この春、小学校や学童に子どもを通わせることになったママも多いでしょう。子どもが登校・登所している間、親の目は届きません。だからこそ、子どもが困っていないか? 悩んでいないか? と心配になるのが、親というものです。そんな小学生になったばかりの子どもをもつママたちから、心配ごとや悩みごとをヒアリング。その中から、ママの多くが「あるある!」と感じている疑問をピックアップして、書籍『小学生になったらどうするんだっけ?』(毎日新聞出版)の著者であり、生活哲学家である辰巳 渚さんにうかがいました。辰巳 渚さん プロフィール1965年生まれ。文筆家、生活哲学家。大学在学中から生活心理分析のマーケティングに関わり、卒業後は『月刊アクロス』(パルコ出版)記者、(株)筑摩書房にて書籍編集者を経て、フリーランスのマーケティングプランナー、ライターとして独立。1万人以上の生活者の声を聞きまとめた著書 『「捨てる!」技術』 (宝島社新書)は、130万部のベストセラーに。2008年には“家のことは生きること”をスローガンに「家事塾」を主宰。家事セラピストの養成や子ども家事塾など生活と地域を結びつけ、人材育成や次世代育成に力を入れている。 ●家事塾 ■Q.1:小学校の友達と出かけることが増え、遊びに夢中になって迷子にならないかと不安です…A.1:「迷子になったらどうすれば?」3つのリスクマネジメントを教えましょう。子どもは、楽しくて興奮していると周りが見えなくなります。自分の友だちだと思ってついて行ったら、違う子だった…。そして今、自分はどこにいるの? なんて子どもが迷子になるのは簡単です。そこで大切なのは、リスクマネジメント! 「迷子にさせないために」ではなく、「迷子になったらどうすればいいか?」を子どもに教えてあげましょう。●方法1:駅員さんやコンビニの店員さんなど近くで働いている大人に、迷子になったことを伝え対処してもらう。●方法2:ママの携帯番号を覚えさせ、またはメモを持たせておき、近くの大人から電話を借りて連絡。●方法3:誰かが探しにくるまで、その場から動かない。以上、3点を子どもに教えてあげましょう。休日に人混みが多いところにおでかけした時など、子どもも本能的に迷子の危険を感じるタイミングが有効です。迷子になったらこうするんだよ、と教えてあげると子どもにもスムーズにインプットされるでしょう。■Q.2:子どもに鍵を持たせたいけれど、なくしやしないか心配する日々…。A.2:鍵をなくした時は“顔見知りのご近所さん”を頼るように約束を。子どもが鍵をなくすこともあれば、たまたま家に誰もいなくて鍵がかかって入れないこともある…かもしれません。そんな時、どうすればいいか? を子どもに教えてあげましょう。まずは、近所の人を頼るように教えてみては? 「鍵がなくて入れません。ママが帰ってくるまでいさせてください」と子ども口からお隣さんに説明できればパーフェクト。でも、この助け合いをご近所同士でできるようになるには、普段からご近所さんにあいさつしたり、立ち話をしたり、子どもを交えて交流する機会を作ることが大切です。顔見知りの近所の人が不在の場合は、近くのコンビニエンスストアや書店、公園に行くなど、どこにいれば安全か?を普段から教えておく必要があるでしょう。間違っても、窓から入ろうとしてベランダや壁によじ登ったりしないように、「それは絶対しないでね」と約束させましょう。 ■Q.3:学校の友達からいじめられたりしないか? 気がきじゃありません……A.3:嫌なことをされたら「やめて」とはっきり言葉で伝えるようにアドバイスを。人がたくさんいれば、必ずいざこざが起こるのは世の常。さてさて、いじめ問題を子どもにどう教えましょうか。「自分がされて嫌なことは人にしない」、このフレーズは耳にタコですよね。みんながそれをわかっていても、いじめはなくならない。その理由は、自分がされて嫌なことは、人それぞれ違うから。A子ちゃんにやっても怒らないのに、B子ちゃんには号泣されちゃった…なんてことが起こるのは当たり前なのです。でも、嫌なことをされて泣いたり怒ったりしてSOSを出す子どもはまだ安心。一番しこりが残るのは、嫌なことをされても我慢して、いじめっ子と付き合い続ける子どもです。友だちに嫌なことをされたら、「やめてほしい」「私は楽しくない」と、気持ちを相手に伝えるように子どもに教えてあげましょう。相手に思いが伝われば理解もしてくれるでしょうし、付き合い方も変わっていくはず。嫌な気持ちも、うれしい気持ちも、言葉できちんと伝えられる子どもに育ててあげたいですね。■ひとりでもピンチを乗り越えられる子どもに導いてあげましょう小学生になり、さらにいろいろな出来事が増える今日この頃。逆をいえば、ピンチや心配ごとがたくさんあるからこそ、教えてあげる機会も増えるというものです。前述のとおり、迷子も、鍵をなくすことも、いじめもすべては親が先回りして「リスクマネジメント」できるかどうかにかかっている、といっても過言ではありません。「こんな時、どうすればいいと思う?」と普段からピンチシーンを想像させ、子どもがどういう対応策を考えているか聞いてみるのもいいですね。その考え方が正しいか、修正すべきか、がすぐにわかると思います。さあ、ひとりでもピンチを乗り越えられる子どもに育てましょう!参考図書: 「小学生になったらどうするんだっけ」 (毎日新聞出版)著者:辰巳 渚 漫画:朝倉世界一小学校入学は、自立のスタート。あいさつができる、親友ができる、学校を楽しめる小学生になるための方法を辰巳さんが教えてくれる。『毎日小学生新聞』の人気連載をまとめた本書は、漫画で楽しく学べる新しい“自立の教科書”。親子で一緒に読んでみよう。※取材協力をいただきました辰巳渚さんが2018年6月26日、不慮の事故により亡くなられました。ウーマンエキサイト編集部一同、心よりお悔みを申し上げます。取材・文/山田裕子
2018年04月22日春は入学のシーズン。小学生になる子どもとともに、新しい世界のはじまりにドキドキしているママも多いはず。今まで一緒に行動していた子どもが、自分から、そして家庭から離れ、だんだんとひとりの時間を持つようになります。それはいわば、自立の第一歩。この先の自立を見据えて、小学生になったからこそやってあげるべきことがあるのではないでしょうか?そこで、書籍『小学生になったらどうするんだっけ』(毎日新聞出版)の著者である辰巳 渚さんにお話をうかがいました。“生活哲学家”という肩書も持つ辰巳さんらしい「小学生になったらしてあげたいこと」5項目をご紹介しましょう。辰巳 渚さん プロフィール1965年生まれ。文筆家、生活哲学家。大学在学中から生活心理分析のマーケティングに関わり、卒業後は『月刊アクロス』(パルコ出版)記者、(株)筑摩書房にて書籍編集者を経て、フリーランスのマーケティングプランナー、ライターとして独立。1万人以上の生活者の声を聞きまとめた著書 『「捨てる!」技術』 (宝島社新書)は、130万部のベストセラーに。2008年には“家のことは生きること”をスローガンに「家事塾」を主宰。家事セラピストの養成や子ども家事塾など生活と地域を結びつけ、人材育成や次世代育成に力を入れている。 ●家事塾 子どもの自立のためには、ママとパパの意識改革も必要です。自立は、ひとりでできることが増える、ということ。ずーっと子どもに手をかけてきた生活から卒業し、子どもがひとりでやれるかどうかを見守り、声がけでサポートしてみましょう。■小学生になったらしてあげたいこと1「おはよう〜行ってきます! までを見守る」朝起きて、身支度して、学校に出かけて行く。この一連の行為が園児と小学生の決定的な違いです。今までは、母親と一緒に玄関を出たり入ったりしていた子どもが、ひとりでドアを開け、閉めて出て行く。この単純な行為が、自立への第一歩を象徴する瞬間なのです。「ハンカチ持ってる?」「体操着は持ってる?」など忘れ物がないよう声がけして誘導し、手をかけたい気持ちをぐっとこらえて、すべての行為を子どもに任せて見守ってあげましょう。■小学生になったらしてあげたいこと2「近所におつかいに行かせる」近所にあるコンビニやスーパーマーケット、個人商店におつかいに行かせてみるのも、自立をうながす良いきっかけになります。「夕飯に使う卵を買ってきて」「明日の朝飲む牛乳を買ってきて」と商品をひとつ頼み、数百円を持たせるのがおすすめ。知らない店ではなく、通学路にあり見慣れている店や、昔から親子で通っていて馴染みのある店など店選びも肝心です。ママや家族にとって必要なことをやってもらうことに意味があります。ただし、夕方や夜に、あまり遠くの店にひとりでおつかいに行かせないようご注意ください。■小学生になったらしてあげたいこと3「お手伝いの種類を変える」園児のときのお手伝いは、子どもがやりたいことをやらせて「よくできたね〜」とほめていたママもいるでしょう。小学生になったら、子どもがやりたいことをやらせるのではなく、ママが必要なことや家族が必要なことをやってもらうお手伝いにシフトしましょう。