12月2日から5日まで東京ビッグサイトで開催されている「2015国際ロボット展」では、シャープのモバイル型ロボット電話「RoboHoN」やロボットゆうえんちのロボットアイドル「プリメイドAI」などのヒト型ロボットが注目を集めている。「RoboHoN」や「プリメイドAI」と同じサービスロボットエリアには中国のUBTECH Roboticsがヒト型ロボット「Alpha1S」を出品し、音楽に合わせて踊るデモンストレーションを披露している。○さすがの中国価格「Alpha 1S」は事前に動作をプログラミングすることで音楽に合わせて踊らせたり、腕立て伏せをさせることができるほか、スマートフォンから音声コマンドで操作することもできる。サイズは398mm(高さ)×196mm(幅)×113mm(厚さ)で、重さは1.65kg。1回の充電で約60分の連続使用が可能だ。踊ったり腕立て伏せをしている姿を見るとどうしても既視感を覚えるのだが、驚くべきはその価格だ。例えばDMM.make Robotsが販売しているロボットゆうえんちの「プリメイドAIベースモデル」は税込み14万9040円だが、「Alpha 1S」はわずか6万円。さすが中国といった価格設定となっている。○プラットフォーム展開を視野に入れる「Alpha 2」同社のブースでは、デモは行われていないものの、2016年4月に発売予定の「Alpha 2」も展示されている。「Alpha 2」はサイズが437(高さ)×228(幅)×122(厚さ)mmと「Alpha 1S」よりひと回り大きく、可動部も20カ所に増加。赤外センサ、超音波センサ、加速度センサなどを内蔵しているほか、800万画素のカメラを搭載している。機能面では音声会話、同時通訳、音声検索などの機能を備えているとのこと。また、同ロボットはプラットフォームとしての展開を視野に開発されており、同社のホームページからアプリケーション開発ツールを提供するとしている。価格は1000ドル程度となる見込みだ。担当者によれば同社は日本での製品販売を模索しており、販売代理店を募集中だという。
2015年12月03日12月2日から5日まで東京ビッグサイトで「2015国際ロボット展」が開催されている。ロボットは近年、災害対応や家庭の見守りなどでの活用が注目を集めているが、介護分野でもロボットの利用が期待されている。介護向けロボットというと、介護者を補助するパワーアシストスーツを思い浮かべるかもしれないが、レイトロンが出展している「Chapit」は高齢者や要介護者の自立支援を通じたQOL向上および介護者の負担軽減を目的として開発されたロボットだ。○生活雑音環境下でも音声を認識レイトロンはもともと音声認識システムの開発・販売を本業としており、それを「Chapit」の開発に活かしている。「Chapit」の音声認識技術にはレイトロンと北海道大学大学院の共同研究によって開発された雑音環境下でも音声認識を可能とするアルゴリズムが駆使されており、マイクから2~3m離れたところからの音声でも認識することができるほか、テレビの音や他人の話し声、生活雑音が存在する環境でも自然に話しかけるだけで音声認識が可能だという。また、音声入力による家電コントロール機能も搭載されており、ここでも同技術が活用されている。高齢者や要介護者向けの機能としてはブレイントレーニング機能とタイムサポート機能が搭載されている。前者では「Chapit」が出題するクイズや算数の問題に答えたり、徐々に増えるフレーズを記憶する暗記ゲームなどを通じたトレーニングが可能となっている。また、後者では食事や入浴、服薬の時間、戸締まり確認などを設定することで、健康的な生活リズムを構築できるとする。「Chapit」は2016年度から介護施設などに向けて販売を開始する予定で、価格は13万円(税別)となる。
2015年12月02日スイッチサイエンスは12月2日、中国のMaker Works Technologyが開発、製造しているお絵描きロボットキット「mDrawBot」の通常販売を12月9日より開始すると発表した。同ロボットキットは、組み合わせ方によって「mScara」、「mCar」、「mSpider」、「mEggBot」という4つのお絵描きロボットを作ることができるもので、Makeblockというロボット作成プラットフォームに基づいて設計されたアルミ製の部品や電子モジュール、Arduino Unoと互換性のある専用マイコンボード「Makeblock Orion」など、60種類以上のパーツによって構成されている。4つのロボットについては、mScaraは、平らな面に絵を描くことができるロボットで、ロボット本体から伸びる腕を動かして絵を描く。mCarは、走った軌跡を描くことができるロボットカーで、ペンの代わりにチョークを取り付けることで、道路などの上にも絵を描くことができる。mSpiderは、壁やホワイトボードに絵を描くロボットで、ロボット本体を2本の糸で壁に吊り下げ、その糸をステッピングモーターで引っ張りあげたり伸ばしたりすることで絵を描く。そしてmEggBotは、卵やピンポン球のような球面に絵を描くことができるロボットとなっている。また、フリーソフトウェア「mDraw」を使うことで、より簡単にmDrawBotを制御することができるほか、Makeblockの部品の多くが工業用標準部品と互換性があるほか、レゴとは機械的にも電子的にも互換性があるため、レゴ用のパーツを自由に組み合わせる事も可能だという。なお、価格は3万2400円。注文は同社Webサイトから行うことが可能となっている。
2015年12月02日12月2日から5日まで東京ビッグサイトで開催されている「2015国際ロボット展」には、産業用をはじめ、介護や災害対応用など幅広い分野のロボットが出展されている。本稿では、同展示会のサービスロボットゾーンに出店しているユニロボットのコミュニケーションロボット「unibo」を紹介する。○健康状態やその日の気分に合わせたレシピを提案「unibo」は日々のスケジュールやEメール管理、写真や動画の撮影と保存、遠隔地とのビデオ通話などさまざまな機能を備えたソーシャルロボットで、個人の趣味や生活習慣を学習し、個人に適した情報を提供する。例えば、健康状態やその日の気分に合わせた食事のレシピを提案もしくは宅配で手配したり、好きなアーティストのライブのチケットを「unibo」経由で入手することなどができる。また、顔認証技術によって個人の顔を記憶することで、最適なフレーミングで撮影し、写真の保存・管理も音声で指示することが可能となっているほか、友人などの声を収録し「unibo」の声にすることや、アニメキャラクターやタレントの声を設定するなどのカスタマイズも可能となっている(有料)。さらに、子供向けの専用学習アプリ「ひらがな覚えよう!国語海賊」(iOS、Android)が用意されており、「unibo」に"ひらがなの勉強がしたい"と話しかけることでアプリを起動することができる。同社は今後、こうした学習アプリのラインアップを拡充していくほか、スマートフォンと連携させた機能の実装を視野に入れて開発を進めるとしている。なお、「unibo」は2016年7月に先行販売が開始される予定で、正式な価格は未定だが、10万円以下になるとみられる。
2015年12月02日12月2日から5日まで、東京ビッグサイトにて「2015国際ロボット展」が開催されている。同展示会は2年に一度開催されており、21回目となる今回は前回(2013年)を大きく上回る446社・団体が技術を披露している。○好感度システムを搭載したタマゴ型コミュニケーションロボット同展示会は産業用ロボットゾーンと、サービスロボットゾーンに分かれており、後者ではDMM.make ROBOTS(DMM)がMJIのコミュニケーションロボットを参考出展している。MJIのロボットは、カメラ、スピーカー、マイク、タッチパネルモニタを搭載した家庭用コミュニケーションロボット。大きさは21(幅)×21(奥行)×25(高さ)cmで、バッテリーを内蔵しているため、家の中で設置場所を簡単に変更するができる。名前は未定。一定時間ロボットとの応答がない場合に家族へ通知したり、外出先からのモニタリングするみまもり機能のほか、天気やスケジュールを読み上げる生活サポート機能、写真や音楽を再生するメディア機能を有しており、音声入力によって操作することが可能だ。日常会話には感情表現と好感度システムが搭載されており、会話のペースや内容によってロボットの反応が変化する。また、現在開発中だが、照明スイッチの切り替えなど、スマートハウスに向けたIoT機器としての機能も搭載予定だという。2016年5月の発売を予定しており、価格は10万円前後となる。
