アジア最大級の映画の祭典、第17回釜山国際映画祭が4日(現地時間)、韓国・釜山市で開幕した。釜山市海雲台センタムシティに昨年、オープンした映画祭専用施設“映画の殿堂”で行われた開幕式には、アジアを代表するスターが続々と登場。現在、『王になった男』が韓国で大ヒット中のイ・ビョンホンを始め、オ・ジホ、ユ・ジテ&キム・ヒョジン夫妻、チソン、イ・ジェフン、ムン・グニョン、除隊したばかりのキム・ナムギル、「JYJ」のジェジュンら韓流スターに加え、オープニング作品に選ばれた香港の大作サスペンス映画『COLD WAR』(原題)の主演レオン・カーファイ、アーロン・クォックが、レッドカーペットを華やかに飾った。日本からは『るろうに剣心』の佐藤健、『ライク・サムワン・イン・ラブ』の加瀬亮と高梨臨、『かぞくのくに』の井浦新らが出席。大会場の外まで埋め尽くすファンからの歓声に、みな、顔をほころばせていた。特にレッドカーペット前に詰めかけたファンの熱狂ぶりはすさまじく、一時は警察と揉み合いになるほどの加熱ぶりだった。開幕式の司会は例年、韓国の人気俳優や監督が務めるが、今年は初めて『ラスト、コーション』、『レイトオータム』で知られる中国の女優タン・ウェイが、韓国を代表する名優アン・ソンギと共に大役を果たした。またセレモニーでは、「アジアン・フィルムメーカー・オブ・ジ・イヤー」に選ばれた、日本の若松孝二監督の表彰も行われ、さらにニューカレント部門審査員を務める、チョン・ウソンと日本からは女流監督・河瀬直美も出席した。13日までの期間中、チャン・ドンゴン、チャン・ツィイー、ソ・ジソブ、チョン・ジヒョンらアジアが誇る人気スターが続々と登場するほか、「東方神起」や「江南スタイル」が世界中でヒットしているPSYのイベントも予定されており、例年以上の盛り上がりとなりそうだ。第17回釜山国際映画祭は10月13日(現地時間)まで開催。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:王になった男 2013年2月、全国にて公開© 2012 CJ E&M Corporation, All Rights Reservedかぞくのくに 2012年8月4日より東京・テアトル新宿、大阪・テアトル梅田ほか全国にて公開© 2011 Star Sands, Inc.ライク・サムワン・イン・ラブ 2012年9月、渋谷・ユーロスペースにて公開るろうに剣心 2012年8月25日より全国にて公開© 和月伸宏/集英社© 2012「るろうに剣心」製作委員会第17回釜山国際映画祭 [映画祭] 2012年10月4日から10月13日まで韓国・釜山にて開催
2012年10月05日本日(現地時間)、今年も韓国最大の映画の祭典「釜山国際映画祭」が幕を開けた。チャン・ドンゴンやソ・ジソブ、タン・ウェイにチャン・ツィイーとアジア圏を代表するトップスターたちが数多く参加することで注目を集めている本映画祭。今年は、『G.I.ジョー』シリーズや『RED/レッド』の続編など、ハリウッド映画への出演でいまや国際的スターとなったイ・ビョンホンも、主演を務めた歴史大作『王になった男』を引っさげ現地入りを果たしているようだ。1616年、朝鮮第十五代王・光海君(クァンヘグン)。道化師・ハソンは、権力争いのため毒殺の危機に怯える光海と瓜二つという理由から、彼の影武者を務めることに。ハソンを王に仕立て上げる重臣たち、王を偽物ではないかと疑う家臣たち、そして心が通い合わなくなっていた王の突然の変化に戸惑う王妃。さまざまな人間関係が複雑に絡み合う宮中で、平民出身のハソンは戸惑いながらも、次第に民のことを考える“真の王”として頭角を現していく――。韓国ドラマの中でも、「トンイ」や「イ・サン」、「宮廷女官チャングムの誓い」など、日本でも人気を集めている時代劇だが、『王になった男』は人気・実力を兼ね備え、これまで数々の作品に出演したきたビョンホンが初めて時代劇挑んだ注目作だ。さらに、暴君・光海と道化師・ハソンの一人二役にも挑戦し、まったく性格の異なる役を完璧に演じ分けている。脚本は『オールド・ボーイ』のファン・ジュエン、監督は『麻婆島(マバド)』、『あなたを愛しています』のチュ・チャンミンが手がける。絢爛豪華な王朝時代を背景に、歴史から消された15日間に“王となった男”を緻密な構成とドラマチックな展開で描く本作。すでに公開を迎えている本国・韓国では絶賛を浴びており、現在、参加中の釜山国際映画祭では胸を張っての凱旋となりそうだ。ビョンホンは10月6日(現地時間)の夕方から行われるトークショー、同日夜のオープントークに出席する予定だという。『王になった男』は、2013年2月、全国にて公開。■関連作品:王になった男 2013年2月、全国にて公開2012 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved
2012年10月04日第37回トロント国際映画祭ではコンテンポラリー・ワールドシネマ部門に選出され、同映画祭を沸かせた内田けんじ監督最新作『鍵泥棒のメソッド』が、11月8日(現地時間)より開催される“台湾版アカデミー賞”と呼ばれる第49回台北金馬奨映画祭パノラマ部門に出品されることが決定した。ある日、銭湯で転倒し記憶を失った伝説の殺し屋と、ひとりの売れない貧乏役者、2人の男の人生が入れ替わるところから始まる予想不可能なストーリーが、絶妙な笑いを生み出す本作。上海、香港、マレーシアの映画祭ですでに上映され、アジア全土で高い評価を得ている本作だが、先日行われたトロント国際映画祭でも大絶賛を受け、米「Variety」誌では「3人のキャラクターを注意深く重ね合わせ、それを運命的な出来事に向かわせる練りに錬ったチェスを動かしているような構造ができている」とベタ褒め!「上海国際映画祭で脚本賞も受賞しており、ほかのテリトリーでのセールスを感じられる」とも同誌に書かれている通り、北米、ドイツ、アジア各国から問い合わせが殺到しているようだ。今後は、バンクーバー国際映画祭、ハワイ国際映画祭、シドニー・メルボルン日本映画祭、フランス・パリのKINOTAYO映画祭と海外映画祭での上映が相次ぐ。日本ではすでに公開を迎えているが、今回の出品決定のニュースを受け、さらなる注目が集まることは間違いなさそうだ。『鍵泥棒のメソッド』は全国にて公開中。■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月24日今年で25回目を迎える東京国際映画祭(以下、TIFF)の記者会見が、9月20日(木)、東京・六本木で行われ、上映作品の選定に携わった代表の矢田部吉彦やチェアマンの依田巽らTIFF関係者に加え、今年のアンバサダーに就任した女優・前田敦子、コンペティション部門に出品することとなった映画監督・松江哲明が出席した。毎年、ハリウッドスターや著名な監督たちが国内外から数多く参加し、大きな盛り上がりを見せるアジア最大級の映画の祭典である本映画祭。この日、前田さんは「AKB48」を卒業し、アイドルではなく女優として登壇。「25回目の開催、本当におめでとうございます。今回、TIFFアンバサダーに選んで頂いて、とっても嬉しいです。でもとっても緊張しています」と、映画祭の“顔”となった胸の内を明かした。「本当に映画が大好きで、映画館に1人で行ったり、DVDを借りて家で見たりしてます。映画館に行ったら、隣にいるかも(笑)」と“会いに行ける女優”であると明かし報道陣を沸かせた。さらに、今後どんな“女優”になりたいかとMCに問われると、「いま、素敵なスタートラインに立たせて頂いていると思います。(人々に)求められる女優になりたいです」と意気込みを語った。今年は世界中から、映画祭史上最多となる1,332本もの中から選ばれた作品がコンペティション部門で上映される。昨年、同映画祭の「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞した『トーキョードリフター』の松江哲明監督は、今回『フラッシュバックメモリーズ 3D』でコンペティション部門への出品となったが「昨年からの流れがあって、コンペに出させて頂けたので、非常に嬉しいです」と感激を隠せない様子。そのほかにも、『きみに読む物語』などで知られるニック・カサヴェテス監督の新作『イエロー』など、例年以上にバラエティーに富んだラインナップ。この日の会見では、今年のオープニング作品に決定した『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』で製作総指揮を務めたジェームズ・キャメロン監督からのメッセージも上映。「『タイタニック』が映画祭で上映されてから15年。東京国際映画祭とは、『タイタニック』、『アバター』と長年深いご縁があります。きっと今回の作品もみなさんに夢中になってもらえるはずです」と自信をうかがわせるコメント。また、クロージング作品となるクリント・イーストウッド主演作『人生の特等席』や、特別オープニング作品としてオスカー受賞監督のリドリー・スコットが製作総指揮を務め、東日本大震災から1年たった2012年3月11日の日常の投稿映像を繋いで製作された映画『JAPAN IN A DAY』の上映に加え、この日新たに、生誕50周年となる『007』シリーズの最新作『007スカイフォール』のフッテージ上映が行われることも発表された。さらに現在、国際情勢上での不和が取り沙汰されている中国や韓国などからも作品が出品されるとあって、報道陣からは政治的な事情が影響の質問が飛ぶなど国際映画祭ならではの会見となった。第25回東京国際映画祭期間:10月20日(土)~28日(日)まで場所:六本木ヒルズほか公式サイト:■関連作品:シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語 2012年11月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.人生の特等席 2012年11月23日より丸の内ピカデリー3ほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.JAPAN IN A DAY 2012年11月3日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© 2012 FUJI TELEVISION NETWORK, JAPAN IN A DAY FILMS LTD.
