家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今回は、韓流ドラマファンが「ひさびさにハマった!」と口をそろえるヒューマンドラマをご紹介します!■『黄金の私の人生』DVD(全26巻)順次レンタル中。発売元:ポニーキャニオン/テレビ東京販売元:ポニーキャニオン物語は、パク・シフ演じる財閥グループの後継者チェ・ドギョンと契約社員のソ・ジアンが交通事故を起こしたことから始まります。最悪な出会いをした男女が、衝突しながらも心を通わせていく、そんな鉄板のラブストーリーと思いきや、ジアンが25年前に行方不明になったドギョンの妹だと判明。庶民から一転、財閥令嬢となったヒロインの運命ははたして?序盤は、財閥一家の一員になろうと奮闘するジアンと、彼女を妹として見守るドギョンを中心に展開。ジアンの出生のさらなる秘密が発覚することで、財閥一家と奇妙な悪縁でつながるソ家の人々の人生が複雑に絡み合っていきます。恵まれた境遇に育ちながらも、財閥グループ後継者としてレールが敷かれた人生。貧乏にもがき苦しみ、夢を諦めざるをえない人生。愛を取るか、家族を取るか。次々と選択を迫られるなか、親も、子も、みな自分の“黄金”の人生を見つけるために必死に生きる姿は涙なしでは見られません!出生の秘密、格差恋愛、韓流お得意パターンはやっぱり面白い!
2018年11月12日東京・新大久保にある「韓サラン(ハンサラン)」は、韓国の家庭料理が味わえる韓国料理店です。オープン当初からずっと変わらないこだわりの味を貫く「韓サラン」でいただきたい、おすすめのメニューをご紹介します。新大久保で韓国料理なら「韓サラン」JR「新大久保駅」から徒歩3分のところにある「韓サラン」は、韓食財団に「優秀韓国レストラン」として推薦された韓国料理店です。種類豊富な「サムギョプサル」や、豆腐にだしが染みた「スン豆腐(ドゥブ)チゲ」などの韓国料理を、 チャミスルやマッコリなどの韓国のお酒とともに味わえます。韓国伝統家屋をイメージした店内韓国伝統家屋をイメージした、どこか落ち着く雰囲気の内装です。お客さまの9割が女性で、女性同士で利用する方が多いのだそう。なかには2005年のオープン以来変わらない味を求めて通う、常連のお客さまもいます。コン・ユさんや超新星さんも訪れる超人気店!「韓サラン」は、老舗なので韓国の有名人からの信頼も厚く、韓国の俳優・コン・ユさんや韓国出身の6人組男性アイドルグループ・超新星さんなどが来日した際に訪れています。運が良ければ韓国の有名人に会えるかもしれませんよ。看板メニュー「サムギョプサル」定番の「コチュジャンサムギョプサル」や「生サムギョプサル」のほか、「梅サムギョプサル」などの変わり種メニューも用意されています。韓国人が食べても違和感のない、本場の美味しさを追求しているそう。お店のスタッフがすべてのお肉に均等に火を通して、最高の焼き加減にしてくれます。お肉の旨みたっぷりの脂を含んだ「ホットキムチ」がアクセント。国産の熟成肉を使用した「サムギョプサル」とトッピングの「焼き肉キムチ」や「ネギサラダ」を、お好みでサンチュに巻いて召し上がれ。体の奥から温まる「スン豆腐チゲ」アサリや野菜の濃厚なだしが、プルプルの豆腐に染み込んだ「スン豆腐チゲ」は、体の奥から温まるので冬におすすめ。アツアツの状態でいただけるように、お客さまの食事のタイミングを見て提供してくれます。リピーターのお客さまのために、あえて味を変えていないのだそう。いつ訪れても安定して、ほっとする味を楽しめます。ピリ辛アレンジがおすすめ「ビビンパ」ナムルの歯ごたえと“おこげ”の香ばしさ、ひき肉の旨みが合わさった「ビビンパ」は、〆にぴったりのメニューです。「プルコギ石焼ビビンパ」や「ナムルビビンパ」など、豊富な種類から選べます。お店のおすすめは、スプーン1~2杯のコチュジャンを入れること。ピリ辛になってさらに食欲がわいてきますよ。辛いものがお好きな方はぜひ試してみてくださいね。韓国の家庭料理を楽しもう!韓国のお宅にお邪魔して郷土料理をふるまってもらっているかのような気分になれる「韓サラン」。人気店のため、ディナーの時間は予約をおすすめします。辛くて美味しい、体の奥から温まるような韓国料理を食べに、足を運んでみてはいかがでしょうか。スポット情報スポット名:韓サラン住所:東京都新宿区大久保1-16-15 豊生堂ビル2F電話番号:050-5868-0456
2018年11月06日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が刊行するフォトブック『ファッション・アイ』シリーズに、篠山紀信による『シルクロード』など、新たに5タイトルが登場。『シルクロード』発売を記念して、ルイ・ヴィトン 六本木ヒルズ店と新宿店では、11月20日まで作品を展示するスペシャル・ディスプレイが展開されている。新宿店「Women of Silk Road」をテーマに赤を基調にした店内六本木ヒルズ店「Blue of Silk Road」をテーマに青を基調とした店内ルイ・ヴィトンは、1998年から自社で出版を手掛け、『シティ・ガイド』や『トラベルブック』など現在までに80タイトル以上を刊行してきた。2016年に誕生した『ファッション・アイ』は、ファッションフォトグラファーが街や地域、国の魅力を独自の視点で捉えたフォトブック。ラグジュアリー・メゾンであるルイ・ヴィトンが制作する旅に関連する書籍コレクションを充実させるものであり、ファッション分野の作品で最も知られるフォトグラファーたちの才能を通じて、写真が間接的にファッションを引き立たせる。現在10タイトルで展開されている同シリーズに、今回、篠山紀信による『シルクロード』を含む5タイトルが新たに登場する。篠山紀信による『シルクロード』風景と地形の驚くべき多様性を備えたユーラシアは、昔から勇敢な旅人を引きつけてきた。篠山紀信もその一人。『シルクロード』は、1981年と1982年に出版された8巻に収められた写真から選び抜かれた写真を収録し、人々の生き様を教えてくれる。食べることが好きな彼は、生鮮食品であふれかえる露店が立ち並ぶ市場のシーンを堪能。数々のおいしいものを味わうが、シルクロードに点在する礼拝所を見過ごすことはない。シルクロードに沿った諸文明の相互的な繋がりのおかげで、信仰は、仏教または、イスラム教、キリスト教に由来するものであれ、命脈を保っている。また同書は、戦争と狂信の暴力によって今や地図から消し去られた場所を垣間見せることも目指している。アフガニスタンのバーミヤン大仏や、パルミラの古代都市、シリアのアレッポの青空市場といった文化遺産の貴重な記録をなすこれらの写真の多くは、今や、過ぎし時代を偲ぶよすがとなっている。この他、オリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)による『クレット・ディ・ブッリ』 、ハーリー・ウィアー(Harley Weir)による『イラン』、ポール・ルーストー(Paul Rousteau)による『ジュネーブ』、クエンティン・デ・ブリエ(Quentin de Briey)による『バリ』が刊行。各タイトルは、厳選された写真を大判で紹介するとともに、フォトグラファーの経歴と、フォトグラファーへのインタビューまたは批評的エッセイを収録している。販売は、ルイ・ヴィトンストアならびに公式サイトにて。【イベント情報】『LOUIS VUITTON FASHION EYE SILK ROAD by 篠山紀信』発売記念 SPECIAL DISPLAY会期:11月2日~11月20日<六本木ヒルズ店>時間:12:00〜21:00※11月3日は展示エリアへの入場は17:00まで<新宿店>時間:11:00〜20:00【書籍情報】『シルクロード』写真:篠山紀信言語:略歴ならびにインタビュー、エッセイ、キャプションは、フランス語・英語2ヶ国語表示304ページ/235×305mm発刊:2018年11月
2018年11月01日『NEWS ZERO』(日本テレビ系)の元キャスター・村尾信尚氏が、18日に放送された文化放送『斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!』に生出演し、『news zero』について語った。『NEWS ZERO』卒業後も、生活のリズムは「全然戻っていません」と明かし、「なにが辛いって、時差ですね。タイムラグというか、夜のお仕事ですから、今こう…お日様あがってますでしょ。その調整で四苦八苦しています」と話した。また現在は有働由美子アナウンサーがメインキャスターを務める『news zero』については、「時差調整が大変で、体が9時や10時になると眠くなっちゃうんですね。本当に申し訳ないんですが、見るという機会は少ないんですね」と明かした。「真面目で誠実そうな感じ」「あんまり意見がプロっぽくなくてよかった」といった街頭インタビューの声が紹介されると、村尾氏は「ありがたいご意見多くて僕も元気になりました」と話し、「たしかにプロっぽくなかったというのはその通りで。その前は国家公務員をやっていたのでアクセントもイントネーションもヘンなんですが、真面目にやろうはとずっと思っていたのでそれをわかっていただけたなら本望です」とうれしそうに話した。そして来年夏の参議院選挙に出馬の可能性については、「ありません」と否定。「声はかかってるんじゃないですか?」との質問に対しては、「かかっているというのか…どうかは…わかりませんが、ただ、私は有権者の皆さんの考えをもっといろいろ…もっといろいろ…対話したいんですよね」と語った。
2018年10月19日9月28日の放送をもって、村尾信尚(62)が「NEWS ZERO」(日本テレビ系)を卒業。メインキャスターとして村尾は同番組に12年間出演していた。エンディングで「いろいろな出来事を皆さんとともに喜び、ともに悲しみ、ともに考えることができました」と明かした村尾。「そんな日々を今日まで続けることができたのは、ひとえに皆さんの支えがあったからこそだと思います」と感謝の気持ちを述べた。「06年から『NEWS ZERO』でキャスターを務めた村尾さんですが、キャスター仕事自体が初めてですし表舞台に立つ機会も多くはなかった。そのため当初はかなりガチガチでした。しかし『世の中を変えたい!』という一心でニュースの現場に立ち続けたといいます」(テレビ局関係者)そんな村尾は6月22日、本誌にその12年間の苦労ぶりを明かしている。貧困やセクハラといった社会問題に興味があったというが、自分の言葉だけでは心もとないと感じていたようだ。そんなとき、“若い世代”に助けられたという。「何かを発信したくても、難しい話では聞いてもらえないし、ちゃんと伝わらない。櫻井翔さん(36)や桐谷美玲さん(28)ら若い世代だからこそ伝えられることもあるのだと、番組を通してさまざまなことを学びました」12年間、支えられながらも“夜の顔”を務め上げた村尾。Twitterでは《村尾さん、本当に12年間お疲れ様でした。ZEROは本当に大好きで毎日見てました》《村尾さんの優しく、時には厳しく考えさせられるコメントが好きだったな》《村尾さんは他のキャスターと違い、淡々とした中にも視聴者へ問いかけるような締め方が多く、内面には熱いモノをお持ちの方なのではなかろうかと常々思っておりました》といった惜別の声が上がっている。本誌に「『社会を変えたい』『日本をよくしたい』という思いは常に持っています」と明かしつつ、かねてから噂されていた政界進出について「いまは特定の政党から特定の選挙に出るつもりはありません」と否定している村尾。これからも日本のために活躍して欲しい!
