東京から電車に乗って約1時間。電車の窓から海が見えると、子供に戻ったようにワクワクした気持ちになります。都会の喧騒から離れ、サンダルに履き替えたら準備は万端!海と青空があなたの1日をハッピーにしてくれることでしょう。FASHION HEADLINEでは、そんな日帰り旅を叶えてくれる街“湘南エリア”に注目しました。今回、湘南の街をナビゲートしてくれるのは、モデルのパトリシオさんと息子のハル君。オススメのカフェやレストラン、海遊びまで紹介していきます。■ランチはオシャレで美味しい、家具屋のカレー屋さんランチに選んだのは、辻堂駅南口より徒歩5分の静かな住宅街。家具屋さんが営むカレー屋さん「カレーと家具。sii house」へ。地図を見ながら辿り着いた可愛らしい看板の先に、ひっそりとお店はありました。家具作りに使用する工具がオブジェとして置かれた細道を抜け、ワクワクする気持ちを胸に店内に入ると、木のぬくもりと庭の緑が目に飛び込みます。田舎に帰ったような懐かしい感覚と、新しさが混在したようなレトロとモダンが共存したおしゃれな店内。「築60年の民家を夫婦でリノベーションをしました」と話すのは、家具職人兼シェフの荒木さん。緑いっぱいの庭を眺めることができる縁側に沿った長いテーブル席は特に印象的です。自身で製作したテーブルや椅子、ヴィンテージ家具など、こだわりの家具に囲まれた店内では、結婚式を挙げる方もいるほど。一度訪れたら、秘密にしておきたくなるような空間です。■暑い夏に食べたいカレーライス!お子様カレーも本格派さっそく注文をしたのがオープン当初からの看板メニュー「鶏と豆腐と青葱のキーマカレー」(900円)。鶏ひき肉と豆腐がカレースパイスと合わさり、ふわふわの食感を演出。また、添えられた水菜のザクザクとした舌触り、そして青葱と刻み生姜がスパイスとなり、食感と味わいを最後までを楽しむことができます。そして、ハル君にはキッズメニューの「欧風カレー」(Sサイズ/650円、Mサイズ/800円)を。じっくりと煮込んだ野菜の甘みたっぷりの欧風カレーはお子様用に辛さを抑えて提供してくれます。とろとろのルーに、色とりどりの野菜は見た目にも美しい。キッズ用とは思えない本格カレーです。■家具のオーダーもできるカレー屋さん店内では、荒木さんが製作した食器棚やテーブルなども展示販売されています。家具のオーダーや、自宅のリノベーションも受けているそう。また、提供される食器、そして店内に装飾されたオブジェや雑貨に関しても、荒木さんご夫婦のセンスを隅々感じることができます。美味しいカレーでお腹を満たしたあとは、食後のデザートを堪能しながら家族や友達、ひとりの時間をゆっくり満喫してみてはいかがでしょうか?店内の木々と庭の緑が心まで癒してくれます。【店舗情報】カレーと家具。sii house住所:神奈川県茅ヶ崎市浜竹3-2-25電話番号:0467-67-7003営業時間:11:30-15:00定休日:月・火曜日URL:www.siihouse.com【Special Thanks】Photographer : Hideyuki Seta /Hair&Make : Tomoko Okada(TRON)【衣装協力】パトリシオさん:シャツ 1万9,000円 / ドクター フランケン(Dr. Franken)、T-シャツ 9,000円 / ジョン メイソン スミス(JOHN MASON SMITH)、パンツ 1万4,800円 / バーンストーマー(BARNSTORMER)/ その他モデル私物 、ハル君:T-シャツ 6,000円、デニムパンツ1万9,000円 / ともにルーがポケット(LUGHA POCKET)/ キャップ 4,800円 / ヴォート メイク ニュー クローズ(VOTE MAKE NEW CLOTHES)/ その他モデル私物--湘南日帰り旅-->>海風を満喫しながらローカル気分! “海の食堂”で朝ごはん>>この夏からはじめたい、ハワイ発祥のアクティビティー“SUP”に挑戦!
2016年08月19日東京から電車に乗って約1時間。電車の窓から海が見えると、子どもに戻ったようにワクワクした気持ちになります。都会の喧騒から離れ、サンダルに履き替えたら準備は万端!海と青空があなたの1日をハッピーにしてくれることでしょう。FASHION HEADLINEでは、そんな日帰り旅を叶えてくれる街“湘南エリア”に注目しました。今回、湘南の街をナビゲートしてくれるのは、モデルのパトリシオさんと息子のハル君。オススメのカフェやレストラン、海遊びまで紹介していきます。今日は、お父さんを独り占め!さあ、ハル君とお父さんの冒険が始まります。■楽しみすぎて早起きしちゃった、まずは朝食からスタート!片瀬江ノ島駅から、歩いて10分ほどの、境川沿いにある「ディエゴ バイ ザ リバー(DIEGO BY THE RIVER)」へ。ここは、“地元の人に愛される海の食堂”をコンセプトに、ゆったりとした時間が流れるレストラン。土日のみ朝食が提供されます。以前民宿だった建物をリノベーションしたという店内は、ピンクの壁が印象的な海外のファストフード店のような空間と、奥にはヴィンテージ家具が置かれたレトロな空間、そして開放的なテラス席と、雰囲気の違うレイアウトになっていて、毎回別の席に座りたくなるような内装。店舗プロデュースは、カフェブームの仕掛け人とも言われる山本宇一氏、そして昨年惜しまれつつこの世を去った建築デザイナーの形見一郎氏の最強コンビによってデザインされたそう。早朝からのサーフィン帰りの女性達や、朝食デートを楽しむカップルが、休日の朝時間をゆっくりと過ごしています。■お父さんと“シェア”して食べる朝ごはんさて、二人が注文したのは、お店でも人気のメニュー、自家製ミートローフとサラダ、エッグ、ハッシュドポテトとベーグルの 「モーニングプレート」(850円)と、ベリーと生クリームがトッピングされた「モーニングパンケーキ」(700円)。モーニングプレートは、ミートローフをベーグルにサンドして食べるのがオススメ。お腹をすかせてやってきた二人の朝食には、丁度良いボリューム感です。「モーニングパンケーキ」は、ふわふわのパンケーキ生地にたっぷりと添えられた生クリームとヨーグルトの酸味がアクセントとなって、さっぱりとした口当たりでした。1日の始まりを素敵にしてくれる店内と、おいしい朝食。ランチやディナーとしての利用もオススメです。夕方には江ノ島をバックにしたサンセットが見渡せるそう。デートや友人同士でも、ゆったりした時間を堪能してみてはいかがでしょうか?【店舗情報】ディエゴ バイ ザ リバー住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸1-13-8電話番号:0466-63-7711営業時間:11:00-22:30(月~金曜日)/8:00-22:30(土・日・祝日)定休日:火曜日(祝祭日、イベントの場合は翌日)URL:www.bytheriver.jp【Special Thanks】Photo : Hideyuki Seta / Hair&Make : Tomoko Okada(TRON) 【衣装協力】パトリシオさん:トップス 1万1,000円、インナー 1万3,000円 / ともにヴォート メイク ニュー クローズ(VOTE MAKE NEW CLOTHES)、デニムパンツ 3万1,500円 / ハバノス(HBNS)/ その他モデル私物 <HEMT PR 03-6427-1030> 、ハル君:T-シャツ 6,000円、デニムパンツ1万9,000円 / ともにルーがポケット(LUGHA POCKET)/ その他モデル私物 --湘南日帰り旅-->>秘密にしておきたい!湘南の家具屋のカレー屋さん>>この夏からはじめたい、ハワイ発祥のアクティビティー“SUP”に挑戦!
