Text:安広修平Photo:センイチKroiが活動初期より開催している対バンライブ企画“Dig the Deep”が約2年ぶりに開催されている。全国7カ所で行われるが、ここ広島で“Dig the Deep”が開催されるのは初めてのこと。Bialystocksを対バン相手として迎えた広島公演は、会場全体を巻き込むグルーヴ感あふれる、忘れられない夜となった。Kroiにとってこの日は、2度目の広島公演となった。2024年に開催されるKroi初の日本武道館公演が、早々にソールドアウトしたことをみても一目瞭然というべきKroiの勢い。“今このタイミングのKroiを見逃すわけにはいかない”と言わんばかりに多くの人が、広島クラブクアトロには駆けつけていた。定刻が訪れ暗転した瞬間、大歓声に包まれる会場。ステージ上にまず姿を現したのは、Bialystocks。この日は、甫木元空(Vo)、菊池剛(Key)の他に、朝田拓馬(Gt)、Yuki Atori(Ba)、小山田和正(Ds)の3人をサポートメンバーに迎えて5人のバンド編成でプレイ。バンドの成り立ちが、甫木元が監督を務めた映画に、生演奏で音をつける上映会がきっかけというだけあり、どの楽曲も美しい情景を連想させる心地よさを感じる。そんなBialystocksらしさは、1曲目から早速発揮された。登場時の大歓声を優しく受け止めるように、甫木元がゆっくりと頭を下げる。それを合図に「日々の手触り」でスタート。しっとり滑らかなサウンドに、透き通るような甫木元の歌声が混ざり合う。Bialystocksの作り出す音楽の物語の中に1曲目から全員が引き込まれていった。甫木元の歌声は優しさだけでなく、ソウルフルな力強さを感じる瞬間もあるが、5曲目「灯台」のラストパートでの魂のロングトーンには、会場にいる全員が心を震わせ、拳を突き上げた。その後のMCでは、レーベルメイトでもあるKroiに対して、「広島で初めてライブをすることができました。ありがとうございます」と一言。さらに「楽器を置いている倉庫が一緒で、すれ違った時に“こんにちは”と挨拶をしたことがあるというような関係なので、今日でもう一歩踏み込めるよう、いい夜にします」と笑顔で語った。MC明けの「あくびのカーブ」で、楽器隊のテクニカルなセッションを披露。ゴリゴリな低音で攻めるベースに、歌っているようなメロディアスなギター、そこに彩りを加えるキーボード、そして、全体をどっしりと支えるドラム。この熱のこもったプレイに触発され、頭を振りながら観客は音楽にノリ続けていた。会場のボルテージをもう1段階あげると、「幸せのまわり道」「Upon You」と続け、温かいグッドメロディで会場を包み込む。ラストナンバーの「差し色」では、甫木元と菊池のコーラスワークに惚れ惚れする様子の観客も多く、甫木元の言葉通り今日は“いい夜になる”と、全員が確信したはずだ。そして、いよいよKroiがオンステージ。「イエーイ」という観客の大歓声は、一瞬にして大きな笑い声へと変わる。全員の視線の先にいるのは益田英知(Ds)だった。場内のミラーボールよりも大きな輝きを放つ、スパンコールのセットアップにサングラスという、インパクト大の衣装が笑いの原因だった。場内の注目を一身に浴びた益田は、まだまだ止まらない。「みんな、準備はいいわね?」とメンバーに語りかけると、「私が“ちゅ”って言ったら“はーいりこむ♪”で曲がスタートするんだからね?!」と独特の口調で指示を出す。その後も益田劇場は、続く。このやりとりがなんだったのかは、中盤のMCによって明らかになったのだが、どうやら本番前に、楽屋で益田自身が生み出したこのキャラクターに、メンバーがどはまりし、そのまま本番でやってみようという流れになったそうだ。この自由すぎる展開もKroiらしさそのものである。オープングでこの「ちゅ!……ダメ!タイミングが甘い!」のやりとりを、5、6回繰り返した後、内田怜央(Vo&Gt)が笑いながら「コミックバンドはじめます」と一言。その言葉を合図に1曲目「Hyper」の演奏がスタート。先ほどまで、笑いにあふれていたフロアに、ダークでヘヴィなサウンド、ソウルフルなボーカルが一撃をくらわせる。「みなさん調子はいかがですか?」内田の呼び掛けには、全員が準備万端であることは明らなアンサーが返ってくる。「(この熱量の大きさ)めっちゃ、落ち着くなあ!」と笑顔の内田。完璧なスタートを切った後に続けたのは、「Balmy Life」。曲の後半には、ライブならではのアレンジをかまし、フロアの熱はさらに上昇。“This is Kroi”なグルーヴ感を序盤から余すことなく発揮していた。さらに「Network」「HORN」と続け、内田風に言うならば“ぶちぶちに踊りまくって”MCへ。観客からの「まさのりー!」の呼びかけに、「あんまり俺のこと、まさのりって呼ぶ人おらんよ(笑)」と関将典(Ba)が反応するなど、いつも通り全ての声を拾う勢いの自然体なMCで、会場を沸かせる。「今日は楽屋で、1曲目の前と同じことをずっとやってたので、Bialystocksにはひかれていると思います」と報告、笑いを誘った。中盤戦は、前半の“アゲアゲ”な様子とは変わり、Kroiの持つセンスの高さをより味わえる濃厚な時間だった。「Funky GUNSLINGER」や「Never Ending Story」など、千葉大樹(Key)を中心に、大人っぽく、穏やかに体が揺れるムードを演出。内田の渋くソウルフルな歌声によって、そのムードはさらに深まっていった。「Never Ending Story」に酔いしれ、全員がうっとりしながら、ステージを眺めている。すると、内田が急にギターのプレイをストップ。ざわつく観客に対して、「ごめん。まじで、次の曲間違えた。漢字2文字だったから」と一言。この言葉に、他のメンバーも「どうするのかと思ったよ」と笑いながら反応。本来、「帰路」へと続く予定だったのだが、内田が「侵攻」と見間違えたようだ。「帰路がいい!」「侵攻がいい!」とさまざまな声が飛び始めたのを見て、千葉から「わかった!両方やろう!」となんとも太っ腹な提案が飛び出し、急遽セットリストを変更。「侵攻」から「帰路」を続けた。急遽の変更にも関わらず、全く焦りなく、なんなら始めから予定されていたのでは?と思わせるほど、完璧にプレイ。絶対的な演奏力とライブパフォーマンスを持ち合わせるKroiを象徴する場面だったと思う。その後の2回目のMCでは、フロアからの「やばい!やばい!」の大歓声に、「救われるわー!」と内田。お客さんとの距離が非常に近い、広島クラブクアトロの光景にテンションが上がっているという気持ちを、共有した。が、この流れのまま、ライブを締め括りにいかないのがKroiらしいところ。今日は、ライブ中、とにかく益田の衣装の輝きがちらつくとメンバーから、総イジリ。「最後のMCがこんなんで、すいません。ラスト3曲です」の言葉を合図にラストスパート。長谷部悠生(Gt)もステージを広く使い、頭をふり、動き回りながらギタープレイ。Kroiが放った「Small World」「Page」というダンサブルな楽曲で、力余すことなく全員が踊り続けた。5人の作り出す音は、それぞれ非常にテクニカルだが、それ以上にグルーヴ感が強く、音の塊となってフロアに届けられる。だからこそ、こんなにもエネルギーに満ちあふれているのだと改めて実感できた。サプライズ続きの広島公演。本編ラスト1曲にもそれは待っていた。みんなと一緒に歌いたくなったという理由で、最後の曲をチェンジ。内田の「エビバディ!ファンキー!」の叫び声に今日一番の歓声が場内に響く。誰もが激しくジャンプ、コールアンドレスポンスも交え、熱戦となった本編を「Juden」でフィニッシュ。アンコールでは「Fire Brain」を投下。フロアの体力ゼロを狙っているとしか思えない畳み掛けで、“Dig the Deep”広島公演に幕を下ろした。「かっこよすぎた」。終演後、フロアを後にしながら何度この言葉を耳にしただろうか。会場に訪れた誰もがKroiに圧倒され、そしてこれからも信じ続けることを誓った夜になったはずだ。Kroiが作り出すグルーヴ感は、ステージ上にとどまらず、フロア全体へと広がり、そこにいる全員を1つにする。ツアーファイナルのZeep Sapporo、そして2024年の日本武道館と、Kroiが今後もより多くの人の心を奪い、1つにすることは間違いないだろう。<公演情報>Kroi Live Tour "Dig the Deep" Vol.42023年11月19日(日) 広島CLUB QUATTROセットリスト■Bialystocks01.日々の手触り02.雨宿り03.コーラ・バナナ・ミュージック04.Over Now05.灯台06.Nevermore07.あくびのカーブ08.幸せのまわり道09.Upon You10.I Don’t Have a Pen11.差し色■Kroi01.Hyper02.Balmy Life03.Network04.HORN05.Mr. Foundation06.Funky GUNSLINGER07.Never Ending Story08.侵攻09.帰路10.selva11.Small World12.Page13.JudenEN.Fire Brain<ワンマンライブ情報>『Kroi Live at日本武道館』2024年1月20日(土) 日本武道館開場17:00 / 開演18:00チケット情報:()関連リンク公式サイト:
