子育てと仕事の両立、夫との関係など、常にストレスフルな状況下にいるママたち。「なぜ自分はこんなに頑張らなきゃいけないの?」と、日々の自分の努力に、むなしさを感じてしまうときもありますよね。そんなときはちょっと立ち止まって、哲学者や思想家たちの名言、考え方に触れてみましょう。きっと毎日の自分の「頑張り」に意味を見出すことができるはずです。今回は、思想家であり人気作家・吉本ばななの父である、吉本隆明の言葉に学びます。思想家の吉本隆明に学ぶ『キッチン』『TUGUMI』などの作品でお馴染みの人気作家・吉本ばななの父親でもある思想家の吉本隆明(1924~2012)は生前、さまざまなことを論じていました。吉本は「子育て」や「家族」にまつわる著作も数多く残しています。今回取り上げるのは、1988年に行われた講演会の中での言葉です。吉本はその講演で、「乳児期の子育てはなぜ重要か」について話しています。昼も夜もなく常に世話をしなければならない乳児期の子ども。嫌になってしまうこともありますが、「乳児期」というものについて、改めて見つめ直すきっかけになるでしょう。「乳児期というのを別の言葉で定義すれば、自分に責任がないにもかかわらず生涯自分にいちばん関係のある時期、それが乳児期なんだという定義もできるくらいの時期です」 出典: 講演録・「こどもの哲学」(ほぼ日刊イトイ新聞より) 「人間と、チンパンジーと、どこが違うかっていうと、人間がはやく出てきちゃうってことが、人間の特徴なんです」出典: 講演録・「家族の問題とはどういうことか」(ほぼ日刊イトイ新聞より) 思想家・吉本隆明は、子育ての中でも特に、乳児期の子供と母親の関係を重視していました。吉本は人間と類人猿のもっとも異なる点として、人間の子どもには乳児期があるという点を挙げています。たしかに乳児期の赤ちゃんは、母親から産まれてきたのはいいものの、自分では動くこともできないし、食事や排泄物の処理も手伝いなしではできません。ひとりではほぼ何もできない状態のまま、1年ほど過ごす時期があるのは、人間特有です。野生環境ではすぐに、ほかの動物の標的にされてしまいます。この、誰かに頼らざるを得ない乳児期という発達段階こそが、子どもにとって大変重要になると吉本は考えています。「早く出てくることによって、どうしても母親と1年間、接触せざるを得ない。そこから栄養を受けたり、世話してもらう以外にない。そうすると、その間に、母親がもっている文化的水準、それから、感覚、心の構造っていうのは、全部、いま言いましたように、乳児に刷り込まれるわけです」出典: 講演録・「家族の問題とはどういうことか」(ほぼ日刊イトイ新聞より) つまり、毎日24時間、母親からケアを受ける状態の乳児期の子どもは、それゆえ母親のすべてを自分の中に取り込んでいる、ということです。母体から産まれ落ちた後すぐに自分で動くことができる、ほかの動物の子どもとは、その点がまったくもって異なるのです。逆に、この時期に母親に対する「絶対的な信頼感」を与えることができれば、登校拒否、学校内暴力や家庭内暴力の恐れなどはほとんどなくなる、というのが吉本の主張です。実は日本だけ!? 母親に負担がかかりすぎる「日本型の子育て」また、日本型の子育ては、女性に大きな責任と負担が課せられてしまっている、と吉本は言っています。吉本によると、西洋型の典型的な子育てでは、乳児期の子どもは生後1ヵ月ほどで母親の手から離れ、看護師やシッターの手に委ねられるとのこと。一方、日本型の子育ては、母親はずっと乳児期につきっきりで世話をしなければならなりません。つまり、母親1人に子育ての責任がのしかかってしまうのです。このような日本の子育てについて、以下のように吉本は語っています。「もし非常にいい母親だったら、もちろん日本型の育て方は、人類の理想的な育て方なんです。だけどたいてい、どんな親でもそうですけど、様々な事情がありましてね。100%いい育て方なんてできないんですよ。手をぬいたり、まずったりってことは、たいていどの母親、父親でもあるわけですよ。だけども、まず、55点以上の育て方をしたと母親が自信をもって正直にいえるのならば、それは立派な育て方といっていいんだと思います」出典: 講演録・「言葉以前のこと–内的コミュニケーション」(ほぼ日刊イトイ新聞より) 現在は、吉本が子育てをしていた時代よりも、夫の協力やベビーシッターの協力を得やすい時代になってきています。それでも育児に疲れてしまったときは、「日本型の子育ては母親に負担がかかりすぎている」という吉本の言葉を思い出し、たまには周りの人や育児サービスに頼ってしまってもよいのではないでしょうか。100点満点でなくてもいい。あなただけができる子育てを目指して、乳児期の育児を乗り切っていきましょう。(サカマキ貝<フォークラス>)
