第27回東京国際映画祭で新設された"SAMURAI(サムライ)賞"の第1回受賞者となった北野武監督が25日、東京・六本木ヒルズで行われた受賞記念スペシャルトークイベントで、若手映画監督たちと"日本映画の今と未来"をテーマに語り合い、商売の観点から見た映画について意見を述べた。北野監督は、漫画原作の実写映画が最近多い理由について、「客が入るから」とコメント。「よくわからない台本にお金を払う勇気のある映画会社、配給会社がない。ヒットした漫画や売れた小説とか、当たっているものを映画化した方が客は入るだろうと」と説明し、「原作者不足というか、脚本家のいいのもいなくなっている」と問題を提起した。そして、「エンターテインメントの商売として考えればしょうがない」との考えを示した上で、「そのうち、そういうものにダメだなと思うような、いい映画が出てほしい」と期待した。自身の監督作品についても、「最近、わけわかんない暴力映画ばっか撮っているのは、客が入るからだけ」と暴露。「そういう社会との妥協も必要」と語った。また、「映画に規定はない。自分が描きたいものを自分なりに描けばいい。でも、他人は違うよと言ってはいけない」と若手監督にアドバイス。「俺はアニメなんか大嫌いだけど、宮崎駿なんか本当嫌いだけど、認めています。あれだけのお金を稼ぐすごいアニメだなと思います」と毒舌トークを繰り広げ、「嫌だと思っているものも認めなきゃいけないという、余裕のある頭は必要」と伝えた。
2014年10月26日第27回東京国際映画祭で新設された"SAMURAI(サムライ)賞"の第1回受賞者となった北野武監督が25日、東京・六本木ヒルズで行われた受賞記念スペシャルトークイベントで、若手映画監督らと"日本映画の今と未来"について語り合い、その中で、日本の映画業界を批判した。北野監督ははじめに、「漫才大賞もらって、映画の賞もらって、前科までもらったのは日本で俺しかいない。日本の芸能界の歴史そのもの、歴史の汚点そのもの。光栄に思っています」と北野流に受賞の喜びを表現。若手監督とのトークの中では、「日本の映画が最低なところは、映画製作会社が劇場と関連していること」と、日本の映画業界を批判。「一番ひどいと思うのはアカデミー賞。アカデミー賞の日本代表は、日本のアカデミー賞で推薦された作品しかノミネートされない。自分の映画がアカデミー賞に推薦されたことは一回もありません」と訴え、「最優秀賞もたいてい松竹、東宝、東映、たまに日活」と、大手ばかりだと指摘した。「今までとったアカデミー賞の推薦の映画を見てください。大手3社か4社以外の作品がとったことはほとんどないから。全部持ち回りなの」と批判は続き、「だれが選んだかって言ったら、アカデミー賞の会員が選んだって。アカデミー賞の会員なんていないんだから。そういう汚いことばっかやっているから日本の映画がダメになる」と怒りを爆発させた。さらに、「それを声上げて言わない新聞社。映画のCMをもらっているから悪口を書けない。4人くらい立っただけなのに『スタンディングオーベーション15分』とか平気でメディアも書くからわかんなくなる」とメディアも批判。思いをぶちまけた北野は「愚痴大会みたいになっちゃった」とつぶやいた。
2014年10月25日今夏に公開された映画『アベンジャーズ』のブルーレイ&DVDが19日(水)に発売されるのを記念して、ブルーレイに収録されている特典映像の一部が公開された。『アベンジャーズ』特典映像本作は、天才発明家のトニー・スターク=アイアンマン、怒りによって巨人に姿を変える科学者ブルース・バナー=ハルク、神々の国を追われたソー、謎の女スパイ、ブラック・ウィドウ、最強の射手ホークアイ、長きに渡る眠りから覚めた超人キャプテン・アメリカが、はからずもひとつのチームに集められ、自らの過去や苦悩と向きあいながら、地球に迫る脅威と壮絶な戦いを繰り広げる姿を描いた作品。全世界70か国以上で興行ランキング首位を飾り、史上最速で全世界興収10億ドルを突破するなど、2012年の米国映画を代表する作品のひとつだ。このほど公開された映像は、ジョス・ウェドン監督、スカーレット・ヨハンソンのインタビューとメイキング映像をコンパクトに編集したもの。ロバート・ダウニーJr.やレジェミー・レナーらキャストたちが、デジタル合成用に設置されたグリーンバックの前で演技する様子や、ウェドン監督と撮影した素材を確認する模様などが登場する。主役クラスの人気キャラクターが“ひとつのチーム”として活躍する本作。その製作規模は大きく、それ以上に成功へのプレッシャーが大きい本プロジェクトの監督を務めたのはベテラン監督ではなく、製作発表時は知名度の低くかったジョス・ウェドン監督だ。彼はこれまで表舞台に出る機会は少なかったが、『トイ・ストーリー』などの脚本を手がけてきた才人だ。出演者のサミュエル・L・ジャクソンは今夏に来日した際、インタビューで「ジョス・ウェドンはこのジャンルをよく理解しているし、ファンの気持ちが誰よりわかってるんだ。私もファンだからね(笑)。彼はアドベンチャーやアクションだけじゃなく、このジャンルに必要な“ユーモア”をちゃんと理解して、映画を製作した初めての監督だと思うよ」と語っている。ブルーレイの特典映像では、そんなウェドン監督の創作の裏側を数々のメイキング&ドキュメンタリー映像で楽しめるという。『アベンジャーズ』・ブルーレイ(3枚組/デジタルコピー&e-move付き) 3990円(税込)・DVD+ブルーレイセット(DVD1枚+BD1枚) 3990円(税込)・3Dスーパー・セット(4枚組/デジタルコピー&e-move付き) 6090円(税込)12月19日(水)発売・DVD 3360円(税込)2013年1月23日(水)発売発売元 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2012年12月17日発売中の『ダークナイト ライジング』のブルーレイが、2012年映画部門で最高のブルーレイ初週売上枚数を記録した。iTunesでの販売などパッケージ以外のリリースも行われているが、ブルーレイにはiPadと組み合わせることで、本編を観賞しながら特典を楽しめる新サービス“セカンド・スクリーン”機能が搭載されている。【究極に楽しむためのアイテム】動画セカンド・スクリーンとは、モニタで映画本編を再生しながら、再生中のシーンの関連映像や特典を同期したiPadで楽しめる新サービス。専用のソフトをiPadに無料ダウンロードして、ソフトと再生しているブルーレイの映像を“シンクロ”させると、再生中の本編のシーンに関連した特典映像が自動的に表示され、ふたつのスクリーンで映画をより重層的に観賞できる。本作のセカンド・スクリーンでは、主要キャラクターの詳細な設定を閲覧したり、登場するメカや乗り物の3Dモデルをタッチスクリーンで気軽に360度回転させて細部まで観賞できる。またメインモニタで映し出されているシーンのストーリーボードやトリビアも表示されるほか、バットマンのアジト “バットケイブ”の制作過程を約100秒でおくるハイスピード映像など、セカンド・スクリーンでしか楽しめないコンテンツも搭載されている。『ダークナイト ライジング』ブルーレイ&DVD セットBATMAN COWLブルーレイ プレミアムBOX(2枚組)ダークナイト トリロジー ブルーレイBOX(5枚組)すべて発売中(※レンタル/オンデマンド配信も開始中)