2023年12月05日ポルノグラフィティの新藤晴一が初めて手掛けるオリジナルミュージカル、「a new musical『ヴァグラント』」の会見と稽古披露が8月1日、都内で開催された。会見登壇者は平間壮一、廣野凌大、小南満佑子、山口乃々華、平岡祐太、美弥るりか、プロデュース・原案・作詞・作曲の新藤と脚本・演出の板垣恭一。物語は大正時代を舞台に、“マレビト”と呼ばれる芸能の民である佐之助(平間壮一、廣野凌大のダブルキャスト)が、炭鉱の街で育った幼馴染の政則(水田航生)、譲治(上口耕平)、トキ子(小南満佑子、山口乃々華のダブルキャスト)と遭遇し“ヒト”に興味を持ったことで彼らの運命が交錯していくというもの。新藤晴一自分の言葉と音楽で作品世界を創り出すミュージカルというものに数年来興味を抱いていたという新藤が満を持して初めて手掛けるミュージカルである本作。新藤は「自分は稽古が始まる前に脚本のアイディア出しをし、曲も作り終えていたので、稽古に入ってからは皆さんがどう作り上げているのか体験させてもらっている状態。僕が作った時より全然いい感じで仕上がっているので、この先本番までにさらに煮詰まっていくのが楽しみ」と現在の心情を語る。美弥るりか平間壮一廣野凌大新藤が20曲以上書き下ろしたという音楽については「全曲素敵」(平間)、「新藤さんが本当に一曲一曲に愛を注いでくれて作ってくれた」(廣野)とキャスト陣が語るもので、会見後の稽古披露で歌われたものでもバラエティに富んだ音楽性が伝わってくるものになっていた。楽曲については新藤は「僕の中のミュージカル魂を燃やして書いた曲もあれば、ポルノ魂を燃やして書いた曲もあるし、場面によってはミュージカルのマナーと思って作った曲もある。時代としてはドラムもギターもないが、そこはエンターテインメントなので、一曲一曲を楽しく聴いてもらえるよう全力を尽くした」と話す。小南満佑子山口乃々華また演出の板垣が「通常のミュージカルと同じ作り方をしているのですが、新藤さんの歌詞の世界観は物語をはみでるくらい広いところがあって、直接お客さんにこの歌を歌ってるんじゃないのかと感じ、普通のミュージカルとは違うニュアンスが出てきている」と話したのを受け、新藤は「20数年“ステージと客席”という関係性で音楽をやってきたので、お客さんに向けて言葉を発するというのが染みついている。ミュージカルにこんなにも憧れを抱いているが、20数年培ったものは染みついているし、それを板垣さんに面白く料理していただいたことで僕も新しい発見をし、面白いミュージカルになった」と話した。板垣恭一(手前)と新藤晴一会見終了後に行われた稽古披露では劇中ナンバー4曲が紹介され、平間がその身体能力を活かしのびのびと躍動したり、美弥があでやかに歌い踊ったり、小南、水田、上口が短い時間の中に幼馴染の絆を芝居力でしっかり描き出したりと作品のエッセンスを伝えた。手前から)上口耕平、小南満佑子、水田航生公演は8月19日(土) から31日(木) まで東京・明治座にて上演。その後9月15日(金) から18日(月) には大阪・新歌舞伎座でも上演される。チケットは発売中。<公演情報>a new musical『ヴァグラント』プロデュース・原案・作詞・作曲:新藤晴一(ポルノグラフィティ)脚本・演出:板垣恭一出演:平間壮一・廣野凌大(Wキャスト) / 小南満佑子・山口乃々華(Wキャスト)水田航生上口耕平玉置成実 / 平岡祐太美弥るりか他【東京公演】2023年8月19日(土)~8月31日(木)会場:明治座【大阪公演】2023年9月15日(金)~9月18日(月・祝)会場:新歌舞伎座チケット情報公式サイト
2023年08月03日「a new musical『ヴァグラント』」の会見&稽古見学が1日に行われ、平間壮一、廣野凌大、小南満佑子、山口乃々華、平岡祐太、美弥るりか、新藤晴一(プロデュース・原案・作詞・作曲)、板垣恭一(脚本・演出)が取材に応じた。同作はポルノグラフィティのギタリスト新藤晴一が初めて手掛けるオリジナルミュージカル。大正時代、佐之助(平間壮一/廣野凌大 ※ダブルキャスト)と姉貴分の桃風(美弥るりか)は、”マレビト”と呼ばれる芸能の民で、めでたいことや不吉なことがあった場所に赴き、歌や踊りを披露していた。「ヒト様」と安易に接触することを禁じられているマレビトだが、「ヒトの正体」を知りたい佐之助は炭鉱のムラの幼馴染たちに近づき、それぞれの運命が交錯する。100年前の日本をメタファーに、彷徨う(=ヴァグラント)ものたちを描くオリジナル・ミュージカルとなる。ほか水田航生、上口耕平、玉置成実らが出演する。稽古場では新藤がギターを手掛けたという「オーバーチュア」〜「祝い唄」、「桃風の啖呵売」、「月の裏側」、「ヴァグラント・シンフォニー」の4曲を披露した。初のミュージカルプロデュースとなった進藤はもともとミュージカルが好きで、『メリー・ポピンズ』も今作のきっかけになったという。一方で「日本のオリジナルミュージカルを作る」ことに対しては気負いがないようで、「バンドをやってる人たちを見てかっこいいな、自分もやってみたい。じゃあ仲間とやろうぜとい感覚に近いところでスタートしたので。バンドの時にはメンバーがいたし、今はこういう仲間たちがいて作ってもらったので。最終的にこのミュージカルが日本のオリジナルであることは後付けの話ですし、ただできたらそういう意味合いを持てればいいなとは思います」と語った。演出の板垣は「新藤さんは時間のある限り座ってらして、こんなに楽しそうに関係者が稽古を見てることないだろうなというくらい。たまに踊ってて『出るんですか?』と言われてるんですけど、そういう幸せな、でも異業種というところの融合を楽しんでもらえたら」とアピールする。また板垣は「新藤さんのゆかりのお客さま、ミュージカルを見慣れてない方がいたらと思って、なるべく入りやすいような入り口とか、演出的なちょっとした工夫を入れているつもり」と明かし、「なおかつミュージカルをご覧になっている方については、新藤さんの歌詞のおかげでちょっとだけ普通のミュージカルと違うニュアンスが出てきます」「歌詞の世界観に物語をはみ出るくらい広いものがあって、直接お客さんに歌ってるんじゃないの? というのが多かった」と表す。新藤は「それを板垣さんに言われて、劇なのでキャラクター同士のおしゃべりする時の歌詞を作ったつもりですけど、(自分が)ステージと客席という関係性をやってきたので、お客さんに向けて言葉を発するのが染み付いている」と分析した。好きな曲について聞かれると、平間は「晴一さんの愛情と言いますか。僕たち皆、夢から始まってるのに、いつしか仕事になって好きがどんどん減って行ったりとか『やらなきゃいけないからやってる』のが増えてく中で、晴一さんは舞台を作りたいという子供心というか、いつまでも夢を見続けている方が作っている曲ということが、全曲素敵なんだなと思いました。選べないです」と苦笑。廣野は「新藤さんが本当に一曲一曲に愛を注いで作ってくださってるので、歌ってる側も見てる側も、そこに対して込めた熱って、芝居と一緒で作り込めば作り込むほど伝わる。念みたいなものがあって、それを僕らもキャッチして、イコライザーで増幅して、お客さんが違うイコライザーで変換してやばいってなって、そのお客さんがクチコミで愛が広がって化学変化を起こしていく、今日は化学の授業です!」と意外な方向へ着地。「全部がすごい好きで、僕が好きなのは『お船の煙突』が好きです」と方向を戻していた。また、新藤は稽古を見て「みんながみんな、持てる力を惜しみなく出してる」と感動。「自分の範疇を超えて時間も体力も頭も使う感覚は、演者の人たちもそうだしスタッフの方たちもそうだし、文化祭感がある。(言い方が)いいのか悪いのかわからないけど、ものを作る時に損得じゃなくて面白いものを作ってやろうという感じは、音楽にも必要だし、そういうのがあって面白いものができてるんだなと思って、僕が今稽古場で感動している大きな感動の一つです」と語った。最後には廣野が「僕ら本当に後悔させないので、後悔したら金返すので、来てください! 僕全然ポケットマネーで返すんで、来てください。借金して返すんで、来てください」と熱い言葉でメッセージを送る。しかし「いたずらで『金返せ』はやめてください!」と弱気も見せ、共演者たちを笑わせていた。「a new musical『ヴァグラント』」は、8月19日~31日に東京・明治座、9月15日~18日に大阪・新歌舞伎座にて上演。
