株式会社オレンジページ(東京都港区)は、12月9日(金)に人気料理研究家・若山曜子さんの『本当は素朴なフランスのおやつ』を刊行しました。これまで多くのレシピ本を手掛けてきた若山さんですが、フランスの家庭で親しまれている素朴なおいしさのおやつを厳選し、一冊にまとめたのは本書が初。「フランスのおやつはむずかしい」というイメージをくつがえすシンプルレシピ集です。『本当は素朴なフランスのおやつ』【Pick up!!】若山さんのお気にいり♪型いらずの洋梨のタルト洋梨とアーモンドクリームのコンビは、「タルト・ブルダルー」と呼ばれ、フランスでは定番のタルト。パリのブルダルー通りにあった店が考案したのだとか。おうちで作るのはむずかしいイメージのある「洋梨のタルト」も、本書では型のいらないレシピを紹介。生地もアーモンドクリームも冷凍できるので、時間があるときに作っておくのもおすすめです。洋梨は、缶詰でも生でも、それぞれの味わいを楽しめます。フランスのおやつをもっと気軽に作ってほしいという想いのこもった一品です。生地のまわりを内側に折り、ひだを作りながら一周するだけ「洋梨の型なしタルト」【そのほかの掲載レシピ例】いちごのクラフティりんご入りフィナンシェクレーム・キャラメルビュッシュ・ド・ノエル【目次】第1章絶対作りたい、とってもシンプルなおやつ/第2章季節の果物を使った簡単おやつ/第3章いつでも食べたい定番おやつ/第4章特別な日のおやつは、少しだけ手をかけて(サブレ、ガレット・ブルトンヌ、タルト・タタン、コンフィチュール、ヨーグルトムース、クレープ、ロシェ、ブール・ド・ネージュ、パルミエ、ブラン・マンジェ、ム―ス・オ・ショコラ、ウィークエンド・シトロン、シュー・ア・ラ・クレームetc.)◆若山曜子若山曜子料理研究家。東京外国語大学フランス語学科卒業後、パリへ留学。ル・コルドン・ブルー、エコール・フェランディを経て、パティシエ、グラシエ、ショコラティエ、コンフィズールのフランス国家資格(CAP)を取得。パリのパティスリーやレストランで経験を積み、帰国後はカフェのメニュー開発、雑誌、書籍でのレシピ提案などで活躍中。だれでも作りやすく、定番からアレンジまで遊び心あふれるレシピが人気を集めている。著書に『さつまいものお菓子』(家の光協会)、『はじめまして、おやつ』(マガジンハウス)、『フライパン煮込み2』(主婦と生活社)など多数。Instagram:@yoochanpetite『本当は素朴なフランスのおやつ』(若山曜子)~サブレ、クラフティ、フィナンシェ飾らない気取らない、毎日食べたくなるおいしさ~2022年12月9日(金)発売1760円(税込)B5版、平綴じ、96ページ <このリリースに関するお問い合わせ先>〒108-0073東京都港区三田1-4-28三田国際ビル16F株式会社オレンジページ広報担当遠藤 press@orangepage.co.jp 20221209本当は素朴なフランスのおやつ.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年12月09日8月24日は「愛酒の日」。これは「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」でおなじみの歌人・若山牧水が、“愛酒家”だったことに由来する。今から140年ほど前に生まれ、明治から昭和にかけて活躍した牧水。実は一日一升のお酒を飲むほどのお酒好きで、お酒にまつわる歌も多数発表している。そこで牧水の誕生日である8月24日が「愛酒の日」となった。古来から現在に至るまで多くの人々に活力と癒やしを与えているお酒。有名人にとっても同じようだ。そこで、これまで本誌が目撃してきた“愛酒現場”を振り返りたい。■生田斗真と清野菜名夫妻の“へべれけバースデイ”20年10月7日、都内の高級ジンギスカン料理店に現れたのは生田斗真(37)と清野菜名(27)夫妻。2人は同年6月に結婚したばかりで、この日は結婚後初となる生田の誕生日。2人は友人を交えて食事会を開いたようだった。「生田さんの誕生日から一週間後の10月14日は清野さんの誕生日です。