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昨年の日本版初演が好評を博した韓国生まれのロマンティック・コメディ・ミュージカル『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します~』がキャスト、タイトルを一新!『Finding Mr.DESTINY』として東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて開幕した。ミュージカル『Finding Mr.DESTINY』チケット情報仕事を失い、恋人には逃げられてしまった青年ムン・ミニョクが一念発起して始めたのは“初恋探し株式会社”。そこにかつて運命的な出会いを求めて旅したインドで出会った初恋の人を忘れられない女性アン・リタがやってくる。こうして勝気なアラサー女子と一生懸命が空回りしがちな青年の初恋探しが始まるも、調査は難航。それもそのはず、手掛かりはその名前“キム・ジョンウク”だけ。しかもこの“キム・ジョンウク”は、韓国ではありふれた名前の代名詞になるほどよくある名前なのだ。“初恋を探す男”と“初恋の人”の2役を演じるのは、本作がミュージカル初主演の高田翔(ジャニーズJr.)。頼りないがどこか憎めないミニョクを表情豊かに演じたかと思うと、ジョンウクではその低音ボイスでそっとささやき、ヒロインだけでなく客席の女性の心をも射抜いた。持ち前の演技力に加え、細やかな心情を乗せた歌声もショーアップされたダンスもしっかりとミュージカル仕様に。そんな高田の姿は韓国では本作主演がミュージカルスターへの登竜門と言われていることを思い出させた。リタ役には玉置成実。つい強がってしまう甘え下手な等身大の女性は玉置にとっての新境地だろう。初恋から7年、社会にもまれ頑なになってしまったリタに共感し、それでも彼女の中にある変わらない純粋さに心打たれた。公演後に耳にした「気がついたらリタのことを大好きになっていた」という女性客の言葉がすべてを物語っている。本作の目玉、この物語に登場するその他のキャラクター、父親、母親、カフェ店員、インド人ガイド、タクシー運転手など全24役を担うマルチマンには坂元健児。坂元ならではの某シーンでは劇場全体が大いに沸き、エンターテイナーぶりを見せつけた。また、マルチマンというひとりの俳優がさまざまに姿を変えながら恋を進展させる演劇としての面白さにも改めて唸った。演出は初演に引き続き菅野こうめい。ラブ・コメディの楽しさに加え、主人公たちの成長や人生に大切なものを印象づけ、より多面的な魅力にあふれる作品に深化させた。生バンドの演奏も心地よい。東京公演は8月13日(日)まで。8月17日(木)・18日(金)は大阪・ABCホールにて上演。チケット発売中。取材・文 功刀千曉
2017年08月09日元KARAで女優の知英(ジヨン)が7日、都内で行われた初ミュージカル主演作『スウィート・チャリティ』(9月23日から10月2日まで東京・天王洲 銀河劇場で公演)の製作発表会を都内で行い、意気込みを語った。演出および振り付け家ボブ・フォッシー氏の代表作であるこの演劇は、1966年にブロードウェイで上演され、1968年にはシャーリー・マクレーン主演で映画化もされたミュージカル。王道のジャズからファンキーな楽曲、切ないバラードまでが詰まった音楽と華やかなショーシーンが魅力となっている。知英が演じるのは、"チャリティ"ことチャリティ・ホープ・ヴァレンタイン。アメリカ・ニューヨークのダンスホールでホステスとして働きながら、愛を夢見る主人公だ。ほかにも、平方元基、坂元健児、黒須洋壬、原田薫らが出演。愛を求めて傷つきながらも負けずに立ち上がるチャリティの姿を描く。最初のあいさつから、「今回初めてミュージカルに挑戦しますが、初めてという事で不安ばかりですが、これからスタッフさんやキャストの先輩方に教えていただきながら頑張りたい」と緊張しながらも意気込む知英。「まだ歌稽古が始まったばかりで、今はセリフを覚えるのに頭がいっぱいですが毎日歌を聴いたりスウィート・チャリティの映画を見てどういう風に自分が演じられるかイメージしています」と初のミュージカルを前に準備を進めているようだ。演出の上島雪夫氏から「その2時間を生きてほしい、生き生きとしてほしい」と期待を寄せられていることについては、「死ぬ気で歌って踊って頑張ります」とアピール。また、「ミュージカルは女優を始めたときからの夢だったので、こんなに早く実現できるとは思わなかったのでうれしかった」と話しながら、ファンには「ミュージカルはいつもと違う自分を見ていただけると思います」と呼びかけた。ブロードウェイ・ミュージカル『スウィート・チャリティ』のチケットは、現在発売中。S席(1・2階席)が9,500円、A席(3階席)が7,500円となる(価格はいずれも税込)。
