不動産検索サイトや不動産販売の広告などでよく目にする「建築条件付き土地」。その意味についてなんとなく知っている人は多いと思いますが、その中身をしっかりと理解している人は少ないのでは?建築条件付き土地の中身を理解するために、少し変わった角度から建築条件付き売地を考えてみます。実は「売主のタイプ」の違いによって、その建築条件付き土地の性質や「メリット・デメリット」に違いが出る場合があるのです。以下ではその「売主のタイプ」を大きく2種類に分け、その違いを解説します。■ 売主タイプ1.昔ながらの不動産業者HAKU / PIXTA(ピクスタ)このタイプの売主はその多くが、建築条件付き土地の販売を建売住宅販売の一形態と考えている傾向があります。宅地建物取引業法では、建築確認(許可)等を取得していなければ土地建物一体での売買契約は禁止されています。しかし、土地の販売期間短縮や販売経費削減をしたい、さらに土地売却益だけでなく建設工事でも利益を得たい売主が、建築確認等を取得したり現実に建設工事に着手しなくても土地建物をセットで販売(請負)したいと考えた場合に、土地の売買契約に建物請負契約締結の条件を付した「建築条件付き土地」という方法を選択するのです。つまり、本来は土地建物一体での販売をしたいのに法の制限によりそれができないため、やむを得ず建築条件付き土地売買という形態をとっている場合が多いのです(もちろん違うケースもあります)。■ 売主タイプ2.ハウスメーカーなどの建設業者HAKU / PIXTA(ピクスタ)このタイプの売主はその多くが、土地売買契約より建設工事請負契約にその比重を置いています。つまり土地を販売する目的自体が「建物を売るため」なのです。そのため、このタイプの売主は土地販売時にかなり踏み込んだ建物の打ち合わせを行います。土地の販売自体が主たる目的ではないため、購入希望者の建物ニーズが自社商品と合わない場合はその時点で土地購入を積極的に勧めません。建設工事請負契約が円滑に進まない可能性がある顧客と土地売買契約を結ぶメリットがないのです。■ 売主タイプ1のメリット・デメリット売主タイプ1の建築条件付き土地の場合、先述のようにその売主は土地売却益だけではなく建設工事請負による利益を期待している場合がほとんどです。そのため、見込んでいた利益が土地売却だけで得られるなら、この建築条件を外せるケースも多く見受けられます。「土地は気に入ったけど、建物ニーズが合わない」「この土地にどうしても別のハウスメーカーで建てたい」などの場合、その交渉を受け付けてくれやすいのはこのタイプの売主なのです。また、不動産業者が売主のため、上下水道などの供給施設がすでに整備されている土地も多く、権利関係(差し押さえ等)や隣地境界トラブルも整理されている土地が多いのもメリットといえるでしょう。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ただ、もちろんデメリットもあります。上記のように建築条件を外す交渉がうまくいっても、その売買条件変更にともなう価格のアップを要求される場合が多いのです。それで結局予算オーバーとなるケースも見られます。だからといってその価格が割高であるという意味ではありません。建築条件付き土地の場合、その価格設定は条件なしの土地と比べ若干低めに設定している場合も多いのです。■ 売主タイプ2のメリット・デメリット売主タイプ2の建築条件付き土地のメリットですが、この売主はそもそも建物を売るのが主たる目的なので、土地の検討当初からその土地に最適な参考プランや推奨仕様など、かなり充実したものを用意している場合が多くみられます。そのため、自分で建設業者を見つけて別々に発注するよりも割安で良質な住宅が手に入る場合があります。タカス / PIXTA(ピクスタ)デメリットは、このタイプの建築条件を外すことはほぼできないということです。建物を売るのが目的なので条件外しの交渉さえ受け付けてもらえないでしょう。どうしてもその土地を購入したい場合はその指定された建物を購入(請負契約)するしか選択肢は無いのです。ただし、土地売買契約後の打ち合わせによって請負契約が不調に終わる場合は土地売買契約も解除されます。いかがでしたか?ここで取り上げた以外にも様々な売主さんはいますが、建築条件付き土地を検討される場合は「売主のタイプ」を知り、そのメリット・デメリットを知ったうえで購入を判断する材料のひとつにしてください!【参考】※東京都都市整備局不動産取引の手引き
2018年06月15日/ランニングコストって?ランニングコストとは、経営学用語の1つで一般的に企業などにおいて設備や建物、機会を維持するために必要となるコストのことをいいます。「建物」にかかるランニングコストには、保全費、管理費、修繕費、水道光熱費、冷暖房にかかる費用などがあります。また上記でいうところの「建物」のほかに、イニシャルコストというものがあります。イニシャルコストは建築時費用のことを指し、ランニングコストは建築後費用を指します。2種類のランニングコスト建物を建てるときをイニシャルコストといい、建てた後をランニングコストといいました。ランニングコストはつまるところ維持費や管理費ともいえます。不動産を得る不動産投資の世界では、このランニングコストを2つに分けることができます。固定資産税・都市計画税建物は建てた後の方がコスト面に負担が掛かります。この2つは不動産を所有しているだけでも掛かる税金で、毎年発生します。管理修繕費不動産投資物件(主にアパートやマンション)の運用を行うには、当然に「管理」が必要です。空室率の低い投資物件は、この管理面がしっかりと行き届いています。管理費用には以下の2種類(その他を除く)があります。これらを行う業者が「不動産管理会社」です。PM(プロパティマネジメント)費PM費とは、入居者管理費のことをいいます。主な仕事内容に、賃料の集金、滞納の催促、入退去手続、募集、苦情の受付・対処、リフォームの手配などがあります。BM(ビルマネジメント・ビルメンテナンス)費BM費とは、建物管理費のことをいいます。主な仕事内容に、共用部の清掃(エントランス・ゴミ置き場・廊下など)、エレベーターの維持管理、法定消防点検、受水槽の点検などがあります。その他また上記2つ以外にも、以下のような管理費用があります。入居者募集費用入居者を募集するのに掛かる費用としては、仲介手数料や宣伝広告費などが考えられます。共用部の水道光熱費共用廊下やエントランスホールの電気などの費用もかかります。リフォーム費建物は人間と同じく歳を取ります。老築化が進めば室内をリフォームし、空室率を上げる必要があります。税金(不動産所得)不動産によって得た所得を「不動産所得」といい、これにも税金が課せられます。不動産所得は【総収入-諸経費】なので、最後に掛かるコストと考えてよいでしょう。まとめ不動産投資で掛かるランニングコストは、まとめると以下3つです。固定資産税・都市計画税管理費用等(PMフィー、BMフィー)不動産所得税など建築時にも膨大な費用は要しますが、実はそれよりもランニングコストの費用の方が掛かります。しっかりと計画を立てる必要がありそうです。
2018年03月11日建築模型に特化した国内唯一のミュージアム、天王洲アイルの建築倉庫ミュージアムにて、リニューアル後初の企画展「ル・コルビュジエ / チャンディガール展 -創造とコンテクスト-」が、5月26日から7月16日まで開催。ル・コルビュジエ、キャピタル全体図のスケッチ、平面図と遠近法図、説明文つき、チャンディガール1950~1965年 1951年7月24日 所蔵 ル・コルビュジエ財団近代を代表する巨匠建築家として知られる、ル・コルビュジエ。そしてその活動は、彼が提唱した「近代建築5原則」が示す通り、合理主義的な考えと技術革新を伴って発展していく世界のイメージに根ざし、一つの普遍的論理が広く世界で通用するという信念に基づくと考えられてきた。しかし、彼が場所の環境や風景、また風土や文化など、計画にかかわるコンテクストに多くの注意や関心を払っていたことはあまり知られていない。特に、インドのチャンディガールをはじめとする晩年の作品群では、こうした関心が、彼の建築・都市デザインの直接的なインスピレーションの源となって、より複雑な全体の生成に寄与している。本展は、ル・コルビュジエの手によるチャンディガールでの作品群を例にとり、ヨーロッパから遠く離れたインドという異質の環境下における、彼のクリエイションとその土地ならではのエレメントとの関係を考察する。展示では、貴重な建築資料や模型、建築家自身の手によるオリジナルスケッチや油彩画、リトグラフなどの美術作品に加えて、写真家ホンマタカシがチャンディガールで撮影した写真や映像作品を紹介する。ル・コルビュジエ「牡牛 XVIII」1959年、所蔵 大成建設株式会社チャンディガールで、民主主義とインドの気候とを総合的にモニュメント化する言語を模索していったコルビュジエ。その結果、とりわけキャピトル・コンプレックスは、初期のデザインを支配していた一元的に普遍を志向する堅苦しい幾何学から解放され、幾何学的要素とピクチャレスクな要素が混在することより複雑な総体として結実した。今回は、その主要な構成要素の一部をなす議事堂内部を巨大模型で再現する。また、絵画を中心とした芸術作品を多く残した芸術家としても知られるコルビュジエの油彩画「牡牛 XVIII」(1959年)を展示。最晩年に制作され、彼の創作活動を対立概念間の運動として総括するリトグラフの詩画集「二つの間に」(1964年)も展示し、併せて本展のために新たに翻訳されたル・コルビュジエの詩文(田中未来訳)を紹介する。Takashi Homma「High Court 1」2013 Lambda print © Takashi Homma Courtesy of TARO NASUチャンディガールでの計画最初期から、キャピトル・コンプレックスの建物群の配置と全体のスケール感は、後背に広がるヒマラヤ山脈との関係性と共にコルビュジエが特に注意を払って検討したとされる。今回100分の1のスケールで新たに製作されたキャピトル・コンプレックスの三つの建物である「高等裁判所」、「議事堂」、「合同庁舎」が、実際の位置間隔と同様に展示室床に配置される。来館者はその中を自由に歩き回り、コルビュジエが意図したキャピトル・コンプレックスの密度感や建築物同士の距離感を体感することができる。