現在放送中のTVアニメ『呪術廻戦』のEDテーマ「more than words」のヒットや、来年4月には横浜アリーナでの公演も決まっている羊文学。その、全楽曲の作詞・作曲を手掛ける塩塚モエカさん。柔らかな印象の彼女の中から生み出されるメロディと言葉は、その佇まいに反して激しく力強い。「少し変われた気がした」と語る12月6日にリリースされたアルバム『12 hugs(like butterflies)』の中に放たれた言葉から窺える、彼女の気持ちの変化に迫ってみた。――羊文学の楽曲は塩塚さんが生み出す言葉の世界がとても印象的です。どのようにして言葉たちを紡いでいるのでしょうか。塩塚モエカさん(以下、塩塚):最初はスマホのメモアプリに書いてるんですけど、それで書き上がっちゃったらそのままいくし、そこでできなかったらレポート用紙に鉛筆とかシャープペンで、書いて消してを繰り返しながら仕上げていきますね。歩きながらスマホで打ち込んだりもするし、ギター持ちながらスマホに打ち込んでいくこともあるし。でも、そこで完結できないものって、途中でだんだん何を書きたいのかわからなくなってきちゃうので、最終的に紙に書くようにしてるんです。――では、今回のアルバムはどのように作り上げたのでしょうか。塩塚:アルバムの9曲目「深呼吸」の歌詞は、紙に何回も何回も書き直して仕上げていったんです。でも、3曲目の「Addiction」は、ザックリとラフにまとめたかったので、あえてスマホで書いたんです。今回のアルバムはまちまちだったんです。パソコンでひと通り作ってからスタジオで詰めたりもしたし、弾き語りのデモを持っていってスタジオで合わせた曲もあったし。1曲目の「Hug.m4a」は弾き語りでスタジオで録ったんですけど、メンバーにも聴かせないでレコーディングしたので、メンバーは録り終えてから知ったんです(笑)。マイクとかも交ぜて録音したんですけど、ほぼスマホで録ったままを活かしているので、スマホの拡張子の“m4a”をタイトルにしたんです。――「Hug.m4a」は今回のアルバムのSE的な位置にある曲だと思いますが、タイトルの意味も含め教えていただけますか。塩塚:だいたいの曲を録り終わって全体像が見えてきて、並べて聴いたときに、今までのアルバムと少し違う感じがして、何が違うのか分析してみたんです。今までは嫌なことや悩んでいることを「聞いてよ!」って吐き出すような、外に吐き出すパワーが強かったんですけど、今回は、思ったことを自分の中で温めて、考えて、ちょっと認めてあげていこうっていう、内側に向かっていく強い力を覚えたんです。それが、自分をハグしているみたいだなって感じたんです。自分をハグするって意味に繋がる言葉を探していたら、両手を胸の前でクロスして手のひらを左右の肩に置くことを、バタフライハグって言うらしくて、自分をハグして安心させる効果がある心理療法だと知ったんです。私は普段から、無意識に自分の腕とか肘とかを抱きしめる癖があるので、自分が普段からやっていたことと繋がったことに驚いたんですが、まさにこのアルバムの中に詰め込んだ想いにぴったりだなと思って、アルバムタイトルにしたんです。――不思議なリンクでしたね。塩塚:そうなんです。自分でもどうして私はいつもこのポーズをしちゃうんだろ?って思ってたんですけど、無意識に自分を安心させるためだったんだなって気づいて、ちょっと腑に落ちたんです。私も野良犬からちゃんと人間になっていかなくちゃ。――全曲の歌詞において、弱さの中にも、内側に向いた強さを感じたんですが、前作から今作に至るまでの中で、心情の変化や楽曲制作面での変化はありましたか?塩塚:23歳で大学を出て、4年くらいミュージシャンとしてやってみて、わかってきたことも増えてきたし、学生時代にライブハウスでライブをしてた頃とは変化してきた感覚はあって。対バン相手に対して絶対に負けない!って闘志を燃やしていた野良育ちからスタートしたので、いろんな人たちと関わってお仕事として音楽をやっていくという現実は180度違うものだったんです。音楽を作って人前でライブをすること自体は同じなんだけど、まわりがどんどん変化していく中で、私も野良犬からちゃんと人間になっていかなくちゃいけないんだって思うようになったんです。昨年リリースしたアルバム『our hope』がちょっとポップな仕上がりだったので、今回は音楽的にももうちょっといろんなことにトライしたいという方向性で作り始めて。