2012年09月20日8月にアイドルグループのAKB48を卒業した前田敦子が20日に都内で行われた第25回東京国際映画祭(10月20日~28日開催)のラインナップ発表会見に出席し、映画祭の“顔”ともいえるTIFFアンバサダーの就任を発表した。その他の画像卒業後は目標だった女優の道を歩み出し、先日も黒沢清監督の最新作『一九〇五』でトニー・レオンと共演することが明らかになったばかり。今回、TIFFアンバサダーとして一足早い国際舞台でのデビューを飾り「25回おめでとうございます。素敵なお役目をいただき、本当に嬉しいです。緊張もしていますが、私自身も映画が大好きなので、たくさんの人と交流できるのを楽しみにしている」と抱負のコメント。今後の女優業について「素敵なスタートラインに立たせていただいた。どんな役にも挑戦し、求められる女優さんになりたい。頑張ります!」と決意を新たにした。コンペティション部門には松江哲明監督の『フラッシュバックメモリーズ 3D』(日本)をはじめ、『イエロー』(ニック・カサヴェテス監督/アメリカ)、『もうひとりの息子』(ロレーヌ・レヴィ監督/フランス)、『シージャック』(トビアス・リンホルム監督/デンマーク)、『未熟な犯罪者』(カン・イグァン監督/韓国)、『黒い四角』(奥原浩志監督/日本)など15作品を予定している。今年のコンペティション部門の審査委員長は、“インディペンデント映画の神”として名高いプロデューサーのロジャー・コーマンが就任。昨年、映画界に多大な功績を残した半生を検証するドキュメンタリー『コーマン帝国』が特別招待作品として上映された鬼才が、1年ぶりに“凱旋”し新たな才能に光を当てる。また、オープニング作品は『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』(アンドリュー・アダムソン監督)、クロージング作品にはクリント・イーストウッドが俳優復帰を果たした感動作『人生の特等席』(ロバート・ロレンツ監督)が上映される。また、特別オープニング作品として『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』の上映も決定。同作はリドリー・スコット監督による「3.11から1年後の“あの日”を、あなたはどう過ごしましたか?」という問いに対し、YOU TUBEを通して投稿された映像の数々を紡いだソーシャル・ネットワーク・ムービーだ。映画祭期間中は、昨年の“TIFF ARIGATO プロジェクト”に引き続き、募金などを通して震災復興への取り組みを継続することになっている。チェアマン就任5年目を迎えた依田巽氏は「今年のスローガンは“今こそ、映画の力”。今回、世界中からコンペティション部門に応募いただいたのは1332本。5年前の数字から倍増している」と国際的な注目の高まりをアピール。「多くの映画人による“国境”のない交流を通して、さらなるリンケージ(提携)が広がれば」と国際映画祭としてのさらなる飛躍を誓った。
2012年09月20日ブラッドリー・クーパー主演作『Silver Linings Playbook』(原題)が第37回トロント国際映画祭で最高賞を受賞した。『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセルがメガホンをとり、ブラッドリーとジェニファー・ローレンスが共演する同作は、最高賞にあたる「ピープルズ・チョイスアワード」を獲得した。過去には『スラムドッグ$ミリオネア』や『英国王のスピーチ』などが同賞に輝いている。マシュー・クイック原作の同名小説の映画化となる本作は、ブラッドリー扮するパットがノイローゼから回復して幸せを探そうと決意し、ジェニファー扮する女性・ティファニーに出会ったことで将来に希望を見出せるようになるというストーリーだ。ブラッドリーとジェニファーのほかに、ロバート・デ・ニーロやクリス・タッカーが出演している。『Silver Linings Playbook』は11月21日(現地時間)に全米公開予定だ。
2012年09月18日水や土に支えられ、育まれてきた新潟の文化を、アートの力で国内外に発信することを目的に、2012年7月14日(土)~12月24日(月)まで新潟市で開催されている「水と土の芸術祭」。親子で楽しめる見どころも多く、なかでも子どものアート活動の拠点となるのが「みずっちみなとスタジオ」。芸術祭メイン会場である万代島旧水揚場の無料スペースに設置された同スタジオには子どもたちの作品「つながりの円柱画」が飾られ、さまざまなワークショップやイベントが開催されている。(C) 内藤雅子秋からは「ハートがうごくプログラム」と題した4ジャンルのワークショップを展開。第1弾は「どきどき ~つながる よろこび~」と題し、デザインやコミュニケーションをテーマにしたワークショップを実施している。今後の予定は以下のとおり。いずれも申し込み不要で当日直接会場へ行けばOK。すべて無料で楽しめるのも嬉しい。(C) 内藤雅子(1) ”わたしの新潟”を表現しよう、交換しよう♪日時:9月22日(土)、23日(日)10:00~13:00内容:新潟との思い出や出来事、想いや願いなどを大募集!色紙をつかって、”わたしの新潟”を表現したら、”みんなの新潟”と交換できる ※こども・親子での参加やおとなも歓迎(2) ウォーターパズル パート2日時:9月22日(土)13:00~完成次第終了内容:カラフル色水で巨大モザイク絵をつくる(3) 星空マグネット日時:9月23日(日)14:00~16:30内容:粘土できれいな星を作って星座にする(4) 海の仲間たちをつくろう!日時:9月29日(土)10:00~12:00/14:00~16:00内容:さまざまな材料で海の仲間をつくり、海に見立てたビニールテープにはりつけて大きな作品を完成させる次いで10月4日(木)~10月23日(火)の第2弾「わくわく ~つくる おもしろさ~」では、絵・クラフト・建築などのワークショップを実施。さらに、10月25日(木)~11月20日(火)には第3弾「ほっこり ~たべる うれしさ~」として食のワークショップ、11月22日(木)~12月11日(火)には「きょろきょろ ~みつける たのしさ~」と題して鑑賞・実験・写真などのワークショップを集中的におこなう。各ジャンルともに全6回程度開催予定とのこと。 ※詳細は公式サイト( )などでご確認ください。上越新幹線を使えば、東京から新潟まで約2時間と意外に近く、週末旅行にもぴったり。芸術の秋、自然豊かな新潟の地で、親子でアートに触れてみては。(C) 内藤雅子開港都市にいがた 水と土の芸術祭2012会期:2012年7月14日(土)~12月24日(月・祝)会場:万代島旧水揚場、新潟市内各地パスポート:一般2,000円、学生・65歳以上1,500円、高校生600円、中学生以下は鑑賞無料HP: 取材/古屋江美子
2012年09月18日今年のゴールデンウィークに封切られながら現在も異例のロングラン上映を続け、興行収入59億円超えの大ヒット作『テルマエ・ロマエ』。現在開幕中の第37回トロント国際映画祭にてガラプレミアでの上映が9月8日(現地時間)に行われ、本作で主演の阿部寛を始め、共演の上戸彩、原作者のヤマザキマリがレッドカーペットに登場した。古代ローマの浴場設計技師・ルシウスが現代の日本へとタイムスリップし、日本の風呂文化の利点をローマのために取り入れていく姿を独特のユーモアを交えて描き出す本作。日本での大ヒット、本場・イタリアでの好評、さらにカンヌマーケットでのフィルムバイヤーからの口コミを聞きつけたトロント映画祭側からのオファーにより、今回の正式招待が実現した。この日行われたレッドカーペットイベントには、約30メートルの赤い絨毯に沿って世界各国から大勢のマスコミ陣や海外の映画ファンたちで埋め尽くされ、阿部さんらが車から降り立つと大歓声が!2人はサインやインタビューに応じながら、30分かけてレッドカーペットを歩いた。その後、行われた上映前の舞台挨拶では阿部さんが全編英語によるスピーチを披露し、現地メディアを驚かせた。今回、映画祭に参加した感想を2人に聞いてみると、「レッドカーペットでは、前後にロバート・デ・ニーロやジュード・ロウが歩くと聞いてとても興奮しましたが、ゆっくり時間をかけて歩き、楽しむことができました。上映時はまるで初めての作品を観ているのかと錯覚するくらい新しい反応がたくさんあり、北米の方々にも大いに笑っていただけました」(阿部さん)、「日本の俳優として初めてトロント国際映画祭のレッドカーペットを歩かせていだき、とても光栄に思います。作品が受け入れていただけるかすごく心配していたのですが、同じ客席で観ていて今までで一番反応が良かったので、とても嬉しかったです」(上戸さん)と、共に海外映画祭での満足のいく手ごたえに思わず笑みがこぼれていた。原作本の国内発行部数も5巻で800万部を突破し、海外からは引きも切らずに上映オファーが殺到したりと、“テルマエ旋風”はまだまだ世界を巻き込みながら勢力拡大中(?)のようだ。『テルマエ・ロマエ』は、全国東宝系にて公開中。■関連作品:テルマエ・ロマエ 2012年4月28日より全国東宝系にて公開© 2012「テルマエ・ロマエ」製作委員会
