いま、どんどんロボットが人間の仕事を代行する時代になっています。決して他人事ではなく、みなさんのオフィスでも近々、ロボットと一緒に働くことになるかも?今回は、『Daily Mail Online』から、ついに来るかもしれない、未来のロボットスタッフについてお伝えします■管理職たちはロボットの使用に好意的!『Expert Market』は、さまざまな産業の上級管理職200人に、ロボットや機械使用についての意識をたずねる調査を行いました。スポークマンによれば、調査結果では70%が機械と一緒に働くことについて好意的に感じていたようです。そして、半数がロボットを人間の代用とすることに罪悪感がないと答えていることから、多くの管理職たちは従業員を機械に代えることについて、特に抵抗がないようです。■電話応対の50%はロボットができる?『Expert Market』の調査によれば、最近の人工知能の発達を受け、技術が持ちうる脅威について、有力な科学者たちが警告を発するようになったそうです。ほとんどの人が機械で担えると考えている仕事は、管理(59.0%)や電話応対(50.0%)、メール返信とタイピング(50.5%)でした。レポート執筆(38.5%)を代われると考える人も多く、少数ですが重要なミーティング(12.0%)や自分の仕事のほとんどを代われる(15.0%)と回答する人もいました。チーフ・エグゼクティブのような高い地位の高い役職については、ロボットは適さないと考えられてきましたが52%の人はロボットがオフィスマネージャーとして働くことができると考えており、44%はITが可能、28%は財政が適していると考えています。■ロボットは人間と違って病気をしないロボットをスタッフにすることの利点として、63.5%の人が病気になって仕事を休まないことを挙げています。仕事の質が一定であるという点も大きく評価され、次に退職しない(34.5%)、研修せずに仕事ができる(33.5%)という点が挙げられています。少数派の意見としては、自分の判断に口答えしない(22.0%)、昇給やボーナスの心配をしなくていい(19.5%)、自分の仕事を取ろうとしない(11.0%)、ていねいに対応しなくてもよい(8.0%)という点が挙げられています。管理職の人たちにとっては、ロボットは都合のよい部下かもしれませんね。■ただしロボットに人が殺される事件もしかし自動車工場では、暴走したロボットに技術者が殺されるという痛ましい事件が起きてしまいました。その技術者は、ロボットのアームに拾い上げられ、潰されてしまったのです。これは、ヨーロッパで初めての産業ロボットが引き起こした人間の死であり、SF映画で描かれた機械の脅威が示唆されます。映画「A.I.」では、多くの仕事がロボットによって担われており、人間は余暇を楽しむ時間を多く持つことができるようになりましたが、のちにロボットたちは機能不全を起こしていきます。今年から始まったアメリカの人気テレビシリーズ「Humans」では、家事をする召使いのようなアンドロイドが使われていますが、徐々に制御ができなくなっていきます。調査によれば、ほとんどの管理職たちが、ロボットは人間らしい見た目ではなく、機械のようなかたちをしてほしいと答えているのは、無意識にロボットの脅威を感じているからかもしれません。ロボットができる仕事は増えてきましたが、その反面ロボットの脅威も増しているようです。スタッフとしてロボットを使いたいと思う管理職たちも、人間そっくりのロボットを使うことには及び腰。人間の仕事をロボットが代わりにやることが増えても、まだまだ人間が必要とされるシチュエーションは多そうです。(文/和洲太郎)【参考】※Will a robot take your job? Majority of senior managers say they would use a robot to do white collar office work-Daily Mail Online
2015年08月05日NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は7月30日、電力の利用状況から居住者の活動状況を判断できるNTT研究所の技術を応用し、離れて暮らす家族の生活を見守ることができるサービス「おげんきりずむ(仮称)」のフィールドトライアルを、8月より開始すると発表した。同サービスは、一人暮らしの高齢者世帯などの分電盤にセンサーを設置することで、その利用電力の推移から生活リズム(睡眠時間/外出時間/在宅活動時間の3つ)を判断し、その結果を、スマートフォン・アプリで示すもの。リアルタイムの生活リズムだけでなく、過去と比較した変化も知ることができるほか、居住者が長時間活動していない場合は、アプリに「ちょっと心配メッセージ」などが通知される。同社は、博友会金沢西病院(石川県金沢市)と連携してフィールドトライアルを行い、事業化に向けた検証を行う。サービス提供は2016年春開始を予定している。提供予定価格は、初期費用1万円程度(電力センサー、ネットワーク接続装置など)、月額利用料1000円程度(アプリ、モバイルネットワーク)となっている。
2015年07月31日NTTデータ、NTT、ヴイストンの3社は7月28日、人を取り巻くさまざまなセンサーやデバイスあるいは複数のロボットと、ユーザーとの言語および非言語によるやりとりを通じて、人の状態や状況を理解し、働きかけ、新たな行動や気付きを促すことで人の可能性を広げることを可能とするクラウド型マルチデバイスインタラクションサービスの受容性・有効性の検証に関する共同実験を開始する。同実験では、ユーザーとセンサーやロボットとの対話によって得られたデータを分析して状況を判断し、ロボットが状況に適した声がけを行うことで、人の行動や気付きを促進させる一連の流れを検証し、さまざまなサービスへの適用を検討する予定。各社の役割と技術として、NTTデータは、クラウドロボティクス基盤と、コミュニケーションロボットを活用した「高齢者支援サービス」の実証実験でこれまでに得られた知見やノウハウを提供し、クラウド型マルチデバイスインタラクションサービスの受容性・有効性の評価と、新たなトライアルユーザーの獲得および新領域におけるビジネス化の検討を行う。NTTは、NTTサービスエボリューション研究所が開発した完全クラウド対応型デバイス連携制御技術「R-env:連舞」と、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した音声認識・対話制御・音声合成技術および収集対象の音声だけを確実に捉える集音技術を提供し、NTTデータのクラウドロボティクス基盤と接続することによって、ロボットやセンサーなど各種デバイスと連携したクラウド型マルチデバイスインタラクションサービスにおける「人の可能性を広げる」インタラクション技術の実用化および有効性の確認と技術課題の抽出を行う。ヴイストンは、コミュニケーションロボット「Sota」およびその動作ノウハウを提供し、高性能な音声対話機能を搭載したロボットの技術検証や、さまざまな利用形態での有効性の評価と適用領域拡大の検討を行う。具体的な取り組みとして、「高齢者向けサービス」ではサービス付き高齢者住宅や介護施設において、介護者とともにロボットが被介護者とコミュニケーションを行うことで、会話の促進や、血圧計等の健康モニタリングデバイスと連携した情報収集を行う。また、「子ども向けサービス」では、学校や博物館等の公共施設におけるロボットとの日々の会話や、子どもが日常的に持ち歩く腕時計型デバイス等の情報を通じて、保護者の目が届きにくい日常の変化を理解し働きかけることで、学習用途から迷子の防止に至るまで子どもの気持ちをくんだサポートの実現を目指す。
2015年07月28日RT.ワークスは7月14日、高齢者を中心とした屋外での移動を支援する移動型ロボット「ロボットアシストウォーカー RT.1」を同日より正式販売すると発表。併せて、日本品質保証機構(JQA)より、国際規格ISO13482に基づく安全性評価の結果、認証に値するとして、7月8日付で認証書が発行されたことを受け、授与式が執り行われた。今回、ISO13482の認証の対象となったのは、規定される3タイプのロボット(physical assistant robot、mobile servant、person carrier robot)のうち、mobilie servant robot(移動型ロボット)で、認証式にはRT.ワークスの代表取締役社長である河野誠氏が登場。JQA認証精度開発普及室 専務理事の矢野忠行氏より、認証書を授与された。RT.1は、屋外型の移動支援ロボットとしては初めてのISO13482の認証を取得したロボットとなる。ブラシレスモータを2機搭載しており、上り坂でのパワーアシスト、下り坂での自動減速ならびに坂道での自動ブレーキ機能などを実現する。また、前方のカゴは最大10kgまでの荷物を載せられるほか、休憩椅子として用いる場合は最大100kgまでの体重に対応する。さらに、通信モジュールが搭載されているため、GPSとインターネットを活用した家族などが位置を確認できる「みまもり機能」や、どの程度歩いたかを調べる「ヘルスケア機能」、転倒時などの異常事態を検知して関係者に緊急通知を送信する「緊急通知機能」なども利用することが可能だ(別途、通信契約などが必要)。RT.ワークスの河野社長氏は、「我々は、シニア層が自発的に外に出かけることをサポートすることを目的としている。"健康に年を重ねて第2の人生をより豊かにする"という意味と"シニアが再び積極的に社会とつながっていけるようアンコールを贈る"という意味を持たせたコンセプト『アンコールスマートプロジェクト』を今年度の新プロジェクトとして立ち上げ、ロボットとIoT技術の融合により、RT.1をIT版転ばぬ先の杖として確立することを目指す」とした。