日本語吹き替え声優として、上川隆也、中村アン、そして先日発表されたオリンピックメダリストの田中雅美と続々とキャストが明らかにされていく『ファインディング・ドリー』。この度、新たにさかなクンが本作で声優を務め、さらに海洋生物監修もしていることが分かった。併せて、さかなクンが解説する特別映像も到着した。舞台はカクレクマノミのマーリンがナンヨウハギのドリーと共に、愛する息子・ニモを、人間の世界から救出した冒険の旅から1年後の世界。「今度は、僕がドリーを助けてあげる」。ドリーとニモ、そして、心配性のマーリンも渋々ながら、再び大海原へと旅立つ。この夏、世界一有名な魚たちの奇跡の大冒険が幕を開ける――。東京海洋大学名誉博士であり、魚に関する豊富な知識に裏付けされたトークで日本のお茶の間で幅広く親しまれているさかなクン。今回彼は、マンボウ役で本作に登場。マンボウは大好きなハコフグと同じフグ科ということもあり「マンボウちゃんは世界で最も大きくなるフグの仲間ですので、おお~こんな偉大なマンボウちゃんの役を頂けて嬉しい!」と大喜びで意気込みを語った。さらに声優だけでなく、本作の字幕版&吹替版の海洋生物監修も兼任。ピクサー作品の監修と言えば、通常外部に依頼することはなく、誰にでもできることではない異例の快挙。実はピクサースタジオもその魚に関する知識の深さに驚いたそうで、今回の監修が実現したという。さかなクンは、海洋生物の習性や特徴だけでなく、日本語での正しい魚名などの表現や、海の仕組みにかかわることなど細かい視点で監修を遂行。例えば、劇中の台詞から貝にも目があるのか?という疑問が発生したとき「貝にも眼点という目に当たるものがある」とアドバイスしたり、劇中に登場するマグロがマカジキなのにカジキマグロと表記されていたのを指摘したり、「摂氏22度」という表現を水温はあまり摂氏とは言わないと指摘し「温度22度」に訂正するなど、専門知識が必要な部分についてその豊富な知識を使い正しい表現に直していった。そしてこのほど解禁されたのは、さかなクンのインタビュー映像と、魚の知識を交えながらストーリーを“ギョ紹介”してくれる特別映像。 自身にとって最も特別な映画『ファインディング・ニモ』の続編が作られると知ったときについて「こんなに嬉しい続編がキター!ドリーちゃん、キター!ってそんな気持ちですね!」と興奮気味に喜びを表現。さらに作品に参加することについては「もう夢のようでギョざいます!」と話し、「お魚だけでなくクジラやカニ、ヒトデなどいろんな海洋生物が登場するわけですね。私も魅力をギョギョギョといろいろな場所で紹介できたら」と本作をアピールしている。映像は続き、「『ファインディング・ニモ』の奇跡の大冒険から1年後が舞台なんですね~」というさかなクンの解説付き予告編に変わる。まずはじめに、本作の主人公で、ナンヨウハギがモデルのドリーから。さかなクンは「とってもカラフルで優雅に泳ぎ、そして日本のサンゴ礁でも会うことができます」と解説。そのほかにもドリーと人間の世界で旅をすることになるミズタコのハンクやジンベエザメなどを解説。さかなクンは「ギョギョ!危ない!お魚さん目線で見ると人間の世界での冒険は命がけ。でもドリーちゃんもニモちゃんも諦めませんよ! これはもう待ちきれない!映画館にレッツギョー!」と締めくくり、子どもでも魚のことが分かるように解説され、より一層本編も楽しめること間違いなしの映像となっている。『ファインディング・ドリー』は7月16日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年06月02日東京海洋大学客員准教授でタレントのさかなクンが、ディズニー/ピクサー最新作『ファインディング・ドリー』(7月16日公開)で、字幕版&吹替版の海洋生物監修とマンボウ役の声優を務めることが1日、わかった。本作は、日本でのディズニー/ピクサー歴代興収1位を記録した『ファインディング・ニモ』の続編。忘れんぼうのナンヨウハギのドリーが、カクレクマノミのニモらと共に家族探しの冒険に出る。さかなクンは、豊富な知識を生かして細かい視点で監修。劇中のセリフから「貝にも目があるのか?」という疑問が発生した時には「貝にも眼点という目に当たるものがある」とアドバイスしたり、劇中に登場するマグロがマカジキなのにカジキマグロと表記されていたのを指摘したり、水温はあまり摂氏とは言わないことから「摂氏22度」という表現を「温度22度」に訂正するなど、正しい表現に直していった。このたび、さかなクンのインタビュー映像と、魚の知識を交えながらストーリーを紹介する特別映像も公開。さかなクンは、本作の製作が決定した時の喜びを「こんなにうれしい続編がキタ―! ドリーちゃん、キター!ってそんな気持ちでギョざいますね!」と振り返り、「ギョ!ギョ!なんと私も参加させていただけると聞いて、もう夢のようでギョざいます! 本作ではお魚だけでなくクジラやカニ、ヒトデなどいろんな海洋生物が登場しますよ」とアピールしている。さらに、さかなクンは今回マンボウ役として声優にも挑戦。マンボウは大好きなハコフグと同じフグ科ということもあり「マンボウちゃんは世界で最も大きくなるフグの仲間ですので、おお~こんな偉大なマンボウちゃんの役を頂けてうれしい!」と感激している。(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2016年06月02日農業生物資源研究所(生物研)は3月29日、植物の主要な栄養素を含む複数の栄養素をバランスよく吸収し、蓄積を促進させるイネの遺伝子を発見したと発表した。同成果は1月5日に英国の科学雑誌「The Plant Journal」に掲載された。植物の遺伝子機能を利用して肥料に含まれる栄養素の吸収を促進させる試みは、単独の遺伝子の働きを改変することで1~2種類の栄養素の吸収もしくは蓄積を促進させた例が報告されている。しかし、特定の栄養素のみの吸収・蓄積を強化すると栄養素バランスが崩れるため、収量の増加にはつながっていなかった。一方、生物研ではイネの水や栄養素を輸送する維管束という組織にRDD1というタンパク質が局在していることを見い出しており、同タンパク質が栄養素をバランス良く輸送するカギになっているのではないかと考え、これを確かめる研究を行った。研究では、人為的にRDD1遺伝子を強く働かせたイネは、温室での少化成肥料栽培(慣行栽培の半分、特別栽培相当)において、収量(もみ重)が親系統に比べて最大で約2割増加した。さらに、低栄養条件での水耕栽培(各栄養素が通常の半分以下)では、通常のイネと比べて肥料三要素である窒素、リン酸、カリウムに加え、塩素とマグネシウムの吸収と蓄積が促進された。これらの結果から、RDD1遺伝子を強く働かせたイネでは光合成および収量の増加に必要な栄養素の供給が増強されることが示唆された。さらに、RDD1遺伝子を強く働かせたイネでは、低栄養条件での水耕栽培において、光合成で重要な役割を持つクロロフィルの含量が増加し、また光合成産物であるショ糖の輸送に関わる遺伝子の働きも増大していた。これらのことから、RDD1遺伝子を強く働かせたイネでは光合成および光合成産物輸送の能力が増強した結果、収量が増加したものと考えられるという。研究グループは、今後、新たな品種や栽培技術の開発により、RDD1遺伝子の機能を強化することで、少ない肥料で通常と同様の収量を得ることが可能になり、低コスト化に加え、土壌に残った余分な肥料による環境汚染を防ぐなどのメリットが得られるとしている。