完成したのを振り返ってみると、これまでとはまた違う作品になりました。――なるほど。塩塚:さかのぼると、私が10代のときに人生で初めて作った曲は学校に行きたくないって曲だったんです(笑)。それを「魔法」っていうタイトルで書いて、アイツがムカつくんだよ!っていう曲には「春」ってタイトルを付けたんです。19歳頃に書いた曲たちは、ムカつくとか自分は何が正しいと思うってことばかりを書いてたんですよね。でも、「春」を最初にEPでリリースしたとき(2017年リリース『トンネルを抜けたら』)、それだと自分が幸せになれないから、前向きな気持ちを元に曲作りをしてみようっていろいろ挑戦してみたんですけど、そんなに前向きな気持ちが人生の中でなかったこともあり、等身大の自分で向き合ってきたんです。でも、学校を卒業したり一人暮らしをしたりといった環境の変化の中で、自分の内面に向き合うようになって、そこから少し変われた気がしたんです。――セルフラブ的な変化は、今回のアルバムのテーマでもあるバタフライハグに繋がる部分ですね。塩塚:今もムカつくっていう気持ちで曲を書いたりもするんですけど、書き方は確実に変化を感じますね。今までは自分の中身を見ることを全くしてこなかったけど、アーユルヴェーダに興味を持って、たまたま服部みれいさんの本を読んだんです。そしたら、そこに自分を大事にしていくための知識がたくさん書かれていたんです。“白湯(さゆ)を飲め”とか“足を温めろ”っていうシンプルなことが書いてあるんですけど、日々の行動から自分を大切にしていけることを知ったんです。自分の気持ちを一つ変えることで、周りはどういうふうに変化するんだろう?って観察するのが、すごく楽しくなって。――まさに白湯のようなイメージですよね、羊文学の曲と歌詞って。塩塚:ありがとうございます!(自分専用のタンブラーを見せて)これ。今も白湯を飲んでます(笑)。――今作はやっと自分の心としっかり対峙できた感じなんですね。塩塚:はい。今まで自分がやってきたこととか、自分の思っている世界が、ちょっとどこかズレている感じがあったんですけど、今回のアルバムは自分と一致してると感じるんです。私、自分のこと、何もない人間だって思っているんですよ。趣味も特にないし。このフォントは嫌だ!とか、仕事上の小さなこだわりはあるんですけど、私生活の中でのこだわりは特になくて。テレビもついてたら見るし、音楽もかかっていたら聴くし、みたいな感じなんです。だけど、お腹の奥の方に、ブレないキラキラみたいなものを自分は持ってると思っていて。このアルバムも深いところでじんわり広がって安心できる感じに出来上がったなって思ったんです。言葉もいろんな気持ちもたくさん詰まっているんだけど、今までみたいに人に押し付けようというテンションではなく、表面的な強さが大きく広がっていく感じではないけど、聴いてるとお腹の中が温まるような感じで。でも、一曲一曲は重すぎずわりと短くてサラッとしていて、すごくいいバランスになったなって。演奏してる自分と歌う自分が、初めてちゃんと一致したんです。放送中のTVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」のEDテーマ「more than words」等が収録されたニューアルバム『12hugs(like butterflies)』が発売中。12月14日に東京で、25日に大阪で、クリスマスライブ「まほうがつかえる2023」を開催。2024年4月21日には、「羊文学 LIVE 2024“III”」を横浜アリーナにて開催が決定している。しおつか・もえか東京都出身。オルタナティブロックバンド羊文学のギター&ボーカル。全楽曲の作詞・作曲を担当。2011年に羊文学として活動を始め、’17年に現在の体制となる。ソロとしては、モデルや文章執筆、俳優として映画やドラマに出演するなど多方面で活躍している。整体にハマり中。※『anan』2023年12月20日号より。写真・表 萌々花スタイリスト・Remi Kawasakiヘア&メイク・kikaインタビュー、文・武市尚子(by anan編集部)