また、生活不活化病の第一人者であり、RT.1の認証などにも関わった産業技術総合研究所 ロボットイノベーション研究センターの大川弥生氏も登壇。ロボット介護機器の開発について「開発の基本方針としては、その目的と効果を機械としての性能ではなく、人に対する影響として見る必要があり、よく人や物が行う介護を実践するための物的介護手段として位置づける必要がある」とし、人を中心にして考えていく必要性を強調。また、生活不活発病に対して「生活が不活発になる大きな原因の1つは、することが何もない、という点。ここは、歳だから、動いても、といった遠慮の部分があるほか、社会通念として、高齢者は弱者であり、あまり出歩かない方が良いのでは、といったものがある。こうした社会通念から、高齢者の置かれた現状を把握して、それを覆していくことが、生活不活発病の抑止につながり、充実した人生を送ることにつながる」とし、RT.1の存在は、そうした人生の充実させる一助となるとした。なお、RT.1の価格はオープンとしているが、直販価格は機体単体で22万8000円(税別)を予定しているほか、機体に3年間の通信サービスを付与する場合で、24万8000円(同)としている。このほか、3年間の傷害保険や対物保険、修理保証などをオプションで選択することも可能で、オプションをフルに選択した場合、追加費用は3万9000円(同)としている。同社での直販のほか、大手百貨店や介護保険機器販売を手掛ける企業、地域でのネットワークを有するJAなどでの販売も積極的に進めていくとしており、3年間でRT.1ならびに同ロボットのコアである「RT.1エンジン」を用いたシリーズ全体として2万台の販売を目指すとしている。
2015年07月14日オリックスとドーワテクノスは7月7月、安川電機の製品を中心とした産業用ロボットなどのFAシステムの販売ならびに導入支援について業務提携したと発表した。今回の提携は、産業用ロボットの導入を検討している製造メーカーに、診断から販売・施工・保守までのトータルサービスを提供することを目的としたもの。オリックスでは、自社の営業ネットワークを生かし、製造工場の自動化や省力化ニーズのあるカスタマに、ドーワテクノスとともに無料で診断を実施し、最適な製造ラインの構築と導入支援策を提案していくとする。また、ロボット設備の販売だけにとどまらず、製造ラインの設計・施工、保守・メンテナンスから、リースといった金融機能の提供、行政への各種補助金などの申請業務まで含めた形での支援を行っていくとしている。なお両社はまず、産業用ロボット大手の安川電機の本社があり北九州市を中心に九州地区でのサービス提供を開始し、将来的には全国展開を図っていきたいとしている。
2015年07月10日日本空港ビルデングとCYBERDYNE(サイバーダイン)は7月2日、羽田空港旅客ターミナルビルへの次世代型ロボット導入等における業務提携に関する基本合意書を締結したことを発表した。日本空港ビルデングは首都圏空港を中心とした航空需要は増加を続ける中で、少子高齢化や労働人口の減少といった課題に対し、旅客ターミナルビルにおける最先端テクノロジーの導入を検討してきた。その中で、サイバニクス技術(※)を用いたロボットスーツ「HAL(ハル)」を開発しているサイバーダインとの締結にいたったという。サイバーダインは2004年に筑波大学発ベンチャーとして設立以来、近年はこれらの技術を用いた作業支援ロボット等についても実用化・製品化をしている。同基本合意書は、日本の玄関口である羽田空港から日本の技術を発信していくこと、また、空港利用者に対する安全・安心・便利を前提とした良質なサービスを提供すること、および、空港従業員がより健康的に働きやすい環境を創出することを目的として締結された。両社は同基本合意書の締結を皮切りに、羽田空港全体として各関係者と連携しながら「世界に先駆けた空港におけるロボット技術活用の未来像」を創出し、より魅力ある羽田空港の発展に貢献していくという。同基本合意書の内容は、サイバーダインが開発製造したロボットスーツHAL作業支援用(腰タイプ)・クリーンロボット・搬送ロボット等を、日本空港ビルデングが管理・運営する羽田空港旅客ターミナルビルへ導入すること、また、日本空港ビルデングによる空港での販売促進および保守サービスで展開することとしている。さらに、日本空港ビルデングの持つ空港事業における知見や実績と、サイバーダインの持つサイバニクス技術を活かした次世代型ロボット化空港モデルの創出を目指すとしている。※サイバニクスとは、サイバネティクス・メカトロニクス・情報技術を中核として、IT技術、ロボット工学脳・神経科学、生理学、行動科学、心理学、法学、倫理学、感性学を融合複合した新しい学術領域で、筑波大学大学院の山海嘉之教授が創設したもの。それを応用した各種技術がサイバニックス技術と呼ばれている
2015年07月03日3年後にはロボットが接客を行うことが当たり前の世界になっている――。このように語るのは、リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 クライアントソリューションユニット リアルマーケティング開発1グループでAirウェイトプロデューサーを務める渡瀬 丈弘氏だ。先週、感情を持つロボット「Pepper」の一般販売が開始され、わずか1分で当初販売予定数の1000台を売り切った。Pepperは、家庭で利用できるロボット、コミュニケーションを取れる家族のような存在として開発されているが、その一方で企業の導入も進んでいる。ネスレ日本がすでに1000台の導入を決めており、みずほ銀行でも採用が決定している。さらには、特定業界別にアプリケーションやサポート体制を構築している「Pepper for Biz」を秋より提供するほか、7月1日からはアルバイト派遣も始まる。前述の渡瀬氏が所属するリクルートライフスタイルでも、早くからPepperに着目。2月に一般販売に先駆けて行われた開発者向け販売時に数台を購入し、さまざまな検証を続けてきた。渡瀬氏は「Airウェイト」という待ち時間解消サービスのプロダクト開発を務めている人物で、Pepperが登場する前からさまざまな業種・業態向けにサービス展開を行ってきた。「プロダクトをリリースする前から『俺のフレンチ』さんなどと共同で実証実験を行い、15店舗、延べ1万人のお客様に『Airウェイト』を利用していただきました。もともとホットペッパーのチームで、飲食店などの業務改善としてAirウェイトの提供を始めましたが、その後は病院やホテルなど、ほかの業態でも採用が進んでいます」(渡瀬氏)Airウェイトは待ち時間解消サービスとして、飲食店の行列解消を目的に開発された。中には「並ぶのも楽しみの一つ」と思う人もいるかもしれないが、客が待ち時間を有効に使えるように、整理券の発券やQRコード読み込みによるメール通知など、その場にいなくても入店の順番待ちが可能になっている。もちろん、客の満足度向上だけがこのプロダクトの狙いではない。"行列待ち"は、人気店の証である一方で、さまざまな弊害を生む。夏場には熱中症対策で水を配る必要があったり、行列で公共の歩道を専有することで、近隣店舗からの苦情などにつながったりするケースもある。こうした問題の対策としてもAirウェイトは有効な解決策と言える。また、店頭対応だけでなく、Web予約のバックエンドソリューションとしても提供しており、ビックカメラの予約受付なども同プロダクトを活用しているそうだ。「ほかに導入が進んでいるところは病院です。個人経営のお医者様に導入していただいているのですが、例えば病院では待合室で待っている間に、ほかの患者さんから病気がうつるリスクがあります。そうした課題への対処策として、Airウェイトを利用していただいているようです」(渡瀬氏)○リアル脱出ゲームの受付を行うPepperリクルートライフスタイルでは、PepperとAirウェイトをどのように活用しているのか、まずは、実証実験の様子を動画でご覧いただきたい。上の画像のように、これまでWeb UIでやりとりしてきた内容を、すべてPepperとの会話で完結させている。最後の整理券の発券こそ、レシートプリンタの接続インタフェースであるBluetoothをPepperが搭載していないため、iPad経由の接続となっているが、概ねの操作はPepperで行えている。Pepperを活用した理由について、渡瀬氏は「会話で終われるところがポイント」と話す。Pepperは目新しいデバイスとして、"客寄せパンダ"的な立ち位置に注目が集まるが、渡瀬氏はそちらよりも会話に注目しているという。「確かに目が行きがちな、アイキャッチ的な要素もありますが、それは動機付けであり、それ以上の広がりが見えるのがPepperなんです。iPadだけだと、アプリUIで機械的な操作に終始してしまいますが、Pepperは会話、コミュニケーションという場から世界が広がるんです。そのコミュニケーションを見ることで、他の人も立ち止まり、さらに活気付いていくという動線で考えています」(渡瀬氏)また、渡瀬氏によると「ビッグデータ」にも活路を見出している。これは、Pepperの開発元であるソフトバンクロボティクスの吉田氏も語っていたことだが、これまで定量的に測ることが難しかった待ち時間のデータを店舗ごとに蓄積できるため、待ち時間が長期化してしまっている店舗と早い店舗の差を見出しやすくなる。これはPepperに限らずAirウェイトというプロダクト自体のメリットになるが、Pepper自体でも今回の実証実験を通して、新たに改善につなげていくポイントがある。「Pepperにはソフトバンクさんが用意した辞書やAI技術がありますが、私達はAirウェイトアプリの中に、独自の辞書と応対するプログラムを組み込んでいます。