いつまで経っても変わらない…と言ったら失礼に当たるのか――?と思いつつ、インタビューの最後に「若々しさの秘密は?」と尋ねると、原田知世は少し困ったような笑顔を浮かべこう答えてくれた。「あまり年齢のことは考えないようにしていますね(笑)。日々の、目の前にあることを楽しみながら、丁寧にやっていくだけです」。女優、そしてシンガーとしての活動に加え、これまでにも幾度となく声優を務めてきた彼女だが今回、映画『おまえ うまそうだな』で演じたのは優しさと愛情あふれる、恐竜の“おかあさん”。原田さんが母親役にこめた想いとは――?演じながら涙が出てきたあるシーン原田さんが演じたのは草食恐竜の“おかあさん”だが、彼女が育てているのは川で拾った卵からかえった、肉食恐竜のハート。やがて大きく成長し、ハートは肉食恐竜としての“本能”に目覚めてしまうのだが、母の愛は常に一貫して変わることはない。原田さんはその感情を「無償の愛」と語り、こう続ける。「恐竜の物語ではありますが、描かれているのは人間が持つ心と変わりませんでしたから、とても自然に感情移入できました。命がけで子供を守る強さ、たくましさ、優しさ…。愛があふれたおかあさんの姿を精一杯演じたいと思いました。そのおかあさん像は、監督や制作の方々とも同じでしたから、迷うことなく演じることができました。一番印象に残っているのは、大人になったハートがおかあさんを助けるために帰ってくるシーン。ハートが『おかあさんの子供で良かった』と言ってくれたところでは、演じながら涙があふれました。仲間に反対されながらも、一人でハートを育ててきたことが間違いではなかったと確信できた瞬間だったと思います」。映画やドラマでこれまで母親役を演じた機会は決して多くはないという原田さん。今回、どのような思いで“母”となったのだろうか?「実生活で母親の経験はありませんでしたが、私には小学生になる甥や姪がいて、彼らの成長をずっと近くで見ていますから、子供たちには本当に幸せに育ってほしいという思いが、自然に湧いてきます。(劇中で)群れの仲間たちに肉食恐竜の子供を育てることを許されなかったおかあさんが、赤ちゃんのハートを捨てに行くシーンがあります。決心していても、小さなハートの泣き声を聞いた瞬間、お母さんは戻らずには居られなかった――それは理屈ではなく、あふれ出る愛情です。その気持ちはすごく理解ができました」。芝居と音楽の不思議な“周期”声優という仕事について「声優では、本作のように恐竜役もできますし、年齢や性別に縛られず色々な役に挑戦できるという楽しさがありますね」と原田さん。自らの活動を顧みて、また仕事に対しての気持ちの変化についてもこう語る。「私自身、ふり返ってみるとある時期は音楽だけをやっていて、ある時期は女優をやって、という不思議な周期があるんですね。4年くらい前までは映画やドラマを集中してやっていて、それからずっと音楽をやって、その後、またこうして映画と。女優から少し離れることで『演じたい』って気持ちが芽生えてきたりする。そうやっていつも新鮮な気持ちでやらせていただけるのはありがたいですね。それからいま、自分の中でどんどん積極的な気持ちになってきているのは感じますね。良いものを作ろうとする気持ち、肩の力を抜いて役に近づこうと集中すること。以前よりも構えずに、演じることが身近になってきたというか。30代、40代とどんどん仕事が楽しくなってきていますね。同じ仕事はないですから、ひとつひとつ大切にやっていきたい。と思っています」。変わらない部分と変わり続ける部分。素直に全てを受け入れ、自分なりにアウトプットしていく――。年齢を重ねる中で今後、彼女の表現がどう変化していくのか?それに伴ってどのような輝きを見せてくれるのか?まずはその声であふれんばかりの“母性”を伝えてくれる本作を観てほしい。■関連作品:おまえうまそうだな 2010年10月16日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開copy; 宮西達也/ポプラ社・おまえうまそうだな製作委員会■関連記事:人気絵本映画化!『おまえうまそうだな』親子ペア鑑賞券&とお菓子「ビスケットサウルス」他を5組10名様にプレゼント“こども店長”加藤清史郎「肉が大好き」と肉食系宣言もリアル恐竜登場にはびっくり人気絵本から生まれた感動作『おまえうまそうだな』試写会に50組100名様ご招待
