日本ではあまり行われませんが、生後3ヵ月までぐらいの赤ちゃんを腹ばいにしてあげるとその後の発育が早まるということで、欧米などでは積極的に取り入れられています。腹ばいにするとなぜ発育にいいのか、見てみましょう。腹ばいにすることで赤ちゃんの首や背中が鍛えられる生後1ヵ月目に入るぐらいになった頃、赤ちゃんを腹ばいに寝かせると、わずかな間ですが頭を上に持ち上げるようになります。この時期になると生まれた直後よりも首や背中に筋肉がついてくるため、こうした動作をします。欧米では赤ちゃんを腹ばいで寝かせる習慣があるのは、こうした筋肉の力を訓練してあげることで首がすわるのを早くすることができるからです。また、背中の筋肉がつくことによって、赤ちゃんがよく呼吸できるようになってきますので、この時期の成長に重要となる酸素が脳に行き渡りやすくなります。あおむけでずっと寝ていた赤ちゃんは背中の筋肉の発達が遅くなりやすい傾向にあるので、意識的に腹ばいにさせてあげることが大切と言えるでしょう。赤ちゃんを腹ばいにさせる方法では、具体的にどんなふうに赤ちゃんに腹ばいの訓練をさせればよいのでしょう。まずは、赤ちゃんを寝かせている布団の上に座布団をしき、その上に赤ちゃんの胸やお腹がのるようにして赤ちゃんを腹ばいにします。このような体勢になると、赤ちゃんは顔が胸などよりも下の位置に来ることから、数秒間程度かもしれませんが、手やひじを使って上体を支え、首を持ち上げようとします。このとき、赤ちゃんの背中を上から下にさするようにしてやると、その部分を意識して力を込めやすくなりますので、赤ちゃんは首を持ち上げやすくなります。しかし、この時期の赤ちゃんはまだずっと首を上げていることはできず、数秒たつとまた首を布団に落としてしまうでしょう。そうなったら再び背中をゆっくりとさすってあげると、赤ちゃんは刺激に反応して首を再び上げようとします。腹ばい訓練を行う頻度1日に1回か2回、こういった筋肉の訓練をしてあげていると、最初は30度程度しか持ち上げられなかったところが2ヵ月ぐらいで45度ぐらいまで上がるようになり、3ヵ月目ぐらいには垂直に近い高さまで上げられるように、4ヵ月目ぐらいにはこうした体勢を30秒ほど維持できるようにもなってきます。首だけでなく、手の使い方も変わってきます。最初はひじを使って体を持ち上げていたものが、3ヵ月目ぐらいには両腕をしっかり伸ばして手首で体を支えることができるようになってくるのです。こうした訓練を行っていると4ヵ月目ぐらいで、赤ちゃんをあおむけの状態から抱き起こすときに、首がついてくるようになるのがわかるでしょう。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年01月21日子どもが産まれると、一年を通して何かとイベントごとが増える。家族にとって、その子が第一子ともなれば「待ってました!」とばかりにおじいちゃん、おばあちゃんは初孫をこれでもかというくらいにかわいがる。イベント事ともなれば、盛り上がりはすごいもの。お宮参りに始まり、生後100日目には「お食い初め」がある。お食い初めとは、子どもが一生食べ物に困らないよう家族が願い、産まれて初めて食べ物を口にする行事のこと。まだ食べれないので“フリ”をするのだ。わが家の息子がこの世に誕生して、100日目を迎える日、西荻窪にある料亭で両家が集い「お食い初め」をすることになった。良い機会だ! これは息子にオシャレをさせたい。わたしは産前から、息子のために買い揃えておいたベビー服の中でも一番お気に入りのものを選んで息子に着せた。お祝いの席に両家が集い、あいさつを済ませるとさっそく食事が運ばれてきた。「この度はお子さまの生後100日、おめでとうございます」。お店の方からお祝いの言葉をかけてもらい嬉しい気持ちになる。うぅ、母になったわたしも100日記念だ。息子用の食事はというと、鯛の焼き魚、すまし汁、野菜の煮物、香のもの、赤飯、梅干しが用意された。う~ん、なんて美味しそうなんだ!見た目だけでも大満足。美しい盛りつけ。事前に調べておいた順番通り、ごはん、汁物、ごはん、魚、ごはんを三回食べさせるフリをする。息子は口元に運ばれてくるものがとっても美味しい高級魚とは知らず、終始口をあけたままぼーっとしている。赤子とは純粋無垢な生き物よ。良いことも悪いことも判別ができないなんて、ある意味すごいことだ。そんな無表情な息子に怯まず、おじいちゃんとおばあちゃんは、お酒も入ってやいのやいの楽しそう。そんな中、突然父がポケットからあるものを取り出した。「いや~この石ね、竜飛岬で見つけてきたんですよ」。それは、丈夫な歯が生えるように、孫の歯固めを願う小石だった。わざわざ700キロメートル以上離れた場所から拾ってきたというのだ。たかが石だとしても、これは嬉しい贈り物。初孫が産まれ、念願だったおじいちゃんになれた我が父。「この石はきっと縁起がいいぞ!」と、小石を息子の目の前にそおっと置いて、にこにこと目を細めていた。その日は、みんな良い笑顔でたくさん、たくさん笑った。何度も何度も息子の名前を呼んで、父も、母もとても嬉しそうな顔をしていた。3世代でこうして集うことができた今日を忘れないでいたい。息子が産まれたことで、こんなにも家族に笑顔が増えるなんて思っても見なかった。こどもの存在とは、ここまで人を幸せにするものだったのか。これから先、5年、10年、20年と時が過ぎて、息子もそのうち大人になるんだろう。息子が立派な成人を迎えたころ、私たちの両親はまだ元気でいてくれているだろうか?息子の成長とともに、母も、父も歳を重ねていく。思い出が増えるたびに、残された時間は短くなっていってしまう。親孝行をこれからたくさんできるといいなぁ、と切に思った。そんなことを感じながら店を後にし、父からもらった小さな石を握りしめ、わたしは少しだけ寂しくなった。つづく次回は「夫が脱サラ!? ~仕事と育児~」をお送りします。
2016年01月21日前編 では、「赤ちゃんの泣き方は、泣いている原因に違いがある」という話をしました。後編では、育児において一度はぶつかる難題「夜泣き」の対処法について紹介します。赤ちゃんが夜に泣く=夜泣きではない赤ちゃんの夜泣きというと、書いて字の通り、赤ちゃんが夜に泣くこととお考えの方があるかもしれませんが、「夜泣き」というのは、実はどの時期の赤ちゃんにも言える言葉ではありません。生後2ヵ月ぐらいまでの赤ちゃんは、1時間~2時間寝ては目を覚ますというのを昼夜に関係なくしていますので、夜に泣いたとしてもそれはたまたまタイミングが夜だっただけで、そういったものを夜泣きとは呼ばないのです。夜泣きは、赤ちゃんが昼間に長く起きているようになり、夜になると5時間~6時間は眠るようになってきてから起きます。時期的には生まれてからおよそ4ヵ月~5ヵ月がたったぐらいからです。夜泣きが起こる原因夜泣きは、赤ちゃんの生活サイクルが大人に近づく過程で起きることがあります。これは、うまくサイクルをとることができなかった時に起きる現象です。たとえば夜、赤ちゃんの眠りが浅くなったときなどにぐずぐずと泣くような場合。こういった夜泣きは眠りのサイクルの合間に起きるものなので、そのままにしておいても、そのうちにまた眠りが深くなって泣き止んで眠ってしまいます。また、夜中に目が覚めてしまったときに近くにお母さんが見つからず、不安に感じて泣いてしまう夜泣きもあります。赤ちゃんはお母さんを見つけられずに泣くわけですから、安心させてあげると泣き止みます。このような夜泣きを始めたら、近くに行って手をにぎったり、ゆっくりとしたリズムでふとんをトントンとたたいて上げたりすると、赤ちゃんは安心して泣き止み、眠り始めます。夜泣きしても、まずは抱き上げずに対処をいずれにしろ、夜泣きを始めたときに抱き上げてあやすことを繰り返すのは、あまりおすすめできません。生後4ヵ月~5ヵ月にもなると、赤ちゃんは条件反射の能力が発達してきていますので、夜泣きしたときに抱き上げてあやすということを繰り返すと、よく言う「抱きぐせ」がついてしまい、今度は逆に抱き上げてあやしてもらわないと泣き止まないようになってしまうからです。ただし、条件反射の能力が発達途中の3ヵ月ぐらいまでの赤ちゃんであれば、抱きぐせはつかないとされています。そもそも抱いて欲しくて夜泣きしているわけではありませんので、そばに行って安心させてあげてください。(子育ての達人)
2016年01月20日こんにちは、イラストレーターの栗生です。我が家の赤子は年が明けて、保育園に通うことになりました。床に降り立つと泣いてしまうので、保育士さんの腕の中か背中で暮らしているような状態なのですが、ご飯の時間になると泣き止んでモリモリ食べているとのこと。日中頻繁に授乳していた頃にはわからなかったことですが、どうやら食いしん坊らしいです。保育園ではまだ立つ気になれないらしい我が子ですが、家では頻繁につかまり立ちをし、数秒間なら手を離して踏ん張っていられるようになりました。つかまり立ちが上手になった赤ちゃんが何をするかというと…そう、とにかく目についたものに手を伸ばす! 倒す! 落とす! 思わぬところに手が届くし、重さのあるものも動かせるので親は焦ります。焦った親がどうするかというと、取り上げたものを棚の上やテーブルの中央に寄せて上げていくわけです。おかげで現在、我が家の棚という棚の下の段はスカスカ、天板の上はモノがマシマシの、地震でもきたら逆に危ないんじゃ?という状態に…。赤ちゃんがいるお宅って、こうなりがちじゃないかと思うのですがいかがでしょう? 大人も赤ちゃんも安心な、うまい収納方法があったらぜひ教えてもらいたいです。今日のカルタ「棚の上が限界」