2016年08月08日る・ひまわりと明治座による新企画のミュージカル『TARO URASHIMA』。おとぎ話「浦島太郎」をモチーフにした、劇作・脚本は池田鉄洋、演出は板垣恭一のオリジナルファンタジーミュージカルで、8月に東京・明治座で上演される。ミュージカル『TARO URASHIMA』チケット情報主演で浦島太郎役・木村了、ダイオウグソクムシ参謀役・辻本祐樹、深海王子役・原田優一に話を聞いた。辻本「“浦島太郎のお話”って聞くと、なんとなく想像つくじゃないですか。でも制作会社がる・ひまわりって聞いて…ひねってくるぞ、と(笑)。脚本を読んでみたらまさしくそうだったんで、ワクワクしました」木村「イケテツ(=池田鉄洋)さんワールド炸裂で、めちゃくちゃだなと思いましたね(笑)。今回、板垣さんとも初めてなので、どんな演出をつけられるのか、(脚本を)どうまとめていくのか、すごく楽しみにしてます」誰もが知る『浦島太郎』の物語をベースに、なぜ太郎は竜宮城に行ったのか、なぜ乙姫は浦島太郎に玉手箱を渡したのかなど、おとぎ話には描かれない部分を掘り下げることで新たな世界観へとつなげる池田鉄洋の脚本。そしてそのユニークな脚本を、板垣がミュージカルとして演出する。原田「板(=板垣)さんも、音楽の伊藤(靖浩)さんも、擦れてることが大好きなグランドミュージカル好き。邪道好きな王道好きっていうか。そこがおもしろいなって思うんですね。イケテツさんの脚本と、板垣さんの演出と、伊藤さんの音楽。枠がしっかりしているので、その中で大いに暴れられる。楽しみでしょうがないです」また、出演キャストも「暴走する人ばかり。どうやってまとめるんだろう」と原田や辻本が話す通り個性豊か。「坂元健児さんは暴走注意報ですよ!(笑)」(原田)など盛り上がる中、木村は「座長としてそりゃ…見守りますよ!」と笑う。特に今回は芝居とショーの二部構成。自由で実力派の面々が作り上げる新たな世界が楽しめそうだ。木村「すごくツイてない浦島太郎くんなんですけども、それがまた現代に通ずる部分もどこかにあって。観に来たお客様もどこか共感する部分があると思います。まず、チラシからしていろいろ裏切ってるんですけれども…こんな話ではないです(笑)。ハッピーエンドで終わるというところが、『浦島太郎』のお話とはちょっと違うところ。楽しく裏切られたい方はぜひぜひお越しください!」『TARO URASHIMA』は、8月11日(木・祝)から15日(月)まで東京・明治座にて上演。取材・文:中川實穗
2016年07月20日おとぎ話「浦島太郎」をモチーフに、俳優の池田鉄洋が脚本を手がけるミュージカル「TARO URASHIMA」の製作発表会見が7月8日(金)、都内で行われ、池田さんをはじめ、主人公の浦島太郎を演じる木村了、乙姫役の上原多香子らが出席した。誰もが知っているおとぎ話ながら、よくよく考えると「なぜ?」な謎が多い「浦島太郎」を新解釈し、ミュージカル舞台化する本公演。木村さんは浦島太郎役のオファーに、当初は「ウソだねと(笑)。しかもミュージカルで?って思いました」と戸惑いもあった様子だが、「太郎の人生を僕なりに捉えて、皆さんにお届けできれば。夏休みですし、ご家族連れや観光にいらした外国人の皆さんにも見てもらえれば」とアピールした。今年3月に女優の奥菜恵と結婚した木村さんは現在、奥菜さんの長女、次女と一緒に暮らしており「子どもに何度も『浦島太郎役だよ』って言うんですが、どうしても一寸法師だと勘違いしているみたいで…」と家庭内のエピソードも明かしていた。一方、上原さんは“引きこもりの乙姫”を演じており、「卑屈さがマックスに達すると、180度キャラクターが変わるので、ちょっと心配ですが、皆さんのイメージとは違う乙姫に会いに来ていただければ」と意気込み。