小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日こんにちは、イラストレーターの栗生です。わが家の赤子は1歳1ヶ月。すでに乳児期は終わっていますが、まだ朝晩の授乳は欠かせません。離乳食はしっかり食べているので、現在の赤子にとっての授乳は、食事というより趣味とかコミュニケーションの一環になっているような気がします。今日も「マンマ〜」と甘えた声を出しながら乳を吸っていますが、時折、母の首や脇腹をここぞとばかりにわしづかみしたり、こねくり回したり、はたまたひねり潰したりしてくるのは一体何なのでしょうか。先日、クリエイター系のイベントにブースを出した際、乳児連れのお客さんが立ち寄ってくれたので、気になっていたこの問題について聞いてみたところ、「授乳中、こちらの腕やら乳首やらをつまんだりしてくるけれど、思いっきりつかんでくることはあまりない」とのこと。なるほど。ところで先日Twitterに「抱っこすると、赤ちゃんが喉元を突いてくる」というイラストをアップしたところ、共感のコメントを多数いただきました。喉アタックは、脇腹&乳首わしづかみ攻撃よりも「赤ちゃんあるある」な攻撃なのかもしれません。なぜそこを執拗に突いてくるのか、機会があれば当人(赤ちゃん)に問うてみたいものですが、話ができるようになる頃には、きっとそんなこと忘れているでしょう。私としては胎内記憶よりも聞いてみたいことなのですが。今日のカルタ「のどを狙う」
2016年03月23日こんにちは、イラストレーターの栗生です。皆さんは赤ちゃんの寝かしつけ、どうやっていますか? わが家では、部屋を暗くして抱っこでゆらゆらするか、目を閉じて眠そうにぐずっていたら添え乳をして、そのまま寝落ちを狙うというスタイルが多いです。なかなか寝つかなかったり、すぐに起きてしまったりする時期もありましたが、今はたいていこのどちらかの方法で夢の中へと旅立ってくれます。しかし、子の寝かしつけのために快適な温度に保たれた部屋は、当然親の寝かしつけにも最高の環境。暗くて静かで、横には絶妙な温かさの柔らかな赤子がくっついていて…。こんな天国のような状況から寝落ちせずに生還するなんて、鋼の精神力を持ってしても無理でありましょう。私はこの天国を満喫したいために、そのまま子どもと一緒に寝てしまうことが多いのですが、ある晩ふと目が覚めて横を見ると、顔をこちらに向けてガン見している赤子と目が合いまして…。思わず「ウワッ」と叫んでしまいましたね。赤子、お前だったのか。私が寝入るのを見守っていてくれたのは…。今日のカルタ「寝る親を見守る」
2016年03月16日楽天銀行は3月8日、東京理科大学と「楽天銀行教育ローン」の提携を開始したと発表した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」では、提携大学に優遇金利を設定。このたび、新たに東京理科大学または諏訪東京理科大学が提携校となり、両校に入学を予定している人もしくは在校生は優遇金利の対象となる。なお提携は、東京理科大学で23校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、9日現在、固定で年3.90%、変動で年3.277%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年03月11日こんにちは、イラストレーターの栗生です。だんだん暖かくなってきて、日中の外出が楽しい季節になってきましたね(スギ林方面から飛んでくる黄色い粉さえなければ、もっと楽しいのですが…)。わが家の赤子は外で過ごすのが好きらしく、保育園のお散歩で公園に行くと、ハイハイで芝生の上を走り回るそうです。広い公園は気持ちがいいものですが、赤ちゃんが好きなのはどちらかというと狭い場所だったりします。家の中でも、30cm四方のおもちゃ箱からおもちゃを投げ出して自分がきっちり収まっていたり、カーテンの陰に隠れたり、家具の隙間に入り込んで棚の中身をぶちまけたりしている姿がよく目撃されています。移動の際も、以前は(なぜだか)ベビーゲートと壁の隙間を通ろうとして挟まり、泣いているということがあったのですが、最近は熟練の域に達した高這い(タカバイ。お尻を高く上げて這うこと)で、椅子の足を華麗に避けつつテーブルの下を移動し、意外な場所から出てきては目的地まで一直線。一家でもっとも無駄のない動線を描けるのは、おそらく赤子でありましょう。今日のカルタ「抜け道を見つけた」
2016年03月09日「ママ、一緒に遊んで~」「ママ、これやって~」という、子どもからのリクエスト。時間があれば、いつも子ども応えてあげたいのですが、きょうだいがいる場合は下の子の面倒を見たり、夕飯の支度や掃除など家事をしなければならなかったり、正直いつも一緒に遊んであげるのは難しいですよね。できれば少しの間でも、子どもに1人遊びをして欲しいというのがお母さんの本音かもしれません。そこで今回は、子どもに1人遊びをどうさせればいいのか、1人遊びを習慣づけるためのポイントをご紹介します。年齢は何歳からでも一般的に子どもが1人遊びをできるようになるのは、何かに集中できるようになる生後2~3ヶ月からと言われています。ただし、もちろん個人差はありますし、その時期を逃したからと言って、大きくなってから1人遊びができないというわけではありません。子どもに1人遊びを習慣づけるのは、何歳からでも可能です。五感を刺激する遊びをさせよう赤ちゃんの頃は、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」といった五感を刺激するもので遊ばせると集中して遊ぶと言われていますが、もちろん年齢が大きくなってもそれは変わりません。どの年齢の子どもでも五感を刺激する遊びをさせれば、かなり集中して遊んでくれます。乳幼児や幼児であれば、何かゆらゆらと揺れる物、ぬいぐるみや積み木などシンプルな玩具を好んで遊びます。3~4歳以上の子どもには、パズルやレゴなどがおすすめです。1人遊びをしながら、ひらめきや想像力も発達することでしょう。短時間でも集中できる、五感を刺激する遊びをさせることが、1人遊びの習慣をつけるキーポイントのひとつです。ただし、タブレットや携帯電話で動画を見て子どもがおとなしくしているのは、1人遊びには入らないので、あしからず。毎日少しずつ1人遊びを習慣づけてみる子どもは時間の感覚がわかりません。毎日規則正しい生活をすることで、生活のリズムが作られていきます。初めから1人遊びができないのはあたりまえです。まずは、毎日少しずつ一人遊びをさせることを習慣づけることから始めてみましょう。たとえば、朝10:00~10:30までは1人遊びの時間にできるよう1日5分から始めてみる、といった具合です。うまくいったら徐々に時間を長くして、ママのために使える時間を作っていくとよいでしょう。邪魔をしないで1人で遊ばせる1人遊びに慣れていない子どもに1人遊びを習慣づけようとするとき、一緒に遊びにつき合いながら「黄色い車だけを集めてみようか?」「この花は●●という名前なのよ」など、何かを子どもに教えようとする人がいますが、1人遊びを教える過程では、できるだけ何かを教えることはやめましょう。とにかく、邪魔をしないで温かく1人遊びを見守り、「邪魔をしない」。これが子どもに1人遊びをさせるゴールデンルールです。子どもの性格や年齢によって、1人遊びの内容もスタイルも変わってくるでしょう。どんな子どもでも1人遊びは想像力や集中力を高めるだけではなく、自身自分と向き合える大切な時間です。この機会に、お子さんに1人遊びデビューをさせてみてはいかがでしょうか?(徳武加奈子)
