『きみと、波にのれたら』の湯浅政明が監督、「ピンポン」「鉄コン筋クリート」の松本大洋がキャラクター原案、「アンナチュラル」「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子が脚本を担当する長編アニメーション映画『犬王』の製作が決定した。後世日本の文学や演劇などに大きな影響を与えた軍記物の名作「平家物語」。その現代語訳を手掛けた古川日出男により「平家物語」に連なる物語として、南北朝~室町期に活躍し、世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王の実話をもとに新たに生まれた「平家物語 犬王の巻」をミュージカル・アニメーションとして映画化。犬王は、同時代を生きた観阿弥、世阿弥の父子と同様に三代将軍・足利義満の愛顧を受けて、むしろこの二者よりも贔屓にされていたと伝えられる。600年以上の歴史を誇り、現存する世界最古の舞台芸術と言われる “能楽”を題材とする本作の映像化にあたり、日本を代表するトップクリエイターたちが集結。監督を務めるのは、国内外から注目を集め、最新作『きみと、波にのれたら』が6月21日に公開されるアニメーション監督・湯浅政明。本作では自身初の“能楽”のアニメーション化に挑戦する。また、湯浅監督と「ピンポン THE ANIMATION」以来5年ぶり、2度目のタッグを組み、キャラクター原案を手掛けるのは6月12日より新連載「東京ヒゴロ」(ビッグコミックオリジナル/小学館)がスタートしたばかりの漫画家・松本大洋。原作「平家物語 犬王の巻」の装画を務めた松本氏が初めて小説原作のキャラクター原案となる。そして脚本には、数々のヒット作を世に送り出している野木亜紀子。ドラマ・映画と活躍し、今年、向田邦子賞(「獣になれない私たち」)、市川森一賞(「アンナチュラル」)をW受賞した彼女が自身初めてとなるアニメーション映画脚本に挑む。歴史に消えたポップスター・犬王が現代に再び姿を現すとき、どんな物語が謳われるのか。続報にも期待していて。原作・古川日出男コメント私が書いたのは芸能についての小説だ。芸能とは歌であり演奏であり、感情、感動である。私は文字だけでその物語化を成し遂げようと試みた。今回、それらは一冊の本の内側から解き放たれる。すなわち音が、声が、色彩が。それから感情が、もちろん感動が。その監督やその脚本家やそのキャラクターの設計家や、音楽家や、その他その他によって、それらはついに放たれるのだ。監督・湯浅政明コメント歴史にはわずかにしか書き記されていない、「犬王」という猿楽師を大胆に解釈された古川さんの物語。野木さんの脚本。松本さんのイメージ。・・・これは面白くなるしかないですね。楽しみにしててください!キャラクター原案・松本大洋コメント湯浅監督はじめ作品に関わる人間が楽しんで作ることができたら、きっとすごいアニメーションになると期待しています。僕も邪魔にならないように、少しでも力になれたら嬉しい。脚本・野木亜紀子コメント古川さんが著した『平家物語 犬王の巻』を読んだときの高揚と切なさをどう脚本に落としこむのか、地の文からどう世界をすくい上げるのか、難しくもやり甲斐のある仕事でした。アニメ表現は無限であり実写の何倍も出来上がりの予想がつきません。松本さんのキャラクターと湯浅監督が織りなす『犬王』がひたすらに楽しみです。映画『犬王』は2021年、公開予定。(text:cinemacafe.net)
2019年06月12日世界を魅了してきた湯浅政明監督最新作『きみと、波にのれたら』の公開を記念して、湯浅監督が手掛けた『夜明け告げるルーのうた』と『夜は短し歩けよ乙女』の2作品が2週連続で放送されることが決定した。◆『夜明け告げるルーのうた』(6月4日放送)2週連続で放送される今回。最初の週は、フランス・アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門でグランプリ(クリスタル賞)を受賞した『夜明け告げるルーのうた』(’17)を放送。寂れた漁港の町・日無町を舞台に、心を閉ざした中学生のカイが、人魚の少女・ルーとの出会いと交流を通して、本当の気持ちを伝えることの大切さを教えてくれる青春感動ストーリー。少女・ルーを谷花音が演じているほか、下田翔大、柄本明、斉藤壮馬、寿美菜子らが出演している。ストーリー寂れた漁港の町・日無町に住む中学生の少年・カイは、父親と日傘職人の祖父との3人で暮らしている。両親の離婚によって日無町に居を移したカイは、父や母に対する複雑な想いを口にできず、鬱屈した気持ちを抱えたまま学校生活にも後ろ向き。唯一の心の拠り所は、自ら作曲した音楽をネットにアップすることだった。ある日、クラスメイトの国夫と遊歩に、彼らが組んでいるバンド「セイレーン」に入らないかと誘われる。しぶしぶ練習場所である人魚島に行くと、人魚の少女・ルーが3人の前に現れた。楽しそうに歌い、無邪気に踊るルー。カイは、そんなルーと日々行動を共にすることで、少しずつ自分の気持ちを口に出せるようになっていく。しかし、古来より日無町では人魚は災いをもたらす存在。ふとしたことから、ルーと町の住人たちとの間に大きな溝が生まれてしまう――。◆『夜は短し歩けよ乙女』(6月11日放送)2週目は、第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞受賞作品『夜は短し歩けよ乙女』(’17)を放送。京都を舞台に描かれる、ちょっと風変わりな森見登美彦の同名ベストセラーを原作に、星野源(黒髪の乙女に焦がれる先輩役)、花澤香菜(黒髪の乙女役)、神谷浩史(学園祭事務局長役)、中井和哉(樋口師匠役)、秋山竜次(パンツ総番長役)ら最高のキャストでアニメーション映画化した。ストーリークラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は、今日も「なるべく彼女の目にとまる」ようナカメ作戦を実行する。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて…。京都の町で、個性豊かな仲間たちが次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆく。外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか――!?