「4〜5月の制度改正に伴い、50代でもiDeCo(イデコ)に加入するメリットが出てきました。運用次第でもらえる年金額を年50万円以上増やせる可能性もあります」そう話すのは、『1時間でわかるiDeCo〜50代から始める安心投資』(技術評論社)の著書もある確定拠出年金創造機構代表の野原亮さん。50代に突入すると、老後の年金生活がにわかに現実味を帯びる。今、「将来の年金が少ない」と不安に感じる主婦やフリーランス女性は、自分で積み立て運用する私的年金「iDeCo」への加入に興味を示しているという。「iDeCoは、自分で設定した金額で投信を選ぶ『積み立て』です。利点は、運用して増えても『非課税』であること。さらに積み立てた掛金は所得控除が受けられ、『節税効果』もあります。法改正で加入できる年齢が60歳から65歳未満となり、期間が長くなった分だけ長期運用できるので、年金を増やすラストチャンスです」(野原さん・以下同)さっそく始めたい!と思った人は、まずは口座開設から。「三菱やみずほなどのメガバンクや都市銀行、地方銀行、証券会社など選択肢がありますが、店舗のある金融機関であれば窓口で相談してみましょう。ネットを使えるなら、証券会社の楽天、SBI、マネックスが扱う商品数も多くおすすめです」ステップは、〈1〉運用する金融機関を決定、〈2〉iDeCo専用口座を開設、〈3〉運用商品を選ぶ、と簡単。そこで、「どれを選んだら?」という人向けに野原さんが「堅実派」「夢見る派」向けにおすすめ商品をセレクトした。■堅実派【「お金」に対する考え】老後資金のため元本は減らしたくない激しい値動きより安定感ローリスクで堅実に増やしたい1〜3%くらいの利回りがあればうれしい【iDeCoの商品を選ぶなら】全世界株式を1点買いし長期保有。世界中にある投資可能な市場をカバーする、究極の分散投資につながる銘柄を選べば、あまり注視せず持っていられる。【野原さんイチ推し銘柄】SBI・全世界株式 インデックス・ファンド(雪だるま〈全世界株式〉)楽天・全世界株式 インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド〈全世界株式〉)■夢見る派【「お金」に対する考え】余剰金をさらに増やしたい値動きを見て一喜一憂も辞さずリスクを取っても一獲千金を夢見る資金が2倍以上になるとうれしい【iDeCoの商品を選ぶなら】「日本株」「先進国株」「新興国株」に分散投資。日本の東証一部上場企業、米有名企業500銘柄で構成された投信、期待される新興国市場の投信など、リスクの異なる銘柄3〜5本以上を組み合わせて運用すると、変動が楽しめる。【野原さんイチ推し銘柄】日本株式 eMAXIS SIim国内株式(TOPIX)ニッセイ日経平均 インデックスファンド先進国株式 eMAXIS SIim米国株式(S&P500)新興国株式 eMAXIS SIim新興国株式インデックス※取扱い金融機関:SBI、楽天、マネックス、都銀、地銀など。扱う商品は金融機関により若干異なる。開設した金融機関でこれらの銘柄を扱っていなかったら 、類似銘柄はどれか尋ねてみよう。「資金が少額の人や、ほったらかしておきたい人は『堅実派』が賢明だと思います」今回「堅実派」には、全世界のファンドを集めた投信2本を推奨。「投資の鉄則は分散投資ですが、堅実派向けの全世界型は究極の分散投資。どちらかというとSBIの『雪だるま』のほうが、よりきめ細かく世界中をカバーしています」一方、「夢見る派」はどうか。「投資先のおすすめは『先進国』『新興国』『日本』。「低コスト」であることを基準に3〜5本程度を組み合わせることを推奨します」個別に推奨銘柄を見ていくと『eMAXIS Slim』(イーマクシス・スリム)が多いが「これは三菱UFJグループが売り出した投信で、低コストブランドで断トツ人気のシリーズです」と野原さんは絶賛する。「未来を見据えて、人口減の『日本』よりは、世界をけん引する『米国株』、成長が期待できる『新興国』の比重を多くすると、ややリスクは取ることになりますがリターンもその分期待できるでしょう」途中で商品を替えたり、掛金を増減することも可能。そのためには世界のニュースに興味をもっておくことも大切、と野原さん。メリットはさまざまありそうなiDeCoだが、まずは無理のない金額で。
2022年03月11日「年金が足りない」「長生きしたらどうなる?」50代に突入すると、老後の年金生活がにわかに現実味を帯びる。今、「将来の年金が少ない」と不安に感じる主婦やフリーランス女性は、自分で積み立て運用する私的年金「iDeCo(イデコ)」への加入に興味を示しているという。『1時間でわかるiDeCo〜50代から始める安心投資』(技術評論社)の著書もある確定拠出年金創造機構代表の野原亮さんは次のように話す。「4〜5月の制度改正に伴い、50代でもiDeCoに加入するメリットが出てきました。運用次第でもらえる年金額を年50万円以上増やせる可能性もあります」さっそく始めたい!と思った人は、まずは口座開設から。「三菱やみずほなどのメガバンクや都市銀行、地方銀行、証券会社など選択肢がありますが、店舗のある金融機関であれば窓口で相談してみましょう。ネットを使えるなら、証券会社の楽天、SBI、マネックスが扱う商品数も多くおすすめです」(野原さん・以下同)だが、そもそもiDeCo自体、わかりにくい感が否めないーー。「iDeCoは、自分で設定した金額で投信を選ぶ『積み立て』です。利点は、運用して増えても『非課税』であること。さらに積み立てた掛金は所得控除が受けられ、『節税効果』もあります。法改正で加入できる年齢が60歳から65歳未満となり、期間が長くなった分だけ長期運用できるので、年金を増やすラストチャンスです」ではどれくらい増えるのか。たとえば50歳から、月額5万円(総額900万円)を3%で運用できた場合、65歳で約1,134万円に。「受取り方法は一括でも20年間などの分割でも、または一括と分割を組み合わせることも可能です」20年分割にすると、年約56万7,000円に。ただし、最大の注意点は60歳からの引き出しになることだ。「基本的には家計が常に黒字である人向け。満期を迎えた定期預金、親から生前贈与を受けたなど余剰金で捻出するのが成功の秘訣です」掛金は自分で金額設定。5,000円(限度額:自営業者6万8,000円、専業主婦は2万3,000円まで)から運用可能。年収500万円のフリーランス女性が月額6万8,000円(年間81万6,000円)掛けた場合、年約24万円(所得税20%・住民税10%の場合)の節税になる。【PROFILE】野原亮確定拠出年金創造機構代表。東証一部上場の証券会社で1,000人を超える顧客を担当。’16年、ファイナンシャルプランナーとして開業
2022年03月11日「年金暮らしの人でも、確定申告をすることで、払いすぎた税金が戻ってくる場合があります」そう語るのは、土屋会計事務所の税理士・土屋裕昭さんだ。「確定申告とは、1年間に得た所得を計算して税務署に申告することで、税金を納めたり、払いすぎた税金の払い戻しを受ける手続きのこと。年金生活者の場合は、年金等の収入が年間400万円を超えたり、公的年金以外の所得(パートやアルバイトも含む)が年20万円(給与収入だと75万円)を超えると確定申告が必須になります」確定申告の必要がある人の場合、期限に遅れると最大年14.6%程度の延滞税が、申告しないと無申告加算税(税額の最大20%)が課せられることがある。それ以外の年金受給者は確定申告の“必要”はないが、確定申告によって“払いすぎた税金が戻ってくる”ことはあるという。■所得税を払っていれば「確定申告」で還付を受けられる可能性が「年金のみが収入源となっている世帯でも、年金収入が一定額を超えれば所得税が発生します。たとえば、現役時代会社員だった夫と専業主婦の妻がともに65歳以上の場合、妻の年金収入は国民年金のみなので、満額(約78万円)もらっても所得税は発生しません。一方夫は、公的年金等控除と基礎控除相当(162万円)と配偶者控除(39万円)を足した201万円に社会保険料控除を加えた金額を超える収入があると、所得税が源泉徴収されます。この税額が“本当に払うべき”税額よりも多い場合、確定申告でその差額が戻ってくるんです」〈元々会社員の夫と専業主婦の世帯なら〉夫の年間の年金収入が、社会保険料の年間支払い金額+201万円より多い〈未婚女性の場合〉年間の年金収入が、社会保険料の年間支払い金額+162万円より多い。※公的年金等控除+基礎控除(相当額)+配偶者控除、未婚女性の場合は配偶者控除なし自分が源泉徴収でいくら払ったかは、毎年1月ごろに日本年金機構から送られてくる「公的年金等の源泉徴収票」で確認できる。「所得税は、収入から各種控除を引いた“課税所得”にかかります。この所得の金額を減らすことができるのが“所得控除”です」年金受給者に送付される“公的年金等の源泉徴収票”で行われる控除は、社会保険料控除や扶養控除など一部のもののみ。「サラリーマン時代にあった年末調整では、生命保険料、地震保険料などが所得から控除されていました。しかし、年金生活者がこれらの控除を受けるには、自分で確定申告をしなければいけません」還付は5年前の分まで可能。この機会に、支出を見直して取り戻せる税金は取り戻そう!
2022年02月14日会社員時代は年末調整で済ませていた税金の還付。年金生活になったら、確定申告をしないと、取り戻せないんです――!最近定年退職をした人は、確定申告によって大きく税金が戻る可能性があるという。土屋会計事務所の税理士・土屋裕昭さんに教えてもらった。「会社員時代には、給与から概算の所得税が源泉徴収されていました。年末調整では、各種控除を引いた課税所得にかかる本当の所得税が計算されて、概算との差額が返ってきます。しかし、年度末以外に退職した場合は年末調整を受けられず、払いすぎた税金がそのままに。もちろん、確定申告をすれば還付されます」【戻るケース1】年の途中(12月末以外)で退職し、年末調整をしていない場合サラリーマンの場合、毎月の給与から所得税が源泉徴収されているが、この徴収額は1年間の見込み収入をもとに徴収されている。年の途中で退職すると、実際の年収は見込みより少なくなるため、確定申告をすることで払いすぎた所得税が戻ってくる可能性がある。※所得税額について復興特別所得税は考慮せずたとえば、月収50万円(月々の社会保険料は8万円とする)で専業主婦の妻が1人いる会社員が10月に退職した場合、源泉徴収された所得税は年収が600万円である場合の金額。実際の年収は500万円なので、確定申告すると払いすぎた所得税5万4,900円が返ってくる。【戻るケース2】「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合さらに、もう一つ見落としてはいけないケースがあるという。それは、退職金を受け取った際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合だ。申告書を提出をしていないと、退職金に対して一律 20.42%の所得税が源泉徴収されてしまう。しかし、提出さえすれば税金がかかる退職金の金額がぐんと低く。通常の定年退職をした場合は、会社が申告書を提出してくれる場合がほとんど。万が一、申告し忘れた場合は、確定申告でかならず還付を受けよう。金額によっては数百万円近い金額が還付されることもあるのだ。
2022年02月14日「確定申告とは、1年間に得た所得を計算して税務署に申告することで、税金を納めたり、払いすぎた税金の払い戻しを受ける手続きのこと。年金生活者の場合は、年金等の収入が年間400万円を超えたり、公的年金以外の所得(パートやアルバイトも含む)が年20万円(給与収入だと75万円)を超えると確定申告が必須になります」そう語るのは、土屋会計事務所の税理士・土屋裕昭さんだ。それ以外の年金受給者は確定申告の“必要”はないが、所得税を払っている場合確定申告によって“払いすぎた税金が戻ってくる”ことはあるという。「所得税は、収入から各種控除を引いた“課税所得”にかかります。この所得の金額を減らすことができるのが“所得控除”です」■市販漢方薬の購入費も控除の対象になる「セルフメディケーション税制」「よく使われるのは、医療費控除。年間10万円を超えた分の医療費を所得から差し引くことができます。また、総所得金額等が200万円未満の人の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%を超えた金額を、医療費控除額として差し引くことができるのです」たとえば、年金を月20万円もらっている65歳以上の人の場合、年間の収入240万円から公的年金等控除110万円を引いた、130万円が総所得金額になる。この5%にあたる6万5,000円を超えた医療費が控除されるのだ。年間20万円の医療費を払った場合、控除額13万5,000円の5%である6,750円が支払った所得税から戻ってくる。住民税にも適用され、控除額の10%である1万3,500円が翌年6月以降に支払う住民税の合計から天引きに。ぜひ活用したいのは、「セルフメディケーション税制」と、「寡婦(夫)控除」だと土屋さん。「’17年からスタートしたばかりで知らない人も多いセルフメディケーション税制は、ドラッグストアで購入した特定医薬品の合計額が税込み1万2,000円を超えた分を所得控除できるというものです」家族全員の分を含めることができ、花粉症の薬や漢方薬、湿布薬も対象なので利用しやすい。ただし、医療費控除との併用はできないので、注意が必要だ。「もう一つは『寡婦控除』。ご主人が亡くなった後、婚姻しておらず合計所得金額が500万円以下の場合などに適用され、27万円の所得控除を受けることができます」所得税を5%払っている人ならば、27万円の5%である1万3,500円所得税が安く。住民税を払っている場合は、住民税も2万7,000円安くなる。「確定申告の期限3月15日は所得を申告し、納税する人の締切り。守らなければペナルティが発生しますが、還付はこの期限に限らず申告できます」次のページからはよく使われる控除を紹介。確定申告でお金が戻ってくるチャンスがあるのはこんな人だ。■よく使われる控除11選【前編】被災地への義援金も控除の対象に!【病院にたくさん行った】医療費控除年間で10万円を超えた分の医療費が所得控除される。また総所得金額等が200万円未満の人は、所得の5%を超えた医療費が控除対象に。保険診療の医療費だけでなく、自由診療の入れ歯やインプラント手術の費用、はりなどの施術の対価(疲れを癒すなど治療に関係ないものは含まれない)、医療機関までの公共交通機関を利用した通院費、緊急時のタクシー料金のほか、訪問看護、通所リハビリなどの一部介護費用なども医療費控除の対象。【指定の市販薬を1万2,000円超購入した】セルフメディケーション税制健康診断・予防接種・がん検診などを受けた人が、1年間に「スイッチOTC医薬品」などの対象医薬品を年間1万2,000円以上購入した場合に、超えた分を所得控除することができる(上限8万8,000円)。確定申告する本人と生計を共にする家族や親族の分も含められる。令和3年分から対象となる医薬品が拡大。葛根湯など漢方薬やアセトアミノフェンを含む解熱剤の購入でも控除を受けることができる。【義援金を送ったり寄付をした】寄附金控除寄附金控国が指定する団体へ2,000円超の寄付をしたときに「寄附金控除」を受けられる。対象となる団体には国・地方公共団体、財務大臣指定の公益法人、学校法人、社会福祉法人、認定NPO法人などがある。災害にあった自治体への義援金も対象。「年間の寄附金の合計額」か「その年の総所得金額等の40%」のどちらか低いほうから2,000円を引いた額が、所得控除される。【生命保険料を払っている】生命保険料控除控除を受ける人が支払う、生計が同じ家族の生命保険料は全額「生命保険料控除」の対象に。ただし契約した時期で適用範囲と限度額が異なるので確認を。’11年12月31日までに契約した「生命保険」「個人年金保険」は、それぞれ最高5万円(計10万円)。’12年1月1日以降の契約では「生命保険」「年金保険」「介護保険」がそれぞれ最高4万円、計12万円まで控除できる。【台風やゲリラ豪雨で家が壊れたり、現金や家具が盗まれた】雑損控除地震・台風・豪雨などの自然災害や、火事・盗難など自分に過失のない場合の損害は控除される。住宅、家財などの財産(別荘や30万円超えの貴金属、骨とう品は含まれない)は「損失額-(総所得金額等×10%)」か「災害関連の支出-5万円」の多いほうを控除できる。控除額が大きい場合、最大3年間繰り越すことも可能。所得や被害によってはより節税できる「災害減免法」が適用になる場合も。■よく使われる控除11選【後編】肩代わりして払っている子供の年金も控除対象!【配偶者と死別または離婚した】寡婦(夫)控除配偶者が死亡したり離婚した場合などに受けられる。合計所得金額が500万円以下で、離婚・死別(生死不明含む)後に婚姻をしておらず、離婚の場合子ども以外の扶養親族がいるなどの条件に当てはまると、一律27万円の寡婦控除が受けられる。【バリアフリーのリフォーム工事をした】バリアフリーリフォーム減税バリアフリー改修工事をした場合に、年齢や工事内容などの諸条件を満たすと、改修工事の標準的な費用(最高200万円)の10%を所得から控除できる。【家を買った】住宅ローン控除一戸建て・マンションを購入し住宅ローンを組んだ人は最長13年間「住宅ローン控除」を受けることができる。所得が3,000万円以下で、床面積が40平方メートル以上であることなどの諸条件がある。【5年以上住んでいるマイホームを売却したが、住宅ローンが残り損が出た】譲渡損失の繰越控除売却価格がローンの残高を下回っていたときに、5年超マイホームとして使用したなど諸条件を満たすと「譲渡損失の繰越控除」の申告ができる。【子どもの年金を支払っている】社会保険料控除年金からの天引き以外に、自分や生計を一にする家族の社会保険料(年金や健康保険料など)を支払っている人は、全額を「社会保険料控除」として所得から控除できる。【ふるさと納税をした】寄附金控除年金受給者でも、ふるさと納税をすることはでき、寄附金額から2,000円を除いた額がその年の所得税と翌年の住民税から差し引かれる。ただし、ふるさと納税の実質的な負担額を2,000円にとどめることができるかどうかは年金収入による。とはいえ、期限内に申告したほうが、申告忘れは防げそう。払いすぎた税金を取り戻して、心にも財布にもゆとりをつくろう。