2016年03月09日赤ちゃんは生まれて6ヵ月~10ヵ月頃になると、ハイハイをする準備を始めます。この頃になると、腹ばいにしたときに首を持ち上げてきますので、そうしたら背中の筋肉の力を高める訓練を始めることで、姿勢良く育っていきます。赤ちゃんの背中の筋肉を鍛えよう赤ちゃんが生後6ヵ月~10ヵ月にさしかかり、腹ばいにしたときに首を持ち上げられるようになったら、背中を反らす訓練をして、背中の筋肉を鍛えてあげましょう。背中の筋肉が弱いと、成長してから背骨が曲がって姿勢が悪くなったり、すぐに疲れてしまったり、物を長い時間持っていられないなど、体力の低下にもつながってしまいます。背中を反らすことで背中の筋肉を鍛えるためには、赤ちゃんが腹ばいになった状態で訓練を始めます。まず、赤ちゃんが腹ばいになったところで背中から手を回し、両手を軽くつかんで左右に伸ばしてあげてください。両手を伸ばしてあげると、赤ちゃんは自分から体を起こして背中を反らそうとします。これを2回~3回繰り返すだけです。これだけで、赤ちゃんの背中の筋肉を十分鍛えることができます。この訓練はあまり長くやり過ぎてはいけません。赤ちゃんが疲れてしまうからです。背中を反らす時間は長くても10秒ほどにして、それを2回~3回、毎日行えばそれで十分です。また、赤ちゃんが腹ばいになっている状態で、脇の下を両手でサポートしたまま空中にそっと持ち上げてあげると、赤ちゃんは宇宙遊泳でもしているかのように一生懸命身を反らそうとします。これも赤ちゃんにとっては楽しい経験になると共に、背中の筋肉を鍛える、よい運動になります。背中の筋肉の力が弱いと姿勢が悪くなる最近の子どもたちを見ていると、学校の朝礼で最後まで立っていられずしゃがみ込んでしまう子どもや、街角でしゃがみ込む首を丸めている高校生などをよく目にします。最近流行っているスタイルなのかもしれませんが、こういった悪い姿勢が流行る背景の1つには、子どもたちの背中の筋肉が発達していないということが挙げられます。赤ちゃんの頃から適切に背中の筋肉を鍛えて、正しい姿勢と健康な体を持つようにしてあげたいものです。(子育ての達人)
2016年03月02日こんにちは、イラストレーターの栗生です。幼稚園や保育園に通う子どもがいると、朝は特に忙しいですよね。わが家の子どもたちは別々の保育園に通っていて、上の子と夫は一足早く先に家を出、私と下の子は少し後に出て行きます。朝のバタバタを終えて、保育園の荷物も持った、上着も着せた、さあ出かけよう…というときにふと漂う、ほのかな、しかし確実に赤子の下半身から発せられた系の、色で言えば黄色~茶系の…まあ、平たく言えばうんちのにおいがする…ええ、よくあることですよね。出がけのアウトプット。それでオムツをいそいそと替えまして、さて、と抱っこ紐に入れたところでまた香ってくる2回目の茶系臭…。私は家で仕事をしているので、保育園への出発前にモタモタしていてもそれほど致命傷にはならないのですが、お勤めの親御さん方におかれましては、出発時刻ギリギリのハプニングは大変ツラいものがあろうかと思います。皆さん、本当にお疲れさまです。今日のカルタ「二度あることは三度ある」
2016年03月02日前編 では赤ちゃんの足裏への刺激不足がさまざまな弊害をもたらすことを紹介しました。後編では、足裏への刺激以外で赤ちゃんの脚をすこやかに発達させるために大切なことをご紹介します。おむつにも注意を払おう赤ちゃんが歩くとき以外にも注意すべきことがあります。赤ちゃんを寝かせるときに、寒いのではないかとたくさん布団をかけるお母さんを時折見かけますが、これもよくありません。赤ちゃんは睡眠中も活発に四肢を動かしており、布団が重いとこうした運動が妨害されてしまいます。結果、赤ちゃんは運動不足になり、四肢の筋肉の発達に遅れが出かねないのです。また、赤ちゃんに使うおむつですが、最近はほとんど見かけなくなりましたが、昔(昭和初期頃)日本でよく使われていた腰巻きタイプのおむつは、あまりよくありません。というのも、腰巻きタイプのおむつは膝の下から脚まで布を巻き付ける形で利用するため、赤ちゃんの股関節に悪い影響を与えるからです。こうした、腰に巻き付ける形のおむつは、脚の骨を弱めてしまうだけでなく、運動をやりにくくするだけでなく均整の取れた筋肉の発達を阻害し、結果としてまだ柔らかい状態の赤ちゃんの脚関節を曲げてしまいます。カルシウム不足でさらに刺激が伝わらなくなる成長してからガニ股になってしまうのにはもうひとつ、体内のカルシウムが不足しがちであるという原因もあげられます。ある研究では、日本の子どもは摂取が推奨される量の半分程度しかカルシウムを摂取していないと言われています。そのほか、さまざま調査データを見ても、日本の赤ちゃんはアメリカなどに比べてカルシウムが足りなくなっていることが多いのです。カルシウムはご存じの通り骨を形成するためになくてはならない栄養素ですが、それ以外にも神経における刺激の伝達を早めたり、反射行動の速度を上げたりするために必要になってくる栄養素です。また、カルシウム不足はいらつきや攻撃性の上昇を招き、赤ちゃんの場合には夜なかなか寝つかなかったり夜泣きをしたりするといったことの原因になることもあります。なぜ日本の子どもはカルシウム不足になりがちなのか日本の赤ちゃんや子どもがカルシウム摂取不足になりがちなのには、実は理由があります。それは、欧米の子どもに比べて離乳した後に牛乳を飲まないからです。昔はそれでも骨の多い小魚などを食べることでカルシウム不足が補われていた側面がありましたが、最近では小魚を食べさせる家庭が減っています。お魚そのものを食べない家庭が増えただけでなく、食べるとしても料理に手間がかからない切り身しか使わないという傾向が出てきているためでしょう。子どもの頃にこういった食習慣をつけると、大きくなっても小魚を食べないように育ちます。最近の子どもが30年前の子どもに比べて約2倍も骨折しやすくなっているというのはこうした食習慣の変化によるものと思われます。丈夫な骨を作っていくためには、カルシウム以外にビタミンDといった栄養素が必要ですし、日光浴などで紫外線を適度に浴びることも大事になってきます。丈夫な骨を作るためのカルシウム、ビタミンD、日光浴の関係については、下記の記事に詳しく解説されていますので参考にしてください。・ 牛乳をたくさん飲んでいるのに骨の弱い現代っ子 足の裏の適当な刺激と共に、必要な栄養素も適切に摂るように気をつけることが重要です。(子育ての達人)
2016年03月01日赤ちゃんの頃に足裏で感じる刺激が不足すると、成長してからいろいろな問題が起こってくると言われています。どんな問題が起きてしまうのかチェックするとともに、予防策を見ていきましょう。O脚やX脚は足裏への刺激不足が原因?最近、若い人の足を見るとすらっとした見栄えのいい足の形をしている人が増えてきていますが、中にはいわゆるO脚(立ったときにひざが外側に開く)やX脚(ひざ同士がくっついてこすれる状態)になっている人もまだ見受けられます。このように、大きくなってからO脚やX脚になってしまうのは、赤ちゃんの頃に受けておくべき足の刺激が不足していたからと考える専門家もいます。赤ちゃんは初めて歩き出す頃、大人のようにつま先をまっすぐにしてスタスタ歩いたりはしません。体の外側に向かって両足を開いて、よちよち歩きをします。このとき注意して観察すると、両足の指を全部しっかりと開き、床を踏みしめているのがわかるかと思います。こうすることで、赤ちゃんは頑張ってバランスを取ろうとしているのです。室内で赤ちゃんに靴下は履かせなくてよいそんなふうにして足の使い方を覚えようとしている赤ちゃんに対して、冬だからと靴下を履かせたり、すぐ大きくなるからと足の大きさに合わない靴を履かせたりしてはいないでしょうか?こういった状態では、赤ちゃんの足にかかる力が普通と違う状態になってしまい、膝関節にかかる力がおかしくなってしまいます。