過日、受動喫煙を防止するための法整備が先送りされることが決定した。厚労省は飲食店や公共の建物内は原則禁煙とする案を提出したが、これに対し「厳しすぎる」と自民党内から反対の声が多く上がったようだ。 その“厳しすぎる”禁煙法を、英国は2007年に施行している。レストラン、カフェはもちろん、飲酒することが前提のパブやバーに至るまで、公共の建物内は原則禁煙。公共交通機関、教育関連施設、官公庁ももちろん全面禁煙だ。屋根の下で大っぴらに煙草を吸うことができる場所は、自宅と自家用車内くらいしかない。 この法律が発効してから10年目の今年、英国内の喫煙率が過去最低を記録したと慈善団体「キャンサー・リサーチ」が発表した。2007年に英国内にいた喫煙者は1,020万人だったが、2016年の調査で過去最低の830万人にまで減少したという。 同団体の代表、ハーパル・クマール卿は「この10年で、禁煙法が目覚ましい成功を遂げたことに非常な喜びを感じます。この法律は受動喫煙による致命的影響から人々を守るだけでなく、喫煙に対する人々の考えも大きく変えてくれました。今、煙草は社会的に受け入れられなくなりつつあります。命に危険を及ぼす依存症に陥る若者が、これからもさらに減っていくことを望みます」とコメントした。 実際、16歳から24歳の若年層の喫煙率は、2007年の26%から、この10年で17%にまで下がっている。 キャンサー・リサーチによる4,300人を対象とした最新の調査では、禁煙法の撤回を望む人は12%にとどまったという。また、20%が禁煙法をきっかけに本数を減らすことに成功し、14%が禁煙に成功したとか。 日本の受動喫煙防止対策は、世界でも「最低水準」と世界保健機構(WHO)から不名誉なお墨付きをもらっているが、今後どうなっていくのだろうか。
2017年07月03日あなたの彼氏はタバコを吸っていますか?最近では健康に気を遣う人が増え、飲食店でも分煙されている店舗が多いですよね。もし彼氏が「禁煙する!」と決めた時、彼女のあなたはどのようにサポートすると良いのでしょうか。追い詰めない「禁煙の調子はどう?」、「うまくいってる?」など、禁煙をしようとしている人に対してタバコに関する話題は絶対NG!禁煙は、なるべくタバコのことを思い出さないようにすることが重要です。また、禁煙を頑張っている人に対して、「頑張ってね!」というような応援も必要ありません。禁煙中はとにかくイライラしてしまうものなので、 “頑張って”と言ってしまうと、『もう頑張ってるよ!』と思わせてしまいます。良かれと思って発した言葉だったとしても、彼氏にとっては余計な一言という場合もあるのです。彼氏が「今日から禁煙する!」と決めたら、最初に「応援してるね」とだけ伝え、あとは黙って見守っておくというのが1番です。優しく接する禁煙中はどうしてもストレスが溜まってしまうもの。タバコに対する依存から脱するために我慢しているのですから仕方ありませんが、ストレスが原因で、あなたに対しても冷たい態度を取ってしまうときがあるかもしれません。しかし、そこでケンカをしてしまうと彼氏は自暴自棄になり、またタバコを吸ってしまう可能性があります。禁煙している間は、なるべくあなたが優しく接してあげるように心がけ、彼の心のよりどころになってあげるのがオススメです。楽しいことをする喫煙者の多くは、日頃のストレスを発散する目的もあり、タバコを吸っています。そのため、禁煙をするということは、ストレス発散方法の1つを失ってしまったことになります。その穴を埋めるためには楽しい時間を過ごすことが必要ですよね。スポーツでカラダを動かす、散歩に行く、おいしいものを食べる、趣味に打ち込む…など、彼に楽しい時間を過ごさせてあげてください。タバコに対する執着を他の興味のあることに変換することで、禁煙も成功しやすくなりますよ!いかがでしたか?毎日の習慣だったタバコを止めるということは、喫煙者にとっては非常に辛いもの。楽しく禁煙ができるように、影でしっかりサポートしてあげたいですね。
2017年06月23日日本だけでなく世界中に広がる嫌煙の波。健康に害を及ぼす受動喫煙は、早急な対応が必要な問題です。外国では公共の場所での全面禁煙が法制化されていることが多いようですが、日本では歩きタバコやポイ捨てなど、道行く人に迷惑をかけ続ける人が後を断ちません。2020年には東京オリンピックが開催されることから、受動喫煙に対する本格的な検討が進められています。特に飲食店の禁煙化には賛否両論あり、お店側からすると禁止してしまえば客足が悪くなるという懸念もあるでしょう。そこで、パピマミ読者のみなさまに「飲食店の全面禁煙化をどう思いますか?」 というアンケートを実施しましたので、その結果を見てみたいと思います!●飲食店の全面禁煙化をどう思いますか?・1位:一切の例外を認めない禁煙策にしてほしい……34%(80人)・2位:壁で囲まれた喫煙室を設ければ良い……33%(78人)・3位:分煙していれば問題ない……21%(50人)・4位:スナックや居酒屋など飲酒する店舗では禁止しないでほしい……11%(26人)・5位:禁煙も分煙も一切対策する必要はない……2%(4人)※有効回答者数:238人/集計期間:2017年2月28日〜2017年3月1日(パピマミ調べ)●完全な禁煙対策を望む人が最多『今はもうタバコを吸っているということ自体が時代遅れ。人に迷惑をかける人が多いし、条件付きで許すと守らない人が出てくるはず。一切の例外を許さないようにするのが一番良い』(20代男性/編集者)『居酒屋とかでもタバコの煙がイヤという人は多いと思います。分煙していてもにおってくるし、完全に禁煙なお店があればそっちに行きたいですね』(30代女性/主婦)日本での受動喫煙対策は世界各国に比べ遅れを取っており、喫煙者のマナーも決して良いとは言えません。わがもの顔で歩きタバコする人の姿 も珍しくありませんよね。オリンピックでは外国からの観光客が大勢訪れることが予想されますが、禁煙でないことでそのお客を逃すことは飲食店にとって大きな打撃となるはず。喫煙者はまず、自分たちの希望を主張する前に、周囲の人に対して健康被害を与えている ということを認識しなければならないのかもしれません。国立がん研究センターが、受動喫煙による肺がんリスクを「ほぼ確実」から「確実」へと引き上げたことも記憶に新しいでしょう。少数派である喫煙者のために多くの非喫煙者が困るという状況は、ぜひ改善したいものです。●分煙や個別の喫煙室を設けるのが良いとする人も『しっかりと囲われた喫煙室のようなものを設けるのであれば、吸う人がいても良いのかなと思います。ただ、それを備えるのにも費用がかかるでしょうし、禁煙にする方が簡単だと思いますけど。分煙しているほとんどのお店がタバコ臭いですし……』(20代女性/大学生)『場所を分ければ問題ないはず。吸いたい人は喫煙の方に行って、イヤな人は禁煙に。これの何がダメなのかわかりません』(40代男性/自営業)吸いたい人と吸いたくない人がいるのであれば、そのどちらにも対応できるような分煙・個室化などが現実的な対応策となりそうですが、中には席が分かれているだけで“分煙”とするお店 もあるようで、全く受動喫煙対策になっていないということも少なくないようです。分煙を認めるという場合でも、しっかりと煙を分けるための設備等が必要になり、ルールを設ける必要はあるでしょう。完全分煙のためにはコストもかかるため、それならば禁煙に踏み切るということも少なくないかもしれません。●お店の形態によって例外を設けるという意見『バーとかスナックとか、タバコを吸うのが前提のようなお店もありますからね。一律に禁止してしまうのはいかがなものかと思います』(40代男性/営業)『オリンピックに向けてと言ってるけど、禁煙にしてお客が来なくなったら責任取ってくれるんですか?お酒を飲みながらタバコを吸いたい人は少なくないと思うけど』(40代女性/自営業)ファミレスなど家族連れで食事する人が多い場所に比べて、居酒屋やスナックなど飲酒や喫煙が当然のように扱われるお店もあります。それを一括りにして、飲食店すべてを全面禁煙にするのは少し柔軟性に欠ける と言えるかもしれません。特に、バーやスナックなどの小規模店舗では喫煙室を設けるなどの対策をとることは難しく、反発が大きい様子。ただし、どういった店舗を例外として認めるかは線引きの難しいところで、まだまだ検討するべき点は多いでしょう。----------いかがでしたか?受動喫煙の問題は客側だけの問題ではなく、従業員も被害を受けます 。喫煙者が肩身の狭い思いをしているという主張もありますが、他人の健康を害し迷惑をかける存在である以上、制限されるのは当然のことと言えるでしょう。果たして、2020年をどのような対策で迎えることになるのでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜5位)】飲食店の全面禁煙化をどう思いますか?()●文/パピマミ編集部
2017年03月03日質問:「虚血性脳血管疾患」と診断され、その後禁煙し食事にも気を使っています。他にも気を付けた方がよいことは?昨年夫が突然倒れ「虚血性脳血管疾患」と診断されました。脳の血管に血栓という血の塊ができ、血栓が血管を詰まらせた「脳血栓」だと説明されました。現在は退院して、ある程度普通に生活はできていますが手足に少ししびれを感じる時があるようで、とても心配です。夫もたばこをやめ、もちろん食事はコレステロールを控えたりしていますが、他にも気を付けた方がよいことはありますでしょうか?宮城県:ひさえさん(53)回答:「脳血栓」についてお答えします。――禁煙は非常に重要。ぜひ継続を昨年、ご主人が倒れて脳血栓という診断を受けられたということですね。大変驚かれたことと思います。現在は退院され、ご自宅である程度通常の生活が送れているということ、本当によかったと思います。ご主人はこの件を機に、禁煙されているということですが、これは非常に重要です。喫煙は心筋の酸素需要を増して、心臓に負担をかけてしまう上、血液を固まりやすくし、血栓が作られやすくなってしまいます。喫煙を続けられると脳梗塞や心筋梗塞などの、血栓による疾患にかかる確率が高くなりますので、ぜひとも禁煙を継続するようにしてください。<「脳血栓」と食生活の関係>また、コレステロールの少ない食事をされていることも、非常によいことだと思います。動物性脂肪やコレステロールの多い食品、具体的には牛肉やバターなどの食品は控えめにしましょう。一方、マグロなどの魚に含まれる「多価不飽和脂肪酸」という種類の脂肪は、コレステロールを逆に下げる働きのある脂肪として知られていますので、積極的に摂取するとよいと思います。さらに、脳血栓を引き起こす動脈硬化との関連で、抗酸化作用を持つ食品も注目されています。これらは、がんの予防で話題になることもある食品群で、動脈硬化をすすめてしまう活性酸素を抑える働きがあるといわれています。具体的には、ニンジン、カボチャ、トマトといったビタミンCやビタミンE、カロテノイドを豊富に含む緑黄色野菜、玄米や豆腐などの大豆製品、きのこ類や昆布・わかめといった海藻類、ゴマや緑茶なども抗酸化作用を持つ食品として、国際的に注目を集めています。動脈硬化および脳血栓の再発防止効果と合わせて、がんや他の生活習慣病の予防も期待できる食品として、生活に積極的に取り入れていくとよいと思います。加えて、少量の飲酒は血の巡りをよくする効果がある、といわれていますが、大量飲酒は血圧を上昇させ、脳血栓の危険因子である心房細動なども起こしやすくなります。ビールなどは利尿効果もあって血液がドロドロになり、血栓形成のリスクを上げてしまうため、なるべく避けるようにしましょう。適切な飲酒量としては、日本酒では一日一合、ビールで500ml一缶までといわれています。また、カルシウム不足も動脈硬化を招くとされていますので、ご注意くださいね。どうぞお大事に。