2016年08月18日2016年8月8日(月)、鎌倉に甘味処「こまち茶屋」がオープンしました。こまち茶屋の特長は「湘南きな粉」を使った和スイーツです。1つひとつの素材にこだわった、絶品和スイーツを食べに行ってみませんか。ここでは、こまち茶屋の魅力を詳しくご紹介します。湘南きな粉とは?湘南きな粉の原料は、神奈川県津久井地域で栽培されてきた在来大豆。糖度が高い品種で、きな粉にすると砂糖がいらないほどの甘みが特徴です。古くから郷土食として愛されてきましたが、栽培農家の減少によって「幻の大豆」と呼ばれています。こまち茶屋で甘く、こうばしい香りの湘南きな粉を味わってみませんか。●湘南きな粉を堪能できるメニューについてこまち茶屋には、湘南きな粉が活かされたメニューが豊富に揃えられています。・特製 本わらび餅(抹茶入り煎茶付):1,200円+税注文が入ってから作られます。できたての本わらび餅を、たっぷりの湘南きな粉と黒蜜でいただきましょう。本わらび粉100%、和三盆糖を使用したこまち茶屋イチオシメニューです。・黒蜜きな粉ソフトクリーム:530円+税ソフトクリームは北海道日高牧場の濃厚ミルクをベースに、湘南きな粉も混ぜ込んで香ばしさもプラスされています。クリーミーなソフトクリームに黒蜜が絡む絶品です。・きな粉豆乳ラテ(Hot/ Ice):630円+税豆乳と湘南きな粉を使った、ホッと落ち着く味のラテです。ホットとアイスのどちらもおすすめ。こまちどら焼き:680円+税(※提供は秋から)たっぷりの湘南きな粉を練り込んだ生地は、もっちりふかふかです。トッピングの白玉と小豆餡が、生地と絶妙なハーモニーを奏でます。提供がはじまる秋が待ち遠しいですね。●ほかのメニューも充実湘南きな粉をメインにしたメニュー以外も、おいしいものばかりです。次にかき氷やドリンクメニューをチェックしていきましょう。・自家製ソースのかき氷:900円+税~信州名水氷を削り、フレッシュな自家製ソースと濃厚な練乳がたっぷりです。生メロン練乳かき氷や期間限定のマンゴー練乳かき氷、スカイベリー練乳かき氷は、果物の自然な甘みを味わえます。黒蜜きな粉練乳かき氷と、黒蜜きな粉金時ソフトかき氷には湘南きな粉が使われています。沖縄産の黒蜜はコクがあり、かき氷との相性抜群です。ドリンクメニュー・アイス抹茶ミルク:550円+税・アップルジュース100%:450円+税・オレンジジュース100%:450円+税・コーヒー(Hot/ Ice):500円+税・カフェオレ(Hot/ Ice):550円+税・湘南ゴールドサイダー:500円+税・鎌倉ビール(ペールエール):650円+税鎌倉散策の合間に和スイーツでホッとひと息しませんか。鎌倉駅から徒歩約1分、鎌倉屋こまち茶屋はアクセスの良さも魅力です。店舗詳細名称:鎌倉屋 こまち茶屋住所:鎌倉市小町1-6-15 i-ZA鎌倉2階営業時間:平日 10:00~17:30、土日祝 10:00~18:00(LOは終了30分前)定休日:無休アクセス:JR横須賀線「鎌倉駅」から徒歩約1分公式サイト:
2016年08月13日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月1日、先月26日から通信が途絶えているX線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について報告した。現在までに通信は復旧しておらず、依然として衛星の詳しい状態は不明であるものの、前回の記者会見から新たに分かったこともあり、より詳しい状況が明らかになってきた。ひとみに何が起きたのか。この難問への正解は残念ながらまだ無い。衛星と通信できない以上、現時点で原因を特定することは難しいが、有力な手がかりとなりそうなのが地上からの観測情報だ。米JSpOC(国防総省戦略軍統合宇宙運用センター)の発表によれば、ひとみの周辺に5つの物体が観測できたという。これは、ひとみに破片が出るような物理的な破壊があったことを意味する。ただし一方で、その後にひとみからの電波を受信していることもあり、致命的な破壊では無かったと見るのが妥当だ。JSpOCの発表のあと、日本でも独自に観測を試み、ひとみの軌道上に2つの物体を確認した。仮に物体AとBとすると、光学望遠鏡による観測で、物体Aは3~7等級と明るく、物体Bは5~9等級と暗い。またレーダー観測では、物体Aは常時観測でき、物体Bは2回しか観測できなかった。このことから、物体Aの方が大きく、これが衛星本体だと推測される。分離した破片と見られる物体Bが2回しか観測できていないのは、観測限界に近いためと考えられる。レーダーの識別能力は、高度600kmで直径1m程度とのことなので、物体Bの大きさもその程度である可能性が高い。JSpOCのレーダーは、10cm程度まで識別できると言われており、残りの4個については、物体Bよりも小さいということだろう。軌道上の物体の軌道を遡れば、破片がいつ分離したのか推測できる。JSpOCの推測では3月26日の10時42分±11分、日本の推測では同日10時37分頃となっており、両者はほぼ一致。この時間に分離があったと考えてほぼ間違いない。また望遠鏡による光学観測で明るさが不規則に変化していたことから、衛星が回転している可能性が指摘されている。JAXAはこれについて、断定は避けているものの、その可能性は当然認識している。回転により十分な発電ができず、衛星の電源がオンになったりオフになったりしていて通信ができない、というのは十分考えられるシナリオだ。この場合、取れる対策はあまりなく、回転が落ち着くのを待つしか無い。当初は複雑な回転運動をしていても、時間が経過すれば、最大慣性主軸まわりの回転に必ず収束する。ひとみの場合、これは太陽電池パドルに垂直な軸(Y軸)になる。このY軸まわりの回転になれば、太陽電池がどこか1方向を向くようになるというわけだ。回転軸がどちらを向くかは分からない。収束したとき、もしかしたら太陽の反対側を向いているかもしれないが、公転に伴い、いずれは太陽電池に光が当たるようになる。安定して発電できる状態になり、コマンドを送ってテレメトリを得ることができれば、衛星の状態が分かる。そこで原因を推定し、対策を立て、それを実行する。ただし、これはかなり楽観的なシナリオだ。悪い方のシナリオだと、ダメージが大きく、科学観測が不可能になっている場合もあり得る。いずれにしても、すぐに復旧できるような状態とは考えにくく、数カ月単位の長期戦を覚悟する必要がありそうだ。なお、通信異常や姿勢異常の原因を推測するために、JAXAでは現在、FTA(故障の木解析)を進めているという。ただ、現在のテレメトリを取得できないため、解析は難航が予想される。考えられそうな要因としては、「軟X線分光検出器」(SXS)のヘリウムタンク、バッテリ、燃料タンクなどがあるが、通信途絶前に取得したデータからは、特に異常は見られなかったそうだ。記者会見では、デブリが衝突した可能性についての質問もあったが、現時点で、原因をデブリとする証拠は見つかっていない。軌道上にある10cm以上の大きさのデブリは軌道が特定されており、それが接近するという情報は無かった。観測できない10cm以下のデブリだった可能性は残るものの、衛星はある程度の防御もされている。JAXAは衛星内部に原因があったとする立場で原因究明を進める方針。
2016年04月01日三菱電機は3月16日、伝送速度100Gbpsの高速光通信ファイバー通信で使用される送信モジュールの新製品「100Gbps 小型集積EML TOSA」のサンプル提供を7月1日に開始すると発表した。同製品は長距離伝送に適した高消光比・低消費電力の新開発EML素子を搭載し、伝送距離40kmを実現。また、波長の異なる4つの光信号を多重化する送信モジュール内の各構成部品の最適化により、パッケージ体積を従来の約3分の2に縮小したほか、100Gbps用の小型光トランシーバー規格の1つであるCFP 4に適合した。なお、同製品は3月20日~24日に米国アナハイムで開催される「Optical Fiber Communication Conference and Exposition 2016」に出展される。
2016年03月16日ロームグループのラピスセミコンダクタ(ラピス)は3月1日、サブギガ帯域無線通信LSI「ML7345C」を発表した。ML7345Cは、ラピスの無線通信LSIを中国の無線規格で最高特性が出るよう周波数帯域と送信パワー、受信感度をカスタマイズしたもので、スマートメーターやホーム/ビル・セキュリティ、火災報知機・ガス警報器、クラウド農業など、長距離無線通信と低消費電力が必要とされるアプリケーションに適しているとする。中国国内で利用可能な周波数帯域433~510MHzと送信パワー100mW高出力に対応していほか、高周波増幅器を改良したことで、送信パワー変動が動作保証全温度範囲内で±1dB以下と、一般品比で3倍以上の高安定性を実現。これにより、無線ネットワークの簡素化、低コスト化、高信頼化に貢献する。さらに、短時間で受信起動を行う高速電波チェック機能とスリープ電流の大幅削減により、通信時間の大半を占める待ち受け動作において、同社従来品比で48%の平均電流を削減している。同製品は2015年12月より量産出荷を開始しており、今後、在中国パートナーとの協業によって同製品を搭載した無線モジュールの提供も予定している。
