円頓寺(えんどうじ)の「西アサヒ」(名古屋市西区)と言えば、名古屋の喫茶店好きなら知らない人はいないほどの名物店。昭和初期に創業した名古屋屈指の老舗喫茶店として愛されてきた。その代名詞的一品「たまごサンド」がいま、注目を浴びている。○星3つを獲得したたまごサンドこのたまごサンド、ただのたまごサンドと思うなかれ! フワフワアツアツの厚焼き玉子とシャキシャキのキュウリもみがフカフカのパンにはさんである、とにかくやたらと擬音で表現したくなる魅惑のサンドイッチなのだ。西アサヒそのものは、フジテレビ系列「とんねるずのみなさんのおかげでした」のコーナー「きたなシュラン&きたなトラン」でも紹介されたことがあるお店。決してきれいとは言えないが、そこで星3つを獲得した通り、たまごサンドは文句なしにウマいと評判だった。だが、西アサヒは店主の体調不良で2014年から休業。またひとつ、名古屋から歴史ある喫茶店が消え、あのたまごサンドも食べられなくなってしまうのか……。そう誰もがあきらめかけていたところに飛び込んできたのが、「西アサヒ復活! 」の朗報である。名古屋の旅行業者と地元商店街らの共同で、旅行者向けのゲストハウスとしてこの4月1日にリニューアルオープンすることになったのだ。しかも、喫茶店だった1階部分は以前と同様に誰もが利用できる喫茶兼食堂になり、うれしいことにあのたまごサンドも復活を果たした。○近似度は90点、味は文句なし!このたまごサンド復活には、僭越(せんえつ)ながら筆者も少し関わっている。あまり知られていないが西アサヒには名古屋市内に姉妹店が1軒あり、そこにもやはりたまごサンドがある。筆者は2014年に発刊した書籍『続・名古屋の喫茶店』でこの西アサヒ天池店(名古屋市昭和区)を取材していて、2015年2月に天池店のママさんと新生・西アサヒのスタッフを引き合わせたのだ。なお、天池店のたまごサンドは「エッグサンド」(540円)と命名されている。天池店のママさんは「レシピなんかないよ! 」と言いながらも、「とにかくバターはたっぷり使うんだよ」など調理のポイントをあれこれと伝授してくれた。さらに、「使わないから持っていきな」と西アサヒのマッチを何ケースも分けてくれたのだった。新生・西アサヒの料理長である村山豊さんは、この天池店で食べた創業者直伝のたまごサンドの味を"舌コピー"して試作を繰り返した。さらに、地元商店街の人たちなどかつての味を知る人に試食してもらって、西アサヒの味の再現に挑んだのである。「『もっとバターが利いていた』『いや、これではバターが利きすぎ』『キュウリもみはもっと辛かった』『いや、もっとあっさりしていた』と人によって言うことがバラバラ。パンの切り方ですら『四角だった』という人もいれば『いや三角だ』という人も(苦笑)。天池店で食べたたまごサンドは、卵自体にはあまり味をつけていなかったので、余計なことはせずにシンプルに作ることを心がけました」と村山さん。筆者も実食させてもらったが、オリジナルにかなり忠実な印象。卵のフワフワ感、バターの利き具合、キュウリもみの塩加減、どれも90点といったところ。点数はあくまでオリジナルとの近似度なので、完成度そのものは文句なしで満足できるものに仕上がっている。オリジナルとの違いを自分の舌で確かめてみたい、という人は天池店にも足を運んで食べ比べてみるのもいいだろう。ただし、天池店のたまごサンドは価格を抑えるために卵は2個。円頓寺の西アサヒは卵3個を使った分厚さが特徴で、新生・西アサヒではこれにならって卵3個使用している。価格も旧・西アサヒに倣って700円にした。他にも新・西アサヒでは世界各国の料理も取りそろえ、喫茶だけでなくレストランとしても利用できる。とはいえ、やっぱり元祖の味を受け継ぐたまごサンドは味わってもらいたい。たまごサンドの提供時間はランチタイムと喫茶タイムが基本だが、夜も要望があれば作ってくれる。○名古屋観光の拠点にも食事だけでなく、ゲストハウスとしても魅力的。築80年の歴史を感じさせる和の雰囲気を残しつつ、ボックスベッドやキッチン、シャワールームなどを完備し、外国人観光客には大いにウケそう。ベッドなら1泊3,240円、個室でも2人で1万1,880円と宿泊料も格安。