脳リンパ腫のため21日に死去した俳優・松方弘樹さんの息子で俳優の仁科克基が24日、自身のブログを更新し、松方さんへの思いをつづった。仁科は、「偉大なる役者 そして父」というタイトルで更新。「1月21日に父である松方弘樹が旅立ちました」とあらためて松方さんの訃報を報告した。続けて、「突然の事で、本当に残念で仕方ありません」と胸中を吐露。「15年以上も、会えないままの 別れになってしまいました。最後にもう一度会って、一緒にお酒でも、飲みたかったです」と残念がり、「僕にとって、偉大で、大変 尊敬する 役者でした」とつづった。そして、「心から 御冥福を お祈り致します。親父…本当にありがとうございました。俺…頑張るからね」と感謝と決意を記した。
2017年01月25日アキラナカ(AKIRA NAKA)のクリエイティブディレクター中章が追求するファッション性と、アトリエ Manoaのテクニカルニットデザイナー早川靖子の高い技術が組み合わさり、アキラナカのニットは新たなフェーズへと導かれた。それは、文字にして記せば簡単に成立してしまうが、服として提示することは至極困難な作業である、”纏うだけで女性性に磨きを掛ける”という唯一無二のアイテムを生み出すこと。この秋冬には、世界に一着しかないニットがアキラナカから販売される。中が、膨大な時間と根気が必要とされるため敬遠してきたと語る、ニット地で構築したワンピースだ。編み幅も編み柄も異なる生地を、文字通りの匠の技でリンキングさせた、パッと見で手の込みようがわかるド迫力。ファッションに興味のない人が手に取ったとしても「どうやって作ってるの」と嘆息してしまうだろう。ファッション好きであれば思わず「Wow!」だ。「生地量が多くなれば、ニットはその重みでダレてしまう。でもローゲージだからこそ、圧倒的な迫力が得られる。そこは妥協したくありませんでした」と中は振り返る。まず、彼が起こしたデザイン画を元に、早川がニットワンピースを構築するパーツを試作することとなった。ニットワンピースを構築するパーツの施策から、中は“やんちゃ”な編地を選んだと早川は笑う「この編地を中さんが選んだ段階で『これはアートだ』と思いました。普通のデザイナーは、この柄は選ばないだろうと。これ、けっこうやんちゃな編地なんですよ(笑)。ニット教本を見てカーディガンを作ろうとか思ってる人も、まず選ばない編地ですね。やっぱりデザイナーと作り手、再現する側の視点が違うっていうのは、こういうことなんですよね。デザイナーのイメージは自由で、力強いものです。私たちみたいに“できるかな…”という技術的なことが脳裏にあって、妥協することは選ばないんです」早川は、中のイメージに沿うように幾つかのパーツを作り、いかにしてそれを繋ぎ合わせるか…。物理的な重さやシルエットバランスを二人で擦り合わせ、方眼紙に編み方と細かな指示をいくつも入れた”設計図”が作られた。編み方と細かな指示を方眼紙に書き込んでいく。これがニットのいわば“設計図”だ「早川さんのチームは、それぞれの編み方の技術者、プロフェッショナルがいらっしゃいます。なので、『じゃあここはリブ編みで。リブの次はかぎ針の職人さんにバトンタッチ。途中から棒針の方が引き継ぎます』なんてことができてしまう。それをすべて、早川さんが網羅するという…。改めて、すごい技術なんですよね。普通だったら生産性が悪いとか、やめましょうとか言われるんですけど、早川さんの場合は、最初から無理とは絶対に言わないんです」そうやって生まれたワンピース。その一着には、本当に様々な人々の想いが詰まっている。世界でたった一着、圧倒的な存在感のニットワンピースが生まれた「自慢でもなんでもないんですけど、この一着に出会った人のファッションに対する気持ち、熱量って、絶対変わると思うんです。これに出会って、気に入って、買っていただいて。そして身につけて街に出たら、いつもとは違う光景が広がっているはずです。手に取っていただければ、この迫力に感動していただけると思います」これは紛れもない職人仕業の賜物だ。中は、日本のモノづくりに宿る精神性を絶やしてしまってはいけないと続ける。「日本にも、早川さんみたいに編んでは解いて、解いては編んで、一個一個丁寧に作る職人さんは存在します。誇れる部分はいっぱいあるんです。だからそういった細かな手仕事にフォーカスし、魅力を感じる若い人たちが流れ込んできたら、もっと面白くなるなと思いますね」「ハンドニットに対する興味が、世の中から徐々に薄れていっている」と早川も危惧する。だからこそ、中は早川と手を組み、若い世代を育てていく構想も視野に入れている。「僕としては、お世話になりっぱなしで、まだ早川さんに恩返しができていないんです。今後、さらに自分たちのブランドが大きくなったら、このハンドニットの文化を伝承するような仕組みを作っていきたい。