2016年03月29日北海道大学(北大)と国立極地研究所(極地研)は3月17日、海洋の潮汐と連動して発生する氷河地震をグリーンランドで初めて発見したと発表した。同成果は、北海道大学低温科学研究所、同大北極域研究センター、国立極地研究所、スイス連邦工科大学、フィレンツェ大学の共同研究グループによるもので、3月8日付けの米科学誌「Geophysical Research Letters」オンライン版に掲載された。グリーンランドは、その面積の80%が平均厚さ1700mの氷で覆われており、地球に存在する氷河・氷床の10パーセントにあたる氷を蓄えているといわれている。近年この氷床が急激に縮小して融解水の流出が増え、海水準の上昇に寄与しているほか、海洋循環や海洋生態系など、地球規模の環境への影響が懸念されているが、氷が崩壊する氷河の末端部や、氷山と海氷に覆われる海の観測は非常に困難で、なぜ氷河が急速に氷を失っているのか理解は進んでいない。同研究グループは、グリーンランド北西部、北緯77度に位置するカナック村を拠点として過去5年間にわたって総合的な研究活動を行っている。今回の研究では、同村から20m北に位置するボードイン氷河の海洋との境界から250mまで近づいて、地震波観測、GPSによる流動測定、潮汐や気象観測など集中的な観測活動を実施した。この結果、氷河の動きに起因する氷河地震の頻度が半日周期で変動していること、氷河地震が引き潮に連動して増加すること、潮汐によって氷河の流動が変化することで、氷河地震の原因である氷の破壊が促進されていることを発見した。つまり、氷河の加速によって生じる氷の破壊が氷河地震の原因であり、潮汐が氷河の流動を介して間接的に氷河地震の頻度をコントロールしていると考えられる。ボードイン氷河付近での潮汐による海水面変動は1~2m程度であるため、こういった海洋や氷河のわずかな変化が海と氷の微妙なバランスを崩し、より大きな変動を駆動する可能性があることが示されたといえる。同研究グループによると、今回得られた知見は、グリーンランド氷床だけでなく、世界最大の氷を抱える南極氷床や、近年大きな変動を示しているパタゴニアの氷河の変動理解に役立つとしており、今後はボードイン氷河での研究を継続するとともに、南極やパタゴニアでの氷河・氷床研究に展開していく計画であるとしている。
2016年03月18日東京大学は3月16日、東京大学分子細胞生物学研究所の中村勉講師らの研究グループが、ヤコブセン症候群患者が発症する自閉症の原因は、脳の神経細胞の活動を抑えるGABA受容体の運搬に関与するたんぱく質「PX-RICS」だと特定したと発表した。今後、自閉症の新薬の開発につながる期待が持てるという。自閉症は発達障害の一つ。厚生労働省によると、発達障害にはアスペルガー症候群や注意欠如・多動性障害(ADHD)などもあり、自閉症は80~100人に1人の割合で発症すると言われている。「対人関係の障害」「コミュニケーションの障害」「限定的な興味や強いこだわり」などの症状を特徴とする。「社会認知機能」と呼ばれる他者の心情を推し量ったり、他者に共感したりする脳の機能の障害が自閉症の原因であると考えられているが、発症の詳しい仕組みはこれまでにわかっていなかった。研究グループは大脳皮質や海馬など、脳の認知機能に関連する領域の神経細胞に豊富に発現しているたんぱく質・PX-RICSを同定し、その遺伝子を欠損するマウスを作製した。そのマウスは外見的には正常だったが、他のマウスに対する興味が少ないことを確認。具体的には、「他のマウスに対する反応や超音波域の鳴き声を使った母子コミュニケーションが少ない」「反復行動が正常なマウスよりも多い」「習慣への強いこだわりを持つ」など、自閉症の症状に特徴的な行動異常を示していたという。さらに解析を進めたところ、PX-RICS遺伝子が「ヤコブセン症候群」(11番染色体長腕末端部の欠失に起因する先天異常疾患)患者の半数以上が発症する自閉症の原因となる遺伝子であると特定できたとのこと。中村講師はこの結果を受け、「今回、私たちはGABA受容体の輸送が自閉症の発症に関係することを明らかにしました。この輸送メカニズムを標的とした薬剤を開発するなど、今回の成果は自閉症の新たな治療戦略へ貢献できる可能性があります」とコメントしている。
2016年03月17日エブリセンスは3月2日、インフォコムと光電製作所、ブロードバンドタワーと共同で、IoT分野に関する技術を用いて漁場や海洋情報の収集および共有システムの共同研究開発プロジェクトを開始したと発表した。まず、エブリセンスと光電製作所で、魚群探知機をネットワークを介して制御、データ収集する「EveryStampFF(Fish- Finder)」を開発。同システムは、魚群探知機のソナー制御とデータ収集を行う小型センサーボックスを、ネットワークにより分散連携することで、複数の魚群探知機を連携動作させることが可能だという。これにより、同一船舶、母船-僚船間など、複数箇所での魚群情報を連携することができるようになるとしている。また、ブロードバンドタワーが持つデータセンターや、インフォコムが持つデータ分析技術を組み合わせることによって、水揚げ港や水産管理施設など地上側との連携により、より広域にリアルタイムな情報共有プラットフォームが提供可能となる予定とした。今後は、リモート・センシング技術センターの提供する衛星データなどとの連携により、水深、水質、水温、潮目、潮流、風向、風速、波高などの海洋情報との統合的収集、分析への展開を進める予定となっている。なお、本共同研究開発の開始に伴い、「EveryStampFF」が、ジャパンインターナショナルボートショー2016にてデモ展示される。