2016年02月07日松本人志が6月18日(土)、先日より公開中の監督作『さや侍』のティーチインに出席。映画を観たばかりの観客からの質問に直接答えた。すでに数回鑑賞したという人や20年来のファンという人もおり、映画についての質問はもちろん、松本さん自身へのかなりマニアックな質問まで飛び出し、会場は盛り上がりを見せた。“普通のおっさん”が知らぬ間に映画出演を果たしたとして、主演の野見隆明に注目が集まっているが、気になる彼のギャラに関しては「野見さんはお小遣い制だったんですけど、前借が多くてほとんど残ってない状態でしたね。すぐにお小遣いをせびって、パチンコ行って負けるんですよ。しまいにはホテルのフロントの人に借りてました」とのこと。野見さんは携帯も解約されており、松本さんが出演するTV番組の制作時には「連絡取るときは電報を打っていました。“ゲゲゲの鬼太郎”みたいなヤツです」と松本さんは半ば呆れ顔で明かしてくれた。映画は親子の絆を描き出すが、松本さん自身、娘が誕生したことが作品に大きく影響したことを取材でも認めている。だが「僕は本とかで『○○に捧ぐ』みたいに書いてあるのは好きじゃない。そんなの個人でやれよと思うから。だから娘はいつか勝手に観るかもしれないけどあんまり(娘にぜひ観てほしいとは)思わない」とアッサリしたもの。当初は男の子の予定だった子役の設定が女の子に変わったことで「笑いで終わる部分が涙が多めになった」とも言うが、「松本の映画は泣けるっていつも言われるのもつまらない。いつまでも『娘が』って言っててもしょうがないし、娘も成長していくもの。僕も変わっていかないと」と飄々とした様子で答えていた。一方で、笑いに関して“天才”と称され、時代を牽引してきた者の苦悩も。「損な役回りだと思います。『なんでいつもおればっかり…』って。生まれ変わったら笑う側に回りたい」と本音をのぞかせた。さらに「本音を言うと、浜田(雅功)というかツッコミというのは僕は警察みたいなものだと思ってる。警察は必要だけど、本当に平和なら要らない。それと同じで、(見る側の)笑いのレベルが高ければ、ツッコミは要らない。ボケだけでやっていけたら嬉しい。もちろん、ダウンタウンが売れたのは浜田がいたからですが。そこはすごくジレンマがあって、難しいところ」と自身の“お笑い観”を展開した。また、このほど監督デビュー作『大日本人』がハリウッドでリメイクされることも決定したが「ハリウッドリメイクが決まって、松本は浮かれてると思われてそうなので言っておきたいんですが…。『大日本人』の大佐藤(松本さん)は、日本のためにひとりで戦うけど、誰も応援してくれない。結局、手を差し伸べてくれたのはアメリカのヒーローの“スーパージャスティス”なんですよ。『この国を守る者だ』というセリフがありますが、あれは松本人志の絶叫ですよ」と自身と作品の置かれた状況と物語を重ねあわせて、作品への評価やメディアでの報じられ方の現状についてもチクリ。第一線で活躍してきた表現者としての自負をうかがわせた。ティーチインの最後には、主演の野見さんと子役の熊田聖亜も登場し、このサプライズに観客は大喜び。松本さんからは「見るたびに太ってる」と突っ込まれていた。『さや侍』は全国にて公開中。■関連作品:さや侍 2011年6月11日より全国にて公開© 2011「さや侍」製作委員会■関連記事:松本人志監督インタビュー時代劇で「切腹が嫌でジタバタする男を撮ってみたかった」松本人志監督、ジョニー・デップを使ってハリウッド版『さや侍』を希望!松本人志デビュー作『大日本人』ハリウッドリメイク決定!“切腹を申し付ける!”『さや侍』音声ストラップを5名様プレゼント松本人志、『さや侍』で「理想の娘」を描くも子役からは主演男優に鋭いダメ出しが…