2016年03月01日VAIOは9日、NTTコミュニケーションズと協業し、PCのデータ通信に最適化したという通信プランを発表した。同日オープンする直販サイト「VAIOストア」での限定販売で、1年プラン、2年プラン、3年プランの3種類を用意し、LTE対応のデータ通信専用microSIMと合わせて提供する。価格は税別13,800円からのプリペイド式。同社が提供するプランは、1年プラン、2年プラン、3年プランの3種類。いずれも通信速度200kbpsで使い放題の「常時接続モード」、最大150Mbpsの通信が容量限定で行える「高速通信モード」を用意。これは、PCの利用法として、メールやメッセンジャーなどの手軽な通信は常時接続しておき、大量必要な時のみ高速通信する需要があると考えた結果という。各プランは、高速モードで使える容量が異なる。1年間利用できる「手間なし1年間プラン」では、200kbpsの常時接続モードに加え、最大150Mbpsの高速通信モードが32GB分利用でき、価格は税別13,800円。2年間利用できる「手間なし2年間プラン」では、常時接続モードに加え、高速通信モードが64GB分利用でき、価格は税別22,800円。3年間利用できる「手間なし3年間プラン」では、常時接続モードに加え、高速通信モードが128GB分利用でき、価格は税別32,800円。高速通信モードと常時接続モードを切り替えたり、残量確認が行えるPC向けの専用ユーティリティも用意する。料金はプリペイド式で、月額利用料などはない。「VAIOストア」では、通信プラン+SIMカードの単体販売のほか、同日発表した11.6型ノートPC「VAIO S11」との同時購入時も可能。VAIO S11同時購入時は、2,000円割り引かれた特別価格となり、1年プランが税別11,800円、2年プランが税別20,800円、3年プランが税別29,800円。
2015年12月09日日本通信は4日、「日本通信、ドコモ訴訟判決を受けて -訴訟継続を無意味にした総務省新方針-」と題する声明文を発表した。少々背景を知らないとわかりにくい面もあるため、かみ砕いて読み解いてみよう。○ドコモとの訴訟の結果を受けて日本通信は1996年からMVNO事業を行っている老舗で、現在は主にNTTドコモとの間でレイヤー2接続でのMVNO事業を行っているのは周知のとおりだ。しかし、ドコモ側から一方的な接続料の値上げを断行されたため、接続料算定式の合意の有無を巡って、2012年4月に東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起していた。この訴訟の判決がようやく先日(11月27日)出されたのだが、接続料算定式の合意があったことは認められたものの、この合意はドコモ側の接続約款における規定により変更可能という判決だった。日本通信ではこれを受けて、控訴するかどうかの対応を協議していたが、その結果が今回の声明文ということになる。○MVNOを巡る環境の変化に期待結論から言えば、控訴はされない。今でこそMVNO事業者は非常に多くなっているが、日本通信が事業を始めたころはMVNOという言葉すらほとんど知られておらず、MVNO事業そのものも、総務省が推進する携帯電話事業のオープン化という方針を受けて、ガイドライン、すなわち電気通信事業法の解釈というかたちで運用されてきた事実がある。これだけ普及してきてはいるが、案外頼りない基盤の上にある制度だったといえる。しかし、今年5月に公布された改正電気通信事業法や省令改正によって、MVNOが法的に認められた立場を持つことになる。また、日本通信との間で問題となっていた接続料算定式についても、接続約款の添付資料として、算出の根拠を説明した書類などと合わせて提出する義務が設けられることになった。これによってMVNO側が一方的に接続料を値上げされるといったことが起きなくなり、MVNO事業者の事業基盤の安定が図れることとなった。さらに11月27日には、MVNO事業者が望んでいたHLR/HSS(ホームロケーションレジスター/ホームサブスクライバーサーバー:電話番号や契約内容と携帯電話の現在位置、通信経路などを管理するデータベース)の接続も開放される方針となり、MVNO事業者にとってはこれまで要求してきたことの多くが解決する流れとなっている。ここにおよび、日本通信も控訴の必要がなくなったと判断したわけだ。MVNO事業者としては、HLR/HSS接続が可能になることで、独自の通話料金(定額制を含む)やローミングサービスを設定できることになる。これまでの「単に安い携帯回線」というだけの位置付けから、さらに高度なサービスが提供できることになり、特に技術力のある事業者にとっては大きく風向きが変わってきたと言える。日本通信としてはこうした背景も踏まえて、前述のような声明文を発表したのだろう。
2015年12月04日ロームは11月27日、同社の特定小電力無線通信モジュールが国際無線通信規格「Wi-SUN」の新たな規格「Wi-SUN Profile for Echonet Single-Hop HAN(Wi-SUN HAN)」の認証を取得したと発表した。「Wi-SUN HAN」は、Wi-SUNアライアンスが策定したHAN(Home Area Network)向けの無線規格で、スマートコミュニティ構築に欠かせないHEMSコントローラやエアコン、照明などのHEMS機器に適しているとされる。従来の「Wi-SUN Echonet Profile」規格がBルートと呼ばれるスマートメーターとHEMSコントローラをつなぐ1対1の通信に対し、「Wi-SUN HAN」ではHEMSコントローラと各家電製品をつなぐ1対多の通信が可能となる。同社は今回、新たに「Wi-SUN HAN」に対応したソフトウェアを開発し、「Wi-SUN HAN」の認証ならびにCTBU(Certified Test Bed Unit)認証を取得した。今後は、同ソフトウェアの提供を開始し、2016年1月に汎用無線通信モジュールとして量産・販売を開始する予定だ。
2015年11月27日情報通信研究機構(NICT)のワイヤレスネットワーク研究所は11月24日、インド工科大学ボンベイ校(IITB)と共同で、ネットに接続するための無線通信インフラをホワイトスペース技術に基づくLTEシステムの構築実証実験で実証を行ったと発表した。インド国ムンバイ(旧ボンベイ)近郊のネット通信が困難な地域で、集落内の家庭においてWeb検索や子供の教育ビデオ視聴を行った。今回の実験は、NICTが平成24年度から平成26年度の間に総務省から受託した「複数周波数帯の動的利用による周波数有効利用技術の研究開発」の成果を利用したもの。ケーブルなどの通信インフラは、世界のあらゆる場所で十分に展開されておらず、高速なネット接続が利用可能な地域は限られている現状がある。これによって情報の格差が生じ、教育や雇用の機会が不平等になるなどのデジタルディバイド問題が深刻になっている地域があるという。特にインドでは、集落を単位として居住地域が分散して町が形成されており、敷設が高額な光ケーブルをすべての家庭に届けることは現実的ではない。こうした状況からNICTは、インド国内において既にホワイトスペース実証実験の準備を進めていたIITBと共同研究契約を締結し、ホワイトスペースを用いて、家庭にネット接続の提供が可能になる実証実験を準備してきた。今回の実験は、10月7日~15日まで、ムンバイから北に50km離れた郊外Palghar(パラー)の集落において、NICTが開発したホワイトスペース用LTEシステムを利用して実施。ネット接続用の有線ネットワークは集落中心部の電波塔にのみ敷設されており、この電波塔にLTEシステムの基地局とそのアンテナを設置して、集落内の民家からホワイトスペースを利用してこの基地局を介してネットに接続した。今回の実験で、電波塔から半径約5kmの範囲の集落において、1チャネルあるいは2チャネルを同時に使って、下り最大8.2Mbpsと16.5Mbpsを計測した。また、民家においてルーターを介してWi-Fiに切り替えて、市販のPCやスマートフォン、テレビからネットに接続して、Web検索や教育ビデオが視聴可能になったほか、Palgharの集落だけでなく、大都市ムンバイ市内においても、車による時速60kmでの移動通信に併せて成功している。インド国内で、通信効率が良いLTEシステムを用いてホワイトスペース通信の実証を行ったケースは初だという。世界には有線ネットワークの敷設費用などの理由から通信インフラが整備されない地域が多い中で、テレビ帯のホワイトスペースは、地形や障害物に対する電波の伝わり方の特性などから障害物等の影響を受けにくく、都市郊外の広域通信にも適しているため、デジタルディバイド(情報格差)問題の解消に向けての利用が期待されている。
2015年11月25日約3年をかけて神奈川県の藤沢・葉山などの湘南エリアの飲食店を調査し、2005年に発刊された『ごくうま-湘南の禁煙レストラン』。その発刊者で、藤沢市の長谷内科医院の院長である長谷章先生に、発刊の意図や禁煙推進活動についてうかがった。○約20年にわたり、地元・市・県、そして日本の禁煙化に取り組む―現在、「神奈川県内科医学会 神奈川禁煙推進委員会」の委員長を務めていらっしゃる長谷先生。禁煙推進活動を始めた経緯を聞かせてください。長谷先生―私が院長を務めている長谷内科医院は、祖父から三代続く医院なのですが、祖父、父ともにヘビースモーカーでした。ふたりとも56歳で心筋梗塞を発症し、一命をとりとめたものの、祖父は62歳、父は72歳で他界しました。父の逝去を機に私も煙草をやめたのですが、その後、総合内科専門医の資格を取得し、内科全般については理解していたものの、煙草に関する正しい知識を持っていないことに気がついたのです。そこで脳外科の専門家にお話を聞いたところ、世界各国と比べて日本の禁煙化があまりも遅れていることを知り、これはぜひ取り組むべきだ、と決意したのです。それから約20年にわたり、禁煙化に向けた活動を推進してきました。―これまで、さまざまな禁煙推進活動を推進されていますが、その原動力は?長谷先生―喫煙は本人のみならず、家族や周囲の方の健康にも悪影響を与える可能性があります。煙草による健康被害を食い止めたい、その思いが禁煙活動推進の原動力です。最初は藤沢市内を中心に、ひとりで禁煙化を呼びかけました。具体的には、私は食べることが好きなので、まずは近隣の飲食店の店長さんに禁煙化を要望して歩いたのです。