いちはらアート×ミックス実行委員会は、現代アートの芸術祭『房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+』を、2021年12月26日(日)まで開催することをお知らせいたします。里山や閉校した学校の校舎、小湊鉄道の駅舎などを舞台として、「房総の里山から世界を覗く」をテーマに17の国と地域から68組のアーティストが89作品を展開しています。11月下旬から12月上旬にかけては市原市養老渓谷の紅葉が見ごろを迎えます。美しい紅葉に彩られた里山の中を走る小湊鐵道トロッコ列車なども併せてお楽しみください。レオニート・チシコフ《7つの月を探す旅「第二の駅 村上氏の最後の飛行 あるいは 月行きの列車を待ちながら」》1. 開催期間2021年12月26日(日)まで※月・火曜日休場2. 開催エリア千葉県市原市 小湊鉄道を軸とした周辺エリア市原市内9エリア(五井、牛久、高滝、平三、里見、月崎・田淵、月出、白鳥、養老渓谷)、小湊鉄道各駅舎3. 開催概要千葉県市原市内を走る小湊鉄道を軸とした周辺エリアを会場に、閉校した学校の活用や、小湊鉄道駅舎等、交通機関の活用、食や自然等の地域資源の活用などによる、新しい芸術祭を開催。4. 参加アーティスト・作品数参加アーティスト:68組(17の国と地域)、作品数:89点5. 周遊方法小湊鉄道主要駅と会場エリアをつなぐ無料周遊バスを運行。また、土日限定、五井駅発着でガイドとともに作品を巡るオフィシャルツアーを開催。オフィシャルツアー詳細はこちら 6. 鑑賞券・パスポート会期中、本芸術祭の一部のイベントを除くすべての作品を鑑賞できる作品鑑賞パスポートを販売■作品鑑賞パスポート販売料金 一般:3,000円、大高生:1,500円、小中学生:500円※会期中であれば異なる日であっても使えます(1作品1回限り有効)※同一作品を2回以上鑑賞する際は再入場券をお買い求めください7. 主催いちはらアート×ミックス実行委員会実行委員会会長:小出譲治(市原市長)8. 総合ディレクター北川フラム9. 公式ウェブサイト・SNS■公式ウェブサイト ■公式SNSFacebook、Instagram、Twitterにて作品・作家やイベント情報等について発信Facebook : Instagram: Twitter : 田中奈緒子《彼方の家》栗真由美《ビルズクラウド》アイシャ・エルクメン《Inventory》開会式の様子 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月26日東京の多彩で奥深い芸術⽂化を通して世界とつながることを⽬指し、2016年から毎年秋に、東京池袋エリアで開催している国際舞台芸術祭「東京芸術祭」。今年は「歴史のまばたき」をテーマに、9⽉1⽇(⽔)から11⽉30⽇(⽕)までの91⽇間にわたり開催している。会期最後の1ヶ月となる11⽉1日からは、コロナ禍で国境を越えたアーティスト、作品の招聘が困難となるなか、映像を通じて、世界や⽇本各地で活躍する表現者の取り組みにフォーカスする配信プログラムを用意。国内外の実⼒派によるダンス作品や、フィクションとドキュメンタリーが交差する映像作品、舞台芸術と映像・配信の関係そのものを議論するシンポジウムやディスカッションまで、多彩なプログラムがオンラインで視聴可能だ。ロロ『Every Body feat. フランケンシュタイン』(10月9日〜10月17日・東京芸術劇場 シアターイーストにて上演)、Baobab『ジャングル・コンクリート・ジャングル』10月22〜24日・あうるすぽっとにて上演)、きたまり/KIKIKIKIKIKI『⽼花夜想(ノクターン)』(10月22〜24日・東京芸術劇場 シアターウエストにて上演)といった劇場公演を上演後に映像配信するのは同芸術祭では初の試み。劇場での鑑賞が叶わなかった方も、この機会にぜひチェックしてみてほしい。<視聴可能な配信プログラム>◎ 『The New Gospel ‒ 新福⾳書 ‒』() (映画)作・監督:ミロ・ラウ ※11月28日まで配信◎ ロロ『Every Body feat. フランケンシュタイン』() (演劇)脚本・演出:三浦直之(ロロ) ※11月30日まで配信◎ Baobab『ジャングル・コンクリート・ジャングル』() (ダンス)振付・構成・演出:北尾 亘(Baobab)※11月30日まで配信◎ きたまり/KIKIKIKIKIKI『⽼花夜想(ノクターン)』() (ダンス)原作:太田省吾振付・演出:きたまり ※11月30日まで配信◎ オンラインディスカッション「映像のパフォーマンス」 ()スピーカー:岡田利規(演劇作家・小説家・チェルフィッチュ主宰)、竹下暁子(パフォーミングアーツ・プロデューサー/山口情報芸術センター[YCAM])、深田晃司(映画監督) ※11月30日まで配信◎ オンラインディスカッション「公共空間でつくる意味」()スピーカー:北澤 潤(美術家)毛利嘉孝(社会学者)ラファエル・トリュニャン(女優/レ・グランド・ベルソンヌ) ※11月30日まで配信◎ 【シリーズ・持続可能な舞台芸術の環境をつくる】東京芸術祭2021シンポジウム()「ライブでしか伝わらないものとは何か? 〜教育、育児、ダンスの現場から〜」登壇者:佐藤学(学校教育学)、開 一夫(赤ちゃん学)、北村明子(振付家、ダンサー)司会:横山義志、多田淳之介詳細は公式サイトへ
2021年11月23日千葉県の中央に位置する市原市の里山や閉校した学校、小湊鉄道の駅舎などを舞台とした芸術祭「いちはらアート×ミックス」。2020年3月に予定されていた「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス 2020」が開催延期となり、2021年11月19日(金)より「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス 2020+」として開催することとなった。今回は17の国と地域から、約70組のアーティストが参加し、開催史上最多の約90 点の作品が登場。会場も過去の芸術祭でもおなじみの市原湖畔美術館を中心とした高滝エリア、観光地としても有名な養老渓谷エリアなどが位置する南市原に加え、「いちはらアート×ミックス2020+」の旅の出発点で総合案内所となる五井エリアや、上総牛久駅からかつて使われていた古い商店跡や、現在も営業中の昔ながらの洋品店に作品を展開する牛久エリアなど、全9エリアに拡大して展開する。見どころは、レオニート・チシコフ、藤本壮介、西野達らが参加する「駅舎プロジェクト」。小湊鉄道五井駅から養老渓谷駅までの17駅全てに作品が設置され、100年の歴史を持つ小湊鉄道沿線をめぐりながら、各駅やその土地にちなんだ作品を見ることができる。作品制作や作品の維持管理を通してアーティストや地域と繋がり、地域への愛着と誇りを醸成することを目的開催の目的に掲げる「いちはらアート×ミックス」。来場者は作品を道しるべに地域を巡りながら、地域の価値や魅力を理解することができる。コロナ禍を経験した世界の「新たな芸術祭」のあり方についても考える機会となりそうだ。■出品作家五井エリア:チョアン・チーウェイ(荘志維 )/アレクサンドル・ポノマリョフ/ザンナ・カダイロバ /ターニャ・バダニナ/アデル・アブデスメッド牛久エリア:マー・リャン(馬良)/豊福亮/柳建太郎/中﨑透高滝エリア:KOSUGE1-16/クワクボリョウタ/アコンチ・スタジオ/木村崇人/鈴木ヒラク/ウラジミール・ナセトキン/ターニャ・バダニナ/ニブロール/深澤孝史平三エリア:開発好明/栗真由美/ミカーラ・ダウアー/キム・テボン(金泰範)/秋廣誠/曽我英子/冨安由真/マリア・ネポムセノ/長谷川仁/大野修平/ラヴァル・モンロー里見エリア:開発好明/EAT&ART TARO/高橋啓祐月崎・田淵エリア:エルモ・フェアメイズ/石塚元太良/アイシャ・エルクメン/磯辺行久/栗田宏武/小沢敦志月出エリア:岡田杏里/鈴村敦夫/風煉ダンス/チョウハシ トオル/ヘラルド・バルガス/塩月洋生/鍛治瑞子/岡博美/竹村京/舞踏団 トンデ空静/田中奈緒子/トーマス・レーメン/来田広大/岩間賢白鳥エリア:カルロス・ガライコア/髙田 安規子・政子/大杉祥子/五所純子/篠崎恵美/高山夏希/石田真澄/前田エマ/ 時速30kmの銀河の旅(前田麻里、坂口理子、美木 マサオ)/伊藤キム 養老渓谷エリア:竹腰耕平/マルニクス・デネイス/ターニャ・バダニナ広域展開・駅舎プロジェクト:レオニート・チシコフ/藤本壮介/ジョアン・カポーテ/成田久/西野達/ターニャ・バダニナ/ソカリ・ドグラス・カンプ/木村 崇人/CLIP/チョアン・チーウェイ(荘志維)ソカリ・ドグラス・カンプ《Manmade》ターニャ・バダニナ《翼》中﨑透《Clothing Fills in the Sky》Photo ECHIGOYA Izuru木村崇人《森ラジオ ステーション×森遊会》撮影:中村脩【開催概要】『房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス 2020+』会期:2021 年 11 月 19 日(金)~12 月 26 日(日)休場日:月・火曜(11 月 23 日は開場)開催エリア:千葉県市原市 小湊鉄道を軸とした周辺(五井、牛久、高滝、平三、里見、月崎・田淵、月出、白鳥、養老渓谷)鑑賞時間:10:00~16:00(小湊鉄道五井機関区は9:00~17:00、市原湖畔美術館は火~金10:00~17:00、土・祝前日9:30~19:00、日・祝日は9:30~18:00(月曜日休、月曜日が祝日の場合は翌火曜日休))料金:一般3,000円、大高1,500円、中小500円(パスポート制)■公式サイト:
2021年11月18日文化芸術経営のイノベーションファームYHIAISM株式会社(所在地:東京都港区、代表:泉志谷 忠和)は、2021年12月に、国際的に活躍する芸術家が集う、世界初のゲーム音楽オペラプロジェクト『Opera Dots(オペラドット)』を始動することをお知らせします。文化庁補助対象事業として、世界的認知を有するゲーム音楽とクラシック音楽の文化的融和を担い、日本発、世界展開の質高い持続的な文化事業を実施します。Opera Dots 東方Project オペラ公演 幻想郷への組曲その第一弾として、世界的人気を誇るゲーム作品『東方Project』(原作者:ZUN氏 (C)上海アリス幻樂団)を題材に新作オペラ『幻想郷への組曲』を発表します。「ゲーム」には、日本が世界に誇る傑作が多数存在します。そして、日本は素晴らしい感性と技術を有する多様な芸術家が暮らす、豊かな国です。年末年始である2021年12月30日から2022年1月5日(公演:2021年12月23日)に、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを中心に、世界同時配信が決定しています。なお、本公演の売上は、経済的打撃を受けている日本の文化芸術の持続的な活動や文化芸術経営の支援事業に使用します。本公演事業を通じ、文化芸術事業の健全な経済エコシステムの構築、持続的な文化経済圏の創出を推進します。Opera Dots公式サイト: ◆Opera Dots(オペラドット)2021年冬より始動する、世界初のゲーム音楽オペラプロジェクトです。国際的に活躍する芸術家が集い、世界的認知を有するゲーム音楽とクラシック音楽の文化的融和を担うことで、日本発、世界展開を実現する革新的な公演企画を行います。◆テーマ:「素粒子」と「ドット」ゲームを構成する「ドット」という言葉から『Opera Dots(オペラドット)』は生まれました。ゲームとは、人間が作り出したデジタルの世界です。では、現実世界とは一体何なのでしょうか。宇宙とは、地球とは、自然とは、人間とは、そしてゲームの「ドット」に当たる「素粒子」とは一体何なのでしょうか。科学技術は飛躍的に発展し、人類や自然に様々な影響を与えています。そのような時代だからこそ、世界のあり方について熟慮し「人間とは何か」を問う公演を制作します。「プレイヤー」と「キャラクター」との対話により、ゲームが有する思想性や存在意義を「オペラ」として作品化することで、現実世界とデジタル世界の融和を試みます。「音楽」と「詩」によって現れる、融和点での物語をお届けします。◆本公演の特徴・世界で活躍する音楽分野、美術分野など10~30代の多様な若手芸術家が集結し、質高い公演を行います。・ゲーム音楽オーケストラ演奏番組、ゲーム音楽オーケストラ演奏番組『シンフォニック・ゲーマーズ』やゲーム音楽交響楽団海外公演で活躍した作曲家 松崎 国生(※)をはじめ、ゲーム音楽生演奏のプロフェッショナルチームによる制作が行われます。※松崎 国生の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。・国内配信および、アメリカ、イギリス、中国をはじめ、ヨーロッパ、アジア圏に対し世界同時配信を行うことで、日本発、世界展開の文化事業モデル構築を目指します。・本公演の売上は、経済的打撃を受ける日本の文化芸術の持続的な活動や文化芸術経営の支援に使用します。文化芸術事業の健全な経済エコシステムの構築、持続的な文化経済圏の創出を推進しています。◆公演概要公演タイトル : 東方Project オペラ公演 幻想郷への組曲配信日 : 2021年12月30日(木)-2022年1月5日(水)公演日 : 2021年12月23日(木)18:00開演会場 : 霞町音楽堂出演 : 尾池 亜美(コンサートマスター)村松 稔之(カウンターテナー)山下 裕賀(メゾソプラノ)他Alive Painting : 中山 晃子編曲 : 松崎 国生詩・脚本 : 川宮 史紀仁プロデュース : 泉志谷 忠和文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業協力 : ZAIKO illuCalab.ツカノマレーベル主催 : YHIAISM株式会社Opera Dots公式サイト: (C) 上海アリス幻樂団◆プログラムBad Apple!!