今年の「24時間テレビ」(8月27日・28日放送)では、監督・脚本:劇団ひとり×主演:浅野忠信がタッグを組み、スペシャルドラマ「無言館」を放送。戦争で亡くなった画学生の作品を集めた、実在する美術館「無言館」設立のために全国を駆け巡った、ある男の物語を描く。太平洋戦争の最中、「あと10分、あと5分でいいから描かせてくれ…」と、出征する直前まで絵を描き続けた画学生(※当時、美術学校で絵を学んでいた学生のこと)がいた。「生きて帰ってこられないかもしれない」と、彼らに残された時間の中で描かれたのは、故郷の畦道、夢に描いた家族団らんのひと時、愛する女性など、驚くほど穏やかな絵ばかり。主人公・窪島は、戦没画学生の絵を展示する美術館「無言館」の設立を目指し、絵を集めるために、全国各地の遺族のもとを駆け巡る。建設費の問題や遺族からの非難など、多くの壁にぶつかる窪島。「金儲けばかりで、戦争の事なんて何も考えなかった俺がこんなことしていていいのか…?」と自問自答する窪島だが、様々な困難と葛藤を乗り越えた先には、感動の奇跡が待っていた――。本作は、彼らの遺した絵を集めることで、自分を見つけ、そして自分の思いを届けようとした、ある男の物語。題材となる「無言館」は、長野県上田市に実在する美術館で、実際に窪島誠一郎が集めた戦没画学生らの絵が展示されており、後世に向けて戦争を語り継ぐ場所となっている。窪島役の浅野さんは「いつの時代も芸術が人々の心を動かすだけでなく、人生そのものに強い影響をもたらしていたことがわかる内容にも強く感動しています」と本作についてコメント。監督兼脚本を担当するのは、本作が3作目となった劇団ひとり監督は「ただ頷くだけで、ただ見つめるだけで、なんとまぁ絵になることか。この感動を皆さんと共有できる日を楽しみにしております」と撮影の様子を話している。24時間テレビ45 スペシャルドラマ「無言館」は8月27日(土)21時頃日本テレビにて放送予定。「24時間テレビ45」は8月27日(土)、28日(日)日本テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2022年07月25日名だたる古典バレエを自身のプロダクションとして生まれ変わらせてきた熊川哲也が、2017年、原作も音楽も存在しない全幕作品に挑み、熊川哲也の最高傑作と名高い「クレオパトラ」。この度、またとない最高のキャスティングで4年ぶりに上演いたします。このほど、タイトルロールの一人である日高世菜(※2)の公演ビジュアルとスポットが解禁となりました(※1)。また3年半ぶりの全幕出演であり、ジュリアス・シーザー役で本作に初登場となる熊川哲也からのメッセージも併せてお届けいたします。(※1)詳細URL: (※2)「高」は、はしごだか。メインビジュアル (C)Toru Hiraiwa絶世の美女の代名詞でありながらいまだ多くの謎に包まれているクレオパトラを、熊川が壮大な史実を紐解きオリジナルのストーリーを構築、全2幕にわたるグランド・バレエに仕立てました。作品の成功を大きく左右する音楽にはカール・ニールセンの楽曲を使用。舞台美術デザインにはメトロポリタン歌劇場やミラノ・スカラ座など世界の一流オペラ劇場の舞台を手がけるダニエル・オストリング。現代的感性が光る前田文子の衣裳。そして、クラシック・バレエの既成概念を大胆な創意で押し広げた熊川の振付。これらすべてが完璧なる融合を果たした、振付家・熊川哲也の最高傑作がこの「クレオパトラ」なのです。■熊川哲也、出演決定!今回の公演では、ジュリアス・シーザー役で熊川哲也の出演も決定し大きな話題に。ギリシャ・ローマの歴史を決定的に変えた政治家であり軍人という役所のシーザーは、クレオパトラの激動の人生におけるキー パーソン。圧巻の存在感を必要とされる役だけに、期待は尽きません。熊川哲也 (C)Toru Hiraiwa<ジュリアス・シーザー役にて初登場!芸術監督/熊川哲也コメント>「クレオパトラ」は、原作も音楽も存在しないところから産み出した、まさに“創作の真骨頂”ともいえる作品であり、私自身にとっても非常に特別なものです。ニールセンの音楽に出会い、演出が降ってきた瞬間から、極めて完璧に近い領域に到達したと感じ得た初日の舞台まで、この作品が誕生するまでの一刻一刻は、非常に満ち足りた時間でした。3度目の上演となる今回は、初演の奇跡を蘇らせてくれるであろう浅川紫織に加え、第二世代ともいえるキャストが揃います。容姿はもとより、バレエの形式美を超えて、各々のありのままの姿が顕になるこのタイトルロールを、彼女たちがいかに創り上げるか、ご期待ください。初演の2017年から5年の時が過ぎ、その間に私も節目を迎える歳となりました。「五十にして天命を知る」といわれますが、有限たる時において自らがすべきこととは何か――。自身の若い頃を振り返ると、ヌレエフと同じバーを握って稽古した日や、当時のスターと一緒に舞台に立った経験は、かけがえのない光景として脳裏に刻まれています。それを思うと、伸び盛りの若手と自分が舞台上で同じ空気を吸うことは、私が思う以上に彼らにとって意味あることであり、バレエに生かされた者として今なすべきことのひとつが“継承”であるという想いから、今回の出演を決断いたしました。この機会を後進のため、存分に生かしたいと思います。熊川哲也 Tetsuya Kumakawa ~芸術監督 Artistic Director of K-BALLET COMPANY~北海道生まれ。1987年、英国ロイヤル・バレエ学校に留学。89年、ローザンヌ国際バレエコンクールで日本人初の金賞受賞。同年、英国ロイヤル・バレエ団に東洋人として初めて入団。91年、史上最年少でソリスト、93年にプリンシパル昇格。99年、K-BALLET COMPANY設立。芸術監督として団を率いるほか、演出・振付家としても才能を発揮し、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」など全幕古典作品の演出・再振付や、完全オリジナル全幕作品「クレオパトラ」「蝶々夫人」などの新作を数多く上演。2012年1月、Bunkamuraオーチャードホール芸術監督に就任。2013年、紫綬褒章受章。■クレオパトラ役 ~Kバレエのプリンシパルたち~日高世菜Kバレエ初のプリンシパル入団を果たし熊川に「完璧バレリーナの象徴」と言わしめる日高世菜 Sena Hidaka兵庫県生まれ。2008年同年ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーに留学。11年ルーマニア国立バレエ団に入団、14年プリンシパルに昇格。16年アメリカのタルサバレエに移籍、19年プリンシパルに昇格。数々の作品で主演を踊る。21年1月、Kバレエカンパニー初のプリンシパル入団を果たす。飯島望未容姿に反し、強靭な身体の能力が生む野性的な魅力を持つ飯島望未 Nozomi Iijima大阪府生まれ。2008年ヒューストン・バレエに当時最年少の16歳で入団。19年3月、同団のプリンシパルに昇格。21年に帰国し5月にKバレエカンパニー『ドン・キホーテ』にゲストで主演。同年8月プリンシパル・ソリストとして入団。22年3月プリンシパルに昇格。19年、シャネルビューティアンバサダーに就任。浅川紫織初演当時からのキャストとしてこの役の真髄を知り尽くす浅川紫織 Shiori Asakawa長野県生まれ。2001年イングリッシュ・ナショナル・バレエスクールに留学。03年4月、Kバレエカンパニーに入団。2008年12月プリンシパル・ソリスト、14年1月プリンシパルに昇格。18年股関節の深刻な怪我により引退するが、手術が成功し本年6月「カルメン」で4年振りの全幕復帰を予定。■~STORY~紀元前1世紀のエジプト。クレオパトラは父王亡き後、弟のプトレマイオス13世と結婚、共同で王位に就いていた。実権を握っているのはクレオパトラだが、プトレマイオスを擁立する官僚たちにより王朝は二派に分裂、熾烈な権力争いが起こっている。そんな折、ローマではジュリアス・シーザーとポンペイウスの間で内戦が起こり、シーザーが勝利する。弟一派により王座を奪われたクレオパトラは、ローマきっての実力者たるシーザーを味方につけようと画策。その美しさは瞬く間にシーザーの心を奪い、二人は恋に落ちる。一方、シーザーの暗殺を企てたプトレマイオス一派は亡き者にされる。再び王位を手中に収めたクレオパトラは、今や名実共にローマの最高権力者となったシーザーとの間に子をもうけ、まさに幸福の絶頂にある。だが、その幸せは長くは続かなかった。腹心ブルータスらによってシーザーが暗殺されたのだ。遺言により後継者に指名されていたオクタヴィアヌスは、シーザー直属の部下であったアントニウスの存在を警戒し、同盟を強固にするため、妹オクタヴィアと結婚させる。だが、クレオパトラに想いを寄せていたアントニウスは彼女を忘れられずエジプトへと向かう。クレオパトラはアントニウスの愛を受け入れ、ひととき平穏な日々が訪れる。だが、オクタヴィアヌス率いるローマの軍勢がエジプトへと攻め入り……そして、激動の人生を生き抜いたクレオパトラに、最期の時が訪れる――。(C)Hidemi Seto(C)Hidemi Seto(C)Hidemi Seto■熊川哲也 Kバレエカンパニー Autumn Tour 2022 『クレオパトラ』 公演概要【日時】2022年10月26日(水)~30日(日)【会場】Bunkamuraオーチャードホール【チケット料金(税込)】※6/18(土)10:00~ 一般発売開始!!★10/26(水)18:00、10/28(金)14:00、10/29(土)17:30S席¥17,500/A席¥13,000/B席¥10,000/C席¥8,000 A親子席¥17,500学生券¥5,500☆10/27(木)14:00、10/29(土)13:00、10/30(日)13:00S席¥15,000/A席¥11,000/B席¥8,000/C席¥6,000 A親子席¥15,000学生券¥3,500※A親子席 大人1名+子供1名(5歳以上小学6年生以下)(A席エリア)※学生券 中学生以上25歳以下/当日学生証を提示の上引き換え/席位置未定※A親子席・学生券は、TBSチケット、チケットぴあWEBにて取り扱い【チケット販売】TBSチケット、チケットスペース、他【お問い合わせ】チケットスペース:03-3234-9999/ 公式WEBサイト: Instagram : @k_ballet_company_officialTwitter : @kballetofficialFacebook : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月01日今井哲也著『ぼくらのよあけ』が映画化されることが発表された。『ぼくらのよあけ』は、『アフタヌーン』(講談社刊)にて連載され、星雲賞候補にもなった傑作SFジュブナイル漫画。舞台は2049年、宇宙とロボットが大好きな主人公の少年は、まもなく地球に大接近するという彗星に夢中になっていた。そんなある日、彼が出会ったのは、宇宙からきたという“未知なる存在”。公開されたティザービジュアルに描かれているのは、何やら怪しく輝く少年らが住む阿佐ヶ谷団地と、その奥にひっそりとそびえ立つ給水塔。そして、黎明の光が差し込む中、団地の屋上に佇む少年とロボットの姿。そんな彼らに訪れた、前代未聞の極秘ミッションとは?あわせて公開された特報映像では、ホルスト作曲の組曲『惑星』第4曲「木星」の有名なフレーズに合わせて、ティザービジュアルに描かれた団地屋上が美しく光り、徐々に朝陽が登っていく様子が映し出され、宇宙の壮大さを感じられる映像となっている。本作の映画化について、原作者の今井哲也からは「たくさんの方がすてきなアイデアを持ち寄って、作品がどんどん出来上がっている最中です。未来ってすごいですね。わくわくしています。みなさんもぜひわくわくしてください」と興奮のコメントが到着。さらには、映画化を祝う描き下ろしイラストも寄せられている。『ぼくらのよあけ』2022年初秋公開(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会
