大日本印刷(DNP)は、明治から続く同社のオリジナル書体「秀英体」の新しいラインアップとして、「秀英角ゴシック金 M」、「秀英角ゴシック銀 M」、「秀英アンチック」、「秀英四号かな」、「秀英四号太かな」の5書体のデジタルフォントをリリースする。このたび「秀英体」の新ラインアップに加わる5書体のうち、「秀英角ゴシック金 M」と「秀英角ゴシック銀 M」は、ディスプレイに表示した際に読みやすい太さに調整されたゴシック書体。「秀英角ゴシック」にはこれまで、L(ライト)とB(ボールド)の2種類の太さが用意されていたが、今回ユーザー評価をもとに電子書籍等でも読みやすいLとBの中間の太さを持つ「M」が追加される。また、「秀英アンチック」、「秀英四号かな」、「秀英四号太かな」は、昭和初期から中期の金属活字のデザインを復刻したかな書体。辞書の見出しやコミックのふきだしに使用されてきた「秀英アンチック」は「秀英角ゴシック金 B」の、現在の秀英明朝のルーツとなる「秀英四号かな」は「秀英明朝 M」の、見出しや児童書の本文に用いられていた「秀英四号太かな」は「秀英初号明朝」のそれぞれの漢字や英数字・記号と組み合わせた総合書体となっている。なお、同社では秀英体の利用範囲を拡げるため、DTP用フォントのほか、Webサイト用のクラウドフォント、電子書籍、デジタルサイネージなど、多様な分野へのライセンス提供を推進していくという。また、これらの新書体を7月1日~4日に東京ビッグサイトで開催される「第22回 東京国際ブックフェア」に出展するということだ。
2015年06月25日ドトールコーヒーはこのほど、パティシエ・吉田守秀(よしだもりひで)氏のブランド「MORI YOSHIDA」とのコラボスイーツ第2弾を「エクセルシオールカフェ」にて発売した。同企画は、「五感で楽しむ」をテーマに、吉田氏がプロデュースしたスイーツを「エクセルシオールカフェ」のみで提供するというもの。吉田氏は2013年4月、フランス・パリにパティスリー「MORI YOSHIDA」を開店。2014年の「サロン・デュ・ショコラ」では、フランス国内部門の「外国人ショコラティエ賞」を受賞している。同企画で販売するスイーツは、全部で3品。「タルト・シトロンベール」(税込530円)は、ライムとレモンが香るタルト。中には、ライム果汁とレモン果汁を使ったレモンクリームを詰め、トップにバーナーで焼き色をつけたイタリアンメレンゲをあしらった。「シブーストパッション」(税込560円)は、パッションフルーツの甘酸っぱさと、ふんわりとしたシブーストの食感が楽しめる商品とのこと。パイタルトの中にはパッションクリームとパッションフルーツのコンフィチュールを詰めている。ビターチョコレートを重ねた「エクレアショコラ」(税込460円)は、豊かな風味が特徴とのこと。中にビターチョコレート、カスタードクリーム、マスカルポーネをホイップしたクリームを入れた。ビターチョコレートのプレートを上に飾っている。なお、「ベージュ」「タルトシトロン」「ガトーショコラ」は販売を終了している。
2015年06月09日ドトールコーヒーは2日、「エクセルシオール カフェ」(52店舗限定)にて、パティシエ・吉田守秀氏のブランド「MORI YOSHDIA」とのコラボスイーツを発売した。○新進気鋭のパティシエ・吉田守秀氏が「五感で楽しむ」をテーマにプロデュース今回は、パリで活躍中の新進気鋭のパティシエ・吉田守秀(MORIHIDE YOSHIDA)氏との初のコラボレーションが実現。吉田氏が「五感で楽しむ」をテーマに、フランス本場の味を再現しながらも、日本人の口にも合うようプロデュースを行った。「エクセルシオール カフェ」の限定店舗でのみ味わえるスイーツとなる。吉田守秀氏は1977年、静岡県生まれ。2013年4月、パティスリーの首都とされるフランス・パリに「MORI YOSHIDA」を開店。