しかし当時、生田さんは舞台の仕事で大阪に滞在する必要があり、清野さんの誕生日当日は一緒に過ごすことがスケジュール的に困難でした。そこで生田さんと清野さんを一緒にお祝いする合同誕生日会が開かれたそうです」(芸能記者)2人は2時間ほどでジンギスカン店を後にすると、そのまま近くの隠れ家的なバーへ。ふたたび姿を見せたのは、一次会から8時間後の深夜1時過ぎ!お酒を楽しんだのか、2人はへべれけな様子。さぞかし楽しい祝杯となったのだろう。■長澤まさみ ほんのり頬染めてリリー・フランキーのバーへ19年4月初旬の深夜11時過ぎ。東京・銀座の居酒屋から、にぎやかな一団が現れた。その中に、長澤まさみ(35)の姿があった。実はこの日、午後8時から長澤の主演映画『コンフィデンスマンJP―ロマンス編―』の打ち上げが行われていたのだ。店から出てきた長澤はほろ酔いなのか、頬がほんのりと染まっていた。その後、迎えの車に乗り込むと、雑居ビルの前で停車。そして、マネージャーらしき女性と2人でリリー・フランキー(58)がプロデュースするバーへと足を踏み入れた。11年に一部メディアが“宮古島2泊3日旅行”を報じ、16年6月には本誌が“お泊りセット”持参の長澤がリリーと5時間もはしご酒デートをする姿を目撃するなど、かねて親密な関係が囁かれてきた。そんな2人の親密ぶりは、19年4月でも健在。「その夜は、リリーさんの親しい知り合いだけが集まる貸切営業でした。長澤さんが来店するということで、リリーさんも駆け付けたといいます。2人はお酒を酌み交わし、お喋りを楽しんでいたそうです」(バーの常連客)入店から3時間半。長澤がバーから出てきたのは、午前2時半を回ったころだった。親しいリリーと共に、お酒を楽しんだ長澤。エネルギーチャージは十二分だったはずだ。■今井翼 庶民的な居酒屋で1人晩酌今年6月には、居酒屋で晩酌を楽しむ今井翼(40)を目撃。この日、今井は初主演映画『TELL ME ~hideと見た景色~』の完成披露上映会に登壇。劇中で演じたX JAPAN・hideさんの実弟・松本裕士氏と対面し、感極まって涙を見せていた。そして大仕事を終えた今井はカウンターに一人座り、上機嫌でグラスを口に運んでいた。実はこの店、しょうゆラーメン650円という格安店。生ビールに酎ハイ、おでん、枝豆など次々と注文していく今井。大役をやり遂げた達成感を噛み締めるように、晩酌を楽しんでいた。庶民的なこの店には常連客も多いようだが、今井は飾ることなく、店員だけでなく居合わせた客たちとの会話も楽しんでいた。さらに店の前でたばこを吸っていると、通りがかった女性が今井に気づいた。女性と10分ほど談笑した後、今井は笑顔で自ら握手の手を差し出すサービス精神も見せていた。■パーティ大好き田中圭のノリノリ飲酒焼肉19年7月中旬の午後9時ごろ、本誌は田中圭(38)を都内の焼肉店で目撃した。店内の個室には7~8人が集まっており、その中にはドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で共演した内田理央(30)の姿もあった。「7月10日は田中さんのお誕生日。多忙な日々を送る田中さんのために、親しい仲間たちが少し遅れて誕生日会を開いたそうです」(田中の知人)パーティ好きで、愛酒家でもある田中。誕生パーティには、当時放送中だった主演ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)の撮影終わりで駆け付けたという。仕事終わりにも関わらずパーティの間、始終ノリノリだった田中。3時間後に店を出たものの、かなりお酒を飲んだようで足元がふらついていた。■石田純一はお酒で“家庭崩壊”の危機に……いっぽう、飲酒がきっかけで窮地に立たされた人も。石田純一(68)だ。さかのぼること20年4月、新型コロナウイルスに感染した石田。一時はICUに入る寸前で、生死の境も彷徨ったというがーー。「新型コロナにかかる直前、県外移動自粛が呼びかけられていた緊急事態宣言下に沖縄へ行っていたことが判明。さらに退院直後から、ノーマスクで飲み歩く姿がたびたび報じられました」(スポーツ紙記者)本誌も20年5月、都内の隠れ家的飲食店から石田が現れたところを目撃している。