今回は初めての実証実験なので、私たちが頭で考えた単語しか使えていません。そのために単語の量が圧倒的に足りない。だから、今回のコミュニケーションを生かして、次につなげていきたいと思っています」(渡瀬氏)「こうした実績を積み重ねることでほかのプレイヤーに先んじてロボットによる接客対応の知見を蓄積したい」と渡瀬氏。その先には、冒頭のコメント「3年後にはロボットが接客を行うことが当たり前の世界になっている」という時代を見据えているわけだ。もちろん、ロボットの普及にはプログラミングのしやすさなどが課題となっているが、アプリ制作を担当したニアの代表取締役 丸山 弘氏に話を伺ったところ、「Pythonを昔から使っている人間にとってはやりやすい。GUIによる実装もできるため、そう複雑にはならない」としていた。Pepperに対応したAirウェイトをどのように広げるかについて、言及を避けたものの、こうした実証実験は「(今回のリアル脱出ゲームなどの)アミューズメント施設などの同業他社さんからの引き合いは多い」としていた。実証実験を超えての実導入には、Pepper自体の導入コストなども問題となる。現時点で「Pepperアプリのストアに公開するか、Pepperを当社から貸し出すかなど、詳細は何も決まっていない」(広報部)という。今回の取材で1時間ほどPepperを見ていたが、渡瀬氏が話すようなコミュニケーションによる接客喚起はまだまだ道半ばという印象を受けた。もちろん、Pepperという目新しさが、中国人観光客などに好評で、「Hello!」「ニーハオ!」と、多く声をかけてもらってた。ただ、本来の目的は「いかにして店舗に注目を集め、なおかつ接客業務をスムーズにこなせるか」だ。Pepperの開発者向けモデルということもあり、CPUが一般販売モデルよりも劣るほか、システムバージョンも古いもの。そのため、致し方ない部分もある。今後、今回のナレッジを生かして語彙、辞書の拡充を図り、法人のPepper導入企業が増えてきた段階でAirウェイトアプリを提供し、更さらなるスパイラルアップが果たせるように軌道に乗せることができれば、「3年後のロボット普及」時に、先んじて接客アプリの第一人者として君臨できる可能性はあるだろう。
2015年06月29日フラワーロボティクスは6月23日、2014年9月にコンセプトを発表して以来、開発を続けていた家庭用ロボット「Patin」のプロトタイプを発表した。Patinは、AIを搭載した家庭用ロボットプラットフォームとして開発されたもので、利用者の嗜好や、生活習慣から取得したデータを蓄積していく事で成長させていくことをコンセプトとしている。同ロボットは「本体」「ピット」「クラウド」と、上部に取り付ける「サービスユニット」という構成になっている。本体には自律移動や、人・障害物の発見に利用する各種センサとスピーカー、全方位回転を実現するオムニホイールが搭載されている。本体とWi-Fiで接続して、クラウドと通信させる機能を有しており、クラウドは各Patinが集約した行動情報などを蓄積するとともに、Patinの機能更新のための情報発信などを行う。「サービスユニット」は同ロボット最大の特徴で、これを取り替えることによって既存の製品を「ロボット化」することができる。例えば、Patinの上にランプを取り付ける事で、自律移動をするロボットランプとなる。Patinに「明かりをやさしくして」などと話しかける事で光を調整し、それを日々繰り返す事でユーザー好みの光の具合をPatinが覚えていくというわけだ。サービスユニットの開発はサードパーティが行う。ソフト・ハード・量産化などの面で検証が必要な段階であるため、SDKの提供はフラワーロボティクスとの協業契約後に行うが、将来的にはプラットフォームをオープン化することも視野に入れている。また、ソフトウェアプラットフォームとしてPatin SDKが搭載されており、開発者がPatinのサービスユニットのソフト部分を開発することができる。Patin SDKはJavaでの簡易的なAPI、Eclipseプラグインを用いた開発ツールおよび、オープンソースシミュレーターが含まれていて、ROS(Robot Operating System)の知識がさほどない開発者も開発に参加できる。今後は、量産設計専門会社と提携して量産化に向けた取り組みを進めていき、2016年下半期の販売を開始する計画となっている。
2015年06月23日●ユーザー自身が組み立てるロボット「PLEN. D」というロボットをご存知だろうか? 「Plen. D」は大阪市に拠点を置くプレンプロジェクトが開発したロボットで、DMM.com(DMM)のロボットキャリア事業を通じて今年の春から販売が開始されている。同ロボットは運動性能に優れていることが特徴で、iPhoneアプリから簡単操作で歩行だけでなく、サッカーやローラースケートをさせることができる。しかし、「PLEN. D」にはもう1つ大きな特徴がある。それは「自分で組み立てる」こと。DMMでは「PLEN. D」のほかに、富士ソフトの「Palmi」、ユカイ光学「BOCCO」、ロボットゆうえんちの「プリメイド AI」、「Robi 組み立て代行バージョン」を取り扱っているが、ユーザー自身が組み立てるのは「PLEN. D」だけ。「これはぜひ組み立ててみたい!」と思い、DMMに打診してみたところ、ありがたいことに1体お借りすることができたので、本稿では「PLEN. D」を組み立てる模様をご紹介する。ちなみに、「組み立ててみたい!」と思ったものの、筆者にロボットを組み立てた経験はない。もっと言えば、子供の頃からプラモデルもロクに作ったことが無く、大人になってからも家具やテレビの組み立てを嫁に任せる始末だ。DMMは「大体2時間くらいでできますよ。」と言っていたが果たして…○「PLEN. D」が到着!DMMに打診してからおよそ2週間後に届いたのがこちら。この箱に写っているのが今回組み立てる「PLEN. D」だ。キットにはロボットの部品のほか、「PLEN. D」に持たせたりすることができる組み立てサイコロ、おもちゃのボール、ドライバー、説明書などが入ったUSBが付随してくる。各部品には番号が振られていて、説明書を見ながら各工程に必要な部品をピックアップしながら組み立てていくことになる。●組み立てスタート!○部品の向きに注意!まずは右足から組み立てていく。「PLEN. D」には人間と同じように足首、膝、股関節があって、それを下から順番に組み上げていくことになる。ここで注意しなくてはならないのが、部品の向き。部品の中には左右共通のものもあるので、その向きを間違えると「PLEN. D」の関節があらぬ方に曲がってしまい、組み直さなければならなくなる。ちなみに筆者は初っ端の足裏プレートの向きを間違えたことに気づかず、一度右足ユニットを組み上げて、写真と見比べて「膝の向き」が逆になっていることを発見し、直すのに10分くらいかかってしまった。○組み立てにも徐々に慣れていく手戻りもあって、右足ユニットは組み上げるのには若干苦労したが、だんだん慣れてきたのか左足ユニットは迷いなく組み立てることができた。足の次は腕。腕は足に比べパーツが少ないため非常に簡単だった。足・腕と揃えたら胴体の組み立てに入る。胴体も部品は2つと少なく、すぐに完了。その後、手を取り付ける。足も取り付けて早く立たせてあげたいところだが、その前に「PLEN. D」の心臓部となるマイコンボードを取り付ける。マイコンボードの取り付けは、配線を圧迫しないようにスペーサーを挟んでビス止めをしていく。説明書には「スペーサーを入れるときはピンセットを使うと便利です」と書いてあるのだが、キットにはドライバーしか附属していないので、事前にピンセットを用意しておくことをおすすめする。筆者が不器用であることに加え、ピンセットを持っていなかったため、この作業にはなかなか苦労した。●完成まであと少し!○ケーブルの向きも要注意マイコンボードの取り付けが終わったら、足を取り付ける。ここでようやく「Plen. D」を立たせることができる。あれだけバラバラだったパーツから自分で組み立ててきたのかと思うと、なかなか感慨深かった。「Plen. D」の四肢が無事胴体につながったところで、マイコンボードの配線に移る。説明書で指示される通りにマイコンボードのピンにコネクタを差し込んでいくわけだが、ここでも向きに注意が必要だ。各ケーブルの信号線を内側にして接続しないと、モーターを制御することができなくなってしまう。筆者はここでも間違いを犯し、後で電源を入れたら「Plen. D」の右足首が痙攣したような動きになってしまい、配線をやり直すことになった。配線が完了したら、あとは仕上げだ。肘、腕などのプラスチックカバーを取り付けていく。ここまで来るとさすがにドライバーとビスの扱いにも慣れたので問題なく作業を進める。最後にバッテリーパックを付けて、腹のカバーを装着させれば完成だ。○所々の「粗さ」も「自分が作った感」に組み立ててみて思ったのは、やはり「組み立てることは楽しい」ということだ。説明書が丁寧に作られているため迷うことも少なく、慣れてきたらどんどん熱中して時間を忘れてしまったほどだ。完成後に改めて眺めると、初心者が作っただけあって、ケーブルのたわみが不均一であるなど「粗さ」があるのだが、そういった点も「自分が作った感」を強める要素だ。筆者がとても不器用で、撮影しながらの作業であったこともあり、完成までにかかった時間は約3時間。DMMが言っていた2時間を大幅にオーバーしてしまったが、ロボット初心者でも楽しみながら組み立てることができた。もちろん、組み立てて終わりというわけではなく、作ったからには「Plen. D」で遊ばなければ意味が無い。冒頭で述べたように、「Plen. D」はさまざまな動きをさせることが可能なので「何をさせてみようか」とワクワクしている。今後、「Plen. D」の操作方法や遊び方について順次紹介していく予定だ。