2012年09月11日第69回ヴェネツィア国際映画祭が8日(現地時間)に閉幕し、コンペティション部門作品賞にあたる金獅子賞は韓国のキム・ギドク監督『Pieta』(原題)が受賞した。韓国映画の金獅子賞受賞は史上初。ギドク監督は受賞スピーチの代わりに「アリラン」を熱唱した。銀獅子賞(監督賞)を受賞したのは『The Master』(原題)のポール・トーマス・アンダーソン監督。サイエントロジーの創始者であるロン・L・ハバードをモデルに、とある新興宗教団体のリーダーと第二次世界大戦から復員後に信者となった男の物語。リーダーを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンと、やがて主人公の右腕となる男を演じたホアキン・フェニックスは共に優秀男優賞を受賞した。アンダーソン監督とフェニックスは既にトロント国際映画祭に向かった後だったが、ホフマンは単身ヴェネツィアに戻り、空港から直接会場入りして賞を受け取った。実はその後、コンペティション部門の審査委員長マイケル・マン監督が賞を渡し間違えるハプニングが発生。場内アナウンスがイタリア語だったために混乱したようで、審査員特別賞を授賞すべきところで、マン監督が発表したのは銀獅子賞受賞者、『The Master』のポール・トーマス・アンダーソン監督の名前。だが、アンダーソン監督に代わって再登壇したフィリップ・シーモア・ホフマンは何の疑いも持たずに審査員特別賞の楯を受け取った。この時点で一部の審査員や会場の観客は異変に気づいたが、マン監督は次の賞の授与をする際、銀のライオン像が用意されているのを見て、ようやく間違いに気づいたという。そこでホフマンは三度壇上へと呼ばれ、審査員特別賞の受賞者、『Paradise:Faith』(英題)のオーストリアのウルリヒ・ザイドル監督と、楯と銀獅子像を交換した。優秀女優賞はイスラエルの『Fill the Void』(英題)のハダス・ヤロン、マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)はマルコ・ベロッキオ監督の『Dormant Beauty』(英題)と『E Stato Il Figlio』(原題)の2作に出演したファブリッツォ・ファルコが受賞。優秀脚本賞は、現在『カルロス』が日本でも公開中のオリヴィエ・アサイヤス監督の新作『Apres mai』(原題)が受賞した。オリゾンティ部門の最優秀作品賞、オリゾンティ賞は中国のワン・ビン監督の『Three Sisters』(英題)が受賞。日本からの出品したコンペティション部門の『アウトレイジ ビヨンド』(北野武監督)、オリゾンティ部門の『千年の愉楽』(若松孝二監督)は惜しくも受賞は逃した。(text:Yuki Tominaga)© ロイター/AFLO■関連作品:The Master (原題) 2013年春、全国にて公開アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会千年の愉楽 2012年秋、全国にて公開
2012年09月10日現在開幕中の第69回ベネチア国際映画祭で日本から唯一のコンペティション部門正式出品を果たした『アウトレイジ ビヨンド』を引っさげ、北野武監督が単身現地入り!9月3日(現地時間)の記者会見、さらに夕方に行われたレッドカーペット・イベントに出席し、海外ファンたちからの歓声に応えた。前作『アウトレイジ』で描かれた、関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年後。一度は決着がついたはずだったが、ヤクザ壊滅を図る警察が動き始め、“死んだはずの男”大友(ビートたけし)は利用される羽目に。騙し合いと裏切りの火種がまたもやくすぶり始め、関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争へと発展していく――。世界各国の報道陣が集まった記者会見では、やはり震災後に撮られた作品とあってその影響についての質問が飛び交ったが、「震災でたしかに映画の撮影は一年延びた。震災後の一年間は、逆に自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆とか愛とか表面的なものばかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と相変わらずの毒の効いたコメントで返した北野監督。さらに、本作は“観客”のために作ったものだとも明かし、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのは嬉しいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した。そうすると、自分にとっては、家庭、女、女房、子供とかは排除する結果になり、馬鹿な男の話になった。その方が楽しんでもらえるかなと思った。けれども、いつでもお客さんの入らない映画を作る準備もしているよ(笑)」と冗談を交えるなど、衰えぬ“世界のキタノ”のインパクトを与える会見となった。さらに、夕方から行われたレッドカーペットでは、会場に「北野武映画の神様」と漢字で書いた横断幕をもつ熱狂的なファンの姿(写真上)も見られ、会見とは打って変わって北野監督は和やかな様子でファンから求められる握手やサインに応じていた。また、その後には本作の上映も行われ、「ブラボー!」という称賛の声と共に満席の会場では総立ちの観客から拍手喝采が贈られた。『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ベネチアにて開催。授賞式は同日最終日に行われる。(photo:KAZUKO WAKAYAMA)■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年09月04日「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2012」が9月14日(金)から23日(日)までTジョイ・博多ほかで開催される。同映画祭は、アジアの玄関口・福岡で、アジアとの交流の輪をさらに深めるために開催される「アジアマンス」の主要事業のひとつとして1991年にスタート。上映作品は、映画祭ディレクターが事務局スタッフとともに実際にアジア各地に足を運び、現地調査を実施し選定。本映画祭ではアジア各地から参加するゲストや、地元の留学生が鑑賞できるように、日本語のみならず英語字幕も付けられる(一部作品を除く)。このため、本映画祭で上映した作品が話題となり、世界各地にフィルムが貸し出されて高い評価を得るなど、情報発信の役割も果たしてきた。また、監督や主演俳優等をゲストとして招待し、会場での舞台挨拶や上映後のQ&A、シンポジウムなども行なうなど市民との交流も図っている。今回も、Tジョイ・博多をメイン会場にトルコ、インド、スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、タイ、中国、韓国など、様々なアジアの国の映画を上映。国内ではなかなか観ることのできない貴重な作品が揃う。また今年は、映画祭初の試みとして、9月14日(金)17時から福岡市役所前広場でオープニングセレモニー&野外上映も開催(無料・要応募)。オープニングの上映作品は、昨年のメガヒット・韓国コメディ『ダンシング・クイーン』。映画祭のゲストが多数登場するレッドカーペットも行なわれる予定だ。オープニングセレモニー参加の応募は、アジアフォーカス・福岡映画祭公式HP()まで。(9月2日(日)締切)。映画祭のチケットは現在発売中。(※一般上映は9月15日(土)より)。
2012年08月30日新しい映画のショーケースの場、グローバルに活躍する映画製作・配給会社のVIPたちとクリエイターとを結ぶ場として、毎年2万人以上の人々が集う国際映画祭「ビバリーヒルズ映画祭(以下BHFF)」。2013年に13回目を迎える同映画祭に新たに日本部門が開設されることが決定!さらに来年4月に開催されるBHFFに先駆けて、2013年3月、日本にて「ビバリーヒルズ映画祭ジャパン(以下BHFFジャパン)」が開催される運びとなり、8月24日(金)、都内でBHFFジャパンの代表を務める大和田廣樹を始め、BHFFジャパン・チェアマンのフレデリコ・ラペンダ、米BHFFファウンダー兼フェスティバル・ディレクターであるニノ・シモーヌが登壇し、記者会見を行った。新しい才能を発掘すべく、回を重ねるごとに参加者が増えているBHFF。ここに日本部門が開設されるということは、日本の新たな才能が世界へと羽ばたく機会がさらに増えるということ。このことについて、「日本ではいままでも素晴らしいフィルムメイカーを輩出してきました。若いフィルムメイカーたちの夢を叶えられるように全力を尽くしたいと思います」(ラペンダ氏)、「アートには様々な形があるが、そういうものを全て混ぜ合わせて素敵なマジックを作っていきたい」(シモーヌ氏)、「アメリカに新人俳優、監督をどんどん輩出していきたい」と各々の口から、さらなる才能の発掘への意欲が語られた。日本で開催されるBHFFジャパンは長編、アニメ長編、短編(アニメ含む)、ドキュメンタリーの4部門で構成される。ノミネーション作品として選出された各部門5作品、計20作品が同映画祭にて特集上映され、その中から選ばれたファイナルグランプリ1作品が本家のコンペティション部門に正式出品されることとなる。インディペンデントで活動するフィルムメイカーにとって、世界に自分の表現を披露するまたとないチャンスとなる。ハリウッドで活躍するプロデューサーであり、自身も『Bad Guys』(原題)で同映画祭のベストピクチャー賞を受賞した経験のあるラペンダ氏は、受賞後に得た資金で製作したパメラ・アンダーソン主演の映画『Blonde&Blonder』(原題)が都内の街でDVDとなって販売されていたのを目にしたそうで、「BHFFのようなフェスティバルが日本の若いフィルムメイカーの人生、未来を変えられるのでは」と自身の経験の喜びと共に本映画祭に希望を託した。イベントの最後には、ミス・ユニバース・ジャパンとファイナリストたちで結成された演劇ユニット「スポンタニアス」の宮崎京、渡邉小百合、塚本茉莉子、モデルのMiyuとMIZUKIも応援に駆けつけ、和やかなムードの中、記者会見は幕を閉じた。「BHFF」公式サイト(英語):「BHFFJapan」公式サイト(日本語):