2012年12月13日デジタル機器はよく使う。最近目も疲れがち。だけどブルーライト対策を知らなくて不安……。ブルーライトの悪影響が大々的に取り沙汰されているため、不安に感じる人が急増している。しかし、具体的にどう悪く、どうやって防げばいいのか分からない、という人は多いはずだ。■スマホ愛用者ほどブルーライトの危険に晒される!?ブルーライトとは、波長が380~495ナノメートルの青色系の光線。目に見える光(可視光線)の中では最も波長が短く、エネルギーが強い。昼間の太陽光に多く含まれているが、LEDをバックライトにしたパソコンやスマホ、タブレット端末などのデジタル機器からも多く発生している。中でもスマホは、パソコンやゲームよりも多くブルーライトを発生している。ブルーライトが多いということは、光のエネルギーも大きいということ。その分、目はまぶしさを感じたり、チラツキを感じたりすることになる。だが、ブルーライト以前に、デジタル機器を使うことで目はかなりの負担を受けているのだ。パソコンなどのデジタル機器の画像は、ドットで構成されているため、よく見るとギザギザしている。そのため、印刷物よりもピントを合わせるのに負担がかかる。さらに、ディスプレイは強い光を発していることが多いので、瞳孔を小さくするために、目の筋肉を酷使させることになる。長時間ディスプレイを見続けることによって、目の疲れや痛み、ドライアイ、視力低下、肩の凝り痛み、不眠、食欲減退などの症状が考えられる。■放っておくと…視界の中心部がゆがむ加齢黄斑変性に?ブルーライトは、赤色など波長の長い光よりも散乱しやすい性質を持っている。散乱しやすいということは、像がボケやすいということ。そうなると、物を見る時にすごく集中するので、目の中の筋肉を酷使し、疲れ目になってしまう。また、ブルーライトは目の角膜や水晶体を通過し、網膜まで到達する。これが近年増加している加齢黄斑変性の原因になりやすいということで、眼科医は非常に問題視している。加齢黄斑変性とは、目の奥にある網膜の中心部(黄斑)に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなってしまう病気。物がゆがんで見えたり(変視症)、真ん中が見えにくくなり(中心暗点)、視力が低下する。黄斑が障害されても周辺部は障害されていないので、視界の中心はゆがんで見えるが、周辺は正常に見えるという特徴がある。欧米では、加齢黄斑変性が65歳以上の失明原因の第1位。目の成人病とも呼ばれている。日本では聞きなれない病気だったが、社会の高齢化と食生活の欧米化により急増しているといわれている。加齢黄斑変性という病名から、高齢者が疾患しやすいとされている。しかし、子供の時からゲームなどでブルーライトを浴び続けると、若くても加齢黄斑変性になる可能性があると眼科医は危惧している。■ルテインとゼアキサンチンで網膜を強化!対策として、ブルーライトをカットするメガネをかけたり、フィルムをパソコンやスマホなどのディスプレイ画面に貼ることが考えられる。ブルーライトカットフィルムは、様々なサイズが家電量販店などで購入できる。しかし、ブルーライトをカットするメガネのカット効果は約50%程度。ブルーライトカットフィルムに関しては、明確なカット効果が表示されていない。そのため、身体の中からもブルーライトの影響を減少させるような対策が必要だ。網膜の中心部である黄斑の構成成分は、カロテノイドの一種であるルテインとゼアキサンチンである。黄斑の周辺部はルテイン、黄斑の中心部はゼアキサンチンが、主要な構成成分になっている。ルテインとゼアキサンシンには高い抗酸化作用があり、ブルーライトのダメージを緩和する性質がある。加齢により目の中のルテインとゼアキサンチンは減少しやすいので、意識して摂るようにしたい。ルテインを多く含む食品は、青汁などに含まれているケールやほうれん草、ブロッコリー、葉レタス、グリーンピース、芽キャベツなど。ゼアキサンチンを多く含む食品は、ほうれん草、レバー、卵黄、とうもろこし、ブロッコリー、カブなどがある。ブルーライト対策として、太陽光から目を守ることも大切だ。太陽光線は赤外線、可視光線、紫外線の3つに分けれている。前記の通り、ブルーライトは可視光線の1つ。外出する時は帽子や、紫外線・ブルーライトも遮断できるサングラスを装用するといいだろう。(からだエイジング)
2012年10月18日公開中の北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』が大ヒットを記録している。監督のキャリアで初の興行ランキング首位スタートを飾った本作はどのようにして生まれたのだろうか? 北野監督が作品についてじっくりと語った特別動画がこのほど公開された。北野武監督インタビュー動画本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。インタビュー動画では、本作を「あまり続編だと思っていない」という北野監督が最新作でどのように前作『アウトレイジ』の登場人物を動かし、前作にないテイストをドラマを描こうとしたのかが、監督の口から語られる。また、『…ビヨンド』から出演した西田敏行、塩見三省、桐谷健太、新井浩文らのエピソードも披露されている。ちなみに本作は、公開2週目も動員好調で先週末の動員ランキングでは3位を記録。平日の動員も好調で、レディースデイには女性客が多く劇場に足を運んでいるという。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年10月16日北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』の初日舞台あいさつが6日、東京・新宿バルト9で行われ、北野監督をはじめ、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、高橋克典、桐谷健太という豪華キャスト陣が顔を揃えた。その他の写真北野監督にとっては、16作目にして初の続編映画。ヤクザ社会の壮絶なる下克上劇を描き、大ヒットした2010年の『アウトレイジ』から5年後を舞台に、獄中死したはずの大友(たけし)が警察の思惑によって釈放され、関東VS関西の両巨頭がぶつかり合う抗争に身を投じる姿が、前作をビヨンド(超越)する極限のバイオレンスで描かれる。「1作目は女性が見るに耐えないほど暴力的だったから(笑)、今回はストーリー的にもエンターテインメントの色を強くした。それなりにサスペンスの要素もあって、きっと女性も楽しめるはず」と自己分析する北野監督は、劇中の“笑い”にも言及し「別に狙っているわけじゃなく、緊張した場面には笑いが悪魔のように忍び寄るもの。結果、笑えるシーンになったが、笑わせるつもりはない」と断言。「このタイトルだって、考えたのはプロデューサーだもん。本当はタイトルを『朝のラジオ体操』にしたかった」と話し、観客を大いに笑わせた。西田は念願の北野組に初参加して「感無量。『バカ野郎』『この野郎』なんて怒鳴ってとっても楽しいし、毎日スポーツジムに行っているような爽快感だった」とコメント。一方、三浦と加瀬は前作からの“生き残り組”だが、「ろくでもない形で頂点に上り詰めたから、今回はとんだしっぺ返しを受けた。こんなことなら、上り詰めるんじゃなかった」(三浦)、「僕もなるべくして、ああいう形になりました」(加瀬)と自らが演じた役柄に訪れる“悲劇”に苦笑い。寡黙なヒットマンを演じる高橋は「怒鳴る代わりに、思いっきり(銃を)撃たせてもらって、無言で発散できました」と満足そうな表情。若きチンピラ役の桐谷は「その場の“ノリ”で撮影が進むことが多かった」と北野組の現場を語った。最後に「映画の登場人物で一番極悪なのは?」と質問された北野監督は、「そりゃ、テレビ東京とワーナー・ブラザースでしょ」と本作の製作会社と配給会社をまさかの名指し。「だって、ヤクザ映画なのに、バラエティでの番宣ばっかりなんだもん。これじゃ全然宣伝になってないって」と“たけし節”を全開させていた。『アウトレイジ ビヨンド』公開中取材・文・写真:内田 涼
