高齢者を狙った詐欺事件が後を絶ちません。2024年2月には、山口市の70代女性が介護保険の還付金があるとそそのかされ、740万円をだましとられました。同じころ長野県では、60代女性が「300%のリターンが見込まれる」と投資を持ち掛けられ、1600万円の被害に遭いました。これら詐欺の手口は多様ですが、共通点はきっかけが電話だということ。警察庁によると2022年11~12月に起きた詐欺事件の約85%が電話から始まっています。しかも、その約97%が固定電話です。とすると、予防は固定電話から。電話の詐欺対策を紹介します。まずは基本のキ。在宅でも、常に留守番電話に設定して。知人には名前を録音するようお願いしておきましょう。着信があってもすぐに出てはいけません。録音を聞いて知人には折り返し電話をかけ、それ以外の電話は無視しましょう。次は、NTTの「ナンバー・ディスプレイ」の利用です。電話機に相手の電話番号が表示されるので、知らない番号からの電話は出ないように。電話機に知人の番号を登録しておくと、登録名が表示されるのでわかりやすくなります。■自治体の補助の活用で安価に詐欺対策ができるまた、「ナンバー・リクエスト」も詐欺予防には有効です。詐欺師は発信元の番号を隠して電話してくるもの。こうした番号非通知の電話に「番号を通知して掛け直して」とアナウンスして電話を切るサービスです。着信音もならずに、門前払いできて助かりますよ。ナンバー・ディスプレイは月440円、ナンバー・リクエストは月220円と有料サービスですが、電話の契約者が70歳以上、また、70歳以上の方と同居している方は無料で利用できます。すでに利用中の方も申し込めば無料になりますから、お問い合わせを。さらに、迷惑電話防止機能付きの電話機を導入する手もあります。着信したすべての電話に「迷惑電話防止のため録音します」という警告アナウンスが入り、自動で録音が始まります。詐欺師は意外と用心深いので、警告アナウンスを聞いたとたん、あきらめて電話を切るケースが多いようです。ただ電話機の購入には1万円程度かかりますが、補助金を出す自治体もあります。たとえば大分県は県内に住む65歳以上の方、65歳以上と同じ世帯の方に、購入費の3分の2(上限1万円)を補助します。また、愛知県岡崎市では、日中をほぼ65歳以上の方だけで過ごす世帯に、購入費の半額(上限7000円)を補助します。また、大阪市や群馬県前橋市などでは迷惑電話を防止する外付け機器を無料で貸し出しています。電話機につなぐだけで、警告アナウンスと自動録音ができます。お住まいの自治体でも探してみては。とはいえ、機器の取り付けや電話番号の登録さえ、むずかしいと感じる高齢者も多いでしょう。親を詐欺被害から守るため、子ども世代が率先して、電話機の防犯化をサポートしましょう。
2024年03月22日「医療費の払い戻しがある」などと言ってお金をだまし取る「還付金詐欺」が全国的に増えている。2月18日に秋田県湯沢市で60代女性が約100万円を、翌19日には埼玉県狭山市で70代女性が約150万円をだまし取られるなど、被害が相次いでいる。そんな、還付金詐欺について経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。■巧妙なマインドコントロールに注意還付金詐欺の’21年の年間被害金額は前年から約20億円増えて約45億円。被害件数は、前年から倍増して4001件です。この被害件数は、昨年のさまざまな詐欺被害のなかでもっとも多く、47都道府県すべてで発生しています。さらに、被害者の約95%が65歳以上で、その約72%が女性です。還付金詐欺が増えた原因は、コロナ禍で医療費への関心が高いこと、巣ごもりで在宅時間が長く電話を取る人が増えたことなどが考えられますが、高齢女性の被害をどうすれば減らせるのでしょうか。還付金詐欺の手口から見ていきましょう。詐欺師は電話で、「入院費の返金がある」「介護費の払いすぎを戻す」などと持ち掛けます。「先月入院していた」「介護サービスを受けている」などの事情が合致すると、詐欺師の話に引き込まれてしまいます。払いすぎた医療費などの返金は“ありえる”ことだからです。詐欺師はこうしたありえることを積み重ねて信用させ、最後に「ATMの操作で返金される」と誘導します。ですが、ATMで還付金を受け取ることは絶対に“ありえない”こと。これだけを覚えておけば、「おかしい」と気づけるでしょう。そして、いくら急かされてもいったん立ち止まって、家族や警察、消費者センターなどに聞いてみてほしいと思います。こうした還付金詐欺への対策として、ATMでの振り込みを利用していない高齢者には、振込み限度額を低く制限する金融機関も増えています。限度額を超える振り込みができなくなるため、詐欺被害に遭わない、たとえ遭っても被害を少なく抑えるためです。これは個人としても有効な手です。振込み限度額の設定はネットバンキングや店舗に行けばできるので、設定を変えておくと安心でしょう。また、警察庁と金融庁は今年1月から「ストップ!ATMでの携帯電話」を実施。ATMのまわりでは携帯電話を使用しないよう注意を促しています。銀行員が声をかけ、詐欺を未然に防いだケースもあるようです。ところが、2月18日北海道室蘭市では、電話を受けながらATMを操作する70代女性に、別の利用客が「詐欺ではないか」と声をかけましたが、「私は大丈夫」と振り切って被害に遭いました。詐欺師は巧妙です。マインドコントロールに似た状態に陥るのかもしれません。最近は事前に何度か電話をかけ、個人情報を集めたうえで、詐欺電話をかける用意周到なケースも増えています。「だまされてしまう」ことを前提に、対策を打っておきましょう。【PROFILE】荻原博子身近な視点からお金について解説してくれる経済ジャーナリスト。著書に『「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす』(大和書房)、『50代で決める!最強の「お金」戦略』(NHK出版)などがある
2022年03月04日還付金詐欺が、また増加している。還付金詐欺とは、医療費の払い戻しなどを受け取れるとそそのかして、被害者をATMに誘導しお金を振り込ませる詐欺だ。還付金詐欺の被害は’16年に最多を記録したが、警察や金融機関などの対策によって、’20年には’16年より被害件数は半減、被害額も約4割減少していた。ところが、’20年末ごろから増加に転じ’21年1〜4月の件数は前年同期比で約2倍、被害額も11億6,000万円超と83%増に。そんな還付金詐欺について経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■コンビニのATMも携帯電話に要注意!還付金詐欺の具体的な手口はこうです。まず、自治体や税務署など公的機関の職員を名乗り「還付金の期限が迫っている」といった電話がかかってきます。たまたま入院したなど心当たりがあると、「返金はぜひ受け取りたい」と身を乗り出すでしょう。そこで詐欺師は「ATMの操作で受け取る方法がある」とだまし、被害者をATMに行かせて、携帯電話で話しながらATMを操作させます。被害者はお金がもらえると思って指示に従うのですが、実際は被害者のお金が詐欺師の口座に振り込まれるというわけです。