また、患者さんから"○駅の喫煙所が年中モクモクしている"という情報を得て、駅長に禁煙化を要望したり、仕事で付き合いのある金融機関も責任者に会って禁煙化を求めたりしました。―地道な活動の連続ですね。長谷先生―さらに、県内のデパートなどへは、顧客を代表して社長へメールで禁煙化を訴えました。禁煙化を要望するにあたり、その説得材料のひとつとなったのが2003年に制定された「健康増進法第25条」です。これは"多数の者が利用する施設"での受動喫煙の防止を義務づけた法律です。これにより同年には銀行、郵便局、関東の私鉄が禁煙化され、その後、タクシーやJRの禁煙化へと拡大しました。対象となる施設として事務所も含まれています。○時代の画期となった条例の施行を追い風に―全国初となった神奈川県の「受動喫煙防止条例」施行の背景について聞かせてください。長谷先生―この流れの中で藤沢市の医師会が禁煙化に本格的に取り組むことになり、「藤沢市医師会禁煙運動推進委員会」を立ち上げました。内科、外科、耳鼻科、小児科など、各科の代表者が集まって委員会を結成し、さまざまな活動を検討・実行していくことになったのですが、そのひとつに藤沢市内のレストラン、公共の場、タクシー、学校などおける禁煙化の推進がありました。さらに、2003年に神奈川県知事に就任された松沢成文氏のマニュフェストの1番目に「受動喫煙防止条例」があったので、これを強力にバックアップする活動も行い、2011年4月には、全国初となる同条例の施行を実現することができました。―条例の施行でどういう点が変わりましたか。長谷先生―この条例が施行されたことで、神奈川県の成人男性の喫煙率は下がりました。神奈川県のような人口の多い大都市では、喫煙者も数多く存在するため、このような条例の施行は困難のように思えましたが、それを実現できたことは快挙だといえるでしょう。また、同条例により、県民全体の健康管理に対する認識が高まったことも大きな成果だと捉えています。○グルメと禁煙をテーマにしたガイドブックで、タバコフリーを当たり前に―『ごくうま-湘南の禁煙レストラン』を発刊した経緯について教えてください。長谷先生―『ごくうま-湘南の禁煙レストラン』は"ごはんも空気もうまい"をキーワードに、約3年をかけて藤沢、葉山、茅ケ崎、鎌倉などの飲食店を調査し、湘南エリアの厳選した約50店を「完全禁煙」と「ランチのみ禁煙」に分けて、カフェ、フレンチ、イタリアン、すし、和食など、各種店舗の自慢の料理を写真で紹介しています。発刊のきっかけは、私と共に監修にあたった、内科医の横井泰先生の奥様のユニークな行動にありました。たとえば、気に入ったレストランで食事中に煙草の煙を感じると、横井夫人は、その場でお金を払って店を出てしまうのですが、その際に「今日は帰りますけど、おいしいからまた来ます」とおっしゃるのです。これを繰り返すと店側は対応を考えるようになり、ランチタイムだけでも禁煙にする店が増えたそうです。そんな横井夫妻から誘われ、湘南エリアのおいしいものを、きれいな空気の中で楽しめる飲食店を自費出版で全国へ紹介しよう、ということになりました。私が主に和食を担当し、横井先生が洋食を担当。地元の方しか知らないような穴場的なお店も数多く紹介しています。単なる禁煙飲食店のガイドではなく、本当においしい食事を堪能でき、かつ禁煙を徹底している店にこだわり抜きました。―発刊に伴う調査の際に、印象に残ったエピソードを聞かせてください。長谷先生―取材を行っていた頃は、まだ喫煙できる飲食店が多く、"常連に愛煙家のお客さまがいるので禁煙化しにくい"といった声も数多くいただきました。そんなお店には「グルメと禁煙をテーマにしたユニークなガイドブックで貴店を紹介したい。ぜひ禁煙化してほしい」とお願いして回りました。禁煙化すると喫煙者のお客さまが来なくなる、と思われるでしょうが、実はそうではありません。一時的に客足は遠のくかもしれませんが、お店の味・サービスがよければ必ず戻ってきます。それだけでなく、禁煙化は家族連れのお客さまが増えるなど、さらなる集客と売上アップをもたらすのです。これは禁煙先進国である諸外国でも同様の現象が見られます。なお日本では、居酒屋などでお酒を飲みながら喫煙する慣習が根強く残っていますが、パブで有名なイギリス・アイルランドでは、2007年からパブはすべて禁煙であり、"飲酒の場は禁煙"が常識になっています。アジアでは、最近、中国や韓国でもレストラン内は禁煙になりました。台湾でも3人以上集まる室内は「煙害防止法」により禁煙です。このように諸外国と比較すると、まだまだ日本は禁煙後進国ということが分かります。―今後の抱負について聞かせてください。長谷先生―私たちは"吸わないことが当たり前の社会"を作るために、これからも禁煙化を推進していきます。その大きな目標が2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックです。藤沢市では江ノ島がセーリング会場に選ばれており、現・藤沢市長の鈴木恒夫氏も「煙草のない環境で開催したい」と議会で発言されています。その意味でも、藤沢市から神奈川県、神奈川県から東京都、東京都から全国へ禁煙化を波及させていくつもりで、活動を強化していきたいと考えています。
2015年11月18日住商アーバン開発が運営するテラスモール湘南(神奈川県藤沢市)では12月12日~2016年1月31日、イルミネーション「Terrace Mall 湘南 冬のIllumination」を実施する。同イルミネーションのコンセプトは、「湘南の青い海と蒼い空」。1階ゲートスクエアには、シンボルモニュメントである高さ約4mのホワイトツリーが出現。その周りには、「光の珊瑚礁」をデザインモチーフにしたイルミネーションを回遊しやすいレイアウトで配置する。今回はホワイトツリーに流れるような光のラインを演出するほか、1階だけでなく2~3階のテラスにもイルミネーションを設置。計26万球のLEDが施設全体を光で彩る。さらに20分に1度、アーティストの楽曲に合わせてLEDの光が変化する「光と音のショー」も実施。実施期間は12月12日~12月25日および12月26日~2016年1月31日で、それぞれの期間によって展開される楽曲とLEDの光が異なる。なお、ホワイトツリー周辺はフォトスポットとして、イルミネーションを背景とした写真撮影も可能。12月12日には地元学生らを招いての「イルミネーション点灯式」を行うという。同イルミネーションの点灯時間は17:00~23:00で、「光と音のショー」は17:00~21:00に開催。
2015年11月12日キーエンスはこのほど、FA(ファクトリーオートメーション)の通信とネットワークについて基礎から学べる情報サイト「接続.com」を公開した。 IoTに注目が集まっている昨今、製造業の現場では、生産性、品質向上を目指すため、ネットワークによる集中監視、データ収集のニーズが高まっている。しかし、FAの通信やネットワークは種類が多く、選定や設定など導入にノウハウが必要とされるため、検討が思うように進まない場合がある。「接続.com」はこうしたニーズに応えるべく開設されたウェブサイトで、通信やネットワークについて初心者でもわかるような解説が加えられている。また、代表的なネットワークの種類や具体的な接続例をわかりやすく解説しており、ラインの自動化、設備の設計などに関わる人にとって有益な内容がまとめられている。具体的な内容としては、「フィールドネットワークの基礎知識の解説」「27種類のフィールドネットワークの解説」「センサー機器などの具体的な接続例」などがあり、同サイトの内容をまとめたPDF資料も無料で提供されている。同社は、今後も、ネットワークの紹介や接続事例などを追加していく予定としている。
2015年11月11日ブラザー工業は9日、通信カラオケの技術を応用した発話訓練システム「スピーチマイスター」を発表した。通信カラオケ「JOYSOUND」の採点機能を応用した発話訓練システム。「音声解析技術」や「採点技術」、「モチベーション維持手法」などを応用しており、スピーチ(発話)が上達するトレーニングが可能となっている。スピーチ練習では、熟練者からの直接指導や、外部の講師に指導してもらうのが一般的だが、本システムでは手本となるスピーチと練習者のスピーチを比較して採点を実行。指導者がいなくても自分の成長度合いを確認しつつ、練習を重ねられる。練習時は、練習者の発話をリアルタイムでグラフ化。練習が終了してから数秒で得点を表示する。このグラフでは、抑揚、音量、速度、滑舌、間の取り方という5項目を、手本データと比較可能。修正すべきポイントを可視化、把握できる。手本データの作成にも対応し、熟練者のスピーチを録音して真似ることで、録音データを手本とした練習が行える。ソフトウェアはWindows 7対応の専用アプリケーション。手本データや練習の履歴はクラウドサーバー上に保管され、管理者はアカウントの付与や手本データの登録などが行える。
2015年11月09日三菱電機は10月19日、トルコの国営衛星通信会社 Turksatから2011年3月に受注した通信衛星「Turksat-4B」の打ち上げに成功したと発表した。同衛星はカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から10月17日午前5時40分に打ち上げられ、同日午後2時53分にロケットからの分離に成功。今後、地表から約3万6000km上空の静止軌道まで自律で移動する。なお、Turksatへの引き渡しは静止軌道上での性能確認実験を終える12月以降を予定している。「Turksat-4B」は、同社製の標準衛星バス「DS2000」を使用した9機目の人工衛星。重量は約4.9トンで、設計寿命は15年以上とされている。今回の打ち上げにより、2014年2月に打ち上げた通信衛星「Turksat-4A」との2機体制が確立することとなる。DS2000を使用した人工衛星は現在全て順調に運用されており、2017年までにさらに7機の打ち上げが予定されている。