2012年10月09日北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』が10月6日(土)、キャリア最大規模となる全国225スクリーンでついに封切り!監督・脚本・編集を手がけ、“ビートたけし”名義で主演も果たした北野監督を始め、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、高橋克典、桐谷健太が東京・新宿バルト9で初日舞台挨拶を行った。北野監督にとっては初の続編映画で、舞台は関東最大の暴力団組織“山王会”の壮絶な下克上を描いた前作から5年後。今度はヤクザ壊滅を図る警察が動き出し、前作で獄中死したはずのヤクザ・大友(たけしさん)を東西抗争の“導火線”として差し向けるが…。第69回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、惜しくも賞は逃したものの現地では「北野監督の最高傑作」との賞賛を浴びた今秋話題のバイオレンス大作だ。ファンを前に「面白くないって言う奴は、後で殴ってやろうと思う(笑)」と“舌”好調の北野監督。ヤクザ映画でありながら、クスッと笑わせるシーンもあるが「別に笑わせるつもりはないけど、緊張する場面だとまるで悪魔のように笑いが忍び込んでくる。結果的に笑えるシーンでも、狙ってるわけじゃない」のだとか。前作に比べて「ストーリー的にもエンターテインメント色を強めた。暴力だけじゃなく、それなりにサスペンスの要素も盛り込んだし、今回は女性でも楽しめるんじゃないかな」と作品をアピールしていた。“全員悪人完結”というキャッチコピーが踊る本作だが、舞台挨拶でも「映画の中で誰が一番極悪か?」という話題に。西田さんは「一番悪いのは、そりゃ大友でよ」と断言。一方、三浦さん&加瀬さんは前作で組織の頂点に上り詰めながら、本作では「ろくでもない形でトップに立ったから、しっぺ返しを受ける」(三浦さん)設定で、「やっぱり一番悪いのは(マル暴刑事の)小日向さん」と口を揃える。そして北野監督が一番極悪だと名指ししたのは、なんと本作の製作を手がけるテレビ東京と配給会社のワーナー・ブラザース映画!「だってヤクザ映画の宣伝なのに、いっぱいバラエティみたいなことやらされてさあ。これじゃ全然宣伝になってないって(笑)。三浦さんにも頑張ってもらい、本当に申し訳ない」と不服そうな表情だが、そんな毒舌が飛び出すのも、作品に対する自信がみなぎっている証拠。寡黙なヒットマンを演じる高橋さんは「思いっきり銃を撃たせてもらったから『コノヤロー!』って叫ばなくても、無言で発散できた」と不敵な笑み。桐谷さんは「その場のノリで撮影することが多かった」と北野演出をふり返った。『アウトレイジビヨンド』は新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開中。■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年10月07日北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』が6日(土)から公開される。本作は、『アウトレイジ』の続編でありながら、これまでにない新しい娯楽映画に仕上がった。そこで、製作の過程や作劇について北野監督に話を聞いた。その他の写真本作は、前作で死んだはずの大友が東西の暴力団組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへヤクザ壊滅を企む警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇が描かれる。北野監督は「前作の評判は良かったんだけど暴力描写のことばっかりが話題にされたんで、もうちょっと裏切りがあったり予想外のことが起こったり、ストーリーでエンターテインメントを表現しようと。前作を撮ってるときに『続編があったとしたらどうなるだろう』ってスタッフと盛り上がってね。だから前作を撮りながら、続編の話は少し意識していたかもしれないね」と振り返る。しかし北野監督は単なる続編を作る気はなかったようだ。「タイトルに“アウトレイジ”ってついてんだけど、独立した映画として観られるようにした。そして前作を観ておくとさらにわかりやすい。刑務所で刺された大友が生きてたってことなんだけど、単なる復讐戦にはしたくないから、警察やヤクザが大友を巻き込んで話がじゃんじゃん動いて行くという。登場人物が多いんだけど相関図をつくってかなり繊密にストーリーを作った」。さらに監督は当初から「セリフを増やそう」と決めていたそうだ。「初期の監督作品は台詞が少ない。漫才でたくさん喋ってるから(映画では)喋るのは嫌だってのが多かった。でもこの間テレビ見たら、言ってること全部、吹き出しテロップで書いてあってさ。テレビがそこまで丁寧にしてるのに、俺の映画は“映像でわかってくれ”って思ってもエンターテインメントとしては無理か、って。また違うジャンルの映画だといいんだろうけどね」。その結果、本作は前作のファンの期待に応えながら、初見の観客にも楽しめる間口の広い作品に仕上がった。しかし本作はあくまで北野監督の作品。物語も登場人物もすんなりと頭に入ってはくるが、色彩を抑えた映像と独特なフレーミング、そして監督自身が編集した語りのリズムが映画に圧倒的な緊張感をもたらしている。「おもしろいのが役者さんってみんな“自分の間”があるんで、なかなか怒鳴り合いにならない。罵り合いの時だってお互い間をもつから編集を何回もやって。そこでその間を全部編集でつめちゃった。そのシーンは面白かったけど苦労したね」。本作を「高倉健さんの任侠もの、深作(欣二)さんの『仁義なき戦い』の流れの“次”に来る映画だと思う」と分析する北野監督。これまでのヤクザ、ノワール映画の流れを汲みながら、しかしまだ誰も観たことのない新しいエンターテインメント誕生の瞬間をスクリーンで目撃してほしい。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年10月05日北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』のジャパンプレミアが18日に都内で開催され、北野監督をはじめ、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁という豪華“悪人”キャスト陣が一堂に会した。北野監督は「みなさん主役級だから、ギャラが相当かかりました。うち(事務所)としても大変」と愚痴をこぼしながらも、高倉健の『任侠』シリーズや深作欣二監督の『仁義なき戦い』など過去の名作群を引き合いに「新しい時代のバイオレンス映画になった」と自信満々でアピールした。その他の写真ヤクザ社会の壮絶なる下克上劇を描き大ヒットした2010年の『アウトレイジ』の続編がついに日本のファンにお披露目された。獄中死したはずの大友(たけし)が警察の思惑によって釈放され、関東VS関西の両巨頭がぶつかり合う抗争に身を投じる姿が、前作をビヨンド(超越)する極限のバイオレンスで描かれる。北野監督にとっては、16作目にして初の続編映画で、第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品された。惜しくも賞は逃したが「向こうではやたらウケましたね。(現地にある自身の)ファンクラブの会員とも酒を飲みながら『最高傑作』と評価してもらった。まあ、酒をおごったのはオレだけど(笑)」。コワモテ俳優がズラリ勢ぞろいする中、異彩を放つ西田は「念願だった北野監督の作品に出演できて本当に嬉しい。大声でどなってスッキリしましたし、おかげで血圧も正常に戻った」とユーモアを交え、本作への出演に喜びを表した。一方、前作からの“生き残り組”にも、今回はさらなる波乱が待ち構えており「頂点に上り詰めた男の末路をぜひ見てください」(三浦)、「出世して若頭になったんですが、どうもその器じゃなかったようで、ひどい目に遭いました」(加瀬)とファンの期待をあおっていた。