Mozillaが開発者用に設計したブラウザを11月10日にリリースする。公式ブログでティザー動画を公開した。「Webに関して多くの開発者が、うまく連係しない無数の異なるツールを使用している。言い換えると、異なるツール、プラットフォーム、ブラウザを切り換える必要があり、それによって作業が遅くなり、プロダクティビティが損なわれる」。そこで開発者の必要性を優先し、開発者が開発者のためのブラウザを設計した。詳細は不明だが、「Web全体をデバッグでき、より簡単に素晴らしいWeb体験を構築できる」という。WebIDEやFirefox Tools Adapterなど、開発版のFirefoxが搭載する新しいツールも統合される。Mozillaは開発者用ブラウザのリリースと同時に、Firefox OS、Firefox Marketplace、Open Web Appsエコシステムに関する「Apps & Hacks」というニュースレターの配信を開始する予定で、hacks.mozilla.orgで登録受け付けを開始した。
2014年11月04日Maxim Integrated Productsは10月29日(現地時間)、世界の電力会社の規格に適合する1つの共通コアを使用して電力メータを設計し、開発期間を短縮できるメータ用SoC「ZON」ファミリを発表した。電力メータの規格は世界各国で異なり、電力会社は顧客と地域のニーズに応じてさまざまなタイプのメータを求めている。このため、メータ会社は電力会社の要件が変化したとき、柔軟かつ迅速に対応する必要がある。また、現在のメータ用IC設計においては、同一チップ上で各種のメモリ容量を提供することによって柔軟性を持たせているが、メモリサイズの変更のみであり、電力会社の規格およびモデルの進化に合わせてメータを最適化させることができないため、ファミリソリューションと呼ぶことはできない状況にあった。今回発表の「ZON」ファミリは、メータ会社が同じファームウェアを採用する1つのプラットフォームを用いて機能を最適化し、まったく異なる顧客ニーズに対応することができる汎用的なソリューションとなっている。具体的には、あらゆる構成に対応するため、単相(1相)用の「M」と多相(3相)用の「P」の2つの製品シリーズがラインナップされており、ローエンド、ミッドレンジ、およびハイエンドのメータ用に調整されたオプションを備えている。さらに、両シリーズは同じ高精度32ビット計算エンジンを、メータのアプリケーションマイコンとは別に搭載している。これにより、システムコアの作業負荷が軽減される他、ユーザーがデバイス間でアプリケーションコードを移植することが可能なため、高度なIPの再利用が促進されるという。なお、「M1/M1L」、「M3」、および「P3/P3L」製品は、同社のWebサイトおよび一部の販売代理店で提供中。今後、さらに多くの製品の発売が予定されているという。また、リファレンスデザイン、評価キット、および検証されたDLMSソフトウェアスタックも利用可能となっている。
2014年10月31日新しい飛行機を設計して、図面を用意して、それに合わせたコンポーネントや搭載機器を設計して組み立てて、飛行機が完成した。これで仕事が終わった、万歳!…となれば話は簡単だが、実はその先が長い。特に軍用機は長い。○モノができたらテストするちょうど、三菱航空機が開発を進めている新型リージョナル旅客機・MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の初号機がロールアウトしようとしている(10月18日の実施を予定)。事情を知らないと、機体が完成してロールアウトした時点で、その機体がすぐにでも就航して利用できるようになると思ってしまうのだが、実はそんなに簡単な話ではない。どんな工業製品でもそうだが、完成したものはテストしてみて、問題がないことを確認しなければならない。他の工業製品がいい加減なテストでよいというわけではないのだが、もしも事故が発生するとさまざまな分野で大きな影響が生じる航空機の場合、テストについては厳格だ。まず、実機が飛ぶ前からテストが始まっている。それが地上で行う強度試験で、それがさらに「静強度試験」と「疲労試験」に分かれている。これらの試験に用いる機体は、飛行試験用の機体とは別に用意することになっていて、それはどんな飛行機でも同じだ。