2022年02月14日「1月21日、’22年度の年金受給額が’21年度比0.4%引き下げとなることを厚生労働省が発表しました。4月分から、国民年金(満額)は月額6万5,075円から259円減額、夫婦2人の厚生年金(国民年金を含む)は、モデル世帯(平均的な給与で40年間働いた会社員夫と専業主婦という世帯)で22万496円から903円減額されます。厚生年金の場合、年間1万836円も減ってしまうのです」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)年金は、今後もマクロ経済スライドなどにより徐々に減っていく見通しだ。今後は、日々の暮らしで支出を抑えていくことが必要になってくる。そこで今回、節約や制度に詳しい柏木さんに加え、節約アドバイザーの丸山晴美さん、同じく節約アドバイザーの和田由貴さんに、年金受給世代に向けた“年金大減額時代”の節約技を教わった。■年金暮らしをスリム化するための節約技※柏木さん、丸山さん、和田さんへの取材をもとに本誌作成【1】乗り換え&電気ガス一本化で光熱費をカットガスや電力を一社にまとめたり、電力会社を乗り換えることで、割引が得られるケースが多い。たとえば「HISでんき」を利用すると、大手電力会社に比べ最大5%安くなる。【2】格安スマホに乗り換えて通信費削減格安スマホや大手キャリアのサブブランドに乗り換えることで月額料金を安くできる。利用していない固定電話がある人は、詐欺電話のリスクもあるので解約を検討してみよう。【3】無駄な医療保険は解約する70歳以上の医療費負担は2割なうえに高額療養費制度も利用できるため、医療保険は解約を検討して。がん保険も、先進医療特約など、どこまで積極的な治療を望むのか考えて見直しを。【4】お中元・お歳暮から卒業するシニア世代の削りたい出費の上位に入る交際費。その大部分がお中元やお歳暮で、年間数万円もの費用がかかる。年賀状のように儀礼的に送り合う季節の贈答品もやめたい人が多いので、話し合いのうえ、卒業しよう。【5】スーパーの棚を回る順番を変えて無駄買いを減らす一人当たり年間2万2,000円という調査結果もある食品ロス。 スーパーの入口にある野菜や果物売場から買い物を始めると、安いが不必要なものもカゴに入れてしまいがち。メインの食材となるものの売場にまず行き、その後付け合わせになるものを買うようにすると無駄な買い物を防げる。【6】日用品はスーパーよりドラッグストアで購入するドラッグストアは薬の販売で利益があるので、そのほかの日用品がスーパーよりも安くなる傾向がある。また、平日の19時以降や土日祝などの時間外の処方薬の調剤には調剤加算料がかかるので、処方箋は時間内に受付して。【7】運転免許証返納特典を活用する東京都には、免許返納者に定期預金の金利を店頭金利から0.05%上乗せする信用金庫がある。またそのほかにも、帝国ホテルのレストランが10%オフになる、スーパーの丸正チェーン加盟店では500円分のクーポンが進呈されるなど、免許返納に伴い多くのサービスが実施されている。【8】シニア割を見逃さない「イオン」では毎月15日、55歳以上を対象に「G.G感謝デー」として、イオンクレジットカード利用の場合5%引きに。「ココカラファイン」や「スギ薬局」などドラッグストアも、60歳以上を対象に、5%引きになるシニア割の日がある。今年度は0.4%だった受給額の減額だが、来年度以降さらに大きく減る可能性もある。年金大減額時代への備えは、早く始めるに越したことはないのだ!
2022年02月03日「1月21日、’22年度の年金受給額が’21年度比0.4%引き下げとなることを厚生労働省が発表しました。4月分から、国民年金(満額)は月額6万5,075円から259円減額、夫婦2人の厚生年金(国民年金を含む)は、モデル世帯(平均的な給与で40年間働いた会社員夫と専業主婦という世帯)で22万496円から903円減額されます。厚生年金の場合、年間1万836円も減ってしまうのです」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)政府が“100年安心”とアピールする年金だが、なぜ減額されるのか。経済評論家の平野和之さんは、こう解説する。「年金の受給額は物価や現役世代の賃金の動きに応じて毎年度変わっています。’21年度の物価は前年比0.2%減で、過去3年間平均の名目賃金変動率が0.4%減。今回は賃金の変動率が優先され、0.4%の減額となりました。コロナ禍によって旅行業界や飲食業界などサービス業を中心に業績が悪化した企業が増えたことが今回の減額の主要因でしょう」年金減額は、今後もさまざまな理由で行われるという。「もともとは、賃金や物価の上昇に伴い、年金の受給額も上がっていました。しかし、現在は少子高齢化のため、受給額を大きく上げると現役世代の負担がとても重くなってしまいます。それを防ぐために、’04年からマクロ経済スライドという仕組みが導入されているのです。スライド調整率というものを設定し、その分を年金の改定率から引くという仕組みです。そのため、年金の上昇分は、賃金や物価の上昇分に満たず、実質的に減額となります」(平野さん)ただし、マクロ経済スライドは、今年のように年金額が減少する際などには、発動されない。しかし、その分は、翌年度以降に繰り越されるので、今後仮に賃金(物価)が上がっても、繰り越されたマクロ経済スライド調整率が差し引かれるため、年金はほとんど上がらないのだ。■物価は上がるが年金は減っていく……こうした複雑な仕組みなどによって、年金減額が行き着く先はどこなのか。平野さんは、厚生労働省が年金の将来の見通しを予想した「財政検証」にヒントがあるという。「最新の財政検証(’19年)では、前述のようなモデル世帯の年金受給額は月22万円となっています。この金額が現役男子の平均月収に占める割合を表す所得代替率は、61.7%となっていました。しかし、財政検証ではこの所得代替率を維持することは困難で、将来的には約50%にまで落ち込むと想定しています」現在のモデル世帯の平均月収で換算すると、年金受給額は月17万8,500円。現状よりも月4万円以上減額することになるのだ。「さらに不安なのは物価が上昇していることです」こう指摘するのは、節約アドバイザーの丸山晴美さんだ。「昨今、原油、大豆や小麦などの穀物の高騰が続き、2月以降には、冷凍食品などの価格にも影響が出そうです」今後も続くとされる、物価の上昇。年金受給世帯にとっては、入ってくるお金が減り、出ていくお金が増える状況が続くことになる。
2022年02月03日’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正の目玉は、年金を75歳まで繰り下げると84%も増やせる「年金の繰り下げ」。「外に出ていつまでも健康で過ごすためにも、65歳まで働くのは当たり前、70歳や75歳まで働くことも視野に入ってきます。70歳まで働いて年金を増やしたいという人もいれば、65歳で受け取りたいという人もいますので、職業や資産、健康状態によって、自分に合った受け取り方は異なります。今回の改正では、働き方や年金の受け取り方の選択肢の幅が広がるので、安心できる老後を過ごすための制度設計がしやすくなりました」(井戸さん・以下同)■60歳からでもiDeCoで“私的年金”を確保しよう自分で備える「私的年金」として人気の個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、これまでは60歳未満の人しか加入できなかったのが、今回の大改正で加入年齢が65歳未満に引き上げられた。「受取り開始年齢の上限も、70歳から75歳に引き上げられますので、老後資金が少ないという人には年金を増やす絶好のチャンスだといえます。また、50代半ばから始めても運用期間が長く取れるようになるので、『今さら』と思っていた人も、今回の改正を機に検討してみてはいかがでしょう」たとえば、毎月2万円をメガバンクの定期預金で10年間積み立てた場合と比較してみよう。10年後、定期預金では240万184円で、利息は146円(税引き後)にしかならないが、iDeCoで運用したケース(想定利回り年3%)では279.5万円にもなる。利益は39.5万円(税引き後)で、その差は歴然!「長生きリスクに備えるためにも、長く働きながら長期投資でリスクを抑えてお金を増やすチャンスを活用しましょう。しかも、iDeCoの掛金は全額、所得税の控除の対象になるので、確定申告をすると税金が還付されます」ちなみに年収300万円、40歳以上の人が、iDeCoに毎月1万円を積み立てていたら、掛金全額が所得控除になるので1年間での税制メリットは1万8,100円。所得税は6,100円、住民税は1万2,000円と、大きな節税効果が期待できる。こうした税制メリットを考えても、iDeCoの加入年齢の引き上げは、老後資金確保のための大きなチャンスだといえるだろう。それではここで、一度iDeCoの基本についておさらいしておこう。iDeCoは自分で決めた掛金を毎月積み立てるもので、口座は1人1口座のみ。銀行や証券会社を選ぶ際は、運用商品の種類や手数料を比較検討しよう。掛金の限度額は、自分の勤務先に企業年金があるかないかなどによって月額1万2,000円〜2万3,000円と異なってくる。「公的年金の被保険者の種別や、企業年金の加入形態によって、積み立てられる掛金の限度額は決まっていて、限度額の範囲内であれば、月5,000円から千円単位で積立額を自由に設定できます。また、積み立てたお金は、自分で選んだ投資信託、保険、定期預金などの金融商品で運用できます」積立運用した資金は、原則として60歳以降に一括、または分割(年金形式)で受け取ることになる。強制的に資産が形成されるのがiDeCoの強みだが、途中で引き出しができないので、少ない金額からスタートするのがおすすめだという。もちろん掛金や、運用商品の組み合わせは後から変更することもできる。ただし、そもそも働いていない人や、収入が少なく所得税の額も低い人には節税メリットが少ないので、諸経費としてかかる加入時の手数料2,829円や、毎月数百円の手数料を上回るように「運用」しなければうまみがない。また、投資はあくまでも余裕のある範囲で行うのが鉄則。預貯金などが月収の6カ月〜1年分確保できていない人は、まず資金を蓄えることからスタートしよう。すでに40年(480月)分の国民年金保険料を納付済みの人は、60歳以降、iDeCoに加入することができない。ただし、年金の未加入期間があり、いわゆる「任意加入」をしている人はiDeCoに加入できるので、早めに自分の納付状況をきちんと確認しておこう。
2022年01月19日’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正で得するための条件として、井戸さんが教えてくれたのが「受給開始年齢を遅らせる」「なるべく長く働き続ける」「できるだけ収入を増やす」の3つ。「誰でもできるのは『年金の繰り下げ』ですが、その前に必ず、夫婦で年金収入がいくらになるのかを調べておきたいですね。『まだ先のことだからいいや』といって放置している人も多いようですが、遅くとも50代のうちに、年金収入だけで生活が成り立つのか、家計の見直しをしておきましょう。老後のお金がどれくらい足りなくなるのかがわかれば、いつまで働けばいいのか、いつまで年金受給を繰り下げればいいのか、といった方向性も見えてきます」(井戸さん・以下同)■65歳以降も“夫に働いてもらう”ことが欠かせない繰下げ受給を選択するにしても、その期間は年金以外の収入でまかなえる生活設計を立てる必要があることを考えれば、「なるべく長く働く」「できるだけ収入を増やす」の要素が大きいという。「現役生活に一区切りつけてしまうと、『なかなか働くスイッチが入らない』という声を聞きます。働きたくない夫に無理に働いてもらうようにすると、そこで夫婦ゲンカにもなってしまいます。ですから、単にお金のことだけではなく、会社を辞めた後の生活をどうするのか、といったことを含めて、65歳以降の生活を夫婦で考えてみることをおすすめします。特に、仕事をスッパリ辞めてしまった人は、将来への不安が尽きないうえ、『妻以外の人と話すことがない』『何もすることがない』という状態に陥りがち。それがストレスのもとになり、心身の不調を訴える人もいるくらいです」それでは定年以降、夫にはどんな働き方をしてもらうのがいいのだろう。「外に出ることは健康をキープすることにもつながりますので、趣味やサークル活動を楽しむ時間を持ちながら短い時間働く、といった選択肢もありですね」とはいえ、70歳まで年金を繰り下げる計画を立てるのであれば、年金以外の収入がないからといって貯蓄を取り崩すのはNG!将来、病気や介護が必要になったときに備えて手をつけないでとっておきたい。「繰り下げの待機中はマイペースに働くことが大事。夫がどうしても『フルタイムで働くのはもう嫌だ』ということもあるでしょう。その場合は、企業年金に加入していた人であれば、その受給分だけを生活費に回したうえで、そのほかに必要な分だけ働いてもらえば十分です。老齢厚生年金だけを65歳から受け取り、老齢基礎年金は繰り下げて、生活の不足分は働いて得る、という選択肢も出てきます。妻がフルタイムで働く代わりに、夫は家のことを手伝う、というように、夫婦で役割分担をすることも円満の秘訣です」■2つの改正ポイントで働くモチベーションアップさらに今回の改正では、老後も働き続けるモチベーションを維持するための制度変更もある。これまで、60〜65歳で年金を受け取りながら働くときは、年金収入と働いて得た収入の合算が月額28万円を超えてしまうと年金額が調整されていたが、’22年4月からはその基準額が47万円に引き上げられる。さらに、これまでは70歳にならないと、65歳以降に納めた厚生年金保険料は支給額に反映されなかったが、’22年4月からは、働いて納めた厚生年金保険料が、翌年の老齢厚生年金に反映されるようになる。つまり、もらえる年金が目に見えて増えるので働いた実感がわいてくるのだ。また、今回の大改正に合わせて、働き方の法整備も進み、65歳から70歳まで働く機会を確保することが企業側の努力義務となった。「改正高年齢者雇用安定法で、70歳まで働く時代が本格的にやってきました。企業は今後70歳まで定年を引き上げるだけでなく、定年制そのものを廃止し、起業する人やフリーランスになる人への業務委託などを進めることになっていきます」再雇用で同じ会社で働き続けるほかにも、転職や起業、フリーランスになるなど、老後の働き方が多様になるこれからの時代。夫はもちろん、妻だって元気なうちは働くに越したことはない。ペースを崩すことなく夫婦で働き、「老後の資金」と「健康」をゲットする。そんな一石二鳥を目指すべし!
