小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日音楽教育が、子供の情緒や感受性、社会性や知能の発達にとても良い影響を及ぼすことは、すでに広く知られている事実です。また、子供たちが音楽を集中して聞くことで、言語を聞き取る能力もアップし、語彙力や語学力がつきやすくなるとも言われており、昨今ますます幼児のための音楽教室の人気があがっているようです。「音楽教室に通わせたいけれど、経済的な事情や、時間的な問題で難しい」というご家庭は、ぜひ家庭で音楽教育をしてみてはいかがでしょうか。今回は、家庭でもできる音楽教育についてご紹介したいと思います。つけっぱなしのテレビを消して、良い音楽を聞かせよう音楽教育というと楽譜を読んだり、楽器を弾いたりすることを想像しますが、 幼児期の子供にはまだまだ難しいもの。さらに楽器を演奏するにも、手が小さすぎますよね。ですから、乳幼児期はよい音楽をたくさん聞かせて、「耳つくり」をしてあげることが最も重要な音楽教育なのです。普段、リビングで子供と過ごすときなど、テレビをつけっぱなしにしているママも多いかもしれませんが、これからはテレビの代わりに良い音楽を流してみませんか。では、どんな音楽が子供にとって「良い音楽」なのでしょうか。クラシック音楽やジャズ・ポピュラー・日本の伝統音楽・童謡など、音楽といってもさまざまなジャンルがあります。もちろん、どのジャンルにもすばらしい音楽は存在していますが、子供におすすめなのが、それぞれの国の歴史とともに、長く生き続けてきたような音楽です。いくら流行しているとしても、機械的な音楽では、子供の想像力や情緒を育てることは難しいのです。手始めに、ママやパパが小さいころから聞いていた日本の昔ながらの童謡や、モーツアルトのクラシックなどの歴史ある音楽を選んで、部屋でゆっくりするときや、食事中のBGMとして流してみませんか?日常生活や遊びの中に音楽に取り入れる音楽教室ではなく、家庭で音楽教育をするメリットは、遊びや生活の一部として自然に音楽に親しめる点ではないでしょうか。子供が遊んでいるときに音楽を流してあげていると、無意識に子供の心に音楽が刻まれていきます。他にも食事中、寝かしつけの際、朝起きるときなど、その状況に相応しい音楽を選んで、自然な形で生活に取り入れていきましょう。また、子供が元気のないとき、イライラしているときは、まずは静かな音楽を流し、気持ちを落ち着けてから、活発な音楽を流すようにすると、子供たちの気持ちが明るくなったり いらだちをやわらげたりする効果があるとも言われています。このように、子供の気分を変えたり、気を紛らわせたりする手段として音楽を使ってみても良いでしょう。家族で一緒に音楽を楽しもう!子供の情緒や知能の発達に役に立つからと、一方的に子供に音楽環境を与えるだけでは、家庭での音楽教育は物足りないものになってしまいます。大切なのは、ママやパパの心にも、音楽を楽しむ余裕を持ってもらうことなのです。親子一緒に、童謡を歌ったり、音楽を聞きながらリズムを取ったりして、「音楽は楽しいものだ!」と子供が思えるようにしてあげましょう。ママやパパがピアノなどの楽器が弾けるのであれば、童謡やクラシックを演奏して子供に聴かせてあげることができますが、楽器が苦手だったとしてもハーモニカや鈴など、かんたんに演奏できる楽器を用いて、家族で歌いながら合奏するのもおすすめです。また「とんとんとんとんひげじいさん」や「いとまきまき」など、子供たちが大好きな手遊び歌を一緒に歌ったり、音楽に合わせて飛んだり跳ねたりすることも、立派な音楽教育です。このように、家族で音楽に親しみ、楽しんでいるという環境こそが、子供の音楽的感受性を育ててくれるのです。いかがでしたか?音楽が子供の心や脳に良い影響を及ぼすからといって、一方的に楽器を与えたり、子供が嫌がる音楽を聞かせようとしたりするなど、やみくもに「音楽」を押しつけることはやめましょう。子供たちが音楽に親しみを感じ、楽しめるようになってこそ、音楽が子供に良い影響を与えてくれるのです。まずは、親子で音楽を楽しみながら、子供が音楽に興味が持てるような環境づくりから始めてみましょう!
2016年06月08日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日日本ユニシスとシステム・テクノロジー・アイは28日、両社の製品を用いてセキュアな企業内教育をサポートする両社サービスの共同販売を開始することを発表した。業務効率化や働き方の多様化など、自宅や出張・外出先と働く場所を選ばないワークスタイル変革に取り組む企業が増えている。かたや、IT環境の変化や新事業への取り組みなど、企業内での教育環境の重要性も、従来以上に増している。そんな中、企業が社員に対してどこからでも充実した研修を実施できるように日本ユニシスとシステム・テクノロジー・アイが提携し、互いのメリットを活かせる共同販売を4月1日から開始する。日本ユニシスが提供する「SASTIKサービス」はUSBメモリ型認証キーを挿すだけでセキュアな認証と通信を確保してクラウド環境への接続を実現する。認証には、格納されたデバイスID + 鍵情報(アカウントID、パスワード)による二要素認証、通信にはSSLやリバースプロキシを使ったアクセスを用いる。SASTIKキーを抜くと自動的にローカルPCのキャッシュを削除、特定グループに登録したWebのみに利用を制限できるなど、手軽にセキュアなクラウドへのアクセス環境を構築する。システム・テクノロジー・アイの「iStudy Enterprise Server」は、独自のe-ラーニングコンテンツも作成できる総合学習管理システムでスキル診断、管理から学習までトータルに企業内教育をサポートできるシステム。オプションでのIT系資格取得コンテンツを200以上揃えるなど大規模な企業での導入事例も数多く、同社Webサイトに掲載してある。今回の共同販売により、日本ユニシスの「SASTIKサービス」から、システム・テクノロジー・アイの「iStudy Enterprise Server」へと接続する環境を提供。自社のサービスやノウハウを含む機密事項が含まれた場合であっても、充分にセキュアな社外環境での企業内研修が可能になる。
2016年03月28日楽天銀行は3月8日、東京理科大学と「楽天銀行教育ローン」の提携を開始したと発表した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」では、提携大学に優遇金利を設定。このたび、新たに東京理科大学または諏訪東京理科大学が提携校となり、両校に入学を予定している人もしくは在校生は優遇金利の対象となる。なお提携は、東京理科大学で23校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、9日現在、固定で年3.90%、変動で年3.277%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年03月11日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。もうすぐ新学期スタートの時期ですね。このタイミングをきっかけに新しい習い事を始めるお子様も多いと思います。習い事のなかでも、特に人気があるのは“英語”です。親世代の英語といえば、一部を除いて小学校での授業はありませんでした。多くの方が中学生から英語の学習をスタートしたのではないでしょうか。ところが、現在の英語事情は親世代とは違うのです。「何となく聞いたことある」という方も多いと思いますが、今回は改めて今の学校の英語教育についてお伝えしたいと思います。●小学校では英語が必修!ご存じですか?実は小学校5、6年生は、英語の授業が必修なのです 。2011年度から、英語の授業は“外国語活動”として小学校でも取り入れられています。週1回、年間35時間もの時間が英語の活動にあてられています。現在は“教科”として位置づけられているわけではないので、指定の教科書はありません。多くの学校では、担任の先生が中心となって、ALTという外国語の指導助手や日本人講師と一緒に教える形態が多いようです。英語でのコミュニケーションに重点をおいた活動になっています。さらに、必修ではない小学校低学年でも英語教育活動が行われているケースが多いことがわかっています。親世代のように「英語は中学から」の時代ではないのですね。●進む英語教育の改革東京オリンピックが開催される2020年に向けて、英語教育の改革がさらに進む見込みです。現在は、小学校5、6年生において英語が必修ですが、早ければ2018年からは小学校3、4年生へと前倒しで行うことが検討されています 。さらに、現在は教科としての位置づけではないとお伝えしましたが、近い将来、教科になる可能性が高まっています。教科になると、指定の教科書が使用され、テストが実施されることになります。テストに伴い、成績がつけられることになるでしょう。中学受験の試験科目に英語が入ってくることも考えられます。●中学以降の英語教育も変わる!これまでの中学英語では、“読む”“書く”が中心の教育でした。今後は、新たに“話す”“聞く”を増やすことが検討されています。さらに、中学以降、高校では、英語の授業は基本的に英語で行われるようになります。