2022年03月18日広島ホームテレビでは2021年12月30日(木)よる11時50分~年末特別番組 として勝ちグセ。カープSPONEYEAR~小窪哲也、栗林良吏が走り抜けた2021年~を放送します。内容2021年はコロナ禍の中での1年だった。1年遅れで開催された東京オリンピックは、無観客試合となった。プロ野球は、観客制限が敷かれ、カープからは感染者も発生、試合中止を余儀なくされた。まさに、激動の1年。この1年を、プロ野球を両極端なステージで過ごした2人がいる。小窪哲也PL学園、青山学院大、さらには大学日本代表と、主将を務め、プロの世界へ。2016年、25年ぶりに優勝を果たしたシーズン、彼は選手会長を務めた。そして、2021年シーズン、球団から示されたのは、指導者への道。しかし、彼が選んだ「2021年」は、もう一度、プロを目指すという1年だった。栗林良吏決して有名選手として育ってきたわけではない。投手転向は高校時代。名を知られるようになったのは大学時代からだ。しかし、大学4年時、志望届を出しながら、プロの声はかからなかった。社会人での活躍が認められ、プロの世界へ。そして、ルーキーイヤー「2021年」を迎えた。プロ野球の世界を離れた者、プロの世界に足を踏み入れた者。どこからも声がかからなくても、現役にこだわり続け、駆け抜けた1年。新人記録を塗り替え、日本代表のクローザーとして金メダルを勝ちとった1年。プロ野球という存在を、両極端な視点で見つめた2人。カープの2021年シーズン、そして、両者が駆け抜けた1年を描きます。聞き手:榮真樹(広島ホームテレビアナウンサー) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月10日アクションゲームを原作にした『モータルコンバット』で、超重要キャラクター・スコーピオンを演じた真田広之と、地球上の戦士たちの指南役・ライデンを演じた浅野忠信のインタビューが到着した。真田広之「巡り巡って忍者の役がまた来た」――『モータルコンバット』というゲームのことや、演じられたハサシ・ハンゾウとスコーピオンというキャラクターについてはご存じでしたか。真田知識として知っていましたが、自分でプレイしたことはなかったので、オファーを戴いてから研究しました。調べ始めてからとても有名で人気のあるキャラクターなんだということを知りました。自分は過去に忍者の役を結構やっていましたから、巡り巡って忍者の役がまた来たという驚きがありました。――どのように演じられようと思われましたか。真田ハンゾウは元々日本人という役じゃないですか。それを日本人が演じるのであれば、日本らしさをちゃんと出さなければいけないと思いました。セットデザインから衣装小道具に至るまで、自分がやるからにはこうありたいという思いがあって、小道具や衣装の方々とセッションを重ねて、なるべくオーセンティックな日本ものにしていきたいというところから始めました。スコーピオンに関しては、ゲームのイメージと日本らしさの融合を図らなくてはいけないということが、まず頭に浮かびました。――冒頭でハンゾウとして見せるアクションシーンで留意されたことはありますか。真田振り付けの段階から関わらせていただいたのですが、あそこは感情的なものが大事だと考えました。家族を殺されてすぐ後の戦いなので、ハンゾウが何のために戦っているかを観客が実感できるシーンにしたいと考え、監督やアクションコーディネーターと一緒になって作っていきました。――アクションシーンを演じるにあたって事前にトレーニングなどはされたのですか。真田日頃からやっている基礎的なものに加え、持久力を付けるために普段より少し長く走ったりしましたが、特に前もって準備はしていません。昔取った杵柄ですね。――ハンゾウとスコーピオンとではどのように演じ分けようと思われましたか。真田ハンゾウの時には忍者の統領らしく、そして家族を大事にする男という時代劇に登場するキャラクターを演じていきました。家族とともに自分も殺され恨みをもって地獄に落ち、スコーピオンとして帰ってきた時に同じ思いを引きずりながらも、見え方が違うようにしようと考えました。ハンゾウとスコーピオンとでは、戦い方も使う武器も違ってきます。映画全体を貫く存在でありながらも、それぞれの違いを感じられるようにしました。――もちろんスコーピオンもご自身で演じられたのですよね。真田はい。動きそのものがやはり違いが出てしまうので、殺陣に関しては自分でやりました。スコーピオンの衣装は結構重いので、地面での立ち回りは良いんですが、ジャンプしたり転がったりはかなり負担がありました。それでも向こうは容赦なく何テイクも撮りますから、暇さえあればストレッチをして撮影に臨みました。――スコーピオンが繰り出す「Get over here!」のセリフで撮影現場が湧いたそうですが。真田ゲームの中でも幾つかある有名なセリフの1つだそうで、セットでのリハーサルで1回目に言った時、スタッフやキャストの皆さんが大喜びしたんです。この時を待っていたという感じで拍手が起こりました。そんなに大事なセリフだったのかと気づかされました。やりがいという意味でも楽しかったですし、このリアクションを劇場で得られればいいなという思いで演じました。――ライデンを演じた浅野忠信さんについてはいかがですか。真田ライデンという役の意味合いを背負い、存在感を見せながらしっかりとストーリーテリングをしていく大事な役として、責任を果たしていたと思います。浅野さんとは同じ場面での出演はなかったのですが、現場で一緒になった時は互いのモニターを見に行ったり、待ち時間に雑談をしたりしていました。浅野忠信、ライデンは「いつ何をするか分からない力を感じさせる」――ライデン役は指名だったそうですね。浅野嬉しかったですね。僕はゲームをプレイしていなかったので、ライデンというキャラクターについて色々と調べました。そうしたら『モータルコンバット』の中でライデンがとても重要なキャラクターで、世界中に熱狂的なファンがいると分かりました。脚本を読んだら作中でとても重要な役でしたし、雷を使って戦ったり常に目が光っていたりしていてとてもワクワクしました。――ライデンは人間界の守護神で威厳が求められる役でした。浅野ライデンがストーリーの中で喋る重要なセリフを毎日練習する中で、ライデンという役が自分の中にしみこんでいった感じでした。威厳は絶対にありますが、それはズシンと重たいものというよりは、煮えたぎる何かを持っているといったものだと思いました。ただ落ち着いているのではなく、いつ何をするか分からないという力を感じさせる意味での威厳を、発揮できたのではないでしょうか。――ライデンは格闘こそしませんが杖を振るう仕草などで力強さを見せてくれました。浅野杖を打つシーンは全身でやりましたね。リハーサルの時から思いきりやって、そこまでやらなくても良いと言われたくらいです。杖はしっかり作ってもらったので演技にも勢いが出ました。格闘については、僕の中では絶対にパート2が来ると思っているので、皆さんの力を借りてヒットさせてくれれば、次はライデンが暴れ回るところを見せられると思います。――共演の真田広之さんとは役作りについて何か話されましたか。浅野真田さんとは撮影でご一緒することはなかったんですが、現場で話したり食事にいったりする時間を作れました。真田さんが演じられたスコーピオンはとても重要な役でした。その真田さんを通じてライデンとスコーピオンの関係性が見えてきました。――『モータルコンバット』にはアジアから大勢の俳優が出演しています。浅野さんご自身を含めこうしたアジアの役者たちが世界で活躍していることに感慨はありますか。浅野僕はハリウッドでアジア人が主役となるような映画が作られる時代が絶対に来ると思ってやってきました。『モータルコンバット』でそういったものの一員になれたことを誇りに思いますし、そこまで努力してきたことを発揮できたのではないかとかと思います。――日本の俳優が世界で活躍するためには何が必要ですか?浅野日本で普通に義務教育を受けていると、言うことは聞いてなるべくはみ出さないようになることが染みついてしまって、それが俳優としては邪魔になることがあるのかもしれません。どんどんと世界に出て行って、今まで日本でやってきたことにも疑問を持って違うアプローチをして良いんだということを、考えて欲しいと思いますね。日本人だから日本で仕事をするというのではなく、どこでも仕事はできるしどこでも友達はできるし力を発揮できる。そう思っている若い人たちはきっと大丈夫です。僕と同世代かもう少し下の世代でそういう意識を持っていない人も、すべて忘れて自分が活躍できる場所を広げていった方が良いと思います。――作品を観る人にメッセージをお願いします。浅野アジアの俳優たちが集中して、すべての力を出し切って挑んだ作品です。真田さんや僕も含めた日本の俳優も良い役を戴いて力強く演じさせていただきました。そこを観て欲しいですね。ゲームのファンにも楽しめる作品になっていますし、ゲームをプレイしたことがない人でも、エンターテインメント作品を観たい、アクションを観たいという人に向けて面白い作品になっていると思います。『モータルコンバット』はダウンロード先行販売中、デジタルレンタル中、10月20日(水)ブルーレイ・DVDセル&レンタル開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:モータルコンバット 2021年6月18日より全国にて公開© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