例えば、夕飯の支度をしている時に、「冷蔵庫から麦茶を取ってもらえる?」「夜になるからカーテン閉めてもらえるかな?」という具合に、声がけしていきます。自立することは、社会で役割を持つということ。家族という集団のなかでも、みんなのために役に立つこと、それが重要な行為であることを日々のお手伝いを通して理解してもらうことが大切です。 ■小学生になったらしてあげたいこと4「片付けが自分でできる子に」ママが抱える子どもに対する悩みごとで、上位にランクインするのが、「うちの子は片付けをしない…」ということ。片付ける子になるかならないかは、根気強く習慣づけできたかどうかの違いです。「小学生になったんだからできるよね〜」と、子どものやる気をうまく誘導して、“出したらしまう”クセをつけましょう。そのためにも、おもちゃ入れ、文具入れなどモノには置き場を作ってあげることが大切です。ランドセルをリビングに投げっぱなしにしてしまうなら、リビングの片隅にランドセル置き場を作ってみるなど、ママだからできる工夫もたくさんあるはず。子どもを叱る前に、なにか工夫できないか? を考えてみましょう。■小学生になったらしてあげたいこと5「衛生習慣を改めて教え直す」歯磨き、うがい、手洗い、顔を洗う、髪を洗うなどのやり方は、園児の頃に徹底的に教え込んだ! というママは多いはず。でも、その思いがあるからこそ、小学校になったんだからひとりでも大丈夫でしょ? と目を離しがち。そして、子どもも手をかけられなくなったから手を抜きがち…。虫歯や風邪などを予防できるよう、小学校低学年のうちにもう一度手をかけて一緒になって教えることが大切です。衛生面のケアは、生活習慣の基礎中の基礎。低学年のうちに正しいやり方を身につけましょう。■最後に…「低学年というタイミングを逃さないで!」ご紹介した5項目はいかがでしたか? どれもシンプルで今すぐ始められることばかり。小学校入学という晴れやかな出来事は、子どものモチベーションを上げ、前向きな気持ちにさせます。特に低学年の頃は、まだ生活の中心が家庭にあり、ママとパパのことが大好きで一緒にいられるお年頃。ほめられればうれしいし、注意されれば素直に反省する年齢です。この好条件を利用して、生活の基礎を固め、自立への第一歩を歩ませるのにちょうどいいタイミングなのです。子どもはあっという間に成長して、親より友だちや恋人、家より学校や社会へと目を向けていきます。中学生や高校生になってから、これらの基本を叩き込もうとしても子どもは家にいないし、もっともっと教えなければいけない事柄が増えていきます。だからこそ、低学年の“今”を使って、自立できる子どもへと育ててあげましょう。参考図書: 「小学生になったらどうするんだっけ」 (毎日新聞出版)著者:辰巳 渚 まんが:朝倉世界一小学校入学は、自立のスタート。あいさつができる、親友ができる、学校を楽しめる小学生になるための方法を辰巳さんが教えてくれる。『毎日小学生新聞』の人気連載をまとめた本書は、まんがで楽しく学べる新しい“自立の教科書”。親子で一緒に読んでみよう。※取材協力をいただきました辰巳渚さんが2018年6月26日、不慮の事故により亡くなられました。ウーマンエキサイト編集部一同、心よりお悔みを申し上げます。取材・文/山田裕子
2018年04月19日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第7弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。自由とは、ルールの王様になること校則という城壁を前に中高生のわたしたちが選べる道は、二つ。従うか破るかしかありません。管理する側は、ルールを作ることで、従う者を褒め称え破る者を罰するという単純な基準を掌握することができるし、ルールを守る側は考えなくていいので楽チン。胸張って生きられるし。ルールを破る、一見自由に飛翔しているように見えるひとも、目の前でダメと言われたことを行えばいいだけなので、どちらにせよ、楽なのだ。みんなルールに圧倒され、縛られている。どちらに転んでも、ルールの奴隷だ。中学のわたしは、小ちゃい反抗なんかでは目の前にそびえ立つ絶対的なルールは落城しないと考えたのだ。自由は、そんなに簡単じゃない。ドイツの大哲学者カントは、人間の自律(=自由)は「自己立法」だと言います。誰かからあれこれ言われたことを無批判に行うのではなく、理性を行使し自ら立てた規則(ルール)に従うことこそ自由だと。ルールの奴隷になるのではなく、自らに課すルールをつくることだと。自由とは、ルールの王様になることなのだ。王様にも奴隷にもならず好きに生きればええやん、とも思いたいけど、やっぱりルールは必要。無法地帯では、ひとはひとと一緒にいられないから。他者と共存できないから。家族や友達関係や学校といった小さなコミュニティでも、大きな社会でも、ひとがひとといる限り、ルールは存在し続けます。「ひとを殺したいひと」「殺したくないひと」「殺されたくないひと」が共存するためには、まあ殺しちゃダメだろという決まりがないと、社会は成り立たない。決まりに従いながらも自由に生きるためには、「なんで殺しちゃいけないのか?」という理由を他者とともに考え、共有することが大事。奴隷制度を産み出してしまう原因は、ルールそのものにあるのではなく、押し付けがましさ思慮のなさ、そして、ルールの理由をそこで生きる他者と共有していないことにあるのではないでしょうか。「なんでスカートの長さを短くしちゃいけないの?」と勇気をもって先生に聞いたときに「校則だから」と言われたあの理不尽さを思い出します。先生も理由を知らない校則が学校に存在する状況は、ふつうに考えて、恐ろしい。学校も、生徒が納得できる校則を、生徒と一緒に作ればいいのにね。みんなで理由を考えながら。四月からの哲学対話の授業で、そんな授業もできたらいいなと、ふと考えました。▶︎オススメ記事・ある母親が“皆勤賞”を取った息子を授賞式に出席させなかった“優しい”理由・「メイクはマナー」という日本社会の“理不尽な常識”に反抗する日本人女性たち。All photos by Junko KobayashiText by Reina TashiroーBe inspired!
2018年03月15日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第6弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。最初に「ハラスメントはなぜ起こるのか?」ということを考えてみます。(今回は、パワハラやセクハラ、スメハラを含むハラスメント全般について考えたいと思います )ハラスメントが起こるのは、端的に「弱いから」でしょう。有無を言わせない様子から一見強そうに見える加害者は、「欲望を抑えられない」「人を支配してしまう」という「人間の弱さ」が露呈している、とても惨めな姿だと思います。本当は「人間関係にお前の幼稚さ持ち込まれても知らんがな」の一言に尽きるのだけど、怒りや欲望や暴力を剥き出しにする圧倒的幼稚さを前に、わたしたちは抵抗できず、被害者は常に弱い立場に置かれてしまうのです。理性、想像力、そしてコミュニケーション人間はみんな、他者を支配、吸収してしまおうとする弱さを持っています。けれど、人間を他の動物と隔てる「理性」という機能で、そのどうしようもなさを制御しています。この「弱さ」は、理性の欠如に起因すると同時に、他者と自分との線引きができなくなる「土足問題」でもあると思います。言い換えると、他者を他者だとわかる「想像力」の乏しさ。わたしだって、急に思い出すことがある。「そっか、あなたはわたしじゃないんだ」。わたしたちは、つい自分の見ている範囲を他者の基準にしがちだ。まじで、しがちなのだ。ハラスメントあるある文言、「え〜別にされても良いって顔してるよ〜」「NOと言わなかったからYESだろ」「なんでこれもできないんだよ」「やれって言っただろ」。おい、落ち着いてくれ。わたしの心や気持ちや意図、少しは想像してくれ。ところが、想像力には限界があります。表情を読み、相手の言わんとしていることを想像することは大事だけど、想像力を完全に働かせることはできないから。想像はあくまでわたしのなかに保存され、あなたの脳内とわたしの脳内が触れ合うことは一生ないのだから。だからこそ大事になるのは、「コミュニケーション」だと思うのです。ハラスメントは「言った、言わなかった」「嫌だった、嫌がっているなんてわからなかった」と、二者が永遠にすれ違いを繰り返す、圧倒的コミュニケーション不足の問題でもあるからです。もしかしたらわたしも、加害者になりうるかもしれないでも正直、わたしはとても怖い。無意識のハラスメントが。誰をどこでどう傷つけているかわからないということが。共感を求めたはずの被害者意識が肥大し「わたしの方が大変だった」というマウンティングを繰り広げそうになることが。