2014年「サロン・デュ・ショコラ」では、「Award du Chocolatier Étranger en France」(フランス国内部門の外国人ショコラティエ賞)を受賞するなど、高い評価を得ている。パリの人々がこよなく愛するスイーツの定番「タルトシトロン」は、アーモンド・ヘーゼルナッツパウダーの入ったタルト生地に、イタリア産レモン果汁を使用したレモンクリームを使用し、仕上げにイタリアンメレンゲをトッピングしている。価格は、単品560円(税込)。「ガトーショコラ」は、プラリネでグラサージュした、オレンジの香りが楽しめるガトーショコラ。手間のかかる湯せん焼きを選択することで、今までにない口どけのよいガトーショコラに仕上げているという。価格は、単品570円(税込)。「ベージュ」は、アールグレイ(紅茶)と、ライム・オレンジ2種の香りを楽しめるムースタルト。アーモンド・ヘーゼルナッツパウダーの入ったタルト生地、アールグレイムースでオレンジの香りのミルクチョコガナッシュとフォユティーヌプラリネをサンドし、フォユティーヌのサクサク感も食感のアクセントになっている。紅茶と柑橘系が絶妙なバランスで香り立つ仕上がりになっているという。価格は、単品580円(税込)。
2015年04月05日情報処理推進機構 セキュリティセンターおよびJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は4月2日、テキストエディタ「秀丸エディタ」にバッファオーバーフローの脆弱性があると発表した。「秀丸エディタ」には、細工された.hmbookファイルの処理に起因するバッファオーバーフローの脆弱性が存在し、細工された.hmbookファイルを「プロジェクトを開く」で開いた場合、 任意のコードが実行されるおそれがあるという。細工されたhmbookファイルを一度開くと、以後、ファイルマネージャ枠を表示しようとするだけで毎回保護違反で落ちてしまうが、問題のhmbookファイルを削除すれば、保護違反は出なくなるとのこと。「秀丸エディタ」の開発元のサイトー企画によると、「ファイル」メニューの「開く」で細工された.hmbookファイルを開いた場合、この問題は生じないという。サイトー企画は、この問題の対策として、信頼できない.hmbookファイルは開かないように注意する」「秀丸エディタをVersion 8.52β9以上に入れ替える」ことを推奨している。
2015年04月02日4月19日(日)大阪・ROCKTOWN、5月4日(月・祝)東京・CLUB QUATTROでライブを開催する俳優・歌手の斉藤秀翼がぴあのインタビューに答えた。【チケット情報はこちら】斉藤秀翼はテレビ朝日スーパー戦隊シリーズ『獣電戦隊キョウリュウジャー』でのキョウリュウブラック/イアン・ヨークランド役などで知られる。そうした俳優活動の傍ら、今年の2月にミニアルバム『PARTY!』でCDデビュー。「音楽活動は念願だったので、凄く嬉しかったです。色々な巡り合わせが良い方向に重なった結果ですね。自分の性格的に長期的な計算とかができるタイプではないので、その場その場で人との縁というのを大切にしているんですが、それが様々な方が参加してくれたこの作品に出ているかなと思います」と話した。リリースして1か月経った同作の印象について聞くと「CDを出すというのが初めてだったので、何もかも勉強になりました。その点は次の作品に活かそうと考えています。この作品を出して何度かライブをやったのですが、そこで気づいたのは“自分はライブをやりたかったんだ!”ということ。戦隊のショーをやっている時も思っていたのですが、その空間はその時しか感じられないものだし、そこに来て下さるお客さんと共有できるのが楽しい。今の時代にCDを出せるという喜びはもちろん噛みしめつつ、ライブは1回1回大事にしていきたいし、これからもっと上手くなりたいですね」と語った。今後については「芸能活動をはじめてすぐ位の話なんですけど、僕の叔父がボソッと僕に“今は自分で自分を作っていく時期だ。