2015年12月02日安川電機は12月1日、小型ロボットMOTOMAN-GPシリーズとロボットコントローラYRC1000を開発したと発表した。小型ロボットにはコンパクトな設置性を確保しながら、可搬質量の増加や高速・高精度化が求められており、MOTOMAN-GPシリーズではこれらのニーズに応えるためにメカ構造を刷新。また、新たな制御方式を採用した新コントローラYRC1000により、ロボットのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるという。具体的には、従来の最高速度制限を撤廃し、加減速制御の改善によりロボットの姿勢によらず限界まで加減速時間を短縮したほか、新たな軌跡制御の採用により、軌跡誤差を80%減少(同社従来比)した。さらに、周辺機器との干渉が少ないスリムアームを採用し、コンパクトボディながら業界トップクラスの動作範囲を実現。また、アーム形状は悪環境における粉じん、液体の堆積を少なくする丸みを帯びた耐環境デザインとなっている。加えて、給電ケーブルを1本とすることでセットアップ時間を短縮。断線時にはプログラミングペンダント上で異常個所を瞬時に表示するなど、メンテナンス性にも優れているとする。なお、同ロボットおよびコントローラは2016年6月に製品化される予定となっている。
2015年12月01日オムロンは12月1日、10月7日から21日まで募集していた同社の卓球ロボットの名前が「FORPHEUS(フォルフェウス)」に決定したと発表した。「FORPHEUS(フォルフェウス)」は"Future Omron Robotics technology for Exploring Possibility of Harmonized aUtomation with Sinic theoretics"の頭文字をとっており、同社独自の未来予測理論「SINIC理論」に基づくロボット技術を表現した造語。「For(向かう)」、「ORPHEUS(人間の創造性を象徴するギリシャ神話の吟遊詩人)」と読ませることで、"人間の創造性に向かっていくオムロンの姿勢"を表しているという。名前の選考にあたりオムロンは社内に選考委員会を設け、応募総数2445件の中から、1)人と機械の融和や卓球ロボットのコンセプトと親和性が高いこと、2)グローバルに通用すること、3)日本並びに海外の主な国において第三者の著作権や商標などの権利を侵害しないこと、4)オムロンの商標ルールに適合していることの4つ条件を満たす候補を3つ選び出し、全グローバル社員による投票が実施された。なお、同ロボットは12月2日から4日まで東京ビッグサイトで開催される「システムコントロールフェア2015」のオムロンブースでデモンストレーションとして出展される。
2015年12月01日日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)とカワダロボティクスは12月1日、カワダロボティクスのヒト型ロボット「NEXTAGE」事業での協業を開始したと発表した。NEXTAGEは人の目に相当する2つのカメラと、2本の腕を有するロボットで、自動車や電機業界、医薬品業界などで活用されている。同ロボットの事業はこれまでカワダロボティクスが本体を開発・製造し、THKインテックスがロボットハンドなどのエンジニアリングと販売を行ってきた。また、日立ハイテクは2015年にTHKインテックスと販売店契約を締結し、国内大手顧客への販売強化およびグローバル市場での販売に取り組んできた。今回の協業契約締結について日立ハイテクとカワダロボティクスは、マーケティング情報の共有によるロボット開発の促進、システムインテグレーターの拡充・育成によるエンジニアリング力の強化を推進するなど、これまでの3社間の連携をさらに強化することで、国内外でのさらなるマーケティング・販売活動強化に注力していくとしている。
2015年12月01日安川電機は11月30日、安全柵なしで設置可能な人共存形ロボット「MOTOMAN-HC10」を開発したと発表した。同ロボットは、人と接触した際に人に与える力を制限する機能を持っているため、安全柵の設置が不要となる。これにより、専用設備の設計・製作の必要性などの理由でロボット活用が進んでいない現場の自動化推進の可能性が拡大する。主に、工作機械間のハンドリングや小物部品の組立て作業などへの利用が想定されている。また、プログラミングペンダントを使用した従来のティーチング方法に加えて、ロボットを直接手で掴んで操作するダイレクトティーチング機能を備えている。これにより、直感的な操作でロボットへの動作指示が可能になるため、ロボット操作に不慣れなユーザーや頻繁にティーチングが必要となる工程へのロボット導入が容易となる。同ロボットは、実機の検証終了後に製品化予定だ。
2015年11月30日安川電機は11月12日、韓国におけるロボット事業の強化に向けて韓国ロボットセンタを大邸(テグ)に設立したと発表した。韓国ロボットセンタは敷地面積1万6530m2、建物面積8435m2という規模の中にショールームやテストルームが設けられている。 同社がこれまで提供してきたロボット操作教育、保守教育を充実させるとともに、「来て・見て・触って」をコンセプトに、実機を使ったデモやテストを通じて、ロボットへの理解を深めてもらうことを目的としているほか、現地での自動化ニーズが高い自動車、電子関連だけでなく、食品・医薬品・化粧品など、今後一層の自動化拡大余地のある産業分野に向けて、各種ロボットソリューションを提案・提供していくとしている。さらに、同施設の稼働によりロボットを使った自動化設備の設計・製作を請け負うシステムインテグレータ(SI)への情報提供や教育などのサポート体制を整備し、SI専用の施設を設け、実際に同社ロボット製品を使ってもらうなど関係を強化し、事業の拡大に繋げていくとしている。
2015年11月13日山口フィナンシャルグループの山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行は27日、接客ロボット"Pepper(ペッパー)"を新しく採用すると発表した。○20体の接客ロボットが教育・研修後に配属先の銀行に出向このたび採用するのは接客ロボットは、ソフトバンクのPepper for Biz。採用数は20体。配属先は、山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行の支店・出張所となる。配属日程は、11月に山口フィナンシャルグループで採用し、教育・研修の修了後、順次、配属先の銀行に出向させる予定だという。山口フィナンシャルグループによると、「20体を法人向けで導入し、来店されたお客様への挨拶、キャンペーンや商品の説明、またゲームなども内蔵されているのでお子様のお相手など、幅広く対応していく。今後は、たとえば住宅展示場などでの住宅ローン相談のコーナーや大学などでの新規口座開設のイベントなどにも出張していく予定」としている。