そして人間が、実は理性や想像力やコミュニケーションをうまく使いこなせないということが。たとえ「死ね」と直接言わなくても、ディナーにしつこく誘わなくても、お尻を触らなくても、すべての言葉や行為が、それが発せられた瞬間、毒矢になる可能性をもつ。街で聞く誰かの「幸せだな」という声が、大切な人を亡くしたばかりの人の背中を刺すかもしれない、世界はそんな不安定な場所なのです。だから、もしかしたらわたしも、加害者になりうるかもしれない。なっているかもしれない。そう自覚し、隣りの人に想像力を持って接することができるかどうかで、世界は違って見えるのかもしれません。そして、誰かを傷つけていたと知ったときに、これまでの自分を捨て、変わる勇気を持てるかどうかが、このどうしようもないわたしたち人間を救う、唯一の道だと思います。みんなで血相を変えて絶対的な正しさや他者を攻撃する言葉を探すよりも、かっこいい理念やイデオロギーにしがみつくよりも、自分自身の弱さに気づき、人と人とのコミュニケーションのなかで、言葉を積み上げながら生きたいなと、わたしは思います。続きは一緒に考えてくれたら嬉しいです。意見や批判、感想をお待ちしています。Twitterハッシュタグ「#REINAの哲学の部屋」で。3月の連載のテーマ募集します!読み込んでいます…田代 伶奈Twitterベルリン生まれ東京育ち。上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。現在自由大学で「未来を創るための哲学」を開講。Be inspired!ライター。
2018年02月26日ももいろクローバーZの百田夏菜子(23)が2月19日、都内で行われた映画「ブラックパンサー」の吹き替え版完成披露試写会に出席。壇上では、百田の“リーダー哲学”がうかがえる一幕があった。 本作の主人公が「国王」であることにちなみ、「リーダーに必要な心得」との質問を受けた百田。ももクロのリーダーでもある彼女は「みんなの声を聞くこと」と答えていた。 「私がベラベラ話すよりもみんなの声を聞きたいなと思うので、いったん待ったり。取材でも『どうですか?ももクロさん』と聞かれたとき、リーダーとして答えないといけないなと私が感じること以外はひと呼吸待って……」 百田の「みんなの声を聞くこと」という“一歩引いた”リーダー哲学。それは同じく“アイドルグループのリーダー”である嵐の大野智(37)も語っていたことだった。 突然ももクロのリーダーに任命された百田だが、大野が嵐のリーダーに任命されたのもじゃんけんで決まったという。どこか似た境遇を持つ2人は、13年発売の「クイック・ジャパン」Vol.109で対談を果たしている。 「リーダーに向いていない」と自認する百田に、大野も「リーダーであることには消極的」と告白。前に出ることが、どちらも苦手なようだ。しかし大野は、こう語っている。 「好きじゃなきゃできないでしょ。仕切るとか、まとめるとか。だから、無理してやらなくていいと思うよ」 大野のリーダーであり続ける秘訣は、“ムリして仕切らないこと”。百田も「いいんですよね?自然で!」と感心していた。 このときから“一歩引いた”リーダー哲学をすでに持っていた百田。10年に渡るももクロの活躍は、こうした“自然体”な姿勢があるからなのかもしれない。
2018年02月21日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第5弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。「あなたがいないと生きられない」は、ダメだ友達に相談される「別れたいけど、でも…」のあとは必ずといっていいほど執着話。でも7年間も一緒にいた、でもいい人、でも好き、でも相手は変わると言った、etc…。人間、一筋縄ではいかぬ。複雑すぎる。「なるほどそっかー」と頷きながら、頭のなかでは別のことを考える。わたしたちは、一体なにに執着しているのだろうか。もしかして、相手に執着しているようで、実は自分に執着しているのではないか。7年もあなたと一緒にいたわたし、こんなあなただったけど一緒にいたわたし、わたしのために変わると言ったあなた。結局どこまでもわたし。わたしがわたしを縛っているだけで、その目にあなたは映っていない。めうさんが言うように、「今までかけてきた時間」の呪縛はとくに恐ろしいと思います。もはや自分でも相手でもなく、宙に浮いてしまった「関係性」を必死に捉えようとしている。でもこの関係性だって、実は相手に共有されていない自分だけのものかもしれない。相手の意志が配慮されている感じはしません。あと、孤独が辛いから執着してしまうということもよくある。でも、相手はわたしの孤独解消の手段なんかじゃない。人格だ、人格。これら執着に共通するのは、世界が自分のものになってしまっている、他者不在の自己愛だということ。「あなたがいないと生きられない」みたいな、他者を自己に還元してしまう、依存だ。自戒を込めて、他者と世界はお前のものじゃねえよ、と言いたくなる。そういう意味では、愛と執着をちゃんと分ける必要はある気がします。いや、もっと相手に執着したら?でもそのうえで(←これ大事)、執着なんてし合わないで「あなたの好きにして」も、なんか違う気がする。束縛しちゃだめ、所有欲は罪だ、みたいな恋愛観って一見正しいけれど欺瞞的だとも思います。前提に「人間ひとりで生きられる」的な、行き過ぎた個人主義が潜んでいる気がするから。18世紀に活躍したドイツの哲学者イマヌエル・カントは、「自律」と「他律」を分けて、「大人だったら自律して理性的に生きろ」と言います。カントの世界観では、関係性や他者よりも「自己」が先立っていて、自律した大人たちがそれぞれ理性的に結びついている。イメージは、きちんとした大人同士の恋愛。(カント研究者たち、雑な解釈で本当にすみません)でも、わたしたちは本当にそういう世界で生きているのでしょうか。そういう人間像を理想としているのでしょうか。わたしは、自律した個人が点在しているのではなく、網の目のなかにすでに人間は存在してしまっている、つまりネットワーク的な関係性を持ってしまっていると思います。そして、この世界や存在はすでに「ある」ものではなく、「つくっていく」動的なものだとも思います。人間関係は、乾いた砂のようにサラサラしたものではない。ここは、誰かがいるからこそ生きていける世界。だからといってベタベタだけでも自己愛に回収される執着ごっごでもない。孤独だし、孤独じゃないし。誰でもいいようで、誰でもよくないし。なんか言ってそうで、何も言ってない…?いや、そうなんだけど、その揺れ動きのなかで、どうしようもなさのなかで、ひとは生きているのだなあ、と思うのです。わたしの敬愛する20世紀ドイツの実存哲学者、カール・ヤスパースがこんなことを言っています。私自身であることは孤独だということである。私もまた自立者として独立して自分自身でないならば、私は全く他者のなかに自分を失う。このとき私自身がなくなると同時に、コミュニケーションが破棄される。私は、コミュニケーションへ入ることがなければ、自分になることができず、孤独でなければコミュニケーションに入る事ができない。どっちだよ、というツッコミはさておき、ヤスパースがいうコミュニケーションは、「おはよ」「ういーっす」ではなく、「心を本気で見せあおうぜ」みたいなヤバイやつで、「愛しながら戦い」と言い換えられたりもします。コミュニケーションが、戦いかよ。生半可な執着じゃない、キングオブ執着。ヤスパースは、人間は孤独とコミュニケーションの「両極性」のうちに存在する。ひとは、「他者へのコミュニケーション的態度と、自己の絶対的独立性という緊張関係のうちに存在するのである」と続けます。でも思うのは、いまこの世界で圧倒的に足りていないのは、コミュニケーションのほうではないでしょうか。だからもっと「相手」に執着したら?と思う。もっともっとコミュニケーションをとって相手を知ろうとしたり、応答し合ったり、感情を出し合ったり、愛を持って戦ったりすればいいのに。そしたら世界は、孤独でバラバラで壊れそうな人間がへばりついているところじゃなくて、同質さも異質さも共有して「あなたがいるから生きられる」空間になるのにな。All photos by Junko KobayashiText by Reina TashiroーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#004 「レディファーストって古くない?」でも、嬉しくない?“男性が女性を丁寧に扱う文化”を哲学的に考える| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』 こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第4弾。一方通行ではなくみん...