自分たちのブランドがベースとなって、ニット職人への教育の仕組みを作っていきたいんです」「ハンドならではの、このズシっとするクチュール感。アキラナカとしては、こういうところにラグジュアリーを求めていきたいと思っています。早川さんと僕が出会って、イノベーションが起こった。この流れを途絶えさせるのはすごくもったいないですからね」モノづくり国家ーー。日本がそう形容されるのには、理由がある。中の発想と早川の技術が出会い、大きなエネルギーが生まれたように、異なる才能をもった人と人とが同じベクトルを目指すとき、価値観は更新される。ファッションは待っている。新たな才能が衝突し合い、未来に向かう新たなエネルギーが生まれることを。【イベント情報】タイトル:ART KNIT会期:9月14日から26日場所:伊勢丹新宿店本館3階=リ・スタイル前編に戻る。
2016年09月12日村井良大、平方元基らが出演する舞台『SHOW ル・リアン』が、3月31日、東京・天王洲 銀河劇場にて開幕する。開幕を目前に控えた30日、舞台稽古が公開された。演出は本間憲一。舞台『SHOW ル・リアン』チケット情報作品は、夜毎ショーが開催されている“ル・リアンの館”に、ひとりの少年・タクミが迷い込んでくることからはじまる。少年とともに、観客も夢の世界に誘われていくような幻想的な雰囲気を纏ったショーだ。披露されるナンバーは『ショーほど素敵な商売はない』(アニーよ銃をとれ)、『Too Darn Hot』(キス・ミー・ケイト)、『All That Jazz』(CHICAGO)といった、スタンダード化しているミュージカルソングの数々。その王道ナンバーを、時にシックに、時にチャーミングに魅せていくのが、村井、平方ら人気若手俳優を中心としたメンバーだ。これまであまりショー作品への出演イメージのない彼らの個性が素敵に光り、なんとも温もりあるステージを作り上げている。村井はストーリーテラー的役割も担いつつ、後半の重要なタップダンスの場面もしっかりと見せ、平方は豊かな歌声を劇場いっぱいに届け、若手ミュージカルスターらしいきらめきを放った。さらにダンサー・大貫勇輔が『SINGIN’ IN THE RAIN』(雨に唄えば)でジーン・ケリーもかくやといったダンスを披露したり、元宝塚トップスター・大空祐飛はジャズのスタンダードナンバー『Stardust』でオーラ全開のディーバの顔を見せたと思えば、真っ赤なミニドレスでキュートなペアダンスを披露したり……と、出演者それぞれの魅力が存分に楽しめるショー。演出を手がける本間が日本を代表するタップダンサーということもあり、タップダンスも重要な要素で、HIDEBOHの印象的なソロ・タップ、出演者全員の迫力のタップも見どころだ。そして本作のテーマ曲の作曲も手がけた14歳の天才ピアニスト、奥田弦の超絶テクニックも必見。郷愁を誘うスタンダードナンバーを繋げ、奇を衒わず丁寧に作り上げたた舞台は、古き良きショー作品の趣きだが、奥田とタクミ役の松本拓海というふたりの少年の存在が、エンターテインメントの未来の輝きを予感させる。ショー作品の原点と未来を同時に体感できる、上質のステージである。公演は4月3日(日)まで同劇場にて。その後、4月5日(火)・6日(水)には大阪・サンケイホールブリーゼでも上演される。
2016年03月31日“エンタテインメントの聖地”とされる館「ル・リアン」で行われるショーと、館での人間模様とを描く『SHOW ル・リアン』。出演の村井良大と平方元基はともに、ミュージカルからストレートプレイまで様々な舞台に出演してきたが、本格的なショーは初めてだと口を揃える。舞台『SHOW ル・リアン』チケット情報「僕は毎年、目標を立てるのですが、今年は挑戦する年にしたいと思っているんです」と語るのは、デビュー10周年の村井。「これまで、イメージが一変するような舞台はあまりやってこなかった気がします。でも凝り固まってしまうのが嫌で、28歳になる今年は違うことをしたかった。そのタイミングで(繋がり・絆という意味の)『ル・リアン』に出演させていただき、まさに“繋がった”感じ。ショーの中で、重さがあるから軽くもできるような表現を目指したいです」。一方、平方は「お芝居ではまず舞台上で対話を完成させなければいけないけれど、ショーは“ジャンジャン!”ってキメて、それをお客様に投げかけるみたいなところがありますよね。今回はタップダンスも披露します。ミュージカルと密接に関わるタップは、一度やってみたかったもの。30歳という節目に挑戦させていただくことは、一生の財産になりそうです。“観るは天国、やるは地獄”でとてつもなく難しいですが、どんな地獄を見たかで表現できるものも変わってくると思うので頑張りたいです」と意気込む。