また、写真家ホンマタカシがインドに足を運び撮影した「チャンディガール」シリーズより、初公開作品を含む写真と映像作品を展示。本作はチャンディガールを通り抜ける風や匂い、空間へ差し込む光を念頭において構成される。チャンディガールという計画都市全体がある意味一つの構造物であり、それぞれの建築が都市に包み込まれているスケール感がさりげなく示され、そこに暮らす人々の生活やそこに流れる時間が切り取られており、チャンディガールが現在も生き続ける都市であることを実感することができる。それはまさしくコルビュジエが注目した、建築とそれを取り囲む気候との関係を写しとろうとするものであり、本作によって、模型だけでは伝えきれないチャンディガールという都市のリアリティを補う。建築模型を広く一般に公開する“ミュージアム”であるだけでなく、模型専門の“保存”機能をもつ、新しいかたちの本ミュージアムならではの7部構成の本展。多種にわたる展示によって、コルビュジエがそこで見聞きし、感じ、考え、そして表現しようとしたものを感じ取ることができると同時に、それらを通して、コルビュジエ作品に宿る、近代思想をも超えようとする精神を垣間見る機会を提供する。【展覧会概要】ル・コルビュジエ / チャンディガール展 –創造とコンテクスト-(Le Corbusier / Chandigarh -Creation and Context-)会期:2018年5月26日(土)〜7月16日(月・祝)会場:建築倉庫ミュージアム住所:東京都品川区東品川2-6-10時間:11:00~19:00(最終入館18時)休館日:月曜日(祝日の場合、翌火曜休館)入場料:一般 3,000円、大学生/専門学校生 2,000円、高校生以下 1,000円
2018年03月08日華やかな一方で多忙なイメージがある建築の世界。その第一線で働くママ・パパたちは、子育てと仕事をどうやって両立しているのか。そのリアルな実態がわかるエッセイ集『子育てしながら建築を仕事にする(学芸出版社)』が刊行されました。そこで、編著者で「キュープラザ二子玉川」の商環境デザインを手がけた3歳児ママ・成瀬友梨さんをはじめ、建築家パパの三井祐介さんと豊田啓介さんも参加したトークイベントに潜入! さらに後日、成瀬さんにインタビューし、両立するための工夫や職場の環境づくり、働くママにとって過ごしやすい家づくりなどのアドバイスをいただきました。 ■「あきらめること」から始まる仕事と育児本でもトークイベントでも、多くのママ・パパが語っているのが「あきらめる」ことの大切さ。建築家は自分ですべての事柄を決定し、ディテールにとことんこだわる仕事ですが、育児が始まるとそうはいきません。「仕事をしていると子どもが気になるし、子どもといると仕事が気になる。葛藤もありますが、最近は鈍感力が身についてきました。例えば、忙しくても早く帰って家族と夕飯を食べたり、ビールを飲んですぐに寝ちゃったり。やってみると、結果はそう変わらなかったりするんですよね。すべてを自分がコントロールすることをあきらめることで、人が育つという面もあります(豊田さん)」。「私は、建築家の仕事と並行して7年間続けてきた大学助教の仕事を、辞める決断をしました。学生に対応する時間が足りなくなり、子どもと過ごす時間もボーッとすることが多く、体力気力の限界になってしまったんです。今やっている仕事も、細かいところには目をつぶってスタッフに任せている部分が多い。歯がゆい気持ちもありますが、今は我慢の時だと思っています(成瀬さん)」。育児も同様で、すべてを夫婦だけでやろうとするのではなく、あきらめが肝心。ベビーシッターや病児保育を利用したり、近所の知り合いやママ友に保育園の送迎を頼んだりと、周囲に頼ることが大切だと話してくれました。■「スケジュール管理」と「得意分野」で分担 本に登場する夫婦は、育児・家事の協力体制が完璧! それぞれの仕事や家族の行事など、あらゆる予定をスケジュール管理アプリで共有し、互いに助け合っています。「妻も仕事がかなり忙しいうえ、高齢の両親のサポートもある。だから、掃除や料理は僕がやることが多いんですが、家事は得意なので全然苦ではありません。妻は、買うと高いからと夜中に教材を自作したり、科学の実験装置を作ったりと、子どもの自発的な学習を促すための時間を惜しまない。お互いが得意なことを、自然と分担している感じです(三井さん)」「私は保育園への送り迎えや食事の用意、夫は掃除・洗濯・ゴミ出しなどを担当しています。私が出張の場合、夫は子どもにごはんを作って食べさせ、寝かしつけまでこなしてくれるので、本当にありがたい。2歳くらいまでまでは熱を出すことも多かったので、区の病児保育にはずいぶんお世話になりました(成瀬さん)」ほかにも、ルンバや食洗機・食材宅配サービスを活用したり、ファミリーサポートやベビーシッターを頼んだりと、両立するための方法は家族によってさまざま。試行錯誤しながら、自分たちに合ったスタイルを模索しているようです。■「クリエイティブな時間=1人時間」を確保する方法子どもが生まれるまでは1日中建築のことを考えていた建築家たちにとって、クリエイティブな時間をどう確保するかも重要な課題。仕事と子育てに追われる日々の中で、それぞれ工夫をしているようです。「子どもを寝かしつけた後で夜中まで本を読んだり考えごとをしたり、もう一度事務所に戻って作業をすることもあります。また、他業種の人に会ったり、面白そうなイベントに参加したりと、自分の世界を広げることも大事。どうしても夜の外出が多くなってしまうんですが、夫は快く送り出してくれます(成瀬さん)」「夕食はできるだけ家族そろって食べたいので、子どもを寝かしつけた後に1人で外出して、時間を確保することが多いですね、近所に3、4軒ある行きつけのバーで、ビールを飲みながら思考をめぐらせたり図面をチェックしたり。深夜1時ごろに帰宅して就寝、翌朝7時に起きるというサイクルです(豊田さん)」何かと忙しい子育て期に「自分だけの時間」を確保するのは難しいもの。お互いの仕事を尊重し合うこと、そして夫婦が同等に子育てスキルを身につけることが大切だと感じました。 ■ママ建築家・成瀬友梨さんにインタビュー! 働くママが子育てしやすい家とは?――まず、この本を出版しようと思ったきっかけを教えてください。成瀬さん:私は東京大学工学部建築学科の助教として学生の指導をしていたんですが、女子学生から「子育てと建築の仕事を両立する将来が想像できない。大変そうで、とても真似できない」と言われることが多かったんです。才能ある若者たちが「仕事か、子育てか、どちらかを選ばないといけない」と考えているとしたら、本当にもったいない。そこで、実際に両立している人々を紹介することで「自分にもできる!」ということを伝え、背中を押したいと考えたのがきっかけです。実際に、本が出来上がってみると、建築家に限らず、これから子どもを持とうとしている方や子育て中の方、会社のマネジメント層にも役立つ本になったと実感しています。――確かに建築家に限らず、子育てしながら働くことは「大変」というイメージが強いですよね。成瀬さん:実際に経験してみると、自分の時間が減ってしまうのは大変なのですが、豊かになったことの方がずっと多いんですよ。以前は、仕事に夢中で休日も常にインプットの時間でしたが、子どもがいると強制的にペースダウンするので、季節による太陽の光や緑の変化に敏感になりました。週末には公園で思いっきり遊んだり、保育園の友達家族と昼間からお酒を飲んだりと、世界が広がっていくのも楽しい。子どもができてからバリアフリーの大切さに気づくことができ、世の中には本当に多様な人がいることも知りました。――この本に出てくる建築家の皆さんは、会社の理解のもとで周囲と協力しながら仕事をしている印象を受けました。働くママが職場で協力を得るためのコツを、ぜひ教えてください。成瀬さん:子育てだけが大変なのではなく、それぞれにさまざまな事情があると認識することが、大前提だと思います。そのうえで、ほかの人が困っていたらいつでも相談にのる、協力する、というスタンスでいることが一番大事なのではないでしょうか。――子どもがいると、家に対する考え方も変わってきます。建築家の目線から見て、子育てしやすい家とはどんな家だと思われますか?成瀬さん:子どもが元気に動き回れるように、広くてのびのびした家がいいでしょうね。実利的には、玄関が広いのが一番。子どもが小さいうちは、ベビーカーや三輪車などいろいろと置くものがありますし、宅配便の荷物をちょっと置いておくのにも便利です。玄関で子どもの支度をすることも多いので、狭いと苦労するかもしれませんね。また、玄関が広いと全体の印象として余裕があるように見える、という効果もあります。――最後に、働くママ・パパへのメッセージをお願いします。成瀬さん:子育てを終えた方からは「子育ては大変だけど、さみしいくらいあっという間に過ぎてしまうもの」とよく言われます。その言葉を信じて、楽しんでいけたら素敵ですよね。私も怪獣のような子どもを抱えていますが、仕事も家庭も欲張りに生きていきたい。完璧じゃなくていいから毎日を大切にしていきたいと思っています。参考図書: 「子育てしながら建築を仕事にする」 (学芸出版社)著・編集 成瀬友梨ゼネコン、アトリエ、組織事務所、ハウスメーカー、個人事務所等、異なる立場で子育て中の現役男女各8名の体験談を集めたエッセイ集。仕事と子育ての両立に奮闘しながら、欲張りに楽しむリアルな姿が見えてくる。成瀬友梨 プロフィール1979年愛知県生まれ。2007年東京大学大学院博士課程単位取得退学。同年に成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立。と2010年〜2017年東京大学助教。地域・ライフスタイル・コミュニケーションという観点から建築を考え、シェアをキーワードに設計を行う。主な編著書に『シェアをデザインする』『シェア空間の設計手法』等。