高校においては、英語での話し合いや発表など、授業で求められるレベルが高度になります。英検でいうと準2級~2級程度以上が目標とされているようです 。大学以降は、現実の社会で使える英語力が重視されるでしょう。大学入試で試される英語力も変化する可能性が高いです。就職においても、すでに“英語=外資系企業”というイメージはなくなっています。今後はどの企業でも英語力はスタンダードな知識として求められていくのです。----------いかがでしたか?今の子どもたちに求められている英語力は親世代のものとは比べものにならないくらいハイレベルになってきています。固定観念にとらわれずに、教育も変化し続けているということを理解するのも大事ですね!【参考リンク】・今後の英語教育の改善・充実方策について報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~ | 文部科学省()●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年03月10日ソニー・グローバルエデュケーションは3月8日、ロボット・プログラミング教育分野に向けた教育キット「KOOV」を発表した。KOOVは自由な形を作ることができるブロックと電子基板に、作った形をロボットとして動かすプログラムで構成されており、2016年夏の商品化を予定している。同製品は、同社が2015年秋に策定した教育カリキュラム「STEM101」を構成するThink(思考力)、Make(創造力)、Feel(探求力)の3つのプログラムのうちMakeを具現化したもの。開発は学校教材メーカーであるアーテックと共同で進めた。同社は「情報を察知し論拠を挙げながら種々の課題を解決する、21世紀型スキルを有するSTEM人材育成にKOOVが寄与するよう積極的に活動してまいります」とコメントしている。
2016年03月08日人工知能を活用することで英語教育を可能としたロボット「Musio」の開発を手がけるAKAは2月5日、成基およびGLOBAL VISIONの2社と 「教育効果の実証実験並びに教材開発実施に関する協力覚書(MOU:Memorandum of Understanding)」を締結したと発表した。今回のMOUは、2016年6月に予定しているMusioの正式販売前に成基およびGLOBAL VISIONが日本で蓄積してきた英語教育に関する知見やノウハウをもとに、 Musioを日本の英語教育向けに最適化していくことを目指したもの。具体的には、 成基が運営する英語学童教室「GKC(グローバルキッズ倶楽部)」ならびに個別指導塾「ゴールフリー」などにおけるMusioのパイロット導入および実証実験を通じて、 Musioを活用したより効果的な学習方法を開発するとしている。 また GLOBAL VISIONは、 実証実験で得られた知見をもとにAKAと共に英語学習コンテンツの開発を行い、同社のネットワークを通してMusioを公的・私的教育的機関へ販売する予定としている。なお、MusioはすでにAKAのWebサイトにて予約受付を開始している。
2016年02月06日○クラウドで生まれてくる600万を超える仕事とSTEM教育の重要さ今から6年後にあたる2022年、世界は大きく変化する。BLS(米国労働省労働統計局)が2013年12月に発表した資料によれば、「クラウド技術によって、600万を超える新しい仕事が生み出される」という。米国内向け統計情報のため、日本では話題にならなかったが、Microsoft Education担当VPのAnthony Salcito氏は、BLSの情報をもとに「仕事に求められるスキルは時代に応じて変化し、今後はSTEM教育が重要になる」と語っている。STEMは「Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)」の頭文字から命名された概念で、NSF(米国立科学財団)のRita Colwell氏が最初に用いたといわれるキーワードだ。米国ではこの分野に精通している人材を維持するため、移住者に対する政策にも大きく影響をおよぼしている。また、インドもSTEM教育に熱心で、同国MHRD(人材育成省)は優秀な子どもたちを育成するためのプロジェクト「RAA(Rashtriya Avishkar Abhiyan)」を2015年から開始した。その米国をお膝元とするMicrosoftは、Teacher Gaming LLCが開発した「MinecraftEdu」の買収を2016年1月に発表したのは記憶に新しい。ベースとなる「Minecraft」はブロックを空間に配置してサンドボックス内の世界を楽しむゲームとして世界中を席巻した。Microsoftは開発元であるMojangを2014年9月に買収し、自社の多角的戦略に役立てようとしている。日本でも小学生の間でブームになったMinecraftだが、MicrosoftはMinecraftの教育分野へ活用するため2016年夏に「Minecraft: Education Edition」のリリースを予定している。ゲームを通じて歴史や言語、STEM教育などを行うことを目的とし、MicrosoftいわくMinecraftによる授業は世界40カ国7,000以上の教室で行われているという。かくいう日本のいくつかの小学校でも同様の取り組みを行っているが、担当の教師は「子どもたちの食いつきが圧倒的に高い」と説明していた。Minecraft: Education Editionによる教育の効果は未知数のため、ここでは割愛するが、Microsoftはサーバー運用やソフトウェアライセンスによる収益化を目指すようだ。○日本での対応はいかに?海外ではこのような動きが顕著で、自社コンテンツを教育分野に提供して社会的責任を担うと同時に、次世代の若者に対する投資を行っている。もちろんIT業界全体の人材不足問題と絡み合うが、残念ながら日本はSTEM教育分野では遅れていると言わざるを得ない。実は内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(2001年1月開始の「総合科学技術会議」がベース。2014年5月に改称)ではSTEM教育を取り上げ、「大学や企業と連携し、STEM教育に特化したクラスを創設する高校を支援」すると提言している。さらに2014年6月に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」でも、小中学校の段階でプログラム教育や情報セキュリティといったIT教育を充実させる方向性を打ち出した。だが、実践する文部科学省はアクティブラーニングや、学校へデジタルツールを導入する実証実験を各企業と協力して実行しているものの、まだ目に見える成果には至っていない。小学校や中学校で行われるICT教育の実証実験を取材すると、確かに教室には大型ディスプレイやネットワークでつながったタブレットを用意し、鉛筆やノートに変わるツールとしては役立っている。そこで行われているのは、通常の授業であってIT教育ではない。同省が実施している「ICTを活用した教育の推進に資する実証事業」をみても、「ICTを活用した授業における教育効果の明確化」「ICTを活用した授業における教育効果を検証する方法の確立」といった環境整備の段階であることがわかる。残念ながら日本は、STEM教育どころかICT教育を始めたばかりなのである。なお、前述した国内でMinecraftを授業に取り込んだ学校は数校に留まる状況だ。今後は既存のサービスがコモディティ化し、新たなコンテンツを生み出す人材がIT立国として重要になるのは改めて述べるまでもない。Salcito氏も「情報やアイデアを共有することで、新しいものを生み出す学習機会を世界に広げなければならない」とSTEM教育の重要性を強調している。IT後進国となりかねない日本を取り巻く状況を踏まえると、STEM教育を始めとする思い切った教育変革が早急な課題といえるだろう。阿久津良和(Cactus)