◆『きみと、波にのれたら』(6月21日公開)『夜明け告げるルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』を観たあとは、まもなく公開される湯浅監督最新作もチェック!湯浅監督待望の最新オリジナルアニメーション映画『きみと、波にのれたら』は、海辺の街を舞台に、消防士の青年・港とサーファーの大学生・ひな子との運命的な恋を描く感動青春ラブストーリー。港役は「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の片寄涼太、ひな子役は先日結婚・妊娠を発表した女優・川栄李奈が担当しているほか、松本穂香、伊藤健太郎と注目の若手俳優が声優参加。主題歌は「GENERATIONS from EXILE TRIBE」が担当しており、本作のために書き下ろされた「Brand New Story」も必聴だ。◆放送決定を記念して湯浅監督からコメント到着!『夜は短し歩けよ乙女』は少しお酒を飲みながら観たら楽しいかもしれません。『夜明け告げるルーのうた』は観終わるころにちょうど夜が明けますね。(笑)『きみと、波にのれたら』を観る前に是非楽しんでいただけたらと思います。(cinemacafe.net)■関連作品:夜は短し歩けよ乙女 2017年4月7日より全国にて公開© 森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会きみと、波にのれたら 2019年6月21日より全国にて公開©2019「きみと、波にのれたら」製作委員会
2019年05月30日『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』が国内外で高く評価された湯浅政明監督による最新アニメーション映画『きみと、波にのれたら』で片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)が声優初挑戦、アニメ初主演の川栄李奈とW主演を務めることになった。『映画 クレヨンしんちゃん』シリーズではキャラクターデザインなどを務め、長編アニメ初監督作『マインド・ゲーム』(’04)やテレビアニメ「四畳半神話大系」で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した湯浅監督。昨年は劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』で第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を、『夜明け告げるルーのうた』で仏・アヌシー国際アニメーション映画祭2017の長編コンペティション部門で見事グランプリにあたるクリスタル賞を受賞し、怒涛の勢いでその名を世界に轟かせた。■歌が物語のカギに!海辺が舞台のラブストーリーそんな湯浅監督のオリジナル劇場アニメーションとなる最新作は、“歌”が重要なカギになる海辺の街を舞台に描かれるラブストーリー。正義感が強い消防士の青年・港(みなと)を演じるのは、絶大な人気を誇るダンスボーカルグループ「GENERATIONS from EXILE TRIBE」ではボーカルを務める片寄涼太。現在は菅田将暉主演ドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」に生徒役で出演中、映画『兄に愛されすぎて困ってます』やドラマ・映画他ジャンルを超えた展開が話題の『PRINCE OF LEGEND』などで俳優としても活躍する片寄さんは本作が声優初挑戦。劇中で港は、サーファー・ひな子と恋人同士となるが、ある事故で命を落としてしまう。憔悴するひな子がある日、2人の思い出の歌を口ずさむと港が水の中から現れ…!初挑戦にして、命を落としてなお、恋人の前に現れ彼女を支えようという、かつてない複雑な役どころに挑む。ひな子を務めるのは、同じく「3年A組」で生徒役を務めているほか、昨年は主演映画『恋のしずく』、『センセイ君主』『人魚の眠る家』など話題作に続々出演した川栄李奈。さらに『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』にも起用され、劇場アニメで声優を務めるのは今回が4作目となるが、アニメーション映画としては初主演。その確かな演技力には、今回も大きな期待がかかっている。さらに、本作では“歌”が重要なキーとなっており、劇中では2人で歌うシーンも登場する。■片寄涼太体当たりの気持ちで声優初挑戦なので、体当たりの気持ちで、皆さんから一つ一つ学びながら、周りの皆さんと一緒になって雛罌粟(ひなげし)港という男を作り上げていけたらなと思いました。ラブストーリーではありますが、一人一人が成長していく部分もとても大事で、観てくださった方が勇気をもらって、背中を押されるような作品になればいいなと思います。■川栄李奈「なんか頑張ろう!」という気持ちになれる声のお仕事を頂くのは本当にありがたいことだなと思っています。アフレコは毎回すごく難しいなと思うので、今回も分量がすごい多いと言われていたのでちょっとドキドキしていました。本作はラブストーリーだけではなく、落ち込んでいる方だったり、元気がない方が「あ、なんか頑張ろう!」という気持ちになれる作品だと思うので、本当に色んな方に観てほしいなと思います。■湯浅政明監督バカップルと呼べるほどの愛らしい2人片寄さん演じるミナトを聴きながら画面を見てると、率直に「港が色男になった!」と感じ、川栄さん演じるヒナコを聞いていると「ひな子が等身大で魅力的な女性になった!」と思いました。2人が戯れに歌を口ずさむシーンでは「1人で映画館に来ると辛いのではないか」と思うほどのアツアツぶりが録れたので、ぜひ、このバカップルと呼べるほどの愛らしい2 人の恋を劇場に見に来て欲しいですね。■ストーリー大学入学を機に海辺の街へ越してきたひな子。サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、ひな子は消防士の港と出会い、2人は恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった2人だが、港は海の事故で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子が、ある日ふと2人の思い出の歌を口ずさむと、水の中から港が現れる。