少女綺想曲 ~ Dream Battle竹取飛翔 ~ Lunatic Princess人形裁判 ~ 人の形弄びし少女上海紅茶館 ~ Chinese Teaおてんば恋娘恋色マスタースパーク幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble感情の摩天楼 ~ Cosmic Mind幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~Border of Lifeネクロファンタジア霊知の太陽信仰 ~ Nuclear Fusion月時計 ~ ルナ・ダイアル月まで届け、不死の煙U.N.オーエンは彼女なのか?亡き王女の為のセプテット信仰は儚き人間の為にフォールオブフォール ~ 秋めく滝平安のエイリアンハルトマンの妖怪少女六十年目の東方裁判 ~ Fate of Sixty Years少女さとり ~ 3rd eyeネイティブフェイス◆チケットメニュー公演チケット(12月23日 公演)「幻想郷へのチケット」12,800円配信チケット(12月30日~1月5日 世界配信)「Normal/配信を観る程度のチケット」4,800円特典:1.デジタルパンフレット(別名:攻略本)「Extra/素敵な配信チケット」8,800円特典:1.デジタルパンフレット(別名:攻略本)2.限定特典付きの公演映像・音源データ「Phantasm/完全な配信チケット」11,900円特典:1.デジタルパンフレット(別名:攻略本)2.限定特典付きの公演映像・音源データ3.限定発売音源「幻想郷のフラメンコ弦楽団」データ◆配信チケット抽選プレゼント特典・結界内のチケット(12月23日公演関係者席)2名・『幻想郷への組曲』シリアルナンバー・額装付 アート作品 3名・松崎国生のクライマックスおんがく教室 3名・サイン入りポストカード 5名◆注意事項本公演は政府および各自治体、ならびに会場におけるガイドライン、要請を遵守し実施します。今後の感染状況や政府の方針などによりガイドライン、公演内容、演目、出演者、感染症対策情報に変更が生じる場合もございます。万一感染症や自然災害、その他の影響で本公演が中止・延期となった場合、振替公演を実施します。原則としてチケットの払い戻しは実施せず、振替公演のチケットに自動的に変更となります。配信も期間を変更し、同様の扱いとなります。予めご了承下さい。最新情報はホームページに掲載いたします。ご購入前に必ずご確認下さい。 Key Visual :ヒトこもるImage Visual:箱星ぽたPixel Art :モケモ(C) 上海アリス幻樂団 (C) Opera Dots (C) YHIAISMYHIAISM 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月05日ユニクロ(UNIQLO)のグラフィックTシャツブランド「UT」から、現代芸術家ジェフ・クーンズとコラボレーションしたパーカ&Tシャツが登場。2021年10月1日(金)よりユニクロの一部店舗ほかにて販売される。現代芸術家ジェフ・クーンズとのコラボTシャツ&パーカニューヨークを拠点に活動するアメリカ出身の現代芸術家、ジェフ・クーンズ。1980年に初の個展を開催して以来、ロックフェラー・センターやベルサイユ宮殿、ホイットニー美術館、ビルバオ・グッケンハイム美術館など世界中の有名な施設や美術館で作品を展示している。「バルーン・ドッグ」など5作品にフォーカス今回のコラボレーションでは、ジェフ・クーンズの代表作品の1つである、風船のようなステンレス像アート「バルーン・ドッグ」やステンレス彫刻「ラビット」など5作品をモチーフにしたパーカとTシャツを発売。中でも、バレリーナのバルーン像「Seated Ballerina」やカラフルな塗装アルミニウム彫刻「Play-Doh」にフォーカスしたパーカでは、ジェフ・クーンズのロゴを大胆に重ね合わせ、インパクトのあるデザインに仕上げた。【詳細】ユニクロ UT「ジェフ・クーンズ」発売日:2021年10月1日(金)取扱店舗:ユニクロ一部店舗、オンラインストアアイテム:・パーカ 2,990円・Tシャツ 1,500円
2021年09月24日千の葉の芸術祭実行委員会は千葉市が市制100周年を迎えた今年、 「アートでつながる アートでつなげる 自由なアートが人と社会をかえていく」をコンセプトに「千の葉の芸術祭」を開催中。そのプログラムの一環として、 写真芸術展『CHIBA FOTO』が2021年8月21日(土)〜9月12日(日)まで、千葉市内各地にて開催する。この度、 期間中に市民参加プログラム「#みんなのCHIBAFOTO」の写真を募集することが明らかとなった。『CHIBA FOTO』は、時代と向き合う「写真」という表現媒体でつくり出す「写真」に特化した芸術展。 気鋭の写真家たちを起用し、新作を含む作品を展示する。 また、千葉の現在を捉えた作品や、千葉の土地の歴史を掘り下げた作品も展示し、過去から現在、 現在から未来という、時間の連なりを感じる機会も提供。会場となるのは、千葉市内にある歴史的建造物や、市民になじみ深い文化施設。そこにセノグラフィによる非日常的な空間演出を施すことで、新たな体験を提供し、これまで気がつかなかった街の魅力をも掘り起こしていく。CHIBA FOTOでは、このような作品と空間演出がセットになったユニークな展示を、13の会場で同時に、かつ無料で展開。 アートやクリエイティビティと触れ合う歓びを広く届け、来場者自身の創造性を刺激することで、新たな視点へ誘う。会期中には、一般の方からも広く写真を募集。 参加作家の作品を観て、彼らの目線を体験すると、ものごとの見方にも変化が訪れるはず。そんな今までとは少し異なる視点で捉えた写真をぜひ応募してほしい。【開催情報】■『CHIBA FOTO』会期:2021年8月21日(土)〜9月12日(日)入場料:無料URL: ※会場により、 休館日・閉館時間が異なります参加作家:宇佐美雅浩、川内倫子、清水裕貴、新井卓、吉田志穂、蔵真墨、佐藤信太郎、本城直季、北井一夫、楢橋朝子、金川晋吾、横湯久美主催 : 千の葉の芸術祭実行委員会構成団体 : 千葉市、公益財団法人千葉市文化振興財団、公益財団法人千葉市教育振興財団、千葉市文化連盟、公益社団法人千葉市観光協会、千葉市メディア芸術振興事業実行委員会後援:千葉県、市原市特別協賛:JFEスチール(株)、 (株)そごう・西武 そごう千葉店、キヤノンマーケティングジャパン(株)協賛:(株)千葉ステーションビル、(株)千葉銀行、千葉商工会議所、(株)京成エージェンシー、千葉都市モノレール(株)、(株)千葉興業銀行、(株)京葉銀行、 千葉信用金庫、 (株)幕張メッセ<市民参加プログラム>「#みんなのCHIBAFOTO」STEP1:「千の葉の芸術祭 CHIBA FOTO」公式インスタグラムアカウント「@chibafoto_1000leaves」をフォローSTEP2:CHIBA FOTO の作品を鑑賞して感じた、 周囲や自分自身の変化への気づきを写真に撮影STEP3:インスタグラムにハッシュタグ「# みんなのCHIBAFOTO」をつけて投稿応募期間:2021年8月21日(土)〜9月12日(日)賞品:抽選で5名様にアソビカメラ Canon iNSPiC REC をプレゼント■「千の葉の芸術祭」キーワード&コンセプト:変化 / CHANGE アートでつながる アートでつなげる 自由なアートが人と社会をかえていく会期:2021年7月24日(土)~ 9月12日(日)会場:千葉市内各所WEB: 総合ディレクター:神野 真吾(千葉大学 教育学部 芸術学研究室 准教授)CHIBAFOTO ディレクター:粟生田 弓(日本写真史研究家)アートディレクター:おおうちおさむ(グラフィックデザイナー)主催:千の葉の芸術祭実行委員会構成団体:千葉市、公益財団法人千葉市文化振興財団、公益財団法人千葉市教育振興財団、千葉市文化連盟、公益社団法人千葉市観光協会、千葉市メディア芸術振興事業実行委員会
2021年08月20日恋人に会うため、自分自身がアート作品となった男の数奇な運命を描いた『皮膚を売った男』より、本ポスターが解禁された。大金と自由を手に入れる代わりに芸術家と契約し、背中にタトゥーを入れて自身がアートとなった難民サムの数奇な運命を描いた本作は、第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートなど賞レースを席巻し、日本でも東京国際映画祭で上映されるや大きな評判となった。この度解禁となったのは、まるでその1枚が絵画のようなアートな仕上がりとなった本ポスター。背中の中央に「VISA」のタトゥーをほどこされた主人公サムと、そんな彼の背中に優しく手を置く芸術家が映し出され、その構図はまるでファウストと悪魔の契約を想像させる。左上には「世界中が 息をのむ」と想像を遥かに超える結末を示唆させる言葉が刻まれており、まさに主人公サムの「数奇な運命」を象徴するポスターとなっている。主人公サムを待ち受ける「息をのむ」ほどの結末とは…?衝撃の展開を予想させる物語に期待が高まる。『皮膚を売った男』は11月12日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:皮膚を売った男 2021年11月12日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2020 – TANIT FILMS – CINETELEFILMS – TWENTY TWENTY VISION – KWASSA FILMS – LAIKA FILM & TELEVISION – METAFORA PRODUCTIONS - FILM I VAST - ISTIQLAL FILMS - A.R.T - VOO & BE TV
2021年08月19日埼玉・彩の国さいたま芸術劇場(以下:さいたま)の次期芸術監督に就任した近藤良平が構成・映像・振付を手がける、コンドルズの新作『Free as a Bird』。2006年以降、新型コロナウイルスの影響で上演中止となった昨年を除き、毎年同劇場で創作・発表してきた彼らにとって待望のさいたま公演となる。ビートルズへのオマージュとして、ジョン・レノンの未発表曲「Free as a Bird」をタイトルに冠した本作では、“鳥のように自由に、空飛ぶ夢の続き”を届けるという。作品の構想と芸術監督就任に向き合った思いを、近藤とコンドルズプロデューサー・出演者の勝山康晴に語ってもらった。芸術監督就任で「舞台芸術の世界に明るい未来を」――彩の国さいたま芸術劇場(以下:さいたま)におけるコンドルズの新作発表は毎年恒例ながら、今回が例年と異なるのは何といっても近藤さんの次期芸術監督就任です。このトピックから話を聞かせていただきたいのですが、コンドルズとさいたまのご縁は2006年に遡るんですね。近藤2006年に蜷川(幸雄)さんがさいたまの芸術監督に就任されたのと同じタイミングでいらしたのが、プロデューサーの佐藤まいみさん。彼女がコンドルズを呼んでくれた2006年から、毎年新作をさいたまで上演しています。さいたまってピナ・バウシュやローザスといった海外のダンスカンパニーを、まいみさん経由でよく招聘していて。彼らと同じような文脈で、コンドルズも主催で上演してくださったんですよ。そんな劇場、他にありません。勝山現在もそのつもりですけど、2006年当時も、僕ら何気に「日本代表」でしたよね?近藤そうそう!当時のチラシを見直したら「日本代表」って書いてあるの。超おもしろい!勝山ドイツで開催されるサッカーW杯(FIFAワールドカップ)をイメージしたアイデアを入れましたね。近藤懐かしいね!そんな感じで、さいたまとは順調にご縁を重ねていて。去年は一度目の緊急事態宣言下でリアルな公演はできなかったんだけど、オンライン配信をやりました。全国各地の方にご覧いただいてね。「コンドルズ観るの10年ぶりで嬉しい」って方もいらっしゃって嬉しかったです。――今回の『Free as a Bird』も近藤さんの次期芸術監督就任を機に「また観に行ってみよう」って方もいらっしゃるんじゃないかなって。就任にあたってどんな役割を期待されていると感じていらっしゃいますか?近藤4月から頭に「次期」をつけて活動を始めました。来年からその冠が取れるわけですが、就任にあたってありがたいことに、ものすごい数の取材を受けたんですね。周りの皆さんがよく反応してくださって。で、いちばんおもしろいと思ったのが……僕が「新しい劇場の在り方」みたいな話をするより、周りの人がいっぱい喋ってくれるんですよ!要は「私だったらこんな劇場にしたい」みたいな期待を寄せてくださる。もしくは「こんなことしてみたら?」って提案をいただいたりして。――近藤さんご自身は、動画で3つの方針を打ち出していらっしゃいましたよね。近藤「次期」になる前に関係各所と話し合いがあったので、その場で発言した内容をまとめてみたんですよね。アートジャンルの垣根を取り払って、国内外を問わず発信して、老若男女が足を運びやすい“No Border”の考え方を「新しい劇場の在り方」として。――勝山さんをはじめ、コンドルズのメンバーは近藤さんの芸術監督就任をどのように受け止めていらっしゃいますか?勝山もうね、大応援状態ですよ!(メンバーの)スズキ拓朗なんて号泣していましたから。泣き崩れてたから!アイツはほら、蜷川さんのところ(蜷川幸雄が学長を務めていた桐朋学園大学短期大学出身、さいたまネクスト・シアターにも所属)にいたから「僕が信じてついていった蜷川さんに次いで、良平さんまで芸術監督に!」って1時間くらい嬉し泣きで。「僕はあなたについて行ってよかった〜!」って(笑)――「この人」と決めて師事したお二人が芸術監督になることは本当に喜ばしいですよね。近藤さんの芸術監督就任は、今後どんな影響を与えると感じていらっしゃいますか?勝山演劇やダンスの世界全体への余波を期待したいですね。コンテンポラリーダンス業界でも、Noismの金森くん(りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館の舞踊部門芸術監督・金森穣)や勅使河原さん(愛知県芸術劇場の芸術監督・勅使川原三郎)はいるけど、インディペンデントを貫いて、ハチャメチャな感じでやってきた、叩き上げのパンクバンドみたいなチームがこういうところに辿り着くことって今までなかったんじゃないかと。だから良平さんの事例があれば、これからダンスの世界でがんばっていこうという若手に「続けていればこういう道もあるんだ」って可能性を示すことができる。この世界をよく知らない人にとっても「コンテンポラリーダンスって芸術監督になるくらい、社会的に価値のある芸術なんだ」って思ってもらえたら嬉しいです。