦いに向けて、中村は「今日は感情を揺さぶられすぎたので、今日は切り替えられない。明日トレーニングがある。明日からしっかり切り替えていきたい。みんなとサッカーできるのもあと10日。まず準決勝に向けてしっかり準備をして全力で向かっていきたい。(国立での決勝については)正直そこまで考えていない。相手のあることなので、勝てる保証はどこにもない。準決勝、等々力でやるのは最後。そこで全力を尽くすことしか考えていない」とキッパリ。中村憲剛の勇姿が見られるのも最大あと2試合 (C)J.LEAGUE中村憲剛は、そして川崎フロンターレは12月27日(日)・等々力陸上競技場での『天皇杯』準決勝でブラウブリッツ秋田×福山シティFCの勝者と対峙し、1月1日(金・祝)・国立競技場での『天皇杯』決勝を目指す。準決勝のチケットは予定枚数終了、決勝のチケットは12月26日(土)午前10時より一般発売。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)チケット情報
2020年12月22日アニメーション映画『劇場版ポケットモンスター ココ』(12月25日公開)の完成披露試写会が8日、都内で行われ、上白石萌歌、中村勘九郎、岡崎体育、松本梨香、矢嶋哲生監督が登壇。サトシ役の松本が「ゲットだぜ!」と決め台詞を響かせると、「ポケモン」の大ファンだという上白石が「生サトシを耳にできて、今すごく震えております!」と興奮の思いを明かした。本作は、1998年の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から始まって今年で23作目を迎えるポケモン映画の最新作。森を舞台に、人間の少年・ココと、ココを育てたポケモン・ザルードの親子の愛と絆を描く。ポケモンに育てられた少年のココを上白石、森でココを見つけ育てた幻のポケモン・ザルードを勘九郎が演じる。上白石は「『ポケモン』のドンピシャ世代なので、ずっとサトシがヒーローだった。私は女ですけれど、目指すべき人物という感じがしている。サトシってすごくかっこいいですよね」と告白。勘九郎も「今回、サトシの魅力がまた改めてわかりました。諦めない姿勢、まっすぐな気持ちというのは、本当にかっこいい」とポケモン愛を炸裂させ、「もう一度、『ゲットだぜ!』を聞きたい」とおねだり。すると松本が「みんなも自分のキャラクターをやってほしい」と無茶振りをし、上白石と勘九郎が急遽ココとザルードを演じる一幕もあり、松本と会場を喜ばせていた。またこの日は、モンスターボールを掲げながら「今年のクリスマスになにをゲットしたいか」を発表することになった。松本は、本作がクリスマスに公開となることから「クリスマスに、みんなの笑顔ゲットだぜ!」と声を大にし、上白石と勘九郎は「かっこいい」と惚れ惚れ。上白石は「猫との生活、ゲットだぜ!」と照れ笑いで回答。「姉と2人暮らしをしているんですけれど、動物が大好きなので猫を飼ってみたい」と明かす。勘九郎は「クリスマスに、長年の夢ゲットだぜ!」と語り、「アニメが大好きで、声のお仕事をやってみたいという願いが『ポケモン』でかなったので感無量です。ザルード役をやらせていただいて、子どもたちからの尊敬もゲットだぜ!」と大満足の表情を浮かべていた。「代官山に豪邸、ゲットだぜ!」と生々しい答えを繰り出したのが、岡崎。周囲から「リアルだな。(会場には)子どもたちがいっぱいいるんですよ」と突っ込まれると「ごめんね!」と謝罪し、会場を笑わせていた。映画『劇場版ポケットモンスター ココ』は、12月25日より全国公開。