冷静になればわかると思いますが、ATMを操作して受け取れるお金などありません。公的機関が個別に電話をかけ、還付金の案内をすることもありません。こうした詐欺に対して金融機関では、高齢者への声かけや、一定期間ATMを使用していない高齢者に振り込みや出金の限度額引き下げなどを行ってきました。指示どおり操作しようとしても思うようにいかず、職員にたずねたら詐欺が発覚したことも多いようです。さらに、ATM付近で携帯電話の利用自体を規制する動きが出てきました。今年4月に多摩信用金庫と城南信用金庫で始まり、徐々に広がっています。また三菱UFJ銀行では、’20年秋以降、警視庁が携帯電話の電波を遮断し通話を止める装置を取り付けている店舗もあるそうです。還付金詐欺は「携帯電話で話しながら」が特徴ですから、「ATM付近は通話禁止」が浸透すれば、詐欺被害は減ると思います。ただ、今度はコンビニATMを利用する詐欺が増えるかもしれません。金融機関のATM付近には職員がいますが、コンビニATMは誰も見ていないからです。やはり詐欺被害を受けやすい高齢者の注意が大切です。たとえば、自宅電話は常に留守番電話にしておくこと。留守番電話のメッセージが流れると、電話を切る詐欺師が多いといわれています。また、お金絡みの電話はいくら急かされても家族か、消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)に相談を。コロナ禍で人々が孤立し、健康や家計の不安が大きいいまは、どんな人でも詐欺に遭いやすいものです。「私は大丈夫」と甘く見ず、ご用心を。高齢の親御さんにも、注意するようお声がけください。
2021年07月02日毎年、年末調整と聞くと還付金がいくらなのかを楽しみにしている人が多いように、還付されることが当たり前のようなイメージがあるのではないでしょうか?しかし年末調整とは、1年を通して勤務先で差し引いた所得税額を正しい税額に精算する手続きのため、還付額が発生するだけではなく、過不足額といって逆に税金を追加で徴収される場合もあります。このため給料明細が還付金というプラスの項目でなく、過不足額というマイナスの金額で計算されても一概に間違いであるとは言い切れません。それではどのような場合に過不足額が生じるのでしょうか?この記事では詳細について紹介していきます。給与から所得税が差し引かれる理由一般的に給与が毎月支給される場合は、それに伴って源泉の控除額が発生しています。それではそもそも給与から所得税が差し引かれるのはなぜでしょうか?ここではその理由について解説していきます。なぜ源泉の控除額が発生するのか上記でも少し触れましたが、給与から所得税が控除されるのはなぜでしょうか?考えられる理由として、一般的に国としては税金をなるべく先に徴収したいという考え方であると言われています。そのため個人の方全員の所得税を確定申告で処理する形になってしまうと、少なくとも翌年になるまで所得税を徴収できない形となってしまうので、所得税を徴収する時期がだいぶ遅くなってしまいます。また個人の方全員が所得税を年末以降に確定申告によって納付する形では、個人の方々の手続きも煩雑になってしまいます。そこで法人や個人事業主などの事業所に勤務している人については、原則として会社で毎月源泉税として所得税を納付してもらう形をとることが国としては望ましい形となります。源泉税の納期の特例ただこの形でもやはり事務手続きが煩雑になってしまうため、特例として従業員の人数などの要件を満たすことによって、毎月の源泉税を毎月納付ではなく、半年に1回源泉税を納付すればよいという納期の特例が認められています。このように事前に給料から所得税が差し引かれることによって、毎月1回や半年に1回所得税を納めてもらうことができれば、国としては所得税の税収の確保が楽になります。一方個人の方々にとっても確定申告をするほどには手間はかかりません。こうして考えてみると給与からの所得税の控除は、国にとっても個人の方にとっても双方にメリットがある仕組みになっていると言えます。年末調整による所得税の精算額上記で法人や個人の事業所で所得税を差し引いて、毎月1回や半年に1回まとめて源泉税として国に納付するという話を解説しました。それでは、よく聞く年末調整とはどのような手続きなのでしょうか?年末調整のやり方としては、個人の1年間の1月から12月までの収入に対する本来の税額を計算し、同時にその人の1月から12月までに給与から差し引かれた税額を集計します。次に、本来の税額と差し引かれた税額の2つの税額を比較します。その際、本来の税額が差し引かれた税額よりも少なければ還付となり税金が戻ってきます。一方、本来の税額が差し引かれた税額よりも多ければ、税金に過不足が生じている形となり所得税が追加で徴収されます。年末調整のまとめこのように年末調整とは、個人の1年間の収入に対する本来の税額を計算し、最終的にその人の1年間の給与から差し引かれた税額を本来の税額に調整する手続きのことをいいます。所得税額に過不足金が生じる原因それでは年末調整の際、所得税額に過不足金が生じる原因とはなんでしょうか?ここでは考えられる原因について解説していきます。収入に対して源泉徴収された金額が少ない扶養親族の人数の変更社会保険料等の支払額が前年より少なくなっている保険などの支払額が前年より少なくなっている収入に対して源泉徴収された金額が少ない過不足金が生じる原因の1つとして、単純に収入に対して源泉徴収された金額が少ないことが考えられます。例えば法人や個人の事業所のその年の業績が良かった場合、賞与などの支給によって従業員に還元されることがあります。その場合、賞与が支給されたために1年の合計の収入が上がってしまい、支給時に源泉徴収された金額では少なくなってしまうことがあります。このような場合に年末調整の計算をすると、源泉徴収された金額が本来の税額より少なくなってしまうため過不足金が生じてしまうのです。扶養親族の人数の変更過不足金が生じる原因として、扶養親族の人数が変更になった場合を挙げることができます。よくあるパターンとしてはご主人と奥様が共働きの場合、収入によっては控除額が減ってしまう形になるため税額に影響してきます。一例として配偶者控除を例にすると、ご主人の年収が1,120万円で奥様の年収が103万円以内であれば、配偶者控除の範囲なので扶養の範囲という形となります。一方別の例として、子供がアルバイトなどで年収103万円を超えてしまった場合は、扶養から外れてしまう形になります。上記のように年収の要件によって、扶養親族の人数が変更になってしまう他、子供が一人暮らしをするために出て行ってしまったといった場合も扶養親族の人数が変更になってしまうこともあります。このように過不足金が生じる様々な原因があるため、上述した通りマイナスになっているからといって年末調整が間違っているわけではないのです。社会保険料等の支払額が前年より少なくなっている過不足金が生じる原因として考えられるものが、前年の条件と今年の条件が異なっている場合が挙げられます。この中で大きいのが社会保険料の支払額ではないでしょうか。社会保険料の控除額は支払金額がそのまま控除できるのですが、例えば前年には支払を忘れていた国民健康保険料や国民年金保険料などを余分に納めていたが、今年は就職も決まり、社会保険料は事業所で加入したという方がいたとします。