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月18日現在開幕中の第69回ベネチア国際映画祭で日本から唯一のコンペティション部門正式出品を果たした『アウトレイジ ビヨンド』を引っさげ、北野武監督が単身現地入り!9月3日(現地時間)の記者会見、さらに夕方に行われたレッドカーペット・イベントに出席し、海外ファンたちからの歓声に応えた。前作『アウトレイジ』で描かれた、関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年後。一度は決着がついたはずだったが、ヤクザ壊滅を図る警察が動き始め、“死んだはずの男”大友(ビートたけし)は利用される羽目に。騙し合いと裏切りの火種がまたもやくすぶり始め、関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争へと発展していく――。世界各国の報道陣が集まった記者会見では、やはり震災後に撮られた作品とあってその影響についての質問が飛び交ったが、「震災でたしかに映画の撮影は一年延びた。震災後の一年間は、逆に自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆とか愛とか表面的なものばかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と相変わらずの毒の効いたコメントで返した北野監督。さらに、本作は“観客”のために作ったものだとも明かし、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのは嬉しいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した。そうすると、自分にとっては、家庭、女、女房、子供とかは排除する結果になり、馬鹿な男の話になった。その方が楽しんでもらえるかなと思った。けれども、いつでもお客さんの入らない映画を作る準備もしているよ(笑)」と冗談を交えるなど、衰えぬ“世界のキタノ”のインパクトを与える会見となった。さらに、夕方から行われたレッドカーペットでは、会場に「北野武映画の神様」と漢字で書いた横断幕をもつ熱狂的なファンの姿(写真上)も見られ、会見とは打って変わって北野監督は和やかな様子でファンから求められる握手やサインに応じていた。また、その後には本作の上映も行われ、「ブラボー!」という称賛の声と共に満席の会場では総立ちの観客から拍手喝采が贈られた。『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ベネチアにて開催。授賞式は同日最終日に行われる。(photo:KAZUKO WAKAYAMA)■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年09月04日北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』が、現地時間3日に行なわれた第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で上映され、来場した北野監督へ、観客が総立ちで拍手喝采した。その他の写真会見で北野監督は「日本のヤクザとの違いは看板がかけられているかどうかで、イタリアも日本もほとんど同じだと思う。警察とヤクザの関係は世界共通ではないか」と切り出し、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのはうれしいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した」とコメント。さらに「『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』」に関しては、自分が撮りたい映画というよりも、観客のことを考えて作った。けれども、お客さんの入らない映画を作る準備もしているよ」と話し、笑いを誘った。また記者から「震災で1年撮影が延期されましたが…」と質問されると、北野監督は「震災で確かに映画の撮影は1年のびた。震災後の1年間は、自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆、愛、支えとか、表面的なものばっかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と語った。同映画祭において、1997年に『HANA-BI』で最高賞の金獅子賞を、2003年に『座頭市』で監督賞にあたる銀獅子賞を受賞している北野監督とあって、レッドカーペットではあちらこちらで「TAKESHI!」と声があがり、北野監督は笑顔でサインや撮影に応えた。『アウトレイジ ビヨンド』は、前作『アウトレイジ』から5年後を舞台に、暴力団組織の抗争に警察が介入し巻き起こる死闘を描いた、究極のバイオレンス・エンターテインメント。ビートたけし、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、小日向文世に加え、本作には西田敏行、塩見三省、高橋克典のほか、桐谷健太、新井浩文ら豪華キャストが集結する。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月04日10月に公開される北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』に出演した名高達男、光石研、田中哲司のインタビュー動画がこのほど公開された。インタビュー動画本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。北野監督が“本当に悪い”男たちばかりを登場させ、痛快なエンターテインメントを目指した本作。名高が演じるのは、関東を牛耳る暴力団・山王会で古参幹部ながら、新参者の石原(加瀬亮)に組織内で先を越され、不満を抱いている白山だ。そして、その白山の兄弟分、五味を演じるのが光石、山王会に所属しながら何を考えているのかわからない不気味な印象を持たれている男、舟木を演じるが田中だ。3人とも、演技派俳優として数々の映画、ドラマ、舞台で活躍し、繊細な会話劇から豪快な活劇までを縦横無尽にカバーしてきた名優だ。インタビュー動画では3人が自身の演じた役や、撮影秘話について語っている。本作は、暴力団に所属する悪い男たちを主役にしているが、その内容はエンターテインメントに徹しており、過剰なまでに悪い男たちを対決させることで出現するスゴみや、過剰であるがゆえに生じるギャップやユーモアを描いている。インタビューで名高が「奥行きが深い大人っぽい映画」と語る通り、本作は、アクションや怒号が飛び交う場面が多くありながら、それだけではない“深み”のある作品に仕上がっているようだ。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年08月24日第69回ベネチア映画祭への出品も決まっている北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』の予告編がこのほど完成し、怒号と銃弾が休みなく飛び交う緊迫感あふれる映像の一部が公開された。『アウトレイジ ビヨンド』予告編本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。このほど公開された予告は、刑務所内にいる大友が片岡刑事(小日向文世)に「お前、俺死んだってウワサ、流したろ?」と問いかける場面から始まるが、穏やかな映像はここまで。