2015年10月29日戦後の日本の子供たちが夢中になった昭和レトロなブリキのロボットがパズルになった、「クリスタルパズル ブリキ ロボット」が、ジグソーパズル総合メーカーであるビバリーより、2015年11月6日(金)に発売される。「クリスタルパズル」は、クリスタルのようなプラスティック製のピースを立体的に組み上げるジグソーパズルシリーズ。平面的なパズルが「絵画パズル」であるのに対し、立体パズルはまるで「彫刻パズル」で、3次元で完成した形をイメージしながら組み立てるという難しさがある。2004年の発売以来、300万個を販売するヒットシリーズとなっており、「ブリキ ロボット」で全80種類のラインナップとなる。今回発売される「クリスタルパズル ブリキ ロボット」は、昭和レトロなブリキロボットの立体パズル。カクカクした箱型フォルムで、背中にはゼンマイネジ、可愛らしく懐かしいブリキのロボットが再現されている。首とアームはそれぞれ左右、上下に可動するギミック付となっており、パズル完成後は、ノスタルジックな気分に浸れること間違いなしだ。イエロー、レッド、ブルーの3色で、価格は各1,296円(税込)。
2015年10月28日●ダイソンのロボット掃除機、ついに発売ダイソンは10月21日、「ダイソン 360 Eye ロボット掃除機」(以下、360 Eye ロボット掃除機)を正式に発表した。ダイソンの旗艦店「Dyson表参道」では10月23日、量販店では26日に発売する。価格はオープンで、推定市場価格は税別138,000円前後だ。世界に先がけてまず日本で発売する。360 Eye ロボット掃除機は2014年9月に発表されていたロボット掃除機。発表当初は2015年春に発売する予定だったが、日本の住環境に合わせて調整をしていた関係上、10月下旬にずれ込んだ。ロボット掃除機で肝要となるナビゲーションシステムには、カメラを用いた「360°ビジョンシステム」を採用。天面に配置されたカメラで、360度見渡しながら周囲の環境を把握する。カメラは秒間最大30コマの撮影が可能で、その情報をもとに詳細な間取り図を作っていく。シャッタースピードとロボット掃除機の移動速度は連動しており、現在位置やまだ掃除が完了していない部分を正確に把握できるという。赤外線センサーにより障害物を回避する仕組みだ。360°ビジョンシステムで室内を規則正しく、効率良く掃除していく。掃除面については、これまでダイソンが掃除機で培ってきた技術を惜しみなく投入している。毎分最大78,000回転する「ダイソン デジタルモーター V2」は、小型軽量ながらパワフルなモーターで、吸引力と小回りのきくボディを両立。ボディと同じ幅(230mm)のブラシバーは、カーボンファイバーブラシ(黒)と硬いナイロンブラシ(赤)で構成される。カーボンファイバーブラシが静電気の発生を抑えながらフローリングのゴミを除去し、ナイロンブラシがじゅうたんなどに入り込んだゴミをかき出す。吸い取ったゴミは、ダイソン独自の「ラジアルルートサイクロンテクノロジー」によって空気と分離。0.5ミクロンの微細なゴミまでキャッチできる。360 Eye ロボット掃除機は、ダイソンで初めてクラウド連携に対応した製品でもある。無料の専用アプリ「Dyson Link」をインストールしたスマートフォンやタブレットを通じて、外出先からでも360 Eye ロボット掃除機を操作したり、掃除スケジュールを設定したり、実際に掃除したルートを確認したりできる。サイズはW230×D242×H120mm、重量は2.42kg。ダストボックス容量は0.33L。約2.75時間でフル充電され、最大で約45分の連続運転が可能だ。掃除中にバッテリー残量が少なくなった場合は、自動で充電ドックに戻り、充電完了後は再び中断した箇所から掃除を始める。カラーはニッケル/ブルーとニッケル/フューシャの2色。次ページでは、開発に携わった、ダイソンのマイク オールドレッド氏も登場した製品発表会についてレポートする。●規則正しく、効率良く発表会には、ダイソンのマイク オールドレッド氏が登壇。フローリングやカーペット上に重曹をまいて、360 Eye ロボット掃除機の集じん力を見るためのデモンストレーションも行われた。○ロボット掃除機でも掃除性能ありきマイク オールドレッド氏はこれまで、17年間かけてロボット掃除機の開発に携わってきた。会場には、ダイソンが手がけた初代のロボット掃除機「DC06」も展示。DC06はすでに規則正しく掃除できたが、多くのバッテリーやセンサーを積んでおり、主にセンサーのコストがかさんだ結果、製品化にはこぎつけられなかった。そこで考えたのが、ビジュアル(カメラ)でナビゲーションをするシステムを持つロボット掃除機だった。これまでサイクロン掃除機を数々手がけてきたダイソンは、ロボット掃除機を開発する際も「まずは掃除性能ありき」だと考えていたそうだ。マイク オールドレッド氏は「パッと見はごく一般的なロボット掃除機かもしれないが、中身の、特に掃除に関する技術は他のメーカーとはちがう」と強調している。日本では背の高さ10cm以下のロボット掃除機が多いが、360 Eye ロボット掃除機は12cmとわずかに高い。しかし、この高さは「妥協せずに」サイクロン技術を搭載するために必要だったとか。高さはあるものの、幅が小さいため小回りがきき、狭い場所にも入り込めるのが強みだという。○「死角なし」のナビゲーション360 Eye ロボット掃除機のナビゲーションには、一度に360度を見渡せるカメラを用いている。カメラで得た画像情報から「自分が今どこにいるのか?」、赤外線センサーで得た障害物情報から「何があるのか?」を把握し、最適なルートを選ぶ。掃除している途中で出合った障害物に目印を付けていくので、一度掃除した箇所には戻らない。そのため、効率良く掃除できるとする。ランダムにではなく、規則正しく四角を描きながら掃除し、360 Eye ロボット掃除機がたどったルートはスマートフォン向けアプリ「Dyson Link」から確認可能だ。マイク オールドレッド氏は、「360 Eye ロボット掃除機の動きは人間から見ると、ヘンに思えるかもしれない。だから、きちんと掃除していると信じてもらえるよう、どこを掃除したかアプリで確認できるようにした」と説明した。なお、今回実現された360°ビジョンシステムは、今後他のプロダクトにも活用できると考えているそうだ。○ロボット掃除機をもっとメジャーに2015年春発売という予定から遅れた理由について、マイク オールドレッド氏は「英国でテストしたときには問題なかったのだが、日本でテストした際に玄関から落っこちてしまうという問題があった。日本の玄関に合わせるために時間がかかってしまった」と語った。ダイソンが日本市場をいかに重視しているかを物語るエピソードでもある。そのほか、運転音について日本のモニターから不満が寄せられたため、大きなデザイン変更に踏み切ったことも明かした。今後も、ユーザーからの声を反映したアップデートは随時行っていくそうだ。日本の掃除機市場において、ロボット掃除機が占める割合はわずか4%。マイク オールドレッド氏は「ロボット掃除機市場自体をさらに拡大していきたい」と意欲を見せた。
2015年10月21日安川電機は19日、同社の産業用ロボット「MOTOMAN」を対象としたクラウドサービス「MOTOMAN-Cloud」を提供開始した。ロボット情報をクラウド上で管理し、トラブル発生時の問い合わせに役立てる狙い。MOTOMAN-Cloudは、安川電機が新たに提供するクラウドサービス。サービス第1弾として、顧客が使用しているロボットの製品情報閲覧や問い合わせができる「Web製品サポート」、トラブル対応に役立つスマートフォン・アプリ「MOTOMAN Touch!」を提供開始する。「Web製品サポート」では、クラウド上で、ロボットの機種や製品仕様を閲覧できるほか、問い合わせ履歴、部品交換履歴などの管理が行える。また、ロボット情報を安川電機のサービス部門と共有することで、トラブル発生時の問題解決に役立てる狙いがある。「MOTOMAN Touch!」では、トラブル発生時に、ロボット制御盤やプログラミングペンダントに表示されるQRコードをスマートフォンで読み込むことで、問い合わせがスムーズに行える。対象製品は、DX200全コントローラおよび2014年3月21日以降に出荷した全コントローラ。専用アプリ「MOTOMAN Touch!」の対応OSは、Android4.0.3以上(10月19日現在)。MOTOMAN-Cloudは、国内よりサービス提供を開始し、順次海外へ展開していく予定。今後は、予防保全や生産情報管理サービスを追加し、ラインなどの安定稼働や利便性向上をサポートするとしている。
