フランス留学するには何が必要か? 前回は 短期留学 についてまとめてみました。今度は長期滞在ビザの申請が必要な90日以上の滞在です。1年間留学すると仮定して、プランを考えてみましょう。どんなビザを取ればいいのか?日本のパスポートを持っている場合、90日を超えるフランス滞在には長期滞在ビザの申請が必要です。そして同ビザを携帯してフランスへ入国した後、現地で滞在許可証を取得します。詳しい必要書類は、まずフランス大使館に問い合わせましょう。留学を目的として取得する長期滞在ビザは学生ビザです。またはビジタービザでも可能です。学生ビザで入国し現地の滞在許可証を取得した場合、年間964時間の労働が許されるため、学びながら仕事もできます。ビジターは労働が一切許可されません。今は移民に対する政策が厳しいため、申請しても内容次第(通う学校が信用のおける機関か、入国目的が労働ではないか等々)で、学生ビザの申請が通らないこともあります。学生、ビジターどちらの身分で申請するにせよ、もっとも重要視されるのは、お金です。今フランスは不景気で失業率も高いため、労働目的の外国人に対してはとても厳しい環境にあります。フランスに滞在する1年間、きちんと暮らしていけるだけの経済証明がとても大切になります。学生ビザの場合は、学校への登録と1ヶ月あたり最低615ユーロの留学資金を持っていることの証明がいります。ビジタービザの場合は労働が許可されていないため、1年間であれば仏SMIC(全産業一律スライド式制最低賃金)の年額相当である1万7344.60ユーロ(現時点の日本円換算で約201万円)の滞在資金があるという証明が必要です。家族が同行する場合は、その人数に応じて増額します。時期はいつがいいかフランスの学校は9月が新年度です。語学学校などは年中、入学できますが、専門学校や大学の場合は、9月から1年が始まります。そのため9月の入学に合わせるのが現実的です。大学や一部専門学校は、入学に際してフランス語力を証明しなければいけません。試験(DELF/DALF:仏国民教育省認定の公式フランス語資格)を前もって受験し、これも用意しておきます。また子どもがいる場合、現地の学校に通わせるにしても、やはり9月入学であれば、溶け込みやすいでしょう。現地についたらすべきことまずは滞在許可証の申請、銀行口座の開設、電力会社との契約、携帯電話の取得など。これらがないと、すべての作業が進みません。ビザとは入国許可であり滞在許可ではないため、ビザで入国したら滞在許可証を申請します。フランスはカード社会であり、小切手も頻繁に使われます。そのため現地での口座開設は必須。あわせてデビットカード機能(またはクレジットカード機能)付きキャッシュカードを発行してもらいます。電力会社(またはガス会社など)が発行する料金の領収書は、自分が現在住んでいる住所を証明するものとなります。この公共料金の明細書は、どのような手続きをするにしても、毎回必ず提出を求められる大変重要なものです。テーマ別に細かなことを説明したら、それこそ本一冊くらいの量になってしまいますが、とにかくもっとも大切なことは、フランスはすべてが日本のようにスムーズに運ばないということ。日本では数日で済んでしまうことでも、フランスだと1ヶ月以上かかることは多いのです。加えて語学の壁もあり、準備は早過ぎるかなと思うくらいで、結果的にちょうど良くなります。8月はバカンス時期で、フランス社会ではすべての作業がストップします。そのため9月の留学を目指すなら、6月末を目処に、また何か遅れてしまっても7月前半くらいまでに収まるよう、スケジュールを組みましょう。
2017年01月17日【ママからのご相談】最近、投資に興味津々のママです。というのも、今のパパのお給料だけだと正直きついですし、自分が自由にできるお金も少しは欲しいです。ただ、実は独身時代に株に貯蓄をつぎ込み、大きく減らしてしまったというトラウマがあります。 今回こそはそのようなことがないよう、しっかり勉強しようかと思っているのですが、いったいどうやって始めたらよいのかわかりません。また、投資をするのにいくらくらいお金があればよいのかも含めて、教えてください。目次 元本保証がない“投資”について理解しよう“投資”と“投機”の違いは?まずはわが家のお金を仕分けることから投資に回せるお金は?まとめ●A. 元本保証がない“投資”について理解しようこんにちは。ファイナンシャルプランナーの小澤美奈子です。ご相談をしていただき、ありがとうございます。投資といえども商品はいろいろあり、代表的なものとしては株式 、債券 、投資信託 、外貨 などが挙げられます。これらの商品は基本的に元本保証がなく、増える可能性がある一方で、減らしてしまうことも考えられる ため、以下でご紹介する3つのポイントをしっかり押さえてからはじめるようにしましょう。●“投資”と“投機”の違いは?“投資”と“投機”という言葉を聞いたことはありますか?おそらく“投機”と聞くと、一攫千金を狙ったギャンブル的要素の強いお金儲けをイメージすることでしょう。対する“投資”ですが、一般的には中長期的な計画 を立てて、着実にお金を育てることを意味すると言われています。これらの違いは理解していたとしても、つい夢中になるあまり“投資”を目指していたはずが“投機”になってしまうこともあるもの。そうならないためには、自分の運用方針をしっかり定めて、長期的な目標を立てた上で投資を行うことが重要です。●まずはわが家のお金を仕分けることから投資をはじめる際、いくらのお金を準備すればよいのかを考える前に、わが家の家計では、現在いくらくらい投資に回せるお金があるのかを把握することが大切です。具体的には、手持ち資金を次の3つに分けることから始めるとよいでしょう。●(1)生活費として使うお金いざというときのために、月の生活費の約3~6か月分 のお金を確保しておくことが目安だと言われています。●(2)使う目的のあるお金たとえば教育資金や住宅資金など、向こう10年間に使う目的のあるお金 については、守るお金として確保しておきましょう。●(3)使う目的のないお金つまり(1)にも(2)にも該当しないお金です。この金額がいくらあるか洗い出して、把握しておきましょう。●投資に回せるお金は?さて、上記で仕分けたお金のうち、投資に回せるお金は何番目でしょうか?言わなくてもおわかりかもしれませんね。答えは、(3)の「使う目的のないお金」です。つまり投資は余裕資金ではじめる 、ということを忘れないようにしましょう。●まとめ投資をはじめるにあたっては、“投資”と“投機”の違いをしっかり理解し、家計の中で“守るべきお金”と“攻めて増やすお金”を仕分けることが、とても重要です。次の回では、投資に関するリスクとの付き合い方などをご紹介しますので、これからも参考にしてみてくださいね。【参考リンク】・知るぽると | 金融広報中央委員会()●ライター/小澤美奈子(ファイナンシャルプランナー)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年10月01日歌舞伎役者で俳優の市川海老蔵さん(38)が、乳がんと闘病中の妻、小林麻央さん(33)のために長期休暇を取得したことが話題を呼んでいます。2016年7月14日掲載の『女性自身』によると、海老蔵さんは8月から9月にかけて38日間の休みを取得したとのこと。歌舞伎公演やドラマの収録などで1年のうち数日しか休みが取れないと言われている海老蔵さんがここまでの長期休暇を取るのは異例中の異例だと報道されています。海老蔵さんは日頃から忙しい仕事の合間を縫って献身的に麻央さんと子どもたちを支えてきましたが、今回の長期休暇では家族旅行をする予定とのこと。海老蔵さんの妻思いなこの行動に、世間からは賞賛の声が相次いでいます。●海老蔵、麻央のために38日間休暇を取得! 世間では「イケメンすぎ」「格好良い」と賞賛の嵐『過去にはトラブルも起こしていたけど、海老蔵さんはやっぱり立派な夫だよ』『暴れん坊で有名だった海老蔵がここまで変わるとは……よっぽど小林麻央のことが好きなんだな』『余計な詮索はしない!ただひと言。海老蔵、格好良いな』『素晴らしい!でも、最後の思い出作りってことはないよね……?』『正直海老蔵ほどのスターが38日も休みを取るって大変だったと思う。きっと勸玄くんも喜ぶね!』『家族を守る最近の海老蔵がイケメンすぎるな』『自分が病気のときって、家族に側にいてほしいもの。海老蔵はそれを分かってる』『すてきすぎる。この旅行を機に快方へ向かいますように』などなど、ネット上では海老蔵さんの家族思いな行動に胸を打たれたという人が多く見られました。以前テレビ番組で麻央さんは海老蔵さんへ「結婚して本当に良かった」とメッセージを送り、それを聞いた海老蔵さんが目を赤くするという一幕がありました。さまざまな苦労を乗り越えてきた二人だからこそ、麻央さんの大病も無事克服できると信じたいですね。【画像出典元リンク】・ABKAI 市川海老蔵オフィシャルブログ/●文/パピマミ編集部
2016年07月14日アディダス(addidas)がロサンゼルスにて6月29日、クリエイティブなパイオニアのカニエ・ウェストと、ストリートからスポーツまであらゆるジャンルのフットウエア、アパレル、アクセサリーをカバーするイージー(YEEZY)ブランドのエンティティーとなるアディダス+カニエ・ウェストのローンチにあたり、長期間のパートナーシップを発表した。およそ2年前にアディダスオリジナルスのイージーで多大な影響力と成功を示し、世界を圧倒するブランド力を構築してきたが、スポーツブランドとノンアスリートの間ではこれまでに前例がないパートナーシップが誕生したことになる。アディダスの技術的でイノベーティブな知識と能力が、カニエ・ウェストの持つ先見性に満ちた想像力と融合し、これからの未来を再定義していくとしている。これから専任のアディダスチームがカニエ・ウェストとともに、イージープロダクトの開発と想像をリードしていき、アディダスとカニエ・ウェストが開発したイージープロダクトは、アディダスポートランド本部の指揮のもとで世界中で継続的な成功の実現に向け、専任チームがコラボレーションの管理、統括を行いながら小売店での拡大展開も予定している。さらには現在のライフスタイルへのフォーカスにとどまることなく、パフォーマンス向けのデザインを導入することで、スポーツとストリートの両面に選択肢を拡大していくとのこと。カニエ・ウェストは「この2年間で、アディダスとイージーは我々の新たな将来を垣間見てきました。このパートナーシップの実現は、夢を持つ人は誰でも、無限に夢見ることができるということを示しています。」と述べている。それに対してアディダスグループ経営幹部のエリック・リッキーは「カニエは他の人にはない視点で物事を見る能力がある真のクリエイターです。このパートナーシップを実現できたことを大変嬉しく、誇りに思っています。また彼と一緒にさらなる新しい未来を築いていくことを非常に楽しみにしています。『アディダス+カニエ・ウェスト』で我々はカニエのクリエイティビティーをスポーツの世界に広め、新しい領域を開拓していきます。つまり、クリエイターを駆使して、アディダスが常に注力する“クリエイト ザ ニュー”を実現していくのです。」と語った。