名古屋駅にも名古屋城にも近く、滞在して名古屋や周辺の観光をたっぷり楽しむにはうってつけだ。店は円頓寺商店街の東寄りの一角にあり、名古屋駅と名古屋城のちょうど中間に位置する。レトロなムードが残る円頓寺界隈は、ここ数年で新しい飲食店などが続々オープンし、散策エリアとしても人気が高まっている。そんな名古屋の旅の思い出に、絶品たまごサンドも加えていただければと思う。●information喫茶、食堂、民宿。西アサヒ愛知県名古屋市西区那古野1-6-13喫茶と食堂は月曜日・第3日曜日休業※記事中の情報・価格は2015年3月取材時のもの。価格は税込○筆者プロフィール: 大竹敏之(おおたけとしゆき)名古屋在住のフリーライター。雑誌、新聞、Webなど幅広い媒体で名古屋情報を発信。Webガイドサイト「オールアバウト」では名古屋ガイドを務める。名古屋メシ関連の著作を数多く出版。『名古屋の喫茶店』『名古屋の居酒屋』『名古屋メン』『続・名古屋の喫茶店』(リベラル社)は自腹リサーチをコンセプトにしてご当地ロングセラーに。2014年10月上旬にはご当地グルメコミックエッセイ『まんぷく名古屋』(KADOKAWA、森下えみこ著)に案内人として登場。
2015年04月14日愛知県は喫茶店王国。名古屋は今や全国を席巻する「コメダ珈琲店」の本拠地で、一宮市や豊橋市は「我こそがモーニングサービス発祥の地!」を主張している。絶対数が多い分、個性的な店も多い。以前紹介した「パブレスト百万$」はその典型だが、"尾張の竜"が「パブレスト百万$」なら、"三河の虎"(?)がここ「喫茶 丘」である。ちなみに、愛知県にある喫茶店の店舗数は約9,000店と全国2位(1位は大阪府の約9,800店)、人口1,000人あたりの店数は1.21店と全国3位(1位は高知県野1.62店)、一平方kmあたりの店数は1.76店と全国3位(1位は大阪府の5.17店)。いずれも1位ではないがトップ3にはランクインしている。○全面ギンギラギンの世界「喫茶 丘」は外観からして怪しさ……もとい、ユニークさがぷんぷん。蛍光オレンジを多様したフリーハンドのフォント、軒からぶら下がる電飾。チープな派手さ加減が目を引くが、よく見ると松の植栽や灯篭(とうろう)、庭石が配され、もともとは和風の構えだったことがうかがえる。奇妙なギャップに戸惑いながら店内に足を踏み入れると、そこには衝撃の光景が! 壁から天井まで全面銀色に貼り尽くされたギンギラギンの世界が広がっているのだ!!よく見ると、銀をベースにカラフルな配色の幾何学模様が施されている。円や長方形の組み合わせなどさほど複雑ではないが、多彩な模様が連続的に配列しているようだ。このまばゆいばかりの空間にペパーミントグリーンのソファを配置することで、どことなくファンシーなムードも漂う。○応急処置が始まりさぞやメニューも個性的に違いない……と思いきやこれがいたって普通。愛知の喫茶店の定番、モーニングサービスあり、カレーや牛丼、ハンバーグ定食あり。喫茶店でありながら定食屋顔負けの食事メニューがそろっているのは、郊外の店ならむしろオーソドックスなラインナップと言える。ではマスターはさぞやキャラが立っているはず……と恐る恐る声をかけると、これがまたとても普通。話をふれば気さくに答えてくれるが自己主張は強くなく、「写真は勘弁してください~」とやんわり拒否するほど控えめ。一体どうしてこのマスターにしてこのド派手な空間が作り上げられたのか?「シミやヤニで汚れてしまったんでそれを隠そうと思ったんですよ」。何とその理由は拍子抜けするほど実務的。店は昭和45年(1970)オープン。長年の営業で壁や天井の汚れが目立つようになり、お客さんからは「暗くて新聞も読めん!」と言われる始末だったとか。そこで6年ほど前に、応急処置のつもりでアルミを壁に貼ったのが始まりだった。1カ所汚れを隠すとまた別の場所の汚れが気になる。そのくり返しで銀色の面積が徐々に拡大。そして、銀色ばかりではさすがに殺風景だと、色折り紙を切り貼りして模様をつけることに。どうもこのあたりから、目的が汚れ隠しよりも創作衝動の発露に移っていったようで、結果として特撮SFの宇宙船の船内のようなシュールなインスタレーションが出来上がったのだった。