これが、成長してからO脚やX脚になってしまう原因の1つと考えられています。そればかりか、足が滑ってしまうためにガニ股になってしまったり、歩きにくいせいであまり歩かないという結果をもたらしたりしかねません。また、多少寒くても靴下は履かせず、また、靴を履かせる際にはきちんと赤ちゃんの足に合ったものを履かせてあげてください。赤ちゃんは足裏から体温を逃して、体温が上がりすぎないよう体温調整をしています。このため、少し寒いからといって靴下をたくさん履かせてしまうと、体温が上がりすぎてしまいかねないのです。赤ちゃんの足裏にいい刺激を与え、将来美しい脚になって欲しいと思うのであれば、赤ちゃんを砂場で遊ばせるとよいでしょう。そしてそのときには、靴も靴下もなしで裸足で遊ばせてあげてください。砂の上で裸足で遊ぶことで、指でくずれやすい砂を踏みしめることになりますから、足の指を活発に動かすことにつながります。これは、最近問題になっている子どもの偏平足(へんぺいそく=足裏の土踏まず部分のアーチが何らかの原因によって失われてしまうこと)の防止になります。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年03月01日前編 では、赤ちゃんが1人でおすわりできるようになったタイミングで視覚と聴覚の両方を鍛えることの大切さを紹介しました。後編では、さらに具体的な遊びの事例を紹介しましょう。赤ちゃんは、楽しみながら物事を学んでいきます赤ちゃん本人は視覚や聴覚のトレーニングを楽しい遊びとして捉えるため、ただ寝ているよりも「おすわりをして、またその楽しいことをしたい」という意欲が出て、おすわりをさせてくれるよう、おねだりをするようになってきます。こうなってきたら、楽しく脳のトレーニングを積んでもらって、役に立つ刺激をたくさん吸収してもらいましょう。なお、トレーニングと書きましたが、赤ちゃん側からすると楽しくて仕方ない状態ですので「遊び」と認識していると考えられます。「無理にトレーニングさせる」というのではなく、遊びたいので遊ばせてあげる、という意味と捉えてください。さて、赤ちゃんが意欲を見せ始めたら、ガラガラ(ラトル)や小さなボールなどを渡してみましょう。赤ちゃんの目の前に出してあげると、赤ちゃんは両手を出してそれをつかむ動作をするでしょう。初めのうちは両手でしかつかめませんが、ほどなく、両方の手で別々の物を1つずつつかむことができるようになってきます。赤ちゃんが物を下に落とす理由生後8ヵ月目に入ると、赤ちゃんは手に持った物を下に落とすことに楽しみを見出し始めます。最初は、ただ偶然取ろうとしたら落としてしまっただけなのですが、手から離れた物が転がったり音を出したりするのを見て、それが楽しくなってしまうのです。大人からすると、何が楽しいのかと思うかもしれませんが、赤ちゃんからすれば初体験ですので、楽しくて仕方ありません。楽しくて仕方ないため、偶然ではなく、そのうちに手に持った物を意図的に下に落とし始めますし、ほどなく下に投げ出すようになります。とはいえ、横方向に放り投げることはまだできません。横方向の放り投げができるのは生後12ヵ月を過ぎたぐらいになるでしょう。このように、自分で興味深い物事を見つけ、それを自分でもう一度やってみようという行動をしているわけですから、これはかなり脳が鍛えられて発達してきたということを表しています。赤ちゃんの興味がありそうな物を渡すということを、お母さん・お父さんがはじめに実施した結果、赤ちゃんに知恵がついてきたとも言えます。なお、まだハイハイができないうちは、赤ちゃんは取り落としてしまった物を自分で取りに行くことができません。そんなときにはママやパパが拾って、また渡してあげるとよいでしょう。赤ちゃんは喜んで、繰り返し物を落としては楽しんでくれると思います。(子育ての達人)
2016年02月29日生まれてから半年ぐらい経つと、赤ちゃんは自分1人でおすわりすることができるようになってきます。おすわりができるようになると赤ちゃんに入ってくる情報は格段に増え、脳を鍛えるのに絶好の機会がやってきます。おすわりをすることで、視点が平面から立体へと変化する赤ちゃんが1人でお座りができるようになると、それまではあおむけの状態や腹ばいの状態からの視点、つまり、どちらかというと平面的な視点だったのが、高さや奥行きといった立体的な視点でものを見ることができるようになります。赤ちゃんは、この平面から立体への視点の変化によって、脳に大きな刺激を受けることになります。このため、この時期は赤ちゃんの脳をより高度に訓練するいい機会だと言えるのです。赤ちゃんの首がすわってくる生後5ヵ月頃は、赤ちゃんの視力も少し上がっておおよそ2mほど先までを見ることができるようになっています。また、50cm程度の距離であれば図形を識別できるようになりますし、動いているものについてもかなりのスピードの物まで目で追うことができるようになってきます。視覚と聴覚の両方に刺激を与えましょう座っている赤ちゃんの前で、中に鈴が入っているボールなどを赤ちゃんの目の高さから下に落とすと、赤ちゃんは音を立てながら転がるボールを一心不乱に目で追います。ボールの転がっていく方向に体を乗り出したり、手を伸ばしたりすることもあります。続いて、赤ちゃんの顔の斜め上あたりでボールを振って音を立て、そのまま下に落としてみましょう。赤ちゃんが顔を上げて上を向き、ボールが転がっていった先を探すようなそぶりを見せたら、しめたものです。次はベビーベッドの外側の、少し遠くのところにボールを転がしてみてください。こうしたトレーニングをする際には、視覚だけ、あるいは聴覚だけの刺激ではなく、その両方が合わさった刺激を与えるようにします。どちらか一方だけの刺激よりも効果が上がりますし、視覚を司る神経の回路と聴覚の回路とのリンクが、より正確に鍛えられます。中に鈴が入ったボールを使うのはこういった理由からです。ボール遊びのほかに、いないいないばあも、この時期の赤ちゃんの脳を訓練するのに有効です。いないいないばあをしてみせたり、物陰に隠れて声だけで赤ちゃんに呼びかけたりしてみてください。赤ちゃんは声のする方向を目で探しますが、目当ての人がいないので、いぶかるような様子を見せると思います。そこで声をかけた人が姿を現すと、大喜びしてくれるはずです。こういった遊びは、赤ちゃんの空間の認識力や距離感覚を鍛えるのに役に立ちます。また、だんだんと視界を広くし、目で見える距離を広げていくことにも効果的です。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年02月29日こんにちは、イラストレーターの栗生です。このところ赤子の夜泣きが本格化してきてしまい、なかなか眠れない夜を過ごしております。夜泣きのスタートは「メンメンメ~(たぶんマンマと言っている)」と甘えたような泣き声なのですが、その後徐々に声が大きくなり、こちらが起き上がれないでいると、「ア゛ー! メンメー!!!」と声を限りに泣き叫びます。その上、抱っこであやそうとすると「もう遅いわ!」とばかりに、そっくり返ってお怒りになるのです。赤ちゃんの泣き方って成長にともなって、甘え泣き、怒り泣き、本気泣き…と、バリエーションが出てきますよね。しかも、泣き方にはそれぞれ個性が光ります。わが家の赤子は怒ると「タイタイタイ!」と言いながら泣くもので、本人には気の毒ですが、おもしろくてつい笑ってしまいます。そういえば最近、「赤ちゃんの夜泣きは、一度放置しておけば以後しなくなる」という説を見かけました。でも個人的には、放っておくのは音量的にも心情的にも、ちょっと難しいものがあります。…という具合に保育園の連絡帳に睡眠の悩みを書き連ねていたら、保育士の先生がうまく寝かせるコツを伝授してくれました。赤子も大人も安らかに眠れるよう、今夜も試行錯誤です。今日のカルタ「泣くのが仕事」
