ご自宅の電気代を長期的に節約するために、太陽光発電の導入をお考えの方も多くいるはずです。しかし、家庭用太陽光発電のメリットは家計が助かるだけではありません。余った電力を電力会社へ売却することで収入が得られる「売電」を、自動的に行えるという利点もあるのです。こちらの記事では、太陽光発電設備をご自宅に設置して電力を売却できる「売電」について、その期間や価格などを詳しくご紹介します。「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」とは?太陽光をはじめとする5つの再生可能エネルギーによって発電された電力を、電力会社が買い取ると国が約束する制度を「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」と呼びます。これにより、まだ比較的高いコストがかかるとされる発電設備の導入に、一般の家庭などでも容易に見通しを立てやすくなります。また、環境負荷を抑えながら省資源にも役立つ、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及をさらに進めることにもつなげられます。なお、固定価格買取制度では発電した電力のすべてを買い取りの対象とすることが可能です。ただし、主に一般家庭に導入されるケースが多くなる総出力10kWに満たない太陽光発電設備の場合、自家消費した電力を差し引いて余った分にあたる電力を買い取ることになっています。固定価格買取制度には期限がある!「売電期間」を知っておこう先の項目でご説明した「固定価格買取制度」ですが、この制度では発電設備を設置して売電を開始したら、いつまでも売電ができるというわけではありません。「売電期間」と呼ばれる期限が設けられ、その期限まで売電を行えることになっています。現在、10kW未満の家庭用太陽光発電設備による売電期間は「10年間」となっています。つまり、もし今日から売電を開始した場合、丸10年後まで売電を続けることができるということです。国の制度として決まった価格での売電が始まったのは2009年からですから、実質的に2019年から売電期間が満了するご家庭が徐々に増えることが予測されています。売電期間が終了すると、その後は売電価格が大幅に下落することが予想されています。もし、各家庭が電力会社から電力を購入する「買電価格」を、各家庭が電力会社へ電力を売却する「売電価格」が下回ることになれば、売電すればするほど儲からなくなるという事態も想定できます。しかし実際には、売電期間である10年間により多くの電力を売却することで設備投資自体を回収できれば、大きな問題はないでしょう。10年経って売電期間が終了し、もし買電価格より売電価格が安くなるようなことになっても、昼間に発電した電気を自家用に蓄電してその分を夜間に消費できるようにしておけば、大きく損をしてしまう心配はないでしょう。太陽光発電の費用を無料で比較年現在の売電価格はどのくらい?これまで「固定価格買取制度」「売電期間」についてご説明してきましたが、ここでは太陽光発電における具体的な売電価格についてご紹介します。2009年11月に売電が制度として開始された時点での、1kWhあたりの売電価格は48円と高額でした。その後2010年まで48円/kWhの価格で推移し、2011~2012年は42円/kWhと依然高値の状況が続きます。その後は2013年で38円/kWh、2014年には37円/kWhとなります。2015年以降は出力抑制がある地域とない地域で価格が二分され、2015年で35円/kWh(出力規制あり)・33円(出力規制なし)となりました。2016年には33円/kWh(出力規制あり)・31円(出力規制なし)となっています。そして2017年現在の売電価格は、30円/kWh(出力規制あり)・28円(出力規制なし)となりました。なぜ年々売電価格が下がっているのかというと、近年の制度化によって一般家庭向けの太陽光発電設備が大幅に普及した影響で、設備自体の設置コストも年々低下しているためです。もともと売電の制度化は、太陽光発電設備の高額な設置コストに配慮して施行されたものです。設備投資が高額に及ばなくなれば、それを回収するための売電価格も自ずと下がるということになります。ちなみに、2017年(厳密には2018年3月末まで)に家庭用太陽光発電設備を設置して売電契約を開始すれば、売電期間である向こう10年間は「30円/kWh(出力規制あり)・28円(出力規制なし)」の価格で売電し続けることができます。なお、2019年までは年度ごとに2円/kWhずつ売電価格が下がる予定となっています。もしご自宅に太陽光発電設備の設置をご検討であれば、2018年3月末までに電力会社と売電契約を済ませられるよう計画することが望ましいでしょう。まとめこちらの記事では、一般家庭用の太陽光発電設備の導入を検討している方のために「売電」のしくみについて詳しくご紹介しました。売電価格についてはニュースなどで報じられている通り、年々低下しているという側面ばかりがクローズアップされがちです。しかし、実際に家庭用太陽光発電設備の設置価格を調べてみると、同様に年々ローコスト化が進んでいるのです。国が売電を制度化した意義を考えれば、その成果は顕著であると考えてよいでしょう。つまり、今後は設備投資のコストも下がりますが売電価格も下がることが予測されますから、私たち消費者にとっては「早めに設置すればお得になる」という結論になるはずです。もし太陽光発電で売電をお考えであれば、早めに計画を立てて進めることが吉といえるでしょう。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月29日建物の屋根にソーラーパネルを取り付けて電力を自家発電するシステム、「太陽光発電」。昼間の電力消費量が多い家庭の場合、自家発電した電力を使用すれば月ごとの電気代を効率よく節約できます。そんな太陽光発電を家庭で利用するにあたり、押さえておきたいポイントが「売電」と「買電」の2つ。同じ読み方のため混乱しやすいのですが、それぞれの仕組みを把握した上で太陽光発電を上手に運用すれば、発電しすぎて余ってしまった電力から収入を得ることもできます。売電と買電は、具体的にどのようにして行われるのでしょうか?売電って何?売電とは、自家発電した電力を電力会社に買い取ってもらうことを指します。電力消費量は家庭により異なり、昼間の消費量が少ないと発電した分がこれを上回ることがあります。使い切らずに余った電力を「余剰電力」といい、蓄電しておくには「蓄電池」という専用の機械が必要です。しかし蓄電池がない家庭では、余剰電力が無駄に流れ出てしまいます。こうした無駄を軽減するために、電力を電力会社へ売る仕組みが用意されているのです。余剰電力の売電は、「固定価格買取制度(FiT)」に則って行われます。固定価格買取制度とは、太陽光発電や風力発電などで発電された電力を一定価格で買い取ってもらう制度のこと。売電した電力は、送電線を通して電力会社に送られます。価格は経済産業大臣が調達価格等算定委員会の意見を元に、太陽光発電設置者が利益を得られるように定めています。売電の前に、経済産業省・資源エネルギー庁のホームページで価格をチェックしておきましょう。売電を行うためには、事前に電力会社と売電契約を結びます。買電には余剰電力のみを買い取ってもらう「余剰買取」と自家発電した分すべてを買い取ってもらう「全量買取」の2パターンがあり、生活スタイルや電力消費量を考慮した上でどちらかを選ぶことが可能です。余剰買取を選択した場合、売電収入を増やすためには昼間の電力消費量を削減するよう心掛けることが大切です。外出時は電灯やエアコンの電源を必ず切るなど意識しておけば、売電収入が増えるだけでなく節電にもつながります。また、使用していないコンセントを抜いておくことも節電方法のひとつです。全量買取を選択したい場合は、「発電量の総出力を10kW以上にする」という条件を満たす必要があります。「ソーラーパネルの設置スペースを広くする」「カーポートにもソーラーパネルを設置する」など、総出力を10kW以上にするための環境を可能な限り整えるようにしましょう。太陽光発電の費用を無料で比較買電って何?買電とは、電力会社から必要な分の電力を購入することを指します。太陽光発電を導入していない家庭では、買電が一般的です。太陽光発電を導入した場合、基本的に買電を行うのは自家発電ができない夜間と日照量の少ない悪天候時です。夜間の電力消費量は家庭により異なりますが、冷蔵庫のような家電製品は昼夜を問わず電源を入れておかなくてはならないため、どの家庭でも夜間の買電は必須といえます。ただし蓄電池があれば、昼間のうちに自家発電した電力を夜間に利用することも可能です。また反対に、買電した電力を蓄電して昼間に利用し、太陽光発電で自家発電した電力すべてを売電に回すという方法もあります。夜間は昼間と比べて電力会社で販売されている電力が安くなるため、家庭で利用する電力すべてを夜間の電力でまかなうことで電気代の節約になります。売電と買電の違いって?上述したとおり、売電と買電は「自家発電した電力を電力会社に買い取ってもらう」「電力会社から必要な電力を購入する」という違いがあります。これ以外にも売電と買電にはいくつかの違いがあります。・時間帯基本的に、売電と買電では、行う時間帯が異なります。電力を買い取る「買電」を行うのは、ソーラーパネルなどによる自家発電ができない夜間、悪天候の日などです。一方、電力を売る「売電」をする際は、日中に発電した電力量を売るのが一般的です。・価格売電と買電には、価格にも違いがみられます。太陽光発電の売電価格は、買電価格よりもやや高めに設定されています。一般的な買電価格が約24円/kWhであるのに対し、2017年度時点での売電価格は余剰買取の場合で25円/kWh以上。条件や地域によっては、30円/kWhで売電できます。買電価格は、夜間であれば安く設定されているのが特徴です。夜間の安い時間を狙って賢く買電を行えば、電気代の節約につなげることができます。なお、電気量の供給は各電力会社によって差異があるため、買電価格は必ずしも一律であるとは限りません。まとめ太陽光発電を導入したとき、光熱費の増減に深く関わってくるのが売電と買電です。両者の仕組みや違いを正しく知ることは、太陽光発電をより賢く活用することにつながります。「毎月の電気代を節約したい」「使い切れずに余った電力を有効活用して収入を得たい」とお考えの方は、売電と買電の仕組みや賢い活用方法を把握しておきましょう。