くらし情報『しわい、けちんぼ、あたじけない…日本語には多様な「ケチ」がいる』

2015年6月24日 12:00

しわい、けちんぼ、あたじけない…日本語には多様な「ケチ」がいる

「微細な違いにより無数の表現。グラデーションが豊かな言語」と、ロバート・キャンベルさん。

「微細な違いにより無数の表現。グラデーションが豊かな言語」と、ロバート・キャンベルさん。

日本語は世界一難しい言語とも評されますが、その言葉遣い1つ1つに人柄はにじみ出るもの。そこで、日本文学研究者のロバート・キャンベルさんに、日本語の持つ奥深さについて聞いてみました。

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若山牧水の「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」という和歌があります。この風景を絵にしてください、と言うと、白鳥の数が人によって異なるのです。
日本語は数や時制をはっきりさせず、文脈の中からそれらを読み取っていくからですね。それが、あの歌が名歌になっている所以だと思うのです。欧米の言語だと、1羽なのか数羽なのかを決めなければなりませんから。でも、それだと人の不安や憧れなどの情感が歌に乗らないのではないでしょうか。このように日本語の和歌や歌謡曲には「曖昧」という表現では括れない、可能性をプロデュースする力があると感じます。

日本語は多元的で、とても奥行きがある言語。単語の数もかなり多く、和語、漢語、外来語などから使う言葉を選んだり、時にミックスしたりすることで、微細な違いも表れます。「ケチ」という言葉ひとつとっても、度合いによって「しわい」

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