2016年02月24日こんにちは、イラストレーターの栗生です。2月も半ばを過ぎ、寒さの中にもそこはかとなく春の気配が感じられるようになってきました。私は寒がりなのでタイツに靴下とレッグウォーマーをオンした防寒スタイルで過ごしていますが、赤子のほうは移動中に靴下が神隠しにあう事件があまりに多いので、少しの距離であれば裸足のまま移動しています。そんな時に思い出すのが、知人が遭遇した「赤ちゃん、足が冷えてるわよ〜。かわいそう〜」と通りすがりにアドバイスしてくれる見知らぬ人のこと。そういえば赤ちゃんを連れていると、1人のときよりも断然話しかけられる回数が多い気がします。たとえば、抱っこ紐で長女を抱っこしてスーパーで買い物中、「それ(抱っこ紐)、最近みんなしてるけど大丈夫なの? おんぶのほうがいいんじゃない?」と、突然年配の女性(もちろん初対面)に心配されるというケース。話しかけてきたご本人としてはきっと以前から気になることだったのでしょうが、突然のことに私も面食らって、「まぁ、大丈夫だと思います…」としか言えず微妙な空気になったことがありました。もちろん疑問や心配だけでなく、「かわいい~」「何ヵ月?」などと言ってもらえることもたくさんあります。声をかけられるとなんだかんだで自分(と子ども)がこの地域で暮らしているんだなぁと強く感じます。今日のカルタ「通りすがりの人に話しかけられる」
2016年02月17日生後半年ぐらいになると、赤ちゃんが急に人見知りをはじめ、知らない人やあまり接点のない人に接すると泣き出すことが増えてきます。しかし、これは赤ちゃんが正常に脳を発達させている結果であり、心配することではありません。人見知りは赤ちゃんの成長の証です赤ちゃんの人見知りは、赤ちゃんの脳が正常に発達してきている証だと言えます。この頃になると赤ちゃんはお母さん、お父さん、よく接する家族などとその他の人の区別がきちんとつくようになるため、こういった行動を取るようになるのです。赤ちゃんが人見知りを始めるのは生後半年ぐらいからが多く、遅くても7ヵ月目までにはたいていの子がし始めます。赤ちゃんが人見知りをし始めたら心配するのではなく、正常に育っているなと安心するようにしたほうがいいでしょう。そうすれば、赤ちゃんが激しく人見知りをしても余裕を持って臨めるはずです。赤ちゃんの人見知りが悪いことのように言われるのは、赤ちゃんに問題があるわけではなく、周囲の大人の考え方に問題があるのです。今までは誰彼なく笑いかけていたのが急に違った反応をされたからといって、それが悪いことのように言われたら赤ちゃんにとっても心外でしょう。人見知りが始まったときに、それをおかしなことのように言う大人がいるのなら、お母さんはむしろ正しい発育ができているから人見知りを始めたのだと、その人に教えてあげるぐらいの心持ちでいたほうが気にせずに切り抜けられるでしょう。生まれたばかりの頃にお母さんとのスキンシップが不足している子どもは、人見知りが始まる時期が遅れるという研究結果もあります。お母さんはむしろ人見知りするようになったことを喜ぶぐらいでいいのです。赤ちゃんは目を見つめられると恐怖を覚えます、注意!とはいえ、激しく人見知りするわが子をみれば、将来社交的になれないのではないか、などと心配になる人がいるかもしれません。しかし、こういった心配はまったく的外れなものです。赤ちゃんの頃の人見知りは始まって2ヵ月から3ヵ月もすれば自然に治まりますし、むしろきちんと発育するためには必要不可欠なものだからです。さて、赤ちゃんの人見知りですが、生まれてからどんなところで育てられてきたかによって個人差が出ます。大勢の人がいる家で育った赤ちゃんは人見知りはそんなに激しくならず、お店をやっていていろんな人が尋ねてくる家の赤ちゃんもそうなりがちです。こういった環境で赤ちゃんを育てる必要がある場合、お母さんはほかの家庭よりもよりいっそう、赤ちゃんとのコミュニケーションをきちんと図ったほうがよいと思われます。というのも、人見知りの薄い子どもは、大きくなってから主体性に欠け、他人の意見に流されやすい性格に育ちかねないからです。流されやすさと社交性の高さは別物なので、その点注意してあげる必要があるでしょう。話題は変わりますが、人見知りの始まった頃の赤ちゃんというのは、他人の顔の中でも目を怖いと感じるようになっています。このため、よく知らない人に目を見つめられると不安になり、恐怖を感じてひどく泣き出すことがあります。赤ちゃんの脳の発達という面から見ると、恐怖を感じるというのはあまりいいことではありません。よく知らない人に凝視されないように、お母さんのほうでそれとなく配慮してあげましょう。(子育ての達人)
2016年02月14日前編 では、赤ちゃんが持つ短期記憶と論理的思考力について説明しました。今回はその続きとして、遊びを通じて赤ちゃんの記憶力と思考力をトレーニングする方法を紹介します。「いないいないばあ」をするなら顔全体を隠そう玩具隠しと同じように、「いないいないばあ」にも赤ちゃんの脳をトレーニングし、記憶力を発達させる効果が見込めます。「いないいないばあ」をされて赤ちゃんが大喜びするのは、自分にとって大事なお母さんが急に消えてしまって不安になったものの、すぐまた見つかって安心することによるものです。繰り返しやっていると、記憶力が育ってくるため、お母さんが「いないいないばあ」をして顔が見えなくなっても、「どこかすぐ近くにいるはずだ」という考え方ができるようになってきます。こうした記憶力のトレーニングという意味では、「いないいないばあ」をするときに目だけを隠すのは意味がありません。赤ちゃんからお母さんの顔が見えなくなり、お母さんが一瞬いなくなったと思わなければ意味がないからです。目は隠れていても顔の全体像が見えていては、赤ちゃんでもお母さんがいなくなったと感じません。このため、記憶力のトレーニングも兼ねるのであれば、「いないいないばあ」をする時にはお母さんの顔全体が隠れるようなかたちで行いましょう。たとえば、赤ちゃんの前に布を垂らしたり、自分の顔の前に新聞紙をもってくる、といったようなやり方をすると簡単にできるでしょう。赤ちゃんの視界からお母さんの顔を一度完全に見えなくするところがポイントです。生後半年もすると、赤ちゃんはようやくお父さんのことを意識できるようになるので、「いないいないばあ」をお父さんがやってもいいでしょう。しかし、この頃になると人見知りが始まる子もいます。このため、あまり頻繁に顔を合わせない人(おじいちゃん、おばあちゃん、親戚の人など)がいきなり「いないいないばあ」をすると怖がってしまい、泣き出してしまうことがありますので注意が必要です。幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておこう「短期的記憶力」というのは、脳科学では「ワーキングメモリシステム」と言われています。例えば、人から用を言われメモするまで覚えておく、買い物で買ってくるものを覚えておく、というような、少しの間だけ覚えておけば後は記憶しておく必要のないことを記憶するシステムです。ワーキングメモリシステムは、日常生活を送るには必須であり、学習のスキルアップにも重要なファクターとなってきます。そのため、できるだけ幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておくことがベターだと言えるでしょう。(子育ての達人)