2015年06月19日●苦労の連続だった「人間とロボットの対決」産業用ロボットの製造を行う企業「安川電機」の100周年記念プロジェクト「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」のムービーが国内外で話題となっている。動画のストーリーは、5つの世界記録を保持する居合い切りの達人で、"平成の侍"の異名を持つ居合術家・町井勲氏の剣技を3D解析し、そこから作ったプログラムにより動作する同社の産業用ロボット「MOTOMAN」と対決するというものだ。この動画の制作を手がけたのは、愛らしいチワワと「どうする?アイフル!」のフレーズで一斉を風靡したあのCMを仕掛けた、電通の阿部光史氏。今回は、阿部氏と映像制作を指揮したエンジンフィルムの蜷川裕一氏に、企画が生まれた経緯や制作時の詳細なお話を伺った。阿部光史クリエイティブ・ディレクター電通第4CRプランニング局 デジタル・クリエーティブ・センター デジタルクリエーティブ4部。兵庫県神戸市生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒。 電通関西支社、ビーコンコミュニケーションズを経て電通第4CRP局勤務。「どうする?アイフル!」のくぅーちゃんシリーズでアイフルを業界4位からトップに。2004年度CM好感度ランキング1位・ACC賞・TCC賞・広告電通賞・NYフェスティバル・ワンショーなど。 東京コピーライターズクラブ会員。社内ギークラボ主催。趣味はアート収集と水泳と電子工作。 Youtubeにアップした自作MIDIオンド・マルトノ映像がなぜかチリで大人気。蜷川裕一プロデューサー株式会社エンジンフィルム。1978年神奈川県生まれ。2001年エンジンフイルム入社プロダクションマネージャーを経て現在に至る。――まず最初に、このプロジェクトのどの段階から参加されたのか教えてください。阿部氏:一番最初の段階から参加しています。2年くらい前になるのですが、安川電機に向けて「産業用ロボットを使ったPR映像を作りませんか」という提案をしたのが始まりです。その中で、同社が2年後に100周年を迎えるとうかがいまして、では、それに向けて作ってみませんかということになったんです。MOTOMANのスピードの速さや正確性、また人間のようなしなやかな動きといった、ロボットが持っている特長をいかにプレゼンテーションをするかということを軸に、企画を3案作りました。その中のひとつが「居合い切り」で、同社の方に選んでいただいたことでこのテーマに決まりました。――ちなみに他の2案は?阿部氏: ひとつは楽器を弾くというもので、もうひとつは野球をするというものでした。――数ある安川電機のロボットの中で、このプロジェクトに使うロボットを選んだ時の選定理由は何だったのでしょうか?阿部氏: 100周年の節目の年を飾るムービーということで、僕も安川電機のみなさんも、最初の企画提案の段階から、主力製品のひとつであるMOTOMANを中心に据えていました。MOTOMANにも色々なサイズがあるのですが、居合いに一番最適なサイズということで、MOTOMANの中でもMH24が選ばれています。――ロボットの調整には苦労されたということですが、リリースに記載されていないことで印象的なエピソードなどありましたら教えていただきたく思います。蜷川氏:テスト段階ではなかなか「切る」こと自体が成功しなかったので、そこを繰り返し繰り返し試行錯誤して進めました。一回失敗するごとに、プログラミングへ変更を加えていただいたことが印象に残っています。また、刀はわずかにゆがむだけで切れ味が変わったりする微妙なものだったので、そこが大変でした。ロボットはやはり人間を超える力をもっているので、対象物が切れなくても、そのままアームを押し進めようとしてしまうんです。人間であれば、腕の力の方が弱いので先に手から刀が離れると思うんですけれども、ロボットの場合はボルトで強く刀を固定していますし、そのまま力を加えてしまうので、固定した部分が曲がってしまうということがありました。曲がると刀鍛冶の方にお願いして修理するのですが、長いと1週間くらいかかって……。直しては取り付け、また曲がって……という繰り返しでした。阿部氏: :1カ月近く「切れない」という連絡が続く状況で、かなり精神的につらい撮影ではありました。MOTOMANが物を切れないことには、撮影が進められないので……。――できあがった映像を見る限り、人間(町井氏)とロボット(MOTOMAN)が拮抗しているようにも見えるのですが、そこにたどりつくまでが苦労の連続だったのですね。蜷川氏:映像だけ見ると、MOTOMANがスパスパと物を切っているので、ロボットだから簡単にこなしているのだろうと思っている方もいらっしゃるかもしれないですね。●ロボットの居合い切りに隠れた"師匠の教え"――MOTOMANの調整にはとても苦労されたとのことですが、映像では非常に鮮やかな剣技を披露しています。成功のきっかけは何だったのでしょうか?阿部氏: :現場に町井さんが入ったことですね。最終的な微調整に町井さんが入っていただいてから、MOTOMANの剣技が成功する確率が上がっていきました。――MOTOMANの動きは町井さんの動きを解析したデータによるものですが、ご本人の目視と調整がさらに重要だったということですか?阿部氏: :そうです。現場でも、(MOTOMANの刀の)入射の角度は、町井さんが気にして何度も調整してくださいました。――映像のストーリーとしては「人間とロボットの力比べ」と言った風に見えますが、実際には町井さんもMOTOMANの成功のために尽力されていたんですね。阿部氏: 本当に切れなくて困っていたので、町井さんには助けていただきました。また、チームの中でも、完全に対等な対決というよりは、師弟対決といった意識が強かったように思います。あまり強くそうした演出は入れていませんが、角度の調整など町井さんがロボットに「教えている」場面も入っていますし、MOTOMANの剣技に、町井さんが「おまえ、なかなか頑張っているな」というような視線を送る場面もあります。――「師弟対決」という表現はとても素敵ですね。映像の中で、「四方切り」に始まり、「袈裟斬り」「切り上げ」と町井氏の剣技をロボットがなぞっていく様子は圧巻ですが、クライマックス直前の「水平斬り」のみ、ロボットの方が斬るオレンジの数が多くされているなど、高度な技にチャレンジし人間(町井さん)を圧倒しているように見えました。このような構成にした理由は?阿部氏: ざっくばらんに言うと、「弟子がなかなかやる感じになってきた」というストーリーです。人間から学び、技が高まったことが分かるような見せ方にしています。そうは言っても、さやえんどうを水平に切る時も、町井さんが教えたことで切れるようになったという映像構成になっています。――ここからは、映像の見せ方についてお伺いします。色合いの彩度はかなり抑えめで、テロップやロゴなども含め、白・黒・ポイントに赤といった、かなり選ばれた色しか使われていないように見えます。こうした画面作りのねらいや工夫などを教えてください。阿部氏: 居合いというテーマを考えたとき、ロボットと町井さんの関係をクールな映像で見せるためです。文字はデザイナーの方で和にプラスしてロボットをイメージしたカラーリングだったりですとか、文字の出し方を何度かトライして、進めていきました。アートディレクターも入っていたので、映像のイメージは監督に僕ら代理店サイドから提示したのですが、強い光がロボットに当たって時折ギラリと光るような印象のものを提案しました。また、刀は暗いところで光るほうが非常にシャープに見えるんです。全体的にシャープに見せつつ、ロボットの存在感を演出しました。――字幕の情報量が多く、日本語と英語が併記されているのが印象的です。海外メディアや著名人にも注目されているこのムービーですが、やはり海外で見られることを強く想定して映像づくりをされていったのでしょうか?阿部氏: デザインサイドのことで言いますと、日本語のアニメーションを重点的に作っています。英語に関しては、世界の人がYouTubeに見るという前提で、字幕としてあとから入れました。そのため、英語字幕がないものが完成品と言えるんですけれども、誰が見ても分かるようにつけました。かつ、小さい画面でも見やすいようにボールドのフォントで入れています。また、デザイン面以外のところで、安川電機はBtoBでは大きな市場規模を占めていて、世界を相手にしている企業ですが、事業領域として一般の方(BtoC)にはあまり接点がありません。そんな同社のPR映像が世界に広がって、「日本のこの映像がすごい」と話題になることを狙うとして、日本をイメージさせる要素が必要だと考えました。日本というと、産業用のロボットからガンダムなども含め「ロボット」の印象が強いですし、また「侍」は海外の方にとって日本を強く想起させるキーワードです。そこでふたつを組み合わせて、「安川電機のロボットも日本の文化もすごい」ということが伝わるように企画を考えました。――YASKAWA BUSHIDO PROJECTのロゴや千本切りの際のピクトグラムアイコンのようなビジュアル面のデザインも新規に起こしたのでしょうか?阿部氏: はい、そうです。監督のディレクションのもと、日本語のアニメーションを担当したデザイナーの方が手がけました。――メイキングの画像の中で、カメラマンの方が安全のために甲冑を着用されていましたが、「武士道」プロジェクトにおいて西洋甲冑を着用した理由は?阿部氏: 基本的には人があまり近くに行くと危ないので、大半がそうしない形で撮影されています。