2020年12月08日今月も引き続き、四部完全入れ替え制での上演だ。桟敷を含め、前後左右を開けた千鳥型の席配置となる。第一部は『弥生の花浅草祭』。江戸時代、三月に催されていた浅草神社の三社祭の山車人形を題材に、常磐津、清元、長唄と音楽が変化していく中を、ふたりの役者がそれぞれ四役を踊り分けていく躍動感あふれる変化舞踊だ。片岡愛之助が竹内宿禰、悪玉、国侍、獅子の精を、尾上松也が神功皇后、善玉、通人、獅子の精を踊り分ける。第二部は古典落語『星野屋』を題材に、2018年に上演された新作歌舞伎。青物問屋の星野屋昭蔵に囲われている元芸者のおたか。金の工面に困った昭蔵はおたかに別れ話を切り出す。一緒に心中することになってしまったが、おたかに死ぬ気はさらさらなく……。中村七之助のおたか、市川中車の昭蔵、市川猿弥が母お熊、片岡亀蔵が和泉屋藤助。個性あふれる面々がだましだまされる面白さを味わいたい。第三部は近松門左衛門作の人形浄瑠璃として初演された『傾城反魂香』。絵師の浮世又平は生来言葉が不自由で、女房おとくがいつも彼の代弁をする。師匠の土佐将監を尋ね土佐の名字を名乗りたいと申し出るが、又平には功績がなく、弟弟子に先を越されてしまう。又平は絶望し、死を覚悟する。最期に手水鉢に自画像を描くと筆の勢いが奇跡を招いて……。相手を思い合う夫婦の愛情に心が温まる。実直な又平に中村勘九郎、かいがいしいおとくに市川猿之助、弟弟子の狩野雅楽之助に市川團子、将監の北の方に中村梅花、将監光信に片岡市蔵。第四部は『日本振袖始』。日本神話を扱った近松門左衛門作の舞踊劇だ。出雲国の八岐大蛇を鎮めるために、毎年ひとりずつ娘が人身御供に差し出される。今年は稲田姫が捧げられることになる。どこからともなく現れる岩長姫だが、実は大蛇の化身だった。毒酒とも知らずに好物の酒を次々飲み干し、ついには稲田姫をも。そこへ素戔嗚尊が姫と宝剣を取り戻しに現れて……。坂東玉三郎の岩長姫実は八岐大蛇、中村梅枝の稲田姫、尾上菊之助の素戔嗚尊。文:五十川晶子歌舞伎座『十二月大歌舞伎』2020年12月1日(火)~2020年12月26日(土)会場:東京・歌舞伎座※坂東玉三郎新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者と認定されたため、12月1日(火)~7日(月)は下記の配役にて上演。【第四部】『日本振袖始』12月1日(火)~7日(月)岩長姫実は八岐大蛇尾上 菊之助素盞嗚尊坂東彦三郎12月9日(水)~26日(土)岩長姫実は八岐大蛇坂東玉三郎素盞嗚尊尾上菊之助
2020年12月01日12月25日公開の映画『劇場版ポケットモンスター ココ』の公開アフレコイベントが28日、都内で行われ、上白石萌歌、中村勘九郎、山寺宏一、中川翔子が出席した。本作は、1998年の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から始まって今年で23作目を迎えるポケモン映画の最新作。今回は森を舞台に、人間の少年・ココと、ココを育てたポケモン・ザルードの親子の愛と絆を描く。ポケモンに育てられた少年のココに上白石萌歌、森でココを見つけ育てた幻のポケモン・ザルードに中村勘九郎が挑み、今年で連続出演23年目を迎える山寺宏一、さらに女性研究員・カレン役に今年で13作目の出演となる中川翔子のポケモン映画レジェンドも参戦する。ココ役の上白石は「男の子をできるというのはアニメーションの特徴の一つで、自分とかけ離れた存在を演じなければいけないと思いました。でも音響監督の方から『女の子は頭で怒るけど男の子は腹で怒る』と言われ、一回お腹で怒ろうと思って重心を下げたり膝を曲げていつでも動けるココと同じ態勢で声を吹き込みました。男の子の声に聞こえていればいいなと思います」とやりきった様子。その上白石扮するココを育てたポケモン・ザルード役の中村は、本作で声優初挑戦だといい、「初めてでとても緊張しましたが、ものすごく楽しかったという感想ですね」と満足げで、「子どもたちにすぐ報告しました。すごく喜んでくれました」と笑顔を見せた。主人公のココと"君に伝えたい"という本作のキャッチコピーにちなみ、「伝えたい私のココだけマル秘情報は?」というMCの質問に「今年は色々と当たり前だったことがそうじゃなくて大変なことになり、お仕事が全部なくなった時があって、その時に激太りになりました」とコロナ太りになったという中川だが、「でもウオーキングとご飯やゲームに夢中になって5kg痩せました」とダイエットに成功したと報告。一方の上白石は「今、部屋が散らかっているんですよ。部屋がキレイそうとか、私たち姉妹は整理整頓してそうとか言われるんですが、全然片付けられないんです(笑)」と告白。続けて「ぶっちゃけると私は(血液型が)A型なんですが、片付けが得意じゃなくてどうしたら上手になれるのか教えてください」と辺りを見回すと、中川から「オタクも(物が)かさばるので散らかっています」と言われて安堵した表情を浮かべていた。映画『劇場版ポケットモンスター ココ』は、12月25日より全国公開。