○芸術監督も認める「大竹伸朗風」こんなに派手なのに、マスターやママさんが特にそれを意識しておらず、個性をアピールしようという気もさらさらないのがこの店の稀有であり愛すべきところ。最初はびっくりして少々落ち着かないのだが、あまりに普通のメニューやサービス、マスターらの対応に、いつしかごくごくノーマルな喫茶店のような気がしてきて、まったりとなごめてしまうのだ。筆者がこの店を見つけたのは2013年の「あいちトリエンナーレ」の取材の途中。岡崎会場を鑑賞した後に駅へ向かう途中に通りかかり、吸い寄せられるように入ってみると、失礼ながらトリエンナーレのどの展示作品よりも刺激的だった。「大竹伸朗の直島の銭湯みたいな喫茶店を見つけたんですよ!」と早速トリエンナーレ・芸術監督の五十嵐太郎さん(建築史家)に紹介すると、現地に足を運んでくれ、「確かに大竹伸朗みたいだ」と同意してくれたのだった。アートに造詣の深い人をも魅了する、邪心ゼロのピュアアート喫茶。虚心坦懐(たんかい)な心持ちでコーヒーをすすっていただきたい。●infomation喫茶 丘愛知県岡崎市唐沢町1-29※記事中の情報・価格は2014年11月取材時のもの。価格は税込○筆者プロフィール : 大竹敏之(おおたけとしゆき)名古屋在住のフリーライター。雑誌、新聞、Webなど幅広い媒体で名古屋情報を発信。Webガイドサイト「オールアバウト」では名古屋ガイドを務める。名古屋メシ関連の著作を数多く出版。『名古屋の喫茶店』『名古屋の居酒屋』『名古屋メン』『続・名古屋の喫茶店』(リベラル社)は自腹リサーチをコンセプトにしてご当地ロングセラーに。10月上旬にはご当地グルメコミックエッセイ『まんぷく名古屋』(KADOKAWA、森下えみこ著)に案内人として登場。
2014年12月06日セブン&アイ・ホールディングスは29日、関西地区2府4県のセブン-イレブン店舗とイトーヨーカドー店舗にて、関西の喫茶店メニューで定番となっている「ミックスジュース」にちなんだ商品を限定発売する。○関西のメーカーと共同開発同商品は、関西の食文化を代表する「ミックスジュース」をヒントに、関西のメーカーと商品を共同開発し、地域限定で発売される。「グリコ フルーツオレグリコ」は、バナナ、リンゴ、パインの風味を加えたフルーツオレ風味のソフトキャンディ。価格は120円(税込)。「グリコ フルーツオレコロン」は、4種のフルーツを加えたフルーツオレ風味のクリームをワッフル生地で包んだ菓子。価格は130円(税込)。「センタン 白くま ミックスフルーツ味」は、「白くま」シリーズの練乳ベースのアイスにフルーツ果汁を加えたアイス。3種のフルーツ果肉と小豆の食感が特徴。価格は130円(税込)。11月19日発売。「UCC 喫茶店の味ミックスフルーツ」は、バナナ・桃・オレンジベースにし、果汁を30%使用した、濃厚で飲み応えのあるソフトドリンクだという。価格は158円(税込)。12月2日発売。
2014年10月25日今やセルフサービススタイルのシアトル系カフェチェーン店が日本中に浸透し、コーヒーショップの主流となっている。しかしその一方で、昔ながらの“喫茶店”をこよなく愛し続ける人がいるのも事実。そこで今回、大阪に現存するレトロな喫茶店巡りをしてみた。そもそも、大正~昭和初期までの大阪は「大大阪」と呼ばれ、東京よりも大規模な都市であった。その後、東京一極集中が進んでいったが、昭和45年(1970)の大阪万博開催の頃までは、今よりももっと繁栄していたのだ。そんな大阪の街で、60年以上の歴史を持つ老舗喫茶の名店3軒に注目してみた。最初に紹介するのは「丸福珈琲店 千日前本店」 。昭和9年(1934)創業という老舗中の老舗珈琲店だ。コーヒーがまだ日本では希少だった当時、初代オーナーが独自に研究を重ね、焙煎(ばいせん)からブレンド、そして抽出方法から抽出器具まで自ら考案。そうして生み出されたオリジナルコーヒーが現在も引き継がれている。その非常に濃厚でコク深い味わいは有名で、世代を超えて根強く支持される名物コーヒーとなっている。