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日「定期的に睡眠外来へ行ったほうがいいですよ」とだれかから言われても、すぐに行く気にはなれないですよね。でも「睡眠に問題があるとガンになりやすいらしいですよ」と言われたら、どうでしょうか? 一度、睡眠状態をチェックしてもらおう、と思いますよね。今回は、ガンと睡眠の関係のちょっと“衝撃”の内容です。公約は「ガン検診受診率100%」?東京都知事に立候補したジャーナリストの鳥越俊太郎氏が、都政の政策を問われて、答えたのは「ガン検診受診率100%」。鳥越さん自身も闘病経験がありますが、数人に1人はガンになると言われるほど、日本人にとっては厄介な病気です。ガンについて調べてみると、さまざまな調査データがあります。たとえば、地域別で発症率が異なるというもの。国立がん研究センターが公表したデータによると、胃ガンは東北と日本海側、肝臓ガンは山梨県と西日本での発症率が高いそうです。その原因はまだ明らかになっていませんが、塩分の摂取量やウイルスの感染率と比例するという説もあるので、今後はさらなる研究が進み、新たなガンの予防策が生まれるかもしれませんね。睡眠時無呼吸症候群とガンの関係は?今回「ガン」を取り上げたのには理由があります。それは睡眠時無呼吸症候群という睡眠障害がガンと関係があるという説が、米国のウィスコンシン大学のザビエル・ニエト氏らによって、米国胸部学会国際会議 2012 で発表されたからです。こんな人は早めに睡眠外来へ睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。止まると言っても長時間ではないため、本人には自覚症状がないことも多くあります。つまり「まさか自分の呼吸が止まっているなんて……」という人が数多くいるということです。“隠れ睡眠障害”とも呼ばれる状態ですが、この状態を放っておくと危険なことがたくさんあります。たとえば、日中の事故に繋がる可能性。睡眠時無呼吸症候群の患者は、夜間に呼吸が止まり熟睡できていない状態なので、日中に突然強烈な眠気に襲われることがあります。これが車の運転中だったら……と、考えると怖いですよね。もしも家族や友人に睡眠状態の違和感を指摘されたら、早めに睡眠外来に相談しましょう。ガンと睡眠時無呼吸症候群の関係本題の「ガンと睡眠時無呼吸症候群の関係」について説明します。睡眠時無呼吸症候群が、不眠に繋がる可能性はよく指摘されます。夜間に熟睡できていないため、睡眠サイクルが乱れ、少しずつ眠れない状態になるというわけです。この不眠の状態は、私たちの免疫力を低下させ、さまざまな病気を引き起こしやすくさせます。風邪はその最たるものですが、ガンもその例外ではありません。通常であれば、免疫機構がウイルスから体を守ってくれるレベルでも、免疫が低下している状態では“防御レベル”が下がってしまうのです。低酸素状態だとガン細胞が……また、睡眠時無呼吸症候群の患者は、呼吸が止まっている間は「低酸素」状態にあります。マウスを使った実験では、低酸素状態ではガン細胞に入る血管が増えることがわかっています。その結果、低酸素状態にある人はガン細胞に対して、より多くの血液=栄養を送り込んでいることになります。そうなると、ガンは成長=悪化してしまうというわけです。日本のガン死亡者が減らない理由日本は「先進国の中でガンによる死亡者数が増加を続ける唯一の国」と言われています。なぜ、最先端医療が受けられる日本でガンによる死亡者は減らないのでしょうか?治療法や食事内容など、いろいろと指摘はあるようですが、1つだけ言えるのは「日本の高齢化が急速に進んでいる」という現実が深く関わっているようです。ガンは長生きするほど発症する確率がアップする病気なので、4人に1人が65歳以上になった日本は、まさにガン予備軍が多数いるという状態です。それに真面目な日本人は、自分の時間も顧みずに働く人がたくさんいるので、睡眠時間も十分にとれず、それがガンを呼び起こす原因になっている可能性もあります。私たちができることは、まずは睡眠を見直すこと。今日からたっぷり寝て、免疫力をアップさせるようにしましょう。<出典>F.J. Nieto, et al.Obstructive Sleep Apnea And Cancer Mortality: Results From The Wisconsin Sleep Cohort StudyATS 2012, Session A18, May 20, Abstract 30627photo by Varvara
2016年10月10日ローリング・ストーンズのギタリスト、ロン・ウッド(69)が禁煙したようだ。先月妻サリーとの間に双子の娘アリスちゃんとグレイシーちゃんが誕生したロンは、健康的な生活を送ろうと禁煙を決意したのだという。ある関係者はザ・サン紙に「ロンは煙草を止めました。その悪癖を失くそうとかなり真剣に取り組んでいて、電子タバコをしょっちゅうくわえていますよ。ここ50年間で最長の禁煙期間となっていますね」と語る。2012年に挙式した妻サリーはその決意を大歓迎しているというものの、ローリング・ストーンズの仲間であるキース・リチャーズ(72)はその健康志向に面喰っている様子だそうで、もう友達ではないと冗談を飛ばしているとその関係者は続ける。「サリーは大喜びしている一方で、キースはみんなに馬鹿げていると言っていますね。一緒にお酒を飲みながら煙草を吸えないのならもう友達ではないとまでロンに冗談交じりで言っていましたよ」アルコール中毒のため過去に8度もリハビリ施設入りをしているロンは、過去6年間に渡ってお酒に触れておらず、先日にはバンドのツアー中にずっとお酒を飲み続けていたら体が持たないだろうと語っていた。「若い頃の日記に『昨夜は最高だった。2回吐いた』とかいうのがちょこちょこ出てくるんだ。でもその頃はなんとかやっていたんだ。でも今同じことをやったら、たぶん1週間も持たないね」また、ロンはミュージシャン仲間や友人たちがこの世を去っていくのを目にしたことで健康的な生活を送る気になったそうで、「ここ数年間でバタバタ倒れて行ってしまった人たちをかなり目にしてきたから、自分がいかに幸運かって気づかされたんだ」と話していた。(C)BANG Media International
2016年06月10日実はタバコと睡眠には意外な関係があり、禁煙を始めると離脱症状のひとつとして強い眠気に襲われて「やたら眠い」と感じてしまうことが分かっています。では、この禁煙中に襲ってくる眠気は、喫煙を再開しないと解消できないのでしょうか?今回は禁煙中に「やたら眠い」と感じる理由と、その対策について詳しく解説します。実はタバコと睡眠には意外な関係があり、禁煙を始めると離脱症状のひとつとして強い眠気に襲われて「やたら眠い」と感じてしまうことが分かっています。では、この禁煙中に襲ってくる眠気は、喫煙を再開しないと解消できないのでしょうか?今回は禁煙中に「やたら眠い」と感じる理由と、その対策について詳しく解説します。禁煙するとやたら眠いのは脳がニコチンを頼っていたから!?禁煙を始めるとしばらくの間、眠気に襲われて「やたら眠い」と感じてしまいますが、その原因と深く関係しているのがニコチンです。気持ちを落ち着かせるためにタバコを吸っていた人は多いと思いますが、実はタバコに含まれているニコチンには、脳を覚醒させてその人を興奮状態にする作用があります。さらにタバコを定期的に吸っていると、脳が自分を覚醒させるときにニコチンを頼るようになり、ニコチンを使って脳を覚醒させる代わりにほかの覚醒物質の分泌をやめてしまうそうです。そんな状態でニコチンの摂取をやめると、脳は頼りにしていた覚醒物質を失ってしまうため、頭が冴えずに眠気に襲われるというわけなのです。喫煙していた期間が長い人ほど、タバコをやめたときに襲ってくる眠気は強烈になるといわれています。離脱症状による眠気への対策禁煙の離脱症状による眠気に襲われたら、以下のような対策をとってみましょう。・カフェインを摂取するよく知られている方法ですが、禁煙中の眠気対策にもカフェインの摂取は効果的です。ただし、それまでタバコを吸いながらコーヒーを飲んでいた人が禁煙をすると、場合によってはコーヒーを飲む量が増えてしまうこともあるので、禁煙中のカフェインの取り過ぎには注意しましょう。・ニコチンパッチ&ニコチンガムを使用する禁煙中の眠気の原因はニコチン不足にあるので、別の方法でニコチンを取り入れると離脱症状による眠気を抑えることができます。また禁煙自体を成功させるためにも、ニコチンパッチ&ニコチンガムは常備しておいたほうがいいでしょう。・人と話をする人と話をすると、脳が活性化されて眠気をある程度解消することができます。・昼寝をする眠気に逆らわずに昼寝をしてしまうのもひとつの手です。せっかく昼寝をするのであれば、短い時間でスッキリできるようにアイマスクや耳栓などの「安眠道具」を使って、質の高い睡眠をとるようにしましょう。3週間眠気を我慢しよう!この強い眠気をはじめとした禁煙を始めたことで起こる離脱症状は、脳が「ニコチンがなくても平気な状態」になろうとしているいい証拠でもあります。禁煙開始直後は「やたら眠い」と感じるかもしれませんが、禁煙を始めるまでちゃんと眠れていたのであれば、原因は睡眠障害ではない可能性が高いです。禁煙によって起こる眠気はだいたい3週間くらいで治まるので、その期間をなんとか頑張って乗り切りましょう。もし、その期間を過ぎても眠気がおさまらないようであれば、お医者さんにいってみましょう。タバコを吸いたいという欲求と睡魔の両方に打ち勝って、健康な体を目指したいものです。photo by pixabay
2016年05月31日健康のためにも、子どものためにも、夫には禁煙して欲しい。自分がたばこを吸わない人ほど、そう強く思うのではないでしょうか。しかし、「たばこをやめて!」と訴えたところで、簡単には禁煙してくれませんよね。どうすれば夫を禁煙させることができるか、私の体験をもとに、使えるテクニックをご紹介しましょう。■禁煙外来はハードルが高い!?確実に禁煙できる手段として、禁煙補助薬や禁煙外来の存在が注目されています。たしかに効果はあると思うのですが、本人が行動しないと意味がないので意外とハードルが高いです。夫に通うようにすすめても、「仕事が忙しい」と逃げられてしまいました。また、病院や薬は「最終手段」というイメージがあるようで、これをすすめたものの意地になって拒否されました。本人に禁煙の意志が芽生えるまでは提案しないほうがいいのかもしれません。■まずは節煙から!私はたばこを吸わないので、結婚前からたばこをできるだけやめてほしいとお願いしていました。しかし、すぐにはやめられないのが難しいところ。そこで、たばこの本数やタールの量を少しずつ減らすように提案、いわゆる「節煙」ですね。夫はタール量の多いたばこを吸っていたので、少しずつ軽いものに変えてもらいました。完全に断つわけではないので取り組みやすかったといいます。これだけでは続かないので、「ごほうび作戦」も実行。本数が減ったら欲しがっていたフィギュアを買ってもいい、おこづかいアップも考えるといった感じですすめていくと、自分から節煙に励むようになりました。 ■自分にも課題を与える本人も納得して節煙をしていたのですが、続けていくうちに「どうして自分だけ我慢しなきゃいけないんだ!」と、夫の不満が募るように。そこで、私もダイエット宣言をして、甘いものを断ちました。何かと理由をつけて「自分へのごほうび」を与えていた私にとって、これはとてもつらかったです。でも、自分のためにもなるし、大変な思いをしているのは自分だけという思いをさせないことで、夫のやる気が復活したように感じます。■ゲーム感覚を取り入れるさらに「先に目標を達成できたほうが相手に好きなことを要求できる」という条件をつけました。これがゲーム感覚で楽しめたようで、あれだけたばこをやめる意志がなかった夫が、あっという間に禁煙に成功したのです。夫が欲しがっていたアニメDVDを全巻買わされたのは痛かったけれど、彼の健康のためになるなら安いもの。いまでは、自ら全席禁煙の店を選ぶようになるほど、完全にたばこを断つことができました。こうしてみると、意外とあっさり禁煙に成功したように見えますが、ここまで3年近くの月日がかかっています。子どもができてからでは遅いので、できるだけ早く取り組みたいところです。でも、子どもが生まれてから夫を禁煙させた友人もいます。本人も子どものためにやめたいと思っていたようですが、思うように禁煙できず、自らおこづかいの減額を申し出たのだとか。強制的にたばこと決別できる環境をつくることも、ときには必要かもしれませんね。4月に入り、銘柄によってはたばこが値上がりしました。健康面だけを訴えても効果がない場合は、家計を助けるという目的もつけ加えるといいかもしれません。