そこから先は男たちの鋭い眼光と怒鳴り声と銃声が飛び交う衝撃のシーンがほぼ休みなく続く。関東で勢力を拡大した暴力組織の山王会の若頭・石原(加瀬亮)がハイトーンに怒鳴り声を上げれば、西の雄・花菱会の若頭・西野(西田敏行)はドギつい関西弁で相手を一喝する。さらに悪人たちの怒りは言葉だけでなく銃弾になって画面を飛び交い、次々と男たちの血が流される。これまで数々の賞を受賞し、映画作家としての地位を確立してきた北野監督が、あえて“エンターテインメント”に徹した本シリーズ。約2分ほどの予告編を見るかぎり、『アウトレイジ ビヨンド』は前作を超え、北野映画史上最も娯楽性の高い作品になるようだ。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年08月03日1982年に製作されたスティーブン・スピルバーグ監督の名作『E.T.』のブルーレイが11月2日(金)に日本発売されることが決定した。ブルーレイ『E.T.』コレクターズ・エディションの動画これまで数多くのヒット作、名作を世に送り出してきたスピルバーグ監督が、全世界で約8億ドルもの興行収入を記録したのが『E.T.』だ。アメリカの田舎町で暮らす孤独なエリオット少年と、宇宙からやってきた不思議な生き物(E.T.=The Extra Terrestrial)の友情を描いた本作は、多くの観客に興奮と感動を与え、ゴールデングローブで作品賞を受賞し、米アカデミーでは4部門を受賞した。今回のブルーレイ化は、映画の公開30周年記念とユニバーサル映画100周年を記念したもの。マスターの元になるのは、2002年に製作された“20周年記念特別版”ではなく、初公開された1982年のオリジナルバージョンで、スピルバーグ監督とユニバーサル映画のデジタル・チームがタッグを組んでデジタル・リマスター作業を実施。音声も7.1ch化が行われている。また、日本版では7.1chのオリジナル音声、5.1hの日本語版に加えて、浪川大輔がエリオットの声を演じ、1991年に日本テレビで放映された“金曜ロードショー放映バージョン”を2.0chで収録している。他にも削除シーン(約4分)やドキュメンタリーなどの特典映像も収録される予定。ブルーレイ『E.T.』コレクターズ・エディション11月2日(金)発売ブルーレイ+DVD(デジタルコピー機能付き) 2枚組仕様価格:4190円(税込)発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
2012年08月01日“現代アーティスト”ビートたけし北野の個展『BEAT TAKESHI KITANO絵描き小僧展』が東京オペラシティ アートギャラリーで好評開催中だ。9月2日(日)まで。「BEAT TAKESHI KITANO絵描き小僧展」開催情報2010年にパリで開催され話題を呼んだ美術展の日本凱旋版。多才の人、ビートたけし北野のオリジナル絵画、版画、立体作品を展示、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさと豊かな色彩感覚あふれる“北野ワールド”の魅力で人気を集めている。7月31日(火)までのキャンペーンで限定400組のお得な企画チケットが発売中。図録1冊(定価2,000円)と大人2名様分の入場券がセットとなって2,600円。総頁数143ページの図録は作品紹介からインタビューまで盛りだくさんの内容なので、夏休みに家族連れやカップルなどでお出かけ、なんてお考えの方にはおススメだ。なお、同展覧会は7月8日(日)午前9:00~10:00(再放送:同日20:00~ 21:00)放映のNHK-Eテレ「日曜美術館」のアートシーンでも取り上げられる予定。ビートたけし北野ご本人のインタビューもあるので、こちらもご注目を。■『BEAT TAKESHI KITANO 絵描き小僧展 Fondation Cartier pour l’art contemporain』開催期間:2012年9月2日(日)まで開館時間:11時~19時 (金、土は~20時最終入場30分前)休館日:毎週月曜(祝日の場合は翌日、※GWは無休)、8月5日(日)
2012年07月06日北野武監督が『BROTHER』以来9年ぶりに現代ヤクザの世界を描いた『アウトレイジ』の続編『アウトレイジ ビヨンド』の記者会見が17日に撮影現場の千葉県で行われ、北野監督と、前作に続いての出演となる三浦友和、加瀬亮、小日向文世、新キャストの西田敏行、松重豊、高橋克典、桐谷健太、新井浩文が登壇した。その他の動画『アウトレイジ』は2010年、豪華俳優陣が集結し、登場人物全員が“悪人”という強烈な設定で話題に。その続編であり完結編である『…ビヨンド』は、3月11日に発生した東日本大震災の影響で製作を延期していたが、今月2日に神戸でクランクインし、現在も撮影中だ。北野監督は、「もともとシリーズ予定ではなかったのですが、前作があたっちゃって…。1回見た人は2回目も見るんじゃないかという図々しさです。台本は面白くて仕方ないので、(映画が)つまらなかったときに演出のせいにならないように頑張ります」と話し、映画では前作、獄中で刺されて死んだはずの大友を再び演じる。森昌行プロデューサーは、「ポイントは、“実は大友は生きていた”ということ。ただリベンジという単純なものではなく、出所した大友の第一声が「誰がまたヤクザやるっていったよ」というところから始まります。そして東西巨大ヤクザ組織が勢力争いをする中、ヤクザ壊滅を目論む警察が介入していくところに大友が巻き込まれていきます」と明かした。また、前作は公開時、約155スクリーンでの上映だったが、本作は200館以上という北野映画史上最大規模での公開となることも発表された。すべてにおいて前作を超えることを感じさせられる『アウトレイジ ビヨンド』は、10月6日(土)より全国で公開。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年04月18日2011年に発売されたブルーレイ・ソフトの中から特に優れた作品を表彰する第4回「DEGジャパン・アワード/ブルーレイ大賞」の授賞式が15日に都内で開催され、巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の名作『山猫』がグランプリに輝いた。第4回「DEGジャパン・アワード/ブルーレイ大賞」結果「ブルーレイ大賞」は、デジタル・エンターテイメント・グループ・ジャパン(DEGジャパン)が主催する賞で、ブレーレイ産業の発展を目的として2008年に創立。一般ユーザーによるWeb投票と、評論家や映画及び映像ソフト専門誌の編集長などの選考委員によって、高画質、高音質、高機能といったブルーレイの特長を最も生かした映像作品が選定される。審査委員長のAV評論家・麻倉怜士氏は、グランプリの『山猫』について「上映したときの“心に染み入る映像”がよみがえってくる画期的な作品」と賞賛。『ダークナイト』『崖の上のポニョ』『アバター ブルーレイ版エクステンデッド・エディション』などの新作がグランプリを受賞してきたこれまでの経緯を振り返り、スクリーン編集長の米崎明宏氏は「劇場で公開したとき以上の感動を、自宅で味わえる時代がきた」とコメントした。また、『山猫』の販売元であるイマジカTVの担当者は、本作がマーティン・スコセッシ氏が率いる映像の保存と修復をする非営利団体“ザ・フィルムファンデーション”が1万5千時間もの時間をかけて徹底的に修復した作品であることを説明し、その功績を称えた。また、ユーザーからの投票のみで決定するユーザー大賞には『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』が選ばれた。過去最多となる4921人のユーザーからの支持を受けて受賞を果たした本作について、キネマ旬報編集長の明智恵子氏は「多様な角度から撮影された映像はCGと現実を曖昧にさせ、本当にトランスフォーマーたちがそこにいるようだった」と評価した。
