伊坂文月、城咲あいは2023年2月1日、神奈川県横浜市港北区箕輪町2-9-6に、子供から大人までの夢をサポートする総合芸術エンターテイメントスタジオ『PETIT-PERFORMING-ARTS(プティパフォーミングアーツ)』を設立したことをお知らせいたします。本スタジオは2023年2月1日から体験予約をスタートし、2023年3月からレッスンを開始いたします。伊坂文月 城咲あい■『PETIT-PERFORMING-ARTS(プティパフォーミングアーツ)』についてK-BALLET認定校『PETIT-PERFORMING-ARTS(プティパフォーミングアーツ)』はK-BALLET COMPANY ゲストアーティスト 伊坂文月と元宝塚歌劇団 城咲あいがプロディースする総合芸術エンターテイメントスタジオです。長年に渡り子供達を教えてきましたが、個々それぞれの道、目標、成長に合わせてカリキュラムを組む事の大切さを学びました。当スタジオではバレエ、コンテンポラリー、HIPHOP、JAZZダンスの現役ダンサー兼、様々な教育現場での経験豊かな教師陣がクラスを行います。尚、海外で活躍できるプロフェッショナルダンサーや宝塚志望者、ミュージカル志望者などの育成や、大人やお子様への習い事まで幅広く学べるスタジオです。伊坂文月■スタジオのこだわり<身体への負担が少ないフロアを使用しております>当スタジオでは、子どもから大人まで安心して踊っていただけるように、身体にやさしいハーレクイン社のバレエシート(施工:アテール社)を使用しております。このシートは新国立劇場のバレエ床にも採用されており、身体への負担をより少なく、快適に踊っていただくことができます。■クラス紹介・バレエクラスプティバレエクラス、プティJr.バレエクラス、Jr.1バレエクラス、Jr.2バレエクラス、アドバンスクラス・ダンスクラスプティダンスクラス、プティJr.ダンスクラス、Jr.ダンスクラス、Jazzクラス・オープンクラスバレエ入門、バレエ基礎、バレエ初級、バレエ初中級、バレエ中上級、ママのためのバレエ入門、プライベートレッスン、パ・ドゥ・ドゥクラス※詳しい情報は下記ホームページをご覧ください。 ■スタジオ情報スタジオ名:PETIT-PERFORMING-ARTS(プティパフォーミングアーツ)所在地 :〒223-0051 神奈川県横浜市港北区箕輪町2-9-6 石井工務店2FTEL :045-534-5126営業時間 :10:00~22:00定休日 :なし ※祝日と5週目のレッスンは休み■今後の展望地域の子供達への非営利教育事業2月10日箕輪小学校にて小学校4年生に向けたバレエ授業を行いました。PETIT-PERFORMING-ARTS(プティパフォーミングアーツ)では、バレエ、ダンスの出張授業等を非営利目的で行っていきます。子供達にバレエ芸術の素晴らしさ、エンターテイメントの楽しさなどを、教育の一環として触れて頂き、心が踊り、少しでもバレエやダンスに興味を持ち、心の豊かさを育んで欲しい。そんな風に我々は考えています。授業の一環として小学4年生向けに、バレエの歴史、バレエ鑑賞、バレエ体験などを行います。ピアノ生演奏付きです。【会社概要】PETIT-PERFORMING-ARTS(プティパフォーミングアーツ)所在地 : 神奈川県横浜市港北区箕輪町2-9-6 石井工務店2F代表者 : 伊坂文月設立 : 2023年2月1日URL : 事業内容: 教育 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年02月16日Theピーズが、伊坂幸太郎の最新作『マイクロスパイ・アンサンブル』(幻冬舎)の発売を記念して小説内に登場する楽曲をまとめたオリジナルプレイリスト「伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』-from オハラ☆ブレイク-」を公開した。『マイクロスパイ・アンサンブル』は、福島県・猪苗代湖で2015年から開催されている音楽フェス『オハラ☆ブレイク』のために伊坂氏が毎年書き続け、同フェスの会場でしか手に入らなかった7年分の連作短編を書籍化したもの。「『オハラブレイク』は音楽イベントでもありますから、自分の好きなバンドやミュージシャンを関連付けた小説を書きたい」という伊坂氏の想いから、彼の敬愛するTheピーズやTOMOVSKYの「グライダー」や「スポンジマン」といった楽曲が各短編小説のモチーフとされており、作中には楽曲の歌詞も多数引用されている。カバーイラストは、2014年刊行の『アイネクライネナハトムジーク』(幻冬舎)などの伊坂作品を手がけてきたTOMOVSKYが担当。通常版に加え、小説が生まれた舞台である福島県・猪苗代湖にちなんで「福島県書店限定カバー」と、TSUTAYAの店頭でしか手に入らない「TSUTAYA限定カバー」の2種類の特別カバーが描き下ろされた。通常版はブルーを基調として猪苗代湖の昼間の光景が描かれているのに対し、オレンジを基調とした「福島県書店限定カバー」は夕方の光景が、紺色を基調とした「TSUTAYA限定カバー」は夜の光景がそれぞれ表現されている。■伊坂幸太郎 コメントTheピーズやトモフスキーさんの曲は、『もうだめだ』と思いがちな自分に寄り添ってくれる。励ましてくれるわけでもないのに、笑ったり、うなずいたりできて、少し救われた気持ちになる。音楽の好みは人それぞれで、押し付けるつもりはないのだけれど、このプレイリストが、彼らの曲を必要としている誰かに届くきっかけになれば嬉しい。<プレイリスト情報>伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』-from オハラ☆ブレイク-『伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』-from オハラ☆ブレイク-』カバー画像配信リンク:<書籍情報>伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』発売中定価:1,430円(税込)判型:A5判頁数:192頁伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』通常版カバー伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』福島県書店限定カバー伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』TSUTAYA限定カバー『マイクロスパイ・アンサンブル』特設サイト:ピーズ キングレコード公式アーティストページ:
2022年04月27日伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』がハリウッドで実写映画化。映画『ブレット・トレイン』として2022年9月1日(木)に公開される。主演はブラッド・ピット、監督はデヴィッド・リーチ。伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』がハリウッド実写映画化伊坂幸太郎の『マリアビートル』は、新幹線に乗り合わせた殺し屋たちの任務と因縁が交錯するサスペンスフルなストーリーが魅力のベストセラー小説。今回はハリウッドの⼀流キャスト&スタッフの手により、アクション・エンタテインメント映画『ブレット・トレイン』として実写化される。舞台は日本!新幹線に乗り合わせた殺し屋たちが大暴れ物語の舞台となるのは⽇本。劇中には富⼠⼭がそびえ⽴ち、ライトアップされた東京タワーなど東京の街並みも映し出される。世界で最も運の悪い殺し屋・レディバグは、久しぶりに任務に復帰しあるブリーフケースを奪うよう謎の女性から電話越しに指令を受けた。レディバグは、気合たっぷりに<東京発・京都行>の超高速列車に乗り込むが、それは彼にとって人生最悪な120分間の始まりだった。弾丸列車に次々と乗り込んでくる、キャラ濃すぎの殺し屋たちが、全く身に覚えのないレディバグにどんどん襲い掛かって来る。ブリーフケースを奪ってすぐ降りるだけの簡単な任務のはずが、時速350㎞の社内では決死のバトルが繰り広げられることに。予期せぬ最悪が折り重なり、終着点・京都に向けて<絶望>が加速。やがて繋がる、殺し屋たちの過去の因縁。エルダーがレディバグに諭す「お前の運命だ」という言葉が意味するものとは?主演ブラッド・ピットが殺し屋に・主人公:レディバグ…ブラッド・ピットいつも事件に巻き込まれ、自分とは無関係な人の死に遭遇してしまう、世界で最も運の悪い殺し屋。謎の女性から電話越しにブリーフケースを奪うよう指令を受け、東京発・京都行の超高速列車に乗り込む。・プリンス...ジョーイ・キング⾞内で起こる全ての出来事を裏で掌握し、レディバグたちを翻弄する謎の⼥⼦学⽣。「キスから始まるものがたり」シリーズのジョーイ・キングが演じる。・タンジェリン&レモン...アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー裏社会の⼤物から密令を受けた腕利きの殺し屋コンビ。