カスペルスキーは8月24日、テスラモーターズの電気自動車「モデルS」の乗っ取りに関する記事を同社のブログ「Kaspersky Daily」で解説した。モバイルセキュリティ企業Lookoutの共同創立者で最高技術責任者(CTO)のケビン・マハフィ(Kevin Mahaffey)氏と、同氏のパートナーでCloudFlareの主席セキュリティリサーチャー、マーク・ロジャース(Marc Rogers)氏が、モデルSのシステムに6件の脆弱性を発見。テスラと共に数週間かけて修正プログラムを作成し、パッチを公開した。この6件の脆弱性は、車内にPCを持ちこんで車載Ethernetネットワークに直接つなぎ、PCからソフトウェアコマンドを送ることで、攻撃者がエンジンをかけられるようになっていた。システムにトロイの木馬を感染させることも可能で、その場合は、運転中であっても遠隔操作でエンジンを止められる。さらにリサーチャーたちは、エンターテインメントシステムを完全に掌握、窓の開閉、ドアの施錠と開錠、サスペンションの上げ下げ、自動車の電源オフにも成功した。しかし、テスラ車に搭載されているシステムでは、走行中に電源が切れるとハンドブレーキが作動、時速8km未満の場合は車はよろよろと走行しながら徐々に停止する。また、それより速度が出ている場合は予防策が発動する。高速走行中でのテストでは、ドライバーはステアリングとブレーキを制御しながらギアをニュートラルに切り替え、路肩に寄せて止めることができ、エアバッグも機能した。似たような状況にあるクライスラーのケースでは、1400万台の車両をリコールして緊急セキュリティパッチを適用せざるを得なかったが、テスラモーターズは無線経由のパッチ配信で切り抜けることができた。マハフィ氏は、「パッチを効率よく提供できるプロセスがあれば、多くの問題を解決できる。最近の自動車はPC並みかPCよりも頻繁にパッチを適用する必要があるが、毎週、毎月、ディーラーに車を持っていくのは困難だ。インターネットに接続されている車両には、OTA(無線ネットワーク経由)の仕組みが必要」とコメントしている。
2015年08月25日光岡自動車は、富山県の伝統工芸品「井波彫刻」とコラボレーションし、インテリアに井波彫刻を施したコンセプトカー「ビュート トヤマ(Viewt TOYAMA)」を、8月22日・23日に開催される『第41回井波彫刻まつり』で発表・展示する。ビュート トヤマは、地元富山の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい、という思いから、富山の伝統工芸品である井波彫刻や越中和紙と共演したコンセプトカー。コンパクトセダン「ビュート」のインテリアに、富山県の伝統工芸品をあしらった究極の"Made in TOYAMA"となっている。オプション装着された「クラシックインパネ」のウッドタイプパネル部分には、富山湾越しに見る3,000m級の立山連峰の雄大な景色で有名な雨晴海岸の絶景などを、井波彫刻の「欄間」の技法で制作した木製パネルを装着。同じく富山の伝統工芸品である「越中和紙」を使用した木製の一輪の花やパーセルボードが華を添え、富山県の魅力を全国に向けて発信する。同社は今後、富山のみならず北陸、ひいては日本の魅力を世界中に発信し、皆が元気になれるような「地域の産業が持つ魅力を再発見出来るコラボレーションカー」を企画していきたいとのこと。ビュート トヤマが発表・展示される『第41回井波彫刻まつり』は、富山県南砺市の井波彫刻総合会館にて、8月22日・23日に開催。車両展示に関しては、8月30日まで行われる。ビュート トヤマの発売については検討中。
2015年08月21日日産自動車は19日、島根県松江市が管理する松江城天守の国宝指定を記念して、電気自動車(EV)「e-NV200」を松江市に寄贈したと発表した。松江市役所にて同日行われた寄贈式では、同社副社長の片桐隆夫氏と島根日産自動車及び日産サティオ島根社長の櫻井誠己氏より、松江市の松浦正敬市長に記念キーが手渡された。今回寄贈するe-NV200は、走行時のCO2排出量がゼロという特性が、水と緑の豊かな自然と歴史的な文化遺産や伝統に恵まれた国際文化観光都市である松江市に適したモデル。松江市には、今後同車を松江城天守国宝指定のPRイベントや同市の環境保全活動イベントなど、環境にやさしい街づくりの取り組みに役立ててもらう。なお、松江市は次世代自動車充電インフラ整備促進事業として、EVの導入を促進するため、急速充電器の設置も進めている。e-NV200は、多目的商用バン「NV200バネット」をベースに、e-パワートレインを組み合わせることで、「NV200」の室内の広さや多用途性と、EVならではの滑らかな加速と静粛性を兼ね備えたモデル。また、最大1,500Wの電力を供給するパワープラグによって屋外での電源供給が可能となり、走る蓄電池として、さまざまなビジネスシーンに役立てることができる。5人乗り/7人乗りのワゴンタイプの設定により、乗用ユースとしても使用可能となっている。
2015年08月19日「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに掲げる「プレーパーク」という遊び場を、ご存知ですか? 「冒険遊び場」とも呼ばれ、禁止や制約を書いた看板のない、子どもがさまざまなことに挑戦し、冒険できる遊び場のことです。子どもたちが自由に生き生きと遊べる場所を東京都世田谷区にある羽根木公園の一角に、全国で初めての常設の冒険遊び場、「羽根木プレーパーク」ができたのは1979年。「子どもたちが自由に生き生きと遊べる場所がほしい」と願うお父さんやお母さんたちが、世田谷区に働きかけて始まりました。住民たちが運営するこの遊び場は、今では0歳から中高生までの子どもたちを中心に、年間およそ12万人が訪れる人気スポットです。誰でも遊ぶことができますが、ここにはカラフルなアスレチックや砂場はありません。緩やかな斜面に大きな木々が木陰をつくり、むき出しの土の地面は穴ぼこだらけ。廃材で作られたような木製の滑り台やロープ製のぶらんこ、手作りのウォータースライダー、ぱっと見ただけでは遊び方のわからない木造建築物がぽこぽこと立っています。かまどを作って火をおこして煮炊きをしたり、とんかちやのこぎりで木工に挑戦したり、木登りだって禁止されていません。取り除くのは子どもが予測できない危険だけ一見すると子どもには危険だらけ、と思われるかもしれません。プレーパークでは、子どもがやりたいことに挑戦できる環境を守るために、危険をすべて取り除くのではなく、「子どもが予測できない危険だけを取り除こう」という考え方をしています。手作りの遊具の劣化や整備不良、釘やガラスの破片などの危険は子どもが予測できないものとして、できるだけ取り除かれますが、地面の凹凸は子どもが自分で予測できる危険なので、整地はしません。木製の遊具は、小さな子が簡単に高い所まで登れないように、あえて段差を大きくするなどして、安全策をとっています。ここで遊ぶと、たしかに小さなケガは日常茶飯事。ですが、凸凹の地面で遊ぶ中で鍛えられる身体感覚は計り知れず、小さなケガの積み重ねが大きなケガを回避する力へとつながります。木登りや火遊びについても同様です。そういう遊びの中でしか得られない宝物はたくさんあります。それに、多少の危険があるからこそ、冒険心や挑戦心が沸いてくるのではないでしょうか。世間ではケガの責任を遊具の設置者に求める人が増え、公園の禁止事項がどんどん増えた結果、多くの場所が子どもにとって魅力のない遊び場へと変わり続けています。禁止事項を増やして子どもたちが挑戦する自由を奪いたくない、「自分の責任で自由に遊ぶ」というモットーにはそんな想いがこめられています。遊具は土、水、火、木・・・自然にあるものプレーパークにある遊具は、土、水、火、木、竹、葉っぱや花など自然にあるものと、工具やスコップなどです。置いてある遊具もすべて手づくり。あえて既成の遊具を設置しないことで、子どもたちは想像力を最大限に発揮して遊びます。手づくりの遊具は、古くなったら壊してまた新しくつくることができます。「プレーパークは『現代に甦った昔の原っぱ』」と呼ぶ人がいます。「あの木は登りやすいかな?」とか、「あそこに秘密基地を作ったら楽しそう!」とか、大人も自然と子どものころの感覚に戻れる場所、それがプレーパークの醍醐味といえます。ですが、初めてプレーパークに来た子は、最初は戸惑うこともあります。ワイルドに遊ぶ子たちに圧倒され、何をしたらいいのかわからず固まってしまうこともあるでしょう。特に小さな子どもは、見るものすべてが刺激的なので、小さな蟻を眺めてばかりで動かないなんてこともあるかもしれません。そんな時もパパやママは「プレーパークに来たんだから、身体を動かして遊びなさい」なんて急かさずに、一見つまらない遊びに見えても、ここでは子どものやりたいことを見守り、一緒に面白がることを心がけてみましょう。プレーパークは、世田谷区以外にも全国で400以上もの団体が活動しています。羽根木プレーパークのように常設ではなく、月に数回、週に数回などと定期的に実施するところが多いようです。子どもの頃、自然の中でやりたいことに思いっきり挑戦して育った子は、本当に幸せです。「プレーパークに来るようになって、自分のことが好きになった!」という子どもたちがたくさんいるそうです。一度きりの子どもの時代、思い切り自由に遊ばせてあげませんか。取材協力:NPO法人プレーパークせたがや参考:日本冒険遊び場づくり協会 ※全国の遊び場の活動はこちらで探せます。