この場合は前年の社会保険料の支払額が、今年の社会保険料の支払額を上回っている可能性があるため、結果として社会保険料の控除額が少なくなるということが考えられます。以上のような場合も年末調整で過不足額が生じることが考えられます。保険などの支払額が前年より少なくなっているまた民間の生命保険などの契約を変更した場合も、もちろん過不足額が生じる原因となります。保険料控除については計算の上、最大12万円を控除することができますが、何かの契約を見直してその保険を解約してしまったという場合は、最大で取れる控除額が少なくなってしまう可能性が当然あります。このように年末調整では還付が当たり前ではなく、いくつかの過不足が発生するケースも考えられるので、過不足になったからといってすぐにミスがあるとは考えないで原因を探ってみることをおすすめします。[adsense_middle]勘違いしやすい、年末調整で処理できない項目年末調整で処理できない項目は、ほとんどの場合、最終的には自分で確定申告をしなければいけません。例として初年度の住宅ローン控除が挙げられますが、年末調整で処理できると勘違いしやすいけれど、実は年末調整では処理できない項目には他に何があるでしょうか?ここでは年末調整で処理できない項目について簡単に紹介していきます。初年度の住宅ローン控除ふるさと納税の控除医療費控除の処理雑損控除の処理初年度の住宅ローン控除初年度の住宅ローン控除については、年末調整では処理できないため確定申告をしなければいけません。住宅ローン控除の確定申告については必要書類も多いため、できれば税理士などの専門家に依頼することをおすすめしますが、2年目からは年末調整で処理できるため、手続きとしては楽になります。ふるさと納税の控除ふるさと納税の控除についても、年末調整では処理することができません。主な理由として該当年の12月31日までに、ふるさと納税として寄附された1年間の総額が対象となるためです。そのためふるさと納税の控除を受けるためには、自分で確定申告をする方法や、ワンストップ特例制度を利用する方法などがあります。医療費控除の処理医療費控除の処理についても年末調整では処理することができません。こちらも主な理由として、該当年の12月31日までに医療機関などを利用した1年間の医療費の総額が対象となるためです。このため医療費控除についても、自分で確定申告をする方法や、医療費控除の特例にあたるセルフメディケーション税制を利用する方法などがあります。雑損控除の処理災害などで予期せぬ支出があった場合、内容によっては雑損控除という控除が認められる場合があります。こちらも年末調整では処理できないため、自分で確定申告をして処理する必要があります。年末調整で処理できない項目のまとめ以上のように年末調整は、言い換えれば簡易的な確定申告のようなものなので、処理できない項目も多くあります。年末調整で処理できない項目の多くは、自分で確定申告をするのも煩雑になってしまいがちです。もし自分で確定申告するのは難しいと思うようなら、多少の費用を覚悟しても専門家への依頼を検討することをおすすめします。確かに費用はかかってしまうかもしれませんが、本来確定申告を自分でした場合にかかる時間の節約ができると考えると費用以上のメリットがあるのではないでしょうか。年末調整にマイナスが出る理由に関するまとめ今回の記事では、年末調整で過不足額が生じてしまう理由について紹介しました。上述した通り、年末調整のイメージとして還付されることを考えてしまう人が多いかと思いますが、年末調整の条件によっては過不足額が生じてしまうこともあります。還付されるのを楽しみにしていたにもかかわらず、過不足額が生じて逆に徴収になってしまうと、何か年末調整にミスがあったのではないかと疑ってしまうこともあるかもしれません。しかし、意外にもちょっとしたことで過不足額が生じてしまう場合もあります。今回の記事を参考に、まずは過不足額が生じた原因を探っていただければと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
2019年11月13日こんにちは、婚活FP山本です。一般的な会社員なら年末調整で還付金がもらえることが多いですが、「もらえる時期」が気になる方もおられますね。中には「もっと欲しい」と考える方もいますから、関心の高さが伺えるとも言えるかもしれません。年末調整の仕組みを知れば、実際に還付金を増やすことができるかもしれませんよ。そこで今回は、年末調整の還付金がもらえる時期や仕組み、ポイントなどについてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。還付金がもらえる時期は「1月前後」まずは年末調整の還付金がもらえる時期についてお伝えします。結論から言えば、明確なものは実は分かりません。勤め先の会社次第とも言えます。実は年末調整の還付金は、支払い時期や方法について特に定められておらず、会社に委ねられているわけです。ただそれでも、一般的には「1月前後」に支払ってくれる会社が多いと言えます。厳密に言えば、1月の給料支払いと同時に還付金も合わせて支払う会社が多いです。とは言え、中には12月の給料に合わせるところもあれば、2月になるところもあるのが実情と言えます。給料と同時ではなく、還付金だけ別に支払っている会社もあるので、本当に会社次第です。ひとまず、おおよその目安として「1月頃にもらえる」と覚えておくと良いでしょう。手続きする時期でも返還時期は変わってくる年末調整の還付金は、勤め先が手続きする時期でも返還時期は変わってきます。シンプルに、早めに手続きする会社は返還も早く、遅い会社は返還も遅いのが一般的です。勤め先の事務処理速度によっては、早めに着手したのに完了や還付が遅くなる可能性も考えられます。いずれにしても、年末調整の還付金がもらえる時期は少し不明瞭です。このため、この還付金をアテにした「何らかの支払い予定・計画」を立てるのは控えたほうが無難と言えます。年末調整の内容は払い戻し・返金だけではない合わせて、年末調整についての注意点もお伝えします。確かに、年末調整では還付金がもらえることが多いのですが、年末調整の内容は払い戻し・返金だけではありません。場合によっては「不足額の調整」として、支払いとなるようなことも十分にありえます。年末調整の内容が支払いになってしまうようなケースとしては、ざっくり以下のようなケースです。年内に急激に年収が上がった途中入社した配偶者や子が働きだした(扶養控除から外れた)去年と特に何も状況が変わっていない中でなら、突然に支払いになるようなことは考えにくいです。しかし上記のような「急激な一定の変化があった時」には、年末調整で支払いになるような可能性が高まると言えます。求められたら、しっかり応対するようにしましょう。翌1~2月で分割払いもできる年末調整で還付ではなく徴収される場合は、「年末調整をする月の給料で清算」という形で支払います。つまり、この場合も自動的に源泉徴収されてしまうわけですね。あなたとしては手間がかからないのでラクかもしれませんが、実質的に給料が減るわけですから、注意しましょう。なお、清算額が多い場合(給料が70%未満になるような場合)は、一定の手続きの元、翌1~2月での分割払いにしてもらうこともできます。