『TENET テネット』のアーロン・テイラー=ジョンソン、『エターナルズ』のブライアン・タイリー・ヘンリーが担当。・ウルフ...バッド・バニーどういうわけかレディバグに強い恨みを抱くメキシコNo.1の殺し屋。歌⼿・ラッパーのバッド・バニーこと、ベニート・A・マルティネス・オカシオが出演する。・ホーネット...ザジー・ビーツ変装の達⼈で毒使いの暗殺者。『ジョーカー』のザジー・ビーツが務める。・キムラ...アンドリュー・⼩路息⼦に重症を負わせた犯⼈を捜す元殺し屋。・エルダー...真⽥広之キムラの⽗親。なにかと「運命」を語りたがる剣の達⼈。・ホワイト・デス...マイケル・シャノン世界最⼤の犯罪組織を率いる冷酷⾮道な男。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕⽣』のマイケル・シャノンが担当する。・サン...ローガン・ラーマンホワイト・デスの息⼦。犯罪組織の後継者と⽬される。演じるのは、『フューリー』のローガン・ラーマン。・モモもん...??テレビ番組「モモンガ テレビキッチン」の人気マスコットキャラクター。監督は『デッドプール2』デヴィッド・リーチ監督は『デッドプール2』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のデヴィッド・リーチ。原作者の伊坂幸太郎は、解禁された映像を受けて「何この⽇本!?と驚きつつ、豪華な俳優さんたちが活き活きと暴れていることに興奮しました︕暗い気持ちを吹き⾶ばす楽しい映画になるのでは︕と期待しちゃいます。」とコメントを寄せている。日本語吹替版に堀内賢雄、津田健次郎ら豪華声優集結日本語吹替版の主要キャストとして、豪華声優陣が集結。『セブン』や『Mr.&Mrs. スミス』など約25年にわたりブラッド・ピットの吹替を務めてきた堀内賢雄をはじめ、津田健次郎、関智一、木村昴、井上和彦、阪口周平、立川三貴が声の出演を果たす。〈日本語吹替版 声優キャスト〉・レディバグ(ブラッド・ピット)…堀内賢雄・タンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン)…津田健次郎・レモン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)…関智一・ウルフ(バッド・バニー)…木村昴・エルダー(真田広之)…井上和彦・キムラ(アンドリュー・小路)…阪口周平・ホワイトデス(マイケル・シャノン)…立川三貴【詳細】映画『ブレット・トレイン』日本公開日:2022年9月1日(木)全米公開日:2022年8⽉5⽇(金)予定原題:BULLET TRAIN原作:伊坂幸太郎『マリアビートル』(⾓川⽂庫刊)監督:デヴィッド・リーチ脚本:ザック・オルケウィッツ出演:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ザジー・ビーツ、ローガン・ラーマン、マイケル・シャノン、アンドリュー・小路、ベニート・A・マルティネス・オカシオ、福原かれん、真田広之〈日本語吹替版声優〉出演:堀内賢雄、津田健次郎、関智一、木村昴、井上和彦、阪口周平、立川三貴上映時間:2時間6分レーティング:R15+上映形式:IMAX / Dolby CinemaTM(2D 字幕版のみ)MX4D / 4DX / ScreenX / 4DXScreen (2D 字幕版 & 吹替版)※上映に関する詳細は、各映画館ホームページにて告知。■ムビチケカード 一般1,500円発売日:2022年5月27日(金)特典:オリジナル手汗ぬぐい※数量限定のため、なくなり次第終了。※ムビチケカード1枚につき、特典は1枚。※特典は非売品。※取り扱い・販売状況は、近隣の映画館まで要問合せ。
2022年03月06日伊坂幸太郎のベストセラー小説『マリアビートル』を、ブラッド・ピット主演、『デッドプール2』や『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のデヴィッド・リーチ監督が映画化した『ブレット・トレイン(原題:BULLET TRAIN)』が2022年に公開されることが決定した。さらに予告映像と海外版ポスターも公開されている。本作は、新幹線に乗り合わせた殺し屋たちの任務と因縁が交錯するサスペンスフルなストーリーを、ハリウッドの一流キャスト&スタッフで実写化したアクション・エンタテインメント。舞台は日本。解禁された映像の冒頭では富士山がそびえ立ち、ライトアップされた東京タワーなど東京の街並みも映し出される。久しぶりに任務に復帰した殺し屋(ブラッド・ピット)は、あるブリーフケースを盗むよう電話越しに謎の女性から指令を受ける。彼はコインロッカーに用意されていた銃を敢えて受け取らず「この仕事には良い運気を感じる」と意気込み超高速鉄道に飛び乗るが、偶然乗り合わせていた超クセ強の面々に命を狙われてしまう。出演はブラッド・ピットに加え、ジョーイ・キング(『キスから始まるものがたり』シリーズ)、アーロン・テイラー=ジョンソン(『TENET テネット』)、ブライアン・タイリー・ヘンリー(『エターナルズ』)、ザジー・ビーツ(『ジョーカー』)、ローガン・ラーマン(『フューリー』)、マイケル・シャノン(『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』)、アンドリュー・小路、歌手・ラッパーのバッド・バニーことベニート・A・マルティネス・オカシオ、福原かれんに加え、真田広之の出演も予告映像から確認できる。さらに今回の映像解禁に合わせ、原作者の伊坂幸太郎からコメントも。「何この日本!?と驚きつつ、豪華な俳優さんたちが活き活きと暴れていることに興奮しました!暗い気持ちを吹き飛ばす楽しい映画になるのでは!と期待しちゃいます」と、映画の完成に向けて期待を感じているもようだ。今年の注目映画になるに違いない本作に期待しつつ、続報を待とう。『ブレット・トレイン』2022年公開
2022年03月03日伊坂幸太郎のベストセラー小説「マリアビートル」を、ブラッド・ピット主演、『デッドプール2』のデヴィッド・リーチ監督で映画化した『ブレット・トレイン』(原題:BULLET TRAIN)が2022年に劇場公開決定。初の予告映像と海外版ポスターが世界一斉解禁された。本作は、新幹線に乗り合わせた殺し屋たちの任務と因縁が交錯するサスペンスフルなストーリーを、ハリウッドの一流キャスト&スタッフで実写化した、ユニークなアクション・エンタテインメント。舞台は日本。解禁された映像の冒頭では富士山がそびえ立ち、ライトアップされた東京タワー、高架とネオンなど東京の街並みも映し出される。久しぶりに任務に復帰した殺し屋(ブラッド・ピット)は、あるブリーフケースを盗むよう電話越しに謎の女性から指令を受ける。彼はコインロッカーに用意されていた銃を敢えて受け取らず、「この仕事には良い運気を感じる」と意気込み超高速鉄道に飛び乗るが、偶然乗り合わせていた超クセ強の面々に命を狙われるはめに…。出演はブラッドに加え、『キスから始まるものがたり』シリーズのジョーイ・キング、『TENET テネット』アーロン・テイラー=ジョンソン、『エターナルズ』ブライアン・タイリー・ヘンリー、『デッドプール2』『ジョーカー』ザジー・ビーツ、『フューリー』ローガン・ラーマン、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』マイケル・シャノンほか、アンドリュー・小路、歌手・ラッパーのバッド・バニーことベニート・A・マルティネス・オカシオに加え、「ザ・ボーイズ」の福原かれん、真田広之の姿が確認できる。ジョーイ・キング映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の主題歌でもあった軽快な「ビージーズ」の「ステイン・アライブ」に乗せ、デヴィッド・リーチ監督らしい本格アクションとユーモアが融合した本作に、原作の伊坂氏は「何この日本!? と驚きつつ、豪華な俳優さんたちが活き活きと暴れていることに興奮しました! 暗い気持ちを吹き飛ばす楽しい映画になるのでは! と期待しちゃいます」と、大きな期待を寄せている。『ブレット・トレイン』は2022年、全国にて公開(全米7月15日公開予定)。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブレット・トレイン 2022年、全国にて公開