ある程度まで行ったらそこからは周りが作って行ってくれるから”って言ってくれたのが印象に残っていて。ファンの方や多くのスタッフの方の力をお借りしたという意味で、今回の音楽活動はまさにそれだなって。ただそこに甘えず、例えばCDについては作曲であったり、プロデュースであったりとかもっと自分の占める割合を増やせていければと思っています。あと、東京以外でライブをやるのは4月の大阪が初めてになるので、これから先はもっと違う地域にもライブをやりにいけたらなって思います」と意気込んだ。斉藤秀翼のライブは4月19日(日)大阪・ROCKTOWN、5月4日(月・祝)東京・CLUB QUATTROで開催。チケットは発売中。
2015年03月23日新国立劇場2015/2016シーズンの主催公演ラインナップが発表された。演劇、バレエ、舞踊3部門の作品をお伝えする。新国立劇場バレエの公演情報まずは演劇8作品から。10月のシーズン開幕に中劇場で上演されるのは、スティーブン・ソンドハイム作曲の本邦初演ミュージカル「パッション」。新国立劇場は過去、「太平洋序曲」「INTO THE WOODS」と2本のソンドハイム作品を上演してきた。今回は芸術監督・宮田慶子の演出、井上芳雄、和音美桜、シルヴィア・グラブらの出演で、濃密な恋愛のドラマを舞台に刻む。続く11月の小劇場「桜の園」は、鵜山仁演出、田中裕子ほかの出演。王道のチェーホフ劇に期待しよう。12月の小劇場「バグダッド動物園のベンガルタイガー」は、気鋭・中津留章仁が演出する戦争テーマの硬質な米国ストレートプレイ。3月からの小劇場は鄭義信三部作の連続上演で、今回の目玉というべき企画だ。この作家が新国立劇場に書き下ろした「焼肉ドラゴン」「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」の名作3つを改めて堪能したい。6月の中劇場「あわれ彼女は娼婦」はシェイクスピアと同時代の演劇で、兄妹の禁じられた愛の物語。こちらは栗山民也演出で。シーズンのラストは、7月の小劇場、別役実の新作書き下ろし、宮田慶子演出による「竹取物語~よみがえり篇~」(仮題)のタイトルが挙がっている。バレエは6作品はすべてオペラパレス。10月の新制作「ホフマン物語」は、芸術監督・大原永子の英国へのこだわりが香るピーター・ダレル振付の逸品。12月のおなじみ「くるみ割り人形」、1月の祭典「ニューイヤ・バレエ」を挟み、2月の新制作「ラ・シルフィード/Men Y Men」にも注目だ。前者はオーギュスト・ブルノンヴィルの古典的振付に大原永子が演出で参加し、この作品に関する深い知見を注入する。後者は昨年の「眠れる森の美女」に続く、ウエイン・イーグリングの振付が話題。5月は鉄板「ドン・キホーテ」。6月の「アラジン」では、前芸術監督デヴィッド・ビントレーの振付作品を再演する。ダンスは、10月小劇場の「近松DANCE弐題」で幕開け。以降は中劇場での公演が3つ並ぶ。3月の新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2016」、3月の平山素子「Hybrid―Rhythm & Dance」、6月の高谷史郎(ダムタイプ)「CHROMA」と計4公演を揃えた。
2015年01月23日新国立劇場2015/2016シーズンラインアップが発表された。オペラ部門は全10演目。例年同様、新制作3・再演7(内、邦人作品1)となる。新国立劇場オペラの公演情報飯守泰次郎オペラ芸術監督が「新国立劇場は、世界の主要歌劇場として、国際的に高いクオリティを保ち、さらに発展させていくべき存在。そのためには国際的な水準・技量をもったキャスト、そしてレパートリーが重要」と語るように、充実のスタッフ・キャストが揃うラインアップとなった。新制作1本目は、シーズン開幕公演。ワーグナーの超大作「ニーベルングの指環」(4部作)から『ラインの黄金』を取り上げる。ドイツの名演出家ゲッツ・フリードリヒが晩年にフィンランド国立歌劇場で作り上げたプロダクションを上演する。