2016年01月20日赤ちゃんが突然泣き出し、なかなか泣き止んでくれないとなると、お母さんは困ってしまいますよね。しかし、赤ちゃんは理由も意味もなく泣くわけではありません。お母さんはその意味を理解できるようになれば、育児がラクになるでしょう。赤ちゃんには泣き声しか意思疎通の方法がない赤ちゃんが泣くのは、それしか自分の意志を伝える手段がないからです。まったく理由なく泣くわけではありませんから、赤ちゃんが泣いたらその原因を取り除けるように、なるべく早く泣き方の特徴を覚えるようにしましょう。お腹がすいているとき、おむつを替えてほしいとき…要望別・赤ちゃんの泣き方の特徴赤ちゃんがお腹がすいて泣いている場合には、大まかにいって泣き方に次のような特徴があります。まず、泣き声の出し方としては泣き始めは低い声で泣き、途切れ途切れに思い出したように泣きます。そのまま放っておかれると途切れ途切れだったのがつながりはじめ、声も大きくなってきます。これは、泣き声を出すことによってどんどん空腹になっていくからです。一方、おむつが濡れて不快な場合には、泣き始めは何かに驚いたように鋭く声を出します。その後、もぞもぞと体や手足を動かしながら低くすすり泣きます。体のどこかが痛いような場合には、鋭い大きな声で途切れ途切れに泣きますが、痛みが治まらないと鋭い声を高く張り上げて泣き始め、声がかれても泣き続けます。めそめそ泣いたりうめいたりすることもあります。泣き始めから大きな音を立てて泣く時には、運動のために泣いているのかもしれません。こういう場合には最初は元気な声で泣き続けるのですが、30分もしないうちに低く途切れがちになってそのうちに眠ってしまいます。また、赤ちゃんによって差はありますが、生後3ヵ月ほどになると、甘えるときに泣き声を上げるようになります。甘える時の泣き声は途切れ途切れでぐずるような感じです。ママはバランス感覚を持って対応を「赤ちゃんの泣き声」と一口に言っても、このようにいろいろな原因・泣き方がありますが、これらを早々に見分けるのはかなり難しいものです。昔のように子育て経験のある祖母祖父がいるようなら教えてもらえるかもしれませんが、最近のように核家族化が進んでいて、しかも初めてのお産ともなればそういうわけにもいかないでしょう。こういう状況で赤ちゃんが泣き出すと、どうしてもお母さんは不安に駆られてしまうことが多いものですが、一方、赤ちゃんは赤ちゃんでお母さんの不安を敏感に感じ取って、ますます泣き止まなくなるという悪循環も起こります。また、赤ちゃんは1人1人個性を持っており、そこに知性が加わっていくこともあり、時間の経過と共に泣き方の特徴も変わっていくことがあります。こういったところが、赤ちゃんが泣く原因をつかむのを難しくしているのです。このため、赤ちゃんが泣き始めたらお乳を与えたりおむつを外してみたり、あるいは体のどこかにトラブルが発生してないかをチェックしたりして、泣き方と原因とのつながりについて早く見当づけられるようにしましょう。体を自由に動かせない赤ちゃんにとって泣くというのは運動にもなりますから、あまり心配しすぎるのも問題です。とは言え、泣き疲れるまで赤ちゃんを放置しすぎると、今度は発達に遅れが出ることもあります。難しいですが、お母さんはバランス感覚を持って対処してあげたいものです。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年01月19日前編 では、「赤ちゃんの聴覚を鍛えるには、太鼓の音がメインのシンプルでリズミカルな曲がおすすめ」という話をしました。後編では、「いつから」「どうやって」といった、具体的な方法について解説します。訓練は早いうちからが効果的赤ちゃんの聴覚に刺激を与え、訓練をするのであれば、だいぶ早い時期から始めてしまって構いません。赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるころからすでに音を聞くことができる能力を持っており、発達のスピードも視覚よりも速いためです。おおよそ、生後2週~3週のあたりから刺激を与えるようにするといいでしょう。生まれたばかりの赤ちゃんの耳には、生まれる時に内部に悪露が入り込んでいることが多く、そのせいで音が聞こえなくなっていることがあります。だからといって赤ちゃんの耳に耳かきや綿棒を入れるようなことをしてはいけません。赤ちゃんの耳は大人の耳よりも小さくデリケートなので耳の内部を傷つけたり、最悪の場合、鼓膜を破ってしまったりしかねないからです。赤ちゃんの耳から悪露を取り除きたい時には、脱脂綿を軽く耳の穴に入れてあげるようにしてください。あまり奥の方まで入れなくても、脱脂綿が耳の穴の内部の悪露を吸着してくれますので、3日もあれば耳の中がきれいな状態になります。(※編集部注:できれば、医師や看護師、助産師などに相談してから行うことをおすすめします。)鈴の音に反応するかどうかをチェック赤ちゃんの耳をきれいにしたら、きちんと耳が聞こえているかどうかをチェックしましょう。小さな鈴を準備し、赤ちゃんの耳から20cm~25cm程度離したところでチリチリとならしてみてください。赤ちゃんの聴覚が正常で鈴の音がきちんと聞こえていれば、鈴を振られた側の頬やまぶたの筋肉がぴくぴくするといった反応を見せるはずです。この小さな鈴による音は、赤ちゃんが3ヵ月を過ぎた頃からの聴覚訓練に、非常に役に立ちます。赤ちゃんに対していろんな場所、いろんな向きで鈴を鳴らしてあげると、赤ちゃんは鈴が鳴った方向に目や顔を向けることがあります。これを繰り返すことで、音が聞こえてくる方向を認識する訓練になるほか、音の刺激を感じる神経の回路と目や首の運動をつかさどる神経の回路がリンクし、知能が発達していくのを促すことができるといわれています。はじめてやった時に目や顔を向けなかったとしても焦る必要はありません。おそらくじっと音を聞いているような様子を見せるはずです。目や首を向けないからといって長い間鈴を鳴らし続けると、赤ちゃんが疲れてしまいますので、2分~3分程度で鳴らすのをやめるようにしてください。赤ちゃん用にオモチャの楽器をあげる時の注意また、赤ちゃんにオルゴールや小さなピアノをオモチャとしてあげる方がいますが、こういったオモチャをあげる時には、ひとつ注意すべきことがあります。こうしたオモチャでもきちんとした音階を出せるものはいいのですが、そうでないようなもの(特に安物のオモチャに多いようです)は赤ちゃんの音感に悪い影響を及ぼすおそれがあります。音痴になってしまうことも考えられますので、そうした不正確な楽器は与えないほうが無難でしょう。(子育ての達人)
2016年01月18日よく「胎教」などといって赤ちゃんがお腹の中にいる時点からクラシック音楽を聴かせたりする方法があります。お腹の中でも赤ちゃんは音を聞くことができますから、まったく意味のないことではないようです。では、生まれてきた赤ちゃんの脳の発達に役立つような音楽とは、どういうものなのでしょうか。赤ちゃんの聴覚を鍛えるには、でんでん太鼓がうってつけ!? 赤ちゃんをあやすための道具の中に、でんでん太鼓というものがあります。古くは童謡の中にも歌われ、使われてきた玩具ですが、生まれてすぐの赤ちゃんの聴覚を鍛えるためには、このでんでん太鼓はうってつけの道具になります。生まれてすぐの赤ちゃんは、おおよそ3ヵ月ぐらいになるまでは、旋律やハーモニーといったものを理解することができません。この時期の赤ちゃんに理解できるのはリズムのみです。このため、赤ちゃんの聴覚を訓練するのに、でんでん太鼓のような打楽器の音がうってつけなのです。赤ちゃんに聴かせるなら、クラシックよりもロック胎教でクラシック音楽を聴かせるというようなことが一時期流行りましたが、生まれてから3ヵ月ぐらいの赤ちゃんにはそれよりもシンプルでわかりやすい、リズミカルな音楽を使ってあげたほうが聴覚の訓練になります。音楽を聴かせるのであれば、ロック、ジャズ、サンバというようなリズム感のある音楽のほうが、理にかなっています。特に良いのはドラムのパーカッションなど太鼓の音で、しかもシンプルなリズムのものです。従って、手に入りやすさを考えるとでんでん太鼓はベストです(昔の人はメカニズムは分かっていなかったと思いますが、長年の経験などで、赤ちゃんに最適な道具を見つけていたと言えます)。赤ちゃんの聴覚を鍛えるのにおすすめの曲はそういう意味から考えて、赤ちゃんの聴覚を訓練するための曲をピックアップすると、小さな子ども向けの童謡の中で、たとえば「おもちゃのチャチャチャ」であるとか、「お猿のかごや」といったような、シンプルでわかりやすいリズム感のある曲が良いと考えられます。1日に2回~3回程度でいいので、聞かせてあげると効果があるでしょう。また、聴覚に刺激を与え訓練をするという側面以外にも、お母さんが寄り添って聞かせてあげる「子守歌」も大事になってきます。こちらは聴覚の訓練もさることながら、安心できるお母さんの声が情緒面での発育を促してくれるからです。なかなか寝ない赤ちゃんを寝かせる場合などには、リズミカルな歌ではなく、旋律主体の歌を歌ってあげたほうが良いでしょう。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年01月17日双子育児は、ひとり育児とは違う部分がたくさん。実際に双子の育児をしてみて、役に立ったもの、個人的にはそうでもなかったと感じたものについて紹介します。そもそもひとり育児とどんな点が違うのか大きなお腹を抱え、早産の危機にさらされながらも、ようやく産まれたかわいい双子たち。でも、育児となるとなかなか大変です。当然ながら育児をする時間、お金、労力、何でも2倍かかります。2人同時に泣いたり、1人を抱っこして寝かせつけ、その間にもう1人のおむつを替える必要がでてきたり。でも、ママの手は1人分しかありません。そんな双子育児に必要なものとは…?双子育児で役に立ったもの・おやすみたまご双子を育児する中で一番嬉しいのは同時に眠ってくれること! しかし、特に生後3ヵ月に入るまでは、どんなにすやすやと腕の中で眠っていても、ベッドや布団に寝かせると、まるでスイッチが入ったかのように泣きだすことが多々ありました。片方が泣きだすともう片方もびっくりして泣きだす始末。そんな状況を改善してくれたのが、この「おやすみたまご」。簡単に言うとビーズ入りのクッションです。このクッションが、赤ちゃんが安心して眠れるカーブをつくってくれます。双子に限らず、子どもの「寝かせつけ神グッズ」といわれている、素晴らしいアイテムでした。・食洗機ミルクを使って双子を育児している人ならばわかるかと思いますが、とにかく哺乳瓶が大量に必要となります。1日7回のミルクだとしたら、消毒や洗うことを考えて3~4本×2人分は必要です。そのためにも食洗機があるのは助かりました。・乳母車(ベビーカーではありません)双子ともなると、散歩する時にそれぞれをツインズベビーカーに乗せるだけでもひと苦労。散歩をはじめても、エレベーターや少し細い道は通れなかったり、線路を超えるときにひっかかったりして、思ったよりもストレスがたまります。そこで見つけたのが乳母車でした。これだと、普通に抱っこして入れることができるので、余計な装着物もなく、かつベビーカーほど幅や長さも取らずに2人一緒に移動できるので大変便利です。車輪も丈夫なので多少の段差もスイスイと進めます。少し値段は張りますが、専用の安全枠を付ければ3歳くらいまでは使用できるそうです。だから、良い買い物ではないかと思います。参考: 東京乳母車 ・母乳ミルク代だって、2人ともなるとばかになりません。母乳育児が可能な方は、出産後忙しい毎日の中でも、なるべく母乳を与えるようにしておけば、トータルコストがまったく変わってきます。個人的にあまり必要ではなかったもの・双子用のベビーベッドもちろん便利なアイテムの一つです。今でもおむつ替えの時には使用しているくらいです。ですが、あえて双子用でなくてもよかったのかもしれません。もしくは、布団でもよかったな? と思っています。ペットを飼っている方や、双子でも大きめに産まれた方にはおすすめです。・バウンサー同時泣きを回避させるのによいと聞いていたので購入したのですが、うちには合わなかったようで、むしろ大泣きされてしまいました。もちろん、ご機嫌ですやすや眠る赤ちゃんもたくさんいます。この2つは個人的にはあまり役に立たなかった、というだけで、どちらも世間では役立っているといわれているものです。特にバウンサーは、合う赤ちゃんには本当に助かるアイテムと聞きます。まずは、短期間のレンタル等をしてみるのもよいかもしれませんね。なくてはならないもの・配偶者の手助け当然ながら必要です。世には「イクメン」という言葉が浸透してきていますが、双子の場合はいやでもイクメンにならざるを得ません。パパママふたりで育児をしないとママが疲れ果ててしまいます。育児そのものだけではなく、食器を洗ったり、洗濯物を干したり、簡単なお手伝いをするだけでママはとっても助かります。日中、パパがいない間はママしかいません。できるだけ便利アイテムを使って、赤ちゃんたちと過ごす時間をつくりたいものですね。そしてお休みの日は、パパも一緒に育児を楽しみましょう!(田中かなた)