2016年03月03日海洋研究開発機構(JAMSTEC)は2月24日、2013年に行われた有人潜水調査船「しんかい6500」世界周航研究航海において、大西洋の深海海底で鯨骨生物群集を発見したことを発表した。これまでに発見されている鯨骨生物群集のなかでは世界最深となる。同成果は、JAMSTEC 東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチーム 北里洋 プロジェクト長および海洋生物多様性研究分野 藤原義弘 分野長代理、サンパウロ大学 海洋研究所、バレ・ド・イタジャイ大学、日本大学 生物資源科学部、フルミネンセ連邦大学の研究者らの研究グループによるもので、2月24日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。海の生態系には、太陽エネルギーによる光合成を通じて生産される有機物に依存して暮らす「光合成生態系」と、硫化水素やメタン、水素など、地球内部から噴出する化学物質をエネルギー源として有機物をつくる化学合成微生物が生産者として働く「化学合成生態系」が存在する。化学合成生態系は、光の届かない深海の熱水域や湧水域に形成されており、そこに生息する多くの動物は、化学合成細菌を体の中や外に共生させ、細菌が生産した有機物を利用している。化学合成生態系と同様な生態系として、クジラ、イルカなどの大型海生哺乳類の遺骸に形成される「鯨骨生物群集」が知られている。クジラなどの海生哺乳類は、死後に深海に沈降した遺骸が分解されることで硫化水素を発生するようになるため、硫化水素を餌とする化学合成生態系を構成する生物が好んで住み付くようになるというわけだ。同研究グループは2013年4月24日、ブラジル沖サンパウロ海嶺で行われた「しんかい6500」の潜航調査において、世界最深となる水深4204mの海底から鯨骨生物群集を発見した。自然死による鯨骨生物群集としては世界で8例目となる。北里氏および藤原氏によると、今回の発見は「まったくの偶然」であるという。同生物群集を分析した結果、発見された鯨骨は死後5~10年ほど経過したクロミンククジラのものであることが確認されており、その骨からは、大型底生生物であるゴカイの仲間28種、コシオリエビ数種、ルビスピラ属など巻貝2種、ホネクイハナムシの1種など、多様な生物が少なくとも41種発見されている。形態レベルの検討ではこれらのほとんどが新種である可能性が高く、これらのうち巻貝のルビスピラ属やホネクイハナムシなどいくつかのグループについては、遺伝子レベルの検討の結果においても新種であることが判明している。一方で、これらの構成種を属レベルで見ると、北東太平洋カリフォルニア沖でこれまでに見つかっている鯨骨生物群集や熱水/湧水生物群集の構成種と類似しており、同じ系統群に所属していることがわかった。これは1989年にハワイ大学 クレイグ・スミス博士が提唱した、鯨骨生物群集が熱水噴出孔/湧水生物群集の間をつなぐ飛び石の役割を果たしているという「飛び石仮説」が全球的な広がりを持つことを支持する結果となっている。同研究グループでは今後、実験的にクジラの遺骸をさまざまな海域に設置し、クジラの遺骸が深海で分解されて化学合成生物群集の飛び石となるまでの成立過程とその過程で存在する生物の全球的な類似性の検討を行っていくとしている。
2016年02月25日千葉県・幕張メッセにて7日、フィギュアとガレージキットの祭典「ワンダーフェスティバル2016[冬]」が開催され、海洋堂ブースではアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』からエヴァンゲリオン初号機のフィギュアサンプルが公開された。今回展示されていたのは、2007年に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より、クライマックスのシーンでポジトロンライフルを構えるエヴァンゲリオン初号機。劇中では、遠隔攻撃を行う第6使徒に対抗するために発案されたポジトロンライフルによる狙撃作戦「ヤシマ作戦」の実行にあたり、同場面が描かれている。原型製作は、メカ造形に定評のある谷明氏が担当。ライフルのディテールまで詳細に表現しており、銃身に手を添える初号機も、身をかがめた脚部のラインなど躍動感が感じられる造形となっている。フィギュアは塗装済み完成品で、発売時期・価格については未定。(C)カラー
2016年02月09日海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学(東大)は2月1日、日本南岸を流れる黒潮やその東に続く黒潮続流といった中緯度域の強い海流の年々変動に「風の変動と無関係に生じる部分」があり、まったく同じ風の変動のもとで異なる海の循環が生じうることを発見した。これは、大気循環と同様、海洋循環にもいくつもの「並行世界(パラレルワールド)」が存在することを意味しているという。同成果は、JAMSTEC アプリケーションラボ 野中正見グループリーダー代理、東京大学 先端科学技術研究センター 中村尚 教授らの研究グループによるもので、2月1日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。今回、同研究グループは、初期値などにわずかなばらつきを与えて複数の数値実験を行う「アンサンブル実験」という手法を用いて、年々変動する「全く同一の」風を与えながら、風以外の条件をわずかに変え、海洋の循環を現実的に再現するため、JAMSTECのスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」によるシミュレーションに着手した。アンサンブル実験は大気循環の研究分野ではよく用いられている手法だが、これを海流の年々変動研究に導入したのは同研究が初めてだという。この結果、「風の変動と関係なく海の中で勝手に起きる」変動が存在することが明らかになった。また詳しい解析から、黒潮続流の年々変動では「風の変動と無関係に生じる」変動量と「風の変動によって生じる」変動量がほぼ等しいことがわかった。これは、現実に観測されるのはひとつの状態でも、同じ条件下で異なる状態が起きていても不思議ではない、つまりパラレルワールドが存在しうることを意味する。いくつものパラレルワールドのどれが実現するかを予測することは不可能なため、黒潮続流には本質的に予測不可能な成分が半分程度含まれていることになる。このように予測不可能な成分を考慮し、できるだけ確からしい予測を実現するには、わずかに条件を変えた予測を多数行う手法「アンサンブル予測」が有効とされ、天気予報など大気循環の分野で用いられている。これまで海洋の年々変動は、基本的に風の年々変動によって生じるものと考えられていたが、海洋循環をより確からしく予測するためには「風の変動と無関係に生じる変動」の存在を加味した予測が不可欠であることが明らかになった。同研究グループは、今回の成果により海流予測の分野でもアンサンブル予測手法が導入され、気候予測や漁獲量予測の高度化に繋がることが期待されると説明している。