2016年04月13日最近、よく眠れないと感じても、それだけでは睡眠外来へ行こうとは思わないですよね。しかし、すべての病気に共通して言えるのは早期発見が大事ということ。そこで、年に2回ある「睡眠の日」を睡眠外来へ行く機会にしてみませんか?「睡眠の日」を睡眠外来に行く機会に2011年に日本睡眠学会が年に2回、睡眠の日を定めました。春が3月18日、秋が9月3日です。睡眠の日を含む1週間は睡眠健康週間として、全国各地で睡眠に関する講座が開催されたり、相談窓口ができたりと、さまざまな睡眠関連の活動が行われます。日本は不眠大国とも呼ばれるほど、睡眠に関する悩みが多い国で、睡眠に満足していない人は5人に1人とも、3人に1人とも言われています。不眠の原因となる睡眠障害には睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群など、さまざまなものがありますが、どれも共通して言えるのは、「早めに専門の医師に相談するが吉」ということ。次は秋になりますが、年に2回ある睡眠週間を、睡眠外来に行く機会に定めてみてはいかがでしょうか?睡眠の日に行われた睡眠調査今年の3月18日、「春の睡眠の日」に、睡眠に関する調査が行われました。その調査結果を一部ご紹介します。・うつぶせ寝は途中で目覚めやすいみなさんは寝るときにどのような姿勢で寝ていますか? 仰向け、うつぶせ、横向きといろいろな姿勢がありますが、「うつぶせで寝る」という人は少ないかもしれません。今回の調査では、うつぶせで寝ると途中で目が覚める中途覚醒の回数が増えることがわかったそうです。ただ、なかには、うつぶせで寝ると楽という人もいます。たとえば、睡眠時無呼吸症候群と呼ばれる、睡眠中に呼吸が止まってしまう障害を患っている人たちです。うつぶせで寝ると、あまりいびきをかかなくなるので、睡眠時無呼吸症候群の人は好んでうつぶせの姿勢をとるのだとか。まわりにこのような人がいたら、睡眠中の症状をチェックしてあげてくださいね。・経営者や役員は睡眠外来へ行くべき?職業別に睡眠の症状を調べたところ、最も中途覚醒が多かったのは、会社の経営者または役員に属する人たちだったそうです。実際のところ、中途覚醒はストレスと深い関係のあるホルモン、コレチゾールの分泌によって起こるといわれています。会社を背負って立つ彼らは、一般的にストレスにさらされている傾向が高くなるので、納得の結果ではありますね。ちなみに、中途覚醒は経営者や役員に限らず、真面目な人、仕事がデキる人に多く見られるそうです。彼らも仕事でストレスに晒される機会が多いのでこのような結果になったのでしょう。とはいえほどよい塩梅で仕事をするというのはなかなか難しいもの。ストレスを減らすことができるのがベストかもしれませんが、難しければ、定期的に運動をするなど、溜まってしまったストレスを解消する工夫を取り入れるのがいいかもしれません。不眠症を解消するには?不眠症のひとつでもある中途覚醒の怖いところは、病気の発症リスクにつながる可能性が指摘されている点です。たとえば、脳卒中が挙げられます。これは脳の血管に何らかの障害が発生する病気のこと。中途覚醒が頻繁に起こると、脳の血管が詰まりやすくなると言われています。これは、睡眠が途中で途切れてしまうと、脳に血液がまわりにくくなるからという説があるそうです。中途覚醒が睡眠時無呼吸症候群のような睡眠障害ではなく、ストレスから起きている場合は、ストレスを取り除くことを心掛けましょう。方法はさまざまですが、適度に運動をする、リラックス効果のあるアロマを焚く、趣味に没頭する時間をつくるなど、工夫次第で、ストレスを上手に発散することができます。photo by acworks
2016年04月08日ママの喫煙が、お腹の赤ちゃんの健康や発育に悪影響を及ぼすということについてはよく知られています。ママ自身が喫煙しなくても、周囲の喫煙者からのタバコの煙(副流煙)を吸い込むことで受動喫煙(二次喫煙)する状態となり、ママとお腹の赤ちゃんの健康に影響を及ぼします。ママが副流煙を吸う環境にある以上、タバコから生ずる健康被害を避けることはできません。妊娠中のママの近くを避け、換気扇の近くやベランダで喫煙したとしても、副流煙を完全に避けることはできません。空気中に漂うすべてのタバコの煙を排出することは難しく、換気扇から漏れたり、窓の隙間を通じたりして室内に侵入します。また、タバコの煙が付いた髪の毛や衣服、カーテン、壁紙などには、タバコの煙に含まれる有害成分や化学物質が残っています。タバコを吸わない人がこれらの残留成分に触れて吸い込み、体内に摂取してしまうことをサードハンド・スモーク(三次喫煙)といいます。サードハンド・スモークも、ママや赤ちゃんの健康に影響を及ぼします。妊娠中のママとお腹の中の赤ちゃんをタバコの害から守るには、パパが完全に禁煙する必要があると言えます。家族で外出する際も、喫煙席があるお店や喫煙エリアに立ち入らないよう、パパが率先して気を付けていきましょう。(※1)タバコの副流煙による受動喫煙が、妊娠中のママに与える影響とはタバコには、タバコそのものに含まれるニコチンが心臓や血管にダメージを与え、新陳代謝のはたらきを邪魔します。同様に含まれる様々な有害物質には発がん性があるものが含まれます。タバコの煙には、タバコの燃えカスと共に、燃やすことで変化した化学物質や有害物質、一酸化炭素などが数多く含まれ、煙を吸い込んだ人の体や健康に悪影響を及ぼします。受動喫煙をしたママの体はニコチンの影響で血流が悪くなるほか、一酸化炭素が血中のヘモグロビン(酸素を体内に運ぶ役割をもつ成分)と結びつく影響で、体内に十分な栄養や酸素が行き届かなくなります。つまりお腹の赤ちゃんにも必要な栄養や酸素が行き渡らず、低体重出生児が生まれるリスクや、流産や早産のリスクが高まります。さらに前置胎盤や常位胎盤早期剥離といった胎盤のトラブルの発生率も高くなるとも言われています。また、ママが妊娠前に喫煙者だった場合にはママへの配慮が必要です。ママが妊娠のために禁煙していてもパパが喫煙している場合、ママのストレスは大きくなります。ママが禁煙するだけでは受動喫煙のリスクが減少しないことも踏まえ、これからの子育て知識としてパパも禁煙することが望ましいでしょう。タバコの受動喫煙が、乳児に与える影響とは出産後にも、赤ちゃんの近くで喫煙を行うことは、赤ちゃんへの健康被害を引き起こすことになります。呼吸器が十分に発達していない赤ちゃんにとって、受動喫煙はぜんそくや肺炎といった呼吸器系疾患の原因になる可能性が指摘されています。また赤ちゃんにとってサードハンド・スモークは大きな影響があります。赤ちゃんは身体が小さいため家具や床との距離が近く、喫煙環境である部屋内に蓄積されたタバコの有害物質を摂取しやすい状況にあります。これは、赤ちゃんがいないときに自家用車の中でタバコを吸った場合にも当てはまり、タバコを吸う人がいる環境下での赤ちゃんの三次喫煙は避けられないことを意味します。そのほか、赤ちゃんが受動喫煙しやすい環境にいると、乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こしやすくなると言われています。SIDSとは、それまで健康上の問題もなく元気だった赤ちゃんが事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気で、詳しい原因はまだわかっていません。しかし両親が喫煙する家庭では、両親が喫煙しない家庭と比べおよそ4.7倍のSIDS発症リスクがあるため(※)、家庭内で受動喫煙がおこらない環境を整えておくべきだと言えるでしょう。そのほかの、禁煙の具体的なメリットそもそも喫煙は、ガンや脳卒中、心筋梗塞ほかさまざまな重大疾患のリスクを高める行為です。タバコを止めれば疾患のリスクを低下させられるうえ、個人差はありますが咳や痰で悩まされていた人も症状がおさまったり、味覚や嗅覚が改善され食事が美味しく感じられるようになったりします。喫煙後のタバコのニオイが減り、周囲へのマナーの質も向上するなどの効果もあります。また、1箱430円のタバコを1日1箱購入する場合、1ヶ月で12,900円がタバコ代として消費されます。1年間ではおよそ157,000円、10年間でおよそ1,570,000円にものぼります。禁煙すれば、それらのお金を家族のために使うこともでき、ひいてはパパ自身の健康リスクも下がることでしょう。パパが禁煙することは、ママや赤ちゃん、子どもたちの健康を守りながら、家族で長く暮らしていける方法の一つだと言えそうです。(※1) 東京都福祉保健局 健康増進法25条と厚生労働省健康局長通知
2016年04月04日タバコには、タバコそのものに含まれるニコチンが心臓や血管にダメージを与え、新陳代謝のはたらきを邪魔します。同様に含まれる様々な有害物質には発がん性があるものが含まれます。またタバコを吸うときに出る副流煙には、タバコの燃えカスと共に、燃やすことで変化した化学物質や有害物質、一酸化炭素などが数多く含まれ、体に悪影響を及ぼします。副流煙は喫煙者以外の人にも煙が届くため、タバコを吸わない人や子どもが煙を吸い込むことで健康に影響を及ぼすことが起こります。これを受動喫煙と呼びます。さらにタバコの煙が周りに触れると、煙に含まれている化学物質や有害物質、一酸化炭素などがカーテンや壁、髪の毛や衣服に付着し長い間残ります。タバコを吸わない人や子どもが、それらの物質を体内に吸い込むことで健康に影響を及ぼすことを三次喫煙(サードハンドスモーク)と言い、健康に影響を及ぼす可能性があります。喫煙や受動喫煙は不妊の原因の一つとしても知られつつあります。タバコに含まれるニコチンや有害物質が女性ホルモンの生産をおさえ、卵子の老化や遺伝子異常を増加させるなどの可能性があるからです。また、タバコを吸う期間が長いほど妊娠に至るまでの期間も長くなると言われています。これから妊娠を希望する人も、妊娠が分かった人も、なるべく早い段階で禁煙することを心がけましょう。(※1)ママの喫煙が、妊娠中の身体に与える影響とは妊娠中のママの体内は水分量や免疫力が低下しており、タバコや副流煙に含まれる化学物質や有害物質、一酸化炭素などの影響を受けやすくなっています。・ママの体内に確保されている水分量の変化妊娠期間中につわりの妊娠症状があった人は嘔吐などで水分を失いやすく、体内が水分不足の状態になっている可能性があります。また体内の水分はお腹の赤ちゃんに優先的に届けられるように変化していることも影響します。・お産直後、出血を止めるために血が固まりやすく変化妊娠中のママの身体は、お産でたくさんの出血があってもすぐ血が止まるように血液が固まりやすくなるよう性質が変化します。血液中の水分量が少なくなっている状態です。このような状況で喫煙を行うと、前置胎盤、胎盤異常といった妊娠合併症のリスクや全治胎盤を引き起こす割合が高まると言われています。また産後には子宮頸がんなどの発がんリスクが増加する可能性もあります。喫煙が、お腹の赤ちゃんに与える影響とは妊娠期間中の喫煙はママの身体だけでなく、お腹の赤ちゃんにも悪影響を及ぼす場合があります。