2021年09月29日20年を超えるキャリアの真ん中辺りで描いた『うみべの女の子』が映画化。今なお愛される作品を入り口に、淡々と、確かな口調で語ってくれた、漫画家・浅野いにおの現在地。人との距離感が変わった今、漫画も僕自身ももっと距離を縮めていかないと。――『うみべの女の子』と連載中の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(以下『デデデデ』)は作風がまったく違いますが、とはいえ浅野さんの作品は、若いファンがどの時期もいるイメージがあります。浅野:『うみべの女の子』の連載中に東日本大震災があって、『デデデデ』はそのあとに描かれたものですが、明らかに自分のなかで視点が変わったんですよね。個人にフォーカスする物語っていうよりは、もうちょっと社会全体を見る感じになったというか。『デデデデ』は、そもそも今の人たちがネットやSNSの情報を、ひとつの常識というか真実としている世界観で生きているから、今までみたいに自分が体験したことを漫画に反映させるのではなく、僕自身もネットから得た情報だけで描いてみようとしているんです。だからキャラクターの内面を深掘りしようとは思っていない。みんなが楽しそうに振る舞っている、表面的な世界のなかだけで漫画を描くのが、『デデデデ』のコンセプトなんです。――そうやって違う描き方をした『デデデデ』が、1月に小学館漫画賞一般向け部門を受賞されたわけですが、それまで賞とは無縁だったというのも意外でした。浅野:実験的な作品が評価されたのは嬉しいですけど、そろそろ次の作品のことを考えなければいけないので。今度はもっと得意なものを描きたいなとも思っています。コロナの影響などで人との距離感が変わったことによって、『うみべの女の子』を描いていたときくらいにあえて他人との距離を縮めていくようなことを、漫画だけじゃなく僕自身もしなきゃいけないのかなと思ったりするんです。なかなか難しいですけどね。それを実践しようとすると、不倫することになるんで(笑)。――そこまでしないと、ですか?浅野:実感したいんですよね。でもたいしたことじゃなくてもいいんですよ。現実で起きた出来事が1あったら、それで10個くらい漫画が描けるんですけど、とにかく今は何もないから。生活自体は自由気ままに送っているし、もともと人と会わなくても平気なタイプではあるんですけど、それにしても波風がまったく立たない(笑)。アシスタントとリモートで1日1時間くらいしゃべってはいるんですけど、僕も含めて、みんなどんどん感情を失ってる気がする(笑)。これはまずいなって気はしてます。自分のいびつな円グラフをもう少し丸に近づけたい。――YouTubeの作画配信なども、何かしら新しいことを求めて始めたのでしょうか?浅野:大学の同級生が、ゲーム実況で人気の人になっているのが羨ましくて。ただ結果的に、これが自分にとってコミュニケーションのひとつとして補完されているところはあります。SNSとかも僕はいつも後乗りなんですけど、これに関しては、せめて漫画家の中では先取りしとこうかなっていう思いもありました。今後、例えば主人公がYouTuberってこともあるだろうから、感覚だけは知っておこうと思って。――漫画に生かせると思えば、いろんなことに挑戦できそうですね。浅野:仮に私生活でトラブルがあったとしても、最悪漫画のネタにすればいいと開き直れるというか。――そうなんですね。ところで、昔からレゴがお好きだそうですが、今もやってますか?浅野:たまにやってますよ。まだ開けてない箱が50個ぐらいありますけど(笑)。漫画もレゴも、ものを組み立てている感覚があって、それって子どものときからの根源的な快感なんですよね。自分で何かを組み立てるのが楽しくて、それをさらに人に見てもらえればなおよしっていう。昨日も動画の編集をずっとやってたんですけど、まったく一緒。ほんと僕は、これだけで生きてるなって思いますよ。――『デデデデ』のほうは、いよいよ佳境ですか?浅野:そうですね。次の連載をどうするかも、今ずっと考えてます。連載が終わってから次の連載まで、1年くらい休む人もいるんですけど、僕は最長で半年しか休んだことがないんです。だから、次はしっかり休んでもいいかなって思うんですけど、何もなくなるのが怖いから性格的に難しいかも。――もし長い休みを取るとしたら、何をやりたいですか?浅野:大学生の頃からずっと連載をしてきたので、しっかり勉強したことがないんですよね。こないだ忘れたことを復習しようと思って、数学の参考書を読み返して、久しぶりにルートが何だったのかを思い出しました(笑)。とにかく20年間、漫画に必要なことだけで生きてきたので、無駄はなかったけど、欠けてるものが多すぎる。自分の円グラフがあまりにもいびつな形をしてるんで、もうちょっと丸に近づけたいんですよね。映画『うみべの女の子』は、8月20日(金)から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。小梅役の石川瑠華さん、磯辺役の青木柚さんの、原作から抜け出てきたような存在感を、浅野さんも絶賛。監督・脚本はウエダアツシさん。人けの少ない海辺の小さな町を舞台に、セックスから始まる男女の、不安定な心と体の距離を描く。あさの・いにお1980年9月22日生まれ、茨城県出身。主な作品に『素晴らしい世界』『ソラニン』『おやすみプンプン』『うみべの女の子』など。『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」を連載中。画業20周年記念企画「浅野いにおの世界展~Ctrl+T2~」は10月6日までバーチャル展覧会として開催中。※『anan』2021年8月25日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2021年08月24日10年前だから描けた――。映画化された『うみべの女の子』について、浅野いにおさんはこう語ります。一見どこにでもいそうな中学生の小梅と、彼女のことが好きな同級生・磯辺の心と体がアンバランスで、身勝手な恋愛を描いた物語。気になるその発言の真意とは。30歳くらいのときが作家として一番冴えていたと思います。――『うみべの女の子』は’09年~’13年の連載作品ですが、こうして時間が経ってから映画化されるのはどんな気持ちでしょう。浅野:僕の漫画のなかで一番好きだと言ってくれる人が結構多くて、世代が変わっても読み継がれている印象がありました。なので僕としては、あまり過去の作品という意識がなかったんですよね。――最初の構想では、中学生のウブな恋愛模様をじっくり描いてみようと思っていたそうですが。浅野:自分が漫画を描くときは、物語やキャラクターを考える以前に、コンセプトを重要視するんです。それで最初は掲載誌の雰囲気や、担当編集が女性だったことなどを鑑みて、“中学生のいじらしい恋愛から始まり、最終的にセックスをする部分をしっかり描くこと”をコンセプトにしようと思って。実際に1話目を描きだしたら、僕自身がすごく退屈になっちゃって、出会って好きになっていく過程なんてとてもじゃないけど描いていられなかった(笑)。それで改めてネームを描き直したら、すでにセックスをしたあとのシーンから始まったんです。予定とずいぶん変わっちゃったけど、もともと結末だったセックスを最初にもってきたのであれば、恋愛の逆再生みたいな物語にしてみようっていうことになりました。――中学生のセックスは、今だと余計に大胆なテーマといえますが、どんな表現を意識しましたか?浅野:当時は漫画でも性的な表現を自主規制する雰囲気が漂ってきた頃で、しっかり描くのだったら今が最後のタイミングかなという思いがありました。設定上は高校生でも成立したんでしょうけど、出来上がりを見ると、やっぱり中学生だからこそのメンタリティで物語が動いているんですよね。――たしかに、中二病的な感じが効いてます。映画はストーリーはもちろん、キャラクターの雰囲気も原作に忠実だと思いました。浅野:一番の見せ場といえる、台風のシーンの再現度はほぼ完璧でした。文化祭の看板が飛ぶ角度まで一緒だったからすごいなって(笑)。――はっぴいえんどの「風をあつめて」が印象的に使われていますが、原作もページをめくりながら音楽が聞こえてきそうですよね。浅野:あのシーンは実際の曲のテンポと、コマに描かれているシーンが同期するように描いたんです。映像も、自分が想像した通りの出来上がりになっていましたね。――自作が映像化されたことで、改めて気づいたことなどは?浅野:これを描いたのは30歳前後で、まだ10代を思い出せるくらいの年齢だったこともあり、磯辺のキャラクターに自分の要素や当時感じていたことが入っていたんですよね。そういう意味では、すごく血の通った漫画だと思います。今の自分は物事をもっと俯瞰するようになったというか、自分ってものが作品の中に出てこなくなったので、そのぶん描きやすくはあるんです。あざとい言い方ですけど、ニーズに合わせるようなコントロールもできてしまう。それに対して30歳くらいのときは、作家として一番冴えてる時期というか、自分の才能を発揮できていたので、今では描けないニュアンスがあるし、描いている人間のイライラが伝わってくるんですよね。意識的にやろうとしてもできるもんじゃないし、嘘だとバレてしまうので、いい時期の漫画だなと思います。――今はもっと職人的というか、狙ってできるような感じですか?浅野:そうですね、技術で描けることも多いので。当時の自分は、デビューして10年くらいしか経ってなくて、評価も定まっていない状態だったので、悩みみたいな普遍的な部分を読者と共有して、物語を作ることができたんです。だけど20年漫画を描いていると、生活自体もそうだし、考えていることもいわゆる普通の人とはちょっと違ってきちゃうんですよね。だからストーリーに関しては特に、昔と比べて熱みたいなものがこもらない。そのぶん今、重きを置いているのは、ビジュアルの研究ですね。いろんな描き方やツールを試してみるようなことを、この10年間ずっとやってきましたし、そのほうが精神的にも非常に安定しています。というのも物語って、作家じゃなくても容易に想像できるものなので、物語が自分の想定した流れから外れると不満を言う人が少なからずいるんですよね。だけど、絵に関しては描けない人は描けないから、文句を言われないくらい手の込んだ絵を描いてやろうって思ってるんです。だから最近はそういうところに甘んじて、批判されないようなやり方で漫画を描く癖がついちゃったんですけど、これを続けるわけにもいかないので。何かしらまた、読者との接点を探さないといけないとは思ってます。映画『うみべの女の子』は、8月20日(金)から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。小梅役の石川瑠華さん、磯辺役の青木柚さんの、原作から抜け出てきたような存在感を、浅野さんも絶賛。監督・脚本はウエダアツシさん。人けの少ない海辺の小さな町を舞台に、セックスから始まる男女の、不安定な心と体の距離を描く。あさの・いにお1980年9月22日生まれ、茨城県出身。主な作品に『素晴らしい世界』『ソラニン』『おやすみプンプン』『うみべの女の子』など。『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」を連載中。画業20周年記念企画「浅野いにおの世界展~Ctrl+T2~」は10月6日までバーチャル展覧会として開催中。※『anan』2021年8月25日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2021年08月23日ハリウッド映画『モータルコンバット』より、日本から出演した浅野忠信が演じる雷の神“ライデン”の本編映像が公開された。本作は、社会現象を巻き起こし、世界で最も売れた格闘ゲームの一つ「モータルコンバット」を実写化したもの。