「ひな子のこと、ずっと助けるって約束したろ?」再び会えたことを喜ぶひな子だが…。2人はずっと一緒にいることができるのだろうか?港が再び姿を見せた本当の目的とは?『きみと、波にのれたら』は6月21日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年01月15日湯浅政明監督最新作、映画『きみと、波にのれたら』が、2019年6月21日(金)より全国ロードショー。アニメ『四畳半神話大系』にはじまり、2017年には『夜は短し歩けよ乙女』で日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞を受賞、『夜明け告げるルーのうた』でアヌシー国際アニメーション映画祭長編コンペティション部門クリスタル賞(グランプリ)を受賞した湯浅政明。『きみと、波にのれたら』は、2017年に怒涛の勢いでその名をとどろかせた湯浅政明による長編オリジナル最新作だ。女子大生と消防士のラブストーリー『きみと、波にのれたら』の主人公は向水ひな子。サーフィンが大好きでその腕前もかなりのもの。明るくあっけらかんとした性格だが、自分の未来については自信を持てずにいる。そんな彼女が、大学入学を機に海辺の街に引っ越した街で、消防士の港に出会い、恋に落ちることから物語は始まる。めでたく結ばれた2人だったが、ある日港は海の事故で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子が、ある日ふと二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中から港が現れる。「ひな子のこと、ずっと助けるって約束したろ?」再び会えたことを喜ぶひな子だが…。2人はずっと一緒にいることができるのだろうか?港が再び姿を見せた本当の目的とは?どこか共感できる純粋な主人公の気持ちを、そして2人の淡い恋を、湯浅政明作品ならではの鮮やかなアニメーションにのせていく。脚本は『聲の形』『若おかみは小学生!』の吉田玲子スタッフ陣は、湯浅政明監督作品での活躍が記憶に新しい豪華な面々が揃う。脚本は、『夜明け告げるルーのうた』をはじめ、『聲の形』『若おかみは小学生!』の吉田玲子が担当。音楽は、『夜は短し歩けよ乙女』や『リトルウィッチアカデミア』の大島ミチルが手掛ける。キャラクター紹介物語を彩る個性豊かなキャラクター達を紹介。GENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太や、『嘘を愛する女』『センセイ君主』に出演した川栄李奈など、豪華声優勢も合わせてチェックしてほしい。雛罌粟 港 (ひなげし みなと) - 声:片寄涼太消防士かつ、ひな子の恋人。正義感が強く仕事でも信頼されている。器用で何でもそつなくこなす。海の事故で命を落としてしまうが、ひな子の歌をきっかけに再び現れる。向水 ひな子 (むかいみず ひなこ) - 声:川栄李奈主人公の大学生。サーフィンが大好きでその腕前もかなりのもの。明るくあっけらかんとした性格だが、自分の未来については自信を持てずにいる。事故で失った恋人・港の姿を唯一みることが出来る人物でもある。雛罌粟 洋子(ひなげし ようこ) - 声:松本穂香港の妹で高校生 誰に対してもぶっきらぼうな態度を取る一方、兄を慕っている。川村 山葵 (かわむら わさび) - 声:伊藤健太郎新人消防士で港の後輩 人懐っこい性格だが、仕事では失敗ばかりを繰り返し、消防士としてはまだ半人前。主題歌にGENERATIONS from EXILE TRIBE主題歌はGENERATIONS from EXILE TRIBEが担当。映画のために書き下ろされた楽曲「Brand New Story」は、物語のキーともなる重要な役割を果たしている。片寄涼太×川栄李奈が2人で口ずさむ“胸キュン”シーンも劇中では、片寄涼太演じる港と川栄李奈担当のひな子が、2人でじゃれあいながら口ずさむ“胸キュン”シーンも登場。もともとは別々に収録されるはずだったが、「2人で歌った方が、より良い空気感を出せるのでは?」という片寄のアイディアによって、この場面の誕生に至った。完璧すぎないメロディや、照れ笑いを抑えながら歌っている2人の歌声は、まるで本物の恋人たちかのよう。背中を後押ししてくれる優しい歌詞、夏にぴったりな爽やかなメロディが、作品にドラマティックな彩りを与えてくれる。作品詳細『きみと、波にのれたら』公開時期:2019年6月21日(金)全国ロードショー監督:湯浅政明脚本:吉田玲子出演:片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎音楽:大島ミチル配給:東宝
2018年11月01日俳優・脚本家・演出家の宅間孝行が主宰するタクフェス。毎年秋に上演する人気の“切ないシリーズ”に『あいあい傘』が登場、10月5日(金)の埼玉でのプレビュー公演を皮切りに全国10か所で上演される。本作は2007年、宅間が自らの劇団、東京セレソンデラックスを率いて大阪に初登場した作品。25年ぶりにめぐりあった父と娘の、切なくも心にしみる5日間を描いた物語だ。今回は宅間の監督作第2弾として映画化もされ、舞台上演に先立って10月26日(金)に全国公開される。大阪で11年ぶりの再演となる舞台『あいあい傘』について、映画も交えた話を宅間に聞いた。タクフェス第6弾「あいあい傘」チケット情報「11年前にこの作品を初めて大阪にもってきて、そこから自分たちが大阪の人に受け入れられていったという歴史があります。当時は僕が結婚した節目のタイミングだったので、家族をテーマにあいあい傘を組み合わせて作りました。それからの11年で僕もいろんな経験をしてきたので、改めてこの作品に向き合うと非常に味わい深く感じますね」。初演を観た人も、10年を経て再び観る舞台は印象の違ったものとなるに違いない。今回の再演では、いつもは初演時の脚本にあまり手を入れない宅間が「こんなに大胆にリライトしたのは初めて」と言うぐらい書き直した。「当時、お客さんを号泣させるような脚本にしようと書いたんです。ただ、物語をドラマチックな展開で見せるのではなく、人との関わり合いや想い、そこにある人情の機微をクローズアップする作品は、舞台より映画に向いているのではと思っていて。