2015年10月20日DMM.com(DMM)は10月14日、同社のロボットキャリア事業「DMM.make ROBOTS」において、卓上ロボットアイドル「プリメイドAI」の予約販売を10月29日から開始すると発表した。「プリメイドAI」にはロボットゆうえんちがデザインするベースモデルのほか、有坂あこ氏のデザインによる「プリメイドAI"ゆかり"」と佐久間結衣氏のデザインによる「プリメイドAI"マリ"」という3体がラインアップされている。同社は今後、エンターテインメント市場の新規開拓を目指し、アイドル・アニメコンテンツや声優とのタイアップを行っていくとしており、その第1弾として「アイドリング!!!」「Cupitron」「アキシブ project」とコラボレーションを行うことが決定している。さらに、衣類や頭部などをカスタマイズできる環境をユーザーに提供することでイベントコンパニオンとしての利用サポートするほか、ダンスデータを作成できる環境を提供するクリエイター奨励プログラムを実施する。海外での販売も視野に入れており、海外におけるクリエイターの活動をサポートするとしている。価格は「プリメイドAIベースモデル」が13万8000円(11月下旬販売予定)、「プリメイドAI"ゆかり"」が14万5000円(11月下旬販売予定、初回限定版300体)、「プリメイドAI"マリ"」が14万5000円(12月販売予定、初回限定版300体)となっている。価格はいずれも税抜。
2015年10月14日●CEATECを彩ったロボットたちロボットブームと呼ばれる中で開催された今年のCEATECでは、ロボット電話「RoBoHoN」(ロボホン)や、洗濯物折り畳みロボット「laundroid」(ランドロイド)など、非常にユニークなロボット製品の発表が相次いだ。本レポートでは、CEATECで見つけたロボット関連の話題について紹介する。○新型になったチアリーディング部まずはCEATECの定番といえる村田製作所のブース。同社は昨年、「ムラタセイサク君」「ムラタセイコちゃん」に続く第3世代のデモロボットとして「村田製作所チアリーディング部」をデビューさせているが、今年も引き続き、このチアリーディング部10体のロボットによるステージショーを行っていた。チアリーディング部は、身長36cm、体重1.5kgの玉乗りロボットである。今年のロボット、外観は昨年と同じように見えるが、信頼性を向上させるために、ハードウェアは新設計で作り直したという。これにより、旧型では移動速度が最大20cm/sに抑えられていたところ、新型では25cm/sまで出せるようになった。昨年は転倒するシーンもたびたびあったが、改良した新型では転倒が少なくなったという。筆者が見た初日1回目のステージショーでは見事ノートラブルで成功。ロボットの動きも、昨年よりは安定しているように見えた。○予測精度が向上した卓球ロボットオムロンは、進化した卓球ロボットを出展していた。昨年と同じように、ステレオカメラの画像からピンポン球の軌道を予測し、パラレルリンクのロボットで打ち返すことができるというシステムだが、今年は予測精度が向上。また予測結果を卓球台に表示して、人間をアシストする機能も追加されている。昨年はパラメータとして重力しか予測に使っていなかったが、今年のバージョンではこれに加え、ピンポン球の回転による軌道変化も考慮することで、予測の精度を向上させた。回転はカメラの映像から直接検出しているわけではなく、予測した軌道と実際の軌道のズレから推測、それを軌道予測の計算にフィードバックしているそうだ。ところでこの卓球ロボットにはまだ名前が無かったのだが、同社は公募で決めることを発表。10月21日まで、同社WEBサイトの応募フォームで受け付けるとのこと。○折り鶴が空を飛ぶロームは、マイコンボード「Lazurite」(ラズライト)を使った技術デモンストレーションとして、折り鶴型の羽ばたき飛行機「ORIZURU」を披露していた。Lazuriteは省電力が特徴のArduino互換ボード。現在、標準サイズの「Lazurite Basic」が販売中だが、ORIZURUには、IoT向けに小型化した新型基板「Lazurite Fly」を搭載した。この新型基板はSDカードサイズで、マイコン、モータードライバ、各種センサー(地磁気、加速度、気圧、照度・近接)、920MHz無線を全てオンボード搭載。これにバッテリとモーターを繋ぐだけで、様々なロボットを作ることができる。発売日や価格は未定だが、ネットショップ等で個人でも購入できるようになるとのこと。○スマホとロボットが融合!来場者の注目度が高かったのはシャープのロボット電話「RoBoHoN」(ロボホン)だ。これはロボットとスマートフォンが融合した製品で、2足歩行が可能なほか、小型プロジェクターまで内蔵。サイズは約19.5cm、重さは約390gと、携帯電話としてはちょっと大きくて重いが、これを持ち歩けば目立つこと間違い無しだ。このRoBoHoN、2足歩行ロボットとしてはかなり小さい。まだ開発中のためか、ブースの説明員に何を聞いても「非公開」と言われてしまうのだが、とりあえずデモやコンセプトムービーの動きからすると、自由度は足3軸×2、腕3軸×2、首2軸の計14軸ではないだろうか。全体のバランスとしては、足がやや短い印象を受ける。通話、メール、アプリ、検索、カメラなど、普通のスマホの機能は一通り揃える。背面に液晶画面があるが、音声認識による操作が基本となるようだ。サーボモーターがこれだけ使われるとなると、バッテリの持ちはちょっと気になるところだが、2016年前半という発売が非常に楽しみな製品だ。なお価格は未定とのこと。●人類の夢がついに実現? 洗濯物折り畳みロボット○洗濯物の折り畳みを自動化seven dreamers laboratoriesは、全自動洗濯物折り畳み機「laundroid」(ランドロイド)を世界で初めて実用化、ブースで試作機のデモを披露していた。乾燥が終わった洗濯物を投入すると、衣類の種類を認識して折り畳み、収納まで自動で行うという。2016年度中に先行予約販売が開始される見込み。これまで、洗濯と乾燥までは自動化できていたが、その後の折り畳みは自分でやるしかなかった。そこで、同社は2005年から開発を開始。同社によれば、折り畳み作業に要する時間は人生で約9,000時間、約375日にもなるということで、これを自動化することで、自由な時間を手に入れられるとアピールする。2017年に発売する第1弾モデルは折り畳み専用機となるが、2019年には、洗濯から折り畳みまで全て行えるオールインワンモデルを投入、洗濯を完全に自動化する。さらに2020年には家に一体化、各部屋のクローゼットに自動で収納することも目指す。製品化に向け、パナソニックと大和ハウス工業と協業、共同開発を開始したそうだ。デモでは、Tシャツの投入から取り出しまで4分半ほどかかっていたが、実際には物により、5~10分ほどになるという。第1弾モデルは40枚、4.5kgの洗濯物を投入可能で、終了まで3~6時間ほどかかるため、夜に開始して朝には終わるような使用イメージのようだ。○注目のホビー向けロボットキットタカラトミーから11月上旬発売予定というロボットキット「MECCANOID」(メカノイド)も出展されていた。なんといっても、税別5万円という低価格で、身長122cmの大きなロボットを作ることができるのが特徴。さすがに2足歩行ではないものの、音声認識やモーションキャプチャーなど、機能はなかなか本格的だ。○台湾発の新型ホビーロボットXYZプリンティングジャパンのブースでは、現在開発中の2足歩行ロボットが展示されていた。今年のCOMPUTEXで披露されたプロトタイプではROBOTIS製のサーボモーターが入っていたが、CEATECで展示されていたものには自社開発のサーボモーターが使われていた。発売時期は未定で、米国か台湾で先行販売する予定だという。○スケルトニクスの次世代機は?スケルトニクスは情報処理推進機構(IPA)のブースにて、最新世代の外骨格ロボットスーツ「スケルトニクス・アライブ」を展示していた。今までのスケルトニクスシリーズは全て人力で動かしていたが、同社は現在、動力付きの次世代機を開発中。年内の完成を目指しており、来年度の発表を予定しているとのこと。アクチュエータが何になるかは明らかにされていないが、重量は現在の10倍の400kgくらいになるそうだ。○仮想空間でのロボットコンテストCEATECの会場内で、「ジャパンバーチャルロボティクスチャレンジ」(JVRC)が開催されている。これは災害対応ロボットによる競技会で、実機は使わず、全て計算機上だけで実施するのが特徴。「DARPA Robotics Challenge」(DRC)の日本版、シミュレーション版と言えるだろう。この競技については後日、別途レポート記事でお伝えする予定だ。