2015年10月19日共同通信社は10月13日、インティメート・マージャーと新たな広告メニューの開発で協力し、同日より新サービスの販売を開始したと発表した。同サービスは、共同通信社の運営する情報サイトにて、企業の製品やサービスを紹介するタイアップコンテンツを作成・掲載。その後、インティメート・マージャーが提供する約4億件のオーディエンスデータの中から、コンテンツを読んでもらいたいターゲットユーザーを性別や年令、年収、職業、趣味・嗜好、エリア、Web閲覧サイトなどの項目から選定し、同ターゲットにコンテンツを読んだ上でアンケートに回答するようメールで依頼する。同アンケートの結果やコンテンツのPV数などは、レポートとして提供される。共同通信社によると、新広告サービスは、同社のコンテンツ編集力とインティメート・マージャーの持つ膨大なオーディエンスデータを組み合わせ、広告コンテンツと読んでもらいたい読者のマッチングを最適化させた、新しい形のメディアタイアップになるという。
2015年10月14日情報通信研究機構(NICT)は9月28日、プロドローン及びサンエストレーディングと共同で、ドローンの飛行制御通信の安全性を強化する技術を開発したと発表した。ドローンの遠隔制御に使われる無線通信は、傍受や干渉、妨害の影響を受けやすく、通信の乗っ取りや情報漏えいなどが懸念されている。しかし、現状、標準的な暗号化すら行われていないケースが多く、ドローンの制御通信における情報セキュリティ対策は十分ではないという。NICTらは、真性乱数を共通の暗号鍵としてドローンと地上局間で安全に共有。制御通信をパケットごとに暗号化することで、制御の乗っ取りや情報漏えいを完全に防御した。さらに、複数の暗号鍵をドローンに搭載し、対となる暗号鍵を複数の地上局に量子鍵配送ネットワークで配送することにより、複数の地上局間で安全に飛行制御を引き継ぎながら、ドローンを広域で飛行誘導するセキュア制御通信技術を開発した。実証実験についても成功している。同技術を利用した、乱数生成器を地上局に導入してユーザ・機器認証を経て暗号鍵をドローンに供給し、地上局間では手渡しで鍵配送を行う飛行誘導システムは、2年後の商品化を目指すという。
2015年09月30日ルネサス エレクトロニクスは9月29日、車載情報システム向けSoCプラットフォーム「R-Car」の新シリーズとして、車車間・路車間通信(V2X:Vehicle-to-Everything)向け車載無線通信SoC「R-Car W2R」を開発したと発表した。同製品は、欧州ならびに北米地域のITS向け通信規格であるIEEE 802.11pに準拠した5.9GHz帯域の車車間通信(V2V:Vehicle-to-Vehicle)および路車間通信(V2I:Vehicle-to-Infrastructure)向けSoCで、独自のRFシステム設計技術により、LSIから発生する信号ノイズとなる送信帯域外雑音を-65dBm以下に抑えることに成功。これにより、混線の少ない高品質な信号の送信がさまざまな道路状態において可能となり、例えば周波数が近い欧州版ETCへの干渉を最小限に抑え、共存が可能になるとする。また、独自のアナログ回路の小型化設計技術と、デジタル回路から発生する雑音がアナログ回路へ与える影響を高精度に解析できるアナログデジタル混載設計技術により、RFから物理層、データリンク層までの通信機能を10mm角の176ピン Plastic FPBGAに1チップ化している。さらに、既存のR-Carプラットフォーム「R-Car E2」と組み合わせたV2Xスタータキットも用意。パートナー各社の提供するソフトウェア群と組み合わせることにより、短期間での実証試験環境を構築することが可能だ。なお、同製品は10月1日よりサンプル価格は3000円(税別)でサンプル出荷を開始予定。量産は2016年12月より開始する予定で、2018年12月に月産5万個の出荷を計画している。
2015年09月29日情報通信研究機構(NICT)は9月28日、プロドローンおよびサンエストレーディングと共同で、ドローンの飛行制御通信の安全性を強化する技術を開発したと発表した。ドローンは、その特徴から、さまざまな産業分野での活用が期待されているが、無線により遠隔制御されるため、妨害の影響を受けやすく、通信の乗っ取りや情報漏えいなども懸念されている。そうしたこともあり、ドローンの活用は無線通信で制御できる範囲となる目視圏内が中心であり、広範な安全な飛行には、さまざまな課題が残されていた。今回、研究グループは、ドローンの制御における乗っ取りや情報漏えいを完全に防御することができるセキュアな制御通信技術を開発した。具体的には、2.4GHz帯を用いたシリアル通信の制御信号を、パケットごとに異なる真性乱数を用いて暗号化(ワンタイムパッド暗号化)することで、膨大な計算を必要とせずに、計算遅延のないセキュアな制御通信を低速処理な小型かつ安価なデバイスで実現したという。また、複数の暗号鍵(真性乱数)をドローンに搭載し、対となる暗号鍵(真性乱数)を、複数の地上局に何らかの手段で配送することで、複数の地上局間で安全に飛行制御を引き継ぎしながら、ドローンを広域でセキュアに飛行誘導することが可能だという。実際に、2つの飛行エリアA、B間で安全に制御通信を引き継ぐことが可能な第一世代システムの実証実験に成功したほか、NICTが管理運営する量子鍵配送(QKD)ネットワーク「東京QKDネットワーク」で配送された暗号鍵を2つの地上局に供給し、飛行制御を引き継ぐ第二世代システムも実証実験に成功したとしている。なお、研究グループでは、地上での暗号鍵の配送に信頼できる宅配サービスなどを利用し、通信を使わずに供給する第一世代システムを2年以内に商品化する予定としている、また、第二世代システムの研究開発を継続して行っていくとするほか、従来の電波による方式に加え、レーザー光を使った大容量かつ安全なデータ通信ネットワークを実現するための研究開発にも取り組んでいく予定としている。
2015年09月28日文化複合施設の湘南T-SITEのカーライフラボ 南側屋外スペースにて、9月9日、10日、30日の3日間、“南仏プロヴァンス”をテーマにしたアンティーク商品を取り扱う「湘南 蚤の市」を開催。湘南T-SITEにおいては今回で3回目となる「湘南 蚤の市」は、フランスアンティークを扱うeNeの協力のもとに開催されるもの。当日は、アンティークやブロカント、古着など、全国より集まった名店によるアイテムの数々が展開される。出店するのは、a bientot、ANONYME、Antique BeBe、antique shop menu、Antiques CADOT ANTISTIC、BLEU CURACAO FRANCE、Brocante Sari、CocoRococo、COVIN、deuxR DOANOBなど。また、「湘南 蚤の市」を皮切りに湘南T-SITEでは9月30日まで、フランスの食やデザイン、旅、アート、カーライフ、スポーツ、アウトドアなどを感じられるフランスフェアを実施。その他、フランス文化を感じられる様々なイベントも行われている。なお、11月9日、10日には代官山T-SITEでも、“パリ”をテーマにした蚤の市「代官山 蚤の市」が開催される予定だ。
2015年09月10日仮想移動体通信事業者(MVNO)の日本通信は9月3日、スマートフォンやタブレット向けのIDS(Intrusion Detection System、侵入検知システム)としては世界初となる「モバイルIDS」を提供すると発表した。都内で行われた記者向けの発表会の模様をお伝えする。同社の代表取締役会長である三田聖二氏は、日本は電波オークションを実施しなかったことで、モバイルインフラの面では世界のリーダーシップを取っていると評価。そこで日本通信では、そのモバイルインフラを使って何をするかという点に長年取り組んできたとのこと。MVNOの市場開拓を先導してきたイメージが強い同社だが、真の役割は「無線通信で情報を安心安全に届けること」にあると、三田氏は話している。これまで日本通信では、無線通信の専用線接続を提供するなど、無線部分のセキュリティに関しては力を入れて取り組んできた。だがそれを利用するデバイスに関しては、まだ取り組みが進んでいなかったとのこと。そこで同社が今回新たに打ち出したのが、企業向けとしては以前より導入が進んでいたIDSを、モバイルの分野にも導入することである。続いて代表取締役社長の福田 尚久氏は、モバイルIDSを実現するに至った経緯を語った。日本通信は2001年、DDIポケット(現在はソフトバンク)のPHS回線を用いたMVNOとして事業を展開し、翌2002年にはM2M(機械間通信)用のデータ通信サービスを提供している。だが、M2Mのサービスを提供してから半年程経過した頃、そのPHS回線がDos攻撃やDDoS攻撃に遭うようになったとのこと。M2M用の機械に重要なデータがある訳ではないが、回線が細いため攻撃を受けることで通信自体が利用できなくなるなどの問題が発生したのだそうだ。そうした経験から日本通信では、無線通信のセキュリティを担保するための取り組みを積極化。通信の部分に関しては、無線専用線の実現によってその問題を解決したが、セキュリティを高めるにはデバイス側の対応も必要になる。そこでモバイルに適したセキュリティ技術を持つ会社を探し、2006年に米国のArxceo社を買収。同社の技術を基に10年間研究を進め、完成したのがモバイルIDSになるそうだ。企業のネットワークと、モバイルのネットワークとの大きな違いは利用のされ方にあると、福田氏は話す。企業ではP2Pや動画の視聴を制限するなど、ポリシーを作ることで均質的な運用がしやすい。だが、モバイルは使われ方が企業や個人によって異なり、多様性があることから特定の機能を一律に制限することは難しい。そうしたモバイルの多様性を保ちながら、IDSの導入を実現するにはどうすべきか、研究を進めた結果、たどり着いたのが「Situation Awareness」、つまり現状を認識することであったと、福田氏は説明している。