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月29日初期費用はあるものの、長い目で見れば電力料金がお得になる太陽光発電システム。その太陽光発電でよく登場する「パワーコンディショナー」についてはご存じでしょうか。「名前は聞いたことあるけど、太陽光発電システムに使われる機器というくらいしか知らない」という方も多いでしょう。今回は、意外と知られていないパワーコンディショナーについて詳しく解説します。パワーコンディショナーとは?パワーコンディショナーとは、簡単に言うと「発電された電気を家庭用に変換する機器」です。太陽光発電システムをはじめ、家庭用燃料電池(エネファームやエコウィル)などでも利用されています。【直流を交流に変換する】そもそも、家庭内で使用される電気の形は「交流」なのですが、太陽光発電や家庭用燃料電池で得られる電気の形は「直流」です。直流のままだと、家庭内で利用するには向きません。パワーコンディショナーが交流へと変換することで、家庭内での利用をはじめ、蓄電池への充電や売電などに適した形になります。【パワーコンディショナーの大きさと形】パワーコンディショナーは通常、家庭用のエアコン程度の大きさです。形もエアコンのような四角形をしています。【最大定格出力がポイント】パワーコンディショナーの仕様表の中には「最大定格出力」という項目が存在します。この最大定格出力とは、パワーコンディショナーが出力できる電力の最大値のこと。太陽光パネルでどんなに大量の電気を作っても、パワーコンディショナーが出力できなければ意味がありません。つまり、太陽光パネルとパワーコンディショナーの組み合わせも重要だということです。パワーコンディショナーは発電量にどう影響する?太陽光発電システムにおいてパワーコンディショナーは、太陽光パネルと同じくらい重要な装置です。そんなパワーコンディショナーですが、「機器の良し悪しで”発電量”に影響するのか?」と気になっている方も多いと思います。発電システムの重要な発電量とパワーコンディショナーの関係を解説します。【変換効率】各メーカーから販売されているパワーコンディショナーには、性能の中に「変換効率」というものが存在します。変換効率とは、直流から交流に変換するときにどのくらい効率良く変換できるかを示したものです。どんなに高性能なパワーコンディショナーでも、全く無駄のない100%の変換効率は難しいですが、一般的なパワーコンディショナーでは95%以上を実現しています。従って、機器の違いでそこまで大きく差が出るわけではありません。ただ、太陽光発電システムは長期間に亘り使用するものですので、変換効率が高い方がお得ではあります。太陽光発電の費用を無料で比較設置場所には注意が必要実は、パワーコンディショナーの設置場所はある程度自由に決めることができます。ただ、パワーコンディショナーの大きさや重要性を考えると、「邪魔にならないから、ここでいいか」と安易に決めるのはおすすめしません。設置場所についてもじっくり検討した方が良いでしょう。パワーコンディショナーの設置場所についての注意点をご紹介します。【理想はブレーカーの近く】パワーコンディショナーとブレーカーは、とても深い関係があります。というのも、太陽光パネルから発電された電気は、パワーコンディショナーで変換された後、分電盤であるブレーカーを通り、各部屋へとつながるためです。つまり、基本的にはブレーカーとの距離が近い方がロスも少なく安定するということなのです。【スペースの問題】ブレーカーの設置場所の近くにパワーコンディショナーを置けるスペースがなければ設置できません。無理に設置しても、その分のスペースを奪われるわけですから、「思ったより邪魔だった」なんてことになりかねないでしょう。【運転音】パワーコンディショナーも機械ですから、それなりに音は出ます。ONとOFFのスイッチ音の他、冷却ファンが出す高周波の運転音などです。ただ、運転音が大きなものでも40db程度と閑静な住宅街レベルの音なので、そこまで気になる音量ではありません。少しの音でも気になるという方は、設置場所を考えましょう。【屋外設置の選択肢】パワーコンディショナーの設置場所は、何も屋内に限りません。今やほとんどのメーカーで、屋外設置型のパワーコンディショナーを取り扱っています。もちろん、屋内に比べて厳しい環境ですから、壊れやすいというリスクは否めません。ただ、屋外用は屋外用で丈夫に設計されていますし、通常修理保証が10年ほどあることが多いですので安心して使えます。屋外用の方が少し費用はかさばりますが、屋内に適した場所がなければ、屋外設置も検討してみてください。まとめ太陽光発電システムに欠かせないパワーコンディショナー。「近々太陽光発電の設置する予定がある」という方は、パワーコンディショナーについて詳しく情報を仕入れておくことをおすすめします。パワーコンディショナーの特徴や注意点などを考慮し、ベストな製品と設置場所を選んでくださいね。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月28日太陽光を使うのでエネルギー源に困ることもなく、注目を集め続けている太陽光発電。温室効果ガスを排出することもないので「環境に優しい」と言われており、次世代のエネルギーとして期待されています。ソーラーパネルが屋根に並んでいる姿のイメージが強い太陽光発電ですが、実は様々なパーツや装置で構成されています。ここでは、どのような機器が使われているか、太陽の光をどのようにして電気に変えているかについて解説します。太陽光発電を構成する機器太陽光発電を家庭に導入するには、機器を設置しなくてはなりません。まずは、太陽光発電システムで使われているパーツや装置を見ていきましょう。【太陽光パネル(モジュール)】太陽光発電に最も欠かせないのが太陽光パネルです。光エネルギーを電力に変える装置で、「モジュール」ともいいます。これは「セル」という太陽電池を並べて板状にし、必要な電圧と電流を得られる仕組みになっています。【架台】太陽光パネルを支える資材や部材の骨組みのことを、「架台」といいます。架台を屋根に取り付ける際、ビスやアンカーなどで屋根に穴を開けるので、施工時に防水処理がしっかりできていないと、設置後の雨漏りの原因となってしまいます。太陽光発電と聞くと、どうしても太陽光パネルに目が行きがちですが、実は太陽光発電システムを安定して稼働させるには、架台をしっかりと設置することが重要です。【接続箱】接続箱は、太陽光から発電した電力を住宅で利用するための装置「パワーコンディショナー」に供給しています。屋内用や屋外用など様々な種類があり、パワーコンディショナーに接続箱の機能を加えたタイプも登場しています。【パワーコンディショナー(パワコン)】太陽光で発電した直流電力を、家庭で利用できる交流電力に変える装置を「パワーコンディショナー」といいます。電圧変換装置のひとつで、この装置がないと、いくら太陽光を蓄電しても使うことができません。太陽光発電において、大変重要な役割を担っている装置です。【分電盤】住宅内の各機器へ電気を供給するのに必要なのが、分電盤です。電気を安全に使うため、漏電や配線遮断装置を備えたブレーカーを集約した装置で、太陽光発電においては、住宅用・売電用に配電する役目があります。太陽光発電は、上記でご紹介した機器によって実現されています。家庭で安全かつ快適に電気を使い、余った分を電力会社に売電するため、各パーツや装置がそれぞれの役割を果たしているのですね。太陽光発電の費用を無料で比較光を電気に変える仕組み太陽光発電には様々な機器が使われていることが分かりましたが、どのようにして太陽光を電気に変えているのでしょうか。ここでは、太陽光から電力を生み出す仕組みについてご紹介します。【太陽光パネルについて】太陽光発電で一番欠かせないのは太陽光パネルですが、どのようにして発電しているのか、気になりますよね。先にも述べた通り、太陽光パネルには「セル」という太陽電池があり、これらが配置されることで「モジュール」になります。このモジュールが太陽光から電子の流れを生み出し、発電が可能となるのです。太陽光発電で重要なのは、「電流」と「電圧」です。光電効果を最大限に引き出した電流を最適化することで、安定して発電することができるのです。万が一、雲などで影が差してしまっても、最低限の電力は確保できる仕組みになっているので安心してくださいね。高い発電効率の実現にはシリコン半導体が有効であると判明し、今では太陽光発電市場では最も普及しています。シリコンではない素材で作られた次世代の太陽光パネルも登場し、さらなる発電効率のアップが期待されています。【太陽光を電力に変える方法】まず、太陽光は屋根に設置されたパネルに注がれ、直接電力へ変換されます。パネル自体は適当に置かれているわけではなく、複数のブロックに分けられています。これは、その家庭で最も高い発電効率を実現するためです。例えば、あるパネルに影が差す、故障や不具合が起きるといったトラブルが発生した際、ブロックが1つだけだと対応しきれませんよね。そのため、複数のブロックに分けることで、何か問題が起きても、できる限り太陽光発電への影響を少なくしているのです。発電した電力は、いくつもの配線ケーブルを通って接続箱に集まってきます。そして、パワーコンディショナーによって直流電気から交流電気に変換され、家庭内や電線に送電されています。変換された交流電気は配電盤を通じて、家庭内や売電用、買電用に振り分けられます。このような流れを経て、太陽光は私たちの下へ電力として届けられるのです。まとめ太陽光を電力に変えるためには多くの機器が使われており、いろいろな過程を経て、私たちが利用できるようになるのですね。より効率的な太陽光発電システムを実現するため、太陽光パネルも改良が重ねられているようです。太陽光発電の導入を考えている人は、業者の方に相談しながら、ご家庭にベストな機器を選ぶようにしてください。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月28日太陽光発電は、二酸化炭素を排出しないクリーンな発電方法として知られています。ご家庭で太陽光発電の導入を検討するとなると、気になるのは晴れの日と雨の日の違いではないでしょうか?天候の優れない日が続くと発電はされないのではないかなど、心配になってしまいます。今回は、天候によって太陽光発電の働きはどう変化するのかについてご紹介します。