2022年01月19日’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正の目玉は、年金を75歳まで繰り下げると84%も増やせる「年金の繰り下げ」。「外に出ていつまでも健康で過ごすためにも、65歳まで働くのは当たり前、70歳や75歳まで働くことも視野に入ってきます。70歳まで働いて年金を増やしたいという人もいれば、65歳で受け取りたいという人もいますので、職業や資産、健康状態によって、自分に合った受け取り方は異なります。今回の改正では、働き方や年金の受け取り方の選択肢の幅が広がるので、安心できる老後を過ごすための制度設計がしやすくなりました」(井戸さん・以下同)ほかにも、短時間勤務での厚生年金加入が可能になったり、働きながら年金をもらう場合に年金がカットされるボーダーラインが47万円にアップされるなど、大きな改正点は5つ。■パートでも“厚生年金に加入”できる勤め先を見つけようこれまで、「ちゃんと働いているのに国民年金にしか加入できないので、老後の不安が尽きない」という人は意外と多かった。しかし、今回の大改正で、厚生年金加入のハードルが下がり、老齢基礎年金(1階部分)にプラスして老齢厚生年金(2階部分)がもらえるようになる人がグンと増えるのだ。「女性のほうが男性よりも長生きする人が多いことがわかっています。会社員だった夫が亡くなった後、遺族厚生年金があるとはいえ、夫婦2人で生活していたときに比べて収入がガクンと減るので、『おひとりさま』生活を見据えた資金計画はしっかり立てておきましょう。パートやアルバイトで働く主婦の方は多いと思いますが、これまでは労働時間などの条件を満たしていないため社会保険に加入できず、老後に不安を抱えているケースをよく見かけました」具体的にいうと、’22年10月からは、短時間労働者が社会保険に加入できる要件のハードルが以下のように下がる。(1)1週間で20時間以上同じ会社で働いている、(2)月額賃金が8万8,000円以上、(3)2カ月以上雇用の見込みがある、(4)学生ではない、(5)勤め先にフルタイム従業員が常時101人以上いる、の条件を満たしていれば、社会保険に加入できるようになるのだ。これまでは「フルタイム従業員が501人以上」だったのが、今回の大改正で、101人以上とハードルが下がり、さらに’24年10月以降は、フルタイム従業員が常時51人以上に下がる。「将来的にはフルタイム従業員の人数にかかわらず、週20時間以上働いた人は社会保険に加入できる方向で議論は進められています。ここでいう社会保険は厚生年金と健康保険。アルバイトの募集で『社会保険完備』と書いてある場合は、この2つが加入の条件なのかよくチェックしましょう」主婦の場合は、結婚してから60歳までの間、厚生年金または共済年金に加入している夫(第2号被保険者)の扶養の範囲に入り、第3号被保険者に該当しているケースが多い。パートやアルバイトで働いていたとしても夫の扶養から外れないよう、いわゆる“130万円の壁=年収130万円未満”の範囲で働いている。そんな主婦が、扶養から外れて社会保険に加入すると、目先の手取りは減るけれども、将来年金として受け取れる額が増えるのは大きいという。「たとえば年収106万円で厚生年金に加入して10年働いたとすると、納める厚生年金保険料は月8,052円で、受け取る老齢厚生年金は65歳から年額5万7,900円×終身という計算になります。老後のことを考えれば、今回の改正を機に、厚生年金に加入できる仕事を探してみてはいかがでしょう」井戸さんによれば、仕事を探すのであれば地元がベストとのこと。フルタイムの従業員が501人以上の会社はそうそうないかもしれないが、101人以上の会社なら、身近にも意外とあるもの。ご近所ネットワークも活用して、求人票には載っていない“口コミ”の仕事も探してみよう。
2022年01月19日老後の暮らしを支えてくれるものといえば「年金」だが、その年金の仕組みが’22年春から大きく変わる。少しでも多くもらい、取りこぼしを極力なくすためにも、今からキッチリ予習しておこうーー!’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正の目玉は、年金を75歳まで繰り下げると84%も増やせる「年金の繰り下げ」。本来の受給開始時期である65歳よりも前に年金を受け取り始めることを「繰上げ受給」、65歳より後にもらい始めることを「繰下げ受給」という。繰上げ受給を選択すると、年金が1カ月あたり0.5%(’22年4月からは0.4%)減額され、繰下げ受給にすると、受け取る期間を1カ月延ばすたびに、月0.7%増えるという仕組みだ。「改正前は繰り下げられる上限が70歳で、仮に65歳から上限いっぱいまで繰り下げると、65歳で年間約78万円の年金を受け取れる人は、42%増になるという計算でしたが、今回の大改正では、上限がさらに5年間延びて、受給開始時期を75歳まで引き上げられるようになりました。たとえば、受給開始時期を10年間遅らせて75歳から受給すると、受給額は84%増の約143万円にもなります」(井戸さん・以下同)受け取る時期を遅らせるだけで年金額が月0.7%も増えるのは、なんともありがたいことだ。受け取れる年金の額が少ない人や、住宅ローン、教育ローンなどの支払いが長引き老後資金を貯められなかった人は、65歳以降も働くことを視野に、年金の繰り下げをぜひ活用しよう。■繰下げ受給にともなう落とし穴に要注意!ただし、夫と妻の年金をすべて繰り下げてしまうと、損をする場合もあるという。「『加給年金』を受け取っている人は注意が必要。加給年金というのは、夫の厚生年金の加入期間が20年以上ある人が対象で、大まかにいうと、夫が65歳に達した時点で、扶養する65歳未満の妻や18歳までの子どもがいる場合、夫の老齢厚生年金に加算される年金のことです。金額は妻の場合で年額39万500円。65歳になるまでの間、毎年支給されるものですが、夫の老齢厚生年金の受給時期を繰り下げてしまうと、この加給年金がもらえなくなってしまいます」たとえば、妻のほうが5歳年下という場合、夫が老齢厚生年金の受給を70歳まで繰り下げてしまうと、加給年金を受け取ることができなくなってしまう。さらに加給年金の受け取りが終わっても、妻が1966年4月1日以前に生まれている場合、65歳になって加給年金の受け取りが終わっても、一定の基準を満たせば妻の老齢基礎年金に上乗せされる「振替加算」も用意されている。この振替加算は老齢基礎年金と同時に受給開始となるので、妻の老齢基礎年金を繰り下げてしまうともらえなくなるので注意したい。「振替加算の金額は年齢によって違いますので、実際にいくらもらえるのか確認しましょう。年齢によっては1年間でもらえる振替加算の額が少なく、老齢基礎年金を繰り下げしたほうが総受給額が増えることもあります。ちょっと複雑になりますが、年金の受給を繰り下げるのと、加給年金や振替加算を継続してもらうのと、どちらがお得になるのかを見極めることが大切です」夫は老齢厚生年金を65歳から受け取り、老齢基礎年金を繰り下げる、妻は老齢厚生年金を繰り下げて、老齢基礎年金を65歳から受け取る、などお得なパターンをシミュレーションしてみよう。また、月400円の付加保険料を支払っている場合、老齢基礎年金に付加年金(200円×付加保険料納付月額)がつく。老齢基礎年金を繰り下げる場合は付加年金も一緒に計算されるので覚えておこう。ここまでは、「会社員の夫と専業主婦の妻」のケースを見てきたが、自営業の夫婦や共働きの会社員夫婦、あるいはフリーランスで独身の場合など、働き方によって繰り下げ受給の正解は変わってくる。【自営業夫婦の場合】自営業者は年収にかかわらず、年金は老齢基礎年金のみ。20歳から60歳まで、40年間(480月)保険料を納めて満額もらえたとしても、65歳から受け取れる年金は年額78万900円(月額6万5,000円)。未納の期間があるともっと少ない金額になってしまうので、保険料未加入期間を65歳まで「任意加入」して、できるだけ満額で受け取れるようにしておこう。「夫の老齢基礎年金を70歳まで繰り下げると、42%アップの年額約110万円になります。妻は長生きリスクに備えて、もう少し先の75歳まで繰り下げましょう。すると、84%アップの年額約143万円に年金は増え、夫婦合わせると約255万円にもなります。1カ月の年金収入は21万2,000円になるので、安心できるでしょう。ただし、夫が亡くなった後、子どもがいない妻がもらえる遺族年金はありませんので、夫の死後、生活できるように貯蓄をしておくことが大事です」【共働きの会社員夫婦の場合】共働き夫婦の年金は、夫の年収が平均500万円だとすると、65歳から受け取れる年額は約189万円(月額15万7,500円)。妻の平均年収が300万円だとすると、年額で約144万円(月額12万円)もらえる計算になる。夫婦合計で年額約333万円(月額27万7,500円)もあるが、安心していると落とし穴があるという。「共働きの世帯は収入が多い分、支出も多く、デパ地下のお総菜を買ったり外食したりと、食費が多すぎるご家庭をよく見かけます。定年後は年金の範囲内で支出が収まるのかチェックしましょう。夫婦ともに勤め先の会社で再雇用や再就職ができるのであれば、70歳まで働き、その期間年金を繰り下げると、収入はもっと増えます」夫婦ともに70歳まで年金を繰り下げたとしたら夫は年額約268万円、妻は年額約204万円にもなり、65歳で受け取る金額と比較して、約139万円も増やすことができる。長年勤めてきたので「休みたい」と思う人もいると思うので、体調をみながら検討してみよう。【フリーランスで独身の場合】フリーランスで独身の場合、国民年金の保険料を満額納めていただけでは、65歳から受け取る年金は年額約78万円しかない。「体力的にも無理のないパート労働を60歳から始めて10年間勤めただけでも、将来受け取れる年金額は大きく違ってきます。たとえば、年収200万円で厚生年金に10年加入したとすると、年額約11万円にもなります。老齢基礎年金と老齢厚生年金を70歳まで繰り下げますと、老齢基礎年金は約111万円、老齢厚生年金は約16万円にまで増えます。合わせて年額約127万円(月額10万5,000円)なので、生活費が不足する分は働いて補う、またはその分貯蓄するといった選択肢が見えてきます」そしてもうひとつ、しっかり考えたいのが「いつまで繰り下げるのか」。75歳まで待つよりも、実は70歳までの繰下げ受給を選択するほうがお得だという。「厚生労働省の試算によりますと、65歳を迎える年代の男性の4割、女性の7割近くが90歳まで生きると見込まれています。ですから、『90歳まで生きる』ということを前提に、ライフプランを立てる必要があるでしょう。70歳と75歳まで繰り下げた場合を比べてみると、1年に受け取る年金額は、当然75歳のほうが多くなります。ですが、91歳以上まで生きるとすると、70歳から42%増しでもらったほうが一生涯で受け取る年金が多くなるのです。年金受給の損益分岐点は、もらい始めから11年10カ月前後が目安です。しかし、年金は保険です。高齢になってから年金を多く受け取りたい、医療費や介護費に備えたい場合は、要介護認定者が増える年齢である75歳から受け取るのもいいでしょう」なお、繰下げ受給を希望する人は、66歳の誕生日を過ぎてから、希望の繰り下げ時期にするよう、年金事務所で手続きをする必要がある。不測の事態を避けるためにも、飛び込みではなく、きちんと予約をして手続きをしよう。