2012年08月24日今年も佐渡で和太鼓を中心とした芸術祭、アース・セレブレーション2012が8月17日~19日の3日間、それぞれ10:00から開催される。みどころは、城山公園で行われるメインイベント、和太鼓を中心とした音楽フループ「鼓童」のステージ。期間を通じてコンサートが行われるが、日により内容が違い変化に富んでいる。17日は「まつりはじめ」と題されたステージ。18日は坂東玉三郎演出の「打男DADAN」アース・セレブレーションスペシャル。今年2月にパリ・シャトレ劇場で4日間連続”SOLDOUT”となったステージをアース・セレブレーションのために再構成した。19日は津軽三味線の上妻宏光をゲストに迎える。太鼓と三味線の融合、「祝祭」がフィナーレを飾る。観客席は芝生の上で、まるで花火見物をするかのように気軽に見ることができる。また、ステージ両脇にはダンスエリアもある。太鼓は演奏者のノリがプリミティブに反映される楽器でもある。ノリを感じて自ら歌い、踊り、飛び跳ねるのも可能だ。佐渡は古くから流刑の地で知られている。鎌倉時代では、日蓮や、鎌倉幕府打倒を目指し承久(じょうきゅう)の乱で敗れた順徳上皇、正中の変で捕縛された日野資朝の流刑地だった。また、室町時代には能を大成させた世阿弥もこの地に配流させられた歴史がある。しかし、配流により京の上流階級の人々との間に交流が生まれ、佐渡での能を始めとする芸術文化発展の一因となった。15日と16日には、アース・セレブレーション2012のプレイベントとして、佐渡市内の能舞台で薪能の公演も行われる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月13日東京・池袋の東京芸術劇場が1年半の大規模改修工事を終え、9月1日(土)にリニューアル・オープンする。これに先立ち8月9日、記者発表会と内覧会が行われた。東京芸術劇場のチケット情報1990年10月に開館した同劇場は主に貸しホールを中心に運営を行ってきたが、2009年2月に劇作家で演出家の野田秀樹を初代芸術監督に迎え、創造発信型劇場への転換を目指してきた。開館から20年経ち、建物の老朽化と機能面での見直しが必要となり、大規模な改修工事を行った。リニューアルに要した総工事費は約84億円。野田は今回のリニューアル・オープンについてビデオで次のようにコメントを寄せた。「改修工事の当初より全ての空間に関わりました。大勢の人が集いやすい場所になったと思います。劇場というのは器だけがよくなっても何も変わらないので、中身の作品と、それに関わる人が変わらないといい劇場になっていかないと思います。改修工事をしたから新しくなったということではなく、新しい劇場になるためのキッカケとして改修工事が行われたと考えています。プログラムに関しては大勢の方々と練っていいものを揃えることができました。今後は海外や地方の公共劇場との提携を増やし、また若い才能を支えていくことが公共劇場の役割だと考えています」。今回の改修工事の主なポイントは「イメージの一新」。鉄、木、土の素材をモチーフに各ホールが特徴を持った空間に生まれ変わった。ホールの名称も変え、大ホールはコンサートホール、中ホールはプレイハウス、小ホール1・2はシアターイースト・ウエストとなる。なお今後の主なラインナップは、演劇はハンガリーから招聘する「TACT/FESTIVAL 2012ジャンク・オペラ『ショックヘッド・ピーター ~よいこのえほん~』」を9月1日(土)から9日(日)までシアターイーストにて、野田の作・演出「NODA・MAP第17回公演『エッグ』」を9月5日(水)から10月28日(日)までプレイハウスにて、蜷川幸雄演出のギリシャ劇『トロイアの女たち』を12月11日(火)から20日(木)までプレイハウスにて上演。クラシックは下野竜也&読売日本交響楽団「マーラー交響曲第2番『復活』」を9月1日(土)に、エリアフ・インバル指揮の東京都交響楽団「 [新]マーラー・ツィクルス」を9月15日(土)、29日(土)、10月28日(日)、11月3日(土・祝)、2013年1月20日(日)に、G.ロジェストヴェンスキー&読売日本交響楽団「チャイコフスキー後期交響曲チクルス」を10月6日(土)・7日(日)・8日(月・祝)にいずれもコンサートホールで開催する。
2012年08月10日新潟県越後妻有地区で行われているのが、3年に一度の国際的芸術祭である「大地の芸術祭アートトリエンナーレ2012」だ。「人間は自然に内包される」というコンセプトのもと、現代社会の効率化、合理化により環境破壊を引き起こすパラダイムをシフトする契機としようというものだ。そのため、「非効率」を徹底。360近い作品を6地域、200集落、約760平方キロメートルという広大な地域に点在させている。芸術作品を鑑賞するとともに、越後妻有地区の自然豊かな里山の美しさにもふれることができる。作品の配置場所である6つの地域にはそれぞれ特色がある。まずは、織物と農業の町、十日町エリアには越後妻有里山現代美術館「キナーレ」がある。「絵本と木の実の美術館」は廃校になった校舎を修復した美術館だ。次に、稲作を中心とした地域である川西エリアには光のアーティスト、ジェームズ・タレルの作品世界を体感できる「光の館」がある。また、ナカゴグリーンパークには芸術祭の作品はもちろん、パターゴルフも楽しむことができる。さらに、縄文時代中期の火炎型土器が出土したことで有名な沖の原遺跡がある津南エリアには、蔡國強(中国)や金九漢(韓国)、クイビーン・オフラハラ(アイルランド)の作品群が展示されている。日本三大渓谷のひとつ、「清津峡」がある中里エリアにはフィンランドの芸術家グループの手による「ポチョムキン」と名付けられた美しい公園がある。稲作が主体の松代エリアのみどころは、築150年の古民家にのべ3,000人が2年半をかけて彫刻を施した「脱皮する家」や、屋内外に約40のアート作品が点在する「農舞台」がある。山菜やきのこなどの特産品、また、松之山温泉で知られる松之山エリアには、豪農の古民家と庭を博物館にした村山家旧宅があり、芸術祭の展示のほかに小説家坂口安吾の遺品も展示されている。期間は7月29日から9月17日まで。作品鑑賞パスポートは一般3,500円、高・専・大学生3,000円。中学生以下無料。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月08日ランジェリーブランドのワコールと、前衛芸術家として国際的に活躍する草間彌生さんとのコラボランジェリーが、8/4(土)より全国のウンナナクールのショップで発売されます!! バストカバー力がしっかりあるのに、着け心地がラクなノンワイヤーブラとして大人気の、ワコールのウンナナクール「FUN FUN WEEK」。今回もキュートな3種類が登場しました!カラフルな草間ワールドをランジェリーでも楽しんでみてください♪上から時計回りに、「果てしない人間の一生」¥4,830、「太陽のキノコ」、「真夜中に咲く花」各¥4,515お問い合わせ:株式会社ワコール/お客様センター tel.0120-307-056(フリーダイヤル)