相手にトドメを刺すシリーズ定番描写“フェイタリティ”の残虐さを理由に、日本では現在未発売となっているゲームシリーズの実写映画がついに6月18日(金)に公開となる。本作には、映画、テレビ、格闘技と様々な分野で活躍する世界各国のキャスト達が集結。日本注目の強力キャストとして『ラストサムライ』以降、数々のハリウッド作品に出演し続ける真田広之が超重要キャラクター“スコーピオン”として出演。さらにマーベル作品を始め、『ミッドウェイ』などハリウッド大作への作品が続く浅野忠信が地球上の戦士たちの指南役“ライデン”を演じる。そしてこの度、浅野忠信が演じた、ドラゴンのマークをもつ者たちを聖域で庇護する人間界の守護神“ライデン”の本編映像が公開となった。ライデンは地球を守るために歴代の覇者たちを招集、訓練をしモータルコンバットの武術大会に参加させる、原作ゲームでも人気のある重要なキャラクターだ。今回公開された本編映像は、本作の主人公コールと、ソニア、カノウの3人が人間界の覇者として集められ、“ライデン”と初めて対面するシーン。ライデンは、連れてこられた3人を一瞥するや「この者たちを鍛えるのか?」と問い、「お前は戦える状態ではない」「お前はマークすらない」などと、コールやソニアを見定めていく。「俺はどうだ?」と自信満々に声をかけるカノウには雷を操ってシビれさせ、「弱すぎる」と一刀両断。ライデンに忠誠心を持ち、既に信頼と指示を得ているリュウ・カンもこれには不安げな表情を浮かべている。すでに魔界に9連敗をしているライデンは、コールたちの秘められた力を開放し、世界を救うことが出来るのか。物語が大きく動き出すことを予感させる印象的なシーンとなっている。このキャラクターの役作りのため、台詞の行間だけでなく脚本のすべてを読み込んで挑んだと言う浅野だが、台詞だけではなくライデンのビジュアルにも強いこだわりを持ち、象徴的な「笠」は外すべきではないと監督に自ら申し出たというほど。ハリウッドの世界で魅せる重厚な芝居と、原作ファンをも裏切らない確かなキャラクターにぜひ注目して欲しい。映画『モータルコンバット』本編映像(ライデン編)映画『モータルコンバット』6月18日(金)より公開
2021年06月16日俳優であり、音楽家、そして画家としても活動している浅野忠信の個展『TADANOBU ASANO EXHIBITION “FREAK”』が渋谷PARCO4階のPARCO MUSEUM TOKYOで4月9日(金)より25日(日)まで開催されている。油彩、水彩、ドローイング、オブジェなど約250点の作品が並ぶ展示室内で、約2年ぶりとなる個展について、ご本人に聞いた。――前回、ワタリウム美術館で開催した個展『TADANOBU ASANO 3634 浅野忠信展』は、ドローイングの作品が多かったのが印象的です。今回展示する約250点の作品の多くは水彩画や油彩が多く、非常にカラフルですね。前回の展覧会では約700点のドローイング作品を発表したのですが、その展覧会が終わり、カラーの作品も描いてみようかなという気持ちが自分のなかで強まっていきました。もちろん、それより前からカラーの作品も描いてはいましたし、いまもドローイングは続けています。ただ、前回の展覧会が明確な区切りとなりました。――浅野さんのドローイングは、身の回りにある封筒やハガキなども使った自由さが印象的です。絵の具を使ったペインティングは、描くまでに準備などが必要でドローイングよりも制約がありそうです。確かに大変ですね。だから、どうしても小さいハガキサイズの作品が多くなってしまいます。とはいうものの、キャンバスを使って大きいサイズの作品も意識的に描くようにしています。この三毛猫の作品は、二子玉川に「ねこたま」というネコのテーマパークがあった頃に描いた作品。「ねこたま」はもう閉園してしまっていますが、そこにはオスの三毛猫が暮らしていた。三毛猫は、遺伝子の関係でオスは非常に珍しい存在なんです。当時その話を聞いて興味を持って取材に行って描いたものです。今回個展を開くにあたって、ちょうどいいなと思ってこの三毛猫の絵に加えて、新しく2匹のネコの絵を描きました。10年以上前、でっかいキャンバスを何枚も親がプレゼントしてくれたことがあって、それを使いました。ちなみに、キリンの絵は、息子が使っていた二段ベッドの床板を取り囲む枠をキャンバスに作り変えてます。――描くモチーフも独特ですが、浅野さんのペインティングは、空や地面の色など非常に色彩の選び方が独特だと感じます。以前から街がもっとカラフルでいいんじゃないかな?と、感じています。だから、ビルの絵などはとてもカラフル。このような色がついた建物がたくさんある街や世界を見てみたいと思いながら色を選んでいます。――小さいながらも彫刻作品も発表されていますね。最初に作ったのが涅槃像。ふと思いついて彫ってみたのですが、安い木材を使って彫ったら、彫刻家の人からしたら、なんでそんな木を使うの?って思うだろうくらいの硬さで。なので、とても大変で時間もかかりました。その後、ではもっと柔らかい木材を使おうってことで、どんどん柔らかく、バルサ材のようなものまで使うようになりました。自分の場合、作ってみようと思ったら、何も調べずに作り始めてしまう。だから、人から見たらけっこう大変なんで、いらない苦労をしているようなんですけれども、試行錯誤するプロセスもまた楽しいんです。――会場内で特に見てもらいたいおすすめの作品はありますか?会場全体がおすすめですが、ひとつあげるなら牛の絵。自分は丑年生まれなんですよ。この作品は、2021年の正月に、いったんインスタグラムにアップしたあと、もう一回描きなおしたもの。そういう意味では、ちゃんと牛を描いたなって手応えがある。これは自分にしては珍しいことです。――オリジナルのキーホルダーやTシャツなどグッズも充実していますね。グッズはもちろん、どのように展示するかなどはスタッフの人たちのアイデアがとても大きいです。自分の絵がこの場所だと、こんな形でこんな雰囲気で展示されるんだ、グッズになるんだ!と、驚きと新しい発見がありました。自分ひとりでやっていると、どうしても視点が偏ってしまいますからとても貴重な機会です。たくさんの人に見にきていただけるとありがたいですね。取材・文:浦島茂世撮影:星野洋介【開催情報】『TADANOBU ASANO EXHIBITION “FREAK”』4月9日(金)~25日(日)、PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F)にて開催
2021年04月09日日本から真田広之と浅野忠信が本格出演している最強の世界的格闘ゲームの映画化『モータルコンバット』の日本公開が決定。IMAX(R)、4DX、MX4Dでも上映される。総合格闘技の選手のコール・ヤングは、自らの生い立ちを知らぬまま、お金のために戦う日々を送っていたが、最強の刺客、サブ・ゼロに命を狙われる。コールは家族の安全が脅かされることを恐れ、特殊部隊少佐ジャックスに言われるがまま同じく特殊部隊所属のソニア・ブレイドと合流し、地球の守護者であるライデンの寺院を訪れる。そこで太古より繰り広げられてきた世界の命運を懸けた格闘トーナメント“モータルコンバット”の存在と、自らが魔界の敵たちと戦うために選ばれた戦士であることを知る。コールは新たな仲間たちと共に、自らの秘められた力を解放し、家族、そして世界を救うことが出来るのか――?社会現象を巻き起こし、世界で最も売れた格闘ゲームのひとつでありながら、激しすぎるバトルと相手にトドメを刺すシリーズ定番描写“フェイタリティ”の残虐さを理由に、日本では現在未発売となっているゲームシリーズ「モータルコンバット」が、唯一無二のアクションアドベンチャー映画として製作。オーストラリアで数々の賞を受賞したサイモン・マッコイドの長編監督デビューとなる本作は、『死霊館』シリーズのジェームズ・ワンをはじめ、トッド・ガーナー、サイモン・マッコイド、E・ベネット・ウォルシュが製作を担当した。地球で選ばれた最強の戦士たちが血沸き肉躍る戦い“モータルコンバット”に挑み、世界を守る――そんな本作に数々のハリウッド作品に出演し続ける真田さんが超重要キャラクターのスコーピオンとして出演。『沈黙 -サイレンス-』『ミッドウェイ』などハリウッド大作への作品が続く浅野さんが地球上の戦士たちの指南役・ライデンを演じている。ほかにも、コール・ヤング役に『デッドプール2』のルイス・タン、ソニア・ブレイド役に『MEG ザ・モンスター』のジェシカ・マクナミーをはじめ、カノウ役のジョシュ・ローソン、ジャックス役のメカッド・ブルックス、リュウ・カン役のルディ・リン、シャン・ツン役のチン・ハン、サブ・ゼロ/ビ・ハン役のジョー・タスリムなど、映画、TV、格闘技と様々な分野で活躍する世界各国のキャストが集結している。なお、本作のレイティングは【R15+】となっている。『モータルコンバット』は6月18日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2021年04月07日「ソラニン」「おやすみプンプン」などで知られる天才漫画家・浅野いにおの傑作漫画「うみべの女の子」がこの夏、実写映画化が決定。いま注目の若手俳優、石川瑠華と青木柚を主演に迎えることも分かった。海辺の小さな街で暮らす中学生の小梅は、憧れの三崎先輩に手ひどくフラられたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた内向的な同級生・磯辺と関係を持ってしまう。やがて小梅は、徐々に磯辺への想いを募らせ、一方、小梅に恋焦がれていたはずの磯辺は、その関係を断ち切ろうとしてしまう。2人の気持ちはすれ違ったまま、磯辺は過去にイジメを苦に自殺した兄への贖罪から、ある行動に出る――。浅野さんによる原作漫画の映画化は、『ソラニン』(三木孝浩監督)に次ぐ2作目。緻密で叙情的な画風と繊細な心理描写に定評のある浅野いにお作品の中でも、本作は特に「思春期」「恋」「性」といったセンシティブな題材に真正面から挑んだ作品として、ファンの間でも根強い人気を誇っている。そんな本作を映像化するのは、『リュウグウノツカイ』で長編初監督を務め、『桜ノ雨』、『天使のいる図書館』などを手掛けてきたウエダアツシ監督。本作について「はっきり言って自信作です。残酷なまでに輝かしいふたりの青春を是非劇場でご覧ください」と大きな自信をのぞかせている。また、恋と性に悩み、もがく、思春期の少女と少年のリアルで複雑なキャラクターを繊細に体現するのは、『イソップの思うツボ』で主演に抜擢され、今後は『猿楽町で会いましょう』の公開が控える石川瑠華(小梅役)と、『アイスと雨音』『サクリファイス』に出演し、4月スタートの「きれいのくに」への出演も決定している青木柚(磯辺役)。小梅役と磯辺役は、浅野さんもオーディション審査に参加し、2人に決定したという。石川さんは「私自身、大好きな作品であり、小梅としてこの作品の中で生きた時間は本当に幸せでした」と撮影をふり返り、「どんな恋愛映画や青春映画の型にもハマらないパワフルな映画になっていると思います。是非、公開を楽しみにしていただけたら嬉しいです」とコメント。青木さんは「浅野さんが描く生々しく繊細な世界、石川さんを通して伝わってくる小梅の葛藤、この原作を背負ったウエダ監督の思い、その全てが僕と磯辺を結びつけ、支えてくれました。多くの方々と共に心血を注いで取り組んだ作品です」と思いを明かしている。さらに、小梅の同級生、鹿島役を前田旺志郎、桂子役を中田青渚、三崎先輩役を倉悠貴、磯辺の父役を村上淳が演じることも決定。劇伴音楽は、world’s end girlfriendが担当し、挿入曲は原作でも登場する「はっぴいえんど」の「風をあつめて」に決定。名曲「風をあつめて」が、クライマックスの暴風雨のシーンを盛り上げる。浅野いにおコメント「小梅」と「磯辺」が確かにそこにいます。より生々しく、より切実に。10代の瞬きにノスタルジーを感じながらも、今現在の自分がその延長線上にいるということを再認識させてくれる作品でした。そういえばいつだったか自分も、あの街の「小梅」であり「磯辺」だったのです。『うみべの女の子』は8月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:うみべの女の子 2021年8月20日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開(C)2021『うみべの女の子』製作委員会