2015年08月17日連載コラム『知らないと損をする「お金と法律」の話』では、アディーレ法律事務所の法律専門家が、具体的な相談事例をもとに、「お金」が絡む法的問題について解説します。【相談内容】先日、友人から精神疾患になってしまって悩んでいるという相談を受けました。話を聞いてみたところ、会社の上司による、セクハラとパワハラが原因のようでした。毎日のように下着の色を聞かれたり、食事に誘われたり、さらに、食事を断ると、突然みんなの前で、「仕事ができない!もっとちゃんとしてくれ!」というような怒鳴り声をあげられていたとのことでした。ここまでひどい仕打ちを受けているのですから、損害賠償請求はできますよね?【プロからの回答です】損害賠償を請求できる可能性は高いです。上司の行為はセクハラ・パワハラに該当し、これによって被った精神的苦痛を補う趣旨で慰謝料が認められることになります。会社を退職せざるを得ない状況に至った場合は、退社しなければ得られたであろう給与相当額を請求できる場合もあります。○「ハラスメント」とは?ハラスメントは、直訳すると「嫌がらせ」です。セクシャルハラスメントは「性的な嫌がらせ」、パワーハラスメントは「力(優位性)による嫌がらせ」と直訳することができます。広い意味では社会一般に「ハラスメント」は存在しますが、狭義で言えば、やはり、「職場」におけるセクハラやパワハラのことを指すことが多いです。厚生労働省の定義では、職場におけるセクハラについて「労働者の意に反する性的な言動(これに対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、これにより職場環境が害されたりすること)」と表現されています。そして、事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者、学校における生徒などもセクハラの加害者になりえますし、女性同士や男性同士の間でもセクハラは成り立つとされています。「性的な内容の発言」としては、性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(噂)を流布すること、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すことなどが挙げられます。「性的な行動」としては、性的な関係を強要すること、必要なく身体へ接触すること、わいせつ図画を配布・掲示すること、強制わいせつ行為、強姦行為などが挙げられます。これ以外でも性的なニュアンスを有する言動であって、不快な思いをさせるようなものであれば、セクハラにあたることになります。パワハラに関する厚生労働省の定義は、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」とされています。これは、上司部下の関係に限らず、同僚、後輩によるパワハラも含むとされます。パワハラの具体例としては、(1)殴る・蹴るなどの身体的な攻撃、(2)侮辱的な発言や人格否定発言・暴言・脅迫等の精神的な攻撃、(3)仲間外れ・無視・隔離といった人間関係からの切り離し行為、(4)業務上明らかに不要なことや不可能なことを強制するなどの過大な要求行為、(5)合理的理由なく能力・経験とかけ離れた低レベルの仕事を命じたり仕事を与えないといった過少要求行為、(6)私的な事項に過度に介入する個の侵害行為などが典型例として挙げられています。最近は、ハラスメントの中身によって、多くの「○ハラ」という言葉が生まれてきています。セクハラ、パワハラ以外にも、言葉の暴力や精神的な虐待である「モラルハラスメント(道徳的嫌がらせ)=モラハラ」、女性の妊娠や出産にまつわる「マタニティハラスメント=マタハラ」、SNSで「いいね!」を強要するなどの「ソーシャルメディアハラスメント=ソーハラ」、身体のにおいなどに関する「スメルハラスメント=スメハラ」、年齢にまつわる偏見や差別等を行う「エイジハラスメント=エイハラ」、教育する側と学ぶ側の関係における嫌がらせ等の「アカデミックハラスメント=アカハラ」など、これ以外にも多数の「ハラスメント」が生まれているといわれています。最近では、若者がすぐに、「それってパワハラですよね」等と上司などを加害者扱いしてくるために、50代以上の管理職がなかなか叱ることもできなくてモヤモヤするという「モヤハラ」なんていう言葉も聞くようになりました。○どこまでがセクハラ? どこまでがパワハラ?どこまでがセクハラ? どこまでがパワハラ? というのは非常に難しい問題です。受け取る人間が「いやだ」と思ったらそれで全て「ハラスメント」にあたるというのも行きすぎですが、一方で「受け取る人が嫌だと思ったか」も重要な要素となってきます。厚生労働省の考え方は、セクハラにあたるかの判断につき、ハラスメントの状況は多様であることから、個別の状況をくみ取って判断すべきとしています。「労働者の意に反する性的な言動」か「就業環境を害される」かの判断に当たっては、その労働者が嫌だと思ったか否かという労働者の主観を重視しつつも、一定の客観性も必要としています。「性的ニュアンスを有する」かどうかの判断も相当複雑となっていますので、「明らかに性的ニュアンスを有する」、「とらえ方によっては性的ニュアンスを有する」というその判断も相当複雑で、いわばケースバイケースとなるため、客観的な言動のほかその他周辺事情を総合的に考慮して判断せざるを得ません。一般的には意に反する身体的接触によって強い精神的苦痛を被る場合や強制わいせつ以上の行為に至っているような場合には、一回でもセクハラに当たりえます。また、一回一回の行為がさほど大きなダメージではなくとも、これが継続的に繰り返された場合にセクハラになる、ということもありえます。少なからず、「明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態」または「心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合」には、これによりセクハラが認定される可能性が相当高まるということができます。ただし、「いやだ」と告げたら全てセクハラ…というのは行きすぎなので、被害を受けた労働者が女性である場合には「普通女性であればこれは嫌でしょう」という「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害を受けた労働者が男性である場合には同じように「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とするべきとされています。その行為のみで一発アウトと考えられるのは、「胸を触る」とか、「キスをする」とか、「無理やりホテルに誘う」などのケースです。明らかに「性的に、通常は極めて嫌悪を感じる言動」といえるでしょう。一発アウトに至らずとも、「食事に誘う」など、その行為が反復継続されることによってセクハラになる言動もあります。少なくとも、「本人が明確に抗議しているのにもかかわらず、その行動を継続した場合」や、「本人がストレスから心身に支障をきたしたような場合」には、これらもセクハラになると考えられます。厚生労働省が、セクハラの例として挙げる行為としては、「~~ちゃん」と下の名前で呼ぶ、「うちの女の子」という言い方をする、女性社員にだけお茶くみをさせる、など、「女性であることを理由とする差別的扱い」一般についてセクハラに当たりうる旨として示唆しています。意外かも知れませんが、「女性社員のみ残業を免除する」という行為もセクハラに当たりうるとされています。仕事の延長ともいえそうですが、「取引先との接待に女性社員を呼ぶ」という行為もセクハラに当たる可能性があります。その他の事情にもよりますが、「仕事の上では当然」と考えていたり、「その女性社員のため」と思ってしたことが、気づかぬうちにセクハラになっていたりするということもあり得るわけです。パワハラに関しても、基本的な考えは同様です。労働者が不満に感じることすべてがパワハラに当たるわけではなく、業務上の必要に応じ、適正な範囲で行われる指示や注意・指導については、たとえ「叱る」という側面があってもパワハラには当たりません。上司等の職位・職能に応じた適切な指揮監督・教育指導の範囲を超えて、不合理な嫌がらせ・攻撃行為に至っている場合は、パワハラに該当することになります。パワハラは、セクハラに比べて「男女間における認識の差異」という概念に乏しいので、わかりやすいかもしれませんが、「仕事上の必要があるから」という建前をとっていてもパワハラと認定されることがあります。過去には、「配置転換・降格命令」を行った処分について、「業務上の必要性が乏しいにもかかわらず嫌がらせ目的で行われたもの」として、賃金差額等の支払いや慰謝料の支払を命じた裁判例があります。また、「タバコ臭い」などと言って、扇風機を部下に対し向けて送風したという事例でもパワハラ認定がなされています。○「会社が適切な対応をしてくれない」などの場合は損害賠償請求も視野このようにどのような行為がセクハラ・パワハラになるのかのボーダーラインはなかなか難しいかもしれませんが、少なくとも「本人が嫌だと思うか」が重大なファクターである以上、「いい人間関係を構築しておく」ことが一番大事なことかと思われます。セクハラ、パワハラ被害に遭っているということであれば、まずは、職場の相談窓口や頼りになる上司などに相談することが大事でしょう。上層部からの指導によって、セクハラ、パワハラが改善されることが期待できます。それでもなお、会社が適切な対応をしてくれない、上司のセクハラ・パワハラが直らない、ということであれば、損害賠償請求をすることも視野に入ります。この場合、会社が適切な対応をしてくれなかったということであれば、セクハラ・パワハラを行った人物本人のほか、会社に対しても損害賠償請求をすることが視野に入ります。ただ、会社での立場というものもありますし、今後会社に居づらくなるのが気がかりで、なかなか損害賠償請求をするというのも難しいかもしれません。その場合は、会社の体質なども考慮して今後どういうアクションを取るべきなのか、専門家である弁護士に相談してみましょう。セクハラ・パワハラの対策もしてくれないような会社であれば、思い切って退職することも考えてもいいかもしれませんね。会社を辞めるタイミングで損害賠償請求をすれば、その後の気まずさもないですし、場合によっては、会社を辞めなければ得られたであろう給与相当額の数か月分を請求することもできるかもしれません。ただ、損害賠償請求を行うにも、「そんなことしていない」と開き直られてしまうと厄介なので、証拠を集めるに越したことはありません。特に、セクハラ・パワハラは、言動によって行われることが多く、電子メールや手紙といった物的証拠としては残らないことがほとんどなので、積極的に証拠を残すようにしましょう。例えば、レコーダーで録音をしたり、動画が撮れたりしていれば、相当に強い証拠になります。ただし、通常はなかなか難しいと思いますので、「こんなことを言われた・された」という事実を日記に書きとめておくことや、周囲の方々の目撃証言も立派な証拠となりますので仲間を集めておいたりするとよいでしょう。