2011年06月20日あることがきっかけで、自ら侍として戦うことを拒絶し刀を捨てた野見勘十郎は、ひとり娘のたえと共に無断で脱藩、あてのない流浪の旅に出る。そして、捕らえられたある藩で彼を待っていたものは、“三十日間の戦い”だった――。映画『さや侍』では左股関節唇損傷をわずらったこともあって、今回は主演を断念したという松本さん。実は前作の『しんぼる』の完成時に、「次回は自分でない人の主演で撮りたい」と吐露している。素人の野見隆明を主演に抜擢「前代未聞の映画」今回主演の侍・野見勘十郎に大抜擢されたのは、野見隆明。松本さんがバラエティ番組から見出しオファーしたというが、これまで演技経験は全く無しの素人である。しかし、以前より野見さんと親交のあった松本さんは彼の特異なキャラクターに惹かれており、「いつか野見さんで何か撮ってみたい」と強く思っていたことを明かした。はたして野見さんのどんなところが監督のおめがねに叶ったのだろうか?現場での野見さんに対しての演出方法はというと、前代未聞で、野見さんには映画の撮影だということを隠し、監督自身も現場に姿を見せず、遠隔操作(現場に姿をださず、スタッフや助監督に指示を与えながら)で撮影に取りかかったという。撮られている野見さん自身、何をやらされているか知らされず、スタッフに言われるがまま演じていたらしい。しかし後半になると、人を通じての指示に限界を感じた松本さんは、「思わず飛び出して行き、気がついたら怒鳴りつけていた」と苦笑した。「主役が完全に素人の方で、演じている本人が映画だと全く認識していないのだから、前代未聞の映画だと思いますよ」。「彼(野見さん)はトカゲみたいなもので、どう走って行くのか、全く分からない…。それに調子のいいときと悪いときがあって、いいときは何時間でもじっと座っていることができる。でも調子が悪いときは、1秒間に何回するねん、というぐらい瞬きをしたり、まったく撮影にならない…。そんなところはやっぱり素人なんだなあって。そんな繰り返しでしたね」としみじみとふり返った。劇中、脱藩した野見が捕らえられた藩で、最愛の母を亡くし心を病んだ幼い若君を笑わせることで刑が減刑されるという“三十日の業”が提案される。1日1つの芸を披露し、それを見た若君が笑えば処刑を免れ、釈放されるのだ。「野見さんのすごいところって、今日は何をやらされるんだろう、明日はどんなことをやらされるんだろうとか、昨日は何であんなにきついことをやらされたんだろうっていう疑問を一切持たない。見事なもんですね。何も聞いてこない。言われたことは、『はい』と素直に一生懸命やってくれる。恐怖という概念がないのかなぁ〜。演技じゃなくて、人間ドキュメントですね」と野見さんの自然体の演技を絶賛(?)した。劇中で描かれるすべての芸に野見さん自身が挑戦し、意外や器用にやり遂げている。「実際は30以上やってもらって、編集できっちり30日間になるようにしました」。娘のたえに込めた“理想の娘像”今回、時代劇に挑戦した理由を聞いてみると、最初に、「“切腹”が嫌でジタバタする男を撮ってみたいと思った」と言う。「切腹って日本独特のものだから、それをテーマに描けないかなあと思ったのと、野見さんとが合わさって作品が生まれた」と説明した。野見勘十郎には、幼いがしっかりものの娘・たえ(熊田聖亜)がおり、全編を通じてふがいない父親を叱咤する場面が多々出てくるのだが、自身も実際に家庭を持ち、娘が生まれた松本さんは、自分の姿をオーバーラップしていたのだろうか?「ありますねえ」と素直に認める松本さん。「最初男の子を捜していたのですが、主人公があまりにむさくるしい(笑)ので子供はかわいい女の子のほうがいいかなと思い、芳香剤代わりにおいてみたんです(笑)」。松本さん自身、自分の娘が成長し、自分を叱咤激励するときの姿を想像しており、「自分の理想の娘像を書いたつもり」と話した。娘に叱られシュンとなっている松本さんの微笑ましい姿を主人公に重ねてみると作品をより面白く観ることになるだろう。竹原和生の出演もこの映画を特別なものにしている。