2023年は女優・芦川いづみのデビュー70周年にあたる。本日2月3日に、主演作『知と愛の出発』を公開以来となるカラー復元版でDVDリリースするほか、3月には神保町シアターで特集上映の開催や、CS映画チャンネルでの特集の放送が予定されている。松竹歌劇団在籍中に川島雄三監督に見いだされ、1953年に『東京マダムと大阪夫人』で銀幕デビューした芦川はその後、68年に藤⻯也との結婚を機に引退するまで、数々の⽂芸映画、⻘春映画で活躍。スタジオジブリ・宮崎駿監督作品のヒロインの原型とも言われるほか、『デビュー65周年記念芦川いづみ DVD』リリース時にイメージイラストを手がけた漫画家・江口寿史も「永遠の心の恋人」とツイートするなど、その清楚な美しさは今なお多くのファンを魅了している。現在は芦川の手型モニュメントが、往年の日活スター約60人の手型と並び、京王線調布駅東口に展示されている。『知と愛の出発』カラー復元版DVDが本日発売⿊澤明監督『酔いどれ天使』などの植草圭之助が脚本を手がけ、『渡り鳥』シリーズの斎藤武市が監督を務めた『知と愛の出発』(1958年)は、美しい湖のほとりで過ごす少女たちの清らかな恋と、性の目覚めを描く⻘春物語。大ヒット作『陽のあたる坂道』で脚光を浴びた芦川と川地⺠夫が共演しており、同性愛など公開当時でもセンセーショナルな題材に挑んでいる。本作はコニカラーというシステムで、公開当時カラー作品として製作・公開されたが、現在では復元が難しく、⻑らくモノクロマスターでの視聴しか叶わなかった。しかしこの度、⽩⿊プリントから4Kスキャンを行い、シュードカラー(Pseudo-color/疑似カラー)による復元が可能となった。DVDは4Kスキャン後、ダウンコンバートを行った2Kでマスターを作成し収録している。『知と愛の出発』 (c)日活■『知と愛の出発』監督:斎藤武市脚本:植草圭之助原作:中村八朗出演:芦川いづみ、川地⺠夫、中原早苗、⽩木マリ、宇野重吉、小高雄二、利根はる恵■『知と愛の出発』カラー復元版DVD 発売中価格:3,520円(税込)発売元:日活株式会社販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング1958年/日活/約89分/カラー※現存マスター等の状況により、復元カラーに一部不鮮明な部分やバラツキが生じる可能性あり。「老若男女問わず人気」神保町シアターで5度目となる特集上映が開催『あした晴れるか』 (c)日活神保町シアターにて3月11日から4月14日の5週間にわたり、特集上映『デビュー70周年記念 恋する女優・芦川いづみ』が開催される。芦川いづみの出演作を20本という大ボリュームで上映する。神保町シアターの佐藤支配人は「当館では2015年9月の初開催から数えて今回で5度目となる特集上映ですが、回を重ねるごとに新たなファンを獲得し、20代の学生から現役時代の活躍を知るシニア層まで老若男女問わず人気を集め、その熱狂ぶりは、引退から50年以上経っている女優に向けられるものとは信じがたいものでした」と語る。今回は過去の特集の人気作はもちろんのこと、目玉として『知と愛の出発』カラー復元版を劇場初上映する。その他にも、ツンデレなメガネっ子をキュートに演じた『あした晴れるか』、石原裕次郎、北原三枝と共演した『陽のあたる坂道』、フェリーニ『道』のジュリエッタ・マシーナを彷彿とさせ、自他ともに認める生涯の代表作『硝子のジョニー 野獣のように見えて』など、芦川のさまざまな魅力が溢れる作品を一挙上映する。■神保町シアター特集上映『デビュー70周年記念 恋する女優・芦川いづみ』期間:3月11日(土)~4月14日(金)上映作品:『東京の人 前篇後篇』『陽のあたる坂道』『堂堂たる人生』『しろばんば』『乳⺟⾞』『⽩い夏』『風のある道』『あじさいの歌』『しあわせはどこに』『完全な遊戯』『男なら夢をみろ』『学生野郎と娘たち』『⻘春怪談』『霧笛が俺を呼んでいる』『あした晴れるか』『⻘年の椅子』『誘惑』『知と愛の出発』『硝子のジョニー 野獣のように見えて』『真⽩き富士の嶺』チャンネルNECOで『その壁を砕け』など3作品が放送!