舞台では卑屈な性格を表すような楽曲、その名も「生まれてサーセン」を歌う予定で、会見でも「生きているだけで嫌われて」「だったらせめてひとりきり」「迷惑かけずに暮らしたい」「不幸になるって評判ですよ」など卑屈さ全開の歌詞を熱唱していた。会見には斉藤暁(カメ役)、崎本大海(太郎の友人・ムサシ役)、滝口幸広(甲太子役)、辻本祐樹(ダイオウグソクムシ参謀役)、森田涼花(丙姫役)、竹内寿(クロダ氏/アイ鯛役)、中村太郎(ダテ氏/キスシ鯛役)、月岡弘一(ウエスギ氏/ツメタクシ鯛役)、桝井賢斗(カワイ氏/チョーネク鯛役)、香山佳祐(タケダ氏/ウバイ鯛役)、塩川渉(シタスギ氏/ヘン鯛)、舘形比呂一(タカアシガ二将軍役)、坂元健児(竜王役)、和泉元彌(スーパースター・帝役)、とよた真帆(竜王の正室・鯱姫役)が顔を揃えた。ミュージカル「TARO URASHIMA」は8月11日(木・祝)~15日(月)明治座にて公演。(text:cinemacafe.net)
2016年07月08日9月3日に東京・新国立劇場 オペラパレスで上演されるSuper神話 音楽劇『ドラマティック古事記~神々の愛の物語~』の制作発表会が行われ、真矢ミキ、西島数博、坂元健児、河野鉄平、川越塔子、浅野瑞穂、柴田美保子らが出席した。本作は劇作家でもあった故・市川森一氏による"市川本古事記"を原作に、2013年に日本神話の発祥地とされる宮崎で初上演。バレエ、ダンス、歌、和太鼓、さらにマークエステル氏による神話絵画を駆使して大きな話題を集め、2014年には京都、2015年には宮崎と福岡、そして今年2月には宮崎で公演が行われ、ついに東京での公演が決定した。同舞台では、本作の演出も手掛ける西島数博と妻の真矢ミキが、結婚後初めて共演を果たす。同舞台で芸術監督、演出、振付、そしてイザナキ役を務める西島は「男の神様と女の神様という最初に作られた神様を私たちが演じる訳ですが、古事記の世界観は人間味のあるとても分かりやすく説明されていて、現代の男女の関係性や夫婦間が表現されている部分もあります。神様のお話ではありますが、見に来て下さった方に男としての考え方、女としての考え方、それぞれが伝わりやすい部分があると思うので、そこを面白さとして表現したいと思っています」と解説。イザナミ役で出演する真矢は「今回の参加は夢にも思いませんでした。妻として2013年から宮崎の方に行かせていただき、各ジャンルの第1人者がご出演された舞台を見る側で楽しでおりました。なので今回は恐れ多く、隣の夫がおりますので家のダイニングを感じます」と笑わせた。夫の西島から演出されることに真矢は「私は夫より8歳上で、家でも演出されております。結婚して9年間ぐらいなりますけど、共同作業で色んな物を作ってまいりました。彼と最初に出会ったのは芸術家としての西島数博。なので、演出を楽しみにしていますが、厳しい教えを請うことになると思います。家ではどうなるか分かりませんけどね」と笑みを浮かべていた。
2016年05月19日ミュージシャンのナオト・インティライミと俳優の小関裕太がW主演するミュージカル『DNA-SHARAKU』が東京・新国立劇場 中劇場で上演中だ。原案を作家の冲方丁、演出を小林香、音楽を井上ヨシマサ、映像演出を齋藤精一(ライゾマティクス)が手がけ、またキャストもナオト、小関をはじめ、新妻聖子、坂元健児、田野優花(AKB48)、ミッツ・マングローブ、朝海ひかる、中川晃教、イッセー尾形など各界の才能が集まった。ミュージカル『DNA-SHARAKU』チケット情報本作は、現代とふたつの未来、そして江戸時代という4つの時代を舞台に物語が展開していくSF歴史ミュージカルだ。人間の創造する心を否定する未来の支配者(=人工知能)によって、ナオト演じる柊健二と、小関演じる結城連のふたりが江戸時代に送り込まれ、創造する心の原点とされ謎に包まれる天才浮世絵師・東洲斎写楽を探し求めるというストーリー。開幕前日に行われた囲み取材では、各キャストが本番を迎える思いを語った。本作がミュージカル初出演となるナオトは「武者震いがとまらないですね。ミュージカルは初めてですが、ものすごいエンターテインメント。お芝居があって踊りがあって歌があって、さらに映像も演出もある。