また、同僚に「今日こんなことされた」と愚痴のメールを送った記録等、セクハラ・パワハラを推認させるような証拠はすべて証拠とすることができます。特に、日々の出来事を書き留める、その時の自分の気持ちを書き留める、ということが大事になってきますので、面倒でも証拠化しておいてください。証拠がある程度そろったら、弁護士に相談のうえ、その張本人と会社あてに内容証明を送ります。交渉の末、納得のいく金額を支払ってもらえればよいですが、セクハラ・パワハラを認めなかったり、金額も低額だったり、ということであれば最終的には裁判を起こして慰謝料等を請求することになります。法廷で、再度セクハラ・パワハラの内容を証言したりするのはなかなかに気持ち的にも辛いと思いますし、セクハラ・パワハラに関する裁判所の慰謝料の相場はいまだそう高くはありませんので、納得のいく条件で、裁判までいく前に解決できるのが望ましいとはいえますね。○今回のケースでは?今回は、セクハラ・パワハラが原因で精神疾患にまで至ってしまったという非常に痛ましいケースですね。結論としては、セクハラ・パワハラを理由に損害賠償請求をすることは可能です。仮に証拠がない場合であっても、相手方がその事実を認めるのであれば請求は可能ですし、少なくとも、自身の証言や日記の記載、周囲の証言などがあれば、十分に請求は可能だと思われます。精神疾患に至ったことも、慰謝料認定の重要な要素となりますので、病院でしっかりと診断書もとっておくことが重要です。毎日のように下着の色を聞かれたり、食事に誘われたり、という行為は厚生労働省が「セクハラ」の典型として見ている行為といえますし、食事を断るとみんなの前で、「仕事ができない! もっとちゃんとしてくれ!」と怒鳴り声をあげる、というのはセクハラの延長であるとともに、パワハラとなります。ここまでつらい思いをさせられているわけですから、ここは泣き寝入りをしないで、しっかりと非を認めてもらい、正当な賠償も受け取りたいところですね。セクハラやパワハラ、その他あらゆるハラスメントにおいては、「している側がハラスメントの意識がない」ケースも多いものです。ただし、されている側にとっては、会社に行くのも嫌になるほど苦痛に感じていることも少なくありません。もちろん、過度な警戒をすると、むしろ職場がぎこちなくなるので、適度なコミュニケーションは必要ですが、「ハラスメント」と判断されないためには、やはり「セクハラ」「パワハラ」に関する基本的知識は身に着けておくことが大事でしょう。当然、会社側も「セクハラが起こらないような会社」にするために「セクハラ防止指針」を周知徹底する必要があります。また、セクハラ・パワハラ被害に遭っている方は、じぶんひとりで抱え込んでしまうと、気づかぬうちに心身をむしばんで、精神疾患に陥ってしまうことも少なくありません。早いうちに、会社内や会社外で悩みを聞いてもらう、場合によっては弁護士などのアドバイスをもらう、というのが、早期に心の重荷を取り払うために必要だと思います。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>篠田 恵里香(しのだ えりか)東京弁護士会所属。東京を拠点に活動。債務整理をはじめ、男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。外資系ホテル勤務を経て、新司法試験に合格した経験から、独自に考案した勉強法をまとめた『ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた夢がかなう勉強法』(あさ出版)が発売中。『Kis-My-Ft2 presentsOLくらぶ』(テレビ朝日)や『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』(文化放送)ほか、多数のメディア番組に出演中。 ブログ「弁護士篠田恵里香の弁護道」
2015年08月06日トヨタ自動車と日野自動車は、7月24日から30日にかけて、東京都において燃料電池バス(FCバス)の実証実験を実施すると発表した。今回、燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」向けに開発したシステム「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を搭載したFCバスで、非常時を想定した外部電源供給システムの公開給電実証と、路線バスなど公共交通としての実用性を確認する走行実証を、東京都の協力を得て実施する。使用車両は両社が共同で開発したFCバスで、日野のハイブリッドノンステップ路線バスをベースに、FCV「MIRAI」向けに開発したTFCSを搭載したもの。出力を高めるためにFCスタックおよびモーターなどを2個搭載するほか、高圧水素タンクを8本搭載し、バス用に最適な設計を実施している。外部電源供給システムの公開給電実証は東京都環境科学研究所で行われ、FCバスの走行は東京都都心部および臨海地域で行われる予定。
2015年07月22日CarPlayやAndroid Autoなど、ここのところ名だたるITベンダーの自動車業界進出が激しいが、最近ではさらにAppleやGoogleなどの名前を冠した自動運転車プロジェクトの米国内での目撃情報が相次ぐなど、動きが活発化している様子がうかがえる。一方で、自動車メーカーらはこの動きを非常に警戒しており、特に事業のコアである「運転制御」の技術情報や、自動車から得られる各種データをこれらITベンダーに渡さないよう、データ利用に制限をかける意向だという。同件はReutersが内部関係者の話として伝えている。現在のところ、自動車メーカーとAppleやGoogleらITベンダーとの関係は「カーエンターテインメント(もしくはインフォテインメント)」の世界に留まっているが、一部自動車メーカーによれば、ステアリングやブレーキ、スロットルといった自動車制御に関わる情報について、これら技術パートナーには渡さないと説明しているという。現在、自動車の制御システムは新しい世代の技術へと移り変わりつつあり、特に自動運転など各種制御系システムに食い込むべく、ベンダー各社が参入を図っている段階だ。一方で、省燃費や安全に関わる運転制御の技術や、今後「Connected Car」として日々の自動車利用から得られる膨大な情報は自動車メーカーにとってのコアであり、データ解析などを合わせ将来的に膨大な収益源となる可能性を秘めている。ゆえに、この虎の子を渡したくないと考えるのは当然の動きだろう。以前からこうした話は何度かあり、電機メーカーらが新技術を携えて自動車メーカーへの売り込みを行ったものの、自動車メーカーは制御系システムへのアクセスを制限する形で対応していたという。これら参入を画策していたメーカーは一部品メーカーの域を出ることはなく、旨みも少ないという理由で自動車メーカーへの接近を諦めるケースが後に報告されている。AppleとGoogleも同様のスタンスで対応される可能性が高いとみられ、ITベンダー側としても関連メーカー含めて膨大な雇用を抱える自動車業界相手に、正面から圧力をかけて対応することは難しいとみられ、もうしばらくはアクセス可能な情報を巡って異なる業界同士のつばぜり合いが続きそうだ。
2015年07月11日トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業の自動車メーカー3社はこのほど、インフラ事業者に対する運営費の支援内容に加え、インフラ事業者と共同でサービスの向上等に向けた水素充填環境づくりに取り組むことを決定したと発表した。これは2015年2月12日に発表した、燃料電池自動車用の水素ステーションの整備促進に向けた支援策を共同で推進するとの考え方を踏まえたもの。具体的には、自動車メーカー3社は、政府による水素ステーションの運営支援と協調し、水素供給ビジネスへの参入を決めたインフラ事業者に対して水素ステーションの運営に係る経費の一部を支援するとともに、本支援の周知を図り水素供給ビジネスへの新たな事業者の参入を促していく。運営費の支援は、水素供給・利用技術研究組合(「HySUT」)に設置する「燃料電池自動車新規需要創出活動助成事業」への資金拠出を通じて行う。さらに、自動車メーカー3社は、水素ステーションに関する利用者のニーズやステーション稼働履歴等の情報を活用したサービスの向上に向けた取り組みの推進、水素ステーションの営業日数や営業時間の延長、稼働情報の充実・提供、及び多くの利用者がアクセスしやすい効率的なステーション整備等による利便性の向上、広く一般も対象とした燃料電池自動車や水素に対する理解促進および認知度の向上に取り組むとしている。水素を燃料とする燃料電池自動車の普及のためには、魅力ある商品の提供はもとより、燃料供給の拠点となる水素ステーションの整備が必要であるが、燃料電池自動車の導入初期においては普及台数が少なく、ステーションの稼働率も高くないため、インフラ事業者による水素ステーションの設置・運営は容易ではない。政府は、2014年6月に策定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を踏まえ、水素ステーションの整備に向けては、設置に対する補助金の交付や様々な規制の見直しなどに取り組み、さらに、2015年2月には、燃料電池自動車の新たな需要創出活動を推進するために、水素ステーションの運営に係る経費の一部支援による施策の強化を図ることを決めた。一方、燃料電池自動車に関しては、トヨタ自動車が2014年12月に販売を開始し、本田技研工業は2015年度中の販売開始を、日産自動車も早ければ2017年の販売開始を予定している。したがって、自動車メーカー3社は、政府やインフラ事業者とともに水素ステーションの整備促進を図ることが不可欠であるとして、燃料電池自動車の市場導入が本格化し、水素ステーションの整備が軌道に乗るまでの中期的な視点(2020年頃までを予定)で運営費の支援および水素充填環境づくりに取り組み、着実に水素ステーションの整備を後押ししていくとしている。