2018年10月01日「関ジャニ∞」村上信五が、「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」内にて放送される国民的アニメ「サザエさん」に出演することが決定。今回“本人役”で出演となる村上さんは、アフレコを終え「手応えしかないですね、笑」と自信を見せている。今年の「FNS27時間テレビ」は、総合司会・ビートたけし、キャプテン・村上信五を迎え、楽しくも奥深い“にほんの食”にたっぷり向き合う。来年50周年を迎える「サザエさん」。今回番組内で放送されるのは、「わが家のみそ汁紀行」「姉さんと花沢さん」「ボクたち起こし隊」の3エピソード。村上さんが登場するのは、その中のひとつ「わが家のみそ汁紀行」。日本の伝統食品“味噌”に詳しい関西弁の青年・村上信五役で、磯野家メンバーとの会話を通して味噌のおいしさや効用を伝えるのだという。アフレコに挑戦した村上さんは、「自分の役をやるというのは不思議な感覚でしたが、アフレコは“楽しい”しかなかったです。素晴らしいストーリーに、自分でも驚くほど溶け込めたなと」と自信満々の感想。また画になった自身を見て、「新鮮でしたね!ディテールの部分までこだわって下さって、よく見ていただいているなと。磯野家の食卓まで一緒に囲ませていただいて、初めてとは思えないなじみ方でしたね」と喜び、「この話を見ていただければ“みそ汁”が飲みたくなる、そんな内容になっていると思います。時間帯的にもこの話をきっかけに夕食にもう1品“みそ汁”を足していただけたらうれしいです。ぜひご家族で楽しんでご覧ください」とメッセージを寄せている。◆「わが家のみそ汁紀行」ストーリー朝、マスオが財布を無くしたと騒いでいる。どうやら昨夜、波平と飲みに行ったとき落としたらしい。マスオと波平は泥酔していて、どこで落としたのか記憶がない。そんなとき、村上という青年がマスオの財布を届けに来る。マスオがどこで拾ったのか聞くが、村上は磯野家の朝食のみそ汁のいい匂いのほうが気になってしまい――。「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」は9月8日(土)18時30分~フジテレビにて放送。※「サザエさん」は9日(日)18時30分~(cinemacafe.net)■関連作品:リズと青い鳥 2018年4月21日より全国にて公開© 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
2018年09月02日8月31日、AKB48グループが参加している韓国のオーディション番組『PRODUCE48』の最終回が放送され、秋元康(60)がプロデュースする日韓ガールズグループ「IZONE(アイズワン)」のメンバー12名が決定した。番組放送中からYahoo!検索ランキングには番組の関連ワードが数多くランクインするなど大きな話題を集めた。PRODUCE48は、5月より韓国の放送局Mnetと日本のスカパー!で同時放送され、韓国の大人気オーディション番組『PRODUCE101』とAKB48がコラボし行われたオーディションプロジェクト。日本で活動しているAKB48グループの中から選出された39人と韓国の芸能事務所に所属している練習生57人合わせた96人のメンバーから、グローバルガールズグループのメンバー12人を選考するオーディション番組だ。メンバーの選抜は国民プロデューサーと呼ばれるファンが直接行い、投票は韓国のみで行われた。この日の放送では、ファイナリスト20名の中から、ガールズグループのメンバー12名が選出。日本からはHKT48宮脇咲良(20)、矢吹奈子(17)、AKB48本田仁美(16)が選ばれた。グループ名の「IZONE(アイズワン)」は、12名の少女が1つになるという意味が込められている。IZONEは、2年間限定で日韓両国をまたにかけ活動することになる。
2018年09月01日9月8日(土)から9日(日)にかけて放送される「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」の番組「旅する落語」に「関ジャニ∞」の村上信五が登場。千原ジュニアとビートたけしの前で、初の落語に挑戦することが分かった。「旅する落語」は、自身の舞台でも落語を披露する腕前の千原さんとぶらり旅をして、そこであつめたネタを、後日自分の落語に仕上げて、スタジオで披露するという番組だ。「FNS27時間テレビ」で放送する今回は、噺家ゲストに村上さんが登場し、テーマである「食」になぞらえて、平安時代に親しまれていた「蘇(そ)」というチーズのもとになった食材を体験するところから旅はスタート。東京・大泉学園の町を千原さんと2人で歩く。実は大泉学園に通ったことがある村上さんはこまめにメモを取るなどし、ジュニアさんに「やりよった!ガリ勉出たでー」といじられつつも真面目にネタ探しにいそしんだそう。道中では、ドラマの撮影中だった村上さんの大物先輩にばったり会うなどうれしいハプニングも。そんな2人をロケの3週間半後にスタジオで待っていたのは、総合司会のたけしさん。村上さんにとって自分で落語を作るのも、テレビで披露するのももちろん初めてのことで、スタジオにはなんともいえない緊張感が走る。村上さんは、大泉学園で出会った人たちの関係性をベースに架空の人物でストーリーを展開し、ところどころに町で見つけたトピックスを盛り込んだ落語を披露する。先日行われた「FNS27時間テレビ」の記者会見で、村上さんは「スタジオ収録の時に、“ビート”が客席から聞いているわけですよ!一生に一回しかない緊張感でした。動いていないのに汗びっちょりで。どんな顔していたのかオンエアで見たくないです」とたけしさんの前で落語を披露した心境を語った。千原さんもたけしさんの前で落語を披露するのは「ペレの前でリフティングをするようなもの!」と、いまなお緊張を隠せない様子だった。果たして村上さんの初落語はたけしさんにどのように映ったのか?気になる内容は番組放送で。「旅する落語」は9月8日(土)18:30~の「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」内にて放送。(text:cinemacafe.net)
2018年08月22日今年の「FNS27時間テレビ」は昨年に引き続き、ビートたけしが“総合司会”、「関ジャニ∞」の村上信五が“キャプテン”を務め、「FNS27時間テレビ~にほん人は何を食べてきたのか?~」を9月に放送することが決定した。30年続けた“お笑い生放送”ではなく、「れきし」というテーマを持った番組スタイルに変え、4万年の歴史の旅を27時間かけて紹介した昨年の「FNS27時間テレビ」。たけしさんが21年ぶりの総合司会を務め、あらゆる分野の豊富な知識に基づいて、多角的に歴史を掘り下げた。そして、そのたけしさんが太鼓判を押す巧みなトーク力と親しみやすいキャラクターで人気の村上さんが、“キャプテン”としてアシスト。彼もまた歴史へのあふれる興味を存分に発揮し、27時間の企画を大いに盛り上げてくれた。■東京オリンピック・パラリンピックを前に、“にほんの食”を紐解く!2020年東京オリンピック・パラリンピックまであと2年。これまで以上に世界中からたくさんの外国人が訪れる中、私たち日本人はまだ、彼らをおもてなしする準備ができていないのではないか?として、今年のテーマは「にほん人は何を食べてきたのか?」に決定。和食の枠を超えた“にほんの食”とは、何千年もかけて日本人そのものを作ってきた食べ物のこと。私たちが親しんでいるカレーやラーメンは外国がルーツにも関わらず、日本で独自の進化を遂げて、もはや大事な“にほんの食”となった。また、世界の多くの街で寿司店やラーメン店などは大人気で、外国人が日本を訪れる際、“日本の食べものを堪能すること”を一番期待している、ともいわれている。今回のテーマである“食”は、私たちの生活の根幹。日本列島に、どんな食べ物が、いつ、いかなる理由で、いかにして出現し、形を変えていまに至るのか?単なるグルメ番組ではなく、“食”から紐解く人々の暮らし、“食”から紐解く日本の文化、“食”から紐解く日本人のロマンまで…面白くアカデミックに迫っていく。醤油はなぜ日本一の調味料になったのか?すし、そば、うどん…日本のソウルフードはどのように生まれたのか?カレー、ラーメンはいつから「日本食」になったのか?大切な主食であるお米の味はどうやって進化したのか?1,000年前の日本のスイーツは、どのようなものだったのか?よくよく考えてみると、意外と知らないことだらけの“にほんの食”。