2015年10月09日コトブキヤが展開するオリジナルロボットのプラモデル「フレームアームズ」のスピンアウトシリーズ「フレームアームズ・ガール(FA:G)」から、シリーズ初のカスタム用"素体"として、「マテリア」が2色展開で2016年に発売される。現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中で、価格は各3,888円(税込)。「フレームアームズ・ガール」は、既存の「フレームアームズ」シリーズを、イラストレーターの島田フミカネ氏が美少女化を手がけ、新たなプラモデルとして展開。「フレームアームズ」の特徴である各部の複数の3mm径の穴とPVC製の手首により、膨大なM.S.Gのウェポンシリーズや「フレームアームズ」シリーズの武器や外装を使用することもでき、自分だけのオリジナルなカスタマイズが可能となっている。今回発売される「マテリア」は、通常カラー版の「フレームアームズ・ガール マテリア Normal Ver.」(2016年1月発売)とホワイトカラー版の「フレームアームズ・ガール マテリア White Ver.」(2016年2月発売)の2タイプ。ともに既存の「FA:G」シリーズとの互換性を備えている。可動面では体育座りもできる広範囲な動きができ、腕や太腿アーマーの交換により既存のM.S.Gシリーズやフレームアームズの武装併用も可能となる。「笑い顔正面向き」「笑い顔右向き」「ほほ笑み顔左向き」の計3種の表情パーツ、手首(左右5種)、デカールが付属し、カスタム性をさらに広げるアイテムとなっている。なお、「フレームアームズ・ガール マテリア Normal Ver.」には、コトブキヤショップ限定(秋葉原館、日本橋、オンラインショップ)特典として、特別カラーの髪の毛パーツ&タンポ無しの顔パーツ一式が付属する。特典はなくなり次第終了となる。「フレームアームズ・ガール マテリア Normal Ver.」「フレームアームズ・ガール マテリア White Ver.」はともに価格は3,888円(税込)で、現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約中。商品の発売および発送は、2016年1月、2月を予定している。(C)KOTOBUKIYA
2015年10月07日●RoBoHoNとはシャープは6日、モバイル型ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」を、2016年前半に販売することを発表した。価格や発売時期は未定。本稿では、同日行われた発表会の模様をレポートする。○二足歩行し、話し、踊れる「電話」RoBoHoNはロボ・ガレージの代表取締役であるロボットクリエイターの高橋智隆氏と共同開発された、携帯情報端末。本体は二足歩行が可能なヒューマノイドタイプのロボットで、身長は約19.5cm、重さは約390g。上着のポケットやバッグに入るサイズだという。ユーザーとは音声で対話し、操作する。内部には3G/LTEの通信モジュールとWi-Fiを内蔵しているほか、背面に小型のタッチパネル液晶を、頭部にカメラやフォーカスフリーのレーザープロジェクターを内蔵しており、タッチ操作でメールを送信したり、撮影した写真を壁などに映し出して見られる。音声インターフェースには同社の「ココロエンジン」を採用し、自然な会話での応対が可能。例えば「RoBoHoN、写真を撮って」と言うと、RoBoHoN自身も「うん、いいよ」とフランクな口調で応対し、写真を撮影してくれる。顔認識によりユーザーを認識しており、状況により気遣いの言葉なども投げかけてくれるという。動きは比較的ゆっくりめだが、手を振る、向きを変えるといったシンプルなものから、座った状態から立ち上がる、歩く、踊るといったアクティブな動きもでき、電話というイメージからはかなりかけ離れている。●スマホよりも話しかけやすい?○一人一台の存在が目標共同開発を担当した高橋氏は、家庭用ロボットというと人型ロボットが掃除している姿などを思い浮かべるが、そうしたタスクは例えばロボット掃除機の方がはるかに効率的であると指摘し、一方で人が対話するものとしては、スマートフォンのような四角い箱よりも、人や動物の姿をしているものの方が抵抗が少ないという研究結果を紹介。その上で、スマートフォンの次のイノベーションとして、スマートウォッチやスマートグラスではなく、ロボットとスマートフォンの融合を提唱。これまでの家庭用ロボットと言われるものが、据え置きの電話やデスクトップパソコンのように家族全体のものであったのに対し、スマートフォンやノートPCのように一人一台の存在としてのモバイル型ロボットという存在にしたいと語った。また、シャープの代表取締役でもあるコンシューマエレクトロニクスカンパニーの長谷川祥典社長は、RoBoHoNはココロプロジェクトの象徴的存在として、コンシューマエレクトロニクスカンパニーの技術を結集した存在と紹介。機能的に便利なタッチUIと、情緒的に楽しい動きや対話式インターフェースを持つ、使う人の気持ちに応える新しい電話の形であるとし、話しかけやすい姿と音声対話によるインターフェースで、サービスをもっと気軽に、楽しく利用できるようにしたいと語った。公式サイトでも利用例などが公開されているが、電話をかける姿などは確かに滑稽に見えるが、全体的な動きなどはかなりいい感じに見え、発表会後の報道陣の間でもかなり好意的な意見が飛び交っていた。今までにない発想の製品だけに、「電話」というジャンルに止まらず、ホビーや医療・介護、教育など様々なジャンルからの引き合いもありそうだ。
2015年10月06日シャープは6日、モバイル型ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」を2016年前半に発売すると発表した。携帯電話の基本機能のほか、小型プロジェクターも搭載、音声対応を介した操作も行える。RoBoHoNは、ロボットクリエイター高橋智隆氏と共同で開発した次世代の携帯情報通信端末。二足歩行が可能なヒューマノイドロボットで、携帯電話機能として、モバイル通信(LTE/3G)に対応し、音声通話、メール、カメラを備え、搭載のタッチパネルでの操作も可能。フォーカスフリーの小型プロジェクタにより写真や映像、地図などを投影することもできる。音声対話のでの操作も可能で、ロボットとしてのコミュニケーション動作やキャラクター性による対話も実現するという。なお、サイズは高さ19.5cm、重さは約390g。衣類のポケットや鞄に入れて持ち運びも行えると同社は主張している。