2015年07月02日光岡自動車は1日、ミディアムクラスセダン「リューギ」のマイナーチェンジを行い、3日に発売すると発表した。リューギは、縦型ラジエターグリルや大型のメッキバンパー、箱型のキャビン、踏ん張りの効いたフェンダーアーチなど、ベーシックな自動車らしい姿が特徴のミディアムクラスセダン。クラシカルで端正な面持ちでありながら、生産の全工程を職人が手作業で行うという希少性を備え、最新の性能で安心して気軽に楽しめるクルマとなっている。今回のマイナーチェンジでは、新たに設定された安全装備の充実が図られた。前方障害物を検知してドライバーへ警告する「衝突回避支援」、走行速度約50km/h以上で車線逸脱の可能性が発生した場合に警告する「車線逸脱アラーム」、対向車のヘッドライトや先行車のテールランプを認識してハイビームとロービームの切り替えを自動で行う「オートマチックハイビーム」、信号待ちなどで先行車が発進しても停止し続けた場合にドライバーに知らせる「先行車発進告知機能」、シフト操作時における急発進・急加速を抑制する「ドライブスタートコントロール」、急ブレーキをかけるとハザードランプが自動的に点滅する「緊急ブレーキシグナル」が、標準装備もしくはオプションとして設定(グレードにより異なる)されている。リューギの価格は、226万2,600円~319万6,800円(いずれも税込)。
2015年07月01日連載コラム『知らないと損をする「お金と法律」の話』では、アディーレ法律事務所の法律専門家が、具体的な相談事例をもとに、「お金」が絡む法的問題について解説します。【相談内容】先日、友人が登録している大型フィットネスクラブで、個人情報を20万件流出させてしまったという事件が起きました。フィットネスクラブの方からは、謝罪の手紙と共に1,000円が送られてきたとのことでした。ただ、私は思ったのですが、個人情報流出って、流出させられた側としては、すごく怖い思いをしているのに、こんな金額で収められるのは納得がいきません。この場合、更なる損害賠償請求ができるものでしょうか?【プロからの回答です】法的には、更なる損害賠償は可能です。ただ、実際に支払ってもらうためには、裁判が必要となる可能性が高いです。裁判を考える際には、これに費やす労力や費用対効果もしっかり検討したうえで、なるべく多数の集団訴訟にするなど、請求方法をしっかり吟味することが大事ですね。○はじめに個人情報の価値が再認識され、個人情報保護の必要性が強く叫ばれる現代ですが、個人情報流出のニュースは絶え間なく世間を騒がせています。最近も、「日本年金機構が基礎年金番号や氏名等を含む個人情報約101万4653件を流出させた事件」や、「某芸能人がりそな銀行に来店した事実を従業員の子供がツイッターに書き込みをした事件」などが波紋を呼びました。一般に、個人情報流出と聞くと、会社等の企業を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、企業に限らず、教育機関や省庁、民間・公的団体など、様々な組織による個人情報流出事件が後を絶たない状況となっています。○個人情報を流出させてしまったら企業や組織などが個人情報を流出した場合、「個人情報を適正に管理していなかった」として、刑事上の責任、民事上の賠償責任を負う可能性があります。(1)刑事上の責任【企業の場合】企業が情報流出をしてしまった場合には、「個人情報保護法」によって罰則が科される可能性があります。企業も個人情報を扱う以上、同法が定める「個人情報取扱事業者」にあたります。同法に違反した場合にはまず、主務大臣から勧告・命令が出されますが、これにも違反した場合には、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられることになっています。【行政機関の場合】行政機関の職員が個人情報を流出させた場合、「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」によって、一般企業よりもより重い刑罰が科せられることになります。行政機関の職員等が個人情報の不正な取扱いをした場合の罰則は次のとおりとなっています。(1)行政機関の職員(元職員・受託業務従事者等を含む)が、個人の秘密に属する事項が記録された電算処理ファイルを正当な理由なく提供した場合=2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(2)行政機関の職員(元職員・受託業務従事者等を含む)が、業務に関して知り得た保有個人情報を不正な利益を図る目的で提供又は盗用した場合=1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(3)行政機関の職員が、個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録職権を濫用して専らその職務の用以外の用に供する目的で収集した場合=1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(2)民事上の賠償責任【企業の場合】ある企業の従業員が情報流出させてしまったケースを考えてみましょう。この従業員が情報流出につき、故意・過失があった場合(通常はあると判断されます)、情報流出によって被害を受けた対象者に対して損害賠償責任を負います。これは民法の不法行為(民法709条)に基づく賠償責任です。会社もその従業員の管理監督責任を怠ったという側面がありますので、責任を負うのは当然です。法律上、「従業員が他人に損害を与えた場合、会社が責任を負いなさい」という使用者責任(民法715条)という規定があります。したがって、従業員が行った行為について、企業自体もこの「使用者責任」に基づき、対象者に対して賠償責任を負うことになります。【行政機関の場合】行政機関や公務員等による情報流出の場合、国家賠償法という法律により賠償責任を判断することになります。公務員が故意・過失によって、個人情報を流出してしまった場合には、「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる(国家賠償法1条1項)。」という規定により、国や公共団体が賠償責任を負うことになります。ただし、その情報流出において、公務員側に故意や重大な過失があった場合には、国や公共団体は公務員に対し、「あなたも一部負担しなさい」と請求することができることになっています。(3)その他これ以外にも、企業が被るダメージはあります。「情報流出させた企業だ」ということになれば、企業の信頼は失墜し、商談が破談になったり、取引先を失ったりというリスクを負います。大規模な情報流出となれば、ニュース等で報道されることにもなり、事件やデータの調査・検証にも相応の時間・人手がとられます。さらに、問い合わせに対する回答・謝罪対応などにもせわしく追われることとなり、通常の業務が回らなくなることは容易に予想されます。企業自体としても、人件費や業務停滞による逸失利益など、多大な損害を被ることになります。○個人情報流出したときの損害賠償はどうなるの?個人情報が流出した場合の損害賠償の内容は、通常は「慰謝料=精神的苦痛を与えられたことに対する補償」とされます。要は、「自分のプライバシーが暴露された。悪用されないか不安だ」という精神的な負担を、金銭に換算して賠償してもらうということになります。過去の裁判例を検討する限り、氏名・住所等の個人情報が流出した事件については、約5,000円程度~1万円程度の慰謝料額にとどまることが多いです。ただ、情報の内容によっては高額化する可能性があります。例えば、エステの見込み客情報が流出した事件や、中学生の成績を含む情報が流出した事件などでは、極めて公開を欲しない情報であるため1件あたり3万円の慰謝料が認定されています。ただ、情報流出事件については、個人情報の不正利用による二次被害、三次被害のおそれもあることを考えると、裁判所の認める金額は極めて低いと感じる方が多いのではないでしょうか。この点については、個人情報流出事件の対象者が、通常は数十万~数百万人と極めて多数に上る(たとえば5,000円×100万人=50億円の賠償となります)ことにも理由がありそうです。当然、慰謝料の支払いには、企業の支払能力を視野に入れざるを得ず、この点に配慮した判決ともいえるように思います。いずれにせよ、この判例の流れを受ける限り、今後も「高額の慰謝料」が認定される可能性は低いものと思われます。なお、情報流出によって迷惑メールや電話がかかってくるようになった、詐欺師に騙された、という場合、その分も損害賠償請求ができるか…が問題となります。裁判になった場合には、それらの被害が今回の情報流出による被害といえるのか=情報流出と新たな損害との間に因果関係があるか、といった点で、相当に立証が難しいと思われます。したがって、こういった追加損害の賠償請求は極めて困難といえるでしょう。○今回のケースについて今回のケースは、1,000円が自主的に支払われたということですね。しかし、これまでの判例の相場からいえば、慰謝料は5,000円程度までは上がる可能性が高いです。フィットネスクラブの会員情報ということで、どこまでの情報が開示されたかにもよりますが、身長・体重、その他健康状態に関する情報等、ナイーブな情報まで流出したということであれば、10,000円を超える賠償もありえるかもしれません。いずれにせよ、追加で損害賠償請求をすることは可能と思われます。ただ、実際に裁判を起こすとなると相応の費用や労力、時間がかかりますので、相当大人数で集団訴訟をする方が現実的でありますし、それらの負担と費用対効果を検討し、結果が見合うということであれば、裁判を起こして追加の請求をするべきといえるでしょう。○まとめ(メッセージ)現代においては、個人情報は、それ自体価値のあるものとなっています。逆に、個人情報を手に入れたいと考えている人間もそれだけ増えているということです。企業としては、外部からの不正アクセスによる個人情報流出であっても、突然の億単位の賠償責任に応じねばならない事態が生じうることになりますので、しっかりとコンプライアンスを確立しておくことがありそうです。また、私たち個人も、いつ個人情報流出の被害者・加害者になるか分からない時代です。常に個人情報に対する慎重な配慮を心がけたいものですね。<著者プロフィール>篠田 恵里香(しのだ えりか)東京弁護士会所属。東京を拠点に活動。債務整理をはじめ、男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。外資系ホテル勤務を経て、新司法試験に合格した経験から、独自に考案した勉強法をまとめた『ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた夢がかなう勉強法』(あさ出版)が発売中。『Kis-My-Ft2 presentsOLくらぶ』(テレビ朝日)や『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』(文化放送)ほか、多数のメディア番組に出演中。 ブログ「弁護士篠田恵里香の弁護道」