だいたい、地上で限界まで負荷をかけた機体で飛行試験をやるのでは、おっかなくて話にならない。静強度試験とは、要約すると「設計時に設定した通りの条件で荷重をかけてみて、壊れないことを確認する」というものだ。たとえば、荷重限界が3G(つまり地上の重力の3倍)であれば、その通りの荷重を供試体にかけてみる。3G荷重で旋回などの操縦操作を行ったときに機体にかかる負荷は計算できるから、油圧ジャッキのような機材を使って地上試験用機に計算通りの荷重をかけてみる。実際の試験では安全率も考慮に入れるから、たとえば荷重限界が3G、安全率が2.0なら、6G荷重に相当する負荷をかける。それで壊れなければ合格である。もうひとつの疲労試験とは、繰り返し荷重をかけるものだ。設計時の限界内であっても、負荷がかかる状態を何回も繰り返しているうちに機体構造材が疲労してきて、やがて壊れる。たとえば、一日に3回のフライトを行い、年間300日飛べば、一年間に発生する離着陸は900回、それを30年間繰り返せば27,000回だ。この辺の条件は機体の想定用途によって違ってくるから、設計の段階で数字を決めておく。そして実機が完成したら、設計段階で想定した荷重を想定した回数だけ繰り返して、それでも壊れないことを確認する。こういった試験の際に、機体の各所にどの程度の負荷や変形が発生しているかを計測しておかなければ、壊れたときの原因究明や対処が難しくなる。それに、壊れなくても「問題がない」と確認できなければならない。だから、計測用のセンサーを取り付けておいて、リアルタイムでデータを取る。供試体が壊れてから押っ取り刀で「どこが壊れた!?」とやっていたのでは仕事にならない。疲労試験は時間がかかるから飛行試験と同時進行になるが、静強度試験は飛行試験よりも先行させる必要がある。たとえばの話、静強度試験で2G荷重までしかテストしていないのに、飛行試験で3Gの荷重をかけることはしない。○飛んだら飛んだでデータを取らなければならないその飛行試験になると、データ収集には情報通信技術が大活躍する。実機を作って飛ばしてテストするのは時間も費用もかかる話だし、テストに延々と時間をかけるわけにも行かない。だから、できるだけ効率的に作業を進めたい。そこで、飛行試験を始める前に綿密に計画を立てて、どの飛行試験で何と何をテストして、どの部分のデータを取るかを決めておく。そして、機体構造材や搭載機器にセンサーを取り付けて、飛んでいる最中にデータを取る。それだけではなく、得られたデータをリアルタイムで地上に無線で送り、地上にいる技術者がその場で見られるようにする。もちろん記録もとる。軍民を問わず、いまどきの飛行機の飛行試験は、このように地上と機体を無線通信で結んで行う、テレメトリー(遠隔計測)が当たり前の姿になっている。だから、試験の前に設定した条件通りに飛んでいるかどうかは、地上にいても丸わかりだ。また、パイロットが計器で見ている飛行諸元についても、それは同じものが地上にもそのまま伝わっている。たとえばの話、地上にいる技術者がテストパイロットに、無線で「速度が設定条件より0.5ノット足りません」などと物言いをつけるようなことも起きる。テストパイロットにしてみれば大変な話だが、べらぼうなチェック項目がある飛行試験を迅速かつ確実にこなし、テスト中の機体に問題がないことを確実にするためには、こういうやり方をとるしかないのである。○執筆者紹介井上孝司IT分野から鉄道・航空といった各種交通機関や軍事分野に進出して著述活動を展開中のテクニカルライター。マイクロソフト株式会社を経て1999年春に独立。「戦うコンピュータ2011」(潮書房光人社)のように情報通信技術を切口にする展開に加えて、さまざまな分野の記事を手掛ける。マイナビニュースに加えて「軍事研究」「丸」「Jwings」「エアワールド」「新幹線EX」などに寄稿しているほか、最新刊「現代ミリタリー・ロジスティクス入門」(潮書房光人社)がある。