念のため、覚えておきましょう。年末調整とは源泉徴収した所得税の清算ここからは、年末調整の仕組みについてお伝えします。年末調整とは、簡単に言えば「簡易的な確定申告」であり「所得税の清算」です。というのも、会社員は毎月「源泉徴収」という形で給料から所得税を差し引かれます。しかし、この毎月の所得税は仮払いのようなものなのです。あくまで仮払いだからこそ、年末には正確な所得税額を計算して、差額を清算しなければなりません。それが年末調整になります。つまり、年末調整の還付金というのは、収めすぎた所得税の払い戻しという意味合いです。まただからこそ、時には支払わなければならない所得税が源泉徴収では徴収しきれていないケースもあり、そんな時には追加で所得税を納めることになります。ひとまず、このような年末調整の仕組みについて覚えておきましょう。扶養控除の変化や控除額の増減など色々ある毎月の所得税額と正確な所得税額がズレるのは、極めて普通です。なぜなら、徴収する会社もあなたの全てを知っているわけではありません。それに、扶養控除が変化したり控除額が当人の都合で増減したりすることもよくあります。状況が変化する度に毎月の所得税額を変えるのは、それこそ手間でしょう。年末調整は、当人にとっても会社にとっても、そして税務署にとっても納税を簡易にするための制度です。制度の趣旨を理解し、こちらも合わせていきましょう。税金の計算式を知れば還付金額も増えるかも?会社員の所得税は、ざっくり以下のように計算します。年収から「給与所得控除」を差し引く1から「14種類の所得控除(当てはまる場合)」を差し引く2に税率を掛ける年末調整では、上記の計算式で正確な税金額を計算し、源泉徴収した額との差額を清算するわけです。そして税金は、「14種類の所得控除」を差し引けるほどに割安になります。つまり、この所得控除を増やす努力をすれば、還付金額も増やせるかもしれません。なお、所得控除の代表例は以下の通りです。基礎控除:38万円(誰でも差し引ける)配偶者控除:1~38万円(結婚相手の年収による)生命保険料控除:最大12万円(加入中の生命保険次第)所得控除は、本人の事情で自動的に使えるものもあれば、自主的に増やせるものもあります。少しずつ学んでいくのも良いのではないでしょうか。年末調整の内訳も少しずつ学ぼう年末調整の内訳は、「簡易的な確定申告」です。つまり、元となる確定申告や税金のことを知るほどに、自分に有利になるようにすることもできます。年末調整とは還付金がもらえる手続き……などと考えるだけで済ませておくのは、あまりに勿体ないかもしれません。税金と聞くと、つい「難しそう」と捉えてしまい、考えることすら拒否する方も多いですが、自分の得になると思えばいかがでしょうか?実際に還付金が増えれば喜べるでしょうし、ぜひちょっとずつでも学んでいくことをおすすめします。「ふるさと納税」も還付金を増やす方法の一つ!今度は、さらに還付金を増やす方法についてお伝えします。先ほど触れた通り、基本的な還付金を増やす方法は「所得控除を増やす」です。しかし最近では様々な方法があり、以下の方法でも還付金は増えます。「ふるさと納税」をする(寄付金控除)「iDeCo(個人型確定拠出年金)」をする(小規模企業共済等掛金控除)確定申告をする(医療費控除や雑損控除が使えるようになる)現在のふるさと納税は、一定の手続きをすれば年末調整でもすることができます。iDeCoは簡単に言えば「投資行為」なので、イヤがる人も多いですが節税効果は高いです。会社員でも確定申告はできますし、チャレンジするなら使える所得控除も広がります。ひとまず、ふるさと納税は返礼品ももらえますから人気も高いです。まずはこのあたりから始め、できればiDeCoにもチャレンジし、少しずつ還付金を増やしていくのはいかがでしょうか。黙って何もしない人が一番損をする例えば生命保険に加入したとしても、それを申告せずに黙っていれば未加入と見なされます。先ほどのふるさと納税やiDeCoは、自主的にやった人だけが恩恵を受けられるわけです。結局のところ、黙って何もしない人が一番損をすることになるのが税金であり年末調整です。普段は仕事で頭がいっぱいかもしれませんね。しかし今は、どんなに仕事をがんばっても中々年収が上がらない時代です。こういう時代だからこそ、少しでも得を増やすために別のことにもチャレンジしてはいかがでしょうか。[adsense_middle]あなたは年末調整の還付金をどう使う?最後に、ぜひとも少し考えて頂きたいことをお伝えします。あなたは年末調整の還付金を、どのように使う予定でしょうか?生活費の補てん、貯金、豪遊……使い方は様々ですし自由です。特に最近は低年収な人も多いですから、すぐに無くなってしまう方もいるかもしれませんね。一方で今回お伝えしたように、税金の勉強をすれば還付金を増やせる可能性が出てきます。同様に「投資の勉強」をすれば、お金を増やせる可能性が出てくるわけです。投資するには「投資金」が必要となります。投資以外であっても、意外と勉強にはお金が必要です。お金は、直接的な生活に使うばかりではなく、未来のための先行投資に使うこともできます。何も考えなければ、いずれ生活費として消えるだけでしょう。ぜひ還付金が入ったタイミングで、このお金をどう使うか強めに考えてみてはいかがでしょうか。できれば未来を改善するために使おう!年末調整の還付金は、ある意味で「第二のボーナス」とも言えます。余裕が少ない人ほど、たとえ少額であっても「少しは物事を考える余裕ができる瞬間」です。相応に余裕がある人でも、お金のことが少しは気になる瞬間とも言えます。今は「老後資金として2000万円必要」などと言われている時代です。誰もが、将来的に困窮する可能性があります。せっかくの年末調整の還付金ですから、できれば未来を改善するために使って頂きたいところです。年末調整の還付金は「お金の勉強」に最適!勉強を嫌う方も多いですが、「実際の利益になること」ならいかがでしょうか?年末調整自体、知ることが勉強になりますし、還付金を勉強に使うこともできます。勉強はモノを知って覚えるだけでなく、深く考えて新たなモノを生み出せる可能性も秘めている行為です。ぜひ年末調整や還付金を、「最初のお金の勉強」と考えてみて下さいませ。