『結婚相談』 (c)日活CS映画チャンネル「映画・チャンネルNECO」では、3月に『特集 デビュー70周年 女優・ 芦川いづみ』として、冤罪事件をテーマにした、中平康監督、新藤兼人脚本の傑作サスペンス『その壁を砕け』(1959年)、石原裕次郎を一躍スターダムにのしあげた大ヒット作のリメイク版『嵐を呼ぶ男(渡哲也版)』(1966年)、 清純派の芦川がコールガールに転落したヒロインを体当たりで演じた異色作『結婚相談』(1965年)の3作品を放送する。清純派から体当たり演技まで、作品や役柄で変幻自在に変貌する芦川の可憐でコミカル、時に妖艶な魅力を堪能できるプログラムとなっている。■チャンネル NECO『特集 デビュー70周年 女優・ 芦川いづみ』放送時期:3月(4月リピート放送)放送作品:・『その壁を砕け』3月12日放送監督:中平康/出演:⻑門裕之、芦川いづみ、小高雄二、渡辺美佐子、清水将夫、芦田伸介、⻄村晃・『嵐を呼ぶ男(渡哲也版)』3月5日放送監督:舛田利雄/出演:渡哲也、芦川いづみ、太田雅子、橘和子、由美かおる、藤⻯也、朝丘雪路、宇野重吉・『結婚相談』3月4日放送監督:中平康/出演:芦川いづみ、高橋昌也、山本陽子、横山道代、浜川智子、稲野和子、高原駿雄
2023年02月03日60年代より銀幕のスター女優として活躍、70年代には『さそり』『修羅雪姫』など幾多の映画に主演し、現在も世界中に数多くのファンがいる女優・梶 芽衣子。役者業とともに、歌手としても70年代から活動を開始、自身の主演映画・ドラマの主題歌を数多く歌い続け、ことに東映映画『さそり』シリーズの主題歌「怨み節」は大ヒットを記録した。今回、梶 芽衣子の数々の名曲群のうち、2022年2月23日より、テイチクレコード所属時代の楽曲を中心に、全85曲が一挙デジタル配信されることになった。このうちの14曲はこれまでCD化もされておらず、新たにアナログマスターテープからデジタル化されたものである。今回の配信を記念して、梶 芽衣子自身が選曲し、その制作背景やレコーディング秘話などを語る特別インタビュー「梶 芽衣子の10曲」が、全4週にわたりTEICHIKU RECORDSのYouTube公式チャンネルにて公開される。代表作の「怨み節」をはじめ、「修羅の花」「ジーンズぶるうす」など数々の映画・ドラマ主題歌から、異色のシティ・ポップ・アルバム『去れよ、去れよ、悲しみの調べ』からのナンバー、2018年の最新作「追憶」まで、梶 芽衣子本人が語る珠玉のエピソードは、キャリア50年を経てなお、新たな世界に挑んでいくシンガー・梶 芽衣子の熱い思いそのものである。今回のインタビューをご覧になった方たちは、今回の一挙配信を機会に、ぜひ1曲でも多くシンガー・梶 芽衣子の世界に触れていただきたい。文・馬飼野 元宏『梶 芽衣子 配信記念 特別インタビュー』episode 01・episode 02(3月2日(水) 公開予定)・episode 03(3月9日(水) 公開予定)・episode 04(3月16日(水) 公開予定)■各音楽配信サービスはこちら:■「梶 芽衣子の10曲」プレイリスト:<配信作品一覧>■アルバム『銀蝶渡り鳥』(オリジナルリリース:1972年7月1日)梶 芽衣子『銀蝶渡り鳥』ジャケット【収録内容】1. 東映映画「銀蝶渡り鳥」主題歌 銀蝶渡り鳥2. 日活映画「昇り竜」シリーズ主題歌 仁義子守唄3. 日活映画「昇り竜」シリーズ挿入歌 恋に命を4. 東映映画「銀蝶渡り鳥」挿入歌 銀蝶ブルース5. はこだて物語6. 命の涙7. 浜辺のメルヘン8. 夜霧のすきな貴方9. 悲しい笑顔10. 心のこり11. 嫉妬12. 