2014年10月14日住友林業は富裕層を対象とした「邸宅設計プロジェクト」を始動、その一環として東京都世田谷区駒沢にモデルハウスをオープンすることを発表した。○日本の伝統や文化を表現同プロジェクトは、デザインにこだわりの強い富裕層を対象に、高級邸宅の提供を強化すべくスタートしたもの。本プロジェクトの第一弾となる東京都の「駒沢展示場モデルハウス」では「都市に建てる日本の風情」をイメージ。日本の山野に自生する樹を主とした庭を中央に配置し、その庭を各部屋に連続させることで内に開く広がりのある空間を実現したという。また同モデルハウスは、インテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏とコラボレーション。左官技術を活用した塗り壁や、金銀箔、また国産ヒノキやナラ材を使用し日本の伝統や文化を表現している。また第二弾となる愛知県の「八事展示場モデルハウス」では、「ゆったりとした敷地特性を活かし、「外に開く」間取りを提案」していく予定としている。2つのタイプのモデルハウスの設計は、同社内でも難易度の高い特殊物件を担当する設計集団「デザインパートナーグループ」が担当するとのこと。
2014年10月10日STMicroelectronicsは10月9日、Bluetooth Smart対応機器・モジュールの設計において、開発期間の短縮、システム性能の最大化、製品サイズの小型化を可能にする集積型バラン「BALF-NRG-01D3」を発表した。同製品は、STのBluetooth Smart対応ワイヤレスネットワークプロセッサであるBlueNRGのコンパニオンチップで、アンテナとの間に外付けで必要とされる平衡化・整合回路を全て集積することで最適なパフォーマンスを実現しており、高度な技術が要求されるRF回路設計をより簡略化できる。また、バランの入力インピーダンスがBlueNRGに整合されることにより感度と出力を最大化し、さらに内蔵の高調波フィルタで規制基準に対応する。この結果、最大15個の表面実装部品の置き換えが可能で、ディスクリートで構成されたバラン回路と比較して実装面積を最大75%小型化することができる。これらにより、モバイル機器、ウェアラブル機器、IoT(Internet of Things)機器などに搭載されるRFフロントエンド回路に最適な集積型受動デバイス(IPD:Integrated Passive Device)となっている。同社のIPDプロセスでは、高品質な受動部品をガラス基板上に形成することで、高いコスト競争力、小型実装面積、低電力損失を実現しているという。なお、パッケージは1.4mm×0.85mm×0.67mmサイズの4ピンWL-CSP。価格は5000個購入時で約0.15ドル。
2014年10月10日造船設計では、国際条約や船級協会が定めた規則に則り設計を行い、承認を受ける必要がある。このうち船級規則については、かつては船級協会毎に個別に定められていた。しかしながら、グローバル化の流れの中で規則を統一する動きが広がりを見せ、2005年12月に国際船級協会連合(International Association of Classification Societies: IACS)において、「ばら積貨物船*」と「油タンカー」の2つの船種のための共通構造規則(Common Structural Rule:CSR)が採択され統一され、IACSに加盟するすべての船級協会において2006年4月より施行されることとなった。さらに、この2つのCSRの技術的調和を目指した調和型共通構造規則(調和CSR)の草案が策定され、業界レビューを経た後、2013年12月にIACSにて採択された。このような動きの中、船級協会の一つである「日本海事協会(ClassNK)」は、調和CSRに準拠した「構造解析システムの基盤となるFEM(有限要素法)構造解析ソフトウェア」としてAltairの「HyperWorks」を採用した。新たな規則への対応を迫られた造船現場。そこにHyperWorksが採用されたことで何がもたらされたのかを、実際に船の構造解析に利用している株式会社新来島どっく 技術設計本部 造船設計部 構造計画課 池本俊史氏に伺った。*ばら積貨物船:貨物をコンテナなどに梱包せず、そのまま船倉に積み込むタイプの貨物船のこと。主に、鉱物や穀物などの輸送に利用される。○大規模データの処理を求められる新規則に対応するために「以前、私達が利用していた解析ソフトはデータ容量が大きくなると、非常に処理が重く、結果が出るまでに大変な時間が掛かっていました。画面でモデルを表示している時も、少し動かしただけで処理が重くなり、場合によってはフリーズしてしまうこともありました。」(池本氏)新たに定められた調和CSRは2つの構造規則を統一することになるため、解析に必要となる計算も複雑になる。