2012年08月05日世界随一の規模を誇るジャンル映画の祭典、第16回プチョン国際ファンタスティック映画祭が、ソウル近郊・富川(プチョン)市で7月19日から29日(現地時間)まで開催され、韓国のみならず、台湾、中国などのアジアン・ビューティたちがレッドカーペットを飾った。特に目を引いたのが、過去1年で最も活躍した女優に贈られるプロデューサーズ・チョイス賞に選ばれた、ハ・ジウォン。日本でも公開された『第7鉱区』やドラマ「シークレット・ガーデン」で、いまや韓国のトップ女優となった彼女は、肌の露出は少ないものの、その抜群のスタイルを全面に押し出したシルエットのドレスで、周囲を圧倒。韓国のデザイナー、キム・ヨンジュのブランド「Kayesu」のドレスには本人も相当ご満悦だったようで、当日のツイッターに「最高の気分!もっと着ていたい」と書き込んだほど。同賞の男優賞を受賞したハ・ジョンウとの2ショットもお似合いで、ぜひ共演を望みたいところ。『サニー 永遠の仲間たち』で謎めいた美少女・スジを演じてブレイクしたミン・ヒョリンは、プチョン市民が最も会いたいスターを選ぶファンタジア賞を受賞。米国ブランド「マルケッサ」の胸元の大きく開いた真っ赤なドレスで、「期待に添えるよう頑張ります」と緊張気味に挨拶していた。男優部門には、『高地戦』のイ・ジェフンが選ばれた。また、台湾俳優ジミー・リンと共演したラブコメディ『FLYING WITH YOU』(原題)が映画祭で上映されたチャン・ナラは、劇中の結婚式を思わせる白いシフォンドレスで、清純派をアピール。新作ホラー『未確認動画』のヒロイン、パク・ボヨン(『過速スキャンダル』)も、やはり白いシフォン・ドレス。こちらは足もしっかり見せ、22歳らしい若さを強調していた。映画祭大使である「PiFanレディ」を務めたパク・ハソン(「トンイ」)はエキゾチックな黒のドレス。正面からは地味に見えるが、実は背中がざっくり開いており、ドキッとさせるスタイルだった。映画祭は日本の『宇宙兄弟』がグランプリと観客賞の2冠に輝き、喝采の中、幕を閉じた。クロージング作品として『愛と誠』が上映され、斎藤工が舞台挨拶。英国紳士を思わせる黒い帽子&テールコート姿で、黄色い歓声を浴びていた。(text/photo:Ishizu Ayako)© Yonhap/AFLO■関連作品:サニー 永遠の仲間たち 2012年5月19日よりBunkamuraル・シネマ 、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011 CJ E&M Corporation. All Rights Reserved第7鉱区 2011年11月12日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 CJ Entertainment Inc. All Rights Reserved高地戦 2012年10月27日よりシネマート新宿、シネマート六本木ほか全国にて公開© 2011 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND TPS COMPANY ALL RIGHTS RESERVED.宇宙兄弟 2012年5月5日より全国東宝系にて公開© 2012「宇宙兄弟」製作委員会
2012年07月30日昨年8月に香川県で開催された「瀬戸内国際こども映画祭」のメインイベントである「エンジェルロード脚本賞」でグランプリを受賞したシナリオの映画化が決定。7月23日(月)、東京・千代田区の都道府県会館で映画『瀬戸内海賊物語』の製作発表会見が行われ、オーディションで選ばれた主演子役の柴田杏花を始め、大前喬一、伊澤柾樹、葵わかならがお披露目されたほか、子どもたちを支える俳優の内藤剛志、小泉孝太郎、中村玉緒らが意気込みを語った。瀬戸内海で活躍した村上水軍・塩飽水軍の子孫とその同級生たちが埋蔵金探しに出かける冒険アドベンチャーで、受賞者である大森研一監督(『恐怖新聞』、『ライトノベルの楽しい書き方』)が自らメガホンをとる。村上水軍の末裔であるヒロインを柴田さんが演じ、その父親を内藤さん、祖母を中村さん、担任教師を小泉さんがそれぞれ演じる。クランクインは今年8月。瀬戸内海国立公園選定80周年記念映画として、次回の「瀬戸内国際こども映画祭」(2014年開催予定)での上映を目指す。内藤さんは「私自身も長編小説を読み切ったのも、それに女の子を真剣に好きになったのも夏の出来事でした。夏は子どもが少しだけ、大人に近づける不思議な季節なんですね。きっと映画が完成すれば、大人になるためのヒントになるはず」と力説。小泉さんは「まるで『スタンド・バイ・ミー』のような清涼感があふれている」と台本を読んだ感想を語り、「教師役なので、子どもたちが楽しく撮影できるようサポートしたい」と抱負を語っていた。一方、中村さん演じる祖母は携帯電話を自在に操るという設定で「実際にはまったくダメなので、いま携帯電話の稽古中(笑)。でも絶対に諦めない性格は(役柄と)似ているので、子役さんに負けないように頑張りたいですね」と決意表明。それでも「NG出したらゴメンね。私もこんな孫がいたらいいなと思う」と早くも祖母の目線で、目を細めていた。映画の内容にちなみ、子供時代の夏の思い出を尋ねられると小泉さんは「うちは放任主義だったので、ひとりで遠くに出かけることが多かった。多少帰りが遅くなっても、笑って許してもらえた」と父・純一郎氏との思い出をコメント。すると、中村さんが「あれ、よく子供の頃、お父様と昆虫採集に行ってませんでした?」と突然の“暴露”で、小泉さんは「なんで知ってるんですか?」とタジタジ。なんでも中村さんと純一郎氏が同じ鍼灸師の診療を受けているそうで、誰も知らないはずの“父子エピソード”が中村さんに伝わっていたようだ。『瀬戸内海賊物語』は2014年、全国にて公開予定。特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」■関連作品:瀬戸内海賊物語 2014年、全国にて公開
2012年07月23日デジタルシネマの祭典として国内外の新進監督が集結した「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012」が22日にフィナーレを迎えた。最終日は各コンペティションの受賞作が決定。メインの長編部門の最高賞となる最優秀作品賞には、オーストリアを拠点に活動するウムト・ダー監督の『二番目の妻』が輝いた。その他の写真見事に栄冠を手にした『二番目の妻』は、ウィーンのトルコ人家庭に嫁入りした若き女性の物語。意味深な題名が示すようにトルコ人の風習を切り口にした衝撃的なドラマが展開する。「(クルド人移民としてウィーンで育った)自身の生い立ちやトルコの伝統を反映して出来上がった作品」とまず明かしたダー監督は「当事者でないと理解しづらいところが多々あるはず。それがここ日本で認められたことは大きな自信になる」と語り、「まさかの受賞。心から感謝したい」と喜びをかみしめた。世界的巨匠、ミヒャエル・ハネケに師事した経歴を持つダー監督の今後の活躍に目が離せない。一方、監督賞は、日本の中野量太監督が手中にした。受賞作『チチを撮りに』について中野監督は「幼くして父を亡くし、母子家庭で育った影響か“家族”に興味がある」と語り、「これからも笑いと涙が同居する僕にしかできない家族ドラマを作っていきたい」と将来を見据えた。なお同作はSKIPシティアワードとW受賞。さらに国内上映が確約されるSKIPシティDシネマプロジェクト作品にも選出された。ニュージーランドのプロデューサー、マーテン・ランバーツ審査委員が「独創的な作家性がある」と評したように、彼はユニークな感性の持ち主。日本映画の未来を担う存在に成長することを期待したい。現在、日本には数々の映画祭が存在するが、実は世界の最新作が上映されている映画祭は少ない。その意味で世界の新作を集めた本映画祭は貴重な場であり、存在意義の高まりを感じる。本映画祭が注目した世界の才能が今後どう飛躍するのか注目したい。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012●長編部門(国際コンペティション)最優秀作品賞『二番目の妻』監督:ウムト・ダー監督賞『チチを撮りに』監督:中野量太脚本賞『旅の始まり』監督:マルヒン・ロハール審査員特別賞『ノノ』監督:ロメル・トレンティーノSKIPシティアワード「チチを撮りに」監督:中野良太●短編部門(国内コンペティション)最優秀作品賞『ユメのおと』監督:角川裕明奨励賞『小さなユリと第一章・夕方の三十分』監督:和島香太郎『トゥルボウ』監督:多田昌平取材・文・写真:水上賢治
2012年07月23日外国籍の男性や女性との結婚。いわゆる国際結婚ですが、みなさんはこの国際結婚については賛成ですか? それとも反対ですか? 異なる文化同士が一緒になるわけですから、どうしても難しいイメージを抱いてしまいがちですが、さてどちら派が多いのでしょうか?調査期間:2012/4/3~2012/4/7アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 1,000件(ウェブログイン式)Q.国際結婚はアリですか?はい……481人(48.1%)いいえ……519人(51.9%)ほぼ半々の結果になりました。ひと昔前は国際結婚に対してあまりいい目で見られないことが多かったと聞きますので、それを考えると国際結婚に対して好意的にとらえる人が多くなった、ということでしょうか。続いて「はい」と回答した読者にその理由を聞いてみました。■好きになったのなら関係ないので。(29歳/男性)おっしゃるとおりですね。お互い好きなら国籍は気にならないですよね。■一生をかけて他文化に触れ生きていくのは、新しい自分の価値観を想像してくれるから。(23歳/女性)異文化に触れることでまた成長できそうですよね。■ふたつの文化に囲まれて、子供がよい環境で育ってくれそう。(29歳/女性)ふたつの文化や言語を吸収して育つのはいいことでしょうね。いろんな価値観を持った子になりそうです。■ハーフの子供はかわいいのでむしろ歓迎ですね。(30歳/女性)ホント、ハーフの子供はなんであんなにかわいいんでしょうね!■はじめからお互いの文化が違うことが前提なので、同じ日本人なら許せないことも許せそう。(34歳/男性)なにかあっても「外国の人だし仕方ないか……」ということになっちゃいますよね。■外国の人は感情や表情が豊かな人が多いので一緒にいて刺激を受けそうです。(28歳/女性)喜怒哀楽をストレートに表現してくれると、こっちも表情豊かになりそうです。