村井が演じるのは、館を取り仕切るMC(HIDEBOH)の下で修業する次期MC役。「タップ歴は『私のダーリン』の稽古と本番の数か月なので、HIDEBOHさんと肩を並べるのはとても無理。ただ、久々にやったら体が結構おぼえていました」と村井が言えば、平方は「良大くんは舞台上でも普段でも切り返しが早いので、MC的な役割は本領が発揮できると思います」と評した。その平方は、館で歌い踊るエンタテイナー役。「タップはもちろん音が鳴らないといけないんだけど、今は鳴らなくても感覚として楽しめるし、時折鳴るとさらに楽しい」と言う平方について、村井が「(構成・振付・演出の)本間(憲一)先生が“元基くんは音楽が好きだから、音へのこだわりがあってセンスも良い”と褒めていました」と教えてくれた。舞台では、往年のミュージカルの名曲が、今回独自の物語の中に編み込まれて展開する。「色々な場所でお客様が聴いてきたナンバーも、別の物語で表現されるので、これまでとは違う新鮮な感情が生まれるかもしれません。最後は胸がキュンとなって、タイトルの意味にも納得していただけると思います」(村井)「この場面ではこの曲、という理由も描かれるので、謎解きのように楽しんでいただけるはず。悲しみの涙ではないけど、しずくがぽつんと落ちて、次第に波紋が広がっていくような作品。そのしずくで少しでもお客様の心を動かせたら嬉しいですね」(平方)公演は3月31日(木)から東京・天王洲 銀河劇場、4月5日(火)から大阪・サンケイホールブリーゼにて。取材・文:高橋彩子
2016年03月14日“エンタテインメントの聖地”とされる館「ル・リアン」で行われるショーと、館での人間模様とを描く『SHOW ル・リアン』。出演の村井良大と平方元基はともに、ミュージカルからストレートプレイまで様々な舞台に出演してきたが、本格的なショーは初めてだと口を揃える。舞台『SHOW ル・リアン』チケット情報「僕は毎年、目標を立てるのですが、今年は挑戦する年にしたいと思っているんです」と語るのは、デビュー10周年の村井。「これまで、イメージが一変するような舞台はあまりやってこなかった気がします。でも凝り固まってしまうのが嫌で、28歳になる今年は違うことをしたかった。そのタイミングで(繋がり・絆という意味の)『ル・リアン』に出演させていただき、まさに“繋がった”感じ。ショーの中で、重さがあるから軽くもできるような表現を目指したいです」。一方、平方は「お芝居ではまず舞台上で対話を完成させなければいけないけれど、ショーは“ジャンジャン!”ってキメて、それをお客様に投げかけるみたいなところがありますよね。今回はタップダンスも披露します。ミュージカルと密接に関わるタップは、一度やってみたかったもの。30歳という節目に挑戦させていただくことは、一生の財産になりそうです。“観るは天国、やるは地獄”でとてつもなく難しいですが、どんな地獄を見たかで表現できるものも変わってくると思うので頑張りたいです」と意気込む。村井が演じるのは、館を取り仕切るMC(HIDEBOH)の下で修業する次期MC役。「タップ歴は『私のダーリン』の稽古と本番の数か月なので、HIDEBOHさんと肩を並べるのはとても無理。ただ、久々にやったら体が結構おぼえていました」と村井が言えば、平方は「良大くんは舞台上でも普段でも切り返しが早いので、MC的な役割は本領が発揮できると思います」と評した。その平方は、館で歌い踊るエンタテイナー役。「タップはもちろん音が鳴らないといけないんだけど、今は鳴らなくても感覚として楽しめるし、時折鳴るとさらに楽しい」と言う平方について、村井が「(構成・振付・演出の)本間(憲一)先生が“元基くんは音楽が好きだから、音へのこだわりがあってセンスも良い”と褒めていました」と教えてくれた。舞台では、往年のミュージカルの名曲が、今回独自の物語の中に編み込まれて展開する。「色々な場所でお客様が聴いてきたナンバーも、別の物語で表現されるので、これまでとは違う新鮮な感情が生まれるかもしれません。最後は胸がキュンとなって、タイトルの意味にも納得していただけると思います」(村井)「この場面ではこの曲、という理由も描かれるので、謎解きのように楽しんでいただけるはず。悲しみの涙ではないけど、しずくがぽつんと落ちて、次第に波紋が広がっていくような作品。そのしずくで少しでもお客様の心を動かせたら嬉しいですね」(平方)公演は3月31日(木)から東京・天王洲 銀河劇場、4月5日(火)から大阪・サンケイホールブリーゼにて。取材・文:高橋彩子