しかし、寄って人の手で撮らないといけない場面もあったので、甲冑を着たカメラマンが対応する場面はあったというのが前提です。確かに居合い切りから連想されるのは日本の鎧なんですが、脇の下など、多くの部位に隙間があるんですよね。比較した場合、甲冑の方が体が守られるというのが一点。それに加えて、本番の映像に映るわけではないにしろ、全体の流れの中で面白く見えるのではないのではないかという監督のアイデアで採用されました。――各方面のクリエイターが総動員されて作られたこの映像ですが、ここで得られたMOTOMANのプログラミングや動きは今後別の場面で活用されるご予定はありますか?阿部氏: 実は今回、MOTOMANの使い方としてはかなりイレギュラーなことをしています。町井さんの動きを再現するため、所定の電圧よりも出力を上げているんです。そのまま使っていると負担が大きくなるくらい、通常の使用を超えたことをやらせていて、安全圏内での作業とは異なるので、そのまま実際の業務内で使えるということではないでしょう。ですので、居合いの動きがそのまま業務的に生かされるということはないかと思いますが、この動画は国内外で広く見ていただけていて、「安川電機のロボットは非常に正確に動く」というイメージが世界に広がったことには手応えを感じています。そういったブランディングの面で、BtoBの場面でも話題に上ればと思っています。ムービーについてはこれからどこまで伸びるかという段階ですが、安川電機のみなさまにも喜んでいただけています。――ここは特に見てほしい、というような要素が他にあればぜひ教えてください。阿部氏: 映像に関してはこれまでお話した通りなのですが、サウンドデザインにも注目していただけると嬉しいです。かなり豊かな作りをしているので。YouTubeで公開しているためパソコンなどで再生することが多いと思うのですが、ぜひヘッドホンで聴いていただきたいな、と。そうすると、いわゆるPCのスピーカーからは聞こえない音楽や環境音がわかって、映像の印象がより強く見えるのではないかと思います。――最後に、人の心に残る映像・CMを作り続けている阿部さんから、広告のクリエイティブを目指す人にメッセージをいただけますでしょうか。阿部氏: 大切なのは「新しいもの」を作ることです。今までに見たことがないものは、かなり高い確率で人の目を集めます。やはり見たことのない映像は強い力を持つので、皆さんそれを生み出すべく、広告業界を目指しているのではないかと思います。同時にそれは「誰ひとりとして作り方が分からない映像」であるということも意味しています。ですから、頭の中にあるイメージを実現化する時、非常に苦労するんです。絶対にひどい目に遭います(笑) 何しろ前例がないので。今回も、ものすごく難しい関門をくぐり抜ける必要があって、心底途方に暮れたこともありました。もう無理なんじゃないかと思うこともありました。スタッフのみなさんの力を借りて、こうして形にできたことが本当に嬉しいです。これから広告のクリエイティブを目指す人たちも、制作にあたってとんでもない苦労や問題を抱えることになった時は、「自分はこれまでにないものを作ろうとしているんだ」ということを信じて、前に突き進んでください。逆に、そうした事柄が起こらない時は、作っているものが「誰かの作った何か」であるということです。ぜひ若い人たちにはチャレンジしていただきたいです。
2015年06月12日安川電機は6月5日、創立100周年事業の一環として、同社の産業用ロボット「MOTOMAN-MH24」が居合術に挑戦する「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」の動画を公開した。同プロジェクトでは、「6mmBB弾居合斬り」などの世界記録を保持する居合術家・町井勲氏の剣技を「MOTOMAN-MH24」で再現することに挑戦。動画では、居合術の基本形である「四方切り」に始まり、「袈裟斬り」「切り上げ」「水平斬り」を再現しながら、最後に世界初と成る「人間とロボットによる千本切り」を披露している。安川電機は町井氏の剣技をモーションキャプチャし3D解析、そのデータをもとにプログラミングしたが上手くいかず、刀の入射角度や速度の調整を何度も繰り返して成功にこぎつけた。なお、ロボットが使用している刀は江戸時代に作られた逸品で、最新のロボットと歴史ある刀の共演も動画の見どころとなっている。
2015年06月05日3Dプリンタメーカーの台湾XYZprintingは、ホビー・教育向けの2足歩行ロボットや、車輪型のサービスロボットを紹介していた。いずれも現在開発中のプロトタイプで、2015年10月くらいの発売開始を予定しているという。同社がロボットを発売するのはこれが初めて。価格の安さもあり、話題となりそうだ。2足歩行ロボットは2種類開発。上位モデルは身長396mm、重量2.0kgで、18自由度(腕6、足12)を持つ本格的なロボットになる。Arduino互換のコントローラ、センサー(加速度センサー、ジャイロセンサー、赤外線距離センサー)、リチウムイオンバッテリ、LED、ブザーなどを搭載。通信はBluetoothを利用する。通常、このクラスのロボットになると、価格は10数万~20万円程度になるが、同社は600ドル以下での販売を予定しているという。なお、デモ機ではROBOTIS製のサーボモーター「Dynamixel AX-12A」を使用していたが、コストダウンのために、製品版では自社製のサーボモーターを搭載する計画とのこと。一方、下位モデルの方は、身長は439mm、重量は1.85kgであるが、自由度は10に抑えられている。価格は300ドル以下の予定で、完成済みバージョンと組み立てキットの2種類が用意される。両モデルとも、ロボットの動きはユーザーが自由に設定することが可能。同社のモーション作成ソフトウェアが使えるほか、Arduino IDEによるプログラミングにも対応するので、教育用にも良いだろう。なおハードウェアの仕様は公開され、ユーザーがオリジナルの外装を3Dプリンタで作り、換装することもできる。また、10インチ液晶画面を搭載する自走式のサービスロボットも開発中だった。スーパーマーケット、オフィス、家庭などでの利用を想定しているとのことで、場所の案内、家電の制御、留守番などの機能がある。価格は用途次第になるが、家庭向けは1,000ドルくらいで考えているということだ。
2015年06月05日NTTドコモは6月4日、タカラトミーとクラウド型"おはなしロボット"「OHaNAS(オハナス)」を共同で開発したと発表した。「OHaNAS」は、「しゃべってコンシェル」の技術を応用した、パートナー向けのプラットフォーム「自然対話プラットフォーム」を初めて採用した商品。自然対話プラットフォームは、4つの技術から構成される「しゃべってコンシェル」に加え、「文章正規化」「外部コンテンツ連携」「キャラクター風発話変換」「ユーザー情報自動検出」の4つの技術から構成されるクラウド型システム。「OHaNAS」は同プラットフォームの「意図解釈」「シナリオ対話」「知識Q&A」「文章正規化機能」「外部コンテンツ連携機能」を使用している。これまでパートナーが、「しゃべってコンシェル」で活用している意図解釈機能などを用いて対話機能を利用する製品を作る場合は、会話で対になる文章をサーバに個別に登録する必要があった。これに対し、同プラットフォームでは、1つの文章を設定するだけで、同じ意味の多くの文章に応答すること、ニュース等のリアルタイムに更新される関連情報も織り交ぜた会話することが可能。「OHaNAS」は10月1日に発売される予定で、希望小売価格は1万9800円(税別)。「OHaNAS」に話しかけると、疑問に答えてくれたり、ニュースや天気などリアルタイムに変化する最新情報を教えてくれたり、晩御飯の献立を一緒に考えてくれたりと、あたかも人と会話するように自然にユーザーをサポートしてくれるという。スマートフォンやタブレットを経由し、意図解釈機能などを備えた各種クラウド上のサーバに接続することで、「OHaNAS」との自然な会話が可能になり、これまでにない自然な会話によるコミュニケーションを実現した。「OHaNAS」と会話をするには、スマートフォンやタブレットに専用アプリをダウンロードが必要。電源を入れ、端末とペアリングした後、頭をなで、目のLEDランプが青色になれば、話しかけることが可能になる。
2015年06月05日日本ユニシスは6月4日、三井不動産がオフィスビルのコンセプトとして掲げている「その先の、オフィスへ」の一環として、フォトシンスのスマートロックロボット「Akerun」を活用し、IoTによる受付の無人化やスムーズな課金が可能なワーキングスペース実現のための実証実験を実施すると発表した。フォトシンスが開発したスマートロックロボット「Akerun」は、サムターン付きドア錠をスマートフォンアプリで操作することができるデバイス。既存のドア錠に後付けするだけで利用可能なため、ビルの空きスペースをスピーディーにオフィススペースにすることができる。今回、行われる実証実験では、フォトシンスのスマートロックロボット「Akerun」と、日本ユニシスのプラットフォームサービス構築におけるノウハウを組み合わせることにより、三井不動産のテナント企業のワーカーに、新しい働き方、ワーキングスペースをスピーディーに提供することが可能になるとして、その効果と課題を共同で検証する。実証実験は「Clipニホンバシ」などで、2015年7月下旬から10月下旬にかけて行われる予定。