2016年07月04日2015年7月からスタートした「普通のママでもできる投資」もいよいよ最終回となりました。その間、マーケットは乱高下し、「マイナス金利政策導入」という初めての体験もありましたね。日銀のマイナス金利導入決定で、預貯金の金利は低下。長期金利もマイナスになった影響で、住宅ローン金利が下がったり、「一時払い終身」など一部の貯蓄型の生命保険が販売停止になったり、保険料が上がったりしました。そんな中、老後資金など長い時間をかけてゆっくりお金を増やすためには、株式や投資信託など「リスク資産」への投資をするべきだという記事がよく目につくようになりました。■「貯蓄から投資へ」のスローガンは正しかったのか「サラリーマン1万人アンケート」など、退職・投資教育に関する研究やレポートで情報発信し、投資啓蒙活動を行っているフィデリティ退職・投資教育研究所の所長 野尻哲史さんが行った調査結果が非常に興味深いものでしたのでご紹介したいと思います。・ フィデリティ リタイアメント情報サイト 「貯蓄から投資へ」の動きを加速すべきとの議論は90年代から進められた。しかし、日本の個人金融資産構成比は全く変わってはいない。預貯金の構成比は、米国14.7%に対して、日本51.9%。株式と投資信託を合わせた比率は、日本が16.1%に対し、米国は31.4%。さらに、日本の個人金融資産はほとんど増えていない。米英が過去27年間に5~6倍になっているのに対し、日本はわずか2倍。株式・投信の資産残高は、1.26倍にとどまる。ちなみに米国は11.5倍、英国は4.5倍の伸び出典:『日米英の個人金融資産の動きとその背景〜弱みをチャンスに DCとNISAの拡大が鍵』 フィデリティ退職・投資教育研究所の所長 野尻哲史氏より つまり、日本は、ここ20年ほど、貯蓄も投資もほとんど増えていないという結果でした。野尻さんは、「『貯蓄から投資へ』というのは、貯蓄を取り崩して投資へ回すと理解されて、『貯蓄をリスクにさらす』という印象が強かったのでは。しかし、本来はそうではなく、貯蓄もしながら投資もする。両方を増やしていくべき。老後難民にならないため、今の収入の一部を将来のための投資に振り向けることが大切なのです」とおっしゃっていました。「『貯蓄から投資へ』というのは手段であり、目的は、個人資産を殖やすこと。そのためには、DC(確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を利用する」ということです。今後、両制度の一層の拡充を期待したいものです。高齢化の進展で老後資金の重要性はますます大きくなります。老後資産をふやすために、超低金利の預貯金ばかりでは難しいでしょう。 ぜひ、みなさんも、「普通のママでもできる投資」を参考に、株式や投資信託などのリスク資産をDCやNISA口座を活用して、個人資産を殖やしていきましょう。■無リスク資産はどうすればいい?超低金利下でも、一定の利益を確保することができるのは、「個人向け国債」でしょう。 Vol.10 で、個人が買える国債をご紹介しましたが、現在、「新窓販国債」はマイナス金利で販売を停止しています。「個人向け国債」は買うことができます。固定3年、固定5年、変動10年がありますが、おすすめは「個人向け国債10年変動金利型」です。最低金利が0.05%(税引後0.0398425%)まで低下しましたが、銀行預金の定期金利の0.01%と比べると高く、また変動金利なので、今後、国債の利回りが上がれば、連動して金利も上がります。金利は半年ごとに見直されます。購入後1年経過すれば、2回分の利子相当額を支払えば解約できますが、今後、金利が高くなるようなら、ペナルティの2回分の金利も大きくなります。途中換金しなくてよいように、10年間使う予定のないお金で買いましょう。逆に言えば、当面使う予定のないお金は、銀行預金にしておかないで、国債で運用したほうがよいということです。■普通のママでもできる投資まとめ 当面必要なお金(半年〜1年間の生活費)や4、5年以内に必要な教育費などは預貯金で持っておくどんな資産にいくら配分するかアセットアロケーションを決める具体的に運用する商品を選ぶDC、NISAを優先し、どこで運用するかを決める 詳しくは、Vol.15の「 資産運用をスタートするプロセスのおさらい 」をご覧ください。運用をスタートしたら、年に1~2度、資産の状況を確認してください。自分の決めたポートフォリオから、配分が大きく変化しているようなら、「リバランス」を行います。積立金額を調整するなどして、調整していきましょう。配分比率を維持することが大切です。皆さんが、このコラムをきっかけに、自分の未来のお金について考え、「なんとかなる」ではなく、「なんとかしよう」と一歩を踏み出してくださることを願っています。1年間、おつき合いくださり、本当にありがとございました。
2016年06月20日この連載で、「 投資初心者におすすめの金融商品 」として紹介してきた少額投資費課税制度(NISA)は、毎年元本120万円まで、株や投資信託に投資をして得た売却益や配当に税金がかからない=非課税の制度です。では、非課税期間が終わった後は、どうすればよいのでしょう。■NISAの非課税期間終了した後にとる3つの方法120万円をNISAで投資して、5年後140万円になった場合を見てみましょう。このときにとる方法は3つあります。(1)140万円を換金する20万円の利益に対して税金はかかりません。(2)140万円のうち、120万円を新たな非課税投資枠に移管(ロールオーバー)し、残りは課税口座に移すか、換金する非課税期間は5年間ですが、5年を過ぎて、また新たな非課税投資枠に移管すれば、そのまま投資が続けられます。たとえば、2016年の非課税投資枠は、2020年に非課税期間が終了します。しかし、翌2021年に設けられる非課税投資枠に120万円まで移管することが可能です。(3)140万円を課税口座へ移管する非課税期間終了後、課税口座(特定・一般)へ移管することができます。その時点での分配金や譲渡益等は非課税ですが、移管後は移管時の時価を基に税額が計算され、課税対象となります。なお、移管後の損益は、課税口座(特定・一般)内での損益通算が可能になります。たとえば、保有するAの一般口座で100万円の利益が出ていて、Bの一般口座で80万円の損が出ている場合、損益通算した利益20万円が課税対象です。逆に損益通算後に損が出ている場合は、翌年以降3年間にわたって損を繰り越すこともできます。いずれも確定申告が必要です。 ■ジュニアNISAの場合は?非課税期間終了後は、NISAと同じで3つの選択肢がありますが、2つ目に紹介した方法「120万円を新たな非課税投資枠に移管(ロールオーバー)し、残りは課税口座に移すか、換金する」については注意が必要です。ジュニアNISA口座の開設者(=子ども)が、 20 歳になる年の1月1日を迎えた時点で、そのジュニアNISA口座を開設している証券会社に、 当人の成人NISA口座が自動的に開設されます。そして、ジュニアNISAで保有している上場株式や投資信託は、成人NISA口座に移管(ロールオーバー)されることになります(ただし、手続きが必要)。また、ジュニアNISA口座の開設者が20 歳に達した後は、原則として本人が運用指図を行うというルールがあることもお忘れなく。 さて、2015年7月から連載を続けてきました「普通のママでもできる投資」ですが、次回で最終回になります。次回は、マイナス金利導入下での運用をどう考えればよいのかについてお話しします。
2016年05月31日第20回 で、「積立投資」というものをご紹介しました。積立投資とは、毎月、決まった日に、決まった金額が引き落とされて、決まった投資信託を買い付けていく投資スタイルです。最初に「しくみ」さえつくっておけば、自動的に投資が続けられますので、大きなお金を用意しなくてもすぐに始められます。なかなか一歩を踏み出せないあなたも、スモールスタートであればできそうですね。■「積立投資」のメリットとはこれまで何度か、「投資は分散が基本」ということをお話ししてきました。「 卵は1つのカゴに盛るな 」ということわざを覚えていますか? 投資対象は分散しなさいということですね。投資対象の分散には、投資先のほかに、投資する時期、つまり「時間」の分散もあります。一度に買わないで、毎月、一定額ずつ「積立投資」をしていくのです。これを長く続けることによって「複利の効果」が得られます。(参考: 第16回「営業マン任せはNG! 儲かる投資信託を選ぶためのポイント」 )複利と単利の差は、下記のように一目瞭然です。たとえば、100万円を年利10%で運用すると、単利だと毎年10万円ずつ増える計算になりますが、複利だと…ご覧のように、複利は時間の経過とともに効果が大きくなるのです。たとえば、月に3万円ずつ(年間36万円)を3%で20年間積立投資していくと、いくらになると思いますか?計算上は、967万3,200円になります。もちろん、現実には3%ずつ確実に上がり続ける投資信託などなく、基準価額は上がったり下がったりしながら資産残高を増やしていきます。このような投資の方法を「ドルコスト平均法」と言います。●ドルコスト平均法基準価額の変動に関係なく、一定の金額を定期的に積立投資していく手法です。「ドル」という名前がついていますが、外貨投資だけに当てはまるものではありません。一定額を積み立てていくこの方法だと、価格が安いときには多めに買えて、価格が高いときには、買える数が少なくなります。これを長く続けることで、結果的に平均の購入コストを安くできるのです。 「安いときに買って、高く売る」というのが投資のセオリーですから、安い時期を当てられれば儲かります。しかし、私たちが安値を当てるのは無理ですよね。振り返って高値づかみだったということも少なくないでしょう。そういう意味で、時間を分散するということは、リスクを減らせるということです。株価が乱高下しながら長期で上向いていく場合、積立投資は効果が得られやすいと言われます。そして、ネット証券などの販売会社で運用する場合、「積立投資」という投資スタイルを選択しておけば、毎月自動で買付をしてくれるので、手間がかかりません。まさにこのスタイルで運用するのが、前回お話しした「確定拠出年金制度(DC)」です。 DCは、原則60歳までお金を引き出せませんが、それは逆に言えば、老後のための資金としてゆっくり運用していくことができるということです。一方、NISAは、いつでも引き出すことができます。住宅ローンの頭金や子どもの大学の入学金など、必要な時期が決まっているお金を増やしていくとよいでしょう。なお、DCとNISAの運用は、自分の資産全体の中で考えることが大切です。DC口座の中で、NISA口座の中でそれぞれ分散する必要はありません。■NISAとDCを上手に運用するには、株や債券など分散して長期投資をDCやNISAでは、株や投資信託などのリスク資産を運用するとよいでしょう。世界の株価は、長期では経済拡大に連動して上昇してきました。資本主義が続く限り、人間の経済活動が続く限り、これからも経済は拡大していくでしょう。ですから、目先の株価の上下を気にすることなく、ゆっくり資産を殖やしていきましょう。毎月数万円を運用する場合、まず、DCに加入できる人は、その枠をいっぱい使って外国株式のインデックスファンドを買う残りをNISAで日本株式のインデックスファンドを買う というようにします。まだ余裕がある場合は、通常の課税口座で運用しましょう。これが、DCとNISAの上手な運用方法と言えます。次回は、NISAの非課税期間が終ったらどうするかについてお話します。