2015年10月06日カプコンは9月19日、「戦国BASARA」とシャープのロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」シリーズとのコラボレーションモデル「プレミアムなCOCOROBO 戦国BASARA 伊達政宗ver.」を製品化するプロジェクトについて発表した。伊達政宗オリジナルボイスで会話するロボット掃除機。発売時期や価格については明らかになっていない。「戦国BASARA」とはカプコンから発売されているアクションゲーム。シリーズ10周年を記念して、シャープの人工知能搭載ロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」とのコラボレーションモデル「プレミアムなCOCOROBO 戦国BASARA 伊達政宗ver.」の製品化を決定した。これまでシャープの社内プロジェクト「プレミアムなCOCOROBO」は、第1弾として<妹ver.>、第2弾として<黒執事ver.>を手がけてきた実績を持つ。<妹ver.>と<黒執事ver.>は、シャープのロボット掃除機における最上位モデル「RX-V200」がベースとなっている。伊達政宗ver.についても、自動掃除や声での操作のほか、クラウド連携が可能になっているという。そのほか、伊達政宗オリジナルボイスで会話することも明らかになっているが、発売時期や価格についてはまだ発表されておらず、「戦国BASARAシリーズ10周年記念 公式サイト」上では「続報を待て!」とされている。
2015年09月21日オムロンは9月16日、産業用ロボットメーカーの米アデプト テクノロジー(アデプト)を約2億100万ドルで買収すると発表した。公開買付けは9月23日(米国時間)に開始し、10月22日(米国時間)に終了する予定。アデプトはロボット制御する技術やビジョンセンサー技術に強みを持つ。特に、ロボット制御技術では、高速性となめらかな軌跡制御を両立させる技術を保有しており、繰り返し精度において業界最速クラスの性能を実現している。オムロンは自社の制御機器とオートメーション技術にアデプトのロボット技術を取り込むことで、自動車、デジタルデバイス、食品飲料などの産業に向けた「新しいオートメーションの創造」を推進し、産業の抱える課題に応えるためのソリューションを、メンテナンスやサポートと共に提供するとしている。
2015年09月16日ワン・トゥー・テン・ホールディングス(1-10HOLDINGS)は9月10日、ロボット用の対話型システム開発やアプリケーション開発、およびロボットを活用した広告制作を専門とする専門会社「ワン・トゥー・テン・ロボティクス(1-10Robotics)」を設立したと発表した。1-10HOLDINGSでは子会社の「ワン・トゥー・テン・デザイン(1-10design)」が2013年1月より、パーソナルロボット「Pepper」の開発に関与してきた経緯もあり、今後、より高度な会話エンジンを中心に開発力の強化を進めて、人工知能(AI)分野などの先進研究を行っていくといった事業の展開を図っていくことを目的に、新会社の設立に至ったという。なお新会社の代表取締役社長には1-10designのCTOである長井健一氏が就任したほか、新会社の設立に併せて電通とも業務提携をしたとのことで、今後も、さらなるソフトバンクロボティクスとの協力体制の強化を図っていくとしている。
2015年09月10日ユカイ工学は9月8日、同社のコミュニケーションロボット「BOCCO」の無料Androidアプリをリリースしたと発表した。「BOCCO」は、家に設置することで、外出先から伝言もしくはテキストの送信を可能とするロボット。例えば、家庭で子供が親より先に帰宅した場合、ドアにつけた積み木センサーが反応し「玄関センサーが反応しました」などのメッセージを親のスマートフォンに通知することができる。また、スマートフォンから音声メッセージをBOCCOへ送り再生できるほか、メール読み上げ機能を有するため、文字が読めない子供やスマートフォンの操作に慣れない高齢者ともコミュニケーションを図ることが可能だ。価格は3万1320円で、DMM.make ROBOTSおよびau Wallet Marketで購入することができる。また、ユカイ工学は同日よりリノべると提携し、住宅での音声による通知が"状況に応じた音声"での通知となるBOCCOのAPIを利用したアプリケーションの開発を開始したことも明かした。これにより給湯器などからあらかじめ決まった音声の再生だけだったものが、ニュースや天気予報、家族の帰宅時間などを相手に合わせた内容で伝えることができるようになるという。
2015年09月09日森永製菓は9月1日、会話の間を埋めるロボット「バニラモナカ専用営業ロボ」を開発したと発表した。同ロボットは、同社のチョコモナカジャンボの派生商品である「バニラモナカジャンボ」の販促PRの一環として企画されたもので、感音センサーにより会話の間を検知すると、「そうなっちゃいますよねぇ」「そう感じることは多々あります」などのコメントをランダムで発信するという。開発の背景について同社は「全国の弊社冷菓担当営業にヒアリングを実施致したところ、流通様との商談において十分なパフォーマンスが発揮出来ていないことが判明。アンケートの結果、商談時の「間の取り方」に自信が無いという意見が多く、さらに、その中の約7割が、商談の最中に思わず仲間の助け舟を期待してしまうと考えていることが分かりました。」と説明。この事実を「真摯に捉え」そのソリューションとして、営業活動の最中に出来てしまう会話の「間」を埋めるロボットの開発を企画したのだという。「バニラモナカ専用営業ロボ」は今後、実際に同社の営業活動の中で使用されるほか、プレゼントキャンペーンの賞品になるという。
2015年09月02日ご存知かも知れないが、いまやロボットはフィクションの世界をとっくに飛び出している。日本政府も、東京五輪が開催される2020年に向けて、ロボット化社会を世界に向けてアピールしていくと強く打ち出すなど、重要に位置づけている。そしてそんな“ロボット立国”に向けた流れは、教育の世界にも大きく影響し始めているようだ。その象徴の1つと言えるのが、子ども向けのロボット・プログラミング教室「栄光ロボットアカデミー」だ。ここでは一体どのような授業が行われているのかを探るべく、教室の片隅にお邪魔させてもらった。○自分だけのロボットをつくっちゃおう!東京スカイツリーの“麓”にある「栄光ロボットアカデミー 東京スカイツリータウン校」の教室。今回、子どもたちがつくるのは「ホッケーロボット」だという。教室には夏休みに入ったばかりの小学校低学年の生徒が7人、それに先生が2人つくというまさに“少数精鋭”教育のようだ。毎回、授業のはじめにはその日につくるロボットの予想図を描くという。「ホッケー」ができるロボットとは、果たしてどのようなロボットなのか──子どもたちは思い思いのアイデアを絵や言葉で紙に描いていった。ある男の子の紙には、ターミネーターをイメージした強そうなロボットの絵が描かれている。“モーションセンサーをつけたい”と、かなり本格的な発言をする子どももいた。先生は、一人一人の絵を見ながら、子どもたちからの説明に耳を傾けているが、決して“ダメ出し”はしない。むしろどんな奇想天外なアイデアが出てくるのか楽しみにしているようにすら見える。イメージを膨らませたところで、先生がホッケーロボットに必要となる3つの要素を確認する。まず、「テーブル」、「たま」、そしてたまを打ち返す「ホッケーマレット」という道具だ。ロボットつくりには、「WeDoファミリーロボ」という教材が使われる。これは、レゴブロックで組み立てたロボットを、PC上のアイコンの組み合わせによる簡単なプログラムで動かすことができるというユニークな学習教材。普段遊び慣れたレゴブロックなので、初めてであっても、自分が思い描いたロボットを自在に組み立てることができるのだという。○何をやっても自由!ただし、ゴールは明確にだいたいのアイデアが固まったら、いよいよここからは実際に組み立てに入る。まずはホッケーのテーブルの作成だが、これは先生が示した完成図を見ながらみんな楽々とクリア。お互いのテーブルとテーブルをつなげて対戦するのだという。続いてはホッケーマレットの作成だが、どうやらホッケーロボットづくりはここが最大のポイントのようだ。台(ホッケーテーブル)にはモーターが取り付けられており、このモーターは、USBケーブル経由で接続したPCからプログラミングによる制御が可能となっている。先生が、「ここからは自由。モーターには何をつけてもいいので、どんどん自分で考えよう」と生徒たちの背中を押した。何をやっても良し、となると逆に戸惑うもの。子どもたちは、シャフトやギアなどのパーツを組み合わせて試行錯誤している。