近藤僕もその意見とほぼ同じです。やっぱりダンス出身だから、この世界に明るい未来を見ていたいんですよ。でも舞台芸術ってやけに細分化されていて「一緒にやっていこう」って機運はあまりないですよね。――そんな舞台芸術の世界に風穴を、と近藤さんが打ち出したのが、3方針のひとつである「アートジャンルの垣根を取り払う」に繋がるんでしょうか?近藤そうですね。言葉でいうのは簡単だけど、発想をどんどん変えていかないといけないから大変だと思いますよ。でもさ、ダンス好きがダンスだけ追っている、演劇好きが演劇だけ観ている状態にこれ以上の広がりはないし、豊かじゃないよね?――そう思います。近藤さんのご采配で、どんなアートジャンルの融合が生まれるか楽しみです!さいたま新作は「独自ネタだぞ!」と思いながら創作してる――さいたまでの創作について、劇場が持つ空間の魅力や独自性をお二人はどんな点に感じていらっしゃいますか?近藤稽古場が広くて、実際のステージである大ホールと同じ舞台面を取れるんですよ。体育館の2/3くらいあって、すごく大きいの。東京ではそんな練習まずもってできないからね。その贅沢なスペースに集まって、大きいサイズのまま稽古するから……自然とダイナミックな空間や機構を積極的に利用した、大掛かりな美術セットになるんですよね。――2017年の『17’s MAP』では、舞台中央奥から下手手前まで斜めに走っている高い壁に驚きました。勝山さんは、さいたまの創作環境をどのように受け止めていらっしゃいますか?勝山都内からの距離が絶妙ですよね。東京公演の練習ってだいたい高田馬場でやるんですけど、メンバーが都の西北に集まってくる。でもさいたまって全員が同じ動線で与野本町に辿り着くでしょう?僕ね、それがみんなの気持ちをひとつにしてる気がするんですよ!(笑)――誰もが埼京線で赤羽を経由するからこそ生まれる団結力ですね。近藤わかる!いい意味で諦めがつく(笑)。移動することで「さ、やるぞ!」って吹っ切れるんだよ!勝山鉄路だったら赤羽あたりで踏ん切りつきそうですよね(笑)あと良平さんが挙げた稽古場の特徴を補足すると……いい稽古場って人を変えますよね。飲み屋でも、安いチェーンと格式高い店を比べたら会話の内容が変わる。もちろんそれぞれにいいところはあるけど、公民館とさいたまでは練習の質が変わるんです!勝山康晴(c)HARUコンドルズは公民館寄りの人間が集まったチームですが、年に一度さいたまの公演が近づくと……あの移動を通じて心が浄化されていくんです(笑)。参加するメンバーの集中力も、さいたまの方が高い気がする。都内だとノイズが多くて。近藤そうかもしれないね!――個人的に、コンドルズの東京公演は“ザ・王道”で、さいたまで創作する新作はもっとコンセプチュアルで“尖っている”イメージを抱いています。近藤まさに。東京公演は多くの人に観てもらえるから、自然と万人に刺さるネタを選ぶんですよ。それを地方ツアーにも持って行っていますし。でも、さいたまではもっと冒険してる。「さいたま独自ネタだぞ!」って思いながらつくっています(笑)勝山さいたまの新作は、より舞台芸術鑑賞に貪欲な皆さんに観てもらうイメージですよね(笑)――日ごろ感じていらっしゃるさいたまの強みを、今回の『Free as a Bird』にどう活用していかれるのでしょうか?近藤夏にやる東京公演が「王道ラインなのでは」というあなたの読みは確実で、たしかに「どういう風に見せると多くのお客さんが喜んでくださるか」ってフォーマットがあるんですね。ロックの率とか、コントのぐだぐだ率(笑)とか、僕たちが広く知られるようになったサラリーマン体操っぽい雰囲気とか。一方、さいたま公演にこうしたフォーマットは存在せず、毎回コンセプトを変えて創作しています。「じゃあ今年のさいたまはどうする?」って話し合いは僕たちにとっても重要で、毎年必ず考えることです。――「今年はどんなコンセプトの公演になりそうか」は、次にしようと思っていた質問です。近藤だよね。でも教えない!(笑)――え、そんな!今の時代に欲しい言葉をタイトルに据える――タイトルに着目すると、去年のオンライン配信もビートルズの楽曲(『I Want To Hold Your Hand』)でしたし、今年の『Free as a Bird』はジョン・レノンが1980年に亡くなったあと25年ぶりに発表された彼らの新曲ですよね。コンドルズにとって、ビートルズが今の“気分”なんでしょうか?勝山ビートルズにこだわってはいません。僕らはオリジナルの公演タイトルをあえてつけないようにしてるんです。お客さんの間口を広げて、敷居を下げて、気軽に見に来てもらいたいので。もちろん、発想元として彼らの楽曲タイトルには普遍的なパンチ力があるのを感じてますけど。たとえば密や接触を避けるコロナ禍に突入したタイミングで『I Want To Hold Your Hand』(あなたの手を握りたい)って……ジャストフィットじゃないですか?時代が欲しい言葉をつかんでるんですよ。近藤うん、今回は「Free」も「Bird」も素敵なワードだから。“鳥のように自由に”って、やっぱり移動が制限されている今このタイミングで欲しくなる言葉でしょ?どこかへ飛んでいってしまいたい。近藤良平(c)HARUこれまで僕たちは映画や音楽から、いろんなイメージを受け取って公演タイトルに反映させてきました。「Time」しかり「Open」しかり。候補としていろんなキーワードが並ぶ中で「Free」も「Bird」も生半可な気持ちじゃ付き合えないというか。大切に取っておきたい、いつ向き合おうかっていう言葉でした。公演を通じてコロナ禍の“向こう側”を見せたい――歌詞に着目すると、ビートルズは『Free as a Bird』とタイトルに掲げながらも「鳥のように自由でいられるのは、人生において“二番目”によいこと」と歌っています。彼らがこのナンバーの中で訴える人生の“ベスト”とはいったい何だとお二人は考えますか?近藤今いる居場所がいちばん素晴らしい、ってことを言いたいんだと思う。その上で二番目が「鳥のように自由であること」って僕は捉えた。勝山それ以外の回答があったら聞きたい!って感じ。歌詞もですね、今のコロナ禍にぴったりだと感じたんですよ。パフォーマンスに影響するといけないから歌詞も精査するんですが、ばっちりだと思いました。――じゃあ『Free as a Bird』の歌詞になぞらえるなら、お二人にとってこの公演の“ベスト”な着地点は何で、“二番目によいこと”って何になりますか?近藤このご時世の中で、お客さんが劇場に足を運んでくださること、リアルに上演できることがもはや“ベスト”ですよね。お客さんと時空間を共有できることが何よりも喜ばしい。勝山本当にそうですね。僕がコンドルズのプロデューサーとして今回成し遂げたいのは、とてもあたりまえですが、お客さんに「舞台芸術を観に来てよかった」と感じてもらうこと。そのあたりまえをちゃんと届けること。コロナ禍ではチケットを取ったとしても上演日に劇場へ行けるかどうか誰もわからない。埼玉県だって、いつ(まん延防止等重点措置から)緊急事態宣言に切り替わるかわかりません。もしギリギリ行けたとしても、皆さん相当な葛藤があってさいたままでいらしてくださるわけで。だからこそ「そこまでして観に行ってよかった」「自分にとって舞台芸術って、やっぱり必要なものだったんだ」って感じてもらいたいですね!どんな卑怯な手を使っても!近藤卑怯な手(笑)勝山お客さんと時間と空間を共有して「生だからこそグッときたでしょ?」って公演にしたい。だって今回やれたとしても、次にいつリアルにできるかわからないから。その一点突破ですよ。しっかり号泣させて気持ちよく帰ってもらいたい。100%、泣かす!いや、泣いてお帰りいただく!――あれ?コンドルズっていつも笑って劇場をあとにするイメージが。勝山喜びの泣きですよ。笑い泣きでもいいです。「ホント舞台芸術っていいなぁ」って泣きながら与野本町駅まで向かったお客さんたちが、ホームで「あんたも泣いてるね、わたしもよ」って無言で視線を交わし合う感じの作品にしたい。それが僕たちの使命だと思っていますから。――勝山さんに熱意をお見せいただいたところで、近藤さんが『Free as a Bird』で二番目に大切にしたいことは?近藤今って「マスク取りたい」とか「向き合って語りながらお酒を飲みたい」とか、いろんな欲求がありますよね。取材を受けていても「去年と比べて何がどう変わりましたか?」と聞かれて真面目に答えているけど、本当はもうそんな次元を超えたくて。その向こう側へ行きたい。だから僕はこの公演を境にして、“向こう側”の居心地のよさを伝えたいんですよ。またいつかマスクなしで人と向き合える日々が来ると思いますけど「今は無理だよね」って諦めて耐える精神状態から、向こう側へ飛び出せたら絶対に楽しいことが待っているってキラキラした方向へシフトしていきたい。――ご覧になったお客さんが、明るい“向こう側”を想像できるような作品に?近藤「そうなれたら」と常に考えながら創作しています。間違ってもツラい現実を投射するような作品ではない。明るいイメージを持たせることって、ダンスは比較的得意だと思うから。――たとえばその姿勢は、どんな風に今回のステージに現れるんでしょうか?近藤やっぱり僕らが必死に踊ることじゃない?勝山そう、僕らが汗をかくだけです!(笑)「自由」の意味を履き違えずに――コンドルズのトレードマークである学ランは、本作のテーマである“自由”からかけ離れたイメージがあります。近藤いや、僕たちはそう捉えていなくて。シーンごとに衣裳を考える手間から解き放たれているんです(笑)勝山僕、中学で生徒会長をやっていて、新しい校則を考える時に「制服をなくす」と打ち出したら女子から猛反発されたんですよ。「私服だと毎朝服を選ぶのに気を遣わなきゃいけないからイヤだ」って。逆に「不自由になるからやめて」って話だったんですよね。速攻で「撤回しま〜す」って(笑)近藤個性を縛られる制服によって、時間的な自由が生まれていることに気づいたわけね。勝山おもしろいですよね。あと、さっきのみんな同じ動線でさいたまに行くと心が浄化してよい意味で諦めがつく……の話じゃないけど、学ランに袖を通すことで気持ちがフッと切り替わるところはありますね。近藤たしかに。無意識のうちにシフトチェンジする。勝山アスリートもさ、試合ごとにユニフォーム変えていたら気合い入らない気がするんですよ。同じものを身につけるって大切な儀式なんじゃないかと。――制約の中に生まれる自由ならば謳歌せよ、ということでしょうか?勝山僕自身は正直、“自由”って言葉にポジティブな印象を持てないんですよ、21世紀が始まったくらいから。人類が自由にやりすぎた弊害が出ているじゃないですか、世の中に新自由主義が浸透して。格差社会も自然破壊も。だから「もうここらへんでいい加減にした方がよくない?」って思いが腹の底にはあります。『Free as a Bird』ってタイトルが絶妙だと感じるのは、僕としては「鳥ぐらいの自由でいいんじゃないの?」って想いが込められるとこですね。何の制約もない無限の自由じゃなくて。近藤歌詞の「二番目によいこと」ってそういう意味かもしれないね。制約ある中での自由。勝山そういう解釈もできますね。鳥は自由気ままに生きたって、彼らは自然環境を大きくは壊しませんよね?そういう何らかの節度がある自由に、もう一度目を向けてみたいなって思います。制約っていうより、節度かな。近藤いいね!闇雲で勝手な自由じゃないんだね。メンバーの山本光二郎が「鳥は飛んでる時が一番運動してて、大変な時間なんじゃないの」って言ってて。確かに人は鳥が飛んでると「自由」って思うけど、鳥にとっては「不自由」なのかもしれない。今回の作品でも「不自由」からシーンを着想しています。勝山そうですね、でも自然の摂理にのっとった自由って、本能が壊れている人間という生き物には無理なんですよね。それで自由を謳歌しすぎたから弊害が出て、正直ちょっと怖いんですよ。そのせいで子どもの世代が不自由を強いられる危険性が大きくて。それは未来に対して非常に失礼な話じゃないですか。だからコロナもあるし、このタイミングで「大人の皆さん、自分から率先してちょっと立ち止まってみようぜ」って。その思いは今回の公演で、僕は伝えていきたいですね。着陸を知らないコンドルズ――そういえば、グループ名は「コンドル」って鳥の名前から来てるんですか?近藤そう、コンドルは南米の鳥で、ハゲワシみたいなもんですね。2m以上羽根が広がって、ものすごく大きくて重たいの。そのぶん不器用な鳥で、地面に降り立ってしまったら二度と飛ぶことはできない。木から木に移動することしかできないんだって。勝山離陸が難しいんだ。落ちていくような飛び方はできるけど。近藤そうそう。だからカッコよく言うと、コンドルは「着陸を知らない鳥」なんだよね。――その鳥に、今も昔もこれからもご自身たちをなぞらえるんでしょうか?近藤そう、勝手にね(笑)。僕たちはそうやすやすとは着陸しませんよ!取材・文:岡山朋代コンドルズ埼玉公演2021新作『Free as a Bird』■日時:2021年6月5日(土) 14:00 / 19:00開演2021年6月6日(日) 15:00開演※開場は開演の60分前です。※本公演は出演者との距離を確保した上で通常通りの配席にて販売します。ただし、今後の新型コロナウイルス感染症の状況によっては変更となる可能性がございます。※演出の都合により、開演時間に遅れますと入場をお待ちいただく場合がございます。予めご了承ください。■会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール■チケット(全席指定・税込):S席5,000円A席3,500円U-25 S席3,000円A席2,000円※公演時25歳以下対象。入場時要身分証。■構成・映像・振付:近藤良平■出演:石渕聡オクダサトシ勝山康晴香取直登鎌倉道彦黒須育海古賀剛小林顕作(声の出演)ジントクスズキ拓朗田中たつろう橋爪利博藤田善宏安田有吾山本光二郎近藤良平■主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団■企画制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ROCKSTAR有限会社■詳細: <コンドルズ東京公演予定!>■日程:2021年9月4日(土)13:00 / 17:00■会場:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)7月上旬チケット発売予定!