2012年02月16日7月に日本公開された映画『マイティ・ソー』のブルーレイ&DVDが21日(金)にリリースされるが、本ブルーレイには『アベンジャーズへの道』と題した特典映像が収録されており、このほどその映像の一部が発売を前に公開された。その他の写真『ジ・アベンジャーズ』は、米コミックを代表するスタジオのひとつ、マーベルの人気ヒーローが夢のチームを結成する人気シリーズ。来夏には映画化も決定しているが、『マイティ・ソー』のブルーレイには映画『ジ・アベンジャーズ』を手がけるのジョス・ウェドン監督と、キャストのスカーレット・ヨハンソンのコメントなどを交えた特別映像が収録されている。このほど公開された映像は、世界最大のコミック&ポップカルチャーの祭典“コミック・コンベンション”の模様を捉えたもので、劇中でアベンジャーズを束ねる謎の男“ニック・フューリー”を演じているサミュエル・L・ジャクソンが会場に姿を見せ、スカーレット・ヨハンソン、ロバート・ダウニーJr.、ジェレミー・レナー、マーク・ラファロ、クリス・へムズワース、クリス・エヴァンスらが登場。彼らは劇中で、ナターシャ・ロマノフ、トニー・スターク=アイアンマン、クリント・バートン=ホークアイ、ブルース・バナー=ハルク、ソー、スティーブ・ロジャース=キャプテン・アメリカを演じており、キャスト陣が呼び込まれる際の役名と、それに反応するオーディエンスの盛大な歓声を耳にするだけで、本作がいかに壮大なスケールの作品かがわかる映像に仕上がっている。中でも、ソーは他のキャラクターとは異なり、地球ではなく“神の世界”からやってきたヒーローで、彼が秘めている強大なパワーの秘密や、その生い立ち、そして『ジ・アベンジャーズ』へと連なる重要な物語が、映画『マイティ・ソー』では描かれている。『マイティ・ソー』■3Dスーパーセット(3Dブルーレイ+ブルーレイ+DVD) 5985円(税込)■ブルーレイ&DVDセット 4935円(税込)■DVD 4179円(税込)10月21日(金)発売発売元:パラマウント ジャパン『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』公開中
2011年10月17日ジャマイカを代表する特産品のひとつ、ブルーマウンテンコーヒー。ジャマイカコーヒー輸入協議会では、現在、ブルーマウンテンコーヒー(挽き豆100g)を300名にプレゼントする、「ブルーマウンテン“黄金バランス”体験キャンペーン」を実施している。ブレンドされたコーヒーを楽しむ機会が多い中、シングルビーンズのブルーマウンテンを味わうことで、コーヒー本来のおいしさをもっと多くの方に知って、楽しんでもらいたいという想いが込められたキャンペーンだ。ブルーマウンテン山脈の標高800~1,200m、ジャマイカ政府が定めた、ブルーマウンテン・エリアで収穫されたコーヒーのみが、ブルーマウンテンコーヒーを名乗ることができる。生育に最も適した自然環境で、丹精こめて栽培される。急斜面での栽培や収穫は、機械化が困難なため、すべて手作業で行われる。高い品質を維持するため、完熟した赤い実だけを一粒ずつ手で収穫。そのため、生産量が限られ、希少価値の高いコーヒーとなる。ジャマイカで大切に育てられたブルーマウンテンは、豊かな香り、味(苦味、酸味、甘味)、そして、コクが絶妙な、まさに“黄金バランス”の味わいだ。この機会に、改めて、ブルーマウンテンコーヒーを味わってみては。応募は、2011年9月15日まで。急いで!お問い合わせ:ジャマイカコーヒー輸入協議会 公式サイト
2011年09月06日ブルーノート東京に隣接したレストランadding:blue(アディング・ブルー)では、毎年恒例の“Beer Terrace”(ビアテラス)がオープンしている。ビールの伝道師、藤原ヒロユキ氏プロデュースの貴重なクラフトビールを堪能できるとあって、毎夜賑わいを見せている。“Beer Terrace”では、本格ボトルコンディション(壜内熟成)されたクラフトビールも販売中だ。(製造は「木内酒造」)藤原氏がクラフトビール・ファンと共に愛情を注ぎ込んで作り上げたビール「Barley & Wheat Wine」(バーレー&ウィート ワイン)赤・白も味わえるという。日本では初となる賞味期限10年の本格的ボトルコンディショニング(壜内熟成)のビールと料理のマリアージュ、ぜひご夫婦や友人たちと堪能して欲しい。■開催期間:7月1日(月)〜9月30日(金)■ドリンクメニュー ¥500~・藤原ヒロユキ プロデュース・ビール ¥3800 (750ml)・エビスビール小瓶 ¥500(334ml)・フューガルデンホワイト¥700・スパークリングワイン¥800~・グラスワイン(赤白)¥800~・ミニボトルワイン(赤白)¥900~(187ml)■フードメニュー例 ¥500〜クリュイディテ~フランス風 お野菜のお惣菜~ ¥500シェフのおすすめ オリーブのカクテル ¥600フレンチ・フライドポテト ¥600スペイン産 生ハム“ハモンセラーノ” ¥1000豚肉のリエット グリーンペッパー風味 ¥600自家製ソーセージの盛合せ ¥1000自家製ベーコンとパプリカのスパイシーなトマト煮 ¥1,600自家製パンの盛合せ(3種類) ¥5003種のオードブル¥1,500 他デザート各種 ¥500~※食材の入荷状況によりメニューの変更の可能性あり。お問い合わせ:adding:blue(アディング・ブルー)港区南青山6−3−16ライカビル1F取材/おうちスタイル編集部
2011年08月08日今年7月に公開されたアンジェリーナ・ジョリー主演の映画『ソルト』のブルーレイとDVDが24日に発売されたのを記念して本ブルーレイ&DVDに収録されている特典映像の一部が公開された。その他の写真『ソルト』は、米大統領暗殺を企てるロシア側のスパイ容疑をかけられたCIA女性捜査官イヴリン・ソルト(ジョリー)が、CIAの追跡をかわしながら、ひとりで真相を突き止めようとするアクション・サスペンス。頭脳明晰で、爆発物のエキスパートにして、圧倒的な身体能力と判断能力を持ちあわせたソルト。彼女が自身の疑惑を晴らすために奔走する様を追いながらも「本当にソルトは無実なのか?」というエピソードが次々と登場するスリリングな展開が劇場公開時に大きな話題を呼んだが、24日にリリースされたブルーレイ&DVDでは“劇場公開版(100分)”とは別に“ディレクターズ・カット版(104分)”と、劇場公開版とは異なるエンディングを描いた“別エンディング版(101分)”を収録。謎が謎を呼ぶ物語と衝撃の結末を描いた作品だけに、“別エンディング版”ではどのような結末が描かれているのか気になるところだ。また、特典にはジョリーが過酷なアクションに挑む模様を収録した「究極のアクション」や、ジョリーの子どもたちもダマされてしまったというソルトの変装ぶりに迫った「スパイの変装:ソルトの七変化」などを収録。このほど公開された特別映像では、CIAに捕らえられたソルトが連行されるシーンの撮影風景と、ノイス監督のコメント、ハイウェイを舞台にアクロバティックなスタントに挑むジョリーの姿が収録されている。『ソルト』ブルーレイ&DVDセット3990円(税込)DVD『ソルト』デラックス・ディレクターズ・コレクション3480円(税込)どちらも発売中発売・販売:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(c)2010 Columbia Pictures Industries Inc. and Beverly Blvd LLC. All Rights Reserved.