2022年03月03日伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」を原作とするハリウッド実写映画『Bullet Train』(原題)の主演が、ブラッド・ピットに決定したという。「Variety」誌などが報じた。ブラピは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でアカデミー賞の助演男優賞を受賞後初の出演作品として、デイミアン・チャゼル監督の『Babylon』(原題)に主演予定だったが、新型コロナウイルスの影響で同作の撮影が2021年に延期に。スケジュールに空きができ、『Bullet Train』に出演することが決まったとのこと。撮影は年内の開始が見込まれている。監督を務めるデヴィッド・リーチ(『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』)とブラピは、監督&俳優として本格的にタッグを組むのは今作が初めてだが、2人の付き合いは長い。リーチ監督はつい数年前までスタントマンとして活躍しており、『ファイト・クラブ』、『ザ・メキシカン』、『オーシャンズ11』、『スパイ・ゲーム』、『トロイ』、『Mr.&Mrs.スミス』でブラピのスタントマンを務めた。その縁で、ブラピはリーチ監督作の『デッドプール2』にカメオ出演した。(Hiromi Kaku)
2020年07月07日伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」がハリウッドで映画化される。監督は『デッドプール2』や『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のデヴィッド・リーチ。「The Hollywood Reporter」などが報じた。制作スタジオはソニー・ピクチャーズ、製作はリーチ監督と彼の長年の制作パートナーのケリー・マコーミックが制作会社「87North」を通じて行う。『イコライザー2』のアントワーン・フークアとキャット・サミックも名を連ねている。脚本は『ライト/オフ』で共同プロデューサーを務めたザック・オルケウィックが手掛け、リーチ監督がリライトを担当する。内容に関する詳細は明らかになっていないが、キアヌ・リーブス主演作の『スピード』やリーアム・ニーソン主演作の『フライト・ゲーム』のようなタイプの作品になるとのこと。原作では東北新幹線内で殺し屋たちが繰り広げるバトルが描かれている。製作開始時期は、新型コロナウイルスへの安全対策に配慮しながら今秋を予定しているという。ソニーは4月にも日本の作品(漫画)「ワンパンマン」を映画化予定であることを発表している。(Hiromi Kaku)
2020年06月25日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■獅子座生まれのあなたへまなざしの記憶呼び声に振り向くたび、ひるがえる予感の数々。手放せない選択肢に、胸は惑いつづける。あなたはわたしを呼ぶだけでいい。それがプロローグの合図。「あなた」と出逢うごとにわたしは頭の中の筋書きを結び直す。彼らはわたしの空洞を何食わぬ顔で通り過ぎていく。みんなの恋が全部同じならば、物語はもっと単純に済んだだろう。今は離れ離れだとしても、かならずこの地平線上で逢える。恋は何度でもよみがえる。それは、いちど地上に落ちた陽がまた輝きながらのぼるのと同じこと。夜明けの地平線に立てば光がひとすじ滲みゆく。黄色い太陽、わたしから目を離さないで。燃える瞳で見抜いてよ。頼りないわたしの肩を力いっぱい照らして、抱き寄せるの。あなたは、全物語の宛先なのだ。言葉や、ちょっとした仕草もあなたが見ることで完成する。確かにわたしの一部であった、そのまなざしだけが今も胸に焼きついて離れない。終わらない記憶のとびらを叩き、不意にわたしの名を呼ぶことがある。☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。コイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年07月23日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■蟹座生まれのあなたへ真実の泉「選ばせてあげる」その泉から現れた女神は月夜に微笑みながら、木こりの誠実さを試すのだ。「あなたを救いたい。だから、わたしは問いかけるの。どの愛が本物でしょう?よく受けとめて、確かめるのよ」愛し抜くために欲しいのは、鋭い真実だけ。あなたは自らを裏切った。わたしの愛を手放した。嘘の輝きに目がくらんだのでしょう。不実な選択は最後の優しさだったのか。わたしの正義を憎んでほしい。たやすくゆるせてしまうくらいなら。たくみに水辺へ誘いだし、大切なものを落とすように仕向けたきたないわたしのことを、あなたはゆるしてはいけない。もういちど選ばせてあげる。わたしを泉の底から引き上げて遠く連れだすのよ。そして腕の中で叱るのです。かがやく銀の斧を握らせた、わたしの愛の実験をゆるすな。【次回は7月「獅子座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。コイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年06月22日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■双子座生まれのあなたへ視線の戯れ会議室を後にして廊下の壁に踊るわたしの影絵。壁際を器用についてきて、わたしよりも、わたしみたいだ。誰より軽やかなかたわれへひとり微笑みかける。今夜、タイムカードと引きかえに影絵のわたしに交替するの。飼い慣らせるものなら、飼い慣らしてごらん。まなざしは管理できない。きみを照らすためには光だけだと強すぎること、ちゃんと知っているから。ときには影となって忍び寄っていこう。この目にすべてを確かめさせて。わたしをきみから引き離してよ。きみは光の速さで抜き去って、わたしをもっと駆り立てるの。けれど彼方から振り返ること、忘れては厭。視線と視線で戯れたなら影は光に追いついて、ふたりの距離はゼロとなる。ただ激しく競うように見つめて恋の閃光に破れていく。【次回は6月「蟹座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。コイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年05月21日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■牡牛座生まれのあなたへ埋めるべき空白のためにきみの隣で眠れたら恋だと思う。二人で眠ると、あたたかいこと。手を握ると、溶け合えること。朝食にリンゴを剥いて食べるとき、爽やかな甘い果実は二人の子どもみたいであること。教えてあげたい。「彼女っぽく」とか「恋人らしく」とかわたしに求めるのは違うこと、とうに気づいてるでしょう?見つめ合えば、二人のあいだにある空白を否応なく意識する。口火を切って。埋めるべき空白のために、愛の言葉は存在するのだと。おいで、教えてあげる。きみの隣で目覚めたらわたし、きみの爪やきみの心臓を盗むと思う。体温さえ奪って、毛布のようなきみのなかに潜るのだ。きみの目は、わたしの目だよ。萌える新緑よ、見ていて。この恋を誰にも奪わせはしない。【次回は5月「双子座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年04月21日朝井リョウさん、伊坂幸太郎さんら8組9人の作家による競作企画「螺旋プロジェクト」。古代から未来にわたるまで、各時代を各作家が受け持ち、“対立”をテーマに長編を執筆。朝井さんが受け持ったのは平成のパートだ。もともとは伊坂さんが編集者と雑談したなかで生まれた企画とのことで、「依頼をいただいた時、私からすると文壇高校の伊坂先輩に呼んでいただいたという感覚で、それはもう応えないわけにはいきませんでした」植物状態で入院する青年、智也と彼を見舞う雄介。二人は幼馴染みだ。しかし幼少の頃から周囲は違和感を抱いていた。自己顕示欲が強く“やりがい”を見つけては実行する雄介と、彼を冷静な目で見つめる控えめな智也。正反対の二人がなぜ友人同士なのか―。「最初、平成を舞台に対立を描くとなっても、何も浮かばなかったんです。連載開始の前に何度か全員で集まって話し合ったんですけれど、僕だけ何も意見が言えなくて。自分を無価値で、無意味に感じました」もともと日常生活でも、原稿が書けない日は美味しいものを食べることができない、などと自分を責めがちな朝井さん。と同時に、頭をよぎることもあった。「僕にとって印象に残る平成の事件というと、秋葉原通り魔事件や、『黒子のバスケ』脅迫事件。犯人の供述書や関連書を読んで感じたのは、どちらも“社会にとって自分は無価値である”という思いから起こした事件だということだったんです」犯人らも自分も、どうして自分を無価値と考えてしまうのか。「平成って、個人間の対立や争いごとをなくしていこうという試みが強かったと思うんです。学校でテストの順位を張り出さず、運動会で順位を決めず、ナンバーワンではなく自分らしいオンリーワンを目指そうという。でも自分らしさを探そうとすると、どうしても私は自分と人を比べることがやめられなかった。自分の価値を測るために“この部分はあいつより下だ”などと自分で自分をジャッジするしかなかった。