2016年05月23日『OLが考えたお金を増やすたった一つの方法』(松川佑依子著、扶桑社)は、株式投資について解説した本。一見、数ある投資ノウハウ本のように感じますが、そのアプローチはとてもユニーク。女性の視点から株式投資をすることの利点に気づかせてくれるのです。著者の松川佑依子さん自身、資産運用会社で働くOLでありながらタレントとしても活躍するというユニークな経歴の持ち主。業務で資産運用を行い、「入社から約3年、会社に損はさせていません」という株式投資のプロであると同時に、25歳のイマドキ女子の感覚もしっかりと持ち合わせています。その著者が約3年の投資経験のなかで気づいた「株(株式投資)って女性の強みが生かせるんじゃないかな?」というひらめきが、本書のベース。ここでは本書から、投資する企業を選ぶときに役立つ女子目線について見ていきます。■女性向けの製品を知っている強み著者は、「株選びはやっぱり女性のほうが有利」といいます。女性向けの製品やサービスを売っている企業もたくさんあるのに、株式投資をするのは圧倒的に男性が多いから、というのがその理由。女性にとって身近な製品の使い勝手や人気を把握できるのは、女性の強みです。たとえば、カメラのフイルムなどを作る富士フイルムが株式上場していることを知っている男性は多いと思います。しかし、アスタリフトという化粧品がいまファンを増やしていて、そのアスタリフトをつくっている会社が富士フイルムであることは、男性にはなかなか気づけないもの。それが、女性であれば「アスタリフトの人気が高まっている→アスタリフトをつくっているのは富士フイルム→富士フイルムの業績や経営状況を確認してみよう」と連想ができるというのです。■実は街歩きを楽しむことも大切!街歩きのなかにも、株式投資のヒントが詰まっていると著者はいいます。都市部でいえば、たとえば新しい商業施設がオープンしたとき。繁華街に新しい施設をオープンすれば、さぞ株価は上がっていくだろうと予想できますが、著者はここで「自分で感じた体験も大切」とくぎをさしています。実際に自分の足で訪ねてみて「なんか想像と違うな」「惹かれないな」と思ったら、いくら短期的に株価が上昇していても安心して持ち続けることはできません。さらに、ショッピングをしながら歩いていると、行列のできるオシャレなお店を目にすることがあります。普段から女友だちとお茶をしたりウインドーショッピングしたりと街歩きを楽しんでいる女性は、こうしたトレンドにも気づきやすいのです。著者のおススメは、流行っているお店や、サービスがほかとはちょっと違っていて人気の出そうなお店を見かけたら「連想」をしてみること。しかも、連想にはいくつかのパターンが考えられるそう。たとえば行列のできる人気パンケーキ屋を見つけた場合。(1)人気のパンケーキ店→その経営母体が上場企業かどうか。(2)パンケーキの原料は小麦粉→製粉会社や製菓会社の業績に影響があるかもしれない。(3)パンケーキが流行った→次はどんなスイーツが流行るだろうか。といった連想ができるというわけです。たしかに、(1)はごく一般的なアプローチですが、(2)や(3)には女性の視点が生かせます。女性は口コミやSNS、雑誌、テレビの情報番組などで流行の移り変わりをキャッチしやすいといえますし、普段から料理をしていれば食材にまで連想を働かせることも可能だからです。■お気に入りカフェで四季報めくり本書では、こうした女性目線を生かした銘柄選びだけでなく、とっつきにくい専門用語、実際に株を買うまでの流れもわかりやすく解説されています。なかでも、「会社四季報」をめくるシチュエーションがイマドキ女子っぽくて印象的。会社四季報とは、日本の株式市場に上場している約4,000企業すべての情報が詰まった本。3か月に1度発行されており、企業の所在地や事業内容、財務情報や過去5年分の業績、記者による業績予想などが収録されています。株式投資をする上で必要な数字を確認することができる必携書ですが、かなり分厚くて見た目もややハード。とても若い女性がめくるようなイメージはないのですが、著者はこの2,000ページもある会社四季報を、お気に入りカフェでリラックスして目を通しているというのです。*株式投資への入り口は人それぞれ。お気に入りブランドでも、好きなレストランやコンビニ菓子でもいいのです。とくに女性にとって、入り口が自分の生活圏内にあるということはとても重要です。身近な商品をきっかけに、株式投資の広くて深い世界に進んでいく、本書がその水先案内人の役割を果たしてくれるでしょう。(文/よりみちこ) 【参考】※松川佑依子(2016)『OLが考えたお金を増やすたった一つの方法』扶桑社
2016年03月21日2014年から導入された個人向けの少額投資非課税制度、通称:NISA(ニーサ)をご存じでしょうか。テレビコマーシャルなども盛んに行われていたので、名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?NISA最大の特徴は、120万円までの利益が非課税なことNISAは、今年(2016年)から年120万円を上限に(2015年までは年100万円でしたが、上限額が拡大されました)、累計600万円まで、上場株式や株式投資信託などの配当金や分配金、譲渡益が、最長5年間、非課税になるという制度です。現在のところ、この制度は平成35年まで10年間存続することになっています。NISAは、20歳以上で、日本に住んでいる人ならだれでも利用することができます。今年からは、0歳~19歳までが利用できるジュニアNISA制度もスタートしました。ジュニアNISAについては次回お話しします。 前回 お話ししましたが、通常、金融商品の運用益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で運用すれば非課税になります。ただし、NISA口座で新たに購入した運用商品が対象です。既に持っている運用商品は、対象にはなりません。NISA口座は、銀行や証券会社で開設することができますが、金融機関によって投資できる商品が異なります。NISA専用口座を開いて、ラインアップの中から自分で投資商品を選択するのですが、銀行には、上場株式やETF(※)という上場型投資信託がありませんので、開設するなら証券会社の方がおススメです。(※)上場投資信託。「Exchange Traded Funds」の頭文字をとり、ETFと呼ばれている。東証第1部の全銘柄の動きを反映した株価指数=TOPIXに値動きが連動しているため、ETFを保有することで、TOPIX全体に投資を行っているのとほぼ同じ効果が得られる金融商品。NISAで覚えておきたい4つの注意点注意点は、4つあります。・その1:1人1口座開設できるのは1人につき1口座で、一度開設すると、その年度は金融機関を変えることはできません。1年ごとに金融機関を変えることができます。・その2:非課税枠の未使用分を翌年に繰り越すことはできない非課税枠の120万円の未使用分を翌年に繰り越すことはできません。たとえば、120万円のうち、今年100万円しか使わなかったとしても、残りの20万円を来年に繰り越して、来年の非課税枠を140万円にすることはできません。・その3:売却した分の非課税枠は再利用できないたとえば、NISA口座で60万円分の株式投資信託を運用していたとします。年の途中で、30万円分を売却したとしても、その後に利用できるのは、残りの60万円です。売却分の30万円の枠は再利用することはできません。・その4:損が出ても損益通算できない通常、損が出ると、利益の出ているほかの口座と損益通算や損失の繰越控除ができますが、NISA口座ではできません。政府広報オンラインにもNISAのことが詳しく説明されています。・ 新しい投資優遇制度「NISA(ニーサ)」がスタート!将来に向けた資産形成を考えるきっかけに:政府広報オンライン 次回は、ジュニアNISAについてお話しします。
2016年03月21日ミック経済研究所は3月15日、「2016年度従業員規模別・業種別IT投資動向調査310社」のレポートを発表した。製造・流通・サービス業の2016年度IT投資総額は前年度比2.5%増の11兆6516億円、増加要因はシステム更新がトップとなった。同調査は国内経済が中国経済の成長減速から景気の不透明感が高まり、財政出動の限界も見え、2016年度の見通しが立てにくい状況を受け、各企業の2016年度予算計画、IT投資計画を立てる参考指標とするため実施。調査対象は製造(建設含む)、流通(卸、小売、他)、サービス業の情報システム部門で、金融・証券・保険、自治体・公共、学校、医療は除いた。従業員規模別・業種別の2016年度IT投資計画・増減分布は、2016年度の計画では「増加」が19.7%、「横這い」が66.8%、「減少」が13.5%。横這いが最も多いが、増加と減少を比較すると増加の方が多く、事業に前向きな姿勢が伺える。さらに、増加を選択した61社の中では伸率20%以上のウエイトが62.3%と多く、全体でも12.3%を占める。一部の企業においては事業拡大に舵を切り、IT投資を急増させる計画であるという。従業員規模別では従業員1000人以上規模の「増加」が52.0%を占める。大手企業は利益剰余金が豊富で、2016年度のIT投資は相当に期待できると予測している。また、従業員1000人以上規模のIT総額は国内全体の半分以上を占めており、国内全体のIT投資動向を牽引していく見通しだ。業種別では、各業種ともに「横這い」が65~70%未満。ただし、「増加」と「減少」の比率を比較すると、従業員規模別ではすべての規模で「増加」が多かったが、業種別は流通業のみ「減少」の方が多い。2015年度の流通業は、やや増加傾向を示していたが、2016年度はやや厳しいと想定される。従業員規模別・業種別の2016年度IT投資増加要因は、「システム更新」が62.3%を占めて最も多く、リーマンショック以降、ITシステムへの投資を先送りしてきた企業が多かったが、2015年度からシステム更新にIT投資が向かい、2016年度より本格化すると推測。そのほか、マイナンバー対応が遅れていた中小企業を中心に「内部統制・セキュリティ強化」が13.1%と続く。また次いで「事業拡大」が9.8%と既存ビジネスの売上拡大、新規事業立ち上げと前向きな要因が増えている。従業員規模別に見ると、従業員300~999人規模の中堅企業と同100~299人規模の中小企業でシステム更新が前者66.7%、後者63.6%と多く、全体平均を押し上げている。2016年度の計画は、全体的には横這いが多い中堅・中小企業であるが、2016年度から抑制していたシステム更新に投資が向かいはじめたと同研究所は推測している。
2016年03月16日アジレント・テクノロジー(アジレント)はこのほど、米Lasergenに対し8000万ドルの投資を行うと発表した。Lasergenは次世代シーケンシング技術を有する新興バイオテクノロジー企業で、テキサス州ヒューストンンに本社を置く。アジレントは今回の投資により、Lasergenの株式のうち48%を取得することになる。また、2018年3月2日までに、追加で1億5000万ドルを投資し、残りの株式を取得するオプションも有している。両社は今後Lasergenのシーケンシングケミストリーである「Lightning Terminators」をベースに、臨床アプリケーション向けの次世代シーケンシングソリューションワークフローを開発していく。Lighting Terminatorsは、現在商用化されているほかの技術と比較して、ゲノムシーケンシングを高速化、高精度化、低価格化できる可能性があると考えられている。
2016年03月14日宮城県仙台市に本店を置く七十七銀行は3月9日、投資信託を購入した個人顧客向けに「<七十七>投資信託キャンペーン~お申込手数料、半分お返ししますよ~」を開始した。期間は3月31日まで。○投資信託を100万円以上購入した個人が対象キャンペーンの内容は、七十七銀行で投資信託を累計100万円以上購入した個人顧客を対象に、投資信託申込手数料(消費税込)の50%をキャッシュバックするというもの。通常の申込手数料は買い付け金額に対し最大3.24%(税込)。投資信託は、東北地区の同行全営業店(一部の出張所を除く)及び札幌支店で取り扱っている。キャンペーンは自動エントリーのため申し込みは不要、キャッシュバック分は4月下旬に口座に振り込み予定。ただし、既に実施されている「<七十七>運用スタート!! Wキャンペーン」でキャッシュバックの対象となる手数料は対象外となる。