2022年01月19日老後の暮らしを支えてくれるものといえば「年金」だが、その年金の仕組みが’22年春から大きく変わる。少しでも多くもらい、取りこぼしを極力なくすためにも、今からキッチリ予習しておこうーー!’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正で得するための条件として、井戸さんが教えてくれたのが次の3つ。【1】受給開始年齢を遅らせる受給開始を遅らせると最大84%もお得。【2】なるべく長く働き続ける健康なうちはリタイアなんかしない!【3】できるだけ収入を増やす納付金額が増えれば受給額もアップ。「誰でもできるのは『年金の繰り下げ』ですが、その前に必ず、夫婦で年金収入がいくらになるのかを調べておきたいですね。『まだ先のことだからいいや』といって放置している人も多いようですが、遅くとも50代のうちに、年金収入だけで生活が成り立つのか、家計の見直しをしておきましょう。老後のお金がどれくらい足りなくなるのかがわかれば、いつまで働けばいいのか、いつまで年金受給を繰り下げればいいのか、といった方向性も見えてきます」(井戸さん・以下同)「ねんきん定期便」は毎年、誕生日の月に届くが、夫と妻それぞれに届くので夫婦合わせていくらもらえるのか計算しよう。また、その際に覚えておきたいのが、加入実績に応じた年間額(年額)から、社会保険料、所得税、住民税などを支払わなくてはならないということ。実際には1割ぐらい差し引いた金額が手取りの額になるという。そこから、生活費を差し引いてみると、年金の範囲内で生活が成り立つかどうか判断できる。退職金や貯蓄を取り崩す生活を続けると、あっという間に資金が底をつく恐れがあるので、介護や医療費など“もしもの時”にも備えておきたい。「たとえば、夫の退職金が少なかった、住宅ローンの支払いが退職間際までかかってしまった、などの理由により、老後の貯蓄ができなかったという話もよく聞きます。老後の終身の収入は公的年金だけで、それだけでは生活費が足りない場合は『元気なうちはなるべく外に出て働く』という選択が現実的。その間、年金を繰り下げて受給額を増やすこともできます」年金の繰り下げは、今回の大改正で受給開始年齢が70歳から75歳まで広がる。受給額は最大で84%アップし、たとえば65歳で年間約78万円もらえる人は、70歳まで繰り下げると約110万円に増やすことができる。さらに75歳まで繰り下げれば約143万円にも!ただし、むやみに繰り下げると、受給額が目減りするケースもあるので注意しよう。■厚生年金に加入し、長く働けばメリットは大短時間のパートやアルバイトでも、厚生年金加入のチャンスが生まれたのも特筆すべき点だという。社会保険の加入要件のハードルが下がり、週20時間、月8.8万円の収入の人でも加入対象になったのだ。また、65歳以降も厚生年金に加入して働くと、毎年年金額が増える仕組みなのでやりがいもアップ。「改正前は、65歳以上で老齢厚生年金をもらいながら働いていた人の年金受給額は、退職してからか、70歳を迎えるまでは再計算されませんでした。それが、毎年再計算されることになり、厚生年金の保険料を納めた分、すぐに翌年から受給額がアップしていきますので、働く意欲につながるでしょう」いずれにしても「働き続ける」ことが大切なのだ。さらに、個人が任意加入する私的年金を使って年金を増やす、という方法にも変化がある。個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)は、これまで加入できる年齢が60歳未満だったのが、65歳未満に引き上げられるのだ。「老後資金が足りない」という人は、仕事を続けながら、厚生年金に加入して、かつiDeCoにも加入すれば、もらえる年金の倍増も夢ではない。
2022年01月19日「国民の関心事である年金問題は、自民党総裁選で大きな争点になりましたが、岸田新政権が誕生しても年金不信は解消されません。『最低保障は税金でやる』と主張した河野太郎氏に真っ向から反対したものの、現行制度を見直すだけでは“年金受給額の目減り”を食い止めることはできないのです」こう警鐘を鳴らすのは、経済評論家の平野和之さんだ。将来の生活を支える年金制度への不安が叫ばれるようになって久しいが、岸田文雄首相が主張するのはパートや短時間労働者への厚生年金適用拡大だ。社労士、ファイナンシャル・プランナーであり、「All About」マネーガイドを務める拝野洋子さんが解説する。「第3号被保険者といわれる、会社員の夫を持つパート主婦は、これまで実質0円で基礎年金や健康保険に加入できていました。こうした不公平感をなくすため、また新たな年金の財源とするために、パート主婦が厚生年金に加入する要件が緩和される見込みです」現在は、パート勤務で〈1〉1週間の勤務時間が20時間以上、〈2〉月収8万8,000円(年収106万円)以上、〈3〉勤務先従業員数が501人以上、などが厚生年金に加入する要件だ。「来年の10月には〈3〉の勤務先従業員数が101人以上に、’24年には51人以上と段階的に適用範囲が広げられていきます」厚生年金に加入すれば将来受給する年金額は上積みされるが、現在の生活への影響が大きくなる。「概算ですが、新たに厚生年金に加入するとなると、年収106万円の場合、厚生年金が月に約8,000円、健保が月に約5,000円かかります。同じ手取り水準を維持するためには、年収126万円にまで引き上げる必要がある計算です。時給が1,000円なら、1カ月の労働時間を17時間ほど増やす必要があります」もう一点、具体的に見えてきている制度の変更点は、余力のある厚生年金の財源を、国民年金に振り分けたり、統合する策だ。前出の平野さんが続ける。「厚生年金は平成27年10月に公務員共済年金と統合されましたが、実質的には厚生年金が共済年金を救済する形での統合でした。そして今度は国民年金の救済にまわるということです」国民年金の納付率は7割ほど。財政状況が厳しいのは明白だ。「とはいえ国民年金の受給額を大幅に減らせば、自営業者は老後、生活することができません。国としては、『とれるところからとって維持する』しかないといったところで、抜本的な解決にはなっておらず、単なる問題の先送りです」後手後手の対応で、将来の年金は守られるのか。5年に1度、厚労省が公表する財政検証に基づき、平野さんは次のように指摘する。「’19年の財政検証では、厚生年金に40年間加入した、平均月収35万7,000円の会社員夫と専業主婦の世帯がモデル世帯となっています。将来、モデル世帯の夫婦が平均月収に対し、いくら年金を受給できるのか、その割合が『所得代替率』です」現在のところ、所得代替率は61.7%。つまり月収35万7,000円×61.7%で、夫婦の年金受給額は月額約22万円となっている。「しかし、その高水準を維持するのが難しいことは国も承知していて、現在目標としているのは所得代替率50%です」その場合、現在のモデル世帯で計算すると、年金受給額は月17万8,500円。現状よりも4万円以上低い。「それもあくまで目標数値にすぎません。財政検証では経済状況に合わせて6つのシナリオを想定していますが、最悪のシナリオ6では、’52年度に国民年金の積立が枯渇、財源は保険料と国庫負担のみとなり、所得代替率が36~38%に激減すると予想されています。現在のモデル世帯で計算すると、年金受給額が月12万8,000円ほど。この時点で9万円以上も年金受給額が下がる計算となるのです」今から30年後の予想だからと安心してはいけない。「コロナ禍の現在、コロナ関連の融資総額は60兆円ほどありますが、おそらく半分の30兆円は返済が厳しく、焦げ付くと考えられます。店をたたまざるをえない人も多い。飲食店などを経営する個人事業主にとって、毎月の国民年金保険料の負担は大きいでしょう」■年金から天引きされる介護保険料の値上げもそして企業の業績が下がれば、給与も下がり、納められる年金保険料も減少する。「財政検証はコロナ以前に作られた試算。コロナのような感染症災害、台風や大雨などの自然災害などが想定されていません。本来ならもっと最悪のシナリオ7、シナリオ8まで想定すべきでしょう。財政検証の予想よりも早く、国民年金の財源が枯渇する可能性は否定できない。現在40代、50代の人も無関係ではありません」さらに、65歳以上の多くの人が年金から天引きされる「介護保険料」に注目するのは、前出の拝野さんだ。「年収や住んでいる自治体によって異なりますが、介護保険料は平均すると月6,000~7,000円ほどです」団塊の世代が75歳以上を迎える「2025年問題」は、もう目前まで迫っている。「すでに介護費の総額は10兆円を超える規模。介護保険制度が開始されて約20年で、保険料は倍増していることから、今後も介護保険料の値上げは避けられません」これらの意見を総合すると、年金の手取り額は今より月額10万円下がってもけっしておかしくない。1年間に換算すると、じつに120万円減。追い打ちをかけるように、年金受給開始年齢の引き上げも現実味を増している。「諸外国では、受給開始年齢は67~69歳です。日本の企業も70歳まで雇用するよう努力義務を課していることから、受給開始年齢を現在の65歳から段階的に引き上げるでしょう」(平野さん)受給額の減少、そして受給開始年齢の引き上げなどを前に、われわれの老後生活をどのように守っていくのか。新政権には、その具体策をぜひ提示してほしいものだーー。
2021年10月27日週末2日間で2kgやせの裏ワザ10月5日、週末2日間だけの努力によるダイエット法を解説している新刊『即やせ確定!週末だけダイエット』が発売された。著者はパーソナルジム「リメイク」代表、女性専門のパーソナルトレーナーの石本哲郎氏で、メディアでも人気。著作『根性なしでも10kgヤセたい!!』『脚からやせる神トレ』『神やせ7日間ダイエット』『力尽き筋トレ』も発表している。新刊は1,540円(税込)の価格にて、ワニブックスから発売中である。平日忙しい・平日やる気が出ない人にのべ1万人以上の指導経験がある石本哲郎氏は、どのような時にダイエットを挫折してしまうのかを知るため、自身の体を意図的に太らせてからダイエットするという減量実験を何度も繰り返し実施。その経験を活かし、指導を行っている。新刊では、平日は忙しい、やる気が出ない人のための週末ダイエットを掲載。平日に頑張る必要はなく、週末2日間のみ頑張るだけなのに、しっかりやせることができるとしている。カロリー計算不要で、筋トレ、有酸素、食事管理、時間栄養学、栄養ドリンク、カフェインといったダイエットに有効な要素を週末2日間に詰め込んだダイエット法である。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※即やせ確定!週末だけダイエット(石本哲郎) - ワニブックスオフィシャルサイト
2021年10月12日「遺族年金は被保険者が亡くなったとき、残された家族に支給される公的年金です。国民年金や厚生年間に加入していても、本人が亡くなった時点での家族構成、年齢などによって受け取れるかどうか、また、年金額も変わってきますので、制度そのものがわかりにくいのです。そこにきて近年、家族の関係が複雑になったこともあり、トラブルにつながるケースもあります。もらい損ねることにならないためにも、しっかりと制度を理解しておくことが大切です」そうアドバイスするのはこれまで約3万人の年金相談を受けている社会保険労務士の笹沼和子さん。遺族年金には2つあり、自営業者やフリーランスが加入する国民年金から支給される遺族基礎年金と、会社員や公務員などが加入する厚生年金から支給される遺族厚生年金がある。遺族基礎年金を受け取れるのは、子どもがいる配偶者と子ども。ただし、受け取るには「子どもの年齢が18歳になった年度末(3月31日)、子どもが障害等級1、2級のときは20歳まで」といった要件がある。「亡くなった人が会社員や公務員で厚生年金に加入していた場合や、すでに老齢厚生年金を受け取っていた場合は、遺族厚生年金がもらえます。年金額は老齢厚生年金の4分の3。配偶者がいない場合は、ほかの家族が受け取る順位が決まっています」【遺族厚生年金が支給される順位と要件】〈1位〉配偶者・子配偶者:妻の場合、年齢は問われないが、夫の場合、55歳以上。(注)妻が夫の死亡当時30歳未満で、18歳未満の子がいない場合は、5年間の有期給付となる子:18歳に到達した年度の末日までの子(または障害等級1級、2級で20歳未満の子)で、婚姻していない子〈2位〉父母:55歳以上〈3位〉孫:要件は子と同じ〈4位〉祖父母:55歳以上※遺族厚生年金は遺族の中で最も順位の高い人にだけ支給される「トラブルが多いのは遺族厚生年金のほうで、事実婚や離婚した夫婦など、さまざまな家族の形があるので、『受け取れると思っていたのに受け取れなかった』『受け取れるとは知らなかった』といったトラブルに発展しやすいのです」そこで、笹沼さんに主な「注意すべきケース」を教えてもらった。トラブルを回避するためにもしっかりと備えておこう!