2023年08月01日「ポルノグラフィティ」のギタリスト・新藤晴一が、完全オリジナルストーリーで全20曲以上を書き下ろし、ミュージカル制作に初挑戦したa new musical「ヴァグラント」が上演されることになった。本作品は、「ポルノグラフィティ」新藤さんが初めて手掛けるオリジナルミュージカル作品。「ポルノグラフィティ」で楽曲の歌詞の多くを手掛ける新藤さん。その作品世界の構築は楽曲の絶大な人気の要因の1つになっており、自身以外のアーティストへの歌詞提供を手掛けるほか、音楽の枠を超えて小説を2作出版するなど、言葉を使ったクリエイティブの才能が高く評価されている。その新藤さんが、自分の言葉と音楽で作品世界を作り出すミュージカル制作の企画を、2019年秋にスタート。本作の原案を自ら作り始めた。その後、コロナ禍の最中に脚本・演出を手掛ける板垣恭一が合流。1年に及ぶ打ち合わせを重ね、プロットや脚本を練り上げ、さらに本作のために初めてのミュージカル楽曲を20曲以上書き下ろし、全曲の歌詞も担当する。脚本・演出の板垣さんは、ミュージカルやストレートプレイなど幅広いジャンルで多くのプロデュース公演を演出し、「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」で第27回読売演劇大賞優秀作品賞受賞、近年では「魍魎の匣」「October Sky~遠い空の向こうに~」などを手掛けており、新藤さんの作品創作のパートナーとして、演劇とミュージカルの知見を持ってタッグを組んだ。主演には、「ヘアスプレー」「キングアーサー」「RENT」などの話題作に次々と出演し、卓越したダンススキルや歌の実力に加え、役柄が憑依したような演技にも定評がある平間壮一と、Wキャストには舞台「鋼の錬金術師」主演も控え、熱いパワーと圧倒的な求心力で魅了する人気の若手俳優、廣野凌大を抜擢。ヒロインは、「レ・ミゼラブル」オーディションにてコゼット役を射止めたことをきっかけに、様々な舞台で抜群の歌唱力を披露している小南満佑子と、アーティストとしての活動を経て近年はミュージカルにも活躍の場を広げ、今年の話題作「SPY×FAMILY」にも出演が決まっている山口乃々華のWキャスト。加えて、品のある佇まいとコメディからシリアスまでこなす演技力に定評があり、自ら「ポルノグラフィティ」ファンを公言する水田航生、話題のミュージカルに数多く出演し、歌・踊り・芝居と三拍子揃った実力派俳優・上口耕平、パワフルで圧倒的な歌声で、アーティストの顔を持ちながら数々のミュージカルに出演し、妖艶な色気と力強さを併せ持った演技が魅力の玉置成実。映画やドラマを中心に活躍し、映画『魔女の香水』にも出演が決定、テレビ東京系1月クールドラマ「今野敏サスペンス 機捜235×強行犯係 樋口顕」では主人公とバディを組む隊員を演じており、今回親交の深い新藤さんのために8年ぶりの舞台出演となる平岡祐太、元宝塚歌劇団月組スターであり、圧倒的な美貌と人間離れしたスタイルで、退団後も唯一無二の存在感と確かな演技力で観客を魅了する美弥るりかと、人気と実力を兼ね備えた俳優陣が集結する。その歌詞と音楽で世代を問わず人気を集めてきた日本を代表するロックバンドのギタリストがゼロから立ち上げる新しい日本発のオリジナルミュージカル。ストーリーや公演詳細などの続報にも注目だ。新藤晴一とキャスト陣よりコメント到着【プロデュース・原案・作詞・作曲】新藤晴一(ポルノグラフィティ)感情の動きに、言葉と歌詞が重なり合うミュージカル。憧れ続けてきた世界に足を踏み入れることになりました。演出の板垣さんと3年越しで練り続けたストーリーに、自分の楽曲たちが演者の皆さんによって舞台で表現される日を僕が一番待ち遠しく思っています。流浪の民「マレビト」と、彼らに関わる人々が自分の進むべき道を探す姿をぜひお楽しみ下さい。平間壮一いまからどんな舞台になるのかが楽しみです。0から何かを生み出す事は本当に大変な事だなと思ってます。0から生まれたヴァグラント晴一さん、板垣さん、作っていく段階で関わって来た方達の想いも感じながら稽古をして大事に演じられたらなと思ってます!劇場でお待ちしております!廣野凌大この度この錚々たるキャストの皆様の中で、魂を燃やせることをとても光栄に思います。と同時にお声をかけていただいた意味をしっかりと自分の中に落とし込み、役と、作品と向き合いたいと思います。まだ見ぬ素敵な作品が、皆様に届きますよう、役を努めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。小南満佑子新藤さんがお作りになる音楽の世界観と共に、この作品の一員になれることを大変光栄に思います。私自身、今までにはない新たな挑戦が沢山待っていると思いますので、とても楽しみです。素敵なキャストの皆様、スタッフの皆様とエンターテイメント業界に新たな風を吹かせる作品を創り上げていけるよう、精一杯努めさせて頂きます。「ヴァグラント」是非ご期待下さい!山口乃々華山口乃々華です。このような素敵なプロジェクトの仲間に入れていただき、とても嬉しく、ありがたく思っております。新藤さん、板垣さん、そして素敵なキャストの皆様方とお稽古できる日々に今から緊張していますが、たくさん学びながら、一生懸命、役を努めたいと思っています。よろしくお願いいたします。水田航生前々から晴一さんが作る楽曲が、世界観が大好きでした。はい、そうです。ファンです。前々から晴一さんが演劇に足を運んでくださっている事を存じ上げていました。演劇に携わる人間として本当に嬉しく、いつの日か、、と願っておりました。そして今。晴一さんが創り上げる演劇に出演する事に。前々からの水田なら喜び、乱舞するだけでしたが、今は「a new musical」を共に創る一員として身が引き締まる想いです。最高の演劇体験を!お楽しみに!上口耕平新たなスタイルのミュージカルが生まれる瞬間に立ち会うことができる喜びで胸がいっぱいです。そして、僕自身新たな出会いに溢れる今作。新鮮な世界で生きる日々が待ち遠しいです。そして何より、このスペシャルな作品を皆様にお届けするその日を心から楽しみにしています。ご期待下さい!玉置成実今回ヴァグラントに参加させていただけること、とても光栄に思っています。新藤晴一さんが初めて手掛けられるオリジナルミュージカルという事で、ずっと新藤さんの楽曲を聴いて育った私には夢のようで…どのような作品になるのか胸が高鳴ります!そして板垣恭一さんの脚本・演出で出演させていただける事、初めてご一緒するキャストの方が多いので、お芝居できるのを今からとても楽しみにしています。精一杯頑張ります!!平岡祐太永遠の兄貴、晴一さんと出会って17年くらい経つでしょうか。まさか、その晴一さん企画のミュージカルに出演する事になるとは!楽しみでしかありません。ポルノグラフィティのLIVEではいつも圧倒的な世界観に引き込まれている身ですが、今度は、晴一さんの描く物語の登場人物の一人として感動をお届けできるよう稽古に励みたいと思います!美弥るりか実は宝塚の頃から、ポルノグラフィティさんにはご縁があって、歌ったり踊ったりさせて頂いていたので、出演オファーを受けた時、晴一さんがプロデュースされる舞台と聞いて「きっと今までにないカッコいいものになるだろうな」と直感で感じました。これから、皆さんと一緒に新たな作品を創り上げていける事に、今からワクワクしています。是非、皆様も期待して劇場までお越しください。a new musical「ヴァグラント」【東京公演】は8月、明治座にて、【大阪公演】は9月、新歌舞伎座にて上演。(text:cinemacafe.net)
2023年01月23日ポルノグラフィティのギタリスト・新藤晴一プロデュースによるオリジナルミュージカル『ヴァグラント』が、8月に明治座、9月に新歌舞伎座で上演されることが決定した。新藤はポルノグラフィティの楽曲の歌詞を多く手がけているほか、音楽の枠を超えて小説を2作出版するなど、言葉を使ったクリエイティブの才能が高く評価されている。その新藤が、自分の言葉と音楽で作品世界を作り出すミュージカル制作に数年来大きな興味を持っていたとのことで、2019年秋に企画がスタート。この作品の原案を自ら作り始めた。その後コロナ禍の最中に、脚本・演出を手がける板垣恭一が合流。1年におよぶ打ち合わせを重ね、プロットや脚本を練り上げた。さらに、新藤は本作のために初めてのミュージカル楽曲を20曲以上書き下ろしており、全曲の歌詞も担当する。主演を務めるのは、『ヘアスプレー』『キングアーサー』『RENT』などの話題作に次々と出演している平間壮一と、舞台『鋼の錬金術師』の主演も控える廣野凌大。ヒロインは、『レ・ミゼラブル』のコゼット役などで知られる小南満佑子と、話題作『SPY×FAMILY』にも出演が決まっている山口乃々華がWキャストで務める。その他、自らポルノグラフィティファンを公言する水田航生や上口耕平、玉置成実、親交の深い新藤のために8年ぶりの舞台出演となる平岡祐太、元宝塚歌劇団月組スターの美弥るりかといった俳優陣が名を連ねている。■プロデュース・原案・作詞・作曲:新藤晴一(ポルノグラフィティ) コメント感情の動きに、言葉と歌詞が重なり合うミュージカル。憧れ続けてきた世界に足を踏み入れることになりました。