2016年01月16日こんにちは、イラストレーターの栗生です。年末年始に2人の子どもと遊んでいて、遊び方が今までとは変化していることに気がつきました。上の3歳児は、パズルやブロックに少しずつではあるけれど粘り強く取り組めるようになり、こちらが声をかけても聞こえないかのように没頭して遊ぶように。あと1ヵ月で1歳になる赤子は、マイペースに床のものを舐めたりしゃぶったりして過ごしていたのが、「ちょうだい」「どうぞ」などの声かけや手遊びなどのコミュニケーション系の遊びを好むようになりました。こちらが相手をしてやらず別のことをしていると、大抵怒りながら追いかけてきます。ちょっと大変ですが、追いかけて来るほうが来ない時よりもまだ安心。なぜって? 後追いせずどこかに行って静かにしている時に限って、トイレで便座を舐めようとしていたり、洗濯洗剤の容器をかじっていたり、ベビーゲートの隙間に挟まっていたり、まさかのテーブル上にいて(!)みかんに歯を立てていたりするからです…。この冒険心あふれる赤子は、ちょっと目を離した隙に姿を消しては何かやらかすので、親の肝は常時冷えっぱなしです。この人にも、ただ寝転んで愛嬌を振りまいていた時代があったんだな…と、遠い昔のことのように思い出しながら、今日も風呂場に向かって爆走する赤子を捕まえるのでした。今日のかるた「そこは危険地帯だ」
2016年01月13日明けましておめでとうございます。2016年が始まりましたね。お正月は実家の布団で昼までゴロゴロしていたいイラストレーター栗生です。実際は朝がやたら早い乳幼児たちが両横に寝ているので、朝寝など到底許されないわけですが…。以前は素晴らしい寝つきの良さだった我が家の赤子ですが、10ヵ月を過ぎた頃から、どうも寝なくなってしまいました。抱っこで眠りについたはずの子を布団に置いた瞬間に発せられる地獄の叫び声。慌てて抱き起こしゆらゆら&スクワットで寝かせ、再度着地にトライするも、今度は空中で横にしただけでビエ~~ン…。赤子はいつしか、布団を感知すると背中のセンサーが作動してサイレンが鳴る仕様に成長を遂げていたのです。なにそのセンサー、いつの間に搭載されたの!? 怖い!寝かしつけ業界では有名な、背中センサー問題。みなさんご存じかと思いますが、なかなかつらいですよね。何がつらいって、抱っこから解放されると思いきや、泣いて振り出しに戻った時の期待はずれ感。消耗感。そして、焦燥感。一度で済めばいいのですが、ループにはまってしまうと絶望的な気分になってきます。しかし人間、やられっぱなしではありません。とある本に「石のように重たくなるまで待つ」、つまり完全に寝入ってから布団に置けばよし、とあるのを見つけて早速実行。目を閉じた後も我慢して抱っこし続けていると、たしかに体が重くなる瞬間がありました!センサーが作動する時は、まだ体が起きているのかもしれません。今日も赤子が石になるまで抱っこで待つぞ~。今日のかるた「背中のセンサースイッチオン」
2016年01月06日みなさんは、骨盤矯正を体験したことはあるだろうか?先輩ママは言う「産後は絶対骨盤を元に戻しておいた方がいいよ! 体形が戻らなくなっちゃうから」と。確かに産後の骨盤は開いており、体はゆがみやすい。授乳するたびに猫背になるし、添い乳(寝ながら授乳すること)なんてしようものならおかしな体制になり、背骨は更に歪む。毎日の抱っこで腰はどんどん痛みを増していき、産後2カ月が経ったわたしの体は、ガタガタ。あっという間に息子の体重は、生後間もない時に比べ2倍近くになっていた。そりゃあ、腰に負担が来るわけだ。今気をつけておかないと、みるみるうちに子どもは10キロ代に到達し、赤ちゃんから子どもへと成長するのだから、腰痛はますますひどくなるだろう。先輩ママのアドバイス通り、ここは骨盤を整えるべく、骨盤矯正というやつを試してみようかな。近所に住んでいる友達が評判の整骨院を紹介してくれた。保険適応外なので、少々高くつくけれど、効果覿面なのでおすすめだと言う。聞けば、赤ちゃん同伴でも問題なし。1回20分程度で5,000円程度かかると言う。しかも、最初の数カ月は毎週通わなくてはならないとのこと。「うーん、割と高いな…」でも、そんなに良いなら行ってみたい。彼女が通院する際、わたしも一緒に施術をお願いすることにした。その整骨院は世田谷のマンションの一室にあり、男の先生がたった一人で営業している。完全予約制でドアを開けると、清潔感のある空間が広がり、無駄なものが何一つとしてない。「こんにちは!」威勢の良い声で先生が出迎えてくれた。お?想像していた硬派な感じのイメージと異なり、先生はまさにサーファーのような装いだった。ぱっちりとした二重、浅黒い肌、筋肉隆々、そしてゆるやかなパーマのかかったヘアスタイル。おそらく40代であろう。どうやってみても、整骨院の先生ではない。この人がわたしの腰痛を治せるのだろうか?友達が言うには、通院しなくなった途端、調子が悪くなる。とのことで、どんなゆがみも直せる素晴らしい先生だと言う。さっそく先生に診てもらうことになり、診察ベッドに横になる。道具を一切使わずに、体のゆがみを全身を使って整えていく。施術が終わったころには、さっきまで手の届かなかった場所に手が届いたり、硬直した筋肉がしなやかになり、痛みの強かった場所は少し和らいでいるような気がした。おぉ、これはすごい!紹介してくれた友人に感謝をしてその日は無事初診を終えた。「これは続けたらきっと効果があるだろう! 腰痛も和らいでいくに違いない。スタイルも良くなったりして! あはは~」。そして、翌週受診日を迎えた。その時はまだ、あんなことになろうとは思いもしなかった…。先週に引き続き、痛みを和らげるため少しずつ筋肉を延ばしていく。ずれてしまった骨の位置を整えるために、先生は親指の力で骨にプレッシャーをかけていく。うぐぐぐぐ…。なんだか今回はちょっと痛みが強いな。きっと効いている証拠だ…。そんなことを考えながら、施術は続く。ちょうど腰の下、おしりの両側の筋肉を先生はまたしてもプッシュ! プッシュ!!!激痛が走る!!「うおおおおおお痛い~! 痛いです、せんせえ、痛い」それでも先生は止まらない。「うぉぉぉぉぉぉぉ~、はがががががあああぁぁぁあ 痛い!! 痛いぃぃぃ!!!!その声に息子も驚いたのか泣き出してしまいわたしの叫びと、息子の大きな鳴き声で部屋中が不協和音に包まれた!強烈な激痛と戦い抜いて、その日の施術は終わった。「はぁ!はぁ!」先生も全身の力を注いだのか、額に汗をかいていた。「いや~かなり筋肉が固まってますね!」と、先生。「ありがとうございました……」。よくぞ、痛みに耐えたぞ! 自分を励ましつつ、お尻を抑えながら家路に着いた。夜になり、息子をお風呂に入れようと脱衣所で服を脱ぎ、シャワーを浴びる。そして、鏡に映った自分の姿を見て唖然とする。どうりで痛いと思った!!!お尻にきれいな青タンが2つくっきりと出来ているではないか!あぁ、なんということだ。31歳、母になって、息子と同じ蒙古斑のような青タンができるとは…。こうしてわたしは骨盤矯正を途中で断念し、未だ腰痛に悩まされるのであった。トホホ…。(Boojil)つづく次回は「お父さんはどっち?夫が双子による問題」
2015年12月31日現在、双子育児で産休中の私、ついに初めて家人に宿泊出張が入ってしまいました! 週末はかなりのイクメンぶりを発揮している家人が泊まりで不在! さあ、どうする…。慣れない双子育児で心配な私は、家人不在の間、シッターさんを頼むことにしました。ベビーシッターの探し方初めてベビーシッターを依頼するにあたり、依頼先を以下の4つに絞り込みました。それぞれのメリット・デメリットを、感想とともに挙げてみます。<方法1>シッター会社に依頼 ~とにかく高い!でも、お金で安心を買える・メリット:シッターの登録人数が多いため、よほどの緊急でない限り依頼が可能。何か起こった時にも保険加入等での対応が可能。・デメリット:高めのシッター料金(1時間2,000円前後)以外にも入会金や年会費がかかる。<方法2>マッチングサイトで探す ~比較的安価。でも、信頼性の見極めが難しい・メリット:比較的安価(500~1,200円)、保育士・幼稚園教員経験者が意外と多い・デメリット:相手が本当に信頼できる人なのかどうかの見極めが難しい<方法3>シルバー人材センターを利用 ~行政の公的機関なので安心・安全・メリット:公的機関なので安心 なおかつ料金が安い・デメリット:高齢の方が対応されるので、深夜帯は対応不可<方法4>友人・知人に依頼する ~気楽である一方、クレームはつけにくいかも・メリット:気をつかわなくて良い・デメリット:こちらの希望する時間に必ずしもシッターできるとは限らない当初、シッター会社は高いので、友人に依頼するかマッチングサイトで検討しました。しかし、友人は都合がつかず、マッチングサイトで交渉した方は遠方からの交通費が高額ということであきらめ、結局シッター会社に依頼することにしました。シッター業務の詳細(1) ~実際に来てもらってシッター会社に依頼したところ、いらしたのは「ザ・母性」といった雰囲気の優しそうな女性。すでにギャン泣きしていた下の娘をシッターさんはすぐに手洗いをし、抱っこしてくれました。それはまるで神の手! あっという間に娘は眠りにつきました。ミルクも、特にこちらから説明はせずともスムーズな哺乳。娘たちが寝ていて、特に何もすることがない時間は、日報を記入されたり私からの育児相談に乗ってくださったりとフランクな感じで、あっという間に時間は過ぎていきました。お帰りの際は、記入をした日報を手渡ししてくださり、あざやかに終了。私も精神的な不安が取り除かれ、その後の時間も安心して過ごすことができました。