2021年05月28日KAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督就任会見、ならびに2021年度ラインアップ発表会が行われ、現芸術監督の白井晃、芸術参与で次期芸術監督の長塚圭史が登壇した。3月末で任期を終える白井は、KAATに携わった7年の歳月を「身に余る重責に自問自答する日々でした」と振り返る。その中で、長塚の演出作である新ロイヤル大衆舎『王将』(2017年)を東京・下北沢で鑑賞した時に「小劇場からあふれ出るエネルギーや企画力をぜひKAATでも活かして欲しい」とオファーの経緯を明かした。続いて壇上に立ったのは、4月に白井からバトンを受け取る長塚。芸術監督としてのテーマに“劇場をより開いていく”を掲げ、実現に向けた3点の新方針を打ち出した。1.シーズン制の導入新国立劇場などですでに取り入れられているシーズン制だが、その狙いを「劇場に季節感やリズムをもたらしたい」と語った長塚。4〜6月にはプレシーズンとして、実験的なトライアル公演を多数投入する。その後、初夏に恒例のキッズプログラムを配置。8月からのメインシーズンには毎年タイトルを設け、今年は「冒(ぼう)」がアナウンスされた。「飛び出す・はみ出す・突き進むイメージで“冒険心”いっぱいにやっていきたいですね」2.ひらかれた劇場を目指してKAATは今年で開館10周年。長塚は「演劇界で存在感が増してきたKAAT自身を財産に、これまで芝居を観たことのない人にも届けたい」と意気込む。手始めに、新ロイヤル大衆舎『王将』の再演を開放的なエントランス(1階アトリウム)に特設劇場を設けて行う試みを発表。タニノクロウとは『虹む街』で神奈川県民とのクリエーションを企画中だ。自身が上演台本・演出を手がける最遊記モチーフの『冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~』では県内を西に向かって巡演し、「KAATを飛び出して多くの県民にお会いできれば」と笑顔を覗かせた。3.豊かな創作環境作り・劇場の未来を考える「上演がない期間もクリエーションが常に続いている劇場でありたい」という思いを込め、長塚は任期スタートとともに「カイハツ」と題したプロジェクトを始動させる。もともと“つくる劇場”を掲げていたKAATを「アーティスト同士の相互交流、国内外・新旧問わない戯曲との出会いや開発の場にできれば」として、さらなる創作環境の発展に努める構えだ。このあと、2021年度のKAATラインアップが発表された。「オリンピック前の上演がふさわしい」と長塚が懇願し、昨年度に公演中止となった『ポルノグラフィ』『未練の幽霊と怪物 ―「挫波」「敦賀」―』が持ち越されたほか、自身が演出する『近松心中物語』、2020年頭に草彅剛が主演し話題を集めた白井の演出作『アルトゥロ・ウイの興隆』再演も。心機一転したKAATの充実ぶりから、引き続き目が離せない。取材・文:岡山朋代
2021年03月05日2021年4月より、長塚圭史が白井晃の後を引き継ぎ、KAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督に就任する。現芸術監督の白井晃は、2014年に同劇場の芸術参与に就任、2016年より芸術監督を務め7年間劇場と共に歩んできた。白井が「そのエネルギーをぜひ劇場に注いでほしい」と信頼を寄せる長塚の新芸術監督就任式と、2021年度の同劇場プログラムのラインアップ発表会がおこなわれた。白井晃長塚の芸術監督就任に際し、白井は「本当に嬉しく思っています」と喜びを表し、「(この7年間は)身に余る重責をいただいた、その重責との闘いだったと思います。就任時は開館3年の若い劇場で、“つくる劇場”を提唱してクリエーション力には定評がありましたが、より強い発信力が必要だと思いました。『劇場こそ広場である』という言葉がありますが、もっとたくさんの人に集まってもらいたいと思い、東京ではやらないようなより挑戦的で先鋭的なプログラムを企画し、おかげさまで19年度は過去最高のお客様に来場していただきました」と自身の就任期間をふりかえった。さらに「もっと面白く刺激的な作品をやらなければと思った時に、(長塚が所属する)新ロイヤル大衆舎の『王将』を下北沢の小劇場で観ました。そのエネルギーをぜひとも劇場にほしいと思い、それをきっかけにお願いしました」と長塚を任命した経緯を語り、「(予定していたプログラムの多くが中止になったため)バトンタッチをするときはここまでやっておきたいと思ったところに行けなかったのは残念」としつつ、「劇場を取り巻く環境も大きく変わらざるを得ない状況なので良いチャンスなのではと思います。この7年の間、関わってくださった全てのアーティスト・スタッフの皆さんに心から感謝します。長塚新芸術監督の船出を心よりお祝いします」と感謝と激励で締めくくった。長塚圭史続いて長塚新芸術監督より、2021年度に打ち出していきたい、という3つの方針についての説明があった。まずひとつめは、「シーズン制の導入」だ。「劇場に季節感やリズムをつくりたい、劇場がリズムをもっていると、周辺の方々により劇場という存在が浸透するのでは」と導入の理由を説明。4~6月を「プレシーズン」として実験的な公演を、夏には人気の「キッズ・プログラム」、そして秋から冬の半年間が「メインシーズン」。この「メインシーズン」は毎年テーマに沿ってプログラムを企画するとしており、2021年度のテーマは「冒」。ふたつめの方針は「ひらかれた劇場」。劇場の外からもみえる劇場1階のアトリウムに特設劇場を設置して新ロイヤル大衆舎『王将』を上演することが決定しているほか、劇場を飛び出して神奈川県内を巡演する公演も企画しているという。「まだ出会えていない方たちにもお会いできるように1階のアトリウムをもっと活用したい」と語る。3つ目は「カイハツ」プロジェクト。アイデアを練り上げたり、戯曲を研究したり「創造すること」に焦点をあて、アーティストがさまざまなアイデアをトライアルする場や機会を積極的に設けていくという。「上演をしていなくても、中ではぐつぐつと、アーティストたちが熱をもって創作をしている、そんな空間にできたら」と長塚。「大役を任せられて非常にがんばらなければと思っています。これまで10年間で築き上げられたものに大いにのっかって、動きのある劇場にしていきたいなと思います」と意気込みを語った。長塚圭史2021年度のラインアップは以下の通り<プレシーズン>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュースリーディング公演『ポルノグラフィ』2005年ロンドン市内で起きた地下鉄とバス同時爆破事件に想を得た意欲作をKAATプロデュース公演初登場となる桐山知也が演出。作:サイモン・スティーヴンス翻訳:小田島創志演出:桐山知也出演:上田桃子内田淳子小川ゲン奥村佳恵竪山隼太那須凜平原慎太郎堀部圭亮(五十音順)2021年4月16日(金)~2021年4月18日(日)<中スタジオ>■新ロイヤル大衆舎×KAAT『王将』-三部作-伝説の下北沢「楽園」公演から4年。アトリウム特設劇場にて『王将』待望の上演決定。作:北條秀司構成台本+演出:長塚圭史音楽:山内圭哉出演:福田転球大堀こういち長塚圭史山内圭哉(以上新ロイヤル大衆舎)常盤貴子江口のりこ森田涼花弘中麻紀櫻井章喜高木稟福本雄樹荒谷清水塚本幸男武谷公雄森田真和田中佑弥忠津勇樹原田志2021年5月15日(土)~2021年6月6日(日)<アトリウム特設劇場>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『未練の幽霊と怪物』―「挫波(ザハ)」「敦賀(つるが)」―第72回読売文学賞受賞作。能のフォーマットを応用し、ついえた「夢」を幻視する、レクイエムとしての音楽劇。作・演出:岡田利規音楽監督・演奏:内橋和久出演:森山未來片桐はいり栗原類石橋静河太田信吾/七尾旅人(謡手)2021年6月上旬~下旬<大スタジオ>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『虹む街』演劇界の鬼才、タニノクロウが、“神奈川・横浜市のある地域、そこに暮らす人々の風景”を描く最新作。作・演出:タニノクロウ出演:安藤玉恵金子清文緒方晋タニノクロウ蘭妖子 +県民参加の皆様2021年6月上旬~下旬<中スタジオ>■KAAT DANCE SERIES 2021イスラエル・ガルバン「春の祭典』ストラヴィンスキーの作曲の根源に迫る傑作。振付・ダンス:イスラエル・ガルバン作曲・音楽監督:シルヴィー・クルボアジェピアノ:シルヴィー・クルボアジェ、 コリー・スマイス2021年6月18日(金)~2021年6月20日(日)予定<ホール>■KAATキッズ・プログラム2021『ククノチテクテクマナツノボウケン』振付家・北村明子と現代美術家・大小島真木がタッグを組み、「夏休み」をテーマに自然や生命をめぐる子ども向けダンス作品を上演。振付:北村明子舞台美術:大小島真木出演:柴一平清家悠圭岡村樹黒須育海井田亜彩実永井直也2021年7月<大スタジオ><メインシーズン『冒』>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『湊横濱荒狗挽歌(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび)』歌舞伎でおなじみの「三人吉三」をモチーフに、型破りでハードボイルドな現代劇が誕生。脚本:野木萌葱演出:シライケイタ2021年8月末~9月中旬<大スタジオ>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『近松心中物語』元禄時代の二つの恋の情景が、2021年の我々に問いかけることとは? 現代演劇の金字塔に、新芸術監督・長塚圭史が挑む。作:秋元松代演出:長塚圭史出演:田中哲司/ 松田龍平、笹本玲奈 / 石橋静河ほか2021年9月上旬~下旬<ホール>※北九州、豊橋、兵庫、松本公演もあり■KAAT EXHIBITION 2021 『志村信裕 展|游動』うつし/思い寄せる。その瑞々しさと、ゆらめき/語りかける。それらが交感する世界を志村の新作映像インスタレーションを通じて展覧。2021年9月9日(木)~10月8日(金)<中スタジオ>■KAAT DANCE SERIES 2021×Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2021『エリア50代』出演:小林十市近藤良平ほか2021年9月23日(木・祝)~9月26日(日)<大スタジオ>■KAAT DANCE SERIES 2021×Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2021『Noism Company Niigata × 小林十市』演出振付:金森穣出演:Noism0 / Noism1 / Noism 2、小林十市v2021年10月16日(土)~2021年10月17日(日)<ホール>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『アルトゥロ・ウイの興隆』白井晃×草彅剛のタッグで注目集めた話題作が待望の再演。作:ベルトルト・ブレヒト翻訳:酒寄進一演出:白井晃音楽・演奏:オーサカ=モノレール振付:Ruu2021年11月<ホール>■KAAT DANCE SERIES2021『Le Tambour de soie綾の鼓』演出・振付・出演:伊藤郁女、笈田ヨシテキスト:ジャン・クラウド・カリエール原作:三島由紀夫音楽:矢吹誠2021年12月下旬<大スタジオ>■KAATカナガワ・ツアー・プロジェクト第一弾『冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』誰もが親しむアジアの古典『西遊記』をベースに、長塚圭史が書き下ろし演出する、神奈川県内の伝説を巡る冒険譚。原作:呉承恩『西遊記』上演台本・演出:長塚圭史共同演出:大澤遊音楽:角銅真実2022年2月<中スタジオ>※相模原公演、大和公演、厚木公演、小田原公演、横須賀公演ほか、神奈川県内を巡演予定。■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ラビット・ホール』篠﨑絵里子×小山ゆうなの初タッグ。受け止めがたい現実を人はどのように受け入れていくことができるのか?作:デヴィッド・リンゼイ=アベアー上演台本:篠﨑絵里子演出:小山ゆうな2022年2-3月<大スタジオ>■YPAM 2021‒ 横浜国際舞台芸術ミーティング開館以来開催してきたTPAMを受け継ぎ、国際的舞台芸術プラットフォームとして装いを新たに再出発。2021年12月中旬<ホール・大スタジオ・中スタジオ>予定【提携公演】仕立て屋のサーカス4月<大スタジオ>錬肉工房6月<中スタジオ>とりふね舞踏舎7~8月<大スタジオ>劇団た組10~11月<大スタジオ>OrganWorks12月<大スタジオ>地点1月<大スタジオ>Baobab1月<大スタジオ>Co.山田うん1月<大スタジオ>BATIK3月<大スタジオ>ほか※各公演の最新情報は、劇場公式サイト にてご確認ください。
2021年03月04日精神科医のフロイトやイギリスのダイアナ妃に愛された日本人芸術家、吉田博の展覧会が上野の東京都美術館で開かれています。美しすぎる木版画で世界を魅了した吉田とは、どんな人だったのでしょう?彼の作品とその生涯をご紹介!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 194『没後70年吉田博展』では、明治から昭和にかけて活躍した吉田博(1876-1950)の初期から晩年までの木版画を中心に、水彩画や油彩画、さらに版木や写生帖も展示。前期・後期あわせて200点近い作品を見ることができます。若いころから海外に出て西洋の芸術に触れた吉田は、独自の表現と技法を確立。本展では、彼の手がけた木版画の全容が紹介されています。明治期にアメリカへ…吉田は旧久留米藩士の家で次男として生を受け、15歳のときに画才を認められて図画教師の養子になります。17歳で京都の画塾に入門、さらに上京して日本初の美術団体・明治美術会の会員になります。1899年、23歳のときに画家仲間と渡米。デトロイト美術館で開いた水彩画の素描作品展で評価されたのを機に、アメリカ各地で展覧会を開いて作品を売り、成功を手にします。その後、パリ、ロンドン、ドイツ、スイス、イタリアなどを巡ってからアメリカに戻り、1901年に帰国。おもに風景画を描き、洋画家として日本国内でも高い評価を受けました。展覧会のプロローグでは、若いころに描かれた油彩画や水彩画などを見ることができます。木版画の世界へ!1923年、47歳のときに吉田は再び渡米。現地で作品を売りますが、そのとき好評だったのが水彩画や油彩画ではなく木版画でした。帰国後、吉田は本格的に版画制作の世界に入っていきます。上の写真は、自ら版元となり監修した『米国シリーズ』の作品《エル・キャピタン》。このシリーズでは、ヨセミテ渓谷やグランドキャニオン、ナイヤガラなどの景勝地が美しい色彩で表現されています。ダイアナ妃やノラ・ジョーンズも購入!1926年になると、吉田は精力的に木版画を制作。西洋の写実的な表現と日本の伝統的な版画技法を融合させ、代表作となるシリーズ『日本アルプス十二題』と『瀬戸内海集』を生み出します。『瀬戸内海集』シリーズの《光る海》はダイアナ妃の所蔵する作品のひとつ。日没に近い時間帯に海面がキラキラと光る様子が美しく表現されています。ダイアナ妃は1986年に来日した際、自分のクレジットカードで吉田の作品《猿澤池》を購入。