天候によって発電量は左右される?太陽光発電は二酸化炭素を排出しないだけでなく、排気ガスも騒音もない環境に優しい発電方法です。より効率的な発電のために、世界中でさまざまな開発が進められています。一方、太陽光発電は太陽の日射量に大きく依存するものであり、天候によって左右されてしまうのが現状です。快晴の日は多くの電力を発電しますが、曇天時や雨天時はそのポテンシャルの多くを発揮できないことになります。日射量が発電量に影響することから、季節によっても発電量が変わることが知られています。ある統計によれば、日本において平均的に最も高い発電量を誇るのは5月で、最も少なかったのは11月。太陽の出ている時間が最も長い6月が最大ではないのは、天候などさまざまな要因が作用しているためだと考えられています。発電量が変化する要因としては、太陽光パネルが高熱によりパフォーマンスを落としているケースも考えられます。これは熱損失と呼ばれる現象で、主に夏場の快晴の日に午後の発電量が落ちる要因となりえます。太陽光の熱を吸収して電力に変換するという仕組み上避けられない現象ですが、水打ちをして温度を下げることである程度防ぐことは可能です。水打ちは埃を取り除いて発電効率を上げるためにも有効です。このように天候などさまざまな要因で発電量が変わる太陽光発電ですが、発電量の変化を過度に気にするよりは、年単位で計算する考え方がおすすめです。地域ごとに太陽光発電が供給することのできる年間の電力が算出されているので、その電力量や設置費用などを目安に導入を検討するようにしましょう。なお、太陽光パネルの設置場所・設置角度や定期的なメンテナンス、生活における節電によりどれだけの収益が得られるのかが変わります。さまざまな要素を把握し、総合的に判断することが大切です。天気の悪い日は発電できない?天候により発電量が左右されるという太陽光発電の特性は、上述のとおりです。では天候の悪い日にはどれくらい発電できなくなるかというと、悪さの度合いで大きく異なります。まず曇天時と雨天時で比較してみると、雨天時のほうがより発電量が低くなる傾向にあります。快晴の日と比べて曇天時の発電量は4割~6割程度にとどまりますが、雨天時は1割~2割の発電量しか得られないこともあります。このことから、梅雨など雨の多い時期は十分な発電量が見込めないとわかります。積雪時は雪の量にもよりますが、太陽光パネルを完全に覆うほどの雪が積もれば発電はほとんど行われません。一方、太陽光パネルに太陽光が届く程度の薄い積雪であれば、太陽光パネルが熱を持つことで融雪される可能性があります。また、太陽光パネルの傾きを大きくすれば雪がすべり落ちやすくなり、積雪時の発電効率を少しでも確保することが可能。北海道におけるあるデータによると、一般的な角度の33度で設置した太陽光パネルに比べ、90度で設置した太陽光パネルのほうが約2倍のパフォーマンスを発揮したとのことです。このことから、適した傾きで設置することが発電効率の向上に有効であることがわかります。深い積雪が心配される地域では、角度を調整できるタイプの太陽光パネルを設置するのもおすすめです。太陽光発電の費用を無料で比較日陰の影響太陽光発電は天候の悪い日に発電量を大きく落としますが、完全に発電しなくなるわけではありません。太陽光が遮られている間は、どのようにして発電しているのでしょうか。このことは、“直達光”と“散乱光”の違いにより説明できます。太陽が出ている間は直接地表まで達する直達光が強いので、太陽光発電では大量の電力を発電することが可能に。一方、雲が太陽光を遮っていると直達光はほとんど届きませんが、雲内部で反射するなどして地表まで達する散乱光が増加します。曇りの日でも紫外線による日焼け対策が必要なように、太陽光はきちんと届いているのです。雲の陰ではなく、建物や電柱による日陰の影響はどうでしょうか。直達光が遮られると発電力が落ちるのと同じように、建物や電柱による日陰でも太陽光発電は発電量を落とします。しかしある実験により、遮られ方によって減る量に変化が見られることがわかっています。太陽光発電は、それぞれのパネルがいくつかの回路でつながっている状態。1つの回路に3枚のパネル、3つの回路で計9枚のパネルにより太陽光発電を行った場合、1つの回路に属する3枚に日陰を作るより、3つの回路を横断して3枚に日陰を作ったほうが発電量は少なくなるのです。このように日陰の作られ方によって発電量が変わるので、設置の際には設置業者としっかりシミュレーションして場所を調整することが大切です。まとめ太陽光発電は太陽の光に依存するため、曇天時や雨天時など悪天候時には発電量がどうしても下がってしまいます。この特性はしっかり把握しつつ、太陽光発電を導入する際には年間の発電量を考えてみることが大切。日ごとの発電量は大きく変わっても年単位では大きなズレは起きないため、計画的に導入・運用することが可能です。日陰についても十分に考慮しながら、きちんと収益が出るように太陽光発電を活用してみてください。太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月27日太陽光発電とは、太陽電池を用いて、太陽の光エネルギーを電気に変換する発電方式のことです。現在、日本における発電方式は、石油や石炭などがありますが、そのエネルギー資源の大半を海外から輸入して賄っている状況です。これらのエネルギー資源は使い続ければ、いずれなくなってしまいますが、太陽の光は常に降り注いでいるので、そのような心配がありません。簡単にエネルギー源を確保でき、今後の期待が大きい太陽光発電の仕組みについてまとめました。光を電気に変えている仕組み一口に太陽光発電といっても、どのようにして光を電気に変えるのでしょうか。ここでは、太陽光発電がどのように光を電気に変えているのか、その仕組みについて紹介します。太陽光発電は、光エネルギーから電気を作ります。光から電気を作るために必要なのが「太陽電池」です。太陽電池は、プラスの性質を帯びやすい「P型シリコン半導体」と、マイナスの性質を帯びやすい「N型シリコン半導体」を張り合わせて作られています。光エネルギーが、P型とN型の2つの半導体の境目に加わると、P型シリコン半導体はプラスの性質、N型シリコン半導体はマイナスの性質を帯びます。こうすることで乾電池と同じ状態を生み出し、電線をつなぐと電気が流れるので、光エネルギーをあて続ければ電気を発生させ続けることができます。しかし、太陽電池だけでは住宅で使えるほどの電力は賄えません。そこで登場するのが「ソーラーパネル」です。ソーラーパネルは太陽電池をたくさんつなげたもので、最も小さな単位を「セル」、セルを板状につなげたものを「モジュール」「パネル」といいます。現在は、家の屋根にソーラーパネルを設置している家庭を見かけることが多くなりました。さらに、広い土地にソーラーパネルをいっぱい設置し、大きな電力を生み出す「メガソーラー」という太陽光発電施設も見られるようになりました。太陽光発電の費用を無料で比較太陽光発電を取り入れても電力会社は必要「太陽光発電を利用したら、電力会社はいらないのではないか?」「電気の自給自足が可能になる時代が来るのではないか?」そのように考える人もいるのではないでしょうか。ただ、どんなに電気を蓄えても使い切れなかったり、使い切れなかった分蓄電ができたりしなければ結局無駄が増えてしまいます。このような無駄をなくすためにあるのが、売電や買電です。現在、太陽光での発電を行っている家庭では、昼間に蓄電した電気を日常生活の中で使い、余った電気を電力会社に売るという「売電」「買電」ができます。太陽光発電を導入する際、電力会社と契約を結ぶことで電力会社と電気の売買ができるようになるのです。これを電力会社との「系統連系」といいます。申請手続きが必要ですが、業者が代行してくれることがほとんどなので、設置する側の人の手間は少ないといえます。【系統連系とは?】では、「系統連系」とはどういう仕組みなのでしょうか。電力会社が管理している配電線網を「系統」といい、電気の共有には欠かすことができません。この系統に太陽光発電システムを接続し、電気のやり取りを行うことを「系統連系」、やり取りを可能にした設備を「系統連系システム」と呼びます。昼間は、太陽光で発電した電気を使って、余った分は電力会社へ。逆に、天気が悪い日など、必要な分の太陽光を得られなければ、従来通りに電力会社から電気を購入します。雨や曇りの日の分も太陽光エネルギーを蓄えることができたら、電気の自給自足も可能になるのかもしれませんが、現時点では、まだ電力会社の力を借りなくてはならないのですね。太陽光発電は環境に優しい!太陽光発電と聞くと、「環境に優しい」イメージを持っている人もいるのではないでしょうか。従来の火力発電や天然ガス発電では、化石燃料を使用して電気が発電されるので、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しています。しかし、太陽光発電は発電時に燃料を使わない仕組みなので、温室効果ガスを発生することがほとんどありません。このような理由から、温室効果ガスの排出量の大幅な削減を見込むことができ、太陽光発電は環境に優しい発電方法だといえます。二酸化炭素削減の実現を目指す政府も、次世代エネルギーとして太陽光発電を推進していますよね。また、他の発電方式と違い、太陽光発電では原料の採鉱や精製が不要です。そのため、採掘や廃棄に至るまでのことを考えても、とても少ない二酸化炭素排出量で電力の供給が可能となります。火力発電をはじめとする従来の発電方式に比べたらまだまだですが、徐々に普及してきています。まとめ現在、産業用太陽光発電制度の誕生により、急激に広がりを見せている太陽光発電。発電効率の高いパネルの研究開発も進められているということで、今後は発電方式として主力になる可能性を秘めています。温暖化対策もでき、安全性の高いエネルギーといわれる太陽光発電が実用的になれば、より地球に優しい生活が送れるようになるのではないでしょうか。太陽光発電のこれからに期待大ですね!太陽光発電の費用を無料で比較