愛への期待『梶芽衣子のはじき詩集(うた)』(オリジナルリリース:1973年6月1日)梶 芽衣子『梶芽衣子のはじき詩集(うた)』ジャケット【収録内容】1. 芽衣子のふて節2. わらの上3. おんな叛(そむ)き唄4. ひずみ燃え5. おんな渇き唄6. おんなはぐれ唄7. ひとり風8. 東映映画「さそり」シリーズ挿入歌 女の呪文9. 別にどうって事でもないし10. にごり女11. 悲しくないからふしあわせ12. 東映映画「さそり」シリーズ主題歌 怨み節『梶芽衣子オリジナル・ベスト12 -やどかり-』(オリジナルリリース:1973年10月25日)梶 芽衣子『梶芽衣子オリジナル・ベスト12 -やどかり-』ジャケット【収録内容】1. やどかり2. 落日3. 私うまれてふしあわせ4. 山猫5. 蟻地獄6. かきおき7. テレビ映画「戦国ロック・はぐれ牙」主題歌 はぐれ節8. あやとり9. 「鳴呼(ああ)……」10. ある出逢い11. おんな願い唄12. テレビ映画「戦国ロック・はぐれ牙」挿入歌 牙のバラード『男・女・こころの哀歌』(オリジナルリリース:1974年4月25日)※未CD化梶 芽衣子『男・女・こころの哀歌』ジャケット【収録内容】1. アカシアの雨が止むとき2. 芽衣子の夢は夜ひらく3. 女心の唄4. 銀座の蝶5. 新宿ブルース6. カスバの女7. 東京流れもの8. 裏町人生9. 酒は涙か溜息か10. 男の純情11. 雨の屋台12. 知床旅情『去れよ、去れよ、悲しみの調べ』(オリジナルリリース:1974年11月25日)梶 芽衣子『去れよ、去れよ、悲しみの調べ』ジャケット【収録内容】1. ~新しい日々~2. 舟にゆられて3. 不思議ね4. うつろな風のある日5. 別れ話なんか6. 雨の夜あなたは7. この新しい朝に8. 南風9. ~旅~(セリフ)(BGM[I])10. 秋11. 朝の感情12. ~七日間~(セリフ)(BGM[I])13. とりとめもない思い14. ~元気よ~(セリフ)(BGM[I])『女をやめたい そして…』※デジタル向けパッケージ梶 芽衣子『女をやめたい そして…』ジャケット【収録内容】1. 東宝映画「修羅雪姫」主題歌 修羅の花2. ほお やれほ……3. 東映映画「明日なき無頼派」テーマ ジーンズぶるうす4. 因果花5. 芽衣子の夢は夜ひらく6. 女をやめたい7. 思い出日和『あいつの好きそなブルース』(オリジナルリリース:2011年5月25日)梶 芽衣子『あいつの好きそなブルース』ジャケット【収録内容】1. あやまち2. 一番星ブルース3. あいつの好きそなブルース4. 袋小路三番町5. 朝顔・夕顔6. あゝブルース7. しなやかにしたたかに■サウンドトラックアルバム『サウンドトラック「梶 芽衣子の魅力」』(オリジナルリリース:1972年12月25日)※未CD化『サウンドトラック「梶 芽衣子の魅力」』ジャケット【収録内容】1. 東映映画サウンドトラック盤 女囚701号『さそり』より2. 東映映画 銀蝶流れ者『牝猫博奕』より■シングル『修羅の花』(2003年12月17日 12cm CDシングルとしてリリース)梶 芽衣子『修羅の花』ジャケット【収録内容】1. 東宝映画「修羅雪姫」主題歌 修羅の花2. 東映映画「さそり」シリーズ主題歌 怨み節3. 修羅の花(メロ入りカラオケ)4. 怨み節(メロ入りカラオケ)『不思議ね』(1994年7月21日 8cm CDシングルとしてリリース)梶 芽衣子『不思議ね』ジャケット【収録内容】1. 朝日放送・テレビ朝日系『旅くらべ決定版』エンディングテーマ 不思議ね2. 朝日放送・テレビ朝日系『旅くらべ決定版』エンディングテーマ 不思議ね(オリジナル・カラオケ)3. 舟にゆられて4. 舟にゆられて(オリジナル・カラオケ)『女をやめたい』(2009年6月24日 12cm CDシングルとしてリリース)梶 芽衣子『女をやめたい』ジャケット【収録内容】1. 女をやめたい2. 思い出日和3. 女をやめたい(オリジナル・カラオケ)4. 思い出日和(オリジナル・カラオケ)梶 芽衣子 テイチクエンタテインメント オフィシャルHP:
2022年02月23日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは女優の梶芽衣子さん。ラストとなる第4回は「褒める人より、苦言・叱責する人を大切に。」。25歳で東映の映画『女囚701号/さそり』に主演し、それが大ヒットしシリーズ化。その後いろんな映画会社で主演作を作っていただき、30歳前後の私は客観的に見れば成功していたと思います。でも自分では、守りに入ろうなんて思わなかった。なぜならば、私は“まだできていない”という気持ちをずっと感じていたから。その満足できていないという思いは、今も変わりません。今私は73歳ですが、仕事をしているといまだに「こんなことってある?!」ということが山のように起こる。20~30代の挫折なんて甘い甘い、そこからがもっと大変ですよ(笑)。人生、完成するなんてことは、きっとないのではないかしら。進み続けるために大切なのは、甘えないこと。褒められるとつい満足してしまいますよね。でも、そこにあぐらをかいたら成長は止まります。耳を傾けるべきは、褒め言葉ではなく苦言・叱責。厳しい言葉をかけてくれる人を大切にして、生きてください。実は私は幼い頃とても体が弱く、おそらく長生きはできないだろうな、40歳くらいで死ぬだろうな、と思っていました。でも、それがどうです、想定の倍近く生きることができている。正直今は、もっといけるかな、とも思ってます(笑)。この、想定していなかった長い人生、もっと仕事がしたい。映画『すばらしき世界』の西川美和監督もそうですが、お若く才能あふれる監督が私を使ってくださり、その現場でいろんなキャッチボールができる喜びは、この歳まで生きて仕事をしているからこそ、感じられるものですから。YouTubeを始めましたし、少し前にはロックのアルバムも出しました。71歳で、ロックよ!アマゾンで売ってるから、みなさんぜひ買ってください(笑)。コロナが終わったら、ライブハウスでライブをやりたい。もっともっと楽しみたいので、もう最近は年齢のことを考えません。もう73…なんて思ったら、余計くたびれちゃいますから!かじ・めいこ1947年3月24日生まれ、東京都出身。公開中の西川美和監督作品、映画『すばらしき世界』に出演。第75回毎日映画コンクールにて、田中絹代賞を受賞した。※『anan』2021年3月3日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2021年02月28日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは女優の梶芽衣子さん。第3回は「役柄を作る上で、衣裳選びは重要です」。現場で精一杯やったら、もう振り返りません。撮影というと、今はスタイリストさんに洋服を用意してもらうのが普通だと思いますが、私は演技の仕事のときは衣裳部の方に衣裳を用意していただき、その中から自分で選んでいます。日活時代から、ずっとそう。私にとって衣裳選びは演技プランを作る第一歩。役を作る上で、衣裳が果たす役割はとても大きいんです。映画『すばらしき世界』で私が演じた庄司敦子という役は、人権派弁護士の妻でした。自分の利益を考えず人助けをするという夫の妻ですから、おしゃれや流行といった概念が一切ない服を着るだろうと思い、“目立たない”ということのみを考え、そんな色やデザインを選びました。ちなみに取材のときの服は自分で選びます。今日の服はZARAのメンズ。ZARAもユニクロも大好きですよ。コロナ禍の前は、お買い物にもよく行っていました。服の趣味は昔から変わりませんね。お花柄のふわっとしたものとか、レースとかは選びません(笑)。