2021年03月26日熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2021『白鳥の湖』が、3月24日に開幕。ひと足早く鑑賞したゲネプロの様子をレポートする。芸術監督の熊川による演出・再振付で2003年に初演され、レパートリーとなった本作。今回の目玉は新プリンシパルとして1月に入団した日髙世菜のほか、カンパニーの次代を担うダンサーが集結したことだろう。取材日にオデット / オディールを演じていたのは、成田紗弥。王子ジークフリードには2020年10月にプリンシパルへ昇格した堀内將平、悪魔ロットバルトに栗山廉がキャスティングされた。ゲネプロは、オデットがロットバルトに翻弄される紗幕越しのプロローグから幕開け。成人祝いのパーティーを抜けたジークフリードは、湖で舞う白鳥オデットに出会う。彼女に惹かれながらも城へ戻り、花嫁探しの舞踏会に参加した王子は、ロットバルトに伴われて現れたオデットそっくりの黒鳥オディールに求婚してしまう。彼らが選んだ愛の結末とは──。白鳥に姿を変えられた身の上を嘆くオデットに対して、自信たっぷりに王子を誘惑するオディール。一人二役に扮する成田は、この二面性を全身で表現する。指先から爪先まで意識を張り巡らせながらも、はかなさと気高さを両立させる繊細なオデット像を覗かせた。一方で、オディール時は口元に絶えず笑みを浮かべる勝気な表情を見せ、王子の気持ちを手に入れた勝利宣言といえる30回転以上のグラン・フェッテ・アン・トゥールナンで観客の心も躍動させる。堀内は、王子の感情の起伏を体現するようなバラエティ豊かな踊りで劇世界を支える。特に空中でもう一段高く弧を描くような跳躍力に目を見張った。初役でロットバルトに扮する栗山は常に妖しさをたたえ、チャイコフスキー作曲の有名な旋律に乗せて舞う2幕冒頭のシーンで客席を魅了。このほか、完成度の高いコール・ド・バレエを繰り広げる白鳥たちの静謐な美しさにも思わず息を飲んだ。クラシックバレエの代名詞といえる定番の演目を、熊川はレパートリー化に際して再構成。オデットと出会って恋に落ちる高揚感、オディールに翻弄された挙げ句の絶望など、ジークフリードの心の軌跡を主軸に置いたストーリーテリングが最たる特徴だ。なお、このKバレエ版を小説化するアートノベル『白鳥の湖 Swan Lake』の巻末には、熊川によるインタビューも収録。クライマックスの意図やオリジナリティの発揮方法など舞台裏を明かしている。公演は3月28日(日)まで、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて。ぴあでは、座席指定できるチケットを販売中。取材・文:岡山朋代
2021年03月24日俳優で音楽家の浅野忠信の最新展「TADANOBU ASANO EXHIBITION “FREAK”」が4月より渋谷PARCOにて開催されることが分かった。『淵に立つ』「A LIFE~愛しき人~」「刑事ゆがみ」などに出演、また『沈黙 -サイレンス-』『ミッドウェイ』など海外作品にも多く参加している浅野さん。公開・放送待機作には、Netflix『KATE』(原題)、『Minamata』(原題)、『Mortal Kombat』(原題)、連続テレビ小説「おかえりモネ」などがある。同展では、画家デビュー期の巨大なキャンバス画から展覧会場で完成する予定の真新しいオブジェまで、約250点の作品が展示される。アクリル絵具、鉛筆、ボールペンなどによるドローイング、ペインティング、コラージュと様々な作品を制作してきた浅野さんだが、近年、水彩と油彩の画材・手法を取り入れ、驚異的なスピードでカラーパレットを拡張。会場では、ネオシルク版画を展示販売するほか、オリジナルグッズや関連グッズも販売されるという。「TADANOBU ASANO EXHIBITION “FREAK”」は4月9日(金)~25日(日)PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F)にて開催。(cinemacafe.net)
2021年03月17日画家としての浅野忠信を押し出した展示「TADANOBU ASANO EXHIBITION “FREAK”」が4月9日(金)から25日(日)まで、渋谷PARCO 4F「PARCO MUSEUM TOKYO(パルコミュージアムトーキョー)」にて開催される。浅野は俳優としてだけではなく、音楽家や画家としての顔も持っている。画家としては、これまで個展「error」(1999年 / リトルモア・ギャラリー[東京])、個展「BUNCH」(2003年 / リトルモア・ギャラリー[東京])、個展「urge」(2013年 / ヌイサンス・ギャラリー[東京])、個展「TADANOBU ASANO 3634」(2018年-2019年 / ワタリウム[東京])を開催。さらに企画展「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」(神戸市六甲山上[兵庫])、総合芸術祭「Reborn-Art Festival 2019」(石巻市・牡鹿半島ほか[宮城])にも出品した。また画集に『error』(1999年 / リトルモア)、『BUNCH』(2003年 / リトルモア)、『蛇口の水が止まらない』(2018年 / HeHe)がある。これまでアクリル絵具、鉛筆、ボールペンなどによるドローイング、ペインティング、コラージュと様々な作品を制作してきた浅野。近年は水彩と油彩の画材・手法を取り入れ、今や驚異的なスピードでカラーパレットを拡張しているという。今回の展示では、画家デビュー期の巨大なキャンバス画から展覧会場で完成する予定の真新しいオブジェまで、約250点の作品で会場が埋め尽くされる予定だ。会場では、ネオシルク版画を展示販売するほか、オリジナルグッズや関連グッズも販売。2年ぶりとなる大型個展をお見逃しなく。■展示情報「TADANOBU ASANO EXHIBITION “FREAK”」4月9日(金)~25日(日)11:00-20:00※短縮営業(1/8(金)~当面の間)※入場は閉場の30分前まで※最終日18時閉場※営業日時は感染症拡大防止の観点から変更となる場合がございます会場:PARCO MUSEUM TOKYO入場料 :一般 700円 学生 500円 ※小学生以下無料公式サイト: art.parco.jp
2021年03月17日木村拓哉が主人公の声を務め、蒼井優、浅野忠信など俳優、声優クリエイターなど各界のトップアーティストの奇跡のコラボレーションが実現したアニメーション映画『REDLINE』が、2010年の公開から10周年という節目にロードショー上映されることが決定した。2010年に公開された本作は、当時約60館の劇場で公開され、興行収入1億円という成績を達成。CG全盛の時代に背景までも手描きにこだわったアニメーションは、手描きならではの「誤差」と「歪み」が刺激的な世界観を作り出し、これまで経験したことのない“体感型”映画となった。第62回ロカルノ国際映画祭で1万人のワールドプレミア。日本の最先端のアニメーション作品として紹介され、ヨーロッパ最大の巨大スクリーン「ピアッツァグランデ」で初公開。初監督(小池健)作品がピアッツァグランデで上映されることは過去にほとんどなく、話題を呼んだ。10周年記念上映として全国での劇場公開ほか、台湾でも同時期に約15館での劇場公開が決定。公開に寄せて小池健監督、原作・脚本の石井克人から描き下ろしイラストが到着。プロデューサー兼上映企画者の木村大助からは、「これは、日本のアニメがセルを捨てアナログからデジタルに移行する時代に、失われていくその魂にこだわり疾走した愚か者たちが創った物語です。この強烈なマンガインパクトを大画面大音量でお楽しみください」とコメントを寄せている。『REDLINE』は2月26日(金)よりアップリンク渋谷・吉祥寺・京都ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:REDLINE 2010年10月9日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 石井克人・GASTONIA・マッドハウス/REDLINE委員会