これはミュージカル以外ではだせない魅力ですよ」とコメント。劇中で自身が作った曲を披露することについては「そのシーンは自分のライブをやっているかのような気持ちですね」と、のびのび演じている様子。小関は見どころのひとつである映像について交えながら「映像が、和の雰囲気と調和しているのがかっこよくて、すごい好き。映像や照明など周りからくる力がものすごく強くて、稽古場よりもすごいものになっている」と本番への自信をのぞかせた。今回、母子を演じるミッツと新妻は、全然似ていないという記者からの指摘に対し「そっくりですよ(新妻)」、「遺伝しまくりよ(ミッツ)」と息ぴったりに返して会場を笑わせ、花魁役の朝海は「カツラと着物で衣装がそうとう重いので、宝塚で羽を背負って鍛えていてよかったです(笑)。江戸の小粋さ、おしゃれさ、かっこよさを皆様にお伝えできれば」と抱負を語った。ひとり芝居のイメージが強いイッセーは「ついつい舞台の中央に立っちゃう(笑)」という“ひとり癖”を明かしながら「音楽の方たちって純粋でパワーがあって毎日楽しい」と、笑顔で初めてのミュージカル出演に挑む。様々なプロフィールをもった出演者たちが、それぞれの創造する力を持ち寄って出来上がった「DNA-SHARAKU」。東京公演は東京・新国立劇場中劇場にて1月24日(日)まで上演。その後、1月28日(木)から大阪・シアターBRAVA!、2月6日(土)から福岡・キャナルシティ劇場でも公演を行う。チケットは各地公演とも発売中。
2016年01月15日今回が初ミュージカル出演となるナオト・インティライミと、若手注目の俳優・小関裕太がW主演するミュージカル『DNA-SHARAKU』の公開稽古が都内にて行われた。本作は原案を冲方丁、演出を小林香、音楽を井上ヨシマサ、映像演出を齋藤精一(ライゾマティクス)が手がけるなど、キャストのみならずスタッフ陣も多彩。公開稽古では歌あり踊りありの数シーンを報道陣に公開。つづく出演者挨拶には、ナオト、小関のほか、出演する新妻聖子、坂元健児、田野優花、ミッツ・マングローブ、朝海ひかる、中川晃教、イッセー尾形らが出席した。ミュージカル『DNA-SHARAKU』チケット情報本作は、現代とふたつの未来、そして江戸時代という4つの時代を舞台に物語が展開していく歴史SFミュージカルだ。人工知能が支配する2116年の未来では「創造する心」が否定され、政府はそれを根絶やしすべく、タイムトラベルによって過去の優れた芸術家や文化人の「創造する心」を破壊していた。そんな中、人工知能が必死に探していたアーティストが、江戸時代にわずか10か月の活動のみで歴史に消えた謎の天才浮世絵師・東洲斎写楽。その写楽を探すために追っ手に選ばれたのが、現代に生きるストリートミュージシャンの柊健二(ナオト)と、2045年の未来に生きる絵描きの結城連(小関裕太)。ふたりは江戸時代に送られ写楽を探すが、そこで出会ったのは幕府に弾圧されながらも「面白いこと」を追及する江戸の人々だった…。本作が初ミュージカルとなるナオトは、会見にて「歌手が何をのこのこミュージカル界に遊びにきているんだよと思われるかもしれませんが、僕はムッツリお芝居好きと言いますか、実は子どものころからお芝居・ミュージカルにでるのが夢で、いつかいつかと虎視眈々とタイミングを狙ってきました。その夢がようやく叶う。自分の歌手としての活動・プライドは全部置いて、稽古に取り組んでいます」と待望のミュージカル出演であることを明かした。また、豪華かつ多彩なキャスト・スタッフが集結したことについては「緊張もしていますがワクワクも大きい。異種格闘技戦といいますか、ジャンルや背景のちがう方々が集まってひとつの作品を作る楽しさと喜びを日々感じています」と創造の化学反応に刺激を受けている様子。W主演となる小関も「ナオトさんの雰囲気もそうですし稽古場全体が明るくて、常に楽しいワクワクした気持ち。ひとと繋がったり触れ合うことで、自分のあるべき姿をさがしていく、人間らしい生き方というものが伝われば。ものすごく楽しい要素が、いろんな場所にちりばめられているので、とにかく楽しみに劇場に来ていただきたいです」と本番への意気込みを語った。公演は2016年1月10日(日)に東京・新国立劇場中劇場にて開幕。その後、大阪・シアターBRAVA!、福岡・キャナルシティ劇場でも上演する。チケットは各地公演とも発売中。