【ケース1】“離婚した元夫”の遺族年金を受け取れることを知らなかったB子さん(40)は夫(享年45)と2年前に離婚した。原因は夫のモラハラ。中学生の娘(14)がいたので、大学を卒業するまで毎月、養育費を受け取ることになった。「ある日、養育費の振り込みが途絶えたので元夫に連絡をすると、元夫の父が電話に出て、元夫ががんで亡くなったことを聞かされたそうです。B子さんは『自分は元夫の遺族年金は一切もらえない』と思い込んでいましたが、18歳の年度末までのお子さんがいれば、お子さんのほうに遺族厚生年金を受け取る権利があります」(笹沼さん・以下同)年金制度では、両親の離婚後も親子関係はなくならないのだが、その際、ポイントとなるのは、「生計が同一」という記録があることだという。「『生計が同一』という関係を証明するために、生活費や養育費は銀行口座に振り込んでもらうと、通帳が記録となるので安心できます。『死後の手続き』をする元夫の両親とよく相談することをお勧めします」【ケース2】“事実婚の夫”の遺族年金を受け取れることを知らなかったC子さん(60)は長年一緒に住んでいた夫(享年65)が死んだとき、葬式で親戚から「遺族年金をもらえる権利がある」と言われた。「夫には別居中の妻(64)がいて、離婚の協議が一向に進まなかったのですが、ようやく離婚。すぐに入籍しないでそのままにしていたら、夫が急死してしまったのです。年金の夫婦関係は内縁関係でも認められます。ポイントとなるのは、住民票が一緒であること。C子さんの場合、住民票が一緒で、夫のお葬式の喪主も務めました。また、年賀状も連名で出していた、といったことから事実上夫婦と認められ、C子さんに遺族厚生年金が支給されました」妻との離婚が成立していなくても、戸籍上の配偶者に数十年も生活費を渡していないなど、「生計維持関係がない」と認められると、内縁関係の妻に遺族年金が支給されることがあるという。ケースバイケースなので「もらえない」とあきらめる前に専門家に相談してみよう。
2021年08月16日遺族年金は、夫が亡くなったときに妻と子どもが受け取ることができる年金。しかし、条件によっては支給されないこともあるため、遺族の間でトラブルを生むこともあるというーー。「遺族年金は被保険者が亡くなったとき、残された家族に支給される公的年金です。国民年金や厚生年間に加入していても、本人が亡くなった時点での家族構成、年齢などによって受け取れるかどうか、また、年金額も変わってきますので、制度そのものがわかりにくいのです。そこにきて近年、家族の関係が複雑になったこともあり、トラブルにつながるケースもあります。もらい損ねることにならないためにも、しっかりと制度を理解しておくことが大切です」そうアドバイスするのはこれまで約3万人の年金相談を受けている社会保険労務士の笹沼和子さん。遺族年金には2つあり、自営業者やフリーランスが加入する国民年金から支給される遺族基礎年金と、会社員や公務員などが加入する厚生年金から支給される遺族厚生年金がある。遺族基礎年金を受け取れるのは、子どもがいる配偶者と子ども。ただし、受け取るには「子どもの年齢が18歳になった年度末(3月31日)、子どもが障害等級1、2級のときは20歳まで」といった要件がある。「亡くなった人が会社員や公務員で厚生年金に加入していた場合や、すでに老齢厚生年金を受け取っていた場合は、遺族厚生年金がもらえます。年金額は老齢厚生年金の4分の3。配偶者がいない場合は、ほかの家族が受け取る順位が決まっています」【遺族厚生年金が支給される順位と要件】〈1位〉配偶者・子配偶者:妻の場合、年齢は問われないが、夫の場合、55歳以上。(注)妻が夫の死亡当時30歳未満で、18歳未満の子がいない場合は、5年間の有期給付となる子:18歳に到達した年度の末日までの子(または障害等級1級、2級で20歳未満の子)で、婚姻していない子〈2位〉父母:55歳以上〈3位〉孫:要件は子と同じ〈4位〉祖父母:55歳以上※遺族厚生年金は遺族の中で最も順位の高い人にだけ支給される「トラブルが多いのは遺族厚生年金のほうで、事実婚や離婚した夫婦など、さまざまな家族の形があるので、『受け取れると思っていたのに受け取れなかった』『受け取れるとは知らなかった』といったトラブルに発展しやすいのです」そこで、笹沼さんに主な「注意すべきケース」を教えてもらった。トラブルを回避するためにもしっかりと備えておこう!【ケース】“知らない間に父親が再婚”していて、後妻が遺族年金を受け取ったA男さん(45)は他界した父親(享年74)の遺族厚生年金のことで頭を抱えていた。「母は病死して父は長いこと一人暮らしのはずが、同居している女性がいたのです。身の回りの世話をしてくれる女友達だと思っていたのが、後妻だと知ったのは葬儀のとき。近くに住んでいても、行き来はしていなかったので気がつかなかったそうです」(笹沼さん、以下同)A男さんが父の「死後の手続き」を役所で行っていたら、本当に女性と入籍していた。「遺族厚生年金が支給される順位と要件」にもあるように、1位の配偶者が出てきたので親族中で大騒ぎになった。「A男さんは血相を変えて私のところに相談に来ましたが、入籍していた後妻さんには受け取る権利があります。その後、話し合いで後妻さんが遺族厚生年金を受け取る代わりに相続放棄をすることで決着がついたのですが、コミュニケーション不足が招いた結果です」一人で暮らす親のことを、もっと気にかけるようにしよう。
2021年08月16日「アメリカでは、多くの企業が社員の資産運用をサポートする確定拠出型年金制度を導入しているんですよ。僕も社会人になったときに始めて、“安全かつ分散された”投資をこれまで続けてきました」そう語るのは、お笑い芸人であり、IT企業の役員でもある厚切りジェイソンさん(35)。「現在も毎月末、向こう2年分の生活費を手元に残し、それ以外はすべて投資に回す」という彼に、投資と節約の観点から「初心者でもわかるマネー心得」を教えてもらった。「まず投資についてですが、僕は個別の銘柄の株にではなく“分散”になるインデックスファンドに毎月、積立投資しています」「インデックス」は市場の動きを示す指標や指数のこと。「ファンド」は、複数の銘柄の株式などが1つのパックとして詰め合わされた投資信託のこと。つまりインデックスファンドは、インデックス(株価の上下)と連動する投資信託のことで、手数料が安く、リターンは少ないがリスクも少なく、少額で複数の企業に分散投資ができる。アメリカの優良企業500社の株価を指数化した「S&P500」や、日本では東証一部2194全社の株価指数「TOPIX」が有名だ。「たとえば、アメリカの企業500社ほどで構成されている『S&P500』のインデックスファンドの場合、この20年間、年間利回りが6%を下回ったことがないんですよ。昨年“コロナショック”でいったん暴落しましたが、そこで売らずに待っていたら、損失どころか3割増えました。大事なのは長期で持つこと。僕は、一度買ったら一生売らないつもり。売らなければ税金も手数料も不要だし、投資は放っておくのがいちばんです」お金でうれしい思いをした最初の記憶は、子ども時代にさかのぼる。「お小遣いを金融口座に入れておいたら、何もせずに利子が5%ついて。それに対して、今の日本は何?たとえ数千万円の預金がある人でも、利子は数十円って。やめてあげてくれ~(笑)」■母に教わった“節約”の考え方積立投資で資産運用し、すでにFIREを達成したジェイソンさん。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的に自立し、働くことにしばられずに生きるムーブメント。投資で増やしてFIREの金額に到達すれば、働くことから解放され、自由に生きていけるという考え方だ。「もし月15万円で暮らせるなら、FIRE達成額は15万円×12カ月×25年=4,500万円。あとは資産運用だけで好きに暮らしていけるんです」“投資家”である一方で、日ごろからムダなものにはお金を使わない“節約家”だ。「僕の母は専業主婦でしたが、つねに割引券やセール品を探していました。『お父さんの給料と同じくらい、節約で家計に貢献しているのよ』『すべて半額で買えたなら、それは給料を倍増させているのと同じこと』と話していましたね」その影響もあってか、奥さんとも金銭感覚が一致しているという。「夫婦で感覚が違うと、お互いにストレスがたまるから、真っ先に話し合うべきポイントだと思います。アメリカでは、銀行口座は基本的に夫婦名義。だから、結婚したら“2人のお金”という感覚が生まれますが、日本は個人名義ですよね。自分がせっかく節約しても、相手がそのぶん『よ~し、使えるぞ』とならないよう、方向性をすり合わせておくべきです」
2021年07月01日「老後の生活不安を解消するためにも、実際に使えるお金である年金の手取り額を把握しておくことがとても重要です。ところが、自分が受け取るはずの手取り額を知っている人は思いのほか少ないのです」そう話すのは、社会保険労務士で年金制度に詳しい「年金博士」こと北村庄吾さんだ。50歳以上の人に届く「ねんきん定期便」の「見込み額」を見て、自分の年金額をわかったと思い込んでいる人は要注意だという。「60歳まで同額の保険料を払うことを前提にした『見込み額』は、給与明細でいうところの額面です。実際の手取り額は、そこから税金(所得税と住民税)と社会保険料(国民健康保険料と介護保険料)を引いた額になります」実は“額面”に対する手取り額の割合が、この22年間で大きく減っている。ファイナンシャル・プランナーの深田晶恵さんが語る。「年金300万円の額面のケースで、介護保険が導入される前の’99年と’21年を比較したところ、手取り額に37万円の差がありました。’00年から介護保険料がかかるようになり、さらにその後65歳以上の人や税金も増えたため、手取り額が目減りしてしまったのです」そんな社会保険料は、地域ごとに差がある。北村さんが解説する。「年金収入だけの生活に入ると、厚生年金保険料はかからず、国民健康保険料と介護保険料の2つが引かれます。これら社会保険料は、その地域の財政状況や高齢化率などによって大きく異なってきます。住んでいる場所によって年金の手取り額がかなり変わってくるのです」今年4月に介護保険料の新しい基準額が発表。全国平均は月6,000円を初めて超え、過去最高額を更新した。基準額が9,800円と日本一高かったのは東京都青ヶ島村。年金260万円の夫婦の手取り額を試算すると232万1,780円となる。対して、基準額が3,300円と全国でもっとも安い北海道音威子府村は248万6,840円。なんと1年間で16万5,060円の差だ。北村さんはこう解説する。「ますます高齢化が進むことで、今後も社会保険料は上がっていきます。財政状況がよい自治体と悪い自治体の差も広がるでしょう。実際の手取りを知ることで、年金の仕組みもわかれば、老後資金を守る大きな一歩になるはずです」おおよその手取り額を知るためには、年金の“額面”に0.9をかけるといい。だが、正確に知りたい人は、複雑な計算が必要となるが、自分で計算することもできるのだ。北村さんが代表を務めるブレイン社会保険労務士法人の山岡正和さんは次のように語る。「国民健康保険料と介護保険料の計算式や額は、自治体ごとに異なりますが、各自治体がホームページなどで公表していますし、役所の担当部署に問い合わせれば教えてくれます」年金のみで生活している65歳以上夫婦の場合、東京23区や横浜市、大阪市などの大都市圏であれば、妻を扶養している夫の年金が211万円を超えない限り、住民税がかからない。これは、自治体の規模などによって違い、大都市圏以外の県庁所在地などなら201万9,000円、それ以外の市町村なら192万8,000円が境界線となる。やはり税率も自治体によって違うので、正確な税額を知るためには、自分で確認するか、問い合わせる必要がある。同じく、ブレイン社会保険労務士法人の伊藤紀代美さんはこう話す。「本当の手取り額を知らず、ねんきん定期便の見込み額だけで人生設計をしていると、将来的に想定外の事態になってしまうことも。手取り額を知ることで、資産運用を検討したり、退職金の受け取り方を考慮したりするきっかけにもなるのです」いざ年金を受け取ったときに戸惑わないためにも,実際に使えるお金を知っておこう!