ドラマも映画も、自分が出たものを見返すことはほぼありません。どれだけ長くこの仕事をしていても、自分の演技を見るといやになっちゃう。反省しかないんですよ。新人時代、石原裕次郎さんと浅丘ルリ子さんの映画『夜霧よ今夜も有難う』に出させていただいた際、試写を観たとき私が何を思ったかというと、「この映画、私が出ていなかったらもっと良かったわよね…」ということ。ひどいなんてものじゃなかった。女優、やめたほうがいいかしらと、そのときは本当に落ち込みました。しかも、出来上がったものはもうやり直せないじゃないですか。やり直せないっていうのは、私にとっては恐怖です。なのでもう、振り返らないことにしています。だからこそ、カメラの前で演じるその瞬間は、精一杯やります。精一杯やったんだからいいじゃないって思えれば、それが少しは救いになる。でももちろん、「あの映画良かったですよ」って言ってもらうのは嬉しいですよ。かじ・めいこ1947年3月24日生まれ、東京都出身。公開中の西川美和監督作品、映画『すばらしき世界』に出演。世界的映画監督タランティーノ氏も、梶さんの大ファン。※『anan』2021年2月24日号より。写真・中島慶子取材、文・河野友紀(by anan編集部)
2021年02月22日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは女優の梶芽衣子さん。第2回は「脇役の大切さを学んだ、思い出の作品」。誰しもが当たる年齢の壁を、時代劇で超越!中村吉右衛門さんがドラマに出られる、しかも池波正太郎先生原作の時代劇と聞き、テレビ局の方に「どんな役でもいいから出してほしい」とお願いをし、出演が決まった『鬼平犯科帳』。吉右衛門さんは歌舞伎役者ですから、ご一緒できるなんてまずありえない。この機会を逃すまいと、ルール違反だと分かりながらも、お願いをしてしまいました。28年間の出演ではたくさんのことを学びましたが、特に心に残っているのは、“脇役の大切さ”。私が演じた“おまさ”は密偵の役で、見張って尾行して報告する、毎話ほぼそれだけの芝居です。でも脇だからと手を抜いたら、“徒(あだ)や疎(おろそ)か”で終わりますし、何より作品が良くならない。それに、脇役でも光る仕事をすれば誰かの目に留まり、それがきっかけでセリフが増えることもある。実際私はそういう経験もしました。徒や疎かで終わらせない。たぶんそれってきっと、どんな仕事にも言えることなのでは、と思います。今となっては、この役者の仕事が大好きですし、天職…とまでは言えませんが、この仕事をしながら人生を送れていることに、この上ない幸せを感じています。でも、そう思えるようになったのは、67歳か68歳くらい…。42歳でスタートした『鬼平』が終わる2~3年前に、やっと芝居が楽しいと思えるようになりました。なかなか長い道のりでしたね。人間、特に女性は、誰しも年齢の壁に当たるときがあると思いますが、女優という職業にとっては、それはとても大きな壁なんです。例えば30代まで、恋愛モノのヒロインやキャリアウーマンをやっていた人が、40代でいきなり母親役にシフトできるかというと、なかなかそうもいかないのが現実です。私はそのタイミングで、あまり年齢を問われない時代劇に出演でき、同じ役柄をずっと追求できたのは、幸運だったと思います。ちなみにおまさは36歳でしたが、28年続いて番組終了時の私は70歳。随分年を取りました(笑)。かじ・めいこ1947年3月24日生まれ、東京都出身。2/11より公開の西川美和監督作品、映画『すばらしき世界』に出演。’70年代の代表作「女囚さそり」シリーズは、今なお大人気。※『anan』2021年2月17日号より。写真・中島慶子取材、文・河野友紀(by anan編集部)