2023年12月18日9月3日に放送された、人気バラエティ番組『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)。番組内ドラマに、人気バンド「羊文学」の塩塚モエカが異論を唱えて波紋を呼んでいる。『あざとくて何が悪いの?』の人気コーナーの一つが、番組中に放送される「あざと連ドラ」と称したドラマ。現在「あざと連ドラ」は、流行りに敏感だという30歳の女性・洋子を主人公にした第8弾が放映中だ。そして3日放送回では洋子が、浮気をされて破局した元カレ・慎二から外食に誘われるという場面が。食事が進むにつれ、慎二に懐かしさを覚えていく洋子。しかし「この後どうする?」「帰る?」と慎二から聞かれた際、「帰る?」と逆質問。さらに「彼女も待っているでしょ?」と尋ねたところ、慎二は「いないよ?彼女」と返答。そこで慎二が「また連絡していい?」と言うと、洋子は「うん」と頷いた。そんななか別の日、洋子は慎二の家の近くにあるヘアーサロンに行き、その帰り、慎二との思い出に耽っていた。そこで外食の用事ができ、タクシーを捕まえようとしたが、慎二が女性といるところを目撃することに。「アホくさ」と呟いた洋子は「私と同じような量産型女子だった」と言い、そしてこう続けた。「羊文学好きの女だったら、ここまでショックは受けていなかっただろうか?」すると画面では、交際中に慎二が浮気していた女性の顔が映し出されていた。羊文学は’22年、「あざと連ドラ」第5弾の主題歌に楽曲が起用されたこともある番組と縁のあるバンドだ。しかし、今回のドラマの名前の使われ方は、好意的に使われているとは言いにくい。そこで羊文学のボーカルとギターを務める塩塚は9月5日までにInstagramのストーリーを更新し、「あざと連ドラ」での羊文学に言及したシーンのスクショをアップ。そして《これは…どういう意味です?》と投稿し、こう続けた。《ここにいる「羊文学の女」は「毎週たのしみにあざとくて何が悪いの?見てる女」ですよ》《頑張って音楽をしているうちに、サブカルビッチ女代表になっていたのかもしれない 今後は世のため人のためにがんばる》するとネットでは塩塚に賛同し、「あざと連ドラ」の羊文学を貶めるような演出に異論が噴出。Twitter(現X)では番組に対して厳しい声が、こう上がっている。《多くの人が目にするテレビ番組で“羊文学好きの女“と軽率にバンド名を使って、消費するのはファンにとって、音楽家にとって、あまりに失礼な行為ではないだろうか》《量産型女子の対義語が羊文学好きの女…?勝手に名前使って失礼な表現するね》《主題歌になってたとはいえ番組内で羊文学をレッテル貼りの道具に使用したのなら結構頭にくる》《あざとくて何が悪いの、あざといのはいいけど羊文学の使い方が単純に失礼では?》
2023年09月06日音楽活動25周年を迎えた奇妙礼太郎さんがスタジオ・アルバム『奇妙礼太郎』を6月21日にリリースする。今作は、菅田将暉さんや羊文学の塩塚モエカさんなどゆかりのあるゲストとの豪華コラボが実現。「菅田さんは、4年ほど前、TV番組の企画で声をかけてくれて初めてお会いしました。その後ラジオに呼んでいただいたり、ライブに遊びに来てくれて。声もすごくて。大きく真っすぐで、それが躊躇なく爆発する。とにかく痛快。人間最高!ってなります。塩塚さんは、昨年弾き語りのイベントで一緒に『悲しくてやりきれない』を歌ったんですけど、もう素晴らしくて言葉を失うというか、感動で動けなくなります」ヒコロヒーさんは、YouTubeでコント「葬式」を見たのがきっかけでファンになり、単独ライブへ足を運んだり、イベントでの共演と交流を深めていった。「ラジオやテレビで聞く声が、大好きで。声って人となりがそのまま出る気がしてて。スタジオでもヒコロヒーさんが歌うと詩の世界にすごく厚みが出て、感動でした」他にも注目すべきは、今回初めて奇妙さんが全曲作詞・作曲をしたこと。奇妙さんの曲はどれもが自然体で、生活感が滲み出ていて、優しさと温かみを感じる。「鶯谷でライブの日、バンドメンバーの車のバッテリーが上がってJAFに連絡、修理したんですが、その夜のライブのMCの流れで即興で生まれたのが『Vintage』だったり、『いつのまにか猫』は家でごろごろしてて気づいたら、うちの猫が腋の間に挟まって眠ってて。なので作曲という作業がある感じよりは、もうそこにある、それを見つけて取り上げる、というか。そういう感じが近いかもしれない」編曲とプロデュースを務めたのは、盟友・Sundayカミデさん。「とにかく信頼できる人。彼といる時、僕はずっと笑っているし。ふたりでPodcastをしているんですが、自分でも何回も聴くくらい面白いのでおすすめです」音楽活動スタートから25周年の今、どういう心持ちなのだろうか。「今回、あらためて自分と向き合えた最初の一枚。