2010年11月25日北野武監督最新作『アウトレイジ』が6月12日(土)に初日を迎え、東京・新宿ミラノで北野監督と加瀬亮、椎名桔平ら個性派キャスト10人が舞台挨拶に勢揃いした。ある暴力団組織内の抗争を描いた、北野監督9年ぶりのバイオレンスで、キャスト陣は揃って北野組初参加。北野監督は「どうも監督の山田洋次です」と笑わせつつ、「こういったキャリアのある役者さんを揃えると、ホントに楽なもので勝手にやってくれる。本当にありがたかった」と感想。対照的に、キャスト陣は撮影をふり返り、緊張や戸惑いを吐露。小日向文世が「本当にシャイな方で現場で目を合わせてくれなかった」と悲哀タップリに話したが、北野監督は「ホモじゃないんで。女優さんだったら現場でやたら付け回すんですけど」とおトボケ。キャスト陣と観客を笑わせた。さらに三浦友和は「監督からは…何があったんだろう?ほとんど指示をしてくださらなかった。見放されているというか…以上です」と苦笑い。國村隼も「私もそういえば現場では監督から特に…」と話し、三浦さんと見つめ合って「ね!僕ら見放されていたね」と傷のなめ合い。杉本哲太も「自分もほとんど何も」。塚本高史も「僕もないですね…」。MCが「ということは、あの演技はみなさんが自分で作り上げたということ?」と尋ねると、北野監督は「ええ、楽屋にマリファナを焚いておいてですね、そのまま出ていけばみんな勝手にやって帰ってくれる、っていうくらいでしたね」と得意の毒舌回答。唯一ベッドシーンのあった色男担当の椎名さんも、「6時間かけて刺青を描いて、さあベッドシーンだと思って現場に入ったら、監督が入られて助監督さんから監督からと前置きされて『普通にやって』って。困っちゃったんですよね、まあやりましたけど」と苦情。北野監督は「『血と骨』をやったときに、崔洋一って監督と殺陣師の二家本さんっていう太った男2人が、鈴木京香と私(たけしさん)って見本を見せたんですけど、デブの男2人が絡んでのたうち回っていて、地獄絵図のようだったので、見ててこの業界、辞めようと思った」とラブシーン演出を放棄した理由を説明。またしてもキャスト陣を笑わせた。一方、試写会などで怪演の前評判が高い加瀬さんは「監督はどうしたものかといたく苦労されたと思いますが、いろいろ付け加えてくださって、(自分のヤクザ役を)成立させてくれた」と感謝の弁。締めに北野監督は「この映画を2回観ると、がんが治ったり階段が上れるようになったり、家出した息子が帰ってきたり、いろいろいいことがありますから」と観客に珍メッセージを送っていた。『アウトレイジ』は丸の内ルーブルほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)北野武監督インタビュー■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:カンニング竹山主演作初日挨拶で北野監督新作タイトルを3連呼北野武監督インタビューキタノはいかにして加瀬亮を“ヤクザ”に仕立て上げたのか?モナもシビれた!北野監督作『アウトレイジ』女性座談会ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品
2010年06月12日カンヌ映画祭のコンペティション部門でバイオレンス映画『アウトレイジ』が上映される“快挙”を成した北野武監督が、このほどシネマカフェほかの合同インタビューに応じ、本作に込めた思いから人間行動論までを語った。今回の暴力映画は「たまに食べたくなったカツ丼」新作は、ここ最近の3作『TAKESHIS’』、『監督・ばんざい!』、『アキレスと亀』と打って変わり、バイオレンスへの原点回帰とも言われる9年ぶりの力作。常に意表をついて周囲を驚かせる北野監督らしく、秀でたエンターテイメント作品として仕上がった。「前3作から“ゴダール病”とでも呼べるような自省的な内容の作品にはまっちゃって、先進的なアートとかワケ分かんないこと考えてやったら完全に失敗して、ダメだこりゃ、と。次、何やろう?と思ったら、暴力映画を全然撮っていないなって思って。食べ物と同じで、たまにはカツ丼食いたいな、と。ただ『ソナチネ』とかと比較されて、『何も進歩していない』とか言われるのは嫌だから、もうエンターテイメントだ!観客全員が喜べるようなものを撮ろうってなった。次に思いついた暴力シーンを書き出して、そっからストーリーを逆算したの。コイツはこう来てこう死ぬ、とか、こんな死に方はしないだろって。で、またひっくり返していって、こうなると思ったら大間違いだとか、ここで(観る側を)騙すとか、いろいろ考えて。そしたら完全にエンターテイメントだなって言える作品ができた」。5月のカンヌ国際映画祭ではコンペ上映され、激しい賛否両論で話題を振りまいた。ホラー、ファンタジーを好むティム・バートン監督が審査委員長を務めた賞レースでは賞を逃したものの、芸術性を好む同映画祭のメーン部門でヤクザもののバイオレンス・エンターテイメントが上映されただけで“珍事”だった。「海外のアート的なフェスティバルとかとは関係ねぇなと思ったら、急にカンヌとか呼ばれてしまって、これは結構大騒ぎになるぞ、って思ってたら、案の定、賛否両論になっちゃって。だから『ざまあみやがれ、こんな映画をコンペに選んだのはそっちなんだから、俺は知らないよ』って言ったんだけど。悪口言う人と褒める人と正反対で、まあまあっていう人がいなくて、いいか悪いかはっきりしていたね。でもまあ狙い通りだった。ショックな映画だろうな、とは思っていたから」。“全員悪人”をテーマに暴力団組織内部の抗争を描く同作では、自身、新たな試みとして主演と言えるキャラクターを7〜8人描く群像劇に挑戦。さらに北野組常連の俳優陣をキャスティングせず椎名桔平、三浦友和、國村隼、小日向文世、北村総一朗ら初タッグの俳優を揃えたのも新趣向。中でもインテリヤクザに扮した加瀬亮の怪演が、前評判を呼んでいる。「英語を使うシーンが途中からいっぱいあるインテリヤクザ役があって、英語も話せる役者を探していたら加瀬くんが来た。けど、普段の雰囲気からはどう見てもヤクザに見えないじゃない。どうしよう、と思ってメイクさんと相談して、オールバックにして、眉毛を剃ってみたり、結構苦労した。最終的に四角くて細いサングラスをかけさせたり。それでも『コノ野郎、バカ野郎』って怒鳴り合っている場面で、加瀬くんも入ってきて同じ台詞言っても全然怖くない。だから、この人は無口にしよう、でも、ひとつキレたら殴り出すという風に、徹底的に暴力に寄せた。キレたら怖い奴に設定に変えて台本を書き直して、かなり悪い奴に仕上がった。やっぱりパッと印象に残るようになったと思うし、うまいこといったかなって思うよね」。とはいえ、抗争の中心人物として動くのは、ビートたけし演じる、大友組の組長・大友。『戦場のメリークリスマス』を機に、俳優としても国内外で高い評価を得ているが、自身では顔をクシャクシャにして照れ笑いしながら厳しく自己評価する。「俺は基本的には演技、上手くないからねぇ。へたくそだから、しゃべんない方がいいもん。しゃべるとね、怪しいんだ俺は。『バカ野郎』なんて言ったら、単なる松村(邦洋)のモノマネになっちゃう。『ダンカン、バカ野郎』(松村さんによる、たけしさんのモノマネ)と変わってないって。『てめえ、何言ってんだ、バカ野郎』(本作の台詞)と同じだったっていう。だからできるだけ、怒鳴らないようにしようと思ったけど、みんなが怒鳴っているから、しょうがなくて怒鳴っていると、ふと我に返って、コレ、松村がモノマネするときと俺と、変わってないじゃないか、って(笑)」。