2018年02月27日ピロティとはピロティとは、2階建以上の建物で1階部分が柱のみの外構空間となっている建築物のことをいいます。この建築様式は、フランスで活躍した建築家ル・コルビュジエによって広められたとされています。その代表的な作品が「サヴォア邸」です。実はこの建築物、一度大学の授業で模擬演習として設計したことがあります(筆者は建築家専攻出身)。当時の設計技術では到底なしえない神業であったと、教授から学びました。余談が過ぎましたが、そんな神業は長い時を経て、近代住宅のひとつの様式として日本でも認知されるようになりました。その有効な活用方法についてみてみましょう。ピロティの有効活用(メリット)ピロティはかなり優れた建築様式で、そのメリットには以下のようなものが挙げられます。駐車場や遊戯スペースとしての利用津波災害から家を守る!(耐津波災害性能)ピロティは容積率に影響しない!一般的に多くみられるのが駐車場としての利用ですね。複数台駐車することができ、家自体が軒となるので、雨風を心配する必要がないですね。また遊戯スペースとして利用している住宅も見受けられます。のびのびと遊ぶことができるので、子どもの発育を手助けしてくれる様式です。物件を探していらっしゃる方は、参考にしてみるのも良いかもしれませんね!(ご近所の友人を招いてBBQもできちゃいますね!)そして、なんといっても津波災害から家を守ってくれるのが最大の特徴といえます。東日本大震災時でさえもピロティ建築が残ったことから、水害に強いといった認識が高まりました。また風通しも良いので、台風にも強いといえるでしょう。災害から家族を守ってくれる家は、教育環境としても安全といえますね!最後になりますが、実はピロティは容積率算定に関係しません。室内型のガレージなんかだと、延べ床面積の1/5までは容積率算定には入れなくて良いのですが、広いガレージを作る場合だと1/5を超えてしまい、容積率算定の基準となってしまいます。しかし先述したように、ピロティは面積に関わらず建築できるので、住居部分(部屋)の容積率を目一杯使うことができます(つまり部屋を広く設けられる)。この点もメリットといえます。まとめピロティは災害にも強く、子どもの発育にも適した建築様式であることが分かりました。物件探しをお考えのお母さんは、ぜひピロティ建築を提案してみてください!
2018年01月06日家づくりのプロである建築家さんが、テーマに沿って、過去に手掛けた住まいの事例とノウハウを解説するシリーズです。今回のテーマは「家族がくつろげるリビング」!今回は、荒木毅建築事務所(東京都杉並区)の荒木毅さんに、事例をご紹介いただきます。荒木毅建築事務所建築家・荒木毅◆作品名:CH13◆依頼者について:4人家族旦那様(40代後半)/奥様(40代後半)/お子様(13歳/10歳)※すべて建物完成時の情報◆所在地:東京都中庭で、家族のため空間をひとつながりに「家族で暮らすリビングは、広く明るくのびやかな空間でありたい……」依頼者のご要望のひとつに「中庭」がありました。以前住んでいた家に中庭があり、親しみを感じていたそうです。そこで中庭を中心に、リビング・ダイニングや書斎コーナーなど、家族のための空間が一体となり広く確保されるよう考えました。家族のための空間は、それぞれ使いやすい位置にありながらもひとつながりとなり、家族の気配を感じながらものびのびとした生活ができる空間構成となっています。家族一緒に暮らす生活が、より楽しくなるキッチンキッチンは家族の暮らす空間のなかに配置。奥様の使い方をそのまま形にした、機能的で丈夫なスチール製のキッチンは、家族と目の合う位置に設け、親子や夫婦のつながりを生んでいます。すぐ近くに杉板で作られた小上がりのダイニングでは、ちゃぶ台でお食事を。中庭に面したこんもりと盛り上がった、黒い人研ぎの土間にはダイニングテーブルも似合います。生活スタイルに合わせ、変化を楽しめると思います。外部との一体感も大切にした、土間や2階ホール1階の床のほとんどを、コンクリートの土間に。とはいえ、家族が長い時間くつろぐスペースなので、熱容量が大きいコンクリートを活用して蓄熱式床暖房を入れました。土間は泥のついた植木や自転車を入れても、食事を作る際に水などを飛ばしても大丈夫。気を使うことのない、丈夫な床です。2階にも家族のためのホールを作り、広い外部デッキとつながる空間としました。吹抜けで中庭ともつながっています。室内だけの「ひとつながり」でなく、外部空間とも一体感の味わえ、生活の仕方に極端に気を使わなくても良い包容力のある空間が広がります。合理的な採光がそのまま形になった外観建物南側の平屋部分は日差しをハイサイドライトより採り入れ、建物北側の2階建て部分は、中庭を介して日差しを取り入れています。中庭は木製縦格子で外部と、2階デッキは南棟のナナメの屋根で隣家と隔てられているので、中庭や2階デッキがワンクッションとなり、家族のプライバシーを守っています。中庭を介して1年中日差しが1階北側奥まで届くよう工夫しました。そんな合理的な採光がそのまま形になった外観も特徴です。建築家情報事務所名:荒木毅建築事務所建築家名:荒木毅HP:事務所所在地:東京都杉並区対応エリア:全国
2017年12月25日竣工とは竣工とは、建築工事が完了したことを意味します。また同じような意味に「竣成(しゅんせい)」といったものがあります。工事が完了した次には、確認の検査が行われます(竣工検査)。竣工検査からその後の流れについて、確認してみましょう。竣工検査後の流れ竣工検査工事施行者と工事の監理者である建築士による、最終チェックが入ります。完了検査の立ち会い竣工検査と同様、工事施行者・建築士と立ち会います。完了検査の立ち会いが無事に終えたら(工事完了後)、4日以内に地方公共団体などに「完了検査申請書」を提出する必要があります。しかしこの手続きについては、建築士が代行してくれます。完了検査にも立ち会います。建主検査工事施行者・建築士立ち会いのもと、建主(依頼者)による目視確認を行います。理想通りの設計となっているかを、今一度確認するわけですね。もし、計画的に言っていない点があった場合には、その箇所を指摘してするようにしましょう。引き渡し不具合がないかを確認する工事に不具合がないか、実際に立ち会って確認を行います。工事担当者や営業責任者とともに、不備がないかをチェックします。たとえば、床や壁などに傷や汚れはないか、建具の開け閉めはスムーズか、設備は正常に動くかといったことを、担当者に説明してもらいながら確認していきます。もし、この竣工検査後の立ち会いで不具合が見つかった場合には、引き渡しまでに修理してもらうか、入居後に修理するかを取り決めます。この場合の注意点としては、業者とその旨を約束する書類を控えることを忘れないようにしましょう。後々のトラブルを防止します。保証書をもらう立ち会いによる工事の修正などが済んだら、次は施行会社から以下のものを受け取りましょう。施行会社の押印のある「工事完了書」「鍵」と「保証書」「検査済証」(確認検査機関が発行)保証書には定期点検とアフターメンテナンスの内容や時期、設備などが故障した場合の連絡先などが書かれているので、大切に保管しておきましょう。竣工図が提出される追加工事なども含めた引き渡し時の図面を、建築士より渡される。瑕疵検査の立ち会い建主と工事施行者との間で、1年後に改めて竣工における瑕疵がないかを確認する約束をします。工事施行は、施工主と建築士とのこまめな連携が重要です。納得のいくよう、建築士を中心に相談を重ねていくのが良いでしょう。
2017年12月04日建築基準法とは建物を建てる際の敷地や構造、設備及び用途に関する守るべき最低基準を定めている法律のことをいいます。1950年に制定された建築基準法は、国民の生命、健康および財産を保護すべく、都市計画法、宅地造成等規正法、消防法などさまざまな法律の規制を受けます。このことから、建築基準法は建物を建築するうえで最も基本となる法律とされています。そのため、着工前の「建築確認」や工事中の「中間検査」、工事完成後の「完了検査」、違法建築物の「是正勧告」などについての規定も定められています。また建築基準法は以下の2種類に大別することができます。建物自体の安全性や構造・防災・衛生などについて定めた「単体規定」都市の防災や環境向上などの観点から定めた「集団規定」1の単体規定では、具体的には居室の採光(床面積の7分の1以上)や換気(20分の1以上の開口部を設ける)、トイレ、電気設備など、個々の建物を建築する際の基準がまとめられており、全国一律に規定されます。一方、2の集団規定では、敷地と道路に関する基準(接道義務など)、建物の用途や形態に関する基準(建ぺい率や容積率、高さ制限、各種斜線制限など)、都市再生特別地区等、防火地域、景観地区などが集団規定に当たります。また集団規定は、都市計画区域及び準都市計画区域に限ってその規定が適用されます。建築前に確認したい代表的な法令とは建物の建築には、実に多くの法令が絡んでいます。その代表例が、上記で述べた「建築基準法」といえます。建物建築時の基準となるこの法律ですが、そもそもほかの法令も理解していないと、これを理解することは難しいといえるでしょう。数ある法令の中でも、建築基準法と密接に絡んでいる都市計画法について確認してみましょう。都市計画法都市計画法とは、都市の将来あるべき姿(人口、土地の利用方法、主要施設等)を想定する都市計画に基づき、必要な事項を定めている法律のことをいいます。都市計画法では、計画的に街づくりを行う「都市計画区域」と、都市計画区域外の区域で放置すれば、将来、都市としての整備や開発、保全に支障が生じるおそれのある区域であるとして指定される「準都市計画区域」があります。また都市計画区域内では、積極的に市街化する「市街化区域」と、市街化を抑制する「市街化調整区域」とに線引きします。この市街化区域内では、異なる地域が混在しないよう、その地域ごとの用途や使用目的に合った建築物が建つよう、地域ごとに細かく分けられます(例:住宅地と工業地を分ける、など)。これを「用途規制」といいます。建物を建てるには、建築基準法に適しているかどうかを確認する前に、まず都市計画法に適しているかどうかを確認しなければならないといえるでしょう。