演出の板垣さんと3年越しで練り続けたストーリーに、自分の楽曲たちが演者の皆さんによって舞台で表現される日を僕が一番待ち遠しく思っています。流浪の民「マレビト」と、彼らに関わる人々が自分の進むべき道を探す姿をぜひお楽しみ下さい。■平間壮一 コメントいまからどんな舞台になるのかが楽しみです。0から何かを生み出す事は本当に大変な事だなと思ってます。0から生まれたヴァグラント晴一さん、板垣さん、作っていく段階で関わって来た方達の想いも感じながら稽古をして大事に演じられたらなと思ってます!劇場でお待ちしております!■廣野凌大 コメントこの度この錚々たるキャストの皆様の中で、魂を燃やせることをとても光栄に思います。と同時にお声をかけていただいた意味をしっかりと自分の中に落とし込み、役と、作品と向き合いたいと思います。まだ見ぬ素敵な作品が、皆様に届きますよう、役を努めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。■小南満佑子 コメント新藤さんがお作りになる音楽の世界観と共に、この作品の一員になれることを大変光栄に思います。私自身、今までにはない新たな挑戦が沢山待っていると思いますので、とても楽しみです。素敵なキャストの皆様、スタッフの皆様とエンターテイメント業界に新たな風を吹かせる作品を創り上げていけるよう、精一杯努めさせて頂きます。『ヴァグラント』是非ご期待下さい!■山口乃々華 コメント山口乃々華です。このような素敵なプロジェクトの仲間に入れていただき、とても嬉しく、ありがたく思っております。新藤さん、板垣さん、そして素敵なキャストの皆様方とお稽古できる日々に今から緊張していますが、たくさん学びながら、一生懸命、役を努めたいと思っています。よろしくお願いいたします。■水田航生 コメント前々から晴一さんが作る楽曲が、世界観が大好きでした。はい、そうです。ファンです。前々から晴一さんが演劇に足を運んでくださっている事を存じ上げていました。演劇に携わる人間として本当に嬉しく、いつの日か、、と願っておりました。そして今。晴一さんが創り上げる演劇に出演する事に。前々からの水田なら喜び、乱舞するだけでしたが、今は「a new musical」を共に創る一員として身が引き締まる想いです。最高の演劇体験を!お楽しみに!■上口耕平 コメント新たなスタイルのミュージカルが生まれる瞬間に立ち会うことができる喜びで胸がいっぱいです。そして、僕自身新たな出会いに溢れる今作。新鮮な世界で生きる日々が待ち遠しいです。そして何より、このスペシャルな作品を皆様にお届けするその日を心から楽しみにしています。ご期待下さい!■玉置成実 コメント今回ヴァグラントに参加させていただけること、とても光栄に思っています。新藤晴一さんが初めて手掛けられるオリジナルミュージカルという事で、ずっと新藤さんの楽曲を聴いて育った私には夢のようで……どのような作品になるのか胸が高鳴ります!そして板垣恭一さんの脚本・演出で出演させていただける事、初めてご一緒するキャストの方が多いので、お芝居できるのを今からとても楽しみにしています。精一杯頑張ります!!■平岡祐太 コメント永遠の兄貴、晴一さんと出会って17年くらい経つでしょうか。まさか、その晴一さん企画のミュージカルに出演する事になるとは!楽しみでしかありません。ポルノグラフィティのLIVEではいつも圧倒的な世界観に引き込まれている身ですが、今度は、晴一さんの描く物語の登場人物の一人として感動をお届けできるよう稽古に励みたいと思います!■美弥るりか コメント実は宝塚の頃から、ポルノグラフィティさんにはご縁があって、歌ったり踊ったりさせて頂いていたので、出演オファーを受けた時、晴一さんがプロデュースされる舞台と聞いて「きっと今までにないカッコいいものになるだろうな」と直感で感じました。これから、皆さんと一緒に新たな作品を創り上げていける事に、今からワクワクしています。是非、皆様も期待して劇場までお越しください。<公演情報>a new musical『ヴァグラント』東京公演:2023年8月:明治座大阪公演:新歌舞伎座プロデュース・原案・作詞・作曲:新藤晴一(ポルノグラフィティ)脚本・演出:板垣恭一出演:平間壮一・廣野凌大/小南満佑子・山口乃々華水田航生上口耕平玉置成実/平岡祐太美弥るりかほか関連リンク公式HP:公式Twitter:
2023年01月23日織田裕二主演のWOWOWドラマ「監査役 野崎修平」の続編「頭取 野崎修平」の放送が決定。松嶋菜々子も続投するほか、新キャストとして小澤征悦と風間俊介の出演も決定した。おおぞら銀行国有化から3年。未だ再生の兆しが見えない中、かつて監査役として厳正な態度で銀行の闇を晒した野崎修平が、同行の頭取に就任。野崎はこの間、産業再生機構で多くの企業再生に携わってきており、その才覚を買われての異例の抜擢だった。成果主義やリストラで士気を失った行員たちの自信と誇りを取り戻し、社会に貢献できる理想的な銀行づくりを目指して常務の立川祥子や融資部の石原俊之らとともに改革に乗り出す。そんな矢先、元エリート官僚で京極元頭取の息子・京極春樹が取締役として就任。春樹は父親が築き上げた頭取の座を奪い返そうと、祥子と共に野崎を失脚させるため様々な策略を企てる――。原作:周良貨、漫画:能田茂による経済漫画「頭取 野崎修平」を原作に描く本作。主演の織田さん演じるかつての監査役野崎が、今回荒廃したおおぞら銀行を救うべく“頭取”としてカムバック!社会に貢献できる理想的な銀行づくりを目指して改革に乗り出す。続編制作について織田さんは「真にお客様の役に立つ銀行を創りたいという彼の前に、次から次へと起こる問題。野崎修平はどんな答えを出すのか…。素敵なキャスト達が演じる様々な人の生き方を、新たなキャストも加わり、前作に引き続き信頼するスタッフと共にお届します。ご期待ください」とメッセージを寄せている。また、松嶋さんは野崎が去った後のおおぞら銀行を常務として支えていた立川祥子役で続投。松嶋さんは「立川祥子は、前作の支店長から役員へと出世するも、剛毅果敢な性格でさらなる上を目指すタフな女性です。今作では、織田裕二さん演じる野崎修平がおおぞら銀行に戻り、おおぞら銀行の在り方を巡り正面からぶつかりあいます」と明かし、「当時、男社会だった銀行業界の中で、少しも怯まず、したたかさ、強さ、潔さを持つ彼女の存在感を大事に演じたいと思います」と意気込んでいる。そして今回新キャストとして、前作で野崎の前に大きく立ちはだかった京極元頭取(古谷一行)の息子で取締役の京極春樹役を小澤さん。おおぞら銀行融資部に務める石原俊之役を風間さんが演じる。財務省主計局のエリート官僚だったが、自ら望んでア メリカの銀行に転職後、おおぞら銀行に役員として入り、頭取の座を奪い返すため祥子と共に野崎と対立していく京極役の小澤さんは「織田裕二さんと初めて共演させてもらえるという事で、とても嬉しかったですし、また興奮もしました。脚本もとても良く書かれていて、自分が演じさせてもらう京極春樹と織田さん演じられる野崎修平の対立関係が回を増すごとに大きくなっていき、とてもやりがいがあると感じました」と増していく対立が本作の見どころの一つとなっている様子。最初は野崎を良く思っていなかったが、後に考えが変わり、銀行再生の一役を担う石原役の風間さんは「素晴らしい作品の続編に、参加させて頂けることになり、興奮しています。好きな作品だからこそ、背筋を伸ばし、気を引き締め、現場を楽しみたいと思います」と気合十分に語っている。ほかにも新キャストには、おおぞら銀行が取引する日雲商事の戦略室・音川真由美役に泉里香、頭取秘書・富永真役に「Snow Man」渡辺翔太、金融庁の主席検査官・紅梅勇治郎役に野間口徹、日雲商事の取締役・塩田正康役に相島一之、日雲商事の戦略室室長・村上哲也役に宮川一朗太らが新風を吹き込む。そして前作に引き続き、元おおぞら銀行員で企業のリスクマネジメントをする会社を起業したIRM社長・武田真吾役の岸谷五朗、元頭取・京極雅彦役の古谷一行、総会屋の東都政策研究室総帥・海藤義己役の宇梶剛士、野崎を慕う秘書・吉野美保役の瀧本美織、藤岡長沼支店調査役・坂本正義役の駿河太郎、法人営業部長・西條進役の三浦誠己、経営コンサルタント・沖田浩二役の小林且弥、毎朝新聞記者・柏木竜馬役の小市慢太郎、野崎の妻・志穂役の西田尚美らが続投する。連続ドラマW「頭取 野崎修平」は2020年1月19日より毎週日曜日22時~WOWOWプライムにて放送。(全5話/第1話無料放送)(cinemacafe.net)