赤ちゃんにさまざまな発育不良が起き低体重児となったり、ママには、子宮内の羊水量が少なくなったり、流産や早産のリスクが高まったりなど、妊娠の継続自体が危ぶまれる可能性があります。また赤ちゃんが生まれた後にもさまざまな疾患の原因になる可能性があるうえ、乳幼児突然死症候群(SIDS)で命を落とすリスクが高まります。・赤ちゃんの発育不良喫煙で全身の血管が収縮することでママの体の血流が悪くなり、お腹の赤ちゃんに届けられる栄養素が不足しやすくなります。喫煙すると体内に入り込む一酸化炭素が、血液中の酸素を運ぶはたらき持つヘモグロビンと結合し赤ちゃんに酸素が届きづらくなります。・胎盤の機能が低下子宮などの血流が悪くなることで胎盤機能が低下し、流産や早産が起きる可能性が高まります。・赤ちゃんに疾患が引き起こされる可能性ぜんそくや中耳炎、気管支炎、肺炎など呼吸器系、循環器系の疾患や障がいを引き起こしたりする可能性があります。・低出生体重児低出生体重児の多くは妊娠22〜37週未満の早産で生まれた赤ちゃんですが、喫煙者の場合は妊娠期間が十分であっても低体重となる場合があります。 産後の喫煙が、赤ちゃんに与える影響とは産後のママの喫煙は、先に述べたように、タバコを吸っていない人や子どもにタバコ自体から出る煙や喫煙者が吐いた煙を近くの人が吸ってしまう受動喫煙を引き起こします。身体が未発達な赤ちゃんは、この受動喫煙やサードハンドスモークの影響を強く受け、呼吸器や循環器の疾患発生など健康被害を引き起こす可能性が高まります。また、喫煙を行うと、授乳中のママの母乳にニコチンが混ざります。母乳中のニコチン濃度は母親の血液中の濃度より1.5~3倍ほどになるといわれ、この母乳を摂取した赤ちゃんは急性ニコチン中毒(不機嫌、眠らない、嘔吐や下痢など)を起こしやすくなります。加えて、母乳の分泌量や脂肪分の減少も指摘されており、喫煙は母乳の質も量も落としてしまうと言われています。乳幼児突然死症候群とは乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、それまで何の問題もなく健康だった赤ちゃんが、眠っている間に突然死亡してしまう病気のことです。詳しい原因はまだ解明されていませんが、喫煙者のいる家庭ではこの乳幼児突然死症候群のリスクが大きく上昇するという報告があります。とくに両親とも喫煙する家庭であれば、両親が非喫煙者の家庭に比べて約4.7倍の発症リスクがあるとも言われていますので、パパ、ママともに禁煙を徹底したほうがよいでしょう。(※1)(※1) 平成9年度厚生省心身障害研究「乳幼児死亡の防止に関する研究」より
2016年04月04日東京都台東区にこのほど、禁煙専門の「きんえん堂鍼灸院」がオープンした。同院では、禁煙鍼灸師・武本秀治氏が、自身が考案した独自の「タケモト式禁煙療法」を施術する。「タケモト式禁煙療法」は、離脱症状対策と独自ツールを用いたカウンセリングにより、「薬物依存」と「心理依存」の双方を補完しあう効果が期待できる新しい禁煙療法であるとのこと。同院によると、いざ禁煙しようとすると大なり小なり「漠然とした消失感」「妙なさみしさ」「大切な味方を失うような不安感」を感じるという。禁煙に失敗する理由は、自分が感じている正直な気持ちをごまかしたり我慢して抑えつけたりして禁煙することにあると指摘。そして、「この気持ちを誤魔化(ごまか)さず、一つ一つ丁寧に整理して、自分自身が理解できると、意外と簡単に禁煙への道が開けてきます」と同院。カウンセリング(要予約)は、約2時間をかけてじっくり行う。個別カウンセリングは、ディスカッションを通して行うため、納得して禁煙療法に取り組むことができるとのこと。カウンセリング後は、意識してタバコを「体感」する。この期間の"体感"と"思い"が次の禁煙療法に役立つという。再来院後、禁煙の準備ができていることが確認できたら、はり・きゅうの施術を行う。はりが苦手な人のために、刺さないタイプの「ハリてい針(しん)」や、電極療法での施術も可能だという。禁煙検証期間は約3日間。施術の効果によって代謝の促進を図り、一気に禁煙の成功へと導くという。離脱症状を乗りきるため、その軽減のための特別な施術・指導も行うとしている。期間中は、武本秀治氏がパーソナルトレーナーとしてマンツーマン指導を行う。禁煙施術料は、3万9,800円(税込)。禁煙に成功しなかった場合のため、施術料の全額返金保証も付いている。
2016年04月01日禁煙という言葉には、「孤独にひとりで、じっと煙草を我慢する」イメージがあるかもしれない。家族や友人は応援してくれるだろうが、周囲で禁煙に取り組んでいる人がいなければ、本当のつらさは分かってもらえないものだ。そんな中で、こんなメッセージを発信している「禁煙の森」というサイトがある。それは、「ひとりでは難しかった禁煙も、みんなで励ましあうと不思議とできちゃう! 」。禁煙の森は、禁煙したい人たちが集まるSNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)で、現在の会員数は約1万人。この禁煙巨大SNS、どのような方が運営しているのか。千葉県のウェブサイト制作会社UniqueWebの代表、岡崎博行さんにお話をうかがった。○もともとは「自分のためのサイトだった」――まずは禁煙の森を運営することになった経緯を教えてください。「禁煙の森は2006年の7月からスタートしました。当時はミクシィなどのSNSが流行していたのと、私自身が禁煙中ということもあったので、『禁煙中の人があつまるSNSがあったら自分が使いたい』という思いで、禁煙にイライラしながら作ったことがきっかけです(笑)。おかげさまで私自身も禁煙に成功し、禁煙歴10年になりました」。――もともとはご自身のために作ったサイトだったんですね。「そんなサービスが、今となってはこれだけ多くの人に使われていることは、素直にうれしいですね。今は、検索でサイトに来られる方も多いですが、それだけ禁煙を考えている皆さんの役に立っているんだなあと……。実は運営については、利益がほとんど出ないギリギリの状態なので、『やめようかな』と思うこともあるのですが、多くの人の支えになっているかと思うと、やめられなくなってしまいました(笑)」。○約1万人の会員から学んだ禁煙法は?――岡崎さんは、数多くの禁煙成功者を見てこられたと思います。最も効果が高いと思われる禁煙法は何だと思いますか?「禁煙法は人それぞれで、禁煙セラピーを受けることが良いという人もいれば、根性で吸わない、という人もいます。禁煙パッチや禁煙補助薬を使ったほうが良いという人もいます。禁煙をする上でまず重要なこととしては、『これ』と最初から決めてかかるのではなく、さまざまな禁煙法を試しながら、自分に合った方法を探すことが挙げられますね」。――最後に、「禁煙の森」などのSNSが禁煙にプラスになる点について教えてください。「禁煙中は我慢もできず辛いことも多いと思います。SNS上の交流を見ていますと、禁煙が辛い時に日記を書くと、『頑張って』とか『分かります』とか、共感する返信が付くんですね。そういうふうにコミュニケーションを取りながら、ユーザー同士がやり取りをしていると、ひとりで我慢するよりも成功する可能性が高まっているようです。ぜひ禁煙の森に会員登録をしてほしいですね。他人の日記を読むなど、どのように禁煙成功するに至ったかを知ることは、自分の禁煙のヒントにもなりますよ」。SNSのようなコミュニティに所属すると、現実世界では考えられないほど多くの「禁煙仲間」に出会うことができる。志を同じくする仲間から励ましのコメントをもらうことが、何より効く禁煙の特効薬といえるかもしれない。興味がある方は登録してみてはいかがだろうか。
2016年01月12日慶應義塾大学病院(慶大病院)は12月24日、2016年1月より「未診断疾患外来」と「iPSコンサルテーション外来」を開設すると発表した。両外来は臨床遺伝学センター外来内に設置され、受診にはかかりつけ医からの紹介と事前の予約が必要となる。「未診断疾患外来」は、従来の医学的検査で診断のついていない患者のDNAの配列を分析し、診断の手がかりを得ることを目的とする。受診の際は専門医が患者の症状や過去の検査結果を検討し、DNA分析が診断に有用かどうか検討する。有用と判断された場合、患者の採血(5cc)を行い、専門医が結果を判定し、かかりつけ医と連携して患者とその家族へ診断結果を報告する。「iPSコンサルテーション外来」は実際の治療ではなく、特定の疾患を抱える患者に対して現在進行中のiPS細胞研究ついて情報提供を行うことを目的とする。対象となる疾患はパーキンソン病(孤発性・遺伝性)、遺伝学的素因を有するアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症など。受診に際しては自費診療費(3000円/30分)が必要となる。対象疾患は以下の通り:Angelman 症候群ATRX 症候群CHARGE 症候群Mowat-Wilson 症候群Pelizaeus-Merzbacher 病Pendred 症候群Prader-Willi 症候群Rett 症候群Sjogren-Larrson 症候群Rubinstein-Taybi 症候群Young-Simpson 症候群 (KAT6B)遺伝学的素因を有するアルツハイマー病筋萎縮性側索硬化症(孤発性・家族性)パーキンソン病(孤発性・遺伝性)
2015年12月25日約3年をかけて神奈川県の藤沢・葉山などの湘南エリアの飲食店を調査し、2005年に発刊された『ごくうま-湘南の禁煙レストラン』。その発刊者で、藤沢市の長谷内科医院の院長である長谷章先生に、発刊の意図や禁煙推進活動についてうかがった。○約20年にわたり、地元・市・県、そして日本の禁煙化に取り組む―現在、「神奈川県内科医学会 神奈川禁煙推進委員会」の委員長を務めていらっしゃる長谷先生。禁煙推進活動を始めた経緯を聞かせてください。長谷先生―私が院長を務めている長谷内科医院は、祖父から三代続く医院なのですが、祖父、父ともにヘビースモーカーでした。ふたりとも56歳で心筋梗塞を発症し、一命をとりとめたものの、祖父は62歳、父は72歳で他界しました。父の逝去を機に私も煙草をやめたのですが、その後、総合内科専門医の資格を取得し、内科全般については理解していたものの、煙草に関する正しい知識を持っていないことに気がついたのです。そこで脳外科の専門家にお話を聞いたところ、世界各国と比べて日本の禁煙化があまりも遅れていることを知り、これはぜひ取り組むべきだ、と決意したのです。それから約20年にわたり、禁煙化に向けた活動を推進してきました。―これまで、さまざまな禁煙推進活動を推進されていますが、その原動力は?長谷先生―喫煙は本人のみならず、家族や周囲の方の健康にも悪影響を与える可能性があります。煙草による健康被害を食い止めたい、その思いが禁煙活動推進の原動力です。最初は藤沢市内を中心に、ひとりで禁煙化を呼びかけました。具体的には、私は食べることが好きなので、まずは近隣の飲食店の店長さんに禁煙化を要望して歩いたのです。また、患者さんから"○駅の喫煙所が年中モクモクしている"という情報を得て、駅長に禁煙化を要望したり、仕事で付き合いのある金融機関も責任者に会って禁煙化を求めたりしました。―地道な活動の連続ですね。長谷先生―さらに、県内のデパートなどへは、顧客を代表して社長へメールで禁煙化を訴えました。禁煙化を要望するにあたり、その説得材料のひとつとなったのが2003年に制定された「健康増進法第25条」です。これは"多数の者が利用する施設"での受動喫煙の防止を義務づけた法律です。これにより同年には銀行、郵便局、関東の私鉄が禁煙化され、その後、タクシーやJRの禁煙化へと拡大しました。対象となる施設として事務所も含まれています。○時代の画期となった条例の施行を追い風に―全国初となった神奈川県の「受動喫煙防止条例」施行の背景について聞かせてください。長谷先生―この流れの中で藤沢市の医師会が禁煙化に本格的に取り組むことになり、「藤沢市医師会禁煙運動推進委員会」を立ち上げました。