指揮は、ワーグナーの聖地、バイロイト音楽祭で長年キャリアを積んだ飯守オペラ芸術監督が自らタクトを振る。新制作2本目は、同劇場初上演となるヤナーチェクの『イェヌーファ』。世界の主要歌劇場では必ず取り上げられるヤナーチェクだが、日本での上演機会は少ない。演出にはドイツの権威あるオペラ専門誌『オーパンヴェルト』で「年間最高の演出家」を受賞したクリストフ・ロイを迎える。新制作3本目はマスネの『ウェルテル』。演出にはフランスのベテラン、ニコラ・ジョエルを迎える。飯守芸術監督は「(ジョエル)は1976年のバイロイト百年祭で苦楽を共にした仲。久々の再会が楽しみ」と期待を寄せる(同音楽祭で飯守はピエール・ブーレーズの助手、ジョエルはパトリス・シェローの助手を務めた)。再演演目もこれまで好評を博してきた人気作が並ぶ。壮大で華麗な舞台・衣装が魅力の『トスカ』。ヴェルディ最後のオペラで唯一の喜劇『ファルスタッフ』。大人から子どもまで楽しめるファンタジー『魔笛』はオール日本人キャストで。『サロメ』は、ウィーン、パリ、ベルリンでも同役を演じて聴衆を虜にした世界的ソプラノ、ニールントが登場。イタリアのヴェリズモ・オペラの名作からは『アンドレア・シェニエ』を。飯守オペラ芸術監督がタクトを振る『ローエングリン』は、2012年上演時に大好評を博したクラウス・フロリアン・フォークトが再登場。邦人作品は和製オペラの傑作『夕鶴』を上演する。■新国立劇場オペラ2015/2016シーズン2015年10月ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指環」序夜ラインの黄金【新制作】11月プッチーニ/トスカ12月ヴェルディ/ファルスタッフ2016年1月モーツァルト/魔笛2・3月ヤナーチェク/イェヌーファ【新制作】3月R.シュトラウス/サロメ4月マスネ/ウェルテル【新制作】4月ジョルダーノ/アンドレア・シェニエ5・6月ワーグナー/ローエングリン7月團伊玖磨/夕鶴
2015年01月23日富士通は12月24日、国立がん研究センター(国立がん研)、国立循環器病研究センター(国循)、国立長寿医療研究センター(長寿研)、東京医科歯科大学と、それぞれICT技術を活用した医療モデルの構築と普及を目的とした共同研究を行う協定を締結したと発表した。まず、国立がん研とは「がんのメディカル・ゲノムセンター機能に必要なゲノム情報と診療情報の統合」について研究を進める。メディカル・ゲノムセンター機能とは、エビデンスの高い解析結果を基に、医薬品効果予測による治療選択、適切な予測診断の確立、および遺伝リスクに応じた予防的措置に関する臨床応用を目指した取り組み。同研究で国立がん研はゲノム情報の取得・解析などを行い、富士通と共に高度なセキュリティとアクセシビリティを両立させたゲノム医療システム基盤の検討・実証を進めていく。2016年度末までにはがんのゲノム医療実施体制のプロトタイプを整備する予定とのことで、最新のゲノム医科学とICT技術および知識を動員したゲノム医療の実現が期待される。次に、国循とは「循環器疾患の予防・制圧に向けた生活習慣のビッグデータの解析と介入方法の開発」を推進する。これは、生活習慣のデータを収集・解析し、医療データとして活用することで循環器病の発症および重症化予防などにつなげるという取り組み。2018年度末までに医学的エビデンスに基づく情報基盤の構築とプログラム開発の完了を目標としており、国循がデータ収集および分析を、富士通が電子健康記録のデータ収集システム・解析システムの開発を担う。長寿研との研究では「認知症の早期発見システムの開発」がテーマとなる。これは2018年度末までに認知症の予兆を発見するシステムの構築を目指すというもの。現在、高齢者の20%が認知症予備軍と推定される中、ビッグデータを活用することで、自治体機能との連携を含めた認知症の早期発見による早期治療や予防システムの構築を図る。最後に、東京医科歯科大学とは「網羅的生体分子情報を統合したデータベースおよび解析技法の確立」を目指す。具体的には、臨床情報・網羅的生体分子情報(オミックス)・生活習慣情報を効果的に収集する手法と臨床現場での個別化医療を可能とする分析手法を開発する。2017年度までに統合臨床オミックス・データベースおよび解析システムを完成させる予定で、将来のゲノム電子カルテとの連携も視野に入れているという。富士通は今後、2015年3月をめどに各機関との研究内容を具体化し、共同研究を開始するとしている。