2016年02月12日生後半年ぐらいになると、赤ちゃんは「いないいないばあ」で大喜びをするようになります。そういう様子を見せ始めたら、玩具遊びを利用して赤ちゃんの記憶力や思考力をトレーニングしてあげましょう。玩具隠しで赤ちゃんの脳を発達させよう赤ちゃんが日頃見慣れている玩具を用意して、それを半分布で覆って隠します。そうして、赤ちゃんが布で覆ったものを玩具であると理解して取ろうとすることができるかチェックしてください。それができることがわかったら、赤ちゃんの目の前で、今度は玩具を布で完全に隠してみます。初めてこれをされたときには、赤ちゃんは玩具が唐突に目の前から消えたので不思議そうなそぶりを見せます。この時点では赤ちゃんは視界から消えたものはないものとしか認識できないので、目の前で隠されたにもかかわらず、布をはいで玩具を見つけるということができないのです。とはいえ、これを何度も繰り返しやってみせると、そのうちに赤ちゃんは布がかぶさっているところに玩具があったことを記憶できるようになり、その記憶に基づいて布を取りのけ、玩具を発見できるようになります。この行動は短期的な記憶力だけでなく、そこに玩具があったのだから布のかげにあるはずだ、という論理的な思考力が芽生えていなければ行うことができません。それだけ赤ちゃんの脳が発達してきているということです。こういった行動は、生後半年から1年ぐらいで行えるようになります。赤ちゃんが理解できること、そうでないこと赤ちゃんが布をはいで玩具を見つけられるようになったら、今度は赤と青といった区別しやすい色合いの布を2枚用意します。そして、片方の布で玩具を隠してしまいます。それから赤ちゃんが見ている前で、玩具を隠した布ともう一方の布の位置をすり替えてみましょう。赤ちゃんは目の前で布をすり替えられても、さらには玩具を隠したほうの布が盛り上がっていても、最初に玩具があったほうの位置にある布を持ち上げます。そして、何もないのにびっくりして、ちょっと残念そうな顔をすると思います。目の前で位置が交換されたのにこういう行動を取ってしまうのは、玩具がもともとあった場所についての短期的な記憶はあるものの、玩具が布ごと場所を移された、ということを理解することができないためです。また、盛り上がった布を見て玩具が隠されていることを理解することもできません。こういった事柄について、赤ちゃんは生後1年~1年3ヵ月ぐらいで理解できるようになります。この頃の赤ちゃんの脳はそこまでの思考力を備えるようになってきているのです。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年02月12日こんにちは、イラストレーターの栗生です。インフルエンザその他の感染症による学級閉鎖や学年閉鎖などのうわさを伝え聞くこの頃、いかがお過ごしでしょうか? かくいう私も集団生活をするわが子たちが感染しないかとビクビクしていたのですが、なんと自分が高熱を出してしまいました。集団生活とは程遠いロンリー在宅労働者なのに、一体なぜ! インフル検査では陰性と出たものの、お医者さんはクロとのお見立て。薬を処方してもらい、とりあえず熱は一晩で下がりました。怖いのは家族に移してしまうことですが、そういう時に限ってなぜか子どもたちがいつもよりもくっついてくるんですよね。上の子は嬉々としてお医者さんごっこを始めるわ、下の赤子はマスクを引っぺがすわ、口に手を突っ込もうとするわ(なんで!?)で、もうやめてくれ! 母さんに触れるなァァ!…と、小さい子どもがいると、隔離されたくてもできないのがつらいですね。今のところ家族には移っていない模様ですが、できる予防は早めに、計画的にやっておくにこしたことはないですね。皆さんもお気をつけください…。今日のカルタ「手をつっこんでくる」
2016年02月10日生まれたばかりの赤ちゃんは、耳はきこえていますが、旋律主体の音楽よりもリズム主体の音楽のほうを理解します。これはリズム主体の音楽がお腹の中にいる間に聞いていたお母さんの鼓動を連想させるからだといわれています。しかし、生後4ヵ月を過ぎるあたりから赤ちゃんは旋律を理解し始めますので、そうなってきたらいわゆる「名曲」の出番です。美しい音楽で眠りにつく条件づけを生後4ヵ月ぐらいになると、赤ちゃんはさまざまな音を聞き分けることができるようになり、またよく接する家族などの声を判別できるようになります。少し離れたところからお母さんが声をかけると、それに反応して首を巡らせ、振り向けるようにもなってきます。ここまで成長してくると、今まで主にリズム主体の音楽に反応していたものが、音楽の旋律にも理解を示すようになってきます。こうなってきたら、クラシックなどのいわゆる「名曲」を利用して脳に刺激を与え、感情の安定をはかれるようになります。この時期から名曲などを使って音楽を聴かせると、音感を訓練することができるほか、美しいものへの感受性を育てることもできます。しかし、せっかく聞かせるのですからただ聞かせてはもったいありません。少し工夫して、目を覚ますときの音楽、おっぱいの時間の音楽、遊ぶ時の音楽、そして眠るときの音楽を決めてみましょう。そうすることで、赤ちゃんはその音楽が鳴り始めると、関連づけられた行動に条件づけた行動を取るようになります。条件づけというと、パブロフの犬のお話のことを思い浮かべる人もいるでしょう。犬に餌を与えるときにベルを鳴らしながら与えていると、しばらくするとベルの音を聞いただけで唾液を分泌するようになるという実験の話です。この時期の赤ちゃんは本能的な行動だけでなく、こうした条件づけによる行動ができるまでに成長しています。そして犬とは違い、音楽を音ではなく曲として理解できるまでになっています。このようにして音楽を用いた条件づけができてくると、赤ちゃんは起きたり寝たりをすんなりとしてくれるようになるという副次効果を得ることもできるのです。赤ちゃんに聴かせたい名曲の例あくまで一例ですが、赤ちゃんの条件づけに適していそうな曲を以下にあげてみます。どれもシンプルかつ美しい旋律の曲ばかりです。●目を覚ますときにおすすめの音楽 ・エリーゼのために (ベートーヴェン) ・春の歌 (メンデルスゾーン) ・眠れる森の美女 (チャイコフスキー) ・水上の音楽 (ヘンデル) ・美しき青きドナウ (ヨハン・シュトラウス)●おっぱいの時間におすすめの音楽 ・フルート協奏曲 (モーツァルト) ・ウィリアム・テル序曲(嵐のあとの静けさ) (ロッシーニ) ・セレナーデ (ドリゴ) ・アルルの女(メヌエット) (ビゼー)●遊ぶときにおすすめの音楽 ・くるみ割り人形 (チャイコフスキー) ・田園交響曲 第四楽章 (ベートーヴェン) ・水の戯れ (ラヴェル)●眠るときにおすすめの音楽 ・子守歌 (ブラームス) ・トロイメライ (シューマン) ・月光の曲 (ベートーヴェン) ・ホフマンの舟歌 (オッフェンバッハ)名曲には、ママの気持ちをリラックスさせる効果も含まれています。親子の大切な時間に、ぜひ名曲も加えてみてください。(子育ての達人)
2016年02月05日みなさん、こんにちは。おかっぱちゃんです。突然ですが、育児中のみなさん、お仕事ってどうされていますか?私の場合でいうと、産前産後、一度もまとまった休みをとらずにここまでやってきた。それがよいのか、悪いのはさておき、うちの場合は共働き。夫は外で汗水たらして、がむしゃらに働いている。ここで夫の仕事を紹介すると、彼は大学卒業後ずっと、小さな銀行の営業でサラリーマンとして働いてきた。わたしのイラストレーターの仕事と比較するとずっと安定しているし、世間からの信用と言ったらすごいもの。銀行員とイラストレーター。完全に庭が違う。友達に夫を紹介すると、どうやって知り合ったのか?とよく聞かれる。もともと高校の同級生だった彼は、学生時代からの親友だった。親友から夫婦になるとは誰も予想していなかったことだけれど、あらゆるチョメチョメ(笑)を介し、10年という親友関係を逸脱し、わたしたちは夫婦になった。「結婚するならワイルドな人が良い」そう思い込んでいたわたしは、これまでヒッピーのような容姿の“難あり男子”とばかり恋愛をしては失敗してきた。男運のなかったわたしにとって、こうして真面目で、優しい彼と結婚できたことは奇跡といってもいい。