そうすると小さい自己否定がちょっとずつ積もっていく。それは内側から腐っていく感覚だなと思ったんです」その痛みを、二人の青年を軸に少しずつ描き出したのが本作だ。「条件だけ抽出すれば、二人は立派な大学を出ているし貧困層でもなく友人もいる。何に悩んでいるのか分からない人も多いと思う。それは今の社会全体にも言えること。内側から腐る痛みを書くことによって、逆説的に平成で対立を書くことができるのではないかと思いました」自分は雄介タイプ、と朝井さん。「対立軸が奪われ、自分らしさを探して“自分地獄”に陥り、自滅していく。私のこれまでの小説でもそういうことが書かれたものがありますが、今回はその集大成みたいなもの」後半は何度も書き直したという。「大変でしたが、でも連載中、伊坂さんが毎回すごく褒めてくださったのが嬉しかったです(笑)」各作家の作品に共通するモチーフや共通するシーンも盛り込まれているという。本作はもちろん、今後刊行予定の他の作家の作品も楽しみ。あさい・りょう1989年生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’13年『何者』で直木賞受賞。著作に『世にも奇妙な君物語』など。『死にがいを求めて生きているの』伊坂幸太郎、天野純希、薬丸岳、乾ルカ、澤田瞳子、大森兄弟、吉田篤弘による「螺旋プロジェクト」の単行本第1弾。平成の暗部を浮き彫りにする。中央公論新社1600円※『anan』2019年4月3日号より。写真・土佐麻理子(朝井さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年03月29日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■牡羊座生まれのあなたへ火の鳥わたしを止めないでね。朝日ははじまりの合図。眩しいあなたを見つめていると、まぶたの裏が熱くなるから血が鼓動しているのがわかるの。心臓をかき鳴らして音階なんて飛び越えてはやく全身で震えたい。好きだと気づく前にからだが走り出していた。一瞬のときめきと熱狂がわたしにわたしを突破させる。飛び込む勇気をくれたのはあなたでしょう?今度はわたしが救いに行くわ。全力で駆けつけるから、こころの声で打ち返して。わたしを止めないでね。もう誰も、ほんとうにね。あなたに離れられたらどこへ走って行けるというの。火の鳥みたいな夕空、消させないわ。空を駆け巡って燃やし尽くしてあなたの恋人を生きたいんだ。【次回は4月「牡牛座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年03月21日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■魚座生まれのあなたへ溺れる青さみしいとき、海は一体何に溺れるのだろう。たったひとり、こんなに波を奏でて。海は二つの「青」を差しだす。すべてを包み、守り抜く青と荒れ狂い、天を殴るような青。二つの青が争いながら鎖のように結びつき、濡れた静けさを鳴らしている。あなたをわたしの海へ突き落とす。呼吸できないほど深く、水底まで引き込んで肺の空気を捧げ合うのだ。溺れてごらん。あなたの鼓動も、瞳の色もわたしの片割れとなり果てるまで。まだ眠っている頬を夜明けの光でやさしく拭う。いつも、ぎりぎりのところであなたを生かしてしまう。わたしはまだ溺れていない。二つの青を隠し持つこの身に潮が満ちていく。【次回は3月「牡羊座の恋愛詩」】プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年02月19日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■水瓶座生まれのあなたへ恋の翼わたしの仕事は、誰かの夜を手当てすること。あなたの翼をなぐさめて明日の空へ飛び立たせよう。境界線などない場所へ未だ見ぬ愛のかたちを求めて。空港の展望デッキに佇めば、朝の訪れは、色づく魔法。滑走路に連なるライトを指先で大胆に結んでいく。今日だけのあたらしい青に遠いあなたの空もちゃんと染まりますように。この青は、わたしの心の色そのものだから。夜を突き抜けて同じ空色の運命を互いの瞳に映していたい。【次回は2月「魚座の恋愛詩」】プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2019年01月20日双子の彼らは毎年、誕生日に不思議な能力を発揮する――伊坂幸太郎さんの新作『フーガはユーガ』は、久々のノンシリーズ、独立した話の単行本だ。「『砂漠』という本を出した時、担当編集の方に双子が生まれたんですよ。それで“次は双子の話を書きましょう”という話になって。だいぶ月日が経ってそろそろ書こうと思い、どう面白くするか考えました。それで、誕生日だけ2時間おきに双子の意識が入れ替わる話を思いついたんですが、その後で映画の『君の名は。』が公開され、これは絶対ヤバイ、真似したと思われる、と(笑)。あの映画自体好きですし、悩んだ末、苦肉の策で意識だけでなく体ごと入れ替わるという設定にしました」風我と優我は仙台に暮らす双子の少年。誕生日だけ2時間おきに体が入れ替わる不思議な能力を持つ彼らはその日は注意深く過ごしているが、時にはその能力を利用して、いじめられっ子を助けることも。テレポーテーションが起きる瞬間、周囲はどうなるのか、手にしているものも一緒に移動するのかなど、細かな設定も作り込んだ本作。「フィクション作品では、大きな嘘は1個だけならアリかなと思っていて。それを成立させるために細かな制約を設定していくのが僕の作風でもある。ここで瞬間移動だけでなく透明人間にもなれる、なんて嘘を重ねると著者に都合がいいだけの設定になるので、嘘はひとつだけです」双子の成長と遭遇する奇妙な出来事が語られるわけだが、謎めいているのは、これが大人になった優我がファミレスでテレビ番組のディレクターに語っている、という形であることだ。しかも優我はしばしば「わざと嘘をついている部分もある」と断りながら話を進めるのだ。「ずっと一人称だけで書いてもいいんですけれど、急に“それはどういうことなんだ”などと割り込んでくる人がいたほうがワクワクしながら書けるんです。それに、後からこいつは信頼できない語り手だったと分かるより、最初から堂々と“嘘も入ってるよ!”と言っておいたほうが読者に対して親切な気がして(笑)」つまり読み手は最初から「何かが怪しい」と思うわけだが、次第にそれを忘れて物語に引き込まれるはず。ただ、辛い場面もある。双子の母親は家を出、彼らは父親から虐待を受けている。近所では幼い女の子が轢き殺される事件も発生し、さらに…。「僕は家族がチームとなって敵に立ち向かう話が好きですが、世の中そんな家族ばかりじゃない。過酷な状況を生き抜く子たちだからこそ、突飛な能力があっていいんじゃないかと思い、はじめて辛い家族環境の主人公にしました。そのほうが2人で乗り越えていく感じが強まりますし。ただ、この能力でできることって、そんなになくて、かなり地味(笑)。そこがいいなと思っています」不思議で切なくて寂しくて、でも優しいラストが待っている本作。「一人称で語り続ける話にしようと思いついたから書けました。映画ではできないことをやりましたし、小説だから味わえる読後感になったのでは。切なさは『アヒルと鴨のコインロッカー』と似ているかもしれません。そういう意味では、原点回帰的な小説になりました」『フーガはユーガ』仙台市内のファミレスで、常盤優我は語りだす。双子の弟・風我のこと、自分たちが持つ不思議な能力のこと、そして彼らが遭遇した、ある事件のこと…。実業之日本社1400円いさか・こうたろう1971年生まれ。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞ほか、受賞多数。※『anan』2018年12月26日号より。写真・大嶋千尋インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2018年12月25日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■山羊座生まれのあなたへ愛の階段誘い出された先は歴史ある古い劇場でした。舞台の中心にそびえ立つ大階段。永遠を目指して、たくさんの愛がここを越えていった。その高みにのぼりつめるとき、どんな景色が見えるのだろう。ひとめ確かめたくてわたしはあなたを愛しはじめた。駆けのぼっていくわたしを追ってきてくれますか。どんな見事な花束もほどかれた瞬間、ばらばらに散ってしまうから。この腕をあなた自身に結わえつけて影絵のように抱き合えばいい。最後の一段を越えていくとき、わたしは客席を振りかえり、高らかに歌いだすだろう。今夜ただひとり招待した、あなたが愛に迷わないように。【次回は1月「水瓶座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。★オフィシャルサイト「Fuzuki Yumi Website」★Twitter「文月悠光@luna_yumi」プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。★ホームページ「RIKA KOIZUMI」