2016年01月28日モンテッソーリ教育は、シュタイナー法と並び「世界2大幼児教育法」と称される教育法です。根底にあるのは、子どもの「敏感期」がどういうものかを知り(→知る)、子どもをきちんと観察し(→見守る)、子どもに適切に声がけ、働きかけをする(→ときどき助ける)という子育てメソッド。欧米で実績のある手段なのだそうです。『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(神成美輝著、百枝義雄監修)は、そんなモンテッソーリ教育を子育てに取り入れるためのコツを紹介した書籍。3章「『観察→発見→見守る』から始まる、今すぐできる10のこと」から、要点を引き出してみましょう。■1:観察する観察の目的は、子どもの「興味の中心」を見つけること。たとえば電車の名前をおぼえるのが好きだった子は、そこから、駅、地図、そこで働く人など、興味を広げていくもの。つまり子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、そこから広がりを得ることができるということです。そこで、まずは子どもがなにに本当に興味があるのか、じっくり観察してみることが大切だと著者はいいます。■2:自由に選択させる「~しなさい」と親が決めたことをさせるだけでは、子どももやる気を失うもの。そうではなく、大切なのは「選択肢」を与え、判断力を育むこと。具体的には、小さいうちは「2択」。大きくなるにつれ、選択肢の数を増やしていくといいそうです。選択するという行動は、考える力につながるもの。なにかの困難にぶつかったときにも、「どうすればいいのだろう」と考えることができるようになるわけです。■3:見守り、挑戦させる子どもの方から「手伝って」「助けて」というサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。なぜなら失敗をして、新たなやり方を見つける、もう一回最初からやってみるというようなことを繰り返すことによって、子どもは自分でいちばんいい方法を見つけ出すことができるから。「教えない教え」によって、やる気と自信、気づきの機会を与えるべきだということです。だからこそ、子どもの方から「手伝って」「助けて」のサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。■4:ゆっくり見せる子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなもの。普通のスピードでなにかを教えたとしても、まったくついていくことができないのだそうです。また子どもは、手と耳を同時に働かせることが苦手。口で説明をしながらなにかを教えても、混乱するばかりだといいます。子どもの動き方を教えるときには、(1)子どもがわかるように、ゆっくり見せる。(2)見せるときと聴かせるときを区別する。言葉での説明を同時にしない。ということを意識すべき。■5:子どもを待つ大人から見て、子どものペースが「のんびり」に見えたとしても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。順番を守ったり、習慣にこだわったりするなど、子どものなかには「厳しい秩序」があるので、そう簡単には進められないということです。そこで待ち時間は、「考える力」が伸びる時間であると心得ることが大切。■6:察するのをやめるお茶がほしいと目で訴えれば、なにもいわなくても用意してあげるなど、子どもの気持ちを察して先回りして動くことが多いのが大人。でも「察してしまう」ことが、意思を自分で伝える訓練の妨げになっているとか。知らんぷりをすることも、「伝える力」を伸ばすものであるということ。■7:ルールを設ける自由のなかに、ルールを持たせることも大切。きちんとルールがあり、それを破ると楽しめなかったり、トラブルになったりするということが学べるわけです。大切なのは、ルールをきちんと伝え、あとは見守ること。■8:オーバーにほめない子どもがなにかを「できた」と伝えてきたとき、大人は「やった~。すごいね~」とオーバーにほめてしまいがち。しかし子どもは何度も失敗してようやくできるようになったので、「これだけ練習したんだから、できて当たり前」「そんなにすごくはない」と思っているのだとか。しかし子どもは、「ほめられる」より「認められたい」もの。そこで、オーバーにほめずに、認めてあげることが大切だといいます。■9:共感する1歳半~3歳くらいまでの子どもは、なんでも「イヤイヤ」というイヤイヤ期。そんなときの対処法のひとつは、「イヤなのね。でも、いまから○○するからお片づけしよう」というように、“やりたくない気持ち”を受け入れることが大切。うれしいことも、イヤなことも共感することで、子どもとの心の距離がぐっと近くなり、「チャレンジ精神」が向上するそうです。■10:失敗させる子どもは失敗しながら多くのことを学ぶもの。だからこそ、間違っているときに教えてしまうのではなく、あえて失敗を「見せる」勇気が学力向上につながるのだと著者はいいます。*これらはほんの一例で、他にも「知る、見守る、ときどき助ける」ためにおぼえておきたいことが満載。子育てに四苦八苦している方は必読です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神成美輝(2015)『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』日本実業出版社
2015年12月05日日本では、文部科学省も推薦している、スイスを本拠地とするディプロマプログラム「IB(International Baccalaureate)」と呼ばれる国際バカロレアの人気が高まってきて、日本にあるインターナショナルスクールでは、IB教育を取り入れている学校も増えてきているようです。しかし、親子留学で人気のマレーシアやタイなどのインターナショナルスクールではイギリス式やアメリカ式カリキュラムを行うインターナショナルスクールが、まだまだ圧倒的に多いそう。今回は、そんな2つの異なるカリキュラム、イギリス式、アメリカ式の教育スタイルをご紹介します。ただ学校に通っただけでは卒業できない!? 義務教育修了時に試験がある、イギリス式カリキュラムイギリス式カリキュラムでは、日本の中学のように、普通に学校に通っているだけで卒業証書をもらうことはできません。義務教育修了時には、GCSE(General Certificate of Secondary Education)と呼ばれる中等教育検定試験を受けて初めて、日本で言う中学卒業と同等の資格を得ることができます。イギリス以外の国で英国プログラム(ケンブリッジプログラム)を行っているインターナショナルスクールではIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)、一般にIGCE-Oレベルと呼ばれる国際中等普通教育証明書を修得する試験を受けなければなりません。その後、イギリスをはじめとする、その他の欧州諸国大学への進学を希望する生徒は、16才~17才の2年間、シックスフォームと呼ばれる高等教育を受講し、IGCE-Aレベル(International General Certificate of Education, Advanced Level)と呼ばれる試験を受けます。そして、その試験結果(A~E)が、大学の入学試験になるというわけです。東南アジアの経済大国であるタイでは、IGCE-Oレベルを取得すると、大学に入学する権利を得ることができます。また、IGCE-Oレベルを取得した後にIGCE-Aレベルへの勉強をせずに国際バカロレア(IB)を修得したいということであれば、国際バカロレア(IB)のプログラムを行う学校へ転入する事も可能です。かつてイギリスの植民地であったマレーシアやシンガポールには、圧倒的にイギリス式カリキュラムの学校が多く、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどのイギリス連邦諸国の大学進学でも、イギリスカリキュラムを受け付けている大学が多いようです。アメリカ式カリキュラムは、日本と同じ入学試験方式第二次世界大戦後、日本はアメリカ教育制度をお手本に、日本の学校制度を作りました。そのため、アメリカ式カリキュラムでは日本同様、イギリスのような義務教育修了の証明書試験はありません。高校入学時の試験は、日本の高校入試、ほぼ同じ。公立の学校を受験するにはSSAT(Secondary School Admission Test)を、私立の学校を受験するには、独立校入学テストISEE(Independent School Entrance Exam)と出願に必要なテストを受講しなければいけません。大学入試も、日本とほぼ同じ。星の数ほど大学の数が多いと言われるアメリカでは、大学入試試験も、推薦入学、芸能入学など、さまざまなスタイルがあります。一般的な4年生大学では、高校の成績、大学進学適性試験であるSAT(Scholastic Assessment Test)、もしくはACT (The American College Testing Program)のテスト結果、推薦状、小論文の提出、外国人はこれにTOEFLの点数が必要とされます。入学のためにテストを受けるアメリカ式カリキュラムと、勉強を終了した証明のために試験を受けるイギリス式カリキュラム。将来どのエリアの大学に入学するかによって、通わせるインターナショナルスクールの選び方も変わるかもしれませんね。(徳武加奈子)