2014年12月25日飯守泰次郎がオペラ芸術監督に就任する新国立劇場2014/2015シーズンは『パルジファル』で開幕する。『パルジファル』はワーグナーの主要作品のうち新国立劇場が唯一上演していなかった演目で、ワーグナーのスペシャリスト飯守の芸術監督就任にあたり、満を持しての初上演となる。巨匠ハリー・クプファーが新演出し、世界的なワーグナー歌手が集結する、ワーグナー・ファン垂涎の公演の舞台稽古が9月29日に行われた。新国立劇場オペラ『パルジファル』のチケット情報『パルジファル』は聖杯と聖槍を守る騎士団の物語であるが、クプファーは、形骸化した騎士団とキリスト教批判という側面に注目し、登場人物たちは「解放への道」を模索していると解釈した。そこで、舞台中央に置かれたセットが「光の道」である。このジグザグな道が「舞台上の舞台」となるが、床はなんとLEDのスクリーンになっており、各場面での心情や情景が、抽象的かつ色鮮やかな映像で表わされる。LEDを床に敷き詰めたオペラの舞台はおそらく世界的にも稀で、誰もが初めて観る光景に目を奪われる。「光の道」のほかにも特徴的な舞台装置があり、クプファーが「メッサー」と呼ぶ聖槍の象徴ともなる巨大な装置(重さ8トン)が登場。「メッサー」上部もLEDのスクリーンで、人も乗るのだが、その静かな動きは神秘的ですらある。そのほか、新国立劇場の舞台機構を駆使した場面転換もダイナミックである。最新技術を使う一方で、クプファーは作品から仏教的要素を積極的に見出し、幕が開いた瞬間からそれが描かれる。登場人物、騎士団の演技が示す内容はクプファーから観客への問いかけであり、彼の演出の肝となるラストは、客席に解釈の余地を与えてくれる。そんなクプファー演出を体現する歌手たちは皆、素晴らしい。品格ある歌唱でドラマを導くグルネマンツ役のジョン・トムリンソンは歳を重ねた今ならではの円熟の老騎士を演じ、クンドリー役のエヴェリン・ヘルリツィウスは、第2幕、母性的な優しさから魔性の女の狂気へと変わる多面的表現が圧巻。クリスティアン・フランツはパルジファルが「知に至る」さまを鮮やかに歌い、エギルス・シリンスは威厳あるアムフォルタス像を描く。そして、飯守の指揮は、彼自身の『パルジファル』への愛にあふれる響きで、聖杯のごとく崇高な音楽を紡ぎ出す。音楽・演出ともに世界的レベルの『パルジファル』。ワーグナーを観る醍醐味に酔いしれる極上の6時間である。取材・文:榊原律子◆新国立劇場オペラ『パルジファル』10月2日(木) 16:00開演10月5日(日) 14:00開演10月8日(水) 14:00開演10月8日(水) 14:00開演10月14日(火) 16:00開演新国立劇場 オペラパレス
2014年10月02日今年5月に56年の歴史に幕を閉じた東京・国立競技場。その解体にあたり、「SAYONARA国立競技場 FINAL “FOR THE FUTURE” MEMORIAL GOODS」と題して会場の備品の数々を一般向けに販売することが決まった。5月の一次販売に続く第2弾。9月27日(土)午前10時より「チケットぴあ」Webサイトにて販売する。スポーツの聖地、国立競技場が「ラグビーワールドカップ2019」や「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」のメインスタジアムとして利用されることが決定、その解体が行われることとなり、昨年より「SAYONARA 国立競技場プロジェクト」と題した様々な企画が実施されてきた。