でも今回、舞台用にリライトしたことで、俳優さんたちの演技次第で随分変わってくる、すごく芝居っぽい作品になりました。俳優さんたちに生き生きと演じてもらって、生で観ると、とても心地よく、味わい深い作品になるのではと思っています。初演より、ひとつステップアップしたかな」。出演は、星野真里、初舞台の鈴木紗理奈、9年ぶりの舞台となる川原亜矢子、永島敏行ら。映画と舞台は違ったキャスティングで楽しめる。「『あいあい傘』は、ひとりも悪人が出てこない作品で心に響く優しい物語です。関西では、映画を先に見てから舞台を観てほしい。でないと上映が終わっちゃうかもしれないから(笑)。同じ物語だけど、まったく同じじゃないんです。映画で「あれ?」と思ったことの答えが舞台で用意されていたり、舞台にない部分が映画では描かれていたり。両方観る楽しみ方もあると思う。舞台のほうは演劇が初めてという人にもすごく楽しめるんじゃないかな」。公演は10月5日(金)、埼玉・志木市民会館パルシティ ホールのプレビュー公演より全国巡演。大阪公演は11月30日(金)から12月4日(火)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。チケットは8月26日(日)一般発売開始。一般発売に先駆け、8月23日(木)23:59まで先行先着プリセールを実施中。取材・文:高橋晴代
2018年08月20日Netflixで配信されているアニメ『DEVILMAN(デビルマン) crybaby』の監督を務める湯浅政明氏が、19日放送のTBSラジオ番組『アフター6ジャンクション』(毎週月曜~毎週金曜 18:00~21:00)に出演することが決定した。湯浅政明氏 -TBSラジオ提供同番組はヒップホップグループ・RHYMESTERの宇多丸がパーソナリティを務め、TBSラジオで65年間続いた野球中継の歴史に幕を閉じたことで、新たにスタートした3時間の生放送ワイド番組だ。湯浅氏は20時台の特集コーナー「ビヨンド・ザ・カルチャー」の「デビルマンcrybabyと、川崎、そしてHIPHOPを繋ぐ線」特集に登場する。特集ではカルチャーの知識も豊富な宇多丸が独自の目線で、『DEVILMAN(デビルマン) crybaby』の舞台となった「川崎」、そして同作に登場する「日本語ラップ」に注目。これらを繋ぐと、どのようなメッセージが浮かび上がってくるのかを議論していく。湯浅氏の他にも、音楽ジャーナリストの磯部涼氏とマンガ研究者の岩下朋世氏も出演の予定だ。
2018年04月19日宅間孝行が仕掛ける極上のエンターテイメントプロジェクト「タクフェス」の第5弾『ひみつ』が、10月19日鹿児島公演を皮切りに全国10都市で上演中だ。タクフェス第5弾「ひみつ」チケット情報宅間の作・演出で4年ぶりの新作書き下ろしとなる本作は、“虹色渚ゴロ―”という姉弟漫才師の姉・渚(戸田)の人生を中心に描く、愛と涙の物語。キャストには、主演の戸田恵子をはじめ、松本利夫(EXILE)、福田沙紀ら豪華メンバーが顔を揃えた。稽古最終日に、稽古場にて宅間、武田航平、赤澤燈に話を聞いた。毎年秋に上演している「タクフェス」で久しぶりの新作。宅間は「初演なので、お客さんに観てもらうまでは心配でしょうがないんですけど」と前置きをしつつ、「今までやってきた中で、こんなにみんなが泣いている稽古場はないかもしれない。毎回、“泣ける作品”をつくっているのですが、今回はいつも以上です」と手応えを語る。いわゆる“感動もの”とは違うリアルさがあり、武田は「単に演劇をやるというだけではなく、社会に対する意識やあり方を考えるきっかけにもなりました。お客様にも劇場では面白く観てもらって、帰り道で本質的な部分について考えていただけたらと思います」と話す。と同時に赤澤が「ストーリーは泣けるのですが、僕は、お客様と僕等自身を楽しませるような笑いを提供できる役どころです。楽しみにしていただければと思います!」と言うように笑えるシーンも多く、宅間作品ならではの仕上がりだ。タクフェスへの出演は初となる武田と赤澤だが、「航平くんといつも『楽しい、楽しい』って言ってるんです」(赤澤)と稽古が楽しくて仕方ない様子。武田は「宅間さんは一生懸命やればちゃんと自分と向き合ってくださって。僕、こんな嬉しいことないです」と熱く語り、「『お客さんは高いチケット代を払って、忙しい時間を割いて劇場に来てくださるのだから、そのためにやるんだ』と言われたのも印象的でした。自分がどうとかじゃなくて、お客さんがどう思うかなんだという意識を学びました」と、気付きの多い現場なのだという。赤澤も「宅間さんに言われた『表現しようとするな』という言葉が心に残っています。怒っている人を怒っているように演じるな、というようなことなのですが、それは僕の今一番の課題になっていて。本当にたくさんのことを学んでいるので、次の現場での自分の変化も今すごく楽しみになっているんです」とワクワクした表情をみせた。熱い稽古を経て、現在全国を巡演中の本作。東京は10月31日(火)から11月12日(日)まで、サンシャイン劇場にて上演。取材・文中川實穗
2017年10月27日湯浅政明監督による長編アニメーション映画『夜明け告げるルーのうた』が、2017年5月19日(金)より、全国の劇場で公開される。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した『マインド・ゲーム』(04年)で、長編監督デビュー以降、圧倒的な独創性で国内外のファンを魅了してきた湯浅政明。星野源が声優を務める事でも話題を呼んだ映画『夜は短し歩けよ乙女』も手がけた彼による新作『夜明け告げるルーのうた』は、“本当の気持ちを伝えることの大切さ”を描いた完全オリジナルの劇場アニメーションだ。「心から好きなものを、口に出して『好き』と言えてますか」という湯浅監督が抱いた疑問から生まれた『夜明け告げるルーのうた』の舞台は、寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)。思春期特有の鬱屈した気持ちを抱えたまま日々を過ごす主人公の少年・カイを主人公に、彼の前に突如現れた人魚の少女・ルーとの交流が描かれる。声の出演は、可愛い人魚の少女・ルー役を谷花音、素直な本当の気持ち伝えることのできない少年カイ役を下田翔大、迫力あるルーの父親役を篠原信一がそれぞれ担当する。