2015年11月08日「自分で考える力を養う」ことが教育の目標として掲げられ、欧米の教育が脚光を浴びています。そのための効果的な学習について、フランスやアメリカの例を取って、以下にまとめてみました。他人からの学びこそが、すべての基礎自分で考える力を養うためにまず重要なことは、「他人から学ぶ」こと。自分で考えるためには材料が必要であり、そのほとんどは他人から生み出される知識です。ごくごく一部の天才的なひらめきを除いて、新たなアイデアや発想、イノベーションのほとんどは、先人による知識の蓄積から学んだことが土台にあるといいます。そのため、アメリカの大学では学生に専攻分野で必読書となるものを徹底的に読み込ませ、論文を書かせます。週に1,000ページぐらい読むのは当たり前で、ほぼ毎週、何本も論文を書きます。読んで、書いて、読んで、書いてを繰り返すことで、先人が蓄積した知識を十二分に吸収し、それについて考え抜いた後で、ようやく自分で新たなアイデアを生み出すことができるようになると考えるからです。フランスでも同様に、大学への入学資格となるバカロレアは論述試験となりますが、これまで学んできたことを基にして自分の考えを理論的に展開する力が問われます。特に哲学の試験では、教科書をはじめ、数々の哲学書に書かれている内容を上手く整理し、最後に自分の考えを述べるようにしないと、高得点は得られないといわれています。実際に書いてみることが最良のトレーニング学びを基に自分の考えを深化させる上で最も確実な方法は、「書くこと」。自分の頭の中だけで整理してまとめることができる人も中にはいますが、ほとんどの人は、書いているうちに思考が深まり、考えがまとまるようです。書き始めると、論旨の展開や表現にも配慮するようになります。書くからには自己満足で終わらず、相手に理解して納得してもらいたいもの。特に、試験で高得点を得ようと思うと、学んだことを単に列記するだけではなく、重要な点をしっかりハイライトし、説得的に述べることがマストです。アメリカやフランスをはじめ、欧米の学校の試験は、ほとんどが論述式です。正しい回答を得ることよりも、それに到達するプロセス、つまり思考のプロセスを見ることが重要だと考えるからです。世の中には回答のない問題が山積みです。正しい答えが存在しない中、自分で回答を導き出すには、思考のプロセスが試されます。そして、最終的に正しい考えとして世の中の人々に受け入れられるためには、周囲が納得してくれるよう自分で説得していかねばらないからです。このように見ていくと、読書などを通じて、まずは「他人の考えについて学ぶこと」が重要であり、それを踏まえて、「自分の考えを説得的に述べることができるようになること」こそ、教育の集大成であり、「考える力を養う」ことであるということがわかります。(タベ真美)
2015年10月10日日本マイクロソフトは9月24日、ヤフーが運営する教育機関向けWebメールサービス「Yahoo!メール Academic Edition」を現在利用中の教育機関の顧客を対象に、統合型情報共有クラウドサービスの教育機関向け「Office 365 Education」への移行を、両社で連携して推進すると発表した。Yahoo! メール Academic Editionは、2016年6月にサービス終了予定。Office 365 Educationへの移行にあたっては、日本マイクロソフトが初期のテナントセットアップサービスを無償提供する。
2015年09月25日セールスフォース・ドットコムは8月19日、コミュニティや非営利活動の支援に取り組むセールスフォース・ドットコム ファンデーションが、NPO法人日本教育再興連盟と福島県飯館村教育委員会の主催する「つぼみプロジェクト ~夏のスタディツアー2015」において、福島県飯館村の子どもたち向けにプログラミング教育のワークショップを提供すると発表した。セールスフォース・ドットコム ファンデーションは、同プロジェクトに参加する飯館村の小学生約20名をセールスフォース・ドットコム東京本社オフィスに招待し、STEM教育(Science、Technology、Engineering、Mathematicsの分野を統合した理数系教育)として、子どもたち向けにマンツーマンのプログラミングのワークショップを行い、テクノロジーによる社会課題の解決について考えるきっかけを提供する。また、社員との交流やオフィスの見学を通じて、子どもたちが将来就業することをイメージできるようにサポートする。福島県飯館村では、原発事故の影響で住民の就業率が低下したこともあり、子供たちが将来就業することのイメージを持ちづらくなることが懸念されている。支援は、同プロジェクトをとおして、子供たちに将来の仕事について考えるきっかけを与えることを目的としているという。
2015年08月19日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日近畿日本ツーリストとライフイズテックは6月4日、グローバル人材教育を推進する一環として、業務提携したと発表した。ライフイズテックは、中高生のためのプログラミング・ITキャンプ/スクール事業を手がけており、プログラミング・IT教育プログラム「Life is Tech !」を企画、運営している。両社は、第1弾の取り組みで、修学旅行などにおけるキャリア教育・ICT教育の機会として、プログラミング・IT教育プログラム「Life is Tech !」を提供する。内容としては、スマートフォン向けのアプリ開発コース、メディアアートコース、ゲーム開発コース、Webサイト構築のコースなどのコースで、最先端のITプログラミング技術を学ぶきっかけを提供する。今後は、キャンプを通し「課題発見・役割分担・ITプログラミング(解決)・プレゼン」を学ぶ機会を提供するほか、海外での外国語によるITプログラミングキャンプや有名IT企業からの協賛・連携によるキャリア学習の提供など、企業・自治体などとも連携した事業を展開していく。
2015年06月05日京都大学学術情報メディアセンター、京都市教育委員会、日本マイクロソフト(MS)、日本電気(NEC)の4者は6月2日、同センターが京都市教委と連携して京都市立西京高等学校附属中学校において、情報化社会に対応した1人1台学習環境を見据えた持ち帰り学習でのICT教育モデルを構築するため、大量の学習データから生徒の学びの変化を検証する実証研究(プロジェクト名「京都ICT教育モデル構築プロジェクト」)を開始したと発表した。研究テーマは「持ち帰り学習でのICT教育モデル構築 ~完全1人1台のタブレットPCを活かした『持ち帰り学習』と『学習データ分析』~」。1人1台のタブレットPCを活かして持ち帰り学習することで、学校と自宅での生徒の日々の学習の変化を捉えて分析し、持ち帰り学習でのICT教育モデルを構築するというもの。実施期間は2015年4月~2016年3月31日の予定で、研究実践校は西京高附属中の全119名、3クラス。実験で使用するICT環境は、タブレットPCがWindows 8.1 Proを搭載するNEC「VersaPro J タイプVT」を140台、電子黒板はWindows 8.1 Proを搭載する同じくNECの「BrainBoard 65型」を3台、その他に無線LAN環境や充電保管庫、サーバ、デジタル小テストシステム、授業支援システム、技術・運用サポートなど。同研究の開始にあたり、MSとNECは協力パートナーと連携し、学習データ分析などに利用するデジタル小テストシステムなどを提供する。また、生徒が利用するタブレットPCや電子黒板、クラウド・プラットフォームなどのICT環境整備も提供する。京都市教委は京都大学の実証研究に賛同すると共に、西京高附属中を実証研究校に指定する。同研究の成果を踏まえて、2016年度以降の市立学校におけるICT活用授業をいかに推進していくかを研究したいと考えているとのこと。西京高附属中では、日々の自宅学習の記録やデジタル小テストの結果など大量の学習データを蓄えて分析した後、分析結果を指導に活かす教育を実践する。また、各教科や総合的な学習、部活動などにおいて、生徒が自分の意見を電子黒板で発表したり、生徒同士がグループで議論しながらタブレットPCでレポートを作成したりするといった、思考力・判断力・表現力といった「情報化で役立つスキルの向上」に主眼を置いた授業に取り組むという。4者の役割分担は、京都大学は学習ログ・データの分析手法を開発し、学習ログ・データから生徒の学びの変化を分析する研究を行う。京都市教委は、実証研究に必要な環境や情報を提供し、研究成果を踏まえて市立学校におけるICT活用のあり方を検討していく。MSは支援企業を取りまとめると共に、教育機関向けの統合型情報共有クラウド・サービスである「Office 365 Education」と、クラウド基盤「Microsoft Azure」を提供する。NECはNECフィールディングと連携し、学習データ分析に関わるICT基盤の整備を行う。また、生徒が利用するタブレットPCや電子黒板などのICT機器の提供や、システム構築をトータルに行っている。さらに、ICT機器の保守を行うと共にICT機器に関わるヘルプデスクを開設、必要に応じて要員派遣も含む技術・運用サポートを行う。今後は、教育関係者などに向けた公開授業と、実証研究成果の公表を予定している。