2018年01月17日Instagramが人気です。「#キラキラ女子」と揶揄(やゆ)されることもありますが、若い若い世代の子たちが、ナイトプールに行ったり、インスタ映えするカフェに行ったりするのは、一つのブームになっています。今では「お友達代行サービス」なるまで誕生し、一緒にインスタスポットに遊びに行く友達を「買う」人がいるというのですから驚きです。Instagramが流行る前からツイッターなどでも、「彼ピとデートなう」と呟いているにも関わらず、実は一人でランチしているという人が取り上げられていたりしました。なぜここまでして彼女たちは「自分がリア充である」ことを世の中に発信したがっているのでしょうか?■素敵な仲間に囲まれていたい、という欲求日本はとても豊かな国です。生まれた時から家に冷暖房機はありますし、テレビもネットもスマホもあって、生活に困ることはほとんどはありません。「生活するのに困らない状態」になった人たちが抱く欲求のレベルとして、次のレベルにあるのは「素敵な人たちに囲まれていたい」という欲求です。「キラキラアカウント」の特徴として、「キラキラしている自分」と「キラキラしている彼氏・友達」との交流を表現していることが挙げられます。つまり、「私は今、こんな素敵な人たちに囲まれていて、こんなに毎日が充実してるの!」というアピールに対して「いいね!」と言ってもらいたがっているわけです。■真のリア充は一人でも充実しているツイッターではよく、幸せそうにしているカップルを茶化した、「リア充爆発しろ!」と言う言葉を見かけますが、他人の恋愛がどうしてそこまで妬ましく感じてしまうのでしょうか?「自分にはイチャイチャできる彼氏も、本音で語り合える友達もいないから、毎日がつまらない」という認識がそうさせるのでしょうか。そういった人に考えてみて欲しいのは、恋人がいたからと言ってドロッドロな毎日を送っている人もいるし、おしゃれな友達に囲まれていても、自分を偽って無理やりその人間関係を続けようとしている人もいる、ということです。ということは恋人がいるからいないから、素敵な仲間に囲まれているからいないから、というのはリア充になる要素とは一切関係のないことなんですよね。むしろ一人の時間が多くても、何かに向かってひたむきにチャレンジしている人の方が、喜怒哀楽のいろんな感情を味わうのでよっぽど「リアルが充実」しています。InstagramなどのSNSは自己表現のツールとしてはとても素晴らしいものです。しかし、他人の投稿とくらべて「自分は何をやっているんだろう・・・」と悩む必要はないのです。■私たちはキラキラするために恋をするわけじゃない素敵な仲間に囲まれることは素晴らしいことですし、私生活が充実していることは非常に素晴らしいことです。その結果周囲から「いいね」と言ってもらえるのは自然なことです。しかし、恋愛をしているしていないに関わらす、20代前半までの女の子たちと会話をしていると、「いいねがもらえていない自分への焦り」のようなものを感じずにはいられません。これを読んでいるあなたももしかしたら、友達のSNSの投稿を見て「いいなぁ」とか「羨ましいなぁ」とか、心の中で呟いているかもしれません。ただ、「私もあの子みたいにキラキラするために恋愛したい」と思うのは、本末転倒であると言わざるを得ません。私たちは、恋をした結果キラキラすることはあっても、キラキラするために恋をするわけじゃないんです。その順番だけはどうか間違って欲しくないなと思うのです。(川口美樹/ライター)(ハウコレ編集部)
2017年12月14日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第4弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。レディファーストは嬉しいレディファーストに対し、「そもそもの起源が女性蔑視だからダメ」とか「女性が何も出来ないから男性がしてあげるという風潮が女性を見下す女性差別だ」と批判することができると思う。逆に「女性の優先権を認めるのは男性差別だ」と反論する人もいるでしょう。欧米ではこのような理由から、時代に合わないレディファーストが見直されているという話も聞きます。どれもわかる気がするんだけど、喉に何かがへばりついて飲み込めない。「素直にどう思いますか?」という問いかけなので、わたしの意見を書きます。わたしは、レディファーストされたら嬉しいし、好きな人が奢ってくれたらふつーに喜ぶ。けど、この喜びは「女性は奢られるべきだ」という信念や「相手が男性だから」という理由に基づくものではありません。いや、むしろもっと浅はかで、その相手に優しくされたらうれぴー! ジェントルマンってステキー!程度のものかもしれない。だって、レディファースト、誰も損してないじゃん、とか思っている。やばい、フェミニズムの波に乗り遅れている。なんとかイズムにとらわれずにもう少し考えてみます。「男性はこうすべき」「女性はこうすべき」という性別を根拠にした規範を、社会や他者が押し付けるのは間違っていると思います。間違っていると思う理由は、そうできない(したくない)人の自由を奪うから。そして、「女ー男」社会の終焉を迎えるべきこのご時世で「性別」を主張の根拠に持ち出すのは愚かだから。というか、「男だったら荷物を持てよ」とか「女だから払わなくていいよ」は、差別というか、根拠不十分なハラスメントって感じ。女性の解放を求めて戦った20世紀フランスの哲学者ボーヴォワールの言葉を紹介します。女性を優先し、責任を解放することで、結局相手の自由を奪うことになっているという指摘。どうでもいいときには男が女を立てて一等席を譲るべきなのはお決まりのこと。原始社会のように女に重い荷物を背負わせる代わりに、つらい仕事や心配事の一切を急いで女から取り除く。それは同時に、女を一切の責任から解放することである。こうして女は自分の立場の安易さにだまされ、心をそそられて、男が女を閉じ込めたがっている母や主婦の役割を受けいれるよう期待されるのだ。田代 伶奈ベルリン生まれ東京育ち。上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。12月から自由大学で「未来を創るための哲学」を開講。Be inspired!ライター。Twitter: photos by @hello.itsnoemiText by Reina Tashiro ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#003 「死ぬのが怖いんです」。ある高校生の普遍的な悩みに、28歳の彼女が出した答えとは。| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』 こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第3弾。一方通行ではなくみん...
2017年12月14日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第3弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。人間は自由だからこそなにものにでもなれるよ生まれながらにして死刑囚である人間は同時に、何にも規定されていない自由な存在でもあります。「人間は自由の刑に処されている」という有名な言葉を残した哲学者サルトルは、人間は自由だからこそなにものにでもなれるよ、と言ってくれます。優しい。人間は最初は何ものでもない。人間は後になってはじめて人間になるのであり、人間は自らが造ったところのものになるのである。人間の本質は存在しない。その本性を考える神が存在しないからである。人間は、自らそう考えるところのものであるのみならず、自ら望むところのものであり、実存して後に自ら考えるところのもの、実存への飛躍の後に自ら望むところのものであるにすぎない。「ところのもの」が多過ぎて頭が痛くなりそうですが、サルトルが言わんとしていることは、自分で自分の人生を自由にデザインして生きていくしかない、ということです。神みたいな超越的な存在から「あなたの人生はこうだ」みたいな本質を与えられていないからです。だから人間はとても孤独だし、自由と引き換えに全責任を背負わなければいけない。わたしのちっぽけな人生には「あなたはジェダイだ」「人類を救う宿命だ」なんていうシナリオはない。でも、だからこそ人間は、100年間の牢獄の中で、自分の人生を設計できるし、そこに意味や価値を創造していくことも、喜びを見出すこともできるのです。神の前でも、サクラダファミリアの前でも、生の脆さの前でも、わたしは「自分でつくったところのもの」でしかないからです。そして人間は、わたしとあなたと地球と宇宙がいつか消えてしまうというやばすぎる事実に無力さを感じる以上のことができます。わたしたちは、どうしようもない死への恐怖が頭を駆け巡った次の瞬間、お笑いを見ながら爆笑できる。恋をして胸がドキドキしたり、バーゲンでお気に入りのものがゲットできたり、美味しいご飯を食べたり。日常の小さなことに大きな大きな幸せを見つけ、人生の意味を噛みしめることができる。死への恐怖が消えることはないけれど、なにも哲学して賢者になったり悟りを開いたりしなくても、恐怖に人は勝つことができるのです。これが、生きているということの事実だし、人間の偉大さなのだと思います。最後に谷川俊太郎の『質問箱』という本を紹介します。死ぬのがいやだと言う6歳のさえちゃんへの答えです。詩人、すごいなあ。質問どうして、にんげんは死ぬの?さえちゃんは、死ぬのはいやだよ。(追伸:これは娘が実際に母親である私に向かってした質問でした。正直、答に困りました〜)ぼくがさえちゃんのお母さんだったら、「お母さんだって死ぬのはいやだよー」と言いながらさえちゃんをぎゅーっと抱きしめて一緒に泣きます。そのあとで一緒にお茶にします。あのね、お母さん、言葉で問われた質問に、いつも言葉で答える必要はないの。こういう深い問いかけにはアタマだけじゃなく、ココロもカラダも使って答えなくちゃね。 今回のお悩みも一緒に考えてくれたら嬉しいです。意見や批判、感想をお待ちしています。Twitterハッシュタグ「#REINAの哲学の部屋」で。読み込んでいます…