シンプルな“動く”喜びに満ちたアニメーションに定評のある湯浅作品だが、『夜明け告げるルーのうた』で合わせて注目したいのは、大野広司による背景美術。『AKIRA』(88年)、『魔女の宅急便』(89年)、近年では『おおかみこどもの雨と雪』(12年)など、数多くの名作で背景を手掛けている背景美術界の大御所だ。本作のポスタービジュアルでも、幻想的な背景美術で、作品のキーとなる少年・カイと人魚の少女・ルーが出会うドラマティックなシーンに華を添えている。さらに物語を盛り上げる主題歌として、斉藤和義による「歌うたいのバラッド」を採用。ビビットでポップな色彩とともに、エンディングまで心温まる映像を届ける。八景島シーパラダイスとコラボ!?横浜・八景島シーパラダイスでは、映画『夜明け告げるルーのうた』とのコラボイベントを2017年5月13日(土)より開催。『夜明け告げるルーのうた』のイメージアニメが「アクアミュージアム」の三角の大屋根に投影されるほか、世界観をイメージしたコラボ水槽などが登場し、人魚のルーが楽しく歌い踊り暮らす海の世界に浸ることができる。例えば、「アクアミュージアム」1階のウェルカム水槽では、人魚の少女ルーの住む海の世界を再現。アクアグリーンにきらめく海と、シーパラのキャラクターフィッシュでもあるキイロハギ、スミレナガハナダイなど、ビビッドな色彩の魚たちが来場者を迎えてくれる。さらに、映画のイメージソングとして採用されている「歌うたいのバラッド」や映画のサントラが、島内のBGMとして流れる。お台場でコラボレーションイルミネーションもお台場・デックス東京ビーチにて本作とコラボレーションしたイルミネーション「お台場イルミネーション“YAKEI”映画『夜明け告げるルーのうた』Ver.」が5月12日(金)から6月15日(木)までの期間限定で行われる。全長約200メートルにもわたる「樹木イルミネーション」では、1時間に2回、主題歌の斉藤和義の「歌うたいのバラッド」と連動した演出が行われる。約22万球の光で表現する全体の演出は、人魚の女の子・ルーが繰り出す「水の魔法」をイメージ。音と光で幻想的に映画の世界を演出する。人の動きを感知し映像に反映する体感型イルミネーション「イリュージョンドーム」も。1時間に2回、映画の予告編が放映される。湯浅政明×ねむようこ原画展また、本作の原画展も東京・中野で開催。会場では、湯浅監督の手描きのイメージボードや、キャラクター原案・ねむようこのキャラクター原案イラストなど、作品をより楽しめる本展限定公開の貴重な資料を公開。また、原案イラストを使用したグッズをはじめ映画のグッズも先行販売される。ストーリー・あらすじ寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)に住む中学生の少年・カイは、父親と日傘職人の祖父との3人で暮らしている。もともとは東京に住んでいたが、両親の離婚によって父と母の故郷である日無町に居を移したのだ。父や母に対する複雑な想いを口にできず、鬱屈した気持ちを抱えたまま学校生活にも後ろ向きのカイ。唯一の心の拠り所は、自ら作曲した音楽をネットにアップすることだった。ある日、クラスメイトの国男と遊歩に、彼らが組んでいるバンド「セイレーン」に入らないかと誘われる。しぶしぶ練習場所である人魚島に行くと、人魚の少女・ルーが3人の前に現れた。楽しそうに歌い、無邪気に踊るルー。カイは、そんなルーと日々行動を共にすることで、少しずつ自分の気持ちを口に出せるようになっていく。しかし、古来より日無町では、人魚は災いをもたらす存在。ふとしたことから、ルーと町の住人たちとの間に大きな溝が生まれてしまう。そして訪れる町の危機。カイは心からの叫びで町を救うことができるのだろうか?作品情報映画『夜明け告げるルーのうた』公開日:2017年5月19日(金)キャスト:谷花音(ルー)、下田翔大(カイ)、篠原信一(ルーのパパ)、柄本明(じいさん)、斉藤壮馬(国夫)、寿美菜子(遊歩)、千鳥・大悟(江曽島)、千鳥・ノブ(千鳥)(髭の漁師)監督:湯浅政明脚本:吉田玲子 湯浅政明音楽:村松崇継主題歌:「歌うたいのバラッド」斉藤和義(SPEEDSTAR RECORDS)キャラクターデザイン原案:ねむようこキャラクターデザイン/作画監督:伊東伸高美術監督:大野広司フラッシュアニメーション:アベル・ゴンゴラ ホアンマヌエル・ラグナ撮影監督:バティスト・ペロン©2017ルー製作委員会【イルミネーション詳細】お台場イルミネーション“YAKEI”映画『夜明け告げるルーのうた』Ver.期間:2017年5月12日(金)~6月15日(木)会場:デックス東京ビーチ3階シーサイドデッキ住所:東京都港区台場1丁目6−1点灯時間:19:00~24:00※変更となる場合あり■樹木イルミネーションと映画主題歌「歌うたいのバラッド」との連動演出19:00~21:30の間で毎時00分、30分スタート■イリュージョンドーム 予告編上映19:15~21:15の間で毎時15分、45分スタート問い合わせ先:03-3599-6500【『夜明け告げるルーのうた』湯浅政明×ねむようこ原画展】開催期間:2017年5月11日(木)〜23日(火) ※水曜定休会場:pixiv Zingaro住所:東京都中野区中野5−52−15中野ブロードウェイ 2F時間:12:00〜19:00入場:無料
2017年02月17日宅間孝行主宰・タクフェスの新シリーズ第一作目『わらいのまち』が、2017年3・4月に上演される。作・演出で長男役も務める宅間、次男役の永井大、三男役の柄本時生に話を聞いた。タクフェス 春のコメディ祭!『わらいのまち』チケット情報本作は、「タクフェス春のコメディ祭!」シリーズの第1作目。「1997年に劇団を旗揚げして、来年12月で20年になるんです。20年間お客様に支えられてなんとかやってきた身からすると、もう少し感謝の気持ちを形にしたい」(宅間)と、シリーズを立ち上げた。今後、秋は切ない系、春はコメディを毎年上演する。そして今回は、2011年に宅間主宰の東京セレソンデラックス(2012年解散)で上演した『わらいのまち』の再演。寂れた田舎町の寂れた温泉旅館を舞台にしたシチュエーションコメディで、<暗転なし・転換なし・ノンストップ>という宅間の一幕モノの原点となった作品でもある。永井と柄本の印象を聞いてみると「大は以前うちに一本(『夕』/2008年)出てて、それが初舞台だったんですね。