2015年06月03日20世紀初頭、オーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが考案した、自由と芸術、そして創作を基調にした教育が「シュタイナー教育」です。近年、日本では、教育熱心な親御さんたちが注目している、オルタナティブ教育といわれるジャンルの1つです。現在、シュタイナー教育を行っている学校は、日本で8校。全世界では91ヵ国、1,000校以上に及ぶそうです(2015年4月時点)。今回はそんな世界に広がるシュタイナー教育の中から、注目のシュタイナー教育校を4校ご紹介します。■世界のシュタイナースクール(1)San francisco Waldorf school (北アメリカ、サンフランシスコ)カリフォルニア州は、全米でもっとも公的資金によるシュタイナー教育を行っている学校が存在している、オルタナティブ教育が盛んなエリアです。その中で35年間の歴史が在る、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、幼稚園から高校までウォドルフ教育を一貫して行っている、北アメリカで一番大きな私立のシュタイナースクールです。芸術や実践を重視するシュタイナー教育は、いわゆる一般的な教育を行っている学校との学力の差についてしばしば話題になりますが、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、Western Association of Schools and Colleges (WASC)(※)にも認定されていて、それぞれの学年でしっかり学力も学べる学校です。 (※)WASCは、アメリカに本部がある教育認定機関。WASCの認定資格は、世界的な資格として有用とされ、WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者は大学入学資格あり=高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。■世界のシュタイナースクール(2)Panyotai Waldorf School(タイ、バンコク)タイで一番初めに設立されたシュタイナースクールです。創設者である Porn Panosot医師が、自分の子どもを通わせたいと思う学校がなかったため、「いっそのこと自分で学校をつくってしまえ」と考えたことが、設立の理由の1つです。 Porn Panosot医師は、その後、医者を辞めて、アメリカまでシュタイナー教員の資格を取りに行き、1996年にPanyotai Waldorf School学校が開校されました。Panyotai Waldorf Schoolは学校法人認定校であり、タイ国内では、国内の有名大学のほか、海外の有名大学に進学する率がとても高い学校としても知名度があります。現在は、定員がいっぱいの状態。長いウェイティングリストに名を連ねなければ入学できない人気校です。 ■世界のシュタイナースクール(3)Rudolf-Steiner-Schule Schwabing (ドイツ、ミュンヘン)シュタイナー教育の生みの親ルドルフ・シュタイナーの出身国であるドイツ。1970年代に、日本に初めて「シュタイナー教育」を紹介した、子安美知子氏の著書「ミュンヘンの小学生」で、著者の娘さんが通っていた学校がRudolf-Steiner-Schule Schwabingです。系列校に、高等教育まで学べるRudolf-Steiner-Schule München-Schwabingという学校もあります。 ■世界のシュタイナースクール(4)Moscow Waldorf School Nr. 1060 (ロシア、モスクワ)ゴルバチョフ大統領が起こした政治改革運動、ペレストロイカ時代に行われたロシアの教育システム改善によって、ロシアにやってきたシュタイナー教育。全校生徒400名ほどのMoscow Waldorf School Nr. 1060は、1996年に公立の学校に認定されたシュタイナー教育校です。世界各国のシュタイナースクールには、ユネスコのプロジェクト校に指定されている学校も多くあります。興味のある方は、世界中の学校をネット検索してみるのもおもしろいかもしれませんね。
2015年05月20日「子どもが生まれたら学資保険に入りなさい」親からそう言われて教育資金づくりを意識するようになった人は多いのではないでしょうか。でも、教育資金を準備できるものは学資保険だけではありません。本コラムでは学資保険以外の保険を活用して教育資金を準備する方法をわかりやすく解説します。また、昨年(2014年)国会で可決された保険業法の一部改正により、保険加入の際に受けるアドバイスに変化の兆しがみえています。保険選びがどのように変わっていくのか。その方向性についてもお話しします。教育資金を効率よく貯めるために必要な4つの要素皆さまはデヴィッド・バックという人をご存じですか?アメリカで活躍している資産コンサルタントです。彼の著書「自動的に大金持ちになる方法[オートマチック・ミリオネア]」には、資産形成を成功させるには次の要素を満たす必要があると書かれています。日常のちょっとした無駄(コーヒーやたばこなどの「ラテマネー(注:著書に出てくる言葉)を節約する毎月の給与から一定割合を積み立てる積み立ての一部を投資にまわす長く続ける教育資金という資産形成をする場合、必要となる時期・金額がほぼ明確です。学費を払うタイミングで資金が足りないのは困るので、そうならないようにゴール設定を明確にして、積み立てを行うことになります。また、貯金が苦手な人は「続ける」ことが苦手なことが多いので、上記の要素を教育資金づくり向けに、次の言葉に置き換えてみました。小さな無駄を節約して、積み立てにまわすお金を捻出する毎月の給与から一定額を積み立てる必要な時期に資金が用意できるものを選ぶ解約しにくい金融商品を選ぶ教育資金づくりのための金融商品を選ぶときは、まず、4.解約しにくい商品を選ぶこと。特に貯金が苦手な人はこの要素が外せません。学資保険や貯蓄性のある生命保険の場合、短期間で解約すると解約控除(解約の手数料のこと)がかかる仕組みになっているので、解約しにくい(=続けやすい)ところがいいですね。なかでも低解約返戻金型終身保険は、保険料の払込期間中の解約返戻率を通常の7割以下に抑えてあります(図1)。しかも、「保険設計書」に解約返戻金の推移表が記載されているので、何年後に解約した場合にいくら戻ってくるかがあらかじめわかります。必要なタイミングで解約することを前提に利用することができます。図1 低解約返戻金型終身保険のしくみ資料:執筆者作成保険料の払込期間と解約返戻金をチェックする低解約返戻金型終身保険を教育資金づくりに活用する場合、真っ先に確認したいのは保険料の払込期間と解約返戻金の推移表です。家計に無理のない設定になっているか、その積み立てで必要な資金を用意することができるのかをみるようにしましょう。お子さまが生まれた年(お子さま0歳)で契約した場合、経過年数とお子さまの年齢が一致します。例えば、0歳のお子さまのいる30歳男性が、払込期間10年の低解約返戻金型終身保険に加入した場合、保険料の払い込みが終わるのはお子さまが10歳のときです。10歳は小学4年生になる年齢ですので、私立中学受験のために進学塾に通うことになったとしても、それまで支払っていた保険料を塾の費用に充てることができます。なんとかなりそうな積立計画といえるのではないでしょうか。保険料の払い込みが早くに終われば、それまで支払っていた保険料相当分を再び教育費に充当することができます。それも含めて、無理のない計画かどうかをチェックしてください。一般的に、契約年数の経過とともに解約返戻率は増加していきます。しかし、低解約返戻金型終身保険では、保険料払込期間中の返戻率を通常の終身保険より抑えてあります(その分保険料も抑えられています)。一方、保険料の払い込みが終わった後は、解約しなければ解約返戻金は年々増加していきます(図1参照)。一般的に支払った保険料の累計を上回りますが、この保険に加入する際は、解約返戻率が低く設定されている保険料払込期間中に解約することのないように、十分注意して計画をたてる必要があります。もちろん、解約返戻率は保険会社によって設定が異なります。複数の保険会社に見積りをとり、比較検討するとよいでしょう。保険募集時に義務付けられた「意向把握」と「情報提供」。保険業法改正で保険提案はこう変わる!保険業法では、これまで虚偽の説明等、「不適切な行為の禁止」に限定された募集規制が明記されているだけでした。しかし、今回の改正で新たに「積極的な顧客対応」が追加されることになりました。顧客ニーズを把握して提案すること(意向把握義務)や、お客さまが判断するのに必要な情報提供を行っていくこと(情報提供義務)が求められることになります。保険を提案する人(保険募集人)は、お客さまのニーズをくみ取ることと、保険加入にかかわる判断材料を適切に提示することを求められるようになります。これらは喜ばしいことですが、契約者である私たちが保険の内容を理解しようとしなければ、せっかくの制度改正も絵に描いた餅にすぎません。自分の意向を整理して担当者に伝えることと、複数の保険から比較して選ぶ努力を惜しまないこと。この2点に注意して保険を選びたいものです。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年05月12日ソニー生命保険は13日、子どもの教育資金と学資保険に関する調査結果を発表した。それによると、子どもが小学生から社会人になるまでに必要な教育資金の平均予想金額は1,156万円となった。同調査は、2月15日~2月16日にインターネット上で行われ、大学生以下の子ども(複数いる場合は長子)がいる20~69歳の男女1000人に有効回答を得た。未就学児の親(248名)に、子どもが小学生から社会人になるまでに必要な教育資金はいくらくらいだと思うか聞いたところ、「500万円~900万円くらい」(14.1%)、「1,000万円~1,400万円くらい」(36.7%)、「2,000万円~2,400万円くらい」(14.1%)といった金額帯に回答が集まり、平均額は1,156万円となった。