2019年10月23日「あのさ、オレだけど……」と、息子を装う電話で金銭をだまし取る詐欺が、警察庁に「オレオレ詐欺」と命名され早15年。現在、その手口はますます巧妙になり、還付金がもらえると偽り金銭をだまし取る還付金詐欺や、スマホのデータ通信料の架空請求など、「特殊詐欺」と呼ばれる犯罪は増加の一途をたどっている。また、事前に家族構成や資産状況を聞き出して詐欺をはたらく「アポ電詐欺」では、凶悪なケースが目立ち、2月には、東京都江東区で80歳の女性がアポ電を受けた後に強盗に押し入られ、殺害されるという事件も発生した。警察庁の最新の統計によると、特殊詐欺による昨年の被害総額は約356億円。1日あたり、1億円近い被害が出ていることになる。詐欺や消費者問題に詳しい藤本大和弁護士は、被害者像をこう説明する。「とくに狙われやすいのは家庭にいる中高年女性。日中、詐欺師による電話や訪問を受け、詐欺に遭ってしまう。自分が財布のひもを握っているため夫にも相談できず、弁護士に助けを求め駆け込んでくる女性が後を絶ちません」昼間に一人で家にいるからこそ狙われる。そんな詐欺の具体的な手口を紹介。知識こそがあなたを守る一歩となる。【点検商法】狙われているのは“水回り”と“家の強度”家の外壁や床下のシロアリの点検をするからなどといった口実で訪問してくるのが典型的なやり口。「屋根の瓦が傾いています。地震が来たら崩れますよ」などと不安をあおり、高額な工事の契約を迫る。「すぐに直さないと危ないと思われがちな、水回りや家の強度に関する箇所を狙います。とくに地震や災害の後はこの手の詐欺が増えるので注意」(藤本弁護士・以下同)【還付金詐欺】“お役所仕事”に電話手続きはありえない医療費の過払い金があるなどと電話で嘘を言い、ATMで還付金受け取りの手続きを指示するが、実際は詐欺グループの口座にお金を振り込ませる手口。「そもそも公的な機関での手続きは、役所に出向いて必要な書類をそろえ、ハンコを押してと手のかかるもの。電話とATMだけで簡単に還付金を受け取れることはありません」【元号詐欺】銀行員は小口の取引でわざわざ家まで来ない「改元に伴い、キャッシュカードの交換が必要。今から担当の者を向かわせます」と銀行協会を名乗る人間から電話があり、実際に家にやってくる。言われるがまま通帳とカード、暗証番号まで渡したら最後、口座の預金は詐欺師のものに。「銀行は小口の取引で個人宅を訪問することはありません。冷静になって怪しいと判断を」【ワンクリック詐欺】怪しいメッセージは対応せずに放置すべしパソコンやスマホの操作中、なにげなくウェブ広告をクリックしたら、突然、料金の請求画面が現れた。「これはワンクリック詐欺の手口の1つ。クリックしただけで支払い義務が発生することはありません。請求画面が現れても応じず放置すれば大丈夫です。問合わせ先の電話番号が表示されても、絶対に連絡しないでください」
2019年05月24日確定申告は、個人の方を対象にした1年間の税金精算手続きであり、確定申告をする期間は、原則として2月16日から3月15日までとあらかじめ決まっています。また、会社員や公務員をはじめとした給料の支給を受けている方が対象となる年末調整も確定申告と同じように、個人の方を対象にした1年間の税金精算手続きにあたるのですが、時として、会社員や公務員でも確定申告をしなければならない場合があることも確かです。そこで本記事は、広く多くの方が抱えている確定申告の疑問を解決できるように、総合案内記事として、確定申告の基本から手続き・控除・還付金まで知りたいポイントをまとめて紹介していきます。確定申告とはどのような手続き?国税庁 平成30年分確定申告特集 セルフメディケーション税制の概要・手続などセルフメディケーション税制の対象医薬品であるかどうかは、医薬品を購入した後に受け取るレシートに記載されているため、それを見ることによって、セルフメディケーション税制の対象であるかどうかが確認できます。国税庁平成30年分確定申告特集セルフメディケーション税制の概要・手続などまた、上記イメージ図のように、一部の対象医薬品については、医薬品のパッケージにセルフメディケーション税制の対象である旨を示す識別マークが掲載されているため、医薬品の購入前にパッケージを確認するのも効果的です。なお、セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、必要書類を添えて確定申告をする必要があるのですが、詳細は、以下の通りです。医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)手続きに必要な書類セルフメディケーション税制を適用し計算した確定申告書セルフメディケーション税制の明細書一定の取組を行ったことを明らかにする書類(提示でも可能)医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)手続きに必要な書類は、上記3つになるのですが、特に、注意が必要なポイントとして、セルフメディケーション税制の明細書を添付すること、一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類を添付または提示することになります。セルフメディケーション税制の明細書は、1年間に支払ったセルフメディケーション税制が対象になった医薬品購入費用がわかるようにするための明細書のことをいい、レシートなどを基に明細書へ記入していく必要があります。国税庁セルフメディケーション税制の明細書の様式と記載例これは、従来の医療費控除を適用する場合と手続きは同じになりますので、これまで医療費控除の適用を受けたことがある方であれば、さほど大きな変化に感じないと思われます。なお、一定の取組を行ったことを明らかにする書類とは、以下のいずれかの書類となります。インフルエンザの予防接種や定期予防接種の領収書または予防接種済証市区町村のがん検診の領収書または結果通知表職場で受けた定期健康診断の結果通知表特定健康診査の領収書または結果通知表人間ドックやがん検診をはじめとする各種健診(検診)の領収書または結果通知表上記いずれかの書類は、原本ではなく写しで差し支えないことになっているため、会社員や公務員などの方であれば、1年に1回、勤務先が行う健康診断の結果通知表の写し(コピー)を提出する確定申告書に添付するのが最もわかりやすく簡単でしょう。確定申告で住宅ローン控除の適用を受けるには?住宅ローン控除とは、金融機関などから住宅ローンを借入して住宅購入をされた方が、一定の条件を満たし、確定申告など、所定の手続きを行うことで受けられる税金の優遇制度です。住宅ローン控除は、住宅ローンの借入から最大で10年間に渡って税金の優遇を受けられる制度なのですが、初めて住宅ローン控除の適用を受けるためには、1年目(初年度)のみ確定申告をしなければなりません。この時、確定申告で住宅ローン控除の適用を受けるために必要な書類は、かなりの種類があるため、確定申告期間前にあらかじめ準備をしておくことが望ましいほか、実際に購入した住宅が新築なのか中古なのか、などによっても必要書類が異なる特徴もあります。そのため、住宅ローンを借入して住宅購入をされた方で、初めて住宅ローン控除の適用を受ける場合は、以下、確定申告で住宅ローン控除を受ける方法を確認し、必要書類から申請時期も一通り確認されることをおすすめします。確定申告で住宅ローン控除を受ける方法をご紹介。必要書類から申請時期まで疑問を一気に解決します確定申告をした還付金は、いつ返ってくる?確定申告をすることによって、これまで解説を進めてきた各種控除を適用できることにつながりますので、特に、会社員や公務員をはじめとした給与所得者の場合ですと、所得税の還付と翌年度に納める住民税の軽減効果が得られます。この時、確定申告をすることによって所得税の還付金が、いつ返ってくるのか気になる方も多いと思うのですが、これは、確定申告を行った時期や確定申告を行った方法によって大きく左右されます。たとえば、確定申告を行う方法には、ネットで行う方法、確定申告書を作成して郵送で行う方法、申告会場に行って確定申告を行う方法など、さまざまな方法があり、これらの方法のうち、少なくとも、ネットを活用したe-Tax(電子申告)で確定申告をする方法が最も早く所得税の還付金が戻ってきます。