料金が高いので頻繁に依頼はできないかもしれませんが、プロの手技を見ることができ、お金で安心を買うことができたという感想です。シッター業務の詳細(2) ~シルバー人材センターに依頼した友人の場合友人の場合は、兼ねてより家事援助をお願いしていたシルバーさんに、在宅時のシッターを依頼したそうです。なんと、この友人のお宅は三つ子ちゃん! すでに1歳を超えているので、離乳食を与えてもらったり、お散歩を一緒にしてもらったりしているそうですが、育児経験のあるベテランさんなので何も言わなくても動いてくれるし、逆に「この年になってこんな小さな子たちのお世話ができるなんて」と喜ばれるそうです。ただ、シルバーさんが育児をしていた頃に比べ、便利なグッズが増えたので、おしりふきウォーマーや抱っこひもなど、グッズによっては使い方の説明が必要だったとのこと。地方でのベビーシッターの現状今回、初めてベビーシッターを依頼して感じたことですが、シッターをしたいという方はたくさんいます。しかし、それは関東や関西の大都市でのお話です。私が住んでいる、そこそこ大きい地方都市でさえも、マッチングサイトに掲載されている人は10名にも満たないほどでした。地方では、ベビーシッターの需要はあるのに供給はないというのが現状のようです。現在シッターをしている人の多くは「自分が育児をしている時に困ったので、何かお役に立てれば」という志を持った方です。私も子育てが一段落したらどなたかのお役に立てればと思っています、そうした人たち思いが循環しながら、より良い子育て環境が作られていけば良いなと願うばかりです。(田中かなた)
2015年12月06日モンテッソーリ教育は、シュタイナー法と並び「世界2大幼児教育法」と称される教育法です。根底にあるのは、子どもの「敏感期」がどういうものかを知り(→知る)、子どもをきちんと観察し(→見守る)、子どもに適切に声がけ、働きかけをする(→ときどき助ける)という子育てメソッド。欧米で実績のある手段なのだそうです。『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(神成美輝著、百枝義雄監修)は、そんなモンテッソーリ教育を子育てに取り入れるためのコツを紹介した書籍。3章「『観察→発見→見守る』から始まる、今すぐできる10のこと」から、要点を引き出してみましょう。■1:観察する観察の目的は、子どもの「興味の中心」を見つけること。たとえば電車の名前をおぼえるのが好きだった子は、そこから、駅、地図、そこで働く人など、興味を広げていくもの。つまり子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、そこから広がりを得ることができるということです。そこで、まずは子どもがなにに本当に興味があるのか、じっくり観察してみることが大切だと著者はいいます。■2:自由に選択させる「~しなさい」と親が決めたことをさせるだけでは、子どももやる気を失うもの。そうではなく、大切なのは「選択肢」を与え、判断力を育むこと。具体的には、小さいうちは「2択」。大きくなるにつれ、選択肢の数を増やしていくといいそうです。選択するという行動は、考える力につながるもの。なにかの困難にぶつかったときにも、「どうすればいいのだろう」と考えることができるようになるわけです。■3:見守り、挑戦させる子どもの方から「手伝って」「助けて」というサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。なぜなら失敗をして、新たなやり方を見つける、もう一回最初からやってみるというようなことを繰り返すことによって、子どもは自分でいちばんいい方法を見つけ出すことができるから。「教えない教え」によって、やる気と自信、気づきの機会を与えるべきだということです。だからこそ、子どもの方から「手伝って」「助けて」のサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。■4:ゆっくり見せる子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなもの。普通のスピードでなにかを教えたとしても、まったくついていくことができないのだそうです。また子どもは、手と耳を同時に働かせることが苦手。口で説明をしながらなにかを教えても、混乱するばかりだといいます。子どもの動き方を教えるときには、(1)子どもがわかるように、ゆっくり見せる。(2)見せるときと聴かせるときを区別する。言葉での説明を同時にしない。ということを意識すべき。■5:子どもを待つ大人から見て、子どものペースが「のんびり」に見えたとしても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。順番を守ったり、習慣にこだわったりするなど、子どものなかには「厳しい秩序」があるので、そう簡単には進められないということです。そこで待ち時間は、「考える力」が伸びる時間であると心得ることが大切。■6:察するのをやめるお茶がほしいと目で訴えれば、なにもいわなくても用意してあげるなど、子どもの気持ちを察して先回りして動くことが多いのが大人。でも「察してしまう」ことが、意思を自分で伝える訓練の妨げになっているとか。知らんぷりをすることも、「伝える力」を伸ばすものであるということ。■7:ルールを設ける自由のなかに、ルールを持たせることも大切。きちんとルールがあり、それを破ると楽しめなかったり、トラブルになったりするということが学べるわけです。大切なのは、ルールをきちんと伝え、あとは見守ること。■8:オーバーにほめない子どもがなにかを「できた」と伝えてきたとき、大人は「やった~。すごいね~」とオーバーにほめてしまいがち。しかし子どもは何度も失敗してようやくできるようになったので、「これだけ練習したんだから、できて当たり前」「そんなにすごくはない」と思っているのだとか。しかし子どもは、「ほめられる」より「認められたい」もの。そこで、オーバーにほめずに、認めてあげることが大切だといいます。■9:共感する1歳半~3歳くらいまでの子どもは、なんでも「イヤイヤ」というイヤイヤ期。そんなときの対処法のひとつは、「イヤなのね。でも、いまから○○するからお片づけしよう」というように、“やりたくない気持ち”を受け入れることが大切。うれしいことも、イヤなことも共感することで、子どもとの心の距離がぐっと近くなり、「チャレンジ精神」が向上するそうです。■10:失敗させる子どもは失敗しながら多くのことを学ぶもの。だからこそ、間違っているときに教えてしまうのではなく、あえて失敗を「見せる」勇気が学力向上につながるのだと著者はいいます。*これらはほんの一例で、他にも「知る、見守る、ときどき助ける」ためにおぼえておきたいことが満載。子育てに四苦八苦している方は必読です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神成美輝(2015)『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』日本実業出版社
2015年12月05日わたしにとって産後、一番辛いこと。それは日々の睡眠不足。産後間もない、新生児の間は特に睡眠が取りにくい。夜眠り始めても、2時間もすると我が子は泣き出し、30分かけておっぱいをあげ、お腹がいっぱいになったところで再び眠る。そしてまた、2時間もしたら泣き出すものだから、女性は母になった途端、誰もが寝不足の辛い毎日を送ることになる。産後、実家での生活も3週間が過ぎ、相変わらず眠れない日々が続いていた。いくら早い時間に布団に入ったとしても、息子の存在が気になって仕方ない。またすぐに泣き出すのではないか? そう思うと気がちって眠りに集中できないでいた。「あぁ…眠い…」そんな不眠に悩むわたしを余所に、夫はぐうぐうと幸せそうに眠りこけている。あぁ、羨ましい。こっちの気持ちも少しはくんでほしいものだ。しかしながら、夫は翌朝6時に起きて出社しなくてはならないし、起きてもらったって何をしてもらうわけでもない。不眠続きで体力が奪われ、起きている間もなんだか気持ちを明るく保てない。あぁ、今日も眠れないのか。そう思いながら日々を過ごしていたら、いつの間にかわたしは、夜中息子が泣くたびに怯えるようになってしまった。かわいいはずの息子が怖い。そんな気持ちを持つなんて、わたしは母親失格?「赤ちゃん、育てていけないかもしれない」顔を両手で覆って号泣し、母に泣きついた。まさか! そんな言葉が口から出るとは自分でもひどくショックを受けた。前の回でも書いたが、産後の体力低下に伴いちょっと前に病気にもかかって、精神的に落ち込んでいる。今思い返せば、これはまさに産後鬱!?まずい、まずい。このまま眠れない日々が続けば精神的にもっともっと落ち込んでいく気がする。そう思った私は、眠れる方法をどうにか編み出そうと色々と探ってみることにした。お風呂で身体を十分温めてみたり、つまらない小説本を読んでみたり、布団に入る前も後もいろいろと試してみるも、眠れない。「うーん、これはまいったな…。どうしたらよいものか」悩みに悩んだ末、リラックスできそうな音楽をかけて眠ってみることにした。わたしが選曲したのは「ノラ・ジョーンズ / don’t know why」誰もが知っている名盤。いつも聞いているようなボリュームより、もう少し大きな音で「どんのおわあい~どのわい~でぃでぅんか~」エンドレスでかかるように、リピートにしておく。「どんのおわあい~どのわい~どんのおわあい~どのわい~」いつもより曲に集中してみる。すると…?これが、、、、なんと効果覿面!!!!!!わたしの頭は雑念から解放され、思考はすべてノラ・ジョーンズのどんのおぉわあい。「don`t know why 分からないの…」と彼女は歌うけれど、いや、分かるよお! ノラ~分かるよお!と、頭ではそれを繰り返す。3回程この曲が繰り返された頃、ようやくウトウトと眠りにつくことが出来た。こうしてわたしの不眠続きの日々は、ノラ・ジョーンズのおかげで解消されたのだった。2時間おきの授乳は相変わらずだったけれど、その隙間で眠れるようになるまでに回復し、毎日少しずつ眠る時間を増やしていくことで、わたしはすっかり元気になっていった。元気になったとたん、自分の子どもの可愛さに再び気づく。それにしてもどうして眠れなかったのか。子育てができないなんて、どうして思ってしまったのか。どんのおわあい、don’t know why あぁ、不眠は怖いよ。あぁ、産後鬱は怖いよ。こうしてしばらくの間、ノラ・ジョーンズなしでは逆に眠れなくなってしまったわたしだった。(Boojil)つづく次回、「ぼくの大事なへその緒はどこへ?」をお送りします。お楽しみに~!
