東京大学は1月5日、動物モデルにおいて治療用転写因子のmRNAを関節内へ送達することで変形性関節症の進行を抑制することに成功したと発表した。同成果は同大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻のハイラトアニ 特任研究員、大庭伸介 特任准教授、鄭雄一 教授(医学系兼担)と医学系研究科附属疾患生命工学センターの位高啓史 特任准教授、片岡一則教授らの研究グループによるもの。※位高特任准教授の苗字「位高」の高ははしご高変形性関節症は関節軟骨がさまざまな原因により変性し「クッション」と「ちょうつがい」としての機能を失うことで発生する。患者は、膝関節だけで国内に2530万人以上いると推測されている。これまでの治療では、人工関節置換術などの外科的治療を除いて薬物により痛みを取り除いたり、炎症を抑えたりする対症療法が主となっている。一方、変形性関節症の分子病態が次第に明らかになるにつれ、関節軟骨細胞の内部でその発症や進行に働く分子を標的にした病態修飾薬剤の開発が期待されており、治療に有効な遺伝子発現を調節する転写因子を細胞内で発現させることが、直接的かつ効率的な病態修飾療法の1つであると考えられている。ゲノムDNAから始まる内因性の遺伝子発現においては、タンパク質の遺伝情報をコードするDNA領域がメッセンジャーRNA(mRNA)としてコピーされ、タンパク質合成の設計図として働くことから、DNAの段階を経ずに、目的とするタンパク質合成を細胞内で迅速に誘導するための新しい核酸医薬として、mRNAの応用が期待されている。今回の研究では、治療用転写因子mRNAを高分子ミセル型mRNA送達システムを用いて、マウスに投与した。まず、mRNA内包高分子ミセルをマウス正常膝関節内に投与したところ、投与24時間後から4日後まで、関節軟骨細胞におけるmRNA由来蛋白質の発現を確認することができた。次に、変形性膝関節症を発症するモデルマウスの膝関節内に、3日に1回のペースで1カ月間、軟骨形成に働く転写因子RUNX1のmRNAを内包した高分子ミセルを投与した。その結果、RUNX1 mRNA投与群の関節軟骨では、送達したmRNAに由来するタンパク質の発現を認め、コントロールmRNA投与群と比べて変形性関節症の進行が有意に抑制されました。さらに、主要な軟骨基質蛋白質の1つであるII型コラーゲン、軟骨形成に必須の転写因子SOX9、細胞増殖マーカーである増殖細胞核抗原の発現が高い度合いまで進んでいた。同研究グループはこれらの結果について「膝関節内に送達したmRNAに由来するRUNX1蛋白質が関節軟骨内部で治療用転写因子として働くことで、軟骨細胞としての形質の維持や増殖に関わる遺伝子群の発現を調節し、変形性関節症の進行が抑制されたことを示すものです。」と説明している。
2016年01月06日ヤマハ発動機は9月18日、垂直多関節ロボットの新製品「YAシリーズ」8機種を12月10日から販売すると発表した。同シリーズは、各軸の動作速度と手首負荷能力が特徴の6軸ロボット「YA-RJ」「YA-R3F」「YA-R5F」「YA-R5LF」「YA-R6F」、肘軸による自在なアーム動作を可能とした7軸ロボット「YA-U5F」「YA-U10F」「YA-U20F」および、これらを駆動制御する新型コントローラ「YA-C100」というラインアップとなっている。同社は、複数の役割をこなすことができる同シリーズを導入することにより、製造の現場が多品種少量生産へとシフトする中で主流になると考えられているセル生産方式などの高速自動化に対応できるとしている。各ロボットの価格はオープンで、ヤマハは8機種合計で年間400台の販売を見込んでいる。
2015年09月18日サンワダイレクトは18日、ノートPC用のアームスタンド「ノートパソコンアーム(水平垂直3関節モニターアーム・ガスショック式・0.5~5kg)100-NPC004」を発売した。同社の直販サイトでの価格は税別15,556円。ノートPCを取り付けたまま高さや位置を無段階に調節できる3関節アーム。アーム上部の保持力は専用のネジによって、上下に昇降する際の重さを調節できる。ノートPCは、キズが付きにくいクッション付きのストッパーで固定し、上下125度、左右180度の範囲で動かせるほか、高さは最大34cm、長さは約55cmまで調整が可能となっている。耐荷重は0.5~5kg。アーム本体の重量は約4.5kg。デスクへの取り付けは、クランプによる固定に加えて、もしくは天板に穴を開けてネジで固定するグロメット式も選択できる。また、ブラケットを外すことでVESA規格に対応した液晶ディスプレイも装着できる。なお、アームの取り付けには厚さ10~50mmの天板が必要となる。