2021年01月29日モデルとして活動する傍ら、‘18年にケータリング『美菜屋』をスタートさせた浅野美奈弥さん。色とりどりの野菜をふんだんに使い、ヘルシーに仕上げたお弁当は雑誌やSNSでもたちまち話題に。「もともと料理に興味があるわけではなかったんです」と語る浅野さんがこの道に進んだ理由は、実は意外なものでした。好きなことには何でも挑戦したい。私にとっては全部が“本業”です。――最初の転機はいつですか?浅野:26歳の時です。大学卒業後、モデルやDJとして活動していたのですが、過度な食事制限やストレスが原因で体調を崩したんです。プロのモデルとはいえオーディションに落ちるのは日常茶飯事でしたし、そのたびに「痩せなきゃ」と思う悪循環で。――体調を崩してから食に興味が?浅野:はい。やっぱりキレイでいるためには基礎となる食事や栄養が大事だと思って、ダイエット検定やフードスタイリストなどの資格の勉強を片っ端から始めました。それから、同じタイミングでフルマラソンを走るお仕事をいただいたことも大きかったです。最初は「美奈弥ちゃんは運動できなそうだから、ハーフマラソンはどう?」と言われたのですが、「せっかくならフルがいいです!」と自分からお願いして。――すごい度胸ですね!浅野:ちょうど「変わりたい」と思うタイミングだったのかもしれません。実際に走ってみたらなんと4時間半の好タイムで、みんなの前で賞をもらいました。大げさに聞こえるかもしれませんが、その時人生で初めて認められた気がして、「私にもできる」と自信がつくのを感じました。――その自信を胸に、次の一歩を踏み出そうと。浅野:最初はプロの料理家さんの下でアシスタントとして働いて、1年後に独立しました。『美菜屋』のコンセプトは屋号の通り、“野菜を食べて美しくなる”。自分のモデルという経験を活かして、「こんなお弁当があったら現場で喜ばれるだろうな」という満足感ある味と見た目、そして栄養たっぷりのメニューを目指しています。――モデルを続けながらケータリング業も行い、さらに現在はランニングコミュニティも主宰しているとのこと。両立は大変ではないですか?浅野:興味のあることは、何でもやりたいタイプなんです(笑)。もちろんスケジュール的に厳しいこともありますが、たとえばモデルの仕事で知り合った人にケータリングを利用してもらったり、全部がゆるやかに繋がっているので、私にとっては全部が100%本業といえるかもしれません。ひと昔前なら、一つの職業を極めることが素晴らしいとされてきましたが、今はバックグラウンドや自分の武器がいろいろある人のほうが強く生きられるのかなと思います。――その活力の源はどこから?浅野:やっぱり運動が私を変えてくれました。運動って、文字通り“運を動かす”こと。今はどんなに忙しくても、走ることを日課にしていて。メンタルも整うし、「一日頑張ろう!」というスイッチも入る。これからもずっと続けていきたいです。浅野美奈弥1991年生まれ、北海道出身。モデル。ケータリングサービス『美菜屋』として活動するほか、女性のためのランニングコミュニティ「GO GIRL」も主宰する。※『anan』2020年12月30日-2021年1月6日合併号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2021年01月05日小林薫が吉田茂、浅野忠信が白洲次郎を演じるほか、宮沢りえ、柄本明、松重豊、佐野史郎、石橋蓮司ら豪華キャストが集結した映画『日本独立』。この度、本作の予告編が到着した。本作は、吉田と白洲の“日本独立”への思いを軸に、新憲法制定にまつわる熱い日々をスリリングに描く人間ドラマ。白洲次郎が終戦したことを妻(宮沢りえ)から知らされるシーンから始まる今回の予告編では、日本独立を願い、吉田と白洲の2人が本音で激論を交わすシーンが登場。勝目のない現実に直面しながらも、可能性を追求し戦う白洲に対し、吉田は「従うふりして早く独立することだ」と冷静に諭すも、白洲は「いい加減にしろ!」と声を荒げる――男たちの熱い思いが垣間見える映像だ。ほかにも、国務大臣・松本烝治(柄本さん)、内閣総理大臣・幣原喜重郎(石橋さん)、元内閣総理大臣・近衛文麿(松重さん)らの姿も確認することができる。なお、ナレーションは奥田瑛二が担当している。『日本独立』は12月18日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:日本独立 2020年12⽉18日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開©2020「⽇本独⽴」製作委員会
2020年11月10日熊川哲也 Kバレエ カンパニー Autumn 2020『海賊』が開幕。ひと足早くゲネプロを鑑賞する機会に恵まれた。芸術監督の熊川による演出・振付で全幕作品として2007年に初演され、レパートリー化された本作。19世紀イギリスの詩人ジョージ・ゴードン・バイロンが発表した長編の詩をもとに多くの振付家が生み出した様々なバリエーションを、熊川は再構成。ストーリーを編み直し、起承転結に呼応する音楽を選ぶことによって、七つの海を渡る屈強な海賊コンラッドらの壮大な冒険譚に仕立て上げた。ゲネプロは、船の難破を活写するプロローグで幕開け。海賊の首領コンラッド、その部下ビルバントやアリの躍動する姿が、紗幕越しに浮かび上がる。トルコ領ギリシャの浜辺に打ち上げられた彼らは、メドーラとグルナーラ姉妹から介抱されることに。メドーラの美しさに心を奪われ、恋に落ちるコンラッド。しかし姉妹と仲間の娘は奴隷商人ランケデムに捕らえられ、市場へ売りに出されてしまう。彼女たちを奪還すべく、立ち上がった海賊の行方は──。強い絆を前面に押し出した勇壮な踊りの中に見え隠れする、個性豊かな海賊たちのキャラクター。中でも、かつて熊川も扮した従者アリは命がけの忠誠心をもって首領を守り抜く存在感を見せつける。取材日にこの役を演じていた山本雅也は、1月に上演された『白鳥の湖』でプリンシパルに昇格した次世代の踊り手。2017年の『海賊』出演時にも見せた高い跳躍力で、鳴り響く銃声に立ち向かう。周りを取り囲むダンサーも実力派が揃い踏みだ。コンラッド役の堀内將平は、リーダーにふさわしい堂々たる踊りを披露。伸びやかな舞いで観客を魅了した成田紗弥は、柔らかい肢体の中に可憐なメドーラ像を覗かせた。なお、回替わりでコンラッドを務める遅沢佑介とメドーラを務める中村祥子は、本作でKバレエのラストステージを飾る。ゲネプロ後には熊川からコメントが到着。約半年の活動休止期間を経てカンパニー再始動を果たす思いを『海賊』に乗せ、「この作品が持つ力強さこそ、カンパニーが踏み出す新たな第一歩にふさわしく、かつてないほどのエネルギーと感動が劇場を満たすはず」と語った。なお、熊川は10月28日(水)に刊行される小説版『海賊 Le Corsaire』の巻末インタビューで演目の成り立ちや舞台裏などを明かしている。公演は10月15日(木)~18日(日)に、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて。チケット販売中。なお15日18:30、17日(土)12:30、18日12:30開演回ではオンラインでの生配信も。それぞれ翌日23:59までアーカイブ視聴できる。取材・文:岡山朋代
2020年10月15日9月の4連休のある1日。カフェも併設され、モダンなつくりで人気のある都内有名書店の駐車場に、1台の車が止まった。助手席から出てきたのは浅野忠信(46)だった。続けて運転席からは、恋人で女優の中田クルミ(28)が降りてきた。芸能人のオーラを隠そうともしない、ファッショナブルな装いが目をひく2人。着けているマスクまで派手な柄物だ。浅野が中田の肩を抱くと、中田も彼の腰に手を回す――。そして“密着状態”で歩きだした。その堂々とした様子は、まるで海外のセレブカップルのようだった。「2人の恋愛が最初にスクープされたのは’14年6月のことです。その後もたびたび、週刊誌に仲むつまじい様子がキャッチされています」(スポーツ紙記者)本誌も’16年には犬を連れたドッグランでのデートを、そして’18年にはインテリア店で家具選びデートをする2人を目撃している。「浅野さんは’09年7月に、14年間の結婚生活を送った歌手のCHARAさん(52)と離婚。その後は数々の恋愛が報じられましたが、どれも短く終わっています。しかし、中田さんとは気が合うのでしょう。最初の交際報道から6年たちますが、そのアツアツぶりは健在。この4年ほどは同棲もしており“事実婚”状態といえます」(前出・スポーツ紙記者) 振り返れば、2人の過ごした6年間は波乱の連続だった。「浅野さんは、事務所社長だった実父が覚せい剤取締法違反で逮捕された一件で、看板俳優として重く責任を感じていた時期もありました。一方の中田さんも’16年に卵巣のう腫と子宮内膜症が併発し、手術したことを明かしたりもしています」(前出・スポーツ紙記者)さまざまな出来事のなか、互いを支えに交際を続けてきたのだろう。そこで気になるのは、「そろそろ入籍するのでは?」ということ。しかし、ある芸能関係者は「当面、結婚はしないだろう」と話す。「中田さんは今、仕事に力を入れたい時期ですから。モデル出身の彼女ですが、’18年4月に現在の事務所に移籍。江口洋介さん(52)や黒木華さん(30)など実力派俳優を擁する事務所です。“もっと芝居をして、女優として生きたい”という強い思いから移籍を決断したそうです」実際、移籍以降、中田は女優としての足場を着実に広げている。「昨年は話題になったドラマ『凪のお暇』(TBS系)にも出演。今後は、10月開始のTBS系ドラマ『この恋あたためますか』にもキャスティングされていますし、年明けにも大きな仕事が決まっていると聞いています」(前出・芸能関係者)そんな中田に強い影響を与えているのが、やはり“俳優・浅野忠信”の存在だ。この9月にもアメリカ製作の出演映画『ミッドウェイ』が公開されたばかりの浅野は、過去、多数の海外映画で活躍。「彼に感化された中田さんは“いつか海外の作品に出たい!”という夢があり、昨年にはロンドンでの短期留学も経験しています。浅野さんも彼女の意思を尊重。当面は現在の事実婚状態が続くでしょう」(前出・芸能関係者)18歳という年齢差を超え、尊重し合う2人には、“入籍”というカタチへのこだわりもないのかもしれない――。「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年09月30日もうすぐ開幕される「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2020」(SSFF & ASIA2020)にて、別所哲也、河瀬直美、「King Gnu」常田大希が参加するオンライントークイベントが配信されることが決定した。今回のイベントは、ソニー株式会社と、ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社が、共同で新しい映像文化や潮流を次世代クリエイターと一緒に探求する「Creators’ Junction partnered with XperiaTM(クリエイターズ ジャンクション パートナー ウィズ エクスペリア)」のオンライントークイベント。モデレーターに映画祭代表の別所さん、河瀬監督がゲスト出演。さらに、スペシャルゲストとして「King Gnu」常田さんが参加する。トークでは、コロナ禍におけるエンタテインメント・映像業界の変化や、ニューノーマル時代の映像クリエイティブの在り方、スマートフォンでの映画製作の可能性などについて、三者の目線から可能性を探る。また、先月からスタートした2021年度の「オフィシャルコンペティション supported by Sony」および「スマートフォン 映画作品部門 supported by Sony」などの作品応募に向けて、これからの映像製作のヒントにも迫っていく。「Creators’ Junction partnered with XperiaTM」は9月28日(月)20時スタート予定「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2020」は9月16日(水)~27日(日)開催。(cinemacafe.net)