「映画を撮ると決めたとき、野見さんと竹原くんと芝居のできる女の子、この3人は最初から構想にあった。竹原くんとは、以前『HEY!HEY!HEY!』で何度か会っていて、彼の歌の力強さに惹かれていました。ライブ会場に直接交渉に行き、快く引き受けて頂きました」。「人を楽しませたいと思う気持ちはずっと変わらない」さて、次回作の構想はできているのだろうか?「やるならぜんぜん違うものを考えなくちゃ、と思っています。今回は時代劇ですが、特に殺陣のシーンは無いんですね。おとぎばなしと思って欲しい。今回撮ってみて感じたんですが、追い込まれる男を撮るなら、自分が演じないほうがいいなと思ったんです。自分で演出して自分を追い込んでもね…。今回演出に徹したことは良かったと思います」。松本さん自身は追い込まれたときはどうなるんですか?と聞いてみると、「最近はあまり煮詰まることもなくなりました」とポツリ。いつかは相方の浜田さんを主人公に撮るつもりはないのだろうか?「よく言われるんですが、撮りたくないなあ。考えたこともない」と言いながらも、あえて撮るとしたらと重ねて聞くと、「AVかなんか…」と大笑い。最後に自分の中で大切にしている部分と、将来の自分の姿をどう捉えているか聞いてみると、「サービス精神。とにかく人を楽しませたいと思う気持ちはずっと変わらない。今後の理想の人生は、誰にもかぶらない、オリジナリティーのある人間だったなぁとみなさんに思われたい」ときっぱり。今後の“芸人・松本人志”の姿を見事に浮き彫りにできる答えが返ってきた。これまでずっと尖った部分のイメージが濃かった松本さんだが、家庭を持ち、父親になったことで、もうひと回り人間としての幅を持ったように見える。これまでの2作とはかなりテイストの違った作品となった本作では、松本さんの出演シーンも1シーンあり。劇場でエンドロールの最後まできっちり観ることをお勧めする。(photo/text:Sachiko Fukuzumi)■関連作品:さや侍 2011年6月11日より全国にて公開© 2011「さや侍」製作委員会■関連記事:松本人志監督、ジョニー・デップを使ってハリウッド版『さや侍』を希望!松本人志デビュー作『大日本人』ハリウッドリメイク決定!“切腹を申し付ける!”『さや侍』音声ストラップを5名様プレゼント松本人志、『さや侍』で「理想の娘」を描くも子役からは主演男優に鋭いダメ出しが…待望の松本人志監督第3弾!!『さや侍』試写会に10組20名様ご招待
2011年06月10日松本人志監督第3作『さや侍』の完成披露試写会が6月6日(月)、都内で開催され、上映前に松本監督と主演の野見隆明、熊田聖亜、板尾創路、柄本時生、りょう、ROLLY、腹筋善之介、國村隼が出席しての会見が行われた。この日の朝、松本監督のデビュー作『大日本人』のハリウッドリメイクが発表されたばかりとあって、松本監督の生のコメントを聞こうと多くの報道陣が詰めかけた。松本監督はこの日の発表や『さや侍』のロカルノ映画祭上映といった海外での評価に触れ「僕が面白いと思うことが、“世界”を絡めてやれる状況が整ってきたようで嬉しい」と満足そう。「日本(国内で)の評価がまだ低いかな…」と苦笑しつつ「“笑い”を届け続けるしかないかなと思う」と決意を語った。さらに「スポーツ紙の“松っちゃん監督”というのはもう勘弁してほしい」と“お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志”という枠の中での国内の評価にやんわりと不満を示し「映画を壊してやろうというところから始まって、海外では割とすんなりと受け入れられたと思う。(国内の)知ってる人には“ヘタウマ”が通じずに“ヘタヘタ”と思われてるのかな。今回の作品で見方を変えてもらえると思います」と自信も。『大日本人』のハリウッドリメイクに関しては「普通は向こうに丸投げとなるけど、今回は何らかの形で参加する」と明かし、希望のキャストを問われると『大日本人』ではなく「『さや侍』をジョニー・デップでやりたい」とハリウッドNo.1の人気スターを指名した。今回の『さや侍』で松本監督からオファーを受けたキャスト陣は、ROLLYさん、國村さんはじめみな「(話を聞いて)小躍りしました」と喜びを語る。