例えば、町の中で火災が1件起きた場合、それは“火事”と認識される。だが同じ所で数か所の火災が発生した場合、放火の可能性などが疑われる。1つの事象として捉えるか、コミュニティ全体の動向として捉えるかによって認識が変化することから、個別の事象とコミュニティ全体の動向を組み合わせて現状認識することにより、多様な使われ方がなされるモバイルでの検出精度を高めているのだそうだ。今回提供されるモバイルIDSでは、アクセスの状況によって3段階の警告レベルに分類し、検知レポートを出力するとのこと。具体的には、プロトコルのアクセス異常などを知らせる「Warning」、悪意のあるアクセスだが、偵察のみで攻撃はしていない「Severe」、そして悪意ある攻撃を実施する「Attacks」になる。現在モバイルIDSは、法人などの協力を得て3500台が試験運用されているとのことだが、それらの8月31日午前9時から24時間の結果を見ると、モバイル回線で16万件以上、Wi-Fiでは923万件を超えるWarningが発生していたとのこと。モバイル向けに、非常に多くの攻撃がなされていることが分かる。ちなみにモバイルIDSは、端末側に搭載されるクライアント・エンジンと、サーバー側に搭載されるエンジンの2つから成り立っている。だがスマートフォンの場合、OSが制御するデバイスドライバーの段階で通信を把握する必用があるため、アプリケーションレベルで提供するのは難しいという。そのためモバイルIDSは、同社が提供している「VAIO Phone」のファームウェアに組み込む形での提供になるとのこと。もっともモバイルIDSが備えているのは、あくまで侵入を検知する機能のみであることから、不正侵入を防御する企業向けのトータルソリューションも9月18日より提供開始するほか、第3四半期を目途に、防御機能も備えた「モバイルIDPS for VAIO Phone」を提供するとしている。福田氏は今回の発表において、日本通信がメーカーとなってVAIO Phoneを提供したのは「アプリとしては提供でないモバイルIDSを実現するため」と明かしている。Android向けにクライアントエンジンを導入するには、グーグルの認証を獲得し、ファームウェアに特設組み込む必要があった。そこであえて日本通信自身がメーカーとなり、法人からも安心が得やすい日本メーカーであるVAIOのブランドライセンスを受ける形で、VAIO Phoneを提供するに至ったのだそうだ。ちなみにモバイルIDSはスマートフォンだけでなく、Wi-Fiルーターなどにも高いニーズがあるそうで、日本通信では今後スマートフォン以外のハードに対する取り組みも進めていくとのこと。だが、必ずしも自社でスマートフォン開発していくとは限らず、今後は他のメーカーにモバイルIDSをライセンス提供することを主体とし、モバイルIDSの普及を進めていきたいとしている。なおコンシューマー向けに関しては、法人向けより多様な行動をするため一層のデータ分析が必要になるとのこと。そこで日本通信では、既にVAIO Phoneを持っているユーザー、そして9月3日以降に新規契約した20000台のVAIO Phoneユーザーに対してモバイルIDPSを無償提供する「コミュニティ開発プログラム」を提供。そこから得た情報を基にデータ解析を進めていくことで、精度を高めていく考えのようだ。最後に福田氏は、「自分のひ孫くらいの頃には、セキュリティの問題によってインターネット自体が過去の物になってしまうリスクが出てきている」と、インターネットのセキュリティ問題に警鐘を鳴らす。そうした歴史が実現してしまわないよう、日本通信ではモバイルIDSをさまざまなメーカーにライセンスしたり、MVNOに無償でライセンスするなどして、広く利用しセキュリティ対策を進めていきたいとしている。
2015年09月04日指揮官として臨んだ4度目の浦和レッズ戦。攻守両面で粘り強さを見せながら、湘南ベルマーレは0対1で惜敗を喫した。畏敬の念を抱いてレッズに臨んできたチョウ・キジェ監督は、名門軍団との差を認めながらも「これまでの3戦とは違う」と前を向いた。○時間を空けずに記者会見に臨んだ理由生中継していた「スカパー! 」のフラッシュインタビューを終えてすぐに、ベルマーレのチョウ監督は埼玉スタジアム内の記者会見室に入ってきた。アウェーチームから先に行われる試合後の監督会見。時間を空けずに姿を現すときは、指揮官のなかで終わったばかりの90分間に対する整理がついているときだ。後半13分に奪われた1点を取り返せないまま、ファーストステージの開幕戦に続いて8月16日のセカンドステージ第7節でもレッズに苦杯をなめた。連勝が2で止まっても、しかし、チョウ監督は努めて前を向いた。「浦和さんの技術の高さや戦術眼の熟練度にはまだまだ及ばないと思う一方で、我々が積み重ねてきたことが、彼らを少し慌てさせるところまで出せたという実感もあります」。もちろん満足はしていない。監督に就任して迎えた4度目のレッズ戦。無敗でファーストステージを制し、敬意を込めて「日本で一番力のあるチーム」と呼ぶ赤い悪魔との戦いで、それでも初めて納得できる部分があったことが表情を精悍(せいかん)にさせる。「戦略的にも選手たちの自信という意味でも、一番整理されたなかで戦えた。その結果としての負けは、つまり浦和さんとの差になりますけど、手応えをつかみながら臨んでいる点で、これまでの3試合とは違うのかなと」。○2年前のロッカールームで訴えられた涙の決意振り返ってみれば、ターニングポイントとなる試合の相手はすべてレッズだった。2013年4月14日。場所も同じ埼玉スタジアムで初めて対峙(たいじ)し、0対2で屈した一戦をチョウ監督はいまも忘れていない。「1点を取られたときに、選手が『ダメだな』という表情になってしまった。『やはり差があるんだ』と彼らが感じながら戦ってしまった。内容的には5、6点取られてもおかしくなかったので」。FW興梠慎三に先制点を奪われた前半30分を境に、キャプテンのMF永木亮太の言葉を借りれば「臆(おく)してしまった」となる。試合後のロッカールーム。指揮官は目を真っ赤に腫らしながら訴えた。「オレは絶対に引かない! 」。自分たちのゴール前をガチガチに固めれば、スコアレスドローで勝ち点1を手にできるかもしれない。しかし、必要以上にレッズを畏怖(いふ)して戦うことが、若いチームの成長につながるのか。答えはもちろん「ノー」となる。チョウ監督が発した「引かない! 」には、「就任1年目の2012年シーズンから育んできた『湘南スタイル』は捨てない」という不退転の決意が込められていた。ロッカールームでの光景を見た眞壁潔社長(現会長)が、たとえJ2に降格しても、チョウ監督に引き続き指導を託そうと心に決めた瞬間でもあった。○今シーズンの開幕戦でレッズを望んだ理由5カ月半後の9月28日。ホームにレッズを迎えた再戦で、ベルマーレは見違えるような戦いを演じる。前半18分に先制されながら、前へ、前へと怒涛(どとう)のプレッシャーをかけ続ける。後半30分、36分の連続ゴールで逆転。しかし、直後に退場者を出したことが響き、アディショナルタイムに突入する直前に同点とされた。そのまま試合を終えた直後のロッカールーム。号泣しながら選手たちに頭を下げた理由を、チョウ監督は後にこう明かしている。「選手たちの成長に僕が追いついていない。もっと自分の采配で助けることができたと思うと…」。以来、この一戦の映像を何度も見直してきた。再びJ2での戦いとなった2014年シーズン。発揮された異次元の強さの源には、常に2度目のレッズ戦で味わわされた悔しさがあった。1点を守り切れなかったことに対する「それ」ではない。最後まで攻めの姿勢を貫けなかった悔恨の念が、形を成してきた「湘南スタイル」に新たな1ページを加えた。「90分間を通してリスクを冒す勇気を持ち続けられれば、相手はダメージを受ける」。J1での再挑戦へ。レッズへ畏敬の念を抱いてきたからこそ、チョウ監督は今シーズンの開幕戦で対峙(たいじ)することを望んだ。歩んできた道が正しいか否かが証明されるからだ。○これまでの3度の対戦で学んできたこと果たして、運命に導かれた3月7日の一戦でベルマーレは1対3と苦杯をなめる。DF遠藤航のPKで先制した5分後に同点とされると、後半に入って運動量が激減。立て続けに2ゴールを奪われた。1月のチーム始動時から開幕戦を強く意識してきた軌跡を、チョウ監督は「悪い意味で気持ちが高ぶりすぎてしまった」と自戒の念を込めて振り返っている。入れ込みすぎた分だけ、ミスや思い通りに事が運ばない状況が増えるたびに徒労感が募る悪循環。ともに成長していくと誓う指揮官は、チームマネジメントに非があったと再び頭を下げた。ベルマーレは何度も、何度も荒波に直面してきた。それらを一丸になって乗り越え、時には涙しながら一歩ずつ、愚直に前進してきた。レッズからは「ひるまない闘志」と「リスクを冒し続ける勇気」、そして「平常心」を過去3度の対戦で学んできた。4度目の対戦でそれらをすべてピッチの上で実践できたことが、冒頭の会見での言葉につながっている。ポストを直撃したFW菊地俊介のヘディング弾。日本代表GK西川周作に防がれたFW高山薫の一撃。主導権を握る可能性があったからこそ、試合後に永木は胸を張った。「悔しいけど下を向く必要はない。いままで一番手応えがあった」。○真っ向勝負の末に突きつけられた2つの課題ならば、今回の黒星はベルマーレに何を残したのか。「考え方次第で学ぶことはあるし、負けたら何もないという考え方もできる」。チョウ監督はふた通りの考え方から、迷うことなく前者を選んでいる。「相手のストロングポイントを抑えるよりは、自分たちのよさをどれだけ出せるか、という試合にしたかった。プレーに対する選手の自信、相手を怖がらずに懐へ入ってボールを奪う、懐に入ってボールをもらう回数は、間違いなく2年前より増えた」。プレスをかけてもパス回しでいなされ、すかさず縦パスを入れられる。