なお、所得税の還付金や還付金の計算方法をはじめ、還付金をできるだけ早く返してほしい場合の対応方法などにつきましては、以下、記事で詳しく解説をしておりますので、合わせて読み進めてみるのも良いでしょう。確定申告をした還付金は、いつ返ってくる?気になる所得税の還付金について徹底解説!確定申告と青色申告の関係性について自営業者をはじめ、アパートや土地、貸家などの不動産を貸付することによって収入を得ている個人の方などは、基本的に毎年、確定申告をすることになりますが、青色申告と白色申告について確認しておくことは、とても大切です。そもそも青色申告とは、不動産所得、事業所得、山林所得のある人が、1月1日から12月31日までの1年間における収入や必要経費を正しく計算し申告することによって得られる税金の優遇制度のことで、白色申告に比べてさまざまな特典を得られる特徴があります。ただし、青色申告をするためには、税務署に対して一定の手続きが必要であり、たとえば、これまでの確定申告において、白色申告をしてきた方にとってみますと、確定申告の終了期間にあたる3月15日までに提出しなければならない必要書類があります。青色申告は、白色申告に比べて得られるメリットが圧倒的に大きいため、現在も白色申告で確定申告をしている方をはじめ、すでに事業を始めて税務署への必要書類を提出されていない方などは、以下、記事を読み進めていただきまして、青色申告の手続きを行われることを強くおすすめします。確定申告をする上で知っておきたい青色申告とは?青色申告者になるための手続きやメリットも合わせて紹介確定申告まとめ本記事は、広く多くの方が抱えている確定申告の疑問を解決できるように、総合案内記事として、確定申告の基本から手続き・控除・還付金まで知りたいポイントをまとめて紹介させていただきました。ご自身にとって必要な詳細情報を、それぞれの記事リンクから読み進めていただきまして、今後の確定申告にお役立ていただけましたら幸いです。確定申告は、職業を問わず、個人の方が1年間に得た収入(所得)についての税金精算手続きとなりますが、正しく申告することで、納めすぎた税金の還付を受けられる場合がほとんどです。特に、会社員や公務員が確定申告をする場合は、そのほとんどが還付申告とも呼ばれるほど、本来納めるべき税金が少なくなったことによって所得税の還付が得られるケースが極めて多い傾向にあります。確定申告をしなければ適用をすることができない所得控除もあり、特に、医療費控除や医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)、寄附金控除(ふるさと納税を含みます)は、いま一度、どのような場合に適用できるのか、確認されてみることをおすすめします。
2019年01月31日「春は、新しい生活が始まり、保険の加入を検討する方も多いと思います。最近は、自分が亡くなった後に払われる『死亡保障』より、生きている間の入院や手術などへの保障を充実させる傾向があります。そのため『医療保険』が注目を集め、一風変わった特徴的な商品も登場しています。そのなかに“払い込んだ保険料が全額戻ってくる”という医療保険があります」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。そもそも医療保険は、大きく分けて2種類ある。1つは「掛け捨て保険」で、最近の主流だ。病気などにならなければ、保険金は一切出ないが、その分、保険料は安く抑えられている。もう1つは「貯蓄性保険」。病気などによる保険金受給がなかった人に、多少の満期保険金や解約返戻金が出る。保険料は、掛け捨て保険より高めだ。 「前述の『保険料が全額戻る保険』は貯蓄性保険に分類されますが、戻ってくる額が違います。保険金受給のない方には、それまでに払った保険料の100%が、『健康還付給付金』として支給されるとうたっているのです。ただし契約開始から少なくとも20年後、あらかじめ設定した年齢に生きていることが条件です。病気などで保険金を受け取った方も、設定した年齢に存命なら、払った保険料総額からもらった保険金を引いた差額が、健康還付給付金になります。受給額を合わせると、払った保険料と同額になるので“全額戻る”と宣伝されているのです」 そこで、“払い込んだ保険料が全額戻ってくる”と宣伝されている、東京海上日動あんしん生命の「メディカルkitR」を例に、荻原さんが3ステップで検証。 【1】払う保険料総額と、受け取る保険金を計算する 月々の保険料は、ホームページでシミュレーションできる。たとえば50歳女性で入院日額5,000円なら、保険料は月4,874円となった。 「50歳で加入し、健康還付給付金を受け取る70歳まで20年間の保険料総額を計算してみましょう。4,874円×12ヵ月×20年間=116万9,760円です。また、受け取る健康還付給付金も、シミュレーションに記載されています。このケースでは、114万2,400円という結果でした。払った保険料全額が戻るというのに、計算が合いません」(荻原さん・以下同) 荻原さんが電話で問い合わせると、健康還付給付金は主契約である入院保障や手術保障の保険料が対象だとのこと。 「つまりシミュレーションには、先進医療特約が含まれていて、その保険料、月114円の20年分、2万7,360円が誤差になっていたのです。自分で計算したことで総額の違いに気付き、そこから特約保険料は戻らないことがわかりました。これらは小さな文字で説明されているので、見落としがちな情報です」 【2】さまざまなケースを考える 70歳までに亡くなったら、どうなるのか。 「問い合わせてみると、『健康還付給付金を受け取る前に亡くなった方には、解約返戻金を支払う』と言います。多くの医療保険に付帯される『死亡保障』がなく、確実に損になる解約返戻金しか受け取れないことがわかりました。このように宣伝されていない部分に、素朴な質問を投げかけてみると、デメリットが明るみに出ることもあります」 【3】ほかの保険や手段と比較検討する 一般的な医療保険なら、保障額などの条件を合わせて他社と比較する。だが、この保険は貯蓄性がセールスポイントなので預貯金と比較。 「問題は、健康還付給付金の受給まで、20年かかることです。長期間ですから、リストラなど病気以外の不測の事態で、お金が必要になることがあるかもしれません。その際、保険を中途解約すると損をするのは、皆さんご存じのとおりです。預貯金は今、超低金利でほとんど増えませんが、途中でやめても元本が減ることはありません」 また、インフレで金利が上がっても、預貯金なら預け替えが簡単だが、保険はそのまま保有するしかない。 「この3ステップは簡単で、どんな保険でも使えます。まずは自分で計算することから、実践してみてください」