舞台俳優として活躍してきた腹筋さんは、監督が自分のことを知ってたことに感激していたが、松本監督は「腹筋くんはDVDを12秒くらい見ただけ」と肩透かしを食らわせ、これには共演陣からも笑いがわき起こった。また、柄本さんは板尾さんから「お父さん(=柄本明)は何か言ってた?」とふられ「オヤジは松本さんを見たくて、衣裳合わせの日に(用事を作って)のぞきに来たんですよ。でも見れなかったそうでヘコんでました」と明かし、これには何も知らずにいた松本監督も「マジで?」と驚愕していた。聖亜ちゃんは「すごく素敵な役で、幸せ者だと思いました」と喜びを語るが、撮影が始まってからも映画の撮影、しかも主演と知らされていなかった野見さんは「何も分からないまま、一生懸命やるしかなかった…」と心の内を明かした。そんな野見さんについて監督は「最初に『人に追われているように走って』と指示したら『助けてくれー!殺さないでくれー』って叫んでカット。最初は大変でした。でも時折、ヘタな役者じゃ太刀打ちできない顔を見せるようになった」とその成長を称えた。共演陣も印象的なシーンとして口々に野見さんのシーンを挙げ、初の演技挑戦とは思えない姿に称賛を送っていた。『さや侍』は6月11日(土)より全国にて公開。■関連作品:さや侍 2011年6月11日より全国にて公開© 2011「さや侍」製作委員会■関連記事:松本人志デビュー作『大日本人』ハリウッドリメイク決定!“切腹を申し付ける!”『さや侍』音声ストラップを5名様プレゼント松本人志、『さや侍』で「理想の娘」を描くも子役からは主演男優に鋭いダメ出しが…待望の松本人志監督第3弾!!『さや侍』試写会に10組20名様ご招待松本人志監督『さや侍』予告編が到着!りょうや板尾創路らの姿も
2011年06月07日松本人志(ダウンタウン)の監督第3弾となる『さや侍』の完成披露試写会が4月8日(日)に大阪で開催されついに作品がお披露目となった。上映に先駆けて開かれた会見に松本監督に加え板尾創路、子役の熊田聖亜が出席。さらに上映前の舞台挨拶には3人に遅れてサプライズゲストとして、主演の野見隆明も駆けつけた。あることがきっかけで、自ら侍として戦うことを拒絶し刀を捨て、娘と共にあてのない旅を続ける勘十郎。そんな彼が脱藩の罪で捕えられ、“三十日の業”に処されるのだが…。前2作と比べて、シンプルな印象を受ける本作について松本監督は「“笑って泣けて”という映画の宣伝を耳にするが、本当にそういう映画は少ないのでは。そんな中、笑いも涙もあるハイブリッドな映画を作ってみたいと思ったので、深読みするようなストーリーは邪魔になるし、誰が見てもすぐ分かるものに、という気持ちがあった」と説明。松本さん自身、結婚し子供を授かったが「映画に出てくるたえというのは、僕の中の理想の娘ではある」とも。主演の野見さんは、バラエティ番組をきっかけに知り合った俳優経験ゼロの男性。彼の起用については「まずはギャラがなしで済むというのがありまして(笑)。完全な素人さんなので、うまくいかなかったとき、あいつのせいだと言うことができますし…。あと、せっかくなので誰もやっていないことをやってみたかった。実は、野見さん本人には映画だと教えずに撮り始めた。だから前半部分はほとんどドキュメント。野見さんは“三十日の業”を全くウケない中、マジだと思ってやっていた。共演者のみなさんには絶対笑わないでくれとお伝えして、野見さんが朝『おはようございます』と入ってきても、全員無視をするという(笑)。そういう撮影法でやらせていただいた」と驚きの舞台裏を明かしてくれた。板尾さんは、撮影をふり返り「カツラが蒸れてかゆかったので、コーヒーを混ぜるプラスチックのマドラーを差し込んで掻いていたら、それが突然、折れて出てこなくなって。でも本番やと言ってはるので、マドラーを頭の中に入れたまま『さや侍のまま終わらせる気か!』というセリフを言った。お前はどないやねんという(笑)」と爆笑エピソードを披露。聖亜ちゃんは「野見さんと一番最初にお芝居をしたのがカメラテストのときで、そのときにすごく絡み辛くて…(笑)。撮影がどうなるか、実はちょっと不安になっていた」と鋭すぎるダメ出しで場内を沸かせた。と、ここで野見さんが登場!