挙げればきりがないキーワード1つ1つを各コーナーに盛り込んだ、見応えたっぷりの構成でお届け。■2年連続、たけし&村上の最強コンビが「にほんの食」の奥深い道のりを旅する総合司会を務めるたけしさんは、「“食”っていうのは、人間が生きていく上で基本なんだけど、食にまつわることってなると、縄文式土器、弥生式土器を使ったり、農耕が始まったり…と、結局は歴史なんだよね。日本は極東の島国だから、独自の文化もあったし、戦争もやっているし、戦後の食えない時代も経験しているし、いまは海外からファストフードやジャンクフードも入ってきて、時代に合った食べ物が進化している、とかね。今回は“食”に重きを置いてやれば、歴史的なことは付随してくると思うけど、楽しくできるんじゃない?」と早速、奥深いコメント。「村上くんにはね、『虚数の情緒ー中学生からの全方位独学法ー』(吉田武・著)っていう分厚い本を薦めたんけど、読んだかね?実は俺も半分読んでないんだけどさ(笑)。あの本ね、かなり数学ができるヤツでも解けないんで、悪戦苦闘していると思うけど、感想聞いてみたいね。読んだら歴史もわかるようになるはずだよ。村上くんって真面目な子だしさ、こういう司会者みたいな仕事上手いからね~今回も期待しているよ!面白くなるんじゃないの?」と、信頼を寄せている様子だ。一方、キャプテンを務める村上さんは「勧めていただいた『虚数の情緒』という本は読ませていただきました。アホなりに歴史も感じながら…。感想はお会いしてお話できればと思いますが、難しすぎるわっ!!!!僕に何故この本を勧めて下さったのかを、ぜひたけしさんに聞いてみたいと思います(笑)」と返答。「今年もたけしさんと27時間テレビでご一緒させていただくことになり、心から感謝の気持ちでいっぱいです。現代の日本には、あふれすぎるくらいの“食”がありますが、そのルーツや日本古来の料理に対する知識を問われたときに、パッと即答出来ない僕がいました」と語り、「今年の27時間テレビを通して、改めて“食”という概念がどういうものなのかも勉強させてもらいながら、『何を食べようかな?何を作ろうかな?』と日々迷えるくらいに、“食”と徹底的に向き合い、掘り下げていければと思います!」と意気込みを明かしている。「FNS 27時間テレビ~にほん人は何を食べてきたのか?~」は9月8日(土)~9日(日)、フジテレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2018年06月21日オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)は、写真家・篠山紀信の作品「nudé」とコラボレーションしたカプセルコレクションを、2018年6月8日(金)に発売する。篠山紀信は、山口百恵や宮沢りえ、またジョン・レノンと オノ・ヨーコなど著名人のポートレートを撮影したことで知られる写真家。今回発売されるカプセルコレクションでは、人の身体を官能的に捉えた作品の数々がスウェットやトップス、ドレスに大胆にプリントされている。双子のモデルを撮影した「Twins」を引用したオーガンザのトップスは、淡い陰影が印象的な1着。双子ならではの、相似型の身体が織り成す不思議さと官能性を表現した作品をウェアに落とし込でいる。風景の色彩とともに、顔をダイナミックにプリントしたTシャツは、プリントの織り成す鮮やかなグラデーションがアイキャッチなデザインだ。【詳細】オープニングセレモニー×篠山紀信「nudé」発売日:2018年6月8日(金)アイテム例:・ORGANZA DRESS 74,000円+税・ORGANZA TOP 49,000円+税・COZY SWEATSHIRT 35,000円+税・FACE T-SHIRT 28,000円+税・HOOK AND EYE DRESS 46,000円+税・Nude TOTE 13,000円+税■オープニングセレモニー 表参道住所:東京都渋谷区神宮前6-7-1-BTEL:03-5466-6350営業時間:12:00~21:00
2018年06月10日関ジャニ∞の村上信五(36)がテレビ朝日「2018FIFA ワールドカップロシア」のプレゼンターに就任すると5月9日、わかった。 村上は「テレビ朝日サッカー中継プレゼンターというお役目をいただき、今から胸がワクワクしております!」とコメントし、喜びが隠せない様子。さらに、こう意気込んでいる。 「ロシアW杯をきっかけに、サッカーの魅力と楽しさを視聴者の皆さんが発見でき、W杯が終わっても、サッカーという世界規模のスポーツに興味を持っていただけるよう、プレゼンターという役割を僕なりに努めさせていただきます!」 「趣味はサッカーとフットサルしかない」と語るほど、サッカーを愛する村上。周囲の誰もが認めるほどのサッカー好きであり、過去にもEURO2012や14年のワールドカップブラジル大会のキャスターを務めている。 そうした村上の思いを知っているだけに、ファンからは祝福の声が上がっている。 《サッカーが大好きでDVDの特典映像でも企画無視でひたすらサッカーボールを蹴っていた村上くんが、初めて出演する野外フェスの会場でも待ち時間にサッカーしてた村上くんが!》《わーん!村上くん、おめでとう!!! SAMURAIキャスター!!!》《頑張ってね!応援するよ〜!ほんとにおめでとう!!》 プレゼンター・村上としての初仕事は、今月30日の「キリンチャレンジカップ 2018 日本代表×ガーナ代表」の生中継。さらにワールドカップの開催時期には、現地入りした日本代表への取材も行うという。
2018年05月10日アイドルグループ・関ジャニ∞の村上信五が18日、東京グローブ座で行われた主演舞台『If or・・・ X』の大千穐楽を終え、取材に応じた。同作は、「もしも村上が〇〇だったら」という設定のもと、作・演出・出演すべてを村上がセルフプロデュースする一人芝居。2009年にスタートし、18日の公演で延べ300回を迎えた。村上信五が「村上信右衛門」や「教師」などに扮し、オムニバス形式の一人芝居を行っていく。先輩であるV6の森田剛が、女優の宮沢りえと16日にけっこんしたことについて話を聞かれると、「おめでたいことですし、びっくりしましたよね」としみじみ。宮沢との共演経験については「ないですね。ないですし、多分いやがりはるでしょ。多分これから先も共演することもないでしょうね。よっぽどの、大河(ドラマ)とかあればねえ」と語った。自身の俳優としての活躍については「『ハクション大魔王』(2013年)から、縁ないですからね」と振り返り、「ちょっと! 誰か勇気あるドラマスタッフ、オファーを!」と叫ぶ。同舞台では様々なシチュエーションで役を演じているために「こんなオールマイティーにやってるのに、一個も話けえへん!」と嘆き、「機会があれば是非挑戦してみたい」と意欲を見せた。改めて森田への言葉を聞かれると、「おめでとうございます、というほかない」と語った村上。接点はなく連絡先も知らないというが、「お会いしたら、言葉は掛けさせていただきます」と宣言し、自身の結婚については「いやあ、まだかなあ。やっぱり(東京)オリンピックまでは頑張りたいですね」と心境を明かした。オリンピックでのキャスターについては「狙ってるよお! そら狙ってるよ! なんでも狙ってるよそりゃ! 紅白(司会)も狙ってるよ!! ニノや相葉ばっかり、嵐ばっかりやってんのやから!」と絶叫。一方で関ジャニ∞の結婚については「みんな不適合者ちゃうかな……向いてない。大学生の集まりみたいなグループですからね。ワチャワチャしてるのが楽しいうちは無理ちゃいますか」と苦笑した。