2015年11月26日不眠、そして体調不良の中、搾乳する日々が続き、実家での生活も3日が過ぎたころ、身体の異常に気づく。「うぅ、寒気がする」ブルブルと震え始める唇。身体中が寒い。顔色も悪い。強い悪寒を抑えるため、母にお願いし、家中の布団をかき集めかけてもらった。その数なんと6枚!それでも身体の震えは収まらない。さすがにこれはおかしい。急性胃腸炎との診断で、薬も飲んだはずだし少しは症状がやわらぐと予想していたのにこれは…?熱を測ってみると、なんと39度2分もある。久しぶりの高熱に、目を疑う。急性胃腸炎ってこんなに高熱が出るもの?この身体の震えは、まずい。更に熱が上がっていくような気がしてならない。このままでは、息子を抱っこしてやることもできないではないか。私の母もオロオロし始めた。可愛い初孫が産まれたのはいいが、娘がこんな状態ではさすがに心配する。タイミングよく、夫が会社から帰って来た。「わ! どうしたの? 熱? あぁ~、心配だぁ」夫もオロオロし始める。この負のサイクル、誰か止めてくれないものか。その後、父も仕事から帰宅した「これはひとまず病院にいこう」その日は土曜日で、病院も夜間救急してやっていない時間帯だった。わたしは車で父に連れられ、夫と一緒に息子を産んだ横浜の病院に舞い戻った。「あぁ、こんな状態でまた病院に戻って来てしまうとは。トホホ」。病院に到着し、熱を測り直してみる。なんと42度まで上がっていた。こんなに高熱が出たのは産まれて初めて。頭がぼうっとして、ふらふらする。きちんと歩くことができなかった。それもそのはず、こんなに熱が高いんだもの。2週間前、わたしはこの病院で息子を産んだ。全体力を振り絞り、大声を上げて、死ぬ思いで産まれてきた、わたしの大事な赤ちゃん。でも、ここに息子はいない。何か大きな病気にかかっているのかもしれない。わたしはこのまま死んでしまうのかもしれない。もうこのまま息子を抱きしめられないのかもしれない。病院のベッドに倒れ込む。わたしの頭は不安でいっぱいだった。尿検査、血液検査、点滴、念のためにCTスキャンもした。結果が出るまで、しばらく待った結果…。「急性胃腸炎、それに加え膀胱炎ですね。」え!? なんと?膀胱炎???先生の結果はこうだった。「急性胃腸炎にかかったことで身体に必要な水分がかなりの量、外に出てしまっています。それに加え、膀胱炎のせいで、本来なら菌を出すための尿がほとんど出ていない。水分不足からやってくる、高熱です。」なんと! いつの間にやら膀胱炎にもかかっていたとは!!産後は色んな病気にかかりやすいとのこと。そして、産後は補給した水分がおっぱいに取られてしまうため、普段より多めに水分をとらなくてはいけないそうだ。わたしは毎日2リットル以上の水を飲むことになった。その日を境に高熱からは解放され、再び実家での育児に追われる生活がスタートした。こどもが産まれてから、この数日の間で味わったことのない幸福感と、心身ともに苦しむ地獄のような時間が波のように押し寄せて、行ったり来たりしている。そんな中、母や父、そして夫は無償の愛で全力サポートしてくれた。仕事で疲れているはずの父も、夫も病院でずっとわたしを待っていてくれた。母も仕事を休んで育児に徹してくれた。これかあ、家族ってものは。すごい、すごい深い絆で出来ているんだなぁ。こどもを産む前よりも、家族のありがたみを更に感じている自分がいる。わたしも母になったんだ。体調を崩している場合じゃない。不眠続きの毎日をどうにか克服していかなければ…!(Boojil)つづくこうしておかっぱちゃんは不眠対策を練り始める。次回、不眠に効果的な◯◯が登場。次回もお楽しみに。
2015年11月19日夫の実家で眠れない日々を過ごして4日ほどが経ったころ、夫の親戚が遊びにくることになった。結婚式でもお会いしたことのある伯母さんに、夫の従妹に、そのこどもたちがお祝いに来てくれた。こどもたちも初めて見る小さな赤ちゃんに触れて、終始嬉しそうだった。一緒に昼食をとり、子育てに関していろいろとアドバイスをもらって良い時間を過ごさせてもらったのだけれど…。その日の夜も、わたしは寝付けずにいた。うーんなんだか気持ちが悪いぞ…どうやら熱もあるようだ。身体が熱い。寝苦しさから喉が渇いたので、夜中水を飲みにキッチンへ。コップ一杯の水を「ゴクン!」と一気に飲みほして部屋に戻ると、急激な吐き気がやってきた。夜中3時ごろ、トイレに駆け込み「おえおえおええ~!」どうしたものか、全て嘔吐してしまった。ふと昨日のことを思い出す。そういえば、夫の伯母さんが「ついこの前、急性胃腸炎で家族全員嘔吐と下痢で大変だったのよ~」と話していたっけ。・・・・は! もしや、この急激な吐き気は、急性胃腸炎なのか?発熱嘔吐不眠産後の体力低下に加えて、この仕打ちはなんなのだろう。それでも、2時間起きに息子はおっぱいが欲しくて泣き出してしまう。「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあああああ」あぁ、おっぱいをあげなくちゃわたしが頑張らなくちゃ。わたしが元気でいなくっちゃ、この子は生きていけない。大きくなれない。死んでしまう。母になったのに、身体を壊した自分が恥ずかしくて、情けなくて、辛くて、辛くて涙が出て来てしまった。「あぁ、お家に帰りたい」。 そう思ってしまった。実家に帰れば眠れるかもしれない。相変わらず義理の両親はわたしたちにとても良くしてくれて、家事は何一つしないでいい暮らしをさせていただいていたのだけど、気遣いから知らず知らずストレスが溜まっていたようで、不眠の辛さも重なって、体力的にも精神的にも辛くなってきてしまった。翌日、夫の家族に具合が悪いことを伝えると、とてもとても心配された。この時、ほとんど眠れていないことも告げると、ふみ婆が「その夜は授乳は大変だろうから、ミルクをあげてみよう」と提案してくれた。ミルクか、果たして飲んでくれるのだろうか?ネットで色々と調べてみると、哺乳瓶のちくびの種類によっては赤ちゃんが嫌がってミルクを飲もうとしないこともあるとのこと。これから先、ミルクを嫌がる赤ちゃんになってしまうと、搾乳するしかなく、今後誰かに預けることもなかなかできない。と書いてある。「うちの子はどうだろうか…」不安がよぎる。ミルクを飲まなかったら、この具合がすこぶる悪い中でも変わらず授乳をしなくてはならない。ただでさえおっぱいをあげているだけで、ものすごい体力を奪われているのに、この状態はピンチだ。産前に買っておいた哺乳瓶。このタイミングで早くも使うときがきてしまうとは。おっぱいの出も良いし、しばらくは完全母乳でいきたかったのに。無念! でも、今は仕方ない。ひとまずちゃんと眠れるように努力せねば。ふみ婆のお言葉に甘えて、その夜はミルクを代理で与えてもらうことにした。ベッドで横になり、安心感からか1時間程眠りにつくことが出来た。その後すぐに息子の泣き声が「うんぎゃあ、うんぎゃあ!」部屋越しに、夫とふみ婆がミルクをあげているようだ。飲んだかな、飲んだかな? 大丈夫かなぁ。わたしは、自分でおっぱいをあげられない不甲斐無さから、責任を感じていた。 やっぱり気になってしまい、ふらふらとした身体で、ドアを開け様子を見に行くと、歓は、ミルクを飲んでいた。「あぁ、よかったあ。あぁ、よかったぁ。えらいねぇ、歓。えらいよ、よく飲んだね」溢れ出す涙。ぬぐってもぬぐっても、止まらない。ゴクンゴクンと、一生懸命ミルクを飲む姿を見て、わたしは義理の母を前に、初めて号泣した。その姿を見て、彼女はわたしの背中をさすって「大丈夫よ、心配しないで大丈夫。ちゃんと元気に育つから、安心して大丈夫よ」と慰めてくれるのだった。これはきっと産後鬱の始まりだったのだろう。(Boojil)つづくまだまだ続く、試練におかっぱちゃんは耐えられるのか!?
2015年11月05日産後、実家での暮らしも10日が過ぎ、子どものいる生活が少しずつ定着してきた。両親は初孫につきっきり。息子の歓がちょっと目を開けるだけで「おぉ、起きたのか!」「誰に似てるかな~よちよち」などと、終始笑顔で接している。わたしの方はと言うと、相変わらず2時間半おきに起きては、授乳をする日々。1日のうち、授乳している時間以外はほぼ目を閉じている息子。生まれてまだ10日。小さな身体に小さな手足。ただ眠っているだけなのに、どうしてこんなにもかわいいものか。睡眠不足でぼやぼやの頭でも、息子を抱きしめれば何でも頑張れる気がした。話は変わるが、夫とは高校時代の同級生同士。そのこともあって、実家同士がとても近い。初孫となった息子とこの時期一緒に生活できるのは、とても貴重なことだし、何よりの親孝行になると考え、わたしは次の日から、夫の実家でも一週間暮らすことにしていた。世間では、嫁・姑問題が勃発し、夫の実家で産後過ごすことは稀なようだけれど、おかげさまで義理の両親とはとても仲が良くさせてもらっているし、きっと互いに良い時間を過ごせるだろう。そんな気軽な気持ちでいた。翌日、揃えたばかりの赤ちゃんグッズを全て車に詰め込み、夫の実家へ。大量のオムツに、下着、ベビーバス、赤ちゃんとは小さな身体の割に、必要な物が多い。ちょっとした引っ越しをする気分だった。わたしは、新しい環境で息子と、夫家族と過ごすことを楽しみにしていた。義理の両親は、ふみ婆と、すみ爺。初孫は最高にかわいいようだ。そして彼らは、孫をあやすときだけ、キャラクターが崩壊する。「あら~かわいいでちゅねえ~」「しょーか、しょーか(そうか、そうか)」世の爺さん、婆さんは孫を抱っこしては、こうしてみんな赤ちゃん言葉になってしまうのだろう。その日の夜はご馳走だった。「ちゃんと食べて、元気になって、おっぱいがたくさんでるといいからね」実家でも母が毎晩栄養満点のおいしい食事を用意してくれていたけれど、こうして義理の母も、わたしにとても尽くしてくれた。あぁ、なんてありがたいこと。夫も久しぶりに過ごす家族との時間がとても嬉しそう。結婚して、家族になって、こうしてまた新しいメンバーを迎えられて本当によかった。夕食を食べて息子の沐浴を終わらせ、「さぁ眠るか~」とベッドに入るも…はて。眠れない。しばらく目をつむっていても、刻々と過ぎていく時間。0時、1時、2時…「おぎゃあ、おぎゃあ」その間にまた息子の歓が泣き出した。すぐに抱き上げ、おっぱいをあげる。満足したのかまた深い眠りに入る息子。うーん、うらやましい。わたしもこうして誰かに抱っこされながら眠りたい。眠気はMAXを迎えているのに、どうやっても寝付けないのは、どうしてだろう?夫がちょっと寝返りをうっただけで音が気になってしまい寝付けない。「はぁ、これは困ったな…」わたしはこんなに神経質だったっけ?目をつむりながら、眠ろうと努力してみたけれど無理だった。その間、自分が小さかったときのことを思い出したり、その日の出来事を思い出したりしていたら、いつの間にか外が明るくなり朝になってしまった。…しまった。眠れない。これは…どうしたものか。その日以降、わたしは不眠気味になってしまった。きっと、環境の変化のせいだ。おっぱいも数時間おきにあげないといけないし、眠れないのはなかなか辛いものである。そんな中、かわいいはずの息子が泣き始めると「わたしだって泣きたい」と悲しくなってしまい、一人息子を抱きしめながら部屋でしくしく泣いた。ただ眠れないことでこんなにも追いつめられるとは、思っても見なかった。こんなにもメンタル面が弱くなるとは、とほほ。そんなある日、またしても事件が勃発するのであった…。(Boojil)つづく