《光る海》と二点並べてケンジントン宮殿の執務室に飾っていたそうです。彼の作品は、精神科医のフロイトが書斎に飾っていたり、歌手のノラ・ジョーンズも収集していたりと、海外にファンが多いことでも知られています。「日本といえば浮世絵版画」のイメージが強かった欧米で、吉田は新たな日本芸術の世界を切り拓きました。ところで、浮世絵版画と吉田の木版画の違いはどこにあるのでしょう?まずは描き方。陰影のないフラットな浮世絵と比べると、吉田の作品は写実的です。しかも、対象となるモチーフをじっくりと観察し、例えば水の流れや水面に輝く光までも細かく描写。その原画を、浮世絵版画の3倍以上も手をかけ、何度も摺りを重ねて美しい版画に仕上げているのです。さらに、同じ版木を使いながら摺色を替え、時刻や光の変化を表現。こうして、浮世絵版画とは異なるオリジナルの木版画を生み出しました。世界中の風景を楽しめる!吉田は若いころから晩年まで、旅を続けながら写生をして風景を描き続けた芸術家です。また、戦時中は従軍画家として派遣されており、中国の風景を描いた作品なども残っています。終戦後の逸話もユニーク。もともと吉田の作品はアメリカで人気があったこともあり、戦後は米軍将校たちが彼の版画工房を訪れるなどアメリカ人との交流が盛んだったそうです。そして1950年、都内の自宅にて73歳で他界しました。会場には欧米だけでなく、アジア各地やインド、そして日本国内の風景を描いた版画作品も数多く展示されています。吉田の美しい木版画を見ながら旅の気分を味わってみてはいかがでしょうか。展覧会は3月28日まで。写真、文・田代わこInformation会期: ~3月28日(日)※会期中、一部展示替えあり休室日:月曜日開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)会場:東京都美術館企画展示室観覧料:一般¥1,600、大学生・専門学校生:¥1,300、高校生:¥800、65歳以上:¥1,000問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2021年02月17日舞踊家の近藤良平が彩の国さいたま芸術劇場の次期芸術監督に決定したことが発表された。彩の国さいたま芸術劇場は、優れた舞台芸術等の芸術文化に身近に接する機会を提供し、及び埼玉県民の芸術文化活動を支援すること等により、芸術及び文化の一層の振興を図り、真に豊かさとゆとりを実感できる県民生活の実現に寄与することを目的とした劇場。2006年からは蜷川幸雄芸術監督の下で、演劇、ダンス、音楽を中心に芸術性の高い作品を創造・上演してきたほか、「さいたまゴールド・シアター」や「さいたまネクスト・シアター」など公共劇場ならではの取り組みを実施するなど、「創造する劇場」として埼玉から日本全国、世界に向け芸術文化の発信を行ってきた。この度、蜷川幸雄前芸術監督の後を引き継ぐ新しい劇場のリーダーとして選任された近藤は、1996年に自身のダンスカンパニー「コンドルズ」を旗揚げ。以降、振付家・ダンサーとして舞台や映像の分野で幅広い支持を集めている近藤はこれまで、コンドルズ埼玉新作公演や障がい者ダンスチーム「ハンドルズ」公演などを通じて、埼玉県の芸術文化に貢献したことを評価され、次期芸術監督の決定に至った。今後は近藤次期芸術監督の下、彩の国さいたま芸術劇場が次代の芸術表現を果敢に切り拓く創造拠点として、また社会や地域に開かれた広場として、あらゆる人々が自由闊達に交わりアートを創造・発見する劇場を目指していく。 また、近藤は2022年4月の芸術監督就任に先立ち、2021年4月1日から次期芸術監督として、2022 年度以降の劇場の新たな創造発信の方向性やプログラムの策定にあたる。なお、彩の国シェイクスピア・シリーズは吉田鋼太郎が「シリーズ芸術監督」として続投するとのことだ。近藤良平コメント令和3年となり、未だ続く安心できない時代の中、彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督就任のお話をいただきました。その驚くべき任命と決定に心から謝意を申し上げます。大学で「ダンス」に出会い「舞台」という場所を知り「コンドルズ」をはじめました。たくさんのダンサー、役者、舞台関係者に出会い、そして蜷川幸雄さんにここ彩の国さいたま芸術劇場で出会い、転がるように時間が過ぎ今この場所にいます。思いかえすと劇場には、人が人を呼びさらに人へと繋いでいくそんな景色が見えます。僕も決して一人でかけあがってきたわけではありません。みんなと共にやってきました。劇場の扉をあけるとそこは楽しいところです。間違いありません。様々な人が行き交う場所、風が気持ちよくぬける劇場に、僕はしてゆきたいと思います。まずは次期芸術監督として、この彩の国さいたま芸術劇場と一緒に動き出したいと思います。なにとぞよろしくお願いいたします。 近藤良平※財団HPでは近藤の動画コメントも公開中www.saf.or.jp<次期芸術監督に関連する事業予定(2021年度)>●「コンドルズ埼玉公演 2021新作」公演日:6月5日(土)・6日(日)
2021年02月16日東京芸術祭実行委員会(委員長:近藤誠一)が、2021年秋に東京芸術祭2021を開催することを発表した。総合ディレクター・宮城聰(演出家 / SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督)の元、コンセプトとなる「ひらく」「きわめる」「つながる」の3つの柱を掲げ、参加事業のディレクターと協働する「プランニングチーム」による体制も4年目を迎えた。2020年はコロナ禍のなかでも、オンラインも駆使しなあ柄約40プログラムを実施。そして劇場を「ひらく」アクションとして、野外劇『NIPPON・CHA!CHA!CHA!』を上演した。東京芸術祭2021においても、同じコンセプトで観客のみならず、様々な俳優に門戸を開いて出会うために野外劇を上演する。2021年は、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を、演出に昨今の幅広い創作に定評のある青木豪を迎え、2年目となるGLOBAL RING THEATRE(池袋西口公園野外劇場)で上演予定。今月2月21日(日)まで本作品に出演する俳優を募集中となっているので、ぜひたくさんの方に応募してほしい。演出:青木豪からのメッセージ宮城聰さんから「池袋のグローバルリングで、シェイクスピアを演出しませんか?」とお誘い頂いた。「芝居にまったく興味ない人でも、ついつい立ち寄りたくなるようなものにしたい。」と言われ、誰もが知ってる「ロミオとジュリエット」を選んだ。通りすがりの人さえ観客にしたい、というのはつまり「人の目をひきたい」ということだ。そういう単純な衝動が僕は大好きだ。「人の目をひきたい」と思ってる人、待ってます。「立ち寄るだけのつもりがついつい最後まで見ちゃったじゃねぇか」っていう芝居を一緒に作りましょう。【オーディション概要】東京芸術祭2021 野外劇「ロミオとジュリエット(仮)」作:ウィリアム・シェイクスピア上演台本・演出:青木豪総合ディレクター:宮城聰(演出家 / SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督)日程:10月17日(日)〜25日(月) ※予定・調整中 / 東京芸術祭2021会期中会場:GLOBAL RING THEATRE(池袋西口公園野外劇場)オーディションエントリー受付期間:2月3日(水)~2月21日(日) ※24:00必着詳細はこちら:
2021年02月05日ロエベ(LOEWE)から、アメリカ人芸術家のケン・プライスにインスパイアされたカプセル コレクションが登場。「ハンモック バッグ」や「パズル バッグ」など含む新作アイテムを、2020年11月12日(木)より全国のロエベ ブティックほかにて発売予定。毎年クリスマスシーズンのため、クラフト・アーティストとのコラボレーションによって特別なアイテムを展開しているロエベ。2020年は、アメリカ人芸術家のケン・プライスにインスパイアされたプレイフルなカプセル コレクションを用意する。ケン・プライスのカラフルな世界を落とし込んだカプセル コレクションケン・プライスは、1930年代に生まれ、伝説的なフェルス・ギャラリーでの展示をきっかけとし、1960年代にアメリカ国内での名声を確立した。彼が作りだすのは、明るい色使いの小さなセラミック彫刻。メキシコの土器をはじめ、伝統的な民族陶器などを着想とする作品は、ユーモアとたっぷりのエネルギーを感じさせる。1980年代初頭の作品にインスパイアロエベのクリエイティブ・ディレクターであるジョナサン・アンダーソンは、そんな彼の作品の中から、1980年代初頭、ニューポートビーチにあるレストラン「La Palme」の依頼で制作されたという20枚の手描きセラミックプレートに着想を得て、今回のコレクションを完成させた。レザー小物やウェアには、「ヤシの木」、「イースター島」、「LAシリーズ」、および「Happy’s Curios」展で使用されたモチーフが様々な手法で取り入れられている。カラフルな絵画に染まるアイコンバッグレザー小物には、レザーのパーツをパズルのように当てはめることで模様を作り出すマルケトリー製法によって、ケン・プライスの色彩の世界を表現。ロエベを象徴する「パズル バッグ」や「ハンモック バッグ」などのアイコンバッグには、さらにインターシャの技法を加えて、ヤシの木が立ち並ぶ景色や、海沿いや都会の景色を表情豊かに表現している。また、エネルギー溢れる「イースター島」シリーズは、「バルーン バッグ」と「クッション バンブー トート」のキャンバス部分だけでなく、キャンバス地のポーチにもプリントされている。プレイフルなメンズ・ウィメンズウェアウェアのラインナップは、メンズ・ウィメンズともにバリエーション豊か。シルクシャツやスウェット、フーディ、Tシャツ、ウォッシュドデニムパンツ、ドローストリングスカート、シャツなどにも、彼のカラフルな絵画をプリントで落とし込んだ。カシミアカーディガンは、同じモチーフがインターシャで再現されている。ヤシの木の形を模したスカーフは、纏うだけでハッピーな気持ちになれそうなアイテムだ。東京・大阪で期間限定ストアまた、伊勢丹新宿店と大阪の阪急うめだ本店にて2020年12月2日(水)から8日(火)まで、銀座三越にて12月9日(水)から15日(火)まで、期間限定ストアを開催。限定アイテムとして、ライトブルーを基調に「ヤシの木」や「イースター島」をデザインした「ハンモック バッグ」が発売される。渋谷パルコの店頭でステッカー配布渋谷パルコでは、11月23日(月・祝)まで1階のロエベ店頭にてステッカーを配布。ステッカーには、モデル、女優、アーティストとして多方面で活躍する田中シェンによるイラストが描かれているほか、アナグラムやアイコンバッグのデザインも用意している。【詳細】ケン・プライス カプセル コレクション発売日:2020年11月12日(木)取り扱い:ロエベ ブティックおよびロエベ公式オンライン ブティック■アイテム価格例パズル バッグ 360,000円ハンモック スモール バッグ 366,000円バスケットバッグ 93,000円コンパクト ジップ ウォレット 91,000円フーディ 112,000円カーディガン 112,000円Tシャツ 36,000円〈限定バッグ〉ハンモック スモール イースター バッグ 366,000円 ※期間限定ストア限定販売■期間限定ストア・伊勢丹新宿店本館1階 ザ・ステージ会期:2020年12月2日(水) ~ 8日(火)住所:東京都新宿区新宿3-14-1・阪急うめだ本店 1階「コトコトステージ11」会期:2020年12月2日(水)~8日(火)住所:大阪府大阪市北区角田町8-7・銀座三越 本館1階 GINZAステージ会期:2020年12月9日(水)~15日(火)住所:東京都中央区銀座4-6-16■渋谷パルコ ステッカー配布期間:~2020年11月23日(月・祝)場所:渋谷パルコ 1階 ロエベ店頭住所:東京都渋谷区宇田川町15-1※なくなり次第終了
2020年11月14日東京の様々な芸術文化を通じて世界とつながることを目指す都市型の総合芸術祭「東京芸術祭 2020」が今年も東京の池袋エリアを中心に開催されている。今年は感染症拡大防止を徹底した上で、作り手、観客にとって新しい芸術のあり方を模索・検証する。本イベントは2016年から開催されており、演劇、ダンス、伝統芸能、野外劇、パフォーマンスだけでなく、観客が参加できるプログラムも用意し、様々な角度、視点から芸術の魅力と可能性を追求してきた。さらに2018年から演出家の宮城聰が総合ディレクターに就任。各事業のディレクターと協働体制を敷くことで、その内容やコミュニティはさらなる広がりを見せている。コロナ禍での開催となる今年のテーマは「どうやって出会う!」(To Meet or Not to Meet?)。誰にでも開かれた、多様な人々のための「思考や精神が外出できる」居場所として、東京という街の魅力の一端を担いたいという芸術祭プランニングチームの想いが込められており、単に観客がステージを鑑賞するだけでなく、この状況下で芸術に何ができるのか? 観客にとって、作り手にとってこれからの芸術はどうなっていくのかを共に考えられる催しが揃っている。ノーベル賞作家カズオ・イシグロの名作を取り上げる朗読劇『日の名残り』や、庭劇団ぺニノの代表作をVRで楽しめる『ダークマスター VR』、熱狂的なファンを数多く持つ木下歌舞伎『糸井版 摂州合邦辻』、野田秀樹がモーツァルトの名作を演出し好評を得た歌劇『フィガロの結婚』~庭師は見た!~の再演、距離を楽しむ新しい盆踊りを創作するコンドルズの『にゅ~盆踊りNEO』ほか、オンライン配信イベントも予定されており、連日に渡って刺激的なプログラムが次々に上演される。近年、池袋とその周辺エリアは街のいたる場所に劇場や映画館、憩いの空間が広がり、それらが連携しながら"新しい芸術都市のあり方”を追求している。目当ての公演のチケットを確保するだけでなく、さらにもう1公演立ち寄ったり、終演後に街を歩いてみる中で、予想もしなかった発見や出会いが見つかる。そんな祭典になりそうだ。東京芸術祭 202012月18日(金)まで開催予定会場:東京芸術劇場、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)、東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、GLOBAL RING THEATRE(池袋西口公園野外劇場)ほか池袋周辺エリア及びオンラインにて