2018年03月19日民間の金融機関でローンを組む際に“必須”となっている団信(だんしん)への加入ですが、団信には種類があることをご存じでしょうか?ここでは、そもそも団信とはどういうものか、種類や保険料、また団信に加入できない場合の対策などを解説します。全額弁償してくれる、団信(だんしん)とは?住宅ローンを組んだ際は長期に渡りローンの返済をすることになりますが、長年の間には万が一の不幸に襲われる可能性も考えられます。ローン債務者に万が一のことがあった場合に、保険会社が債務者に代わって残債の全額を支払う制度が団体信用生命保険(通称:団信)です。銀行はこの保険によって債務を回収することができ、残された家族にとってもローンの負担がなくそのまま住み続けることができるため、双方にとって有意義で重要な保険でもあります。民間銀行の住宅ローンは、融資の際に団信加入が条件となっていますから、持病などがある場合は審査によって団信に加入できないこともあり、ローンが組めなくなる可能性があります。団信の種類と保険料団信には、一般的な「団信」のほかに、「ワイド団信」「ガン保障特約付き団信」「3大疾病付き団信」「7大疾病、8大疾病付き団信」などがあります。以下は団信の種類別保障内容や保険料などのご紹介です。・団体信用生命保険(一般的なもの)保障内容は保険期間中(住宅ローンの返済期間と同じで35年ローンの場合は保証期間も35年になる)の死亡と所定の高度障害状態になった場合です。保険料は銀行側が負担することになっているため、加入者は無料です(実際はローン金利に含まれている)。・ワイド団信加入条件が緩和された団信です。糖尿病や高血圧症などの持病を持っていても比較的加入しやすくなっています。保障内容は一般的な団信と同じ死亡と高度障害状態になった場合ですが、保険料は基準金利に0.2%~0.3%程度上乗せされます。・ガン保障特約付き団信一般的な団信の保障にガン保障がプラスされた保険(保障期間は借入日より91日目から)になります。ガン診断給付金が支払われるのは生まれて初めてガンに罹患し、医師によって診断確定された場合です。保険料は基準金利に0.2%~0.3%程度上乗せされます。・3大疾病保障付き団信3大疾病付き団信は、一般的な団信の保障にガン・急性心筋梗塞・脳卒中を罹患し、所定の状態となった場合にも保障がプラスされた保険です。保険料は基準金利に0.3%程度上乗せされます。・7大疾病、8大疾病保障付き団信7大疾病保証付き団信は、3大疾病のガン・急性心筋梗塞・脳卒中に加え高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変など、4つの生活習慣病に罹患した際にも保障される保険です。8大疾病保保障付きの場合は、上記の疾病に慢性膵炎が含まれています。保険料は借入時の年齢や借入の条件、また金融機関によって異なりますが、基準金利に0.3%程度上乗せになります。団信に加入できない場合はどうしたらいい?健康に問題があり一般的な団信に加入できない場合は、加入条件が緩和されたワイド団信を検討してみましょう。審査基準は明らかにされていませんが、糖尿病や高血圧・肝臓機能障害などの持病がある人でも審査が通りやすくなっています。また、団信加入が必須ではないフラット35を利用する方法があります。フラット35は団信加入が任意になっているため、加入しなくてもローンを組むことができます。しかし万が一のこともあるため、健康状態が良好な時期に加入している借入金額相当の生命保険がある場合などが望ましいでしょう。他にも、連帯保証人を立てる(連帯保証人に返済能力が必要)とか、配偶者が正社員の場合は配偶者名義で住宅ローンを申し込むなどの方法があります。団信にはいくつかの種類があり、特約付きはほとんどが0.3%程度の金利上乗せになります。0.3%の金利の上乗せは月々の支払いはわずかのように感じるかもしれませんが、総額となると数百万円になります。ご自分でかけている他の保険なども無駄がないか見直してみて、本当に必要だと思われる保険を賢く選択することをおすすめします。
2018年02月06日今冬、イ・ビョンホンとペ・ヨンジュンという、2000年代中ごろから巻き起こった韓流ブームの立役者で、“韓流四天王”の代表格として知られる2人の主演作が相次いで公開される。これは韓流ブーム再来の兆しなのか!?それぞれの作品に注目した。韓流ブームの中で生まれた“韓流四天王”とは、「冬のソナタ」のペ・ヨンジュン、「美しき日々」のイ・ビョンホン、「イヴのすべて」のチャン・ドンゴン、日韓共同制作ドラマ「フレンズ」に出演したウォンビンの4人のこと。なかでも、「冬のソナタ」で一躍人気者となり、日本に“ヨン様”ブームを巻き起こしたペ・ヨンジュンと、いまやハリウッドスターとして国際的に活躍するイ・ビョンホンはその代表格といえる。■ペ・ヨンジュン、映画初主演作『スキャンダル』がデジタルリマスター!1月20日(土)公開2004年に公開され、当時9億円の興行収入を記録した本作は、フランスの古典恋愛小説「危険な関係」を、18世紀の李氏朝鮮を舞台に移して映画化した華麗な恋愛ドラマ。華やかな朝鮮王朝を舞台に、優雅に、かつドロドロに繰り広げられる恋愛ゲームを描き、時代劇ならではの鮮やかな衣装や装飾品へも高い評価を集めた。特に、これまでの誠実なイメージではなく、プレイボーイを熱演したペ・ヨンジュンと2007年に『シークレット・サンシャイン』での演技により第60回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞した世界的な実力派人気女優チョン・ドヨンとのベッドシーンも話題に。そのほか、『造られた殺人』『うつせみ』のイ・ミスクなどが出演。監督は、『世界で一番いとしい君へ』『フライ・ダディ』のイ・ジェヨン。制作から15年という節目の2018年にリバイバル上映が決定した。■イ・ビョンホン主演最新作のラブ・サスペンス『エターナル』2月16日(金)公開「10年ぶりに素晴らしい小説を読んだかのような、心に響く作品」とイ・ビョンホン自身が脚本にほれ込んだ本作。その衝撃的なラストは本年度ナンバーワン・サスペンス映画と呼ばれるほど。監督は語り手としての優れた能力と、広告界で築いた演出力でイ・ビョンホンが惚れ込んだ、本作が長編映画にデビューとなる新人監督イ・ジェヨンが務める。イ・ビョンホンがハリウッドや韓国で近年演じてきた悪の魅力や激闘アクションを完全封印し、複雑な心情を言葉ではなく、表情や視線に映し出す静かなる感情表現で観る者を圧倒する演技を見せている。(text:cinemacafe.net)
2018年01月14日10月24日、日韓文化交流企画の舞台『ペール・ギュント』の制作発表会が都内で開かれ、浦井健治ら日韓の俳優6名と上演台本・演出を担当するヤン ジョンウンが登壇、作品の見所などを語った。公演には日本から15名、韓国から5名の俳優が出演する。原作はイプセンによって150年前に書かれたもの。夢見がちな青年ペール・ギュント(浦井健治)は母オーセ(マルシア)の心配をよそに、ある日、「遠回りをしろ」という闇からの声に導かれるように恋人ソールヴェイ(趣里)をひとり残し旅に出る。海を渡り世界を股にかけ、謎めいた緑衣の女(ユン ダギョン)らと愛を交わし、財産を築いては無一文になるのを繰り返す。妖精の一種トロールやその王様、猿までもが飛び出す、様々な出会いと別れに彩られた破天荒で壮大な“自分探し”の物語だ。「ペール・ギュント」チケット情報平昌冬季オリンピック開・閉会式の総合演出も務める演出家ヤン ジョンウンは、言葉によるイメージと美術や照明といった目の前のビジュアルとがない交ぜになるような幻想世界を体感して欲しいと話す。「私はこのプロジェクトで人生という物語の中で生きること、そして死ぬことに対する問いかけを提示したい。観客にとって自分の人生をオーバーラップさせられる出合いの場になれば」。また、舞台上では常に演奏家による生音楽が流れるといい、祝祭感溢れるステージとなりそうだ。浦井も東京公演はクリスマス、兵庫公演は大みそかに重なることもあり、「お酒でもひっかけつつ、観に来て頂ければ」と冗談混じりに笑う。稽古は始まって1週間程度だというこの日。「1週間が一か月にも感じる」「みんな古くからの友人みたい」と語る出演者らの口ぶりから、1日8時間という稽古の充実ぶりが伝わってくる。会見でも終始笑いが絶えず、チームワークはすでに万全な様子だ。「毎日筋肉痛になるぐらい想像を超えた世界です」(マルシア)、「お客さんもこのワクワク感を共に作り上げる物語の一員になるはず」(趣里)、「稽古開始1週間にしてもう自分が客席で観たい!と思える公演はあまりない」(浅野雅博)、「先日、稽古終わりに韓国の男優たちと松屋へ行きました。心から肉を欲するほど毎日ヘトヘトです(笑)」(キム デジン)、「互いの人生を祝福し、みんなが“今のままの自分でいい”と思える公演になることを心から願っています」(ユン ダギョン)。最後に浦井が言う。「宗教、政治、国境、男女の差、あらゆるボーダーを越えて、イプセンが描いた人間とは何か、人生における一番大切なものは何かなど、様々なテーマが浮かび上がってくる作品です。観る人それぞれに違ったメッセージが届き十人十色の気持ちを持ち帰って頂ける、もしくは10年後にそういうことだったのかと思い返して頂けるような作品になると思います」東京公演は2017年12月6日(水)から24日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、兵庫公演は12月30日(土)・31日(日)に兵庫県立芸術文化センターにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子撮影:宮川舞子