緊張のあまり自己紹介で声をうわずらせ松本監督から「あせりすぎやって!」と厳しいツッコミが。「一番大変だったのはふすま割り。なかなか割れなくて本当に苦労しました。でも頑張って頑張って、どんどん割っていきましたよ」と懸命に初主演の感想を語ってくれた。松本監督からは「この人、言われたことは本当に真面目にやるんですよ。ひざをすりむきながら一生懸命やってる姿を見て、ほんの一瞬、かっこよく見えました」とお褒めの言葉も。舞台挨拶の最後に松本監督は「僕がこれまで作ってきたものとはちょっと違う作品になっていると思います。後半、わりとマジで作ってしまいました。よろしくお願いします」と独特の口調で作品をアピール、盛況のうちに幕を閉じた。『さや侍』は6月11日(土)より全国にて公開。■関連作品:さや侍 2011年6月11日より全国にて公開© 2011「さや侍」製作委員会■関連記事:待望の松本人志監督第3弾!!『さや侍』試写会に10組20名様ご招待松本人志監督『さや侍』予告編が到着!りょうや板尾創路らの姿も松本人志監督『さや侍』特報が解禁!メガネの主人公、いきなりふんどしで…松本人志、監督第3作は刀を持たない侍を描く時代劇『さや侍』
2011年05月09日松本人志の監督第3作目『さや侍』の予告編が到着!キャスト、ストーリー、さらには“さや侍”こと勘十郎の受ける罰“三十日の業”の一部までもが見えてきた。前作、『大日本人』、『しんぼる』とは異なり、本作では松本監督自身は監督業に専念し、“父娘の葛藤と絆”をテーマにした、初の時代劇に挑戦。しかも、主演に俳優としては素人の野見隆明を抜擢するなど、独自路線を本作でも貫いている。鞘しか持たない侍、“さや侍”と呼ばれる主人公・野見勘十郎は、ある出来事をきっかけに刀を捨て、戦うことを拒み、娘・たえとあてのない旅を続けていた。しかし、無断で脱藩した罪により、勘十郎は捕われの身に。変わり者の殿様から処されたのは、母を亡くした哀しみにより、失われてしまった若君の笑顔を取り戻す“三十日の業”という難業だった。一日一芸、成功すれば無罪放免、失敗すれば即切腹という過酷な処罰。そのタイムリミットは三十日。勘十郎とたえの刀を使わぬ命懸けの戦いが始まる…。予告編では、腹踊りや木馬ロデオ、ふんどし一丁で壁に激突するなど、勘十郎が若君を笑わせるために奮闘するシーンが変わる変わる映し出される。しかし、「父は侍です!」と訴える娘・たえの声が響き渡ると、雰囲気は一変し、町をあげて勘十郎を応援している町民たちの姿が…。その中には、賞金稼ぎ役のりょうや歌手のROLLYなど脇を固める個性派キャスト陣の姿も。そして、門番役の板尾創路の「さや侍!」という叫び声をバックに、勘十郎が鞘を力強く握るシーンが…。瞬間的に映るシーンに、見覚えのある顔ぶれが並ぶが、やはり目をひくのは主演に抜擢され、松本監督自身のバラエティ番組から引き抜いてきた演技経験ゼロの野見隆明。その絶妙なバランス感覚の中に、芸人・松本人志が培ってきたセンスが光る。内容、キャスト共に、これまでの松本監督作品とは全く異なる仕上がりに期待が募る。『さや侍』は6月11日(土)より全国にて公開。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:しんぼる 2009年9月12日より全国にて公開©YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.2009大日本人 2007年6月1日より東劇、なんばパークスシネマにて先行公開、6月2日より全国松竹系にて公開©YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.2007さや侍 2011年6月11日より全国にて公開© 2011「さや侍」製作委員会■関連記事:松本人志監督『さや侍』特報が解禁!メガネの主人公、いきなりふんどしで…松本人志、監督第3作は刀を持たない侍を描く時代劇『さや侍』ダウンタウン松本絶叫「殺人予告の人かと…」監督第2作『しんぼる』公開!松本人志監督に直撃!あの水玉パジャマ男の正体は…「主演?渋々ですよ」松本人志「内容は『おくりびと』と同じ感じ」『しんぼる』釜山映画祭出品決定!