2015年08月18日安川電機は5月28日、小型6軸多関節ロボット「MotoMINI(仮称)」を開発したと発表した。MotoMINIは可搬質量500g、最大リーチ246mm、質量4.3kgのアーム型ロボットで、同社がこれまで手がけてきたロボットの最小機種と比較して動作加速度が2倍以上に向上し、特定動作のタクトタイムを25%短縮した。繰り返し位置決め精度は±0.02mm(参考値)となっており、ロボットハードウェア毎の個体差が少ないため、ロボットの置き換えが動作プログラムのコピーのみで完了し、ティーチング補正はほとんど必要ないという。これらの特長から、小物部品のハンドリングや組立、電気・電子部品の配膳・挿入など、人との共存・協同作業をする設備での使用が可能となっている。今後、将来のフレキシブルな生産システム構築に向けて、社内の生産システムへの適用を通して機能検証を行い、実用化する予定だ。
2015年05月28日センチュリーは21日、液晶ディスプレイの位置を自在に調節できる多関節モニターアーム「4軸式フリーアングルデュアルモニターアーム 鉄腕」を発表した。価格はオープンで、同社の通販サイト「センチュリーダイレクト」での価格は税込8,618円。2台の液晶ディスプレイを設置できる4軸式モニターアーム。VESA規格75mm、または100mmに対応した液晶ディスプレイを設置できる。設置推奨ディスプレイサイズは24インチまで。耐重量は最大16kgとなっており、設置するディスプレイは1台あたり6kgまでのものをを推奨している。ジョイント部は「フリーアングルアジャスター」で、±15度の角度でチルト / パン / 斜めの微調整が可能。アーム部分の関節の可動域は±180度、ローテーション角度は360度となっている。本体背面のデュアルレバーを回すことで、工具を使うことなく高さ調節が可能。クランプには「ダブルクランプ」を採用。アーム全体は指紋のつきにくいマット塗装を施している。本体の高さは400mm、重量は4.3kg。
2015年04月21日京都大学は10月17日、関節リウマチのモデルマウスを用いて、関節炎の原因となる免疫細胞(T細胞)が認識する、自己のタンパク質(自己抗原)を同定したと発表した。同成果は同大学再生医科学研究所 生体機能調節学分野の伊藤能永 助教、同坂口志文 客員教授らによるもので、米科学誌「Science」に10月17日(現地時間)付けで掲載される予定。関節リウマチなどの自己免疫疾患は、本来であれば侵入してくる病原体から身を守るはずの免疫系に異常があり、誤って自分の身体を攻撃してしまうことが原因であるとされている。どの標的を攻撃するか決定する細胞をT細胞といい、自己免疫疾患の患者では自分の身体を攻撃してしまう自己反応性T細胞が存在すると考えられている。しかし、そのT細胞が認識する抗原を同定することが技術的に難しく、長らく不明とされてきた。同研究ではまず、関節リウマチを発症するマウス(SKGマウス)のT細胞からT細胞受容体(そのT細胞が何を標的とするかを決定する分子)を単離した。その後、T細胞受容体1種類だけが表面に出ているマウスを作製し、そのT細胞の病原性の有無を複数のT細胞受容体について調べたという。その結果、特定のT細胞受容体をもつマウスでは、自己免疫性関節炎を自然に起こしたため、その自己反応性T細胞が関節炎の原因となることがわかったという。さらに、このマウスの血液中に産生される自己抗体を利用して、その自己反応性T細胞が認識する自己抗原「RPL23A分子」を同定することに成功した。また、同大学附属病院リウマチセンターに通院中の関節リウマチ患者さんの血清を調べたところ、16.8%(374名中64名)がこの抗原に対する抗体をもち、実際にヒトにおいても「RPL23A分子」が免疫反応を引き起こすことを確認したという。今回得られた成果は、関節リウマチの新たな治療法や予防法につながる可能性だけでなく、いまだ原因が判明していない、さまざまな自己免疫疾患の原因抗原の同定にもつながっていくことが期待される。
2014年10月17日健康や美容のためにいろいろなサプリを活用している人は多いはず。サプリもいろいろありますが、「グルコサミン」と聞くと、膝など関節の痛みのために飲む年配の人向けのものというイメージだったのでは? けれども最近、「グルコサミン」が肌にいいという話題がTwitterなどでもちきりなのです。実際、Twitterでも話題のように、「グルコサミン」は関節だけではなく、美容にも効果的と言われています。美肌をめざしている女性としては、見逃せませんね。ただし、一般的な食品に含まれる「グルコサミン」は、体内で分解しづらく、排出されてしまうため、食事からの摂取はお肌に効果的ではないとか。一般的な「グルコサミン」とは、グルコサミン塩酸塩というカニの殻のキチン層を塩酸で分解したもの。