今回のグッズ販売も同プロジェクトの一環として行われる。今回は1964年の東京オリンピック当時より使用していたスターター台をはじめ、スターティングブロック、バトンや砲丸投げなどの陸上競技器具、表彰台、選手更衣室のベンチや戦略ボードなど国立競技場で実際に使用してきた42アイテムを新たに追加し、計47アイテムを販売する。■SAYONARA国立競技場 FINAL “FOR THE FUTURE” MEMORIAL GOODS販売期間:2014年9月27日(土)~2014年12月31日(水)販売方法:「チケットぴあ」Webサイトにて先着順販売専用URL:
2014年09月26日恋人たちの切ない運命を劇的に描くバレエ『ジゼル』が2月17日、新国立劇場 オペラパレスにて開幕した。新国立劇場バレエ『ジゼル』チケット情報ロマンティック・バレエの代名詞とも言える『ジゼル』が新国立劇場で7年ぶりに再演となった。ジゼルは、民俗色豊かな風景の現実の世界による第1幕と、幽玄な第2幕との対照的な場面で構成され、音楽はアドルフ・アダンで、振付けはジャン・コラリと、ジュール・ペローにより、1841年パリ・オペラ座で初演。初日を飾ったジゼルはこれが初役となる長田佳世、アルベルトには菅野英男が配され、冷酷なウィリの女王ミルタに本島美和、森番ハンスには深い演技力を誇るマイレン・トレウバエフといったベテランが名を連ねる。英国ロイヤル・バレエ出身のゲストバレエマスター、デズモンド・ケリーが入念に作品を仕上げ、劇的なドラマを繰り広げた。ジゼルを恋い慕う森番ハンスは嫉妬のあまり、葡萄の収穫祭で賑わう場で、農夫に身をやつして恋人ジゼルを騙している貴族アルベルトの正体を明かしてしまう。絶望的な悲しみに襲われたジゼルは正気を失い、心臓が衝撃に耐えきれず命は尽きてしまうが、精霊となって仲間のウィリたちの恐ろしい群れから愛する人を守って永遠に消えていく。長田が真実を知った驚きで錯乱していく表情には胸を打たれ、アルベルトを守り通すラストには涙を禁じ得ない。菅野は1幕では無分別な軽さ、2幕ではジゼルを失った悲しみと未練を全身に溢れさせて、役への対比を確立していた。ジゼルがウィリとなり空気を浮遊するような足の運びや、アルベルト、ハンスがミルタに操られ、体力の限界まで繰り出す激しい踊りは、舞台の大きな見どころ。すべての役者が細かい演技で舞台を支え、アルベルトの忠実な従者ウィルフリード(田中俊太朗)は、奔放な主人に困惑の表情を浮かべながらも、襲い掛かった不幸を共有するが如く寄り添っている。何といっても一糸乱れぬ群舞のウィリたちは、このバレエの重要な立役者である。愛と死をモチーフにした美しい舞台が堪能できる作品。バレエを観たことのない方にもお勧めだ。20日(水)と22日(金)には、イングリッシュ・ナショナル・バレエからダリア・クリメントヴァと、ワディム・ムンタギロフをゲストに迎え、米沢唯と厚地康雄のペアが出演。こちらの舞台にも期待が高まる。取材・文:高橋恭子(舞踊ジャーナリスト)
2013年02月19日「仮面ライダーオーズ」の渡部秀&三浦涼介のコンビによる最新映画『PIECE~記憶の欠片~』の完成披露試写会が8月18日(土)に行われ、渡部さんと三浦さん、下山天監督が上映後の舞台挨拶に登壇した。東映が「TOEI HERO NEXT」と銘打って開始した新レーベルの第1弾となる本作。トラウマを抱えた元エリート記者・智紀(渡部さん)と五重人格のカメラマン・零(三浦さん)というコンビの2人が、人々を石化して死に至らしめる謎の事件の真相に挑んでいく。「オーズ」の映司×アンクのコンビが忘れられないファンが客席で掲げる「おかえり」というボードを見やりつつ、渡部さんは「ただいま(笑)。みなさんの前にこうして帰ってこられて光栄です」と笑顔を浮かべた。