2015年06月25日日立オートモーティブシステムズは、中国における自動車機器システム事業の拡大を目的に、重慶市に新たな製造会社を設立すると発表した。すでに中国に対しては日立の自動車機器システムの製造を行う連結子会社が沿岸地域を中心に13社が事業を展開しているが、今後、内陸地域へ拠点を拡大する自動車メーカーへの対応がグローバル戦略上、重要となると判断し、今回の新会社設立に至ったとする。新会社は「日立汽車系統(重慶)有限公司(予定)」で、敷地面積は約17万m2、2018年からの量産開始を計画しており、需要が高まるシャーシ系製品やエンジンマネジメントシステムなどの事業拡大を目指すとしている。
2015年06月22日大垣共立銀行はこのたび、OKB大垣共立銀行のホームページから岐阜県自動車税をクレジットカードなどにより納付できるサービスを開始した。同サービスは自動車税の期限内納付率の向上を目的とする行政支援の一環として2013年から毎年実施しているという。ヤフー運営の「Yahoo!公金支払い」を利用したサービスで、OKB大垣共立銀行と取引のない人でも自宅で24時間いつでも岐阜県自動車税を納付できるという。また、共立カードおよびOKBデビット(JCB)で納付した人の中から抽選で100名にギフトカードをプレゼントする「岐阜県自動車税インターネット納付キャンペーン」も併せて開始した。OKB大垣共立銀行はこれからも、顧客の目線に合わせた利便性の高い商品・サービスを届けていくとしている。
2015年05月13日AIGジャパン・ホールディングスとその100%子会社であるAIU損害保険(以下AIU)と富士火災海上保険(以下富士火災)は、2013年7月16日に公表した内容に基づき、AIUと富士火災の合併による経営統合の準備を進めてきたが、このたび統合後の新会社の社名を「AIG損害保険株式会社」とする予定だと発表した。世界各国で保険事業を展開しているAIGグループにおいて、国内での対面販売による損害保険事業の基幹会社となる新会社が「AIG」を冠する社名となることで、保険のグローバル・ブランド「AIG」ならではの価値を国内の顧客に提供していくとしている。また、統合予定時期について、統合方針の発表時の資料などにおいては2015年下半期以降(7月以降)と伝えていたが、この間統合プロジェクトを様々な角度から精査した結果、現在の見通しとして、関係当局の認可などを前提に2016年下半期以降(7月以降)の統合予定であることを告知するとしている。その他の新会社の概要については、今後適宜案内する予定としている。同経営統合による両社の顧客の既存の契約には影響はないとしている。
2015年05月09日古川電気工業グループのKANZACCは4月17日、耐摩耗性能を改善した「銀系特殊めっき」の開発・量産化に成功し、自動車市場へ投入すると発表した。自動車用コネクタ端子では酸化防止のために銅合金に銀や錫めっきなどの表面処理が施されるが、挿抜・摺動回数の増加に伴って、耐摩耗性の向上が課題となっていた。今回開発された「銀系特殊めっき」では、耐摩耗性が向上したことで厚さを50%低減することが可能となり、原料コストの削減を実現することができる。また、ウィスカによる短絡が防止可能で、コネクタの信頼性向上にも貢献する。KANZACCは、今回の「銀系特殊めっき」のほか、電子部品分野で培った技術力を元に、「変色しない銀めっき」や「部分リフロー錫めっき」などの特徴的なめっき製品群を新たに自動車市場向けへ投入することで、2018年度の自動車向け売上高5億円以上を目指すとしている。
2015年04月20日MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険ならびにあいおいニッセイ同和損害保険は13日、若年者層のカーライフに合わせた2つの自動車保険を共同開発し、10月1日以降始期契約から販売開始すると発表した。自動車を取り巻く社会環境の変化の一つとして「若者の車離れ」が指摘されているという。自動車を保有する若年者層が減少している要因として、ライフスタイルの変化に加えて、「自動車を購入した当初は、自動車保険料が高額である」という声も聞かれるとしている。こうした声に応えるために、初めて自動車保険に加入する人に既存商品よりも割安な保険料で加入できる分かりやすい商品を開発したという。さらに、自身が自動車を保有せず、知人の車を運転するような人についても、手軽に加入できる商品を用意することで、若年者層を中心とした広範な自動車ユーザーに安心を届けるとしている。○「新規契約専用の自動車保険」の概要商品名/三井住友海上:「はじめての自動車保険」、あいおいニッセイ同和損保:「パーソナル自動車保険」加入対象者/初めて自動車を保有する人新商品の特長(1)安心で分かりやすい補償:基本的な補償をベースに「車両保険」等の補償有無を選択するシンプルな補償とすることで、分かりやすく安心な商品構成としている(2)加入しやすい保険料:既存商品と比較して保険料を割安にするなど、新規契約者が加入しやすい保険料水準を実現している(3)初めて自動車保険を契約する人を対象とした割引制度:「借りた自動車専用の自動車保険の加入実績や事故歴に応じて「新規契約専用の自動車保険」を割引く制度を設ける。「新規契約専用の自動車保険」以外の商品であっても、割引の適用条件(初めて自動車保険に加入)を満たす場合は、割引が適用される○「借りた自動車専用の自動車保険」の概要商品名/三井住友海上:「1DAY保険」、あいおいニッセイ同和損保:「ワンデーサポーター」加入対象者/友人・知人等の自動車を借りて運転する人新商品の特長(1)24時間単位で合理的な保険/1回の契約の保険料が約500円~(予定)で、補償開始(始期日時)から24時間補償されるなど、加入しやすく合理的な保険(2)簡便な契約手続き/スマートフォンから簡単に契約手続きを行うことが可能。1回の申込みで運転者4人まで指定でき、保険料はスマートフォンの利用料金と合わせて支払うことができる(3)お得な割引制度/2回以上契約した場合に2回目以降の保険料を割引く「2回目から割引」や、借りた自動車を交替で運転するようなケースで、複数の運転者を1回の契約でまとめて補償する場合に2人目からの運転者に対する保険料を割引く「2人目から割引」を設ける
2015年04月14日アドビ・システムズ(アドビ)は4月6日、日産自動車(日産)が、グローバルで展開する複数のブランドで一貫したブランドイメージを保つことができるルノー・日産アライアンス共通のデジタルマーケティングプラットフォームを構築するため、「Adobe Marketing Cloud」を採用したことを発表した。日産は、世界20の国や地域に生産拠点をもち、世界各国の拠点を通じ「NISSAN」「INFINITI」「DATSUN」といった3つの自動車ブランドを展開。顧客の購買プロセスに重点を置き、一貫したブランド戦略に基づいて迅速な市場展開を行いつつ、顧客を理解するためのデータ分析や、ブランドイメージを保つためのアセット管理のコスト効率を高めたいという課題があったという。今回の導入により、グローバル資源の活用や重複投資の合理化、プロセスの標準化を図り、年間あたりのマーケティング投資を半分に抑制することを目指すほか、一人ひとりの顧客に最適な体験を提供し、マーケティング費用対効果の向上と収益性向上を実現したい考えだ。
2015年04月06日アドビ システムズは、日産自動車が展開する複数のブランドで一貫したブランドイメージをグローバルで提供するため、同社がデジタルマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」を採用したことを発表した。日産自動車は、世界20の国や地域を生産拠点として「NISSAN」、「INFINITI」、「DATSUN」という3つの自動車ブランドを展開しているが、これまでは各拠点の裁量によってデジタルマーケティングが行われており、一貫したブランドイメージの構築が課題となっていたという。そこで今回、各拠点の強みを発揮できるルノー・日産アライアンス共通のデジタルマーケティングプラットフォームとして、デジタルマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」と、コーポレートパブリッシングソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」を導入した。さまざまなデジタルタッチポイントから顧客の購買行動をサポートし、シームレスなカスタマージャーニーの提供に最適なソリューションであることが決め手になったとのことだ。なお、今回の「Adobe Marketing Cloud」導入について、日産自動車デジタルストラテジー部 デル・ジャクソン氏は、「現代の消費者にとって、デジタルチャネルは自然な選択肢であり、日産自動車では顧客とエンゲージする方法を変革する必要があると考えています。この変革を実現するため、当社の重要なテクノロジーパートナーとしてアドビを選択しました。アドビの『Adobe Marketing Cloud』による統合された顧客エンゲージメントのプラットフォームが目指す方向性は、日産が掲げる顧客エンゲージメントの方向性にフィットしています。このプラットフォームを活用して、南アフリカやインドなど重要な成長市場で、3組織をまたがる4つのブランド向けに新しいプラットフォームをローンチすることができました。『Adobe Marketing Cloud』により、世界中のモバイルを含むあらゆるチャネルにおいて、当社のブランドと顧客体験がさらに向上することを確信しています」と述べている。