2021年06月24日「老後の生活不安を解消するためにも、実際に使えるお金である年金の手取り額を把握しておくことがとても重要です。ところが、自分が受け取るはずの手取り額を知っている人は思いのほか少ないのです」そう話すのは、社会保険労務士で年金制度に詳しい「年金博士」こと北村庄吾さんだ。50歳以上の人に届く「ねんきん定期便」の「見込み額」を見て、自分の年金額をわかったと思い込んでいる人は要注意だという。「60歳まで同額の保険料を払うことを前提にした『見込み額』は、給与明細でいうところの額面です。実際の手取り額は、そこから税金(所得税と住民税)と社会保険料(国民健康保険料と介護保険料)を引いた額になります」実は“額面”に対する手取り額の割合が、この22年間で大きく減っている。ファイナンシャル・プランナーの深田晶恵さんが語る。「年金300万円の額面のケースで、介護保険が導入される前の’99年と’21年を比較したところ、手取り額に37万円の差がありました。’00年から介護保険料がかかるようになり、さらにその後65歳以上の人や税金も増えたため、手取り額が目減りしてしまったのです」そんな社会保険料は、地域ごとに差がある。北村さんが解説する。「年金収入だけの生活に入ると、厚生年金保険料はかからず、国民健康保険料と介護保険料の2つが引かれます。これら社会保険料は、その地域の財政状況や高齢化率などによって大きく異なってきます。住んでいる場所によって年金の手取り額がかなり変わってくるのです」そこで北村さんが代表を務めるブレイン社会保険労務士法人の山岡正和さん、伊藤紀代美さんに、夫婦で“受給額(額面)”が160万円(夫・80万、妻・80万円)、260万円(夫・180万円、妻・80万円)、420万円(夫・260万円、妻・160万円)という3つのケースで、複数の自治体の年金の手取り額を試算してもらった。■都庁のある東京の中心・東京都新宿区夫婦の額面・〈年額:160万円〉手取り額(概算)・〈年額:145万7,600円〉夫婦の額面・〈月額・13万3,333円〉手取り額(概算):〈月額・12万1,467円〉【手取り率:91.1%】夫婦の額面・〈年額:260万円〉手取り額(概算)・〈年額:243万1,842円〉夫婦の額面・〈月額・21万6,667円〉手取り額(概算):〈月額・20万2,654円〉【手取り率:93.5%】夫婦の額面・〈年額:420万円〉手取り額(概算)・〈年額:376万2,244円〉夫婦の額面・〈月額・35万円〉手取り額(概算):〈月額・31万3,520円〉【手取り率:89.5%】■財政危機にある天下の台所・大阪府大阪市夫婦の額面・〈年額:160万円〉手取り額(概算)・〈年額:142万6,865円〉夫婦の額面・〈月額・13万3,333円〉手取り額(概算):〈月額・11万8,905円〉【手取り率:89.2%】夫婦の額面・〈年額:260万円〉手取り額(概算)・〈年額:239万6,841円〉夫婦の額面・〈月額・21万6,667円〉手取り額(概算):〈月額・19万9,737円〉【手取り率:92.2%】夫婦の額面・〈年額:420万円〉手取り額(概算)・〈年額:370万318円〉夫婦の額面・〈月額・35万円〉手取り額(概算):〈月額・30万8,835円〉【手取り率:88.1%】■人口が日本第1位の自治体・神奈川県横浜市夫婦の額面・〈年額:160万円〉手取り額(概算)・〈年額:147万1,280円〉夫婦の額面・〈月額・13万3,333円〉手取り額(概算):〈月額・12万2,607円〉【手取り率:92.0%】夫婦の額面・〈年額:260万円〉手取り額(概算)・〈年額:244万5,360円〉夫婦の額面・〈月額・21万6,667円〉手取り額(概算):〈月額・20万3,780円〉【手取り率:94.1%】夫婦の額面・〈年額:420万円〉手取り額(概算)・〈年額:376万2,840円〉夫婦の額面・〈月額・35万円〉手取り額(概算):〈月額・31万3,570円〉【手取り率:89.5%】■中部地方の中核都市・愛知県名古屋市夫婦の額面・〈年額:160万円〉手取り額(概算)・〈年額:145万5,752円〉夫婦の額面・〈月額・13万3,333円〉手取り額(概算):〈月額・12万1,313円〉【手取り率:91.0%】夫婦の額面・〈年額:260万円〉手取り額(概算)・〈年額:243万1,448円〉夫婦の額面・〈月額・21万6,667円〉手取り額(概算):〈月額・20万2,621円〉【手取り率:93.5%】夫婦の額面・〈年額:420万円〉手取り額(概算)・〈年額:374万9,590円〉夫婦の額面・〈月額・35万円〉手取り額(概算):〈月額・31万2,466円〉【手取り率:89.2%】「社会保険料の差が大きく反映されました。国民健康保険料と介護保険料の負担が大きい自治体では、特に手取り額が少なくなります。たとえば夫婦2人の年金受給額が260万円のケースでは、負担が多い大阪市と少ない横浜市では概算で4万8519円もの差が出ました」(山岡さん)夫婦そろって90歳を迎えた場合、25年で121万円もの差になる。今後も、自治体ごとの“格差”は広がっていきそうだ。
2021年06月24日「iDeCoとは自分のための年金を自分で積み立てる制度。自分で掛け金を出して運用することで資産を増やし、60歳以降に受け取ることができるのです。掛け金は、全額所得控除されるため、毎年の所得税や住民税が安くなります。さらに通常の投資や預金では、利息等の利益に対して約20%もの税金が課せられますが、それも非課税。受け取り時にも税制優遇があります」そう語るのは、これまで2万3,000件以上の家計相談をしてきた「家計再生コンサルタント」の横山光昭さん。iDeCoを難しいと感じている人も多いが、一度始めれば基本的には引き出すタイミングまで放置すればよいという。そこで、横山さんにiDeCoを始める際のポイントを教えてもらった。「iDeCoを始めるには、金融機関で専用の口座を作る必要があります。その際に、重要なのが金融機関選び。銀行や証券会社など店舗での申し込みは避け、手数料や口座管理料が安いネット証券を選んでください。SBI証券・楽天証券・マネックス証券などがおすすめです」積み立てる掛け金の額は自分で決めることができる。「掛け金は、毎月5,000円から1,000円単位で設定できます。ただし、掛け金の上限は、職業によって違うので事前に確認を。自営業者などは上限月6万8,000円。専業主婦(夫)は月2万3,000円。会社員は、企業の年金制度により月1万2,000〜3,000円と異なります」■FPおすすめの投資信託銘柄8選さらに、横山さんに楽天証券・SBI証券で買えるおすすめ商品とその組み合わせ方を教えてもらった。「iDeCoで選べる商品のなかには、元本が確保される保険や定期預金もありますが、超低金利時代の今、これらの商品で資産を増やすのは難しいでしょう。必ず投資信託を選んでください。景気の落ち込みなどにより、一時的に元本割れしてしまう可能性もある投資信託ですが、長期で積み立てた場合そのリスクはほとんどないといわれています」よくわからないけど、とりあえず始めたいという人は、全世界型株式だけを購入すればよいという。利率は大体3%程度になるのでは横山さん。「ビギナーの方は『全世界型株式』商品を1つ買っておけば大丈夫です。アップルやマイクロソフトをはじめ世界中の優秀な企業株が入っています。世界中の株を反映するので、リスク分散ができます」リスクを取りつつも、より多くのリターンを得たいという人は、複数種類の株式を組み合わせて、と横山さん。「一時的な値下がりのリスクをとってでも、ハイリターンを求めるなら、『全世界型株式』に加え、日本を含む先進国の企業株を集めた『先進国株式』や、インド、中国、ロシアなどの企業株を集めた『新興国株式』、米国株だけの『米国株式』などを組み合わせて購入するのがおすすめです」全体の3割を全世界型株式に、残りを先進国株式:米国株式:新興国株式=1:2:1で配分するとよいという。この場合、4〜5%の程の利率になると横山さんは予測する。iDeCoを活用して、老後の不安をすこしでも解消しよう!
2021年06月04日「’22年の春から、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象者が広がります。50代の人が、老後資金を増やす最後のチャンス。ぜひ活用してください」そう指摘するのは、これまで2万3,000件以上の家計相談をしてきた「家計再生コンサルタント」の横山光昭さんだ。そもそも、iDeCoとはどのような制度なのだろうか。「iDeCoとは自分のための年金を自分で積み立てる制度。自分で掛け金を出して運用することで資産を増やし、60歳以降に受け取ることができるのです。掛け金は、全額所得控除されるため、毎年の所得税や住民税が安くなります。さらに通常の投資や預金では、利息等の利益に対して約20%もの税金が課せられますが、それも非課税。受け取り時にも税制優遇があります」加入者は’18年3月の85.37万人から’21年3月には193.9万人と、年々増加している。来年行われる改正の1つは、これまで60歳未満だった加入年齢が65歳まで延長となることだ。表をみてほしい。「主な対象は60歳以降も再雇用などで働いて厚生年金に加入している、会社員や公務員。自営業者などの第1号被保険者や専業主婦などの第3号被保険者は60歳になると国民年金被保険者でなくなるため、改正法が施行された後も60歳以降iDeCoに加入することはできません。ただし、学生時代などに免除申請をしていたり、未払い期間があったりなどの理由で、60歳以降も国民年金に任意加入している間は、iDeCoに加入できます」さらに、現在60歳から70歳までの間で選べる年金の受け取り開始時期が、75歳まで延長される。「掛け金を積み立てられるのは最長65歳までですが、運用自体は受け取るまで続けられるので、利益を増やすことができます」
2021年06月04日iDeCoって難しそうだし、投資は怖いし、今さら遅い……それらはすべて過去の話。制度改正で、だいぶやりやすくなるんですーー。「’22年の春から、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象者が広がります。50代の人が、老後資金を増やす最後のチャンス。ぜひ活用してください」そう指摘するのは、これまで2万3,000件以上の家計相談をしてきた「家計再生コンサルタント」の横山光昭さんだ。そもそも、iDeCoとはどのような制度なのだろうか。「iDeCoとは自分のための年金を自分で積み立てる制度。自分で掛け金を出して運用することで資産を増やし、60歳以降に受け取ることができるのです。掛け金は、全額所得控除されるため、毎年の所得税や住民税が安くなります。さらに通常の投資や預金では、利息等の利益に対して約20%もの税金が課せられますが、それも非課税。受け取り時にも税制優遇があります」加入者は’18年3月の85.37万人から’21年3月には193.9万人と、年々増加している。来年行われる改正の1つは、これまで60歳未満だった加入年齢が65歳まで延長となることだ。さらに、現在60歳から70歳までの間で選べる年金の受け取り開始時期が、75歳まで延長される。「掛け金を積み立てられるのは最長65歳までですが、運用自体は受け取るまで続けられるので、利益を増やすことができます」■50歳夫婦の場合をシミュレーション!今回は、50歳の夫婦がiDeCoをスタートして、65歳まで続けた場合をシミュレーションしてみた。<条件>専業主婦の妻(50)が60歳以降2年間の任意加入を行い、月2.3万円を12年拠出。会社員の夫(50)が65歳まで働き、月2.3万円を15年拠出。■年利3%の場合〈妻〉元本331.2万円+収益66.8万円+36.9万円※1〈夫〉元本414万円+収益108万円+節税124.2万円※2=1081.1万円iDeCoの活用で貯蓄に比べ、335.9万円プラスに!■年利5%の場合〈妻〉元本331.2万円+収益121.4万円+71.4万円※1〈夫〉元本414万円+収益200.7万円+節税124.2万円※2=1,262.9万円iDeCoの活用で貯蓄に比べ、517.7万円プラスに!※1:62歳までの資産をその後3年間運用した場合の利益。※2:かんたん税制優遇シミュレーションで、年収700万円の場合の試算結果。同じ金額を銀行に預金しても、資産はほとんど増えないのに対し、iDeCoは節税分も貯蓄にまわせば年利3%の商品でも約335万円、年利5%の商品なら約517万円も資産を増やすことができるのだ。これからは、年金も自分で積み立てて作る時代。老後の安心を作るのは今の自分の行動だ。
2021年06月04日誰でも、好きな人には少なからず嫉妬してしまいますよね。とくに、片思いのときならなおさらでしょう。もし男性に次のような行動が見られたら、脈あり確定のサインかもしれません。■ 突然無口になる男性は、おもしろくないことや辛いことがあると無口になる傾向にあります。これは、「自分が嫉妬していると認めたくない」という気持ちからくる行動の1つ。同時に、「こんなことで嫉妬する自分が許せない」と感じている表れでもあるのです。認めたくないと思っている時点で、彼はあなたに本気だということ。あなたが他の男性の話をした途端に無口になるようなら、これは完全に脈ありだと確信しても良いでしょう。自分から話題をふってあげたり、会話がなくても不自然にならないように雰囲気を良く保ったりしてあげれば、彼もホッと一安心。そこまで気遣うことが出来たなら、あなたの魅力に彼はより夢中になることでしょう。■ 他の男性の悪口を言う自分ではない異性をなにげなく褒めたのを聞いたときや、「一緒に遊びに行って楽しかった」などというような話を好きな女性から聞いたとき、つい相手の男性の株を下げようとしてしまいます。普段は人のことを悪く言わないような男性が、「あいつすぐ手出すって有名だよ」など、急に相手の男性の悪口を言ってきたら……。それは、好きな女性をこちらに向かせるために出てしまった一言の可能性が非常に高いのです。女性としては、人のことを悪く言うなんて男らしくない!と思ってしまいますよね。でも、そこは男心だと思って理解をしてあげるようにしましょう。ほかの男性を悪くいってきたときには、「もしからしたらわたしのこと好きなのかな?」と気付き、相手のことを喜ばせるような話題に変えてあげましょう!■ 態度が素っ気なくなる無口にまではならずとも、急に態度が素っ気なくなるという男性もいます。楽しく話をしていたはずなのに、他の男性の話題を出した途端、「ふーん」と興味なさげな態度。要は「拗ねて」しまっているのです。これも、あなたに好意を寄せていると思って良いでしょう。なかには、メールやLINEの文章までが素っ気なくなるという、わかりやすい男性もいるほど。「拗ねるなんて可愛い」と思ってしまうかもしれませんが、男性にとって、それだけ他の男の話はして欲しくない話題の1つなのです。嫉妬させ過ぎては、彼の機嫌を損ねてしまいますから気をつけましょうね。■ 意外と複雑な男心自分のなかに嫉妬心を閉じ込めて我慢をする男性や、態度や言葉にまで出してくる男性。彼の性格にもよるのかも知れませんが、どちらにしろ嫉妬をするということはあなたのことが好きだということの証。恋人関係になれていない片思いの状態だからこそ余計に心配になり、必要以上に嫉妬をしてしまうのかもしれませんね。