2020年11月30日歌舞伎役者の中村勘九郎が都内で取材に応じ、歌舞伎座『十二月大歌舞伎』(12月1日開幕)への意気込みを語った。勘九郎が出演するのは、第三部『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』。夫婦の絆と深い情愛が、奇跡を巻き起こす義太夫狂言の名作で、勘九郎は実直な夫で絵師・浮世又平を演じる。――緊急事態宣言が解除されて以降、8月第二部『棒しばり』、10月第二部『双蝶々曲輪日記 角力場』に続く歌舞伎座出演となりますが、現在の心情を教えてください。8月から大規模な公演を毎日行っているにも関わらず、(新型コロナウイルスの)感染者が1人も出ていないですし、歌舞伎役者の意識の高さ、関係者の皆さまの注意力というものは本当に誇らしいです。徹底した感染予防対策は、お客様に安心・安全に観ていただくため。これから寒さも厳しくなりますが、より一層気持ちを引き締めて、この状況を続けていくことが、未来の歌舞伎につながることと信じてやっていきたいです。――又平の女房・おとくを演じるのは市川猿之助さん。そもそも『傾城反魂香』は平成20年1月に浅草公会堂で上演された演目で、おふたりは当時勘太郎、亀治郎として同じ夫婦役を演じていました。浅草時代には本当にいろんな役を演じ、修行させていただきましたし、それが今につながっています。(「傾城反魂香」での共演は)もう12年前になりますが、毎日楽しかったのを思い出しますね。お互いに名前が変わってから、また上演できるのは、とてもうれしいこと。それに『傾城反魂香』はファンタジー要素が強く、子どもの頃から大好きな芝居。非日常と言いますか、摩訶不思議な世界に入り込むのが、古典のもつパワーなんだなと思いますね。――稽古も普段通りとはいかないと思いますが……。猿之助さんとはまだ顔を合わせての稽古が全然できていませんし、感染リスクを下げるため、稽古自体も2回ですからね。スタッフ、役者が一丸となって「これで完成させなければ」という集中力でやっている感じですね。猿之助さんは、やっぱり熱いんですよ!秘めたるパワーと爆発力、それに魅せる力。安心感もありますし、目指す方向性が同じ役者と芝居できるのは、やっぱり楽しいことなんだと。――猿之助さんはドラマ『半沢直樹』でも注目を浴びました。これ言っていいのかわからないけど、(今回の共演が決まって)すぐにLINEが来てですね。「うれしいDEATH」って(笑)。普段でも使っているんだと。すごくかわいい人だなって、改めて。――改めて2020年は歌舞伎をはじめ、エンタテインメントにとって波乱の1年となりました。病気(感染症)で歌舞伎が上演されなかったって、歴史上初めてじゃないですかね。だから悔しいですし、これで負けてたまるかと。病気は治せないですが、皆さんの心を癒すのがエンタテインメントなわけで、やはり「必要なものなんだ」と思っていただける説得力を発信しなければいけないと思っています。諦めたり、怠ったり、くじけてしまったら、終わりですからね。8月はイヤホンガイドもなかったですし、筋書きも売り出せなかった。今は、観劇ならではの楽しみも徐々に戻りつつあるので、情勢を見つめながら、柔軟に進んでいければと思います。その上で“慣れ”が一番怖いものですし、安心・安全にご覧いただくことをモットーですから。――コロナ禍では上演時間にも制限がありますが。ピンチはチャンスじゃないですけど、お客様に楽しんでいただくために、想像し、知恵を絞りだすことこそが、歌舞伎なんじゃないかなと。先輩方が築き上げた、従来の優れた演出があるからこそ、わたしたちが名作を名作として上演できる。そのなかで“工夫”もし続けないといけないなと。