2017年11月15日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第2弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。伶奈って誰?▶︎「当たり前」を疑わない人へ。「哲学」という“自由になる方法”を知った彼女が「答えも勝敗もない対話」が重要だと考える理由。前回の連載▶︎#001 「なんで複数の人と恋人関係になっちゃいけないの?」28歳の彼女が“社会の理不尽な恋愛ルール”に物申す。他者を手段としてだけでなく同時に目的として扱え「人と人の関係ではなく、モノとして見られているとさえ感じる」というKさんの気持ち、よくわかります。食に限った話ではなく、これもまた現代の病がもたらす恐怖感なのかもしれません。18世紀に活躍したドイツの哲学者イマヌエル・カントは、すごぶるカッコイイ言葉を残しています。人間および一般にすべての理性的存在者は、目的自体として存在し、誰かの意志の任意な使用のための手段としてのみ存在するのではなく、自己自身の対する行為においても、また他のすべての理性的存在者に対する行為においても、常に同時に目的として見られねばならない。2017年日本から突然1785年プロイセン王国。寿司からカントかよ。カント大先生の目眩がするような言葉を要約すると「自分や他人を単に手段として扱ってはならず、 常に同時に目的自体として扱わねばならない」ということ。人間を交換可能な「モノ」のようにだけ扱ってSNSや評価のための手段にしたり、「お前の寿司じゃなくても別にいいし」みたいな態度で蔑ろにしてはいけません。相手をきちんと人間と見なして尊敬しましょうというお話です。それが、生きるうえでなによりも大事だと。食が人と人との関係だとすれば、カウンターでお寿司を食べるときにわたしたちが享受しているのは、寿司そのものだけでなく、寿司を握るまさにその人。それに加え、質感や雰囲気などその人が醸し出す全てに一万円以上の対価を払っているのではないでしょうか。だから作り手に感謝しながら感謝しながら食を楽しんでほしいと願うのは当然。写真を撮り怖い顔で評価しながらお寿司を食べることは、食に生きる人への冒涜だから。ああ、でも「お金払ってんだからこっちの自由やん」って言う人もいそう。学費払ってるんだから授業休んでもええやん、給料払ってるんだからもっと働けや、と。最近よく聞くこういう論調に「ちょっと待ったー!」をして締めたいと思います。なぜだか人間って、人間関係の中で生きていることを忘れがちだと思う。人間は、代替可能なモノではないし、他者不在の自由なんてない。他者がいなかったらお寿司出てこないのに、ね。だから「僕が売っているのはそれじゃないっす!」「自分も人間っす!」「目的として扱ってくれ!」って呼びかける権利はどこまでもあると思うのです。 なのでKさんの「対価をもらう以上、そういった関係になってしまうことは仕方ないのでしょうか?」に対して言いたいのは、仕方なくないよ!ということ。あまりにもモノ化してくる人が現れたら、カウンター越しに「“食”ってなんでしょうね」って問いを投げかけ、ドヤ顔でカント大先生の話をしながらお客さんと一緒に考えてみてください(お洒落な寿司屋でそんな野暮ったいことしないかな(笑))。田代 伶奈ベルリン生まれ東京育ち。上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。現在自由大学で「過去に向き合うための哲学」を開講中。Be inspired!ライター。Twitter: photos by @hello.itsnoemiText by Reina Tashiro ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#001 「なんで複数の人と恋人関係になっちゃいけないの?」28歳の彼女が“社会の理不尽な恋愛ルール”に物申す。| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』 こんにちは、伶奈です。今日から連載を始めることになりました。月に一回読者から、最近悩んでいることや、社会に対して疑問に思っていることを募り、わたしなりに哲学的に考えたこと...
2017年10月31日乳がんを経験し、講演などの活動を行う女優の音無美紀子さん(67)と「がん哲学外来」理事長で、がん患者やその家族と対話し、生きる希望を与えている順天堂大学医学部の樋野興夫教授(63)。2人に1人が罹患する時代に、がんやがん患者とともに生きてきたお2人が、病いにどう向き合えばいいかを語り合った。 音無さんは’88年に乳がんが見つかり、当時標準治療だった全摘手術を受けた。手術後は、うつになり「死にたい」と苦しんだという。 音無「10時間に及ぶ手術、その後のリハビリと奮闘しましたが、抗がん剤の点滴治療のミスをきっかけに心を閉ざしてひきこもり状態に」 樋野「がん告知を受けた人の約3割に音無さんと同じようにうつ的な症状が現れます」 音無「眠れない、食べられない、何もできない。当時、そういうのは、心が弱い人がなる“ノイローゼ”だと思い込んで、恥ずかしくて病院にも行けなかった。告知されてからの闘病の苦しみ、『なぜ私が?』という恨みや未練も重なり、つらかった。いくら医療技術は進歩しても、人間の“心”は同じ気がしますね」 樋野「はい。医師には最先端の治療を確立することと、もう一つ『人間的な責任で手を差し伸べる』という使命がありますが、それが失われようとしています。そこで私は’08年に『がん哲学外来』を立ち上げました。患者さんとご家族に、『病気であっても病人ではない』『がんも単なる個性である』というような言葉の処方箋を出しています」 音無「言葉といえば、ある日、当時小学生だった娘の『ママなんで笑わないの?』の言葉にハッと気づかされたんです。左胸を全摘してから自分の体もそうですが、いっさい鏡を見られなくなったんです。鏡を見てみると口角も上がらないし、どう笑えばいいのかさえ忘れてしまっていて。娘に言われてから意識して鏡で笑顔をつくるようになりました。少しすると口紅もつけてみよう。美容室にも行こうと、徐々に元気になれました」 樋野「家族の『言葉の処方箋』に助けられましたね。私の哲学外来では一人1時間、カルテもなし。お茶を一緒に飲みながら話を聞いて対話するだけです。どんな病気なのか。なぜここに来たのかをじっくり聞くうちに本音を吐露していきます。自殺を考えていた人に『あなたには役割がある。存在には意味がある』と伝えると、自分ができることを探し始めます。その患者さんが自ら『メディカルカフェ』を開き、同じ苦悩する人の悩みに耳を傾ける人もいるんです」 音無「私自身、“心が重い日々”が続きましたが、一歩を踏み出すことで変わりました。うつで、夏休みに娘をどこにも連れていけないとき、『絵日記を書く材料がない』って言われたんです。娘は『ママと、目玉焼きをつくりたい』と言うから『それならできるかも』と、勇気を出してやってみたら『ママすごい』と娘が喜んでくれました。翌日、『じゃあ、おにぎりをつくろうか』と言って三角おにぎりをむすんだ私に『すごい』と娘が言ってくれて。本当に小さな一歩でしたが、これをきっかけに気持ちが回復していきました」 樋野「家族の接し方では、懸命に尽くすつもりが、気持ちの押し付けになる“よけいなおせっかい”が多い。ふだんは話もしないのに病気になると、途端に世話を焼く。それが患者の悩みや負担につながっています。そんな人に私は『偉大なるおせっかいであれ』と伝えます。同じ部屋にいて寄り添うだけでいいんです。夫婦でリビングに無言で1時間一緒にいる。“よけいなおせっかい”だと思われないように、お互いが一緒にいることで安心できる関係をふだんからつくっておきましょう。大事なのは相手に関心を持つこと。『後ろからじっと見守る』イメージです」 音無「私たちも仕事が忙しく、ふだんは対話の時間が多かったわけではないのですが、主人(俳優の村井國夫さん)は私が病気のことを人に言えずに苦しんでいることを見てくれていたようです。『もうさらけだせば』という思いが助けになりました。がんになって13年後、’01年に主人がテレビ番組でポロッと私のことを話したところ大反響で、それをきっかけに私も『徹子の部屋』に出演して闘病について告白でき、ようやくラクになりました」