2016年03月14日ユニットコムは2月3日、OTG対応ポートを含むUSBポート×6基を搭載したスマートフォンスタンド「O332-Y-3067」を、パソコン工房の通販サイト内雑貨店「Nantena」にて発売した。価格は税込2,980円。O332-Y-3067は、本体側面にOTG対応のUSBポート×1基、PC接続用のUSBポート×1基、給電用・通信用のUSBポート×4基を搭載したスマートフォンスタンド。スマートフォンをスタンドに立てかけた状態で充電したり、マウスやPCを接続して同時に使用できる。本体サイズ(スマートフォンホルダー部分含まず)はW110×D23×H63mmで、重量は175gとなっている。PC接続用のUSBケーブル、OTGケーブル、パワーコネクタなどが付属する。
2016年02月03日「セクシーロボット」シリーズ、ソニーの「AIBO」のコンセプトデザインなどで知られるイラストレーター、空山基(HAJIME SORAYAMA)の新作個展「女優はマシーンではありません。でも機械のように扱われます。」が1月30日より、渋谷のギャラリーNANZUKAでスタートした。空山基はエアブラシを駆使したイラストレーションで、70年代よりフリーのイラストレーターとして活動を開始。78年のサントリーの広告を最初に、80年代を代表するエアブラシ手法で知られ、女性美をメタリックなロボットやフェティッシュな表現で国内のサブカルチャーシーンのみならず、海外でも伝説的な存在。1999年にはソニーのAIBOでグッドデザイン賞、メディア芸術際グランプリを受賞し、初代AIBOはスミソニアン博物館&MOMAのパーマネントコレクションに収蔵されている。海外のアートスクールでは空山の作品の制作過程を図解した作品集が教科書として使用されていることも多く、ハイパーリアリズムの巨匠。エアロスミスの「Just Push Play」のCDジャケットのカバーが有名だが、ア ベイシング エイプ、ナイキ、 ビームス、ステューシーなどとのコラボでも知られ、ファッション界でもファンが多い。今年1月に行われたピッティ・イマージネ・ウオモ89でも、韓国人デザイナーのジュン・Jが空山基をメインテーマとしたコレクションをランウェイショーで発表。グラフィティアーティストのKAWSとのコラボフィギュアなど、ストリートアート、ネオ・ジャポネスクのブームと共に、海外での再評価が高まっている。今回の展覧会では、空山が敬愛するマリリンモンローをロボットとして書き起こした新作ペインティング10点と、立体作品のセクシーロボットを等身大、1/3スケールの2体が展示されている。【イベント情報】空山基新作個展「女優はマシーンではありません。でも機械のように扱われます。」会場:NANZUKA住所:東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB1F会期:1月30日~3月5日時間:11:00~19:00休館日:毎週月曜日、日曜日、祝日料金:無料Text: 野田達哉
2016年02月02日連載の第1回では、日本初の金星探査計画がどのようにして立ち上がり、そして「あかつき」と命名されて宇宙に飛び立つに至ったのかについて、第2回では5年前の金星周回軌道への投入失敗と、そこからどのようにして再挑戦ができる道筋が見つかったのか、この5年間の「あかつき」と運用チームの苦闘を紹介した。今回、「あかつき」のプロジェクト・マネージャを務める中村正人さんに、「あかつき」の計画立ち上げのころのお話を伺った。(このインタビューは2015年11月19日に行われたものです)中村正人さん1959年生まれ。理学博士。JAXA宇宙科学研究所 教授。1982年、東京大学理学部地球物理学科卒業。1987年、東京大学理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了。ドイツのマックスプランク研究所研究員、旧文部省宇宙科学研究所助手、東京大学大学院理学系研究科助教授を経て、2002年より現職。惑星大気とプラズマ物理学が専門。金星探査機「あかつき」では、計画の立ち上げから先頭に立ち、プロジェクト・マネージャとして開発から運用、5年前の失敗事故への対応、再挑戦に向けた計画策定を率いてきた。○「あかつき」の夜明け--まず最初に、「あかつき」の計画がどのようにして立ち上がり、そして中村先生はどのような経緯でそれに関わられたのかについてお聞かせください。中村: 20世紀の終わりに、当時僕は東京大学の助教授だったんですが、指導教官だった宇宙研の鶴田先生[*1]に呼びつけられまして、「金星に行きたいんだが、赤外線のカメラを造ってほしい」と言われたんですね。そのころ僕の研究課題は極端紫外線といって、X線と紫外線の間の光を使って、宇宙空間に広がっているプラズマの様子を調べるという仕事をしていたんです。なので「僕には極端紫外線の仕事がありますから」と言ったら、鶴田先生からは「いや中村君、極端紫外線はもう古いから学生に任せなさい」と言われたんです。その当時の学生が今ではもう東大教授ですよ。