お世辞抜きにすごくよかったので、もう一回一緒にやりたいなって思っていて。この役、ぴったんこなんじゃないのって。時生くんは今回初めてなんですけど、顔が並んでるだけで『面白いことが起きるんじゃないか』って感じさせる人がよくて。まさにドンピシャ。すごく楽しみです」。それに対して永井は「コメディをあまりやったことがないので、いろんなところで使える引き出しを宅間さんに教えていただきたいです!」。柄本は「僕も、舞台でど真ん中のコメディってやったことなくて。自分でもどうなるかわからないから楽しみ。頑張りたいです」。宅間作品2作目の永井は稽古場について「すごく体育会系。ピリピリした空気や、和らいだ空気、みんなのチームワーク…メリハリがあって好きな場所です」。それを聞いて柄本は「楽しいだけで終わらない、そういう感じがないと稽古って面白くない。やってるときは泣きたくなると思うけど(笑)、結局はいいことがあるんだと思います」。また、唯一初演から出演する柴田理恵について宅間は「この公演直後に(柴田が所属する)WAHAHA本舗の公演があるんですけど、柴田さんが『この役は絶対やりたいんだ』って言ってくれて。嬉しかったですね。ただし、WAHAHA本舗で毎回柴田さんが作るコーナーを俺が考えるんだったら、って(笑)」と、意外な展開も!宅間が「初演を上演したシアタークリエのプロデューサー曰く『クリエ史上一番笑いを取った』作品です。ぜひこの機会を逃さずに劇場に参加しに来てください!」と意気込む公演は、2017年3月30日(木)から4月12日(水)まで東京グローブ座にて。その後、名古屋、兵庫を巡演。取材・文:中川實穗
2016年11月24日2004年に東京セレソンデラックスで初演され、テレビドラマにもなった『歌姫』が、その作者・宅間孝行自身によって蘇る。宅間が仕掛けるエンターテインメントプロジェクト“タクフェス”の第4回作品として上演される今回は、ヒロインにAKB48の入山杏奈が決定。これが初舞台となる入山を迎え、脚本・演出・主演を担う宅間は何を狙うのか。タクフェス第4弾『歌姫』チケット情報宅間が9年ぶりに『歌姫』の上演を決めたのは、昨年の劇団EXILE版を観たのがきっかけだ。「観客として客観的に観て、今でも充分に通用するなと思ったんです。むしろ、自分の作品のなかでは反戦のメッセージもあるものなので、今の時代にこそ合っているんじゃないかと。といっても、決して堅苦しい作品ではないので、テーマは根底にありながら、最高のエンターテインメントを作ることができるんじゃないかと思ってるんですね」。そして、戦後のドサクサで記憶喪失になった男と、彼を愛する女性の純愛物語を描くにあたって、明るく元気はつらつなヒロインに抜擢したのが入山だ。「これを決定版にしたいなと思ったときに、あまり色がついていない新鮮な人とやったほうがいいと思った」と宅間はいう。また何より、普段の入山に、役とは正反対の静かで大人っぽいイメージがあることも大きかった。「これまでにない彼女を見せられたら、ファンの方も含め、みんながびっくりして面白がってくれるんじゃないかなと思うんです」。入山自身も宅間の思いは心得ている。「自分とは違う役だからこそ、やってみたいと思いました。初めての舞台は怖いですけど、20歳になったので、これまで経験したことのないものにチャレンジしていきたいと思っているんです」。演技はドラマや映画で経験済み。「“もっとこうすればよかった”と思って毎日つらかったです(笑)。でも、だからこそ生きてるっていう感じがしたので。もっともっと突き詰めていきたいと思います」と意欲的だ。その熱意には宅間も「最終的には、お客さんのためにどれだけ妥協せずに向き合うかということが大事になってくるので、その気持ちがあれば大丈夫」と太鼓判を押す。その観客のためには、宅間は「お客さんが芝居の当事者になれるような仕掛けを考えている」そうだ。そもそも宅間曰く、アホなキャラクターが満載の「動物園のような」芝居である。入山も「身を預けて今まで開けたことのない扉を開ければ」とコミカルな芝居を予感させる。楽しませることが第一目的の“タクフェス”ならではの傑作になるはずだ。公演は10月5日(水)からの東京公演のほか、今年9月~11月に全国6都市をめぐる。東京公演のチケットは明日6月21日(火)午前11時まで抽選先行プレリザーブを受付中。取材・文:大内弓子
2016年06月20日AbemaTV FRESH!&ニコニコ生放送で隔週木曜日に放送されている「アニメぴあちゃんねる」。5月19日(木)のゲストに千菅春香、湯浅かえで、中西優香が出演する。千菅春香は前半に出演。先月シングル『愛の詩-words of love-』をリリース。同曲はTVアニメ『学園都市アスタリスク』のエンディングテーマとなっている。番組では、彼女の歴史を写真で振り返る。地元である盛岡でどんな学生生活を送り、歌手を目指すに至ったのかをトーク。更に最近こだわりを持って集め始めた「一生使える物」を披露する。一体彼女が集めているものは何なのか。放送で確認しよう。湯浅かえで、中西優香はペアで番組後半に登場。湯浅かえでは、自他共に認める「アイドル好き」。そんな「アイドル好き」の湯浅かえで自慢のアイドルグッズの写真を公開、スタジオにもその一部を持って来てもらい披露してもらう。同番組の出演が2度目となる中西優香は、以前出演したときにタカオユキの手作り弁当「タカ弁」に「-100万点」という評価を下したが、今回の弁当にはどんな評価をくだすのか。会員放送では、湯浅かえでの幼少期から成人式、養成所時代の写真を公開。また、湯浅と中西が、番組にレギュラー出演中の秦佐和子と遊んだ際のプライベート写真を公開。一方、同じくレギュラー出演中のタカオユキと前田玲奈も秦佐和子と仲良く、番組はもちろん、プライベートも遊ぶ仲。そこで、ゲストチームとレギュラーチームに別れ、どちらが秦佐和子と仲が良いのかをクイズ形式で競う企画「クイズ秦佐和子」を行う。なお、番組出演に際し行った事前インタビューの様子を、アニメぴあちゃんねるブロマガに掲載中。気になる方はご確認を。「アニメぴあちゃんねる」は、ニコニコ生放送に加え、Abema TV FRESH!でも同時生放送をしている。20時からはAbema TV FRESH!のみ、20時30分からはAbema TVFRESH!とニコニコ生放送、21時30分からはニコニコ生放送のみで放送する。■アニメぴあちゃんねる日時:5月19日(木)午後8時~午後10時20:00~20:30「AbemaTV FRESH!」のみ20:30~21:30「AbemaTV FRESH!」と「ニコニコ生放送」21:30~22:00「ニコニコ生放送」のみ(アニメぴあちゃんねる会員放送)出演:前田玲奈 / 秦佐和子 / タカオユキ / 美濃部達宏ゲスト: 千菅春香 / 湯浅かえで / 中西優香