2014年調査の平均予想金額(1,229万円)と比較すると、やや減少傾向(73万円減少)となった。子どもを育てるにあたって、学校の学費以外にも様々な教育費がかかるが、親はそれらに対していくら支出しているのか。大学生以下の子どもがいる20~69歳の男女1,000名に、子ども一人に対し、学校以外での教育費に1ヶ月あたり平均でいくら支出しているかを聞いたところ(子どもが複数いる場合は長子について聴取)、子ども一人あたりの学校以外での教育費の平均支出額の合計額は9,757円/月となった。内訳は、スポーツや芸術などの習い事は3,335円/月、家庭学習費用(通信教育、書籍など)は2,424円/月、教室学習費用(学習塾、英会話、そろばん教室など)では3,998円/月となっている。子どもの就学段階別にみると、中高生の親が最も平均支出額が高く、16,079円/月となった。内訳を比較すると、中高生の親の教室学習費用への平均支出額は9,506円/月と、他の層に比べて突出して高い支出額となり、高校受験や大学受験に向けた学習費に、支出がかさむことがうかがえる。子どもを大学等へ進学させるための教育資金の準備方法について、高校生以下の子どもの親(748名)に聞いたところ、最も利用されている方法は「学資保険」で6割(59.5%)、次いで「銀行預金」が5割強(53.5%)となった。大学などのための教育資金を準備する方法は、学資保険と銀行預金が中心としている。
2015年03月16日日本マイクロソフトは2月24日、教育機関向けOffice 365の「Office 365 Education」が国内で220万人に利用されていると発表した。また、「セルフサインアップ」と「学認(GakuNin)」の連携を開始する。同社によると、220万人の児童や生徒、学生、教職員が利用する統合型情報共有クラウドサービスとしては国内最大級のユーザー規模になるという。これにあわせて、同サービスの特典である「Student Advantage」を生徒らが簡単に利用できる仕組みを提供する。Student Advantageは、包括契約(EES/OVS-ES)を行っており、教職員全員のOffice 365 ProPlusかOffice ProPlusを保有している教育機関に提供されるプログラム。追加費用なく、包括契約を行っている生徒らが最新のMicrosoftを利用可能となる。これまでは、特典を利用する際に、教育機関のIT管理者がユーザーアカウント作成作業・手続きを行う必要があったが、今回の「セルフサインアップ」によって簡単に学生がOffice 365を利用できる。セルフサインアップは、専用Webサイトに学生自身がアクセスし、学内で割り当てられているメールアドレスを入力するだけで、最新のOfficeを1人あたり5台のPC/Mac、5台のタブレット端末、5台のスマートフォンで利用できる。メールアドレスは、外部の人間でも把握できるが、本人確認のためのメールが該当メールアドレスに送付されるため、なりすまし利用の心配はない。一方で、セルフサインアップにあわせて国立情報学研究所が提供する学術認証フェデレーション「学認(GakuNin)」との連携も行う。これは、4月20日より提供するポータルサイトでOfficeのダウンロードが可能となるもの。学認では、様々な学校のICTサービスを管理・運営しており、55の国公立大学など150の教育機関が参加している。このポータルサイトでは、学生が割り当てられている学籍番号などのIDをポータルサイトで入力するだけで、簡単にOfficeを利用できるようになる。現在、大学の在籍者総数は288万人いると言われており、220万人という数字は全体の76%に相当する。高校生のユーザーも一定数含まれるため、高校生の数も含めると618万人となり、利用率は36%程度に下がるというが、それでも2位以下を大きく引き離す数字になるという。生徒らに対する無償提供について日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター統括本部 文教本部長の中川 哲氏は「将来的に高度なスキルをもって仕事をするには、教育が重要になる」と、その狙いを説明する。日本は少子高齢化が世界で最も進む国となっているが、人口減とあわせて高度なスキルを必要としない仕事では機械や人工知能へと置き換えが進むと見られている。これは、単純に労働人口が減ることに加えて、低賃金で人を雇うよりも、機械化やプログラムによって人材から置き換えてしまった方が企業のコストも抑えられるためだ。こうした将来的な予測を説明しつつ、中川氏は「高度なスキルを身につけるためには、高度な教育が必要」として、日本の学生が早いうちからICTに親しみ、慣れる環境を構築するためにこのプログラムを提供すると話した。もちろん、Officeを購入できる潤沢な資金を持つ私立校などでは、そうした配慮はいらないかもしれない。ただ中川氏は、メディアでも盛んに取り上げられているトマ・ピケティ氏の著書「21世紀の資本」を引き合いに出し、「(ICT)教育が裕福な家庭でしか受けられないとなると、格差がさらに広がってしまう。だからこそ、高度な教育を安価に提供したいと考えた」とした。「デジタルデバイスは多くの家庭にある中で、誰もが高度な教育を安価に提供できるよう、精一杯頑張った。イチ民間企業でできることには限度があるので、全てをタダにすることはできないが、こうした取り組みを今回提供できて良かった」(中川氏)
2015年02月25日日本政策金融公庫はこのほど、2014年度の「教育費負担の実態調査結果」を発表した。それによると、高校入学から大学卒業までに必要な教育費は、子供1人当たり平均879万4,000円、自宅外通学者の場合は約1,485万円に上ることがわかった。同調査は、2014年11月22日~12月2日にインターネット上で行われ、高校生以上の子どもを持つ25~64歳の保護者4,700人から有効回答を得た。自宅外通学者への年間仕送り額は平均140万円で、大学4年間では560万円。さらに自宅外通学を始めるための費用として45万円が必要となり、自宅外通学者の多い地方ほど負担感は大きくなっていた。世帯年収に占める在学費用(子供全員にかかる費用の合計)を年収階層別に調べたところ、年収が低い世帯ほど在学費用の負担は重くなることが判明。例えば、年収200万円以上400万円未満では在学費用は114万7,000円、年収に占める割合は38.8%に上ったのに対し、年収800万円以上では169万1,000円と金額は増えたものの、年収に占める割合は14.6%にとどまった。教育費の捻出方法を聞くと、「教育費以外の支出を削っている(節約)」が30.5%で最多。以下、「預貯金や保険などを取り崩している」が28.5%、「奨学金を受けている」が19.9%と続いた。
2015年02月23日信託協会は2日、2014年12月末の教育資金贈与信託の受託状況を発表した。それによると、12月末の教育資金贈与信託の契約数は10万1,866件となり、前期(9月末)から1万2,765件増加した。信託財産設定額合計は前期比925億円増の6,973億円だった。教育資金贈与信託は、孫の教育資金として祖父母が金銭などを信託した場合に、1人当たり1,500万円まで贈与税が非課税となる制度を利用した信託商品。同協会によると、2014年4月1日の取扱い開始以降、新規の契約数・信託財産設定額が安定的に増えており、多くの人が利用しているという。
2015年02月03日日本では、サンタクロースやムーミンの国として知名度が高いフィンランド。人口520万人、面積は33.8万平方kmで、日本より少し小さいくらいという、世界の中でも小さな国です。そんなフィンランドが、実は世界の15歳児童を対象に行う学力テストで、常に上位に入り、2013年にはついに1位にもなった国として、近年世界から注目を浴びていることをご存じですか?フィンランドの教育がこんなにまで世界中から注目を浴びているのは、学力テストが上位なのにも関わらず、宿題がまったくなく、授業時間がほかの国に比べて圧倒的に短いという点にあります。 しかも、今から40年前の1970年代以前のフィンランドは、現在の結果とはまったく異なり、最下位に近い位置だったというのも大変関心がもたれる理由なのかもしれません。ということで今回は、世界で一番素晴らしい教育と言われている北欧の国、「フィンランド」の教育システムの特徴の一部を簡単にまとめてみました。■フィンランドの教育システムの特徴(1)義務教育は7歳~16歳までフィンランドでは、日本よりも1年遅い、7歳から義務教育がスタートします。社会福祉がしっかりしているため、もちろん授業料、教科書や学用品も無料(義務教育ではないが、大学や大学院、専門学校も無料。)クラス構成も少人数制で1クラス24人以下。親の収入や学力に関係なく、すべての子供が質の高い教育を受けることができています。■フィンランドの教育システムの特徴(2)16歳になるまで、宿題も学力テストもない子どもの発達を重んじ、競争学習を問題視しているのがフィンランドの教育方針。 驚くことに、小学校では成績表も存在せず、16歳になるまでテストもありません。■フィンランドの教育システムの特徴(3)教員の地位と学力が高い教員は全員大学院卒。社会地位も高く、高収入。さらに平均1日4時間授業をするだけで、勤務時間も圧倒的に少ないのが特徴です。■フィンランドの教育システムの特徴(4)学習時間が少ない1日の学校での休憩時間は平均75分(ランチタイムを含まない)。ちなみに、アメリカは27分、日本の学校の休み時間も大体アメリカと同じくらいです。授業日数も、フィンランドのほうが、日本より年間40日も少なくなっています。もちろん生徒は家庭で勉強することがほとんどなく、塾も存在しません。2010年から、国民が1Mbpsの速度でインターネットに接続する権利を法律で保証することからもわかるように、ITにも力を入れているフィンランドは近年、国際競争力ランキングでも5年連続1位に輝いた国でもあります。詰め込み式、競争、暗記教育の日本の教育とは異なり、ゆとり、知識をもとに自ら考える力、子ども個人を重視するフィンランドの教育。文化や社会体制が異なるとはいえ、日本の教育も、フィンランドから学ぶべき点があるのではないでしょうか? 【参照】