2017年10月25日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第21回】『イ・ヨンエ』ーーさらに楽しめる究極ガイド『イ・ヨンエの晩餐』 連載の第3回でも紹介した、イ・ヨンエの新作『師任堂、色の日記』放送前に、制作されたテレビ番組『イ・ヨンエの晩餐』だが、今回、その番組を基にした本の日本語翻訳版の発売が決定したので、連載の最後に紹介しておきたい。 本書は、’14年2月2日と9日の2回にわたって放送された、SBS旧正月スペシャル番組の書籍化で、制作期間は6カ月の長期に及び、海外ロケまで敢行したドキュメンタリーの特別番組ではもちろん、女優がメインキャラクターを務める番組としても最近では例がないスケールである。 内容は番組同様の二部構成で、第一部は韓国料理のルーツを辿るのがメインストーリーだが、それと並行してイ・ヨンエ本人の日常生活も食事風景を中心に描かれる。100坪以上の豪邸の披露も初めてなら、夫と双子の子どもの素顔の公開も今回初で、普通では考えられないこのプライバシー公開の意図はよくわからない。現在の韓国料理の在り方の一環として自身の家庭での食事風景を紹介しただけかもしれないが、それにしても通常のドキュメンタリーではあり得ないほどの過剰サービスと考えたのは筆者だけだろうか。 第二部は、イタリア・フィレンツェへの海外取材で、グッチと共同主催した韓国伝統料理晩餐会の一部始終が収録されているが、韓国料理レストランが一軒もないイタリアの1000年都市フィレンツェで、2000年続いた韓国料理の神髄(薬食同源)を再発見するのは、料理研究書としても非凡な視点だ。異国で自国のアイデンティティを確認するテーマとして「料理」を取り上げているのは、この本を貫く基調低音ともいえる。さらに「料理」を「絵画」に替えれば、実は13年ぶりの復帰作『師任堂、色の日記』のストーリー展開とも相通じるところがあるのではないか。 テレビ番組やドキュメンタリーを書籍化する際には、事前に視聴していることを前提で編集されるものが多いが、今回の『イ・ヨンエの晩餐』はその番組を見ていなくても、一冊の本として、韓国料理のルーツを探るという観点でも読むことが可能な内容となっている(著者クレジットは、イ・ヨンエと番組の放送作家との共著)。『師任堂、色の日記』観賞の際の一番のガイドブックは実はこの本かもしれない(連載・了)。
2017年09月11日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第20回】『師任堂、色の日記』ーーイ・ヨンエの新作、その価値と出来について 13年ぶりのイ・ヨンエの主演作『師任堂、色の日記』は、最近になって地上波BS放送とレンタルで、やっと一般的に視聴できるようになった。事前の情報通り、現在と歴史上の役柄がパラレルになった凝った設定になっているが、家庭を持っている主婦の、単なる美術講師から教授になるまでのサクセスストーリー的な内容であれば、おそらくイ・ヨンエがこの役を受ける可能性はなかっただろう。これまで積み上げてきたキャリアに付け加わるものは何もないからだ。 実際、イ・ヨンエに限らず、40代半ばの女優を主役にするのにふさわしい設定は現代劇ではなかなかあるものではない。かといって、いまさら単なる長編時代劇では、何のために、『チャングムの誓い』の続編の出演を拒んできたのかわからない。 だからなのか、このドラマはそんな期待に十分応えたもので、基本ストーリーの一部に『ある日どこかで』(’80年の米映画、原作はリチャード・マシスン)をヒントにしているのは間違いなく、500年の時空を超えたSF的な設定での過去と現在の交差は、従来のTVドラマではあり得ないような独自の内容構成になっている。そこに本人なりの価値観を見出したから出演に至ったのではないか。 「歌を忘れた金糸雀は〜」の倣い通り、もう一度歌を歌ってもらうにはそれなりの舞台を用意しなければならない。この作品はイタリア海外ロケから始まり、大学の研究室や海外の学会というアカデミズムの現場を通して、500年前の時代劇の世界にも移行する広大なスケールの構成を持つ。そして、アカデミズムの生態、SFファンタジー、時代劇という三種類の要素を溶かし込んだ、およそ韓国ドラマで考えつくだけの贅の限りを尽くしたものといえる。 まさしく、イ・ヨンエ出演のために、そのすべての期待と条件を満足させるために準備されたものだが、これが意外にも佳作に仕上がっているのは、やはり脚本を始めとしたスタッフの努力の賜物だろう。過去の遺跡、暗号等のヒントから、現在の謎を解くパターンは『ダ・ヴィンチ・コード』等でもよく見られる設定だが、そのキーワードを国宝級の絵画にしたところが非凡であり、イ・ヨンエはこの大役に見事に応えている。少なくとも13年ぶりの復帰作として、その名誉は守られたというべきだろう。
2017年09月04日世田谷パブリックシアターが開場20周年を記念して、日韓文化交流企画となる舞台、イプセン作『ペール・ギュント』を12月に上演する。舞台『ペール・ギュント』チケット情報本作は、平昌オリンピック開・閉会式の総合演出を手掛ける韓国演劇界のトップクリエイター、ヤン・ジョンウンが芸術監督を務める劇団旅行者(ヨヘンジャ)にて上演を重ねてきた代表作のひとつ。日本では第20回BeSeTo演劇祭(13年)の招聘公演として新国立劇場にて上演され、際立つ身体性と言語表現によって色鮮やかに劇場空間を埋め尽くす、ヤン独自の世界観が大きな反響を呼んだ。今回は主人公ペール・ギュント役を浦井健治が担い、ワークショップで選ばれた日本人キャスト、ヤンの信頼厚い韓国人キャスト、そしてヤンの希望によりすべて日本人スタッフで固めた布陣で新演出版を誕生させる。海を越えた注目のタッグ、浦井とヤンに話を聞いた。「異なる文化で育った者同士が良いところを持ち寄り、一緒に冒険ができることはとても贅沢で幸せなこと。僕は参加できなかったのですが、今回共演する趣里ちゃんやほかの役者仲間から、すごい熱量でワークショップの報告が来たんですよ(笑)。『面白かった!ここまで自分をさらけ出すことができるのかと思った』と。そこまで思えるのは素敵ですよね」(浦井)「サイモン・マクバーニーが日本の俳優と作った『春琴』を世田谷パブリックシアターで観て、この空間にとても演劇的魅力を感じ、いつかこんな交流の舞台をやれたらと夢見ていました。浦井さんとの出会い、スタッフとのやり取りなど、すべての過程が今楽しくて仕方ありません。韓国人俳優に比べて日本人俳優はひかえめだという話をよく耳にしますが、ワークショップで出会った日本の俳優たちは全然違いましたね(笑)。すごく自由で、エネルギッシュで、挑戦を楽しんでいた。僕のほうがインスピレーションをもらいました」(ヤン)ワークショップについて浦井が「参加できず残念だったけど、僕は臆病なので」と冗談めかして言うと、ヤンはひときわ大きな笑い声をあげた。「先ほど浦井さんが口にした“冒険”という言葉が胸に刺さり、今また“臆病”という言葉にさらに深く揺さぶられました。私は、ペールも完璧な臆病者だと考えています。なぜなら、彼を信じる母親と恋人を故郷に残して自分探しの旅に出るペールは、あらゆる選択の局面でいつも無意識的に逃げ出すからです。すべての人間の怖れ、不安を集約したものがペール・ギュントで、浦井さんはそれを直感的に探り出したスマートな俳優だなと。期待が高まります」(ヤン)趣里、マルシアなど日本人15名と韓国人5名、総勢20名の出演陣で立ち上げる壮大な冒険譚。両国の情緒の差異を楽しみ、共感を探る、刺激的な旅路の始まりだ。「本当に大切にしたいものは身近にあることを伝えてくれる物語です。この作品を経験することで、僕も人生が豊かになるんじゃないかなと予感しています」(浦井)東京・世田谷パブリックシアターにて12月6日(水)に開幕。9月24日(日) より一般発売。取材・文:上野紀子