2017年07月22日女優の武田梨奈が、きょう21日に放送される読売テレビ・日本テレビ系バラエティ番組『ダウンタウンDX』(毎週木曜22:00~23:00)に出演。家では裸同然で生活していることを告白する。武田は、父・武とともに出演し、「今でも親子でお風呂に入る」という武田家のルールを紹介。「毎日ではないですけど、今も入ります」と赤裸々に告白する。さらに、家の中で家族は裸かパンツ一丁で基本的に過ごしていることも暴露。「私もパンいちです。上は着ていない」とぶっちゃける。このほか、タレントの布川敏和も、娘の桃花とともに出演。布川家は、SNSやブログで家族の近況を確認しているといい、敏和は「元嫁さんとも犬を預かってもらいたいときとか、LINEでやりとりしますよ」と離婚後のつちやかおり関係を告白する。しかし、松本人志に「じゃあ(家族を繋げているのは)SNSちゃうやん。犬やん」と指摘されてしまう。今夜の放送には、親子8組が出演。ほかに、西岡德馬&優妃、Mr.マリック&LUNA、品川祐&マダム路子、バービー(フォーリンラブ)&笹森順子、村本大輔(ウーマンラッシュアワー)&友利子、宮本エリアナ&麻美子が出演する。
2016年07月21日ソクラテスといえば、だれもが知る古代ギリシアの哲学者。いまから2400年前、生まれ故郷であるアテナイの街に出て、若者に質問を投げかけて対話をしていたということで知られています。本人すら気づかない「本当の考え」を引き出す「ソクラテス式問答法」という対話法を得意としていたことも有名な話。『ソクラテスに聞いてみた 人生を自分のものにするための5つの対話』(藤田大雪著、日本実業出版社)は、そんなソクラテスが登場人物として活躍するユニークな書籍。現状に不安や不満、疑問を感じる27歳の青年と、いきなり目の前に現れたソクラテスとの対話を軸に、ストーリーが展開されていくのです。きょうはそのなかから、第4章「お金お金との「ちょうどいい距離」とは?」に注目してみたいと思います。■投資は確実に富をもたらすものではない将来の生活を不安に思っていたサトルは、その打開策として「投資」に注目し、その重要性をソクラテスに説きます。ところが意見は噛み合わず、ソクラテスはサトルに「投資をする人の人生を吟味しよう」と提案します。将来の生活を憂えて投資をはじめようとしているということは、投資によって将来の生活不安を和らげたいと願う心が宿っているということ。では、その心は、それが宿った人間の魂を全体としてどのようなものにつくり変えていくものなのか?すなわち、投資家のメンタリティを持つことが、人間の生き方にどういう影響を与えるのか?ここで重要なのは、投資が必ず儲かるものではなく、不確実性が伴うものであるという事実。どんなに優秀な投資家であっても、損をする可能性はゼロではないということ。つまり投資は、確実に富をもたらす性質のものではないとソクラテスはいうのです。■備えあれば本当に「憂いなし」でもないだとすれば、投資によって将来の生活不安を和らげたいと願う投資家たちは、自分の意のままにならない事柄に自らの運命を委ねているということになるはず。ところで、自分の意のままにならない事柄に運命を委ねる人は、内面的になにかの不安を抱え込みやすくなるのではないか? ソクラテスはそう疑問を投げかけます。サトルはそれに対して「備えあれば憂いなし」と反論しますが、ソクラテスはそこを指摘します。本当に「憂いなし」なのか?ほかならぬ「備え」のために、ずっと大きな憂いを抱えているように見えると。■なにを愛し求めるかで人の価値が決まる次にソクラテスはサトルに対し、一般的にいって、「なにかを追い求めようとする場合、そのなにかの点で不安になったとすれば、それについて考えることはいっそう多くなる」と指摘します。だとすれば、財産の点で不安を感じやすい投資家は、お金のことを気にしやすく、お金に執着した人間になりやすいということになるとも。つまり、お金に執着した人間になることは恐ろしいということをサトルに伝えたかったわけです。そして、このような趣旨のメッセージを伝えます。・人間の値打ちは、「なにを愛し求めるか」によって決まる。・立派なものを愛し求め、徳のために最善を尽くす人は、もうそれだけで立派で幸せな人である。・逆にお金の魔力にとらわれた人は、心が狭く、お金以外の価値を信じられない人間になる。・その結果、幸福な人ならだれもが持っている大らかさや朗らかさをうしなっていく。だからこそ私たちは、自分の心にお金への執着が生まれないように気をつけなければならないというのです。金儲け以外のことにはいっさい心を向けず、ただ「できるだけたくさんお金がほしい」と願いながら一生を送るなどということは、恥ずべきことだと。なぜならそれは、たった一度しか生きられない人生の価値を、自分自身の手によって、小さく、みすぼらしく、つまらないものにしてしまうことだから。■ソクラテスの考える正しいお金の使い方そしてお金は、「いい使い方」をすることが大切。そう主張するソクラテスは、自分が考える「いい使い方」とは、大切な人のために使ったり、立派で美しいことのために使ったりする、そういうお金の使い方だといいます。そういう使い方ができない人は、いくらお金を持っていても不幸せだというのです。なぜなら、友だちや恋人よりもお金のことを気にかけるような人は、決して「幸せ」ではないはずだから。*ここでは簡略化していますが、実際のサトルとソクラテスとの対話は、まるで禅問答のよう。つまりは堂々巡りの連続であるわけですが、だからこそ最終的には“真理”へとつながっていくことになるわけです。ソクラテスをホームレスのようなキャラクターに設定しているなど、見方によってはかなり強引な部分もありますが、そこが本書のおもしろさだともいえそうです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※藤田大雪(2016)『ソクラテスに聞いてみた人生を自分のものにするための5つの対話』日本実業出版社
2016年04月12日日本の道100選にも選ばれる哲学の道は、京都を代表する、散歩道。南禅寺や永観堂禅林寺から銀閣寺までを結ぶ、魅力的なコースです。疎水沿いに石畳の道がつづき、ずっと桜の木が寄り添う。満開に咲いた春はもちろん、夏の緑も、秋の紅葉も見事。小さなお地蔵さんたちと出会ったり、品の良いうつわ屋さんを見つけたり、道々の思いがけない発見にもときめきます。哲学の道をちょっと北へはずれて、自然が身近に感じられる、安楽寺や法然院のある通りを歩くのもおすすめ。また最近、注目のお店がオープンラッシュの浄土寺エリアもすぐそば。「くろだにさん」と呼ばれて親しまれる金戒光明寺から、紅葉の名所でもある真如堂や吉田神社、はたまた、平安神宮や美術館のある岡崎エリアへ向かっても。ルートに縛られず行ってみたいところを目指し、気の向くまま散歩を楽しんで、自分の目で「京都らしさ」を発見する。新旧さまざまな出会いが待っている、歩いてこそ楽しいエリアです。■南禅寺鎌倉時代、亀山法皇の離宮を無関普門が禅寺に改め開山。石川五右衛門の「絶景かな」で知られる三門は、眺望はもちろん、柱越しに見る屏風絵のような緑も絶景。紅葉の水路閣もロマンティック。左京区南禅寺福地町868:40~17:00、12/~2/28は~16:30(受付終了は閉門20分前)12/28~31休拝観料 方丈庭園500円、三門500円■金戒光明寺法然が結んだ草庵が始まり。五劫思惟(ごこうしゅい)阿弥陀仏像がアフロ仏像の愛称で人気に。運慶作、文殊菩薩像の凛々しい姿も必見。左京区黒谷町1219:00~16:00拝観料志納11/1~12/6秋の特別公開 御影堂・大方丈・庭園600円、山門800円、セット券1200円夜間拝観(御影堂・大方丈・庭園)800円(17:30~20:30)■銀閣寺喜み家名物の豆かんは塩っ気も食感もほどよい赤えんどう豆、なめらかな寒天、波照間島の黒糖で作るまろやかな黒蜜が抜群のバランス。シンプルに堪能するもよし、アイスクリームや白玉をのっけて楽しんでも。冬場の京風白味噌雑煮も心待ちにするご贔屓多し。店主の北村礼子さんの美意識を感じる名店。左京区浄土寺上南田町37-110:30~17:30不定休※『anan』2015年11月4日号より。写真・仲尾知泰文・宮下亜紀
2015年11月01日幻冬舎は8日、書籍『執事だけが知っている世界の大富豪 53のお金の哲学』(1,300円/税別)を刊行した。著者は執事として総資産50億円以上のVIPたちを365日24時間世話してきた新井直之氏。○執事の丁寧な口調で紹介同書は2014年8月に発売された書籍『執事だけが知っている世界の大富豪 58の習慣』(幻冬舎/1,200円/税別)の第二弾であり、執事の丁寧な口調で語られる"お金"をテーマにしたビジネス書。同氏が間近で大富豪を見る中で発見した、チャンスの捉え方、富を呼ぶコツ、持っているお金を増やす方法を紹介する。著者は日本で唯一、執事サービスを提供する日本バトラー & コンシェルジュ代表 新井直之氏。書籍では、「松竹梅で迷ったら、梅を買う」「宝くじは買わない」「投資の勝率は1割」「持ち家はない」「不景気になると喜ぶ」といった、一風変わった「大富豪の哲学」が語られる。