2015年04月06日三菱自動車は3日、米国・ニューヨークで1日から開催されている『2015年ニューヨーク国際自動車ショー』(一般公開は3日~12日)で、2016年モデルの「アウトランダー」(北米仕様車)を世界初披露したと発表した。アウトランダーの2016年モデルは、フロントデザインなどの大幅な変更により、上質でありながらSUVらしいダイナミックで力強いデザインとした。吸遮音材・制振材・ダイナミックダンパーの追加など30カ所以上の改良を施すことで、エンジン音・ロードノイズ・風切音の大幅な低減も行われている。トランスミッションには、新世代CVTを搭載。エンジン制御とCVT制御の協調制御を最適化することで、エンジン回転上昇に対してリニアな加速を実現し、全域における加速性能も向上。ステップアップシフトを採用することで、アクセルを大きく踏み込んだ場合の気持ちよい加速フィーリングも実現している。シャシーでは、サスペンション取付部の剛性を向上させ、ステアリングホイールやサスペンションからの入力を正確にボディに伝えることで、操舵感・操舵に対する応答性と正確性を向上。また、リヤのショックアブソーバーのシリンダーを大径化することにより、走行安定性と乗り心地の向上などが図られている。
2015年04月03日●実は多くの車載機器に採用されているARMコアARMは3月26日、Cypressと共同で記者説明会を開催し、同社の自動車向け製品に関する取り組みを説明した。最初に書いておけば、今回の説明会では基本的には新しい製品とかテクノロジーが説明された訳ではなく、既にARMが提供しているものが再説明されたに過ぎないのだが、それでもわざわざ説明会を開いたというのは、こと国内ではARMのアーキテクチャはSmartphone/Tabletなど向けで、自動車関係では一部のInfortaiment機器向けに利用されている程度、という認識が多く、これを正したいという意図があったのでは無いかと思われる(Photo01)。○ARMの自動車向けストラテジーさて、まずはARMのパートから。ARMがアドレスできる自動車向けマーケットはどんどん大きくなっている(Photo02)という認識がまずあり、運転システムの電子化・ADAS・運転情報とInfortaimentという3つの分野が急速に伸びると予測し、このマーケットを真剣に獲得したいと目論んでいる。既に同社のコアは様々なメーカーが製品に採用、自動車向けに導入が始まっており(Photo03)、決して同社が自動車業界に無縁と言うわけでは無い。ただこれらの市場はARM以外のコアも多く採用されているため、ここでARMの採用比率をより高めてゆきたい、という訳だ。では具体的にどんな用途向けに今後展開が考えられるのか、というのがこちら(Photo04~06)。特に運転席周りの場合、高級車向けにはHUD(Head Up Display)すらも次第に一般的な装備になりつつあり、逆に言えばHUDこそ持たないものの、従来高級車にのみ搭載されていたマルチファンクションタイプのコンソールはミッドレンジを超えて大衆車にまで広がりつつある。Cortex-R5はまさしくこうした用途向けのMCUとして開発された製品である(Photo07)。どのあたりがコンソール用途向けかというと・ EEMBC AutoBenchで、1.0 Automark/MHzの高性能(ちなみにPowerPC系だとこれを超えるのはe200v7コア搭載の製品のみで、殆どの製品は1.0 Automark/MHz未満である)・ Green Hillsから自動車向けに最適化したコンパイラが提供される・ ISO26262/IEC 61508の認証取得に必要なリソースが提供されるというあたりである。実は後半2つは製品そのものというよりも開発環境に関係してくる部分なので、ここをもう少し説明する。自動車業界では最近MBD(Model Base Design)を利用した開発が序々に広まりつつある(Photo08)。といっても、現状ツールとしてはMathWorksのMATLAB/Simulinkが唯一のもので、あとはSynopsisの提供するVirtual Prototypeを初めとするツール類で試作を高速化する環境はあるが、ここで問題になるのはどちらを使うにしても、ターゲットデバイスはMATLAB/SimulinkなりVirtual Prototypeがあらかじめサポートしているものに限られる事だ。そんなわけで主要なプラットフォームベンダーは自社の製品がこれらのツールでサポートして貰える様に努力しているわけだが、ARMの場合主要なコアはもう既にサポートされているから、ここで悩む必要がなくなるのは大きなメリットである。また、例えば途中で利用するSoCのベンダーを変える、あるいは新規に追加するといった話があっても、複数のメーカーが既にARM v8-Rベースの製品を投入しているから、同じCortex-Rベースの製品を選べば開発やメンテナンスの手間がだいぶ省けることになる(Photo09)。勿論これは諸刃の剣であって、逆に半導体ベンダーからすると長期的にはCortex-Rを搭載しただけでは差別化にならなくなるわけで、別の差別化要因を探さないと別のメーカーにシェアを簡単に奪われてしまう事にもなるのだが。●Functional Safetyへの取り組み○具体的にはどのような機能安全対策が取られているのか?続いて話は機能安全の話に。Functional Safetyとして知られるこの機能は、単に自動車だけでなく安全性が必要とされる多くの場所で必要な要件とされている。この分野は、必要とされるリソース(設計・検証や要求されるドキュメントなど)が桁違いに大きくなるので、敢えてこの分野はやらないと公言しているメーカーもあるほどだが、ARMはここに積極的にアドレスする事を宣言している(Photo10)。では自動車における機能安全とはなにか?という一例がこれ(Photo11)。パワーステアリング周りの操作に関しては、故障しないのが勿論一番ではあるが、工業製品ではそれはありえない訳で、では故障したらどう対処できるかをちゃんと考えておく必要がある。一番まずいのはECUが故障したりトルクセンサーが異常を出したりしたときに、パワーステアリング用モーターが固着してしまうことで、したがってこういう事態にならないような設計が必要になるわけだが、そもそも大前提として故障頻度をどの程度に抑えるかという話がある。故障しても事故にならない設計をするのと同様に、コンポーネント内部に関しても「回路の一部が異常をきたしても、直ぐに全体が故障しない」様な設計が求められる。こうした機能安全は、業界に応じて異なる標準化がなされているが(Photo12)、骨子となる部分は基本的には同じで、あとはマージンの取り方とかドキュメントの手法などに相違点がある(一部検証方法などの違いもあるが)程度。流石にARMとしてもこの全部に対応するのは無理であり、まずはAutomotive/Medical/Industrialといったあたりをターゲットにする形だ。具体的にはどんな形で?というのがこちら(Photo13,14)。外部からの放射線などの影響に対してはECCとかMultiple Latchなどの対策が有用だし、Systemaic faultsへの対策はDCLS(Dual-Core Lock Step)などが効果的である。これらを当初からCortex-Rシリーズでは設計に盛り込んでいる、という話である。ただ、単にこれらを設計に盛り込むならず、開発時点でのマネジメントのレベルからこれに配慮してドキュメント(Photo15)を用意すると共に、こうした機構の検証メカニズムを用意、さらにはパッケージとして提供することでメーカーのみならず開発の負荷を減らせる、というのが同社の説明であった。●SpansionのCortex-R5ベースの自動車向けMCU「Traveoシリーズ」○Cypressの自動車向けラインナップさて、ここからはCypressというかSpansionの赤坂伸彦氏(Photo16)により、同社のCortex-R5ベースの自動車向けMCUであるTraveoシリーズの説明があった。まずはマーケット概観(Photo17)であるが、自動車向け半導体の売り上げの伸びは9.5%と、半導体全体の売り上げの伸びである6.5%を上回る勢いであり、これをキャッチアップしてゆくのは当然重要と考えられるとしている。このマーケットに向けて、富士通も昔から製品を提供しており、もう40年近いの歴史がある(Photo 18)。ここで利用されてきたアーキテクチャは同社独自のもの(最近だとFRシリーズ)や、場合によってはARM 9/11といったコアも利用されてきたのだが、同社は(Spansionの買収前に)Cortex-R5の採用を決定、Spansionの買収後にこれをTraveoシリーズとして発表している(Photo19)。なぜCortex-R5を採用したのか、という事に対するSpansionとしての回答はこちら(Photo20)である。もしここで独自コアのまま突っ走っていると、開発環境や自動車向け品質のコンパイラの提供、あるいはFunctional Safetyにまつわるパッケージの準備を全部自前で行う必要があり、そのあたりを勘案するとARMのエコシステムに乗ったほうが楽、というのは特にこれからシェアを伸ばしてゆきたいというメーカーにとっては当然であろう。同社の場合、Traveoをコンソールパネルやボディ制御、EV/HVのモータ制御向けに考えており(Photo21)、例えばモータ制御ならこんなことが出来るという一例が示された(Photo22)。ボディ制御は、本格的なシャーシ制御とかActive Suspensionなどではなく、比較的穏当な範囲の制御に留まっている(Photo 23)。HAVC(Photo24)も同じで、少しづつ機能が増えている事に対応して、MCUの側も少しつづ進化している(Photo25)形だ。そして本題と言うわけでもないが、同社が3月26日に発表した新製品が次のクラスタシステム向けのソリューションである(Photo26)。この分野も最近はアナログメーターが使われているケースはだいぶ減り、LCDに置き換えられつつある。また2D表示以外に3D表示が使われるケースも増えてきている。