2016年02月02日基礎生物学研究所と生理学研究所は12月24日、温度によってオスとメスが決まる「ミシシッピーワニ」の性決定の仕組みを解明したと発表した。同成果は、基礎生物学研究所 分子環境生物学研究部門/総合研究大学院大学の大学院生 谷津遼平 氏、宮川信一 助教、荻野由紀子 助教、井口泰泉 教授、生理学研究所 細胞生理研究部門 齋藤茂 助教、福田直美 氏、富永真琴 教授、米サウスカロライナ医科大学 河野郷通 助教、Louis J. Guillette Jr 教授、Innovative Health ApplicationsのRussell H. Lowers 博士、北海道大学 勝義直 教授、鳥取大学 太田康彦 教授らを中心とする研究グループによるもので、12月18日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。ヒトを含む多くの動物は、性染色体の組み合わせなどといった遺伝的な要因によって性が決まるが、ワニやカメなど一部の爬虫類では、卵発生中の環境温度によって性が決まる「温度依存型性決定」があることが知られていた。たとえば、ミシシッピーワニは、33.5℃で孵卵するとすべてオス、30℃ではすべてメスになる。今回の研究では、ミシシッピーワニの卵発生中の胚がどのように外部温度を感じるのか、温度受容因子の実体の探索とその仕組みの解明を目指し、温度を感じるセンサータンパク質である「TRPイオンチャネル」を環境温度を感じる分子の候補として解析を進めた。この結果、ワニの性決定時期の生殖腺では、受容温度域が異なる5種類のTRPチャネル遺伝子が働いており、なかでもTRPV4というTRPチャネルが一番顕著に存在することがわかった。TRPV4チャネルは哺乳類では30℃から34℃付近の温度を受容することが報告されており、ワニの温度依存型性決定と関連する温度域に相当している。そこで実際にTRPV4チャネル遺伝子をワニからクローニングし、どのような温度域で活性化されるかを調べたところ、ワニのオスが産まれる温度付近で活性化されることがわかった。また、野生のワニの卵を採取して、TRPV4チャネルの阻害剤あるいは活性化剤を塗布し、オスになる温度とメスになる温度で卵を育て、数週間後に性分化への影響を調べたところ、TRPV4チャネルの活性を操作することで、特にオス化に重要な遺伝子の発現が変化することが明らかになった。さらに、オス産生温度で孵卵しても、TRPV4チャネルの阻害剤を塗布すると、メス化した個体が認められたという。同研究グループはこれらの結果から、ワニの性決定においては、TRPV4イオンチャネルが環境温度を感じる実体として関与すると結論づけた。今後、動物の性決定様式の多様性や、環境と生物の間の相互作用を考えるうえで、発生学・生態学・環境学に大きく貢献できるとしている。
2015年12月24日農業生物資源研究所(生物研)は12月1日、沖縄綜合科学研究所と共同で、小豆の全ゲノムをほぼ完全に解読したと発表した。成果は11月30日の英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。今回の研究に用いたのは日本で主に栽培されている「しゅまり」という品種の小豆で、全ゲノムの95%、約3万個の遺伝子配列を特定した。これにより目的遺伝子の場所が正確に分かるため、今後耐冷性や耐熱性などの特性を有する品種の効率的な育成に繋がることが期待されるという。また、生物研がこれまでの研究で特定していた種子の大きさを制御する遺伝子が小豆にもあることも判明し、この遺伝子が機能を失うと種子の大きさが2倍になるため、研究グループはこれを利用することで2~3年後には大豆よりも大きな小豆品種が実現するとしている。
2015年12月01日海洋研究開発機構(JAMSTEC)は11月30日、地震・津波観測監視システム「DONET」の海底強震計データの解析を行った結果、長くゆっくりとした大きな揺れである「長周期地震動」が深海底の広い領域で発生していることを明らかにしたと発表した。同成果は、JAMSTEC 地震津波海域観測研究開発センター 中村武史 技術研究員ら、および岡山大学、東京工業大学、福井大学の研究グループによるもので、11月30日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載される。大規模地震発生時、高層ビルなどでは、長周期地震動と建物固有の揺れの周期が共振して、大きく揺れることがある。この長周期地震動は、陸域の盆地や平野部において観測事例が多く報告されている一方、海底においては、陸上地震計のデータに対するシミュレーション結果から長周期地震動の発生が間接的に示唆されているのみだった。今回の研究では、南海トラフ周辺の海底における長周期地震動を明らかにするため、紀伊半島沖熊野灘に設置された地震・津波観測監視システム「DONET1」を利用し、2013年4月13日に淡路島を震源とするM5.8の中規模地震発生時における海底強震計データの解析を実施した。この結果、周期10~20秒において、顕著な長周期地震動が海底で発生していることが明らかになった。また、一般的には地震波の振幅は震源からの距離が遠ざかるほど減衰するが、震源に近い陸上観測点より遠いDONET1の観測点の振幅が増幅するという特異な傾向を示していることもわかった。さらにこの地震動について、理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」を使って再現し、詳細に解析した結果、南海トラフ周辺に広がる海洋堆積層が海底の長周期地震動の成因であることが明らかになった。同研究グループは今後、長周期地震動の発達過程やその原因となる海洋堆積層の構造についてより詳細な解析を行うとともに、海域で発生する地震に対する防災・減災に向けて、長周期成分の陸域への影響評価や海底観測網データを使った震源要素解析の高度化を進めていきたいとしている。
2015年12月01日東京海洋大学は11月2日、長期間冷凍庫内で凍結していたニジマスから機能的な卵と精子を生産し、これらから受精した正常な次世代個体を生産することに成功したと発表した。同成果は同大学海洋生物資源学部門の吉崎悟朗 教授の研究グループによるもので、11月2日に英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。今回の研究では、ニジマスをまるごとジッパー付袋に入れ、-80℃の冷凍庫内で冷凍。それらを解凍し解析したところ、1週間から3年間のいずれの凍結期間においても、再現性よく1300程度の精原細胞を得られることがわかった。さらに、これらの細胞を孵化直後のヤマメの稚魚へ移植することで、ヤマメが雄の場合は冷凍魚に由来する機能的な精子を、雌の場合は冷凍魚由来の機能的な卵を生産することができた。また、これらの卵と精子を受精させることで、冷凍魚の次世代を生きたかたちで生産することに成功した。卵と精子の冷結保存は、絶滅危惧種の遺伝子を保存する方法として知られているが、魚類の卵はサイズが大きく、脂肪分に富むため卵や胚の冷結保存は進んでいなかった。同研究グループは、今回の手法を用いることで、絶滅危惧種を冷凍しておけば、当該種が絶滅した場合でも、現存する近縁種に冷凍魚由来の精原細胞を移植することで生きた魚類個体を再生することが可能となるとしている。