2019年10月31日織田裕二が強い正義感と厚い人情で銀行の不正と戦う銀行員・野崎修平を演じた『連続ドラマW 監査役 野崎修平』の続編、『連続ドラマW 頭取 野崎修平』が、2020年1月19日(日)夜10時からWOWOWで(全5話・第1話無料)放送することが決定。この度、小澤征悦、風間俊介ほか新キャストが明らかになった原作・周良貨、漫画・能田茂による同名経済漫画をドラマ化。前作は、経営悪化したおおぞら銀行の頭取に再任した野崎が、頭取の座を狙う役員たちから失脚を企てられる中、銀行を再生させようと自分の正義を信じて奮闘するという内容だった。本作では、織田が演じる野崎が、荒廃したおおぞら銀行を救うべく“頭取”としてカムバックを果たし、社会に貢献できる理想的な銀行づくりを目指して改革に乗り出す。野崎が去った後、おおぞら銀行を常務として支えていた立川祥子役は、前作に引き続き松嶋菜々子が演じる。小澤が演じる、新キャラクターの京極春樹は、京極元頭取の息子で取締役。財務省主計局のエリート官僚だったが、自ら望んでアメリカの銀行に転職。その後、おおぞら銀行に役員として入り、頭取の座を奪い返すため祥子とともに野崎と対立していく。風間が演じるのは、おおぞら銀行融資部に務める石原俊之役。 石原は頭取として戻ってきた野崎の事を良く思っていなかったが、野崎から託されたミッションを遂行していくうちに考えが変わり、銀行再生の一役を担う。このふたり以外にも新キャストとして、おおぞら銀行が取引する日雲商事の戦略室・音川真由美役を泉里香、頭取秘書の富永真役を渡辺翔太(Snow Man/ジャニーズJr.)、金融庁の主席検査官・紅梅勇治郎役を野間口徹、日雲商事の取締役・塩田正康役を相島一之、日雲商事の戦略室室長・村上哲也役の宮川一朗太らの出演も決定した。また、前作に引き続き、元おおぞら銀行員で企業のリスクマネジメントをする会社を起業したIRMの社長・武田真吾役を岸谷五朗、元頭取・京極雅彦役を古谷一行、野崎との対決に敗れて収監されている総会屋の東都政策研究室総帥・海藤義己役を宇梶剛士、野崎を慕う秘書・吉野美保役を瀧本美織、藤岡長沼支店調査役・坂本正義役を駿河太郎、野崎を敵視する法人営業部長・西條進役を三浦誠己、経営コンサルタント・沖田浩二役を小林且弥、毎朝新聞記者・柏木竜馬役を小市慢太郎、野崎の妻・志穂役の西田尚美ら、豪華な出演陣が続投する。WOWOW『連続ドラマW 頭取 野崎修平』2020年1月19日(日)夜10時から(全5話・第1話無料放送)
2019年10月31日原作・周良貨、漫画・能田茂による大手銀行の監査役が活躍する経済漫画を、織田裕二主演でドラマ化する連続ドラマW「監査役 野崎修平」。この度、ユースケ・サンタマリア、瀧本美織、 駿河太郎、光石研ら追加キャストが発表された。■あらすじおおぞら銀行地蔵通り支店長である野崎修平(織田裕二)は、正義感と人情味あるその人柄から行員や街の人々に好かれているものの、出世コースとは程遠い行員生活を送っていた。そんなある日、支店が閉鎖されることになると知らされる。出向を覚悟していた野崎のもとに人事異動の辞令が下る。その異動内容はなんと役員昇進である監査役への就任であった。監査役になった野崎は銀行内での不正を目の当たりにし、この銀行を変えると決意する。そして銀行が抱える「究極の闇」にたどり着く。そこには、現おおぞら銀行頭取・京極雅彦(古谷一行)の影が。野崎に対抗すべく、京極が出向先から呼び戻した剛腕の行員・武田真吾(岸谷五朗)や、おおぞら銀行初の女性役員を目指す立川祥子 (松嶋菜々子)も加わり、銀行内で熾烈な戦いが繰り広げられる。やがて物語は銀行内にとどまらず、魑魅魍魎うごめく政界へも発展する。果たして、新任監査役・野崎修平は この巨大な闇に立ち向かうことができるのか?野崎の戦いが、いま始まる…。■織田裕二、ユースケ・サンタマリアとの共演に「助けられました」織田さんが銀行の“悪”を暴いていく監査役・野崎修平を演じるほか、彼に接触を図り出世への足掛かりを掴もうと目論む立川祥子を松嶋菜々子。専務・武田真吾を岸谷五朗、頭取・京極雅彦を古谷一行が演じることがすでに決定しているが、このほど新たに追加キャストが発表。ユースケ・サンタマリアが演じるのは、野崎のかつての部下で、現在は上司となる阿部龍平役。織田さんとの共演も出演を決めた一つの大きな理由だと語るユースケさんは、「『踊る大捜査線』シリーズとは全く違う物語ですが、今回の阿部役も『踊る』の真下と同じく、織田さんの後輩だけど、出世して役職的に彼を追い抜いて行くという構造で、当時を彷彿とさせる役柄なんですよね。織田さんとしっかりとお芝居ができることが、出させていただく大きな理由です」とコメント。一方織田さんは、「ユースケと『踊る大捜査線』の青島と真下という役以外で一緒にやるのは『ロケットボーイ』以来なので、久しぶりです。彼が屈折した役を見るのは初めてなので、『こんな表情をするんだ』と驚きながら演じています」とユースケさんとの共演は新鮮だと語る。また「人が良くて裏切れなさそうなユースケが阿部を演じるのは面白いですね。撮影の序盤で気心が知れたユースケと演じられたのは助けられました。2人で面白いシーンができればと思います」とコメント。これを受けて、「そう思って頂けるのは嬉しいです。僕もそういう気持ちはあります」とユースケさん。今作は『踊る大捜査線』とは違い、2人だけの芝居が多いそう。「『ユースケ成長してないな』と思われたくないので、クランクイン前は緊張しましたが、織田さんとの1シーン目を撮ってからは、緊張が一気に吹き飛びました。かなり長い期間、一つの作品に一緒に携わっていたので、携わっていた人間にしかわからない連帯感があり安心感というのはありますね」とふり返った。ドラマの見どころについては、「僕が演じる阿部は野崎さんの後輩だけど、先輩の彼より出世しているという『踊る』を彷彿とさせるスパイスとして見てもらえたらと思います。そんな僕と織田さんのシリアスながらも丁々発止のやり取りがある、粋な芝居も楽しんでいただければと思います」と話している。またユースケさんのほかにも、瀧本美織、駿河太郎、小林且弥、三浦誠己、利重剛、松尾諭、小市慢太郎、本田博太郎、勝部演之、田島令子、山本圭、甲本雅裕、西田尚美、宇梶剛士、光石研の出演が決定した。■俳優・織田裕二をこの機会に堪能!そして今作の放送にあわせて、「『連続ドラマW 監査役 野崎 修平』放送記念!俳優 織田裕二」と題して、1月14日(日)より織田裕二出演映画特集の放送&配信が決定。『踊る大捜査線』シリーズをはじめ、吉田羊と共演した『ボクの妻と結婚してください。』など9作品がラインナップ。◆「連続ドラマW 監査役 野崎修平」放送記念!俳優 織田裕二放送日程:1月14日(日)~18日(木)特集ラインナップ:『踊る大捜査線 THE MOVIE』『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』『県庁の星』『T.R.Y. トライ』『エンジェル 僕の歌は君の歌』『ボクの妻と結婚してください。』(WOWOWシネマにて放送)「連続ドラマW 株価暴落」(WOWOWメンバーズオンデマンドにて配信中)連続ドラマW「監査役 野崎修平」は2018年1月14日(日)より毎週日曜日22時~WOWOWプライムにて放送(全8話)。※第1話無料放送(cinemacafe.net)
2017年11月17日大手銀行の“監査役”が活躍する、原作・周良貨、漫画・能田茂による経済漫画「監査役 野崎修平」が、WOWOW連続ドラマW枠にて来年1月14日(日)よりドラマ化されることが決定。2014年10月放送の池井戸潤原作ドラマ「連続ドラマW 株価暴落」以来、WOWOWオリジナルドラマ2度目の出演となる織田裕二を主演に迎え、銀行の不正を徹底究明すべく行内の抵抗勢力に戦いを挑む、ひとりの銀行員の活躍を描く。おおぞら銀行地蔵通り支店長である野崎修平(織田裕二)は、正義感と人情味あるその人柄から行員や街の人々に好かれているものの、出世コースとは程遠い行員生活を送っていた。そんなある日、支店が閉鎖されることになると知らされる。出向を覚悟していた野崎のもとに人事異動の辞令が下る。その異動内容はなんと役員昇進である監査役への就任であった。監査役になった野崎は銀行内での不正を目の当たりにし、この銀行を変えると決意する。そして銀行が抱える「究極の闇」にたどり着く。そこには、現おおぞら銀行頭取・京極雅彦(古谷一行)の影が…。野崎に対抗すべく、京極が出向先から呼び戻した剛腕の行員・武田真吾(岸谷五朗)も加わり、銀行内で熾烈な戦いが繰り広げられる。やがて物語は銀行内にとどまらず、魑魅魍魎うごめく政界へも発展する。果たして、新任監査役・野崎修平は この巨大な闇に立ち向かうことができるのか?野崎の戦いが、いま始まる…。本作の舞台は、バブル経済が崩壊し金融当局が従来の政策を大転換させる“金融ビッグバン”に銀行業界が直面した1990年代末。当時の日本社会では、不良債権をひた隠す銀行、汚職に手を染めてでも権力を欲する政治家、株主総会にのさばる総会屋が幅を利かせ、まさに金と権力が渦巻いていた。ドラマは、そんな時代においても正義を貫くため奮闘するひとりの銀行員・野崎修平の活躍を描く痛快作だ。脚本は「連続ドラマW 沈まぬ太陽」「連続ドラマW アキラとあきら」の前川洋一、監督は「連続ドラマW 楽園」の権野元が担当する。「株価暴落」で組織の論理に染まらず、自らの信念に忠実に突き進むバンカーを好演した織田さんが、本作では、持ち前の熱い正義感と人情、そして冷静な判断力で銀行の“悪”を暴いていく主人公・野崎を演じる。