2021年02月15日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは女優の梶芽衣子さん。第1回は「いつの間にやら女優のレールに乗せられて?!」。デビューから5年は、とにかく過酷でした…。私がこの世界に入ったのは、高校生のときに銀座でスカウトされたのがきっかけ。もともと生まれが神田なので、遊び場が銀座。明治屋さんで舶来のチョコレートやお菓子を見たり、千疋屋さんでパフェを食べたりするのが大好きでした。とはいえお小遣いは少なかったので、そんなことができるのはごくごくたまに。そんなとき、「モデルをやりませんか?」とお声がかかり、「もっとパフェが食べられるなら!」と、アルバイト気分で始めたのが最初です。とはいえ、女優になるとかそんなことは一切考えておらず、あくまでもアルバイト。でも、突然モデルクラブが解散、知らぬ間に所属が別の事務所に変わり、さらにいつの間にか映画会社の日活に私のプロフィールが渡っていて、ある日いきなり「映画に出ていただきます」と言われたんです。正直、訳が分かりませんよ(笑)。ただどこかで、「面白そうではあるわね…」と思ったのは事実。そこから私の女優人生が始まりました。最初に主演したのは青春恋愛映画のヒロイン役でした。でも私は、演技なんてやったこともない、習ったこともないただの17歳。その17歳を相手に、監督、スタッフ、先輩の俳優の誰もが厳しく、ものすごく怖かった。もちろん後々、新人への優しさだったと理解はできましたが、当時は毎日やめたいと思ってました。愚痴を言いたくても撮影所に友達もいない、かといって家族にも言えないし…。できることといえば毎日お風呂で「バカー!やめてやる!撮影所が明日消えてなくなればいい!!」と叫ぶしかない。しかも全然泣けなかったんです。泣けるってまだ余裕がある状況で、本当にしんどくてキツくなると涙も出ない。ここがすごく切ないわよね。そんなこんなで5年間映画に出て、23歳でバシッと日活を退社。でも女優をやめようとは思わなかったの。日活だけで終わりたくなかったし、ここでやめたら女が廃るって思って。やっぱり意地があったんでしょうね(笑)。かじ・めいこ1947年3月24日生まれ、東京都出身。2/11より公開の西川美和監督作品、映画『すばらしき世界』に出演。ドラマ『きのう何食べた?』の筧史朗の母親役でも知られる。※『anan』2020年2月10日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2021年02月08日アイドルグループ・Sexy Zoneの中島健人主演映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』(2月27日公開)の観客動員数が100万人を突破したことが10日、わかった。同作は、中島演じるドS男子「黒悪魔」こと黒崎晴人と、千葉雄大演じる女子の憧れの的「白王子」こと白河タクミの2人に、小松菜奈演じるヒロイン赤羽由宇が翻弄される姿を描くラブストーリー。原作は累計165万部を超える同名の少女漫画で、現在、第40回講談社漫画賞(2016年度)の少女部門にノミネートされている。4月10日の時点で観客動員数100万7,034人、興行収入は11億5,846万8,000円となった。2016年に動員数が100万人を突破した作品はどれも250館以上の大規模公開作品となっているが、同作は全国160館という中規模公開作品でありながら100万人動員を達成した。また、ヒットを受けてロングラン上映が決定した劇場などが増え、公開7週目で上映館が189館に拡大。SNSでは「黒崎くんを観たから化粧ノリが良い」「黒崎くんおかわりする(=リピートする)」などの反応を集めるほか、メインの3人だけでなく、岸優太(ジャニーズJr.)演じるサブキャラクターの梶祐介、高月彩良演じる芦川芽衣子も人気となっている。(C)「黒崎くんの言いなりになんてならない」製作委員会(C)マキノ
2016年04月10日