今度は「いいえ」と答えた読者に理由を聞いてみました。■日本人同士では起こりえないトラブルが起きそうなので……。(24歳/男性)確かに文化の違いは大きいですから「こんなはずじゃなかったのに……」というトラブルが起きそうな予感はします。■文化の違いは大きい。特に食文化の違いはどちらかがよっぽど歩み寄らない限り解消できないと思うので。(29歳/男性)夫婦でメニューが別っていうのも不自然ですもんね。日本人はやっぱりお米が食べたいものですし、相手も母国のものが食べたいでしょうから……これも難しい問題です。■お互いの実家の距離などを考えた場合、いろいろめんどうが起こりそう。(25歳/女性)どちらかの実家に行くことが普通に海外旅行になる訳ですからね……時間とお金を考えた場合は日本人同士の方が有利ですよね。■自分はよくてもお互いの家族が反発する可能性が高まりそうなので……。(31歳/女性)これも大いに考えられる事ですよね……。■日本人同士以上に宗教観などで価値観の相違が生まれそう。(28歳/女性)日本は無宗教国家と言われるほど宗教に関心がない人が多いので、どうしてもそのあたりで齟齬が発生してしまいますよね。■国際結婚はまだまだ日本では容認され難いのでできれば避けたい。(36歳/男性)アンケート結果でも約5割の人が反対している訳ですから、まだまだ容認されている度合いは低いですね。やはり周囲の目は気になるということでしょうか。次にこんな質問をしてみました。Q.あなたの周りで国際結婚をした人がいればどんなカップルか教えてください。■40年前にアイルランド人と結婚したおばさん。当時は世間の風当たりも結構大変だったみたいです。(30歳/女性)40年も前だとかなり大変だったのではないでしょうか……色んなことを乗り越えられたんですね!■友人が結婚してドボルザークさんという名字になった。印鑑は特注で作ってもらったらしい。(26歳/女性)一度その印鑑を見てみたいですね(笑)。■フランスに音楽留学している女友達は、現地でステキなフランスの彼と結婚しました。(31歳/女性)こういった海外留学でだんなさんや奥さんと出会うケースは多いみたいですね!■だんなさんがイタリア人で、日々サムライになるために家事を頑張っている。(25歳/女性)目指せ!厨房(ちゅうぼう)のサムライ!■親族のオジサンが、フィリピンの女性と結婚されました。何か変なのじゃないのか心配しましたけど、子供にも恵まれて幸せそうでした。(24歳/男性)海外女性との結婚はトラブルを心配しますけど、幸せそうならなによりです。■結婚ではないですが、トルコ人と付き合っていた子がいました。宗教とかの関係でたまに断食してる時は困ったと言っていました。(27歳/女性)断食している彼の前で食べるのもアレですし、断食に付き合ってあげるのも厳しいですから……大変そうです。最近では外国人のタレントの活躍などもあり、以前と比べ外国の人に対する偏見などが緩和されてきましたが、やはり結婚といった大きな物事にかかわるとなると、まだまだ抵抗があるよう。ですが、もっともっと国際化が進めば、国際結婚ももっと身近なものになることでしょうね。(貫井康徳@dcp)
2012年07月15日毎夏450万人が訪れる国内有数の避暑地、長野県軽井沢町のクラシック音楽祭「軽井沢国際音楽祭2012」が、8月16日(木)から26日(日)に開催される。「軽井沢国際音楽祭2012」の公演情報2002年、NHK交響楽団メンバーが中心の室内楽コンサートとして誕生した本音楽祭。音楽監督は元NHK交響楽団首席クラリネット奏者・横川晴児が務める。「この夏、都会を休もう――」をキャッチコピーに、都会の喧騒から離れ、自然豊かな軽井沢でクラシック音楽を通じて、心と体を癒すひとときを提供するのがコンセプト。国内外の一流の演奏家はもちろん、プロ・アマの垣根を取り払い、音楽祭の講習会受講生やアマチュア演奏家たちも参加する。11年目を迎える今年は、若手音楽家育成の講習会、軽井沢町内各所での無料イベント、ユニオンチャーチでのコンサートなどの恒例のプログラムに加え、シューベルトの室内楽の大作「八重奏曲」を取り上げる「室内楽コンサート -軽井沢のシューベルティアーデ-」、ドビュッシー生誕150年を記念した「1コインコンサート -ドビュッシーと私-」など、バラエティ豊かなラインナップが並ぶ。また昨年から取り組んでいる東日本大震災復興応援プロジェクトは今年も継続。公演収益金の一部は、被災地への義援金として日本赤十字社へ寄付される(同プロジェクトは2013年まで継続)。音楽監督・横川晴児は「この音楽祭では、家族のような温かい時間を作っていきたいと思っています。例えば、音楽祭に常連として参加してくれるジェラール・プーレさん(フランスの名ヴァイオリニスト)が、昨年、74歳にして初めてストラヴィンスキーの「兵士の物語」の演奏に挑戦されました。有名な曲ですが非常に難曲で、若手の連中に支えられながらも必死に練習されていました。もちろん本番は見事に大成功。終演後にプーレさんは『僕もこの歳になっても、まだこんなにできた。この音楽祭のためなら何でもやるよ。ここは僕の家族だ』とまで仰ってくれて。とても感激したんです」と音楽祭への思いを語る。「軽井沢国際音楽祭2012」は、8月16日(木)から26日(日)まで、軽井沢大賀ホール、軽井沢ユニオンチャーチほかで開催。有料公演のチケットは発売中。
2012年07月13日パリを拠点に活躍中の世界的ヴァイオリニスト諏訪内晶子が芸術監督を務める新たなクラシック音楽祭、国際音楽祭NIPPON」の記者発表会が、7月6日に行われた。諏訪内晶子の公演情報1990年の第9回チャイコフスキー国際コンクールで第1位(史上最年少、日本人初の優勝)の快挙を成し遂げて以来、世界を舞台に活躍を続けているヴァイオリニストの諏訪内晶子。ここ10年来「演奏活動以外に、何か世の中に恩返しができないか。次の世代に伝えていけることはないか」ずっと考えてきたという彼女が、長年温めてきた構想を実現させるのが今回の音楽祭だ。諏訪内が考えるこの音楽祭の柱は3つだという。「まず1つは、現在演奏活動を行っている同世代の方たちと一緒に作ること。2つ目は、音楽祭のための作品の委嘱とそれを世界に向けて発信すること。そして3つ目は教育。マスタークラスを含め、私はまだ日本では教えたことがないのですが、自分が経験してきたことを今後定期的に伝えていきたいです」と思いを語る。音楽祭は、諏訪内自身が10年以上住んだことのある思い入れのある横浜と、仙台を中心に開催。出演者には、諏訪内晶子のほか、エサ=ペッカ・サロネン(指揮)、フィルハーモニア管弦楽団、レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ)、ピーター・ウィスペルウェイ(チェロ)、江口玲(ピアノ)らが予定されている。内容は、リサイタルやオーケストラとの共演、諏訪内初の室内楽コンサートに加え、美術館とのコラボレーション、0歳児から入場できるコンサートや小学生のためのヴァイオリン教室などの子ども向けプログラムも計画中だ。また東日本大震災復興支援として、公演の収益金の一部を被災地へ寄付するほか、仙台でのコンサートやヴァイオリン教室も行われる。「国際音楽祭NIPPON」は、2013年2月2日(土)から16日(土)まで、横浜みなとみらいホール、横浜美術館(以上・神奈川県)、電力ホール(宮城県)などで行われる。公演内容の詳細、チケットの発売日などは随時発表される予定。
2012年07月10日16日から24日まで行われた第15回上海国際映画祭で、9月15日(土)より公開される内田けんじ監督の新作『鍵泥棒のメソッド』が、日本で初めて脚本賞を受賞した。その他の写真同映画祭では、過去には岩井俊二監督が『リリイ・シュシュのすべて』で審査員特別賞と最優秀音楽賞を、山田洋次監督が『武士の一分』で最優秀音楽賞(富田勲)を受賞しているが、脚本賞に輝いたのは本作が初めて。今年のコンペティション部門は、106の国と1643の地域の応募作から17作品が選ばれ、日本からは本作が唯一選出された作品だった。内田監督といえば、自身が手がけるその脚本力がアジア圏で高い評価を得ており、デビュー作『運命じゃない人』が『COUPLES』というタイトルで昨年韓国で公開、さらに現在は、中国の映画会社によって前作『アフタースクール』のリメイク版が製作されているという。本受賞に対して内田監督は、「映画の脚本は、映画が完成した時に完成するものだと思っています。この映画に参加してくれたスタッフ、キャストすべての人に感謝しています」と喜びを語っている。また、16日に行われたレッドカーペッドには、主演の堺雅人、共演の広末涼子、内田監督が参加。ジャッキー・チェンやトニー・レオンらアジア各国のトップスターに引けをとらないほどの大歓声が巻き起こり、17日の舞台挨拶では、堺、広末らの姿を見ようと200人以上のファンが詰めかけ、海外の映画祭であるにも関わらず熱烈な歓迎を受けたようだ。もともと人気俳優陣が出演していることから着目されていた作品だが、本受賞の効果でさらに注目が集まることが予想される。本作は、売れない貧乏役者・桜井(堺)が、銭湯で転倒して記憶を失った伝説の殺し屋・コンドウ(香川照之)のロッカーの鍵をすり替えてなりすましたことで、ヤクザ絡みの事件に巻き込まれていく姿を描いた物語。『鍵泥棒のメソッド』9月15日(土)よりシネクイント他 全国ロードショー