2017年11月30日東京・六本木の森美術館で、「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が2018年4月25日(〜9月17日まで)にスタートした。前日に行われた内覧会より本展の見どころをレポートしよう。建築家・建築史家の藤本照信が監修する本展では、日本の建築を読み解く鍵と考えられる「可能性としての木造」「超越する美学」「安らかなる屋根」「建築としての工芸」「連なる空間」「開かれた折衷」「集まって生きる形」「発見された日本」「共生する自然」と9つの特質で章を編成し、機能主義の近代建築では見過ごされながらも、古代から現代までその底流に脈々と潜む日本建築の遺伝子を考察する。レポートする上で特筆すべきはなんといっても圧倒的な展示ボリューム。100のプロジェクトに400を超える点数で、古くは縄文時代の住居から、現在進行中の建築物や未来の計画案など現代建築までを一挙に紐解いている。紹介されている建築家の名を挙げれば、フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)や丹下健三、黒川紀章、安藤忠雄、磯崎新、隈研吾、杉本博司、SANAA......建築プロジェクトには、平等院鳳凰堂(1053年)、厳島神社(1241年)といった世界文化遺産から古代出雲大社本殿や伊勢神宮正殿、東京オリンピック国立屋内総合競技場(1964年)、日本武道館(1964年)から、現代に建てられた豊島美術館(2010年)や、東京スカイスリー(2012年)、ラ コリーナ近江八幡 草屋根(2014年)、台中国家歌劇院(2016年)などの建築まで......といった網羅具合だ。中でも、「建築としての工芸」のセクションで紹介されている、千利休作と伝えられる現存する茶室建築として日本最古の国宝・待庵は必見だ。京都で実物の待庵を見たことがある人も多くいらっしゃるだろうが、ここでは、ものつくり大学が原寸スケールで再現した模型を、間近で見るだけでなく中に入ることができる。本展の監修者である藤本氏の「千利休は、炉の位置、床の間、腰壁に貼られた紙、障子とそこから入る光、たった2畳のスペースにどこをとっても直しどころのない、完璧かつ芸術的な場を作り出した」という語りにもあるように、用の美を秘めた日本建築の遺伝子を実感すれば、普段は無意識的な日本人としての遺伝子が目覚めてくるだろう。「連なる空間」セクションで紹介されている丹下健三自邸(1953年)は、1/3スケールの巨大模型で再現されている。丹下健三は、広島平和記念公園(1954年)、大阪万博記念公園(1970年)など、戦後の国家的プロジェクトを牽引した建築家。1/3とはいえど、宮大工の技術により実物と変わらない高精度で作り上げられた模型はさらに、タブレットPCを通じて当時の様子が伺える写真とともに鑑賞することもできる。デジタル技術とのコラボレーションといえば欠くことのできない、ライゾマティクス・アーキテクチャーが作り上げた日本建築の原寸スケールを3Dで体験できる空間だ。「Power of Scale」と名付けられたこのインスタレーションでは、レーザーファイバーと映像により、桂離宮や中銀カプセルタワーなど日本建築の空間概念が大小様々なスケールで原寸再現され、鑑賞者はその空間の中に入り込んでダイナミズムを体感することができる。あまりにも見応えがあるので、小休憩を兼ねて展示の中間に設けられたブックラウンジにもぜひ注目していただきたい。ここは、戦後のモダニズム建築時代を牽引してきたデザイナーたちの名作家具で構成されており、丹下健三研究室が設計したマガジンラック付ベンチを囲むように、剣持勇や長大作、大江宏のデザインした椅子が並び、それらに腰掛け書籍を閲覧したりして過ごすことができる。現在では美術館に所蔵されているものも多く、普段手に触れることさえできない名作たちだが、今なお現役で使用されている希少な家具を集め、本来の機能のまま使用ができる大変貴重な機会である。過去に類を見ないこの大掛かりな建築をテーマとした展示により、日本の過去と現在だけでなく、未来像が今ここで照らし出される。【展覧会情報】建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの会期:2018年4月25日〜9月17日会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階時間:10:00〜22:00(火曜10:00〜17:00、いずれも入館は閉館時間の30分前まで)入館料:一般1,800円 学生(高校・大学生)1,200円 子供(4歳〜中学生)600円 シニア(65歳以上)1,500円最終更新: 5月2日
2017年11月25日森美術館にて「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が2018年4月25日(水)から9月17日(月・祝)まで開催される。「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」では、貴重な建築資料や模型から体験型インスタレーションなど多彩な展示によって、日本建築の本質に迫る。読み解く鍵として、全体で9つの章を編成。丹下健三、谷口吉生、安藤忠雄、妹島和世など、世界が注目する日本建築の独創的な発想や表現の遺伝子を考察している。千利休作の茶室《国宝・待庵》を原寸再現京都・妙喜庵に現存する日本最古の茶室建築である国宝《待庵》は千利休の作と伝えられている建築。「わび」の思想を空間化したもので、日本文化を語る上で欠くことのできないものだ。本展では、《待庵》を原寸スケールで再現。二畳の茶席やにじり口と呼ばれる出入口で良く知られる、極小空間を体感できる。ライゾマティクスの新作映像インスタレーション世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」など名建築の数々を、クリエイティブ集団ライゾマティクスがレーザーファイバーで再現する。新作として発表される3次元の建築空間と映像が織り成す体験型インスタレーションは必見だ。丹下健三《自邸》1/3スケールの巨大模型広島平和記念公園や東京オリンピック、大阪万博など、戦後の国家的プロジェクトを牽引した建築家・丹下健三。丹下が、桂離宮など日本の古建築を再解釈し、建築の新たな可能性を拓いた《自邸》を巨大模型で再現する。今は現存しない建築を今一度見る機会、逃さないで。名作家具を展示・体験できるラウンジ他にも、日本建築史における貴重な資料を一挙公開したり、建築を彩る名作家具を展示・体験できるラウンジを設置。日本建築の過去現在未来を見て、体験できる「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」に是非足を運んでみてはいかがだろうか。開催概要建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの会期:2018年4月25日(水)〜9月17日(月・祝)会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F開館時間:10:00〜22:00、火曜日 10:00〜17:00※いずれも入館閉館時間の30分前まで。※会期中無休。入館料:一般 1,800円、学生(高校・大学生) 1,200円、子供(4歳~中学生) 600円、シニア(65歳以上) 1,500円※表示料金は消費税込。※本展のチケットで展望台東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く)。屋上スカイデッキへの入場は、別途料金(500円)が必要。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年11月16日東京・東神田にあるギャラリーのタロウナス(TARO NASU)では、7月28日から8月12日まで、展示会「ユメイエ展:日本の若手建築家」を開催する。日本の若手建築家9人と2組のユニットがドローイングと模型を作成し、それをもとに彼らを紹介する同展。建築設計という実践的な営みと「夢」という想像力の領域の橋渡しを意図しており、13人の若手建築家には「夢の家」というテーマが与えられる。家とは建築のアーキタイプであり、「建てる」や「住む」といった人間の始原的な営みをめぐる思考と深く関わっており、「夢」という概念の解釈は建築家それぞれに委ねられている。ドローイングや模型が体現する小さなスケールの空間内には、それらの夢が表層し、現実の建築以上に濃密なミクロコスモスを形作る。閉塞感が漂う時代に、建築がどのような夢を紡ぐことができるのか。その投げかけに対する、多様な回答を垣間見ることができる展示会となっている。参加する建築家は、青木弘司、畝森泰行、「o+h」の大西麻貴と百田有希、海法圭、田根剛、「teco」の金野千恵とアリソン理恵、中川エリカ、能作淳平、能作文徳、萬代基介、御手洗龍の13名。【イベント情報】「ユメイエ展:日本の若手建築家」会期:7月28日~8月12日会場:TARO NASU住所:東京都千代田区東神田1-2-11時間:10:00~18:00休廊日:日曜月曜祝日
2017年07月23日日本唯一、マニアでなくても興味津々!2016年6月、天王洲アイルにオープンした「建築倉庫ミュージアム」は、日本で唯一の、建築模型を展示しながら保存している施設です。建築家や設計事務所のこだわりが凝縮されている設計模型は、建物建築の指針となるものですが、これらには日本の最先端の技術やトレンドのデザインなどが反映されていることも多く、建築文化の移り変わりを知ることが出来る資料としての価値もあります。施設内に並べられた建築模型は圧巻の一言。一つ一つを隅々まで見ていると、時間があっという間に過ぎてしまいますよ。ミュージアム内には、新国立競技場のデザインなどを手掛けた隈研吾さんや、東日本大震災の復興支援として「コンテナ多層仮設住宅」を発表した坂茂さんなどの著名な建築家から、新進気鋭の若手まで、幅広い作品が展示されています。私たちが普段目にしている建物があるかもしれませんね。「見る、学ぶ、味わう」体験が出来る、新時代のミュージアムです。展示と保存を両立する環境づくり館内は模型保存に相応しい温度・湿度管理が徹底されており、仮に火災が発生したとしても作品に損傷を与えないよう、窒素性ガスによる消火設備が採用されています。また、模型を引き立てる照明はLEDが採用されており、光線による退色などを防いでいます。また、模型には四方からライトを当てると同時に、通路の照明を少し暗くすることで、作品を際立たせる演出も施されています。倉庫街を探索しよう「建築倉庫ミュージアム」は、品川区東品川にあります。