日本でサプリとして流通しているもののほとんどが、グルコサミン塩酸塩なのです。では、どんな「グルコサミン」がお肌にいいのでしょうか。それは、「N-アセチルグルコサミン」。これは、もともと体内に存在している形状なので、効率的に吸収されるのだそう。そのうえ、ヒアルロン酸を構成する原料でもあるため、「N-アセチルグルコサミン」を摂取することで、体内でヒアルロン酸が合成されます。「N-アセチルグルコサミン」は粒子が小さいため、ヒアルロン酸を直接摂取するよりも効果的なのだとか。しかも、一般的なグルコサミン塩酸塩は塩味・苦味があるのに対して、高度に精製した「N-アセチルグルコサミン」は、ほのかに甘いので飲みやすいのも特徴です。サプリは毎日続けるものだから、飲みやすさも大切ですよね。「N-アセチルグルコサミン」が摂取できる、お肌にいいサプリとしては、ニッスイの「グルコサミン」がオススメ。これは、ニッスイが「グルコサミン」を飲みやすく、買いやすく、長く続けられるように自社原料にこだわってつくったサプリ。1日あたりたっぷり1,500mgの「N-アセチルグルコサミン」を配合しています。飲みやすさにこだわってふたつのタイプがあるから、いろいろなシーンで摂取することができます。例えば、「かんで食べるグルコサミン」は、ヨーグルトタイプのチュアブル錠なので、バッグに入れておけば、水なしで外出しているときに摂取することも可能。「さっと飲めるグルコサミン」は、ほのかに甘いパウダーのため、水やお湯で飲んでもいいうえ、お料理などに混ぜてもOK。初めて飲むサプリは安全性も気になるところですが、大手食品会社であるニッスイが、「N-アセチルグルコサミン」を自社工場で製造しているので安心。これならすぐに始めてみるのもよさそう。(お買い求めは、 こちら から)スキンケアにこだわるのもいいですが、「N-アセチルグルコサミン」でカラダの内側から美肌を目指してみるのはいかが?・ニッスイ 公式サイト
2014年08月19日医師コミュニティーサイト「MedPeer」を運営するメドピアは、「器質的な痛み」(物理的にそこに変化が起き感じる痛み)に関する調査を実施した。調査期間は8月6日~8月19日、有効回答数は2,690件。「『運動器疾患等において痛みを訴える患者さんの多くが器質的な痛みによるものという印象をもっている』というアンケート結果に対して、納得できますか?」と尋ねたところ、70%の医師が「やや納得できる」と回答した。「そもそも痛みは主観的なものであるので、当人にしか分からない」、「画像所見と疼痛(とうつう)の原因が必ずしも一致しない例も多い」といったコメントが見られる。「とても納得できる」と回答した人は15%。「実際臨床上の経験とほぼ合致する」、「非器質的疼痛は少ない」という声があがっている。「あまり納得できない」と回答した人は12%。「器質的変化が確認できてもそれが痛みの原因かは別」、「精神的な要因による疼痛も多く経験している」という意見がある一方、「もう少し器質的な原因が多いと感じる」という声もあった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月25日ホシケミカルズは28日、関節や骨の形成、肌の弾力アップに効く食品原料である「マリンコンドロイチン」の効果とモニターテストの結果を発表した。マリンコンドロイチンは、骨、結合組織、粘液に含まれるムコ多糖類の一種で、関節でクッションの役割を果たしている軟骨の原料になる。コンドロイチンにはさまざまなタイプがあるが、このマリンコンドロイチンは、人間と同じA型とC型のコンドロイチンに属しているという。A型は20歳以降、人間の体の中で激減するが、今回のモニターテストでは、マリンコンドロイチンを積極的に摂取することで体内から失われるコンドロイチンを補完できることがわかったそうだ。同社では、28歳から48歳までの男性3名、48歳から62歳までの女性3名に1カ月間マリンコンドロイチンを摂取してもらった。摂取後、加齢とともに減少するA型コンドロイチンの血中濃度は著しく上昇していたという。また、33歳から79歳までの女性5名(うち4名は閉経)、63歳の男性1名が1カ月間、マリンコンドロイチンを摂取した結果、骨吸収(骨からカルシウムが放出されてしまうこと)の度合いを示すNTx値が13.5から13へと減少し、骨がもろくなる現象に抑制がかかり、骨形成が促進されたことが明らかになった。さらに、35±2歳の健常な女性10人(肌のタイプは乾燥肌)に、マリンコンドロイチンを4週間摂取してもらい、二重盲検法(真薬と偽薬を用意し、治験者と治験の実施者の両方に、真薬偽薬の区別を知らせず試験を行う方法)を使って肌弾力(吸引回復率)を調べところ、マリンコンドロイチン摂取群とプラセボ(偽薬)摂取群とでは、2週目から吸引回復率に違いが見られたという。