また、ブレンドコーヒー(520円)のほかにも、ホットケーキ(550円)をはじめとしたスイーツや自家製珈琲ゼリー(550円)なども人気だ。今や数多くの店舗を展開している丸福珈琲だが、なかでも千日前本店の歴史を感じさせる佇(たたず)まいは格別だ。千日前通りから相合橋筋というアーケード街に入ってすぐのところにあり、2フロアある広い店内はヨーロッパ調のアンティークな調度品や内装で統一。つい長居してしまいたくなる、実に落ち着ける雰囲気となっている。ちなみに同店は、田辺聖子の小説の舞台としても登場しており、何と昭和天皇にコーヒーを献上した経歴もある。大阪ミナミの繁華街中心部、道頓堀筋からほど近くにあるのが、戦後間もない昭和21年(1946)創業の「純喫茶 アメリカン」。今も店構えや広い店内の内装は昭和レトロな雰囲気たっぷりで、どこか“デパートの食堂”といった趣も感じられる。ちなみに、当時は敗戦国ということもあって「アメリカン」という名前を使用できず、“花月”という屋号で営業していたそうだ。ブルーマウンテンやハイマウンテンなど8種の豆を使用したブレンドコーヒー(530円)に加え、この店で是非注文しておきたいのが「特製ホットケーキ(550円)」。数種の小麦粉をミックスして特製銅板で焼き上げたこだわりの逸品で、フンワリとした食感と、玉子とバターの香りが口の中いっぱいに広がる同店一番の名物メニューだ。そのほか、もも肉のみを使用したビーフカツサンド(1,250円)なども人気で、軽食が充実しているのもここの特徴である。ところで、店名に冠せられている“純喫茶”という言葉だが、かつての日本では「カフェー」と呼ばれる女給が客の相手をして酒も提供する、今で言うキャバクラのような「特殊喫茶」という業態が存在していた。その「特殊喫茶」と区別し、より健全性をアピールするために生まれた言葉が“純喫茶”で、昭和50年代前半頃までは街中で結構目にしていた言葉である。さて、大阪において東京・浅草のような昭和レトロな“昔の歓楽街”の雰囲気に溢(あふ)れているのが、通天閣のお膝元・新世界界隈だ。その新世界と、かつての遊郭・飛田新地をつないでいたジャンジャン横丁という商店街にて、昭和23年(1948)から営業を続けているのが「千成屋珈琲店」だ。もともと青果店を営んでいたのだが、熟しすぎた果物を店頭から引き上げ捨てるのはもったいないと、ミキサーにかけてジュースで売りだしたところ、これが「うまい」と評判に。これをきっかけに喫茶店に転業し、以来、地元民の憩いの場として親しまれてきた。リンゴやバナナなど数種の果物に少し牛乳を加えてミキサーですり潰したミックスジュースは、とろみがありながらもスッキリとした味わい。東京ではあまりなじみがないかもしれないが、大阪では比較的ポピュラーなドリンクのひとつなのだ。千成屋はそのミックスジュースの元祖とも言える店で、「牛乳抜き」や「甘さ控えめ」といった要望にも対応してくれる。このミックスジュースを始め、マイルドな味わいのコーヒー(350円)、そしてママさんの親しみやすい人柄やアットホームな店の雰囲気が魅力の喫茶店である。セルフ形式のカフェチェーン店とはまた違った独特の趣が感じられる老舗喫茶店。これらの店で、創業当時から引き継がれるこだわりのコーヒーやスイーツなどを頂きながら、昭和の時代に思いを馳(は)せるのも一興(いっこう)ではないだろうか。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年05月04日名古屋の喫茶業界に燦然(さんぜん)と輝く、名古屋市昭和区の喫茶店「マウンテン」。業界をリードしてきたこの店は、オープンから40年以上経た今もなお、店主の持つ独特のオーラのもとで圧倒的な存在感を放つている。今回はこの店の創業者へインタビューを試みた。「お!よぉ来たなぁ。おみゃーさん前にも一度会ったことがあるなぁ」。ギラリと鋭く光るまなざしをまっすぐに筆者へ向けたこの御仁こそ、誰あろう、マウンテン店主の加納幸助氏である。彼の記憶の通り、筆者は15年以上も前に一度だけ彼のインタビューを敢行していた。よく覚えてくれていたなと静かな感激を胸に、改めて彼の顔を見る。