同社は富士通の時代からこの分野向けのソリューションを長く提供してきており(Photo27)、2D/3Dどちらも実績がある。特に3Dエンジンについては、VRAMを介さずに直接表示を行う機能を持っているのが特徴的である(Photo28)。このクラスタ向けは既に多くの製品がラインナップされているが(Photo 29)、3月26日には内蔵Flashとフレームバッファを1MBに削減した S6J32BAとS6J32DAを新たにラインナップに追加、大衆車向けの廉価なクラスタシステム向けとして提供されることになる。ちょっと話は戻るが、今のところARMは自動車向けのGPUを提供する予定はない(これはYork氏にも確認したが、あくまでSmartphoneやTabletなどのMobile向け、との事)。なので、どんなGPUを使うのか、というのは一つの差別化要因になりえる。実際赤坂氏も「Cortex-R5を使うだけで差別化になるとは考えていないので、どれだけ(OEM/Tier 1が)使いやすい製品を提供するか、という形で頑張ってゆく」とされており、その意味ではCortex-R5の使い方の一つの見本と考えてもよいかもしれない。冒頭に述べた通り、今回の説明会の内容はこれだけであり、何か目新しい話があったというわけでは無い。にも関わらずこうした説明会を開催することで、ARMは自動車業界にも強い、という事を印象付けたいというのが狙いであり、今後も似たような機会が定期的に開かれるかもしれない。ある程度そうした認識が浸透するまでは粘り強く繰り返す、というのはARM本国の意向でもあろうが、ARM(株)の内海社長の得意とする手法でもあるからだ。
2015年04月01日BMWは4月1日、電気自動車「BMW i3」を総合オンラインストア「Amazon」で同日より販売開始すると発表した。納車までの流れとしては、カートに「BMW i3」を入れると1-2営業日後にBMWiカスタマー・インタラクションセンターから充電方法などについて確認する連絡がくる。その後、さらに1-2営業日後に審査・契約書類が送られてくるので、それを記入しBMWに返送すると、5-7営業日後にBMWから納車日の連絡がくるという仕組みとなっている。BMW i3はBMWのサブ・ブランド「BMWi」の第1弾モデルとして2014年4月に日本での販売を開始した。BMW正規ディーラーが保有する185店舗のうち46店舗をBMWi販売店とし、専門トレーニングを受講した専任のセールス・スタッフを配置したほか、販売店が近くに無い地域のためにモバイル・セールス・アドバイザーを導入するなど、新しい販売モデルを採用してきた。BMWは、Amazonで「BMW i3」の販売を開始することで同ブランドのマルチ・チャンネル販売モデルをさらに推し進めるとしている。BMW i3は最大出力125kW/170ps、最大トルク250Nmを発生する電気モーターおよび総電力量22kWhのリチウムイオン電池を搭載し、一回の充電で229kmまでの走行が可能だ。価格は499万円から。
2015年04月01日日本郵便は1日、日本郵政グループの各種損害保険を集中的に取り扱う新子会社「JP損保サービス」の営業を開始した。主な事業内容は損害保険代理業で、代表取締役社長は厚井達夫氏。資本金は2,000万円で、日本郵便の出資比率は70%となる。本社所在地は東京都豊島区南池袋1丁目13番23号。
2015年04月01日ZMPは、2015年1月にハーツユナイテッドグループ(HUG)との合弁会社として「自動車業界向けのデバッグおよびデータ収集等実験代行に関する事業」を行う株式会社ZEGを設立し、本格的な稼動を開始したと発表した。現在、自動車業界で実施されている高度運転支援技術および自動運転技術の検証においては、コンピュータを用いたドライビングシミュレータが多く利用されているが、多種多様なユーザーを想定した自動車走行パターンをすべて網羅したシミュレーションには限界があるため、実走行テストが重要視されている。一方で、実走行テストには走行テストの実施場所が限定されるなど、社内リソースのタイムリーな確保が困難という課題がある。さらに外部機関への実験依頼の場合は十分なセキュリティの担保が困難なほか、報告データの入手までに6カ月以上の期間を要するケースもあるなど、必要なデータをタイムリーに入手することも大きな課題となっている。ZEGの始動によりZMPが築き上げてきたセンシングやデータ収集・解析技術および、HUGが積み重ねてきたソフトウェアデバッグのノウハウを基に、十分なセキュリティ体制のもと全国において実施可能なタイムリーな走行テストおよびデータ解析による検証報告サービスによる複数の課題解決とともに、走行テストに付随するソフトウェアの単体検証や映像処理などの周辺業務など、実証実験に必要な要素を一気通貫で提供することが可能となる。近年、自動車は、搭載される先進運転支援技術(ADAS)の高度化により車載ソフトウェアが高度化、複雑化しており、車載ソフトウェア検証のための網羅的・大規模な実走行テストの必要が高まっているとのことで、ZMPでは、ZEGを通じて、これらのニーズ応えていきたいとしている。
2015年03月23日フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、安全性とスタイルを追求しトップクラスの明るさを追求した自動車用バルブ「エクストリーム アルティノン LED(LED Xtreme Ultinon)」シリーズを拡充したと発表した。合計24の新製品を4月上旬より全国の自動車用品店および通信販売を通じて順次販売する。エクストリーム アルティノン LEDシリーズは、ワンランク上のスタイリッシュなカーライフを求めるドライバーのためのアップグレード用製品で、安全性に配慮した配光設計と明るさが特長となっている。同シリーズのフラッグシップとなるフォグバルブ「フォグユニバーサル 8/11/16 6700K」は、従来製品と比べて約45%明るく道路を照射する。さらに効率的な放熱を可能にする「AirFlux冷却テクノロジー」を採用し、長寿命化を図った。また、「AirFlux冷却テクノロジー」は煙突状の形状で空気の抜け道を作り、ヒートシンク内外の寒暖差を利用して、ヒートシンク内に空気の流れを発生させることで、高い空冷効果を保つ。また、もうひとつのフラッグシップであるポジション用バルブ「T10 360°アルティメイト130lm 6700K」は、従来製品比約2倍の明るさを実現し、被視認性をより高め、愛車をスタイリッシュに演出する。なお、今回のラインアップ拡充により同シリーズは、一般的な自動車のシグナリング用途の約90%をカバーするという。
2015年03月19日日本損害保険協会発表の「2014年度版 自動車保険データにみる交通事故の経済的損失の状況(2012年4月~2013年3月)」によると、交通事故による経済的損失額は3兆2,406億円とのこと。3兆円といわれても実感がわきませんが、これは横浜市の年間予算とほぼ同額です。交通事故により、大都市の1年間の予算と同じ金額が失われているということに驚きます。それでは、自動車事故による経済的損失の内容を詳しくみていきましょう。そもそも自動車事故による経済的損失ってなに?2012年4月~2013年3月の自動車事故による経済的損失額3兆2,406億円の内訳を詳しくみてみると、「物的損失額」は1兆7,958億円で全体の55.4%、「人身損失額」は1兆4,448億円で全体の44.6%となっています。そもそも、経済的損失とはどういうものなのでしょうか。経済的損失とは、一般的には「そのことが起こったことにより発生した費用」と「そのことが起こらなければ得られたであろう利益」の合計額のことです。今回参考にした日本損害保険協会の資料では、自動車事故による経済的損失を下記のように定義しており、救急搬送費、警察の事故処理費用、交通渋滞による損失額などは含まれていません。・自動車事故による経済的損失の定義 人身損失額…自賠責保険および対人賠償保険に係るデータによる被害者の治療関係費、慰謝料、休業損害、逸失利益等の合計です。 物的損失額…車両保険および対物賠償保険に係るデータによる車両(自車両、相手車両)、家屋、ガードレール等の損傷復旧費用等の合計で、物損事故のみで済んだケースのほか、人身事故に至ったケースにおける物損部分のデータも含みます。※人身損失額、物的損失額ともに、過失等による減額を考慮する前の損害認定実額で、保険金の支払額とは必ずしも一致しません。自動車事故による後遺障害の経済的損失は、人身損失の約36%!2012年4月~2013年3月に発生した自動車事故により死亡された方の人数は4,385人で被害者全体の0.4%、後遺障害を負った方の人数は59,797人で被害者全体の4.9%です。一方、死亡された方の人身損失額は1,208億円で全体の10.0%、後遺障害を負った方の人身損害額は4,387億円となり、全体の36.2%です(図1)。死亡した方と後遺障害を負った方を合わせると、人数的には約5%ですが、人身損失額では約46%を占めます。このことから、死亡と後遺障害は、人数に比して損失額が大きいことがわかります。図1 被害者数と人身損失額の割合資料:日本損害保険協会「2014年度版 自動車保険データにみる交通事故の経済的損失の状況(2012年4月~2013年3月)」をもとに執筆者作成意外な年齢層の被害が大きい!2012年度から過去10年分の自動車事故データを年齢別でみてみると、後遺障害を負った方の人数は、29歳以下と50~69歳は減少傾向にあるものの、30~49歳は増加傾向に、70歳以上は微増傾向にあります(図2)。人身損失額では、同じく29歳以下と50~69歳は減少傾向にありますが、30~49歳と70歳以上は減少傾向とはいえない状態が続いています(図3)。図2 被害者年齢別の後遺障害人数資料:日本損害保険協会「自動車保険データ(支払保険金関連)」をもとに執筆者作成図3 被害者年齢別の後遺障害による人身損失額資料:日本損害保険協会「自動車保険データ(支払保険金関連)」をもとに執筆者作成高齢者については、アクセルとブレーキの踏み間違いで建物に衝突したり、高速道路を逆走したりといったニュースを耳にすることも多くあります。運転技術に少しでも不安を感じたら、運転免許の返納手続きを考えましょう。