内科、外科、耳鼻科、小児科など、各科の代表者が集まって委員会を結成し、さまざまな活動を検討・実行していくことになったのですが、そのひとつに藤沢市内のレストラン、公共の場、タクシー、学校などおける禁煙化の推進がありました。さらに、2003年に神奈川県知事に就任された松沢成文氏のマニュフェストの1番目に「受動喫煙防止条例」があったので、これを強力にバックアップする活動も行い、2011年4月には、全国初となる同条例の施行を実現することができました。―条例の施行でどういう点が変わりましたか。長谷先生―この条例が施行されたことで、神奈川県の成人男性の喫煙率は下がりました。神奈川県のような人口の多い大都市では、喫煙者も数多く存在するため、このような条例の施行は困難のように思えましたが、それを実現できたことは快挙だといえるでしょう。また、同条例により、県民全体の健康管理に対する認識が高まったことも大きな成果だと捉えています。○グルメと禁煙をテーマにしたガイドブックで、タバコフリーを当たり前に―『ごくうま-湘南の禁煙レストラン』を発刊した経緯について教えてください。長谷先生―『ごくうま-湘南の禁煙レストラン』は"ごはんも空気もうまい"をキーワードに、約3年をかけて藤沢、葉山、茅ケ崎、鎌倉などの飲食店を調査し、湘南エリアの厳選した約50店を「完全禁煙」と「ランチのみ禁煙」に分けて、カフェ、フレンチ、イタリアン、すし、和食など、各種店舗の自慢の料理を写真で紹介しています。発刊のきっかけは、私と共に監修にあたった、内科医の横井泰先生の奥様のユニークな行動にありました。たとえば、気に入ったレストランで食事中に煙草の煙を感じると、横井夫人は、その場でお金を払って店を出てしまうのですが、その際に「今日は帰りますけど、おいしいからまた来ます」とおっしゃるのです。これを繰り返すと店側は対応を考えるようになり、ランチタイムだけでも禁煙にする店が増えたそうです。そんな横井夫妻から誘われ、湘南エリアのおいしいものを、きれいな空気の中で楽しめる飲食店を自費出版で全国へ紹介しよう、ということになりました。私が主に和食を担当し、横井先生が洋食を担当。地元の方しか知らないような穴場的なお店も数多く紹介しています。単なる禁煙飲食店のガイドではなく、本当においしい食事を堪能でき、かつ禁煙を徹底している店にこだわり抜きました。―発刊に伴う調査の際に、印象に残ったエピソードを聞かせてください。長谷先生―取材を行っていた頃は、まだ喫煙できる飲食店が多く、"常連に愛煙家のお客さまがいるので禁煙化しにくい"といった声も数多くいただきました。そんなお店には「グルメと禁煙をテーマにしたユニークなガイドブックで貴店を紹介したい。ぜひ禁煙化してほしい」とお願いして回りました。禁煙化すると喫煙者のお客さまが来なくなる、と思われるでしょうが、実はそうではありません。一時的に客足は遠のくかもしれませんが、お店の味・サービスがよければ必ず戻ってきます。それだけでなく、禁煙化は家族連れのお客さまが増えるなど、さらなる集客と売上アップをもたらすのです。これは禁煙先進国である諸外国でも同様の現象が見られます。なお日本では、居酒屋などでお酒を飲みながら喫煙する慣習が根強く残っていますが、パブで有名なイギリス・アイルランドでは、2007年からパブはすべて禁煙であり、"飲酒の場は禁煙"が常識になっています。アジアでは、最近、中国や韓国でもレストラン内は禁煙になりました。台湾でも3人以上集まる室内は「煙害防止法」により禁煙です。このように諸外国と比較すると、まだまだ日本は禁煙後進国ということが分かります。―今後の抱負について聞かせてください。長谷先生―私たちは"吸わないことが当たり前の社会"を作るために、これからも禁煙化を推進していきます。その大きな目標が2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックです。藤沢市では江ノ島がセーリング会場に選ばれており、現・藤沢市長の鈴木恒夫氏も「煙草のない環境で開催したい」と議会で発言されています。その意味でも、藤沢市から神奈川県、神奈川県から東京都、東京都から全国へ禁煙化を波及させていくつもりで、活動を強化していきたいと考えています。
2015年11月18日大手ファミリーレストランチェーンのロイヤルホストは2013年11月、同業界では初となる全国228店舗(当時)の全席禁煙を実施した。発表した際には賛否を含めた様々な反応があったが、約2年経った今、全席禁煙のプラス効果が表れているという。禁煙化を率先して推進してきたロイヤルホストの佐々木徳久取締役が、同社の果敢なチャレンジを語ってくれた。○ブランドの再構築が全席禁煙化のきっかけ1971年に1号店が開業したロイヤルホストは、ファミリーレストランの御三家の一つとして愛されてきたブランドである。全国200店舗を超える規模にもかかわらず、店舗にコックを配置し、ひと手間をかけて調理するなど、味にこだわっている点が人気の一要因となっている。また、クオリティの高い料理に合わせて、店内環境や従業員のサービス力なども徹底的に整備し、健康的で明るく、清潔感のある店作りにもこだわっている。結果として価格的には他のファミリーレストランに比べて少し高く設定されているが、それに値するだけの料理とサービスを受けられるのがロイヤルホストの強みとなっている。そんなロイヤルホストが全店全席禁煙化に取り組み始めたのは、2013年から遡ること4年前の2009年。きっかけは不況による経営悪化だったと佐々木取締役は振り返る。「当時、食の多様化でファミリーレストランの存在感が薄まったことに加え、リーマンショックの煽りを受けて、経営が揺らいでいました。そのため、改めてロイヤルホストとしてのブランディングを行うべきと様々な取り組みを行いましたが、その一環として数年かけて全店の全面改装をすることになったのです。その際、改装を機に全店全席禁煙化をすることが、ロイヤルホストとしての価値をいっそう高めることに繋がるのではないかという話になりました」。欧米等のレストランでは早くから全席禁煙が進んでいた。ロイヤルホストもいつか向き合わなくてはならない課題ということはわかっていたが、喫煙者の足が遠のけば、その分の売上減少などの可能性があり、なかなか踏み切れなかった。しかし、煙のない空間での食事の提供はロイヤルホストの価値向上に直結するはずとの考えから、同社は大手外食産業では初となる思い切った挑戦を始めた。○客層がビジネスパーソンからファミリーにシフト最初に全席禁煙を実施したのは、東京の板橋と南葛西の2店舗。場所柄、ビジネスパーソンが多く、喫煙席の利用率も高かったこともあり、最初の数ヶ月は売上が落ちてしまったという。「それでも、データを分析するとファミリー層の増える週末には売り上げが増えていましたので、全席禁煙の効果があるのがわかりました。諦めずに継続していくと、地域の皆さんにロイヤルホストの取り組みが伝わって、平日も主婦や高齢者の方を中心とする非喫煙者の方々に利用いただけるようになりました。まさしく利用されるお客様が入れ替わる格好となったのです」。3ヶ月ほどで利益も回復。煙のない清浄な環境で食事をゆっくり楽しみたいというファミリー層などが増え、自ずと客単価も上がり、売り上げ全体が底上げされるという効果も得られた。○喫煙率が非常に高い店での成功が自信に以後、この成功事例をモデルとして、段階的に全席禁煙を推進していくも、順調に成し遂げられたわけではない。喫煙者の多い地域では長く苦戦した店舗もあった。それでも同社は、全席禁煙を導入すれば効果があると信じて粘り強く取り組んでいった。象徴的なのは渋谷の道玄坂の店舗だという。全店でも売り上げはトップクラスだが、喫煙者の多い店舗であった。営業担当者からも全席禁煙には否定的な声しか聞こえてこなかったが、トップの一声で一気に動いていくことになる。「2011年に代表取締役社長の矢崎精二が同店を視察した際、タバコの煙で充満している店内を見て、『この環境はお客さまにとっても、ロイヤルホストで働く者にとっても目指すべき姿ではない』と、全席禁煙をトップダウンで行いました。さすがに売り上げの回復には時間がかかりましたが、半年もすると他の店と同様にご家族連れの方が来店されるようになっていきました」。喫煙者の多いエリアでも、タバコの煙がない空間を望む人はいる。全席禁煙のニーズはどんなエリアにも存在する――道玄坂の事例でそう確信することができたことにより、ロイヤルホストの全席禁煙化は一気に加速したそうだ。「時間を掛けて地域とじっくりと対話することで、ロイヤルホストとしての考え方やメッセージを丁寧に発信してきました。4年かけて順を追って積み重ねた結果、スムーズに全席禁煙を達成できたのだと思います」。当初懸念された喫煙者の足が遠のくことによる売上減はあったものの、同社の信念と努力によって、結果的には全席禁煙がロイヤルホスト全体での売上向上につながったと佐々木取締役は自信を持って語った。東京都は訪日外国人の受け入れ態勢整備のため、宿泊・飲食施設の分煙化の支援を始めている。禁煙、あるいは分煙が業界の中でも積極的に検討が進んできているようである。もちろん賛否両論はあるだろうが、ロイヤルホストの"禁煙"という選択肢は業界に一石を投じたことは間違いないだろう。※この取材は2015年8月25日に行いました
2015年09月16日“奇跡の肥満外来”島野雄実のダイエット本ダイエットに失敗する人には、共通点が3つある。他力本願で、情報にふりまわされやすく、状況分析が苦手。そんな画期的なアドバイスをするダイエット本が出版された。6月30日、文響社は、究極のダイエット本「やせる生活」を7月3日に出版すると発表した。同本の著者は“最後の頼み綱”、“奇跡の肥満外来”と評判の北星クリニック理事長の島野雄実だ。激しい運動や食事制限は一切なし。それなのに北星クリニックを訪れる人のダイエット成功率は90%を超え、リバウンド知らずだという。「やせる考え方」でスローダイエット!同本では、肥満のほとんどの原因は、本人の性格や生活習慣にあると指摘。「太りやすい考え方」を「やせやすい考え方」へと変えることが肝要で、スローダイエットを推奨している。紹介されているテクニックをみると、一品ものをやめて幕の内弁当的な食事にする、大皿から小鉢に変える、などすぐに実践できそうなものばかり。実際に患者に話しかけるような文章で、「なぜそうしなければいけないのか」をわかりやすく解説してあり、目からうろこだ。「やせる生活」で自分の間違ったダイエット観を改め、本当にやせるダイエット方法を身につけてみてはいかがだろうか。(画像はプレスリリースより)【参考】・文響社 プレスリリース(PR TIMES)
2015年07月02日厚生労働省はこのほど、公式Webページにて「平成27年度『世界禁煙デー』における取組及び『禁煙週間』の実施について」を公開した。「世界禁煙デー」は5月31日。禁煙週間は、5月31日~6月6日。「たばこが健康に悪影響を与えることは明らかであり、禁煙はがん、循環器病等の生活習慣病を予防する上で重要である」ことを、その趣旨としている。今年度は、たばこを減らすことで命を守ることを目的として、「2020年、スモークフリーの国を目指して ~東京オリンピック・パラリンピックへ向けて~」を禁煙週間のテーマとし、禁煙および受動喫煙防止の普及啓発を積極的に行う。主要な実施事項としては、「閣議における厚生労働大臣発言」 「イベントの開催(東京及び地方)」「『禁煙週間』実施要綱の策定、周知」「本週間用ポスターの作成、配布、掲示」「各省庁、地方公共団体、関係団体及び厚生労働省内部部局等に通知し、その趣旨について理解と協力を求める」「厚生労働省ホームページ等による情報提供」など。その他の対応として、「厚生労働省内職員へメールにて禁煙の呼びかけ」「禁煙相談会の実施(3回)」「禁煙週間中における中央合同庁舎第5号館内でのたばこの自動販売機の停止等」を行う。※本文と写真は関係ありません