2016年05月18日インターネットを通して研究者に直接資金提供を行うだけでなく、情報やマンパワーの提供、さらには研究者同士のコラボレーションを促し、“第二次オープンサイエンス革命”を起こしたい――こう語るのは、学術研究に特化したクラウドファンディングサイト「academist」を運営するアカデミスト 代表取締役の柴藤亮介氏だ。「オープンサイエンス」とは、書籍『オープンサイエンス革命(紀伊國屋書店)』において理論物理学者であるマイケル・ニールセン氏が提唱したもので、インターネットやオンラインツールなどの活用により、研究の過程で得られた情報や知識を共有することで科学を発展させていく試みのことをいう。同書のなかでニールセン氏は、資金提供を行うパトロンたちが17世紀に科学論文という文化を作ったことで「第一次オープンサイエンス革命」が生じたとしている。「インターネット技術が発達した現在は、第二次オープンサイエンス革命の時期。研究成果をオープンにすることが“第一次”であるのなら、“第二次”では科学研究のアイディアやプロセス自体をオープンにしていきたい」(柴藤氏)しかしながら閉鎖的なイメージのある学術界で、果たして柴藤氏の言う「第二次オープンサイエンス革命」を起こすことはできるのだろうか。11月14日に行われた「サイエンスアゴラ 2015」内のトークイベント「オープンサイエンス革命 ~オンライン・コラボレーションによる研究推進の可能性~」では、さまざまな分野の若手研究者たちがオープンサイエンスの可能性について議論した。○オンラインコラボレーションで一般市民でも研究に参加できる慶應義塾大学 先端生命科学研究所の特任講師 堀川大樹氏は「クマムシ博士」として知られており、書籍・有料メルマガの執筆やグッズ販売などで得られた資金をもとに、極限環境への耐性を持つ生物「クマムシ」の研究を行っている。研究においては、とにかくクマムシの数が必要だというが、その飼育には手間が掛かる。そこで堀川氏は学校や科学教育機関などとコラボレーションを行い、理科教育の一環としてクマムシの飼育観察をしつつ、その数を増やしてもらうという取り組みを提案した。クマムシの飼育にはある程度の技術が必要となるため、堀川氏はそのノウハウを提供するというわけだ。研究者と教育機関とのコラボレーションは、比較的多くの分野の研究で実践できるものではないだろうか。またクマムシを「増やす」手伝いだけでなく、「発見する」手伝いもできる。「クマムシ学会最大の謎」であるという「オンセンクマムシ」は、1937年に長崎県・雲仙で発見されたといわれているが、標本がなく、さらに発見場所の温泉が干上がってしまい、いまだ再発見できていないという。そこで堀川氏は「ボランティアを募ってオンセンクマムシを探すミッションをできないか」と提案。たとえば、クラウドファンディングの見返りとしてこのミッションへの参加権を提供すれば、マンパワーも研究資金も得られる一石二鳥の取り組みとなる。同じ生物学分野でのオープンサイエンスの事例として、京都大学大学院農学研究科 博士課程の末広亘氏は、アリ研究における取り組みを紹介した。アリは日本だけでも約300種が存在しているうえに、どこにどの種類のアリがいるかはわからない。研究者だけで完全なモニタリングを行うことは不可能だといえる。そこで解決策となるのが、オンライン上での一般市民の研究参加だ。アメリカではすでに成功事例があり、一般市民の協力によって1年半のあいだに全米500地点で107種類のアリを見つけることができたという。アメリカに侵入した外来種「オオハリアリ」の侵略メカニズムを研究する末広氏は「自分は3年間のうち40カ所でしか調査できていないので、これはすごい数だ」と評価する。研究手法を統一させて即座に情報共有できるのは、オンラインでしかありえない。現在は研究者がそれぞれに情報共有のプラットフォームを作っているが、末広氏は「さまざまな分野で共通のプラットフォームがあれば、よりオープンサイエンスの試みが促進されるのでは」と、一般市民と研究者のオンラインコラボレーションにおける今後の課題をあげていた。生物系だけでなく、宇宙物理の分野にも一般市民のオンラインコラボレーション事例がある。理化学研究所 基礎科学特別研究員の湯浅孝行氏は、『オープンサイエンス革命』でも取り上げらている「Galaxy Zoo」の事例を紹介した。Galaxy Zooは、一般市民がWebブラウザ上で銀河の形状を分類できるサービスだ。このサイトからはすでに、48本もの論文が出版されているという。また、ここから発展したサービス「Zooniverse」では、野生生物や化石、惑星調査に対し、100万人以上の市民が参加している。また湯浅氏は自身でも、オンラインコラボレーションの場を提供する。後述するように湯浅氏は、雷雲におけるガンマ線放射現象のメカニズムを解明したいと、研究費のクラウドファンディングを行った。この研究に対して我々一般市民は、研究資金の提供という形だけでなく、マンパワーという形で協力することができる。具体的には、Webブラウザ上に表示されたある時間帯のガンマ線の検出データを見て、ユーザーが数値の増えている部分の判別を行うというものだ。この判別結果と、同じ時間帯の雷雲の様子を見比べ、湯浅氏らはその関係性を調査する。同サイトは2015年度末に公開することを目標に開発されているという。○クラウドファンディングで得られるのは研究資金だけではない!?湯浅氏とともにクラウドファンディングにチャレンジした京都大学 白眉センター 理学研究科 特定准教授の榎戸輝揚氏は普段、宇宙X線望遠鏡による天体の研究を行っているが、修士課程の学生のころには雷雲から発生するガンマ線を手作りの検出装置で検出するという研究で論文を執筆した。この装置を再び活用し、ガンマ線と雷雲がどういう相互作用をするか調査したいと数年前に科研費に応募したが、残念ながら採用されなかった。このとき、知り合いの研究者からacademistを紹介され、研究費クラウドファンディングへのチャレンジを決意したという。結果としては、目標金額の160%となる約160万円を集めた。