特にレッズの右MF関根貴大には何度もサイドを突破された。それでも真っ向勝負を挑んだからこそ、現時点でのレッズとの差を肌で感じ、黒星を前向きにとらえられる。「いろいろな経験を積んで、右肩上がりに大きくなっているという思いはある。もちろん、まだまだだし、その意味では監督をやっている限りは、忘れずに僕の頭のなかに残していく試合になる」。負けたとはいえ、セカンドステージで6位タイ、年間総合では10位につけている。「チャンスでゴールをねじ込む力」と「ピンチをはね返す力」。レッズに突きつけられた2つの課題を新たな力に変えながら、ベルマーレは走り続けていく。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年08月18日アットマークテクノは7月29日、次世代無線通信規格「Wi-SUN」でスマートメーターと通信可能なHEMS(一般家庭向けのエネルギー管理システム)機器向けプラットフォーム「Armadillo-Box WS1(アルマジロボックス ダブリュエスワン)」を発表した。「開発セット」と「量産品」の2種類を提供し、開発セットの価格は3万円(税別)、発売は8月5日。2016年に実施予定の電力自由化を控え、新しいHEMS機器やサービスの実現に向けて、多くの企業が動き出している。特に、従来の電力会社を介さずスマートメーターから直接データを取得するルートである「Bルート」は、電力会社の制約を受けずリアルタイムにデータを取得可能であり、新しいサービスでの利用が期待されているという。新製品は、USB・LAN・Wi-SUNの各モジュールを搭載する省電力のボックス型組み込みコンピュータ。ユーザーが開発したアプリケーションを書き込むと、HEMS機器を実現できる。同社は、HEMSによる新サービスを検討している新電力会社やインターネット・プロバイダ、SIベンダーなどを主なターゲットとして、Bルートに対応したHEMS機器のプラットフォームとしての利用を想定している。同製品は、Wi-SUNでスマートメーターと通信可能であり、また小型サイズのため、場所を選ばず手軽に設置できることが特長。配電盤にCTセンサーを接続する従来型とは異なるスマートメーターとの連携型のため、開発や設置にかかる費用の大幅削減も期待できるという。OSとしてLinuxを採用し、カーネルやデバイス・ドライバなどの基本ソフトウェアはオープン・ソースで提供。また、試作から量産製造まで対応可能なOracle Javaライセンス(JREライセンス)を標準バンドルするため、自由なアプリケーション開発が可能としている。例えば、使用電力量が異常に増えた際に警告メールを送信する機能などの実装が可能で、さらに、クラウド・アプリケーションを開発して連携することで、遠隔からスマートフォン経由で見守り・監視を行うサービスなど各種用途にも応用できる。なお同製品は、ユビキタスが提供するプロトコル・スタックである「Ubiquitous ECHONET Lite」に対応、Wi-SUN Profile for ECHONET Lite(TTC JJ-300.10 A方式)準拠の各社製スマートメーターとの接続が可能。ユビキタスが提供するSDKで開発すると、Armadillo-Box WS1と各社のスマートメーターとの間に加えて、家電や太陽光発電システムなどのECHONET Lite対応機器の間の通信も実現するとしている。なお、Armadillo-Box WS1開発セットの購入者には、同製品で動作するUbiquitous ECHONET Liteのサンプル・アプリケーションをユビキタスから無償提供する。量産向けの「Armadillo-Box WS1量産品」は2015年10月に発売予定であり、100台単価で2万円以下の販売価格を想定している。
2015年07月30日セカンドステージで1勝1分けと好スタートを切った湘南ベルマーレ。ファーストステージのトラッキングデータ(総走行距離とスプリント総数)でともにJ1のトップを記録したタフネスさにさらに磨きをかけながら、真夏の戦いを通じてJリーグに革命を起こす。○スポーツ紙に掲載されたコラムが与えた波紋セカンドステージ開幕を翌日に控えた7月10日。ベルマーレを刺激し、名古屋グランパスとの開幕戦へ向けたモチベーションを一気に高める出来事があった。スポーツ新聞に掲載されたあるコラム。「走れば勝てるって訳じゃない」と題されたそれのテーマは、Jリーグで今シーズンから導入されたトラッキングシステム。ファーストステージの集計データを基に、J1の「ある傾向」を指摘していた。最新鋭のミサイル自動追尾技術が応用されたトラッキングシステムは、メーンスタンドに設置された2台の専用カメラがピッチ上のすべての動きを捕捉。選手の走行距離やスプリント回数を解析・数値化し、Jリーグの公式サイトで公表してきた。ファーストステージの集計では、17試合の総走行距離の1位をベルマーレ、2位を松本山雅FCの昇格組が占めた。ベルマーレはスプリント総数でも1位となったが、肝心の順位で前者が10位、後者が15位に甘んじたことで前出のタイトルとなった。ベルマーレのチョウ監督は、グランパス戦前のミーティングでコラムの内容を選手たちに伝えた。「自分たちがそう言われていることに対して、僕は非常に寂しい思いがした。ただ勝った、負けた、よかった、悪かったという基準でウチを語られるのがすごく嫌だったので」。○ファーストステージで抱いた忸怩たる思いファーストステージを戦いながら、チョウ監督は忸怩(じくじ)たる思いを募らせてきた。「走らないと勝てないのがブンデスリーガ、走っても勝てないのがJリーグ」。ドイツを中心にヨーロッパのリーグへの造詣が深く、毎年オフには自ら足を運んで視察してきたなかで、不退転の決意を抱くようになった。「ブンデスリーガでは、相手チームを含めて走らないことが前提になる試合はまずあり得ない。(まず走るという)前提があるのとないのとでは、(コラムの意味)は全然違ってくる。前提がないのであれば、日本サッカー界のレベルがまったく低いと言われているのと同じだと感じなければいけない」。例えば史上初となる無敗でファーストステージを制した浦和レッズは、総走行距離が6位、スプリント総数も8位と決して高い数字を示していない。3位に入ったサンフレッチェ広島は総走行距離で13位、スプリント総数に至っては17位だった。テクニックと老かいさ、そして必要最低限の場面でのみ全力疾走する要領のよさがあれば上位を争える。そうした傾向を目の当たりにして、2012年の就任時から貫いてきた「湘南スタイル」に対するチョウ監督の矜持(きょうじ)はさらに強まった。「ならば我々が走るのをやめるのか、縦への推進力をなくすのかと言えば、そういう訳にはいかない」。○因縁のグランパス戦で示したアイデンティティーファーストステージで喫した7敗のうち、もっとも悔しかった黒星は5月2日、0対3で完敗した敵地でのグランパス戦となるだろう。ベルマーレがペースを握りかけながら、たったひとつのミスからカウンターを許してあっさりと先制点を献上。取り返そうと前掛かりになった背後を突かれては失点を重ねた。何よりも納得がいかないのが、ボールを失っても自陣へ戻らない、いわゆる「攻め残っていた」グランパスの選手たちにかき乱されたこと。ファーストステージにおけるグランパスは、総走行距離が最下位だったのに対してスプリント総数が3位だった。典型的な「省エネスタイル」に屈したことが、逆に自分たちのアイデンティティーを見つめ直すきっかけになった。チョウ監督が力を込める。「チャンスだと思えばゴールへ向かい、ピンチになればFWの選手も戻る。これがサッカーの醍醐味(だいごみ)であり、そこには戦術もへったくれもない。そうしたプレーをさぼって、走行距離が少ないチームが勝つようになれば、選手の潜在能力をどのように引き出していけばいいのかと、指導者は困ってしまう」。果たして、因縁の再戦は2対1でベルマーレが制した。走行距離で112.88km対105.93km、スプリント回数で172対121と大差をつけての、スコア以上の"快勝"だった。○ベルマーレのスタイルをJリーグのスタンダードへ後半19分に、結果的に決勝点となる2点目をダイビングヘッドで決めたのはFW高山薫。3月14日の鹿島アントラーズ戦で、ファーストステージ全体での最長記録となる13.67kmを走破しているタフガイは「まだまだこれから」と不敵に笑う。「どちらにしてもオレはうまい選手じゃないし、1年目から“走るキャラ”でプレーしてきた。ファーストステージで10位だったからダメだと思われているだけ。オレたちが結果を出せばいい」。キャプテンのMF永木亮太も件(くだん)のコラムに目を通した上で、「自分もちょっと違うと思った」とこう続ける。「ウチのサッカーがJリーグのスタンダードになればいいと思っているし、(ベルマーレのスタイルが正しいと)証明するためにも、セカンドステージで結果を出していくしかない」。グランパス戦から中3日で15日に行われたヴィッセル神戸戦は、一転して球際での激しい攻防が繰り広げられる消耗戦となった。相手の気迫に押される時間帯もあり、先制点も許す展開となったが、ハードワークはベルマーレが大事にしてきた根幹的な部分でもある。最終的には走行距離とスプリント回数で圧倒し、永木のミドルシュートで引き分けに持ち込んだ敵地での90分間を、チョウ監督はポジティブにとらえた。「もっとタフにならなければならないと、選手たちも学べたと思う」。○J1を世界基準の戦いへ引き上げるためにチョウ監督は初の著書『指揮官の流儀 直球リーダー論』(角川学芸出版刊)で、こう記していた。「ベルマーレはよく走ると言われていることが、もしかしたら我々の成長や歩みを止めてしまうキーワードになるかもしれない」。世界ではベースになっているハードワークに、必要以上のスポットライトを当てられれば「自分たちの軌跡に酔ってしまうのではないか」と危惧していたとも明かす。そうした不安も、セカンドステージ前に掲載されたコラムが一掃してくれたことになる。