久しぶりに会う彼は、顔に若干の年輪を刻んではいるが、その生命力は少しも衰えていないようだ。「今回は何を(写真で)撮る?やっぱ甘口系か?アンタの好きなもん作ったるで何でも言ってちょうよ!」。「甘口」とは何のことかというと、この店の名物「甘口スパゲティ」のこと。このメニューこそ、マウンテンの代名詞ともいうべき名物なのだ。他に類を見ないインパクトで数々のメディアに登場し、その名は全国にとどろいている。ネット情報やガイドブック片手に、この「甘口スパ」だけを目当てに店を訪れる観光客も今や珍しくない。「甘口スパの話しきゃぁ?これはもぉ20年くらい前に作ったんだわ。苦労したわぁ!いろいろ試してよぉ。デザート感覚で食べられるスパゲティを作りたかったんだわ。あったかくても冷たくってもおいしくなけりゃいかん。それが苦労したのよ」。彼の話は更に続く。「甘口抹茶スパの抹茶なんて、高級な粉を使っとるでよ。いためても粉が分離しないよう工夫したったわ。甘口イチゴスパは冬と春の限定なんだわ。イチゴが一番熟した時じゃにゃあとウマないんだわ。でもこの時期のイチゴ使ったら、まぁ抜群にうみゃあでよ」。驚いた。なんとあのソースも自家製だったのか!とにかく見た目のインパクトだけでなく、素材など味のこだわりも強いことが判明した瞬間だった。そう言えば、確かにパスタも生麺だ。このパスタがモチモチしていて、白玉みたいな感じなのだ。そうこうしているうちに、デーンと目の前に「甘口抹茶スパ」が登場。全身グリーンティカラーのパスタに、クリームがどっさり盛られている。そして山の頂には、粒あんがハーゲンダッツのごとくトッピングされているのだ。いつ見ても圧倒的な存在感である。これデザート感覚というには、ボリュームあり過ぎじゃないのか?「量?麺だけで600グラムはあるわ。ホントは、ご飯を食べた最後に、みんなで取り分けて食べてもらおうって感じで作ったんだわ。だけど、ガイドブックとか見て店に来る子とかは、これだけ食べて帰るわなぁ」。なるほど、ホントは取り分けるものなのか……って、今の状況、コレは筆者ひとりで食べろってことなのか??と思ったのもつかの間、加納氏の食べ方レクチャーが始まった。「まずはこのクリームとアンコと麺をかき混ぜるんだわ。このアンコも最上等のもん使っとるでよ!和菓子屋なら金賞もん!」何が金賞なのか一般人には既に理解できない。しかし言われた通りにぐっちゃぐっちゃとかき混ぜると、パスタの熱でクリームがじわっと溶け始める。フォークで麺を丸め意を決してひと口モグモグ。うむ確かに抹茶の味は濃い!麺に絡むのは抹茶ソースというより粉を溶かした抹茶という感じ。いい意味で確かに粉っぽい。考えてみたら抹茶とクリームとアンコの組み合わせ自体は、和洋菓子の世界ではポピュラーなもの。確かに見た目は衝撃的だが、慣れれば食は進む。しかし、壮絶に甘いことに変わりはない。その上、このボリュームだ。必死に食べ続ける僕を尻目に、加納氏は静かに哲学を語り始めた。「哲学はよぉ、この店は小さいけど何でもそろう百貨店みてゃあな店にしたいと思っとるんだわ。全部なんでもそろっとったら、お客は逃げんでよ!」さらに、「でもエエ加減なもの作ったらいかんのだわ。値段が高すぎてもイカン。これはお客との阿吽(あうん)の世界だな」。さすがは加納氏。フード、ドリンク合わせて今現在、メニューだけでもなんと300種以上はあるそうだが、今後も新作に取り組むというのだ。ところで今までのベスト・ワンは?と聞いたところ加納氏らしい答えが返ってきた。「ベスト・ワン?そりゃ全部だわ。みんなかわいい子供みたいなもんだでよ!」そして最後に、「かき氷も食うか?食わんでもエエから、写真撮っときゃあ!」と抹茶パスタで腹いっぱいの筆者の前に次なる「マウンテン」級の巨大イチゴかき氷が現れたのであった。●Information喫茶マウンテン名古屋市昭和区滝川町47-86【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年04月09日香港には、西洋料理なのにちょっと「?」と思うような料理や、日本では考えられない謎の飲み物がある。そんなB級グルメを楽しめる、香港で独自に発達した「香港式喫茶店=茶餐廳(チャーチャンテーン)」を紹介しよう。