2015年11月02日海洋堂は、岡本太郎記念現代芸術振興財団公認商品として「1/144スケール 太陽の塔 塗装済み完成モデル」の再販売を10月17日に開始した。希望小売価格は14,980円(税込)。1970年に大阪府吹田市で開催された日本万国博覧会のシンボルとして建造され、45年たった今もなお根強い人気を誇る、岡本太郎氏の代表作「太陽の塔」を1/144スケール(全高:約500mm)で立体化。「黄金の顔」「避雷針」「はしご」「背部接続パーツ」など、精密さが求められる部分はABSを使用したインジェクション成型にて再現されている。■金メッキをほどこした「黄金の顔」 - 左右の瞳には発光ギミックを採用塔の頂部に位置する未来をあらわす「黄金の顔」は、より実物に近い質感を表現するために金メッキを使用。顔パーツの裏側と本体との接合部を正確に再現した立体模型は少なく、資料としての側面も持ちあわせている。瞳にはLEDライトを使用し、スイッチで点灯することが可能。「黄金の顔」のパーツを前後に分け、磁石で固定することで、電池交換も容易に行うことができる。■過去を象徴する背面に描かれた「黒い太陽」黒色陶器(信楽焼)のタイルを貼り付けて描かれた「黒い太陽」。そのディテールは3つの顔の比較をより強く際立たせる。■コンクリート造りの質感が表現されたボディ部分本体および腕部分は、鉄筋コンクリートおよびショットクリートの質感、腕部分の付け根や背面上部の扉をも再現。胴体部分と、胴体正面の現在を表す「太陽の顔」部分の素材感の違いまでこだわったつくりになっている。なお、海洋堂では12月に1/350スケールの発売も予定。そのほか詳細は海洋堂の詳細ページをチェックしてほしい。※岡本太郎記念現代芸術振興財団公認商品(C)Taro Okamoto
2015年10月20日株式会社しいの食品神奈川県小田原市に本社を置く、株式会社しいの食品では、2015年10月15日(木)より、「温泉発酵ふぇいすますく」と「海洋温泉ふぇいすますく」を発売する。「温泉発酵ふぇいすますく」は”発酵”をテーマにした美容マスクで、「海洋温泉ふぇいすますく」は”海洋”をテーマにしたものだ。食品メーカーの技術株式会社しいの食品は、農水産加工品を製造・販売してきた会社だ。その強みを活かし、今回の美容マスクは食品メーカーとしての技術や温泉の効能などを大切にしている。「温泉発酵ふぇいすますく」「温泉発酵ふぇいすますく」は、同社の発酵食品「酒盗」の技術”発酵”をテーマに開発。5種類の発酵エキスに、温泉水(保湿成分)や8種類のアミノ酸、エラスチンなどを配合している。「海洋温泉ふぇいすますく」「海洋温泉ふぇいすますく」は、同社がおこなっている水産加工品の製造をもとに”海洋”をテーマに開発したもの。水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン、温泉水(保湿成分)、クラゲエキス、プロテオグリカンなどが配合されている。購入は、小田原名産店(小田原駅構内)、箱根町土産物店のほか、湯本富士屋ホテル、東名高速道路の足柄SAなどで可能だ。(画像はプレスリリースより)【参考】・酒盗の「しいの」が“発酵” “海洋”をテーマに美容マスクを企画!「温泉発酵ふぇいすますく」「海洋温泉ふぇいすますく」
2015年10月08日俳優の藤原竜也が10月7日(火)、都内で行われた主演作『探検隊の栄光』スピンオフドラマの上映会に出席。映画のテーマでもある未確認生物(UMA)に強い興味があるといい、日頃から愛読している月刊ムー5代目編集長・三上丈晴氏を質問攻めにしていた。藤原さん演じる落ち目のスター俳優が、バラエティテレビ番組の企画で、探検隊の隊長として秘境に暮らす未確認生物を探す姿をユーモアたっぷりに描いた本作。そのスピンオフドラマ「実録!ひかりTVスペシャル これが伝説の隊長、誕生の瞬間だ!ROAD TO 探検隊の栄光」では、マネージャー役の岡安章介(ななめ45°)が藤原さんを番組出演させようと奮闘する様子を追っている。この日、トークが始まるや「ネパールでイエティを探すのが夢なんです」とUMA愛を発揮する藤原さん。三上氏も食い気味に「イエティには中国寄りにいる猿人と、コーカサス地方にいるネアンデルタール人の2種類がいる」と解説し、同席する岡安さんは早くも置いてきぼり状態に…。藤原さんが「うちの兄貴が波状に変形する赤くて、デカい玉を見た」と明かせば、三上氏は「それは恐らくプラズマ生命体ですね」と即答。「じゃあ、UFOは?」(藤原さん)、「すでに自衛隊がUFOの存在を把握しています」(三上氏)、「カッパはどうですか?」(藤原さん)、「江戸時代のカッパは目が大きくて、子どものような姿。グレイと呼ばれる典型的な宇宙人そっくりなんです。つまり…」(三上氏)と予定時間を過ぎても、UMAトークが止まらなかった。さらに三上氏が選ぶ最新UMAとして、家畜の血を吸うチュパカブラ、人間型の巨大軟体動物、シーサーペントと呼ばれる大ウミヘビが紹介され、藤原さんは終始、興味津々だった。『探検隊の栄光』は10月16日(金)から公開される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:探検隊の栄光 2015年10月16年より全国にて公開(C) 2015「探検隊の栄光」製作委員会(C) 荒木源/小学館
2015年10月08日海洋堂は、世界有数のプラモデルコレクターとして知られる宮脇センムこと宮脇修一氏が「自身の好きなものをフィギュア化してコレクションしたいがため」に立ち上げられた新シリーズ「センムの部屋」の第一弾として、航空自衛隊の最新鋭機を模型化した『ATD-X 1/100モデル』を9月25日に発売する。価格は5,184円(税込)。宮脇氏は、日本を代表するホビーメーカー・海洋堂の社長として世界最大の造形の祭典「ワンダーフェスティバル」などを主催する一方、模型やおもちゃなどをこよなく愛し、4万点を超えるプラモデルを収集するコレクターとしても知られている宮脇センム。1980年代のガレージキット黎明期、海洋堂では造形師が「好き」かどうかによって製品化される商品が決められていたという。今回の企画では、そんな同社の原点に立ち返るべく、宮脇氏のお眼鏡にかなうキャラクターや、「これは世に出さなければならないだろう!」というアイテムを選出して販売する。そのシリーズ第一弾として発売されるのが、先進技術実証用の航空機「ATD-X」。国内外を問わず開発当初から注目され続けてきた航空機モデルの初飛行に先がけてのリリースとなる。防衛省技術研究本部の協力のもと、正確な機体形状・マーキングを実現したモデルで、ランディングギアをダイキャスト製にしてパーツの強度を保つなど、コレクションすることを想定した耐久性にも配慮されている。1/100スケールとなる本体サイズは170mm。テスターカラーと洋上迷彩の2バージョンを展開。さらに「センムの部屋」では、「なぜこれを作りたいと考えたのか、そのために海洋堂はどんなことをしてきたのか」をファンに伝えるため、こだわりのパッケージも紹介。そして、スペシャル対談のゲストとして、フジテレビ系ニュース番組のコメンテーターを務めた軍事評論家の岡部いさく氏を迎え、宮脇氏と行った対談を5,000字超えの大ボリュームで収録するほか、表紙の特撮や全体のデザインを『水中ニーソ』などで知られる古賀学氏が担当している。なお、同シリーズでは今後のラインナップも発表されており、11月には円谷プロが手がけた特撮TVドラマ『怪奇大作戦』に登場した『トータス号』。2016年1月には、宮崎駿監督によるTVアニメ『未来少年コナン』から『空中要塞ギガント&少女ラナ』。同じく2016年3月には『有人潜水調査船しんかい6500』と、宮脇氏の趣味全開の製品のリリースが控えている。(C)KAIYODO(C)円谷プロ(C)JAMSTEC(C)NIPPON ANIMATION CO.,LTD.