高温多湿の日本の夏はこれから真っ盛りになり、セカンドステージでは水曜日開催も3日を数えるなど、さらに過密スケジュールになってくる。「体力的に影響が出ないようなトレーニングを、それこそ昨日、一昨日の話ではなく、何年も前から積み重ねてきた。夏になれば、走る部分では他のチームも落ちてくる。そういうところで上回れば、結果もついてくると思う」。真価を問われる真夏の戦いへ、永木はチーム全体の思いを代弁しながら腕をぶした。戦力や技術で劣る部分を補うために走っている――。ベルマーレを揶揄(やゆ)してきた声を「もう勘弁してくれ」という嘆き節に変え、「走り合った上で勝負」という世界基準に引き上げる戦いはますますヒートアップしていく。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年07月18日Nearbyは、Bluetooth、Wi-Fi、それにデバイス側のスピーカーとマイクを利用した不可聴音を組み合わせ、近接通信を確立する。Proximity APIとNearby Messagesで構成され、iOSとAndroidの両モバイル端末で、近くにいる人とのやりとりが容易に実現するという。最新の「Google Play services 7.8」にはNearby Message APIが含まれており、iOSとAndroid開発者はこれを利用してアプリを開発できるとしている。AndroidはGingerbread(Android 2.3)以上に対応する。Nearbyの利用にGoogle Accountは不要で、最初の呼び出し時に許可を求めるダイアログが表示されるとのことだ。Nearbyの事例として、音楽DJアプリ「Edijing」はDJが近くにいる人にトラックリストを配信できる機能を、タスク管理の「Trello」は近くにいる人と簡単にタスクを共有できる機能を、そしてポッドキャスト「Pocket Casts」は近くにいる人とポッドキャスト情報を共有できる機能を開発しているという。Googleはすでに「Chromecast」のGuest Mode、「Google Play Games」のNearby Players機能、「Google Tone」などの製品にNearby技術を組み込んでいるという。Googleは同日、Nearbyの土台となる独自開発のBluetooth Low Energy(BLE)ビーコン仕様「Eddystone」も発表している。米AppleのiBeacon対抗とも位置付けられており、Googleはこれをオープンソースとして公開、普及を広めていく狙いだ。
2015年07月15日ウエディング施設として人気の「アマンダンブルー鎌倉」(神奈川県鎌倉市材木座5-2-25)では、カジュアルフレンチやバーベキューを愉しめる、夏季限定のスペシャルサマーメニューを提供している。期間は8月31日まで、営業時間は11時から15時半(ラストオーダーは15時)。海外リゾートを思わせる洗練されたシーサイドテラスや、相模湾を一望する絶景ビューが魅力。湘南の空と海と一体になったような贅沢なスカイラウンジで、カジュアルフレンチを提供する。ランチメニューは「1プレートランチ」(2,800円)と「コース料理」(前菜・メイン・デザート・パン・コーヒーまたは紅茶、3,500円から)を用意。ランチメニューの他、きらめくプールサイドのテラスデッキを使った「BBQパーティプラン」(要予約・8名から可/6,000円から)を提供する。飲み放題(別途1,000円から)も愉しめるこのパーティプランで、この夏“大人のバーベキュー”を堪能してみては。※金額はすべて消費税・サービス料込み。問い合わせは0467-61-3232まで。
2015年07月12日東芝は6月18日、盗聴が理論上不可能な量子暗号通信システムにより、ゲノム解析データの通信を行う実証試験を8月31日から開始すると発表した。実データを用いた量子暗号通信システムの実証試験は、国内初となる。量子暗号通信は、光子の量子力学的な性質を利用する通信手段。通常の光通信では、大量の光子を使い1ビットのデータを送信しているため、いくつかの光子を盗まれても、盗聴に気づくことができない。量子暗号通信では、光子1個に1ビットのデータを載せて送るため、盗聴があると光子の状態が変化し、確実に盗聴を検知することが可能となる。盗聴されていないことが保証された暗号鍵を、次々に更新しながら暗号化することにより、通信データの盗聴は理論上不可能とされている。実証実験では、東芝ライフサイエンス解析センターにおいて、日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ」で解析したゲノム解析データを、量子暗号通信システムにより暗号化し、7km先の東北大学 東北メディカル・メガバンク機構まで送信する。実証期間は、2017年8月までの2年間で、長期間の運用における通信速度の安定性や天候、温度や光ファイバーの状態など環境条件の影響度などを検証する。
2015年06月18日STMicroelectronicsは、ソフトウェアを含むBluetooth Low Energy(BLE)対応無線通信ICを使用した音声送信ソリューションを開発したと発表した。同ソリューションで提供される新たなBlueVoiceソフトウェアには、 同社の32ビットマイコンである「STM32」や低消費電力ネットワークプロセッサ「BlueNRG」、MEMSマイクロフォンを活用したシステムにおいて、 BLEによる音声伝送に必要なドライバとライブラリがすべて用意されており、スタック可能な開発ボードと組み合わせることで、プロトタイプを簡単に制作することができるという。また、BlueVoiceを搭載したこの開発プラットフォームは、 MEMSマイクとモーション・センサを使用した音声・ジェスチャ制御機能の実装に最適化されており、 より直感的で自然なユーザー・インタフェースを実現することができるとする。さらに、STM32CubeプラットフォームをベースとしたosxBlueVoiceミドルウェアおよび「BlueVoiceLink Software Development Kit(SDK)」は、同社のMEMSデジタルマイクを用いた開発をサポートするopen.AUDIOライセンス・プログラムに含まれているほか、評価・開発用のBlueVoiceLink SDKは、同社Webサイトより無償ダウンロードが可能で、配布パッケージに含まれるライセンス・ウィザード・ツールを使用することで、 簡単にアクティベーションすることができるという。
2015年06月12日ADLINK Technologyは6月9日、極端な環境と屋外通信/ネットワーク・アプリケーション向けに設計された高性能モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)プラットフォーム「ETOS-1000」を発表した。同プラットフォームは、デュアルIntel Xeon E5-2400 v2ファミリプロセッサを採用しているため、通信機器メーカー(TEM)やアプリケーション・プロバイダはネットワークのエッジでデータ・センター・クラスのパフォーマンスを実現することが可能となる。また、データは携帯電話加入者に隣接するラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)環境のエッジで処理されるため、バックホール費用の削減ならびにインフラ効率の改善も可能になるという。さらに、340mm×440mm×44mmのサイズ(重量10kg)で、耐衝撃・振動性、-40℃~+55℃の動作時温度、IP65の防水・防塵規格などを備えており、屋外などの極端な環境にも対応することが可能だという。なおI/Oとしては、10/100/1000BASE-T×2、10G SFP+×2、オンボードブータブルSATAフラッシュ(32GB。オプションで256GBまで拡張可能)、2.5インチドライブベイ×2、USB 2.0×2、COMポート×1となっている。
2015年06月09日KDDI研究所は、60GHz帯とLTEが協調動作して、データ転送する新しい通信方式を開発した。同通信方式では、LTEの通信量を最大約90%削減でき、快適なネットワークを利用できるという。これまで60GHz帯の電波は、1Gps以上の広帯域の伝送路を提供できる一方、遠くまで電波が届きにくい性質を持っているため、移動通信サービスでの利用が難しいとされてきた。解決策として、LTEのような広域通信により補完する方法も考えられるが、現在インターネット接続に広く用いられているTCP/IP通信においては、通信を始める前の処理に時間がかかるため、高周波帯通信とLTEの切り替えに多くの時間を要し、継続的な通信ができないという課題があった。同研究所が新たに開発した通信方式では、LTEエリアであらかじめユーザーが到達するであろう60GHz帯を予測し、必要なコンテンツに先回りすることで、ユーザーが60GHz帯に入るとすぐにコンテンツのダウンロードを開始できる。必要なコンテンツの取得には、新しいネットワークアーキテクチャ技術として研究が進められている「CCN」技術を使用。同技術では、ネットワークが現在転送しているコンテンツを知ることができるほか、サーバーとの接続やネットワーク間での切り替えが不要であるため、60GHz帯とLTEとで最適なデータ転送を結合し、継続的な通信が可能となる。同研究所では、こうした新しい通信方式をLinux OSとAndroid OS上に実装し、動作させることに成功。実機を用いた実証実験では、LTEのみを使った場合と比較して、ダウンロード時間が5分の1以下にまで短縮したほか、LTEの通信量を最大90%削減することもできたという。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年05月25日