2015年10月09日家に帰るとほっとする……というのは結婚生活の理想だが、逆に「家に帰りたくない」という気分のときもあるのではないだろうか。今回はマイナビニュース会員の既婚男女300人に、「家に帰りたくない」と思うときがあるかどうか聞いてみた。Q.「家に帰りたくない」と思うときはありますか?はい 20.3%いいえ 79.7%Q.それはどうしてですか?○ひとりになりたい・「一人になりたいとき」(38歳男性/愛知県/技術職/通信)・「一人の時間が欲しい」(29歳男性/東京都/事務系専門職/学校・教育関連)・「一人でいたいときもあるから」(30歳男性/神奈川県/技術職/情報・IT)・「家では一人にはなれないから」(29歳女性/東京都/営業職/情報・IT)○疲れている・「疲れすぎて」(50歳以上男性/埼玉県/技術職/情報・IT)・「心が疲れたとき」(50歳以上男性/東京都/技術職/建設・土木)・「疲れるから」(32歳女性/兵庫県/その他/その他)○仕事がうまくいっていない・「仕事がうまくいかなく腐っているとき」(50歳以上男性/神奈川県/技術職/電機)・「仕事で怒っているとき」(41歳男性/東京都/事務系専門職/商社・卸)・「仕事の調子が悪くて、一人になりたいから」(32歳女性/東京都/営業職/ホテル・旅行・アミューズメント)○家事がつらい・「家事がしんどいとき」(27歳女性/広島県/事務系専門職/情報・IT)・「仕事で疲れた後で、洗濯物のたまっているウチへ帰らないといけないとき」(24歳女性/山口県/専門職/食品・飲料)・「家に帰っても休むことなく家事育児に追われるだけだから」(32歳女性/埼玉県/営業職/金融・証券)・「家事が待っていて、仕事の事務処理が後回しになってしまうので」(26歳女性/岡山県/営業職/その他)・「料理をしなくてはいけないので」(34歳女性/岡山県/営業職/ホテル・旅行・アミューズメント)・「片付けてなくて家に帰ったら掃除という現実が待ち受けているから」(30歳女性/兵庫県/その他/その他)○夫・妻の相手がしんどい・「相手をするのがしんどい」(28歳男性/千葉県/事務系専門職/医療・福祉)・「妻の態度にあきれた時」(49歳男性/群馬県/事務系専門職/自動車関連)・「妻が荒れているとき」(28歳男性/千葉県/技術職/自動車関連)・「嫁が生理前でいらいらしてるから。」(36歳男性/埼玉県/技術職/金属・鉄鋼・化学)・「旦那の機嫌が悪い時」(27歳女性/熊本県/事務系専門職/医療・福祉)○子どもの世話が大変・「疲れているのに、子供がかまってくれとせがむから」(39歳男性/福岡県/技術職/その他)・「仕事で疲れているのに、子供の面倒を見ろと言われるので」(33歳男性/愛知県/技術職/機械・精密機器)○夫・妻とけんか・「けんかをしているとき」(31歳女性/東京都/営業職/情報・IT)・「けんかをして仲直りしていない」(50歳以上男性/兵庫県/事務系専門職/商社・卸)・「けんかをして気まずい時」(48歳男性/埼玉県/技術職/通信)○リフレッシュしたい・「どこかで気分転換したいとき」(32歳男性/愛知県/営業職/食品・飲料)・「気分的にリフレッシュしたいから」(29歳女性/三重県/事務系専門職/電機)○飲み会がたのしい・「飲み会とかで楽しいとき」(41歳男性/愛知県/技術職/運輸・倉庫)・「飲み会にもっといたいとき」(27歳男性/愛知県/事務系専門職/食品・飲料)・「仲間内で飲んでて楽しい時に時間を気にせず飲みたい」(33歳女性/北海道/事務系専門職/医薬品・化粧品)○その他・「退屈だから」(31歳女性/東京都/事務系専門職/機械・精密機器)・「家の中が汚かったり、蒸し暑かったり」(50歳以上男性/愛知県/専門職/団体・公益法人・官公庁)・「浮気したくなるから」(27歳女性/奈良県/営業職/小売店)・「自宅が遠いから」(25歳女性/千葉県/販売職・サービス系/小売店)「家に帰りたくない」理由はさまざま。「一人になりたいから」「疲れているから」というのは男女で共通していた回答だが、男性では「仕事がうまくいっていない」「妻の相手がしんどい」という内容、女性では「家事がつらい」という声が比較的多かった。特に女性の「家事がつらい」という内容の回答には、「仕事で疲れた後で、洗濯物のたまっているウチへ帰らないといけない」「片付けてなくて家に帰ったら掃除という現実が待ち受けている」「家に帰っても休むことなく家事育児に追われるだけ」など切実な声がいくつも見られた。調査時期: 2015年5月29日~6月7日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 300人(既婚男性150人、既婚女性150人)調査方法: インターネットログイン式アンケート※写真と本文は関係ありません
2015年06月17日今回のテーマは、「兼業でやっていてよかったこと」である。漫画家兼会社員生活の最大の利点は「健康でいられる」ことだ。よく、「そんなに仕事したら体を壊すのではないか」と言われるが、正直、専業漫画家になった方が体と心を壊す自信がある。○二足のわらじを履くことの「利点」まず、会社勤めをしていると、規則正しい生活が送れる。毎日定時に出社するため、朝6時半に起き、夜12時前には寝るようにしている、そして、原稿は12時には寝られるようにスケジュールを立て進行させる。また、締切りを破ったことはない(仕事自体をすっかり忘れていたことはある)。「そう上手く行くか」と思われるかもしれないが、「会社に遅刻したら怒られる」、「締め切りを破ったら怒られる」等、多方面から叱責されることを考えると、どんなに怠惰な人間でも割とキッチリやるようになるのである。これが、遅刻、締め切り破り当たり前、怒られても平気、という状態になったら、もはや漫画家、会社員以前に社会に向いていない。よほど厳しく自らを律することが出来る人間以外でもないかぎり、規則正しい生活を送ろうと思ったら「定時出社」「締め切り」などの強制力が必要だ。しかし、漫画家という職業はその強制力が弱い。ハッキリ言って、締め切りさえ守れば、あとはどう生活してもいいいのだ。特に私はアシスタントなしの一人作業なので、専業作家になったら日中家に一人きりである。これは非常に危険な状況で、起きている間ずっと物を食っているか、連続飲酒状態になる姿が容易に想像できる。現在、会社では同僚たちとの人間関係構築に見事失敗したため、誰とも会話せず、ひとりで仕事をしているようなものだが、やはり人の目があるというのは大きい。デスクでネバーエンドに菓子を食ったり、胸ポケットからウィスキーを出して煽ったりはもちろん、全裸で仕事をすることもできない。つまり、私にとって、生活リズム的には、兼業状態がベストということになり、専業で健康的な生活を送ろうと思ったら、酒瓶を握ろうとする私を手刀で止めるアシスタントを雇わねばならず、非経済なのである。そして第二の利点はその「経済的安定」である。「安定した職業につけ」というセリフに対し「今の時代安定した仕事なんてあるのか?」という反論を聞くことがあるが、残念ながら圧倒的に、漫画家より会社員の方が安定している。作家の実力にもよるが、私を例にした場合、「連載が打ち切られる可能性」と「会社が潰れる可能性」を比べると、どう考えても前者の方が高い。これに「会社をクビになる可能性」をプラスすると五分五分ぐらいになってしまうが、今回は含めないものとする。とはいえ、今勤めている会社の給料はとても良いとは言えず、会社に行っている時間を漫画に使った方が割が良いかもしれない。しかし、今の会社には6年勤めているが、私の漫画連載で6年続いているものなど1本もないのである。また、今は良いが、この先10年、20年と自分に漫画の仕事の依頼が来るというビジョンがどうしても思い浮かばない。むしろ、給与というベーシックインカムを心の支えに、何とかこの不安定な仕事を続けていられるとも言える。その支柱を失ってしまったら今以上に打ち切りに怯え、酒に逃げ、それを空中とび膝蹴りで止めるアシスタントを雇わねばならず、ますます非経済なのである。先日亡くなられた桂米朝氏が「芸事で生きる人間は末路哀れは覚悟の内」とおっしゃっていたが、「俺は末路哀れで良いから漫画を描く」と思っている漫画家よりは、一獲千金を夢見た結果、末路哀れになっているケースの方が多い気がする。そして私のように、人一倍末路哀れな自分ばかり想像するタイプは、何らかの保険なしにはとても漫画など描けないのである。○専業を夢見るも…このように、兼業漫画家生活の利点は多々あるのだが、正直、漫画家1本にしてもっと自由な生活を送りたいという気持ちは非常に強い。会社に行っている時間を漫画に費やせば、作品の質が上がり大ヒット、結果的に会社を続けるより懐も潤うのではと考えることもある。しかし、「時間があれば」と言っている奴は、時間があっても5億%何もしない。会社を辞めたとしても、漫画製作時間はそのままに、余った時間は何もしないに決まっている。それに、ネガティブな人間に時間があるというのは危険なのだ。ポジティブな人間なら、リフレッシュしたり新しい事を始めたりと余暇を有効に使うだろうが、ネガティブな人間に時間を与えるというのは「いらんことを考える時間を与える」ということなのである。つまり、会社を辞めたことによってできた時間全てを「会社を辞めたことに対する後悔」をする時間に使ってしまうのだ。よって私のようにネガティブで、自らを律することができない人間は、会社と締め切りで、縛り上げ、いらんことを考える暇もなく仕事をしている状態が一番健康的な生活と言えるのである。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年05月12日KADOKAWA メディアファクトリーは3月27日、『愛の哲学』(柴門ふみ 著/税別1,400円)を発売した。著者は、漫画家・エッセイストの柴門ふみさん。柴門さんは、若者たちの恋愛をテーマにして『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』『同窓生―人は、三度、恋をする―』など多くの作品を発表している。それらの作品作りを支えていたのは、柴門さんがお茶の水女子大学の哲学科で学んだ哲学の知識なんだとか。「理性では解決できない人を動かす圧倒的な力、それは愛という不可思議な感情。そしてそれを解き明かすのは『愛の哲学』だった。複雑に絡まりあう人間関係のトラブルは愛の哲学で解決できる」(同書紹介文より)。内容は、「なぜ今、哲学なのか」「年齢別 出会う言葉」「私が出会った哲学の言葉」「特別対談 羽入佐和子×柴門ふみ『なぜ哲学を学ぼうと思ったのですか?』」。愛の正体を読み解くことで、「なぜ、大好きな人に大好きな気持ちが伝わらないのか」「なぜ、あの人といると不愉快な気持ちになるのか」など、気になる人の気持ちが見えてくるという。