(コンテンツハートKIE/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2021年05月23日「’22年の4月からは、年金の受給開始年齢が75歳まで繰り下げられるようになります」そう語るのはファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん。公的年金の受給開始時期は、現在は65歳を起点に、60歳までの繰り上げと、70歳までの繰り下げができる。「年金繰り下げ受給の魅力はなんといっても年金が増えること。1カ月繰り下げるごとに年金額は0.7%ずつ増額されます。仮に65歳時点で年金を年間200万円もらえる人が70歳まで繰り下げると284万円、75歳まで繰り下げると368万円にまで増加するんです」ただし、繰り下げ受給によって所得が増えると、税金や保険料などもアップするため、年金の増額分に比べ手取りの増加はやや少なくなる。そもそも年金の受給開始時期は、夫と妻、厚生年金と基礎年金でそれぞれを別々に指定することができる。したがって、その時々の金銭や生活の状況によって一部だけを繰り下げることも可能だ。「けれど、実際に繰り下げているのは全受給者の1%程度。早く死ぬかもしれないから、繰り下げ受給をしても元が取れるかわからないと考えている人が多いのです」日本人女性の平均寿命は10年ごとに2歳ずつ延びて、現在87.45歳(’19年、厚生労働省)。仮に70歳まで繰り下げた場合に、受給期間が短くなることで減少する総受給額を、繰り下げによって増加した総受給額が上回るのは82歳前後といわれている。女性の場合、元を取れる確率は高そうだ。「女性は男性よりも長生きする一方で、厚生年金加入期間が短く年金額が少ない人も多いです。夫には定年後も働いてもらい、夫亡き後の生活に備え、自分の年金だけでも繰り下げるのが賢い選択。年金は、生きている限りもらい続けられますから、繰り下げ受給は長生きへの備えになるのです」繰り下げによる年金の増額は魅力的でも、老後資金を大きく取り崩してまで繰り下げるのでは本末転倒。2,000万円の貯蓄があっても、65歳以降、年300万円の支出があると70歳時の貯蓄額は500万円まで減ってしまう。大きな病気や災害など、不測の事態に備えるため、まとまった金額の老後資金は必要だと考えよう。とはいえ年金の繰り下げ受給によって年金額を増やせるのが最善。そのためには、働くことによって繰り下げ期間中の収入源を確保するのが一番。生活費のすべてを収入で賄えなくても、貯金に手を付ける金額を可能な限り減らしつつ、妻の年金だけでも繰り下げられると、老後の安心感が増す。「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月12日「’22年の4月からは、年金の受給開始年齢が75歳まで繰り下げられるようになります」そう語るのはファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん。公的年金の受給開始時期は、現在は65歳を起点に、60歳までの繰り上げと、70歳までの繰り下げができる。「年金繰り下げ受給の魅力はなんといっても年金が増えること。1カ月繰り下げるごとに年金額は0.7%ずつ増額されます。仮に65歳時点で年金を年間200万円もらえる人が70歳まで繰り下げると284万円、75歳まで繰り下げると368万円にまで増加するんです」ただし、繰り下げ受給によって所得が増えると、税金や保険料などもアップするため、年金の増額分に比べ手取りの増加はやや少なくなる。そもそも年金の受給開始時期は、夫と妻、厚生年金と基礎年金でそれぞれを別々に指定することができる。したがって、その時々の金銭や生活の状況によって一部だけを繰り下げることも可能だ。「けれど、実際に繰り下げているのは全受給者の1%程度。早く死ぬかもしれないから、繰り下げ受給をしても元が取れるかわからないと考えている人が多いのです」日本人女性の平均寿命は10年ごとに2歳ずつ延びて、現在87.45歳(’19年、厚生労働省)。仮に70歳まで繰り下げた場合に、受給期間が短くなることで減少する総受給額を、繰り下げによって増加した総受給額が上回るのは82歳前後といわれている。女性の場合、元を取れる確率は高そうだ。「女性は男性よりも長生きする一方で、厚生年金加入期間が短く年金額が少ない人も多いです。夫には定年後も働いてもらい、夫亡き後の生活に備え、自分の年金だけでも繰り下げるのが賢い選択。年金は、生きている限りもらい続けられますから、繰り下げ受給は長生きへの備えになるのです」サラリーマンの夫が年上の場合、注意してほしいのが加給年金の制度。家族手当のようなもので、夫が厚生年金に20年以上加入していて、妻が年下かつ厚生年金の加入期間が20年未満など一定の要件を満たせば、妻が65歳になるまで年約39万円がもらえる。妻が5歳年下なら39万円×5年分で約200万円に!しかし、加給年金は夫が厚生年金を受給していないともらえない。その場合、夫の厚生年金だけを65歳から受け取り、基礎年金は繰り下げるのがベスト。これなら繰り下げで多少なりとも年金を増やせるうえ、加給年金も受け取れるのだ。女性のほうが長生きする確率が高いことを考え、妻の年金はすべて繰り下げて長生き対策に。「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月12日「’22年の4月からは、年金の受給開始年齢が75歳まで繰り下げられるようになります」そう語るのはファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん。公的年金の受給開始時期は、現在は65歳を起点に、60歳までの繰り上げと、70歳までの繰り下げができる。「年金繰り下げ受給の魅力はなんといっても年金が増えること。1カ月繰り下げるごとに年金額は0.7%ずつ増額されます。仮に65歳時点で年金を年間200万円もらえる人が70歳まで繰り下げると284万円、75歳まで繰り下げると368万円にまで増加するんです」ただし、繰り下げ受給によって所得が増えると、税金や保険料などもアップするため、年金の増額分に比べ手取りの増加はやや少なくなる。そもそも年金の受給開始時期は、夫と妻、厚生年金と基礎年金でそれぞれを別々に指定することができる。したがって、その時々の金銭や生活の状況によって一部だけを繰り下げることも可能だ。「けれど、実際に繰り下げているのは全受給者の1%程度。早く死ぬかもしれないから、繰り下げ受給をしても元が取れるかわからないと考えている人が多いのです」日本人女性の平均寿命は10年ごとに2歳ずつ延びて、現在87.45歳(’19年、厚生労働省)。仮に70歳まで繰り下げた場合に、受給期間が短くなることで減少する総受給額を、繰り下げによって増加した総受給額が上回るのは82歳前後といわれている。女性の場合、元を取れる確率は高そうだ。「女性は男性よりも長生きする一方で、厚生年金加入期間が短く年金額が少ない人も多いです。夫には定年後も働いてもらい、夫亡き後の生活に備え、自分の年金だけでも繰り下げるのが賢い選択。年金は、生きている限りもらい続けられますから、繰り下げ受給は長生きへの備えになるのです」「人生100年時代」の年金は、できるだけ長く働き受給開始を遅らせて、年金額を増やすのが賢明だ。特に、年金額の少なくなりやすい自営業者やフリーランスは、定年がないメリットを生かして可能な限り、労働収入で暮らしたい。満額の基礎年金は月額6.5万円、夫婦で13万円ほどだが、5年繰り下げして70歳から受給を開始すれば額面で月額約9.2万円(夫婦で約18.4万円)、10年繰り下げで月額約12万円(約24万円)に増加する。繰り下げによって受給期間は短くなるが、70歳で受給開始なら82歳、75歳で87歳より長生きすれば、65歳から受け取るよりも得になるといわれている。90歳まで生きる確率は女性で6割強あることも考慮しよう。「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月12日「’22年の4月からは、年金の受給開始年齢が75歳まで繰り下げられるようになります」そう語るのはファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん。公的年金の受給開始時期は、現在は65歳を起点に、60歳までの繰り上げと、70歳までの繰り下げができる。「年金繰り下げ受給の魅力はなんといっても年金が増えること。1カ月繰り下げるごとに年金額は0.7%ずつ増額されます。仮に65歳時点で年金を年間200万円もらえる人が70歳まで繰り下げると284万円、75歳まで繰り下げると368万円にまで増加するんです」ただし、繰り下げ受給によって所得が増えると、税金や保険料などもアップするため、年金の増額分に比べ手取りの増加はやや少なくなる。そもそも年金の受給開始時期は、夫と妻、厚生年金と基礎年金でそれぞれを別々に指定することができる。したがって、その時々の金銭や生活の状況によって一部だけを繰り下げることも可能だ。「けれど、実際に繰り下げているのは全受給者の1%程度。早く死ぬかもしれないから、繰り下げ受給をしても元が取れるかわからないと考えている人が多いのです」日本人女性の平均寿命は10年ごとに2歳ずつ延びて、現在87.45歳(’19年、厚生労働省)。仮に70歳まで繰り下げた場合に、受給期間が短くなることで減少する総受給額を、繰り下げによって増加した総受給額が上回るのは82歳前後といわれている。女性の場合、元を取れる確率は高そうだ。「女性は男性よりも長生きする一方で、厚生年金加入期間が短く年金額が少ない人も多いです。夫には定年後も働いてもらい、夫亡き後の生活に備え、自分の年金だけでも繰り下げるのが賢い選択。年金は、生きている限りもらい続けられますから、繰り下げ受給は長生きへの備えになるのです」個人年金や企業年金などの収入があったり、貯蓄がかなりたくさんある場合など、貯蓄を大きく取り崩さずにいられるなら、繰り下げ受給を検討しよう。貯蓄の取り崩しはできるだけ避け、最低でも70歳時点で1,000万円は確保しておきたい。また、もし個人年金などの収入はあるがまとまった貯蓄がない、という場合は「一括受給」の選択肢も。65歳で受け取らなかった年金は「繰り下げ年数に応じて増えた金額で今後受給する」か「65歳からその年齢までにもらうはずだった年金を一括で受給する」かを選ぶことができる。65歳時点の年金額が200万円の場合、70歳で5年分を一括受給すると増額はないが1,000万円がもらえる。「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月12日老後生活の頼みの綱である年金の繰り下げ受給。しかし、なかには繰り下げが向いていない人も……。自分にぴったりの受給の仕方を診断しようーー!「’22年の4月からは、年金の受給開始年齢が75歳まで繰り下げられるようになります」そう語るのはファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん。公的年金の受給開始時期は、現在は65歳を起点に、60歳までの繰り上げと、70歳までの繰り下げができる。「年金繰り下げ受給の魅力はなんといっても年金が増えること。1カ月繰り下げるごとに年金額は0.7%ずつ増額されます。仮に65歳時点で年金を年間200万円もらえる人が70歳まで繰り下げると284万円、75歳まで繰り下げると368万円にまで増加するんです」ただし、繰り下げ受給によって所得が増えると、税金や保険料などもアップするため、年金の増額分に比べ手取りの増加はやや少なくなる。そもそも年金の受給開始時期は、夫と妻、厚生年金と基礎年金でそれぞれを別々に指定することができる。したがって、その時々の金銭や生活の状況によって一部だけを繰り下げることも可能だ。「けれど、実際に繰り下げているのは全受給者の1%程度。早く死ぬかもしれないから、繰り下げ受給をしても元が取れるかわからないと考えている人が多いのです」日本人女性の平均寿命は10年ごとに2歳ずつ延びて、現在87.45歳(’19年、厚生労働省)。仮に70歳まで繰り下げた場合に、受給期間が短くなることで減少する総受給額を、繰り下げによって増加した総受給額が上回るのは82歳前後といわれている。女性の場合、元を取れる確率は高そうだ。「女性は男性よりも長生きする一方で、厚生年金加入期間が短く年金額が少ない人も多いです。夫には定年後も働いてもらい、夫亡き後の生活に備え、自分の年金だけでも繰り下げるのが賢い選択。年金は、生きている限りもらい続けられますから、繰り下げ受給は長生きへの備えになるのです」しかし、繰り下げ受給の仕方によっては損をしたり、老後資金の安定性を損なう場合もあるという。■年金繰り下げ診断〈夫は自営業〉→YES→【タイプA】〈夫は自営業〉→NO→〈65歳以降も働く〉→NO→〈個人・企業年金などで貯金を大きく崩さずに暮らせる〉→YES→〈夫は年上〉→NO→【タイプB】〈夫は自営業〉→NO→〈65歳以降も働く〉→NO→〈個人・企業年金などで貯金を大きく崩さずに暮らせる〉→YES→〈夫は年上〉→YES→【タイプC】〈夫は自営業〉→NO→〈65歳以降も働く〉→YES→〈夫は年上〉→NO→〈65歳以降も収入のみで生活が成り立つ〉→NO→【タイプD】〈夫は自営業〉→NO→〈65歳以降も働く〉→YES→〈夫は年上〉→NO→〈65歳以降も収入のみで生活が成り立つ〉→YES→【タイプA】〈夫は自営業〉→NO→〈65歳以降も働く〉→YES→〈夫は年上〉→YES→【タイプC】〈夫は自営業〉→NO→〈65歳以降も働く〉→NO→〈個人・企業年金などで貯金を大きく崩さずに暮らせる〉→NO →【タイプD】【タイプA】働くことで年金に手を付けない「長働きタイプ」夫:繰り下げ、妻:繰り下げ。できる限り働く&繰り下げで年金額アップ!【タイプB】老後収入に困らない「悠々自適タイプ」夫:繰り下げ、妻:繰り下げ。長生きリスクに備えて繰り下げを!【タイプC】単純に繰り下げると損する「年下妻タイプ」夫:基礎年金だけ繰り下げ、妻:繰り下げ。夫の年金を部分繰り下げして加給年金をゲット!【タイプD】老後資金に不安のある「貯蓄守りタイプ」夫:65歳から受給、妻:65歳から受給。貯蓄に手を付ける前に受給開始を!【おひとりさまの場合】夫婦世帯よりも困窮しやすい、単身者の年金暮らし。おひとりさまは、少なくとも70歳まで働いて生活資金を確保しつつ、さらに繰り下げによって年金受給額も増加させるのがベストだ。「65歳以降は仕事をしないで、貯蓄を取り崩して生活するつもりという人は、繰り下げ受給には向いていない場合が多いです。たとえ2,000万円の老後資金を用意していても、65歳以降の年間支出が300万円だと、5年後の老後資金は500万円に。90歳まで生きるとして、老後20年を過ごすには心もとない金額ではないでしょうか。年金受給までの生活費を賄うために貯金を取り崩した結果、70歳の時点で貯蓄が1,000万円を下回るような場合には、繰り下げないほうが賢明だと考えます」また、夫婦の年齢差にも注意がいるという。「会社員の夫が年上の場合、夫は加給年金が受け取れます。しかし、夫が厚生年金を繰り下げて受給してしまうと、受け取れなくなってしまうのです。夫の基礎年金と妻の年金は繰り下げつつも、夫の厚生年金は65歳から受給するのがおすすめです」何歳まで繰り下げればいいのだろうか?「年金はもらいたくなったら、いつでも受給を開始できますから、まずは70歳を目標に繰り下げてみてはどうでしょうか」自分にぴったりの年金受給方法を見つけよう!