しかも巨大な建造物である船舶はモデルデータも大規模だ。このような大量のデータを用いて複雑な計算を行えば、処理が重くなるのは必然となる。「これ以上、構造解析の計算に時間が取られてしまっては、作業全体のスケジュールにも影響を及ぼすことになる」。そう感じていた池本氏は、HyperWorksが調和CSRに準拠する構造ソフトウェアとして採用されたと聞き、導入に賛同したという。○計算時間が1/4に。圧倒的に速くなった処理速度新来島どっくでは、HyperWorksが持つ各種ソリューションの、HyperMesh(構造解析用のFEモデル作成)、OptiStruct(構造解析)、HyperView(データの可視化)を利用している。「以前に利用していたソフトウェアと比較すると、HyperMeshで作成したモデルデータは容量が半分くらいで済みます。お陰で画面に表示する際もスムーズに動きますし、以前のようにフリーズすることもありません。ストレージ容量の点からも大変ありがたいです」(池本氏)。さらにHyperWorksで稼動する専用のプログラムと組み合わせることにより、これまで40時間掛かっていた作業が、四分の一の10時間で完了するほど、圧倒的な処理速度の向上を実現した。「簡単なものであれば、ちょっと席を外している間に終わってしまう。計算待ちの時間が大幅に削減されたので、非常に効率が良くなりました」(池本氏)。○思わぬ効果を生んだ多彩な画面表示機能処理速度のほかに、池本氏が挙げたHyperWorksの長所として「多彩な表示機能」がある。強度や防振などの問題に対処するため、現代の船体構造は複雑なものとなる。船全体を表示すると分かり難くなるので、該当する箇所のみを表示できると便利だ。だが、池本氏がこれまでに利用していたソフトウェアでは、詳細な表示の調整は難しい部分があった。一方、HyperWorksには多彩な表示機能があるため、表示したい箇所、逆に隠したい箇所の設定を容易に行うことができる。「表示に関しては、やりたいと思ったことが当たり前にできてしまう。導入時点では特に注目していた機能ではないのですが、実際に利用してみると非常に便利で、今では欠かせないものとなっています」(池本氏)○使いやすいインタフェースと柔軟なサポート体制「HyperWorksはソフトウェアとしても優れていますが、インタフェースの面でも非常に優秀です。新たにソフトウェアを導入すると習得に時間が掛かってしまうものですが、HyperWorksはインタフェースが直感的で分かりやすいので、習得に多くの時間を必要としません。サポートも丁寧で、しかも対応が速い。おかげさまで、よく利用させていただいています」(池本氏)。現在、新来島どっくでは、調和CSRをはじめとする新たな船舶規則に対応するため、日本海事協会、そしてアルテアと共同でさまざまな研究を行っている。今後も、規則に則った安全な船舶の設計のため、HyperWorksによる解析が行われて行くことだろう。「現在、私達はHyperMesh、OptiStruct、HyperViewの3つを利用しています。ですが、HyperWorksのシリーズには他にも沢山のソフトウェアがあります。その中に造船設計につながるものがあれば、是非とも使ってみたいですね」(池本氏)
2014年10月07日いくら航空機の設計作業を効率化しても、設計したものを形にしなければ、最終的な製品を生み出すことはできない。すると今度は、「設計と製作」のうち「製作」の工程について、いかにして効率よく、高い精度でモノを造るかという課題が出てくる。○設計するだけでは終わらない前回に述べたように、航空機の構造解析、あるいは外形や空力面の設計といった分野でコンピュータを活用することで、紙の図面と手回し式計算機を使っていた時代と比較すると、大幅な効率化を実現できた。もっとも、航空機そのものが大きく、複雑になってきているから、設計作業にかかる絶対的な時間そのものは増えているのだが、それはまた別の問題である。さて。どんなに優れた設計を行い、それを図面の形に落とし込んだとしても、その図面を基にして部品を製作して、それを組み立てなければ、航空機の製作という作業は完結しない。すると、図面に書いたものを実際に製作する工程、あるいは製作した部品を組み立てる工程をどれだけ効率的に行うか、という課題が生じる。