茶餐廳はレストランではなく、カフェでも大衆食堂でもない。ドリンクメニューが充実しているのでカフェのようではあるが、レストラン並みの食事メ ニューも取りそろえており、しかも朝、昼、晩食べられる。香港人の中には3食全て茶餐廳を利用する人もいるとか。食事メニューは、西洋風だけど香港料理と いった感じの不思議なものが多い。数ある茶餐廳の中でも、香港の芸能人も好んでよく来るという人気の店が「華星冰室」だ。この店でいろいろ面白そうなメ ニューを頼んでみた。まずは1日1,000食も出るという人気の定食(常餐)。バタートースト、ハムエッグ、チャーシュースパゲティにドリンクがついて、なんと34香港 ドル(約398円)という破格のセットメニューだ。このチャーシュースパゲティ、パスタというよりチャーシューラーメンといった方がイメージしやすいだろ う。不思議な組み合わせに「?」マークが飛び交ったが、これが意外に合う!あっさりとしたうどん風の味わいで、つるっと麺をすすっておいしくいただい た。こうした香港風アレンジの西洋料理がなんとも面白い。同店のオーナー・陳家興さんが「ぜひこれは味わっていってほしい」と強く勧めてくれたのが、黒トリュフ入りスクランブルエッグトースト。正直、この お店でトリュフに出あうとは想像していなかったので(失礼! )ちょっと驚く。37香港ドル(約433円)といいお値段なのだが、パンの上にとろけるような食感のスクランブルエッグがたっぷりのっており、その上にア クセントとして黒トリュフがおしげもなくまぶされている。ふわふわしたパンと、とろっとした卵、クラクラするようなトリュフの魅惑的な香り……。これらが三位一体となったこのトースト、やみつきになりそ う!実物を見てみると、「トリュフがこんなにのっていて、この値段でいいの!? 」と困惑してしまう。陳さんいわく、同じメニューをホテルで食べたら10倍の値段はするという。もうひとつ気になったのが、店のあちこちに貼られている「校長多士」というメニュー。「校長って一体何? 」と思ったが、香港を代表する歌手であり俳優でもある譚詠麟(アラン・タム)さんのことだという。アランさんが何度も来店してくれるので、アランさんお気 に入りのオリジナルメニューを作って、敬意を表してメニューに「校長」と名付けたそうだ。黒トリュフをペースト状にしたものをたっぷり塗りこんで焼き上げたトーストで、見た感じはピザのよう。値段は25香港ドル(約293円)。60歳を 超えるアランさんがいつも「俺は25歳だ! 」と言っているので、いつまでも変わらぬ若さでいられるよう25香港ドルにしたという。「だから物価が上がっても値上げはできないんです(笑)」とオー ナーの陳さんは苦笑いしていた。こうした面白食事メニューと合わせて頼みたいのが、香港ならではの謎の飲み物だ。日本では信じがたい飲み物といえば、コーヒーと紅茶を混ぜあわせた 鴛鴦茶(インリョンチャ)。香港では一般的なものらしい。温かい鴛鴦茶(17香港ドル・約199円)を頼んでみたが、意外とイケる! コーヒーより軽めで飲みやすい。食事と一緒に楽しむにはコーヒーより向いているように感じた。さらに、忘れてはいけないのがホットコーラ(熱可楽)。「温かいコーラって一体!? 」と思いつつ、せっかくなので頼んでみることに。オーナー陳さんから「レモンとショウガを入れた方がうまい」とのコメント。早速、レモン&ショウ ガ入りホットコーラ(20香港ドル・約234円)を飲んでみた。冷たいコーラのように炭酸特有の刺激はないのだが、その分優しいのど越しで飲みやすい。ショウガが入っているので身体の芯から温まり、ホッと一息つける。香港に行ったら謎のメニューの宝庫、茶餐廳に立ち寄っていただきたい。意外な“美味”に出合えること請け合いだ。●information華星冰室住所:Shop B1, Kwong Sang Hong Building, 6 Heard Street, Wan Chai営業時間:7時~23時定休日:なしアクセス:灣仔駅から徒歩5分※店舗データは取材時のものです【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年02月12日楽天トラベル株式会社は、1世帯あたりの喫茶店での年間消費額が日本一の岐阜県と、岐阜県喫茶組合との共同企画「日本一を探す旅岐阜「喫茶店」の年間消費金額日本一 」を6月18日にリリースした。