2010年10月18日井上真央と岡田将生という、若い世代を中心に絶大な人気を誇る2人を主演に迎えた『僕の初恋をキミに捧ぐ』が24日(土)、公開を迎えた。初日の舞台挨拶に井上さんと岡田さんに加え、森口瑤子、細田よしひこ、原田夏希、寺田有希、新城毅彦監督が登壇。本作のこれまでのプロモーションでは、あまり人前で話をするのが得意ではない岡田さんを、年上の井上さんが優しくフォロー&リードする姿が見られたが、さてこの日は…?井上さんがマイクを持つと、客席から「真央ちゃーん!」、「姫!」といった歓声が飛ぶ。いや、客席からだけでなく舞台上からも…。なぜか細田さんが観客に負けじと(?)、「姫!」と絶叫。井上さんは「黙っててもらっていいですか?」と笑顔でピシャリ。気を取り直して「映画はいかがだったでしょうか?」と問いかけると、客席からは温かい拍手がわき起こった。これに井上さんは満面の笑みで「ひとりひとりに『どこがよかった?』と聞きたいくらいです」。この日まで、プロモーションのために監督や岡田さんと共に各地を回ってきたが「岡田くんがすごい人気だったので、これはイケるかも、と思ってました」と手応えを明かした。冒頭のやり取りでもお分かりのように、この日、やたらと井上さんに絡んできたのが細田さん。「私事で恐縮ですが」と前置きして、細田さんは最近ショックを受けたという出来事を告白。曰く「井上さんがTVで、好きな男性のタイプとして『無口で何考えているか分からない人』と言っていて、嫌いな男性は『ベラベラ自分の過去を話す男』って。僕は井上さんに過去の恋愛とか、洗いざらい全部話してますが…嫌いだった?」とすがるような目で井上さんを見つめた。井上さんは慌てて「そんなことない、大丈夫!つい…うん、何とか大丈夫」とフォローになってないようなフォローをするも、細田さんは「おれ、あの日は寝れなかった」としょんぼり。井上さんは「(細田さんは)こう見えて(笑)、気を遣うタイプだし、繊細で。岡田くんをいつもフォローしてくれていました」と必死で持ち上げる。会場はこのやり取りに大きな笑いに包まれた。それにしても、井上さんの好みだという“無口で何考えているか分からない人”に岡田さんも当てはまりそうな気も…。声の大きな(うるさい?)細田さんに、原田さんと寺田さんの2人はちょっぴり押され気味?「当たり前のように明日が来るということが、実は奇跡なんだと思いました」(原田さん)、「劇中の2人(岡田さんと井上さん)のような恋がうらやましい!ああいう恋愛できたら幸せですね」(寺田さん)とうっとりとした表情で語った。そして、問題(?)の岡田さん。初日ということでかなり緊張しているようで「はい、垣野内逞を演じました岡田将生です。今日は初日を迎えられてすごく嬉しいです…。今日は来てくれてありがたいと思ってます。お願いします!」と顔を赤くして挨拶。続いてマイクを握った、逞の母親役の森口さんは「息子が失礼をいたしまして申し訳ございませんでした(笑)」と母としてフォロー。さらに「自分が出た作品を観て号泣したのは初めてです。主演の2人にピュアな部分に泣かされました」と“わが子”の演技を絶賛した。岡田さんは、少女マンガを原作とした本作の男性から見ての魅力を尋ねられ「男女の区別なく楽しめると思いますし、男性も観て泣いちゃうと思います」と精一杯アピール!会場は再び、大きな拍手と歓声に包まれた。『僕の初恋をキミに捧ぐ』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:僕の初恋をキミに捧ぐ 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009「僕の初恋をキミに捧ぐ」製作委員会■関連記事:生きることで、得られる愛――岡田将生×井上真央『僕の初恋をキミに捧ぐ』【TIFFレポート】井上真央、岡田将生のエスコートに合格点!【TIFFレポート】写真でチェック!グリーンカーペットのファッションを一挙公開岡田将生、井上真央にイジられてハニカミ連発共演映画完成報告会見
2009年10月24日