2015年05月29日今年も恒例の「世界禁煙デー」(5月31日)が近づいてきた。WHO(世界保健機関)では、この日に向けて禁煙に関するキャンペーンを実施するという。WHOのグローバル・リサーチセンターが神戸にある。WHO神戸センター(WKC/正式名称はWHO健康開発総合研究センター)は、1995年に設立され、社会・経済・環境の変化が健康に及ぼす影響、およびそれらが政策にどう反映されるかを研究している。WHOの本部はジュネーブで、世界各地に6つの地域事務局、約150の各国事務所を持つが、スイス国外にある本部組織はこの神戸センターだけ。これは前WHO事務局長の故・中嶋宏博士と前兵庫県知事、故・貝原俊民氏の尽力によるもので、その活動は兵庫県、神戸市、神戸商工会議所および神戸製鋼所から成る「神戸グループ」により支援されている。このWKCとはどのような活動をしているのか、そして、今年の世界禁煙デーはどのようなテーマで実施するのか。WKC所長のアレックス・ロス氏にお話を伺った。○喫煙被害のグローバリゼーションへの対策に取り組む――WKCの活動理念について教えてください。ロス氏: 「WKCは、科学分野においてのリサーチ、技術協力、能力開発、情報共有などをサポートしています。この10年ほどは、急激な都市化が健康に及ぼす影響について本部の研究をリードしてきました。今日では、特に高齢化社会に対応するためのユニバーサル・ヘルス・カバレッジやイノベーションの推進にむけた実質的なリサーチへと重点を移行しているところです。健康問題について他部門連携で多角的に分析するWKCのやり方は、WHOでもめずらしいと言えるでしょう。世界的に見て、近年の顕著な特徴の1つは急速で大規模な都市化と、そこに集中する人口の大きさです。2、3年前にはついに、都市部の人口が地方の人口を抜きました。現在では世界人口の54%が都市部に暮らしており、2050年までには66%まで増えるといわれています。大都市においては、性差や貧困などが、健康に関する支援や治療を受ける際の格差(健康格差)を生みつつあります。政治的にデリケートな問題ではありますが、私たちは行政が、これらの構造を理解する手助けをするとともに、政府の異なる部門が協働して解決に向けて取り組めるような戦略を練り、人々の健康が平等に守られるよう共に働きかけています。都市生活は、非伝染性の持病、たとえば癌、肺や心臓の疾患、脳梗塞や糖尿病などのリスク要因に良くも悪くも影響を与えます。喫煙、運動不足、偏った食生活、飲酒のほか、大気の汚染などの環境要因もあげられます。WHO本部のタバコ・フリー・イニシアティブのメンバーとWHO西太平洋事務局の職員の協力で開発した、禁煙都市を実現するための行政向け条例モデルとトレーニング・ガイドがあります。これは、社会の異なる部門が共に健康問題に取り組むためWKCが行った実質的アプローチの一例です。これらの活動が、ひいては国全体における『たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO FCTC)』の施行につながります。これはWKCのサイトでも詳しく紹介しています。FCTCは、万人が最高水準の健康を享受する権利を再認識する初の世界的健康条約で、その監視機構はWHOになります。喫煙被害のグローバリゼーションへの対策として各国が開発したものです。たとえば、貿易の自由化に主に起因するタバコの価格の低下、外国資本、宣伝広告、多国展開、不法取引など、複雑な要因のからむ喫煙被害の問題を減らすことを目的としています」○今年のテーマは「タバコの不法取引を止めよう」――「世界禁煙デー」とはどのような取り組みでしょうか?ロス氏: 「毎年5月31日、WHOは『世界禁煙デー』というグローバル・キャンペーンを行います。喫煙による健康被害に焦点を当て、効果的な対策を提唱しています。テーマは毎年変わり、今年は『タバコの不法取引を止めよう』です。不法取引を無くすよう各国に呼びかけ、また、2012年11月にWHO FCTC初の議定書として承認された、『タバコの不法取引排除のためのプロトコル』に賛同するよう促します。なぜ不法取引が健康に関係するかというと、タバコ業界や犯罪組織がここから不当な利益を得て、そのツケ、たとえば保険や医療保障にかかるコストを、一般社会が払わされることになるからです。あらゆる面で、不法取引は世界中の主要懸案事項です。国際税関機構の情報も含めた研究によると、世界的に見て、多ければ10本に1本のタバコが不法マーケットからのものとされています。また、EUによると、不法取引によってEU加盟国にもたらされる税収、および関税収入の損失は、毎年100億ユーロ以上にのぼるとみられています。不法取引は豊かな国だけの問題ではありません。世界中のほとんどすべての国がなんらかの形で影響を受けます。タバコの不法取引の脅威に対応するため、国際社会はこのプロトコルを採択したのです」――2015年のキャンペーンの目標を教えてください。ロス氏: 「今年の世界禁煙デーのゴールは、次の4つです。(1)タバコの不法取引によって入手可能になる低価格の非正規品が招く健康被害、とくに若年層や低所得者層に対する影響への着目を促す。(2)増税や値上げ、グラフィックを用いた警告文などの喫煙コントロール対策がヘルスケアにどう影響するか、また不法取引によってそれがどう妨害されるかを示す。(3)業界が不法取引にどのように関わっているかを示す。(4)不法取引によってもたらせる高額な収益が、いかに犯罪組織の麻薬、人身・武器売買、テロなどの活動の財源となっているのかを明るみに出す。これを実現するためには、すべての関係国にプロトコルの批准、参加、そして施行を促し、早期に活発に活動してもらう必要があります。税収の損益だけでなく、タバコ規制に関して不法取引は多くの国に多大な影響を与えます。日本には政府の厳しい規制がありますし、地理的にも影響を受けにくいかもしれませんが、世界的に見ると深刻な問題です。キャンペーンに関するより詳しい情報は、WHOのサイトで紹介しています」――ゴール達成のための戦略はどのように考えていますか?ロス氏: 「プロトコルです。FCTCはWHOが策定した2つの条約の1つで、現在約180か国が批准しています。FCTCに調印するためには、すべての国が要求に見合う行動を起こさなければなりません。日本は最初に調印した国の1つです。最大の目標は、民間セクターの個人レベルだけではなく、財務省や国務省 、国境の税関、税務署など、各国の政策決定レベルでの注意を喚起すること。2つ目の目標は、より多くの国にプロトコルを批准してもらうことです。消費者サイドは、ときにいちばん安価な商品を求める傾向にあります。とくに、タバコの価格の高い国では顕著です。不法取引に対する法の厳格な施行は、現行法を尊重する意味でも、喫煙者を減らすというそもそもの目標を達成する意味でも重要です。昨年のテーマは『タバコの税』でした。課税率をあげれば喫煙者が減るという明確なエビデンスもあり、こちらも消費者にアピールする重要な手立てとなりました」――最後に、マイナビニュースの読者にメッセージをお願いします。ロス氏: 「究極のメッセージは『吸わないこと』です。健康への害は計り知れません。癌にはじまり、乳幼児を含め大切な家族に及ぼす受動喫煙の影響まで、喫煙が健康に与える害のエビデンスには目を見張るものがあります。中毒になりやすい若年層も、長いあいだ業界のターゲットとされてきました。若者を喫煙という悪習慣から守ることができれば、後年中毒になるリスクは大幅に縮小します。もしすでに喫煙の習慣があるなら、『止めること』です。医療・保健機関のプロに禁煙方法を相談してください。あなたの命にかかわることですから。安全な喫煙場所などありえません。日本ではときどき、別の部屋で吸えば大丈夫というような認識があるようですが、煙は必ず室内を循環します。まわりの人も巻き添えになります。本当に、その害は強調してもしきれないほどです。日本において、公共の場での喫煙についての法制度が整っている県は現在、兵庫と神奈川の2県だけです。日本でスモーク・フリー環境を実現するためには、法律が改善されなければなりません」――ありがとうございました。世界的に見ると、喫煙による害で毎年600万人が命を落としている。その10%以上が非喫煙者だ。6秒ごとに約1名がタバコの害で亡くなっており、これは成人の死亡件数の約1割にあたる。私たちが今、行動を起こさなければ、2030年までにその数は800万人になるといわれている。「世界禁煙デー」をきっかけに、喫煙行動について考えてみてはいかがだろうか。○お話を聞いたアレック・ロス所長のプロフィールWHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)所長。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校で学んだ公衆衛生政策、殊に保健制度の専門家。これまで、WHO本部(ジュネーヴ)にてパートナーシップ部長、感染症担当事務局長補付部長、エイズ・結核・マラリア担当事務局長補付首席補佐官などの管理職を歴任。この間WHOパートナーシップ政策を構築し、国際保健の取り組み、国連機関、NGO、民間部門との関係をはぐくむ。また、国際連帯税(たばこ税)などの革新的な保健融資制度にも取り組み、エイズ・結核・マラリア対策グローバル基金や国際医療品購入ファシリティー(UNITAID:ユニットエイド)の創設にも尽力する。WHO勤務に先立ち、英国国際開発省にて国内外担当上級保健顧問(2001~2003年)、米国国際開発庁、米国保健社会福祉省、米国下院議会など数々の米国政府機関で上級職員として勤務(1987~2001年)。(取材・文 = モーゲンスタン陽子)
2015年05月25日●マイナビニュースの営業マンの卒煙体験ゴフォ、ゴフォ、グォォゥフォォォォ!!ここ最近、編集部のデスクに座っていると、えげつない咳の声が響いてくることがある。発生源は隣接する営業部に所属するA山だ。風邪を引いたのかと思いきや、それにしては、あまりにも咳込んでいる期間が長い。「どこか体を悪くしたんじゃないの?」と声をかけてみると、「ここんとこ、タバコを吸うと咳がひどくなっちゃうんだよね」とあっけらかんと返してくる。幸いにも直近の健康診断では大きな注意点はなかったようだが、大病を患う前にタバコをやめた方がいいのは明白。ただ、禁煙の意志について聞いてみると、「やめた方がいいとは思うんだけどねぇ」と煮え切らない態度。マイナビニュースでは禁煙をテーマにした記事を継続して特集している。優柔不断なA山にすっぱりタバコを絶たせるのも、編集部としての使命。「意志が弱いから無理だよ」と否定にかかるA山を尻目に、編集部では「禁煙外来」の専門家に相談することにした。○禁煙外来のコストは1日230円程度。タバコひと箱よりも安い!簡単に言えば、禁煙外来とはニコチン依存症を治療するのを目的とする専門外来だ。医師による問診や簡単な検査を経て、その人のライフスタイルに合った禁煙補助薬を提供していくというのが大まかな治療の流れ。かつては保険外診療だったが、近年は一定の条件が課せられるものの、保険適用となっているとあって、受診して禁煙を開始する喫煙者が増えつつあるという。「禁煙外来を活用すると、禁煙の成功率は7割に上がります。単に我慢をするだけでは1~2割しか成功しないと言われている中、これだけの効果が発揮できるのは、やはり補助薬の効果が高いということでしょう」と話すのは、今回お話を伺った東京・人形町にある中央内科クリニックの村松弘康院長。呼吸器内科とアレルギー科の専門医として長きにわたって活躍してきた村松院長は、タバコが原因で重い病気にかかってしまう人の姿を見て、なんとかしなくてはならないと早期に禁煙外来に取り組んできた一人である。禁煙外来での治療は、約3カ月間のプログラムで、全5回受診する。この間、用いる禁煙補助薬により薬の使用期間は異なるが、全体の治療費が気になるところだ。