2015年10月29日「自分で考える力を養う」ことが教育の目標として掲げられ、欧米の教育が脚光を浴びています。そのための効果的な学習について、フランスやアメリカの例を取って、以下にまとめてみました。他人からの学びこそが、すべての基礎自分で考える力を養うためにまず重要なことは、「他人から学ぶ」こと。自分で考えるためには材料が必要であり、そのほとんどは他人から生み出される知識です。ごくごく一部の天才的なひらめきを除いて、新たなアイデアや発想、イノベーションのほとんどは、先人による知識の蓄積から学んだことが土台にあるといいます。そのため、アメリカの大学では学生に専攻分野で必読書となるものを徹底的に読み込ませ、論文を書かせます。週に1,000ページぐらい読むのは当たり前で、ほぼ毎週、何本も論文を書きます。読んで、書いて、読んで、書いてを繰り返すことで、先人が蓄積した知識を十二分に吸収し、それについて考え抜いた後で、ようやく自分で新たなアイデアを生み出すことができるようになると考えるからです。フランスでも同様に、大学への入学資格となるバカロレアは論述試験となりますが、これまで学んできたことを基にして自分の考えを理論的に展開する力が問われます。特に哲学の試験では、教科書をはじめ、数々の哲学書に書かれている内容を上手く整理し、最後に自分の考えを述べるようにしないと、高得点は得られないといわれています。実際に書いてみることが最良のトレーニング学びを基に自分の考えを深化させる上で最も確実な方法は、「書くこと」。自分の頭の中だけで整理してまとめることができる人も中にはいますが、ほとんどの人は、書いているうちに思考が深まり、考えがまとまるようです。書き始めると、論旨の展開や表現にも配慮するようになります。書くからには自己満足で終わらず、相手に理解して納得してもらいたいもの。特に、試験で高得点を得ようと思うと、学んだことを単に列記するだけではなく、重要な点をしっかりハイライトし、説得的に述べることがマストです。アメリカやフランスをはじめ、欧米の学校の試験は、ほとんどが論述式です。正しい回答を得ることよりも、それに到達するプロセス、つまり思考のプロセスを見ることが重要だと考えるからです。世の中には回答のない問題が山積みです。正しい答えが存在しない中、自分で回答を導き出すには、思考のプロセスが試されます。そして、最終的に正しい考えとして世の中の人々に受け入れられるためには、周囲が納得してくれるよう自分で説得していかねばらないからです。このように見ていくと、読書などを通じて、まずは「他人の考えについて学ぶこと」が重要であり、それを踏まえて、「自分の考えを説得的に述べることができるようになること」こそ、教育の集大成であり、「考える力を養う」ことであるということがわかります。(タベ真美)
2015年10月10日フランスでは、赤ちゃんはひとりで寝るというのがスタンダード。ママたちには、そのための環境作りや方法が親や友人、知人からシェアされるほか、医師や看護師などからも伝授されます。その根底には、「赤ちゃんは就寝パターン(習慣)を自分で確立できるので、ママはそのお手伝いをしてあげればよいだけ」というロジックが流れています。赤ちゃんは学習意欲旺盛!「赤ちゃんが夜中に泣いたから」といって、すぐに駆けつけて抱っこをすると、赤ちゃんは「泣けば抱っこしてもらえる」と理解し、抱っこしてもらうまで泣き続けるようになります。でも、泣いても誰も来てくれないということがわかれば、ひとしきり泣いた後、ひとりで眠るようになり、やがてまったく泣かずに夜通しひとりで眠るようになります。このように、大人が手助けをしてあげれば、赤ちゃんは自分で就寝パターンを確立できるようになるのです。ちなみに、私個人の体験になりますが、夜一度だけ起きるよう習慣付けることも可能です。わが家の娘は5月生まれですが、夏場となる生後2ヵ月~4ヵ月にかけて、「寝ている間に喉が渇くことがないように」と、夜中に一度起こして授乳するようにしました。そうしたところ、毎晩同じような時刻に起きて、泣くようになったのです。夏が終わりに近づき、夜中の授乳を止めると、その直後の2日ぐらいはちょっと泣きましたが、やがてまた夜通し眠るようになりました。もちろん、赤ちゃんは十人十色なので、1つのやり方がすべての赤ちゃんに通用するとは限りません。なかには、新たな環境に適応するのに少々時間を要する赤ちゃんもいます。その場合には、小ぶりのシーツで赤ちゃんをタイトにお包みをしてあげるなど、お腹の中と似た環境をつくり出し、徐々に適応を促すことも重要だそう。赤ちゃんも「住み慣れた」お腹の中に戻ったような気がして安心するのか、ワンワン泣いていたのが嘘のように静かに眠り始めます。1週間ぐらい続けてからお包みを緩めていき、徐々に慣らしながらフェードアウトさせるのがコツだそうです。安心の目印を一緒に探そう赤ちゃんはもちろんのこと、小さな子どもたちがひとりで眠りにつくには、安心できる何かが必要です。たとえば、いつも一緒に寝るぬいぐるみやブランケット、もしくは、寝る前に歌ってもらう子守唄や童謡、本の読み聞かせなど。「毎日持って寝る」とか、「毎日聞いてから寝る」といった習慣をつけることで安心感が増し、ひとりで眠りにつくことができるようになります。これは、赤ちゃんの「繰り返しを好む習性」にもよるといいます。繰り返すことで安定感を確保し、それが安心感につながるようです。ママが側にいなくても安心させる方法は、ほかにもたくさんあるでしょう。ぜひお子さんと一緒に見つけ出してください。(タベ真美)
2015年10月02日赤ちゃんを寝かせるとき、特に意識せずにあおむけに寝かせる方も多いと思います。赤ちゃんのほうもそれで嫌がるようなこともなく、こうした光景はごく普通のことのように思えますが、実はこの「赤ちゃんをあおむけに寝かせる」ことが人間の知能の進歩に大きな影響を与えているのではないかという考えがあります。どういうことなのかについて少し詳しく見ていきましょう。あおむけ姿勢は人間に特有の現象人間ならばごく普通の光景である、赤ちゃんのあおむけ姿勢ですが、実はこれは他の霊長類には見られない独特の特徴です。例えば一番人間に近いといわれるチンパンジーや、その他のサルについてみると、生後間もない赤ちゃんをあおむけに寝かせる種は存在しないのです。そうした種の赤ちゃんは一人で行動できるようになるまでの間は一日中お母さんザルにしがみついたまま過ごすことが多く、お母さんザルのほうも子どもをしっかりと抱いて一日のほとんどを過ごします。あおむけの状態に寝かせると赤ちゃんは四肢をバタバタさせて不安そうな様子を見せるのが普通なのです。人間とそれ以外の霊長類についてその行動を比較すると、人間の赤ちゃんは生後5カ月目ぐらいであおむけの状態から左右の手で自分の足先をつかむという行動を始めます。そして7カ月目ぐらいにお座りを始め、9カ月目ぐらいからハイハイ歩きを始め、1年以上すぎてからようやくしゃがむようになります。対して、例えば日本ザルの赤ちゃんの場合、産まれてから1週間程度で這うようになり、1カ月目ぐらいでしゃがみ、お座りをするようになるのはその後(生後4カ月目ぐらい)であるという違いがあります。なお、人間の赤ちゃんが最初に見せるあおむけから手で自分の足先をつかむという行動は行いません。このように、人間とサルとでは行動の発達の順番が違っています。人間はあおむけになってからお座りをするように、胴の部分で自分の体を支える姿勢になるような行動が先に出現するのに対し、サルは四肢を使って自分の体を支える姿勢になるような行動が先に出現するのです。あおむけは知性発達の鍵人間の赤ちゃんは5カ月目ぐらいからあおむけの状態になるため、他の霊長類よりも早い段階から2本の手を自由に使うことができるようになります。そしてそれが、他の霊長類には見られない行動(指しゃぶりや手合わせ、そして足先をつかむという行為)をすることにつながっています。このことは人間が他の霊長類にはない高度な知性を発達させるキーとなっており、人間の赤ちゃんは他の霊長類の赤ちゃんに比べ、物をつかんだり動かしたり積み上げたりといった、手を使って何かを取り扱うような動作が早くできるようになります。また、人間の母親は赤ちゃんを床にあおむけに寝かせ、愛情のこもった視線で見つめたり、微笑んだり、いろいろと話しかけたりします。これは、実際には赤ちゃんを抱いていなくても心理的に抱いているというべき状態をもたらし、早い段階から赤ちゃんとの間で相互の意思疎通を行うことになります。そして、このことは、表情や声を使った意思の伝達や言葉の学習になくてはならないことなのです。このように、赤ちゃんをあおむけに寝かせるという独自の行為により、人間は知性を発達させるきっかけを得たと考える研究者は増えてきています。二本の足で立って行動する、という今までよく言われてきた行動よりも、あおむけに寝かせる、お座りをする、といった行動こそが人間が人間たる最初のきっかけなのかもしれません。(子育ての達人)
2015年09月25日お産が始まり、病院についてからすでに10時間が経過。初産にかかる時間の平均は12時間から15時間というから、もうすぐ出て来てほしい…、我が子よ…。しかしながら、わたしの場合は、この時点で子宮口が3センチ。そのまましばらく開かず、陣痛がきてもなかなかお産が進まない…。ああ、早く産ませてくれ…。陣痛のレベルはかなり強くなっていた。まるで拷問を受けているような感覚に変化している!!お腹に時限爆弾を何個も装備して、10分置きに爆破していくような痛みだ。こんなことを言ったら世の中の妊婦さんはびびってしまうだろうが、本当なのだから仕方ない。痛みから来る体調不良。病院に着いた直後に気合いをいれるために食べた、病院食”おいしいサバの味噌煮定食”を全てリバースしてしまった!もう笑う余裕すらなくなってしまい、夫はオロオロ。夫に声をかけられても、上手に反応できなくなってしまった。疲労しすぎて声を出すこともできない。夫は何度もナースコールを押して「妻がやばそうなんです…!」と助けを呼ぶ。陣痛がくるたびに「ぎゃあああああああああああああ、はががああああああ」終盤の陣痛の痛みに耐える様子はまるで地獄絵図。あぁ、こんな想いをするなら本気で人間やめたい。 以前、もうすでに母になっている友達にも、お産の話を聞いたことはあったけれど、みんなすっかり痛みを忘れてしまっているものだから、リアルな痛みの話は産んだ直後でないと聞けないものである。わたしは、知らなかった!!!!!!!聞いてないよ! こんな激痛なんて…! 北斗晶、信じてよかったのね!?!?気づいた時にはもうすでに遅し、わたしは陣痛をなめていた!「痛い」「もうだめだ」「腹切ってくれ」分娩室が壊れるくらい大きな叫び声をあげて、最後の陣痛を迎えた。子宮口は8cmを超えている!!!!「まだ全開じゃないので、息まないでください!」助産師さんはそういうけれど、もう耐えられない…お願い! もう産ませてくれ~。痛みはMAX。そうだな、この痛みを例えると…“5分に一回交通事故に遭う感じ”だな。そうだ、まさにこれが合っている!想像を絶する痛みにどうにか耐えようと、自ら自分の右手を左手で思いっきりつねってみたり、夫に抱きつき夫の襟元を噛んで歯を食いしばってみるも、痛い!!痛い!!!汗だくの中、時計をみると、もうすでに20時間を経過している。現在23時45分 あと15分すると日を越えてしまう。「あぁ!どうしてもこどもの日にっっっ…産んでやるうううううううう!」分娩室が壊れそうなほど絶叫するも、不思議だけれど、最後はどうにでもなれ! とたくましい自分が現れて、いきんで、いきんで、ようやく…頭が出てきた!!!!!ずるんっ!!!!!!23時58分、2905gの元気な男の子が産まれた!「おぎゃっ!」5月5日、こどもの日。わたしはお母さんになった。(Boojil)つづく