2015年09月24日Amazon.co.jpは、同サイトの「おもちゃ&ホビーストア」に、フィギュア造形作家「BOME」氏の特集ページを開設した。これにともない、同氏が所属する海洋堂がAmazonマーケットプレイスに出品し、『BOME EDITION 限定生産第1弾 新劇場版「新世紀エヴァンゲリオン-破-」式波・アスカ・ラングレー・テストタイプ プラグスーツ』を同ページ内にて販売する。販売開始は9月10日の正午。価格は86万4,000円(送料別)。Amazon.co.jpの同特集ページでは、30年にわたる造形作家としての活動によって「美少女フィギュア」というジャンルを確立させ、国際的に活躍するBOME(ボーメ)氏が原型制作を手掛けたフィギュア約30点が紹介されている。今回、Amazonマーケットプレイスにて海洋堂が販売する『BOME EDITION 限定生産第1弾 新劇場版「新世紀エヴァンゲリオン-破-」式波・アスカ・ラングレー・テストタイプ プラグスーツ』は、原型製作、パーツ整形、塗装までをBOME氏がひとりで行った、「レプリカではない本物」のBOME作品。作業工程の非効率さやBOME氏の人件費などから逆算した結果、「1体 86万4,000円」という価格設定になったということだ。なお、BOME氏は、模型業界では造形物の精巧さや造形センスで世界屈指の水準を誇る、「海洋堂」所属の造形作家。ガレージキットの創世記より造形スタッフとして活躍。80年代、矛盾の多いアニメ絵(2D)の美少女キャラを、元絵のイメージや魅力を損なわずに立体(3D)化するノウハウを構築し、美少女フィギュアというジャンルを確立させた。また「塗装」のテクニックを多数発明し、フィギュアを普及させた立役者としても知られる。1998年にニューヨ ークのアートギャラリー「フィーチャー・インク」にて個人フィギュア作品展を実現。2001年にはカルティエ現代美術財団(パリ)の企画展「un art populaire」にアーティストとして招聘されるなど、ホビー・フィギュア業界にとどまらずアートシーンにまで拡大している。
2015年09月04日免疫生物研究所は8月31日、遺伝子組換えカイコによるヒトラミニン511-E8フラグメントの生産に成功し、iPS細胞などの培養足場として有効なラミニン511-E8を安価に製造する方法を確立したと発表した。また、ラミニン511-E8の独占的販売権を有するニッピによる研究用試薬の販売へ向け、ニッピとの売買取引契約締結などの協議を開始したことを明らかにした。ラミニン511-E8は、大阪大学や京都大学によってiPS細胞やES細胞などの多能性幹細胞の培養足場材として有効であることが確認されている。同社は遺伝子組換えカイコによる各種有用タンパク質の生産技術を開発している。遺伝子組換えカイコの生産系は、特に、複数のサブユニットから構成される高分子量のタンパク質生産に適しており、ラミニン511-E8も効率よく生産できることがわかった。免疫生物研究所は「これにより、高性能の細胞培養足場材であるラミニン511-E8の普及が促進し、iPS細胞などを利用した再生医療研究が加速されることを期待している」としている。
2015年08月31日クラブツーリズムはこのほど、9月26日・27日に日帰りで実施する『「終活フェスタ2015in 東京」と海洋散骨を体験する日帰りバスツアー』の販売を開始した。同社では、自分らしい人生のエンディングを考えることで、終活に関する不安を解消するだけではなく、これからの人生を考えるきっかけになるように、「大人の終活(講座・ツアー)」を実施している。このほど発売した同ツアーは、2日間にわたって行われる日本最大級の終活イベント「終活フェスタ2015in 東京」に参加できる日帰りバスツアー。「終活フェスタ2015in 東京」は、今年で3年目を迎える終活イベントで、昨年は来場者が2日間で3,000名を超えるなど大盛況であったという。今年は規模を拡大し、大田区産業プラザPio(大田区南蒲田)の1,600平方メートルの展示場で行う。会場では好評のパネルディスカッションのほか、終活カウンセラーによる相談会を予定している。約40社の企業がブースを出展し、ひつぎの入館体験やiPadを使った自分史作りの講座、脳年齢測定など体験型イベントも用意する。イベントの後は東京湾に移動し、海洋散骨の模擬体験も行う。終活初心者には「エンディングノート」をプレゼント。バスの移動中は、終活カウンセラーによる終活入門セミナーを実施する。旅行代金は1人税込2,980円(昼食弁当付)。申し込みは、クラブツーリズム公式サイトで受け付けている。
2015年08月11日夏と言えば海水浴! 夏休みに子どもと一緒に海水浴に行く家庭も多いでしょう。海水浴に対する楽しみや期待は膨らむ一方ですが、安全に海水浴をするにはどうすればいいのかも考えておきたいところ。そこで、海水浴場での危険な場所や危険な生物などをまとめました。海水浴に行く前に再度確認しておきましょう。海辺の危険な生き物海水浴や磯遊びの際に気をつけておきたい生き物を、いくつかピックアップしてみました。※生き物名のリンクをクリックすると、Googleの画像検索結果ページが開きます。苦手な方はご注意ください。・ヒトデ星型のヒトデではなく、体全体にトゲのある「 オニヒトデ 」は、そのトゲに猛毒が含まれています。刺されると死に至るケースもあるので十分な注意が必要でしょう。沖縄などの温かい地域に旅行に行く際は気をつけて!・ガンガゼ磯に生息する「 ガンガゼ 」は、ウニの1種でトゲには毒があります。刺されるとトゲが折れて体内に残るのも特徴。ガンガゼは繁殖しやすく大量に発生する生き物なので、見つけたらすぐに遠い場所に離れましょう。・クラゲ全国的にみられるのが「 アカクラゲ 」です。強い毒を持っているクラゲで、刺されるとしびれや腫れなどが見られます。アカクラゲは死骸にも毒が残っている可能性があるので、浜辺に流されているのを見つけても、触らないようにしてください。また、「 カツオノエボシ 」という青いクラゲは、刺されると体中に電気が走るような感覚になります。通称デンキクラゲと言われているほど危険な生物です。・カニ子どもが好きなカニにも、毒をもったものがいます。「 ウモレオウギガニ 」は毒ガニの中の毒ガニ! サンゴ礁や岩礁の浅い海に生息しているので、海辺で遊ぶ際には気を付けておきましょう。毒を持つ生物に刺された時は、早く患部を温めることが大切。熱めのお湯に浸けることで痛みを緩和することができます。また、ウニなどのトゲが刺さっている場合は、真上方向に抜き、トゲが折れないように対処しましょう。ただし、これらはあくまでも応急処置です。すみやかに医療機関を受診して、専門家に処置してもらうことが大切です。海辺の危険な場所は?海水浴で気をつけたいのは生き物だけではありません。泳ぐ場所、遊ぶ場所への配慮も必要です。たとえば、人混みを避けようとして遊泳禁止のエリアに足を踏み込まないこと、岩場などの足場の悪い場所に立ち入らないことなどです。岩場には貝が張り付いていることも多々あり、貝で足を切ってしまうことも珍しくありません。また、バランスを崩して転倒や落下をする恐れもあるので、子どもと海水浴に行く時は、なるべく岩場に近づかないほうがよいでしょう。できれば事前に下見をするのがベストですが、難しい場合はネットなどで遊泳できる場所や周辺の環境について調べておきましょう。危険な生物、危険な場所には近づかないようにして、楽しい海水浴にしてください。(ライター:RUREI)