2018年03月23日今月3日、今年上半期の特殊詐欺による被害状況を警察庁が発表した。それによると、「振込め詐欺」などの特殊詐欺は、この半年間で8,863件(未遂を含む)。昨年の同じ時期と比べると、2,421件も増加しており、約1.4倍になった。被害額は186億8,000万円で、’14年をピークに減少傾向ではあるが、依然として莫大な金額だ。 「こうした詐欺の被害は、高齢者に集中しています。特殊詐欺被害者の71.9%が、65歳以上の高齢者です」 そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。特に、発生数のもっとも多い「オレオレ詐欺」では、被害者の95.9%が高齢者。発生数第3位の「還付金詐欺」でも、95.0%が高齢者だ。 「つまり、高齢者を特殊詐欺から守ることが、全体の被害減少にもつながるのです。警察と金融機関は連携して、高齢者への声かけや、注意アナウンスを流すなどの対策をとっています。なかでも、最近ではATMの振込み制限を行う金融機関が増えてきました。これらの取り組みが功を奏し、今期は、8,833件の詐欺を未然に阻止しています。実際にお金をだまし取られた8,338件を上回り、年々、阻止できるケースが増えています。とはいえ、まだ8,000件以上が被害を受けていますし、昨年より、被害件数は増えています。私は、最近のタンス預金の増加が、一因ではないかと思っています」(荻原さん・以下同) 第一生命経済研究所によると、今年2月時点のタンス預金は43兆円。3年間で約3割も増加している。 「超低金利時代で、銀行に預けても利息はすずめの涙ほど。それなら手元にあるほうが安心、便利と考える方も多いのでしょう。しかし、多額の現金が手元にあると、詐欺電話がかかってきた場合でも、金融機関に出向く必要がありません。誰とも会わず、自分一人の判断でお金を渡せるので、被害防止がむずかしくなります。多額の現金は、金融機関に預けましょう。盗難や悪質な訪問販売などのリスクもあります。ご高齢の親御さんがいる場合は、話し合ってみてください」 また、内閣府の調査(’17年3月発表)では、「自分は詐欺被害にあわない」と回答した人が39.6%。「どちらかといえば、被害にあわない」を含めると80.7%の人が、自信を持っているという結果が。 「年代別に見ると、30代以上では高齢になるほど自信のある方が増えていき、70歳以上では50.7%が『被害にあわない』と回答。どの年代よりも多くの方が、詐欺被害は人ごとだと思っています。子ども世代は高齢者のこうした実態をよく知って、マメな連絡を心がけたいものです。なにより大切なことは、高齢者が一人で判断しないこと。何かあったら、信頼できる人に必ず相談してください」
2017年08月25日三菱東京UFJ銀行は11日、同行行員に成りすまし、「医療費」「税金」などの還付金があるとしてATMコーナーへ誘導する不審な電話に注意するようにと発表した。同行行員を騙り、「医療費」「税金」などの還付金があるとして、顧客を同行ATMもしくはコンビニATMコーナーに誘導し、言葉巧みに振り込みを行なわせる還付金詐欺被害の情報が寄せられているという。同行行員ならびに行政機関の職員から、還付金があるとしてATMコーナーへ誘導することは絶対にないとしている。もしこのような不審な電話を受けた場合は、最寄の警察および営業店に相談するようにとしている。
2015年03月12日住信SBIネット銀行は9日、還付金詐欺被害を積極的に未然防止したとして、千葉県行徳警察署から「感謝状」を受領したと発表した。住信SBIネット銀行は、警視庁をはじめ、各都道府県の警察に協力し、口座の不正利用による被害の未然防止に努めているという。また、2014年11月には金融犯罪対策部を独立部署として設置し、増加傾向にある金融犯罪への対応をさらに強化している。住信SBIネット銀行は、今後とも、関係各機関と密接に連携し、金融犯罪の被害防止に努め、顧客が安心して利用してもらえる環境を整えていくとしている。
2015年03月11日2014年4月、消費税が5%から8%に上がりました。「5%のうちにマイホームを買っておけばよかった・・・」と悔やんでいるあなたに、お伝えしたい3つの制度があります。それは、「住宅ローン減税の拡充」「すまい給付金」「住宅取得等資金贈与の特例」です。いずれも活用するには条件を満たす必要がありますが、使い方次第では増税前に購入するよりも有利なケースも。事例等をもとに、3つの制度の賢い使い方を、2回にわたってアドバイスしていきます。今回の【前編】では、「住宅ローン減税」と「すまい給付金」について解説します。最大控除額が2倍になった「住宅ローン減税」住宅ローン減税は、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といいます。住宅ローンを組んでマイホームを取得した場合に、一定期間、住宅ローン残高の一定割合が所得税から控除されます(所得税が控除額より少ない場合は、住民税からも控除されます)。居住の時期や住宅の種類等によって、住宅ローン減税が受けられる期間や適用割合、最大控除額等は異なります。たとえば、2013年1月1日~2014年3月31日までに取得・引き渡しが行われた場合は、10年間にわたって、住宅ローンの年末残高の1%、または20万円(認定住宅の場合は30万円)のいずれか少ない方が、所得税等から控除されます。一方、消費税アップ後の2014年4月1日~2017年12月31日までに居住の用に供した場合は、10年間にわたって、住宅ローンの年末残高の1%、または40万円(同上50万円)のいずれか少ない方が、所得税等から控除されることになります。今回の「拡充」は、適用期間や割合は変えずに、対象となるローン残高を大幅に増やしたものです。一般住宅の最大控除額は、2倍となっています。これによって住宅ローン減税による還付金がどれだけ違うのか、税込年収675万円(課税所得344万円)のAさんのケースで検証してみましょう。物件価格4,000万円(土地1,500万円・建物2,500万円※税抜)の新築マンション(一般住宅に該当)を、頭金ナシ(100%ローン)で購入したとします。金利1.8%、借入金額4,000万円、全期間固定35年の住宅ローン(返済方法:元利均等)を組んだ場合の、毎月の返済額は128,436円です。Aさんには妻と3歳になる子どもがいて、所得税を年260,500円、控除対象住民税を年136,500円払っています。今後10年間納める所得税等が変わらないとすると、消費税5%(2013年1月1日~2014年3月31日)と、消費税8%(2014年4月1日~2015年9月30日)時に取得・引き渡した場合の還付金の違いは、表1の通りになります。表1:住宅ローン減税シミュレーション※ いずれもローン開始年月は2014年4月と仮定。借入残高はその年の12月末の金額です。繰り上げ返済なし。千円以下は切り捨てています※ 消費税8%で購入=2014年4月1日~2015年9月30日までに居住の用に供した場合※ 消費税5%で購入=2013年1月1日~2014年3月31日までに居住の用に供した場合資料:執筆者作成消費税は土地にはかからず、建物にかかります。Aさんが購入した新築マンションの建物価格は2,500万円(税抜)なので、消費税の支払いは次の通りです。消費税8%=200万円消費税5%=125万円消費税アップ後に購入すると、消費税負担は75万円増となることがわかります。一方、住宅ローン減税による還付金の10年間の合計額は、増税前に比べて約154万円多くなります(10年間繰り上げ返済しないと仮定した場合)。Aさんのケースでは、消費税が上がる前に慌てて購入するよりも、増税後に買った方がお得となります。