2012年06月25日水と土の芸術祭実行委員会は7月14日~12月24日、「転換点~地域と生命の再生に向けて~」をテーマとした「水と土の芸術祭2012」を開催する。万代島旧水揚場をメインに、旧齋藤家別邸、信濃川やすらぎ堤ほか、新潟市内各地が会場となる。同芸術祭は、水や土に支えられてできた新潟の文化を、アートの力で国内外に発信することを目的に開催され、2009年に続き2回目となる。会期中は、開催プロジェクトを「アートプロジェクト」、「市民プロジェクト」、「シンポジウム」の3つのポイントにわけ、芸術祭だけではなく、新潟市民が主体となった地域の魅力を発信するイベントなどを実施。各所でプロジェクトやアート作品の展示が展開される。また、ロゴのデザインはアートディレクター・コミュニケーションディレクターの森本千絵が担当。新潟のクリエイティブチームが、芸術祭を通し、モノやコトをクリエイトし発信するなど、デザインの視点からも楽しむことができる。アートプロジェクトには、石川直樹(作品名「異人 the stranger」)、大友良英×飴屋法水たち(作品名「Smile」)、王文志(ワン・ウェンヂー)(作品名「浴火鳳凰(よっかほうおう)」)など、多数の作家が参加している。同芸術祭の全作品を鑑賞できるパスポートは、前売り(7月13日まで):一般1,500円、学生・65歳以上1,200円、高校生400円、当日:一般2,000円、学生・65歳以上1,500円、高校生600円。中学生以下無料。なお、会期中はパスポートがあれば、新潟市内の文化施設の入館料が割引され、市内の飲食店や温泉でもお得なサービスを受けることができるという。詳しくは、同芸術祭WEBサイトのパスポートのページで確認できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月22日女流作家・尼僧として活躍する瀬戸内寂聴が自身の不倫体験を元に描き、女流文学賞受賞作を受賞した代表作「夏の終り」(新潮文庫刊)が、『莫逆家族 バクギャクファミーリア』の熊切和嘉監督により同名映画化!満島ひかりが主演を務めることが発表された。1963年に発表されて以来、100万部を超えるロングセラーとなっている同作。妻子ある年上の男性・慎吾と同棲する主人公・知子と、ある日彼女の元を訪ねてきた年下の男・涼太との三角関係が描かれる。不倫相手の慎吾との平穏な生活に満足していると思っていた知子だが、かつて夫と子供を捨てて駆け落ちした男・涼太の出現により、微妙に狂い始める生活。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太と再び関係をもってしまい…。妻子ある不遇な作家との長年にわたる愛の生活に疲れ果て、年下の男との激しい愛欲にも満たされない。自身の女の業に苦悩しながらも、一途に独自の愛を生きようとするという難役に抜擢されたのが満島さん。6月5日にクランクインを迎えたが、「色っぽく、濃厚な脚本に出会いました。緊張しています。難しい、アァ、難しいと感じながらも、熊切監督の『良いっすねー』を聞いて終わる一つ一つのシーンが、どんどん愛しくなる毎日です。ほんと、映画っておもしろいです」とその言葉の端々に充足感があふれ出る。満島さん扮する知子を巡る2人の男性には、この2人。知子を愛し優しく見守りながらも、妻とも別れられない、年上の男の寛容さとずるさを併せ持つ男・慎吾を演じるのは小林薫。熊切監督からのオファーを二つ返事で引き受けたという小林さんだが、当時の心境については「また、金がないんだろうな~って」と余裕のジョーク。一方、知子を求め嫉妬と孤独に苦しむ年下の男・涼太を演じるのは、話題作への出演が続く若手俳優・綾野剛。「熊切和嘉監督との初組み、満島ひかりさん、小林薫さんとの共演に興奮を隠せません。また古き良き場所での撮影。鼠の心臓から象の心臓へと心のささくれが落ち着きます」と興奮の胸の内を明かす。今回の映画化について、瀬戸内寂聴さんご本人からは「映画やテレビにも度々なりました。今度はすべての配役が若返っています。どんなにフレッシュな夏を見せてくれるか楽しみです。この映画作りに関った方々、また観て下さる全ての方々に、心からありがとうと申しあげます」という期待と感謝の心こもるコメントが寄せられた。撮影は、兵庫県の古きよき建物が残る加古川などで撮影中で、今月25日(月)にクランクアップ予定。「花ざかりの女“知子”を、のびやかに生きていたい」という満島さんの新境地となる演技、2人の男と1人の女のコラージュに期待したい。『夏の終り』は2013年、全国にて公開。■関連作品:夏の終り 2013年、全国にて公開
2012年06月20日世界の映画祭をサポートしているシャンパン ブランド「モエ・エ・シャンドン」は6月13日(水)、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)」と共に新しく設立した、未来の輝く才能を祝福する「モエ スター アワード」の設立と、SSFF & ASIA 2012のオープニングを記念し、明治神宮 参集殿にてオープニングガラパーティーを開催した。映画祭の華ともいえるグラマラスなレッドカーペットには、喜びの世界的シンボル「モエ・エ・シャンドン」とともに、LiLiCo、芦名星、別所哲也、村主章枝、ジローラモ、CHIHARU、神山まりあといった、さまざまな分野で活躍する著名な方々が続々と登場。会場に駆けつけたジローラモは、「毎年ショートショートフィルムフェスティバルを楽しみにしています。昔より作品自体が進歩しているし、今日はモエのシャンパンと一緒だから最高です!」と笑顔でSSFF & ASIA 2012のオープニングを祝福。SSFF & ASIA 2012実行委員会の代表である別所哲也は、無事にオープニングを迎えられたことに感動しつつ、「モエ スター アワードという素晴らしい賞を創設していただいて感謝しています。一年一年積み重ねていき、国際的な映画際としてより成長していきたいと思います」とモエ・エ・シャンドンのグラスを掲げて新しく設立された「モエ スター アワード」に期待を寄せるコメントを残した。参照サイト: ショートショート フィルムフェスティバル & アジア公式サイト
2012年06月14日第19回神奈川国際芸術フェスティバルが9月から11月にかけて開催される。会場は、充実した舞台機構を備えた神奈川県民ホール、昨年1月に開場したばかりのKAAT 神奈川芸術劇場、さらに日本で最も古い公共の音楽専用ホールである神奈川県立音楽堂という、それぞれが個性を打ち出している3会場。今回のテーマはオペラ。とはいえ上演作品は伝統的なオペラにとどまらず、声による多様な表現方法による作品群で構成。総合芸術としてのオペラを、さまざまな角度からとらえ直す試みだ。その記者会見が6月11日、作曲家の一柳慧(神奈川芸術文化財団・芸術総監督)、演出家の宮本亜門(KAAT 神奈川芸術劇場・芸術監督)らを迎え、都内で行われた。第19回神奈川国際芸術フェスティバルチケット情報まずは一柳が「現代の催し物は音楽や映像にコンピューターを取り入れたりと、いろいろな可能性をもっている。ひと口に“オペラ”といっても千差万別。このフェスティバルで、新しい総合芸術としてのオペラを考えたい」と趣旨を説明。宮本もうなずきながら「海外留学中にオペラを観て衝撃を受けたのが、僕の演出家人生の始まり。だから“オペラはこうあるべき”というのはない。世界中のスタッフがオペラの将来に危機感を持っている今、もっと自由にオペラを楽しんでいいんじゃないかと思います」と意気込みを語った。続いて、世界初演となるオペラ『ハーメルンの笛吹き男』でタイトルロールを演じるソプラニスタの岡本知高が「笛吹き男は町に入ってきた異端者。僕も少数派ですから、そこを生かせる役に抜擢されて光栄です」と挨拶。東京バレエ団『オネーギン』でタチヤーナを演じるバレエダンサーの斎藤友佳理は「プーシキンの原作にジョン・クランコの振付、それに音楽や演出など全ての要素がそろったドラマチックバレエの傑作」と本作の魅力をアピールした。ラインナップはウィーン国立歌劇場の来日公演『フィガロの結婚』など伝統的な作品のほか、宮本亜門が新演出を施す『蝶々夫人』、『音楽堂で聴く聲明』などユニークな演目も。宮本は「まだ何も決まっていない」としながらも、バーチャルアイドルとして世界中で人気を集める初音ミクの存在を挙げ、「蝶々夫人は原作では15歳。(共同幻想としての)理想の女性像として、初音さんのような思い切った方法で再構築することも考えています」とその一端を明らかにした。さらに『~聲明』に新作を書き下ろす作曲家の宮内康乃が「現代音楽ではなく聲明の一部として参加するつもり。本作を通して祈りを伝えられれば」と語ったのち、僧侶の斎藤説成が聲明を実演。今秋の開催に期待が高まる会見となった。第19回神奈川国際芸術フェスティバルは9月15日(土)に神奈川県民ホールで上演される『ハーメルンの笛吹き男』を皮切りに、11月24日(土)まで開催。取材・文:佐藤さくら