2020年09月10日米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)の代表を務める俳優・別所哲也が、8月28日、東京都庁にて小池百合子都知事を表敬訪問した。「(ニュー)ボーダレス」~変化を力に変えていこう~をテーマに掲げる今年の映画祭は、9月16日(水)より開催。本映画祭について都知事は「今年は、withコロナの中で、新しい日常との両立に合わせて、客席を減らしたりセレモニーのライブ配信をしたりと、まさしく新しい日常の一つのパターンを表しているかと思います。そして、各会場には新型コロナの感染予防対策をしっかりおこない、安心・安全な運営をして頂くことを期待しております」と語った。映画祭と東京都が共同で行っている映画製作プロジェクトが今年で3回目を迎える。本年の作品には、主演に森崎ウィン、シンガポール・中国で活躍するジネット・アウを迎え『This is Tokyo』を製作。作品に対して都知事は「森崎ウィンさんはミャンマー出身でいらっしゃいますよね。女優さんもシンガポール出身とのことで、アジアの魅力がそっくりそのまま映画の中に表現されていると思います」とコメント。本編は公式サイトにて公開されている。一方、東京の魅力を国内外に発信するショートフィルムを全世界から募集する「Cinematic Tokyo」部門では、全世界から今年は236本の応募があり、その中から優秀賞作品として、オーストラリアの監督が手掛けた『グッピー』が選ばれた。別所さんは「東京を訪れている若い外国人カップルが、ある出来事をきっかけにお互いを見つめなおす、というシンプルなストーリーの背景に、映画的な東京の街、主人公の繊細な感情が最もうまく表現されていました」と称賛した。この『グッピー』は、9月27日に行われるアワードセレモニーにて都知事賞が授与される。今回の表敬訪問後、別所さんは「今年はコロナ禍で、海外チームと連絡が取れなくなるなど、様々な試練がありましたが、どうやったら皆様に映画を届けられるのか、世界とどう繋がれるのかを何度も協議し、今回の映画祭実施に至りました。オンライン開催も実施しますので、より多くの方々に楽しんで頂ければと思います」とメッセージを寄せた。●『This is Tokyo』(監督:鈴木勉)2019年秋、ラグビーワールドカップ開催で、街に活気があふれる東京。シンガポールの企業との提携を進めるチームに抜擢された健人は、来日したクァン社長をアテンドする仕事を任されるが、彼女の冷たい態度に困惑する。2人で東京を観光するうちに、互いの心に小さな変化が生まれ──。▽予告編●『グッピー』(監督:Charles Richardson)外国の地、東京で若いカップルの片方が最終電車に乗りそびれ、2人はバラバラになってしまう。コミュニケーションだけが2人を引き戻せる唯一の手段だったが、携帯電話の充電と共に緊張の糸も切れてしまった2人。彼らの関係はどうなるのか…。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2020」は9月16日(水)~27日(日)オンライン会場および東京計4会場にて開催予定。『This is Tokyo』『グッピー』は映画祭のオンライン会場にて無料先行配信。(cinemacafe.net)
2020年08月28日俳優の別所哲也が28日、映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)2020」の代表として東京都知事の表敬訪問を行った。同映画祭は米国アカデミー賞公認、日本発・アジア最大級の国際短編映画祭で、9月16日~27日までの開催が決定している。もともとは6月開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の状況で延期することに。オンライン開催を拡大するとともに、「客席数も減らしまして、感染症対策もしっかりして、リアルな上映会も試行錯誤で行なっていきたい」(別所)と語る。東京都知事・小池百合子は「長い間世界への発信を映像を通じてアートという形でお伝えいただいていること、大変嬉しく思います」と称える。「新型コロナウイルス禍にあって、ウィズコロナの認識のもとで、新しい日常との両立ということになろうかと思います。会場では感染防止宣言も行い、安心安全な運営に期待をしているところです。大変楽しみにしております」と期待を寄せた。同映画祭では、シネマスポーツプロジェクト 特別製作作品として森崎ウィン主演の映画『This is Tokyo』も上映されるが、小池都知事は「森崎ウィンさん。ミャンマー出身で、小学校4年の時に日本に来られた。そしてシンガポールの女優さん(ジネット・アウ)が出られる。アジアそっくりそのものがつまってる感じで、楽しみであります」と語る。都知事により、東京の魅力を伝える「Cinematic Tokyo部門」の優秀賞・東京都知事賞としてオーストラリアのCharles Richardson監督の作品『グッピー』も発表され、最後に2人は握手代わりのグータッチで締めくくった。改めて取材に応じた別所は、「中止をしたりひるむのではなく、できることを工夫をして世界発信する。祭りの意味をもう1回考える。人間には祭りが必要だと常々言っております。カンヌやベルリンも試行錯誤しているし、僕らも世界に示すことが1つの勇気につながると信じて開催をしていきたいと思います」と宣言。「9月になってどのような状況かによって考えるところなんですが、関東圏以外の監督、審査員のみなさん、どこまでお招きするかは東京の状況に合わせて様々なプランを用意してお迎えしようと思っています」と明かした。
2020年08月28日2020年8月10日、俳優の渡哲也さんが肺炎で亡くなりました。78歳でした。俳優の渡哲也が逝去10日に肺炎でネットで「涙が止まらない」の声芸能界からは、渡さんを悼む声が次々とあがっています。渡さんと親交の深かった、女優の吉永小百合さんもその1人です。吉永小百合「泳いで恒彦さんのところに行ってしまったのでしょうか」渡さんと映画『愛と死の記録』で初共演して以降、宝酒造株式会社『松竹梅』のCMなど、数々の作品で共演をしてきた吉永さん。長年渡さんを先輩として慕い、突然の訃報に驚きを隠せなかったそうです。同月14日、吉永さんはさびしい胸の内を、こう明かしました。この日、本紙など報道各社に寄せた直筆の追悼コメントには「夏の海が大好きだった渡さんは、泳いで泳いで(実弟で俳優の渡瀬)恒彦さんのところに行ってしまったのでしょうか」と寂しさを隠せず。渡さんが天国に旅立ったことがいまだに信じられない様子で、「大きな病気を何度も乗り越えてこられたのに残念です」と無念の思いをつづった。サンケイスポーツーより引用俳優の渡瀬恒彦さんは、渡さんの実弟で2017年に亡くなりました。吉永さんは、渡さんが大好きな夏の海を泳いで天国の弟のもとへ行ったのではないかと感じたようです。長年、渡さんの背中を見てきた吉永さんだからこそ感じた最後の思い。きっと海を渡り、天国で恒彦さんと再会できたことでしょう。渡さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2020年08月18日8月10日に俳優・渡哲也さんは東京都内の病院で肺炎により逝去した。享年78。この数年、渡さんは肺気腫のために苦しんでいた。本誌が渡さんの闘病生活を目撃したのは、昨年4月、東京都内にある病院の前。酸素ボンベの入ったバッグを右手に持ち、バッグからは鼻まで酸素を送るためのチューブがのびていた。通院に付き添い、車の乗り降りを介助していたのは、愛妻・俊子さん(77)だった。ベテランの映画関係者は言う。「俊子さんは大手鉄鋼会社の役員の令嬢で、青山学院大学では渡さんの1年後輩。渡さんの一目ぼれだったそうです。しかし結婚にこぎつけるまでは何年もかかりました。当時の渡さんには大勢の女性ファンがいたため、なかなか公表することができなかったのです。ハワイで2人きりの結婚式を挙げたのは’71年3月、渡さんが29歳のときです」渡さんと俊子さんの結婚生活は49年と5カ月。しかしその間に、渡さんは幾度も病魔に襲われた。48年前の’72年7月には、京都でテレビドラマ撮影中に高熱を出して病院に運ばれた。「その後、俊子さんの伯父が院長を務めていた東京都内の病院に転院します。当時の俊子さんは妊娠中でしたが、病院食が苦手な渡さんのために、自宅で食事を作っては、運んでいたのです。肉体的・精神的負担が大きかったためか、俊子さんは何度も流産の危機に襲われました」(前出・映画関係者)’74年に放映されたNHK大河ドラマ『勝海舟』では主演だった渡さんだが、肋膜炎のため途中で降板。さらに’91年には、直腸がんに襲われる。その大手術後、渡さんは妻・俊子さんへの感謝の気持ちを雑誌のインタビューで語っている。《女房にも助けられました。(6月)二十日に手術して二十八日抜糸があったんですが、直腸をとっていますから猛烈に痛むのです。看護というのは患者と一緒に痛がっていたら絶対にできないんですね。私が痛がっていることは当然わかっている。その上で、一つ次元の高いところで、ある意味では冷静に患者を見なければいけない》(『文藝春秋』’92年2月号)実は俊子さんは、渡さんの入院中に看護法を看護師から直接指導してもらっていたという。’15年に渡さんは、急性心筋梗塞のため緊急手術を受けたが、俳優復帰のためにリハビリのフォローをしたのも俊子さんだった。当時、夫妻の知人は、その奮闘ぶりについてこう語っていた。「渡さんの退院前から、俊子さんは自宅にリハビリ用のマシンを運び入れていました。室内ランニングやウオーキング用のトレッドミルなどです。マシンを使用する運動のほかにも、階段の上り下りもリハビリになりますが、俊子さんはいつも付き添っているのです。もともと食事にうるさい渡さんですが、いまは減塩食になっており、味つけの工夫も大変です。しかし、かつて石原裕次郎さんが解離性大動脈瘤の手術後に、奥さんのまき子さんが作った減塩食の写真付きレシピがあるそうで、俊子さんもそれを参考にしているようです」渡さんと俊子さんのかつての姿について、石原プロモーションで常務取締役を務めていた仲川幸夫氏はこう語る。「渡さんの自宅には松田優作さんや地井武男さんたちも遊びに行っていましたが、もてなしてくれるのは俊子さん。彼女はとっても料理が上手なので。俊子さんは聡明な女性で、渡さんは何でも彼女に相談していました。芸能界以外の人脈も広くて、そこから得た情報を、渡さんに伝え、彼も仕事の参考にしていたようです。ただ俊子さんは、“表”に出ることは一切ありませんでした。渡さんが石原プロの社長を務めていたときも、もちろんプロダクションの経営に口をはさむこともしなかった。渡さんの長年の介護は本当に大変だったと思いますよ。できればお会いしてお悔やみも申し上げたいです……」この数年、石原裕次郎さんも食べたという俊子さん手作りの減塩料理を口にしながらも、渡さんの頭から離れなかった課題が、“石原プロの幕引き”だったという。実は昨年4月、本誌は石原プロの関係者のこんな証言を報じていた。「渡哲也さんが、ついに俳優引退と石原プロモーションの幕引きを決断したのです」当時、渡さん本人に決断の理由などについて取材を試みた。すると渡さんは目をつぶり、数秒間真剣な表情で黙考した後、付き添っていた運転手に、「事務所に連絡するように伝えなさい」と、静かに言い残して、自宅へと戻っていったのだった。だが石原プロの元幹部は次のように語っていた。「石原プロを“自分の目が黒いうちにきれいに終わらせる”というのは、渡さんにとって長年の悲願でもありました。ほかの(勝プロや三船プロのような)“スタープロダクション”のような終わり方にはしたくないということです。渡さんとしては倒産とか分裂とかで、石原裕次郎さんの名前を汚したくない。それが彼の美学なんです。’11年に健康上の理由で社長からは退きましたが、渡さんが決定したとなれば、ほかの社員たちも従います。幕引きを急いでいるのは、渡さんが自分の体調に自信を持てなくなっているからなのでしょうね」しかし俳優たちの移籍先を探す必要もあったからなのだろうか、石原プロが’21年1月をもって解散することが発表されたのは1年後の今年7月17日。“幕引き”を見届けたかのように渡さんが逝去したのは、それから3週間後のことだった。生前、渡さんは妻に「静かに送ってほしいから、自分が死んでも、葬儀などすべてが終わるまでは誰にも知らせないように」と、伝えていたという。その言葉どおり、お別れ会や偲ぶ会の予定もない。“幕引きは静かに”……、石原プロのみならず、自身の人生の終幕にも美学を貫いた渡哲也さん。その傍らにはいつも辛苦をともにし続けた妻・俊子さんがいた。「女性自身」2020年9月1日号 掲載