「ひさき」[*2]に関わっているのは、当時の学生や、さらにその学生です。でも私はその成果を見ずに赤外線のほうに行って、そのうちに「中村君、衛星本体のほうも頼むね」と言われて、1年で提案書をまとめあげました。そして、2000年12月に宇宙科学研究所の理学委員会に対して提案書を提出しました。そのあと、2001年1月に「宇宙科学シンポジウム」[*3]というのがありまして、その初日の最初の講演で、僕が「あかつき」の提案をしたんですね。そのシンポジウムをやった日の夕方に宇宙理学委員会[*4]を開いていただいて、そこから科学衛星24号「PLANET-C[*5]」の計画の評価や審査が始まりました。--ええっ、わずか1年ですか。ところで、そもそもどういう経緯で「日本も金星に探査機を送ろう」という話が出てきたのでしょうか。中村: なんで金星かというと、やはり地球に近い火星や金星は行きやすいんですね。それで、当時すでに火星探査機「のぞみ」があったので、だから次は金星だろう、ということになりました。あまり遠いところに行くと、通信回線が細くなるので、送れるデータが限られるんですよね。観測ではたくさんのデータを取りますから、それは辛い。あと、我々は重力のある天体の周回軌道に衛星を投入した経験がないので、いきなり難しいことやるのは止めたほうがいいですからね。金星、火星以外は、あまり選ぶ余地がなかった。実は「のぞみ」の計画(PLANET-B)を立ち上げるときに大議論があって、火星に行くか、金星に行くかで揉めたんです。結局火星に決めて「のぞみ」になったのですが、それなら次は金星だろうと。でも今までソヴィエトや米国がやってきたようなことと同じテーマで探査をやっても、それも意義はあるのですが、違うことをやろうということになりました。金星は雲に覆われているので中が見えないんです。だから、金星の中でどういう風に大気が動いているかは調べられていなかった。その後、1980年ぐらいに「金星の大気は熱くて赤外線を発しているから、赤外線の観測機器を使って見ると雲の中を覗けるぞ」ということがわかったんですが、ソヴィエトや米国が金星を探査したのは、それがわかるより前の1960~70年代のことですから、彼らはやっていなかったんですよ。だから赤外線を使えば金星の雲の中の様子がわかる、やろうじゃないか、ということにはなったんですが、日本には赤外線の観測機器を造れる人がいなかった。だから鶴田先生は僕に「日本で赤外線の機器が造れるやつがいないから君がやれ」って言ったんですね。僕は磁気圏物理屋さんで、気象学はぜんぜんど素人で、なんの関係もないんです。でも光のセンサー機器の開発をやっていたということもあって、「やってくれ」と言われたわけです。ただ、「やってくれ」と言われても、まずはその提案を通さなきゃならない。それで1年間一生懸命やって提案書を作って提案して、他の先生方も説得して、提案が通ったのが、2001年でした。そのときは2007年に打ち上げて、2008年か2009年に金星到着という計画だったんですが、M-Vロケットの4号機が失敗したんですね。それの手当てをするのにお金が必要で、PLANET-Cを立ち上げる予算がなかったんです。結局、2004年まで立ち上げることができなくて、それから造り始めたので、打ち上げが2010年になったというわけです。ただ、2004年に立ち上がってからはスケジュールの遅延はありませんでした。一度、打ち上げロケットがM-VからH-IIAに変わったときにかなりすったもんだしましたが、それでも遅延を起こさずやってこられました。--つまり中村先生が関わられる前から、科学者の方の間では金星探査をしたいという土壌があったのでしょうか。中村: ありました。あったんですけど、「やりたい」という人はいっぱいいても、「できる」という人はあんまりいなかったんですよ。なぜかというと、たとえば「あかつき」の場合だと2000年に検討が始まって、今が2015年。つまり15年かかるんです。研究者人生の半分をつぶすことになるんですよ。だから「やる」って人はあんまりいないんです。でも僕は「コミュニティのために人生を捧げなさい」という教育を受けてきたんです。同じ教育を受けたのが早川基さん[*6]で、彼は今、水星探査計画「ベピコロンボ」のプロジェクト・マネージャをやっていますね。そして僕に「金星をやれ」と言った鶴田先生は、「のぞみ」のプロジェクト・マネージャでした。この3人は同じ研究室にいて、鶴田先生が助教授で、早川さんが助手で、僕が学生だったんです。この3人はずっと磁気圏物理をやってたんだけど、どこからか道を誤って惑星探査機のプロマネになってしまったんです。水星探査なんてものすごく難しいから、だから比較的簡単な金星は中村君で、難しい水星は早川君で、ということになったんじゃないですか(笑)。