2015年06月05日NTTドコモは、高齢者向けの見守りソリューション「おらのタブレット」を全国の法人・地方自治体向けに6月1日より提供を開始した。このソリューションは、法人・自治体などが高齢者に日常の生活に関わる情報および災害情報などをタブレット内のアプリケーションを用いて、わかりやすく提供するもの。アプリを用いることで、高齢者は、日々の血圧測定や歩数管理などの健康管理を自治体と連携しながら行える。一方で自治体は、メールで情報を配信した後に開封通知を受け取るなど、高齢者の健康状態や安否確認を簡便に把握できる。ドコモは、長野県大町市と天龍村の両自治体と住民の協力の下、試作品を利用してもらいながら、高齢者の利用方法に関する意見を反映した。実際の利用シーンでは、メール機能がATMの操作画面のように画面の案内に沿ってボタンやキーを押す画面遷移とした。ホーム画面に表示するアプリは最大7つまでカスタマイズ可能で、独自に開発した「メールアプリ(高齢者の利用に配慮したわかりやすい独自のユーザーインタフェース)」や「健康管理アプリ(日々の血圧、歩数を入力)」「脳トレアプリ(数字の早押しによるゲーム感覚のトレーニング)」の3つのアプリのほか、一般アプリも利用できる。そのほか、タブレットを楽しく毎日使える仕組みとして、キャラクターの活用や画面の背景として表示する掛け軸の格言を日ごとに変化させるなど、日々変化のあるホーム画面を用意している。
2015年06月02日ASUSTeK Computerは29日、オリジナルロボットフィギュア「R.O.G.ロボット」が付属するNVIDIA GeForce GTX 980搭載OC対応グラフィックスカード「GOLD20TH-GTX980-P-4GD5」を発表した。6月15日から20枚限定、予約者限定で販売する。価格はオープン、予想価格は100,000円前後。「R.O.G.」シリーズに属するオリジナルロボットフィギュア「R.O.G.ロボット」が付属するグラフィックスカード。ASUSTeK Computerがグラフィックスカードを最初に発売してから20周年を迎えたことを記念し、限定20枚のみ発売される。6月14日まで予約を受け付け、予約者が多数の場合は抽選となる。詳細は予約受付ページを参照のこと。製品は、GPUにNVIDIA GeForce GTX 980を搭載し、ボディ全体を金と黒のツートンカラーで構成。ヒートパイプをGPUに密着させたGPUクーラー「DirectCU II」を搭載し、熱の移動効率を高めている。さらに、放熱フィンにはデュアルファンで風を送り、冷却性能を向上。リファレンスクーラーと比較して、高負荷時の冷却効率が最高で15%向上し、静音性も最高で3倍静かだとしている。「ゼロノイズファン」機能によって、GPUの温度が上昇したときのみファンを動作させる。温度が低いときはファンが回転せず、ノイズも発生しない。液体窒素冷却などを使用する際に、メモリの霜を融かす「Memory Defroster」も搭載する。コンデンサには-75度~125度までの温度耐性をもつ日本製「Black Metallic Capacitor」(ニチコンGTシリーズ)を採用し、高寿命化を図った。高品質のカスタム部品「Super Alloy Power」によって部品レベルで性能を向上させ、発熱を抑えてコイル鳴きなどを防いでいる。主な仕様は、CUDAコア数が2,048基、コアクロックが1,317MHz、メモリクロックが7,010MHz、メモリは256bit接続のGDDR5 4GB。PCとの接続バスインタフェースはPCI Express 3.0 x16。映像出力端子はHDMI(2.0)×1、DVI-I×1、DisplayPort×3。補助電源は8ピン×2+4ピン×1。本体サイズは約W297×D152×H41mm。
2015年05月29日●DeNAが自動車業界に参入する理由は?ディー・エヌ・エーとZMPは、ロボットタクシー事業の実現に向けた合弁会社「ロボットタクシー」を29日に設立する。それに先立ち両社は28日、都内で共同記者説明会を開催した。○今こそネット企業が参入すべきロボットタクシーでは、DeNAのインターネットサービスにおけるノウハウと、ZMPの自動運転に関する技術を連携させることで、いわゆる“無人タクシー”の実現を目指す。当面は自動運転技術の研究・開発、さらに将来の利用者の開拓や利用促進を行っていく。なぜ、いまこのタイミングでDeNAは自動車業界に参入するのだろうか。説明会に登壇したディー・エヌ・エー執行役員の中島宏氏は、その理由と狙いについて「言うまでもなく、自動車産業は日本で最も規模の大きな産業。周辺事業を含めるとトータルで50兆円以上の規模となる。それに加えて、いま自動車産業は変革の時期を迎えている。巨大な自動車産業が、遅れてきたIT革命にさらされている、という人もいる。DeNAにとってもビジネスチャンスがあると判断した」と説明した。また同氏は「個人的な想い」と前置きした上で、「日本の基幹産業である自動車産業が世界で勝つためにも、日本のインターネット会社が自動車産業に参入していくべきである」と力説した。グローバル市場に目を転じると、Google、Apple、アリババといった巨大な企業がインターネットと自動車の融合を模索している。したがって今後、日本の自動車メーカーが世界で生き残っていくには、インターネットによる変革にいち早く順応する必要がある、というのが中島氏の主張だ。●ZMPではすでに公道での実験を開始○公道で実証実験を開始続いて、ZMP 代表取締役社長の谷口恒氏が登壇して挨拶した。同社ではロボットタクシーの実現に向けて、すでに公道における実証実験を開始している。これは愛知県と愛知県警の協力のもと、2014年末から名古屋市内で行っているものだ。緊急の場合に備えて運転席にドライバーを乗車させた上で、ハンドルやアクセル、ブレーキなどの操作をすべてコンピュータに任せ、2km程度の距離を時速60kmほどで走らせているという。谷口氏は、ロボットタクシーの意義について「運転できない人のため。例えば、高齢者には移動の自由を提供したい。子供たちには安全と安心を、ハンディキャップをもった人にも便利な足を提供したい」と説明した。ロボットタクシーの構想を発表してからというもの、全国から「1日でも早く実現してほしい」という声が多くよせられているという。●事故の際など、課題も山積○今後の課題現在の道路交通法では、まだ無人の乗用車を公道に走らせることができない。国際的にも、ジュネーブ条約で禁止されている。ロボットタクシーを実現させるためには、これらの法が改正されることが絶対条件となる。しかし、法が改正されるまで待っていたらグローバル企業に出し抜かれる、というのが中島氏と谷口氏の共通認識だ。このためリスクをとって、先行して開発を進めている。ロボットタクシーが事故を起こした場合の対応など、これから詰めていかなければいけない課題も多い。また、利用者の懸念をどう克服していくかも、大きな問題。谷口氏は「乗車する一般の利用者が“怖い”と思ったり、受け入れがたい状況になってしまうと、どんなに優れた技術でも社会に浸透しない。ロボットタクシーは安全で楽しく、便利なものだと、ご理解いただけるように、努力をしていかなくてはならない」と説明した。法の問題を抜きにすれば、技術的には数年もかからないうちに無人タクシーを実現できる見込みだという。中島氏は「2020年には、充分に間に合うと思っている。東京オリンピックの頃に、東京に無人のタクシーを走らせたい。外国の方に東京はすごい、と言われるような状況にしたい」と夢を語った。
2015年05月28日三井住友銀行は25日、Silicon Valley Robotics (President:Dr. Richard Mahoney、以下、SVR)と、日米のロボット産業の振興に関する相互協力を目的とした覚書を締結したと発表した。米国のシリコンバレーでは、従来よりソフトウェアやインターネットのサービスを提供する新興企業が多く輩出されてきたが、最近では、ロボットを含むハードウェアの開発・販売に取り組むベンチャー企業も増えているという。また、日本には、ロボットを構成するセンサーや駆動装置等の分野において、世界トップレベルの技術を持つ企業が多数存在しているとしている。日本では少子高齢化、生産年齢人口の減少が急速に進んでおり、幅広い分野において、ロボット技術の活用による社会課題の解決が期待されているという。このような中、同覚書締結により、同行及びSVRはロボット関連分野のビジネス展開に関心のある日系企業・米国企業の相互紹介や、ロボット関連の各種イベントの開催での協力などを行うとしている。SVRは、米国・シリコンバレーのロボット関連企業を多数会員に持つ非営利団体。ロボット分野において、起業家育成や企業間連携を促進させるための活動を実施している。三井住友銀行は、顧客の新しいビジネス展開をサポートするため、国内外の機関と連携して、様々なサービスを提供していくとしている。