電車の場合最寄り駅は、りんかい線の「天王洲アイル駅」です。駅のB出口を出て徒歩5分、天王洲公園を抜けた先にある「寺田倉庫本社ビル」の1階です。東京モノレールの天王洲アイル駅からも徒歩で5分圏内ですので、天王洲周辺を散策しながら探すのも楽しいと思います。車の場合山手通りから海岸通りに抜けて、天王州にある「寺田倉庫本社ビル」を目指して下さい。なお、駐車場はありませんので近隣のコインパーキングをご利用ください。営業時間・料金案内「建築倉庫ミュージアム」の開館時間は、下記の通りです。“開館時間日~木11:00-20:00(最終入館19:00)金土11:00-21:00(最終入館20:00)”出典:なお、閉館日はありませんが、施設の改装等で臨時閉館になる可能性もありますので、事前にHPなどで最新情報を確認しておきましょう。入館料は下記の通りです。“一般¥1,000高校生以下および18歳未満¥500未就学児以下 無料15名以上の団体は、入館料からそれぞれ200円割引*障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料*それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。”出典:保存のみならず展示をすることで、普段、建築模型に触れることがない私たちにもその奥深さを感じさせてくれる施設です。大人の社会科見学として、友人や家族と一緒に、訪れてみてはいかがでしょうか。スポット情報スポット名:建築倉庫ミュージアム住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル1F電話番号:03-5769-2133
2017年06月07日倉庫のようなミュージアム「建築倉庫ミュージアム」倉庫が本来担っている「保存する」目的と今までにはなかった「鑑賞」の概念を組み合わせ、新しい鑑賞体験を提案する「建築倉庫ミュージアム」。建築家の細部へのこだわりや建築文化そのものを楽しむことのできる施設として、日本人のみでなく、海外観光客からも人気の高い施設として注目を集めています。著名建築家から新鋭建築家まで多様な模型を展示ミュージアムには、“浅草文化センター”や“スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店”などを手掛けた「隈 研吾」、東日本大震災の復興支援の一環として“コンテナ多層仮設住宅”を発表し、世間にその名を轟かせた「坂 茂」、次世代のライフスタイルを提案する施設として2011年にオープンした“代官山 T-SITE”の「クライン ダイサム アーキテクツ」などの著名な建築家の作品が並ぶほか、これからの活躍が期待されている新鋭の建築家の模型も数多く立ち並んでいます。普段建築にはなかなか触れることのない方にとっても、建築が好きな方にとっても、有名な作品から日常では目にすることのない珍しい建築模型に触れることができるので、それぞれの味わい方で楽しむことができます。建築模型に託した設計者の飽くなき探究心を体感する「芸術作品」と称され、世界から高い評価を受ける日本の建築模型。建築模型は模型としての機能のみならず、細やかな技法やこだわりによって人を惹きつける力を持ち合わせています。このミュージアムでは、その建築文化をより堪能するため、施設内の温度や湿度管理を徹底して行うことで、「保存」と「展示」の両方を実現し、建築模型の広がる可能性へ挑戦を続けています。取材・文/鈴木詩乃スポット情報スポット名:建築倉庫ミュージアム住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル1F電話番号:03-5769-2133
2017年03月10日建築家の藤森照信による展覧会「藤森照信展-自然を生かした建築と路上観察」が、3月11日から5月14日まで茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて開催される。藤森照信は、近代建築史・都市史研究の第一人者として多くの業績を残した後、45歳で神長官守矢史料館を設計し、建築家としてデビュー。以後、屋根にタンポポやニラが植えられた住宅や、皮付きの木材を柱にした鳥の巣箱のような茶室など、建築の概念を超えた新しさと、遠い過去を想起させる懐かしさを併せ持つ独創的な建築を生み出し続けている。2016年6月にオープンした岐阜県多治見市「モザイクタイルミュージアム」を設計、監修したことでも記憶に新しい。同展では、建築と自然の関係を取り戻すべく藤森が取り組んできた“自然素材をどう現代建築に生かすか”、“植物をどう建築に取り込むか”というテーマで造られた作品より、代表的な建築を模型、図面、写真で紹介。なかには、「モザイクタイルミュージアム」など一部を再現した展示も。また、滋賀県近江八幡で創業し140年以上の歴史を持つ老舗和菓子屋「たねや」が創作の地で展開する「ラ コリーナ近江八幡」のメインショップの「草屋根」、たねやグループの本社「銅屋根」も手掛けた藤森。たねやのお菓子とともに、藤森の建築とたねやの取り組みを紹介するセクションも展開される。さらに、これまで手掛けた建築の屋根や壁などの素材見本や家具なども展示し、藤森の仕事を紹介する。その他、ギャラリー空間に新作の茶室を制作し、会期中はお茶会も開催する予定。【イベント情報】「藤森照信展-自然を生かした建築と路上観察」会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8会期:3月11日~5月14日時間:9:30~18:00(入場は17:30まで)料金:一般800円、前売・20名以上の団体600円、中学生以下、65歳以上、障害者手帳保持者と付き添い1名は無料※「ハイティーンH.T.P.」1,000円(対象:15歳以上20歳未満)、「おとなのパス」2,500円(対象:20歳以上)休館日:月曜日(3月20日は開館)、3月21日
2017年02月05日2017年4月8日(土)~6月25日(日)の期間中、日本の建築美に迫る展覧会「日本、家の列島フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン」が、パナソニック 汐留ミュージアムにて開催されます。世界的にみてもトップレベルと評される日本の建築。フランス人写真家と建築家たちによるキュレーションで、その美しさや新しい建築の楽しみ方を発見しましょう。世界をめぐる展覧会。日本だけの特別の展示もこの展覧会は、2014年5月からフランス、スイス、ベルギー、オランダの各都市を巡回した展覧会の帰国展です。世界の人々を魅了した日本の近現代の住宅建築にスポットをあてて紹介しています。会場は「昨日の家」「東京の家」「今の家」の3部で構成されており、それぞれ多数の写真と映像、図面、建築と施工主とのインタビューなどが紹介されています。また今回の帰国展では、ヨーロッパでの巡回展にはなかった模型とスケッチも加えられていますよ。日本を愛するフランス人がみる、日本の建築企画実現の中心となったのは、4人のフランス人。写真家のジェレミ・ステラ、建築家のヴェロニック・ウルスとファビアン・モデュイ、日本在住30年で建築設計事務所「みかんぐみ」の共同代表であるマニュエル・テルディッツらによるものです。日本通の彼らの独自の視点で約70件の住宅作品が展示されます。建築に興味がある方はぜひ足を運んでみてくださいね!イベント概要名称:日本、家の列島フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン会期:2017年4月8日(土)~6月25日(日)入館料:一般800円/65歳以上700円/大学生600円/中・高校生200円/小学生以下無料※20名以上の団体は100円割引※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能※5月18日(木)国際博物館の日は、すべての方が無料開館時間:午前10時より午後6時まで(入館は午後5時30分まで)休館日:水曜日(ただし5月3日は開館)会場:パナソニック 汐留ミュージアム東京都港区東新橋1-5-1パナソニック 東京汐留ビル4階問い合わせ:03-5777-8600公式HP:
2017年01月24日建築家・藤田雄介による「11の戸(こ)と戸(と)」展が、10月21日から東京・南青山のプリズミックギャラリーで開催される。建築物において、開閉機能・仕切りの役目を持つ建具(=たてぐ)。藤田雄介は、場所を仕切りながらも同時に新たな関係性を作り出す建具を、“建築の本質を一つの要素で担うもの”として考え、独立して以来、設計した住宅の多くで重要な要素として扱ってきた。さらに、これまで住宅ごとに製作してきた建具を幅広く使ってもらうため、それぞれの家(=戸)のそれぞれの戸をデザインするための建具専門ストア「戸戸(こと)」を立ち上げている。同展では、「戸戸」の見本市として会場を構成。これまで設計した住宅から進行中のものまで、計11戸の写真や模型と実物の建具を展示する。戸と戸の二元的な設計から建築の新しい汎用性を提案する内容となっている。【展覧会情報】「11の戸(こ)と戸(と)」展会場:プリズミックギャラリー住所:東京都港区南青山4‐1‐9 秋元南青山ビル1階会期:10月21日~12月4日時間:平日 10:00~18:00、土日祝 13:00~18:00休廊日:11月16日入場無料
2016年10月20日~アールデコの建築物を散策へ〜 私の美意識の根底に流れているアールデコ。置時計やコーヒーカップや小物ひとつ取ってもロマンティックかつセンチメンタルで情緒的です。素晴らしいものが数多あるアールデコの中で、本日は建物についてお話します。アールデコ建築は抽象的で幾何学的に円や直線を組み合わせた斬新で優美なデザインが特徴です。日本におけるアールデコ建築の代表は白金にある東京都庭園美術館にある旧朝香宮邸です。朝香宮夫妻がアールデコ最盛期にヨーロッパで長期滞在し、その魅力に心酔し、帰国後パリから建築家や職人をわざわざ招いて完成させた邸宅です。その他にも、身近なところで、銀座七丁目のライオンビヤホール、新宿伊勢丹本店や三越日本橋本店の外観、箱根富士屋ホテル、奈良ホテルも一見の価値があります。近くにお立ちよりの際は是非、ご堪能ください!