2016年03月11日前回 、「分配金」についてお話ししました。「分配金」には、「普通分配金」と「元本払戻金」(かつては「特別分配金」と言われていました)の2種類がありましたね。「普通分配金」は、運用収益から分配されますが、「元本払戻金」は、自分が投資した元本の一部が払い戻されたものです。ですから、「普通分配金」には、運用益の20.315%が源泉徴収されますが、「元本払戻金」は、もうけではないので、課税されません。分配金の受け取り方は2タイプ、どちらがお得?投資信託を購入した場合、「分配金」の受け取り方には一般的に、・そのまま現金で受け取る(分配コース)・支払われた分配金で同じ投資信託を追加して買い付けて行く(再投資コース)という2つの方法があって、選択することができます。税金は、どちらの方法でも同じようにかかります(ただし、「NISA口座」は、一定額までは非課税です。NISA口座についてはまた改めてお話しますね)。では、どちらの方法がより、お金を増やすのに向いているのでしょうか。皆さんは、「複利」という言葉を聞いたことがありますか?複利は、よく「雪玉」にたとえられます。小さい雪玉は、ひと転がししてもあまり雪はつきません。でも、雪球が大きくなると、ひと転がししたとき、たくさんの雪がつきます。転がしていくにつれ、雪玉はますます大きくなっていきますね?複利は、利息がつくと、その利息も含めた元利合計(元本と利息を合わせたもの)を新たな元本として利息がつくのです。利息が利息を生むというわけです。たとえば、毎月、3万円ずつ(年間36万円)、年利3%(!)の利子のつく定期預金というものがもしあると仮定して、それに20年間預け入れたらどうなると思いますか?複利で増えて、なんと967万3,200円になります!(ただし、計算方法によって多少違いがでてきます) 複利は、時間の経過とともに効果が大きくなるのです。ちなみに、「借金が雪だるま式にふくらむ」という言い方をするのも、複利でどんどん利息が増えてしまうということです。お金を増やしたいなら、分配金は「再投資コース」を選択するのが正解さて、冒頭で紹介した2タイプの分配金の受け取り方のうち、「分配金再投資コース」にした場合を考えてみましょう。仮に分配金が100円だとすれば、ここからまず税金20円が差し引かれて、残りの80円で同じファンドを買い付けていくことになります。たとえば、100万円を期待リターン4%で10年間運用した場合、再投資をして複利で運用すれば、148万244円になります。しかし、分配金を受け取ると(分配コース)、単利で運用することになりますので、増えるのは、元本100万円に対し、4%×10年間=40万円です。10年後は140万円です。8万244円の差がつくのです!運用する期間が長くなれば、複利効果で、差はさらに大きく拡がります。つまり、お金を増やすには、増えた分を分配金で受け取らず、再投資すること、すなわち、複利で長く運用することが大切なのです。このコラムを読んでくださっている読者のみなさんには、まだまだ長い時間があります。ぜひ、「毎月分配型」ではなく、「年1回決算型」など決算回数の少ないファンドを選び、ゆっくりお金を育てていきましょう。(岩城みずほ)
2016年03月07日北海道大学(北大)は2月17日、働かないアリもコロニーの長期的存続のためには必須であることが判明したと発表した。同成果は、同大学大学院 農学研究院動物生態学研究室 長谷川英祐 准教授ら、および静岡大学創造科学技術大学院 工学領域 吉村仁 教授らの研究グループによるもので、2月16日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。アリのコロニーにはほとんど働かないアリが常に存在するが、これらはコロニーの短期的な生産効率を下げるため、短期的効率を高める自然選択の存在下でなぜいるのかは大きな謎となっていた。今回、同研究グループは、格子モデルを用いたシミュレーションにより、普段働かないワーカーがほかのすべてのワーカーが疲れて働けないときに代わりに働くというシステムと、全員が一斉に働くというシステムを、疲労の存在下でどちらが長く存続するかを比較した。また実際のコロニーにおいて、よく働いているアリが休んでいるときに、普段働かないアリが働くかどうかを調査した。この結果、疲労が存在しないときには2つのシステムの存続時間に差はなかったが、疲労が存在すると、働かないワーカーがいるシステムの方が長続きした。これは普段働くワーカーが疲れて働けなくなった際、疲れていない普段働かないワーカーが、誰かがこなしていないとコロニー全体が致命的なダメージを受ける仕事を代わりにこなすことで、危機的な瞬間を逃れることができるためであるという。実際のコロニーにおいても、普段働かないアリは、働くアリが休んでいるときに働いていることが示されている。同研究グループは今回の結果について、アリのような社会性昆虫に限らず、人間の組織を含め、組織の短期的効率を求めすぎると大きなダメージを受けることがあることから、組織運営全般に関して、長期的存続の観点を含めたうえで考えていくことの重要性が示されたとしている。
2016年02月17日前回 、「長期で保有し、老後資金などのためにゆっくりお金を増やしていきたい場合は、やはりコストの安いインデックスファンドを選ぶのがいいでしょう」とお伝えしました。コストについては、 第13回 でお話ししています。信託報酬の安いものを選ぶ投資信託を選ぶ際は、同じような種類の投資信託のコストを比較することが大切です。会社によって信託報酬はさまざまなのです。今、インデックスファンドの低コスト化が進んでいます。たとえば、日経平均株価をベンチマークとするインデックスファンドで安いものは、以下のようになります。・ニッセイ・アセットマネジメント/ニッセイ日経225インデックスファンド 信託報酬=年率0.25%(税抜)・三井住友トラスト・アセットマネジメント/日経225 インデックスe 信託報酬=年率0.19%(税抜)・DIAMアセットマネジメント/たわらノーロード日経225 信託報酬=年率0.195%(税抜) (いずれも2016年1月現在)ここには、信託報酬の安いものを挙げましたが、これらと同じタイプのものでも、商品によって信託報酬は違います。「少々は気にしない!」と思うかもしれませんが、長期ではこれが大きな差になってくるのです。ちなみに、アクティブファンドの平均信託報酬は年率1.5%くらいのものがたくさんあります。販売手数料がかからないものをまた、ファンドを購入するときは、購入時に一度だけかかる販売手数料は、同じ商品でも販売窓口によって金額が異なります。販売手数料がかからない(ノー・ロードになる)ネット証券などで買うことも大切です。資産運用をスタートするプロセスのおさらいではここで、これまでのおさらいをしておきます。<資産運用をスタートするプロセス>1.自分の資産の状況を確認、把握し、投資の目標を明確化する住宅ローンなどの借入金がいくらあるか。預貯金はどのくらいあるかを確認し、毎月、いくら運用に回せるか考えます。子どもの教育費を貯めていく、老後の資金を作っていくなど、投資目標を明確にしましょう。投資環境を把握することも大切です。記事はこちらをご参考にしてください。・ 支出にはくせがある? 自分の支出のくせを知ろう(普通のママでもできる投資 Vol.4) ・ 貯まる家計にするための3つのステップ(普通のママでもできる投資 Vol.5) 2.アセットアロケーションを考える投資は、分散が基本です。「卵は一つのカゴに盛るな」という格言を思い出していただけましたか?何を買うかの前に、安定資産である債券とリスク性資産である株式などをどのように組み合わせればよいのか、配分比率を考えましょう。・ 安定した資産運用のための重要ポイント=「資産配分」(普通のママでもできる投資 Vol.11) 3.どこで運用するか考える長期で運用するほど、コストの差は大きく影響してきます。より安い商品をネット証券で買うのがおススメです。使いやすい会社を探してみましょう。コストについてのおさらいはこちら。・ 投資信託のしくみを知ろう(普通のママでもできる投資 Vol.13) 4.投資対象を選択する具体的に商品を選択する段階です。今日の記事やこちらをご参考にしてみてください。・ 購入の前に知っておきたい、投資信託のインデックスファンドとアクティブファンドとは(普通のママでもできる投資 Vol.14) そして、その後は、5.買付方法を決める6.モニタリングとリバランスというステップになります。こちらについては順次お話ししていきますので、楽しみにしていてくださいね。次回は、どんなファンドを選べばいいのか、もう少し考えてみましょう。(岩城みずほ)
2016年02月08日投資信託協会は27日、投資信託に関するアンケート調査結果を発表した。調査期間は2015年9月10日~29日、対象は20歳以上の男女で有効回答数は1,523件。○投資信託保有率は35.2%「投資信託の保有状況」を尋ねたところ、「現在持っている」は35.2%、「以前持っていたが今は持っていない」は13.0%、「今まで持ったことがない」は51.1%だった。年代別にみると、保有率が最も高いのは70代以上で54.4%、最も低いのは30代以下で19.3%だった。年収別では「年収100万円~300万円未満」が最多の38.9%、「年収100万円未満」が28.7%となった。「保有している投資信託の種類」を尋ねたところ、最も保有率が高いのは「株式投資信託」(63.1%)、ついで「外国で作られた投資信託」(29.3%)、「公社債投資信託」(28.0%)、「不動産投信」(17.7%)、「ETF」(7.3%)となった。「投資信託購入の際の運用会社の重視点」については「運用力」が43.4%で最多。以下「資本力」(25.5%)、「知名度」(25.3%)、「運用体制」(16.7%)だった。○投資信託のメリット・デメリットは?「他の金融商品と比較して投資信託に特に魅力を感じる点」では「定期的に分配金が受け取れる」が17.8%で1位。以下「専門知識がなくても投資できる」(16.9%)、「比較的高い利回りが期待できる」(12.1%)が続いた。一方、「不満を感じる点」の1位は「元本保証がない」(33.1%)。2位は「手数料が高い」(17.6%)、3位は「仕組みや運用実績がわかりにくい」(10.4%)だった。「投資信託の償還・売却で得た資金の流出先」の1位は「預貯金に回した」(32.6%)。2位は「生活資金に回した」(24.0%)、3位は「他の投資信託を購入した」(20.7%)、4位は「株式・債券を購入した」(17.7%)、5位は「売却・償還したことはない」(13.9%)となった。