これからやりたいことがあり、頼りになる自分のチームがある。皆でそこへ向かっていけることがほんとに嬉しくて。どんどん素晴らしいもの見せていきます」「散る 散る 満ちる feat. 菅田将暉」「春の修羅 feat. 塩塚モエカ(羊文学)」など全10曲を収録。音楽活動25周年記念アルバム『奇妙礼太郎』【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,950【通常盤(CD)】¥3,300(ビクターエンタテインメント)きみょう・れいたろう大阪府出身。歌手として活躍。スズキ「ラパン ショコラ」等のCM歌唱で話題になる。今年、音楽活動25周年を迎え、9月17日に自身初の日比谷野音単独公演「I LOVE YOU」開催。※『anan』2023年6月21日号より。写真・小林真梨子取材、文・真貝 聡(by anan編集部)
2023年06月20日羊文学の新曲「生活」が、2022年12月26日(月)に配信リリース。羊文学が新曲「生活」をリリース羊文学は、ボーカル・ギターの塩塚モエカ、ベースの河西ゆりか、ドラムのフクダヒロアからなるオルナティブロックバンド。2022年は、最新アルバム『our hope』のリリースや全国ライブツアー「OOPARTS」の開催などで注目を集めた。そんな羊文学が、新曲「生活」を配信リリースする。インディーズ時代からの楽曲新曲「生活」は、ボーカル・.塩塚モエカが20歳頃に制作した楽曲。インディーズ時代よりワンマンなどではたびたび披露されてきたが、これまでリリースされてこなかった羊文学の知る人ぞ知る“秘蔵曲”だ。2022年12月に開催されたクリスマスライブ「まほうがつかえる2022」で久々に披露され、満を持してのリリースとなる。【詳細】羊文学 新曲 「生活」配信日:2022年12月26日(月)
2022年12月29日これまでに何度か共演し、美しいハーモニーを奏でてきた、蓮沼執太さんと塩塚モエカさん。制作へのこだわりや、お互いの音について感じることを語ってもらった。癒しの音を奏でるミュージシャンが考えていること。――ミュージシャンという職業柄、常に音楽がそばにある生活を送っているお二人ですが、オフの時に聴く曲はどのように選んでいるのでしょうか。塩塚モエカ:私は気分に合わせています。わりと幅広いジャンルが好きなので、テンションを上げたい時はノリノリのポップスを聴くし、眠る前には瞑想用の音楽でリラックスすることも。蓮沼執太:僕は散歩中に音楽を聴くのが好きなのですが、自然と歩くテンポに合わせてBPM(1分間の拍数)100~110くらいのテクノを再生することが多いです。120だと速すぎて足が追いつかないから(笑)。塩塚:120だと急ぎ足になっちゃいますね(笑)。蓮沼:部屋ではレコードを聴くので、ジャケットを選んで盤を取り出して針を落として…っていう動作がある分、スマホやPCで再生するよりその時の感情がより強く反映されているように感じます。――なるほど。心を癒すために音楽を聴くことも?蓮沼:僕は仕事で疲れると逆に音楽から離れたくなってしまうこともあって…。街中で鳴っている日常の音や、友達との会話で心が休まるタイプなんです。塩塚:私が思う癒しの音は、アタックが弱くて、リリース(音の消え際)がモワ~ッて長いもの。蓮沼:音を波形にすると、徐々に波が大きくなっていく曲ですね。塩塚:そういう音楽を聴いていると気持ちがスッと落ち着いて集中できるんです。最近お気に入りの一枚は、オーストラリアのオーレン・アンバーチというミュージシャンの『Grapes from the Estate』。あまりにも心地よくてつい寝ちゃいます。蓮沼:木々が生い茂ったジャケット写真にも癒されるよね。――蓮沼執太フィルに塩塚さんを迎えた「HOLIDAY」は、声のハーモニーがとても美しいと感じました。これはどのように制作していったのでしょうか?蓮沼:もともと僕が羊文学のファンでもあったので、塩塚さんのボーカルが伸び伸びと活きる曲にしたいと思って作りました。その時に初めてご一緒したから、初めましてならではの新鮮さも出せたらいいなと。塩塚:羊文学で歌う時よりリズム感が複雑で難しく、実はレコーディング中も何度か頭が混乱してしまって…。フィルのグルーヴを掴んで、みんなの音の一部になれるようにと心がけて歌いました。――やはり、他のアーティストの楽曲に客演で参加する時は気持ちや歌い方も変わるのでしょうか?塩塚:まったく違うと言ってしまってもいいかもしれません。