2017年09月01日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第19回】『ラスト・チャンス!〜愛と勝利のアッセンブリー〜』ーー国会議員の理想像を演じる俳優の適性とは 最近、韓国のみならず、日本でも国会議員の不祥事が話題になっている。その際にいつも問題になるのは、国会議員の適性及び品格だが、今回はその理想像を、演じる俳優を例に考えてみたい。 『ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~』(’15年・KBS)は映画専門俳優だったチョン・ジョヨンが、デビュ?20年目にして初めてのドラマ出演で話題になった作品だ。この俳優の持ち味は、どこにでもいそうな市井の人物を演じることで、それ以外では戦争映画の命令に忠実な軍人等がはまり役だった(『シルミド』’03年、『トンマッコルへようこそ』’05年)。この作品でも、ストライキを起こした溶接作業員が仲間の汚名をそそぐために、政界に打って出るという人間味あふれる、一種純粋な性格の主人公の役を敢えてぎこちなく演じている。フィクションでありながら、ある種の国会議員の理想像ともいえる。 一般的な政治ドラマでは、無骨で朴訥、そして実直で前時代的なキャラクターは脇役ではあっても、主役には当てないのが普通である。だが、この作品はシナリオライターが直々に指名したチョン・ジェヨンのキャラクターを元に書き上げたとのことで、限りなく政治の素人である一般人を、魑魅魍魎な政治の世界に放り込むことによって起こる波紋をドラマの主題としている。これは何よりもまず、この俳優の風貌が醸し出す独特の雰囲気を抜きには考えられない。周辺には、それを利用しようとする人物と守る立場の側に、個性的な俳優を配置すればいいわけで、韓国ドラマの舞台として、裁判、病院に次ぐ第三の場ともいえる政治の世界ほど、こういった図式がふさわしい世界はない。 無学ゆえにストレートに感情を出してしまう主人公は持ち前の粘り腰で、従来とは違う、想像もつかない手法で次々と政治の難局を突破する。傍にはいつも優秀な秘書官(ソン・ユナ)がいるのだが、何故か彼女とは最後まで恋愛関係にはならない。主人公が離婚している設定もあって、恋愛感情を希薄にしているようにも感じるが、それがかえって主人公の純真さを伝える好効果にもなっている。このドラマが従来の、情欲と権謀策略が渦巻く政治ドラマとは全く違う印象を与えるのは、やはり俳優チョン・ジェヨンによるところが大だと思う。
2017年08月28日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第18回】『記憶~愛する人へ~』――イ・ソンミンにみる主演俳優の配役変化について 地味な印象の俳優の方が、逆に新しいキャラクターを演じるのにふさわしいと考える傾向があるのか、そういう例が最近増加している。人気俳優が派手な風体で派手なキャラクターを演じるのは当たり前すぎるし、悪相の俳優が凶悪な役を演じるのも却ってつまらない、面白くないという事なのだろうか。その意味も含めて、今回の『記憶~愛する人へ~』(’16年・tvN)はこれからの韓国ドラマのある方向性を示すと思われる作品である。 主役を演じるイ・ソンミンは今までは地味な脇役を長く続けてきた俳優の一人で、主役を演じたのは『ゴールデンタイム』(’12年)からだが、その時点で43歳という遅咲きだ。その一見地味でどこにでもいそうと思われていた俳優のキャリアは『ミセン』(’14年)で急転する。猛烈商社マンの人間臭い面を見せたこの作品は、イ・ソンミンという俳優をさらに印象付けることになり、この『記憶』でその評価は決定的になった。 『記憶』はテレビドラマとしてはかなり複雑な構造を持った作品である。むしろ、映画的といってもいい濃密さだ。主人公の敏腕弁護士はあまりにも強引な手法で弁護士の枠を超えて違法すれすれの事までこなすようになっている。だが、その裏には、子どもを不慮の事故で亡くして離婚、そして再婚して、仕事に忙殺されながらも、何とか幸せな家庭を築こうとする主人公なりの努力も垣間見えるという具合だ。そんな時、本人の体に異変が起こり(初期アルツハイマー病の宣告)、同時に一見平穏だった家庭にも、弁護士としての業務にも亀裂が入るようになる。ここで上司(イ・ソンミン)の言動に幻滅して辞表を出そうとしていた部下としてジュノ(2PM)が登場し、主人公と最後まで行動を共にするドラマ内の重要な人物となる。今や定番ともいえるK-POPメンバーの単独ドラマ進出については賛否両論あるが、この作品でも全体のマイナスにはなっていない。 前妻とのトラウマも並行して描かれるこのドラマの中で、主人公は、記憶が完全になくなる前に、何のために、何をすべきなのかを考えるようになる。症状が進んでいく残された時間の中で、主人公は最後の行動に出るが、これは誰にでも起こりうる人生の転機、岐路についての根源的な問いかけである。シナリオは、傑作『復活』『魔王』を手掛けたキム・ジウの最新作で、韓国ドラマの水準をまた一つ上げた。期待通りの秀作だ。
2017年08月21日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第17回】『町の弁護士チョ・ドゥルホ』ーパク・シニャンの成熟度について ’16年の『町の弁護士チョ・ドゥルホ』(KBS)は好評のうちに終了したのち、早々と続編制作が決定した。その主役が今いちばん韓国で演技力に定評がある俳優の1人である、パク・シニャンだ。 医師、弁護士といった職業がまさに嵌まり役で、熱血とコミカルな部分がないまぜになったオーバーな感情過多の部分さえ特徴の1つと思い当たる、他に類型を探すのが難しいタイプだ。静かな闘志を秘めて、およそ考えつくあらゆる人間の英知と感情をフルに使って、弁護に猪突猛進する。そういう役柄にピッタリな俳優はいそうでなかなかいない。もう少し庶民的な俳優のソン・ヒョンジュと対極的な位置にあるともいえる。 パク・シニャンは現在、48歳、映画もだが、ドラマは特に主演作品は少なく、作品を選ぶ俳優ともいわれている。’04年の『パリの恋人』が大ヒットしたためか、そのイメージが強かったが(『銭の戦争』はほとんど韓国版ナニワ金融道だが)、俳優としての本質は明らかに、その後の『サイン』、この『町の弁護士チョ・ドゥルホ』にある。 特にこの作品(『町の弁護士〜』)で、俳優としての評価は決定的になった。世界的に有名な俳優学校の1つであるアメリカのアクターズ・スタジオ出身かと錯覚するような部分もあり、アメリカの良心と称されたヘンリー・フォンダと言うより、韓国ではアン・ソンギ、イ・ソンミン、カン・シニルの系譜につながる、演劇的な俳優の1人だ。 今まで夥しい量の裁判、弁護士物が製作されてきたが、パク・シニャンの作品だけ違う手触りを感じるのは、一つにはこの俳優の人間的な、関西テイストをも彷彿させるキャラクターによるものだろう。様々な局面での意表を突く解決策は、シナリオの妙によるところが大であっても、俳優によってその印象がずいぶん違ってくる。そのくらい、タイトル通り庶民の味方となった“町の弁護士”としての活躍はまさに全開で、手垢の付いた正義の味方的な神話も一瞬信じたくなる錯覚を覚えるほどだ。 脇役の金貸し業パク・ウォンサンと、事務長ファン・ソクチョンとのコンビは傑作で、スパイ大作戦的な要素も加わって、視聴率の好調と続編制作決定の背景には、現在の韓国における汚職、収賄の忌避という民意の反映が大きいと思われる。
2017年08月07日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第15回】『偉大なる糟糠の妻』ーー最強にして無敵なクイーンの登場! 今日本で見ることができる韓国ドラマで、最強にして無敵なキャラクターが遂に現れた。その女優はキム・ジヨン。本来は『偉大なる糟糠の妻』(’15年)の主人公の1人のはずが、キム・ジヨンの演技は適役どころではなく、その傍若無人な態度、傲岸不遜ともいえる言動、厚顔無恥の度合い、さらに容姿と学歴のコンプレックスが高じて無神経の塊りとなるに至っては、まるで何かが憑依しているかのようだ。どう考えても、この作品の真の主人公はこのキム・ジヨンであり、これはキム・ジヨンのためのドラマである。 善人か悪人か、という二元論ではとても割り切れない、常に相手を屈服させるシャウトボーカル口調、髪を上でまとめた年代を無視したヘアスタイル、わざと目立つことを目的としたかのようなヤンキーファッション。時代も世間も完全に超越して、人に文句を言うことで一日の大半の時間を使うことを生き甲斐としているような、わが道を行く自分中心のわがまま主婦キム・ジヨンは登場するだけであらゆる画面に波紋を呼び起こす。その言動は舞台を変えればほとんど、先頃、離党届を出した、“絶叫ピンクモンスター豊田真由子”のようだ。 このドラマは、同じマンションで偶然再会した3人の女子高の同級生たちの過去に関わった殺人事件と現在の彼女たちの夫婦生活や離婚、さらに復讐劇を描いたものだが、作品内の人間関係がすべて誰かとの血縁、姻戚関係等で完結するようにがんじがらめに設定されていて、少し作為が過剰過ぎるのが難点となっている。この点だけ目をつむれば、このキム・ジヨンの存在とキャラクターを全開にさせる、絶好の環境である人間関係が用意されているともいえる。とにかく、成金上がりの亭主の妻となった、学歴コンプレックスのキム・ジヨンの決まり文句「金と贅肉はたっぷりあるから」は近年の傑作で、その亭主の浮気がいつもささいな理由ですぐ露見してしまうところも大笑いである。 後半は、主人公の主婦たちのそれぞれの亭主への三人三様の報復劇になり、タイトル通りになるにしても、実はこの3人の関係は同級生同士ではあるものの、どこまで心を許した親友なのかは最後までわからない。お互いが必要な時には喧嘩状態で、喧嘩していない時は余計で傍迷惑な相談事を持ち込み、また3人の仲が悪くなるという寸法で、韓国ドラマにおけるシナリオの構成テクニックには今更ながら感服させられる。