2015年12月18日フランス発のメガヒットミュージカル『1789 バスティーユの恋人たち』が、来年春に東京・帝国劇場で上演される。ノリのいいフレンチ・ロックで綴る、新世代のミュージカルだ。この作品の製作発表会見が11月30日、都内にて行われ、主人公ロナンをWキャストで演じる小池徹平、加藤和樹らが華やかな舞台衣裳姿で登壇した。ミュージカル『1789 バスティーユの恋人たち』チケット情報物語はフランス革命に向かう時代のパリを舞台に、貴族に父親を殺害されたことを機に革命に投じる農夫ロナンをはじめとする、若き革命家たちの情熱と、彼らの恋物語、そして滅びゆくフランス王朝の姿を綴るもの。フランス発のミュージカルは近年『ロミオ&ジュリエット』『ロックオペラ モーツァルト』等、次々に日本でも上演されいずれも大ヒットしているが、本作もこれら同様、ポップな作風と独特のグルーヴ感があるミュージカルだ。今年4月には先行して宝塚歌劇団が上演しているが、今回はフランス版とも、宝塚版とも異なる新たな『1789』になるということで、演出を手がける小池修一郎は「今回用に新しい曲も(オリジナル版作曲チームに)お願いしている」と明かした。主人公ロナンを演じる小池、加藤は、ともにミュージカルの殿堂・帝国劇場に初主演。「全体的に勢いのある作品。歌ひとつひとつにパワフルさを感じます。すごく素敵な大きなステージに立てるという喜びを噛みしめながら演じたい」(小池)、「楽曲がデジタルっぽかったり、“今”を感じさせるものが多い。ワンシーンがコンサートやフランス映画を見ているように豪華絢爛。ミュージカル界の革命を起こす作品にしたい」(加藤)とそれぞれ意気込みを語った。またロナンと恋に落ちるオランプ役は神田沙也加と夢咲ねね、王妃マリー・アントワネット役は花總まり・凰稀かなめのWキャスト。「おしゃれで洗練されている印象。独特の見せ方、歌い上げ方も美意識を感じます。その中で自分がどういう風に存在しようかと企むのが楽しみになる」(神田)、「宝塚時代にも、マリー・アントワネット役をさせていただきましたが、その時とは作品自体の雰囲気が全然違う。また新たにマリー役を作っていきたい」(花總)と、口々に見どころや意気込みをアピールしていた。ほか、キャストには古川雄大、上原理生、渡辺大輔、ソニン、吉野圭吾、坂元健児、広瀬友祐、岡幸二郎ら、今の日本ミュージカル界を支える人気スターがズラリと顔を並べる。公演は4月9日(土)・10日(日)のプレビュー公演を経て、4月11日(月)から5月15日(日)まで、帝国劇場にて。チケットは1月30日(土)に一般発売を開始。チケットぴあでは12月3日(木)11:00までぴあ半館貸切公演の<いち早プレミアム先行>を受付中。その後大阪公演もあり。
2015年12月01日迫力のアクションで魅せ、“笑って、泣けて、考えさせられて、かっこいい”演劇を作り出している30-DELUXの最新作、『新版 義経千本桜』が7月16日、東京・サンシャイン劇場で開幕した。主演は元宝塚雪組トップスターの水夏希。チケット情報はこちら源平合戦の時代を背景に、勝利大将でありながら兄頼朝に謀反を疑われ都落ちしていく源義経を軸に、壇ノ浦から逃れた平家の大将たちの姿、そして武士たちの戦いに巻き込まれた庶民たちの悲劇…と、歴史の「if」が描かれていく『義経千本桜』。その歌舞伎の三大狂言として知られる本作を、30-DELUX流に大胆にアレンジ。渡海屋銀平、いがみの権太、狐忠信といった人気のキャラクターたちのエピソードもしっかり描き、原作の要素を活かしながらも、オリジナリティもたっぷり加えた、切なく、面白く、そして熱い時代劇が誕生した。なかでも、歌舞伎ではあまり描かれない義経の内面の葛藤や、義経と弁慶を筆頭とした家来たちとの関係性などがしっかりと描かれるところが『新版~』ならでは。さらに義経の背負うバックボーンには斬新な解釈が加えられた。水夏希は、その義経を悲しくも凛々しく魅せる。揺れる心を隠しもせず、それでも力強くまっすぐに立つ姿はカッコ良く、水夏希という女優が持つ魅力が存分に生きた。彼女にとっても代表作になりそうなはまり具合である。一方で、やはり原作が本来持つ群像劇という部分でも、充実のキャストが多彩な表情をみせた。