--先ほど、「やりたい」という人はいっぱいいた、とおっしゃいましたが、その発端はどなただったのでしょうか。中村: それはね、「あかつき」のプロジェクト・サイエンティストをやっている今村君[*7]が「行きたい」って言ったんですよ。あとそれ以前に、当時に東京大学にいて、今は東京学芸大学で教授をやっている松田先生という方がおられるんですが、この方が金星の気象の大気力学の専門で、金星に対する素地はあったんですね。今村君もそういう勉強して、さらに彼は雲が好きなんです。すごく好きなんですよ。地球の雲も好きなんですけど、金星の雲はもっと好きで、「どうやってできるのか」といったことを知りたかった。だから鶴田先生に「金星をやれ」と言われたときのことを正確に言うと「今村君が金星に行きたがってるんだけど、君が助けてやってくれないか」ということだったんです。--金星の大気というと、分野としてはすごく限られていると思うのですが、惑星や気象をやっている研究者の方々の間での反応はどのような感じだったのでしょうか。中村: 始めはね、日本の気象学の分野では「金星探査なんてやってもね」と言われていたんですよ。それで、2000年の検討時に、僕と今村君は全国の大学に行って、気象学教室に赴いてはセミナーをやって、「金星の大気探査をやれば気象学が発展しますよ」と話をしたんですよ。もうたくさんやりましたよ。そうして合意を取り付けた上で、2001年の宇宙科学シンポジウムに臨んだので、そこで反対意見が出るとは思っていませんでした。みんなね、話を聞くのが面倒な人は「中村さんのおっしゃることは大変すばらしい」と言うし、反対しようという人も、それ以前に今村君に論破されちゃってるから。そういう意味では、我々はコミュニティを切り開きつつあると言っても良いと思いますね。気象学をやっている人全員が金星に興味があるわけじゃないんですけど、「あかつき」でデータが取れることによって、日本の気象学の先生たちが大挙して、金星大気という分野に乗り込んでくると思うんですよ。今はまだこの分野はすごく小さなコミュニティですが、かなり大きくすることができる。みんなが合意することをやるんじゃなくて、やりたいことをやって、それをみんなに納得させることが大事だと思いますね。【取材協力:JAXA】
2015年12月09日CFD販売は9日、PowerColor製グラフィックスカードの新モデルとして、2基のRadeon R9 390を搭載した「AXR9 390 II 16GBD5」を発表した。10月中旬の発売を予定し、店頭は税別129,800円前後。PowerColorオリジナルのデュアルGPUカード。2組の高冷却ヒートシンクと3連ファンを組み合わせたクーラーを採用するほか、15フェーズの電源や高品質コンデンサを搭載し、安定したパフォーマンスを発揮するという。主な仕様は、SP数が2,560基×2、動作クロックが最大1,000MHz、メモリクロックが5,400MHz、メモリは512bit接続のGDDR5 8GB×2。PCとの接続バスインタフェースはPCI Express 3.0 x16。映像出力端子はHDMI×1、DL-DVI-D×2、DisplayPort×1。補助電源は8ピン×4。本体サイズはW304.8×D136.2×H59mm。Razer製ゲーミングマウス「Ouroboros」が付属する。
2015年10月09日サンワサプライは23日、USB 3.0ポート×1基とUSB 2.0ポート×3基を搭載したUSBハブ「USB-HAC402シリーズ」を発売した。カラーはブラック、レッド、ホワイトの3色。価格は3,002円(税込)。USB-HAC402シリーズは、USB 3.0ポートを1基、USB 2.0ポートを3基搭載したコンボタイプの4ポートUSBハブ。USB 3.0ポートは、スーパースピードモード(5Gbps/理論値)に対応。USB 2.0ポートに機器を接続していても、USB3.0ポートはスーパースピードモードで動作する。AC電源不要なUSBバスパワータイプ。ケーブル長は約11cm、供給可能な最大電流は800mA(全4ポート合計)。対応OSは、Windows XP / Vista / 7 / 8 / 8.1、Apple Mac OS X 10.4以降。本体サイズはW95×D23×H16mm。
2015年07月24日センチュリーは14日、USB 3.1ポート×2基を備えるインタフェースカード「ポートを増やしタイ USB3.1×2ポート PCI Express x2接続インタフェース (CIF-U31P2)」を発売した。価格は4,298円。USB 3.1コントローラーにはasmedia製「ASM1142」を採用し、USB 3.0を越える10Gbps(理論値)での転送をサポートする。ポートはUSB 3.1 Standard Aコネクタで、PCとの接続インタフェースはPCI Express x2。ロープロファイル用ブラケットが付属する。対応OSはWindows 7 / 8 / 8.1。