2017年10月27日「太陽光発電って儲かるんですか?」これから家を購入・建築しようと検討している人から、きまって聞かれる質問です。そうでなくとも、一戸建てに住んでいる人であれば一度は「せっかく屋根があるんだから、太陽光発電で稼げないかなあ」と考えたことがあるはず。でも、本当に太陽光発電は儲かるのでしょうか?■太陽光発電に注目が集まりはじめた理由そもそも太陽発電が注目されはじめたのは、東日本大震災のときの福島原発事故以降。輪番停電や脱原発などが理由にあげられるのでしょうが、いちばんの理由は、2012年7月に施行された、「再生可能エネルギー特別措置法」です。この法律は、(1)電力会社に対して、再生可能エネルギー発電事業者から政府が定めた調達価格およびその期間による電気の供給契約の申し込みがあった場合には、応じるよう義務化。(2)制度運用に伴い電気事業者が電力の買い取りに要した費用は、原則「賦課金」(サーチャージ)として国民が広く負担する。という、おもにこの2つが柱になっている法律。簡単にいえば、(1)太陽光発電で発電した電力に関しては、一定の金額で電力会社は買い取らないといけない。(2)そのかわり、買取にかかった費用は、毎月の電気料に上乗せして国民全体に支払ってもらう。という制度です。つまり太陽光発電をしている人は、少し高値で電力を買い取ってもらい、していない人は、その買い取り費用だけを負担させられるという制度なのです。こう説明されただけだと、やはり太陽光発電をした方がいいと感じますよね。しかし、シミュレーションをしてみるとそれほど有利ではないことがわかるのです。■太陽光発電をシミュレーションした結果太陽光発電を買い取ってもらう方法は、大きく分けて、10kw未満(住宅用)の「余剰買取」と10kw以上(産業用)の「全量買取」があります。今回は、10kw未満(住宅用)で一度どれぐらいメリットがあるのかを計算をしてみましょう。10kw未満(住宅用)の場合買い取ってもらえる価格は、1kwh当たり31円か33円。今回は東京電力管内の31円で計算します。一般的な住宅に搭載できる太陽光パネルは、4kw前後の大きさものが主流です。問題は、4kwの太陽光パネルで年間どれだけ発電できるのかです。発電量は地域によっても違いますし、太陽光パネルのメーカーによっても多少の違いがありますが、全国的に平均1kwあたりの年間発電量は1,200kwh程度です。つまり4kwであれば、年間発電量は4,800kwh。ということは、4,800kwh×31円=148,800円が年間に太陽光発電で発電できた金額になるわけです。しかし、これはあくまでも発電金額であり、儲けではありません。10kw未満の場合は余剰電力の買取りですから、自家消費した電力は買い取ってもらえないのです。発電量のどのくらいが余剰電力として買われていくかは、生活スタイルによって異なりますが、多くても3分の2程度だと思われます。つまり、4,800kwh×2/3=3,600kwh、3,600kwh×31円=111,600円が実際に買われる金額です。しかし残りの1,200kwh分も使った電力から差し引かれますから、節電できたことに変わりありません。電気料が28円/1kwhだとすれば、1,200kwh×28円=33,600円節約できたことになります。すると、売った分の電力と節約した分を合計すると、年間に得した分は111,600円+33,600円=145,200円になりますね。■太陽光発電をはじめるためにかかる費用次に、太陽光発電をするためにどれだけの費用が必要なのかについて。昔にくらべて随分安くなったといえ、1kwあたり30万円から40万円。メーカー次第ですが、おおよそ120万円前後初期投資がかかると思われます。そうすると、1,200,000円÷145,200円=約7年4ヶ月。つまり7年と4ヶ月以降やっとお得となるわけです。ただし、これはあくまでも現金で初期費用を支払った場合。ソーラーローンを使うと(金利1.5%、10年返済)金利が10万円ほどかかるので、投資の回収期間は8年程度になります。もちろん8年以降は儲けが出るという考え方もありますが、買取りの保証期間は10年。10年後の買取り金額はどうなるかわかりません。10年後以降も、支払っている電気代の単価程度を買い取ってもらえるのであれば、パワコンの取替費用や発電効率の劣化を考慮してもある程度得にはなりそうです。でも、「だから太陽光発電が爆発的に儲かるのか?」と言われれば疑問が残ります。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
2016年06月21日オムロンは3月16日、産業用太陽光発電システム向けの屋外三相パワーコンディショナ「KPT-A99(9.9kW)」「KPT-A100(10kW)」「KPT-A123(12.375kW)」を発表した。3製品のうちKPT-A99とKPT-A100がは4月末より、KPT-A123は6月より販売を開始する。発電容量が50kW未満(低圧)の太陽光発電システムにおいては、KPT-A123を用いると4台で49.5kWのシステム構成が可能となり、従来主流であった10kWタイプに比べ、導入・設置・保守などのトータルコストを削減することができる。また、50kW以上の高圧システムにおいては、従来主流であるセントラル型に比べて設置が容易で、分散型の設置によりリスクを分散し、パワコン停止に伴う発電量損失を最小限に抑えることが可能。さらに、高周波絶縁方式により漏洩電流を防止できるため、従来必要とされていた絶縁の役割を担う商用トランスの設置が不要となる。3製品の価格はいずれもオープン価格で、オムロンは3年間で合計3万台の販売を目標としている。
2016年03月16日神奈川県、横浜市、川崎市、岩谷産業、東芝、トヨタ自動車は3月14日、風力発電により製造したCO2フリー水素を燃料電池フォークリフトへ供給する実証を開始したと発表した。6者は2015年9月より、京浜臨海部における再生可能エネルギーを活用した水素サプライチェーンモデルの構築を図る実証プロジェクトの内容について検討を進めていた。同実証プロジェクトでは、横浜市風力発電所(ハマウィング)敷地内に、風力発電により水を電気分解して水素を製造し、貯蔵・圧縮するシステムを整備する。さらに、この水素を、横浜市内および川崎市内の青果市場や工場・倉庫等に簡易水素充填車で輸送。現場の燃料電池フォークリフトで使用するといったサプライチェーンの構築を目指す。試算によると、同サプライチェーンを構築することで、電動フォークリフトやガソリンフォークリフト利用時のサプライチェーンと比べて、80%以上のCO2削減が可能になるとという。今後は、2016年秋ごろから燃料電池フォークリフトを2施設に1台ずつ導入し、簡易水素充填車による水素デリバリーシステムを稼働させ、試験的運用を開始。2017年度から、燃料電池フォークリフトを4施設に3台ずつ導入し、水素製造、貯蔵・圧縮等のすべてのシステムを稼働させ、本格運用を開始する予定となっている。
2016年03月14日ルネサスエレクトロニクス(ルネサス)は3月10日、太陽光発電のパワーコンディショナやUPS(無停電電源)システムのインバータ用途向けパワー半導体として第8世代IGBT「G8Hシリーズ」を発売した。太陽光発電システムにおいては太陽光によって集めた直流(DC)の電流を交流(AC)に変換するインバータ回路を通過する際に損失が発生する。この損失の多くはパワーデバイスが大半を占めており、IGBTの電力損失を少なくすることがシステムの発電性能に直結している。また、UPSシステムは停電をしていないかチェックするため、電力は常時電力変換回路を経由する必要があり、稼働しているだけで定常的に電力損失が発生する。この電力損失の抑制においてもIGBTの性能が重要となる。G8HシリーズはパワーコンディショナやUPSシステムのインバータ回路用途に再適化するためプロセス構造に独自のトレンチゲート構造を採用。これにより、IGBT性能指標となる高速スイッチング特性の向上と飽和電圧Vce(sat)の低下による道通損失の低減を両立した。性能指数は第7世代IGBTと比べて最大30%改善しており、無駄な電力損失を削減し、システムの電力効率の向上に貢献する。新製品は、650V/40A、50A、75Aの3製品、1250V/25A、40A、75Aの3製品で計6製品を用意しており、さまざまなインバータ回路方式、出力容量に応じて製品を選択することができる。サンプル出荷を本日より順次開始し、サンプル価格は650V/50Aの「RBN50H65T1GPQ-A0」が330円/個(税別)。量産は2016年9月より開始し、2017年3月には月産60万個を計画している。
2016年03月10日京セラは3月1日、国内住宅用太陽光発電システム「RoofleX」を4月より順次販売開始すると発表した。同システムには、セル内部で失われていた一部の電荷を取り出し、効率的に電気に変換することが可能となる新開発の技術「ForZ」が採用されている。また、モジュールの出力、変換効率の向上を図るために、太陽光の反射を抑える低反射ガラスを採用。加えて、セルとガラスの間に同社独自開発の特殊封止材を充填することで、従来利用できなかった短波長の光を電気に変換することが可能となっている。このほか、セルとセルとの間をつなぐ電極の幅を従来より広くすることで、電気抵抗を抑え、通電時のロスを低減。これらの技術を組み合わせることで、セル変換効率19.8%、モジュール変換効率17.8%を実現している。また同社は今回、セル同士の配列間隔をミリ単位で細かく設定し直すことで、尺寸法に合わせた7種類の専用モジュールを新たに開発。これらを組み合わせることで、限られた屋根スペースを効率的に活用できるようになるため、総発電量の向上が期待できるとしている。
2016年03月01日カネカは2月29日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で壁面設置型の低反射環境配慮型太陽光発電システムを開発し、横浜市戸塚区の大成建設技術センター内にて実証試験を開始すると発表した。今回開発されたのは、太陽電池モジュールの表面の凹凸構造によって光散乱させ、反射を低減させるとともに、太陽電池モジュールの内部に光を閉じ込める技術を用いて実発電量の向上を図る低反射モジュール。新しい防眩技術により多彩な色をつけることを可能とし、意匠性も高まっているという。近年、化石燃料などから得られるエネルギー消費量がゼロとなる建築物「ZEB(Net Zero Energy Building)」の実現に向けた取り組みが進められているが、ZEBの推進には、設置面積の限られた建物の屋上だけでなく、壁面にも太陽光発電システムを導入し、エネルギー自給率を高めることが必要となる。実証試験では、同モジュールにおける発電量を確認するとともに、年間日射のほとんどが斜入射となる建物壁面設置の太陽光発電システムにおいて、年間発電量の向上を実証する予定。同社は、光害対策などの設置環境に配慮し、景観に調和した意匠性の高い壁面設置型の太陽光発電システムの実用化を目指し、ZEB実現に向けた取り組みを進めていくとしている。