もちろん、CAD/CAM(Computer Aided Design / Computer Aided Manufacturing)の活用により、作図、図面の管理、履歴管理といった作業は効率的になっただろうし、CADによって用意した設計データを工作機械に直接流し込めば、図面通りの製品を精確に造る作業も効率化できる。それでも当然ながら、実際に製作に携わる「人」という要素は無視できない。たとえば、軽量化のために電線や電線の被覆の寸法を抑えれば、それだけ取り扱いが難しくなる。実際、ある戦闘機を設計した際に、軽量化のために機内で使用する電線を細くしたら、製作工程でその電線がポキポキ折れてしまい、歩留まりが悪くなって大変だったそうだ。こういうのはコンピュータだけが頑張ってもどうにもならない。また、部品を高い精度で造っても、それを組み合わせる作業も正確に行わなければ、精度の高い完成品はできない。実際、最近の航空機の組み立てに際しては、レーザー光線を使った位置決めまで行われている。レーザー・ビームは細くて直進性が高いから、それを活用すれば精確な位置決めを行えるという理屈であるらしい。基本的には、治具を用意してそこに部品をセットした上で、溶接したり、あるいはリベットやボルトとナットで連結したりする。それは今も昔も変わらないが、その際の位置決めをどこまで精確にやるかというところで違いが生じるわけだ。ことにステルス機というのは高い精度を求められる。なにしろF-117Aの試験飛行を行っていたときに、機体外部に露出する部品の固定に使用していたビスが何本か緩んでいただけで、レーダー反射が急増したというから侮れない。ビスをちゃんと締めるだけでなく、それ以前の段階として機体の外形を構成する部品の位置合わせを正確に行わなければ、段差や隙間ができてしまうだろう。するとそれは、想定外のレーダー反射を引き起こす要素となり得る。ステルス性を持たせた機体を設計するだけでも大仕事だが、その設計通りに機体を作り、かつ維持する作業もまた、大仕事だったというわけである。○部品の履歴管理また、航空産業でうるさくいわれる課題のひとつとして、部品の履歴管理がある。つまり、サプライヤーが製作・納入する個々の部品について、どこから材料を調達して、どういう内容の加工を行ったのかを記録しておかなければならないという話だ。しかも、部品の種類ごとではなく、一点ごとにである。どうしてそういう話が出てくるかといえば、後でトラブルが発生したときの原因追及に関わってくるからだ。たとえば、機体構造材を構成する部品の中に、不適切な加工作業や熱処理を行ったものが紛れ込んでいて、それが原因で破損事故が生じたとする。その破損の原因として、「設計の不備」だけでなく「製作工程の不備」も考えられるのは当然のことだ。すると、製作工程で何をやったのかを記録しておかなければ、そもそも不備があったのかどうか、不備があったとすれば何をどう改善しなければならないのか、といったことが分からなくなる。だから、製作する個々の部品ごとに履歴管理をきちんと行わなければならない、という話になる。もちろん、紙の台帳に記録する方法でも履歴管理はできるが、後で履歴データを検索する作業、あるいは履歴データを複数の関係者が共有する場面では、コンピュータにデータを溜め込んでおく方が効率的になるのは自明の理だ。ちなみにこれは、機体そのものだけでなく、エンジンで使用する部品も同じだ。回転する軸を支えるボールベアリングひとつとっても、ちゃんと「どこから材料を調達したか」「それに対してどういう内容の加工を行ったのかという記録を取っておくよう納入先から求められるし、納入する側はそれに対応していかなければならない。そうなれば、その仕組みを支える情報システムの責任も重いはずだ。○執筆者紹介井上孝司IT分野から鉄道・航空といった各種交通機関や軍事分野に進出して著述活動を展開中のテクニカルライター。マイクロソフト株式会社を経て1999年春に独立。「戦うコンピュータ2011」(潮書房光人社)のように情報通信技術を切口にする展開に加えて、さまざまな分野の記事を手掛ける。マイナビニュースに加えて「軍事研究」「丸」「Jwings」「エアワールド」「新幹線EX」などに寄稿しているほか、最新刊「現代ミリタリー・ロジスティクス入門」(潮書房光人社)がある。