2016年09月29日建築コンシェルジュの坂山毅彦による“名もなき書店”「○○書店」が、9月11日まで東京・青山のプリズミックギャラリーにオープンしている。昼は後楽園で建築士として、夜は代官山で書店員として働き、職のスイッチングをする日々を過ごしていた坂山毅彦。今回オープンする“名もなき書店”「○○書店」は、坂山毅彦がこれまで別々の場所でやっていたそれぞれの仕事をもし同じ場所で行い、ひとつの場所でスイッチングを繰り返したならどのようなことが生まれるのかという発想から生まれた。ギャラリー内には、いくつかの箱が縦横に納められてできあがった“屋台”を設置。片側に書籍などの売り物を陳列し、もう一方の側に設計活動をするための道具・資料などを収納。“屋台”は配置次第で本屋を広くすることも、設計事務所を広くすることもできるようになっており、例えば箱を取り出して本を読むためのスツールにしたり、ふたつ積んで設計のための机の脚にしたり、様々なしつらえを空間に展開できるように工夫されている。会期中の8月11日から15日までは京都巡回展も開催。8月11日の18時から20時までは、学芸出版社にてオープニングトークも行われる。トークには坂山毅彦本人に加え、建築家でリサーチャーの榊原充大、京都工芸繊維大学KYOTO Design Labのエディトリアルアシスタントを務める和田隆介が参加する予定だ。定員は60名で参加費は1,000円、懇親会も1,000円となっている。【イベント情報】「○○書店」会場:プリズミックギャラリー住所:東京都港区南青山4-1-9 秋元南青山ビル会期:7月22日から9月11日時間:10:00~17:00定休日:月曜日入場無料
2016年08月09日寺田倉庫が東京・天王洲アイルに6月18日、建築模型に特化した国内唯一のミュージアム「建築倉庫ミュージアム」(東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル1階)をオープンする。同ミュージアムは、約450平方メートル、天井高5.2メートルの大空間に約100の棚が並ぶ、建築模型に特化した展示・保存施設。“収蔵庫そのものを展示する”というコンセプトのもと、棚の間を縫うように回遊しながら様々な模型を眺める、今までにない鑑賞体験を提供していく。棚には、国内外で活躍する日本人建築家や設計事務所による建築作品の模型をスタディから竣工模型まで一同に展開。各棚に出展者名とQRコードを記載したパネルを設置し、タブレットやスマートフォンなどでQRコードをスキャンすると、出展者の活動や模型作品の竣工写真、図面などの情報が見られるようになっている。また、同ミュージアムでは建築模型を広く一般に公開するだけでなく、模型専門の保存・保管・修復する機能ももたせている。その他、世界の建築に興味のある学生や専門家、観光客に向けての積極的な情報発信や、海外の文化機関と積極的に連携して建築文化を普及するための海外での展示企画など様々な事業を展開していく。なお、出展者のラインアップは、青木淳建築計画事務所、阿部仁史アトリエ、北川原温建築都市研究所、隈研吾建築都市設計事務所、クライン ダイサム アーキテクツ、香山壽夫建築研究所、SANDWICH、シーラカンス アンド アソシエイツ、千葉学建築計画事務所、トラフ建築設計事務所、株式会社日建設計、坂茂設計事務所、古市徹雄都市建築研究所、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO + 芝浦工業大学建築学科原田真宏研究室、山本理顕設計工場、Wonderwall(R)など。
2016年06月08日建築模型に特化した展示・企画施設「建築倉庫ミュージアム」が、2016年6月18日(土)に天王洲にオープンする。「収蔵庫そのものを展示する、新たな鑑賞体験の提供」をコンセプトとした本施設。約450㎡、天井高5.2mの空間に約100の棚が並び、棚の間を縫うように回遊しながら様々な模型を眺めることができる。棚には、国内外で活躍する日本人建築家や設計事務所による建築作品の模型が、設計段階の簡易なものから完成模型まで一同に並ぶ。また、各棚には出展者名とQRコードを記載されたパネルが設置され、QRコードをスキャンすることで、出展者の活動、模型作品の竣工写真や図面等の情報にアクセスが可能だ。【施設概要】建築倉庫ミュージアムオープン:2016年6月18日(土)住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル1FTEL::03-5769-2133開館日:火曜日~日曜日定休日:月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は翌火曜日休)開館時間:11:00-21:00(入館は20時まで)入館料:大人1,000円(税込)、学生500円(税込)【収蔵模型】青木淳建築計画事務所阿部仁史アトリエ北川原温建築都市研究所隈研吾建築都市設計事務所クライン ダイサム アーキテクツ香山壽夫建築研究所SANDWICHシーラカンス アンド アソシエイツ千葉学建築計画事務所トラフ建築設計事務所株式会社日建設計坂茂設計事務所古市徹雄都市建築研究所MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO + 芝浦工業大学建築学科原田真宏研究室山本理顕設計工場Wonderwall、他※2016年6月3日時点、50音順
2016年06月07日国際航業は3月29日、ドローンの運航とドローンを用いた3次元計測に関するスクール「ドローン運航・3次元計測スクール」を5月に開設すると発表した。建築分野では、3次元データを駆使した情報化施工の導入が進んでおり、国土交通省も工事の全工程で3次元データを活用する「i-Construction」の取り組みを本格化させている。ドローンは3次元データを高効率・高精度に取得できるが、正確な3次元データを取得するための運航方法や計測方法を習得できる教育機関は整っていないのが現状となっている。今回開設するスクールでは、ドローンの仕組みや関連法令・安全管理方法の座学講習と、ドローン実機を用いた実技講習を通じて、ドローンの操縦・安全運航管理を習得することが可能。加えて、国際航業がこれまで培ってきた運航方法・計測方法も習得することができる。座学が3日間、実技が2日間で計5日間の内容となっており、国際航業東京事業所および関西事業所が会場となる(実技はドローン飛行が可能な場所に移動して実施する)。20歳以上のドローン運航および3次元データ取得に関わる実務者が対象で、4月公開予定のWebサイトで申し込みを受け付ける。受講費については後日発表するとしている。また、同スクールは日本UAS産業振興協議会(JUIDA)に認定されており、修了者はJUIDAの操縦技能証明書および安全運航管理者証明書を取得可能となっている(修了後にJUIDAへの申請が必要)。
2016年03月29日寺田倉庫と日本建築文化保存協会は、 建築模型を中心とする建築文化の継承と普及を目的とした「建築倉庫ミュージアム」をオープンすることを発表した。場所は東京都・天王洲(寺田倉庫本社ビル1F)。オープンは2016年春を予定。開館日は火曜~日曜(月曜休館、ただし月曜が祝日の場合は翌火曜休)。入館料は大人1,000円/ 学生500円。同館は、「収蔵庫そのものを展示する」をコンセプトに作られた、新しいかたちのミュージアム。建築模型を一般に公開するだけでなく、模型専門の保存・保管機能を併せ持ち、建築文化の貴重な資料である模型にとっての最適な環境を整えている。約450平方メートル、天井高5.2メートルの大空間に並ぶ合計116の棚には、国内外で活躍する日本人建築家や設計事務所による建築作品の模型がスタディから竣工模型まで一同陳列され、来館者は棚の間を縫うように回遊しながらさまざまな模型を鑑賞することができる。また、各棚には出展者名とQRコードを記載したパネルが設置され、タブレット端末やスマートフォン等でQRコードをスキャンすると、出展者の活動や模型作品の竣工写真や図面等の情報にアクセスできる仕組みも用意されるということだ。