当時わたしは生涯を共にする人が、こんな身近にいたなんてびっくりしたものだ。話は戻るが、わたしの仕事は自宅でもできてしまうので、基本わたしが育児と仕事を両立せざるおえない。しかし、これがなかなか難しい。平日は仕事で夫は夜まで帰って来ない。わたしは締め切りに追われ、授乳しながら筆を走らせる日々…。「あぁ、もっと余裕をもって育児に向き合いたいものだなぁ。でも仕事のキャリアを失いたくはないし…」と、この生活に憤りを感じ始めていた。 そんな中、息子が産まれて2カ月が経った夜のこと。夫がいつもにも増して疲れてた表情で家に帰って来た。普段ならドアを開けるなり、息子を抱き上げ、お決まりの赤ちゃん言葉で「ただいま~かえりまちたよ~」と笑顔を見せるのに、今日は息子の顔を見てもニコリともしないのである。心配した私は、あまりにも元気がない夫に「どうしたの?」と聞くと、どうやらこの春人事異動があってから、仕事量が増え、人手不足でかなりつらい状況だと言う。真面目で、忍耐強さが売りの夫が、珍しくまいっている。こんなこと今までなかった。息子が産まれる直前に、今の部署になってから忙しいと話は聞いていたけれど、まさかここまで疲れきってしまうとは。忙しさから心を無くしているように見えた。大学卒業後、あまり興味の持てない金融の仕事を、真面目に7年も勤めてきた彼が初めて愚痴をこぼした夜だった。思い返すと、わたしは毎日仕事と育児に追われ、自分のことばかり話して、不満をぶつけ、夫の変化に気付かずにいた。夫がSOSを出す前に、なんでもっと気にかけてあげられなかったのだろう。わたしは好きな仕事をしている一方、夫は仕事を楽しんでいるのだろうか。つらい事ばかりではないのか? 話を聞いて「面白そうな職場だねえ」と言ってあげられたことは一度もない。人生の楽しみ方は、いろんなところに転がっているはず。仕事もひとつではない。意志さえ強く持てば、選ぶ権利あるはずだ。人生のほとんどを締める仕事の時間を夫にも、もっと楽しんでもらいたい。小さな息子を抱きながら、わたしは夫にこう言った。「会社、辞めておいでよ」。つづく~おかっぱちゃんの夫の仕事はどうなる? 乞うご期待!次回は「夫が脱サラ!? ~仕事と育児~後編」をお届けします。
2016年02月05日前編 では、「赤ちゃんの生育のためには、頻繁に屋外に連れて行くことが大切で、マンションの高層階に住むと、外出がおっくうになる傾向がある」ということをお話ししました。今回は、前編の最後にお話しした、「赤ちゃんを散歩させたほうがよい理由」の続きとして、日光浴の効果について解説します。日光浴が強い骨をつくる散歩をすることによって得られるもう1つの利点に日光浴効果があります。日光浴をすることで、人間の体は代謝活動が上がり、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す量が増加します。さらに、体の中でビタミンDが合成されます。ビタミンDは骨をつくるのに欠かすことのできない栄養分ですので、体を作っている途中の赤ちゃんにはなくてはならないものなのです。日光浴、ビタミンD、骨の関係については次のページに詳しく解説されていますので参考にしてください。・ 牛乳をたくさん飲んでいるのに骨の弱い現代っ子 なお、「日光浴をせずとも食事でビタミンDを摂れるのでは?」と思われる方もあるかもしれませんが、(赤ちゃん、大人ともに言えることですが)基本的には日光に当たる必要があります。このあたりに関しても上記ページに詳しく解説されています。ただし、強すぎる日差しや暑さは赤ちゃんにとってはかなり負担になりますので、その点には配慮をしてあげることが必要です。赤ちゃんの目が直射日光を浴びないように、つばつきの帽子を利用したり、日差しの強い夏場などは朝の早い時間や夕方近くに散歩をするようにするなど工夫をしましょう。赤ちゃんを外に連れ出す時の時間ですが、生まれてから1ヵ月ぐらいであれば1日10分ほど、首が据わってからは30分~1時間ほど、といった具合に徐々に増やしていってください。窓越しの光では日光浴にならないなお、日光浴であれば部屋の中でもできるのではないかと思うかもしれませんが、ガラスを通過した太陽光では日光浴の効果がありませんので注意しましょう。ガラスは太陽光の熱線は通過させるのですが、紫外線の中でも体の役に立つドルノ線を遮ってしまいます。このため、ガラス窓ごしに太陽の光に当たっても日光浴の効果は得られないのです。実際、病気などで1ヵ月以上も入院した赤ちゃんが日光浴をしなかったせいで、くる病に似た症状を起こしてしまったということもよくあります。赤ちゃんには窓越しではなく、きちんと太陽の光を浴びさせてあげましょう。散歩といっても、まだこの時期の赤ちゃんは自分で歩けませんから、何かに乗せて外に連れ出すことになります。最近ではお座りする形式のバギーなども売られていますが、首が据わっていない時期にはこういったものを使うのはよくありません。なるべくなら寝かせて外に連れ出せる、乳母車のようなものを用意しましょう。乳母車は短い間しか使えないのに場所を取る上、購入費用も馬鹿にならないという場合には、先輩ママから借りたり、あるいはリース会社からレンタルしたりというやり方もあります。ものによりますが、だいたい3ヵ月で5,000円~10,000円程度でレンタルできます。結局のところ、どこに住んでいても、頻繁に散歩をしていれば問題はないので、赤ちゃんがいるご家庭は、体調にもよりますが、できるだけおっくうがらず散歩に出かけるよう心がけていきましょう。(子育ての達人)
2016年02月03日赤ちゃんはまさに体のいろいろな部分を成長させていっているわけですが、体だけではなく脳の神経回路もまた成長させていっています。そのためにはどんな住まいに住むといいかをチェックしてみましょう。高層階に住むことが赤ちゃんにとってハンデとなる!? 赤ちゃんが健やかに生育するためには、庭があって赤ちゃんを遊ばせることができるような一戸建ての住宅が望ましいのですが、現代日本の、特に都市部に住む子育て世代の若い夫婦にとって、それは無理な相談なのかもしれません。庭付きの一戸建てどころか、マンションやアパート住まい、という方が多いのが現実ではないでしょうか。マンションやアパートに住みながら赤ちゃんを育てる場合、できるなら1階~2階といった低層階の部屋を選ぶようにしたほうが、赤ちゃんの生育にいい影響があります。マンションやアパートの低層階というと、車などが通行するときの音や振動、近くの家からの騒音、子どもが遊び回る声などが入ってきて少々騒がしく、煩わしく感じることもあるものですが、一方で赤ちゃんを外に連れ出す際におっくうにならない、という大きな利点が得られます。実際のところ調査してみると、マンションやアパートの高い階層に住んでいるご家庭では、赤ちゃんを外で散歩させる回数が少なくなることがわかっています。1階~2階に住んでいるご家庭に比べて4割程度になるというのです。これはエレベーターの有無に関わりませんので、高い階層に住んでしまうと、それだけ下まで降りていくのが面倒に感じるようになるのだと思われます。この点だけで考えると、マンションやアパートの高層階に住んでいる赤ちゃんはそれだけでハンデを背負ってしまうことになると言えるでしょう。(高層階でも頻繁に散歩などしているご家庭は問題ありません)。赤ちゃんを散歩させたほうがよい理由赤ちゃんを屋外に連れ出すようにしたほうがいい理由としては、赤ちゃんには酸素がたくさん必要である、ということがあげられます。家の中の空気に含まれている酸素は、どれだけ注意していたとしても外の空気よりも濃度が下がってきます。また、酸素の濃度が低いだけでなく、室内の空気はどうしても汚れます。空気が汚れる理由としては、赤ちゃん本人をはじめとする家族が呼吸することで二酸化炭素濃度が上がることや、ハウスダストが発生することです。