2018年12月22日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■射手座生まれのあなたへ夜を旅して旅をしたい。たとえば、きみの見ている夢をのぞきにこっそりと夜出かけてしまいたい。そこに、わたしがいなくてもいいから。眠るまぶたをノックして、わたしの知らないきみを訪ねにゆくのだ。空を染め尽くす濃密なネイビーブルー。思い出すのは、少女のころに科学館で観たプラネタリウム。愛と殺し合いの歴史を星たちは毎夜、紡いでいる。射抜かれた胸の痛みをもう眠らせてはおけない。冴え冴えと醒めた瞳のなかを星は駆けていくのだから。冷えていく夜気の鋭さを弓矢のようにたずさえて、わたしは夢の世界の使者となろう。熱いまぶたをノックして、きみがどんなにまばゆい星かわたしがきみに見せてあげる。【次回は12月「山羊座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。★オフィシャルサイト「Fuzuki Yumi Website」★Twitter「文月悠光@luna_yumi」プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。★ホームページ「RIKA KOIZUMI」
2018年11月22日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■蠍座座生まれのあなたへ手を染める落ち葉とまちがえて拾ってしまった。片方だけの革の手袋。しなやかに伏し、背を丸くしてわたしの知らなかったわたしがこうしてひととき眠っていたのだ。ヒールに響く痛みはいつしかわたしを鈍く酔わせている。枯れないと信じた愛も信じ抜くままに終わっていくから、あなたにわたしを変えさせてあげる。まるで鏡ね。あなたを映すために生まれた。そうよ、わたしの前に立ち止まって。願いに色づいていく横顔をバーカウンターが艶やかに反射した。隠し扉の奥にたたずむワインボトルから一滴一滴を、この爪に落とす。目覚めなさい、愛に手を染めたなら。革の右手に、はだかの左手を重ねればひっそりと羽ばたきはじめる。血は熱く指さきまで達し、一羽の鳥を秋夜へ放った。「あの人はわたしの手袋だったんです」彼女は告げた。光を宿したまなざしで空のワイングラスを縁取りながら。【次回は11月「射手座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集
2018年10月24日2008年に本屋大賞を受賞し、2010年には堺雅人主演で映画化され大ヒットした伊坂幸太郎原作「ゴールデンスランバー」が、人気俳優カン・ドンウォンを主演に韓国でリメイク。その日本公開が決定した。公開に併せて、韓国版『ゴールデンスランバー』のポスタービジュアルも解禁されている。■ストーリー人気アイドル歌手を強盗から救い出し、国民的ヒーローになった優しく誠実な宅配ドライバーのゴヌ(カン・ドンウォン)。ある日、久しく会っていなかった友人ムヨル (ユン・ゲサン)から突然連絡が来る。再会の喜びも束の間、目の前で次期大統領候補者が爆弾テロにより暗殺されてしまう。動揺するゴヌに向かってムヨルは「お前を暗殺犯に仕立てるのが“組織”の狙いだ。誰も信じるな、生きろ!」と警告して自爆。大統領直属の機関である国家情報院はゴヌを暗殺犯と断定し、マスメディアが一斉に報道。大規模な包囲網が敷かれる。身に覚えのない罪を着せられたゴヌだったが、やがて事件の裏に国家権力が潜んでいることを知る。無数の警察に追われる無実の男は、巨大な陰謀にどう立ち向かうのか――?■伊坂幸太郎も納得の作品、韓国版『ゴールデンスランバー』今回解禁されたポスタービジュアルは、「逃げて、逃げて、生きまくれ!」 というコピーの通り、暗殺犯に仕立てられ逃走するカン・ドンウォンの躍動感溢れるショットが印象的な一枚だ。「本屋大賞」「山本周五郎賞」に輝いた伊坂幸太郎の傑作ベストセラーを原作に、強大な国家の陰謀に巻き込まれた平凡な一人の宅配ドライバーの逃走劇が描かれている本作。観光名所として知られる光化門広場で韓国映画初となるロケを敢行し、撮り直しのきかない一発勝負の爆発シーンを臨場感たっぷりに激写している。原作者の伊坂幸太郎氏も「オリジナルのアイディアが盛り込まれ、カン・ドンウォンさんの魅力が炸裂するソウル版『ゴールデンスランバー』、楽しませていただきました!」とコメントを寄せるほど完成度の高い作品に仕上がっているようだ。■タイトル通り、テーマソングはビートルズの「Golden Slumbers」本作のテーマソングは、ビートルズの解散直前にポール・マッカートニーが完成させた名曲「Golden Slumbers」。その情緒的なメロディーと、誰も信じられない絶望的な状況のなかで主人公ゴヌの心を支える高校時代の友人たちの存在が観客の胸を熱くするだろう。『ゴールデンスランバー』は2019年1月12日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2018年10月11日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■天秤座生まれのあなたへ//// 風吹く理由 ////街は季節のクローゼット。はやりの洋服たちへ次々に袖を通す。(どこへ行き着くつもり?)問いかける声を振り切りながら、風は無傷でありたくて吹く。どんな景色も着こなしてしまう、透明なわたしを見透かさないで。風にひとすじの色をください。「わたしから去らないのね?」一本の木に見惚れて、立ちすくむ。しなやかに振れる枝々よ、わたしが何者であるのかきみの手だけが教えてくれる。この胸の鼓動ごと、幹は抱きとめて揺れはじめた。ゆるせずにいた文字の一粒一粒をきみとわたしを洗う雨にかえよう。くちづければもみじの赤さに染まり、深まる秋をきみは恥じらう。ここを去れないことは弱さじゃない。きみがちゃんと傷を包んで大人になっていった証なのだ。枯れゆくものが愛おしくて、わたしはまた確かめるようにきみを揺らしてしまう。///////////////////【プロフィール】誌:文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。イラスト:コイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。
2018年09月23日18歳という若さで中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さん。詩のみならず、今の世を生きる女性として、誰もが感じる“生きづらさ”や“孤独”を綴ったエッセイ集も話題です。このたび、そんな文月さんによる、12星座別「恋愛詩」の連載がスタート。毎月、月ごとの星座を主人公とした一篇を執筆していただきます。さらに、その詩をモチーフとしたコイズミリカさんの美しいイラストもお届け!切なくて愛おしくて胸がキュンとする…詩とイラストのコラボレーションをお楽しみください。■乙女座生まれのあなたへ片恋の地平線スケッチブックの白いページに未来の花びらを描いていく。ピンと伸びたコスモスの花は紙の上、秩序を守って咲き誇る。やわらかに花開くときをわたしは迎えられるだろうか。今はまだ硬い種のまま、咲き方を知らずに夢見ている。恋の闘争をおそれてこの地に愛の種をひそめた。臆病な猫は誰よりも上等に傷ついていないふりをする。きみは遠い太陽のようにあたたかくて、さびしいひと。欠けたわたしが見えないように雲の上へきみを遠ざけていた。髪を編みながら眺めよう、きみが地平線に燃え尽きるさまを。役に立たないわたしの弱さをいつか見つけて愛おしんでね。スケッチブックの未来をしかと胸に抱き、あるきだす。きみに届く夢をわたしは手放ずに守り抜こう。風にくだけた花びらはふたりが気高くあれるようにとすみやかに夜の星座を成した。【次回は9月「天秤座の恋愛詩」】☆この連載をするにあたって占星術家・まついなつき先生に西洋占星術をレクチャーしていただきました。プロフィール文月悠光(ふづき・ゆみ)詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。プロフィールコイズミリカイラストレーター。1989年生まれ。2012年 東京工芸大学デザイン学科卒業。「言えないこと 見えるもの 彼女たちを通して絵にする」をテーマに、イラストやオリジナルテキスタイル等を制作。