4週目では、マリンコンドロイチン摂取群の吸引回復率変化量が0.010だったのに対し、プラセボ摂取群は-0.020と大きな開きがあったという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月29日天気が悪くなる前に、関節が痛くなったり、腰の不具合を訴えたりする人がいます。過去に痛めたことのある部位が痛くなってしまう、といったことを口にする人もいると思います。「天気予報になりますよ」と、冗談を言うことができる人もいたりすれば、たびたびつらい思いをして、もううんざり、という人もいたりと、感じ方にも個人差があります。天気が悪くなるときに、痛みにかかわることとして考えられるのは、気圧の変化によるものであると言われています。天気が悪くなる前には、低気圧が近づいてきますが、そのときに、体を活動的に、そして緊張させる働きのある交感神が興奮します。交感神経が興奮することで分泌されるノルアドレナリンという物質が、血管を収縮させると酸欠状態になり、痛みを感じる神経を刺激する物質が産生されることで、痛くつらい状態になってしまうと考えられています。一方で、天気は関係なく痛みや不調を感じる、という人も少なくありません。そして、今まで天気が悪くなる際に、痛みを感じていたという人が、あまり天気を意識しなくなったところ、天気が悪くなる前に生じていた痛みが無くなった、というケースもあります。天気によって体調が変わるという知識がある人は、ご自身が天気の悪くなる際にどこかに痛みが出たり、不具合を感じたりした場合は、「ああ、やっぱり天気が悪くなる時は痛くなるのか」と思ってしまい、悪い天気が気になってしまうかもしれません。いずれにしても、痛みが長期間にわたらないように、医師の診察を受けるなどして、適切に対処したり、ご自身でできる対策などを早めに始めたりしてください。(文檜垣暁子)■著者プロフィール檜垣 暁子(ひがき あきこ)オールアバウト肩こり・腰痛ガイドカイロプラクティック理学士・日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員。現在は、横浜市に治療室を開院し、日々、肩こりや腰痛を始めとする不調を訴える患者さんの診療に当たっている。
2012年01月28日腕や足に痛みを感じるようになり、痛みのある範囲を一生懸命さすってみたり、湿布を貼(は)ってみたりするものの、一向に改善されず、痛みが気になる日々が続くといったケースがあります。こうしたことは、決して少なくないのですが、慢性症状だからといって、我慢しながら様子をみている人も多いようです。なかなか回復しない原因のひとつに、痛い部位には原因が無いことが挙げられます。つまり、痛い部位に原因があると思いがちですが、実際に悪くなっているのは、痛い部位とは離れた部位であるため、痛みを感じるところに処置をしても、なかなか回復しないのです。これは、トリガーポイントと呼ばれ、筋肉の過度な緊張が続くことで、筋肉に硬いしこりのようなものができます。トリガーポイントは、動かずじっとしていても痛むもの、体を動かすと痛むもの、筋肉を押した時に痛みを出すものがあります。就寝時に痛むこともあり、そうなると安眠が妨げられてしまい、心身の疲労も解消されにくくなります。例えば、肩こりを感じやすい筋肉にトリガーポイントができた場合、頭痛や目、顔の痛みとして感じることがあります。トリガーポイントは、自覚のないまま、いつのまにかできていることが多く、パソコン作業などのデスクワークを毎日こなしているような、日々の負荷によって、生じることもあります。■トリガーポイントを誘発する要因は?1.筋肉に慢性的な負担がかかり続け、筋肉が疲労してしまう2.急激に筋肉に負担がかかった場合3.筋肉の血流が滞り冷えている状態4.スポーツ中のけがなど、外傷による場合5.精神的な緊張が強いトリガーポイントが1カ所だけではないケースでは、痛みを生じる範囲が広く感じ、原因がなかなか見つけ出せないと、痛みによるストレスが続くことになります。もし、痛みが続くようでしたら、ペインクリニックやトリガーポイントを扱う整形外科、施術院などに相談し、早めに対処してください。(文/檜垣 暁子)■著者プロフィール檜垣 暁子(ひがきあきこ)オールアバウト肩こり・腰痛ガイドカイロプラクティック理学士・日本カイロプラクターズ協会正会員。現在は、横浜市に治療室を開院し、日々、肩こりや腰痛を始めとする不調を訴える患者さんの診療に当たっている。【関連リンク】【コラム】肩こり、腰痛持ちの人は要注意。必要以上に休ませるのはNGの理由【コラム】肩こりでおでこにシワが増えるのは、なぜ?【コラム】危険がいっぱい!肩こり・腰痛の正しい対処法とは?
2012年01月01日