「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月12日「人生100年時代」といわれる中で、老後の生活資金に漠然とした不安を抱えていながらも、「どうやって準備すれば良いんだろう?」と悩んでいる人は少なくありません。そんな人におすすめな貯蓄方法として、確定拠出年金iDeCoへの注目が高まっています。この記事では、「iDeCoは聞いたことはあるけど、なんだか難しそう」と考えている人に向けて、iDeCoの仕組みやメリット、始め方や必要な書類について解説します。制度の仕組みを正しく理解して、自身の老後生活に向けた準備を着実に進めていきましょう。確定拠出年金iDeCoって何?誰でも始められる個人型の確定拠出年金iDeCoとは、老後の生活資金のために自分で準備する私的年金制度のことです。毎月一定額を積み立て(拠出して)、定期預金や保険・投資信託などの金融商品を自分で選んで運用し、将来年金または一時金で受け取る仕組みです。iDeCoは日本在住の20歳以上から60歳未満の人であれば、原則として誰でも始めることができます。そもそも確定拠出年金とは2001年に開始されたもので、公的年金の上乗せとして、自分で掛金を運用して資産をつくっていく制度のことです。それまでは企業にとって社員に向けた退職金準備という意義が強かった制度ですが、2017年1月から加入の対象が公務員やアルバイト・専業主婦などにも幅広く拡大し、個人向けの確定拠出年金としてiDeCoの名が世に広く広まるようになりました。iDeCoが必要とされる理由厚生労働省の「簡易生命表(平成28年)」によると、65歳時の平均余命年数(あと何年生きるか?)は、男性で19.55歳、女性で24.38年となっています。65歳でリタイヤし就労収入がゼロになってからも、あと20年~25年は老後生活が待っています。また、総務省の「家計調査年報(平成28年)」によると、65歳以上の無職世帯の1か月あたりの生活において、実収入から税金・社会保険料を差し引いた可処分所得が約18.3万円に対し、食費や住宅費などの消費支出は約23.8万円とされています。つまり、1ヶ月あたり約5.5万円が不足している計算になります。これはあくまでも平均値であり、全ての世帯に同じことがいえるとは限りませんが、老後に向けた生活資金の貯蓄はあらゆる人に必要です。将来に向けて資金を準備する手段として、誰でも取り入れることができる仕組みがiDeCoです。iDeCoには3つの税制メリットがあるiDeCoが選ばれる理由は、3つの税制メリットにあります。掛金の全額が所得控除の対象になる運用によって得られた利益は非課税になる受け取りの際に税制優遇がある1:掛金の全額が所得控除の対象になるiDeCoで積立を行う月々の掛金は、全額を所得から控除することが可能です。掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となり、確定申告や年末調整にて申告をすることで課税所得額を抑えられ、所得税の負担を減らすことができます。2:運用によって得られた利益は非課税になる株式や投資信託によって得られた運用益には、通常であれば20.315%の税金がかかりますが、iDeCoで得た運用益は非課税となります。運用によって得られた利益をそのまま次の運用に回すことができ、利益がさらに次の利益を生む複利の効果が得られます。3:受け取りの際に税制優遇があるiDeCoは60歳以降で受け取る際に、年金で受け取るか、一括で受け取るかを選択できます。年金で受け取る場合は公的年金等控除が適用され、公的年金などの収入と合算した金額が年間60万円(65歳以上は110万円)までは税金がかかりません。一括で受け取る場合は退職所得控除が適用され、加入年数に応じて所得控除が受けられます。例えば40歳から60歳までの20年間積み立てた場合、所得控除額は800万円となるため、受取額が800万円以下であれば税金はかかりません。iDeCoは月々5,000円からでも始められる収入の事情により、毎月そこまで大きな金額を貯蓄できない人でも、iDeCoは毎月5,000円から開始できます。それ以上は1,000円単位で上乗せしていくことができるため、自身の収入に合わせて積立金額を設定できます。掛金は申し込み時に設定しますが、変更は年に1回のみ可能です。個人年金保険などの保険商品と異なり、掛金拠出の休止や再開はいつでも可能です。金銭事情によってその月の積立が困難な場合、保険であれば一定期間支払いがなければ契約は失効してしまいますが、iDeCoの場合は未納扱いとはなるものの、強制的に解除されることはありません。iDeCoに加入するときの注意点老後の生活資金のために有効な手段であるiDeCoですが、加入を検討する上で注意すべきポイントがあります。税制優遇のメリットは確かに大きいですが、同時にデメリットと捉えられる点もありますので、十分に把握した上で加入を検討しましょう。iDeCoの加入条件会社員・公務員・アルバイトでも加入できるiDeCoは、日本在住で20歳以上60歳未満かつ公的年金に加入している人なら加入できます。職業に関する加入制限もなく、自営業者・会社員・公務員・学生や主婦などどんな人でも加入は可能です。しかし、自営業者で国民年金保険料の全額または一部免除を受けている人や、学生で保険料猶予を受けている人などは加入できないため、注意が必要です。また、加入条件の幅は広いですが、それぞれの職業に応じて拠出できる上限金額があります。将来に向けた貯蓄としてメリットも多いiDeCoですが、その恩恵を受けられる金額にも上限があるため、他の制度と組み合わせながら上手に活用しましょう。60歳までは引き出せないiDeCoは老後の生活資金として活用することを目的にした貯蓄であるため、60歳までは引き出すことができません。また60歳で引き出すためには、10年以上加入していることが条件になります。つまり、60歳時点で加入している期間が5年だった場合は、65歳まで引き出すことができません。毎月の掛金の拠出が難しくなったとしても、死亡した場合や障害状態になった場合以外は原則として中途解約できません。年に1回は掛金の変更が可能ですが、毎月の負担は無理のない程度で設定することが重要です。運用リスクは自己責任iDeCoは毎月拠出する掛金を投資・運用する商品です。よってその運用成果は、市場環境によって変動します。運用が上手くいけば高い収益を得ることができますが、市場環境の動向によっては元本を下回ってしまうリスクもあります。そのリスクは全て自己責任です。iDeCoの運用先として指定する商品には、顧客のリスク許容度に応じて、元本確保タイプや価格変動タイプなど様々な種類があります。運用先は途中で変更することも可能ですが、自身のリスク耐性に応じた運用商品選びが重要となります。iDeCoの加入方法・手続きの流れ(必要書類など)iDeCoの加入方法や手続きの流れ、必要な書類などを解説します。いざ始めようと思っても、手続きが完了するまでに1~2か月間の期間を要します。あらかじめ手順を把握し、円滑にスタートできるよう事前に準備しておきましょう。[adsense_middle]iDeCoの加入手続きの流れiDeCoの加入手続きの流れは、以下の通りです。金融機関を決める掛金を決める運用商品を決める加入申込書を記入する勤務先の事業主証明書を入手する(会社員・公務員の場合)必要書類を提出し、国民年金基金連合会の審査を受ける1:金融機関を決めるiDeCoに加入しようと思ったら、まずは専用口座を開設するための金融機関を選びます。銀行や証券会社・保険会社など、様々な金融機関でiDeCo専用口座の取り扱いを行っていますので、自分の使い勝手の良い金融機関を選びましょう。iDeCoを開始するには以下のような手数料がかかります。この手数料は取り扱い金融機関によって異なるため、手数料を比較して金融機関を選ぶのもポイントです。口座開設にかかる手数料口座維持管理に必要な手数料運用に必要な手数料2:掛金を決める毎月積立を行っていく金額を設定します。月々5,000円から1,000円単位で設定可能ですが、毎月の生活を圧迫しないよう無理のない金額で継続することが重要です。3:運用商品を決める選定した金融機関の運用商品ラインナップの中から、自身のリスク耐性に合わせた運用商品を選択します。運用リスクは自己責任となるため、慎重な選定を心掛けましょう。4:加入申込書を記入する加入申込書に必要事項を記入し提出します。加入申込書は金融機関の窓口で受け取るか、電話での依頼、または金融機関のウェブサイトから郵送で手配することが可能です。5:勤務先の事業主証明書を入手する(会社員・公務員の場合)会社員や公務員の人は、「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を勤務先の事業主に記入してもらい、申込書と一緒に提出します。6:必要書類を提出し、国民年金基金連合会の審査を受ける加入希望者から提出された書類は、金融機関からiDeCoを統括する国民年金基金連合会に送られ、審査を受けることになります。審査に合格すれば、金融機関から口座開設のお知らせが、国民年金基金連合会からは加入資格確認結果通知が届き、加入手続きが完了します。iDeCo口座開設に必要な書類は2つiDeCoの口座開設において準備しなければいけない必要書類は、大きく分けて2つあります。加入申込書(金融機関から手配)事業主の証明書(会社員・公務員の場合のみ)1:加入申込書iDeCo口座を開設する金融機関にて入手する書類一式です。申し込みの際は必要事項を記入して提出します。加入申込書には基礎年金番号の記載欄があり、年金手帳から転記する必要があるため事前に準備しておきましょう。また、以前に企業型確定拠出年金に加入していた人は、個人別管理資産移換依頼書の提出が必要です。2:事業主の証明書会社員や公務員の場合のみ提出が必要な書類です。自営業者やアルバイト・専業主婦の人は提出の必要はありません。加入申込書一式に入っている「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を、勤務先の総務部などの担当部署に依頼し、事業主の証明をもらう必要があります。事業主の事情によって証明書の受け取りに時間を要する場合も考えられますので、書類が手元に届き次第、早めの依頼を行いましょう。確定拠出年金iDeCoの始め方に関するまとめ老後の生活資金を準備するための有効な手段として注目が集まっているiDeCoですが、加入方法は決して難しいものではありません。将来に向けて貯蓄しながら、税制優遇のメリットが得られるiDeCoを上手に活用し、老後への不安を安心に変えましょう。
2021年03月18日いよいよ始まった確定申告。2020年はコロナ禍もあり、自宅で副業を始めた人や、フリーランスになった人もいるのではないでしょうか。そういった方をはじめ、年間所得が20万円を超えると必須になるのが、この確定申告です。私も経験がありますが、この書類作成がとても大変。1年間の収支をまとめて入力して、途中で間違いに気づいてやり直してと、時間も手間もかかります。確定申告で経費を計上することで節税もできますが、「そもそもどこまで経費にしていいのか分からない……」という悩みも。今回は、確定申告に関わるリアルな声と、役立つ情報をお届けします。個人事業主の7割以上が「確定申告は不安、面倒」株式会社ゼニスは、自宅で業務をしている個人事業主(副業を含む)を対象に行った「確定申告時の節税についての調査」の結果を発表しています。PR TIMES調査によると、『確定申告をする際、不安を感じたり面倒だと思ったりすることがある』と答えた人は、全体の74.3%。多くの人が、確定申告にストレスを感じていることがわかります。PR TIMES具体的にどのようなことが不安なのかという質問では、『申請書をきちんと作成できるか(63.6%)』という回答が最も多く、次いで『仕訳が間違っていないか、期ずれはないか(49.8%)』『時間が取れるか、期限に間に合うか(44.3%)』と続いています。確定申告は年に1度だけなので、数年やっても「申告書をきちんと作れるかな」「仕訳はこれで合ってる?」と迷うことばかり。さらに仕事の合間をぬって申告書を作成するので「期日までに終わる?」というヒヤヒヤもあります。また『うまく節税できているか(36.1%)』が気になるという声も多く見られました。経費計上で悩む勘定項目については「消耗品」「交際費」が多くなっています。確定申告書作成を税理士に依頼するのは少数派?PR TIMES複雑で難しい確定申告も、プロに相談すればハッキリした答えがもらえますし、申告書作成を依頼すればとても楽チン。しかし、税理士には依頼せず、自分で申告をする人が多数派のようです。実際、『税理士に毎年確定申告書の作成を依頼している』と答えた人はわずか16.4%。53.1%が『一度も税理士などに依頼や相談をしたことがない』、22.2%が『殆ど自分1人で申告書の作成をしている』と回答しています。不安を抱えつつも、多くの人がなんとか自分自身で確定申告書類を作って申請していることがわかります。fam8_js_async(’’, ’_site=7202&_mloc=33117’);確定申告では、節税できるポイントも重要!確定申告をするうえで気になるのが、節税。経費として認められるものはすべて経費にすることで、課税対象となる所得が少なくなり、納税額が変わってきます。少しでも余計な出費を減らすため、経費にできるものはすべて経費にしたいところです。先ほどの調査では、「確定申告で節税するなら何が重要ですか(上位3項目)」という気になる質問も。これに対する最も多かった答えは、『業務に関係したものは全て経費にする(77.7%)』でした。次いで、『自宅の光熱費や家賃などは案分して経費にする(66.4%)』『青色申告の承認を受ける(58.7%)』という答えが続いています。業務にかかった費用は経費にできるのはもちろん、自宅を事務所として使用しているなら、家賃や光熱費も一部を経費として申請できます。また、事前に税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出することで、白色申告以上の控除を受けられます。経費にできるものは経費に、優遇を受けられるものは優遇が受けられるように忘れず手続きをして、賢く節税しましょう。確定申告は間違えると大変。迷ったら税務署に相談を!私はフリーランスになって今年で6年目なのですが、2回目の確定申告で書類の記入を間違え、翌年の確定申告のときに気づいて修正申告した経験があります。修正の届け出をしたのが5月で、修正申告が終わったのは秋。そして不足分の還付金が振り込まれたのが年末と、非常に長いスパンでの手続きとなりました。修正申告はとても大変です。確定申告は間違えないように、少しでも「あれ?」と思うことがあれば税務署に確認しましょう。資金に余裕があれば、申告書の作成を税理士に依頼することを検討しても良いかもしれません。余分な時間を取られず、その分を自分の仕事に当てられます。2020年分の確定申告期間は、2021年2月16日(火)~4月15日(木)までの予定(※)。自分で申告書を作る人は、期限ギリギリにならないよう、早めに作業を始めましょう!(※)最新情報は、国税庁HPをご確認ください参考:PR TIMES
2021年02月20日