2014年09月29日リンクスインターナショナルは8日、CORSAIR製PCケースの新モデルとして、ケース内部を左右に分割した"デュアルチャンバー設計"採用のキューブ型ケースのマイクロATXモデル「Carbide Series Air 240」を発表した。9日より発売し、店頭予想価格は13,800円前後。ケース内部を左右に分け、片方にはマザーボードやCPU、GPUを、もう一方にはストレージや電源ユニットを配置することで、ファンが取り込んだ空気を熱源に直接当てることが可能で、システム全体の冷却性能が向上する。冷却ファンはフロントに120mmファン×2基、トップに120mmファン×1基を標準で搭載する。オプションとしてトップに120mmファン×1基、ボトムに120mmファン×2基、リアに80mmファン×2基、サイドに120mmファン×1基を追加できる。また、ケースのフロントとボトムにはラジエータの搭載も可能となっている。搭載ベイは3.5/2.5シャドウベイ×6基、2.5インチシャドウベイ×3基。拡張スロットは4基、フロントのインタフェースはUSB 3.0×2、オーディオポート。対応電源はATX、対応マザーボードはマイクロATX / Mini-ITX。本体サイズはW260×D400×H315mm、重量は約5kg。
2014年08月08日富士通エフサスは8月7日、日立製作所の「JP1」における企画・設計から構築、運用・保守までのライフサイクル全般をワンストップでサポートする「FUJITSU Managed Infrastructure Service JP1構築・運用サービス」の販売を開始したと発表した。顧客は、このサービスを活用することで、マルチベンダー環境下において、富士通のアプリケーション、サーバ、ネットワーク機器、PCなどであっても、運用管理ツールとして、富士通の「Systemwalker」だけでなく、日立製作所の「JP1」も利用可能となる。また、ライセンスの調達から、企画・設計、構築、運用・保守までを富士通グループ内でワンストップで提供する。さらに、全国8カ所に設置した富士通LCMサービスセンターを活用し、運用管理のプロフェッショナルが、「JP1」の機能、特長を活かした顧客業務に最適なシステム運用を設計する。本サービスの活用シーンとしては、ジョブ管理(富士通グループが導入するアプリケーションのジョブ管理をJP1/AutomaticJob Management System 3で実施)、ネットワーク管理(富士通グループが導入するネットワークシステムの死活監視や障害管理をJP1/Cm2/Network Node Manager iで実施)、統合管理(富士通グループが導入したシステム(アプリケーション、プラットフォーム、ネットワークなど)の運用管理を、既に利用しているJP1/Integrated Managementでの統合管理に組み込む)、デスクトップ管理(富士通製パソコンの端末管理をJP1/IT Desktop Managementで実施)などを想定している。価格は個別見積もり。同社では、販売目標を今後3年間で10億円(付帯サービス含む)としている。
2014年08月08日Texas Instruments(TI)は3月12日、オンライン設計支援ツール「WEBENCH」を利用して作成した電源回路のカスタム化とシミュレーションを可能にする新機能を搭載したツール「WEBENCH Schematic Editor」を発表した。オンライン設計支援ツール「WEBENCH」は、設計プロセスの簡素化と迅速化に寄与している。その中の「WEBENCH Power Designer」の場合、強力な計算アルゴリズムとSPICEシミュレーション機能を備えており、完全な回路の設計、最適化、シミュレーションをオンラインで迅速に実行できる。今回の「WEBENCH Schematic Editor」では、「WEBENCH」ツールで設計した電源回路に、異なる種類の出力コンデンサ、フィルタ回路、基板寄生容量/抵抗、スナバ回路などを追加できる他、4万点以上にのぼる部品ライブラリから選択して設計のカスタム化が可能となっている。さらに、「WEBENCH」ツールでカスタム化した電源回路のシミュレーションを行った後、Cadence Design Systemsの「OrCAD Capture CIS」、Mentor Graphicsの「Xpedition xDX Designer」などといったのCAD開発プラットフォームへのエクスポートを行うことができる。新機能により、回路の設計/検証に必要な時間をこれまでの時間単位から分単位にまで短縮できるとしている。