2016年02月29日古河電工グループのKANZACCは2月26日、水流型のマイクロ水力発電機「ENEFALL-DAN 5215」を新たに開発し、プロトタイプを完成したと発表した。水力発電では水量と落差を利用して発電するが、発電機の設置にあたっては大掛かりな土木工事が必要となるケースが多く、発電設備と合わせた設置コストが大きいという課題があった。同水力発電機は水流型で、高低差が小さな川や水路でも発電が可能。全長1635mm、直径400mm、重量85kgという持ち運びができる大きさで、水路に沈めるだけで設置が可能なため、大幅なコスト削減が期待できる。また、ゴミ詰まりしにくい構造で、維持管理が容易となっている。同社は今後、河川用水路などの小水路において、小電力発電の展開を図っていくとしている。
2016年02月26日サンテックパワージャパンは2月24日、単なる太陽光発電モジュールの販売のみならず、太陽光発電所の運営および保守管理サービス(O&Mサービス)など周辺ソリューションを強化していくことで、日本市場での存在感を増していくという新たな戦略を明らかにした。同社が掲げる戦略は「太陽光+α」。同社取締役社長であるガオ ジャン氏は、「ゼロエネルギー、自給自足といったこれからのライフスタイルに柔軟に対応していくことができる戦略」とし、一般家庭を対象とする「住宅向け」、公共施設などを対象とする「都市と社会向け」、そして太陽光発電所などを対象とする「産業向け」の3つのセグメントに分けて、それぞれのセグメントの顧客に向けたメッセージを打ち出すことで、ビジネス機会の創出を図っていくとする。2016年2月22日、太陽光発電の2016年度調達価格(買い取り価格)が示されたが、制度が始まった2012年度から年々引き下げられてきており、今や1kWhあたりの価格は半額程度まで下がることとなった。しかし同社では、「世界的に見て、買い取り価格はまだ高いレートであり、事業としての実現性はまだまだ高い。モジュールの受注状況も2015年を上回る勢い」(サンテックパワージャパン 取締役 最高執行責任者の山時義孝氏)と価格も想定の範囲内であるとしており、工事価格などを抑制していくことが今後のポイントになるとの見方を示す。とはいえ、単にモジュールだけを販売していても、やがて市場が飽和することは避けられない。そこで同社が進めようとしているのが、先述の「太陽光+α」の戦略となる。例えば一般家庭向けとしては、一般的な屋根の上に設置するタイプだけでなく、工務店の教育とセットの屋根一体型建材モジュールの提供による、メンテナンスの軽減と住宅としての見栄えの向上などを提案しているほか、公共施設などに向けては、価格と性能のバランスを重視したパワーコンディショナ(パワコン)の提供や、開発中の軽量型太陽光発電モジュールの2016年度中の投入などを計画している。さらに同社がもっとも注力している姿勢を見せるのが産業向け分野だ。「事業者の課題は、システムの不具合による売電ロス。そこをオンサイトで監視し、現場での調査のほか、国内の検査サイトでの調査などを行うことで、不具合の抑制を実現していく」(山時氏)という付加価値を実現するのが、同社自身が提供する長期運用の実現をうたったO&Mサービスであり、4月1日からは同社の親会社であるSFCE(順風インターナショナルクリーンエナジー)の傘下企業の1つである独Meteocontrol製の遠隔監視システムの提供を開始することで、サービス内容の強化を図る。この遠隔監視システムは、複数のパワコンに接続され、それぞれの状況を監視する「blue’Log Xシリーズ」と、それらの情報をネットワークを介しサーバに集約し、クラウド上で、状況の把握を可能とするクラウド型監視分析アプリ「バーチャル管制室 VCOM」で構成される。これらを活用すると、発電所全体の発電状況のみならず、発電所内のどこのモジュールで障害が発生しているのか、といった不具合を遠隔地で特定するといった詳細なデータを取得することが可能となり、それによりダウンタイムの削減が可能となり、結果として売電ロスの抑制を実現できるようになるという。すでに全世界で10.7GWの太陽光発電システムの監視に用いられているとのことで、実績も十分だという。「積極的に不具合の検出を行っていくことで、従来の点検では検出できていなかった不具合をモジュール1枚単位で見つけ、売電ロスを防ぐことが我々の武器となる。また、モジュールベンダとしてのノウハウを活用することで、他社のモジュール含めて、国内での実際の不具合検査も可能であり、そうした部分も大きな付加価値になる」(山時氏)とのことで、ソリューションとしての提案を他社に先駆けて行っていけることを、自社の強みとして販売につなげていきたいとする。なお、同社の日本市場での成長率は、2015年度の売上高が前年度比で15%増、発電システムの出力としても同14%増となっているとのことだが、遠隔監視システムの販売により、高い成長率を維持したいとのことで、同システムの販売や導入コンサルティングサービス、監視サービスなどのビジネスで年間10億円の売り上げを目指すとしている。
2016年02月25日ウエストエネルギーソリューションはこのほど、ヤフーが運営するインターネットオークション「ヤフオク!」に太陽光発電所設備を出品することを発表した。太陽光発電所設備そのものがインターネットオークションに出品されるのは、国内初。この太陽光発電所設備は、広島県三原市大和町に同社が保有する500kw相当の施設。2014年度「設備認定」取得済で、新設。電力買取価格は1kwhあたり32円(税別)。ヤフオク! 内の参加者限定型オークション「メンバーズオークション」にて、2016年2月12日から19日までの8日間の日程で入札者を募る。開始価格は1.61億円(税別)。オークション開催者(ウエストエネルギーソリューション)に資料請求し、審査(買取人として適格かどうかを確認)された後、詳細な資料が送付される。入札開始日以降に、オークションに参加(入札)できる。同社は今後も同様の「メンバーズオークション」を定期的に開催することで、ヤフーとともに既存の太陽光発電所設備の流通を推進していくという。○設備認定を受けている太陽光発電所の購入ニーズ2012年7月に、政府が推し進める再生可能エネルギー発電政策の一環として、発電した電気を電力会社に一定価格で買い取らせることを国が補償する「固定価格買取制度」が開始されたことに伴い、自宅や遊休地にソーラーパネルなどの太陽光発電所設備を備える個人や事業者が増加している。また4月にはいわゆる「電力自由化」の開始が決まっており、太陽光発電所設備で発電した電気だけを販売する事業業者も登場。「固定価格買取制度」における買取価格の単価は、経済産業省へ申請する「設備認定」を基準としているため、一例として2013年4月以前に「設備認定」を受理された施設で発電された電力は、2012年当初の「1kwhあたり40円(税別)」と、2013年5月以降の施設よりも高い単価での買取価格が20年間固定されるという制度設計になっている。「固定価格買取制度」は、電力会社が買い取る費用を電気を利用する国民が賦課金として負担し成立する制度設計となっているが、政府による国民負担の軽減を目的として、買取価格の平均単価は年々下落している状況とのこと。例えば2015年7月1日~は、1kwhあたり27円(10kwh以上の設備、税別)。そのため、新たに経済産業省に申請した上で太陽光発電所設備を建設するのではなく、すでに「設備認定」を受けている施設の購入ニーズが事業者間で高まっているという。
2016年02月03日安川電機は1月25日、小形風力発電システムに適用が可能なパワーコンディショナ「Enewell-WIN」シリーズを販売開始したと発表した。同シリーズでは、4.5/5.8kWの2機種を揃えている。風車特性を入力する電力変換テーブルを32点設けているため、さまざまな特性を持つ風車に合わせた細かい設定が可能で、電力変換によるロスを抑えて効率よく発電できる。また、IP65の耐環境保護性能を有しており、オプション対応として海岸線から500m以内の重塩害地域でも使用することができる。さらに、小形風力発電システムのNK認証を取得すれば、再生可能エネルギーの固定価格買取制度「FiT(Feed-in Tariff)」にも対応するという。同社は年間1000台の販売を計画している。
2016年01月25日シチズン時計は18日、光発電のエコ・ドライブムーブメントを搭載したアンティークデザインのレディスウオッチ「Kii:」(キー)を発表した。長角ケースの3モデルを用意し、2月中旬から発売する。税別価格は3モデルとも25,000円。ラインナップは、ケースとバンドのカラーがシルバーの「EG2040-55A」、イエローゴールドの「EG2042-50A」、ローズゴールドの「EG2043-57A」だ。ベージュカラーの文字板は3モデル共通で、すっきりしたインデックスを配置することで、時刻の読みやすさに配慮した。同じく共通仕様として、ケースとバンドの素材がステンレススチール、風防がクリスタルガラス、ケースサイズが縦22.8×横13.7×厚さ5.2mm(設計値)、防水性能が5気圧。
2016年01月19日シャープと芙蓉総合リースは12月28日、両社が出資する合同会社クリスタル・クリア・ソーラーが同日より福島県の「南相馬小高太陽光発電所」と栃木県の「シャープ塩谷第二太陽光発電所」の商業運転を開始したと発表した。「南相馬小高太陽光発電所」は敷地面積約5万3000m2、設置容量は約2.7MW-dcで年間予測発電量は約291万kWhとなる。この発電量は、一般家庭約808世帯分の年間消費電力量に相当する(1世帯当り3600kWhで算出。以下同)。「シャープ塩谷第二太陽光発電所」は敷地面積約6万4047m2(シャープ塩谷太陽光発電所との合計面積)、設置容量約約1.6MW-dc。年間予測発電量は約171万kWhで、一般家庭の年間消費電力量に置き換えると約475世帯分に相当する。