Aさんが増税前の2013年1月1日~2014年3月31日に新築マンションを購入した場合、1年間の控除上限が20万円となります。住宅ローン残高が2,000万円を超えていても、還付金は20万円です。一方、2014年4月1日~2017年12月31日に購入した場合は、40万円まで控除できるように拡充されているので、所得税と控除対象住民税の合計額ぎりぎりまで控除が受けられたのです。今回の拡充は、住宅ローンの借り入れを2,000万円以下にするのであれば、メリットを享受することはできません。また、所得が少なく、所得税等が年間20万円以下である場合も同様です。しかし、2,000万円を超えるローンを組み、かつ、所得の多い人なら、Aさんのように増税の影響を上回る節税効果を得られる可能性があります。所得が一定額以下の人には「すまい給付金」が給付住宅ローン減税は、所得税等から控除する仕組みであるため、収入が少なく税金をあまり納めていない人ほど、その効果は小さくなります。「結局、収入が多い人だけが得するんだ」と思った人もいるでしょう。そこで誕生したのが、「すまい給付金制度」。住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果のメリットが十分に享受できない収入層に対して、住宅ローン減税とあわせて、消費税率引き上げによる負担の軽減を図るために導入されました。対象となるのは、2014年4月1日~2017年12月31日に取得・入居が完了した住宅で、取得時に消費税率8%、または10%が適用された住宅となります。ポイントは次の通りです。一定額以下の所得の人がもらえる定額給付住宅取得者(持分保有者)で、その家に居住する人がもらえる購入物件の消費税率(8%、10%)によって給付額が異なる住宅ローンを使わなくても、もらえる場合がある2014年4月1日~2017年12月31日までの期間限定制度活用方法や注意点は【後編】で説明することとして、ここでは「給付額」と「対象となる住宅の要件」について解説します。表2:すまい給付金の給付額※ 正確には、都道府県民税の所得割額によって判定資料:「マンガでわかる住宅関連税制とすまい給付金」(平成25年 すまい給付金準備事務局発行)をもとに執筆者作成給付額は、収入と取得時に適用される消費税率に応じた「給付基礎額」と、「持分割合」によって決定します。夫または妻のいずれか1人で登記した場合は100%となりますが、「夫80%、妻20%」の持分割合にした場合、「夫=給付基礎額×80%」「妻=給付基礎額×20%」となります。持分の中に同居しない家族(別居の父、母等)がいる場合も、それぞれの持分割合により給付することになります。仮に同居していない家族が30%を所有し、夫50%、妻20%の持分だったとしたら、夫婦それぞれが給付対象の所得であったとしても、給付額は70%(夫50%+妻20%)となるので気をつけましょう。住まいの要件に関しては、消費税の適用対象となる住宅に限られます。中古住宅は通常、個人間売買となっているため、消費税はかかりません。新築住宅および宅地建物取引業者による買取再販等の、消費税の対象となる中古住宅が対象となります。表3:すまい給付金の対象となる住宅※ 正確には、都道府県民税の所得割額が133,000円以下資料:「マンガでわかる住宅関連税制とすまい給付金」(平成25年 すまい給付金準備事務局発行)をもとに執筆者作成コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年04月10日20代の2人の男性が逮捕愛媛県捜査2課と松山東署が15日、振り込め詐欺の容疑で男性2人を逮捕した。逮捕されたのは愛知県半田市の鍛冶工「田中篤史」容疑者27歳と、同県知多市の機械設備修理業、「石橋卓哉」容疑者23歳。毎日新聞が報じた。事件は2008年6月23日、78歳の女性のもとに「社会保険事務局職員」などと名乗る者から電話がかかり、「医療費の還付金がある」と言って近くのATMに電話で誘導。女性は指示に従い、約50万円を振り込まされる被害にあった。※画像はイメージ捕まったのは「出し子」か?今回逮捕された2人の容疑者は、同日に岐阜市内のコンビニエンスストアに現れ、女性が振り込んだ現金を引き出した疑いが持たれている。これは電子計算機使用詐欺にあたる。報道によると、田中容疑者は容疑を認め、石橋容疑者は容疑を否認しているという。警察は、2人をATMなどから現金を引き出す「出し子」役と見ており、県内には同様の手口でおよそ2,000万円の被害が出ていることから、全容解明を進めている。
2010年10月19日最高裁は死亡保険金を年金式で受け取った場合の課税のあり方が二重課税である判断とし、国税側が敗訴しました。これに当てはまる保険契約を行った納税者は、過去10年間にさかのぼって所得税が還付されます。20日から還付手続き開始YOMIURIONLINEによると財務省は15日、取りすぎた所得税や住民税を還付する手続きを20日に始めると発表した。と20日から還付の手続きを開始します。税務署では電話や窓口での相談にも対応し、国税庁のホームページでも手続きについての説明など詳細を掲載する予定です。併せて所定の数値を入力すると自動計算のできる専用のホームページも解説する予定となっています。過去5年を越える還付には法改正が必要となるため、実際の還付手続きは来年になる見通しです。
2010年10月17日生保二重課税、10年分還付へ最高裁は死亡保険金を年金式で受け取った場合の課税のあり方が二重課税である判断とし、国税側が敗訴しました。これに当てはまる保険契約を行った納税者は、所得税が還付されます。毎日.jpによると過大に徴収した所得税を還付する対象を、過去10年分とする方針を表明した。と、野田財務大臣が発表しました。現在の法律では還付できるのは5年までとされており、時効分を還付するには法改正が必要となるため、実際の還付手続きは来年になる見通し。と、還付は来年になる見通しです。保険の契約は複雑で契約者には分かりづらい部分も多くあります。還付される契約者には保険会社が通知しますが、年金型の保険契約を行っている方は、念のため問い合わせるのが懸命かもしれません。
2010年10月04日年金形式で受け取る保険商品に対し相続税と所得税の二重に課税されていた問題で、野田財務相は1日、過去10年分に遡って過大に徴収した所得税を還付する方針を表明した。毎日新聞などが報じている。これは今年7月の最高裁判決で、年金払い型生命保険への相続税と所得税の課税が「違法な二重課税」と認定されたことに対応するもので、野田財務相は時効を過ぎた分の還付にも応じる方針を示していたもの。法改正し、税法上の時効より前の5年間分も還付対象に税法上の時効である5年よりも前の5年間(00~04年分)についても救済対象とすることにしたことにより、この時効分を還付するには法改正が必要となるため、実際の還付手続きは来年になる見通しだ。時効になっていない05年以降分の還付については、今月下旬から全国の税務署で受け付けるという。対象となるのは、年金払い型生命保険に加え、年金払いとなる個人年金保険や学資保険など、損保、共済の保険商品も対象になる。所得税額に応じて課税額が決まる住民税も還付する方針で、還付総額は90億円に上る見込みとのこと。
2010年10月03日