2015年05月26日コトブキヤが展開するオリジナルロボットのプラモデル「フレームアームズ」のスピンアウトシリーズ「フレームアームズ・ガール(FA:G)」第2弾として、『フレームアームズ・ガール スティレット』が2015年9月に発売されることが決定した。現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中で、価格は5,184円(税込)。「フレームアームズ・ガール」は、既存の「フレームアームズ」シリーズを、イラストレーターの島田フミカネ氏が美少女化を手がけ、新たなプラモデルとして展開。「フレームアームズ」の特徴である各部の複数の3mm径の穴とPVC製の手首により、膨大なM.S.Gのウェポンシリーズや「フレームアームズ」シリーズの武器や外装を使用することもでき、自分だけのオリジナルなカスタマイズが可能となっている。『フレームアームズ・ガール スティレット』は、柳瀬敬之氏デザインによるフレームアームズ「SA-16 スティレット」を島田氏が美少女化し、そのイラストをもとにプラモデル化。表情パーツには、「イメージイラスト準拠デザイン」1種に、別デザインの「笑み顔正面向き」「笑み顔右向き」「叫び顔左向き」の合計4種が用意されている。武器類は、日本刀、ガトリングガン、ハンドミサイルが付属。表情パーツは塗装済みのため、組み上げただけで設定に近い仕上がりとなる。可動面では、膝アーマーがスライド可動することにより脚部のラインを整えられるほか、スカートも可動して脚部の可動範囲が拡大。踵の車輪も上下に可動するため、接地性が高められる。さらに、イメージイラストを再現できる左腕と左脚、PVC製の手首が左右(計5種)、瞳、マーキングなどのデカール、M.S.G等を保持する際に使用する3mm径の凸軸付きグリップ(2種)も同梱。背中、腰、ふくらはぎなどに配置された3mm径の穴により既存M.S.Gシリーズ、フレームアームズシリーズの武装の併用が可能となっている。商品価格は5,184円(税込)で、現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中。商品の発売および発送は、2015年9月を予定している。(C)KOTOBUKIYA
2015年05月22日ユニバーサルロボットは5月19日、法人向けタブレット端末で個人認証セキュリティを実現する「手のひら静脈ハイブリッド認証カスタムメイド対応SDK」を発売した。価格は、iOS版/Android版とも100万円から(いずれも税別)。新製品は、可視光による静脈認証を可能にした製品としては世界で唯一という(特許5509459号、PCT/JP2012/071546)。タブレット端末のカメラを利用する静脈認証でありながら、FAR(本人拒否率)0.1%の場合にFRR(他人受入率)0.0003%の認証精度を実現。専用の生体認証デバイスを必要としないため、低コストでの導入が可能としている。既に大手企業で4万ユーザー以上の採用実績があるとし、業務でタブレットを使用する法人のセキュリティニーズに応える個人認証ソリューションとのことだ。同SDKは、標準では端末ローカルで認証を行うため、企業における様々なタイプのアプリケーションに柔軟に対応するとしている。コンパクトなソフトウエア・インタフェースで登録・認証が可能であり、組み込みの参考となるサンプル・コードを同梱する。また、1端末を複数ユーザーで共有する際のID管理やサーバ認証への対応、スマートフォンへの対応など、各種のカスタマイズが可能という。同社は今後、モバイル・バンキングやモバイル決済など一般ユーザーが対象のスマートフォン向け製品の開発を進めていくとしている。
2015年05月19日ヒューマンアカデミーは5月18日、ロボット市場を担う人材の育成を目的として、全日制専門校「総合学園ヒューマンアカデミー ロボットカレッジ(2年制)」を2016年4月に開講すると発表した。ロボットカレッジでは、パーソナルロボットを活用した人とロボットのつながりを考える「ロボット・コミュニュケーションコース」と、技術的に難易度の高い二足歩行ロボットの製作に最先端のOSを組み込む「ロボット・ファブリケーションコース」の二つのコースを開設(1年次は合同カリキュラム)。ロボットコミュニケーションコースでは、感情認識パーソナルロボット「Pepper」を教材として導入し、Pepperのアプリ開発学習を提供するという。ロボットカレッジは、東京・横浜・名古屋・大阪・福岡の全国5校舎で2016年4月に開校予定。
2015年05月18日ディー・エヌ・エー(DeNA)とZMPは5月12日、自動運転技術を活用したロボットタクシー事業の実現に向けた研究・開発などを行う合弁会社を設立することに合意したと発表した。新会社は5月29日を目処に設立される予定で、資本金は7億円(出資比率 DeNA:66.6%、ZMP:33.4%)となっている。取締役会長にはZMP代表取締役社長の谷口恒氏、代表取締役社長にDeNA執行役員の中島宏氏が就任する。この新会社ではDeNAのインターネットサービスにおけるノウハウと、ZMPの自動運転技術を連携させ、ロボットタクシーやロボットバスなどを実現するための研究・開発、開発技術の提供、利用者の開拓や利用促進を行っていく。今後は合弁会社の第1段階として自動運転技術の向上やサービスモデルの仮説検証などの実証実験を重ねていく計画となっている。
2015年05月12日明和電機は6月27日、ロボット同士の結婚式「ロボ婚」を開催する。○ロボット同士の結婚式を体験できるイベント同イベントは、明和電機開発の頭がお風呂の椅子のロボット「フロイスロボ」を新郎に、藤堂高行さん開発の視線を合わせることができるロボット「ロボリン」を新婦とするロボット同士の結婚披露宴で、立食パーティー形式で楽しむことができるというもの。スパイラルが運営するミュージックレストラン「青山CAY」(東京都・港区)にて開催される。当日は、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの陣内智則さんと、ソフトバンクの感情認識ロボット「Pepper」が司会を務め、豪華ゲストによる余興やロボット式お色直し(バージョンアップ)、思いでムービーや花嫁からの手紙などのプログラムが用意されているほか、引き出物アリ、出会いアリの盛りだくさんの内容となっているという。申し込みは、明和電機サイト内で受け付けている。参加費は1万円(食事、飲み放題付き)。正装での参加が必須となっており、限定100名。申し込むと、招待状形式のチケットが自宅まで郵送されるという。
2015年05月08日シー・シー・ピーは5月7日、ロボット掃除機「LAQULITO(ラクリート)」の新機種として「エントリーモデル CZ-C04」(以下、CZ-C04)を発売した。底面にモップシートを装着すると、拭き掃除も行える。価格はオープンで、推定市場価格は14,800円前後だ(税込)。CZ-C04は、2011年に発売された「エントリーモデル CZ-860」のリニューアルモデルだ。コンパクトな本体と縦置き型充電スタンドは継承しつつ、専用のモップシートを装着することで拭き掃除を行える機能を追加した。回転ブラシでゴミをかき取る吸引掃除と拭き掃除を一度に行え、従来の吸引掃除だけでは取りきれなかった微細なゴミも除去できるとしている。カーペットなどの敷物がある部屋では、モップシートを使用できない。「スパイラル」「ランダム」「壁づたい」の3パターンの動きを組み合わせて、室内をまんべんなく掃除する。高さ10cm以上の段差を感知して避ける「落下防止感知センサー」を搭載。最大7.5mmまでの段差を乗り越えられ、カーペットの境目などでもスムーズに移動できる。オートチャージおよびタイマー機能は備えていない。本体サイズは直径270×高さ76mmで、重量は1.5kg。ダストボックスの容量は0.2L。約4時間でフル充電される。連続運転時間は最大50分で、最大掃除面積は約15畳だ。カラーはホワイト。シー・シー・ピーは、新色メタリックブラウンを採用した「スタンダードモデル CZ-C02」も同時に発売した。オートチャージおよびタイマー機能を搭載している。CZ-C04同様、吸引だけでなく拭き掃除にも対応。本体サイズは直径280×高さ70mmで、重量は1.6kg。ダストボックスの容量は0.2L。約7.5時間でフル充電される。連続運転時間は最大50分で、最大掃除面積は約20畳だ。推定市場価格は19,800円前後(税込)。
2015年05月07日富士通は5月7日、生活支援ロボット関連事業を展開するRT.ワークスに対して、IoTと介護ロボットを融合するインフラシステムを提供したと発表した。新システムは、RT.ワークスが開発した生活支援ロボット「歩行アシストカート」が搭載するセンサーから収集した情報を、富士通のIoTプラットフォーム上で管理・蓄積・分析することで、家族や介護施設関係者が位置情報や歩行距離などをリアルタイムに把握でき、利用者の活動量の確認や異常検知などの見守りを可能にするもの。使用状況から歩行アシストカートのバッテリー状態や機器情報などを分析し、富士通から機器の故障対応などの新たなサービスも提供可能になるという。富士通のIoTプラットフォームは、日本IQPの簡易アプリ開発実行環境をクラウド上で利用でき、実現性を検証したIoTモデルをもとに、センサー・デバイス/ネットワーク/ミドルウェア/アプリケーションなどの組み合わせが可能なトータルなシステム環境とのこと。新システムでは、RT.ワークスの歩行アシストカートが搭載するGPSや6軸モーション・センサーなどのセンシング情報を、機器内で接続した、富士通エレクトロニクスが開発したネットワーク通信デバイスから数秒おきに配信し、富士通のIoTプラットフォーム上で管理・蓄積・分析する。これにより、利用者の歩行距離や歩行速度などの日々のデータから健康状態の把握が可能になる他、機器の傾きや転倒といった状態をリアルタイムに検知することで利用者の異変などを予測し、アラートの通知が可能になるという。使用状況や健康状態、歩行速度などの設定情報といった利用者情報や各種要望、トラブルなどの問い合わせは、富士通エフサスのサポートセンターが請け負う。一貫した情報を把握し分析することで、歩行アシストカート利用における課題や改善点を見出し、利便性を追求した今後のサービス開発に反映していくという。また、歩行アシストカートの稼働時間や経年数などにより、活動量の少ない利用者にカートの利用を促したり、機器の計画的なメンテナンスや故障の予測などが可能になる。富士通はIoTプラットフォームを活用して、機器のセンサーから得られる多様な情報に基づく見守りサービスやヘルスケアといった新しい価値を創出し、RT.ワークスとともに超高齢化社会に向けた新たなビジネスを、医療・介護分野や自治体などに向けて展開していくという。なお、IoTプラットフォームを利用した歩行アシストカートは、5月14日・15日の両日に東京国際フォーラムで開催する「富士通フォーラム2015」に出展するとのことだ。