2015年12月28日科学技術振興機構(JST)は12月8日、太陽光発電を大量導入する際に、信頼度付区間予測を用いて電力系統全体の需給をバランスよく維持できる基礎制御技術を開発したと発表した。同成果は、JST 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)における東京工業大学(東工大) 石崎孝幸 助教と井村順一 教授らの研究グループによるもので、12月7日付けの英科学誌「AUTOMATICA」のオンライン速報版で公開された。太陽光発電は、天候の変化などの影響で発電量が大きく変動するため、電力系統全体の需給バランスの維持が難しい。同研究では、ピーク電力の30%程度の太陽光発電の導入を想定し、太陽光発電量の信頼度付区間予測という最新の予測手法を活用した電力系統需給制御の基礎技術を開発。これにより、太陽光発電量の予測値を区間値として捉えることで、どの程度の調整用電源と蓄電池を事前に準備すればよいかを把握することが可能となった。今後は火力発電機の起動停止コストや過剰な太陽光発電量の抑制などを含めた、より複雑な状況下での電力系統への適用を検討し、太陽光発電が大量に導入される将来に向けて、より精度の高い電力系統需給制御技術の開発を目指すという。
2015年12月09日東京センチュリーリース(TCL)と京セラが共同出資する京セラTCLソーラーは12月7日、兵庫県姫路市内の約9.9MW太陽光発電所「兵庫・姫路メガソーラー発電所」の完成にあたり、竣工式を行ったと発表した。同発電所は、約12万6000m2の土地に京セラ製太陽電池モジュール3万9600枚を設置、年間予想発電量は一般家庭約3740世帯分の年間電力消費量に相当する約1216万kWhとなる見込み。発電した電力は全量を関西電力へ売電するという。建設地は、主に塩田跡地として遊休地となっていた土地であり、有効活用が望まれていた。京セラTCLソーラーは、2012年8月の設立以来、これまでに全国で32カ所、合計約63MWの太陽光発電所を運営している。
2015年12月07日●責任を果たしながら自由化による競争に臨む2016年4月に電力自由化を迎える。加えて東京電力の場合、燃料・火力発電事業の「東京電力フュエル&パワー」、一般送電事業の「東京電力パワーグリッド」、小売電気事業の「東京電力エナジーパートナー」に分社化。それぞれを東京電力ホールディングスの傘下に置いて、事業展開していくことになる。まさに大きな地殻変動が訪れるといってよい。事実、東京電力 フュエル&パワー・カンパニーの経営企画室長 酒井大輔氏は、「電力自由化とホールディングス制への同時移行は電力会社では初となり、私たちにとって大変なチャレンジになる」と身を引き締める。これまで東京電力は、首都圏を中心にした固定された市場の中で、競争相手不在という環境で事業を続けてきた。だが、電力自由化を迎えることで、ほかの地域で電力供給を行ってきた会社や、石油・ガスなどのエネルギー企業との競争を強いられることになる。それは、小売部門とは直接関係しない燃料調達・発電を手がける東京電力フュエル&パワーも例外ではなく、ほかの発電事業者と市場でせめぎ合う構図が生じる。加えて東京電力はただ単に競争に勝てばよいというわけではない。得た利益を福島復興の原資に充てなくてはならないという重い責任も負っている。そうした厳しい環境にある東京電力の燃料調達・発電部門が取り組まなくてはならないのは「調達規模拡大」と「燃料費削減」の2点といえるだろう。○中部電力と合弁会社を設立した意味2015年4月に東京電力と中部電力は、燃料上流(掘削など)・調達から発電までのサプライチェーン全体を統合し、国際競争力のある電力・ガスの供給を行える会社として「JERA」を設立した。これはまさに燃料の調達規模拡大に向けた動きで、「供給先の多様化」と「大規模数量のコミットによる好条件の獲得」への施策だという(酒井氏)。調達規模拡大だけではなく、輸送タンカーを東京電力と中部電力で融通し合うなど、フレキシブルな運用で最適化を目指す。一方、燃料費削減について、東京電力は「高効率LNG火力発電」に期待を寄せている。火力発電のおもな燃料は、石炭、LNG(液化天然ガス)、石油などだが、記述した順で燃料費を抑えられる。もっともコストを抑制できるのは石炭だが、排出する二酸化炭素量に問題があり、石油はコストがかかるうえやはり二酸化炭素の排出量に難がある。気候変動枠組条約第21回 締約国会議「COP21」が今まさに開催中で、温暖化対策に向けて各国が枠組み作りを目指している時代にこれらによる発電力強化は考えにくい。その点LNGは、発電コストがあまりかからず二酸化炭素の排出量も少なくて済む。実際、東京電力の火力発電所15カ所のうち、LNG火力が大部分を占める。東京電力の2014年間発電電力量のうち、67%がLNG火力によるものだったことをみても、その重要性が分かるだろう(水力・新エネルギーなどを含む)。●世界最高水準の高効率LNG火力を急ピッチで建設だが、単にLNG火力であればよいというわけではない。発電効率の高い最新式のLNG火力へ移行することで、発電コストを押し下げることが必要。特に東京電力は、前述したように重い責任を負っており、ライバル企業以上に利益追求に努力しなくてはならない。こうした情勢の中、東京電力火力発電のモデルケースといってもよいのが川崎火力発電所だ。この発電所で採用されているのは「MACC」(More Advanced Combined Cycle)と呼ばれる発電プラント。これは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電システムで、1500℃の高温燃焼ガスによりガスタービンを稼働させ、熱効率約59%を実現している。ちなみに熱効率とは燃料の持つエネルギーを100とした場合、電気エネルギーをどれだけ取り出せたかを示すもの。約59%という数値は、東京電力のどの火力発電所よりも高い。川崎火力発電所では、現在、1号系列「1軸」「2軸」「3軸」、2号系列「1軸」の計4軸のMACC発電プラントが稼働している。それぞれ50万kWの出力を有しており、計200万kWの発電が可能だ。さらに2号系列「2軸」「3軸」に71万kWの出力となる「MACC Ⅱ」発電プラントを急ピッチで建設中。これはMACCよりもさらに高温な1600℃級の燃焼ガスを利用した発電プラントで、世界最高クラスの熱効率約61%(暫定約58%)を目指す。なお、この2号系列2基の発電プラントは、「2軸」が平成28年7月、「3軸」が平成29年7月に営業運転開始予定だったが、それぞれ平成28年1月、平成28年10月に前倒しさせた。これは少しでも設備効率化を早め、燃料使用量を低減するためだという。さらにガスタービン稼働時に発生する排熱を回収し、その熱で作った蒸気を付近のコンビナートに提供する取り組みを実施している。通常、各工場はそれぞれ蒸気ボイラを設置して原料の加熱などを行うが、この取り組みによりその必要がなくなる。現在、千鳥・夜光コンビナート地区の10工場が川崎発電所の蒸気を利用。年間で原油換算約2.0万キロリットルの燃料、約4.6万トンの二酸化炭素排出量の削減効果があるという。高効率の発電プラントを導入したり、排熱を利用した事業を開始したりと、収益向上のための施策を進める東京電力。電力自由化は、原発事故の影響による顧客離れを生む可能性はあるが、これまでリーチできなかった地域にアプローチしたり、グローバルでエネルギー事業を展開したりと、好機とも捉えられる。企業収益力を強化して、福島復興へと役立ててもらいたい。○全面自由化前夜……夜明けを待つ電力会社の動静●電力小売自由化目前! 過熱する首都圏の需要争奪戦の現状【後編】●電力小売自由化目前! 過熱する首都圏の需要争奪戦の現状【前編】●東京電力が高効率LNG火力発電への切り換えを急ぐ理由●“守り”ではなく“攻め”へ! 電力小売自由化に向けた東京電力の戦略
2015年12月04日IHIは12月2日、新日鐵住金の石炭焚火力発電所で、純国産木質ペレット燃料を用いて、熱量比率25%・重量比33%のバイオマス混焼による安定運転を達成したと発表した。石炭火力発電における石炭の代替燃料としてカーボンニュートラルなバイオマスを活用する取り組みが国内外で進められており、IHIではこれまで自社試験設備においてバイオマス単独粉砕試験、燃焼試験など、バイオマス高比率混焼に関する研究を進めてきた。今回実証した燃焼方式は、既存の発電設備に小規模な改造を加えることで、現状数%程度に留まっているバイオマス混焼率を大幅に引き上げることができる。技術的には混焼率を50%以上にすることも可能だという。同社は今後、同成果を活かして実機設計を行い、2017年度の商用運転開始を目指すとしている。
2015年12月03日●どうせなら最前線どうせ働くなら被災地のためになる仕事がしたい、真実をこの目で見たいと、福島第一原子力発電所=通称"1F(いちえふ)"で働くことにした竜田一人さん。"1F"で働くということ、漫画『いちえふ』の反応や、原発作業員であり漫画家でもある竜田さんのこれからのことも聞きました。○この目で見たいという好奇心――働き出すと「なんか普通じゃん」と思うようになり、恐怖や警戒心も薄れていったようですね慣れちゃうってあまりいいことではないんですけど、そんなに怖いところじゃないんだなって自然と思うようになりました。行く前から、あの程度の放射線量なら心配するほどじゃないというのはわかっていましたけど、周りに心配しすぎる人がいたので、一応は警戒していた。でも行ってみたら地元の人たちが普通に暮らしていて、みんな普通に働いていた。不安はすぐになくなりましたよ。――現場を知るうちに、放射線量がより高い最前線の現場に行きたいという気持ちが大きくなっていったということですが、希望者はどのぐらいいるんでしょうさすがに多くはないです(笑)。みんなが希望しない理由は、放射線量が高いとそれだけ"1F"で働ける日数が短くなってしまうというのが一番。あとはやっぱり、ちょっと怖いというのもあるでしょうし。そこそこの線量のところで長く働いたほうが、トータルでは稼げる。僕は半分好奇心で"1F"に行ったものですから、どうせなら最前線を見たいと最初から思っていました。――深夜に出発して早朝に帰宅する仕事があることも興味深かったです。バラバラの生活リズムに臨機応変に対応できる人のほうがよさそうですねきっちりした性格の人は向かないかもしれないですね。元自衛官の人は大丈夫そうでしたし、夜勤に慣れている人がいいと思います。たまにいたんですが、あまりに心配性の人も向いていないんじゃないかな。チームワークが重要視されるので、自分勝手にならない、協調性を持っていることも大事。