『傾城反魂香』についても、今、案を練っているところです。先日亡くなった上方歌舞伎の第一人者で人間国宝、文化勲章受章者の坂田藤十郎氏については「楽屋にご挨拶に伺ったときに感じたオーラと温かさを今も思い出します。とにかくかっこいい方で、本当にスターなんだなと」と振り返り、「あの湧き上がってくる感情や迫力は……、到底かなわないと言えば、それで終わりで(ご本人も)望んでいらっしゃらないと思うので、目指して信じてやっていかなければ」と背筋を伸ばす。「夫婦愛と奇跡。壁にぶつかった者がそれを乗り越えて、先には明るい未来が待っている…。今の日本、そして世界を表しているような作品なので、ぜひ目に止めにご来場いただければ」と力強くアピールしていた。取材・撮影・文:内田涼歌舞伎座『十二月大歌舞伎』第一部(11:00~)『弥生の花浅草祭』出演:片岡愛之助 / 尾上松也第二部(13:30~)『心中月夜星野屋』出演:中村七之助 / 市川中車 / 他第三部(16:00~)『傾城反魂香』出演:市川猿之助 / 中村勘九郎 / 他第四部(19:15~)『日本振袖始』出演:坂東玉三郎 / 尾上菊之助 / 他2020年12月1日(火)~2020年12月26日(土)会場:東京・歌舞伎座
2020年11月17日上白石萌歌、山寺宏一、中川翔子らが特別出演、今年で23作目となるポケモン映画『劇場版ポケットモンスター ココ』より、Beverlyが歌うオープニングテーマを使用した最新映像が公開中だ。森を舞台に、ポケモンに育てられた少年・ココと、ココを育てたポケモン・ザルードの親子愛を描く本作。そしてシリーズ初の試みとして、岡崎体育が劇中のテーマソング全6曲をプロデュース。トータス松本や木村カエラなど豪華な顔ぶれが話題となっている中、先日公開されたのは、フィリピン出身のシンガーソングライターBeverlyさんが歌うオープニングテーマ「ココ」を使用した予告編。のびやかな歌声と共に、ツルを使って自由自在に飛び回るココとザルードの疾走感のある映像が展開。また、トータス松本さんが歌うメインテーマ「ふしぎなふしぎな生きもの」が流れる、親子の絆を感じる特報映像も同時に公開されている。そして、『言の葉の庭』(新海誠監督)のポスターアートをはじめ、数々の映画の劇中絵画でイラストを手掛けてきた四宮義俊が、『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』と『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』以来3度目、2年ぶりにポケモン映画のスペシャルアートを披露。ジャングルの中でココが物憂げな表情を浮かべ、繊細な色使いが目を引くこのスペシャルアートについてココ役の上白石さんは「額縁に飾って、一生眺めていたいくらいの芸術作品だなと思います」と言い、ザルード役の中村勘九郎は「この美しい世界で、ココの表情を見ると、父ちゃんザルードとしては後ろから抱きしめてあげたくなりますね」とコメントしている。『劇場版ポケットモンスター ココ』は12月25日(金)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:劇場版ポケットモンスター ココ 2020年12月25日より全国東宝系にて公開©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon©2020 ピカチュウプロジェクト
2020年11月16日十月大歌舞伎が初日を迎えた。八月、九月とイレギュラーな形とはいえ、初日から楽日までほぼ無事に上演してきた歌舞伎座。今月も同じスタイルで幕を開ける。第一から第四部までの四部制で、それぞれ劇場の表も裏もその都度総入れ替えで、万全の準備をしての上演だ。そして今月も秋らしくじっくりと楽しめるお芝居に、心浮き立つ舞踊とバラエティに配慮した狂言建てとなっている。第一部は『京人形』。日光東照宮の眠り猫で有名な左甚五郎のエピソードを盛り込んだユニークな舞踊劇だ。この甚五郎が廓で見染めた小車太夫に生き写しの人形を彫ると、不思議なことに人形は動き出して……。