2018年08月23日7月は陰暦で「文月」。由来は、七夕に短冊に詩歌を書いて献じたり、この時期に書物を夜風に曝す風習があるからというのが定説になっていますが、7月は稲穂が膨らむ時期であることから「穂含月(ほふみづき)」「含月(ふくみずき)」、「穂見月(ほみづき)」から来ているという説もあります。「LIMIA歳時記」では、季語と、それにまつわるストーリーを月に1回ご紹介しています。意外にも、「涼し」は暑い夏の季語今年の夏は暑そうですね。私は風鈴やござ、団扇など、昔ながらの情緒ある知恵で夏を乗り切ろうと思っています。それにしても、暑い日々が続くと、ああ、早く涼しくならないかな、という気分にもなるはず。ところが、この「涼し」という言葉、実は夏の季語なのです。たとえば暑い昼下がりに、さあっと風が吹き抜けて、「あ、涼しい」と思うことがありますよね。ほかにも、たとえば直射日光の当たる道路から木陰に入ったときや、どこからともなく風鈴の音が聞こえてきたとき。打ち水をしたとき。かき氷の看板を見たとき。そういうときに感じる、「暑さの中の涼しさ」が、季語でいう「涼し」というわけなのです。古来、夏の暑い盛りに涼を求めることを「納涼」と言い、この言葉は平安時代には既に和歌に歌われていました。今でも「納涼花火大会」、「納涼船」などといいますよね。『源氏物語』によると、平安貴族は、池の面を吹く夕風のなかで、釣りをしたり、詩歌の会や音楽の会を催して暑さを忘れたそうです。優雅ですね。「涼し」には、実際に体に感じる涼しさ以外に、心持ちを表現する場合があります。「涼しい顔」「涼しい目」などといいますが、これはまさに英語でいう「cool」というニュアンスですね。明治から昭和にかけて活躍した小説家・泉鏡花の、江戸時代を舞台にした戯曲『天守物語』に出てくる亀姫が、富姫に向かって「お涼しい、お姉様(あねえさま)」というシーンがあります。これは「お姉様、カッコいい!」という意味のセリフです。この『天守物語』は短い戯曲なのですが、「涼しい」という言葉がそれぞれ違うニュアンスで3回出てきます。ご興味のある方は、原作や映画、舞台などで確かめてみてはいかがでしょうか。【今月の一句】髪少しつめて涼しく結ひにけり高橋淡路女●文如月サラ(きさらぎさら)エディター、俳人。(株)マガジンハウスで『anan』『Hanako』などの編集者を経て独立。現在、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程にて女性のエンパワーメントについて研究中。EDIT THE WORLD●イラストアネタイヨシコYOSHIKO ANETAI▼「LIMIA歳時記」ほかの記事も読む♪▼【LIMIA歳時記】6月は「水無月」。雨降りの季節が訪れます【LIMIA歳時記】5月は「皐月」。新緑が明るく光り始めます【LIMIA歳時記】4月は「卯月」。たくさんの花が咲き始め、本格的な春を感じます【LIMIA歳時記】3月は「弥生」。空気がゆるんで、動物が動き始めます【LIMIA歳時記】2月は「如月」。春の訪れを喜びましょう【LIMIA歳時記】1月は「睦月」。美しい日々を紡いでいきましょう
2018年07月23日伊坂幸太郎の恋愛小説集『アイネクライネナハトムジーク』が実写映画化。2019年9月20日(金)、全国の映画館にて公開される。伊坂幸太郎の恋愛小説集を実写映画化伊坂幸太郎は2008年「ゴールデンスランバー」で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞など数多くの賞を受賞した人気作家。今回は、伊坂の初にして唯一の恋愛小説集で42万部を売り上げるベストセラーとなった『アイネクライネナハトムジーク』が実写映画化される。”アイネクライネナハトムジーク”とは、”ある小さな夜の曲”という意味を持つモーツァルトが作曲した作品の1つ。「劇的な出会い」を待つだけの男、佐藤を主人公としたいわゆる"ダメ恋愛映画"。不器用で愛おしい面々が織りなす、心温まる愛や恋の物語だ。三浦春馬×多部未華子が“不器用な男女”に物語に登場するキャラクターを紹介。キャストには、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の三浦春馬や『あやしい彼女』の多部未華子をはじめとする人気キャストの顔ぶれが揃う。佐藤役(三浦春馬)物語の主人公。マーケティングリサーチ会社勤務の「劇的な出会い」を待つだけの男。本間紗季役/通称シャンプーさん(多部未華⼦)偶然佐藤と出会う⼥性。フリーター。織田一真役(矢本悠馬)佐藤の学生時代からの親友。ちょっと変わり者。居酒屋で働く。織田由美役(森絵梨佳)一真の妻。学生時代モテモテのマドンナ。織田美緒役(垣松祐里)高校生。一真と由美の生意気な娘。久留米和人役(萩原利久)高校生。何かと美緒が気になる。美奈子役(貫地谷しほり)織田由美の同級生で、現在は美容師。声しか知らない男性に恋をする。板橋香澄役(MEGUMI)美奈子の美容室の常連。何かと美奈子を気にかけている。<その他キャラクター>藤間役(原田泰造):佐藤の会社の上司。妻と娘に逃げられる。斎藤さん役(こだまたいち):仙台駅まで弾き語りを続ける不思議なミュージシャン。ウィンストン小野役(成田瑛基):日本人初のヘビー級ボクシング世界チャンピオン。セコンド役(サンドウィッチマン):ウィンストン小野をリングサイドで支える。亜美子役(八木優希):高校生。美緒や和人のクラスメイト。監督・今泉力哉メガホンを取るのは、"ダメ恋愛映画の旗手"とも称される今泉力哉。伊坂が『こっぴどい猫』を見て感動し、「映像化できるのは今泉監督しかいない」とラブコールを送り実現した。緻密な構成と巧みな演出で、リアルで新しい恋愛群像を描いてきた今泉が、どのようにして伊坂ワールドを変換するのか期待が高まる。斉藤和義との交流により小説が誕生、主題歌・音楽も担当主題歌「小さな夜」と劇中音楽を、シンガーソングライターの斉藤和義が担当する。主題歌は、斉藤が映画用に書き下ろした、物語の重要な鍵となる楽曲だ。なおこの作品の誕生には、伊坂と斉藤との交流が大きく関わっている。伊坂は斉藤の楽曲「幸福な朝食退屈な夕食」を聞き、当時勤めていた会社を退職。執筆活動に専念することを決めたというほど、斉藤の大ファンだった。後に斎藤から"出会い"をテーマに作詞を依頼されることになるのだが、「苦手な恋愛モノでも、作詞はできませんが、小説を書くことならば」と短編小説を執筆したという。それが『アイネクライネナハトムジーク』第1章の"アイネクライネ"というわけだ。これを受けて斉藤は、楽曲『ベリー ベリー ストロング 〜アイネクライネ〜』を制作。さらに、この曲のシングル初回限定盤に付属される特典用小説として、伊坂が第2章となる"ライトヘビー"を書き下ろした。ストーリーギターの弾き語りが心地よく響く仙台駅前。大型ビジョンからは、ボクシング世界戦のタイトルマッチに沸く声。「劇的な出会い」を待つだけの男・佐藤(三浦春馬)は、妻と娘に出て行かれた会社の先輩のことを思いながら、この時代に街頭アンケートを実施している。それに快く応えるリクルートスーツの女。手には「シャンプー」の文字。大学を中退し居酒屋で働く佐藤の親友は、なぜかみんなの憧れの美人妻をゲットしすでに娘をもつ。美人妻の同級生は声しか知らない男に恋をしている。運命って、奇跡って、幸せって?音と音がつながってリズムやメロディが生まれるように、誰かと誰かが出会って絆や物語が生まれる――これは、不器用で愛おしい面々が織りなす、心温まる愛とか恋の物語。作品情報映画『アイネクライネナハトムジーク』公開時期:2019年9月20日(金)、全国ロードショー原作:伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)監督:今泉力哉出演:三浦春馬、多部未華⼦、⽮本悠⾺、森絵梨佳、恒松祐⾥、萩原利久、成田瑛基、⼋⽊優希、こだまたいち、MEGUMI、柳憂怜、濱⽥マリ、藤原季節、中川翼、祷キララ、伊達みきお、 富澤たけし、貫地⾕しほり、原田泰造主題歌:⻫藤和義「⼩さな夜」
2018年03月14日人気作家・伊坂幸太郎の初にして唯一の恋愛小説集「アイネクライネナハトムジーク」が、俳優・三浦春馬主演で今冬映画化されることが決定。原作者の伊坂氏から「映像化できるのは今泉監督しかいない!」とラブコールを受けた新鋭監督・今泉力哉がメガホンを取り、4月にクランクイン、オール仙台ロケで撮影を敢行する予定だ。ストーリーギターの弾き語りが心地よく響く仙台駅前。大型ビジョンからは、ボクシング世界戦のタイトルマッチに沸く声。「劇的な出会い」を待つだけのボク・佐藤(三浦春馬)は、街頭アンケートを実施中だ。今時なかなか相手にしてもらえない中、珍しく快く応えてくれたのはリクルートスーツの女性。手には「シャンプー」の文字。これって運命?そういえば居酒屋で雇われ店長をやってる親友が言ってたっけ「出会いなんてどうだっていい、後で自分の幸運に感謝できるのが一番だ」って。確かに、そんな彼には分不相応なほど美人の奥さんと可愛い娘がいて、幸せそうにやってる。運命って、奇跡って、幸せって?音と音がつながってメロディが生まれるように、誰かと誰かがつながって物語が生まれる――。原作は伊坂幸太郎唯一の恋愛小説集! 誕生のきっかけは斉藤和義?2008年、「ゴールデンスランバー」で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞など数多くの賞を受賞し、「陽気なギャングが地球を回す」「重力ピエロ」「グラスホッパー」など様々な作品がドラマ・映画・舞台化される人気作家の伊坂氏。