渡部さんは酒に溺れるやさぐれた記者という、「オーズ」のときとは全く異なるタイプの役となったが「普段、涼くんとお酒飲んだりするときもあまり酔ったりしないし、涼くんは寝ちゃったり泣いたりするけど(笑)」と暴露を交えつつ、これまでとは違った新たな挑戦だったとふり返る。多重人格者を演じきった三浦さんも「5役、大変でした。頑張ったんだよ」と映画が完成してホッとした表情。「台本を読んでるときはニュアンスが違うけど、演じるときは見た目も変わらないまま。いろいろ調べて(多重人格者の)映像を見たりして自分なりにやりました」と明かす。渡部さんは「一緒に撮影してても難しそうだなと思いました」と三浦さんの苦労を慮る。特に多重人格のシーンの中での見どころは、唯一の女性人格である“女医の綾”の逆行催眠のシーン。渡部さんは「あのエロさはヤバいでしょ!18禁だなと思いました」と感想を語る。三浦さんは「緊張した」と言うが、体を密着させていた渡部さんは「涼くんの心拍がハンパなかった!」と証言。三浦さんは「秀くんから感じる熱もあった」と返すと客席を埋める女性ファンは色めきたった。メガホンを握った下山監督も、「男ながらに撮影でゾクゾクした」と2人が醸し出す官能的なムードに称賛を送った。一方、アクションシーンに関しては1年にわたってコンビを組んでいた2人とあって1発OKだったそうで、渡部さんは満面の笑みを浮かべ「さすがオレたち!」と自信満々にアピール。監督も渡部さんも三浦さんも、早くも続編の製作およびシリーズ化に向けて期待を口にしていた。『PIECE~記憶の欠片~』は9月1日(土)より全国にて公開。■関連作品:PIECE~記憶の欠片~ 2012年9月1日より全国にて公開© 「PIECE」製作委員会
2012年08月20日新国立劇場オペラ2011/2012シーズンのラストを飾る「ローエングリン」(新制作)が、6月1日(金)に開幕を迎えた。新国立劇場オペラ「ローエングリン」の公演情報「ローエングリン」は、中世の聖杯騎士伝説などを題材に、リヒャルト・ワーグナーが作曲・台本を手がけた傑作オペラ。舞台は10世紀のアントワープ、権勢欲うずまくブラバンド。弟殺しの罪で訴えられたブラバンド公女エルザの窮地を救うため、白鳥の騎士(ローエングリン)が登場するところから物語は展開していく。新国立劇場の上演は、1997年11月の開場記念公演以来15年ぶりとなる今回。新制作の演出を手がけるのはマティアス・フォン・シュテークマン、美術・衣装はロザリエ。ともに“ワーグナーの聖地”バイロイト音楽祭で長年にわたり活躍してきたふたりは、今回日本で初めてタッグを組む。演出のシュテークマンは、ローエングリンについて「キーワードはふたつ。神話と悲劇です。他のワーグナー作品に見られる救済の結末が(この作品には)なく、それは変化することを受け入れられない登場人物全員が、それぞれ何らかの失敗を犯してしまうことに起因します」と評す。人と人でないものが登場する――神話的要素を含む世界観をいかに表現しきるかに焦点を置いたロザリエの美術は、モダンな手法を用いたものになった。舞台上には、光と色彩が溢れる美しいセットが出現。ローエングリンの精神的な美しさを表現する青と銀をはじめ、登場人物たちの心情を色鮮やかに表す照明効果が、舞台空間を駆け巡り、視覚的にも惹きつけるステージとなった。また豪華キャストにも注目したい。特に白眉なのは、圧倒的な存在感を放ったローエングリン役のクラウス・フロリアン・フォークトだ。“バイロイトの新たな英雄”とも称賛される、しなやかで甘く、官能的で艶のある美声を披露。観客たちは、まるで劇中で白鳥の騎士に恋するエルザのように魅了された。その他、エルザ役にはワーグナー作品に定評のあるリカルダ・メルベート、テルラムント伯爵役にゲルト・グロホフスキー、国王役にギュンター・グロイスベック、欧州の一流歌劇場で活躍する歌手たちが出演。ドイツ・オペラの第一人者である名匠ペーター・シュナイダーの指揮のもと、歌唱面でも充実したステージを作り上げた。新国立劇場オペラ「ローエングリン」は、6月16日(土)まで全6公演を開催。チケットは発売中。
2012年06月01日