石田は、マスクなしでふらつくような千鳥足。道路の真ん中で立ち尽くし、車が来てとっさに避けるという危険な一幕もあった。「石田さんはその夜、同世代の仲間3~4人に招かれ、コロナの“快気祝い”をしていたそうです。お肉に合うワインやシャンパンも口にして、久しぶりの外食を堪能したといいます」(石田の知人)また同年8月中旬の午後9時過ぎ、本誌は東京都港区にある高級イタリアンで石田の姿を目撃している。石田は40代前半くらいの男性と若い女性との3人で、店の閉店時間を1時間ほど過ぎた午後11時頃まで会食を楽しんでいたという。その後、5月同様マスクをつけずに、石田はまたもや千鳥足で自宅へと向かっていった。「コロナ禍にも関わらず、飲酒の後にノーマスクで出歩くといった一連の行動によって石田さんは仕事が激減。レギュラー番組は全て終了し、別荘だけでなく推定3億円といわれる豪邸も売却しました」(前出・スポーツ紙記者)昨年12月、本誌の直撃に対して石田は「家庭は崩壊しています、はい。家庭も、すべて崩壊してますから!帰ってください!」と声を荒げていた。お酒でハッピーになる人もいれば、“飲まれてしまう”愛酒家も。適度な距離感が肝心なのかも。
2022年08月24日『ジンジャースイーツ』で紹介されているスイーツは、その名の通り、生姜のすりおろしや自家製のジンジャーシロップ、生姜の砂糖煮・キャンディードジンジャーなど、“生姜”を使った体が温まるおうちスイーツとドリンク54種。これから本格的な冬を迎えるにあたって、ぴったりのレシピが目白押しです。生姜でこんなにも…!? これからの季節に作りたい「ジンジャースイーツ」代表格のジンジャーブレッドとジンジャークッキーのほか、ジンジャーキャロットケーキやヴィクトリア風のジンジャーケーキ、スコーンやビスコッティ、レアチーズ、プリンなど、どれも“ジンジャー尽くし”。焼き菓子から冷たいお菓子まで、生姜が入ることでさらにおいしくなるスイーツレシピが紹介されています。今回は、そんなレシピ本の一部をご紹介します!INTRODUCTION作っておくと便利!長期保存もできるまずは入門編としてジンジャーシロップの基本レシピが紹介されています。ジンジャーシロップの基本の作り方のほか、黒糖ジンジャーシロップ、スパイシージンジャーシロップなどのアレンジメニュー、さらにジンジャーシ入りのキャラメルポップコーンなど、長期保存できるレシピが多数掲載。PART.1ジンジャーブレッドとジンジャークッキー続いては、英国風ジンジャーブレッドやコーヒー風味のジンジャーブレッドパンケーキなど、おやつにも朝食にもぴったりなレシピが紹介されています。また、可愛らしいジャーマンクッキーも、“ジンジャーマンクッキー”に。毎日食べたくなる、健康的なレシピのラインナップです。PART.2生姜の焼き菓子午後のおやつタイムに食べたいケーキ類も、ジンジャーでヘルシーに。パウンドケーキから、甘酸っぱくてほろ苦いジンジャーガトーショコラ、キャラメルアーモンドが香ばしいジンジャーフロランタンまで、ジンジャースイーツは無限大です。PART.3生姜の冷たいお菓子とデセールさっぱりとした寒天、ムース、プリンなど、冷たいデザートにもジンジャーを。生姜と黒糖コーヒーのマーブルレアチーズといった意外な組み合わせや、フレッシュフルーツのジンジャーマリネ、ラオス風ジンジャーミルクジェラートなど、まさに自由自在。“おうち時間”に様々なレシピを楽しむのもおすすめです。COLUMNそして、ジンジャーシロップのアレンジは、ドリンクや料理にまで!自家製ジンジャーシロップで作る基本のジンジャーエールや、ホットジンジャーレモネードまで紹介されています。また、シロップで簡単ポークジンジャーやジンジャードレッシングの中華風サラダなどにもアレンジできるそう。ジンジャーシロップを作っておけば、日常の中においしく健康を取り入れられそうですね。『ジンジャースイーツ』¥1,600(税抜)【書誌情報】『ジンジャースイーツ』若山曜子 著定価:¥1,600(税抜)仕様:B5変判/96ページISBN:978-4-8456-3561-0体に嬉しい生姜を使ったスイーツ。いつものスイーツを「ショウガスイーツ」にチェンジして、健康的なおやつタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか?【参考】冷え性改善、腸活、免疫力UP! 生姜にはおいしくてうれしい効能がいっぱい。若山曜子さんの新刊『ジンジャースイーツ』発売 - PR TIMES©株式会社インプレスホールディングス