今回映画化が決定した原作小説は、42万部(電子書籍を除く)を売り上げるベストセラーだ。「アイネクライネ」に始まり「ナハトムジーク」で終わる、6章の短編から成るこの小説が生まれるきっかけとなったのは、アーティストの斉藤和義だったという。伊坂氏が会社勤めをしていた頃、斉藤さんの「幸福な朝食退屈な夕食」を聞いて退職を決意し、執筆活動に専念することを決めたという逸話があったが、2人の交流は斉藤さんが伊坂氏に“出会い”をテーマに作詞を依頼したところから始まる。この依頼を受けた伊坂氏は、苦手な恋愛モノでも「作詞はできませんが、小説を書くことならば」と短編小説を執筆。これが第1章の「アイネクライネ」。これを受けて斉藤さんは、「ベリー ベリー ストロング ~アイネクライネ~」を制作した。さらに、この曲がシングルカットされるにあたり、初回限定盤に付属される特典用小説として伊坂氏が書き下ろしたのが、第2章となる「ライトヘビー」だ。短編の中には登場人物それぞれに伏線が敷かれ、最終章でそれが回収されるという仕掛けがあるのだが、映画でもそれが三浦さん演じる佐藤という男を中心に展開していく。主演・三浦春馬からコメント到着!伊坂作品としては「CHiLDREN チルドレン」に出演し、最近では主演ドラマ「オトナ高校」が話題となったことも記憶に新しい三浦さん。本作への出演に関して「とても光栄に思います」と喜びを語った三浦さんは、「この作品に登場するキャラクターが過ごす一瞬や、大切な人との言葉のやりとりが人生の音符となり、柔らかな応援歌になるよう、監督をはじめ、スタッフ、キャスト一丸となって撮影に臨みたいと思います!」と意気込みを語っている。監督は新鋭・今泉力哉、伊坂氏も「面白い映画にしてくれるのではないか」と期待また監督を務めるのは、『こっぴどい猫』『サッドティー』『知らない、ふたり』などを手掛け、緻密な構成と巧みな演出でリアルで新しい恋愛群像を描いてきた“ダメ恋愛映画の旗手”とも称されるいま注目の新鋭監督・今泉力哉。監督は「この映画は“出会い”について、そして“特別ではない人々”の愛や関係性についての物語です。斉藤和義さん、伊坂幸太郎さん、三浦春馬さん、というさまざまな世代の“特別な人”ととともに、どこにでもあるような悩みや、平凡だけど美しい日常を描けたらな、と思っています。楽しみます!」とコメント。伊坂氏は、「『こっぴどい猫』がとても味わいのある群像劇だったので今泉監督なら、この小説を面白い映画にしてくれるのではないかとお願いしました。自分の小説世界が、今泉さん風に変換されるのがいまから楽しみです」と期待を寄せている。『アイネクライネナハトムジーク』は今冬、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年03月11日伊坂幸太郎原作のベストセラー小説「バイバイ、ブラックバード」が、WOWOW「連続ドラマW」としてドラマ化決定。主人公の“5股男”役に高良健吾、そのお目付け役として城田優を迎え、伊坂作品としては初の連ドラ化が実現する。“ある組織”への多額の借金の清算として、「とてもじゃないけど人間の生活が送れない」場所に“あのバス”で連れ去られるという運命が待ち受ける星野一彦(高良健吾)。そんな星野の願いは、“あのバス”で連れて行かれる前に、5股をかけていた5人の恋人たちに会って別れを告げること。そんな彼のお目付け役として、“お別れ行脚”に付き合うことになったのが、怪異な外見と毒舌を発揮する繭美(城田優)。監視役の繭美と共に「大切な人にさよならを告げる」日々がスタートする…。2009年、太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませ、「ゆうびん小説」として書き下ろされた伊坂氏の傑作小説を原作にする本作。『ゴールデンスランバー』『アヒルと鴨のコインロッカー』など、数々の映画化でも知られる伊坂作品としては意外にも初の連続ドラマ化となり、6章仕立ての小説を6話連続形式で見せていく。最大の見どころは、多額の借金を抱えた5股男の高良さんと、謎の組織から見張り役として送り込まれた“女性”を演じる城田さんの凸凹コンビが、テンポよくトップギアで繰り広げる会話劇。いつの間にか(?)5股をかけてしまった主人公・星野は、シンプルに言うとダメ男だが、なぜか憎めず、人の懐にスルっと入ってくるようなキャラクター。その星野を監視するのが、強烈なインパクトを放つ異色のヒロイン・繭美。「身長3m、体重200kg、金髪でハーフ」と本人もうそぶく男性プロレスラー並みのスタイルで、誰に向かっても「おまえ」呼ばわり、言動は常に破壊性を帯びている。そんな掴みどころのない星野と繭美のバディが織りなす、5人の女性に別れを告げるなんとも不思議な数週間。デビューから10年を経て伊坂幸太郎が到達した痛快な傑作が、初めての連続ドラマでどう描かれていくのか。5人の女性たちのキャスティングも含め、続報にも期待していて。■高良健吾(星野一彦役)作品を読んだとき、この世界観を伝えるには「ひとつひとつの台詞を大切にすべき」だと感じました。森(義隆)監督にお伝えしたら、監督もそう決めていたようでうれしかったですね。これまでにやってこなかった“一語一句忠実に台詞に縛られる”ことを楽しんでいます。優くん演じる「繭美」は理不尽ですけど、気持ちのいいキャラクターですね。優くん自身はピースフルであり、エンターテイナーであり、一緒にいて面白い人。この作品はとても不思議な魅力を持っています。僕自身も演じながら、その魅力を掴み取っていった感じです。ドラマを見ていると、展開の速さにふっと置いていかれる瞬間が必ずあると思うんですけど、必死にしがみついて見てください。きっと生きていく上で大切な“何か”を感じ取ってもらえると思います。■城田優(繭美役)最初で最後であろう女役が繭美でよかったなと思うくらい、やりきっていますね。星野、繭美というそれぞれのキャラクターの相反する2人の正反対の部分が、だんだん近づいて、“あうん”の呼吸じゃないですけど、夫婦漫才みたいになっていくシーンがあって、そこがすごく好きです。あと悪気がないんだけど、結果的に誰かを傷つけている健吾が構築した星野というキャラクターが、すごく癖になるんですよ。誠実すぎる故に時々イラッともさせられるんですけど、結果、5人の女性は惹きつけられていくんです。回を重ねるごとに面白みも増していきますので、ぜひご覧ください。■原作・伊坂幸太郎氏この小説は毎回、同じシチュエーション、「出会いの場面」と「恋人に別れ話を切り出す」ところから話がはじまります。それだけに、単調にならないよう、出てくる女性や物語の雰囲気に変化をつけることに力を注ぎましたから、各話の共通点や違いが楽しめる「連続ドラマ」という形で映像化してもらえるのは、本当にありがたいです。もともと森監督の作品は好きでしたし、脚本の鈴木さんは、世の中で僕の作品を最も理解してくれている方の一人だと常々思っています。いまからできあがりが楽しみでなりません。「連続ドラマW バイバイ、ブラックバード」は2018年、毎週土曜22時~WOWOWプライムにて放送(全6話 ※第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2017年08月30日Kバレエカンパニー『海賊』が開幕した。マリウス・プティパの原振付に、主宰の熊川哲也が演出・再振付を施し、07年に初演。以来、一貫性あるストーリーと、ふんだんに散りばめられた踊り、深い色合いの美しい装置・衣裳などが好評を博し、再演を重ねてきた名プロダクションだ。今回、初演から10年という記念すべき節目に上演される本作の、初日のもようをお届けしよう。【チケット情報はこちら】開幕すると、地図が描かれた斜幕の上を、サーチライトのような光が動き回る。そして、斜幕の向こうに浮かび上がるのは、船に乗った海賊の首領コンラッド、その部下であるビルバント、アリらの姿ーー。熊川版『海賊』は冒頭から、わくわく感いっぱいだ。海賊達は大海を舞台に大いに暴れ回るが、やがて嵐に遭い、トルコ占領下のギリシャに打ち上げられる。彼らをみつけて介抱したのが、美しい姉妹、メドーラとグルナーラ。コンラッドとメドーラは恋に落ちるが、メドーラ、グルナーラら女性達は奴隷商人ランケデム達に捕らえられ、市場に売りに出されてしまう。果たして、コンラッドらは彼女達を救えるのか??熊川版『海賊』の大きなテーマは“男たちのロマン”。海賊たちの勇壮な踊りや強い絆が前面に押し出された、心躍るアドベンチャー大作となっており、殊にコンラッドに対してアリが見せる忠節は特長的だ。コンラッド役の遅沢佑介はリーダーにふさわしい堂々たる踊りを見せ、アリ役の伊坂文月は陽性のオーラと直向きなパワーでその場を盛り上げたり撹乱したり。一方、途中でコンラッドに反旗を翻すビルバント役の杉野慧は独特の陰影や鬱屈を踊りに昇華させ、卑劣なランケデム役の堀内將平は狡猾さを巧みに表すと共に軽やかな跳躍でも観客を魅了。それぞれに多彩な男性像を造形した。一方、女性陣も負けてはいない。今回、神々しい輝きで観る者の心を引きつけたのは、メドーラ役の中村祥子。長い四肢を活かした伸びやかな踊りは息を飲むほど美しく、ヒロインに相応しい気高さに満ちている。また、グルナーラ役の小林美奈は、確かな技術に裏打ちされた、可憐で表情豊かな動きが光る。奴隷となってランケデムやパシャを相手に繰り広げる踊りには、悲嘆と苦悩が滲み出て秀逸だった。コンラッド、メドーラ、アリが踊るパ・ド・トロワは活気にあふれ、会場の熱気も最高潮に。前日に行われた囲み会見で熊川は「うちの海賊達はジャック・スパローズよりカッコいい」と胸を張り、「この作品は10年やっている鉄板作品。非の打ち所がないと思っています。それを新しいダンサーが踊ることでまた色が変わる。どういう相乗効果、化学反応があるか、監督として見ていきたい」と語った。その言葉を裏付けるかのように、10年という歳月での作品の成熟とダンサー達の成長とが、躍動感みなぎる鮮やかな舞台を作り上げていた。取材・文:高橋彩子