2015年09月17日初めまして、おかっぱちゃんこと、イラストレーターのBoojilです。おかっぱヘアがトレードマークなので、おかっぱちゃんと呼ばれています(もう三十路だけど)。そんなわたくし、最近男の子を出産し、初めて母になりました。母になるまで、そしてこれからエンドレスに続いていく初めての子育てについて、おもしろおかしく、時には涙しながら!赤裸々に記録していきたいと思います!まずはみなさまにご挨拶。どうぞよろしくお願いいたします~。初めての妊娠が発覚したのは夏の終わり。予定日は5月17日だった。つわりも長く続いたつらい日々を乗り越え、ようやく迎えた臨月。妊娠中は特に異常もなく、出産予定日の5月を迎えたわたしは、毎日ソワソワしていた。結局産気づいたのは予定日より12日も早いゴールデンウィーク真っただ中の5月5日3時30分。満月の夜だった。お腹の子は男の子。長男である。やった! 5月5日はこどもの日。端午の節句に産まれたら、縁起がいいじゃないか。お休みがバッチリ合った夫もこれならお産に立ち会える。破水から始まったわたしのお産。弱い陣痛がジワジワとやってくるにも関わらずわたしは移動中のタクシーの中で妙にワクワクしていた。旅に出る前のような高揚感。今日もしかしたら赤ちゃんに会えるかもしれない。はち切れそうな大きなお腹をさすりながら、不安と期待に胸を膨らませ夫と共に病院へ向かった。 病院に到着後、さっそく陣痛が少しずつ強くなり始めた。最初は楽しめるくらい、余裕のある生理痛のような痛みに「余裕~余裕~これくらいの痛みなら余裕で産めそうだ~」と安心しきっていた。そもそも出産の痛みのMAXとはどのくらいのものなのだろう?以前、北斗晶がプロレスの試合で膝から落ちて、膝の骨が見えた時より、出産の方が痛い。と、テレビで話していたことを思い出し「まさかね~?」と、自分を落ち着かせる。それから2時間が経過。陣痛は、波のようにじわじわと襲ってくる。痛みのレベルが強くなってきた。痛みに耐えないと赤ちゃんが通る子宮口が開いていかない。誕生に必要な長さは10cm。赤ちゃんの頭がギリギリ通る大きさだ。その時のわたしの子宮口はたった1cmしか開いていなかった。この痛みは、これからどうなっていくんだろう…。赤ちゃんを無事この手で抱けるだろうか?(Boojil)つづく
2015年09月10日フランスで出産すると必ず聞かれるのが「授乳しますか、しませんか」という質問。フランスでは、授乳するかしないかはママの決断であるという意識が強く、その基準となるのはママがハッピーかどうかということ。個人の選択こそが最優先両腕でギュっと抱っこし、愛情に溢れる眼差しで見つめながら、自分の体の一部ともいえる母乳を朝な夕なにあげることは、疑いなく母子の絆強化に役立ちます。ただ、あくまでも手段の1つであり、これに限るものではありません。個人の自由が尊重されるフランスでは、母子の絆を深める手段においても個人の選択が優先されます。その基準となるのが冒頭で述べた「あなたがハッピーである」ということ。愛情を込めてミルクをあげることでハッピーな気持ちになれば、それだけで十分に絆は強化されます。実際に、我が家の娘のお友達も全員がミルク組。でも皆、母乳で育った娘となんら変わらず健やかな成長を遂げ、元気いっぱい、笑顔いっぱいの毎日を送っています。自分のライフスタイルにマッチングさせて「我が子が可愛くてしかたないけれど、子育てだけでは人生が味気ない…」というのは、昨今、多くのママが抱く想い。特に、ビジネスの第一線でバリバリ働いたり、情熱をかけて取組むことがある女性の多くは、子育て以外にやりたいことがいっぱい。でも、母乳をあげていると行動範囲や外出時間に制限がかかるため、思うように人生を愉しめないというのが現実。母乳をあげることで生じる制限がストレスになるなら、一層のことミルクにスイッチするのも一つのアイデアです。一説には3カ月間授乳すれば母親の免疫が子どもに伝わるので、それ以上あげる必要はないと考えるママもいます。フランスでは3カ月で職場復帰するママも多いことから、母乳で初めても数か月後の職場復帰とともに断乳するケースも多々あります。子どもはとても柔軟!我が家の娘は母乳とミルクの混合で育ちました。日中と夜中は全て母乳で、就寝前だけミルクというメニュー。理由はまさしく、ママである私がハッピーでいられるメニューだったということ。フランスのミルクは日本のものと異なり、とろみを帯びた、大層リッチな舌触りのものでした。そのため、腹もちも良かったようで、飲んだら朝まで起きずに寝てくれました。小さな子どもを持つ親にとって、夜、心穏やかに眠れることぐらい贅沢なことはありません。母乳でもミルクでも、大切なことは、母が心から愛情を込めて子どもに接するということ。そのためには、母である私たちがハッピーであることが、もっとも大切なことですよね。(タベ)
2015年08月25日日々すくすくと育ち続ける赤ちゃん、移り変わる季節、それに合わせて赤ちゃんの眠りの悩みはつきないもの。今回は夏になると特に気になる「赤ちゃんの寝汗」について一緒に考えてみましょう。赤ちゃんの寝汗のメカニズム夏の夜、赤ちゃんは寝汗でびっしょり! 「暑い?」「脱水症状にならない?」「汗が冷えて風邪ひいちゃう?」などママの心配はつきませんね。でも、そんなに心配しなくても大丈夫! 赤ちゃんがたくさん寝汗をかくのは自然なことなのです。体には眠りに入るために深部体温を下げるというしくみがあり、汗をかいて皮膚表面で蒸発させることで放熱し体温を下げています。ちなみに眠くなると手足がポカポカするのも、このしくみによるものです。そして、赤ちゃんの体温調節機能は発達途中。周囲の温度の変化に影響されやすく、気温が高ければ汗をたくさんかいて体温を下げる必要があります。これが、赤ちゃんがたくさん寝汗をかくメカニズムです。赤ちゃんの眠る環境は特別に整える必要はあるの?突然ですが、皆さんは赤ちゃんを迎えるまでどのような環境で寝ていましたか?眠りが乱され、朝起きた時にはぐったりする暑さや寒さの中で寝ていましたか? 目覚めが悪く、明らかに睡眠の質を下げているような環境ならば、何かしらの対処をおすすめしますが、ある程度、温度などを調節して「大人がぐっすり眠れて、気持ちよく目覚められる環境」であれば、赤ちゃんも同じ環境で寝ていて大丈夫です。ママがしてあげられることは?ですから、扇風機などで部屋の空気循環を促し、必要に応じて冷房を使用するなど、汗が蒸発しやすく体温がスムーズに下がり入眠しやすい環境を整えてあげたら、「寝汗の心配」「眠りの質」をそれほど心配しなくても大丈夫。その時に注意が必要なのは「扇風機の風向き」と「冷房の温度」。直接、風に長時間あたると体が冷え過ぎてしまうし、寝汗をかかせたくないと部屋の温度を下げ過ぎると、赤ちゃんの発汗の練習機会を奪うことになりかねませんのでほどほどに。「寝冷え」「あせも」が気になる場合は、着せすぎに注意し、背中と服の間にタオルを挟んでおき、寝入って汗が落ち着いたころにそっと抜いてあげましょう。脱水の心配については、夜間授乳があれば水分は足りています。夜間授乳がない場合も寝る前に水分をとっていれば、夜間に起こして水分をとらせる必要はありません。ですが「暑いのに汗をかかない」「体が熱い」「いつもより呼吸が速い」などの異常を感じたら熱中症の疑いもあります。部屋を涼しくする、水分補給、太ももの付け根・腋の下・首の後ろを冷やすなどの対処をしてください。熱中症の初期症状・対処法を知っておくと慌てずに対処できますね。■まとめ赤ちゃんが寝汗をたくさんかくのは自然なこと。朝起きた時に「大人が気持ちよく目覚められる」「赤ちゃんが極端に不機嫌でないか」を夏の夜の心地よい環境の目安にしてみてください。(眠り研究所)参考資料 環境省の熱中症対策マニュアル 3-2高齢者と子どもの注意事項
2015年08月15日お昼寝で悩み続けないために、知っておくとちょっと安心する赤ちゃんのお昼寝について。後編ではお昼寝と向き合う時に大切なコツをお送りします。ママと赤ちゃんでリズムを探すという向き合い方赤ちゃんのお昼寝は、眠り以外の成長や生活の環境などに大きく左右され、さらに、自我が芽生えてくると個性も影響して個人差が大きくなります。ですから、お昼寝の様子はさまざまです。ママの期待通りでも、そうでなくても、お昼寝には「正解」がなく、また「今日のお昼寝」も永遠に続くわけではありません。ママと赤ちゃんの心地よいスタイルを一緒に探すつもりで向き合うことが、お昼寝で悩み続けない最大のコツといえるかもしれません。お昼寝をするタイミングはいつ?おおまかに起床、就寝時刻を決めて生活リズムを整え、眠そうな時間がいつなのか観察しましょう。なかなかお昼寝をしない場合は、寝かしつけばかりに時間を費やさずに、活動する時間に切り替えて次に眠くなるタイミングを待ってみましょう。活動と休息のメリハリをもたせた生活を心がけてみてください。お昼寝をなかなかしてくれないけれどママも一休みしたい場合は、セミサーカディアンリズムの働きで眠くなる、12時から15時の間にお昼寝の習慣をつくってみるのもいいかもしれません。日中の活動にメリハリをつけるためにも悪い習慣でありません。「ママと一緒に休もうね」と部屋から危険なものを取り除いて、ママがその時間にお昼寝するのもいいかもしれません。お昼寝の場所はどこがベスト?抱っこやお布団の上など、どんな場所でもお昼寝してくれればOK。まずはママがこの方法がいいなと思う方法を試してみてください。起きた後に赤ちゃんが機嫌よく活動していれば大丈夫。お布団で寝かせようと思った時、背中スイッチでお布団に置くと起きる赤ちゃんも多いですね。その場合はお布団で眠ることが安心だと赤ちゃんが受け取るまで1週間くらい続けて様子をみてください。1週間ほど試してもその方法でお昼寝をしない場合は別の方法を探しましょ。ママと赤ちゃんにぴったりの心地よいお昼寝スタイルを探してください。ちなみに明るさは木陰くらいが目安。真っ暗にする必要はありません。お昼寝の長さはどのくらい?眠る練習中ですから、お昼寝を長く継続できないこともあります。また、後追いが始まるころには眠りが浅くなったタイミングでママが隣にいないことに気付いて泣いて起きることもあります。短時間で起きてしまっても、生活リズムを整えて夜の睡眠の時間を確保してあげていればそんなに心配しなくても大丈夫。起きた直後だけではなく1日を通して赤ちゃんが機嫌よく活動しているか目を配ってあげましょう。まとめお昼寝はママと赤ちゃんでつくっていくもの。数字は目安に過ぎず、すべての子どもに当てはまるものではありません。そして「ママと赤ちゃんで」と書きましたが、疲れて辛いなと思う時は周りに「辛い」ということを伝えてみましょう。それも育児を楽に楽しく乗り切るための大切な方法の一つです。