2014年03月13日カルチュア・コンビニエエンス・クラブ(CCC)はこのほど、山口県周南市に建設を予定している新たな徳山駅ビルの基本設計と実施設計を内藤廣建築設計事務所に発注すると発表した。同事務所はこれまで、三重県の「海の博物館」、島根県芸術文化センター、日向市駅などの設計を手がけている。周南市が昨年11月にまとめた基本構想によると、「このまちへ来る人へのおもてなしの場」「このまちに住んでいる人たちの居場所」「人が集い楽しむこのまちの賑わいと交流の場」の3つが新駅ビルのコンセプト。基本構想の実現にあたっては、「代官山蔦屋書店」「武雄市図書館・歴史資料館」に代表されるCCCのコンセプト企画力やノウハウなどを活用するため、周南市とCCCとが連携して進めることになっている。新駅ビルは、「駅ビルらしい出会いや集い、そして旅立ち、門出になぞらえたフロア構成」(CCC)になる予定。コミュニケーションが生まれる場としてのカフェ、知の集積としての図書館や書店を中心に、展望スペースや待合室などの交流スペース、地域情報・行政サービス・観光案内などのスペース、商業施設、交番などの機能を持つ複合施設の建設をめざすとしている。2015年度には現駅ビルの解体に着工。新駅ビルの開業は2018年の見込み。
2014年01月30日住宅・建材産業に関する調査・研究および、人材育成等の事業に対し助成・支援する「LIXIL 住生活財団」は、大学生が設計した次世代サステナブル住宅2棟が、環境技術研究施設「メムメドウズ」(北海道広尾郡大樹町)に完工したことを発表した。今回建設された2棟は、同財団が主催した建築競技会において最優秀賞を獲得した作品。副賞として、設計した住宅を実際に「メムメドウズ」内に建設する特典があり、今回の完工を迎えたという。1つ目の住宅「町まとう家」(設計/早稲田大学)は、昨年10月28日に、震災復興支援の一環として、「メムメドウズ」開設に合わせて北海道大樹町で開催された「学生のための住宅デザインコンペ」で最優秀賞を獲得した作品。”震災後の新しい時代にふさわしい新しい家”をテーマに、学生によって設計された住宅で、応募総数77作品の中から選ばれた。もう一方の住宅「BARN HOUSE」(設計/慶応義塾大学)は、今年4月27日に、次世代のサステナブル住宅(環境負荷の少ない、循環型建築)の技術を発信することを目的に開催された「国際大学建築コンペ」で、9カ国・12大学の中から最優秀賞を獲得した作品。同財団は、地元自治体(北海道大樹町)と共に2つの住宅を継続的に支援し、”次世代サステナブル住宅”の実証結果の情報発信を行っていくとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月20日福岡銀行は13日、同行のホームページ上に「ライフプランシミュレーション」(東京海上日動あんしんコンサルティング)のコーナーを開設した。ライフプラン(生活設計)シミュレーションでは、顧客と家族の現在の収入状況や将来の計画などを入力すると、現在から将来にわたる収支計画が「見える化」できるため、将来のライフプランを立てる際の便利なツールになるという。実際にシミレーションすることで、顧客一人一人の将来の資産形成や老後の資金収支などが簡単な手順で試算することが可能。同行の本・支店(東京・大阪・広島・名古屋支店除く)では、顧客に合ったより詳細な現状分析、試算、コンサルティングが可能。ホームページ上および同行本・支店いずれも「ライフプランシミュレーション」は無料で実施できる。同シミュレーションでは、顧客の個人情報を入力することになるが、同シミュレーションにおける診断以外に利用することはなく、入力した個人情報は同シミュレーション画面を終了した際に消去される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月14日リノベーション実例ギャラリーサイト「RENOVATION GALLERY(リノベーションギャラリー)」を運営するドーンは、同社が運営するサイトに参画している設計・施工会社を対象に「リノベーションを検討している消費者に向けたアドバイス、業者のホンネ」についてアンケートを実施。