2016年03月07日アップリンクは、選りすぐりの建築映画5本を順次上映する「知らなかった!もっと知りたい建築の世界『建築映画特集』」を開催する。日程は2月27日~3月中旬まで。会場は東京都・渋谷の渋谷アップリンク。鑑賞料金は一般:1,300円/学生・シニア:1,100円 / UPLINK会員:1,000円。今回の「建築映画特集」は、2月20より全国順次公開の映画「もしも建物が話せたら」と、2月13日から上映が始まる「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」の2作品が渋谷アップリンクで公開されることを記念して実施されるもの。上映作品は、磯崎新、安藤忠雄、伊東豊雄など1970年代から現代に至までの日本の建築史を振り返るドキュメンタリー映画「だれも知らない建築のはなし」、謎の死を遂げた孤高の天才建築家ルイス・カーンの生涯を、実子であるナサニエル・カーンが世界中を巡り追い求めるドキュメンタリー「マイ・アーキテクトルイス・カーンを探して」、建築家ノーマン・フォスターの創造的建築人生に迫るドキュメンタリー「フォスター卿の建築術」、世界中に親しまれているイームズ・チェアの誕生秘話と夫婦の愛の物語「ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ」、安藤忠雄氏や隈研吾氏など世界で活躍する14人の日本人建築家らが、自ら設計した建築物と美意識を語る「sur/FACE 14人の現代建築家たち」の5作品。また、上映スケジュールは、「だれも知らない建築のはなし」が2月27日~3月4日、「マイ・アーキテクトルイス・カーンを探して」が3月5日~11日。残りの3作品は日程調整中とのことだ。なお、映画の詳しい内容やスケジュールに関しては、「建築映画特集」のWebサイトのスケジュール詳細ページを参照してほしい。なお、チケット料金は一般が1,300円 / 学生・シニアが1,100円だが、新作の「もしも建物が話せたら」と「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」のいずれかの半券またはレシートを提示すると、一律1,000円で鑑賞できるとのことだ。
2016年02月09日東京都・赤坂の21_21 DESIGN SIGHTは、建築の慣習を覆し、世間の常識に挑戦する作品をつくり続けてきたフランク・ゲーリーの展覧会「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」を開催している。会期は2016年2月7日(12月27日~1月3日・火曜休館、ただし11月3日は開館)。開館時間は10:00~19:00。入場料は一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。同展は、ビルバオ・グッゲンハイム美術館をはじめ、昨年開館したルイ・ヴィトン財団など、半世紀以上にわたり建築の慣習を覆し、世間の常識に挑戦する作品をつくり続けてきた建築家フランク・ゲーリーの「アイデア」を紹介するもの。展覧会ディレクターには、エストニア国立博物館の設計や東京の新国立競技場基本構想国際デザイン競技のファイナリストとして国内外から評価の高い建築家田根剛を迎え、同氏の仕事に大きな影響を与えたゲーリーの「アイデアの力」に注目する。ゲーリー建築の生命力に満ちた外観と居心地の良い内部空間を映像で体感できるプロジェクションをはじめ、ひとりの人間としてのゲーリーの姿に触れられる「ゲーリー・ルーム」が登場する。そして、つくっては壊し、またつくり、疑い、時に否定しながら生み出されるゲーリーのアイデアと、その実現に不可欠なテクノロジーや素材、建築プロセスを紹介するということだ。同展の開催に際し、田根氏は次のように語っている。「本展は建物の紹介を中心とした建築展ではなく、建築家の展覧会です。フランク・ゲーリーがどのような人物で、何に興味を持ち、どこで着想を得て、何に執着を示すのか……つくっては壊し、壊してはつくり上げる大量の模型、シンプルな組み合わせで生み出される見たことのない複雑な形態、建築業を熟知して考案されたゲーリー・テクノロジーによる最新の設計手法、そして世界各国で同時に進行し続けるプロジェクトの数々……これら膨大な創造力と作業量はどのようにして可能だったのか。ゲーリーは誰もみたことのないアイデアを生み出すために、どんなに困難な状況でも、努力と信念、葛藤と重責のなかで、「アイデア」を実現するために勇気もって闘い続けてきた建築家なのです。アイデアはポジティブな力がなくては生み出せません。本展を見ることでゲーリーの成し遂げた「アイデアは世界を変える」と信じてもらえれば最高です。」
2015年10月19日写真提供:ダラデヴィ・チェンマイ敷地内から一歩も出なくても、滞在しているだけで、地元のカルチャーや建築のエッセンスを感じることができるホテル。それが、チェンマイ東部の広大な敷地に広がる「ダラデヴィ・チェンマイ」。エキゾチックでスゴイ!となんとなく感じるだけではなく、少し意識して建物を見ると、チェンマイの歴史が見えて来ます。美しい壁画に見る、隣国ラオスとの歴史著者撮影ホテルのエントランスから入ると、ゲストがまずカメラを向けるのが、右手にある大きなファンクションルーム。赤く塗られた壁一面に、きらめくガラス素材で、背丈の倍ほどある植物が描かれています。これは、ラオスの古都ルアンパバーンにある寺、ワットシェントーンの本堂の裏側にあるモザイク画「生命の樹」から着想を得たもの。他の国のまねをしていると思うことなかれ。14世紀にラオスを統一したランサーン王国は、15世紀には北タイのランナー王朝と友好関係を発展させました。16世紀には、ランサーン王国の王子がランナー王朝の王ともなり、文化や建築、言葉も似ているそう。ちなみに、ランサーンとは千の象という意味、ランナーとは千の田という意味。馬車で巡る敷地内著者撮影60エーカー(約24万2千㎡)という広大な敷地に立つ『ダラデヴィ・チェンマイ』では、敷地内をゆっくり馬車で巡るのも、人気のアクティビティ。この馬車は、チェンマイから南へ車で1時半ほどのランパーン名物“花馬車”を思わせます。ランパーンは、かつて、チェンマイ付近から産出する木材を、バンコク方面へと川を使って運ぶために栄えた町。様々な文化に彩られた宿泊棟著者撮影宿泊棟は、大きくコロニアルスイートのコンパウンドと、ヴィラのコンパウンドに分かれていて、まるで、敷地内にいくつかの町や村があるような気分。コロニアル建築は、19世紀、英国人が材木輸出のためにチェンマイに滞在し、欧風の建物を建てたことに由来しているそう。中国のショップハウスの影響も見られます。ヴィラは、昔の民家をモデルにしたチーク作りのランナー様式。著者撮影ちなみに、ホテルの入口に川と橋があり、わざとデコボコの石畳が敷き詰められているのも、かつてのチェンマイの旧市街をイメージしているのだとか。まさに『ダラデヴィ・チェンマイ』は、ここだけで小さな王国のよう!ランナー建築の美しいギャラリー著者撮影セレクトされたお土産や雑貨を扱うギャラリーも、緑の中に佇むランナー建築。ゆるやかに曲線を描く屋根が、地面近くまで降りて来ている美しい建築デザインです。ランナー様式のお寺などにも、こうした建築がよく見受けられます。自転車や徒歩で、敷地内を散歩するゲストたちが、ついカメラを向けていた場所のひとつ。ダラデヴィ・チェンマイで必ず体験したいのが、スパ著者撮影極めつけは、スパ!「ザ・デヴァ・スパ&ホリスティックセンター」のメイン棟は、ミャンマーのマンダレー王宮がモデル。精緻な装飾的彫刻が施された建物は、なんとも見事で、つい見とれてしまいます。スパロビーは、天に向かって徐々に小さくなる7段の屋根を備えた華やかなミャンマー様式。ミャンマーの寺院でにらみを効かせているチンテ(獅子)も左右におわします。チェンマイは、16世紀ミャンマーの支配下にありました。25室ものトリートメントルームがあるスパでは、本格的なカウンセリングからのアーユルヴェーダトリートメントが超オススメ!ランナーの象徴「緑の田んぼ」千の田の王国、ランナーを象徴するように、敷地内のあちらこちらには、緑の田んぼが広がります。農家と契約して、実際に、米を採っているとか。田に建つ建物は、もちろん、田舎の農家スタイル。ローカルの建築をテーマにしているホテルは数多くあるけれど、ここ『ダラデヴィ・チェンマイ』では、北タイのさまざまな様式の建築が、エリアごとに展開されているのが興味深し。泊まって、敷地内をぐるりと巡って、建築散歩を楽しんでみませんか?(text : 坪田 三千代)大人の東南アジアご褒美旅~テーマとスタイルのある旅~その他の記事を読む>
2015年09月29日ブラジルのモダニズム建築の父、建築家のオスカー・ニーマイヤー(Oscar Niemeyer)の日本初の大回顧展「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」が、10月12日まで東京都現代美術館で開催されている。同展では、オスカー・ニーマイヤーのほぼ1世紀に渡る建築デザインの活動を、図面、模型、写真、映像などによって紹介。代表作のひとつであるブラジル・イビラプエラ公園の30分の1の模型も、約500平方メートルのアトリウムの大型空間で展開している。オスカー・ニーマイヤーの日常や創造の秘密が見れる映像資料や、首都・ブラジリア建設の詳細なドキュメントも展示される。なお、会場は「SANAA」によって、ダイナミックでモダンかつ有機的な曲線でデザインされた。ブラジル国内の主要な建築の設計を手掛け、そのユニークな創造性で高い評価を受けたオスカー・ニーマイヤーは、過去にアメリカ建築家協会ゴールドメダル、プリツカー賞、高松宮殿下記念世界文化賞など数多くの賞を受賞。国民会議議事堂や大聖堂などの首都・ブラジリアの主要な建物設計を行った1950年代の国家の大プロジェクトにも参加している。【イベント情報】「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」会場:東京都現代美術館 企画展示室地下2階住所:東京都江東区三好4-1-1会期:7月18日~10月12日時間:10:00~18:00(7月~9月の金曜は21:00まで、入場は閉館の30分前まで)料金:一般 1,100円、:大学生・専門学生・65歳以上800円:中高生 600円:小学生以下 無料休館日:月曜日(9月21日、10月12日は開館)、9月24日