中村芝翫の左甚五郎、市川門之助の女房おとく、中村七之助が京人形の精を演じる。第二部は『角力場』。義太夫狂言の『双蝶々曲輪日記』の二段目に当たる。大坂堀江の角力小屋では、人気の濡髪長五郎と素人力士出身の放駒長吉の取り組みが始まろうとしている。しかし放駒が濡髪に勝ってしまうという大番狂わせが起こる。実は濡髪はわざと勝ちを譲ったのだった。放駒は真剣に勝負しなかったことを怒り……。風格ある濡髪と若くて元気な放駒という対照的な二人の取組、達引が描かれるのが魅力だ。松本白鸚が濡髪、市川高麗蔵が藤屋吾妻、中村勘九郎が山崎屋与五郎と放駒の二役。第三部『梶原平三誉石切』。梶原平三景時ら平家方の武将たちが鶴ケ丘八幡宮に参詣でやってくる。そこへ源氏方の六郎太夫と娘の梢が刀を買ってもらおうと訪れる。刀の目利きでもある景時は、二人の罪人を重ねて斬る「二つ胴」で刀の真価を試すことにするのだが……。義太夫狂言の時代物、かつ上演されることの多い人気演目だ。知勇に優れる捌き役の梶原平三景時に片岡仁左衛門、六郎太夫娘梢に片岡孝太郎、大庭三郎景親に坂東彌十郎、青貝六郎太夫に中村歌六。第四部は『口上』『楊貴妃』。坂東玉三郎の挨拶に続いて、映像と舞踊公演の企画解説がある。唐の時代、玄宗皇帝は絶世の美女・楊貴妃を寵愛する。次第に政治をおろそかにするようになり、国は傾いてしまう。原因は寵姫にあり、と周囲の者たちにより楊貴妃は命を奪われるのだが……。夢枕獏が玉三郎に書き下ろした作品だ。京劇の女方の手法と、能楽、歌舞伎を融合させた、この世のものとは思えない美しい舞台を堪能したい。歌舞伎座『十月大歌舞伎』10月2日(金)~27日(火)第一部11:00~第二部13:30~第三部16:20~第四部19:30~※10月8日(木)・19日(月)は休演文・五十川晶子
2020年10月02日9月27 日(日)に浅草寺 五重塔 特設舞台にて、中村勘九郎 中村七之助歌舞伎生配信特別公演が開催されることが決定した。【チケット情報はこちら】中村勘九郎、中村七之助を中心に、中村勘太郎、中村長三郎、中村鶴松も加わり東京・浅草の浅草公会堂の舞台から歌舞伎を無観客ライブ配信する同公演。中村勘九郎、中村七之助による『連獅子』を浅草寺 五重塔 特設舞台にて披露する。チケットは9月11日(金)10時より発売。■中村勘九郎 中村七之助歌舞伎生配信特別公演9月27日(日)19 時 配信※見逃し配信10月4日(日)24時まで (期間内は何度でも視聴可)野外特設舞台のため、雨天の場合は中止いたします。当日9月27日(日)17 時に開催か中止かを決定いたします。中止の場合は、10月31日(土)19 時配信に、日程変更いたします。料金: 3,500 円(消費税込み)
2020年09月10日女優の中村アンが出演するアンダーアーマー新ブランドムービー「THE ONLY WAY IS THROUGH. 前へー中村アン」が、28日に公開された。今年4月からアンダーアーマーのブランドアンバサダーを務めている中村。2020年ブランドメッセージ「THE ONLY WAY IS THROUGH. 前へ」は目標達成のために努力を続ける人々の精神・宣言を表現し、“究極の美ボディ”を追い求め、キープし続ける姿を捉えた。今回の新ブランドムービーでは、中村がトレーニングに打ち込む姿勢と意志にフォーカス。常に変わり続ける環境下でも揺るがず、自分らしくありのままに進む中村の姿を通じて、「一歩が踏み出せない」という女性たちを勇気づけ、スポーツに対する壁が少しずつなくなっていくことを目指している。「トレーニングも仕事も人生全体的に挑戦し続ける。恐怖に勝って、前に進む姿勢はすごく共感できます」と語る中村。「ANNE’S STORY」ムービーでは、「フィットネスはちょっと怖い、できないかもみたいなのがあるじゃないですか」と問いかけ、「でも、その恐怖の“一歩前”に進むと景色が変わって、波に乗れる瞬間が来る。やっぱりその瞬間が楽しいし、その“恐怖に勝つ”ことはすべてのことに共通していると思います」と力強い言葉を残している。
2020年08月31日