2020年11月24日日本語は世界一難しい言語とも評されますが、その言葉遣い1つ1つに人柄はにじみ出るもの。そこで、日本文学研究者のロバート・キャンベルさんに、日本語の持つ奥深さについて聞いてみました。***若山牧水の「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」という和歌があります。この風景を絵にしてください、と言うと、白鳥の数が人によって異なるのです。日本語は数や時制をはっきりさせず、文脈の中からそれらを読み取っていくからですね。それが、あの歌が名歌になっている所以だと思うのです。欧米の言語だと、1羽なのか数羽なのかを決めなければなりませんから。でも、それだと人の不安や憧れなどの情感が歌に乗らないのではないでしょうか。このように日本語の和歌や歌謡曲には「曖昧」という表現では括れない、可能性をプロデュースする力があると感じます。日本語は多元的で、とても奥行きがある言語。単語の数もかなり多く、和語、漢語、外来語などから使う言葉を選んだり、時にミックスしたりすることで、微細な違いも表れます。「ケチ」という言葉ひとつとっても、度合いによって「しわい」「けちんぼ」「あたじけない」などの表現があり、その縫い目なく繋がっている言葉のグラデーションも豊かです。自分でも日本語で原稿を書いて推敲をする時に、気づくことがたくさんあります。漢字をギュッと使いたい時もあれば、ひらがなを使ってゆったりさせたい文もある。「この2~3行の調子だと、こっちの言葉がいいな」というように、文章そのものが言葉を迎える感じがするんですね。野球の専門用語でも、バットに球が当たった時の「快音」、球を投げたときの「魔球」などすごく素敵な漢語がたくさんありますが、それらの比喩を自分の文章に取り入れると引き締まるという発見をすることもあります。そういったところにも、日本語の面白みを感じるのです。◇ロバート・キャンベル日本文学研究者、東京大学大学院教授。ニューヨーク出身。さまざまなメディアで活躍中。編著に『ロバート キャンベルの小説家神髄』など。※『anan』2015年7月1日号より。取材、文・仲野聡子©hiorgos
2015年06月24日平成20年(2008)、特許庁より地域団体商標登録の認定を受けた「佐久鯉(こい)」。鯉と聞くと「泥臭いのでは?」と思う人も多いのだろう。しかし佐久の鯉は、その印象を払拭(ふっしょく)させてくれるおいしさを持つのだそうだ。早速、そんな「佐久鯉」の魅了を探るため、話を聞かせていただくことにした。「今から230年ぐらい前に、大阪から持ち帰ってきた鯉が佐久鯉のはじまりと言われています。佐久では昔から、水田の中に鯉を放して養殖をしてきたんですよ」と話してくれたのは「佐久の鯉人倶楽部」の水間さん。長野県佐久市では、古くから、佐久ならではの「水田養鯉」というものが行われていたという。水田養鯉は、水田に稚魚を放流し、稲作を行いながら鯉を育てるという養殖方法。当時、鯉の養殖には年貢がかからなかったため、田んぼを持っている人は、盛んに鯉の養殖を行っていたのだという。鯉を売ることが、貴重な現金収入につながったのだ。5月頃、田んぼに体長1センチほどの稚魚を放流する。稚魚は田んぼにいる藻やプランクトン、また蚕のサナギを餌に育つ。佐久では「養蚕」も盛んだったため、蚕のサナギを鯉の餌にして鯉を育てていたのだそうだ。鯉の旺盛な食欲によって、田んぼにいる害虫や雑草が激減するだけでなく、鯉が泳いだり土をつっついたりすることで、水が濁り、雑草が芽吹くのを防げたそうだ。やがて秋の落水期には、体長15センチほどの「当歳」(とうざい)と呼ばれる1年鯉に成長する。水田から引き上げられた鯉は、一部を残して背開きし、串に刺していろりの上につるされ、冬の保存食にされていたそうだ。残された「当歳」は池で越冬する。