「保険診療の認可を受けた施設では、3割負担の方ならば、診察と薬代を含めて最大2万円程度ですよ。1日につき220円から230円。1箱400円のタバコを毎日20本ずつ吸うのであれば、経済性も圧倒的に高いんです」と村松院長は解説を続ける。思いのほか治療費がかからないという話を聞いて、A山も心が動かされた様子だ。○“200”の壁が、禁煙治療を受けるための条件現状ではすべての喫煙者が保険適用診療を受けられるわけではないという。「1日で吸う本数×喫煙年数の値が“200”以上」が第一の条件。さらに「医師によるニコチン依存症の問診において10の設問のうち5つが“Yes”となること」「文書で患者の同意を得ること」も条件に含まれる。また、「初めての禁煙外来の利用であること、もしくは前回から1年以上の時間が経っていること」なども忘れてはならない。保険適用の場合は1年に1回しか利用できないのである(*)。(*)自由診療(保険外診療)という形にすれば1年に何度も受けることが可能。その場合は基本的に10割負担となりますが、費用は各病院で異なります。この条件の中でハードなのは“200”という数値の達成だろう。1日20本なら喫煙歴10年、40本なら5年という計算だ。この数値は厚生労働省が定めたガイドラインに沿っているが、ちょっとハードルが高い印象だ。喫煙歴が短い若年者でも保険診療にて禁煙治療が受けられるよう、厚生労働省にはこのハードルの見直しをする努力を今後期待したい 。A山の場合、1日25本を10年間続けてきたから値は250と条件をクリア。これまで禁煙外来の利用もない。めでたくなのか、残念ながら、なのかはわからないが、とにかく治療を受けられる運びとなった。「A山さん頑張りましょうね」と村松院長の優しい掛け声で治療はスタート。あらかじめ記入した中央内科クリニック独自の問診票を元に、村松院長はA山に質問をかけていく。喫煙歴、喫煙しやすい環境か否か。家族に喫煙者はいるのか、働く場の喫煙スペースの有無は? ――こうした質問を通して、本人の禁煙に対する本気度を浮き彫りにしていくのが一つの狙いだという。禁煙補助薬の効果は大きくとも、タバコを止めたい気持ちがなければ、治療がうまくいかないのだ。●喫煙習慣による悪影響とは?○喫煙習慣は4大疾患のすべてのリスクを高めてしまう問診が終わると、具体的な治療方法を提示していくのかと思いきや、村松院長はタバコの害悪について詳しく解説していく。「タバコの煙の中には70種類以上の発がん性物質が含まれていると言われています。細かく分析すればヒ素やダイオキシンなども検出されるんですよ。たばこが原因の疾患でもっとも多いのが喉のがん。続いて肺がんや食道がんとなります。血液経由で発がん物質が全身に行き渡りますので、あらゆるがんになる可能性が高まっていきます。他にも心筋梗塞や脳梗塞などを含めた日本人の4大死因すべてのリスクが高まるほか、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や認知症などにもなりやすくなります」病の前兆は、喫煙者の体には既に表れているかもしれない。わかりやすいのは脳貧血だ。タバコを吸った人なら経験があるだろうが、数時間ぶりにタバコを吸った際、深く吸い込むと頭がクラっと来るはずだ。それこそが脳貧血と呼ばれる状態であり、そのまま血流に大きな障害が発生すれば、脳梗塞を起こしてしまうことにもなりかねないのだという。○朝一番のタバコは、ニコチンへの依存度が高まっているサイン。村松院長は取材用にこうした説明を行ったわけではない。いつも禁煙外来に訪れた患者の前で解説している。喫煙者なら情報内容の程度の差はあれ、どこかで耳にしたことがある話ではある。しかし、専門家である医師に、体系立てられながら目の前で解説されると、話のリアリティが全く異なってくる。村松院長は続けて話す。「タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激して、人を覚醒させる機能があります。喫煙者はその状態で体のバランスを取ってしまっているのですが、これは麻薬依存になっている人たちと変わらない状態といっても過言ではありません。朝、起きてからすぐに一服するという人などは最たる例。睡眠中にニコチンを摂取しなかったので、不足したニコチンをいち早く摂取して体のバランスを取ろうとしているのです」最初は軽い気分だったA山の表情から笑顔が消えていく。医師の生の声の効果は絶大なのである。○喫煙者の吐く息には、一酸化炭素が多く含まれる。説明が終わると呼気に含まれる一酸化炭素(CO)濃度の測定に入る。COは大量に体に取り入れると短時間で死に至る有毒なガスだが、喫煙習慣のある人間は、呼気から日常的にCOを排出しているという。ノンスモーカーは7ppm以下、ライトスモーカーは8~14ppm、ミドルスモーカは15~24ppm、ヘビースモーカーは25~34ppm以下、それ以上のCOが含まれると超ヘビースモーカーに位置付けられる。A山の数値は12ppm。実は意外に少ない。「タバコを吸った時間からどれだけ経ったか、あるいは日常的にどれだけ深く吸い込んでいるかによって数値は変わります。いずれにしても、12ppmなら常習的に喫煙している数値ですね」試しに大昔は喫煙者だったが、現在はノンスモーカーの村松院長にCO濃度を測ってもらうと0ppmという結果になった。禁煙をすれば如実に変化が表れるのである。その後はニコチン依存症診断テストに入る。“Yes”の項目が規定数以上に達していることを確認したのを受け、村松院長は禁煙補助薬の使用を勧めた。「治療を開始する前に、指定した日から禁煙をするという決意を表す『禁煙宣言書』にサインしてください。部屋に飾っていてもいいですよ。もちろん吸ってしまっても“針千本”飲まされるわけではないので安心してください!」先生の愛のむちを受け、A山は恐る恐るサインをしていく。○卒煙することを余り強く思いつめる必要はない最後に禁煙補助薬を処方してもらうが、その種類は大きく二つにわけられる。一つは「ニコチンパッチ」と呼ばれるニコチンが含まれるシールだ。体に貼るシールを通して微量のニコチン摂取していくことで、ニコチンが不必要な状態にしていくというのがその狙いだ。もう一つはニコチンの類似物質を使った飲み薬である。飲み続けると体がニコチンを欲することがなくなると同時に、タバコをまずく感じさせる力があるという。「どちらも一長一短があり、パッチの場合はかぶれ等の症状が出る場合もありますし、飲み薬は吐き気を伴ってしまうケースがよくあります。合わなければ薬を変えるなり、胃薬も処方するなど、いくらでも手がありますので、次に来院されるときにおっしゃってください」基本的には5回の診療がセットだから、定期的に医師のもとに訪れて禁煙に関するアドバイスを受ければ、途中で諦めてしまいそうな心も支えてくれる。ただ、A山はこの段階でもまだ自信がなさそうではあった。果たして自分でできるのだろうか……と不安な表情を浮かべるA山に、村松院長は「余り思いつめず、気楽に考えたほうが良いですよ」と助け舟を出してくれた。○人に迷惑をかけて喫煙しているのは忘れずに。ただし、村松院長は「あなたがタバコを吸うことで周囲のみなさんにも迷惑をかけている。そのことは覚えておいてください。よく言われていますが、受動喫煙の害は本当に大きいんです」とも続け、受動喫煙の影響を示すビデオを見せてくれた。単に横に座っているだけの非喫煙者が、意図しないうちに喫煙者に勝るとも劣らない量を吸い込んでしまう。その様子を見たことで、A山も決意を新たにする。「好きで吸っているんだからいいだろ、と思っていたけど、自分のためにはもちろん、周りの人のためにもやめた方がいいことがよくわかったよ。これから3か月間、頑張ってみる!」禁煙を決意したA山の表情は晴れやかだった。村松院長との二人三脚で頑張って欲しい。
2015年03月04日医療社団法人スリープクリニックはこのほど、子ども睡眠外来「キッズすいみんクリニック」を「スリープクリニック銀座」(東京都・銀座)内に開設した。同クリニックは、内科・耳鼻咽喉科・心療内科・精神科・小児科の総合的な子ども睡眠外来として日本で初めての開設となる。子どものいびき、無呼吸、不登校、アトピーなどの睡眠障害は、以前から問題視されていながらも専門の医療施設はなく、症状を放置している現状があったという。また、最近は生活習慣の変化などにより、子どもの睡眠に関する悩みを持つ母親も急増しているとのこと。「睡眠障害は子どもにも十分に起こりうる病気で、大人のものとは病気の程度も種類も違います」と同クリニック。また、症状や治療法が特殊なため、経験と技術を持った医師やスタッフ、医療施設が必要となるという。同クリニックは、このような状況に応えるべく、開設に至った。同クリニック院長で睡眠専門医の遠藤拓郎氏は、「毎日多くのことを学び、吸収しているお子さまにとって、良質な睡眠は欠かせません。睡眠中には、成長ホルモンが盛んに分泌し、記憶の整理なども行われています。この時期の睡眠が、お子さまの将来に大きな影響を与えるのは間違いありません。私は医師として、クリニックを通してお子さまたちの健やかな成長を応援したいと考えています」とコメントしている。なお来春には、子どもが自由に遊び、学べるオープンスペースとして「キッズステーション」を同ビル7階に開設する。
2015年02月07日子どものためにも、そしてパパの健康のためにも、子どもができたら早い段階で禁煙するのが望ましいですよね。タバコを吸わない人にとって、タバコの匂いや煙は不快でしかありませんし、副流煙による悪影響は思っている以上に大きいものがあります。タバコを吸っているパパを説得して、この機会に家庭で禁煙活動を開始してみてはいかがでしょうか。今回は、パパの禁煙に対するモチベーションを高める秘訣とサポートの仕方についてピックアップしてみました。■夫の禁煙のために妻ができること(1)禁煙のつらさを理解する禁煙するということは、本人にとって大きな決心。過去に喫煙していたことのあるママならわかるのではないでしょうか。ニコチン中毒から抜け出すのは簡単なことではありません。ママも「禁煙に成功して当たり前」という考え方は捨て、パパの心に寄り添った言動を心がけましょう。口寂しいと、どうしてもタバコを吸いたくなってしまうので、ガムやアメを食べさせたり熱いお茶を飲ませたり、家にいるなら歯磨きをしたりして、気を紛らわせることに専念させてあげてください。■夫の禁煙のために妻ができること(2)ご褒美を用意するいきなり「今日から1本もタバコを吸わない」という目標を立てても、ほとんどが失敗に終わってしまい、タバコに対する執着心をよりかき立てることになってしまいます。まずは1日に吸う本数を減らすことから始めて、小さな目標をコツコツとクリアしていくことが大切です。設定した目標をクリアしたら、ママからパパにご褒美をプレゼントするのもいいですね。パパの好きなものをご馳走したり、お小遣いをプレゼントしたりして、禁煙に対する意識を高められる環境をつくっていきましょう。■夫の禁煙のために妻ができること(3)タバコを意識させない環境をつくるこれまでテーブルに置いていた灰皿やライターなどはすべて片付け、タバコをイメージさせない環境づくりにも徹しておきましょう。どうしても禁煙中はタバコを意識してしまうもの。少しでもタバコを吸いたいと思わせないような空間をつくることが、禁煙への近道となるはずです。■夫の禁煙のために妻ができること(4)できる限りリフレッシュさせる人は暇な時、口寂しい時、イライラした時などにタバコを吸いたいと思う傾向があります。つまり、こういう状態にさせないことが、禁煙を成功させる秘訣。体を動かしてリフレッシュさせたり、リラックスした空間を演出したりすることで、タバコを吸いたい気持ちを緩和させてあげましょう。ママの努力とサポートによって、パパの禁煙を成功へと導けるはずです。縁の下の力持ちとしてパパの禁煙を達成し、健康な体づくりに貢献しましょう!
