忘年会、新年会と、お酒を飲む機会が増える季節。飲み会ラッシュのこの時期は、「今日も二日酔い」「午前中はイマイチ…」なんて、毎年言っている人も多いのでは?今年こそ、二日酔いのない楽しい年末年始を過ごしたいですね!今回、“二日酔いナシ”のコツを教えてくれたのは、現役ナースの方々。命の現場で働くナースが、二日酔いでフラフラしているなんて話は聞いたことがありませんよね。飲み会の翌日でもきっちりと出勤して、テキパキ働いているのですから、きっとお酒の飲み方に何か秘密があるはず。さっそく教えてもらいましょう!●二日酔いって何?どんな症状?二日酔いは自分自身が持つアルコール許容量を超えた場合に、次の日起こる頭痛・吐き気などの不快な状態全般を指します。原因はお酒を飲むことで発生するアセトアルデヒドという物質だと言われていますが、原因の多くは解明されていないというのが現状です。しかし、看護師の間では「これは効き目がある!」とされている方法がいくつかあります●事前準備1:牛乳を飲むお酒を飲む前の事前準備も大事。手軽なところでは、“牛乳を飲む”というのが効果的な方法として知られています。「牛乳に含まれる乳脂肪が胃壁に膜を作ってくれる」という説がありますが、実際は膜ができるわけではなく乳脂肪が胃の働きを抑制してアルコールの吸収を抑えてくれるのだそうです。また牛乳にはアルコールの分解に役立つタンパク質も豊富に含まれています。牛乳以外にも、豆腐や枝豆にもタンパク質は多く含まれていますので、おつまみに一品加えるのもいいかもしれません。●事前準備2:サプリメントを飲んでおく二日酔い防止サプリメントには、アルコール分解に役立ち、代謝を助ける、肝臓につながる血流を良くするなど肝機能を助ける成分が含まれているものがほとんどです。そのため事前の準備が大事!「肝臓でアルコールを分解する処理が追いつかないと、悪酔い、二日酔いの症状を引き起こします。」と現役ナース。今日は気合を入れて飲む日、とわかっているのであれば、事前の準備をしっかりすることで飲み会後と次の日の爽快感が全く違うようです。牛乳に含まれる乳脂肪が胃壁に膜を作ってアルコールの吸収を緩やかにしてくれる、という昔からある説は、まったく有効では無い訳ではありませんが、タンパク質の摂取の方が効果的だそうです!●飲み会最中対策:トマトを食べる二日酔い防止にトマトが良い、というのは初耳の方も多いのでは?ナースによると「2012年5月にアサヒグループホールディングスとカゴメの共同研究から『飲酒時にトマトを食べることで、急激な血中アルコール濃度の上昇を抑えられる』との発表があり、トマト料理を頼むようにしています。」とのこと。お酒を飲むときに意識してトマトを使った料理を食べたり、トマトジュースを使ったカクテルを飲んだりすることで二日酔いの防止策になるのかもしれません。まだ広く知られてはいませんが、これならカンタンに実践できそうですね。●飲み会最中&帰宅後対策:水分を取るナースに聞いた、二日酔いにならない方法の一番大事なことは「水分を採る」。その理由は「病院に急性アルコール中毒の患者さんが来た場合、血中アルコール濃度を下げるため、ビタミン剤やカルシウム溶液などを含んだ点滴で排出を促します。つまり水分を体内に入れるのです。」とのこと。つまり、お酒を飲むときに水を一緒に飲むことで、血中アルコール濃度が高くなりにくくなり、結果体から早くアルコールが出ていくということになります。もし「飲み過ぎたなぁ」と思ったら、水分を多めにとってから寝ましょう。顔がむくむ可能性はありますが…(笑)注意点としてはカフェインは利尿作用があり、水分の排出を促すので寝る前のコーヒーや紅茶はNG。またスポーツドリンクは身体の浸透圧に合わせているので、逆にアルコールの吸収を良くし、悪酔い・二日酔いの原因になる場合もあるそうです。もちろんお酒が入ったドリンクは水分になりませんので、結局のところ、純粋に「水」を摂取することが大事なようです。ナースが実践している二日酔い予防法はいかがでしたか?知っている方法もあったと思いますが、特効薬がない二日酔いには地道な努力は欠かせません。今回紹介した予防法は、必ずしもすべての人に有効とはいえませんが、いくつか方法を試してみることで自分に合った方法が見つかるといいですね。プロフェッショナルたるもの、ONとOFFの切り替えを上手に行なえる、賢いお酒の飲み方を実践したいですね。ぜひ今年の年末は、次の日にダメージを残さない飲み方をマスターして、よりお酒を楽しみましょう!■今回ご紹介した以外にも、恋愛術や生活の知恵など、ナースの意外な情報を大公開中! ナースフル×ウーマンエキサイト特別企画ページ ■取材協力: リクルートの看護師求人・転職パートナー「ナースフル」