自分のバンドの場合はそこで鳴っている音や声の響き方を熟知しているけれど、他はそういうわけにいかないので。自分以外の人が作詞したものだと、感情の入れ方も変わりますね。――曲づくりに関して、お互いに凄いと感じるのはどんな部分でしょう?塩塚:えー、もう全部ですよ!どうやったらこんな曲を作れるんだろう?っていつも不思議に思っています。蓮沼:僕もそう思いますよ。塩塚さんは自分で歌詞を考えて、それが自分の口から音楽となって出てくるわけじゃないですか。そういう最小限の範囲で曲を作るのは、まさに人間だからこそできることだし、僕にはなかなかできないなと感じます。すごくピュアで素晴らしいなって。塩塚:ピュアだなんて(笑)。初めて言われました。蓮沼:僕の場合は、メロディが先にあってそこに言葉を乗せていく方法だから、音と言葉がけっこう分かれて存在しているんです。音楽の構造についても考えすぎてしまうし。塩塚:私も構造的な曲づくりへの憧れはあるんです!でも、そこまで手に負えないから、自分の中で最小限でやるしかなくて。だからこそ、フィルに参加した時はすごく新鮮で楽しかったです。あと、蓮沼さんに羊文学の曲をアレンジしてもらった時も、自分たちの曲がこんなふうになるんだっていう発見がありました。蓮沼:あれは元の曲のポテンシャルが素晴らしかったから。塩塚:しかも爆速で仕上げてくださって(笑)。本当にありがとうございました。――お二人の音楽には共通して、聴いた人の心にポッと灯りをともすような魅力があると感じるのですが、制作のプロセスは正反対なのですね!曲づくりにおいて、最も意識しているところは何でしょうか?蓮沼:使い慣れていることをあえてせず、毎回変えていくことです。例えばコードの進行など、こうしたら万人が聴きやすいっていう方法もわかるのですが、そっちの道を選ばないように心がけています。塩塚:わー、ストイック!蓮沼:そうすることで、毎回違う思考とプロセスで曲づくりができるんです。フィルの時は、基本的に僕が書いた楽譜をみんなに渡しているのですが、ライブを重ねていく中で曲が変化していくことも。メンバーの意見を取り入れるというのも意識しています。塩塚:実は私、最近までコードをよくわかってなくて…。それが何コードなのかもわからずに、“この響き、なんかいい感じ!”って曲を作っていました。蓮沼:まさにピュア(笑)。塩塚:最近は少し勉強したので、これの次にこれが来るといい、というのがわかってきたんです。でも、そういう方法に頼り切りになってしまうのは自分らしくないと思ったので、わかってないふりをして作っていますね。蓮沼:その方がいいと思います。塩塚:あと、できるだけ少ない音で曲を作るのが好きだということに最近気づきました。すべてを重ねて埋めようとするのではなく、隙間があるのがいいなって。蓮沼:それは僕もわかります。余白が残されていた方が、聴いている人もグッと曲に入り込めるんじゃないかな。まったく隙間のない曲より、音楽の世界に浸りやすい気がします。塩塚:たしかに!私が長い音を聴いて心が落ち着くのも、そういうことなのかもしれませんね。無意識のうちに、癒しにつながる音楽を作っていたのかな(笑)。はすぬま・しゅうた音楽家、作曲家。蓮沼執太フィルを主宰するほか、映画やCM楽曲、音楽プロデュースなども手がける。12月23日に恵比寿ザ・ガーデンホールにて蓮沼執太フィルのライブが開催予定。しおつか・もえか2012年に羊文学を結成し、’20年にメジャーデビュー。国内のフェスにも多数出演。初の全国ツアー最終公演を映像化したBlu‐ray&DVDと最新アルバム『our hope』のアナログ盤が11月に発売予定。※『anan』2022年9月14日号より。写真・嶌原裕矢ヘア&メイク・kika取材、文・大場桃果(by anan編集部)
2022年09月08日アーティストのTENDREと塩塚モエカ(羊文学)がモデルを務める、Zoffの秋冬新作「Zoff CLASSIC AUTUMN COLLECTION」が6日より発売される。今回モデルとして登場するTENDREは、ベースに加え、ギターや鍵盤、サックスなども演奏するマルチプレイヤーの河原太朗によるソロプロジェクト。4月7日に満を持してメジャーデビューを果たした。10月からはメジャーデビューアルバムを携え全国ツアーも決定している。また塩塚は、昨年8月19日にF.C.L.S.よりメジャーデビューしたオルタナティブロックバンド・羊文学のボーカル&ギターで、ファッションアイコンとしても注目される存在。アイコニックなキャラクターからファッション・ カルチャーシーン等、音楽以外の多方面でも活躍している。羊文学としては、25日にNEW EP『you love』 をリリース予定だ。そして今回、2人は「PLAY THE CLASSSIC」がテーマのZoff秋冬新作のモデルに就任。両アーティストの共演は初めてながらも息の合ったルックが完成した。ファッショナブルなアイウェアコーデの4変化に挑戦しており、妖精のように飛び回る愛らしい“ミニテンダー”、“ミニモエカ”も登場する。