赤ちゃんは毎日ものすごいスピードで成長していて、特に脳の神経回路を作るためには大人よりも酸素をたくさん必要とします。体重比で見ると3割以上多く必要になるという研究もあるぐらいです。このため、空気が汚れていて酸素濃度の低い室内にずっといることは、赤ちゃんの脳の発達にとって望ましいとは言えません。赤ちゃんを連れて外に出れば、赤ちゃんは脳の生育に必要な酸素を存分に取り入れることができるようになります。外で散歩をする際には車の排気ガスが多い道路などはなるべく避けて、木々が多く空気のきれいな公園などを利用するとよいでしょう。また、時には郊外に出て森林浴をしてみてもいいでしょう。森林では木々が光合成によって酸素を作り出すため、きれいで酸素の豊富な空気を取り入れることができるからです。酸素という面以外にも、赤ちゃんは外気にさらされることで皮膚や粘膜を強くすることができます。そうやって、季節の移ろいによる環境の変化に耐える力を付けていくことになりますし、一方で風邪などの病原菌に対する抵抗力を身につけることができるのです。さらに、部屋の中で代わり映えのしない光景を見ているよりも、外に出てさまざまな刺激を受ければ赤ちゃんの脳を生育するためのいい刺激になります。こうした点を考えて、マンションやアパートの上の階に住んでいる方は意識的に赤ちゃんを外に連れ出すように心がけるとよいでしょう。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年02月03日こんにちは。遠方に住む友人が春に出産予定と聞いて、今からウキウキソワソワしている栗生です。友人数人と共同で出産祝いを贈ろうという話になっているのですが、もう高性能ブランドバギー(高価)でも電動ハイローチェア(高価)でも、何でも贈ってあげたい気分です。…と、自分が産むという緊張感がないからか、うれしさやおめでたさがMAXになってしまって妙にハイになっている自分がいます。あぁ、早く新生児の顔を拝みたいな~。ところで、赤ちゃんの誕生祝いって、一体何が喜ばれるんでしょう。わが家でもいろいろなものをいただきましたが、もらってうれしいものとよく使うものって、実は違ったりするんですよね。うちでずっと使っているのは、超軽量おむつポーチと赤ちゃんの成長に合わせて形態を変えられるメリー。逆にすぐ使わなくなってしまったのはバウンサー。低月齢の頃はよく使いましたが、今は自分で動き回りたいようで大人しく座っていてくれません。ひとつ、もらってうれしかったものがあります。それは、さまざまな種類の木でできた無垢の積み木。匂いや手触りの違いが楽しく、おそらく高品質なおもちゃだと思うのですが、なにせ赤ちゃんが積み木を積むのはだいぶ先のこと。もらって1年はひたすら舐められしゃぶられ、その次は放り投げられ、大人が積もうものなら速攻でなぎ倒される、という具合です。もしや、しゃぶっているときに木の味の違いを覚えたりしていたのだろうか? だとしたら味覚の発達に一役買っていると言えなくもない…のかもしれない…。いろいろな意味で長く使えると言える積み木、友人の出産祝いに、ひとついいのを贈ってみようかしら。今日のカルタ「積み木は積みません」(栗生ゑゐこ)
2016年02月03日前編 では、赤ちゃんの色彩感覚を養う方法について紹介しました。今回はいよいよ、「赤ちゃんの色彩感覚を鍛えるのが、なぜ大切なのか?」についてお話しします。色彩感覚は、乳幼児期の経験により鍛えられる特に芸術家になって欲しいわけでもないのに赤ちゃんに色彩感覚の訓練をさせる必要があるのかと不思議に思う方があるかもしれませんが、正しい色彩感覚を身につけるというのは誰にとっても重要なことです。実は、色彩感覚は赤ちゃんが生まれながらにして持っている能力と考えられていたのですが、そうではなく、生まれた後の視覚体験(特に乳幼児期の視覚体験)で獲得されるものである、という研究結果が出てきたのです。この研究によると、乳幼児期にうまく視覚体験ができず色彩障害を持った場合、その後に高度な視覚体験を経験したり、色彩訓練を行ったりしても改善されることはなかったとのことです。乳幼児期の視覚体験が、その後の色彩感覚の発達に重要な影響を及ぼすことを示しています。※余談ですが、10年以上前までは小学校で色覚検査という検査が視力検査などと一緒に行われていました(現在は廃止になり、実施していません)。この検査では、色盲や色弱といった色覚異常を診断していました。現在、検査をしていないため、色覚異常に気づかないまま進学、就職と進み、直前で進路を断念しないといけないケースが出てきていることが日本眼科医会の調査で明らかになっています。感覚を発達させることで、物事をきちんと認識できるようになる生まれてから1年ぐらいをかけて、赤ちゃんは五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を感じ取るための脳の神経回路を発達させます。つまり、この時期は自分の周囲の世界をしっかりと感じ取るための機能をせっせと作っている時期なのです。物事に対して反応するためには、まず最初に、対象についてきちんと認識することができている必要があります。それが狂っていたのでは、それに対する身体的精神的反応をうまく行うことはできないでしょう。周囲をきちんと認識できなければ、歩くことさえ難しいでしょう。すべての行動の基礎になるのが五感で感じる刺激になるわけですから、それを感じ取る機能が正常に出来上がってこそ、さらなる知能や言葉といった人間らしさを発達させることができるわけです。ちなみに、赤ちゃんが意味のある言葉を話し始めるのは誕生から1年ほどたった頃になりますが、それまでに五感をうまく発達させることができなかった子どもは言葉の発達も遅れてしまうというデータもあります。四季豊かな日本は知能を育てるには絶好の国日本の自然は豊かで四季の移り変わりがあり、さまざまな色彩に包まれて生きることができる国です。そのため、自然に触れて生きているだけで子どもはたくさんの刺激を受けることができます。実際、知能テストで日本人の子どもの平均がほかの国より高いのはそこに理由があるという研究もあるほどです。日本の利点を利用して、子どもの五感をしっかりと発達させてあげましょう。(子育ての達人)
2016年02月02日生まれたての赤ちゃんは色の区別をすることができず、識別ができるようになるのはおよそ生後4ヵ月がたってからになります。色が識別でき始めたら色彩感覚の基本的なところを身につけさせるための訓練をすると良いとされています。それは一体なぜなのでしょうか? その理由については後編でお話しするとして、まずは赤ちゃんの色彩感覚を養うため、色の三原色を覚える方法を紹介します。赤ちゃんは赤・青・黄なら識別できます赤ちゃんがまず識別できるようになるのは赤い色と言われ、次に青と黄色がわかるようになります。それ以外の色についてはまだまだ識別できませんので、色彩感覚を養うにはこうした色の三原色を使って訓練を行っていくことになります。どんなことでもそうですが、難しいことを覚える前にまず基礎を覚えなければなりません。まず始めに赤・青・黄の3つの色彩を識別できるように覚えてもらうことが、この基礎に当たる重要なことなのです。ではどうやってこれら3種類の色彩を覚えてもらうかですが、赤ちゃんが日常生活で興味を向けやすいものにこうした色味を配置するようにすると、もっとも効果が上がります。赤ちゃんの周りに、赤・青・黄の色味を配置するこの時期の赤ちゃんがもっとも興味を向けるものというと、それはお母さんという存在です。ですからお母さんが着用しているものに赤・青・黄の色味を配置するようにするのです。