2012年12月04日朝起きたら頭がズキンズキン、吐き気もある、胸焼けもする、おまけに遅刻する――。何度経験しても繰り返してしまう二日酔い。シラフのときに正しい知識を得て、夜に備えて(?)おきたいものです。内科医・医学博士で大阪府内科医会副会長の泉岡利於(いずおか・としお)先生に、二日酔いの対策についてお話をうかがいました。■二日酔いのメカニズムまずは、基本のき、ですが、どうして二日酔いは起こるのでしょうか。泉岡先生はこう説明します。「お酒を飲むことで体の中に摂取されたアルコールは、主に胃と腸から吸収されて血液中に入ります。その後、肝臓でアセトアルデヒドという物質になり、さらに酢酸、最終的には水と二酸化炭素に分解されます。分解に要する時間は体重や体質によって異なりますが、だいたい1時間にアルコール10ccを分解しますので、日本酒に換算すると3合のお酒を分解するのに9時間かかることになるんです。この分解の途中で、アセトアルデヒドという物質が発生しますが、これが二日酔いの原因と言われています。肝臓のアルコール分解能力を超えた量のお酒を飲むと、分解しきれなくなった量だけ、毒性の強いアセトアルデヒドがそのまま血液中に流れてしまい、激しい頭痛やおう吐感を呼ぶわけです」つまり二日酔いになるのは、自分の肝臓の分解能力オーバーまで飲みすぎてしまうからなのですね。では、どうして頭痛や吐き気、だるさを感じるのでしょうか。「二日酔いの代表的な症状の一つである激しい頭痛は、アセトアルデヒドによる直接作用とアルコールの脱水作用によって、脳の細胞に含まれている水分が少なくなり縮んでいるために起こります。この脱水状態は水分の補給により回復します。また、脱水状態は脳だけでなく全身で起こっているため、体内の水分量が減少して体液中に含まれているナトリウムやカリウムの濃度が高くなります。一方で、カルシウムやマグネシウム、亜鉛などが尿と一緒に体の外へ出てしまい、不足しがちになります。カルシウムやマグネシウムは筋肉の収縮や血圧の調整などに必要なミネラルですから、不足することで、疲労感や脱力感を覚えることになります」と泉岡先生。つらい頭痛や吐き気は、水分やミネラルなど、体に必要な物質が欠乏しているサインなのでしょう。■何をおいても水分補給をでは、二日酔いになってしまったときはどのようにすればいいのでしょうか。「二日酔いになってしまったときにすべきことは、とにかく水分補給です。特におう吐したような場合は大量の水分が失われるので、いっそうの水分補給が欠かせません。水を飲むと、また気持ち悪くなって吐いてしまうのではないかという不安で飲まない人もいるようですが、脱水症状を起こす危険を避けるためにも、できるだけ水分はとってください。お酒を飲んだあとや翌日にのどが渇くのは、アルコールの分解に体内の水分が消費されているからです。 十分に水分を補給しておかないと、アルコールの分解が滞ってしまい、二日酔い状態が長引くことにつながります」(泉岡先生)お酒を飲んだあとに、無意識に水が飲みたくなることにも理由があったとは驚きです。■二日酔い解消のOK&NG集泉岡先生監修のもと、二日酔いになってしまったときの対処法の「効果的なこと」と「してはいけないこと」をご紹介します。<二日酔いにやってはいけない!NG集>・頭痛薬を飲む二日酔いで頭痛に悩まされて頭痛薬を飲む人がいますが、平時の頭痛とは原因が異なるので効果は期待できず、また、胃があれてしまうことがあります。頭痛と同時に吐き気や胃の膨満(ぼうまん)感、食欲不振などがあるときは、胃壁がアルコールで荒れている証拠です。避けたほうがよいでしょう。・迎え酒二日酔いでよく迎え酒を飲む人がいますが、二日酔いの不快な症状をアルコールで一時的にまひさせているだけに過ぎず、余計にアルコールを分解しなくはなりません。「二日酔いの二日酔い」になってしまうので要注意です。・サウナお酒を飲んだあとにサウナや風呂に入るのは、血中アルコール濃度を上昇させてしまい、20代でも脳卒中になることもあります。脱水症状になると、アルコールが分解されにくくなるばかりか、血液がドロドロになりやすくなります。また、高温のサウナは心臓にも負荷がかかりやすいため、そのほかの病気の引き金になってしまうことがあります。十分に気をつけてください。<二日酔い解消策OK集>・熱いシャワーを浴びる血行がよくなり、体の中でのアルコールなどの分解も活発 になります。頭も少しはスッキリするはずです。 ただし、体調が悪いときは注意して下さい。・ようかんなどの和菓子と緑茶をセットで食べるこの組み合わせには、アミノ酸、糖分、緑茶のビタミン、水分など、アセトアルデヒドの分解に必要なものがそろっています。・チョコレートを食べるアルコール分解で失われた体内の糖分を補給するために、チョコレートは効果があります。おつまみにチョコレートを適量食べるのは良いとされています。・柿を食べる昔から酔い覚ましには柿がいいと言われていますが、柿に含まれているカタラーゼという酵素は、アルコールの酸化を活発にさせ、アセトアルデヒドの分解を進める効果があります。また、柿に多く含まれる果糖が、低血糖状態の糖分補給にもなります。ほかにも、レモン、グレープフルーツ、みかん、ナシ、バナナなどのフルーツも効果があります。・コーヒーを飲む二日酔いによる頭痛の場合は、コーヒーが効きます。中枢神経を刺激して興奮させるカフェインの働きが頭痛抑止に効果をもたらします。頭痛薬を飲んだり、サウナに入った入り、迎え酒を飲んだりという経験はありませんでしたか?二日酔いのメカニズムと対処法を知っておくことは、二日酔いのつらさ軽減のために大いに役立ちそうです。監修:泉岡利於氏。医学博士。内科医、大阪府内科医会副会長、医療法人宏久会泉岡医院(大阪市都島区)院長、ほか。岩田なつき/ユンブル)【関連リンク】【コラム】眠気、ストレス、二日酔いに最適!一人で出来るお手軽マッサージ【コラム】あなたがほしいと思う休暇はどれ?20代読者1026人にアンケート【コラム】お酒で失敗したことがある人ちょっと集まってください!
2011年07月12日