2015年05月14日サードウェーブデジノスは20日、クリエイター向けデスクトップPC「Raytrek」シリーズの新モデルとして、ストレージに8基の128GB SSDをRAID 0で搭載した動画編集向けモデル「Raytrek-V AR-E」を発表した。PCショップ「ドスパラ」にて即日販売を開始する。価格は税別539,980円から。「Raytrek-V AR-E」は、ストレージにOS起動用の240GB SSD(Intel 530)、データ保存用の3TB SATA3 HDDに加えて、8基の東芝製128GB SSDをAdaptec製RAIDカード「ASR-8805」と組み合わせRAID 0構成で搭載する。サードウェーブデジノスによると、データ転送速度はシーケンシャルリード/ライトで、3GB/sを超えるという。また、電源やマザーボードに高品質なパーツを採用するほか、長時間の連続負荷テストを実施し、長時間のレンダリング作業など高負荷が連続する作業でも安定して動作するとしている。主な仕様は、CPUがIntel Core i7-5930K (3.5GHz)、チップセットがIntel X99 Express(ASUS製マザーボード)、メモリがPC4-17000 32GB(8GB×4、最大64GB)、ストレージが240GB SSD + 128GB SSD×8(RAID 0 / Adaptec ASR-8805採用) + 3TB HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 980 4GB、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、電源が860W 80PLUS PLATINUM、OSはWindows 8.1 Pro 64bit、もしくはWindows 7 Professional 64bit。
2015年02月20日ユニットコムは15日、「iiyama PC」ブランドから、GeForce GTX 980×2基をSLI構成にしたハイエンドゲーミングデスクトップPC「GS7190-LCi7-VMDB」を発売した。BTOに対応し、OSをWindows 8.1 UpdateかWindows 7 Professionalから選択できる。標準構成価格はWindows 8.1 Updateの場合340,179円、Windows 7 Professionalの場合345,579円。標準構成時のCPUはIntel Core i7-5930K(3.50GHz)で、CPUクーラーとしてメンテナンスフリーの12cmラジエーターファン搭載水冷モデルもセレクトできる。そのほか、チップセットがIntel X99 Express、メモリがDDR4-2133 16GB(4GB×4)、ストレージが500GB SATA HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 980×2基(4GB SLI)、光学ドライブがDVDスーパーマルチ、電源が850W 80PLUS PLATINUM認証。主なインタフェースは、Gigabit Ethernet対応有線LAN×1、USB 3.0×9、USB 2.0×4など。本体サイズは約W198×D479×H461mm。
2015年01月15日マウスコンピューターは5日、同社の法人向けPCブランド「MousePro」より、CPUにIntel Xeon E5-2620 v2を2基、グラフィックスにNVIDIA GeForce GTX 980を2基搭載したハイスペックワークステーション「MousePro Wシリーズ」を発表した。本日より販売を開始する。「MousePro-W720DG98X」の主な仕様は、CPUがIntel Xeon E5-2620 v2(2.1GHz)、チップセットがIntel C602、メモリがPC3-12800 64GB ECC(8GB×8)、ストレージが240GB SSD + 2TB HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 980 4GB×2(SLI構成)、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、OSがWindows 7 Professional 64bit。本構成での価格は税別548,000円から。「MousePro-W720DG98X」から、メモリをPC3-12800 32GB ECC(8GB×4)、ストレージを2TB HDD、グラフィックスをNVIDIA GeForce GTX 980 4GB×1に変更した「MousePro-W720DG98S」は、税別398,000円から。また、Intel Xeon E5-2620 v2(2.1GHz)とNVIDIA GeForce GTX 980 4GBを1基ずつ、メモリにPC3-12800 16GB ECC(8GB×2)を搭載した「MousePro-W720SG98B」は、税別324,800円から。