ある生徒が「ロボットの足でサッカーみたいにたまを蹴りたいんだけど、うまくいかなくて……」と困っていると、“ここをこうするといいんじゃない”と先生がアドバイスする。ここで一旦、他の友だちのロボットの見学タイムとなる。みんながどんなロボットをつくっているのか、お互いのアイデアを興味津々で確認する子どもたちの声で教室は賑やか。なかでもみんなの目を引いていたのが、大きな板のマレットをまわして打ち返すというアイデア。一見強そうなのだが、どうやらマレットがテーブルにひっかかってしまいうまくまわらないようだ。先生は、何ができるロボットをつくればいいのか、3つのチェック項目を示した。ボールをとめることができるかボールをうつことができるかゴールをきめることができるかそして、子どもたちがつくったロボット同士をつなげて対戦を行ってみる。その間にも先生は、このロボットの弱点はどこでしょう? などと問いかけ続けている。マレットの下側が大きく空いてしまっていたり、マレットの幅が狭すぎたり、さまざまな“改善点”が見つかっていった。また構造だけでなく、モーターの挙動も大事な要素だ。アプリケーション上でアイコンを組み合わせるだけでモーターの動作パターンをプログラミングできるようになっているのだが、モーションセンサーにこだわっていたさっきの子どもは、たまにセンサーが反応したら1秒間モーターを動かすという、なかなか高度なプログラミングをしていた。○楽しみながら考え、工夫することが大事友達のロボットを見て、また実際に対戦してみて、どうすれば相手のホッケーロボットよりも強いロボットをつくることができるのかを考えた子どもたちは、自分のロボットの改良にとりかかった。どんな工夫が必要なのか確認しながらブロックを組み替えていく。先ほどのマレットが大きすぎて回転しなかった子どもは、マレットの位置をテーブルから離すことで見事、回転できるようにしていた。こうしてどのロボットも確実にたまを打ち返せるようになったところで、この日の授業はおしまい。ロボットを家に持ち帰り、さらに強くするためのアイデアを練ってくることが次回に向けた宿題だ。宿題とは言っても、こんな楽しい宿題はないはず。先生が強いロボットづくりのヒントを与えると、みんなで仲良く挨拶と片付けだ。そして最後は、外野から様子をうかがっていたお父さんお母さんに、この日の授業の趣旨を先生が説明。「自由につくりながら工夫することが大事」という言葉に誰もが深くうなづいていたのが印象的だった──。教室終了後、2人の先生に話をきいてみた。三枝泰憲先生に、子どもたちに教える際に心がけている点を聞くと、「どうしてうまくいかないのか考え、工夫して、最後には自分でできたんだという喜びを知ってほしいので、答えはなるべく示さずに、子どもたちのアイデアを引き出せるよう心がけています」と答えてくれた。栄光ロボットアカデミーの責任者でもある富田一央先生は、子どもの発想の豊かさに毎回驚かされるという。「私も含めて大人の場合、何か工夫するにしてもどうしても既存の手法にとらわれがちです。だけど子どもたちは、思いもかけないユニークなアイデアを次々とぶつけてくるので、実は私達の方もすごく勉強になるんですよ」自由で力強いアイデアとそれを実現するための論理的思考力、このどちらも楽しみながらのびのびと伸ばせることが栄光ロボットアカデミーの魅力のようだ。この日の授業中に誕生した子どもたちのアイデアのどれかが、未来のロボットに活かされるかもしれない──そんな想像をしてみると、こっちまでなんだか楽しくなってきた。
2015年08月25日KDDIは6日、グローバル・ブレイン運営のコーポレート・ベンチャー・ファンド「KDDI Open Innovation Fund」を通じて、ファミリー向け知能ロボット"Jibo(ジーボ)"を開発する米国拠点の企業「Jibo」に出資したと発表した。出資額は明らかにされていない。Jiboは「顔認識」「写真撮影」「物語の読み聞かせ」「メッセージやスケジュールの読み上げ」「テレビ電話」の5機能がデフォルトで搭載予定のファミリー向け知能ロボット。開発者はSDKを通じてJiboの機能拡張が行える。Jiboはマサチューセッツ工科大学メディアラボで、パーソナルロボット研究グループを率いるシンシア・ブリジール准教授が創業者として開発。サービス用ロボット市場の拡大が見込まれ、ロボットと同名の企業Jiboはロボティクス市場における有望なスタートアップ企業であると判断され、今回の資本提携に至った。KDDIは今回の出資を通じて、Jiboが日本進出の際に、ビジネス開発、マーケティング、ローカライズなどの支援を行っていく予定。また、Jiboを中心としたサービスを提供していく。
2015年08月06日いま、どんどんロボットが人間の仕事を代行する時代になっています。決して他人事ではなく、みなさんのオフィスでも近々、ロボットと一緒に働くことになるかも?今回は、『Daily Mail Online』から、ついに来るかもしれない、未来のロボットスタッフについてお伝えします■管理職たちはロボットの使用に好意的!『Expert Market』は、さまざまな産業の上級管理職200人に、ロボットや機械使用についての意識をたずねる調査を行いました。スポークマンによれば、調査結果では70%が機械と一緒に働くことについて好意的に感じていたようです。そして、半数がロボットを人間の代用とすることに罪悪感がないと答えていることから、多くの管理職たちは従業員を機械に代えることについて、特に抵抗がないようです。■電話応対の50%はロボットができる?『Expert Market』の調査によれば、最近の人工知能の発達を受け、技術が持ちうる脅威について、有力な科学者たちが警告を発するようになったそうです。ほとんどの人が機械で担えると考えている仕事は、管理(59.0%)や電話応対(50.0%)、メール返信とタイピング(50.5%)でした。レポート執筆(38.5%)を代われると考える人も多く、少数ですが重要なミーティング(12.0%)や自分の仕事のほとんどを代われる(15.0%)と回答する人もいました。チーフ・エグゼクティブのような高い地位の高い役職については、ロボットは適さないと考えられてきましたが52%の人はロボットがオフィスマネージャーとして働くことができると考えており、44%はITが可能、28%は財政が適していると考えています。■ロボットは人間と違って病気をしないロボットをスタッフにすることの利点として、63.5%の人が病気になって仕事を休まないことを挙げています。仕事の質が一定であるという点も大きく評価され、次に退職しない(34.5%)、研修せずに仕事ができる(33.5%)という点が挙げられています。少数派の意見としては、自分の判断に口答えしない(22.0%)、昇給やボーナスの心配をしなくていい(19.5%)、自分の仕事を取ろうとしない(11.0%)、ていねいに対応しなくてもよい(8.0%)という点が挙げられています。管理職の人たちにとっては、ロボットは都合のよい部下かもしれませんね。■ただしロボットに人が殺される事件もしかし自動車工場では、暴走したロボットに技術者が殺されるという痛ましい事件が起きてしまいました。その技術者は、ロボットのアームに拾い上げられ、潰されてしまったのです。これは、ヨーロッパで初めての産業ロボットが引き起こした人間の死であり、SF映画で描かれた機械の脅威が示唆されます。映画「A.I.」では、多くの仕事がロボットによって担われており、人間は余暇を楽しむ時間を多く持つことができるようになりましたが、のちにロボットたちは機能不全を起こしていきます。今年から始まったアメリカの人気テレビシリーズ「Humans」では、家事をする召使いのようなアンドロイドが使われていますが、徐々に制御ができなくなっていきます。調査によれば、ほとんどの管理職たちが、ロボットは人間らしい見た目ではなく、機械のようなかたちをしてほしいと答えているのは、無意識にロボットの脅威を感じているからかもしれません。ロボットができる仕事は増えてきましたが、その反面ロボットの脅威も増しているようです。スタッフとしてロボットを使いたいと思う管理職たちも、人間そっくりのロボットを使うことには及び腰。人間の仕事をロボットが代わりにやることが増えても、まだまだ人間が必要とされるシチュエーションは多そうです。(文/和洲太郎)【参考】※Will a robot take your job? Majority of senior managers say they would use a robot to do white collar office work-Daily Mail Online