2020年10月01日映画『ある画家の数奇な運命』が、2020年10月2日(金)より全国公開される。現代美術界の巨匠をモデルにした若き芸術家の半生『ある画家の数奇な運命』は、激動の時代のドイツを舞台に、“筆”1本で苦悩や悲しみを希望と喜びに変えていった若き美術家の物語。本作の主人公・クルトは、現代美術界の巨匠、ゲルハルト・リヒターをモデルに描かれている。ストーリーナチ政権下のドイツ。少年クルトは叔母の影響から、芸術に親しむ日々を送っていた。ところが、精神のバランスを崩した叔母は強制入院の果て、安楽死政策によって命を奪われる。終戦後、クルトは東ドイツの美術学校に進学し、そこで出会ったエリーと恋に落ちる。元ナチ高官の彼女の父親こそが叔母を死へと追い込んだ張本人なのだが、誰もその残酷な運命に気付かぬまま二人は結婚する。やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、ベルリンの壁が築かれる直前に、エリーと西ドイツへと逃亡し、創作に没頭する。美術学校の教授から作品を全否定され、もがき苦しみながらも、魂に刻む叔母の言葉「真実はすべて美しい」を信じ続けるクルトだったが―。必見!リヒター代表シリーズの製作シーンも作品には、リヒターの代表的なシリーズの製作シーンが登場。精密に模写した写真のイメージを微妙にぼかし、写真と絵画の境界線を曖昧にする「フォト・ペインティング」など、リヒターの創作を思わせる技法などが映し出される。なお、本作の監督は、第91回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート、長編初監督作『善き人のためのソナタ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが務める。【詳細】『ある画家の数奇な運命』公開日:2020年10月2日(金)監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク製作:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク撮影:キャレブ・デシャネル音楽:マックス・リヒター英題:NEVER LOOK AWAYキャスト:トム・シリング、セバスチャン・コッホ、パウラ・ベーア、オリヴァー・マスッチ、ザスキア・ローゼンダール
2020年08月08日アブサンというお酒を知っていますか? 「禁断の酒」と呼ばれるほど、神秘的な魅力を持つ薬草系のリキュールです。多くの芸術家を魅了してきた歴史のあるアブサンについて、成り立ちから飲み方までご紹介します。なぜ「禁断の酒」と呼ばれるようになったのか…気になるアルコール度数や成分を知って、嗜むお酒の幅を広げていきましょう。■アブサンとは?「禁断の酒」と言うと、通の間ではすぐに「アブサンだ」と理解されます。それほど禁忌的なイメージがあるアブサンなので、アルコール度数は平均70度前後! アルコール度数が高いワインでも20度くらいですから、アブサンがいかに危険なお酒なのか分かりますよね。そんなアブサンの味は、苦味とスパイシーさがあわさった刺激的なものです。舌の上に乗せると甘みを感じることもできますが、何より高濃度アルコールに慣れている方でないと味わうことが難しいです。舐める程度で味を知ることはできても、アブサン初心者の方は最初からストレートで飲むのはおすすめできません。喉が焼けるような熱さと、一気に口が乾いていく蒸発加減にびっくりしてしまうでしょう。しかし、アブサンにハマってしまう人は多くいるのも本当です。アブサンに興味をもったなら、禁断の酒の扉を開けてみませんか?・スイス発祥のお酒アブサンと言えばヨーロッパ発祥だと思っている方が多いのですが、実は、ヨーロッパで多く飲まれているというだけで、発祥はスイスなのです。スイスの医師ピエール・オーディナーレが、ニガヨモギを原料とした薬を処方するために、アブサンの製造方法を考案したと言われています。しかし、彼はあくまでも医者であり、お酒を製造する職業ではありません。製法をフランスのペルノ氏に売却し、ペルノ氏がアブサンを販売しました。結果、1840年ごろから、アブサンはフランスを中心に大流行し、ヨーロッパ発祥と思われるようになったのですね。初めて販売を開始したのはフランスですから、間違いとは言い切れませんが、本来はスイスの医師が薬用としてつくったものでした。ちなみに、製造方法を譲り受けたペルノ氏は、その後会社を設立。フランスにはペルノ・リカール社が現存していますし、ペルノ・リカール・ジャパンもありますよ。お酒を扱う大企業になったのです。・薬草で作られている!?スイスの医師がアブサンをつくった理由は、薬の処方。つまり薬用酒として販売したのです。そして、そのころの薬と言えば、もっぱら薬草ですね。アブサンも薬草を蒸留してつくられました。現在も、アブサンをお酒としてカテゴライズする際は「薬草系リキュール」とされています。では、その主な成分をご紹介しますね。■アブサンの成分ニガヨモギアニスキキョウその他10種類以上の香草や毒草ちなみに、薬としての効能は、抗炎症作用・解熱作用・鎮静作用があるそうです。しかし、この中の「ニガヨモギ」に含まれている成分が問題になります。・「禁断の酒」と呼ばれるワケニガヨモギに含まれているツヨンという香味成分は、向精神作用があるのです。つまり、アブサンを長い間飲み続けると、身体の中のツヨンの濃度が高くなり、中毒症状が出てしまいます。ちょっと悪い言い方をすれば「ハイ」になるという状態で、幻覚や妄想などの精神錯乱を引き起こすのです。まるでドラッグのような症状が出てしまうことが問題となり、1915年にはアブサンの製造や販売が厳禁になってしまいました。禁止された背景には、やはり中毒症状ならではの犯罪行為が横行した事例もあり、まさに「禁断の酒」なのですね。アブサンによって身を滅ぼした有名人も多くいますよ。それからは、ニガヨモギ自体をお酒に使用することも禁じられてしまいました。しかし、徐々にツヨン成分数値などの明確化が進み、中毒にならない許容量でニガヨモギをリキュールに使用することが認められていきます。2005年にはアブサンの製造も許容されていますよ。長い間取締りを受けていたお酒なので、禁断の酒と呼ばれるようになったのです。■アブサンの飲み方禁断の酒・アブサンを飲んでみたいと思った方も多いのではないでしょうか。お酒をどのように味わうかは好みの裁量ではありますが、いくつか代表的な例をご紹介していきましょう。とは言え、禁止された背景もあるお酒ですから、過剰摂取は厳禁。度数が高いものなので、自分のアルコール許容値を見誤ることなく、慎重に飲める飲み方を選んでください。アルコールに強くない方でも、飲めそうな飲み方が見つかるといいですね。・ストレートやロックでお酒が強い! と自負している方なら、ストレートやロックでの飲み方をすれば、より味わいを感じることができます。ロックグラスやショットグラスで楽しむアブサンは、苦味と甘みをストレートに感じることができます。多くの映画でもアブサンを飲んでいるシーンが使われていますが、その飲み方は大体がストレートなのです。例えばジョニー・デップ主演の『FROM HELL』では、バスタブに浸かったジョニー・デップがストレートのアブサンを楽しむ……という描写が見られました。アブサンというお酒を認識している人からすると、なんて禁忌的で魅力的な描写だろうと酔いしれるでしょう。また、ロックでアブサンを楽しむときのポイントは、視覚にもあります。アブサンは氷に接触すると白濁するのです。もともとは薄い緑色をしていることが多いので、飲み方によって色の変化も楽しめますよ。・リキュールとしてカクテルにアブサンは薬草系リキュールですから、もちろんカクテルにしても楽しめます。特に、お酒に強くない人はカクテルでの飲み方が美味しく、安全に飲めるでしょう。炭酸水を使ったカクテルなら、爽やかな口当たりになり飲みやすく感じるはず。アブサンを使った代表的なカクテル「ヨット・クラブ・パンチ」をご紹介します。ヨット・クラブ・パンチのレシピホワイトラム・グレナデンシロップ(3:1)アブサン 適量レモンジュース 適量ソーダ 適量スライスレモンを添えると、さらに爽やかさがプラスされ、飲みやすくなりますよ。・砂糖に染み込ませるお酒は砂糖をよく溶かしてくれます。度数が高いお酒ならさらに溶けるので、砂糖と合わせた飲み方がおすすめです。アブサンも、角砂糖を使った飲み方が有名なのです。まずは、角砂糖一個をスプーンの上に乗せ、上からアブサンを垂らして染み込ませましょう。そのまま角砂糖を丸ごと口に入れてしまうと、ストレートで飲んでいるのと変わらないアルコールの強さを感じてしまうので、少しずつ舐めてみてください。薬草特有の苦味が緩和され、それこそ甘い誘惑のような後を引く味を体感できますよ。くし切りにしたレモンをかじりながら舐めると、どんどん進んでしまうでしょう。・アブサンスプーンを使う角砂糖を使った飲み方はほかにもあります。これは、アブサン特有の飲み方と言っても過言ではないでしょう。アブサンスプーンという専用のスプーンを使用するのです。アブサンスプーンは、液体をすくうことができないデザインです。スプーンの表面には模様でくり抜かれた穴があるので、アブサンスプーンの上に乗せたものは下に落ちる構造になっています。アブサンスプーンを使ったアブサンの飲み方アブサンを小さめのグラスに注ぐグラスの上にアブサンスプーンを置くアブサンスプーンの上に角砂糖を置く角砂糖にアブサンを垂らして染み込ませるマッチなどで角砂糖に点火する燃えている角砂糖を水で消化この飲み方をすると、着火によってアルコールが少し飛んだ状態のアブサンと、溶けた角砂糖がグラスの中に入ります。ストレートでの飲み方とはまた違った味わいを感じることができるでしょう。そもそもアルコール度数の高いアブサンですので、染み込ませた砂糖もよく燃え、視覚的にも楽しめる飲み方ですね。■アブサンは芸術家も虜にしたアブサンによって身を滅ぼした有名人も多いと先述しました。有名人とは、主に芸術家が多いのも特徴なのです。19世紀のヨーロッパと言えば、有名な芸術家を多く排出していることでも有名で、その多くがアブサンの虜になったと言われています。パブロ・ピカソの代表作の中には『アブサンを飲む女』が存在するくらい、芸術家たちの信仰が深かったと言えますね。・愛飲していた芸術家たちポール・ヴェルレーヌ/詩人アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック/画家フィンセント・ファン・ゴッホ/画家『愛の詩集』で有名なポール・ヴェルレーヌや、言わずもがな有名なゴッホなど、アブサンに魅了された芸術家は非常に多いのです。・アブサンが出てくる映画『FROM HELL』ではジョニー・デップがアブサンを飲んでいる描写があると先述しましたが、ほかにもアブサンが出てくる映画はたくさんあります。映画作品においてのアブサンは、狂気性や禁忌性を表現できるものなのかもしれませんね。■アブサンが出てくる映画ドラキュラ(1992年)太陽と月に背いて(1995年)ムーラン・ルージュ(2001年)ヴァン・ヘルシング(2004年)近代の映画でも、アブサンは禁断の酒として扱われていることが多いです。■日本のアブサン近代の日本でも、漫画『あぶさん』のタイトルの元になったり、ドラマ『科捜研の女』の作中にも出てきたりと、何かと芸能作品に出てくることが多いのが、アブサンの特徴。ヨーロッパのお酒ですから、日本で知られるのは19世紀以降だったようです。日本で浸透していく中で、どのように変化していったのでしょうか。・「人間失格」にも登場する太宰治の代表的な小説『人間失格』にも、アブサンが登場します。もちろん、人間失格が発行されたのはアブサンが禁止されていた時代ですから、太宰治本人も味を知っていたかどうかは定かではありません。また、登場人物が飲む描写ではなく、喪失感の例えとしての登場です。『人間失格』自体が、喪失感を多く表現した小説なので、アブサンによって身を滅ぼすことと揶揄したのでしょう。・日本のアブサンは焼酎ベースアブサンの製造が解禁されたのが2005年です。その後、さまざまな日本のメーカーがアブサンに参入しています。その中でも人気を博したのが、焼酎ベースのアブサン。特に、芋焼酎ベースで薬草をブレンドさせたアブサン「AKAYANE アブサン クスシキ」の人気が高いようです。アルコール度数も55%ほどに抑えられており、ニガヨモギも日本で生産。ブレンドするハーブのほかに昆布なども使用し、日本人の舌に合うように研究されているのですね。・製造メーカー「AKAYANE アブサン クスシキ」の製造元は、佐多宗二商店という伝統的な焼酎造です。そのほかにも、アルケミエ辰巳蒸留所など、主に蒸留酒造が積極的にアブサンの製造に乗り出しています。また、2019年にはニガヨモギでなく日本のヨモギを使用した「和ぶさん」がフルーツリキュールフリークスより発売され、即完売となるなど、注目を集めていますよ。どれも日本人の口に合うように研究されていますので、ヨーロッパ製の本格アブサンを味わう前に、ぜひ試してみてください。■アブサンの飲み方を知れば、禁断の酒を楽しく味わえる禁断の酒と呼ばれるアブサンの魅力は、その歴史や禁忌性だけではありません。味や飲み方など、お酒好きな人を魅了するポイントがたくさんあります。アブサンに興味を持ったなら、日本製のものから初めてみるのがおすすめです。飲みやすい口当たりになっており、虜になってしまうでしょう。本格アブサンを味わいたくなったら、ぜひ海外銘柄のものも試してみてくださいね。ただし、飲み過ぎには注意です。アルコール度数をよく理解し、自分のペースにあった飲み方で、アブサンを楽しみましょう!オススメレシピはこちら↓
2020年07月20日文化複合施設「宝塚市立文化芸術センター」が、兵庫・宝塚に開館。これに合わせて、開館記念展「宝塚の祝祭Ⅰ─Great Artists In Takarazuka─」を、2020年10月18日(日)まで開催する。なお8月4日(火)までは、完全予約制で開館。以降の予定は、決まり次第告知される。文化芸術と自然にふれる宝塚ファミリ―ランドと宝塚ガーデンフィールズの記憶を残す地に生まれる「宝塚市立文化芸術センター」は、文化芸術に親しむセンターエリアと、自然とのふれあいも楽しめる庭園エリアからなる複合施設だ。センターエリアは、幅広い世代を対象とした展覧会を催すメインギャラリー、大型オブジェの展示やミニコンサートなどのイベントを開催するキューブホールに加えて、文化芸術や自然、宝塚に関する多彩な図書を取り揃えるライブラリーなどから構成される。一方庭園エリアは、植物や樹木の特性を活かして整備。四季折々の草花を楽しめる空間となっている。開館記念展では宝塚ゆかりのアーティストを紹介宝塚市立文化芸術センターの開館を記念して開催される「宝塚の祝祭Ⅰ─Great Artists In Takarazuka─」は、世界で活躍する宝塚ゆかりのアーティスト6人を紹介する展覧会だ。会場では、前衛美術グループ「具体美術協会」の代表的メンバーとして活動、独創的な絵本も数多く手がけた元永定正の版画作品や、1970年前後の美術運動「もの派」で中心的役割を担った彫刻家・小清水漸の《作業台-表面から表面へ―》といった作品を展示する。そのほか、同館のロゴも手がけたデザイナー松井桂三、洋画家の辻司、現代美術作家の中辻悦子、建築家の宮本佳明らの作品も。宝塚在住のアーティストの作品を通して、豊かな文化を育む宝塚の魅力を紹介する。詳細宝塚市立文化芸術センターオープン日:2020年6月1日(月)※当初は2020年4月19日(日)にオープン予定だったが延期※6月1日(月)~8月4日(火)の期間は完全予約制(予約は公式サイトより)、なお、これ以後の入館制限については未定※期間中に上記制限の内容を変更する場合あり※庭園エリアは予約なしで利用可住所:兵庫県宝塚市武庫川町7-64アクセス:阪急「宝塚南口」駅から徒歩7分、JR・阪急「宝塚」駅から徒歩13分休館日:水曜日、年末年始、その他臨時休館日あり開館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで) / 庭園(メインガーデン) 10:00〜17:00TEL:0797-62-6800入場料:企画展・展覧会により異なる / 庭園・共用部分は無料■開館記念展「宝塚の祝祭I─Great Artists In Takarazuka─」会期:2020年6月1日(月)〜10月18日(日)※当初は2020年4月19日(日)~6月14日(日)の会期を予定していたが、変更しての開催会場:宝塚市立文化芸術センター メインギャラリー・キューブホール開館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)休館日:水曜日(祝日の場合は開館)観覧料:一般 1,000円、中学生以下 無料※キューブホール内デジタルアート作品の展示は 8月4日(火)まで※来館に際しての注意事項は、公式サイトを参照※宝塚市では「ヽ」のある「塚」を正式文字として使用することに統一しているが、記事内について、本施設および市名の表記について、ユーザーパソコンとの互換性の問題から例外的に「ヽ」のない「塚」を使用。