2015年02月04日医療法人社団スリープクリニックはこのほど、日本で初めて内科・耳鼻咽喉科・心療内科・精神科・小児科の総合的な子ども睡眠外来「キッズすいみんクリニック」を、「スリープクリニック銀座」内に開設した。スリープクリニック調布の院長である睡眠専門医・遠藤拓郎(通称:えんたく先生)は、これまでに1万2,000名以上の不眠やいびきなどに悩む患者の診療を行ってきた。子供の睡眠障害は以前から問題視されているが、専門の医療施設はなく、症状を放置しているという現状がある。子供の睡眠障害は、大人のものとは病気の程度も種類も違うという。症状や治療法も特殊なため、経験と技術を持った医師、スタッフ、医療施設が必要となる。このような状況に応えるため、同院は子供のための専門機関として「キッズすいみんクリニック」を開設した。院長・遠藤拓郎をはじめとする医師が、小児の睡眠障害の治療にあたる。院長の遠藤拓郎医師は、子供のころは重症な睡眠時無呼吸症候群で、手術により症状が改善したという。「子供にとって、良質な睡眠は欠かせません。睡眠中には、成長ホルモンが盛んに分泌し、記憶の整理なども行われています。私は医師として、この『キッズすいみんクリニック』を通して、子供たちの健やかな成長を応援したいと考えています」とコメントしている。来春には、同ビル7Fに子供の健やかな睡眠を応援するため「キッズステーション」も開設する。同施設は自由に楽しく遊び、学べるオープンスペース。睡眠に関する知見を持ったスタッフが常駐し、夜泣きや不登校の対応をはじめ、子供の睡眠に悩みをかかえた人々のサポートを行う。
2015年02月03日鳥貴族は12月18日、東京都豊島区に、同チェーン初の全席禁煙店舗「池袋グリーン大通り店」をオープンした。○宴会でもたばこの煙なし!同店は、280円均一の焼鳥店として展開する同チェーン店の全席禁煙店舗。これまで同チェーンは喫煙可の店舗を営業してきたが、健康志向の高まりに合わせ、料理をより楽しんでもらうべく出店したという。場所は東京都豊島区南池袋1-26-2近代グループBLD3、4階。営業時間は17時~翌朝5時。席数はカウンター10席、テーブル108席。
2014年12月22日エムティーアイはこのほど、同社が運営するスマートフォン向け健康Q&Aサイト「カラダメディカ」(月額・税込324円)のメニューに、睡眠専門外来医師による「睡眠相談」を追加した。同サイトは、電話やメールで24時間365日、ユーザーの質問や疑問に現役医師や看護師、薬剤師などが回答するというもの。今回、睡眠相談を追加した背景には、睡眠への社会的関心の高まりがあるという。厚生労働省が3月に「健康づくりのための睡眠指針2014」を11年ぶりに改定し、新たな指針を発表したことを受けて、「睡眠は健康を考える上でも大切な要素となっている」と同社。また、睡眠に悩む人は、生活習慣病やうつ病のリスクが高まるといった不眠と健康との因果関係も明らかになってきているという。一方で、睡眠は自分でコントロールしにくいため改善が難しく、最近では専門外来を訪れる人も多い傾向に。同サイトでも、睡眠に関する相談が多数寄せられてきていたという睡眠相談では、都内に睡眠専門外来を展開する「スリープクリニック」の遠藤拓郎院長をはじめとする、専門外来の医師がメールでの相談に回答する。睡眠についての素朴な疑問から専門的な質問まで、24時間以内に回答をもらうことができるという。平均回答時間は13分で、メールでの質問は1人につき1カ月3つまで相談可能とのこと(2014年1月~10月の実績)。
2014年12月02日ノバルティス ファーマ株式会社は、9月1日に禁煙補助薬"ニコチネル"の新フレーバーとして、女性や若い世代に人気があるマンゴー風味の「ニコチネル マンゴー」と、従来品より刺激が少なく甘みが強い「ニコチネル スペアミント」を、全国の薬局・薬店で販売を開始する。(いずれも指定第2類医薬品)禁煙に有効な手段のひとつが"ニコチン置換療法"。禁煙を始めた時に現れる、イライラ、落ち着かない、集中困難などのニコチン離脱症状に対し、タバコに代わり、ニコチンのみを体内に吸収させることで、その不快な症状を軽減させる。そしてその摂取するニコチンの量を段階的に減らすことで禁煙に導くという方法。意志だけの力を頼りにするよりも、禁煙成功率が2倍高まると言われている(※1)。両商品は、このニコチン置換療法を実践し、スムーズに禁煙成功へと導いてくれるガム製剤。ガム1個に2mgのニコチンを含有。ガムをかむことでそれを放出して口腔粘膜から吸収させる。これにより、ニコチン離脱症状を緩和し、突然の吸いたい気持ちを抑制することができる。禁煙中に吸いたくなったらガムをかみ、少しずつその使用量を減らしていき、約3カ月で無理なく禁煙できるという。新フレーバーの「ニコチネル マンゴー」は、「ミント以外のフレーバーがほしい」という消費者のニーズに応える形で商品化されたもの。女性や若い世代に人気のマンゴー風味を禁煙補助薬として初めて採用した。一方の「ニコチネル スペアミント」は、従来の「ニコチネル ミント」よりも刺激が少なく、甘みが強いのが特徴。3種類のフレーバーがそろったことで、「味が選べないので飽きて長続きしない」という消費者の声にも対応できるようになったという。※1 喫煙と健康(喫煙と健康問題に関する検討会報告書)保健同人社2002:322-323
2014年08月28日西日本や九州でセアカゴケグモによる被害が増加している。オーストラリア原産の毒グモで、体長1センチほどながら、かまれて死んだ人もいるというから恐ろしい。もしも外来生物が攻めてきたらどうなるか?在来種を根絶し、生態系を狂わせ、毒や病気をまき散らし、恐怖に満ちた生活を強いられることになるだろう。■触ると危険な食用生物外来生物とは、もともと日本に存在しない動植物を指し、わかっているだけでも2,000種を超えるといわれている。そのうち、日本の生態系、ひとの生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの(可能性を含む)を特定外来生物と呼ぶ。2004年に公布された外来生物法によって飼育や輸入が規制され、生きている状態であれば、卵、種子、器官も該当する。特殊な動植物に思えるかもしれないが、アライグマ、ハリネズミ、ウシガエル、ボタンウキクサなど聞き覚えのある名前も多い。また、被害に関する情報不足や、生態系への影響が不明確なため指定されていないが、特定外来生物の候補となっている要注意外来生物もあり、ミドリガメやフェレット、グッピーなどが名を連ねている。対して、甚大な被害や影響をおよぼす動植物は侵略的外来種と区分され、日本/世界ともにワースト100リストが存在する。日本のワーストリストにはヤギ、ドバト、ニジマス、ハルジオン、ヒメジョオンなど身近な動植物も含まれているから驚きだ。中でも強烈な生物を紹介しよう。まずはアフリカマイマイだ。東アフリカ原産で、成長すると殻の高さが20センチほどになる世界最大級のカタツムリは、落ち葉や生葉、動物の死骸(しがい)や菌類もエサにする雑食性で、農作物を手当たり次第に食べつくす。乾燥すると半年以上も仮眠で過ごすことができ、気温20℃以上なら10日周期で100~1,000個もの卵を産む。現在は輸入が禁止されているので要注意外来生物にすぎないが、餌食となった在来種は少なくない。これだけでもやっかいな害虫なのだが、広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)という寄生虫を媒介するから迷惑だ。感染すると幼虫が脳や脊髄(せきずい)に侵入し、好酸球性髄膜脳炎(こうさんきゅうせいずいまくのうえん)を引き起こすのだ。2週間ほどの潜伏期の後に、激しい頭痛、麻痺(まひ)、けいれん、こん睡の症状があらわれ死亡することもある。触れるだけでなく、はった跡からも感染する。アフリカマイマイがはった野菜を食べて感染することもあるので油断できない。アフリカマイマイが日本にきたのは1930年ごろで、目的はなんと食用。きちんと熱処理すれば問題なく、本場フランスでもエスカルゴの代用品として食されているのだが、この話を思い出すと食欲が失せそうだ。世間を騒がせているアカゴケグモは、α-ラトロトキシンという神経毒で運動神経系と自律神経系を侵す。咬(か)まれた直後はほとんど痛みを感じないが、1時間ほどたつとうずくような痛みが始まる。数時間後には全身に広がり、頭痛、おう吐、呼吸困難などの症状があらわれる。数日で軽減するが、ひとによっては数週間続き、進行性の筋肉まひに発展する場合もあるから楽観視できない。16歳以下の子供や持病のある高齢者には死亡例があるので、病院で血清を打ってもらうのが無難だ。■見えない攻撃日本の侵略的外来種ワースト100には27種もの植物が挙げられ、中でも極悪なのはオオブタクサだ。北アメリカ原産のオオブタクサはキク科ブタクサ属の一年草で、北海道から九州まで広く分布し高さ3mにも成長する。8~10月に花をつけ大量の花粉を産生するのだが、これが風でまき散らされブタクサ花粉症の原因となるのだ。第二次世界大戦後に、アメリカから持ち込まれた物資に付着していたのが始まりと言われ、現在はすっかりと日本に帰化したオオブタクサは、スギ、イネに次ぐ3大花粉症の原因となる。直径6mmの大きな種子が風で運ばれ、広範囲に分布し続けるから根絶は難しい。ひとの生活を脅かすオオブタクサは、植物ながらも侵略の名にふさわしい攻撃力を持っている。■まとめマングースはハブ駆除のために持ち込まれたが、役目を果たさないどころか絶滅危惧(きぐ)種のヤンバルクイナの脅威となり、いまや駆除対象となっている。長い年月をかけてその地に宿った生態系は、自然の奇跡と呼ぶべきだ。安易な操作を続ければ、やがて人間が駆除される日が来るに違いない。(関口寿/ガリレオワークス)
2012年12月16日医師コミュニティーサイト「MedPeer」を運営するメドピアは、「外来受診時の体重測定」に関する調査を実施。調査期間は7月25日~7月31日、2,818件の回答を得た。「外来受診時に体重測定を実施しますか?」という質問では、54%の医師が「必要時に体重測定を実施」と回答。特に体重測定が必要な疾患として、うつ病、心不全、メタボ、肝硬変、糖尿病、腎不全などがあげられた。小児科や妊婦の定期検診、抗がん剤治療時なども体重測定が実施されている。「体重測定は、ほぼ実施していない」と答えた医師は20%。「自己申告を記載する程度」、「洋服を着て体重測定しても正確性に欠ける」といったコメントがみられた。特に、呼吸器内科、泌尿器科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、神経内科などは、体重測定を必要としないことが多い結果となっている。一方、「ルーティンとして、ほぼ毎回体重測定を実施」と答えた医師は15%にのぼり、小児科、産婦人科、腎臓内科、循環器内科、精神科からの回答が目立った。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月20日河本メンタルクリニック(東京都墨田区)では2009年12月、”婚活”を行っている過程で不調になった人のための「婚活疲労外来」を立ち上げた。この”婚活疲労”について同クリニック顧問の小野博行医師に話を聞いた。小野医師は河本メンタルクリニックで治療にあたるほか、院長を務めるおのクリニック(東京都東村山市)でインターネット電話サービスを活用した「婚活疲労スカイプ・カウンセリング」も行っている。「私自身は婚活というものについてよく知らなかったのですが、もともと鬱(うつ)の患者さんの中に婚活をしている方がいて、うまくいったかいかなかったかでそのときの病状に影響が出ていたんです」と小野医師。「ネットでも調べてみたところ、婚活をしているという人のブログの中には、こちらから見たら鬱(うつ)に足を踏み入れているような人も見受けられた。これはきびしいものなのだなと感じました」と振り返る。そこで婚活特有の精神疾患に対応するために、専門外来を立ち上げることになったという。婚活疲労外来を受診する人には当初男性が多かったそうだが、現在は男女半々くらいになった。年齢は30代~40代くらいが多いという。症状はうつ病、不安障害。「結婚相談所でマッチングされた相手からのメールが減った」などささいなことで疑心暗鬼になってしまう人もいるという。小野医師は、「婚活は、ほかにはないような特殊な場面。一回断られるだけでも大きなダメージを受けることになる」と語る。婚活においては、年齢、学歴、年収、性格、マナー、エスコートの仕方、家族、住むところなどあらゆるところから評価される。しかも、婚活ではどうして相手から断られたかがわからない。理由を伝えないのは相手のことを思ってのことなのだが、それが分からないだけに、あらゆる点、全人格を否定されたような気持ちになってしまうのだという。婚活疲労で不調におちいってしまうのは、きまじめな人や余裕がない人に多いそうだ。小野医師は「思い込みが激しい人にも多い。例えば、何歳までに結婚しなくては、と自分で年齢に制限を設けてしまうようなことです」と話した。「婚活は、疲労するにはする」と小野医師。「ただそれが疲労だけなのか病気なのかが、その人への道案内のポイントになる。ものごとをマイナス方向に考えがち、というと鬱(うつ)の可能性がある。不安障害だと頭痛や胸の痛み、過敏性腸症候群など体に出る場合も多い」と話す。こうした不調におちいらないためのアドバイスとしては、「婚活仲間をつくる」があるという。婚活をしていることを人に知られたくない、友人や親にも言っていない、という人も多いそうだが、「自分だけの考えの中に入り込んでしまわないように、人に相談することが大切」と小野医師。さらに「断られたときの大きなダメージは、体験していない人にはなかなかわからないもの。相談相手にするのは婚活を体験したことのある人のほうがよいと思います」と述べた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月19日医師コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、4月18日~24日にかけて会員医師に対し「医師の喫煙と禁煙指導」についてのポスティング調査を実施した(科目限定)。1,597件の有効サンプルが寄せられた。今回の調査では、回答者の医師全体の約78%が非喫煙者で、喫煙者は全体の約21%。「患者に禁煙指導をしているかどうか」についての質問では、医師が非喫煙者の場合「禁煙指導を行っている」が一番多い割合で48%。理由については、喫煙指導を積極的に行っているというコメントよりも「患者さんの個性もあるのでケースバイケース」「禁煙を決意したら外来で相談にのれると伝えている」というものが多かった。続いて多い意見は医師が非喫煙者の場合「患者へ禁煙指導は行っていない」が30%。「しっかり説明してもほとんどの人はやめない」「喫煙は個人の嗜好の問題」といった意見が目立つ。一方、医師が喫煙者の場合「患者へ禁煙指導を行っている」は14%。「強くは言えないが、推奨はする」「禁煙外来で禁煙指導している」というコメントのほか、産婦人科医が「妊婦は絶対に喫煙をしてはいけないので指導している」、循環器内科医が「循環器的疾患がある人や悪性腫瘍がある人には特にすすめる」など、診療している科目ならではの理由も寄せられた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月12日