当時、佐久の家の台所の下は、鯉を放すため池になっていて、料理のくずや、お茶を飲んだ後の茶葉などがそのまま池の中へ落ちる構造になっていた。放たれた鯉は、それを餌にして冬を越していたという。蚕のサナギもそうだが、佐久の鯉の養殖には無駄が全くないようだ。そして翌年、越冬した鯉はその年の稚魚と一緒に水田に放養される。ちなみに、育てて2年目の鯉を「中羽」(ちゅうっぱ)、3年目の鯉を「切鯉」(きりごい)と呼ぶのだそうだ。「他県では、年末に新巻鮭を食べるんだと思うけれど、佐久では鯉を食べてきたんですよ。それ以外に、冠婚葬祭などに鯉は欠かせません。ここ4年ほどでまた鯉をよく食べるようになったからか、年末にスーパーに行くと鯉がたくさんおいてあるんですよ」と水間さん。はて?「最近」ということは、佐久でも鯉を食べなくなった時期があったのだろうか?尋ねてみたところ、戦後、鯉の餌となるサナギの養蚕が廃れるとともに、水田養鯉も廃れはじめたという。さらに、昭和に入って除草剤が普及したことや、鯉が稲を傷つけるといった理由から、鯉を育てる人が減っていったのだという。そうこうするうち、「佐久鯉」と呼ばれる鯉のほとんどが、茨城県霞ヶ浦から入荷した鯉を、しばらく佐久で育てたものになっていったのだとか。佐久鯉を復活させようという機運が高まったのは、2000年に入ってのこと。市内の小学校に通う児童がつくった「佐久鯉」に関するレポートと、市への要望書がきっかけだったそうだ。2003年には「鯉の文化を絶やしてはいけない」と、佐久商工会議所が中心となって、「佐久の鯉人倶楽部」を発足。その年に起きた霞ヶ浦のコイヘルペスウイルスによる鯉大量死を受け、コイヘルペスウイルスがいない水系の調査を実施。「佐久で生まれ、佐久で育った」鯉を守っていくための、様々な活動を続けてきたそうだ。「佐久は酒もおいしいからね。鯉のあらいができあがるのを、お酒を飲みながら待つ。そして、プリプリの身をわさびじょうゆで食べる。酢みそじゃないよ。佐久の鯉は、昔からわさび醤油で食べるのがあたりまえ」と水間さん。生まれも育ちも佐久の鯉ならば、臭みもなく身もしまっているから、わさびじょうゆが一番なのだという。思わずゴクリと喉を鳴らしてしまうような話しぶりだ。自分たちで鯉を育てて、昔からの味を楽しみたいという思いが、この活動を続けてきた一番の理由なのだと、水間さんは楽しそうに話してくれた。水間さんに佐久鯉の魅力を聞いてみた。すると、「まずは、他の魚にはない味ということ。それから、これほど料理人によって味が変わる魚もいないんじゃないかな。店によっては鯉を料理するために、みそでもしょうゆでも、なんでも自家製こだわっているというところもありますよ」とのお答え。鯉料理を代表するおもてなし料理「鯉こく」。鯉の輪切りをしょうゆ、酒、砂糖でじっくりと煮込んだことで、トロリととろけるように身がほぐれる「うま煮」。そして、薄くそぎ切りにし、人肌の湯にサッと通してすぐに冷水でしめて食べる「あらい」は特におすすめ。また、歌人・若山牧水が「鯉こくに 洗いに飽きて 焼かせたる 鯉の塩焼き うまかりにけり」と詠んだと言われる「塩焼き」もイチオシとのこと。一般的に、鯉は2年で出荷されるが、佐久の鯉は冷たい流水で飼育されるため、成長が遅くなるのだという。しかし、そのことがまさに、佐久鯉の特徴である「引き締まった身」と「臭みのない肉質」をつくるのだ。以前、小学校で飼育していた鯉をどうするか、という議論が行われたという。「自分たちで育てた鯉を食べさせるのは残酷ではないか」という大人の意見をよそに、子どもたちからは「食べたい」という答えが返ってきたとか。同倶楽部では、地元の鯉文化を通じて、こういった「食育活動」にも力を入れているという。佐久を代表する名物である鯉。この鯉のおいしさを生み出したのは、佐久の自然と、先人たちの知恵と努力にほかならない。そして今、その文化を絶やさないように努力している人がいることも、佐久鯉の魅力につながっているのではないだろうか。ぜひ、たくさんの「鯉人」たちがいる佐久に足を運び、鯉料理を楽しんでほしい。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月16日