しかし、中には自動車がないと生活に支障をきたす方がいらっしゃることも事実です。高齢者が運転をしなくても生活できる仕組みが、早急にできることを願います。今回は、自動車事故による経済的損失を数字でみてきました。後遺障害を負わせてしまうことは、経済社会に多大な影響があることがわかりました。しかし、実際に被害に遭われた方とそのご家族の「心」や「気持ち」は数字で計ることはできません。後遺障害はご本人やご家族の、その後の生活を大きく変えてしまいます。金額では表せないご苦労も多いことと思います。ほんの一瞬の歯車の狂いで、いつ自分が、家族が、自動車事故に巻き込まれるかわかりません。自動車を運転するということは、そのような危険を伴うということを、常に意識したいものですね。コラム執筆者プロフィール 中垣 香代子(なかがき かよこ)CFP(R)/2級ファイナンシャルプランニング技能士損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。老後のお金を一緒に考える事務所 所長。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年03月10日Infineon Technologiesと独Hellaは、自動車後部の死角検知(Blind Spot Detection)を正確に行うレーダーセンサ向け無線周波数モジュールを開発したと発表した。同モジュールは、従来、別々であった複数の部品を単一のトランシーバ(トランスミッタとレシーバの機能を兼備)に集積することで、省面積化とコスト削減を実現したほか、低消費電力と高いパフォーマンスの両立も実現したとのことで、高級車部門以外の自動車も対象とした、運転者支援システムの連続生産が可能になるという。また、高い精度を実現しているため、レーダーのスキャン情報を更新し続けることで、動きの方向や速度に関わらず、悪天候時にも動く物体を検知することが可能になるとしている。
2015年03月05日コンチネンタルタイヤは3月1日、製品ラインナップに電気自動車とハイブリッド車向けに開発されたタイヤ2タイプを追加したと発表した。両製品は共にConti.eContactというブランド名で生産されることとなるが、それぞれが電気自動車またはハイブリッド車の駆動系に合わせた特殊設計となる。20インチの電気自動車用Conti.eContactは、乗用車用タイヤとしては径が大きく、比較的幅を細くすることで、転がり抵抗を従来タイヤと比較して約30%低減した。同製品を導入することで、電気自動車の航続距離を理論上最大6%向上させるとしている。一方のハイブリッド車向けには17インチと18インチを用意。パワーが必要なSUVでも使用可能で、転がり抵抗を約20%低減することに成功したという。また、同社製タイヤとしては初めて、転がり抵抗とウェットグリップ性能において、EUタイヤラベリング制度でA評価を獲得した。同社は「Conti.eContactシリーズのタイヤはすでにフォルクスワーゲンやルノーなどから装着タイヤとして承認を得ているほか、今年中にドイツや欧州の他の自動車メーカから承認が得られる予定だ」とコメントした。
2015年03月02日ソニー損害保険(以下ソニー損保)は23日、急発進・急ブレーキの少ない"やさしい運転"をすると保険料が戻る、新しいタイプの自動車保険「やさしい運転キャッシュバック型」の販売を開始した。3月1日以降が保険始期日となる契約が対象。「やさしい運転キャッシュバック型」は、無料で貸与するソニー損保オリジナルの小型計測器「ドライブカウンタ」で計測した、加速・減速の発生状況(運転特性)を保険料に反映させる、日本で初めてのタイプの自動車保険だという。「20歳代の方が運転する」「等級が進行していない」といった保険料が高くなりがちな顧客でも、"やさしい運転"によりキャッシュバックを受けることで、保険料の節約が可能になるとしている。販売開始に先立って2014年11月17日から12月18日の期間に実施した、ドライブカウンタによる計測を無料で試すことができる「30日間無料トライアル」には、5000人を超える顧客の申込みがあったという。また、トライアルに参加した顧客に協力してもらったアンケートでは、多くの人が、ドライブカウンタを付けることが「スムーズな運転を心掛けることにつながった」と回答するなど、安全運転の意識を高めるきっかけのひとつとなったことが、うかがえたとしている。○「30日間無料トライアル」に参加した顧客の感想【抜粋】燃費が良くなったし、安全運転になった常日頃、安全運転に心がけており、その結果が保険料に反映されることに喜びと、これからも安全運転を続けることへのモチベーションの一つになります自分の運転を客観的に見ることができて、とても良い経験になりました。日頃から安全運転は心掛けているつもりですが、より穏やかで落ち着いたアクセルワークができるようになりたいです自分の運転を知る機会になって良かったと感じた。また、安全運転に心がける意識づけになったソニー損保は引続き、顧客ひとりひとりのリスクを反映していくことで、より納得感のある保険料の実現を目指すとともに、保険商品を通じた顧客の安全運転のサポートにも取組んでいくとしている。
2015年02月24日SAPジャパンは2月13日、自動車業界のビジネス変革(イノベーション)を支援するためのソリューション開発センターである「オートモティブ・コンピテンシー・センター」を同日付で設立したと発表した。グローバルで自動車産業に関するプロジェクトに長期にわたり参画したメンバーによる専任チームを設置し、ユーザー企業のイノベーションを支援していく。同センターでは、国内の自動車業界のユーザー企業が大きく変化し続ける環境を事業の成長と変革の機会として捉えグローバルで成功するために、実績のあるソリューションの提供に加え、ユーザー企業と共に日本の製造業のさらなる進化を実現する新たなソリューションの開発を目指す。同センターは、自動車業界に関する知識と経験を持つ海外エキスパートチームと、日本の自動車業界を熟知した日本人社員チームとのコラボレーションで構成。これにより、自動車産業における基幹業務についてはユーザー企業の要望や環境に合わせたカスタム開発を含むソリューションを提案し、ビジネスのシンプル化を支援する。また、国内自動車メーカーの持つアイデアとSAPがグローバルで培ってきた知見を組み合わせ、グローバルの経験をベースとしながらもユーザー企業が求める価値の実現を支援するとしている。同社は全世界で約6,300社の車両メーカーやサプライヤーを中心に自動車業界の事業者で既に実績を持っているという。その経験とノウハウを日本市場に向けて提供するため、部門の垣根を超えた「One SAP」としてユーザー企業を支援する組織体制への再編を進めており、今回の新センター設立もその一環だ。
2015年02月14日LINEは5日、LINEアプリに搭載する送金・決済サービス「LINE Pay」に、第三者の不正利用で被った損害を補償する利用者補償制度を導入したと発表した。LINE Payユーザー全員を対象にした無料の制度で申込みは不要。補償を受けるには期限内に所定の手続きに従う必要がある。LINE Payは、LINEを介してユーザー間での送金や、提携サービス・店舗での決済ができるサービス。昨年12 月のサービス公開当初より、個人情報の暗号化、不正動作アカウントの検知モニタリングシステムの導入など、セキュリティの確保や不正利用の防止に取り組んできたが、一連の取り組みに加えて、新たに利用者補償制度を導入した。同制度は、損害保険ジャパン日本興亜から補償の提供を受け、2月1日の同制度適用以降、LINE Payユーザーが第三者による不正利用で損害を被った場合に、LINEがユーザーに対して補償するというもの。補償範囲は、LINE Pay上で行われたすべての金銭移動(送金・決済・出金)。補償の対象となる具体例としては、「端末の紛失や盗難により、第三者にLINE Payにログインされ、金銭移動が行われた場合」、「LINEおよびLINE Payのログイン情報が第三者に特定され、他の端末からアカウントに不正ログインし金銭移動が行われた場合」などを挙げている。一方、適用対象外となるのは、「アカウント所持者の故意によって金銭移動が行われた場合」「LINEおよびLINE Payのログイン情報を自ら他人に教えたり、公開したりするなど、アカウント所持者の重過失が認められる場合」など。補償限度額は「本人確認書類の登録」もしくは「銀行口座振替の登録」による本人確認の有無によって異なる。本人確認を行っていないユーザーの補償限度額はチャージ限度額の10万円、本人確認を行ったユーザーで、損害額が10万円を超えている場合には、ユーザーの利用状況や警察当局による捜査結果などを踏まえ、補償限度額の引き上げを個別に検討するという。なお、補償を受けるには、不正利用の発生から30日以内に、LINEサイト・アプリの報告フォームから申告する必要がある。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年02月05日三菱化学は1月27日、マツダと共同で、自動車の外装意匠部品にも無塗装で使用可能なバイオエンプラ「DURABIO」の新グレードを開発したと発表した。「DURABIO」は、再生可能な植物由来のイソソルバイドが原料のバイオエンプラで、耐衝撃性、耐熱性、耐候性などにおいて、一般的なエンプラより優れた性能を有している。また、発色性が良く、透明度も高いので、顔料を配合するだけで、つややかな光沢のある表面を作ることができる。さらに、表面が堅くて丈夫なので、擦り傷が付きにくい。このため、塗装工程が不要になり、塗料から出るVOC(揮発性有機化合物)排出をなくすことも可能という。今回、マツダが自動車内外装意匠部品への適用に向けた加工技術の最適化を主導して実施し、三菱化学が「DURABIO」の材料特性の最適化を主導して実施することで、自動車の内装意匠部品に加え、外装意匠部品にも使用できるグレードの開発に成功した。これにより、従来の塗装にはなかった新たな質感を実現したとしている。なお、新グレードは、2015年にマツダから発売予定の新型「マツダロードスター」の内装意匠部品として採用され、その後順次、量産車の外装意匠部品にも展開される予定。
2015年01月28日