大きな見どころのひとつが、バイオレンス描写の過激さ故に北野映画特有のバイオレンスと笑いが繋がって楽しめる感覚だ。「今回、あんまりにも描写が痛くてなぜか笑ってしまう。っていうか、これだけ追い込まれると人間笑うんだなって。編集していても順撮りじゃないから始めは気がつかなくて、ある程度繋がってくるとバカ笑いしちゃうシーンが出てきた。アレ?これ、お笑い映画撮っちゃった、参ったなーと思ったら、編集マンの人が『これだけ痛ければ笑いますよ、喜劇じゃないけど笑わずにはいられない状態になりますもの、これ』って。大丈夫かなって思っていたら、その感覚は世界共通で、カンヌでも観客がバカ笑いしてた。バカ笑いしている割にはみんな暴力映画って言っているわけ」。登場人物たちは、裏切り、騙し合いを続ける。北野監督の考える、人間の悪は?「悪っていうのは人間社会が進化する過程において、人間本来の欲望を規制するために、社会が悪と決め付けたこととも考えられる。例えば、人間が成長してある程度、性的能力とか体に備わって意識するようになったときには、ほかの奴を殴ってでも女を取るのが、生物として本能的だと思うよ。でもそれ、社会として成り立つために、悪=犯罪という括りを付けないと、人間社会自体が成り立たないというだけ。オットセイが周りの奴をかみ殺して十何匹もメスのオットセイをはべらせてハーレム作っているのを『恥ずかしくないのか、お前は。もっと女を分け与えろ、それじゃオットセイの社会は成り立たない』って言ったって、しょうがないじゃない。それは考えてないだけだもん。人間だったら少し頭が発達してきたから、弱者を救うことによって、全体的に盛り上げようとすることで、性とか食べ物の欲望とかそういうものを、独りよがりに行使することを悪としただけ。それがなきゃ、美味いものを食っている奴を後ろからぶん殴って、気絶している間に食って帰っちゃえばいいんだから。それは誰でもしたいと思うよ」。人間は欲望に抑制の効かない未完成な存在そういった悪とキッチリ一線ひけない人間の未熟さも明確に指摘する。「人間ってのは未完成な動物で、こういう暴力映画っていうと暴力は社会に対して悪影響があるんじゃないでしょうか?って言う。だけど拍手して観ている奴がいる。悪いことなら止めるんだけど止めないんだよ。食べ物でも何で腹いっぱい食っているんだ?肝臓壊したり糖尿になったり、体に悪いのになぜ食うかと言うと、頭と体のバランスが人間って全然取れていない。教えてくれないんだよ、体から信号出ていないんだもん。『それ以上食うと体に悪いです』なんて絶対言わないでしょ?だから食っちゃうの。それだけ人間ってね、欲望に対しては規制が効いていない、だからすごい未完成な動物なんだよ」。劇中、数人、生き残るワルがいる。現実社会で生き残るために必要なことは?「多分、グループがあってそこで生き残ろうとする。だから葛藤があるんじゃない?このグループじゃないところにポンと出ちゃえばいい。そうすればこのグループからしたらその人、関係ないだから、客観的に見たらその人、生き残っているってことじゃん、もしかしたらね。漫才ブームのときに一番最初に漫才辞めたの俺なんだもん、もう終わりだと思って。B&Bとかみんなそこにいたけど、俺、ポンと外に出ちゃった。で、結果的にブームはなくなって、たけしと紳助が漫才ブームを生き抜いたって言われるんだけど。俺、TVの次に、今度ラジオに行っちゃった。TV界からラジオに行っただけなんだけど、たけしはお笑いから生き抜いたってことになる。で、次に映画に行っちゃった。TVのタレントから俺だけ映画に行ったら、また生き抜いた、みたいなことを言われる。要するにグループの中に属さないってことじゃないかな。そうすりゃ生き抜いたことになる。怪しいんだけど、俺」。騙す、騙される、どっちが好き?の問いに、「あーあ」と嘆くような口調と優しい笑顔で答えた。「俺ら、騙す商売だからなぁ。騙す商売だけど、騙されることによってプラスマイナスゼロにしているところ、あるよね。よく騙されるの、騙してもらったお金、騙されてぼられているだけだよ」。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:モナもシビれた!北野監督作『アウトレイジ』女性座談会ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品山本モナと“男たち”を語ろう!『アウトレイジ』女性限定試写会&座談会に10組20名様ご招待【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年06月10日北野武監督最新作のバイオレンス映画『アウトレイジ』の女性限定試写会が6月7日(月)、東京・西新橋のワーナー・ブラザース試写室で行われ、MCを務めた北野監督と同じ所属事務所のタレント、山本モナとシネマカフェの女性読者26人がワルい男についてトークを繰り広げた。モナさんを含め20代から40代の27人が鑑賞。先の読めないストーリー展開と緊張感あふれる映像に、終始、全員がスクリーンに食い入るように見入っていた。話題のバイオレンス描写には、さすが目や口を覆う人が続出。とある場面では1人が途中退出するものの、気分を整えて数分後には席に戻った。座談会が始まると、「手がこわばった」、「怖くて薄目でしか観られなかった」などと緊張から解かれた様子で、堰を切ったように声が上がった。モナさんが「カンヌ(国際映画祭)では賛否両論という評判でしたが、実際に観てどうでした?」と問いかけると、「目を覆ってしまう映像はあったけど、ストーリー、内容が面白いと思った」、「ここまでやっちゃっていいの?と思ってドキドキした」と、ここでも熱い意見が飛び交った。本作は、やくざの縦社会で勃発した組同士の抗争の中で生き延びようとする男たちの姿を描く群像劇。一番トキめいたキャストを聞く質問には、3分の1が英語を話すインテリやくざ役の加瀬亮の名をあげた。真面目で人の良さそうな役のイメージが強い彼だが、本作では「渋くてかっこいい」という、これまで知らなかった一面を見たという声も。ほかには三浦友和、椎名桔平、小日向文世ら票が割れ、多彩なアンサンブル劇らしい結果に。内容については「組織という意味では、やくざ社会も普通の会社でも同じで、悪いのは上にいる人とか、裏で糸を引いている人なのかも」と一般社会の縮図と捉えた意見や、「これの女版があったらコワイ…」などの感想も。最後にモナさんが「ある種のイケメン映画ってことですかね」とまとめると、大半が頷いた。終了後、モナさんは「男性はやられたらやり返す。それは女性にはない部分。ここまで男が男らしさを出すことって最近ない気がする。肉食系の男臭さがすごく出ていて、草食系に辟易している女子なんかにはサイコーの映画」と肉食系にシビれた様子。草食系より肉食系が好み?の問いには、「あんばい、というかバランスですよね」と冷静だった。『アウトレイジ』は6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品山本モナと“男たち”を語ろう!『アウトレイジ』女性限定試写会&座談会に10組20名様ご招待【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐世界のキタノ、ヤクザ映画でカンヌへ殴りこみ!『アウトレイジ』コンペ出品決定
2010年06月08日