今回の出演決定に、織田さんは「『株価暴落』のときにプロデューサーと『また一緒にやれたらいいですね』と話していたので、本当に実現して嬉しいです」と語り、役柄について、「誠実で正義感溢れる真面目なキャラクターで、演じるのはとても難しいと感じています。監査役はこれまでのドラマでは見た事のない役どころです。コンプライアンスが重視される現在を先取りした原作だと感じており、やりがいがあります。20年前はいまと比べて、良くも悪くも人間臭さが色濃く出ている時代なので、その雰囲気を出せたらいいなと思っています」とコメント。そして、「僕が演じる野崎修平は不条理と戦う男です。でも彼は市井に生きる普通の男です。その男が勇気を出して行動することによって、周囲のひとりひとりを変え、やがて大きな組織すらも変えられる力になる。というメッセージがこのドラマの一番の見どころです。個性豊かな登場人物も多く、各話で大変なイベントがあり、僕も覚悟して演じています。ぜひ楽しみにしてもらえればと思います」と呼びかけた。また共演は、織田さんとは本作が初共演となる岸谷五朗と古谷一行。岸谷さんは、おおぞら銀行の関連会社・おおぞら興産社長から、おおぞら銀行頭取・京極により専務として呼び戻された豪腕実力者・武田真吾を、古谷さんは穏やかな外見とは裏腹でその実は冷徹な策士、政治家とも近く、権力を意のままに操る頭取・京極雅彦を演じる。それぞれが思惑を抱えながら対峙する、3人の演技合戦にも注目だ。「とても魅力的な作品に出会えた」と本作との出会いに感謝していると語る岸谷さんは、「織田さんは長年真摯に作品と向き合い難しい作品をクリアーしてきた俳優です。主人公の真っ直ぐさと織田さんの作品への取り組み情熱などがリンクするような気がして、楽しみにしております」とコメント。古谷さんも自身の役柄について「やり甲斐のある役」と語り、織田さんとの初共演について「すごく楽しみにしております」と期待を寄せている。また、ドラマ化決定のニュースとあわせて本作の特報映像も解禁!さらに、原作の「監査役野崎修平」の連載が終了してから14年の年月を経て、「グランドジャンプPREMIUM」10月25日(水)発売号にて「新・監査役野崎修平」として、新連載をスタートすることが明らかとなった。連続ドラマW「監査役 野崎修平」は2018年1月14日(日)22時よりWOWOWにて放送(全8話)。※第1話無料放送(cinemacafe.net)
2017年10月08日タレントの新藤まなみがこのほど、東京・新宿の福家書店新宿サブナード店で最新DVD『まなみごと』(発売中 ブルーレイ:5,184円税込 DVD:4,104円税込 発売元:イーネット・フロンティア)の発売記念イベントを行った。高校在学中からモデルとして活躍した後、"太田希望"の芸名でTBS系『王様のブランチ』の元ブランチリポーターとして人気を博した新藤まなみ。同DVDでは、今年5月にタイでロケが行われ、キュートなルックスと均整のとれたパーフェクトボディーを過激な衣装や水着姿を披露している。黄色のワンピース姿で報道陣の取材に応じた新藤は「自分でも見たことのない自分がたくさんいて、不思議な気持ちです」と初めてのDVDに驚きを隠せない様子だったが、「今回のDVDが初めてですので、決まった設定というより『自分らしく自由に』と言われましたので、私のイメージが詰まった内容となっています」と作品を紹介。お気に入りを「茶色のワンピース水着です。すごく特別な感じがして、一緒にいるとワクワクするシチュエーションだと思います」とあげながら、セクシーなシーンを「ワイシャツを着てネガネを掛けた秘書風な衣装から脱いでいく流れとか、自分で見ていてもセクシーだと思います。プールでのシーンでも洋服からテンションがあがって脱いでいくんですが、結構ギリギリまで脱いでいるのでぜひご覧になってください」とアピールしていた。改名後初めてのイベントを行った新藤。「改名してから初めての場所でたくさんの報道陣の方がいて緊張しますが、注目していただいていると思いますので、皆さんの期待を裏切らないように頑張りたいと思います」と目を輝かせ、グラビアに対しても「求められる限りはやりたいですね」と意欲。今後の具体的な仕事としては「海外でのお仕事が決まっているので、語学とかのスキルをあげていきたいですね」と明かしながら、「お芝居がすごく好きなので、そちらの方に行きたいと思っています」と熱く語っていた。新藤まなみ(しんどう まなみ)1992年7月25日生まれ。東京都出身。A型。身長160cm。スリーサイズはB86・W57・H76。高校在籍時からモデルとして活躍した後、"太田希望"の芸名でTBS系の情報番組『王様のブランチ』のブランチリポーター、アイドルグループ『放課後プリンセス』の候補生として活躍。一時期芸能活動を休止していたが、現在の芸名に改名して芸能界に復帰した。特技はボウリング、中国語。趣味は釣り、ゲーム、美容研究、料理。
2017年08月08日7月29日、喜多修平が渋谷eggmanにて自身の誕生日を記念したライブイベント「喜多修平Birthday Party 2012 ~SHU HEY HEY♪~」を開催した。ライブが始まると、喜多は浴衣姿で登場。夏ならではの演出に客席からは黄色い歓声が飛んでいた。演奏は喜多のライブではお馴染みの「ながじぃ」こと長澤孝志とのアコギ弾き語りスタイルで行われ、『Flying High Again~ユメノキセキ~』『世界の果てに君がいても』『STORIES』など、普段のライブとは曲の雰囲気がまた違って聴こえる所も今回のライブの見所の一つであった。MCでは完璧な歌声を聴かせてくれるライブとは正反対の、ちょっと天然でシャイないつもの「きたぽん」がお目見え。自身がオタクになるきっかけになったアニメの話や、「いつもはコミュ障ぎみの自分だけど、音楽を通せばこんな風にみんなと気持ちを共有できる」と自身が歌手である事の意義を笑いを交えて語ってくれた。『Starlight Rhapsody』『REMEMBER 16』『あたりまえのような奇跡』『この手で抱きとめるから』『君の手 僕の手』では客席からペンライトや手拍子、そして一緒に歌ったりなど、詰め掛けたファンも喜多の誕生日を祝うように呼応していた。歌いだしの歌詞を噛んでしまうなど、きたぽんらしさも垣間見せながら『世界で一番恋してる』『Secret Garden』『夢光年』といった楽曲で、前半のアコギライブは終了。後半は喜多が用意したプレゼントを賭けての、観客参加型ビンゴ大会が開かれた。これは、事前に配られた紙の中に曲名が40個が記載してあり、それを白紙のマスの中に来場者が自由に配置し、喜多が歌った曲でビンゴを狙うという、ファンにとってはたまらない企画であった。歌った楽曲は剣勇伝説YAIBAの『勇気があれば』といった懐かしいアニソンから鋼の錬金術師の『メリッサ』といった最近の曲まで。昔のアニソンでは観客から「知らない」という声が飛び、喜多が落ち込むというジェネレーションギャップを感じさせる微笑ましい場面も。また、大阪市消防局のテーマソングで、音源化されていない『未来から来た戦士~セイバーミライ~』『Let’s Go! ミライ』も歌うなど、貴重な楽曲の披露もあった。ビンゴした観客には喜多の私物のスピーカーやタンバリン、2ショット撮影やデュエット権などがプレゼントされ、当選者は皆喜びの表情を見せていた。また、ビンゴの終盤では美郷あきがケーキを持ってサプライズで登場。1000分の1スケールの宇宙戦艦ヤマト模型をプレゼントされ、喜多が感激するといった一幕も。イベント最後は喜多の弾き語りによる『一斉の声』。サビでは客席一丸となって曲を歌い上げ、3時間のライブが幕を閉じた。ビンゴが当たらなかった人にも、出口で喜多本人が直接プレゼントを渡すなど、最後までアットホームで、喜多本人がファンを大切にしているのが良く伝わるイベントだった。