2021年08月03日3人組ロックバンド、羊文学がオンラインツアー「優しさについて」の開催を発表した。このツアーは、8月2日(日)を皮切りに、都内3カ所のライブハウス「調布Cross」、「下北沢LIVE HAUS」、「下北沢BASEMENTBAR」よりオンラインライブ配信を行うもので、各会場ごとに異なるセットリストが組まれている。またそれぞれ異なるクルーによる配信も行われる。この度の発表に合わせ、メンバーの塩塚モエカ直筆コメントも公開されている。チケットの販売はすでにスタートしており、購入や詳細の確認は、Qumomeeから可能。URL: また、同時に公式ホームページもリニューアルオープン。ページのデザインは、グラフィックデザイン界の活性化を図るため創設されたJAGDA新人賞を受賞するなど注目を集め、メンバーとも交流のある田中せり氏によるもので、新たな羊文学のシンボルも印象的だ。また、「道しるべ」をテーマとしたこのページでは、これまでの羊文学の写真も見ることができる。羊文学オフィシャルウェブサイト: ■羊文学 online tour “優しさについて”公演概要8月2日(日)START 20:00Playing:1stEP「トンネルを抜けたら」& 2ndEP「オレンジチョコレートハウスまでの道のり」会場:調布Cross8月9日(日)START 20:00Playing:1stALBUM「若者たちへ」会場:下北沢LIVE HAUS8月16日(日)START 20:00Playing:3rdEP「きらめき」& 4thEP「ざわめき」会場:下北沢BASEMENTBARTicket(各公演) :¥1,500(Tax Incl.)全公演コンプリートTicket:¥4,000(Tax Incl.)Ticket valid for a day : 1,500 JPYTicket valid for 3 days : 4,000 JPYチケット購入・詳細情報:
2020年07月03日TOKYO HEALTH CLUB(トーキョーヘルスクラブ)の4thアルバム『4』が、2020年4月15日(水)にリリース。TOKYO HEALTH CLUB、4年振り4枚目のアルバム『4』TOKYO HEALTH CLUBは、TSUBAME、SIKK-O、JYAJIE、DULLBOYの多摩美術大学の同級生4人で2010年に結成されたヒップホップグループ。音源制作をはじめ、数々のフェスへのライブ出演、アーティストへの楽曲提供、各メンバーのソロ活動など幅広く活躍している。2020年で結成10周年を迎えるTOKYO HEALTH CLUBが、今回4年振りにリリースするアルバム『4』。メンバー4人の“原点”と“現在”をベースに、様々なテーマを肉付けした作品となっており、全11曲を収録する。客演陣には、2019年のシングル「SUNNY」にも参加した、バンド・羊文学の塩塚モエカや、以前からグループと親交のあるGAMEBOYZのCHAPAHがラインナップ。アートワークは、詩人・最果タヒのブックデザインなど様々なグラフィックを手がける佐々木俊(AYOND)が担当している。なお、正式なリリースに先駆け、音楽配信サービス「バンドキャンプ(bandcamp)」で本アルバムが先行配信。一早く注目の新曲たちをチェックしてみて。【詳細】TOKYO HEALTH CLUB 4thアルバム『4』リリース日:2020年4月15日(水)価格:LP型紙ジャケット仕様CD 2,000円+税※「バンドキャンプ」では、4月7日(火)より配信スタート。<収録曲>1.DELIVERY2.リピート feat. 塩塚モエカ3.5Hard to the 2B4.夢のような5.M.E.I.G.E.N.6.RePLAY7.御立派8.breaktime9.Δ(Delta) feat. CHAPAH10.グッド・バイ11.4W
2020年04月11日