2015年08月07日日本に留学経験があり、日本語や日本事情に精通したユンさん。36歳の若さで、韓国の国立大学建築学部の教授に就任したエリートで、現在は、韓国の建築学会のために日々奮闘しています。ユーモアたっぷりに、ご自身のキャリアについて語っていただきました。■これまでのキャリアの経緯を教えてください建築分野に進んだ理由は、私が学生だった当時、韓国では国家プロジェクトとして建築学が重要視されていたことがあります。また、幼いころから美術を習っていて、漠然と建築物に興味を持つようになりました。大学卒業後、ソウルの漢陽大学建築学部にて修士課程修了後、1995年より日本の国立T工業大学に留学し、工学博士号を取得しました。当時の研究テーマは、環境共生型の都市を実現するため、「息をする壁体」という建築素材の研究と開発に取り組んでいました。博士号取得後、そのまま同大学の研究室にてリサーチアソシエーターとして勤務。勤務中に、図らずも研究室の日本人の後輩に一目ぼれをし、縁あって国際結婚をしました。結婚後、日本建築研究所で研究員として3年間勤務の後、2005年に韓国の国立大学の建築学部の助教授に就任することになり、10年ぶりに韓国に帰国しました。以来、韓国の建築学会のために日々全力を尽くしています。■現在のお給料について教えてください国家機密…というのは冗談ですが、満足しています(笑)。韓国に来る前も日本でそれなりに貰っていたのですが、当時は円安だったので、退職して韓国に帰国する際には相当損をしてしまいました。■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?やはり、自分の研究が必要とされ、その成果が認められた時が一番うれしいですね。また、自分の教え子達が卒業後に活躍している姿を目にしたり、たまに研究室に訪ねてきてくれるのも楽しみです。■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?仕事自体に不満はありませんが、韓国では仕事絡みで飲み会をすることが多く、お酒があまり飲めない私は、飲み会はいつも大変です。■日本人のイメージは? あるいは理解しがたいところなどありますか?私が日本に留学する直前の1995年3月、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きました。当時の私は「日本とは一体どういう国なんだろう?」と衝撃と不安を抱えたまま日本に渡りました。しかし、いざ大学の研究室に入ってみたら、今まで出会ったこともないような実に個性豊かな面白い仲間たちに出会え、すぐに打ち解けることが出来ました。例えば、私が暮らししていたアパートは1階の部屋だったのですが、夏に窓を開け放して寝ていたら、夜中に仲間たちがこっそりやってきて、部屋にロケット花火を打ち込まれたり(良い子の皆さんは危ないので、絶対に真似しないでくださいね・笑)、今は立場上、公言出来ない事も多いですが、とにかく楽しい思い出がたくさんあります。また、日本はオタクの地位が高いのも自由で良いな、という印象です。オタクっぽい趣味や行動も評価され、一定の地位を得ている。研究室には個性の強い人も多数いましたが、皆それぞれが自分の研究分野に精を出し、認められていたと思います。■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?日韓関係のニュースは、あまり見ないようにしています。日本のスポーツ中継や報道番組、お笑い番組は面白いので、今でもYouTubeなどでチェックして楽しんで見ています。すこし古いですが、私が日本に留学していた頃は、久米宏さんのニュースステーションに衝撃を受けました。韓国にはあのような報道番組はありませんでしたから、「ニュースって、こんなに面白く放送できるものなんだ!」と非常に斬新でした。また、今は日本で活躍している韓国の野球選手の試合はいつも必ずチェックしていますね。特にソフトバンクの李大浩の活躍が気になりますね…って、すみません、全然最近のニュースではないですね。■ちなみに、今日のお昼ごはんは?今日は、出張先の大学でハンバーグ定食を食べました。普段は自分の大学の近くで同僚ととることが多いです。学生街ということもあって、食べるところには困りません。ランチの後は、必ずカフェでカプチーノを一杯飲むのが私の楽しみです。■休日の過ごし方を教えてください比較的、時間の自由の効く職業ではありますが、忙しい時は、土日や時間帯関係なく、韓国各地で会議などの重要な仕事が入ります。しかし、どんなに忙しくても1カ月に一回は、週末に時間をとって家族と過ごすようにしています。どうしても時間が取れない時は、出張先に家族を連れていくこともあります。体を動かすのが好きなので、ジムに通ったり、自然の中でキャンプをして過ごしたり、映画を見に行ったりもしますね。アウトドアは学生時代から好きで、日本でもテント一式を買ってキャンプに行っていました。日本には施設の整った良いキャンプ場がいっぱいあっていいですね。最近では韓国もアトドアブームで、いろんなキャンプ場が整備されてきたので、楽しみです。■将来の仕事や生活の展望は?日本の大学との共同研究を増やして、妻のためにも韓国と日本を行き来できる生活をしたいです。
2015年08月05日5人の建築家で結成されたグループ「家をつくろう会議」は、現代の建築家が共同設計した「サザエさんの家」の模型や、建築家との家づくりの実際を一般の人向けにわかりやすく展示した「家をつくろう展4」を開催する。会期は7月3日~5日 10:00~18:00(初日のみ13:00~)。会場は東京都・文京区の文京シビックセンター内、ギャラリーシビック展示室1B。入場無料。同展の目玉となるのは、「もしもサザエさん一家から家の建て替えを依頼されたら、現代の建築家はどんな家を建てるのか?」をテーマに、5人の建築家が共同設計した「サザエさんの家」の1/20の模型。設計にあたっては、"サザエさんの町"として知られる東京都世田谷区桜新町の街並みを5人のメンバーが視察し、議論を重ねながらひとつの家のプランをつくっていったという。サザエさんの家の象徴である「縁側とちゃぶ台」を現代建築に蘇らせ、ユニークで夢のある家に仕上がっているという。また、会場には土地探しから完成までの家づくりの流れとともに、実際に使われる模型や図面が展示され、建築家と家を作るプロセスが疑似体験できる構成となっている。なお、当日はアンケートに答えると、家をつくろう会議の本「新しい住宅デザイン図鑑」が抽選で30人に進呈されるということだ。なお、「家をつくろう会議」は、石井秀樹、杉浦充、都留理子、長谷部勉、村田淳の5人の建築家が集まって結成されたグループ。イベントなどを通じて、建築家との家づくりの実際とその魅力を伝える広報活動を行っている。
2015年06月30日オートデスクは5月25日、建築業界向けパッケージ「Autodesk Revit Collaboration Suite 2016」を6月1日に発売すると発表した。「Autodesk Revit Collaboration Suite 2016」は建設業界におけるBIMワークフローに対応した設計業務をプロジェクトチームで効率的に運用するためのパッケージとなっており、BIMアプリケーション「Autodesk Revit 2016」、汎用2D/3Dアプリケーション「Autodesk AutoCAD 2016」、クラウドベースのコラボレーションサービス「Autodesk A360 Team」が同梱されている。また、ライセンス体系は使用期間を選択できる「Desktop Subscriptin」で提供される。価格(税別)は1カ月で4万8000円(同社オンラインストアのみの販売)、3カ月で14万3000円、1年で38万2000円、2年で76万4000円、3年で114万6000円となっている。
2015年05月25日斬新すぎる建築の数々を設計してきた建築家・藤本壮介さんの展示「未来の未来」がTOTOギャラリー・間で開催されている。 *** 藤本さんは、393もの応募案が出た青森県立美術館の設計コンペに無名の個人ながら応募。2位を獲得し異例のデビューを飾った。以後、住宅からタワーまでジャンルを問わず制作。今や日本を代表する建築家の一人に。 本展では、数々のプロジェクトから100以上の模型を展示。パッと見て面白いのはもちろん、藤本さんが「未来の種」と呼ぶ、革新的な建築の姿が見えてくるはず。 ◇information TOTOギャラリー・間東京都港区南青山1-24-3TOTO乃木坂ビル3F公開中~6月13日(土)11:00~18:00月曜休TEL:03・3402・1010入場無料 (C)SFA+NLA+OXO+RSI (C)Iwan Baan ※『anan』2015年5月20日号より
2015年05月19日