2015年04月02日NTTドコモは、ジャパンベストレスキューシステムと提携し、日常生活におけるトラブルサポートや、家事代行サービスが利用できる「家のあんしんパートナー」を3月1日より提供する。利用料金は月額税別450円。利用するサービスによって別途料金が発生する。「家のあんしんパートナー」は、ジャパンベストレスキューシステムが提供する「生活トラブルサポート」と「家事サービスサポート」のメニュー約40種類を割安な価格で利用できるサービス。「生活トラブルサポート」では、水回りや鍵、ガラスなど、日常生活でのトラブルに対し専門のスタッフが駆けつけ対応する。1回当たりの作業時間が60分以内であれば、作業費・出張費無料で、24時間365日利用できる。なお、部品交換や特殊対応が必要な場合は、別途料金が必要となる。「家事サービスサポート」では、家事代行やハウスクリーニングなどのサービスを通常よりも割安な価格で利用できる。申込みは、ドコモショップ店頭、My docomo、電話にて可能。利用するには、ドコモへの申込み手続き後、ジャパンベストレスキューシステムへの利用者登録をユーザー自身で行う必要がある。サービス内容の一例は以下の通り。生活トラブルサポートトイレの水漏れ修理水道修理鍵の解錠や交換ガラスの交換や修理家事サービスサポート家事代行サービス(洗濯や調理後の片付け等)ハウスクリーニング(キッチンやエアコン、洗濯機のクリーニング等)宅配クリーニング(衣類の集配やクリーニング及び保管等)
2015年02月23日投資情報のフィスコは、個人投資家を対象とした無料セミナー「勝率70%! 村瀬智一の投資哲学とは? ~マーケットマスターズの銘柄選定~」を、26日に東京・表参道で実施する。同セミナーは、勝率71.9%(MARKET MASTERS、230勝90敗3分、2015年2月13日時点)の村瀬智一氏を筆頭とする、フィスコのマーケットアナリスト(フィスコ株式チーム)による講演形式で開催。今回は「マーケットマスターズの銘柄選定」をテーマに、銘柄選定の考え方など投資哲学やスタンス、選定後の値動きについて、無料スマートフォンアプリ「FISCO」(FISCOアプリ)を用いながら講演する。また、アナリストが注目する企業のIR担当者との質疑応答も開催するほか、セミナー終了後にはアナリストとの懇親会も予定している。同セミナーへの参加申込は、フィスコのセミナー案内ページまたは申込用メールアドレスにて受け付けている。なお、申込や参加は無料で、同社の会員サービス「クラブフィスコ」に会員登録していない人も参加可能となっている。○■「マーケットマスターズの銘柄選定」開催概要日時:2015年2月26日(木)18時00分開場、18時30分開始、21時00分終了予定会場:小原流会館(東京都港区南青山5-7-17)主催:フィスコ、フィスコIR定員:60名、申込多数の場合は抽選にて内容は以下の通り。勝率70%超の背景にある投資哲学:村瀬智一アナリスト(株式部長)物色の方向性を見極めるポイント:佐藤勝己アナリスト(個別銘柄)テクニカルで注目するタイミング:田代昌之アナリスト(先物・オプション)直近IPO・新興市場の投資視点:小林大純アナリスト(新興市場・IPO)注目企業のIR担当者との質疑応答アナリストとの懇親会費用は無料。FISCOアプリの事前ダウンロード推奨。フィスコのセミナー案内ページはこちら。
2015年02月19日今はまだマイホームなんて夢のまた夢、と思っているかもしれませんが、憧れのひとつであることは間違いないですよね。住宅の間取りが書いてあるチラシなどを見ると、そこで暮らす未来の生活を夢見てワクワクすることもあったりしますが、皆さんはいかがですか。当然のことながら、家を買うというのは一生に一度の大仕事。どれだけ考えても考え足りないことはないはず。また、夢はリアルに思い浮かべれば浮かべた分だけ実現する可能性が高くなるそうです。では、将来自分と自分の大切な家族が一緒に住むマイホームについて、少し具体的に考えてみるというのはいかがでしょうか。あなたが理想とする家はどんな家ですか。伝統的な日本家屋というのもありかもしれませんし、逆に現代的なデザイナーズハウスもいいかもしれません。最近はシンプルな北欧家具なども注目されていますから、そういうテイストが好きという人もいるでしょう。そんな中、大切な家族との幸せな生活を考えれば、「自然を感じながら豊かに住まう暮らし」は、憧れではありませんか。これは、キャトル・セゾン×ダイワハウスが提案する新しい住まい「Maison des quatre saisons ×xevo(メゾン デ キャトル セゾン ジーヴォ) キャトル・セゾンが似合う家」のコンセプトです。キャトル・セゾンは、44年前にパリで家具を作ったことから始まり、25年前、自由が丘にお店を構え、それ以来ずっとパリの暮らしを日本に伝えてきました。流行を追うのではなく、贅沢ではないかもしれないけれど、自分が本当に好きなものを見つけることができる雑貨の数々を手にしたことがある人も多いかもしれません。そんなキャトル・セゾンとハウスメーカーのダイワハウスが手を組み、本当に豊かな暮らしを目指したのが、この「Maison des quatre saisons ×xevo(メゾン デ キャトル セゾン ジーヴォ) キャトル・セゾンが似合う家」です。具体的にどんな家なのかは、ぜひ こちら をご覧ください。どの部屋からも木のぬくもりが感じられ、心穏やかに健やかな暮らしが送れそうな空間が広がっています。この様子を見ると、将来の生活ぶりが思い描けませんか。広いテラスリビングで、友だちを呼んでアフタヌーンティーを楽しんだり、ときにはママ友と子どもの友人を呼んでホームパーティを開いたり。3階建てのプランでは、夫婦ふたりのためのサブリビングがあるというのも嬉しいですね。子どもが生まれても、ずっと恋人同士のようなときめきは持っていたいもの。そのために、ときには二人でワインを傾けるような時間が持てれば最高です。その3階は屋根裏空間にあたり、趣味の部屋として習い始めたばかりのカリグラフィーの作品作りを続けるのもいいでしょう。妻になっても、ママになっても、自分の時間は大切にしたい、そんな願いをかなえてくれそうです。間取りだけでなく、例えば今大切に使っているヨーロッパのアンティークの椅子をこれからもっと使い続けたいのなら、ぴったり合う床の木材を選んで、インテリアに統一感を持たせることもできます。こんな風に、家という住む場所をいろいろ想像しているだけで、理想とする暮らしが見えてきました。将来のことは、いつ結婚するか、いつ子どもを産むか、ましていつ家を買うかというまで、今はまるでわかりませんが、家について考えるだけで、これから歩む理想の人生が少し見えてきたような気がします。もし、 こちら を彼氏と見れば、二人の将来も今以上にはっきり見えてくるかもしれません。キャトル・セゾンで好きな雑貨を買うように家を買うことはもちろんできませんが、そのテイストを活かした、こんなステキな家が建てられるのならば、今から研究しておいても遅くなさそうです。彼氏と一緒に考えることができれば、家を買う日が実際に来るのも近いかも?・キャトルセゾンが似合う家 公式サイト
2013年04月17日ミサワホームグループのメディアエムジーとスタジオファン、ピーブレインズは共同のプロジェクトとして、愛犬家と頼れる専門家をつなぐ愛犬生活の無料相談サイトト「わんサポ」をオープンした。同サイトは従来より展開されているユーザー同士の情報交換サイトや有料サービス付随の相談機能ではなく、回答チームが全員専門家という今までにないWeb相談サイト。飼い主なら誰でも会員登録のみで無料で利用できる。会員から質問が入ると、現在登録されている約30名の回答メンバー(SES(小動物環境整備協会)認定のドッグライフカウンセラー24名、獣医師3名)にメールが届き、専門家から回答が寄せられる。会員は複数の回答を見比べ、自分に合ったアドバイスを選んで実践できる(回答メンバーは今後拡充の予定)。SESのドッグライフカウンセラーは、飼い主の目線に立ったカウンセリングの訓練および試験を通過したカウンセラー。その中でも経験豊富なカウンセラーが、現実的には実行困難な教科書的なアドバイスではなく、一人暮らしや高齢者など一人ひとりに合わせたアドバイスを行う。また、相談以外のコンテンツとして、あまり動物病院を利用しない愛犬家に向けたシリーズ特集「病院に行こう!」や、ニーズの高い健康やしつけ情報、犬のトリビア的知識を網羅したHOW TOコンテンツ(わんサポ辞典)、 全国開催の愛犬セミナー情報やおすすめ書籍紹介などを掲載する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月01日