岐阜県は、県庁所在地の岐阜市民が1年間に支払う1世帯あたりの喫茶代金は、全国平均の約3倍と日本一だという(※)。県内には約3,300店の喫茶店がひしめき、特に「モーニング」は、それぞれの喫茶店が趣向を凝らしたセットを提供。コーヒー・トーストに茶わん蒸し・おにぎり・サラダを組み合わせるなど、独特の文化が根付いている。この独特な喫茶店文化の魅力をアピールし、県外からより多くの旅行者を誘致すべく、同社は岐阜県と岐阜県喫茶組合との共同企画で「日本一を探す旅ファイル.03 岐阜「喫茶店」の年間消費金額日本一」をリリース。同企画には、岐阜県の喫茶店文化や「モーニング」の魅力、周辺観光地やイベントの紹介はもちろん、「モーニングチケット付宿泊プラン」として岐阜喫茶組合加盟16店舗の喫茶店でモーニングを利用できる喫茶チケットと岐阜モーニング喫茶MAPがついたプランも紹介している。ココが日本一!日本全国の“一番”を探す旅の岐阜「喫茶店」の年間消費金額日本一!は、6月18日~7月17日まで掲載。※家計調査(二人以上の世帯)都道府県庁所在市及び政令指定都市別ランキング(平成21~23年平均)。出典元は総務省 統計局「家計調査」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月19日バーガーキングの人気定番メニュー・ワッパーの新メニューが、11月28日(月)より店頭に登場する。フレッシュ アボカド ワッパーチーズ ナチョ ワッパー女性に人気のクリーミーなフレッシュアボカドをたっぷりと使用した『フレッシュ アボカド ワッパー』と、スパイシーなハラペーニョ、とろーりチーズソースにサクサクのトルティーヤが相性抜群の『チーズ ナチョ ワッパー』の2種類。それぞれジュニアサイズもあるので、小腹が空いた午後にパッと食べるというのも手。お問い合わせ:バーガーキング・ジャパンお客様相談センター tel.0120-945-630
2011年11月28日喫茶店でマスターが淹れてくれるような香り高く、コク深い味わい 甘さひかえめ・ミルク入りチルドカップコーヒー 「〈マキシム〉ちょっと贅沢な珈琲店 炭焼珈琲」が新発売。昔から日本人に愛されてきた喫茶店の本格的な味わいのチルドコーヒー。7月25日(月)より、沖縄を除く全国のコンビニエンスストアで新発売。 商品名:〈マキシム〉ちょっと贅沢な珈琲店 炭焼珈琲容量:200mlbr>お問合せ先:お客様相談室 TEL 0120-17-8651プレスリリース提供元: PR TIMES
2011年07月23日COBS ONLINE編集部は同サイトの会員を対象に、2009年10月6日から10月13日にかけて喫茶店の利用に関するアンケートを行った。1,010名の会員に対し、「あなたは喫茶店にどれくらい行きますか?」と尋ね、「月1回未満」を省いた「月1回以上」は喫茶店に行っている会員591名分のデータをまとめた。「飲み物のほか、お菓子・食事等を含め、あなたは喫茶店・カフェで月に合計いくら使っていますか?(図1)」と聞いたところ、「1,000~3,000円未満」と答えた人が最多で、47.2%とほぼ半数になった。最高額は24歳女性の「50,000円」だったが、月30日で割ると1日あたり約1,666円となり、十分に考えられる金額であった。「あなたが日常的に入る喫茶店を選ぶポイントを教えてください(複数回答)(図2)」と尋ねると、「雰囲気」20.7%、「価格の手頃さ」18.7%、「味」17.2%となった。「禁煙・分煙」を望む人は9.3%いるが、「喫煙可能」を望む人はわずか1.6%だった。COBS ONLINE会員アンケート「喫茶店の利用に関するアンケート」より抜粋(期間:2009年10月6日~10月13日、集計人数:1,010名中591名)完全版(画像などあり)を見る
2009年10月30日