2015年05月07日アニプレックスは4月27日、シャープのロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」シリーズとコラボレーションした特別モデル「プレミアムなCOCOROBO <黒執事Ver.<」の予約受け付けを開始した。シャープの社内プロジェクト「プレミアムなCOCOROBO」の第2弾として開発されたモデルだ。4月27日17時から5月31日23時59分まで、「aniplex+」にて予約を受け付ける。価格は税別150,000円。別途送料として540円かかる。台数限定販売のため、予定上限台数に達し次第、予約受付を終了する。○その執事、掃除本製品は、シャープのロボット掃除機「COCOROBO」の最上位モデル「RX-V200」をベースに開発された特別モデル。枢やな氏原作のマンガ作品「黒執事」の主人公であるセバスチャン・ミカエリスをモチーフとしている。ボディ天面のイラストは描き下ろしで、「COCOROBO」のロゴもオリジナルだ。本体に収録された音声は、テレビアニメでセバスチャン役を務める声優の小野大輔氏による録り下ろし。ユーザーが「きれいにして」など呼びかけると、おなじみの「イエス、マイロード」というセリフとともに掃除を開始する。そのほか、「お願い」と呼びかけると「おねだりの仕方は教えたでしょう?」、「愛してる」と呼びかけると「もったいないお言葉、恐縮です」などと返答。「お話して」「セリフ言って」という呼びかけに対しては、「一体、何をどうしたら、こういうことになるんです?」「都合が良い時ばかり、子どもになられるのですね?」といった作中に登場する名ゼリフで返事をしてくれる。RX-V200のクラウド連携機能を活かして、天気情報やニュースを教えてくれるほか、目覚まし、献立の提案などの機能も持つ。ただし、ニュースや献立を尋ねた際、セバスチャンがしゃべるのは「御意、クラウドさんに聞いてみましょう」などのつなぎのセリフのみ。ニュース内容などをしゃべるのは、ベースのRX-V200と同様の音声だ。○コラボはなぜ実現?シャープはプレミアムなCOCOROBOの第一弾として、すでに<妹Ver.<を販売した実績を持っている。これは、他企業や大学、研究機関などと広く共同で開発を行ってクラウドサービスを作り出す「SHARP Cloud Labs(シャープ・クラウド・ラボ)」によるプロジェクトだった。「前回の<妹Ver.<を発表した際に、『黒執事のセバスチャンバージョンが出たらすぐに買うのに……』というご意見を、1人ではなく何人かの方からいただきました」と語るのは、シャープ 研究開発本部 クラウド技術開発センター 所長 上田徹氏だ。シャープ側が「名作としてすでに高い評価を得ている黒執事にコラボを持ちかけるなど、おこがましいと考えていた」ところ、黒執事の制作会社であるアニプレックスからラブコールがあり、今回の協業に至ったとのことだ。シャープ 研究開発本部 クラウド技術開発センター 技術企画室 副参事 徳永礼氏は、「黒執事という作品の持つ世界観をジャマしないよう設計した」と説明。「黒執事ファンの人がニヤリとしながら使っていただけるようになっていると思う」を自信を見せた。購入方法など詳細は、「プレミアムなCOCOROBO <黒執事Ver.<商品情報ページ」を参照のこと。
2015年04月27日ニフティは15日、「離れた場所から家族を優しく見守る」がコンセプトの室内環境見守りサービス「おへやプラス」の新機能を発表した。家の外から、使用中のエアコンをオンオフしたり、設定温度を変更できるようになる。おへやプラスは、離れて暮らす家族の部屋について、温湿度を専用のスマートフォンアプリで確認できるサービス。高齢者やペットのケア、子供の留守番といったユースケースを想定している。利用には、ニフティの会員であること、ニフティのネットワークサービス「スマートサーブ」(税別月額300円)を契約していることが必要。おへやプラス自体の月額料金は税別680円だが、スマートサーブと合わせて税別月額980円となる。今回、おへやプラスにエアコン操作機能を追加したことで、室内環境の確認だけでなく、実際に室温を調節できるようになった。具体的には、スマートフォンアプリ「おへやプラス」を操作すると、室温調整などの指示が宅内のサービスアダプターに伝わる。さらにサービスアダプターからセンサー、センサーからエアコンへと指示が流れ、エアコンのオンオフや室温調整が実行される仕組みだ。サービスアダプターとセンサーは、ニフティから契約者に送付される。なお、エアコンを操作するには、「おへやプラス」アプリ上でエアコン登録の作業が必要。「おへやプラス」の対応OSは、Android 4.1以降、iOS 7.0以降となっている。
2015年04月15日大和ハウス工業は4月13日、CYBERDYNEが開発・製造する「ロボットスーツ HAL(HAL)」の3商品を5月1日より販売開始すると発表した。「ロボットスーツ HAL」は皮膚表面から、生体電位信号を読み取り、装着者の思った通りに動作をアシストするロボット。介護・福祉施設などに向けてリース・レンタルされており、これまでに約160施設で計約360台が稼働している。今回、「自立支援用(下肢タイプ)」「自律支援用(単関節タイプ)」「介護支援用(腰タイプ)」の3商品が発表された。まず、「自立支援用(下肢タイプ)」は下肢に障がいがある人や、脚力が弱くなった人の動作をサポートするためのロボット。S・M・Lの3サイズがあり、身長150~190cmまで利用が可能で、重量はバッテリーを含めて約14kgとなっている。レンタル料金は18万8000円/月(税別・5年レンタルの場合)。「自立支援用(単関節タイプ)」は膝や肘に装着するトレーニング用のロボットで、1.5kgと軽量だ。座った状態や寝た状態で使用が可能なため、自由度の高いトレーニングを行うことができる。レンタル料金は両側セットで初期導入費用に40万円、その後13万円/月の費用が発生する(税別・5年レンタルの場合)。なお、サイズは1サイズのみ展開される。「介護支援用(腰タイプ)」は介護者の負担を軽減するロボットで、腰に装着することで腰部にかかる負担を軽減でき、腰痛などの身体に係るリスクを軽減することができる。レンタル料金は初期導入費用10万円のほか、7万8千円/月の費用がかかる(税別・3年レンタルの場合)。大和ハウスはこれらのほか建設現場で働く職方の重作業負荷を低減する「作業支援用(腰タイプ)」の現場実証を開始することも発表した。2015年5月1日より同ロボットを建設現場などに10台現場に導入し、2016年4月30日までその有効性を検討し、2016年5月より実運用を開始する予定だ。
2015年04月14日大和ハウス工業は5月1日より、介護・福祉施設など向けにCYBERDYNEが開発・製造する「ロボットスーツHAL)自立支援用(下肢タイプ)」、「ロボットスーツHAL自立支援用(単関節タイプ)」、「ロボットスーツHAL介護支援用(腰タイプ)」の販売を開始すると発表した。「ロボットスーツHAL」は、装着者の皮膚表面から、生体電位信号を読み取り、装着者の思った通りに動作をアシストするロボット。大和ハウスは2010年11月にセラピー用アザラシ型ロボット「パロ」を医療・介護施設や個人向けに販売開始し、2012年10月に住宅メーカーや工務店、リフォーム会社などに向けて狭小空間点検ロボット「moogle(モーグル)」の販売を開始。2014年12月には、難聴者とのコミュニケーション・サポートシステム「COMUOON」を、医療・介護施設や個人に販売開始するなど、ロボット事業を拡大している。「下肢タイプ」は下肢に障がいがある方や、脚力が弱くなった方の動作をサポートする装着型ロボット。重量約14キログラム、動作時間は約60分、レンタル料金は月額18万8000円(5年レンタルの場合・税別)となっている。「単関節タイプ」はや肘に装着するトレーニング用ロボットスーツで、重量約1.3キログラム(制御部とバッテリーを除く)、動作時間は約120分となっている。レンタル料金は、初期導入費用が40万円、月額料金が18万8000円(5年レンタルの場合)となっている(いずれも税別)。「腰タイプ」は、護者が介護を行う際、腰部にかかる負荷を軽減でき、腰痛などの身体に係るリスクを軽減する。重量は約2.9キログラムバッテリー含む)、動作時間は約180分。レンタル料金は、初期導入費用が10万円、月額料金が7万8000円(3年レンタルの場合)となっている(いずれも税別)。
2015年04月14日メタップスはロボット開発者のマネタイズ支援プラットフォーム「Metaps Robotics」の提供に向けて、ユカイ工学と業務提携を実施したと発表した。IoTが社会に浸透し、ロボットが単体で独立して動くタイプから、クラウドを通して高度な連携が可能なスマートロボットが普及していくとされる一方、IoTデバイスやロボットの開発者のマネタイズが課題となっている。「Metaps Robotics」はメタップスがアプリ収益化支援で培ったノウハウを活用してロボットのマネタイズを支援する開発者プラットフォームで、今年の夏以降の提供を予定している。ユカイ工学はソーシャルロボット「ココナッチ」、家庭向けコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」など、インターネットとセンサーを活用した製品の開発実績をもつ。メタップスは、今回の業務提携により両社の知見とノウハウを融合させることで、クラウド、センサー、ハード、アプリを連動させた新しいビジネスモデルの確立を目指すとしている。
2015年04月07日