2020年03月29日明治神宮は、日本人の自然観を体現した芸術と文化のフェスティバル「神宮の杜芸術祝祭」を2020年3月20日(金)から2021年3月31日(火)までの期間、開催する。明治神宮で芸術×文化のフェスティバル「神宮の杜芸術祝祭」の開催期間中は、年間を通して明治神宮の内苑・外苑にて様々な展覧会やイベントを開催する。自然の中で芸術を楽しめる野外彫刻展や美術展、神宮周辺で発展した現代文化の企画展などを楽しめる。神宮の杜 野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」「神宮の杜芸術祝祭」のオープニングイベントとして、神宮の杜 野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」を2020年3月20日(金・祝)から2020年12月13日(日)まで開催。内苑の各所に、名和晃平の牡鹿モチーフの彫刻作品《White Deer (Oshika)》や三沢厚彦の《Animal 2012-01》といった立体作品が登場する。まるで神宮の森の中に繁る木々と呼応しているかのように、芸術作品の数々がひっそりと佇んでいる。百年の杜のアート「紫幹翠葉(しかんすいよう)」また、2020年6月12日(金)から9月30日(水)までは、明治神宮ミュージアムにて百年の杜のアート「紫幹翠葉(しかんすいよう)」を開催。現代アーティストらが、明治神宮やその鎮守の杜に思いを寄せ、自然や暮らしを対象に畏怖と尊敬、情熱を込めて制作した作品を中心に展示する。屏風、掛け軸、衝立、扇面といった日本古来の様式に則って表現された作品が並ぶ。扇面形の絵画作品は、注目の現代アーティスト約30人が手がけた大作だ。彫刻の系譜―平櫛田中から名和晃平まで「気韻生動(きいんせいどう)」2020年7月15日(水)から宝物殿で開催される展示の、彫刻の系譜―平櫛田中から名和晃平まで「気韻生動(きいんせいどう)」では、明治以降の日本近代美術から現代美術までの彫刻・立体の系譜にフォーカス。近代・現代彫刻に大きな影響を与えた明治期の彫刻家・平櫛田中から、世界で活躍する彫刻家・名和晃平に至るまで、幅広く日本の彫刻・立体美術の系譜をたどっていく。【詳細】神宮の杜芸術祝祭開催期間:2020年3月20日(金)~2021年3月31日(火)場所:明治神宮住所:東京都渋谷区代々木神園町1−1■神宮の杜 野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」会期:2020年3月20日(金・祝)〜2020年12月13日(日) ※会期中無休時間:明治神宮の開門・閉門時間に準じる会場:明治神宮 内苑各所入場:無料出展作家:國安孝昌、名和晃平、船井美佐、松山智一、三沢厚彦■百年の杜のアート「紫幹翠葉(しかんすいよう)」会期:2020年6月12日(金)〜9月30日(水)会場:明治神宮ミュージアム■彫刻の系譜―平櫛田中から名和晃平まで「気韻生動(きいんせいどう)」会期:2020年7月15日(水)〜10月11日(日)会場:宝物殿
2020年03月06日『奇蹟の芸術都市 バルセロナ展』が東京ステーションギャラリーにて開幕。4月5日(日)まで開催されている。スペイン、カタルーニャ自治州の州都バルセロナ。芸術、食、スポーツ、世界遺産サグラダ・ファミリアなど、さまざまな点で世界中の人々を惹きつけている、スペインで最も人気のある観光都市だ。同展は、そんな都市の魅力を探るべく、都市の近代化が進んだ1850年代から、万博開催を経てスペイン内戦に至るまでの約80年間にカタルーニャに花開いた芸術文化を辿る。アントニ・ガウディをはじめとする建築家や、ここで若き日々を過ごしたピカソ、同じくここを足掛かりに世界的に活躍したミロやダリ、そして、カフェ「四匹の猫」を文化発信の場としたラモン・カザスやサンティアゴ・ルシニョルなど、多くの芸術家による絵画、ドローイング、彫刻、家具、宝飾品など約130点が紹介される。会場は全6章で構成。第1章「都市の拡張とバルセロナ万博」では、1859年から始まった都市の拡張計画と、1859年に開催された万博の様子が紹介され、急激な近代化が都市や人々もたらした変化が見て取れる。東京ステーションギャラリー( )
2020年02月13日ダンサーで振付家の勅使川原三郎が今年の4月より愛知県芸術劇場の芸術監督に就任することになり、1月30日に都内で記者会見が行われた。就任に際し勅使川原は「責任の明確化」と「継続性」の重要性を説き「自分が退任後も存在する価値のあるプロジェクトを始めることができれば」と意気込みを口にした。【チケット情報はこちら】同劇場が芸術監督を設置するのは今回が初めてのこと。任期は2024年3月までの4年間となる。今回の芸術監督就任を「誇りに感じている」と語る勅使川原。2年ほど前に就任の打診があったそうで、当初は「戸惑いがありました」と明かしたが、それまでも自身の創作だけでなく、教育的なプロジェクトや企画の立案などに携わってきた経験もあり「創作者、アーティストとしての立場ではないところに身を置いて、自分に何ができるのか? どんな考えを持つことができるのか? ということに興味を抱き、面白い機会になりうるかもしれない」と考え、引き受けることを決意したと説明した。勅使川原は「“劇場“の主役は実はスタッフであり、優秀なスタッフがいるところには、必ずいい結果が生まれる」と持論を述べ、これまでに何度か公演を行なってきた同劇場の印象について「東京の劇場でも二の足を踏むような激しい作品をやらせてもらいました。様々な発想を引き受ける精神を持っている劇場であり、スタッフの熱気を感じました」と語る。自身が芸術監督に就任しても「責任の所在をはっきりさせた上で」これまでと同様にプロデューサー陣、スタッフを尊重していくと明言。「自分の趣味、自分の色に染めるためにこの仕事を引き受けたわけではなく、プロデューサー陣のこれまでの仕事を継続的に発展させるのが私の役割」と語る。今後の具体的なプロジェクトについては「劇場は“使いこなす”ということが大事」と語り、地元・愛知県内のバレエ団による合同プロジェクトを形にしたいと意欲を燃やす。一方、自身の海外での知名度を活かし「既にヨーロッパの複数のアーティストとも話し合いを進めています」と海外アーティストとの企画が進行中であることも明かした。なお、芸術監督就任記念プレ事業として、勅使川原とダンサーの佐東利穂子、バイオリニストの庄司紗矢香のコラボレーションによるダンス・コンサート『三つ折りの夜』が同劇場コンサートホールにて3月12日(木)に上演される。
2020年02月05日昨年、新国立劇場に史上最年少の芸術監督が誕生した。当時、小川絵梨子さんは39歳。日本での本格的演出家デビューから10年足らずでの抜擢は衝撃的だった。“斬新な舞台ばかりでなく、ベーシックも必要なんです”「小さい時から演劇はよく観ていて、学生時代は演劇部でした。最初は俳優になりたかったんですが、高校3年生の時に演出をやったら楽しくて。私個人の表現より、いろんなセクションからのアイデアを吸い上げて舵取りするほうが性に合っていたんだと思います」そして20歳の時に旅行でNYを訪れたのをきっかけに、向こうで演劇を学びたいと留学を決意する。「その時はまだ、演劇を仕事にしようという強い意思ではなかったけれど、演劇をアカデミックに学びたかったんです。演劇の演出を専門に学べる学校が日本にはあまりないのと、全く知らない世界を体験してみたいという思いもあって、思い切って海外に出ました」NYでの日々は新鮮で楽しかったけれど、将来を考えると展望が見えずに落ち込んだ、とも。「日本で演出家になる方法がわからなかったし、アメリカで演出をやるには言語能力も、何より文化の理解度が足りない。私は、古典を斬新な解釈で再構築するより、戯曲を読み込んで地道に積み上げていくのが好きだしそれしかできないんです。でもそれには、根底にある文化の理解度が必要。例えば阿部定事件とか、ドラえもんとか縁側とか…日本人のなかに共通する原風景や想起される匂いがありますよね。それが向こうではウォーターゲート事件とかなわけです。頭では理解できても、一番重要な匂いや感覚までは理解できないので」転機は突然訪れる。知人に頼まれて携わった俳優養成所の公演を通して知り合った演劇プロデューサーに、ある公演の演出を依頼される。それが’10年の舞台『今は亡きヘンリー・モス』だ。これが大きな評判を呼び、一躍時の人となった。「私はただ台本をやっただけなんですけどね」と言う。しかし、それまで老舗劇団か小劇場出身の演出家が主流だったなか、小川さんは海外で演劇を体系的に学び、そのメソッドに基づいて演出する。センスや個性で創る舞台とは違いオーソドックスだが、それゆえ戯曲自体の面白さが際立つ。「斬新な解釈とか強烈な個性とか、憧れるし大好きだけれど、自分にはできない。ただ、斬新なものばかりでなくシンプルでベーシックな作品があってもいいし、舞台作品の多様性という意味でもむしろ必要だとも思います。その分野ならば、突出した個性や才能のない自分でも学んだことから立ち上げていくことができるのかなって」何より大事にしているのは物語。「ビジュアルにあまりこだわりがない…というかわからず、立ち上げた物語にそぐうものであればいいと思っているだけなので」小川さんの現場では、俳優もスタッフもすべてが対等。全員がプロフェッショナルとして参加し、演出家の役割は全セクションと関わりながら舵取りをすることだ。「いま芸術監督として一番のモチベーションは、次の世代のためによりやりやすい演劇環境を整えること。これまでの現代演劇は、どうしても革新的だったり作家性の強い作品が注目されてきたけれど、そんな特別な才能に恵まれていなくても演劇を創る方法は色々ある。先人たちが何世代もかけてその方法を模索して、積み上げてきた歴史もある。私もただその流れの中で次世代の方々に何か一つでも渡していけたらと思っています」おがわ・えりこ新国立劇場演劇部門芸術監督/演出家、翻訳家1978年生まれ、東京都出身。日本の大学卒業後に渡米。2004年にNYアクターズ・スタジオ大学院演出学科を修了。’10年に初めて翻訳・演出を手掛けた舞台が話題となり数々の舞台を演出。’12年に読売演劇大賞杉村春子賞を、翌年には紀伊國屋演劇賞と千田是也賞を受賞。’18年に新国立劇場芸術監督に就任。※『anan』2020年1月15日号より。写真・土佐麻理子取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年01月09日毎年秋に池袋周辺で開催されること4年目、今年は「出会う。変わる。世界。」をテーマに国内外の多彩な舞台芸術作品を上演中の東京芸術祭。本日10月29日より東京芸術劇場で開催される、東京芸術祭ワールドコンペティション2019は、そんな今年のテーマを象徴する新たな取り組みだ。芸術祭総合ディレクターの宮城聰とコンペティションディレクターの横山義志曰く、「“優れた作品”って、どういうことなのか」を「観客のみなさんと一緒に考え」、「舞台芸術を評価する“尺度”を新たに生み出して」いく試みとのこと。次代を担う世界の表現者たちの作品を、審査員長のジュリエット・ビノシュ、副審査員長の夏木マリをはじめとする審査員が公開で審査する。対象となるのは、中国の戴陳連による影絵芝居『紫気東来ービッグ・ナッシング』、オーストラリアのシドニー・チェンバー・オペラによる言葉のないオペラ『ハウリング・ガールズ』、スペインのエル・コンデ・デ・トリフィエルによる演劇『可能性は風景の前で姿を消す』、ブルキナファソのシャルル・ノムウェンデ・ティアンドルベオゴによるフィジカル・シアター『たびたび罪を犯しました』、チリのボノボによる演劇『汝、愛せよ』、そして日本のdracomによる演劇『ソコナイ図』の6作品。各公演は有料だが、それぞれの推薦人によるプレゼンテーション及びトーク、そして審査会と授賞式には無料かつ予約なしで入場できる。新たな“尺度”が生まれる瞬間に立ち会ってみるのも一興だ。文:町田麻子
2019年10月29日水墨画家で小説家の砥上裕將さんに、デビュー作『線は、僕を描く』についてお話を聞きました。水墨画の世界へ足を踏み入れた青年。芸術×青春の鮮烈なデビュー作。墨の濃淡だけで鮮やかな森羅万象を描き出す。そんな芸術の魅力と奥深さに引き込まれるのが砥上裕將さんのメフィスト賞受賞作にしてデビュー作『線は、僕を描く』。王道の青春小説であり、極上の芸術小説でもある本作のモチーフは水墨画。実は砥上さん自身が水墨画家だ。「学生時代、大学で水墨画の揮毫(きごう)会があったんです。面白いなと思って質問したら、巻き込まれる形で自分でも始めていた流れですね」巻き込まれたというのが本作の主人公、霜介(そうすけ)と似ているかも?大学生の彼はひょんなことから水墨画の巨匠・篠田湖山(しのだこざん)に気に入られ、内弟子になることに。それに反発した湖山の孫、千瑛(ちあき)は霜介に勝負を申し出て…。水墨画のトリビアがちりばめられるなか、成長していく彼らの姿が活き活きと描かれる。水墨画といっても画風もさまざまであるところが興味深いが、「抽象と具象、どちらを心掛けたらいいのかというのは絵を描く人間が陥りやすい罠。答えはないですよね。ただ、水墨画はもともと禅の修行で、心を治めるために自分の内面を描くものだったんです。発達するにつれ技巧を重視する画風が生まれ、対立構造が生まれた。その対立を物語の中で書こうと思いました」霜介や千瑛以外の登場人物たちも魅力的。特に篠田門下の野性的な西濱と完璧な技術を持つ斉藤という青年は、女性に人気が高いのだそう。「実は彼らの外見については妹が考えたものなんです(笑)。特に斉藤は妙に人気があってびっくりです」そして魅せられるのが、描く過程や完成した絵の描写。「点をひとつ加えるだけで全体のバランスが変わってばっと景色が広がることがある。それは魔法のように見えることがあると思います」読めばきっと、水墨画に興味が湧くはず。それにしても、霜介に勝算はあるのか。巨匠に目をつけられた彼は、他の人と何が違うのだろう?「素直さですね。言われたことを素直に聞き入れて反応できることが大きな才能だというのは、あらゆる技芸に言えると思います」霜介と千瑛のライバル関係とその勝負の行方も気になるところ。最後まで読者を楽しませてくれる。「明るく温かい作品を書いていきたい」と語る砥上さん、今後も要注目です。砥上裕將『線は、僕を描く』交通事故で両親を亡くし孤独感を抱く霜介。ある日、アルバイト先の展覧会会場で水墨画の巨匠・篠田湖山に気に入られ、内弟子にされるが…。講談社1500円とがみ・ひろまさ1984年生まれ。福岡県出身。水墨画家。本作で第59回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。ちなみに本作の登場人物で自分に一番近いのは、霜介の友人の古前君なのだとか。※『anan』2019年8月7日号より。写真・土佐麻理子(砥上さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年08月12日展覧会「奇蹟の芸術都市バルセロナ展 ーガウディからピカソ、ミロ、ダリまでー」が、2019年9月14日(土)から11月4日(月)までの期間、札幌芸術の森美術館にて開催される。