2012年06月12日『運命じゃない人』、『アフタースクール』の内田けんじ監督最新作『鍵泥棒のメソッド』がこのたび6月16日(土)より開催される上海国際映画祭のコンペティション部門に選出され、上映されることが決定した。銭湯で転倒した拍子に頭を強打し、記憶を失った伝説の殺し屋・コンドウ。偶然その場に居合わせた売れない貧乏役者・桜井は、出来心からロッカーの鍵をすり替え、彼になりすましてしまう。桜井は男に来た大金の絡んだ危ない依頼を受けてしまい大ピンチに。一方、記憶を失い自分を桜井だと思い込んでいるコンドウは、役者として成功することを目指し始める――。売れない貧乏役者と記憶を失った殺し屋、2人の人生が入れ替わったことで起こるドタバタ劇を描く本作。主演の堺さん、香川さんを始め、広末涼子、荒川良々、森口瑤子といった個性豊かな演技派俳優陣が顔を揃える。本作が選出された上海国際映画祭は、1993年にスタートした比較的新しい映画祭でありながら、アジア最大規模のマーケットである中国の勢いに乗り、年々その規模が大きくなっている注目の映画祭のひとつ。今年のコンペティション部門に出品されたスペイン、インド、デンマーク、フランス、フィンランドなど世界中から選ばれた17作品は、最優秀作品賞にあたる金爵奨(ジンジュエ賞)をかけて競い合うこととなる。笑いにサスペンス要素、そしてトキメキと映画の醍醐味全てが詰まった“喜劇”として注目される本作。『運命じゃない人』でカンヌを沸かせた内田けんじ監督の待望の最新作とあって、上海でどのように迎えられるのか期待がかかる。6月16日(土)に華々しいオープニングセレモニーと共に開幕する上海国際映画祭は、6月24日(日)まで開催される。『鍵泥棒のメソッド』は9月15日(土)よりシネクイントほか全国にて公開。■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年06月06日今年で記念すべき20周年を迎えるフランス映画祭が6月21日(木)より4日間にわたり開催される。本映画祭で、今月16日(現地時間)に開幕する第65回カンヌ国際映画祭にも出品される日本未公開のアニメーション『アーネストとセレスティーヌ』がいちはやく上映されることが決定。さらに、『アデル/ファラオと復活の秘薬』のルイーズ・ブルワゴンら総勢約20名の豪華アーティストの来日が発表された。昨年フランスで国内興行成績1位の大ヒットを記録した『最強のふたり』がオープニングを飾り、本年度アカデミー賞最多5部門を獲得した『アーティスト』の主演ジャン・デュジャルダンとミシェル・アザナヴィシウス監督が再びタッグを組んだ『プレイヤー』が上映されるなど、旬のフランス映画に出会えるのが本映画祭の魅力。このたび特別追加作品として上映決定したのが、ベルギーの絵本作家・故ガブリエル・バンサン氏の人気シリーズ絵本「くまのアーネストおじさん」(BL出版刊)を原作としたアニメーション『アーネストとセレスティーヌ』。くまのおじさんとねずみの女の子の微笑ましい共同生活を通して、愛の深さや他人に尽くす喜び、気取らない生活の魅力を描く。本作をもって、今年のプログラムは長編11作品、短編6作品の計12プログラムに決定した。そして気になるのが、毎年恒例の来日アーティスト。過去最多の来日人数となる今回も、フランスの“今”を象徴するアップライジングなスターたちが映画祭を美しく彩ってくれる。中でも注目したいのが、本映画祭の“顔”となる女性3人組“Les Filles du cinema francais(フランス映画の女たち)”だ。キュートなルックスからは想像もつかないほど異端な行動やファッションが話題となり、一流ファション誌の表紙を総なめにしたリュック・ベッソン監督の秘蔵っ子、ルイーズ・ブルワゴン(『A Happy Event(仮題)』主演)、『7 ans』などの映画で女性が持つダークサイドをその独特の世界観で見事に演じた女優であり、フランス女流監督としていま最も注目されているヴァレリー・ドン ゼッリ(『わたしたちの宣戦布告』監督・出演)、そしてヴェネチア映画祭で大絶賛され、フランスで最も権威のある批評家賞「ルイ・デリュック賞」を受賞した期待の新人女流監督レア・フェネール(『愛について、ある土曜日の面会室』監督)の3人である。彼女たちは映画祭期間中の各種イベントにも出演する予定。女性がシーンを背負うという時代性を象徴するこの個性豊かな「フランス映画の女たち」が、同じく女性であるユニフランス・フィルムズ代表のレジーヌ・アチョンドと共に、本年度の映画祭を華やかに盛り上げてくれそう。20th アニバーサリー フランス映画祭日程:6月21日(木)~6月24日(日)会場:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11F)、TOHOシネマズ 日劇<レイトショーのみ>(有楽町マリオン9F)映画祭公式サイト:主要来日アーティスト一覧・『わたしたちの宣戦布告』(監督・主演:ヴァレリー・ドンゼッリ/主演:ジェレミー・エルカイム)・『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』(監督:フィリップ・グランドリュー)・『最強のふたり』(監督:エリック・トレダノ, オリヴィエ・ナカシュ)・『リヴィッド』(監督:ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ)・『そして友よ、静かに死ね』(出演:ディミトリー・ストロージュ)・『ミステリー・オブ・リスボン』(英題/出演:メルヴィル・プポー)・『スリープレスナイト』(仮題/監督:フレデリック・ジャルダン/主演:トメル・シスレー)・『愛について、ある土曜日の面会室』(監督:レア・フェネール)・『A Happy Event』(仮題/主演:ルイーズ・ブルゴワン)■関連作品:ミステリーズ・オブ・リスボン (英題)プレイヤー 2012年6月23日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開最強のふたり 2012年9月よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP■関連記事:ジャン・デュジャルダンのセクシーボイスに胸きゅん!『プレイヤー』最新映像が到着“旬”のフランスが盛りだくさん!20周年「フランス映画祭」ラインナップ発表今最もホットな彼の“声”が聞ける!『アーティスト』監督&主演コンビ最新作公開祝20周年!フランス映画祭、6月開催決定オープニング作品は『最強のふたり』
2012年05月11日今年もアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(以下:SSFF & ASIA)が6月15日(金)より開催される。その連動プロジェクトの一つとして、エンタテインメントサイト「ネスレアミューズ」内にて世界の傑作ショートフィルムを集めた「ネスレアミューズ映画祭」が4月27日(金)より開催されている。米国俳優協会の会員でもある俳優の別所哲也が創設者となり、1999年に東京・原宿をメイン会場にして誕生した「SSFF & ASIA」。「もっとショートフィルムを身近に感じてもらいたい」という思いから、映画という枠を超えてJリーグやキャノンなど様々な団体や企業とのプロジェクトを実現してきた。そして今年、新しい試みとして、ネスレ日本株式会社が運営する“見る・聴く・買う”を楽しむバラエティに富んだエンタテイメントサイト「ネスレアミューズ」と連動したウェブ上の映画祭を実現!お家にいながら映画祭を楽しむことができるという。同プロジェクトでは、27日の開幕を皮切りに5週間にわたって毎週8作品ずつ、合計40本の作品が配信される予定。アカデミー賞を始め、世界各国の映画祭で称賛を浴びた作品を集めた「世界のセレクション短編」や、「SSFF & ASIA 2010」は未体験という方でもその歴史が楽しめる、グランプリ受賞作品を集めた「ショートショート受賞短編」など、様々なテーマでセレクトされた傑作ショートムービーが続々と配信される。短い作品では1分、長いものでも25分という短時間の中にメッセージが凝縮された、ショートフィルム。お家にいながらたくさんの作品を楽しむことができるこの機会に、ぜひ一度覗いてみては?あなたもきっとその魅力の虜になるはず。「ネスレアミューズ映画祭」はウェブサイト「ネスレアミューズ」内で開催中。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012」は6月15日(金)から19日(火)までラフォーレミュージアム原宿で、6月22日(金)から24日(日)まで表参道ヒルズ スペース オーほかにて開催。「ネスレアミューズ映画祭」6月1日(金)まで毎週金曜、8作品ずつを配信。公式サイト:「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012」期間:6月15日(金)~30日(土)会場:ラフォーレミュージアム原宿、表参道ヒルズ スペース オー、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、ブリリア ショートショート シアター公式サイト:■関連作品:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2012 [映画祭] 2012年6月15日から19日までラフォーレミュージアム原宿で、6月22日から24日まで表参道ヒルズ スペース オーほかにて開催
2012年04月27日