これは、academist史上最高の達成率となっている。しかし得られたものは、研究資金だけではなかった。検出装置の設置に適した金沢の大学や高校から「うちの学校に検出装置を設置してはどうか」というメッセージがきたというのだ。現在、榎戸氏らは合計4校と具体的な話を進めている。さらに榎戸氏は「研究者たちでスタートアップをやっているような感覚にワクワクした。研究費としては微量かもしれないが、直接応援をもらうことで研究費の大切さを肌で感じ、研究の推進力をもらうことができた」とコメントした。クラウドファンディングは資金だけでなく、多くの“副産物”を生んでいることが伺える事例だ。○オープン化が進む情報科学分野特有の文化とはソースコードを公開し、プログラマやエンジニアたちが共同でソフトウェアを開発していく「オープンソースソフトウェア(OSS)」の文化が根付いている情報科学分野。最近ではコラボレーションツール「GitHub」を利用したソフトウェア開発が主流になっており、オンラインコラボレーションの流れはますます加速している。湯村翼氏は、情報通信研究機構に技術員として勤務しながら北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科にて研究を行っている、いわゆる社会人学生だ。もともと大学では宇宙プラズマの研究をしていたが、就職後に情報科学の分野へ進み、AR(Augmented Reality:拡張現実)の技術開発や、ホームネットワークの研究を行ってきた。ITエンジニアたちのあいだでは知識やノウハウ共有のために、カンファレンス、勉強会、ハッカソンなどが頻繁に行われており、日によっては1日に全国で40件以上開催されていることもある。自分のソースコードやノウハウをオープンにしてしまうというと、他分野の研究者は抵抗を感じてしまうかもしれない。これについて湯村氏は「情報科学の分野では、誰かが作ったものをもう一度作る『車輪の再開発』をなるべく行わないようにするという文化があるためでは」と分析する。さらに同分野では、Youtubeなどの動画サービスが研究者の発表の場になりつつある。国際会議の投稿時に義務付けられたり、査読対象になったりすることもあるという。湯村氏自身も、動画での研究発表を推奨する「ニコニコ学会β」を運営。なかでも「研究してみたマッドネス」は、誰にでもオープンな「ユーザー参加型研究」を実践することを目的としたセッションで、インターネット上で活動しているアマチュアの研究者と、ビジネスやアカデミアで活躍するプロの研究者とが一緒になって発表し、討議を行う。ユーザー参加型研究の世界を湯村氏自らが作り上げているのだ。個人PCのスペックが向上し、またAWS(Amazon Web Services)などのクラウドサービスにより高性能なリソースを手軽に利用することが可能になってきたため、最近ではコンピュータひとつあればさまざまなことができるようになってきた。「情報科学の分野では、オープンサイエンスがより進みやすくなってきている」(湯村氏)***研究費クラウドファンディングや、研究者と一般市民のコラボレーションは、科学コミュニケーションとしての意義もある。まだまだ課題は多いが、まずは情報科学分野における豊富なオンラインコラボレーションの事例を他分野へ展開していくことが今後、第二次オープンサイエンス革命を起こすためのヒントを見出す鍵となるのではないだろうか――第一線で活躍する若手研究者たちの熱いトークセッションを聞き、そう感じた。
2015年11月19日俳優・脚本家の宅間孝行が主宰し、今年末での解散を発表している東京セレソンデラックス。番外公演として4月3日(火)より東京・中野ザ・ポケットにて『ピリオド』を再演する。東京セレソンデラックスの舞台は毎回、多くのキャストがオーディションで選ばれており、今回も初参加のキャストが半数ほどを占める。本番直前の3月下旬、都内の稽古場を訪ねた。東京セレソンデラックス2012年番外公演『ピリオド』チケット情報これまで切ない作品を数多く上演してきた東京セレソンデラックスにとって、笑えるが切なくもある『ピリオド』はまさに王道作品。今秋に予定している解散前の最後の本公演はコメディ作品であるため、このタイプの物語を見られるのは今回が最後。「小さな劇場で上演することを逆手にとって作った物語」と宅間が語るように、笑いがありながらもサスペンス調に進む芝居の中には、大きな舞台では聞こえない小さな声や、表情が見えないとわからない細かい演技も多い。稽古場に入ると、序盤の各シーンに宅間が細かく演出をつけているところだった。一昨日に初の通し稽古を終え、完成度としてはまだ半分程度。宅間からはセリフや演技について「自分がそういうとき、具体的にどうするの?」「気持ちがないよ!」など、真剣な雰囲気でひとつひとつ演出がつけられていく。感情を高ぶらせる場面を何度もやり直ししている役者には「自己批判はしないでね」と一言ブレイクする場面も。言葉でうまく伝わらないときには、実際に宅間自身が演じてみせる。その瞬間にメンバー全員の腑に落ちて、演出イメージを共有できていたのはさすが俳優・宅間孝行。宅間が今回の作品でこだわっているのは、そのときの役の気持ちだ。「最近、いろいろな演出をしてきて、あまりに多くの役者が、自分のセリフをどう言うか?ばかりに頭がいってしまっていることに気がついたんです。でも実はお客さんが見ているのは、どういうキャラクターの人がどういう感情でここにいるのか?という感情の機微の部分。稽古でもセリフを捨てろと言っています」。今回のオーディションでもその点を重視し、「役の気持ちを感じとってアプローチできそうな人を選びました。芝居はもちろん上手いに越したことはないんですけど、高校野球が人気あるみたいに、テクニックを凌駕する心を動かすものが芝居にもあります。役者が本当にワクワクしてるんだろうなっていうのが透けてみえると、演技がたとえ下手でも一緒にワクワクしてしまいますよね」。残りわずかな稽古期間ではあるが「そのときの気持ちは何?」と、役者ひとりひとりに問いかけ自分で考えさせる宅間。それぞれの役者がどのように解釈するかで、初演とはまったく違う『ピリオド』を見ることができそうだ。東京公演は4月15日(日)まで。その後、4月20日(金)に三重・四日市市文化会館第1ホールにて上演。 チケット発売中。取材・文:大林計隆
2012年03月30日