2014年11月05日BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)が広島のパセーラに、新たなブティックをオープンした。広島の基町クレド・パセーラにオープンしたブティックは、ワンフロアで構成された広々とした店内に、ラゲージやメンズのシューズ、メンズおよびウィメンズのバッグ、レザーグッズ、ベルト、アクセサリー、ファッションジュエリー、フレグランスが取り揃えられている。ボッテガ ヴェネタ広島店は、クリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーによってデザインされ、ボッテガ・ヴェネタらしさを表現するストアコンセプトに基づいて、特注のウォールナット製のテーブルやガラス製のハンドクラフトのケース、レザーで覆われたドアハンドルが使用されている。また、マットなニュートラルカラーやアースカラーといった、落ち着いた感覚的な色合いが使われており、プライバシーや洗練された雰囲気、心地よさを感じる空間でショッピングが楽しめるようになっている。トーマス・マイヤーはオープンについて「広島に新しいブティックをオープンできること、特に空間デザインが非常にユニークなこの場所でオープンできることを嬉しく思います。ブティックのファサードは、日本のクラフトマンシップとボッテガ・ヴェネタらしい美的感覚を融合させました。このブティックはボッテガ・ヴェネタのプロダクトと同じインスピレーションに基づいて設計されており、現代的で時間を超越する、美しいものをデザインし、形にすることを意識しました。広島のお客様にここでのショッピングを楽しんでいただけると確信しています」と語っている。ボッテガ・ヴェネタの社長兼CEOのマルコ・ビッザーリも「広島のお客様をブティックにお招きして、ボッテガ・ヴェネタの卓越したサービスと比類のないラグジュアリーを楽しんでいただけるのを心待ちにしています」と語り、ボッテガ・ヴェネタの新ブティックオープンに対し、期待の意を示した。【ボッテガ・ヴェネタ広島店】〒730-0011 広島県広島市中区基町6-78元の記事を読む
2012年12月06日ロンドン五輪のアーチェリー娘、早川漣がアゴの整形希望!ロンドンオリンピックのアーチェリー代表の面々が、それぞれ獲得したメダルを土産に凱旋帰国した。その中の一人、早川漣(24)が会見でアゴを整形したいと真顔で話したという。(デイリースポーツより)女子団体で銅メダルを獲得した早川漣、蟹江美貴、川中香緒里(左から)初のアーチェリー団体メダルを獲得早川連、蟹江美貴、川中香緒里はアーチェリー女子団体の3位決定戦で、ロシアに逆転勝ちし、団体では日本初となる銅メダルを獲得。早川漣選手のコメントチームで最後の1射で10点を決めた早川選手は「今まで支えてきてくれた人たちの顔が思い浮かびました」と話し、競技外の夢や目標を問われると「アゴを削りたいです」と即答、報道陣を爆笑させた。顔のラインに悩みがあるそうで「小学校の時からの夢です。予算?もっと頑張らないといけないかも」と、4年後のリオ五輪への挑戦への可能性を示した。ちなみに、日本オリンピック協会からのメダル報奨金は、金300万円・銀200万円・銅100万円だ。元の記事を読む
2012年08月07日阪急電鉄は阪急百貨店うめだ本店前の南北コンコース1階に設置工事を進めていたエスカレーター6基について、31日より供用開始すると発表した。6基のエスカレーターは並列タイプとしては日本初。通行客の状況に合わせて上り・下りを適宜変更しながら運用する。エスカレーターの高低差は約6mで、長さは約12m。昇降速度と傾斜角度は一般的なエスカレーターと同じ。供用時間は4:30~24:30。南北コンコースは、阪急百貨店うめだ本店と阪急グランドビルの間にある幅員約16.5m、高さ約9mの歩行空間で、阪急梅田駅方面と阪神梅田駅および地下鉄梅田駅・東梅田駅方面とを結んでいることから、通勤通学や買い物客などに多く利用される”阪急梅田のメインストリート”となっている。今年秋に全面開通予定とのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月25日