2015年08月09日海洋研究開発機構(JAMSTEC)は7月24日、地球深部探査船「ちきゅう」を用いて青森県八戸市沖の約80kmの地点(水深1180m)から採取した海底下2466mまでの堆積物コアサンプルを分析した結果、海底下に埋没した約2000万年以上前の地層に、陸性の微生物生態系に類似する固有の微生物群集が存在することを発見したと発表した。同成果は、JAMSTEC高知コア研究所地球深部生命研究グループ・海底資源研究開発センター地球生命工学研究グループ(兼任)の稲垣史生 上席研究員のほか、産業技術総合研究所、高知大学、千葉大学、独ブレーメン大学、スイス連邦工科大学、米カリフォルニア工科大学、米マサチューセッツ工科大学、米クレイグベンター研究所などの研究者が参加する国際研究グループによるもの。詳細は米国科学誌「Science」オンライン版に掲載された。近年の研究から、世界各地の大陸沿岸の海底堆積物環境には、1cm3あたり1万細胞以上の微生物が生息していると考えられるようになってきたが、どのくらいの深さまで生命圏が広がっているのか、どこから来たのか、炭素循環などの地球環境にどのような役割を果たしているのか、などについてはまだよくわかっていなかった。今回の掘削調査では、海底下2466mまでの堆積物コアサンプルや地層流体・ガスサンプルの採取を実施。それらサンプルから現場固有の生命シグナルを抽出し、海底下深部の生命圏の限界と微生物生態系の実態解明を行ったという。サンプルを調べたところ、海底下約1.5~2.5kmの深度範囲に過去2000万年以上前に浅海~湖沼環境で形成されたと推察される17の石炭層が確認され、同地がその時代、植物の生い茂る「森」や「湿地」であったことが示されたほか、温度センサによる探査により最深部2466m地点の温度は約60℃と、生命(微生物)が生息可能な温度の範囲内であることが示されたことから、堆積物中に含まれる微生物細胞の数を計測した結果、1cm3あたり100細胞以下ながら、微生物細胞が存在していることが確認されたという。また、微生物にとっての栄養源となる海底下1900~2000mと2400m付近の石炭層には、1 cm3あたり1万細胞程度にまで微生物細胞数が増加していることも確認したとする。さらにガスの分析から、2000万年以上前に形成された海底下約2500mまでの地層においても、現場の微生物の代謝活動による天然ガス生産が進行しており、その末端反応を担う微生物は、水素をエネルギー源とした二酸化炭素還元型のメタン生成菌であることも示唆されたほか、それらの堆積物コアサンプルから、メタン生成菌の生細胞の存在も検出されたという。加えて、研究グループでは、海底下約2kmの石炭層に生息する微生物群集の培養を現場温度に近い約40℃の嫌気条件で試みた結果、メタノバクテリウム属に近縁なメタン生成菌を含む海底下微生物群集の培養に成功。これらを調べた結果、石炭層の熟成プロセスや天然ガスの形成プロセスに関与する微生物生態系が存在する証拠が示されたとする。なお、研究グループでは、こうした海底下1.2~2.5km程度の深部地層のバクテリアは、海底下365mまでの海洋性堆積物から得られる一般的なバクテリアはほとんど検出されず、陸域の森林土壌などに広く分布する固有のバクテリアが多く検出されたとしており、過去2000万年以上前に、「森」や「湿原」であった大陸縁辺の環境が、日本列島の形成に伴い、地質学的な時間を経て海底下深部に埋没してもなお、当時の森林土壌に由来する陸源性の微生物生態系の一部を保持し、依然として有機物を分解してメタンを作り出す「海底下の森」としての役割を果たしていることが示唆されたとし、これらの微生物がバイオマーカーとして、今後、研究を進展するにあたって、海底下生命圏における環境適応や進化プロセス、長期生存戦略といった多くの科学的疑問の解明につながることが期待されるとコメントしている。
2015年07月24日アディダスが、海洋環境保護に取り組むパーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(Parley for the Oceans)とのパートナーシップを記念したコンセプトシューズを発表した。6月29日、国連本部では専門家や科学者、起業家やクリエイターを集めて海洋をとりまく現状などについて語り合うイベントが行われた。その中でアディダスは、パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズとのコラボレーションをきっかけに誕生したユニークな試作品を披露。海洋廃棄物や違法に設置された深海の刺し網より回収・再利用した糸と繊維のみで100%作られた世界初のシューズ・アッパーを発表した。使用された刺し網は、パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズのパートナー組織でもある海洋生物保護のための環境保護団体シー・シェパードが、非合法の密漁船を110日間にもわたって追跡し続けた結果、ようやく西アフリカ沖合で回収するに至ったものだ。今回発表されたコンセプトシューズは、今年下半期の発表が予定されている海洋プラスチック廃棄物を再利用した一般消費者向け製品に先がけて、アディダスとパーレイ・フォー・ジ・オーシャンズが目指す方向性を示すものとなっている。パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズの創設者であるシリル・グッチ氏は「アディダスが私たちの掲げるミッションへの参加を表明し、その創造力をもって私たちのパートナーシップを支援してくれていること、海洋プラスチック廃棄物もクールなものへと変化させられると示していることを、私たちはこの上なく誇らしく思っています」とコメントしている。
2015年07月09日パイ インターナショナルは7月13日、海洋写真家・古見きゅう氏の写真集『THE SEVEN SEAS』(1,900円・税別)を発売した。古見氏は、独特な視点から海の美しさやユニークな生き物の姿を追い続け、『ナショナルジオグラフィック』誌などの雑誌や新聞で作品を発表しているという。その姿は、テレビ番組『情熱大陸』(TBS系)にも取り上げられた。同書では、インド洋や南太平洋、日本海、南極海など、同氏が旅した世界の9つの海洋を地域別に紹介する。同氏の集大成とも言える写真集となっており、サンゴ礁やアザラシなどの海洋生物、クジラやサメなどの姿も収録しているとのこと。また、8月1日には、「湘南 蔦屋書店」(神奈川県藤沢市)にて同書の発売記念トークとサイン会を行う。水中写真家の鍵井靖章氏を特別ゲストに迎え、互いの作品を鑑賞しながら対談するとのこと。開催時間は18:00~20:00。申し込み方法など、詳細は湘南T-SITEの公式サイトにて。
2015年07月03日AmazingLifeは18日、安価で散骨を委託できるサービス「シンプル葬の海洋散骨」の提供を開始した。料金は4万9,000円(税別)、追加料金は不要。同サービスは、遺骨の送料から粉骨、散骨の供養まで、全て含まれているパッケージプラン。インターネット、スマートフォンまたは電話で、沖縄、湘南(神奈川)、博多湾(福岡)の3海域から希望の海域を選択し、依頼後ゆうパック着払いで遺骨を送ると、後はスタッフが遺族に代わって散骨する。なお、散骨日時は不定期となる。自身の手で直接散骨を希望する遺族向けに「シンプル葬の合同海洋散骨」を用意する。料金は14万9,000円(税抜)。また、ペット散骨も人間同様の価格・サービス内容で受け付ける。近年、少子高齢化に伴い、墓の維持・管理が困難になっているとともに、宗教離れや価値観の変化などより、従来型の墓に入るという選択を取らない人が増加している。また、遺族が高齢者である場合、海洋散骨の要望を持っていても、実際に自身が乗船し、沖合まで行って散骨をするという事が難しい人も多く、委託型の海洋散骨サービスのニーズは高まっているという。このような時代の変化や、同社の火葬式・直葬サービス「シンプル火葬」や家族葬サービス「シンプル葬」の利用者からの要望に対応するために、今回、海洋散骨サービスの提供を開始することを決定したとしている。