2012年08月17日映画監督、脚本家の新藤兼人氏が5月29日に亡くなった。映画監督として数々の名作を残しているけれど、脚本にも注目作品が多い。その新藤氏が関わった鉄道映画の名作が、1960年公開『大いなる旅路』だ。監督は関川秀雄氏で、新藤氏は脚本を手がけた。主演の三國連太郎は国鉄機関士の青年から壮年までの30年を演じきった。実際に起きた鉄道事故が制作のきっかけで、全編を通じて鉄道機関士の真摯な生き方を描く作品であると評価され、当時の国鉄の協力を得た。大正末期。主人公の岩見浩造(三國連太郎)は蒸気機関車の助手(窯焚き)だ。同期で親友の佐久間太吉(加藤嘉)は、東京鉄道教習所の試験に合格しエリートコースへ。しかし浩造は不合格となり、ふてくされて仕事に身が入らない。そんな浩造を諭す先輩機関士、橋下(河野秋武)と乗務した貨物列車が、雪崩を避けきれず脱線転覆する。浩造は助かったが、橋下は「事故を知らせろ」と言い残して死ぬ。現場に復帰した浩造は、新婚の妻(風見章子)と通り過ぎる列車を眺め、「列車を守る人がいるから乗る人が安心して眠っていられる。俺達は一番大事なものを預けられていた」と決意を新たにする。生まれ変わった浩造は、堅実に仕事を続ける。次男が生まれる頃には機関士に昇格。3男1女に恵まれた。だが長男は徴兵され、後に戦死してしまう。次男は父の思いを受け継ぎ、東京鉄道教習所に合格。浩造の運転する列車で東京へ。三男は予科練に志願した。戦後を迎えて社会が落ち着くと、今度は長女が自由恋愛になびいて去ってしまう。「みんな出ていってしまって、育てた甲斐がない」と嘆く妻に、「子供なんて、みんなそんなもんだよ」と浩造は諭す。戦後も浩造は機関士として働く。その間、次男は佐久間の娘と結婚、その一方で三男の死など、喜びや悲しみが積もりゆく。そんな中、浩造の働きが認められ、国鉄本社で表彰されることに。功績章を胸に付けた浩造と妻は、次男が運転する「こだま」に乗り、旅を続ける……。機関士という仕事に向き合ってきた主人公と家族のドラマ。脱線事故のほかに大きな山場もなく、ミステリーのようなトリックも、大仕掛けで盛り上がる場面もない。しかし、ラストシーンでは人生の重み、家族の絆などさまざまな思いが蘇り、感動の波がわき上がる。映画製作のきっかけとなった事故は1944(昭和19)年、山田線で起きた。機関車が雪崩で崩れた鉄橋にさしかかり転落。28歳の加藤岩蔵機関士が死亡し、機関助士も負傷した。加藤機関士は労働組合の殉職者名簿において、「死ぬ間際まで安全のため職務を全うした機関士」として記録された。機関助士も、負傷しながらも事故防止に尽力したと讃えられている。このエピソードを知った新藤兼人氏が映画製作を立案。脚本を手がけて関川秀雄氏に提供したという。主人公の名前は「岩見浩造」であり、殉職した加藤岩蔵機関士から「岩」の字を取ったといえる。映画公開後、事故現場に記念碑も建てられた。映画では、老練な橋下機関士が壊れた時計を示し、「これが発生時刻だ、すぐに知らせに行け」と指示している。これも実際のエピソードによるものだという。この場面を撮影するにあたり、山田線浅岸駅のスイッチバックで本物の機関車を脱線させた。国鉄上層部が特別に許可したという。映画に使われた機関車は8620形だが、事故にあった機関車はC58 283号機で、戦後になって引き上げられ、再び山田線を走ったとのこと。物語の舞台は盛岡機関区だ。映画でも、同機関区に所属していた蒸気機関車がたくさん登場する。形式までは追いきれないものの、二軸貨車も多く登場し、まるで「動く貨車カタログ」のようだ。浩造が担当する列車はほとんどが貨物列車で、当時の日本の物流の主役は貨物列車だったと実感できる。戦時の物資不足を示すエピソードとして、蒸気機関車に供給する石炭の質の悪さに苦労する機関士のセリフがある。終盤には電気機関車や電車も現れ、30年の時の流れを表現している。それにしても、約90分の映画で30年分も歳を取るにもかかわらず、俳優陣の演技が見事だ。まるで30年間ずっと撮影し続けたかのように見えてしまう(予告編によると撮影は2年間にわたったそう)。アルバムをめくりながら、長い歳月を振り返ったような感覚になる。ちなみに三國連太郎は、同作品に出演する2年前、老人を演じるために歯を10本抜いたというエピソードがある。この作品でもそれが役に立ったようだ。主人公以外の配役では、浩造の次男に注目。なんと若かりし頃の高倉健だ。新人鉄道員を演じ、花形列車の151系ビジネス特急「こだま」を運転する。この若い”健さん”が後年、『新幹線大爆破』で犯人役となり、北海道の小さな駅を描いた映画『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)の主人公となるのだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月24日高い人気を誇るベストセラー作家・東野圭吾の初期の作品「浪花少年探偵団」とその続編「しのぶセンセにさよなら」(講談社文庫刊)を、多部美華子を主演に迎えてドラマ化した本格ミステリー「浪花少年探偵団」が7月2日(月)よりTBSにて放送開始となる。これに先立ち、6月20日(水)、乃木神社にて本作のヒット祈願が行われ、多部さんを始め小池鉄平、まえだまえだ(前田航基&旺志郎)、濱田龍臣、高橋晃に加え、松坂慶子、斉藤由貴ら豪華キャスト陣が浴衣姿で制作発表会見に臨んだ。東野さんが幼少期を過ごした昭和の香り漂う大阪の下町を舞台にした本作。周りで巻き起こる殺人や誘拐事件に何かと首をつっこんでは事件を解決へと導く素人探偵であり小学校講師の竹内しのぶと、彼女に触発され“浪花少年探偵団”を結成する6年2組の男子3人組(前田航基、濱田龍臣、高橋晃)が、事件解決に奔走する姿を描くヒューマン・ミステリーだ。この日は、昨日の台風4号の大雨がうそのような快晴の青空の下、ドラマの初回放送から間もない七夕にちなんで、キャスト陣は全員艶やかな浴衣姿。多部さんは、真っ赤な金魚が愛らしい、涼しげな浴衣で登場した。本作で初の教師役、そして初の関西弁での演技に挑んだ多部さんだが、「“挑戦”という言葉がぴったりの役でした」とふり返る。また、まえだまえだの2人を始めとする子供たちについても「最初、どう接したらいいのか分からなかったです(笑)」と正直に明かしつつ、「撮影終了時には、いたらうるさいけど、いないと本当に寂しくって…」とすっかり子供たちと打ち解けていた様子。撮影現場では「ベーやん」というあだ名で呼ばれていたそうだ。スタッフ・キャスト陣のほとんど全員にあだ名が付けられていたそうで、小池さんは「ちゃんぺい」とのあだ名で呼ばれていたとか。小池さんが本作で演じるのは、多部さん扮するしのぶと共に事件を追う新米刑事・新藤修平。心優しくも少し頼りない青年の役どころだが、現場では子供たちに舐められていたようで「懐かれ方が異常でした(笑)。少し油断してるとすぐにカンチョーされるんですよ。ホンマに痛かったです…」と仲の良さを明かした。時折、しのぶに事件解決の助言を与える母・妙子を演じた松坂さんは、小池さんとのシーンを存分に楽しんだようで「大阪の男の人は気が利いてて、いいなぁと思いました。現場では関西弁のイントネーションを教えてもらったり、一緒にたこ焼きを食べたりと本当に楽しく過ごさせていただきました」とご満悦の表情だった。子供たちのおかげで終始笑いが絶えない現場も「子犬がクルクル回っているようでした(笑)」と楽しんだようだ。また、この日七夕に向けて事前に短冊に書いたお願い事をそれぞれ発表した。子供たちは「このドラマでみんなが幸せになりますように」(航基くん)、「夏休みが楽しくなりますように」(浜田くん)、「ヒットしますように」(高橋くん)とみんな子供らしいかわいいお願いごとをしている中、旺志郎くんは「このドラマで、旺志郎の人気がいっぱい出ますように!」と一人だけちゃっかりと“関西人”の底力を見せつけていた。これに負けず、多部さんも「素敵な出会いがありますように」と切実(?)な願いを披露し、会場をざわめかせた。この反応に驚いた多部さんは「あっ、特別な意味はないです!」と慌ててフォローを入れていた。パナソニック ドラマシアター「浪花少年探偵団」は、TBS系にて7月2日(月)19:00~より初回2時間スペシャルで放送開始。第2話より毎週月曜日20:00~より放送。公式サイト:
2012年06月20日5月29日(火)に老衰のため逝去した新藤兼人監督(享年100歳)の通夜と告別式が6月2日(土)と3日(日)に増上寺(東京・芝公園)にて行われ、監督の作品に出演した俳優陣や後進の映画監督など多くの映画関係者が参列した。増上寺の光摂殿に設置されたやや丸みを帯びたシルエットの祭壇は、監督の代表作『裸の島』の舞台である広島県・三原市の宿祢島(すくねじま)をイメージしたもの。その中央に飾られた遺影は遺作となった『一枚のハガキ』の撮影現場でのワンショットで、会場には今年1月に亡くなった音楽家の林光さんの手による『一枚のハガキ』ほか、数々の新藤作品を彩った音楽が流された。2日(土)の通夜で弔辞に立ったのは『午後の遺言状』、『墨東綺譚』など数多くの作品に出演した津川雅彦。「僕の最後のラブレター」と語るこの弔辞で、津川さんは先日、監督が亡くなった直後に送った「おめでとう」という言葉を撤回。死の直前まで監督がうわごとで映画の撮影の話をしていたということに触れ「先生の執念に参りました!降参です」と語り、「先生、愛してます」と思いをストレートに伝えた。『墨東綺譚』撮影中に80歳の誕生日を迎えたが、それ以来、監督は新作を撮るごとに「これが最後」と語っていたという。「みんな騙されてるけど、『みなさん、さよなら。これでおしまい』と仰ってから6本も撮った。狼少年みたいなものだけど、とうとう本当になっちゃった…」と寂しそうに語っていた。『三文役者』に主演した竹中直人は、報道陣の呼びかけに足を止め「深い感謝の思いを伝え、『三文役者』の思い出を語りました。優しい素敵なお顔をされてました」と語った。この日は関係者およそ1,000人が参列。豊川悦司、竹中直人、奥田瑛二、川上麻衣子、安藤サクラ、平田満、原田大二郎、渡辺大らも弔問に足を運んだ。翌3日(日)の告別式では『生きたい』、『ふくろう』、『石内尋常高等小学校花は散れども』、『一枚のハガキ』という晩年の4作に出演した柄本明が弔辞を読んだ。