それはどこの職場でも同じですよね。――仕事以外で辛かったことはありましたか最初の関連会社で働いた時、寮に人が増えすぎたときはしんどかったですね。でも数人でアパートに越してからは、あまり不愉快なことはなかったです。不便なことというと、携帯の電波! 1Fの中は携帯の電波がそもそも入りにくいんですよ。『いちえふ』にも描きましたが、auの電波が一番入る。それ以外の電波は入りにくいので、改善されたら嬉しいですよね。職場環境が整っていることはこれから来る人にとっても大事ですから。○見たままを描く。見ていないものは描けない――ここからは漫画『いちえふ』のお話をお聞きします。最初に描いてみた時、これはヒットするだろうという確信はありましたかいえ、自分ではまったくわからなかったですね。"1F"の中を描いた漫画なんて今までないので、持ち込めばどこか買ってくれるだろう、載ったら話題にはなるだろうなとは思いましたが、面白いかはわからなかった。面白いかって言ったら、むしろつまんないですよねこれ。だってなんのドラマもないから。――確かに事故などもなく、竜田さんの毎日の仕事の様子や感想が描かれている漫画ですからね見たことだけを描くように心がけているんです。見ていないことは描かない。誰かの代弁をするようなこともしないようにする。これはあくまで僕の体験記だということです。●「正体はわかってるぞ」という電話も○見たことのない角度からは書けない――まるで撮影やスケッチしていたかのように、"1F"内の風景が細かく描写されているのも印象的です現場によってはメモすら持って行けない場所もありますし、防護服はポケットも何もないですから、覚えている中で描くしかないんです。メモといったら、その日の被ばく量を計ったレシートだけ。実際に見ていても絵に描けるかどうかは別問題だし、かといってうろ覚えで適当に描くのもよくない。たとえばみなさんもよく見る壊れた建屋の写真。担当さんに「同じアングルばかりでつまらないから別の角度から描いてくださいよ」って言われるんだけど、「そこからは見れないので描けないです」としか言えない。(担当編集S氏)「記録の漫画なので、『○月の時点で建屋はどうなってたか』をしっかり描かないといけないんです。たまにほかの漫画家さんに『どうしていつもこの角度からなんですか』って聞かれましたよ。『そっちの角度からは見れないんですよ』と答えたら納得されますけどね」「演出がヘタな漫画家だな」って思われてるかも(笑)。――そこが逆にリアリティありますよね。「この通路から見る月が美しい」なんていう描写は、まさに現場にいた人にしかわからない風景だなと思いました2号機と3号機の間の通路で、真正面に見える月がすごく綺麗だったんですよね。その頃はもう「この体験を漫画にするかもしれない」という思いがあったので、細かいところもよく見るようにしていました。――ということは、漫画にしようと考え始めたのは働いている途中から?もともと漫画家だったので、最初からその気がなかったというと嘘になります。でもマンガが目的で行ったわけじゃない。最初は「漫画にしたら面白いだろうな」ぐらいにしか思ってませんでした。ちゃんと描き始めたのは半年の"1F"での仕事を終えて、完全に関東の自宅に帰ってからでした。○みんなで早く片付けて、喜んでもらえたら――『いちえふ』を「モーニング」に発表したことでどんな反応がありましたか?(編集S氏)「一度知らない人から『竜田一人の正体はわかってるぞ』という電話がかかってきたぐらいですかね。でも別に悪いことをしているわけじゃないし、その後なにもない。ほかの編集部員が『外歩くとき気をつけろよ』なんて脅かしてきましたけど、それは考えすぎやろって思いました(笑)」――『いちえふ』を読んでいると、担当編集さんがどっしり構えてくれてるなという印象があります(編集S氏)「周りからなにか言われることよりも、作家さんに原稿を落とされることのほうが編集としてはずっと怖いので(笑)。それ以外のことはどうということはないです。一時期は福島で働きつつ原稿を描いてもらっていたので、2日前までは『大丈夫です』なんて言ってたのが、『急に("1F"での)仕事が入って描けなくなった』なんて言われたり。あとは竜田さんの車の運転も心配でした。昼夜逆転だったし、いつか事故を起こすんじゃないかという不安もありましたね」確かに毎日、高速で片道1時間の道を自動車通勤してましたからね。今は国道6号線が通れるようになって、工事用の車がいっぱい走ってるんです。こないだも事故があってしばらく通行止めになっていたので、みなさん交通安全でお願いします!(笑)――体験したことはほとんど描いてしまったということで、『いちえふ』はいったんお休みになります。また"1F"に行くのですか?そのつもりです。とはいえ現場を離れて1年近くたっているので、作業員気分も抜けちゃってはいるんです。『いちえふ』はこれで完結というわけではないので、また新しいネタがあったら描くかもしれません。――"1F"という職場に興味を持った人に言いたいことがあればもしも興味があるなら、普通の職場として働きに行ってみればいいと思います。ただし働いた分の日当をもらう形なので、行ってもしばらく待機しかできず収入がない可能性がある。1カ月分ぐらいの生活費はあったほうがいいですが、寮や宿舎がある会社なら最初だけ前借りできればなんとかなるかな(笑)。なにより福島は人が温かくて、食べ物もおいしくて、本当にいいところ。みんなで早く片付けて、結果的に地元の人にも喜んでもらえたら嬉しいかな。『いちえふ』(竜田一人/講談社)「メディアが報じない福島第一原発とそこで働く作業員の日常」、そして「この先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実」を、あくまでも作業員の立場から描写。「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」働き続ける作業員たちの日々を記録した「労働記」。
2015年11月16日●「現地にいって見てきてやる」福島第一原子力発電所(通称"1F")で作業員として実際に働いた経験をルポルタージュ作品として描いた漫画『いちえふ』。「週刊モーニング」掲載時から話題となり、「このマンガがすごい! 2015」オトコ編で第4位を獲得、国内外のメディアから注目されるなど、あらゆる方面で話題を読んだ作品である。作者は竜田一人さん。これはペンネームであり仮名。本名を明かさないのは、これからも"1F"で働くことを熱望しているからだ。そんな竜田さんに、「仕事場としての"1F"」について教えてもらった。○被災地のために何かしたいし仕事も変えたい="1F"へ――『いちえふ』が第3巻でいったんお休みになるとのことで、改めて竜田さんが福島第一原子力発電所="1F"に働きに行くことになった理由や、漫画にした経緯を教えていただければと思っています。竜田さんはもともとプロの漫画家として活動されていたそうですね漫画を描いてはいましたが、いわゆる売れない漫画家でした。会社勤めは向いていないタイプだったし、家で漫画を描いて暮らせるならそっちのほうがいいなぐらいの気持ちで描いてましたね。でもそんな程度の覚悟じゃやっぱり食えない。どうしようもなくなって、漫画以外の働き口を探そうと思っていたとき、あの東日本大震災が起きて。どうせ働くなら被災地に行って働こうと考えたんです。――転職先として被災地を選んだということですね。震災が起きてから"1F"に行こうと決心するまで、迷いはありませんでしたか決断したのは早かったですね。報道を見て、すぐに「ここで働こう」って思いました。そのときはもう漫画の仕事はなくて、ある会社で働いていたんです。仕事があるからボランティアすら行けないのがすごくもどかしかった。じゃあ思いきって向こうで働けばいいじゃないかと思って会社を辞め、"1F"での仕事を探すためハローワークに行きました。――作品中の「本当に怖いなら本気で勉強しろ」というセリフが印象的でした。竜田さんは福島に行く前まで、原発についてどのぐらいの知識がありましたか事故が起こる前までは何も知らない状態でしたね。チェルノブイリで同じような事故があったということぐらいの知識だったし、チェルノブイリについてもどのぐらいの被害があったのか、実際のところはどのようなものだったのかまではわからなかった。ただ怖いというイメージだけ。だけどこうして"1F"で事故があって、デマも増え、周りにも不安になっている人たちがいっぱいいた。子供を抱えている人が不安がっていたこともあり、個人的に調べるようになりました。こういう言い方をすると語弊がありますが、原子力や放射線に関して、今こういうことが起きているのはなぜなのかを知っていくのは面白かったんです。本やネットからの知識でも、人にちゃんと説明すると納得してもらえるということも実感しましたし、調べていくうちに、世間で言われていることと実際に起きていることがあまりに違うこともわかった。身近にもデマを流してる人がいたので、「それなら俺が現地に行って見てきてやるよ」って気分になったんですよね。●放射線量が高いほど、働ける日数は少なくなる○"1F"の第一印象は「普通の職場だな」――そしていざハローワークで仕事を探してみると、すぐに"1F"で働ける仕事がなかなか見つからない。仕事は多いかと思っていたので、これも意外でした当時はハローワークの人も仕事の内容がわかっていませんでしたからね。紹介しておきながら「大丈夫なの?」って心配してきたり(笑)。実際に"1F"で働き始めてみると、ハローワークを経由しているのは福島以外のところから来た人たち。基本的には地元の人、もともと原発で働いていた人が圧倒的に多かったです。やっぱり知識や技術がないとできない仕事ばかり。経験者が中核になって、我々のようにいろんなところから集まってきたやつらがサポートするという形でした。――下請け会社に採用されて福島に入っても仕事がいつ入るかはまったく見えない。なかなか"1F"に入れない時期が続いたというのも驚きましたそこがオススメしにくい理由なんですよ(笑)。特に僕はハローワーク経由で入ろうとしたからか、関係ない工事現場とかに回されちゃったりもしたし。何らかの形で現地の人と知り合ったほうが、早く入れると思いますね。――やっと"1F"に入って見ると、働く人たちは被ばく量を精密に計っているので、一日や一年の被ばく量には上限がある。いざ現場で働けることになっても、場所によっては短期間しか働けない。仕事先としては悩ましいところでしたね放射線量が高いほど日給は高いけど、その代わり働ける日数が限られている、決しておいしい職場とは言えない、というのは行ってみてわかったことですね。