2016年01月28日不動産投資に関する書籍は多く、しかしその多くはメリットばかりを強調する傾向にあります。でも現実的にはリスクも大きいものであるだけに、石橋はしっかり叩いて渡りたいところ。そこでおすすめしたいのが、『失敗事例に学ぶ! 「不動産投資」成功の教科書』(ふどうさんぽ著、御井屋蒼大監修、日本実業出版社)です。著者の「ふどうさんぽ」とは、不動産投資家を目指す、あるいはすでに不動産を所有しているメンバーと、不動産投資に関する情報交換をするサークル。メンバーは1,000人を超え、中心メンバーは億を超える資産を持つ経験値の高い人達ばかりなのだとか。つまり本書では、豊富な経験に基づいた、さまざまな失敗事例が紹介されているわけです。しかし、それらを理解するためには、まず基本を知ることが重要。そこで、不動産投資の基本をおさらいしてみましょう。■「利益を得られる物件」を購入するべし不動産投資は、「購入して、保有(運用・管理)して、売却する」という3つの基礎構造によって成り立っているもの。購入手順はマイホームを買うときと同じで、物件を探してもらい、それに見合った物件が見つかれば紹介を受け、気に入れば購入、となります。しかし、ここで重要なのは「利益を得られる物件を購入しなければならない」ということ。「利益を得られる物件」を自分でイメージでき、具体的に条件を書き出すことができなければ、不動産仲介業者に自分の希望を伝えることは不可能。また購入時に銀行から融資を受けることも考えると、「利益が得られて、融資が受けられる」物件であることが必須となるわけです。たとえば相場で5,000万円の物件を、誤って6,000万円で買ってしまったとします。この物件で年間100万円のキャッシュフローが得られるとすると、10年間に1,000万円のプラスとなります。しかし10年間でローンの残高が4,000万円まで減ったものの、売却したら経年変化もあって3,000万円でしか売れなかったとなれば、キャッシュフローのプラス分1,000万円とキャピタルロスのマイナス分1,000万円で、差し引きトントンになってしまうことになります。もちろんオーナーは10年にわたり、不動産投資家としてきちんと働いてきたはず。ところが、最初に相場より高い物件を買ってしまったため、その労働すべてがチャラになってしまうということ。でもトントンならまだマシで、マイナスになってしまうこともあるのだとか。そんな場合は10年間タダ働きだったということになるだけでなく、「働いてお金をロスする」という意味不明の結果になってしまうのです。■必ず相場よりも安い物件を購入するべしこの例からもわかるように、「相場より高く買う」という失敗は、絶対に避けなければいけないと著者は強調しています。大切なのは、まず購入時に正確な相場を学び、必ず相場より安く、無理なら相場と同等の金額で購入すること。そしてそのためには、誠実で信頼できる不動産仲介業者から紹介してもらうべきだといいます。■物件の「売却額」も自分で算定するべしまた売却の際にも不動産仲介業者に協力してもらいますが、キャピタルゲインをいくら得られるかを計算し、売却額を自分で算定することが必要。相場を知るのはもちろんのこと、ローン残高を考えて、「これより下回ったらトータルでいくらの損になるのか」を知らなければならないということ。また、売買のタイミングも自分で知るべき。建物が劣化して使えなくなってから売るのか、使えなくなった建物を壊して土地だけ売るのか、減価償却が終わったタイミングで売るのかなどによって、利益が変わるのです。こうしたことをすべて考えたうえで、「どのような条件で手放したいか」を伝え、それに見合った広告を出してもらい、買い手を紹介されて売却となるわけです。そして購入時の金額と売却するときの差益がプラスであればキャピタルゲインとなり、マイナスならキャピタルロスとなるということ。もちろん世間の経済状況にも左右されるでしょうが、しっかり勉強し、必要ならコンサルティングなどプロのアドバイスに耳を傾けることが大切。そうすれば、好景気でも安く購入することや、不況でも利益を出して売却することが可能だと著者はいいます。*こうした基本をベースに、以後の章では数多くの失敗事例が具体的に紹介されています。「不動産屋さんと会話がかみあわなかった」というようなコミュニケーションの問題から、「部屋のなかで孤独死が発生してしまった」というようなシリアスな話までさまざま。不動産投資に関心があるなら、手にとってみればきっと役に立つ内容だと思います。(文/書評家・印南敦史)【参考】※ふどうさんぽ(2015)『失敗事例に学ぶ! 「不動産投資」成功の教科書』日本実業出版社
2016年01月27日半導体市場調査会社の米IC Insightsは1月20日(米国時間)、2015年世界半導体企業研究開発(R&D)投資総額および投資額ランキングトップ10社(表1)を発表した。世界半導体産業全体では、2015年のR&D投資総額は前年比0.5%増加し、564億ドルに達し、史上最高額を記録した。しかし、成長率は過去10年の平均値である4%より低かった。2015年前半の半導体市場は好調だったが、後半に入ってから急に減速したことや、前例の無いM&Aの連鎖などがR&D投資総額の伸びを抑えたようだ。表1にリストアップした上位10社に限ればR&D投資額は2%成長している。上位10社のR&D投資額総額は、その他のすべての半導体企業のR&D投資総額を超えており、投資額の大きさがきわだつ。2015年世界半導体売上総額は、前述した通り、下半期に入り急ブレーキがかかってしまったため前年比1%減少となった模様だが、R&D投資額は0.5%増加したので、R&D/売上高比率は2014年の15.8%から2015年は16%へわずかながら上昇した。この16%という数字は2000年以降の半導体産業の平均R&D/売上高比率(過去15年間の平均)と同じである。○Intelだけで、業界全体のR&D総額の22%も消費R&D投資額トップは、売上高でも断トツでトップに君臨する米Intelであり、2015年にR&Dに121億ドル超(1兆4500億円)と他社とは桁違いの巨額投資しており、半導体産業界のR&D総額の実に22%をにあたる額を1社だけで消費していることになる。同社の売上高に占めるR&D費の割合は24%であり、売上高の1/4もの費用をR&Dに投資していることになる。MPUの微細化に伴い、IntelのR&D費は高騰しているため、R&D/売上高比率は毎年上昇を続けている。1995年には9.3%、2000年で16.0%、2005年で14.5%、2010年で16.4%、という具合に上昇し続けてきているが、最近はPC不振やモバイル向けビジネスの赤字で売り上げの伸びが止まっているため、2015年には上述のとおり24.0%にも達している。Intelの2015年のR&D費は、前年比5%増加したが、2010年以来の伸び13%、2001年以来の伸び8%より低かった。R&D投資額トップ5社(Intel、Qualcomm、Samsung Electronics、Broadcom、TSMC)の順位は2014年と変わらないが、6位以下は大幅にいれかわった。昨年7位だったMicron Technologyが6位に上がり、変わりに6位だった東芝がランクを1つ落とした。同社は日本企業で唯一トップ10に留まっている。なお、東芝のR&D費は前年比11%減少となっているが、これは米ドル基準の値であり、日本円基準では、1%程度増加した。MediaTekは2014年の9位から順位を1つ上げ、12位だったSK Hynixは、2015年前半のDRAM好調を受けて2015年は9位に上昇した。一方、STMicroとNvidiaはランクを1つずつ落としてそれぞれ10位、11位となった。○ファウンドリやメモリメーカーのR&D/売上高率は7~8%程度IC Insightsの発表では触れてはいないが、Qualcomm、Broadcom、MediaTekといったアプリケーション・プロセッサなどロジック製品中心のファブレスのR&D費用は、売り上げの2割を超えているのに対して、ファウンドリ(製造受託)であるTSMCやメモリ製造中心のSamsungやSK HynixのR&D費用は7~8%程度に留まっている点が注目される。欧米ではファブレス同志のM&Aが次々起こっているが、高騰するR&D費用を互いに分担する狙いがある。日本ではIDM(垂直統合企業)が巨額な設備投資に耐えられずに次々とファブライトやファブレスにシフトしてきているが、人材リストラや経費削減ばかりしていては生き残れない。上位の海外ファブレス(やIntel)が他社に大幅に差異化できる新製品を開発するため、売り上げの2割超のR&D費を投じている点に留意すべきだろう。IC Insightsは、今年2016年のR&D投資総額は、前年比4%増の589億ドル、2020年には763億ドルに達すると予測している。2015~2020年の年平均成長率を6.7%と見ている。R&D/売上高比率は、16.2%(2011~2015)から16.4%(2016~2020)に増加すると予測している。
2016年01月25日日本で購入できる投資信託は約5,800本(2015年10月末時点)もあるそうです。莫大な数のファンドの中から、どうやって選べばいいのか、困ってしまいますね。でも大丈夫。選ぶ際のポイントをお話ししましょう。運用手法で分けると2つに分類できるファンドマネジャーという投資信託の運用担当者がどのように運用しているのか、その運用スタイルから眺めると、この莫大な数のファンドも大きく2つに分類することができます。(もちろん、ファンドをどのように運用していくのか、その運用方針を決めるのは、ファンドマネジャーだけの権限ではなく、経済環境の分析や企業のリサーチなどで情報を得て、運用会議を経て決められます。)投資信託の運用スタイルは、アクティブ運用とインデックス運用(パッシブ運用ともいいます)に分けることができます。アクティブ運用とはざっくり言うと、アクティブ運用というのは、市場よりも高いリスクをとって、市場以上のリターンをあげることを目的にするものです。投資信託の運用には、指標(ベンチマーク)が設けられます。たとえば、日本株式を組み入れたファンドなら、「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの指標(インデックス)がベンチマークとなります。アクティブファンドというのは、一般的にはこのベンチマークを上回るリターンを目指して運用するものです。ベンチマークを平均点と考えるなら、平均点以上の成績を目指すものなのですね。そういう意味では、運用者の手腕に託されているというわけです。インデックス運用とは一方、インデックス運用というのは、市場の動きと同じような動きでよいと考える運用です。市場が良い時は同じように上昇し、悪ければベンチマークと同じくらいのリターンで良いとするものです。インデックス運用は、市場並みのリスクをとって市場並みのリターンをなるべく安いコストで実現しようという考え方です。インデックスかアクティブかインデックスがよいか、アクティブがよいのかについては、よく議論されるポイントです。それぞれの運用スタイルを知って、市場平均を上回る運用を目指すアクティブファンドのほうがいい!と思った人も多いかもしれません。しかし、ちゃんと目標を上回った実績を出せているかと言うと、なかなかそううまくはいかないようです。過去の実績を見ると、アクティブファンドの平均パフォーマンスは、インデックスファンドのそれを下回っているという現実もなるのです。なぜでしょう。それは、アクティブファンドには大きなコストがかかるためです。コスト以上の運用成績を上げればいいじゃないと思うかもしれませんが、毎年毎年長く勝ち続けるのは至難の業なのでしょう。中には、よい成績を上げているアクティブファンドもありますので、結果的に、お金を十分増やせたということももちろんあります。また、インデックスファンドの中にもベンチマークと乖離(かいり)してしまうものもありますので、どちらが良い、悪いということではないのです。大切なのは、それぞれの特性を知り、きちんと使い分けることです。長期で保有し、老後資金などのためにゆっくりお金を増やしていきたい場合は、やはり、コストの安いインデックスファンドを選ぶのがいいでしょう。その上で、余裕があれば、運用方針やコストなど、自分で納得した上で、アクティブファンドを買ってみるとよいでしょう。次回は、どんなインデックスファンドを選べばいいのかをお話します。(岩城みずほ)