弁慶を演じる馬場良馬が熱い感情を爆発させれば、静御前に扮する新垣里沙が激しくもまっすぐな思いをほとばしらせる。平惟盛に扮する坂元健児はシリアスな演技で物語を締めると同時に、“世話物”的なやわらかい表情も見せ芸達者ぷりで舞台を支える。碇知盛のシーンを歌舞伎さながらに熱演する小笠原健、不良少年・いがみの権太がみせた一世一代の大芝居を悲しくみせた聖也、佐野岳の華やかなアクロバットなども印象的。それぞれがそれぞれに必死に生きたその生き様が、義経を中心とした大きな時代のうねりに巻き込まれていくさまが、悲劇的かつドラマチックに立ち上がる。膨大な情報量のある原作の筋がわかりやすく整理され、古典作品の再発見、という意味でも価値のある作品。もともとファンタジックな時代モノを得意とする30-DELUXの作風ともマッチし、彼らと歌舞伎作品との幸せな融合をみた。さらに能舞台のようなセットや、人形浄瑠璃を取り入れた演出など、歌舞伎のみならず、日本の伝統芸能を果敢に取り入れたところにも意欲を感じる。30-DELUXのこれからの展開にも期待を抱かせる作品だ。初日を終えた水は、「やっぱりお客さまが入ると違いますね。前説から超・盛り上がって、温かい空気を感じました。ここからがスタート、集中して一回一回丁寧に挑みたいと思います」と手ごたえを感じている様子。公演は7月20日(月・祝)まで同所にて。その後愛知、福岡、大阪でも上演される。チケットは発売中。
2015年07月17日2012年の初演以来、毎年夏に催されている『ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL』も今年で3回目。すっかりミュージカル界の“夏フェス”としてファンには恒例のイベントとなっているが、今回は元宝塚トップスターで現在は女優として幅広く活躍中の大和悠河が初参加。ミュージカルの名曲をスターたちが歌い継ぐというこのステージならではの新しい表情を見せている。今井清隆や大澄賢也、岡田浩暉、坂元健児、武田真治らミュージカル界の実力派から、藤岡正明、入野自由、上口耕平ら若手メンバー、さらに海外からマテ・カマラスも参加しての豪華キャスト。大和に意気込みを聞いた。「セクシーキュートな曲から、内面の心情にグッと迫る曲まで歌わせていただいて、お稽古がすごく新鮮でした」と笑顔で語る大和の担当は4曲。ソロで歌う『Show Me How You Burlesque』は、4年前に公開され大ヒットした『Burlesque』からの1曲で、ミュージカル女優の多くが憧れのひとつにあげるナンバーだ。「コンサートで歌うのは劇中で歌うのと違って、一瞬でその世界に入らなければいけないので大変ですね。特にこの曲は英語の歌詞ですし、ダンスもバーレスクらしい激しいもの。難しいですが、映画を見て“女性たちがカッコいい!”と思った感動をそのままお伝えできるよう大切に頑張ります」と大和は話す。さらに『CHICAGO』からは名曲「AND ALL THAT JAZZ」を、こちらも腕と腰を泳ぐようにくねらせてクールに踊る有名な“フォッシー・ダンス”と共に歌う。「劇中ではヴェルマが歌う曲ですが、11月に上演される宝塚OG版『シカゴ』では、私はロキシー役。だからこの機会に歌えることが嬉しいですし、その世界観にひと足先に触れることが出来てよかった」と目を輝かせる。7月にパリへ行ってきた時には、これらの曲に合う衣装を探すべく「ランジェリーショップ巡りをしました」とのドッキリ発言も。「さすがはフランス製というか、衣装に出来るようなしっかりした作りのものが多いから(笑)。このコンサートはミュージカルファンと出演者の“お祭り”という雰囲気があって、他のキャストも衣装はほとんど自前らしいですよ」と注目ポイントも教えてくれた。その他、宝塚在団中に共演経験のある彩輝なお、彩乃かなみらと歌う『レベッカ』のナンバーや、マテ・カマラスとデュエットで歌う『ダンスオブヴァンパイア』から『愛のデュエット』など、多彩な曲を披露している大和。実は本作上演の期間も並行して他劇場のミュージカル『美少女戦士セーラームーン』にタキシード仮面役で出演中だ。7月のパリ行きは同役での「Japan Expo」への参加が目的だったのだが、現地での人気ぶりに驚きつつ、舞台へのモチベーションはさらに高まった様子。「8月生まれのせいか、夏は大好き。暑さに負けない熱いステージをお届けしたい」と充実の表情を見せてくれた。