2015年08月01日「リビングですやすやお昼寝する赤ちゃんの横でホッと一息つきたい」「昼寝している間に夕飯の支度をして、効率のいい家事育児を目指したい!」。そんなママ達の理想をよそに、赤ちゃんのお昼寝に関する相談はとても多いのです。なかなか寝ない、すぐに起きちゃう、抱っこじゃないと寝ない、外出先で寝ない、他の子はよく寝てくれているみたいなのにうちの子はどうして? などなど。育児に悩みがあるのは当たり前で、ある程度は必要な事とも思いますが、同じ問題に悩み続けるのは辛いですね。今回はお昼寝で悩み続けないように、おおよその月齢別の目安や向き合い方のコツを一緒に考えてみましょう。赤ちゃんのお昼寝の目安とはまずは参考までに月齢別のお昼寝の目安を見てみましょう。生後0ヵ月~まだ体内時計を調整中なので回数は特に気にしなくて大丈夫。朝と夜のメリハリのある光の環境を整えることを意識しましょう。生後4か月~朝・昼・夕の1日3回。体内時計が地球リズムに合ってくる頃。朝の起床時間、夜の就寝時間を徐々に整えていくとお昼寝のリズムも整いやすくなります。生後8ヵ月~朝・昼の1日2回。生後8ヵ月を目安に夕寝が必要なくなってきます。夜の寝つきが悪くなったなと感じたら夕寝をやめるタイミング。1歳3ヵ月~昼のみの1日1回。徐々に朝寝が必要なくなってきます。「寝かそうとしても朝寝をしなくなった」「昼寝が短くなった」「昼寝の寝つきが悪くなった」と感じたら朝寝をやめるタイミング。2、3歳ころからはお昼寝をしない子が増えてきます。お昼寝をしない赤ちゃんもいるこの通りなら悩むこともないのですが、まだまだ眠ることを練習中の赤ちゃん。お昼寝が予想通りにいかないことはよくあることです。そもそも、眠りの目安は「おおよそのもの」と考えてください。2004年にアメリカで行われた1473人の子どもを対象とした睡眠に関する調査では、お昼寝の回数が先ほどの目安に当てはまらない子どもがいることが示されています。例)生後0~2カ月の赤ちゃんの場合・お昼寝を1回もしない赤ちゃん 約5%・お昼寝が1回 約5%・お昼寝が2回 約15%5%と言うと少なく感じるかもしれませんが、人数にすると約20人に1人はお昼寝が0回や1回。意外と多いのではないでしょうか?生まれたばかりの赤ちゃんやお昼寝を1回もしない赤ちゃんでも、その先ずっとしないというわけではなく、眠ることに慣れてくるとするようになる場合もあります。ですから、「眠りの目安」「今日のお昼寝の時間」「周りの赤ちゃん」というキーワードばかりに目を向けず、「ここ1週間くらいの夜の眠り」「日中活発に動けているか」など少し大きな視点でわが子の眠りを見ることが大切です。後編では、ママと赤ちゃんでお昼寝のリズムを探す大切さについてお伝えします。 長い? 短い? 知っておくと安心する赤ちゃんの昼寝のこと~後編
2015年08月01日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日「夜泣き」「寝ぐずり」「昼寝が短い」「夜中遊びだす」などなど…。赤ちゃんの眠りを専門に扱う私たちの元には、日々、さまざまなお悩みが寄せられます。「赤ちゃんは何もしなくてもスヤスヤ眠ると思っていた」「赤ちゃんの眠りについて、産む前に知っておきたかった」夜泣きを経験したママたちからよく聞かれるこれらの言葉。出産後、心の余裕をもって赤ちゃんの眠りに向き合えるように、妊娠中に知っておきたい「出産後の夜泣き予防に役立つ2つのポイント」をご紹介します。まず、夜泣き予防ポイントは2つ。(1) 赤ちゃんとの生活は朝・昼・夜のお日さまリズムをつくること(2) 夜泣きの予防には「ママのメラトニン」まずは赤ちゃんの眠りの成長の流れを知ろう私たちの体には「体内時計」があり、24時間より少し長いリズムで生活しています。そして私たちが暮らす「地球」のリズムは24時間。「地球」と「人間」のリズムのズレをそのままにしておくと昼夜逆転となり、昼行性の動物である私たちは慢性時差ボケ状態になるなど、健康に害を及ぼすことになりかねません。それを防ぐために、私たちの体内時計にはズレを修正する調整機能が備わっていて、朝の光を浴びることなどで地球のリズムに合わせてリセットできるのです。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんの体内時計は大人のようには働いていません。赤ちゃんは生まれた直後から、毎日の光や親の関わりなどの刺激を感じながら眠る練習を重ねて成長します。そして、生後7週前後には昼夜を区別するホルモンの分泌が整い、体内時計を調整することができるようになり、昼夜の区別のある生活に移行していくのです。しかし、生後7週までどんな生活でもよいというわけではありません。親が赤ちゃんの眠りの成長をサポートする必要があります。夜泣きを予防するにはどんなことに気を付けたらいいの?赤ちゃんとの生活は朝・昼・夜のお日さまリズムでつくってあげることが大切です。意識的にお日さまのリズムに合わせて生活することで、赤ちゃんは体内時計を調整する力をつけていきます。体内時計が整ってくると、生活リズムの乱れによる「ぐずり」「夜泣き」などの悩みの割合が減り、育児が楽になります。お日さまリズムのポイントは以下の通り・朝は7時頃までにはカーテンを開けて朝の光を浴びママも赤ちゃんも起きる・昼は光の入る明るい場所で活動的に過ごす・夜は暗く、静かに眠る赤ちゃんの就寝時間の目安は7時。遅くても8時までにはお布団へ。眠る1時間ほど前から、日中より照明を落とし、テレビは消してゆったりと過ごし、眠る時には寝室はなるべく暗くします。(豆電球はつけずに、手元の明かりも直接赤ちゃんの顔に光が当たらないように。スマホの光も眠りにはよくありません。)次回は、夜泣きの予防に必要な「ママのお日さまリズム生活とメラトニン」に続きます。 妊娠中に知っておきたかった…! 「赤ちゃんの眠り」出産後の夜泣き予防に役立つ2つのポイント~後編
2015年07月02日出産後に心の余裕をもって赤ちゃんの眠りに向き合えるように、妊娠中に知っておきたい「出産後の夜泣き予防に役立つ2つのポイント」。今回は後編をお送りします。 妊娠中に知っておきたかった…! 「赤ちゃんの眠り」出産後の夜泣き予防に役立つ2つのポイント~前編 はこちら。夜泣き予防でもう一つポイントになるは「ママのメラトニン」。妊娠9カ月くらいから、ママが「お日さまリズムの生活」をすることが大切です。お腹の赤ちゃんの眠りを知ろう人間の眠りは胎児期の「脳を創り、脳を育てる睡眠(動睡眠※)」から始まります。※後にレム睡眠に発達する睡眠状態。レム睡眠は脳を修復し体を休ませる役割があり、体はあまり動きません。それに対して動睡眠は脳が覚醒し体をよく動かすので「動睡眠」と呼ばれます。お腹の赤ちゃんは、生まれてすぐに生きるのに必要な感覚や動作(おっぱいを飲んだり、不快を感じ泣いて知らせたり)を発揮できるように、動睡眠時に神経回路を創っていると言われています。妊娠9カ月ごろになると激しい胎動に驚くことがありますが、神経回路がつながっているか一生懸命に手足を動かして確認をしている最中なのかもしれません。そのころには睡眠リズムが整い始め、脳や眠りの発達にとても大切な時期に入ります。妊娠10カ月ごろにはさらに発達が進み、睡眠リズムが体動・心拍・呼吸などと連動し、いよいよママやパパに会いに行く準備が整うのです。「ママのメラトニン」とは?この時期はママにできる夜泣き予防にも大切な時期。妊娠9ヵ月頃から、ママも意識してお日さまリズムで生活しましょう。それは、眠りと関係の深いホルモン「メラトニン」が関係しているからです。ママが質の良い睡眠をとって正常に分泌されたメラトニンは、胎盤を通してお腹の赤ちゃんに伝わり、光を感じられないお腹の中での昼夜の判断の手掛かりになっているのです。その経験が生まれた後の生活リズムにも影響している事が分かってきました。(参考文献:Hiroshi Tamura et al.. Melatonin and pregnancy in the human. Reproductive Toxicology. 2008;25:291ー303)メラトニンは体内時計の働きによって、朝起きてから約14時間後に分泌量が増えていき、それにより眠る準備を始めます。分泌は「光の環境」にも左右されていて、眠る前に明るい部屋にいたり、テレビやスマホを見たりしていると分泌が抑制され眠りの質が下がってしまいます。お腹の赤ちゃんの眠りが発達する時期に、ママがお日さまリズムで生活し質の良い睡眠をとることで、お腹の赤ちゃんの眠りの成長をサポートすることができ、出産後の夜泣きの予防にもつながるのです。まとめ出産前も後も「朝・昼・夜のお日さまリズム」がとても重要なポイント。ぜひ、家族で眠りの話しを共有して、協力して可愛いわが子を迎えてください。また、発達の目安として時期を上げましたが、眠りの成長は個人差があります。目の前のわが子をよく見て、数字にとらわれ過ぎないことも夜泣き予防のひとつです。
2015年07月02日初めてのお産を終え、やっと出会えたかわいい赤ちゃん。「おっぱい! おむつ! なんでも私がやってあげる!」と生まれたての我が子を病院で見つめる日々も終わり、我が家へ帰ってきた新米ママたち。「赤ちゃんは泣くのが仕事」と頭ではわかってはいるけど、毎日の育児に気持ちがついていかないと悩んではいませんか。赤ちゃんが泣けば「なんとかしないと! 私はお母さん! 私がなんとかしないと…!」と母としての責任を全うしようと頑張るママたちの姿が目に見えます。しかし、そんなママたちこそ自分を追い込みすぎて辛くなってしまいがち。そんなときは、頭の片隅に「諦め」も肝心ということを置いておいてください。我が子がかわいいあまりに、こんなこと思うときはありませんか? 「私と赤ちゃんは繋がってるから大丈夫…! 私が冷静になればきっと泣き止む…!」。でもそんな気持ちは一旦心の奥にしまってみませんか? 酷な言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、心が繋がることで泣き止んでくれるのならば、「泣き止んで!」と思った瞬間泣き止んでくれるはず。しかしそう簡単にいかないのが現実です。次は赤ちゃんがどんな理由で泣いているのかを詳しく教えます。泣き顔も我が子ならば愛おしい生まれたての赤ちゃんが泣くということはどういうものか詳しく考えたことはありますか? 産科医院の新生児室で、一人の赤ちゃんが無くと周りの赤ちゃんも泣き出します。これは一種の「共感性」と呼ばれる反応なのです。わかりやすく説明すると、一人の赤ちゃんが泣き、その泣き声に驚いてとなりの赤ちゃんが泣くのではなく、一人の赤ちゃんが「お腹すいたよ~」と泣くと隣の赤ちゃんが「わたしも! わたしもお腹空いたのよ! ウェ~ン!!」と共感して泣いているということです(もちろんただ驚いて泣く事もあります)。新生児の赤ちゃんの前で、母親が感情に合わせて表情を変えると赤ちゃんが模倣するという実験結果もでています。そして、赤ちゃんだけでなく、お母さんも出産後から誰に教えられるわけでもなく、赤ちゃんの泣き方のトーンを自然と判別し対応を考えるのです。この赤ちゃんの「共感性」と母さんの「判別能力」が合わさることで前ページで出た「私と赤ちゃんは繋がっている」という感覚が生まれるわけです。赤ちゃんは"喜怒哀楽"をママやパパの表情から学び取ります。だから、「母親だから!」なんて肩肘張らず、「これが人間の喜怒哀楽よ!」と力を抜いた、自然体のお母さんを赤ちゃんに見せてあげてくださいね。そうすることで赤ちゃんが泣いている姿も違ったものにみえてくるでしょう。泣き顔だって、かわいい我が子ならば愛おしくてたまらないもの。力を抜いて育児を楽しんでくださいね。
2015年07月01日