2017年07月24日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第14回】『隣人の妻』――同年代女性が共感した意外な痛快シーン ドラマの本筋とは一見関係のないような、さりげないシーンがいつまでも心に残るのが、名作の証拠と筆者は以前より考えているが、これは韓国ドラマでも例外ではない。そんなシーンが満載の作品を今回は紹介してみよう。 本欄では期せずしてケーブル局制作のドラマを紹介することが多くなっているが、それだけ、今のケーブル局ドラマは韓国の現在をストレートに投影しているともいえる。従来の多様な世代が見ることを前提にした家族ドラマ以外の、特定の層の「家族ドラマ」を現在見るにはケーブル局しかないといっていい。要するに自分の希望する番組を見たいのであれば、その選択は当然有料に直結するわけで、この方式を最良の形で実践しているのが韓国のケーブル局だ。 その中でも、’13年の『隣人の妻』(JTBC)はその典型的な作品例といっていい。おそらく、家族ドラマでありながら、親子の日常と同じ比重で、夫婦の性生活が扱われたのは、韓国ドラマの中でこの作品が初めてである。 医師と広告代理店勤務の共働き夫婦には中学生、高校生の2人の子どもがいる。夫婦の性生活にトラブルがあった夜の翌日、朝食は母親が適当に作るが、食事中、子どもたちはそのよそよそしい態度から、親たちの事情にある程度感づいている。これは見方によっては、少し危ない設定である。地上波放送では絶対ありえない設定とドラマ展開ともいえる。 メインストーリーはもう1組の夫婦と、会社、家庭共々、不倫も含めて密接な関係になっていく過程が中心の一種の不倫ドラマだが、2組の夫婦それぞれが親密な間柄になる設定はそんなに珍しくない。この作品はシリアスとコメディがないまぜになっている展開が新鮮で、なかでも見どころは、広告代理店勤務の母親(ヨム・ジョンア)と会社の同僚でもある、40代の独身遊び人OLとの奇妙な友人関係だ。ある時、話があるといって、その友人を夜中に呼び出し、2人でドライブして愚痴を言いながら朝まで飲み明かすシーンは痛快の一言に尽きる。 何とその回の半分近い時間を占めていて、本筋には意味のないこんなシーンが効果的に効いていたためか、ドラマの視聴者は敏感で、平均3%で同局の最高記録となった(因みにケーブルの視聴率を3~4倍すると地上波と同等になるという)。同年代の女性は、例えば、こういったシーンに最も共感したのに違いないと思うのだが、どうだろうか。
2017年07月16日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第13回】『私たち、恋してる』ーー多様な家族像のなかで描かれるさりげない場面 ケーブルテレビ局JTBC制作の、アラフォーの男女3組それぞれの家庭の事情を描いた’14年の話題作『私たち、恋してる』だが、以前もこのコラムで述べたように、近年、ケーブル局制作の作品にはアメリカTVドラマの感覚に近い作品が多く、この作品もそうしたテイストを何らかの形で内包していると言えるだろう。内容的にも見所は盛り沢山だが、今回はこの作品を少し違った角度で見てみたい。 映画プロデューサー、キム・ソンス(以下、同様に俳優名)はかつての恋人(チェ・ジョンユン)に再会した時に初めて、別れた後に生まれた娘のことを知る。しかも、元恋人がその娘を子どものいない弟夫婦に託し、新たに結婚して新しい家庭を築いている経緯も知らないままだった。その事実を突きとめたキム・ソンスは、ようやくその娘と親子の対面を果たすが、2人は何ともいえないぎこちない感覚のまま、気まずい時間を過ごす。これは間違いなく韓国ドラマの“情感”の一つといえるものだ。だが、娘も高校生というそんなに子どもでもない年齢で、お互い親子として会うにはふさわしい時期だ。2人の他人行儀な食事が済んだ後、父親は何か欲しいものはないかと娘に問うと、叔父夫婦の家族の中で質素ながら、実子同様の愛情で育てられた娘は欲しい本があるので買ってほしいと言う。快諾した父親は本を買った後、他に欲しいものはないか、服でもどうだと言うと、制服のままの娘は本だけで十分と父親に感謝する。 “小さな喜び”ともいえそうな、どうということのないシーンのように見えるかもしれない。しかし、人生とは毎日の小さな出来事の積み重ねから構築されているもので、こういった細部の描写が韓国ドラマの質を支えているという筆者の持論は今も変わらない。もちろん、韓国ドラマのすべてが傑作なわけではない。だが、ヒットした作品には必ずといっていいほどこういったシーンが含まれていることも確かだ。いや、こういう描写が少なからず入っているところに、韓国ドラマの永遠の未来があると言い換えた方がいいかもしれない。 ドラマの設定以外の、一見本筋とは外れたような、前述のさりげない些細な描写にこそ、韓国ドラマの真実がある。このドラマもその観点から見るとまた違った側面を発見するはずだ。
2017年07月10日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第12回】家族ドラマの王道を継承する『家族を守れ』ーー女性ヒロインの健気 韓国ドラマの定番ともいえる家族ドラマも見るべき作品が少なくなったといわれて久しいが、その王道の継承ともいえるのが『家族を守れ』(’15年)だ。今回新しいテーマとして選ばれたのは、本当の家族より、疑似家族の方が家族本来の大切さを気付かせてくれるという逆説的なものだが、これが予想以上の効果を上げた(最高視聴率28%強)。 家族ドラマ作りにおいて、その条件を踏み外すことなく新味を入れるのは常に課題としてあるが、今回も、経済環境の格差から想定された設定は登場人物に見事に振り分けられている。つまり、金持ちの娘はわがままで意地の悪い性格、一方、庶民の娘は心優しく、気配りができ、料理上手で、少し人が良すぎるが、親はもちろん男を立て、兄弟及び家族の幸福を誰よりも願っているという対照的な役柄だ。主人公ヘスはその理想的な存在として、自身の不幸な家族関係を恨みもせず、血のつながらない子どもたちと助け合って毎日を生きている。その点では、紛れもない正統韓国ドラマの系譜で、伝統回帰というか、先祖返りの意味も持っているわけだ。 深刻な話の展開の中でも、笑いを誘うところは随所にある。例えば、主人公の医者の父親が、金がないことを妻になじられると「天国に貯金してあるから大丈夫」だというフレーズは傑作で、楽天的なようだが、韓国のラテン系アジア人ともいえる心性をよく表している。また、間抜けな叔父夫婦もコメディ・リリーフとして、ストーリー展開の中の息抜きになり飽きさせない。 さらに、常に主人公と対立する敵役も度を越した手段で最後まで執拗に邪魔をするが、実は悪役のほうが演じるのが難しいといわれていて、この作品も例外ではない。結末はある程度、勧善懲悪と予定調和に終わるが、そうであっても、このドラマを成り立たせているのはやはり主人公ヘスの健気さに尽きる。 かつての『男はつらいよ』の妹・さくらを演じた倍賞千恵子のような女優はこれからの日本の映画、ドラマの中では絶対出てこないだろうが、その残像をこの作品に見ることも可能だ。演じたカン・ビョルは今までは地味な脇役が多かったが、今回の抜擢で、韓国ドラマはまたしても新しい女優ーーヒロインを得た。韓国ドラマ世界の鉱脈はまだ掘り尽くせないようで、その充実ぶりはこの作品でも明らかだ。