2011年04月05日松本人志の監督第3作目にして初の時代劇である『さや侍』の特報映像が解禁となった。ほとんどセリフもなく、物語の詳細や主演以外のキャストなど、いまだ多くは謎に包まれたままだが、その一端が少しだけ見えてきた。『大日本人』、『しんぼる』と独特の世界観と物語を築き上げてきた松本監督だが、過去の2作と異なり、今回は主演はせずに監督業に専念する本作で描き出すのは、刀を捨てた侍の物語。とあることをきっかけに、自ら侍として戦うことを拒み、刀を捨てた野見勘十郎。娘のたえは、幼いながらもそんな父を軽蔑し、反発する。2人は行く宛てのない流浪の旅を続けていたが、勘十郎は脱藩したことで罪に問われ、その首には懸賞金が掛かっていた。勘十郎はついに捕らえられるが、捕まった先の殿様は変わり者として名を馳せている男で、勘十郎は“三十日の業”に処される。それは、成功すれば無罪放免となるというものなのだが…。到着した特報でまず映し出されるのは、木が生い茂る森の間の道。続いて、メガネをかけた勘十郎と思しき男が疾走する。そこに娘のたえの「刀を持って戦わないお侍など死んだも同然です」というひと言が流れる。さらに「さや侍のまま終わらせる気か?」という怒号にも似た男の声が。と同時に映像では、どうやら捕らえられ、縛られているたえ、そして血まみれ(泥まみれ?)でふんどし姿を晒す勘十郎の姿が確認できる。果たしてこれらのセリフ、映像が意味するものとは――?昨年の10月より行われていた撮影は、1月9日(日)にクランクアップ!主演を務める野見隆明は、松本さんがバラエティ番組から見出しオファーしたがこれまで演技経験はなし。果たしてどのような演技を見せてくれるのか?野見さんと子役の熊田聖亜ちゃん以外の共演陣はいったい誰なのか?公開までおよそ半年。これからまだまだ楽しませてくれそうだ。『さや侍』は6月、全国にて公開。※こちらの特報はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:さや侍 2011年6月公開予定© 2011「さや侍」製作委員会■関連記事:松本人志、監督第3作は刀を持たない侍を描く時代劇『さや侍』
2011年01月21日ダウンタウンの松本人志の監督第3作目となる『さや侍』が現在製作中であることが正式に発表された。カンヌでお披露目されて話題を呼んだ監督デビュー作『大日本人』、公開まで徹底的にその内容について伏せられて注目を集めた第2作『しんぼる』に続く監督作は完全オリジナルストーリーの時代劇!刀を持たない侍…さや侍の勘十郎とその娘のたえを中心にした、松本監督独特の笑いと哀しみを表現した奇想天外な物語が展開するというのだが…。過去2作では松本さんは監督と共に主演を兼任したが、今回は監督業に専念。主演に抜擢されたのは、俳優経験皆無の53歳・野見隆明。松本さんが出演した深夜番組「働くおっさん劇場」にレギュラー出演していた経緯もあって松本さんがオファーしたとのこと。今回の発表に際し、松本監督から発せられたコメントはひと言「監督以外、撮影快調!」。関東近郊で撮影が進んでおり、1月中旬にクランクアップを予定しているとのこと。果たして今度はどんな笑いを届けてくれるのか?海外の映画祭への出品の予定は?『さや侍』は2011年6月公開予定。■関連作品:さや侍 2011年6月公開予定© 2011「さや侍」製作委員会
2010年12月23日