2014年08月22日殺陣師としての顔を持つ俳優・清水順二を中心とした演劇ユニット・30-DELUXの結成10周年記念企画「デスティニー」が間もなく開幕。10月19日初日の東京・赤坂ACTシアター公演を皮切りに、全国ツアーを行う。「デスティニー」は東日本大震災の爪あとが生々しく残る2011年4~5月に初演され12000人を動員した代表作で、新たな演出家、キャストを迎えての再演となる。架空の国・ライカを舞台にしたこの壮大な活劇で、大将軍タムトックを演じる坂元健児、ライカの王女ユミンを演じる遠野あすかに話を聞いた。30-DELUX『デスティニー』チケット情報坂元は初演でも同役を演じ、遠野は初参加。坂元に初演の思い出を聞くと真っ先に「とにかく殺陣!」との答えが返ってきた。「できると勘違いされて誘っていただいたみたいなんですけど(笑)、それまで僕は本格的な殺陣の経験はなかったんですよ。だから前回は一からで、なかなかしんどかったです。単純に『(剣を)回して』と言われても、やり方がわからなくて。そういう意味では個人的には前回よりは楽ですけど、今回の殺陣もものすごいです!」(坂元)。スポーツバラエティ番組でも活躍する聖也ら身体能力の高い若手が新たに加わり、特色である本格派の殺陣はよりパワーアップ!「よけなかったら当たるっていうリアルな殺陣なので、やりながら僕らもほんとにちょっと怖かったりするぐらい」(坂元)。男たちが戦い続ける一方で、遠野は「皆さんに申し訳ないぐらいアクションがないんです。敵に追われているので、逃げる専門(笑)」。「エネルギーの強い男性たちの中にポツンと姫がいるという図なのですが、居方がわりと難しいんですよね。悲惨な状況なので暗くなってしまいがちだけど、ユミンの存在が薄くなってもいけないし……」と心配げな遠野に、「気にしなくても大丈夫!」とナイト(騎士)的立場の坂元が、王女然とした彼女の雰囲気に太鼓判を押す。「賑やかなアクション場面が多い中、私と主人公テムジン(佐藤アツヒロ)との場面はじっくり観せる芝居パートという感じなので、ぐっと煮詰めていきたいですね。一国の姫の立場とはまた別の、恋する女性としての切なさや苦悩を上手く出していけたら」(遠野)。「今回の台本では、キャラクターそれぞれの人生がはっきりしてきた印象があります。だから殺陣はもちろんですけど、より深くなった人間ドラマを見てもらいたいですね」(坂元)。「メッセージ性が強いのですが、そういうものが説教臭くなくカッコよく心の中に入ってくる素敵な作品。バッサバッサの殺陣と同様の爽快感を(笑)ドラマにも感じていただけるはず」(遠野)初演にはなかった歌もプラス。より強度と深度を増した熱いエンターテインメントに期待が高まる。取材・文:武田吏都
2013年10月17日中国の南宋時代末期の動乱をモチーフにした、水夏希主演の新作ミュージカル『客家 ~千古光芒の民~』が11月9日(金)、東京・天王洲 銀河劇場にて開幕する。前日の8日に行われたリハーサルを取材した。ビジネスのために台湾を訪れたアメリカ人実業家のデイビット(坂元健児)が、現地で出会った女性から“客家(はっか)”にまつわる史話を聞かされるところから物語は始まる。客家とは、古代中国の王族の末裔であると言われ、現在も中国南部や台湾などに多く住んでいる漢民族の一派。戦乱から逃れるために移動、定住を繰り返していった民族であり、移住先で原住民からみると“よそ者”にあたるため、その呼び名が生まれた。劇中で語られる史話は、北からモンゴル帝国が押し寄せる南宋時代末期。客家である文天祥(吉野圭吾)は、亡国の一途をたどる宋国を立て直そうと仕官し、その優秀さにより皇帝から重用される。天祥は、国を守るためにモンゴル軍と戦うことを考える。水が演じるのは、天祥の妹である空(くう)。上京した兄を一途に心配する一面を見せつつも、「奮起せよ、暇なときなどどこにもない、幼いときも壮年も、老年なりとも努力せよ」という客家の教えをその身で体現するように勇ましく、村のリーダーシップをとる強い女性だ。空は、先祖の代から故郷を捨ててまでも戦いを避けつづけてきた客家として、兄が戦いの道を選ぼうとしていることを憂慮していた。