2020年08月18日俳優・渡哲也さんが8月10日に肺炎で死去した。78歳だった。訃報を受け、日活映画時代から50年以上も親交のある吉永小百合(75)が追悼メッセージを14日に発表した。「夏の海が大好きだった渡さんは、泳いで泳いで恒彦さんのところに行ってしまったのでしょうか。大きな病気を何度も乗り越えてこられたのに残念です。ご冥福を心からお祈りいたします」66年に映画『愛と死の記録』で初共演した2人。渡さんは印刷会社に務める原爆症の青年役で、吉永扮する楽器店で勤める娘との悲恋物語だ。当時若い2人の迫真の演技は、感動を巻き起こしたという。「当初は、吉永さんと“青春・純愛路線”を築いた浜田光夫さん(76)がキャスティングされていたといいます。ですが浜田さんは右眼を負傷し、降板。アクション専門だった渡さんが、代役に起用されました。原爆がテーマの本作は、当初『被爆者の描写が刺激的すぎる』とカットを命じられたそうです。ですが吉永さんと渡さんは、原爆の悲劇を自分のことのように受け止めていました。そのため、スタッフたちと撮影所前で座り込みの抗議をしたほどだったそうです」(映画関係者)その後も『白鳥』(66)や『青春の海』(67)、『嵐の勇者たち』(69)などで共演し、“日活黄金期”を支えた2人。互いにキャリアを積んでからは、『時雨の記』(98)で中年男女のプラトニックな恋愛を好演。だが、00年の『長崎ぶらぶら節』で共演したことが最後となった。いっぽう渡さんが長年出演した宝酒造「松竹梅」のCMには、10回も登場した吉永。19年末に公開されたCMでは、令和初のお正月を2人で飾った。各メディアによると、この撮影が2人にとって最後の現場になったという。「17年のCM撮影時、闘病中だった渡さんは『最後の1本は大ラブシーンをやりましょう』と吉永さんに呼びかけていました。98年の『時雨の記』では、吉永さんが渡さんを相手役に指名したといいます。歳を重ねても、日活時代で築いた“あうんの呼吸”があるのでしょう。吉永さんも渡さんの“最後のお願い”に、『老夫婦の恋愛作品を作りましょう』と応えていました」(制作関係者)叶わなかった最後の共演。だが残された2人の作品は、これからも愛され続けるだろう。
2020年08月15日渡哲也さんが肺炎のため亡くなったと8月14日に発表された。78歳だった。各メディアによると渡さんは10日、妻の俊子さんに見守られて息を引き取ったという。渡さんの俳優人生には、“闘病”がつきものだった。71年3月に結婚したものの、翌72年7月に葉間肋膜炎で3カ月療養。さらに73年には膠原病との診断を受け、74年2月には胸膜癒着症にかかった。そして91年には直腸がんが見つかった。がんは渡さんの父、そして師である石原裕次郎さん(享年52)の命を奪った病でもあった。「お父さんと裕次郎さんを亡くした経験から、渡さんは『がんは早期治療が肝心だ』と理解していました。病名を公表することでいっそう、がんと向き合いたいと考えていました」(芸能関係者)そんな渡さんを支えたのは、俊子さんだったという。「渡さんが仕事で穴をあけることになり、俊子さんは関係各所に頭を下げて回りました。また医師には『どんな形でもいいから生きてほしい』と頼み込んだといいます。そんな姿に、渡さんのお母さんは『あなたには苦労のかけっぱなしで……』と涙ながらに感謝したそうです」(前出・芸能関係者)97年にも早期の大腸がんが見つかった渡さん。15年6月には、心筋梗塞で緊急入院をしている。「渡さんが突然胸の苦しみと息苦しさを訴え、俊子さんはすぐに病院へ。俊子さんが素早く異常に気付いてくれた甲斐もあって手術は1時間30分ほどで済み、数日後には一般病棟へ移りました」(病院関係者)渡さんの窮地を救った俊子さんは、献身的に看護し続けた。「俊子さんは1カ月もの間、病室に泊まり込みで看病していました。退院前から自宅にリハビリ用のマシンを運び入れ、さらに退院後には食事を減塩食に切り替えました。その際には、裕次郎さんの奥さんであるまき子さんのレシピを参考にしていたそうです」(渡夫妻の知人)晩年には呼吸器疾患などのため、外出時に酸素吸入器を手放せなかった渡さん。結婚翌年から48年。病との戦いだった人生を支えたのは、俊子さんという“戦友”だった――。
2020年08月15日2020年8月10日、肺炎により逝去していたことが判明した、俳優の渡哲也さん。連続ドラマ『大都会』(日本テレビ系)や『西部警察』(テレビ朝日系)などで一世を風靡した俳優の死に、人々からは悲しみの声が広がっています。俳優の渡哲也が逝去10日に肺炎でネットで「涙が止まらない」の声同月14日、お笑いコンビ『ドランクドラゴン』の塚地武雅さんがTwitterを更新。テレビドラマ『おいしいごはん 鎌倉・春日井米店』(テレビ朝日系)にて、渡さんと共演した際のエピソードを明かしました。ドランク塚地が感じた、渡哲也の『プロ根性』ドラマの撮影中、主演である渡さんが、椅子を手刀で割るシーンがあったといいます。しかし、本番になると、渡さんは手刀ではなく、頭で椅子を割ったというのです!渡さんのサービス精神と勇ましさに感動した塚地さんは、「プロだ!僕もこうならなければいけない!」と、身の引き締まる思いだったといいます。渡哲也さん…おいしいごはん というドラマで師弟の役でご一緒させていただきました。椅子を手刀で割るというシーンで本番、いきなり頭で割る姿を見て驚きとサービス精神と漢気を感じ、プロだ!僕もこうならなきゃいけない!と思ったのを覚えています!— ドランクドラゴン塚地武雅 (@tsukajimuga) August 14, 2020 茶目っ気あるエピソードも明かす塚地さんは、ドラマの撮影をしていたある日、渡さんに「塚地くん、ちょっと!」と呼ばれたといいます。「僕のお芝居がよくなかったのか」と怒られる覚悟で向かうと、各国のミス・ユニバースが写る新聞を広げて、「塚地くんはどの子がタイプ?」と聞いてきたそうです。渡さんの意外な問いかけに、「茶目っ気のある面白い人」だと感じた塚地さん。「短い間でしたが、近くで色々見せていただいたことは勉強になることばかりで忘れません」と、渡さんへ追悼の言葉を贈りました。ある日、渡哲也さんに前室で「塚地君、ちょっと!」と呼ばれ、僕のお芝居が良くなかったのか…?怒られると思いながらむかうと新聞のミス・ユニバースの各国の代表の写真を見せて「塚地君はどの子がタイプ?」と。茶目っ気たっぷりの面白い方で。笑— ドランクドラゴン塚地武雅 (@tsukajimuga) August 14, 2020 塚地さんの投稿には、さまざまなコメントが寄せられています。・とてもお優しい人だったのですね…。・素敵なエピソード。渡さんの人柄がよく分かります。・すごくいい話。思わず泣いてしまいました。茶目っ気あふれる行動は、塚地さんを和ませようとした、渡さんなりの心遣いだったのかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2020年08月15日2020年8月14日、俳優の渡哲也さんが肺炎のため亡くなったことが発表されました。渡さんは、昭和時代を彩る数々の名作に出演。俳優の石原裕次郎さんが創立した石原プロモーションに所属し、ドラマ『西部警察』シリーズなどでも活躍しました。渡さんはテレビドラマで活躍する一方、多くのCMにも出演しています。裕次郎さんがCMキャラクターだった清酒『松竹梅』を引き継ぐ形で、渡さんがオファーを受けました。同年7月29日からは、2人が共演するCMが公開されており、多くの人が悲しみにくれながら動画に注目をしたようです。酒を飲みかわす渡さんと裕次郎さん。生前、2人が『松竹梅』のCMで共演することは叶いませんでした。裕次郎さんがCMキャラクターを務めて50年となる節目に、合成技術を使って夢の共演となったのです。動画を見た人たちからは悲しみの声が寄せられていました。・合成だと分かっていても、このCMで2人の姿を見ることができてよかった。・悲しいです。天国でもおいしいお酒を飲んでもらいたいです。・昭和の名俳優がまた1人亡くなってしまい、言葉がありません。きっと今頃、天国で裕次郎さんとゆっくりお酒を飲んでいるのかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2020年08月15日俳優の渡哲也(本名:渡瀬道彦)さんが10日、肺炎のため都内の病院で死去した。78歳だった。石原プロモーションは、公式ツイッターに文書を掲載し、「弊社 渡哲也(本名:渡瀬道彦)が長きにわたり病との闘いの末去る令和2年8月10日午後6時30分に肺炎のため享年79をもって都内の病院にて旅立ちました。ここに生前のご厚誼を深く感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます」と報告。「葬儀につきましては、静かに送ってほしいという故人の強い希望により本日、家族葬というかたちで執り行わせていただきました」と伝え、「誠に勝手ながらご香典、お供物、ご弔電、ご供花などの儀は故人の遺志により固くご辞退申し上げます」と記した。そして、「尚、お別れ会・偲ぶ会等の実施につきましては、故人の意向により執り行いません。何卒、故人の遺志をご理解いただけますようお願いいたします。皆様のお心の中にて故人への祈りを捧げていただけますことを心よりお願い申し上げます」と呼びかけた。
2020年08月14日2020年8月14日、俳優の渡哲也さんが逝去したことが分かりました。78歳でした。サンケイスポーツによると、同月10日に肺炎で逝去したとのこと。すでに近親者のみで密葬を行っています。複数の関係者によると、入院先の東京都内の病院で親族に看取られ、静かに息を引き取ったという。2015年6月に心筋梗塞の手術を受けて以降、入退院を繰り返し、ここ数年は呼吸器疾患などで自宅療養を続けていた。サンケイスポーツーより引用渡さんは、俳優・石原裕次郎さんが創立した石原プロモーションが制作した連続ドラマ『大都会』や『西部警察』シリーズなどに出演。渋い演技が好評を得て、数多くの作品で活躍しました。ご冥福をお祈りいたします。渡哲也さんについての記事はこちら[文・構成/grape編集部]
2020年08月14日