2015年01月23日Amazon.comの創立者ジェフ・ベゾス、英国王室のウイリアム王子とヘンリー王子。国外の多くのロイヤルファミリーや著名人が特に実は幼少時代にモンテッソーリ教育を受けていることをご存知でしょうか? 特に、Google.com の創業者、ラリー・ペイジ&サージェイ・ブリンは、かつて受けたインタビューで「幼児期に受けたモンテッソーリ教育なしでは、現在の成功はありえない」と語っているほどです。このように近年、海外で注目されているオルタナティブ教育法「モンテッソーリ教育」。国内でもこの教育方法を導入している幼稚園もありますが、日本ではまだ、馴染みが浅いのが現状です。そんなに素敵な教育方法であれば、試してみたくなるもの。実際、家庭でも、日常生活で取り組めるモンテッソーリ教育方法があれば取り入れてみたいのではないでしょうか? 「敏感期(0歳~6歳)」は、モンテッソーリ教育で発達の第一段階とされる一番大切な時期。今回は、2歳~6歳の子どもさんを対象に、日々の生活の中で無理なく取り入れられる環境作りのポイントを3つご紹介します。■家庭でできるモンテッソーリ教育(1)毎日の「ルーティーン」をしっかり決めよう幼児期の子供は、「今日」「明日」「明後日」という時間の区切りが理解できない時期です。正確な時間でなくとも、朝この時間には起きて、ごはんをたべて、お昼寝をするといった1日の流れ、大まかなルーティーンを家庭でも習慣づけてみましょう。■家庭でできるモンテッソーリ教育(2)サポートしながら自分のことは自分でやらせるモンテッソーリ教育の1つに「日常生活の練習」という分野があります。日常生活の取り組みを自分で行うことにより、自立心を養うというのが目的です、モンテッソーリの幼稚園などでは、子供用サイズのティーセットを使用してお茶を実際に入れてみたり、洗濯板を使い洗濯をしてみたりという日常生活を学習しています。家庭でも日々の生活、たとえば、・子供が自分で着替えやすい洋服を購入して、時間をかけてでも1人で着替えさせる・手を洗う時は、小さなボウルを用意して自分で手を洗わせるといった小さなことでも、できるだけ子供が1人でできるように、親がサポートしてみましょう。■家庭でできるモンテッソーリ教育(3)親は子供のお手本になるように行動するイライラして思わず子どもを怒鳴りつけてしまったり、TVを見ながらご飯を食べたり、「子どもには真似してもらいたくないな」と親が思う行動は、まず親自身が日常生活でしないように心がけましょう。親が本を熱心に読めば、子どもも自然に本を手に取るようになります。親は、援助者であるのと同時に子どものお手本です。そのことを忘れずに行動しましょう。どれも、簡単に行動を起こせる取り組みです。皆さんもぜひ、今日からご家庭で実践してみてはいかがでしょうか?
2015年01月16日楽天銀行は22日、「楽天銀行教育ローン」の取り扱いを開始した。「楽天銀行教育ローン」は楽天銀行が提供する初めての教育資金専用のローンとなる。楽天銀行は2009年4月より「楽天銀行スーパーローン」(カードローン)、同年5月より「フラット35」、2012年1月より「フラット35」と変動金利住宅ローンを組み合わせた「固定と変動」、そして2013年11月より「楽天銀行住宅ローン(金利選択型)」を提供してきたが、このたびの「楽天銀行教育ローン」の取扱い開始で、より顧客の資金用途に合わせたローンニーズに対応できるようになるという。○「楽天銀行教育ローン」の特徴簡単な申し込み方法申し込みフォームの入力は楽天銀行ウェブサイトから行う。また、必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」から送ることができるので、郵送の必要はない。「楽天銀行アプリ」を利用しない顧客は、必要書類を郵送する必要があるスピーディーな融資審査結果は原則翌営業日に回答する。また、申し込みから最短で翌営業日に融資するので、急ぎの顧客も利用できる。申し込み受付時間によっては審査結果の回答が翌々営業日以降になる場合がある選べる金利タイプと魅力的な金利金利タイプは「変動金利」と「固定金利」を用意したので、顧客のプランに合わせて選ぶことができる。また、「変動金利年3.36%」(22日現在)、「固定金利年3.90%」(同)と、魅力的な金利で提供しているという○商品概要なお、楽天銀行アプリはAppStoreおよびGooglePlayから無料でダウンロードできる。楽天銀行は、今後も魅力ある商品・サービスの提供を続けていくとしている。
2014年12月26日■最近よく聞く「オルタナティブ教育」っていったいどういう教育?みなさんは、「オルタナティブ教育」という名前の教育スタイルを耳にしたことはありますか?オルタナティブ教育は、学力だけでなく人間性を高める独自の教育スタイルを取り入れている海外では、ずいぶん前から人気がある教育です。世界中には、各種フリースクールを含めて大小さまざまな「オルタナティブ教育」が存在していますが、現在、世界の2大「オルタナティブ教育」といえば、オーストリア生まれの哲学者ルドルフ・シュタイナーが1919年にドイツで始めた芸術性を教育実践に多く取り入れた「シュタイナー教育」と、20世紀初頭イタリアの医学者、マリア・モンテッソーリが知的障害の幼児教育の成功から提案した感覚教育を行う「モンテッソーリ教育」です。■オルタナティブ教育(1)シュタイナー教育哲学者ルドルフ・シュタイナーが自身の哲学に沿った芸術性を重んじている教育法です。人間は、7年ごとに節目がくるという理念に従い、7歳までは体や心作りを重視して文字の書き方や読み方などは、まったく教えません。第二期である7歳から14歳までの時期は、芸術性を重視した授業を展開。家を建てたり、楽器を作ったりといった実践を通して知識を学び、教科書は一切使用しないという伝統的教育とはまったく異なるスタイルをとっています。それぞれ子どもの成長時期に合った感性を重視した授業で、自発性や個々の発想力を身につけていくようです。■オルタナティブ教育(2)モンテッソーリ教育感覚教育ともいわれているモンテッソーリ教育。特に、3歳から6歳の間を敏感期と呼び、子どもの五感が一番発達する時期だと、モンテッソーリ教育では考えられています。感覚の発達は、知識の発達の基礎になるという考えから、シュタイナー教育とは正反対に、幼少期から独自に開発した日常生活に密着した豊富な教材を使い教材を実際に手で触った教育を行います。知識を高める感覚を養うと同時に、自発的に自分から選択する能力を学ぶため、自分から教材を選ばせます。そして、その子どもがその教材をもっと続けたいという意思を表現すると、同じ教材を一定の時間以上、続けさせることもあります。この方法は、モンテッソーリ教育が、集中力と自発性を授業内で無理なく自然に身につけることができる理由のひとつのようです。■世界の著名人も受けていた! モンテッソーリ教育「モンテッソーリ教育」は、・英国王室のウィリアム王子、ヘンリー王子をはじめとした、各国王室教育・Google創立者であるラリー・ページとセルゲイ・ブリン、Amazon創業者 ジェフ・ベゾス、Facebook創業者 マーク・ザッカーバーグ、Wikipedia創業者 ジミー・ウェールズなど、現代を代表するトップ起業家・オバマ現米国大統領、クリントン元大統領にヒラリー・クリントン元米国務長官とする政治家このほかにも多くの著名人が幼少時に受けていた教育として近年、国内外での注目度が高くなっています。日本では昨年、2013年には教育再生実行会議が、国公立大学の入試2次試験を学力試験から、人物像を重視する面接に変更するという法案に変更する案を検討しているという動きがあります。グローバルに世界を渡り歩かなければいけない時代に生きる未来を背負う子ども達。学力以上に、人間性を重視する幼児期のオルタナティブ教育に日本でも今後もっと注目が集まりそうですね。