僕はとにかく現場を見たいという思いで行っていたので、そこは仕方ないと割り切っていました。――ところで"1F"にはどんな年齢の人たちが集まっているんでしょう若い人は少なくて、40代、50代の人が中心。それまでの職業は本当に様々ですよ。相手の過去を深くは聞かないのが暗黙のルール。肉体労働の職場ではよくあることです。あまりしつこく聞いてくるやつがいると、逆に「お前何なんだ」って煙たがられますね。――防護服を着るのでとにかく暑いということでしたが、ほかに驚いたことはありますか想像と一番違ったのは、「思っていたよりもずっと普通の職場だな」ということでした。普通のおじさんたちが普通に働いてる。ちょっと特殊な状況ではあるけど、印象としてはほかの職場とあまり変わらなかったです。僕が行っていた頃は厚生棟とか免振棟などは水洗トイレが復活していたし、しょっちゅう掃除の業者が来ていたので基本的に清潔。快適なところでしたね。もちろんただの原発ではなく、事故を起こした後の原発ですから、装備品などは見たことないものばかりです。だけどそれより、みんな普通に働いているんだなっていう印象が強かった。逆に言うと、世間から好奇な目で見られるほど変な雰囲気ではなかった。面白いことが特にない、それが逆に面白いなって思いました。――備品を搬入したり、定期的に掃除をしに来たりと様々な業者が関わっている。作中でも「良くも悪くも廃炉作業だって商売なのだ」と書かれてましたね商売にしないと続かないですからね。むしろ商売にするって、とても大事なことだと思います。――ちなみに男性ばかりのようですが、女性はいるんですか?毎年のように状況は変わっているので今はどうかわからないですが、いるとしても事務の人ぐらいかな。もともと発電所ってそんなに女性がいる職場ではないでしょうから。食堂ができたので、そこにはいるかもしれないですね。『いちえふ』(竜田一人/講談社)「メディアが報じない福島第一原発とそこで働く作業員の日常」、そして「この先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実」を、あくまでも作業員の立場から描写。「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」働き続ける作業員たちの日々を記録した「労働記」。
2015年11月14日富士通は11月12日、富士通研究所が開発した光ファイバー超多点温度センシング技術による火力発電所の設備異常検知システムを東北電力と共同で開発し、東北電力秋田火力発電所において実証実験を実施したと発表した。火力発電所の設備において安定稼働を維持していくためには、燃料配管やボイラー煙道などさまざまな場所での温度変化を監視し、その結果から設備の状況を常に把握しておくことが早期に異常を検知するうえで重要となる。しかし、半導体式温度センサーや熱電対式温度センサーなどの「ポイント式温度センサー」による異常検知では、センサーごとに通信ケーブルが必要となることや、火力発電所特有の厳しい制約により、設置可能なセンサーの場所や数に制限があった。光ファイバーによる温度測定は、数km以上の光ファイバー上を10cm間隔で連続的に温度測定できるうえ、電気ではなく光を用いた温度測定技術であるため、防爆にかかわる制約を受けず、発電所関連のさまざまな設備に導入できるというメリットがある。導入コストも、ポイント式温度センサーを活用した場合より抑えることが可能だ。富士通と東北電力は、2014年6月から2015年の3月にかけて光ファイバー超多点温度センシング技術を用いて、東北電力秋田発電所の燃料配管と蒸気配管、ボイラー煙道の温度変化を継続的に測定し、設備異常をより精微にリアルタイム検知する実証実験を行った。この結果、蒸気配管内の水蒸気の異常な液化や滞留の発生を検知することができたうえ、蒸気配管と燃料配管の温度上昇・低下タイミングの比較から、それぞれの配管が正常な状態であるかどうかを把握することにも成功した。また、120℃に達する高温の排気ガスが排出され、継続的な振動にさらされるボイラー煙道においても、60日間連続での温度監視を実現し、高温・高振動環境下でも同技術を活用したリアルタイム温度監視を行い、設備の異常検知が可能であることを実証できたとしている。富士通は今後、同システムをベースに、発電所だけでなく化学プラントなどのさまざまな施設・設備へのビジネス展開を目指していくという。
2015年11月12日STAYERホールディングスは、水と塩で発電するLEDランタン「塩水LEDランタン ST-LESAGY」を発売した。発電に必要な金属棒も付属。価格はオープンとなっている。水と塩、付属の金属棒をセットすることで発電するLEDランタン。約120時間(5日間)の点灯が可能だ。LEDを10灯搭載し、正面60cmでの照度は最大384ルクス、明るさは90~100ルーメン。金属棒を交換すれば繰り返し使用可能だ。発電中は16時間ごとに塩水を交換する必要がある。LED点灯のほか、付属のUSBケーブルを用いてUSB機器への給電も可能だ。出力は約100mA。本体には持ち運びに便利なハンドルと、壁掛け用の穴を装備。IPX3相当の防水性能を持つ。本体サイズはW188×D84×H110.5mm、重量は約400g。注水量は350mlで、発電に必要な塩の量は22g。
2015年11月02日本田技研工業(ホンダ)は10月19日、マーシャル諸島共和国において電気自動車「フィットEV」と太陽光発電に対応したAC普通充電器「Honda Power Charger」を導入した社会実証実験を同日より開始すると発表した。マーシャル諸島共和国は、エネルギーをほぼ輸入に頼っており、調達の自前化や輸送費用を含めたコストの軽減が課題になっている。また、海面上昇の影響を受けやすいことから、CO2排出量の低減にも注力する必要がある。実証実験は2017年9月まで行う予定で、フィットEVとHonda Power Chargerを導入することで、マーシャル諸島共和国における電動化モビリティの普及および充電関連インフラの整備の可能性を検証し、同国のエネルギー自給などの課題解決につなげることを目的としている。同社は「本プロジェクトの目標を達成し、グローバルなショーケースになることを目指し、マーシャル諸島共和国政府と協力して進めていきます」とコメントしている。
2015年10月20日グッドフェローズはこのほど、「太陽光発電の設置状況と設置後の満足度の調査」の結果を発表した。それによると、太陽光発電を設置している人のうち98.4%が「満足している」と答えたことがわかった。昨年(97.5%)と比べて0.9ポイント増加した。○「期待以上の発電量が出ている」発電量については、92.9%が「期待以上の発電量が出ている」と回答。昨年(77.5%)から15.4ポイント上昇した。設置容量を尋ねたところ、55%が4~6kWの容量を設置しており、平均設置容量は6.15kW。併せて購入金額(工事費を含む総額)を聞くと、平均購入金額は223万円となった。これらの結果から、回答者は36.2万円/kWで設置していると推計され、経済産業省が2014年度に提示している平均設置金額38.4万円/kWと比べて約2万円安くなっていた。補助金を受給している人は66.8%で、このうち国の補助金制度が終了した2013年度以降に太陽光発電を設置した人は65%。補助金の適用額は平均15万1,076円、最大100万円となった。今回太陽光発電の設置を見送った人に理由を聞くと、「価格面」が最も多く38.3%。その一方で、機会があればまた設置を検討してみたいと答えた人は75.3%に上った。グッドフェローズ広報(ベイニッチ)は、太陽光発電設置者の満足度が高い理由について、「電気代が高騰していることもあり、経済的メリットが挙げられる」と分析している。調査期間は2015年6月12~21日、有効回答は太陽光発電を設置または設置を検討したことのある全国の戸建てユーザー277人。
2015年10月10日太陽光発電協会(JPEA)は9月11日、太陽光発電設備が水害によって被害を場合の対処に関する注意事項などをWebサイトを通じて公表した。水害によって被害を受けた太陽電池パネルに関しては、絶縁不良となっている可能性があり、接触すると感電する恐れがあるため、やむを得ず取り扱う必要がある場合は、ゴムの手袋や長靴を使用するなどの感電リスクの低減を行うことの必要性、ならび複数のパネルが接続活線状態であれば状況次第では、日射を受けて発電してしまい、高電圧/電流が発生する危険性があるため、周辺にロープを張るなど、不用意に近づけないような措置を講じることが必要としている。また、パワーコンディショナに関しては、浸水した場合、直流回路が短絡状態になる可能性があり、太陽電池パネルが活線状態の場合では、短絡電流が流れることで、ショートや発熱が生じる可能性があり、もしショートしている状態が見えるようであれば、販売施工業者などに連絡を行う必要があるとするほか、取扱いにおいては、感電対策を行った上での遮断器の解列が推奨されている。なお、被害への対処の実施については、50kW未満の施設の場合は販売施工事業者へ、50kW以上の施設の場合は選任されている電気主任技術者に連絡をしたうえで、対策をとってもらいたいとJPEAでは説明している。
2015年09月11日さくらインターネットは、北海道石狩市「さくらインターネット石狩太陽光発電所」を建設し、8月10日より石狩データセンターへの送電を開始したと発表した。ここで発電した電力は、交流電力に変換することなく、直流のまま石狩データセンターへ送電し、専用のサーバルームに給電する。さくらインターネット石狩太陽光発電所は、面積が5,004平方メートルで、出力は200kW。発電量は21万kW時/年を予定している。石狩データセンターが全棟(計8棟を予定)稼働した場合、およそ4,000ラック分のサーバが電力を使用するため、同社では再生可能エネルギーを売電することなく、完全自社利用ができると考え、太陽光発電所の開所することになったという。本発電所は、給電状況を自動で判別し、天候などの問題で発電できないときは交流系統から、停電などの場合はバッテリーから給電できる、優先制御のしくみにより高い可用性を実現。また、発電量を最大限に引き上げる制御機構を備えた製品を採用し、再生可能エネルギーをムダなく利用する工夫を行っているという。
2015年08月10日