2017年05月25日キャラメルボックス 2016クリスマスツアー『ゴールデンスランバー』が11月30日、新神戸オリエンタル劇場で開幕した。山本周五郎賞、本屋大賞をダブル受賞した伊坂幸太郎の代表作を初舞台化。劇団公演としても初の伊坂作品は、ハイスピードな逃走劇を芝居の力で見せつける力作となった。キャラメルボックス『ゴールデンスランバー』チケット情報物語の舞台は仙台。総理大臣の凱旋パレード中に、ラジコンヘリが首相を直撃して爆発。日本を揺るがす大事件の犯人に仕立て上げられた青柳雅春は、巨大な陰謀の渦のなか様々な人々の手を借りて逃走を続ける。警官、かつての恋人や友人、花火工場の社長、青柳が救ったアイドルなど。多くの登場人物が青柳に絡みながら、スリルに満ちた物語を導いてゆく。原作を読んで舞台化を熱望したという脚本・演出の成井豊は、怒濤の物語を劇団史上最多の41場で展開。数段の段差や、4つの可動式セットなどシンプルな装置で、車の中やエレベーターと次々に変化する場面を見せる。役者たちの演技力があってこその試みで、31周年の最後に新たな挑戦に打って出た。また原作のエッセンスを凝縮し、肝となるシーンや大切な台詞を丁寧に見せてゆくので原作ファンも納得の仕上がりだろう。生真面目で一見お人よしの宅配ドライバー・青柳雅春を演じたのは畑中智行。急に追われる立場となった彼は走る走る! 出会う人を一端は疑わねばならない運命のいたずらにも、純粋なひたむきさで立ち向かっていく。このあたりはさすがキャラメルボックス。現代の負をも映し出す題材なのに、清々しい感動を与えてくれる。また青柳の葛藤などを、大学時代の友人・森田森吾がストーリーテラーも兼ねて代弁する劇構造が面白い。森田を演じた山崎彬の自然な存在感が光る。青柳に絡むもうひとりの重要人物、連続殺人犯のキルオを演じた一色洋平は、同劇団の『嵐になるまで待って』にゲスト出演中、こっそり公募オーディションに申し込みキルオ役を勝ち取ったユニークないきさつが。やはり登場した瞬間から見事な身体能力と熱量で圧倒する。青柳の大学時代の恋人・樋口晴子(渡邊安理)と青柳との関係性は、酸いも甘いも噛み分けた年代にも心に刺さるのではないだろうか。冷たい空気感で場面を支配した警察庁の課長補佐・佐々木一太郎役の岡田達也、明晰なアナウンサーと青柳の母親を演じ分けた坂口理恵など、ベテラン勢の好演も忘れ難い。疾走感=音楽の多用に傾きがちなところを、ここぞというときだけベストな音楽を聴かせて緩急のある芝居を見せる。それが自ずと“人間同士の繋がり”“信頼”というテーマを浮かび上がらせ、観客の心を揺さぶる。青柳と共に観客も必死で走り抜けるような濃密な2時間。新たな一級エンターテインメントが誕生した。神戸公演は12月4日(日)まで、東京公演は12月10日(土)から25日(日)までサンシャイン劇場にて。チケット発売中。取材・文:小野寺亜紀
2016年12月01日今年結成31年目を迎え、これまでも小説作品の舞台化を数多く手がけているキャラメルボックスが、初の伊坂幸太郎作品に挑むこととなった。『ゴールデンスランバー』は2010年には映画化もされた人気作。脚本・演出を手がける成井豊は「初めて読んだときから舞台化したいと思っていた」という。キャラメルボックス『ゴールデンスランバー』チケット情報「小説を読んで『面白い!』と思うと、『舞台でやりたい!』と反射的に思ってしまうんですけど、この小説もそう。魅力はやはりストーリーの面白さですよね。伊坂さんの作品はそれまでもずっと読んでいましたが、それを上回る強烈なストーリーだった」(成井)首相暗殺の濡れ衣を着せられた男の逃亡劇を描いたこの作品。主演・青柳役を演じるのは劇団員・畑中智行だ。「もともと伊坂作品のファンだったし『自分の劇団で舞台化できる』ということが単純にすごく嬉しいです」(畑中)原作はかなりのボリュームがある長編小説だが、実は描かれているのは約2日間の物語。成井がこの物語の「スピード感」を大切にするために今回考えているのは、あえての“原点回帰”だという。「ストーリー上、場面転換が非常に多くなってしまうんですよ。これは全部セット転換で見せると非常にわずらわしい。なので今回は“役者の身ひとつ”で場面転換を見せるような部分を多くします」(成井)つまり、舞台化するにあたり選んだのは“演劇ならではの手法”ということ。「昨日本読みを初めてやってみたら、どっと疲れました(笑)。でも、やりがいを感じるんですよ。もともと舞台役者ってどこか『ごっこ遊び』の延長感がある気がして、楽しみながら作れるんじゃないかと。劇団の若手にもいい刺激になるんじゃないかな」(畑中)また、オーディションで募集されたキルオ役には前回公演『嵐になるまで待って』にも出演した一色洋平が選ばれる、という番狂わせ?も。「キャスト聞いてアゴはずれそうになりました(笑)」(畑中)「書類が来た段階で『なんで応募するの!?』と(笑)。一応オーディションだけ出てもらって落とそうと思ってたんですけど、一番彼が合っていたんですよ。仕方ない」(成井)成井曰く「出演者17人の、2時間における総消費カロリー数は劇団史上最大」という今作。「この作品が描きたいのは、最終的には人とひとの結びつきの大切さ。ラストシーンまで見ていただければ、これをクリスマスにやる意義はわかっていただけるかと」(成井)「役者の肉体表現で想像力をフル回転させ、お客様と一緒に空間を作る。それができる作品になると思います」(畑中)物語の面白さだけでなく、“演劇の底力”も堪能できる作品になる予感。キャラメルボックスからのひと足早いクリスマスプレゼントとなりそうだ。11月30日(水)から12月4日(日)まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場、12月10日(土)から25日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。取材・文:川口有紀
2016年11月08日「ぴあ」調査による2015年11月6日、7日のぴあ映画初日満足度ランキングは、伊坂幸太郎の同名小説を生田斗真主演で映画化したサスペンス『グラスホッパー』がトップに輝いた。2位に韓国で起こった実在の事件を基に労働者の過酷な状況を描いた人間ドラマ『明日へ』、3位に難病の筋委縮側索硬化症(ALS)を発症した女性と、介護人となった女子大学生の友情を描いた感動ドラマ『サヨナラの代わりに』が入った。その他の写真1位の『グラスホッパー』は、『ゴールデンスランバー』や『重力ピエロ』など映像化作品が相次ぐ伊坂幸太郎の大ヒット小説を、『脳男』の瀧本智行が映画化したエンタテインメント作品。すでに多くのファンを獲得している作品だが、出口調査では「原作に忠実で期待を裏切らない作品」「伊坂作品ならではの伏線の描き方が上手く映像化されていた」「人間模様もきちんと描かれていた」「交差点のシーンは映像化されてさらに印象に残った」「映画ならではの世界観も広がっていた」など、高い満足度を集めたようだ。本作では、渋谷のスクランブル交差点で殺された恋人の復讐のため、裏組織に潜入した生田演じる鈴木と、別の目的でその事件に関わる2人の殺し屋“鯨”と“蝉”が織り成す壮絶な人間模様が描かれる。人の心を狂わせる眼力を持つ自殺専門の殺し屋“鯨”を浅野忠信、人を殺すことで生を感じる孤独な殺し屋“蝉”を山田涼介が演じているが、「殺し屋ふたりのキャラが違っていて掛け合いも楽しめた」「鯨が渋くてかっこよかった」「浅野忠信が殺し屋になりきっていて怖かった」「明るい役が多い山田涼介の殺し屋役は新境地で、怖いと思うほど素晴らしかった」など、ふたりの殺し屋に注目した観客が多く見られた。またアクションも見ごたえがあったようで、「最初のアクションシーンから引き込まれた」「目が離せない」「迫力があって鬼気迫る感じ」「鯨と蝉のアクションシーンが見どころ」などの感想も寄せられた。(本ランキングは、11/6(金)、7(土)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『グラスホッパー』公開中
2015年11月09日