2016年01月25日投資に回せるお金が少額の場合、投資信託を利用するのがいいでしょう。投資信託とは、簡単に言うと、たくさんの個人投資家(受益者)から集めたお金をまとまった資金にして、ファンドマネジャーと言う専門の人が運用するものです。今回は投資信託のしくみを、もう少し詳しく解説していきましょう。 前回 、「投資信託というのは、大きな袋の中に、たくさんの会社の株式が入っているイメージです」とお話ししました。ファンドマネジャーは、たくさんの銘柄に分散投資をして、利益が出たら、リターンを皆で分けます。投資信託のメリット専門家が運用してくれるので、「今、株価がどうなっているか」とか、「どこの会社が儲かりそうか」などを調べたりする必要がありません。少額から投資ができることも大きなメリットでしょう。個別銘柄に投資をする場合、数十万円の資金が必要ですし、相当大きなお金がないと買えない銘柄もたくさんあります。でも、投資信託なら、1万円でさまざまな銘柄に分散投資をすることができるのです。そう、投資信託なら、分散投資が簡単にできるのですね。ネット証券なら、500円から積立投資ができます。積立投資というのは、給料から毎月決まった日に決まった金額で、決まった投資信託をコツコツ買い増していくことです。積立預金(貯金)や財形などをしたことがある人も多いと思いますが、同じようなイメージです。資金の安全性も確保されているもう1つ、投資信託には、個人投資家の資産が守られるという安全性が確保されているという特徴があります。投資信託は、・証券会社や銀行など投資信託を販売する金融機関・ファンドを運用する投資信託会社(委託者)・資金を保管、管理する信託銀行(受託者)に分かれています(中には、投資信託会社自身が販売する「直販」と呼ばれる会社もあります)。役割が3つに分かれているので(分別管理といいます)、万一、銀行や証券会社が倒産したとしても、個人投資家の資産は安全に守られるのです。投資信託の値段と手数料投資信託の価格は、「基準価額(きじゅんかがく)」といいます。運用の状況は公開されていますし、今、いくらになっているのかもわかります。非上場の投資信託の場合、ファンドに組み入れられている株式などの時価総額を受益権口数で割って、一口当たりの価格=「基準価額」が算出されます。購入、解約(換金)はいつでもできますが、当然ながら、元本や利回りは保証されていませんし、保有には手数料がかかります。手数料は、商品によって違うので、注意が必要です。手数料は、販売手数料、信託報酬、信託報酬留保額の3つがあります。販売手数料というのは、スポーツクラブの入会金のように、購入時に一度だけかかります。販売会社に支払うものです。商品や販売会社によって違っていて、とても高いものもあれば、無料(販売手数料のかからないもの。ノー・ロードといいます)のものもあります。たとえば、3%の販売手数料のかかる投資信託を、購入手数料込みで100万円分の買った場合、販売手数料が差し引かれ、97万円からの運用スタートとなるわけですから、販売手数料のかからない、ノー・ロードの商品を選ぶほうがよいわけです。信託報酬(運用管理費用)というのは、スポーツクラブの毎月の会費のようなもので、投資信託を保有している間、ずっとかかる手数料です。毎日、ファンドの信託財産から差し引かれます。たとえば、信託報酬が年1%だとすると、その365分の1ずつ差し引かれていきます。こちらも商品よって高いもの安いものまで、さまざまです。ファンドによってかかる「信託財産留保額」は(かからないものもあります)、解約する人が支払うコストです。解約金を受け取るためには、ファンドに組み入れている株式などを一部売却しなければなりません。そのとき発生する手数料が、ファンドにとどまる人の負担にならないように支払うものです。コストを下げることは最終的なリターンをあげる上で大切です。たとえば、3%のリターンを上げても、手数料が2%もかかっていたら、実質リターンは1%にしかなりません。コストは小さいほうがいいのです。手数料の安い商品を選ぶことがリターンを上げるコツなのです。次回は、コストに大きな差を生む、投資信託の運用方法についてお話しします。(岩城みずほ)
2016年01月11日皆さんこんにちは!15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。2015年が終わって、やってきた2016年。実は、長期休暇の少ない一年なんだそうです。ゴールデンウィークもシルバーウィークも短いとの噂・・・そう聞くとさらに年始のお休みも貴重な気がしてきますよね。ただゴロゴロして時が過ぎて行くなんてもったいなく感じませんか?忙しく過ごすのもあっという間に過ぎてしまった感満載でもったいないですが、ダラダラ太るだけというのも解せない感じ・・・そんな時にはやっぱり「自分磨き」!長期のお休み期間だからこそゆっくり試せるおすすめの自分磨きを集めてみました。■◇簡単デトックスタイムお休みの日ってゆっくりお風呂に入って汗をかいて過ごせますよね。お風呂上がりにほてる自分を押さえつつ急いでメイクすることもないですし、時間に追われる心配もありません。そんな時に試したいのは、やっぱりデトックスタイム。といっても「3時間お風呂に入る」なんてちょっと面倒。おすすめは「回数浴」です。お風呂で汗をかいても水分がなくなるだけでダイエット効果は薄いそうですが、汗をかくことで毛穴はしっかり開くので肌に溜まった汚れの排出には有効的なのだとか。携帯電話や本を持ち込んでゆっくりお風呂。水分もしっかり持ち込んでくださいね。汗をかいてしっかりお風呂に入った後は、湯冷めしない程度に涼みます。涼んだら体調も見つつ、またお風呂に戻りましょう。皆さんが、温泉や健康ランドで気軽にやっている回数浴、お家でも楽しめるのです。入浴剤を温泉の素にしてみたり、楽しみ方は色々。お家だと水分も気軽に取れてトイレも近いので安心ですね。湯船に浸かりながらパックなんかも試せてしまいます。無理は絶対厳禁ですが、むくみにも効果的な回数浴、お休みの日こそ試すのにもってこいです。■◇胃腸をお休みさせて美肌効果外を歩いていると屋台に誘惑されがちな季節。寒いからこそ、焼き芋やクレープに目が行ってしまいます。ホットチャイの屋台なんて見つけると飛びついてしまう筆者です(しかもクリーム入り)暴飲暴食が続く季節はお肌も荒れがち。美味しいものを数日堪能したら、胃腸を休ませてあげないと便秘気味にもなったりしますね。腸内環境はお肌に直結しています。腸内フローラをキレイに咲かせる為にも、休腸日を作ってあげましょう。どうせお出かけしないならこそもってこいの「休腸日」。野菜のスムージーや酵素ドリンク、ヨーグルトだけ用意して暴飲暴食した数日間をリセット。数日リセットしたら、お粥から食事を始めます。忙しい時はなかなか試せない「週末断食レシピ」も長期休暇ならゆっくり試せますね。「週末断食」は週末じゃなくてもOK!お正月明け「太ったね」なんて思われたくない方におすすめです。■◇ストレッチを覚えようダイエットダンスのDVDやヨガDVD。買ったのはいいけどパッケージも開けずに眠っていませんか?長期休暇の際は、コレらを開けるチャンス!長期休暇明けに「なんか痩せたね!」と言われる方に多いのが、この「買っただけDVD」類をやってみた方々。数回やるだけでも暗記してしまう映像系のエクササイズ。休日の一日に気合い入れてやるだけで覚えてしまえるだけじゃなく、休み明けにすっきりした自分に出会えます。■◇おわりに長期のお休みってついついダラダラ過ごしてしまいがち。自分スイッチが入っていないせいか、夜中にお菓子まで食べちゃったり・・・休み明けに後悔するのですが、かわいい子はやっている「休みだからこそ自分磨き」。せっかくのお休みをどう過ごすか。今から「この日は美容日」の計画たててみてくださいね。(川上あいこ/ライター)(ハウコレ編集部)
2015年12月27日前回 、「長期的なパフォーマンスは、株式と債券にどのくらいずつ投資をするかによって決まるので、資産配分(アセットアロケーション)がとても重要です」とお話ししました。投資において大切なのは資産配分と聞くと、「え? 何を買うかのほうが大切ではないの?」と思われるかもしれません。でも、実はそうなんです。つまり、銀行や証券会社で、「この商品がおススメですよ」と言われても、即座に買ってはいけないということです。もしかしたら、あなたの対応をしてくれた人は、あなたにとってよい商品を勧めてくれたかもしれませんが、おそらくは、その人(銀行や証券会社)がもっとも売りたいものを勧めていると考えるのが妥当ではないでしょうか?商品を選ぶ前に、まず、株式にどのくらい、債券にどのくらい投資をするか決めます。商品を選ぶのはそれからです。「トータルで上がればOK」と考えるのが投資の鉄則さて、リスクとリターンについてもう少し考えてみましょう。株式の比率が高いとリターンも高くなりますが、リスクも高くなります。損失を被った時のことを想定しておくことが大切なのです。少し難しくなりますが、投資ではリスク、つまりリターンの変動幅を「標準偏差(ひょうじゅんへんさ)」というもので表します。標準偏差というのは、「平均値から上下にどのくらいバラつきがあるか」を示すものです。リターン5%の商品は、毎年必ずリターン5%が得られるわけではなく、−15%まで下がるかもしれないし、+25%くらい上がるかもしれないということです。上がったり下がったりしながら、平均で5%のリターンになるということです。単に銘柄をバラして買うだけでは、真の分散投資にならない投資初心者の皆さんは、株式市場や債券市場に近い動きをする金融商品を選ぶのがよいでしょう。株式や債券は市場価格に応じて上がったり下がったりします。それはつまり、すでに十分にリスクが分散されているものだということです。分散投資には、リターンを高めてリスクを下げる効果があります。そして、分散投資において大切なのは「値動きの違うものを組み合わせて持つこと」です。これによりリスクを軽減できるというお話も 前回 しました。では今回は「値動きの違う組み合わせ」について、株式を例にして具体的に考えてみましょう。たとえば、平成27年4月から「 子ども・子育て支援新制度 」がスタートしました。これは、「量」と「質」の両面から子育てを社会全体で支えるというものです。それならば、民間の保育やベビー・子ども用品など、いわゆる子育てに関連する会社が儲かりそう…と、あなたは思うかもしれません。こども服を作る会社、幼児教育の会社、民間保育の会社など、子どもに関係する会社の株をいくつか買いました。そう、あなたは「分散」して株式を買ったわけです。さて、でもこれって、本当に「分散」になっているのでしょうか?結論から言うと、これは十分に分散しているとは言えません。よく分散の好例としてたとえられるのは、「傘を作る会社とサングラスを作る会社」の関係です。晴れの多い年はサングラスがよく売れ、雨の多い日は傘がよく売れます。このように、一方がプラスに動く時、もう一方がマイナスになるというように、値動きが反対の物を選ぶとよい、というわけです。つまり、特定の分野に偏らず、関連性の低い業種や銘柄を選ぶ。これが正しい「分散」であり、運用の基本なのです。少額からでも効率よく分散投資ができる投資信託でも、そんなにきれいに値動きが反対になるものってあるでしょうか?見つけるのは、なかなか難しいですよね。じゃあ、いろんな会社の株をたくさんもてばいいじゃない!と、思いますが、現実問題、多くの株式を持つのも大変です。そこで、おススメしたいのは、少額からでも効率よく分散投資ができる「投資信託」です。「ファンド」とも言います。投資信託というのは、大きな袋の中にたくさんの会社の株式が入っているイメージです。もちろん、中身に何が入っているのかはわかります。そして、中身の種類もさまざまです。たとえば、世界中の株式に投資をするもの、日本の上場企業すべてに投資するもの、世界のさまざまな国の債券が入っているもの、あるいは、株式と債券の両方が入っているものなど、たくさんあります。今、日本で購入できる投資信託は5,000本以上(2015年5月末時点)あるそうです。え? そんなにたくさんの中から、投資信託をどう選べばいいの?またもや難問ですね。でもご安心ください。このコラムを読んでいただければ、選び方もご理解いただけると思います。次回は、投資信託のしくみについてお話します。(岩城みずほ)