このほど結果を発表した。まず、顧客のリノベーションに対するイメージは具体的な方か良いかどうか尋ねると、73%が具体的な方がいいと回答。その理由として「テーマがあると設計しやすい」「ある程度固めておいてくれれば、そこから膨らませていくので」などのコメントが寄せられた。「こんな感じがいい」というものを決めておけば、具体的ではなくてもプロが色々と提案してくれるという。次に「予算は決まっていた方がいいか」と質問。90%が「YES」、10%が「NO」の答えだった。理由については、「予算が決まっていれば提案しやすい」「決まっていた方がいい。これは一番重要なこと」などの意見があった。さらに「土地や建物が決まってからデザインしてもいいいか?」聞くとYESが64%、NOが18%、どちらとも言えないが18%だった。実際の予算については、「マンションだったら坪25万円~」「工事費を含んで1,000万円前後が多い」「マンション・戸建て問わず500~1,000万円。年々上がっている感じがする」などの意見が寄せられたが、700~1,000万円がボリュームゾーンだという。リノベーションを成功させるコツとして、「“波長や感性が合う”ことは重要」「生活、個性を偽りなく教えてもらうと、ズレが少ない」などの意見が寄せられた。ほとんどの設計士が依頼主とコミュニケーションを多く取りたいと考えており、成功の秘訣(ひけつ)は相性のいい設計士を見つけてとことん話すことや、遠慮せずに何でも相談することだという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月03日ハイアス・アンド・カンパニーは、人生設計を踏まえた最適な住まいと資金のプランのアドバイス能力があることを認定する新資格制度「住宅FPローンアドバイザー」を、本格的に開始する。「住宅FPローンアドバイザー」は、エンドユーザーの人生設計、老後の資金まで踏まえ、最適な住まいと資金のプランをアドバイスする能力を持ち合わせていることを認定するもの。本資格を取るためには、営業研修「FP講座」の受講と、卒業試験の合格が必要。「FP講座」では、「予算」と「時期」というエンドユーザーの二大不安を解消する手法を、実践的なノウハウとして習得する研修を全6講座にわたって行う。講座は、「年収が下がっているから賃貸の方が気楽」「頭金が足りないからもっと貯めてから買おう」といった心理のエンドユーザーに対して、賃貸に住み続けるリスクや、持ち家購入に際して頭金を貯めることによるリスクなどを伝えていく手法を学ぶ内容となっている。「FP講座」への参加にあたっては、同社運営の「リライフクラブ」の会員登録が必要。■「住宅FPローンアドバイザー」概要 ・認定内容:エンドユーザーの人生設計、老後の資金まで踏まえ、最適な住まいと資金のプランをアドバイスする能力を持ち合わせていること。・取得条件:営業研修「FP講座」の受講、卒業試験の合格(※第1回試験は5月25日に実施) ・費用:10,500円(税込み) 【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月09日幼稚園児や児童を持つ親を対象に、子供のはさみを購入する際に重視する要素をアンケート調査したところ、「安全な設計」と答えた人が60%と最も多く、子供のはさみには安全性が最も求められていることがわかった。 2012年1月1日住友スリーエムから、より落下しても刃が開きにくい安全設計を施した学童用はさみ、「スコッチ キッズシザーズ」が発売される。【落下しても刃が開きにくい安全設計】「スコッチ キッズシザーズ」は、刃の形状を刃先に向かってやや内側に湾曲させているため、刃と刃がかみ合い、落下しても刃が開きにくい安全な設計。重量は一般的なはさみの約半分で、軽くて疲れにくく工作にもぴったり。また、通常、右手用のはさみを左手で使う場合、刃の内側を意識して力を入れる必要があるが、「スコッチ キッズシザーズ」は、常に刃の内側に力がかかっているため、左手でも切りやすい。グリップは長時間使用しても痛くなりにくい、ソフトなラバー素材を採用している。お問い合わせ:住友スリーエム株式会社 文具・オフィス事業部TEL 0120‐510‐333(受付時間 平日9:00~17:00)プレスリリース提供元: 日経プレスリリース
2012年01月01日