そんな折、都で捕虜として囚われていたモンゴル兵が村に迷い込んでくる。敵でありながらも傷ついた兵を介抱する空。捕虜に逃げ帰られては、我が身の都合が悪い宰相は、捕虜捜索の兵を出す。戦争によって国家が滅亡を迎えるという、歴史が移り変わる壮大なドラマの中で、客家の人々が先祖の教えを守りながらも、それぞれに自らの運命を決めていく姿が印象的だ。その象徴とも言える客家の女性を、水が凛々しく好演している。本作は、歌やダンス、小さな所作ひとつをとってもすべてが中国風。水の踊りも、しなやかでゆったりした動きの中に、小首をかしげたりと愛らしい仕草が入るなど、独特で面白い。随所に入る剣舞や布を使ったダンス、カンフーのようなアクション、目まぐるしい立ち回りも見どころ。「心と心の通う道にこそ、命をかけて守るべき無限の価値がある」という客家の生き様に、ふと自分にとって本当に守るべきものとは何なのかと改めて考えさせられる舞台だ。TSミュージカルファンデーション オリジナルミュージカル『客家 ~千古光芒の民~』は、天王洲 銀河劇場にて11月9日(金)から18日(日)まで上演。兵庫公演あり。取材・文:大林計隆
2012年11月08日ミュージカル『ルドルフザ・ラスト・キス』が7月5日、東京・帝国劇場で開幕した。本作は、『ジキル&ハイド』や『スカーレット・ピンパーネル』で知られる作曲家フランク・ワイルドホーンが音楽を手がけたミュージカルだ。日本では2008年に宮本亜門演出・井上芳雄主演で初演。今回はタイトルロールを井上が続投し、英国人演出家デヴィッド・ルヴォーが、2009年にウィーンで自身が演出したバージョンをもとに新たな舞台を生み出した。『ルドルフザ・ラスト・キス』チケット情報物語の舞台は19世紀末のオーストリア。自由と平等を希求する皇太子ルドルフは、父である皇帝フランツ・ヨーゼフ(村井国夫)との思想的対立を深め、妻ステファニー(吉沢梨絵)との家庭生活も冷えきっている。一方、男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ(和音美桜)は縁談に見向きもせず、新聞に体制批判の記事を書く謎の記者ユリウス・フェリックスを崇拝している。そんなルドルフとマリーは舞踏会で、ラリッシュ(一路真輝)の仲介により知り合う。やがて記者ユリウスの正体がルドルフだとわかり、ふたりは深く愛し合うようになるが、その仲は皇帝やステファニー、首相ターフェ(坂元健児)らの知るところとなる。7月4日に行われた通し稽古では、帝国の威信を守ろうとする皇帝、結婚制度を支えとするステファニー、女の武器を謳い上げるラリッシュ、保守派の政治を貫くターフェなど、立場の違う役柄が生き生きと魅力的に演じられ、それぞれに共感をおぼえた。しかし、ルドルフとマリーはこうした人々が信じる現実世界のルールと秩序に、敢然と闘いを挑む。ふたりはただの恋人同士ではなく、既成概念や価値観から自由になろうとする、同志のような間柄なのだ。闘いの果てに、ルドルフとマリーが死出の旅路へ向かう『世界を手にして』の場面は、文楽や歌舞伎の『曾根崎心中』を想起させる美しさで、その後の哀しくロマンティックなエンディングを際立たせた。初日直前の囲み会見では「ルヴォーさんの高い要求に応えて、みんなで高みを目指したい。究極の愛を確かめてほしい」と井上がひきしまった表情を見せれば、「スタッフさんと私たちの力にお客様の力が加わって、化学反応が起こせたら」と和音もうなずく。一路は「大人っぽい素敵なミュージカル。この場に身を置けることが嬉しいです」とにこやかに話し、村井は「タイトでスリリングな舞台。(みんなが)ひとつになった時、ものすごい力を発揮するはず」とかつてないほどハードな舞台への意欲を表した。実際、幾多の動き・転換を重ね、多層的な空間のうねりを作るルヴォー・マジックは、見事なスタッフ&キャストワークなくしては実現しない。ワイルドホーンのメロディーが甘く流麗だからこそ、キャストは生の声と肉体で、役をリアルに“生き”なければならない。この点、空間に突き刺さる井上の絶唱、獣が対峙するような和音と坂元の迫真のデュエットなど印象深い場面は多かった。赤が鮮烈に映える美術と共に、情熱、生と死、愛と官能のドラマが鼓動し躍動していた。公演は7月29日(日)まで。取材・文:高橋彩子
2012年07月06日