2014年12月11日米Appleは、同社のWebサイトに教育に関するページを開設した。「教育は、すべての人にとっての根源的な権利である」という見出しとともに、同社の教育に関する理念、取り組みが綴られている。開設された教育に関するページでは、"Education is a fundamental human right for everyone."(教育は、すべての人にとっての根源的な権利である)というメッセージとともに、Appleの教育に関する理念、取り組みが記載されている。そこでは、米国内での教育制度の格差に触れ、教師や家族の奮闘にも関わらず生じているテクノロジーや知識にアクセスすることについての不平等な状況、特に人種的マイノリティ、低所得者層の不利益な状況は、どうにかして改善すべきだと語気を強めている。そして、「私たちは、世界中のもの凄い数の、可能性ある未来の発明家、未来の夢を描く人、未来のリーダーのために、道を切り開きたい」と気勢を上げている。Barack Obama米大統領は、幼稚園から高校までの公立学校に通う、人種的マイノリティを中心とした低所得家庭の生徒がインターネットや教育ツールにアクセスできるように支援する"ConnectED"プログラムを推進しているが、Appleもこの支援活動に参加しており、iPadやMac、Apple TVなど1億ドル相当の機材提供を行うことを確約している。最初のステップとして、今回、29の州、114の学校に支援を行った。これらの学校の92%はヒスパニック、黒人、ネイティブアメリカン、アラスカンネイティブ、アジア系の生徒たちが通学しているという。また、単に機材を提供するにとどまらず、支援する学校が、その教育目標を達成するために、学校を支援するパートナーとともに専門知識を提供し、積極的に人材も投入していくとしている。同社CEOのTim Cook氏はTwitterのアカウントで「ConnectEDのパートナーになった114校の生徒、教師、および理事らに触発された」いうツイートを投稿しているAppleは教育市場でのシェア拡大を睨んでいると言うより、この"ConnectED"への参加、さらに従業員の人種的多様性の改善、環境問題への対応もあわせて考えると、単にマーケットにフォーカスするのではなく、企業としての責務を全うするべく社会貢献に取り組んでいると評価するのが妥当なのかもしれない。
2014年10月30日●一般ユーザーやブロガーを招待日本マイクロソフトは10月16日、一般ユーザーを招いて、「平成 新Office教育委員会 - 日本のパソコンが変わる」というイベントを、東京スカイツリータウンのプラネタリウム「天空」にて開催した。この催しは、同日に行われた新Officeの発売イベント「日本のパソコンが変わる」を第1部とすると、第2部に該当するものだ。第1部の模様については、別記事『クラウドに一番近い場所で新Officeイベント - 「Office Premium」搭載PCと「Office 365 Solo」発売』を参照いただきたい。「平成 新Office教育委員会」ということで、先生と生徒が登場し、講義の後に質問が出る、というスタイルで進行。MCにハマカーンの神田伸一郎さん、生徒に同じくハマカーンの浜谷健司さんのほか、生放送主の茸さん、しゃけとりくまごろうさん、カミィさん、ナオキ兄さんも出演。生徒役の顔ぶれから分かるように、このイベントはニコニコ生放送で実況中継された。題材が学校ということで、まず校長先生として日本マイクロソフトの宗像氏が登場。Office Premiumの紹介を行った。新しいOfficeとなっても、Office搭載PCには、Office Personal / 同 Home & Business / 同 Professionalがプレインストールされていることは変わらない。が、永続ライセンスとなり、将来にわたって最新バージョンが使えるのだ。ただし、Office搭載PCを買い替えたり破棄したりすると、古いPCにプレインストールされていたOfficeの使用権(永続ライセンス)は失われる。加えて、Office 365サービスが組み合わさっている点に注目だ。OneDriveの1TBストレージ、スマートフォンやタブレットでも利用できるマルチデバイス対応、Skypeの60分通話(世界どこでも)、何度でも使えるテクニカルサポートが付く。この「Office 365サービス」部分は年間契約(サブスクリプション)となり、2年目以降は5,800円(参考価格)で更新できる。特にOneDriveの1TB分について、他社のオンラインストレージは1TBともなると月額で数千円かかるのは珍しくない。新Officeの提供形態は、世界でも日本だけのオトクなオファーであり、商用利用可能な点は従来通りであると説明した(宗像氏)。●PCメーカー各社が秋冬モデルをアピール○NECパーソナルコンピュータ引き続き、PCメーカー各社による授業が始まった。トップバッターはNECパーソナルコンピュータで、重点的にLaVie Uを紹介。CPUにIntel Core Mを採用し、薄型タブレットとしても、キーボード付きのノートPCとしても使える2in1形式の製品だ。これまで薄型軽量ノートPCのLaVie Zと、タブレットのLaVie Tab Wを発売していたが、両方のバランスを取って開発されたのがLaVie Uと紹介。小型ながらフルHD IPS液晶を搭載し、ストレージもeMMCではなくSSDを搭載しているので高速だという。Officeに関しても言及し、Webブラウザからの右クリックで表示画面をOneNoteに送る「Webクリップ機能」をチョイス。気になるWebページを記録しておくと、必要なときに検索してすぐに見つかると紹介。○東芝休憩ののち2時間目がスタート。先生は東芝の杉野氏にバトンタッチした。東芝はノートPCの新モデル全般と、そこに組み込まれている技術について解説。東芝はPCだけでなく、TV、HDD、NANDフラッシュを製造する稀有な会社であり、これらの技術力をトータルに生かした製品づくりを行っているという。例えば、液晶テレビのレグザで録画したものをリモートで視聴できるTVコネクトスイートを搭載したり(対応するレグザのみ)、HDDとNANDフラッシュのいいとこ取りをしたハイブリッドドライブの採用を秋冬モデルで拡大した。ハイブリッドドライブについては、900枚(約10GB)の写真データをサムネイル表示する平均時間(5回計測)が、一般的なHDDと比較して約1/9も短いという。また、Office 365サービスの解説動画を、東芝PCのマスコットキャラクター「ぱらちゃん」を起用して10種類用意したという。新しいモノを積極的に投入する姿勢も示し、一例として未発表のWindowsタブレットをチラ見せしていた。○富士通3時間目は富士通の近上氏と寺田氏が登場。プレゼンを見せるスタイルは生徒も飽きるだろうとして、実演中心の説明を行った。富士通は、オールインワンPCの「FMV ESPRIMO WH」を持ち込んだ。液晶画面の位置を3スタイルに変更でき、そのためにアジャストスライダーを新規に開発。スムーズで軽いポジション変更と、タッチペン入力時もぐらつかないところがポイントだ。液晶そのものは5kg弱あるが、スライダーに内蔵された二種類のバネを使うことで、体感的には80%軽いイメージになるとのこと。生徒を呼んで、画面ポジションの変更などを試してもらっていた。●冴子先生、教壇に立つ!○冴子先生、教壇に立つ!授業間の休憩中、ニコニコ生放送では冴子先生が各メーカーPCの紹介を行っていたが、4時間目は冴子先生が教壇に。新しいOfficeの紹介と、年末までに登場予定のOffice for iPad(日本語版)のライブデモを行った。念のため補足しておくと、冴子先生はもともとMicrosoft Officeのアシスタントキャラクターで人気が高く、これまで何度も「リアル冴子先生」が公の場に登場している。まず新しいOfficeの概要として、「常に最新版」という点と、「Office 365サービスが4種類」あることを説明。そしてOffice for iPadは、「Word for iPad」「Excel for iPad」「PowerPoint for iPad」で構成され、当たり前ながらWindows版と同じファイルを同じように見ることができる。Officeファイルの編集も可能だ。UIには若干の変更があり、標準では基本的なメニューしか表示されない。必要に応じて画面内の要素が追加されるようになっており、指での操作に合わせた仕様になっている。そして、これまでの授業をきちんと聞いていたか「テスト」が行われた。各メーカーに対する質問はキーワードなので分かりやすかったが、Office 365サービスを4つ書けというのは(このイベントで2回説明があったが)ちょっと難しい………。最後に宗像氏が閉講のあいさつで登壇し、今回の会場(東京スカイツリータウンの一角、プラネタリウム「天空」)がクラウド(空)に近く、かつ新しく、新Officeの開発コード「Project Gemiin」と同じ名前を持つコニカミノルタのプラネタリウム「GEMINI III」がある関連から、会場に選んだというエピソードを語った。各PCメーカーから発売される新Office搭載PCで日本のパソコンが変わると宣言して、イベントを終了した。なお、会場の入り口には、イベントに登場したNECパーソナルコンピュータ、東芝、富士通のPCに加えて、パナソニックのLet’snoteシリーズとマイクロソフトのSurface Pro 3が展示されていた。いずれも新Office(Office Premium)を搭載する2014年秋冬モデルで、タッチ&トライで体験できたほか、ニコニコ生放送向けに冴子先生が製品解説を行っていた。
2014年10月18日