2015年06月18日基礎生物学研究所は6月12日、メダカを用いた研究で生殖細胞が「精子になるか卵になるか」を決定する遺伝子を同定したと発表した。同成果は基礎生物学研究所の西村俊哉研究員(元総合研究大学院大学)と田中実 准教授らと、九州大学の佐藤哲也 助教、大川恭行 准教授、須山幹太 教授、岡崎統合バイオサイエンスセンターの小林悟 教授(現筑波大学 教授)との共同研究によるもので、米科学誌「Science」に掲載された。精子と卵子は生殖細胞という共通の細胞から作られることが知られている。生殖細胞は体細胞の性が決定した後、その影響を受けて「精子になるか卵になるか」が決定すると考えられているが、その際に細胞内でどのような遺伝子が働いているかはわかっていなかった。同研究グループは、生殖細胞でオスとメスに違いのある遺伝子を探索し、foxl3という遺伝子が、卵が作られる過程のメスの生殖細胞で働いているのに対し、オスではその働きが抑制されていることを発見した。また、foxl3の機能が欠損したメダカのメスは通常のメスと同様に卵巣を作るものの、卵巣の中で受精可能な精子が作られていた。これらの結果から、foxl3はメスの生殖細胞で働き、「精子形成を抑制」する機能を持つことがわかった。foxl3による「精子形成の抑制」を解除すると生殖細胞を取り巻く環境がメスでも精子が形成されるという今回の研究は、体細胞とは独立した性を決めるスイッチが生殖細胞に存在することを示すものとなった。今後は、オスの生殖細胞でfoxl3の発現が抑制されるメカニズム、およびメスの生殖細胞でfoxl3が具体的にどのように精子形成を抑制しているのかについて研究を進めていくという。
2015年06月12日農業生物資源研究所(生物研)は6月9日、絆創膏型の人工皮膚を開発したと発表した。同成果は佐賀大学、祐徳薬品工業、関東化学との共同研究によるもので、6月4日付け(現地時間)の米科学誌「Wound Repair and Regeneration」に掲載された。熱傷など広範囲に皮膚の傷害を受けた場合、生体を外界と隔てるバリアが失われ、高度脱水や感染症により命を落とす危険性がある。現在、そうした皮膚の傷害に対しては非外傷部の皮膚を用いた植皮技術や培養皮膚移植が行われるが、実施できる施設が限られていることや、治療開始まで長い時間が必要となるなどの課題がある。また、皮膚が再生しても、その部分が隆起し痕をつくることも問題となっている。今回開発した人工皮膚は、プラスチックパーツと生体適合性に優れた高密度コラーゲン繊維「アテロコラーゲンビトリゲル膜」で構成されており、同製品を貼り付けることで、創部の上皮化を促進し、治癒後に痕となることも抑制する効果が得られることが実験で確認された。また、粘着テープによって、貼り付けが簡単になったほか、長期保存が可能となった。研究グループは同製品について「私達が開発した絆創膏型の人工皮膚は、広範囲の皮膚に傷害を受けた患者さんへの救急医療において革新的な医療機器となると考えます」とコメントしている。
2015年06月09日沖縄県の海洋博公園は6月27日、美ら海自然教室「ウミガメの秘密を探る」を開催する。○ウミガメの形態や生態、取り巻く環境を紹介同イベントでは、ウミガメについて形態や生態を紹介しながら、沖縄県内での産卵情報やウミガメを取り巻く環境の現状について、講師の鈴木瑞穂氏(一般財団法人 沖縄美ら島財団)がわかりやすく解説。現在、参加者を募集中。開催日時は、6月27日 10時~10時30分。場所は、総合休憩所(美ら海プラザ)。定員は40名。料金は無料。
2015年06月02日藤原竜也、ユースケ・サンタマリア、小澤征悦らを迎え、伝説の未確認生物を求める“最高にくだらない”探検隊の姿を描く『探検隊の栄光』が今秋、公開されることが決定。藤原さんを始めとするキャスト陣からコメントが到着した。『カイジ』シリーズ、『藁の盾』『るろうに剣心』シリーズなどへの出演者はもちろん、多数の舞台で活躍している藤原さんが本作で扮するのは、落ち目の俳優・杉崎。俳優人生を賭けて新境地に挑むべく、伝説の未確認生物(UMA)「三首の巨獣・ヤーガ」を求め、秘境の地を探検するテレビ番組の隊長に挑むのだが、番組スタッフの足並みは見事なまでにバラバラ。同行するのは、番組がオモシロければ何でもありのプロデューサー(ユースケ・サンタマリア)、大雑把に進めていくディレクター(小澤征悦)、職人気質のカメラマン(田中要次)、UMAオタクの音声・照明(川村陽介)、バラエティ番組をバカにするAD(佐野ひなこ)、テキトーな現地通訳(岡安章介/ななめ45°)といった面々。彼らの行き当たりばったりの撮影に振り回される杉崎だが、いつしか隊長の自覚も芽生え、“真剣”に番組作りに取り組んでいくーー。原作は、ベストセラー「ちょんまげぷりん」の著者・荒木源による同名タイトル「探検隊の栄光」(小学館刊)。監督を務めるのは、麻生久美子&大泉洋W主演の『グッモーエビアン!』を手掛け、2016年に風間俊介&松岡茉優出演の『猫なんかよんでもこない。』の公開を控えた山本透だ。山本監督が「撮影現場に放り出されたキャストの皆さんが、いかに過酷な環境だろうが芝居をしなければ帰れないと、半ばあきらめ?腹をくくり、ヤケクソになりながらはじけた芝居をしまくってくれました」と語るとおり、危険な崖や地中に広がる巨大風穴など、全国の秘境スポットで行われた撮影の過酷さは、かなりのものだった様子。特に主演の藤原さんは、そのハードさに記憶が飛ぶくらい過酷な撮影だったそうで、「“隊長”はほぼ全てのシーンに出ていたので、途中、ユースケさんに代わってほしい…などと思っていましたが、そのユースケさん自体がクランクアップの2日前くらいまでは降板してしまいそうなほど、本当に過酷で楽しい現場でした!」と、達成感たっぷりにコメント。対するユースケさんは、ただ一言「本当に降板しなくて良かった!」と語り、さらに、小澤さんも「藤原“隊長”の燃えたぎる情熱で、過酷な現場の辛さも悩みごともすべて吹っ飛びました!!」とコメントするなど、監督・キャストともに、とにかく“過酷”という表現が目白押しとなった。もちろん、山本監督が「最高のチームワークでした。最高にくだらなくて、最高に楽しい探検隊が誕生しました」と自信をのぞかせ、「一刻も早く完成させて、皆さんにお届けしたい!」と意気込みを見せる本作。撮影の過酷さとは裏腹に、誰もが楽しめる作品となることは間違いないだろう。『探検隊の栄光』は2015年秋全国公開予定。(椎名あい)
2015年05月06日シャープは4月24日、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」への搭載に向けて、空気中を浮遊する細菌などの微生物の量を自動計測できる微生物センサー「BC-300C」3台を宇宙航空研究開発機構(JAXA)に納入したと発表した。「BC-300C」は計測エリアの空気を吸引した後、独自手法を加えた蛍光検出法により、微生物の量を約10分で自動計測することができる。連続計測も可能なため、微生物量の経時変化を監視することも可能だ。シャープは今回、同センサーを微小重力に対応させたものを納入した。密閉空間である「きぼう」内の適切な環境維持のためのモニタリング装置として利用される予定だ。
2015年04月24日