2015年12月22日Vol.9 、 vol.10 と債券についてお話ししました。株式などに比べると、債券の収益性は高くないので、お金を増やしていくためには、債券だけ持っていたのでは、十分な成果があげられないかもしれません。資産を増やしていくためには、株式など収益性の高い資産に投資をすることが必要です。でも、株式だけに投資をすると値動きが大きくなってしまうので、安定した資産運用をするのは難しくなります。なるべく安定した資産運用していくためには、株式や債券に「分散投資」をする必要があります。卵は1つのカゴに盛るな基本的に、株式と債券の値動きはこのようになります。投資には、「卵は1つのカゴに盛るな(※)」という有名なことわざがありますが、値動きが反対のものを組み合わせると、リスク(振れ幅)を小さくすることができるのです。(※)卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした時、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのリスクが防げるということから転じて、投資の際も複数の商品に投資を行い、リスクを分散させたほうがよいということ。分散投資先にはどんなものがある?分散して投資をする先の資産クラスは、伝統的に、(1)国内株式 (2)外国株式 (3)国内債券 (4)外国債券 に分けられます。各資産クラスのリスクとリターンの関係は、次のようなイメージになります。債券のブレ幅(リスク) < 株式のブレ幅(リスク)国内資産のブレ幅(リスク) < 海外資産のブレ幅(リスク)資産クラスの組み合わせは?では、安定資産である債券とリスク性資産である株式などをどのように組み合わせればよいのでしょうか。たとえば、20~30代の若い人は、もし、リーマンショックのような損失が生じることがあったとしても、その損失をリカバリーできる時間がこの先、まだ十分あります。ですから、リスク性資産の比率をより高くして運用してもよいと考えられます。もちろん、年齢だけではなく、家族構成、働き方、ほかの資産をどのくらい持っているか、また、自分がどのくらいの損失にたえられるかなど、合わせて考える必要がありますが。そして、一般的には、年齢が上がるにつれ、安定資産の比率を高めていくべきと考えます。運用できる時間が限られているためです。さて、資産運用をしようと思った時、まずは銀行や証券会社に相談に行こうと思う人がいます。でも、それは正しい行動ではありません。商品を選ぶよりも先に、資産配分を決めることです。国内の株式、外国の株式、国内外の債券など、資産ごとにどう資金を配分するか、何をどのくらいずつ保有するかを決めます。これをアセット・アロケーションといいます。これまでの研究結果では、この配分こそが長期的にはパフォーマンスにもっとも影響するといわれています。自分は、株式をどのくらい、債券をどのくらいもつか、その比率を決めることが大切なのです。次回は、分散についてさらにお話しします。(岩城みずほ)
2015年12月07日イオン銀行はこのたび、インターネットを活用した投資信託に関するサービスとして、投資信託と定期預金を組み合わせた商品「しっかり運用セットNEO(WEB版)」および、インターネットサイト内で顧客の投資スタイルに沿った投資信託の商品構成(ポートフォリオ)を提案するサービス「らくらく分散投資ナビ」の取扱いを開始した。○最大年7%という定期預金金利のメリットを享受できるイオン銀行は、インストアブランチ(イオンショッピングセンター内に設置する有人店舗)において、イオンのショッピングセンターへ来店する顧客の幅広い資産運用ニーズに応え、資産の形成を手伝うため、原則、365日年中無休、毎日10時から19時まで、専門スタッフが資産運用に関するさまざまな相談を受けている。資産運用の相談においては、投資信託と定期預金を組み合わせることで資産の分散化を図りながら、組み合わせの割合により最も高い金利で年7%という定期預金金利のメリットを享受できる「しっかり運用セットNEO」が好評だという。イオン銀行によると「『しっかり運用セットNEO』については、これまでインストアブランチに限定して取扱いをしていたが、家の近くにインストアブランチがない顧客や、忙しく時間に余裕のない顧客はインストアブランチに行くことができないため、インターネットで取扱いを開始してほしいという要望があり、この声に応えるため、『しっかり運用セットNEO』のインターネットでの取扱いを開始することにした。投資信託は、インストアブランチでは初心者の方でもわかりやすいような厳選した25銘柄が対象で、WEBでは160超の銘柄が対象」としている。また、どのような投資信託の銘柄に投資してよいのかわからないがインストアブランチに相談に行くことが難しい顧客から、自分に合った銘柄を教えてほしいといの声があり、これに応えるため、顧客に合った投資信託の商品構成(ポートフォリオ)を提案する「らくらく分散投資ナビ」導入することにしたとしている。○しっかり運用セットNEO(WEB版)の特徴投資信託と定期預金をセットで申し込むと、組み合わせの割合により、定期預金(3か月もの)の金利を最大年7%に定期預金とセットする投資信託商品は160銘柄超の投資信託より選択可能(インストアブランチでは25銘柄より選定)金利の適用期間は2016年3月31日まで(継続する場合がある)。○らくらく分散投資ナビの特徴イオン銀行インターネットサイト内で、顧客の投資スタイルや考えを入力すると、同行が取り扱う投資信託240銘柄から、顧客に合った投資信託ポートフォリオを自動的に提案所要時間は5分程度
2015年12月04日サラリーマン投資家が2015年冬のボーナスで最も金額が大きい使い途では、投資用ローンの繰り上げ返済が最多だった。日本財託が11月26日に発表した「2015年冬のボーナスに関する調査結果」による。同調査は、投資用中古ワンルームを所有して不動産投資を実践している同社のオーナー85人(男性65人、女性20人、平均年齢51歳)に対して、11月3日に実施したアンケートに基づく。冬のボーナスで最も金額が大きい用途を尋ねると、「投資用ローンの繰り上げ返済」が34.5%で最多だった。「投資用物件購入の資金」(10.9%)と合わせると、半数近くが投資関係の用途を挙げている。なお、「自宅のローン返済」は1.8%に過ぎなかった。一般サラリーマンのボーナスの用途では貯金や生活費の補填が上位に挙がるといい、サラリーマン投資家は「自宅よりも、家賃収入を生んでくれる投資用マンションにお金を使う」という意識が高いと同社は見る。自宅の住宅ローンを完済しても収入は生まれないが、投資用ローンを完済すれば家賃収入を丸ごと使うことができると同社は指摘する。その上で、毎月の家賃収入は自宅の住宅ローンの繰り上げに回すことができるし、新たな物件の購入資金としての利用も可能という。また、自宅の住宅ローンは住宅ローン控除が受けられるため、10年間は借りていた方がよいと考える人も多いようだと同社は推測している。
2015年11月27日アクセンチュアは11月25日、アジア・パシフィック地域の金融テクノロジー(Fintech)投資に関する調査レポートを公開した。同社はFintech企業を「P2Pプラットフォーム、デジタル通貨取引などのオルタナティブ金融サービスプロバイダーというだけでなく、リテール・商業・投資銀行、保険会社、資産管理会社、決済サービスプロバイダーに向けた技術を提供する企業」と定義している。今回の調査内容は、ベンチャー企業の財務データ・分析を国際的に行う「CB Insights」が提供するFintech投資における2015年1月~9月までのデータを分析したもの。そのほか、2010年~2014年までのベンチャーキャピタルおよび未公開企業、企業および企業のベンチャーキャピタル部門、ヘッジファンド、アクセラレーター、政府系ファンドなどによる国際的な財務活動のデータも含まれる。調査によると、アジア・パシフィック地域での2015年1月~9月までの投資件数は全122件に達し、2014年より5件増加した。投資金額も中国で相次いだ国内大型案件により大幅に増加した。投資の総額は約35億ドルに達し、2014年の約8.8億ドルから急伸した。分野別では、決済業務(40%)が最も高い比率を占め、次に融資業務(24%)と続いた。これまで銀行が独占していた領域での投資が大半を占めた結果となった。これは、Alibaba Group Holdingsと関連会社Ant Financial Services Groupによるインドのモバイル決済プラットフォームであるPaytmへの出資や、P2P(Peer to Peer)およびB to Cのオルタナティブファイナンス・投資プラットフォームを開発するPing An Insurance Group傘下のベンチャー企業Lufaxによる資金調達の成功が要因だとしている。国内では、国内とアジア向けにP2P決済プラットフォームを構築するエクスチェンジコーポレーション(ExCo)による資金調達など、決済サービス分野でのFintech投資が確認された。投資の総額は約4400万ドルに達し、2014年度の5500万ドルに迫る勢いとなっている。同社は、今後のFintech投資における注目分野としてブロックチェーンを挙げる。ブロックチェーンは、分散型記帳によって仮想通貨や暗号化された金融資産取引を支える技術で、スタートアップや銀行、投資家が注目する分野になると予想している。銀行やクレジットカード会社、クリアリングハウスが協力することで安全かつ迅速な清算処理が実現でき、カウンターパーティリスクの削減や取引所要期間短縮によって資本を最適化できるという。また、金融機関のクラウド活用も注目の領域だという。クラウド導入の機運が高まるにつれて、銀行はパブリッククラウドに格納可能なデータとプライベートクラウドに格納すべきデータの選別を進めている。銀行は機密性の高い顧客データをプライベートクラウドに格納することで規制当局の要件を満たすと同時に、パブリッククラウドが実現する効率性、柔軟性、オンデマンド機能、コスト削減などのメリットを享受することが可能となる。この状況はFintech領域のスタートアップ企業にとって、クラウド関連の新しいサービスを提供する好機となっていると指摘している。さらに近年、大きく報道されている大規模な情報漏えいの影響もあり、来年はサイバーセキュリティに対する投資が大幅に増加すると予測している。
2015年11月26日楽天は12日、FinTechのスタートアップ企業に投資する「Rakuten FinTech Fund(ラクテン フィンテック ファンド)」の運用を開始したと発表した。運用資産額は1億米ドル(約120億円)。○まず北米と欧州の企業に投資同ファンドは、適切な戦略を立て魅力的な投資対効果でビジネスを展開する可能性がある初期段階から中期段階のFinTechのスタートップ企業に対して、世界規模で投資を行うもの。また、楽天がこれまで実施してきたFinTechへの投資の成功事例(Currency Cloud、WePay、Bitnetなど)に基づき発展させたもので、北米と欧州を中心とするスタートアップ企業や成長著しい企業に投資を行う。なお、同ファンドは起業家と楽天グループのFinTech事業楽天カードや楽天銀行、楽天証券などとの橋渡しをする役割も担っているという。楽天広報は「フィンテックの成長が著しい中、昨年から機会を探り、今年に入ってからBitnetなどへの投資を進めてきた。このような経緯から今回タイミングを見て(『Rakuten FinTech Fund』を)設立した」と話している。運用は、マネージング・パートナーであるオスカー・ミエル氏がファンド・アドバイザーとして実施する。まずはFinTechの中心都市であるロンドン、サンフランシスコ、ニューヨーク、およびベルリンの企業に対して投資し、将来的には他の地域にも拡大する予定としている。