主演作『石内尋常高等小学校 花は散れども』では、小津安二郎の名作『東京物語』の撮影も行われた旅館で同窓会のシーンが撮影されたが、豊川さんなど主要キャストを前に、新藤監督は「車椅子から立ち上がって深々と頭を下げて『監督の新藤です。今日からよろしくお願いします』と仰った」(柄本さん)という。このときの感動を柄本さんは「『映画だな、僕たちはいま映画の中にいる!』と思った忘れられない奇跡の瞬間」だったと明かした。さらに『一枚のハガキ』の衣装合わせの席では、新藤監督は柄本さんに熱く役の説明をしながら、オナラを連発したとか。「何とめでたいことか。何と素晴らしいものか。人間生きていると仕事もするけど、オナラもするんですね」とユーモアたっぷりに巨匠との思い出を語った。柄本さんに続き、新藤組の助監督を長年務めた神山征二郎監督、終戦直後の『待ちぼうけの女』から新藤作品を観続けてきた映画評論家の佐藤忠男氏が弔辞を読み上げたほか、ロンドンでの舞台公演のために出席が叶わなかった大竹しのぶから弔電が届けられた。この日は大杉漣、六平直政、伊藤歩、麿赤兒、山田洋次監督らが出席したほか、人気子役の芦田愛菜の姿も。2人はこの春に行なわれたブルーリボン賞の授賞式で監督賞と新人賞受賞者として初めて顔を合わせ、新藤監督は「2年後、彼女の熱演にびっくりするでしょう」と次回作での愛菜ちゃんの起用に意欲をのぞかせていた。残念ながら愛菜ちゃん主演による新藤監督の50作目は幻となってしまったが、愛菜ちゃんは献花台に花を捧げ、最後の別れを告げた。そして午後1時過ぎに、新藤組の演出部、制作部のスタッフと原田大二郎、林隆三らに抱えられて棺は霊柩車へ。多くの涙と祈りに見送られての出棺となった。棺には監督が愛用した原稿用紙に、妻で1994年に亡くなった女優の乙羽信子さんが監督のために削り、監督が大切に持っていたという原稿執筆用の鉛筆、そして100歳の誕生日の折に送られたという寄せ書きが納められた。尚、新藤監督は2002年に文化勲章を受章しており、また『一枚のハガキ』は天皇陛下も試写会に足をお運びになったが、監督の逝去を受け宮内庁より遺族に電話があり、天皇皇后両陛下によるお悔やみの言葉が伝えられたという。■関連作品:一枚のハガキ 2011年8月6日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2011「一枚のハガキ」近代映画協会/渡辺商事/プランダス
2012年06月04日「ぴあ映画生活」調査による8月5日、6日公開の映画・満足度ランキングは、99歳の新藤兼人監督の最新作『一枚のハガキ』がトップに輝いた。2位に香取慎吾主演で秋本治原作の人気コミックを映画化した『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~』が、3位にハワイの伝統校を舞台に合唱コンクールに取り組む生徒たちを追ったドキュメンタリー『ワンヴォイス~ハワイの心を歌にのせて~』が入った。上位作品の写真1位の『一枚のハガキ』は、日本最高齢監督である新藤監督が自身の体験を基に、戦争によって翻弄される庶民の姿を描いた作品で、新藤監督は「映画人生最後の監督作」と宣言している。出演は豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政など。出口調査では「私が小学生のときに終戦だったので当時と重なるものがあり感慨深い」「戦争は人の運命を変えてしまうので、二度とするべきではないというメッセージが込められている」「1950年代を思い起こさせる古き良き日本映画」「命と瞬間を愛しむ人間の本質が描かれている」「力強い女性を演じた大竹しのぶの心の叫びが忘れられない」「観ていて悲しいが、笑いもあって夢のある作品」「新藤監督が残り少ない人生を注ぎ込み全力をかけて作ったことが伝わってくる熱い作品」などの声が上がり、公開初日が8月6日“原爆の日”ということもあり“戦争”に対するそれぞれの想いを語る観客が多かった。2位の『こちら葛飾区亀有公園前派出所…』は、2009年に香取主演で放映されたTVドラマシリーズの映画化。葛飾区亀有公園前派出所の巡査長、通称“両さん”の活躍を描く。アンケート調査では「笑えてラストで感動した。香取慎吾のキャラと役があっていてドラマ同様楽しめた」「思ったよりも人情の厚い作品で、面白かった」など、小学生から70代までの幅広い世代から好評だった。(本ランキングは、2011年8月5日(金)、6日(土)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2011年08月08日日本国内最高齢の映画監督である99歳の新藤兼人が自身、生涯最後の映画と公言している『一枚のハガキ』のプレミア試写会が7月13日(水)に都内で行われ、新藤監督と主演の豊川悦司、大竹しのぶが舞台挨拶に登壇。この日は、天皇皇后両陛下がご来場され、監督、キャストとご歓談。天皇陛下はその後、観客と共に映画をご鑑賞された。戦争に徴集され、仲間から1枚のハガキを預かった男が終戦後にその家族の元を訪問。そこで彼が見たのは、戦争で次々と家族を失いながらも力強く生きる女の姿だった――。1枚のハガキを通じて巡り合った男女の姿を通して戦争の悲惨さ、愚かしさを描き出す。車椅子で登場した新藤監督だが、挨拶になると立ち上がり客席に向かって深く頭を下げ「映画監督の新藤兼人です。今日は天皇陛下がいらしての特別試写会でございますが、みなさんもどうかご一緒にご覧ください」としっかりとした声で語った。豊川さんも大竹さんも本作への出演、そしてこうして試写会を開催できることへの感謝を口にした。最後に大竹さんは「陛下と新藤監督、スタッフ、そして私たちと共にこの映画を愛していただければ幸いです」と語り、会場は温かい拍手があふれた。なお、天皇陛下が新藤監督の作品を公の場で鑑賞されるのは1999年に日本映画名作鑑賞会で『裸の島』をご覧になられて以来、実に12年ぶりとなる。『一枚のハガキ』は8月6日(土)よりテアトル新宿、広島・八丁座にて先行公開、8月13日(土)より全国にて公開。■関連作品:一枚のハガキ 2011年8月6日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2011「一枚のハガキ」近代映画協会/渡辺商事/プランダス
2011年07月13日日本映画界現役最高齢監督の新藤兼人が10月31日(日)、東京・六本木ヒルズ内で行われた、第23回東京国際映画祭の受賞者会見に出席し、監督引退発言を“撤回”し、次回作に意欲を見せた。コンペティション部門に出品した最新作『一枚のハガキ』で、審査員特別賞を受賞。これまで「映画作りはこれが最後」と語ってきたが、この日の会見では「世界には102歳の監督がいるらしい。103歳までやってギネスに載ってほしい」と熱い質問を受け、「死が直前に迫っていますから、98歳で後が短いですから固い約束はできません。これが最後と思ったけれど、誰か応援して下さる方がいれば、またやってもいいかなと思います」と次回作へ意気込み。また映画作りの信条について、「1950年に独立プロをたてて60年ほど経ちました。はじめからお金がなくて金策に奔走する毎日で、とにかく泣かないで、転んでも泣かないで、泣いても映画は作れないから、前を向いて映画を作ってきました」。続けて「いよいよ98になり後がなくなりました。これで終わりだと思って『一枚のハガキ』を、最後だから言いたいことを全部言う気持ちで作りました。この映画がツイていて賞をもらったら、『またやったら』と言う人がいるけど、もうダメ」と再び最後を匂わせる言葉。先に質問した男性から「もう1本撮ろう!」と声がかかると、「そう?励ましてくれる人がいなきゃやれない。非常に面白い仕事だけどキツイ仕事。で、いつも金がない。金をどう作るか、金を拾い集めなきゃいけない大変な仕事。魅力的だから映画を作る仕事をやってきたんです」と映画人生をふり返りつつ心境を吐露した。一緒に会見したコンペ部門の観客賞、最優秀監督賞W受賞のフランス人監督ジル・パケ=ブレネール氏も「新藤さんのおっしゃる通り、監督とは常にお金を乞わなければいけない」と険しい顔つき。一方で、「新藤さんの年齢まで映画を撮り続けたい」と明るい笑顔で敬意を口に。退場時には、固い握手を交わしていた。(photo/text:Yoko Saito)特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF■関連記事:【TIFFレポート】新妻・木村佳乃笑顔と華やかドレスでTIFF閉幕に華【TIFFレポート】新藤兼人監督ラスト作品に審査員特別賞最高賞はイスラエル作品TIFFインタビュー『海炭市叙景』南果歩×谷村美月×竹原ピストル×熊切和嘉【TIFFレポート】加瀬亮映画初主演作と同じ脚本家作品に「光栄でプレッシャー」TIFFクロージングにハズレなし?『ザ・タウン』“監督”ベン・アフレックに称賛の声
2010年10月31日