2015年08月05日NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は7月30日、電力の利用状況から居住者の活動状況を判断できるNTT研究所の技術を応用し、離れて暮らす家族の生活を見守ることができるサービス「おげんきりずむ(仮称)」のフィールドトライアルを、8月より開始すると発表した。同サービスは、一人暮らしの高齢者世帯などの分電盤にセンサーを設置することで、その利用電力の推移から生活リズム(睡眠時間/外出時間/在宅活動時間の3つ)を判断し、その結果を、スマートフォン・アプリで示すもの。リアルタイムの生活リズムだけでなく、過去と比較した変化も知ることができるほか、居住者が長時間活動していない場合は、アプリに「ちょっと心配メッセージ」などが通知される。同社は、博友会金沢西病院(石川県金沢市)と連携してフィールドトライアルを行い、事業化に向けた検証を行う。サービス提供は2016年春開始を予定している。提供予定価格は、初期費用1万円程度(電力センサー、ネットワーク接続装置など)、月額利用料1000円程度(アプリ、モバイルネットワーク)となっている。
2015年07月31日NTTデータ、NTT、ヴイストンの3社は7月28日、人を取り巻くさまざまなセンサーやデバイスあるいは複数のロボットと、ユーザーとの言語および非言語によるやりとりを通じて、人の状態や状況を理解し、働きかけ、新たな行動や気付きを促すことで人の可能性を広げることを可能とするクラウド型マルチデバイスインタラクションサービスの受容性・有効性の検証に関する共同実験を開始する。同実験では、ユーザーとセンサーやロボットとの対話によって得られたデータを分析して状況を判断し、ロボットが状況に適した声がけを行うことで、人の行動や気付きを促進させる一連の流れを検証し、さまざまなサービスへの適用を検討する予定。各社の役割と技術として、NTTデータは、クラウドロボティクス基盤と、コミュニケーションロボットを活用した「高齢者支援サービス」の実証実験でこれまでに得られた知見やノウハウを提供し、クラウド型マルチデバイスインタラクションサービスの受容性・有効性の評価と、新たなトライアルユーザーの獲得および新領域におけるビジネス化の検討を行う。NTTは、NTTサービスエボリューション研究所が開発した完全クラウド対応型デバイス連携制御技術「R-env:連舞」と、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した音声認識・対話制御・音声合成技術および収集対象の音声だけを確実に捉える集音技術を提供し、NTTデータのクラウドロボティクス基盤と接続することによって、ロボットやセンサーなど各種デバイスと連携したクラウド型マルチデバイスインタラクションサービスにおける「人の可能性を広げる」インタラクション技術の実用化および有効性の確認と技術課題の抽出を行う。ヴイストンは、コミュニケーションロボット「Sota」およびその動作ノウハウを提供し、高性能な音声対話機能を搭載したロボットの技術検証や、さまざまな利用形態での有効性の評価と適用領域拡大の検討を行う。具体的な取り組みとして、「高齢者向けサービス」ではサービス付き高齢者住宅や介護施設において、介護者とともにロボットが被介護者とコミュニケーションを行うことで、会話の促進や、血圧計等の健康モニタリングデバイスと連携した情報収集を行う。また、「子ども向けサービス」では、学校や博物館等の公共施設におけるロボットとの日々の会話や、子どもが日常的に持ち歩く腕時計型デバイス等の情報を通じて、保護者の目が届きにくい日常の変化を理解し働きかけることで、学習用途から迷子の防止に至るまで子どもの気持ちをくんだサポートの実現を目指す。
2015年07月28日RT.ワークスは7月14日、高齢者を中心とした屋外での移動を支援する移動型ロボット「ロボットアシストウォーカー RT.1」を同日より正式販売すると発表。併せて、日本品質保証機構(JQA)より、国際規格ISO13482に基づく安全性評価の結果、認証に値するとして、7月8日付で認証書が発行されたことを受け、授与式が執り行われた。今回、ISO13482の認証の対象となったのは、規定される3タイプのロボット(physical assistant robot、mobile servant、person carrier robot)のうち、mobilie servant robot(移動型ロボット)で、認証式にはRT.ワークスの代表取締役社長である河野誠氏が登場。JQA認証精度開発普及室 専務理事の矢野忠行氏より、認証書を授与された。RT.1は、屋外型の移動支援ロボットとしては初めてのISO13482の認証を取得したロボットとなる。ブラシレスモータを2機搭載しており、上り坂でのパワーアシスト、下り坂での自動減速ならびに坂道での自動ブレーキ機能などを実現する。また、前方のカゴは最大10kgまでの荷物を載せられるほか、休憩椅子として用いる場合は最大100kgまでの体重に対応する。さらに、通信モジュールが搭載されているため、GPSとインターネットを活用した家族などが位置を確認できる「みまもり機能」や、どの程度歩いたかを調べる「ヘルスケア機能」、転倒時などの異常事態を検知して関係者に緊急通知を送信する「緊急通知機能」なども利用することが可能だ(別途、通信契約などが必要)。RT.ワークスの河野社長氏は、「我々は、シニア層が自発的に外に出かけることをサポートすることを目的としている。"健康に年を重ねて第2の人生をより豊かにする"という意味と"シニアが再び積極的に社会とつながっていけるようアンコールを贈る"という意味を持たせたコンセプト『アンコールスマートプロジェクト』を今年度の新プロジェクトとして立ち上げ、ロボットとIoT技術の融合により、RT.1をIT版転ばぬ先の杖として確立することを目指す」とした。また、生活不活化病の第一人者であり、RT.1の認証などにも関わった産業技術総合研究所 ロボットイノベーション研究センターの大川弥生氏も登壇。ロボット介護機器の開発について「開発の基本方針としては、その目的と効果を機械としての性能ではなく、人に対する影響として見る必要があり、よく人や物が行う介護を実践するための物的介護手段として位置づける必要がある」とし、人を中心にして考えていく必要性を強調。また、生活不活発病に対して「生活が不活発になる大きな原因の1つは、することが何もない、という点。ここは、歳だから、動いても、といった遠慮の部分があるほか、社会通念として、高齢者は弱者であり、あまり出歩かない方が良いのでは、といったものがある。こうした社会通念から、高齢者の置かれた現状を把握して、それを覆していくことが、生活不活発病の抑止につながり、充実した人生を送ることにつながる」とし、RT.1の存在は、そうした人生の充実させる一助となるとした。なお、RT.1の価格はオープンとしているが、直販価格は機体単体で22万8000円(税別)を予定しているほか、機体に3年間の通信サービスを付与する場合で、24万8000円(同)としている。このほか、3年間の傷害保険や対物保険、修理保証などをオプションで選択することも可能で、オプションをフルに選択した場合、追加費用は3万9000円(同)としている。同社での直販のほか、大手百貨店や介護保険機器販売を手掛ける企業、地域でのネットワークを有するJAなどでの販売も積極的に進めていくとしており、3年間でRT.1ならびに同ロボットのコアである「RT.1エンジン」を用いたシリーズ全体として2万台の販売を目指すとしている。
2015年07月14日