2015年11月13日アイ・オー・データ機器は25日、長期保存メディア「M-DISC」をサポートしたUSB 3.0対応ポータブルブルーレイドライブ「BRP-UT6Sシリーズ」を発表した。本体カラーはピアノブラック、オリエントレッド、パールホワイトの3色で、10月末の発売を予定する。価格は13,100円(税別)。薄さ14.6mm、重量約240gの薄型・軽量なポータブルブルーレイディスクドライブ。BDXLメディアに加えて、米Millenniataが開発した長期保存用メディア「M-DISC」への書き込みをサポートする。ライティングソフト「B’s Recorder」がダウンロードできるほか、動画編集ソフト「LoiLoScope 2」の30日フル機能版が無料で利用できる。主なメディアの最大書き込み速度は、4層/3層BD-Rが4倍速、1層/2層BD-RおよびBD-R LtHが6倍速、3層/2層/1層BD-REが2倍速、1層DVD-R/+Rおよび+RWが8倍速、2層DVD-R/+Rが4倍速、DVD-RWが6倍速、DVD-RAMが5倍速。インタフェースはUSB 3.0。電源はUSBバスパワー。本体サイズは約W136×D146×H14.6mm、重量は約240g。対応OSは、Windows 7 / 8 / 8.1 / 10、Mac OS X 10.6~10.11。
2015年10月21日世界最大の政府系投資ファンド・アブダビ投資庁の元日本株式運用部長で、当時、中東でただ一人、日本人でオイルマネーを運用した投資のプロ・林則行氏。林氏は著書、『金(ゴールド)はこれから2倍になる』(宝島社、本体1,560円+税)で、金への投資を勧めているが、それは「儲ける」ためではなく、「庶民の財産を守る」という視点から書かれている。今回は林氏に、「今、なぜ金なのか?」という点を中心にお話をお伺いした内容を紹介したい。○「通貨の発行しすぎ」が長期的に金価格の上昇に――「なぜ今『金(ゴールド)』なのか?」という点をお聞きしたいと思います。ズバリ、庶民の私たちが金を買った方がいい理由はなんでしょうか。貨幣の価値が今後下がっていくるからです。貨幣の水増しということが古代から行われてきているわけです。各国の為政者は、分かっていながら歴史上何度も繰り返しやってきているんです。日本の例で言えば、最初の貨幣、和銅開珎を出してから50年後にはそれとそっくりの通貨を10倍の価値にして出しています。つまり、和銅開珎の価値を10分の1に落としたということです。江戸時代には小判の金含有量が6分の1に減っています。日本をはじめ各国が行っている金融緩和もそうした流れの一貫ですから、皆さん、なんとなくやばいな、と感じていると思います。――通貨の供給量を無理やり増やして株価が上がっても、株を持っている人は得しているんだろうけど、そうでない人は得していない。そして不況になると株価は暴落して、金利が上昇し、通貨の価値も下がる。通貨の価値が下がると、損をするのは資産を預金などの現金でしか持っていない庶民ということになりますね。私がこの本を書いたのは、そうした預金しかしたことのないような人に向けて、損をしてほしくないとの思いがあったからです。金に投資してもうけてほしいというよりも、つらい目に遭うのを避けて欲しい、という気持ちから書いたのです。金は大きく上がるでしょうから、もちろん大儲けもできます。○金の生産コストが上昇、新興国の金需要も拡大――中国株の下落の影響などもあって、最近は株価が下落していますね。株価暴落という事態が、近づいているように思えるのですが。今の相場を見ると、まだ序の口ですね。本当の暴落は今すぐというわけでもないです。ただ、準備はしておく必要があります。――なるほど。その準備のために、預金しかしたことのない人でもできるのが、金であると林さんはおっしゃっていますね。そうです。2014年末の金価格を記すと、1オンス1,206ドル、1グラム4,649円です。金の値上がり幅は経済情勢によっても異なってくるのですが、最低でも現在価格から60%上の史上最高値(1,895ドル)を超え、信用不安が広がる時代が来れば1万ドルにもなるでしょう。生産コストの点からも金価格の上昇は必須です。生産コストは金利や税金を含めると現在約1,500ドルくらいで、今日現在の取引価格より300ドル以上も割安です。コスト割れで生産を続ける生産者はいませんから、新規の鉱山開発は中止・延期され、2016年以降生産が減少に向かいます。これに加え、金の需要意欲は旺盛です。特に新興国からの需要には根強いものがあります。自国の通貨を信用していないからです。新興国の中央銀行は米ドルすら磐石だと思っていないので、来る下落に備えて金の保有を進めています。○NYダウの暴落が起これば、それが世界株式暴落の引き金に――新興国の金需要も要因となるわけですね。中国人やインド人が金が好きだといった話は聞いたことがありますが、金の生産コストが上昇していることなどは、初めて知りました。金を掘るのにお金が今までよりかかるとなれば、金の価格は上昇しますね。この本には金が上昇する要因と同時に、金が上昇するタイミングの見極め方も書かれていますね。NY株式市場では銀行株が先行指標になっています。シティバンクなどの銀行株はまだ大きく下げていないので、NY市場が大幅安を迎える展開は先になるでしょう。株式市場は暴騰と暴落を繰り返すのが習性で、それを避けることができません。暴騰は2009年から始まりました。もう6年になります。次は暴落を迎える番です。――林さんのお話を伺っていると、金価格が既にじわじわと上がっていてもおかしくないと思えてしまうのですが、米ドルベースでの金価格は今年に入ってから下げ基調ですね。どうしてでしょうか。金の生産の増加量(前年比)がまだまだ3%と高いからです。ここ100年の年平均の伸び率は1.6%なので3%は高めの数字です。鉱山会社はコスト割れの状態からは新規の生産はストップする見込みですが、これまでに開発した鉱山からはまだ金が出てくる状況にあります。そのため、金鉱山会社では価格の下げを予想し、これに対処するために売りヘッジを行っています。売りポジションが過去最高レベルになっているということは目先はまだ下がる傾向が続くということです。なお、この売りのポジションは金価格と綺麗に連動していますから、これを見れば今後の金価格が予想できます。――シティバンクの株価のほかにも、鉱山会社の売りポジションなど、注意しておきたいデータと、そのデータの入手先にも言及されていますね。実はそんなに難しくないんですよ。情報は公開されているし、その情報の見方は書きました。○「時間分散」が失敗しない金の買い方――ただ、やっぱり買いのタイミングを見極めるのはやはり素人には難しい気もするのですが。そういう方には「時間分散」が失敗しない買い方です。何回かに分けて買うだけで、市場価格に近づきます。2000年の初めから2014年の終わりまで毎日金を買うと(取引回数3,908回)、平均コストは824ドルになります。これに対して3か月に1回買うと(取引回数60回)、826ドルです。――なるほど。ところで、純金積立、地金、ETFなど金にはいろいろな投資方法がありますが、どれが最もいい方法なんでしょうか。実は私は、純金積立を毎月やっているのですが。純金積立は少しコストはかかりますが、一番簡単で楽な方法ですよね。また、純金積立でも、「スポット購入」という方法で、タイミングを見て買いたい量の金を買うこともできます。要は少しずつ買っていけばいいんですよ。――私のやり方で間違っていないんですね、安心しました(笑)。個人的にも、今の日本の状況を見ると、やはり金を買っておいたほうがいいという気がするのは確かです。NY株の暴落が起きたら、手遅れになります。ただ、それまでにはまだ時間がありそうだから、金を買っておいたほうがいいと思うのです。若干の知識を持っている自分としては、やはり庶民の財布を守るということが自分の使命だと思っています。石田さんが言われた、「なぜ今『金』なのか」という問いの答えはそこにあるのです。――分かりました。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。いかがだっただろうか。林氏の語り口は率直で、知識人としての使命感を持って本の執筆や講演を行っていることに感動したインタビューだった。皆さんもぜひ、林氏の著書を手にとって読んでいただきたいと思った次第である。
2015年10月21日「 どうして資産運用が必要なの? 」の続きです。「投資にはリスクがある」とよく耳にしますよね。その「リスク」という言葉に、あなたはどんな印象を持ちますか?先日、イギリス人の友人と話をした時のことです。彼は、投資を「リスク」「ギャンブル」という言葉で説明しました。インベスト=リスク=ギャンブルと理解しているのですね。昨年、日本でもスタートしたNISA(少額投資非課税制度)のお手本にしたのは英国のISA(Individual Savings Account 個人貯蓄口座)です。ISAの保有率は、国民の4割にのぼり、認知度はかなり高いと聞いていたので、イギリス人の彼でもそうなんだ、と私は少し驚きました。 以前のコラム でも書きましたが、「投資は怖い」というイメージを持っている人は、リスク=危険と思っているからなのですね。リスクは「危険」ではないたしかに、日常生活の中で「リスク」という言葉は「危険」と同意語で使われます。たとえば、よく使われる例ですが、「100回乗って100回事故を起こすタクシーと、100回乗ったら1回だけ事故を起こすタクシーなら、どちらのほうが、リスクが高いと思いますか?」という質問。さて、皆さんはどちらだと思いますか?恐らく、多くの人は、「100回乗って100回事故を起こすタクシーのほうがリスクが高い」と考えるでしょう。しかし、投資の世界で言う「リスク」は、「結果が不確実であること」を意味します。ですから、100回乗って100回事故を起こすタクシーは、100%確実に事故を起こすので、リスクはゼロ。100回乗ったら1回だけ事故を起こすタクシーは、いつその1回にあうかわからないので、不確実性が大きい、つまりリスクが高いということなのです。リスクとは振れ幅の大きさのこと、具体的には、投資の結果、得られる収益(リターン)のばらつきを指します。皆さんもニュースで、「今日の日経株価は、前日より145円12銭高い、1万8,171円60銭でした」というのを聞いたことがあるでしょう。株の値段は取り引き時間中、常に動いているんですね。上がったり下がったりしています。投資をすれば、期待以上に収益(リターン)を得ることもあれば、予想に反して損をする可能性もあります。明日の株価がどうなるのかは誰にもわかりません。リスクゼロの商品とリスクのある商品金融商品には、定期預金のように、「約束した期間保有すれば、利息のつくもの」があります。これらを「元本確保型の商品」といいます。リスクゼロの商品です。たとえば、商品Aが1年間で5%の利子のつく定期預金だとすると、100万円の元本は、1年後には105万円になります。リターンは5%です。 一方、Bという商品は、元本の100万円が、1年後に125万円になるかもしれないし、85万円になるかもしれません。元本を割る可能性があるというわけですね。この時、125万と85万円の平均は105万円と考えて、リターンは、Aと同じ5%になります。どちらもリターンは同じなのですが、Bの方は、リスクのある、つまり元本確保型ではない商品です。同じリターンなら、もちろんAのほうがいいですよね。しかし、残念ながら、今の定期預金の金利は、5%もありません。高いものでも0.1%くらいです。大変金利が低いので、100万円を200万円にするのに、約720年かかります。お金を増やすスピードを速くするためには、ある程度リスクをとる必要があります。一般的に、リターンが大きい商品は、大きなリスクがあります。お金を2倍近く増やすこともできるかもしれないけれど、半額になることもあるということです。リスクのある商品には、株式などがあります。株式は、長い期間持っていると、株式市場の平均的なリターンを結果的に得る確率は高まります。しかし、10年後に資産が2倍になっても、その翌年に半分になることもあります。もちろん、さらに上がる可能性もあります。将来どうなるかはわからないのです。ですから、資産運用をスタートするには、まず、自分がどのくらいリスクをとれるのかを考えなければなりません。リスクとリターンの話は、次回に続きます。(岩城みずほ)
2015年10月05日