古代に遡る豊かな歴史と、19世紀に産業革命を経験したことによる経済的・文化的な先進性をあわせ持つスペイン、カタルーニャ自治州の州都バルセロナ。芸術、グルメ、スポーツなど、今もなお、あらゆる面で人々を魅了する世界有数の国際都市だ。「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」では、そんなバルセロナという都市の近代化が進んだ19世紀後半、イルダフォンス・サルダーの都市計画から、1888年のバルセロナ万国博覧会開催、1936年から1939年にかけてのスペイン内戦に至るまでの約80年間にフォーカスを当てる。会場では、現在のバルセロナの景観を形作った建築家アントニ・ガウディをはじめ、パブロ・ピカソ、ジュアン・ミロ、サルバドール・ダリらによる絵画、彫刻、家具、宝飾品、図面、映像資料、写真などの作品約150点を展示。当時のカタルーニャに花開いた芸術の精華を紹介していく。また、チケットでは、2020年冬に札幌芸術の森美術館で開催される、アルフォンス・ミュシャの展覧会「みんなのミュシャ」とのセット券も用意。是非この貴重な機会に、世界的な芸術家たちの作品をまとめて楽しんでみてはいかがだろうか。【詳細】奇蹟の芸術都市バルセロナ展 ーガウディからピカソ、ミロ、ダリまでー会期:2019年9月14日(土)~11月4日(月)開館時間:9:45~17:00(最終入館16:30)会場:札幌芸術の森美術館住所:北海道札幌市南区芸術の森2-75<観覧料>・当日券一般 1,300円/高校・大学生 800円/小・中学生 500円・前売り券一般 1,200円/高校・大学生 700円/小・中学生 400円・図録付きチケット 4,440円販売期間:6月15日(土)10:00~8月20日(火)23:59販売場所:※ローソンチケットのみ(Lコード:92484)・「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」×「みんなのミュシャ」セット券 2,200円販売期間:6月15日(土)10:00~9月13日(金)23:59販売場所:ローソンチケットのみ(Lコード:11514)※価格は全て税込み。※小学生未満無料。※前売り券はローソンチケット(Lコード:11514)、チケットぴあ(Pコード:769-797)、セブンチケット、道新プレイガイド、札幌市民交流プラザチケットセンター、教文プレイガイド、札幌芸術の森美術館で購入可能。※図録は9月1日(日)以降、ローソン購入店店頭にて受け取り可能。【問い合わせ先】札幌芸術の森美術館TEL:011-591-0090
2019年06月20日演出家・劇作家・俳優の長塚圭史が4月1日よりKAAT神奈川芸術劇場の芸術参与に就任する。その記者懇談会が開かれ、同劇場の芸術監督・白井晃と共に取材に応じた。今回の就任について白井は「神奈川芸術文化財団には今まで“芸術参与”という役職はなかったのですが、この度、制度を整備していただきました」と説明し、その理由を「ひとつは、私の芸術監督の任期が2020年度までになっているので、それまで芸術面で私の仕事のサポートをしていただくことが目的です。もうひとつは、2021年度からの新監督就任を見据えての準備期間です」と話した。長塚は「(これから着手する)2021年度からのプログラムを一緒に作っていくという大きな狙いもあるのですが、それと同時に劇場にとってのインフラを整えていく力になれたらと考えています」と意気込む。それに向けてまずやるべきは「散歩かな」と笑い、「この街がどういう場所なのかよくよく見つめる時間が持てたらと改めて思っています。そしてこの場所にちなんだことを、長期的な展望の中でつくりたい」を語った。白井は長塚を「数少ないよく話す演劇人。私にとってよきパートナーでもありますし、相談相手でもあります」と話し、この抜擢の理由を「1番大きいのは、彼が僕より18歳も若いことです。私が経験してきた演劇的な経験と、長塚さん世代が経験されてきたことは違う。演劇観というものが徐々に変化していることを肌で感じており、そういう意味で長塚さんの若い視点が必要になると思いました。僕はこの劇場に“事件を起こしていきたい”と思ってやってきましたが、その事件を起こすためには馬力が必要です。今までが芸術監督ひとりでの1輪駆動だったとするならば、2輪駆動にして2年間走って、その状態で長塚さんに(芸術監督を)お渡ししたいという思いがあります」と述べた。自身が演劇で積んできた経験がこの新しい任務にどう活かされるかの問いに長塚は「僕は、習慣的になって慣れ親しんで忘れてしまうことに対していつも危機感を抱いていて、“このままじゃダメだ”と思ったら、それは時に乱暴なやり方でも、つくっては壊し、壊してはつくって、どうにかやってきました。そういう思い切りの良さを携えながら、まずは参与をまっとうし、その先に繋げていきたいと思います」と答えた。長塚はこれから2年間、芸術参与の任務を遂行する。また、同劇場で12月に上演される「常陸坊海尊」の演出を手掛ける。取材・文:中川 實穗
2019年03月27日「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2019」が、2019年10月5日(土)から27日(日)まで、ロームシアター京都などで開催される。国内外の気鋭アーティストが参加「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」は京都市内の劇場を中心に、国内外の先鋭的な舞台芸術を紹介する芸術祭。第10回目を迎える2019年は「世界の響き〜エコロジカルな時代へ」をテーマに、日本をはじめ、欧米以外の国・地域から先駆的な活動を行うおよそ10組のアーティストを招いた公式プログラムを展開する。ウィリアム・ケントリッジによるシューベルト『冬の旅』南アフリカからは、ドローイング・映像・オペラの舞台監督・美術家であるウィリアム・ケントリッジが選出された。植民地政策やアパルトヘイトなど母国である南アフリカの社会政治的状況を視覚的に表現した作風や、コマ撮りアニメーションで注目を集めているアーティストだ。今回は、世界的に有名なバリトン歌手のマティアス・ゲルネ、ピアニストのマルクス・ヒンターホイザーを迎え、シューベルトの『冬の旅』を上演する。神里雄大による外来魚から着想した舞台日本からは、岡崎藝術座を立ち上げた作家・舞台演出家の神里雄大が参加。政治や社会情勢への態度を積極的に作品に反映させながら、わかりあえない他者との共時性をテーマとした作品を発表しており、海外公演も多数行っている。今回はある釣り人の話を出発点に、外来魚のリリースが禁止されている琵琶湖で「外来魚回収ボックス」について調査した作品「ニオノウミにて」(仮)を上演。生態系を守ることと、「人間が持ち込んだ」生き物の命が天秤にかけられているという点に着目し、ナショナリズムと移民の問題について考察する。ブシュラ・ウィーズゲンによるダンスパフォーマンス16歳から独学でダンスを学び、映画、文学、音楽などを題材に実験的な作品を発表し続けているモロッコ出身のダンサー・振付家、ブシュラ・ウィーズゲンによる作品も注目。数々の国際フェスティバルで上演されている『Corbeaux(鴉)』を、7月に京都で開催するオーディションで選ばれたダンサーとモロッコのダンサーで再制作し、京都市内の屋外を舞台に披露する。また公式プログラムの他にも、オープンエントリー制のプログラムや、作品と連動したシンポジウム、ワークショップを実施。観劇後に観客が集うミーティングポイントなども設置される。【詳細】KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2019開催期間:2019年10月5日(土)~27日(日)会場:ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座、京都府立府民ホール “アルティ”、Theatre E9 Kyotoほか公式プログラム参加アーティスト:ウィリアム・ケントリッジ[南アフリカ]、神里雄大/岡崎藝術座[日本]、チェルフィッチュ×金氏徹平[日本]、ブシュラ・ウィーズゲン[モロッコ]ほか※プログラム全容の発表は7月11日(木)に発表予定。
2019年02月08日覆面芸術家・バンクシー(Banksy)のグラフィティアートをモチーフにした限定Tシャツ・スウェットが、ブランダライズド(BRANDALISED)より登場。2019年1月より、ジョイント ワークス 新宿店にて発売される。社会風刺的なグラフィティアートを世界各地にゲリラ的に描くことで知られるバンクシー。2018年10月には、サザビーズオークションで自身の作品をシュレッダーにかけ、話題を呼んだ。今回登場するのは、《Lizzie Stardust》《Flower Bomber》《Laugh Now》の3作品をそれぞれのフロントにプリントしたTシャツとスウェット。いずれも、風刺の効いたシンボリックなモチーフが、アイキャッチなデザインとなっている。【詳細】ブランダライズド バンクシー 限定Tシャツ&スウェット発売時期:2019年1月取扱場所:ジョイント ワークス 新宿店住所:東京都新宿区新宿3-28TEL : 03-5363-7572■展開アイテム・スウェット 各8,900円+税カラー:ホワイト、ブラック、グレー、ピンク・Tシャツ 各5,400円+税カラー:ホワイト、ブラック、グレー、ピンク【問い合わせ先】A PRESS / エープレスTEL:03-6416-4640
2018年12月31日芸術家の人生の物語を上映する「アート・オン・スクリーン」が日本に初上陸。2018年6月23日(土)を皮切りに、東劇をはじめとする全国の映画館にて上映される。「アート・オン・スクリーン」は、誰もが知る世界的な芸術家が、どのように傑作を生み出したのか、その人生に迫る物語を映画館で上映する企画。芸術の本場・ヨーロッパで好評を博し、美術館で働く学芸員が見ても初めて気づくことがあるという程、充実した上映内容となっている。2018年の上映ラインナップは、ミケランジェロ、モネ、ゴッホを題材にした作品。東京・上野の国立西洋美術館にて6月19日(火)から展覧会「ミケランジェロと理想の身体」が開催され、「モネ それからの100年」が7月14日(土)から横浜美術館にて開催されるなど、話題性・注目度の高い芸術家を特集する。ゴッホも、2017年開催の大規模な展覧会「ゴッホ展巡りゆく日本の夢」が記憶に新しい。第1弾となる『ミケランジェロ:愛と死』では、ヨーロッパ各地の製図室からバチカン、ローマ、フィレンツェの美しい教会、美術館を巡り、ミケランジェロの波乱の人生を追体験。ミケランジェロ本人の言葉や専門家の解説により、ミケランジェロが残した傑作を通じて彼の謎めいた人生に迫る。解禁された予告編からは、彼の創作人生にも迫ることができる内容が伝わって来る。『私は、クロード・モネ』は、彼が残した2500通を超える手紙や彼自身の言葉を通し、今まで知られていないかったモネの一面を紐解いていく。印象派を生み出すきっかけとなった傑作を描き、同時代の画家に最も影響を与えた1人であるモネ。彼が生きた時代を象徴的かつ美しく描いた作品だ。そして、『フィセント・ファン・ゴッホ:新たなる視点』では、ゴッホ美術館のキュレーターの独占インタビューなども盛り込み、今までにないゴッホの世界を紹介している。芸術家達の作品を楽しみながら、映画館では個々の心理や人間性、作品の誕生秘話について知ることができ、“ただ鑑賞する”だけではなく、より深みのある芸術体験をすることができる「アート・オン・スクリーン」、ぜひ劇場へ足を運んで楽しんでみて。【詳細】アート・オン・スクリーン料金:一般2,000円、学生1,500円(学生証の提示が必要)■東劇住所:東京都中央区築地4-1-1 東劇ビル3F・6月23日(土)~7月13日(金)『ミケランジェロ:愛と死』・7月14日(土)~8月3日(金)『私は、クロード・モネ』・10月6日(土)~10月26日(金)『フィセント・ファン・ゴッホ:新たなる視点』■ミッドランドスクエアシネマ/なんばパークスシネマ住所:愛知県名古屋市中村区名駅4-7-1 ミッドランドスクエア5F/大阪府大阪市浪速区難波中2-10-70 なんばパークス8F・6月23日(土)~7月6日(金)『ミケランジェロ:愛と死』・7月14日(土)~7月27日(金)『私は、クロード・モネ』・10月6日(土)~10月19日(金)『フィセント・ファン・ゴッホ:新たなる視点』■神戸国際松竹住所:兵庫県神戸市中央区御幸通8-1-6 神戸国際会館11F・6月30日(土)~7月13日(金)『ミケランジェロ:愛と死』・7月14日(土)~7月27日(金)『私は、クロード・モネ』・10月6日(土)~10月19日(金)『フィセント・ファン・ゴッホ:新たなる視点』■全国のユナイテッドシネマ/シネプレックス対象映画館:ユナイテッドシネマ 豊洲・浦和・豊橋18・新潟・金沢・橿原・キャナルシティ13・長崎・熊本・札幌、シネプレックス 幕張・平塚・つくば公開作品・公開日:・『ミケランジェロ:愛と死』11月17日(土)、20日(火)、26日(月)、29日(木)、12月2日(日)、5日(水)・『私は、クロード・モネ』11月18日、21日(水)、24日(土)、27日(火)、12月3日(月)、6日(木)・『フィセント・ファン・ゴッホ:新たなる視点』11月19日(月)、22日(木)、25日(日)、28日(水)、12月1日(土)、12月4日(火)
2018年04月27日『パイレーツ・オブ・カリビアン』の海賊バルボッサ役などで知られる大名優ジェフリー・ラッシュが、実在の天才芸術家ジャコメッティ役を本人そっくりに熱演した『ジャコメッティ 最後の肖像』が、充実の特典映像の数々とともにブルーレイ&DVDでの発売が決定した。本作は、長く縦に引き延ばされたような人物のブロンズ像が強烈な印象を残す芸術家アルベルト・ジャコメッティと、その絵画のモデルとなった男の知られざる18日間を、ユーモラスかつスリリングに描いた意欲作。2017年夏、東京の国立新美術館で開催された「ジャコメッティ展」では、約2か月半の開催期間中におよそ14万人の観客を動員するなど、没後50年を過ぎてなおその人気は高く、その天才を本作ではジェフリー・ラッシュが熱演。実力派俳優のアーミー・ハマーが、ジャコメッティと対峙する青年を好演した、要注目の一作だ。ジャコメッティが最後に手掛けた肖像画のモデルを務めたジェイムズ・ロードの回顧録「ジャコメッティの肖像」(みすず書房)を脚色・監督した才人は、『プラダを着た悪魔』などで知られる性格俳優のスタンリー・トゥッチ。映画を知り尽した名優による演出も冴え、豪華実力派俳優同士による“セッション”も見逃せない。特典映像としてジェフリー・ラッシュ、アーミー・ハマー、スタンリー・トゥッチ監督のインタビューなどを収録予定。『ジャコメッティ 最後の肖像』ブルーレイ&DVDは6月20日(水)より発売、同日レンタル開始。『ジャコメッティ 最後の肖像』ブルーレイ価格:4,700円+税『ジャコメッティ 最後の肖像』DVD価格:3,800円+税発売元:株式会社キノフィルムズ/木下グループ販売元:ポニーキャニオン(C) Final Portrait Commissioning Limited 2016(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジャコメッティ 最後の肖像 2018年1月5日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて順次公開© Final Portrait Commissioning Limited 2016
2018年03月28日