とはいえ、原色の赤・青・黄を使ったケバケバしい衣服ばかり着ているわけにもいかないかと思いますので、赤ちゃんとふれあう時だけ脱ぎ着できるようにエプロンなどを利用してみてはどうでしょうか。エプロンならば取り外しも楽ですのでおすすめです。ただし、赤ちゃんはこの時期まだベッドに寝ている姿勢を取っていますから、お母さんの腰から下はあまり見ることができません。使うなら胸のところまで生地のある大きめのエプロンにしましょう。また、赤ちゃんのベッドまわりに赤・青・黄の色味を持ったものを配置するという手もあります。たとえばお部屋のカーテンを使ってもいいでしょうし、赤ちゃんの視野に入るところに色紙をつるしたりしてみてもいいでしょう。いずれにしても、全体が真っ赤であったり真っ青なものを使う必要はありません。一部に原色の模様が入っているようなエプロンやカーテンでも十分ですので、うまく探してみてください。赤ちゃんが成長して生後5ヵ月ぐらいになり、周囲にあるものや玩具に興味を示し始めたら、これも色彩の訓練に利用できます。中間色のかわいらしい玩具ではなく、多少ケバケバしく見えても赤か青か黄色の原色の玩具を与えてあげてください。赤ちゃんが中間色を見分けることができるようになるのは、生後半年をすぎてからのことになります。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年02月02日こんにちは、イラストレーターの栗生です。暖冬とはいえ寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。積雪で東京の交通がマヒした日、保育園デビューした赤子は早速風邪をひいてしまいました。今年は保育園にどのくらい通えるのか、今からドキドキしています。そんな赤子も早いもので間もなく1歳。母乳を飲み始めて1年のキャリアになります。最初の頃はまだ飲み方もうまくなく、こちらも授乳時間や体勢を試行錯誤して飲ませたものですが、今やおっぱいを放り出して寝転んでいるだけで勝手に飲みに来てくれるように。俗に言うドリンクバー状態であります。それもただ飲むのではなく、足を持ち上げてアクロバティックなポーズをするわ、口を中心に転がりまわるわで、端から見たら母子で前衛舞踊を繰り広げているように見えるんじゃないかと、授乳しながら楽しくて仕方ありません。しかし、最近はガッツリ生えてきた歯で噛まれるようになってしまい、楽しい時間が恐怖のひと時に…。そろそろ卒乳かな~と考えている、この頃です。今日のカルタ「乳の飲み方フリーダム」(栗生ゑゐこ)
2016年01月27日前編 では「赤ちゃんがおもちゃを取ろうとするのを邪魔してはいけないのはなぜか」ということについてお話ししました。後編では、赤ちゃんがおもちゃを取ろうとする行為がもたらす、発達への影響について解説します。最初からうまくはできない、根気よく見守って最初のうちこそ、あさっての方向に手を伸ばしたり距離感を間違えたりしていた赤ちゃんも、試行錯誤するうちにほどなく、問題なくおもちゃに触ることができるようになってきます。この時期の赤ちゃんはまだ、物をつかんで持ってくることができないでしょうから、手元まで持ってきてあげるなど、そういう部分だけは大人が手助けをしてもよいでしょう。ガラガラなどを赤ちゃんの近くに置いてあげれば、興味津々でがんばって握りしめ、振って音を出したりして遊び始めると思います。しかもそれは脳の訓練にもなるのです。このとき、持ったおもちゃなどをすぐに落としてしまうようであれば、赤ちゃんにとってはまだ重すぎるということですから、もっと軽い物に替えてあげるとよいでしょう。軽い物に変えたとしても、初めからうまくはできませんので、落としてしまうのは仕方ありません。ときどき拭いて、きれいにしておきましょう。生後4ヵ月~5ヵ月ぐらいになれば、赤ちゃんはおもちゃを自分の手でつかみ始めます。しかし、この頃にはまだ、大人のように親指とほかの手指を独立させて使うことができず、熊手のようにべたっとつかむようなやりかたしかできません。6ヵ月を過ぎる頃になると、ほかの4本の手指と親指を別々に扱って、大人がやるような物の握り方ができるようになり、生後9ヵ月を過ぎる頃には、手のひらで支えなくても指だけで物をつまむということができるようになります。時期に関しては個人差があります。たとえば生後7ヵ月ぐらいでも熊手つかみをしている赤ちゃんもめずらしくありません。焦らず見守ってあげてください。手を使う赤ちゃんは脳機能の発育も早い手は脳の出張所などとも言われ、体の中でも感覚器がたくさん集まっている場所です。ご存じの通り、触覚は体の中でいちばん敏感な部分です。手を使うことで得られる刺激は脳の発達には欠かせないものですから、赤ちゃんがどんどん手を使うように促してあげましょう。赤ちゃんは、指しゃぶりを本能的に行っていますが、これも指を刺激することで脳の発達に重要な意味を持っていると言えます。おもちゃをうまくつかむことができたら、褒めてあげるのを忘れないでくださいね。見ている側はイライラするかもしれませんが、失敗しても手助けはせずに見守り、成功したら褒めてあげるというのが原則です。(子育ての達人)
2016年01月24日生後4ヵ月ぐらいになると、赤ちゃんは周囲のいろんなものに興味を示し始め、近くにあるおもちゃやおもしろそうなものに手を伸ばし始めます。これは、赤ちゃんの脳を訓練する絶好のチャンスです。どんなふうに対応したらいいのかをチェックしてみましょう。おもちゃに手を伸ばして触る行為は、赤ちゃんにとってはハイレベルなことおもちゃで遊ぶこともさることながら、この時期の赤ちゃんにとってはおもちゃを取るために手を伸ばすことそのものが脳の訓練になります。おもちゃに手を伸ばしてそれに触るというのは、大人が考えるよりも赤ちゃんにとってはずっと難しいことなのです。離れたところのおもちゃを取るためには、まず自分の目でおもちゃがある場所を見た上で、そちらの方向に自分の手を動かさねばなりません。しかも、このような情報処理と制御を逐次行いながら目と手を連動させなければならないのですから、かなり高度なことをしようとしているわけです。「おもちゃに手を伸ばしてつかむ」という行為は、そこに何かに興味を持つという意欲が合わさって始まる行動なのです。おもちゃに手を伸ばすことそのものが訓練になるですから、いきなりおもちゃをしっかり取ることはできず、最初は遠くに手を伸ばしすぎたり、方向を間違えて手がずれてしまったりすることもあるでしょう。しかし、そこで周囲の大人が手を伸ばしてしまっては意味がありません。赤ちゃんは脳を訓練するための絶好の試行錯誤の機会を得たのですから、それを取り上げないようにしましょう。おもちゃを取るというのは簡単な行為に思えますから、周囲の大人からすればじれったくなったり、かわいそうに感じたりして、つい手を貸してしまいがちです。しかし、赤ちゃんは初めて反射ではなく、大脳で制御して行動をしようとしているのです。ここはじっと我慢して見守ってあげましょう。赤ちゃんがおもちゃに興味を示しだしたら、ベッドの上に紐を渡して、つかみやすそうなものを紐や糸で吊ってあげてもいいでしょう。これは特におもちゃでなくても、安全なものなら日用品でも構いません。赤ちゃんのベッドの周囲、危険のない手の届く範囲に置いてあげてもいいでしょう。そんなふうにしておもちゃにうまく触れるようになっても、この時期の赤ちゃんはまだ握りしめることができません。しかし、赤ちゃんは手をおもちゃにくっつけて引き寄せるような仕草をしながらも、おもちゃに触れたということで、だいぶ満足してご機嫌になっています。そうしたら、お母さんや周りの大人は声をかけて褒めてあげてください。赤ちゃんはますますおもちゃに興味を持ち、手を使って自発的に脳の訓練をしてくれることでしょう。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年01月23日