2017年07月03日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第10回】『トロットの恋人』。K-POP出身者にみる俳優の層の厚さについて 最近の韓国ドラマの傾向の一つに、K-POPグループメンバーのドラマ出演がある。主役ではないが、重要な脇役として、配役されることが多く、話題作には必ずその存在がある。ミュージシャンだけでなく、俳優としてもデビューさせるための方法の一つでもあるが、これが必ずしもミスキャストでないのが韓国ドラマの奥深いところだ。今回はまず女優から、有望な新人として、その存在が無視できない例を取り上げてみたい。 まずは何といっても、チョン・ウンジである。A pinkのメンバーの一人でもあるが、『トロットの恋人』(‘14年)を見れば、本当にこれが歌手の演技なのかと疑ったのは筆者だけではないだろう。とにかく、どう考えてもこれは断じて素人芝居ではない。元々女優ではなかったのかと錯覚するほどその演技はこなれていて、庶民的な風貌、人懐っこい雰囲気は日本でいう関西在住の芸人のような味もある。これは実際に見て確認してもらうしかないが、それほど突出した出来といっていい。 これが主役の4人の中の1人で、さらに、もう1人の主役もK-POP出身の男優(チ・ヒョヌ)なのだから、題材がトロット(韓国の演歌のことだが、伝統歌謡ともいわれている)で、舞台が音楽業界という点を差し引いても(実際、この作品はK-POP全盛時代にもかかわらず、「トロット再評価」にもつながったという)、やはり韓国ドラマの俳優陣の層の厚さは驚異的だ。 さらに、歌手に対してこういうのも変な話だが、歌のほうも最初、アイドルシンガー程度と思っていたのだが、ドラマの中で歌うトロットの名曲『人生』(リュ・ゲヨン、’03年)のカバーはあまりのうまさに舌を巻いてしまった。これは一聴すれば誰にでもわかることで、「一芸に秀でる者は多芸に通ず」の典型的な例がここにある。 チョン・ウンジの女優としての評価は、『応答せよ1997』(’12年)で既に証明されていたが、ラブコメ演技満開のこの作品の方が本人生来のキャラクターに合っているように思う。コメディ女優は、他にも、コン・ヒョジン、キム・ソナ、ハン・イェスルと枚挙にいとまがないが、その中でもチョン・ウンジは20代では断トツ、しかも圧倒的な存在で、その意味でも、この『トロットの恋人』は必見だ。
2017年06月19日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第9回】『パパはスーパースター!?』。韓国ドラマにおける子役の存在について 普通の配役以上に子役が輝くのは、子どもの設定のままでありながら、大人の役柄の特徴を出す時だ。通常、子役とは、主人公の小学生〜中学生前後の役柄が多いが、それとは別に、子役自体が重要な配役の一人になる場合がある。その典型的な最近の好例が『パパはスーパースター!?』(’15年)で、この作品を推奨するのは、単なる家族の中での子どもではなく、ドラマにおいて不可欠な構成要素としての子役だからだ。韓国ドラマの最良の部分がよく出た作品の一つだと思う。 病のため命に限りがあることに気付いたシングルマザーである女医(イ・ユリ)は、残された子どものために、その父親役にするためかつての恋人(イ・ドンゴン)とヨリを戻す決断をする。その事情を知らない元恋人はもちろん、一人娘もその再婚理由を訝しがる。 元恋人は将来を嘱望された野球選手だったが、全盛期を過ぎた今はリハビリコーチとして、何とかチーム内に留まっているものの解雇寸前の不安定な立場にいる。だが、主人公は娘の将来を考えて、自分が丈夫なうちに娘とこの元恋人が家族となるための舞台建てを用意しておこうとする。その行為のすべてがコミカルに、しかも悲しみを秘めて描かれていて、このドラマを貫くトーンの一つだが、10歳になった小生意気な小学生の娘はそう簡単に母親の言う通りにはならないし、初めて会う母の元恋人にもなかなか心を開かない(折に触れてドラマのポイントに出てくる、娘が飼っている愛犬の存在が見逃せない。必見!)。 この10歳という年齢設定は、もう子どもではないが、かといって思春期に至っているわけでもない、小学校後半の自我も芽生えてくる時期にあたる。疑似親子になるのを成立させるためには、おそらくこの年齢設定しかない。 シングルマザーである母親と相手の父親役が30代半ばという設定がここで初めて意味を持ってくる。娘は少し小憎らしい大人びた言動も取るし、いつまでも子どもだと思っているとそれなりに反抗もする。要するに親の言うことを素直に聞かなくなる寸前の年齢だが、実はこの年齢設定がこのドラマのコンセプトには絶対に必要だったわけで、日本ではなかなかいないと思われる娘役の子役(イ・レ)の存在が何といっても絶妙であり、この作品の一番の見どころである。
2017年06月12日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第8回】『パンチ〜余命6ヶ月の奇跡〜』。現実は創作をはたして模倣するのかーー 一般的に、現実の事件等をヒントにした創作が書かれることは珍しくないが、現実が創作を模倣した事件がないわけではない。例外はいつの時代にでもある。 韓国では、政府や企業間であっても、親族関連による不祥事が後を絶たないのは血縁による共同身内意識が強いことの表れでもあるといわれている。血縁による絆は良くも悪くも切っても切れないものであり、プラスに働くことより、マイナスの要素の方が多い。政治家の退任後に不正が露見しなかったことはほとんどないといっていい。 大企業はもちろん、中小企業もほとんど同族経営だからいうまでもないが、この意識の延長線上に政治もあるのだから、汚職のルーツは血縁に通じるというのにはかなりの説得力がある。その縁を強調してドラマの設定、ストーリーを考えていくとそのまま現実のある事件に似てくるのは無理もない、いや必然なのかもしれない。そう思わせるような作品は実は今までかなり作られている。 例えば、今回の朴槿恵にまつわる「崔順実ゲート」は、表面的にストーリーだけを捉えるなら、従来の韓国ドラマの一部との差はほとんどない。例えば、『パン〜余命6ヶ月の奇跡〜』(’15年)はその典型的な例の一つといえるだろう。 この作品は余命が限られている身でありながら、今までの自らの裏工作を後悔し、その贖罪にすべてを懸ける若き検事の最後の戦いを描いたものだ。離婚した妻の協力を得ながらも、かつての上司へのリベンジには困難が多く、誰が誰の味方か敵かわからないまま話は進行していく。 事件の当事者である、かつての上司??検察総長の暗躍、また、法務長官の身勝手な変節と保身と言い、その深謀の深さをストーリーにうまく織り込んであるだけに、視聴者は誰が首謀者かすぐに察することができるように作られていて、最後は予想を凌駕するような結末を迎える。 ネットユーザーたちによって実際に創作ドラマの結末が左右されるのは韓国の特徴の一つだが、それと同様に、今回国民とマスコミは現実の政治の結末まで動かした。 結果的にこのドラマの中における主人公の立場は、現実(崔順実ゲート)では国民とマスコミが見事に代弁したことになる。創作と現実はまさに紙一重である。
2017年06月05日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第7回】正統派韓国政治ドラマ『プレジデント』の二転三転の見ごたえ 今回の大統領選は予想通り、文在寅の圧倒的な勝利で終わった。9年ぶりの革新政権の誕生といることで国内外の関心も高く、当選に至るまでの選挙運動は、日本でもかなり詳細に報道されていたが、実際にはもっと生臭い戦いがあったであろうことは容易に想像がつく。大統領選挙はドラマとしてみるなら、「戦争」と同様に、これほど人生を凝縮してあらわす舞台と背景はないからだ。 だが、民主化以降の「大統領選挙」そのものを題材にした韓国ドラマは意外と少なく、大統領候補が主人公で大統領選がストーリー展開そのものになっている作品は、最近では、極論すると『レディ・プレジデント』と『プレジデント』だけと思われる(偶然なのか、2作とも’01年制作で、『レディ〜』はタイトル通り、女性大統領誕生の話で、恋愛ドラマ仕立てでありながら善戦した内容だったが、朴槿恵の退陣という現実があっただけに、今この作品に言及する意味は全くない)。 この大統領選を機に再見する意味があると思うのは、実はこの『プレジデント』である。日本の漫画『イーグル』(かわぐちかいじ作、’98〜’01年)を元にしたものだが、そんな点を全く感じさせないくらい、正統派な韓国政治ドラマの佳作に仕上がっている。アメリカ映画的といってもいい充実度だ。 ドラマは現実とは大きく違い、所属政党から、ある議員が大統領選を目指してそれを勝ち取るまでの道のりが、選挙運動の古典的なイロハを踏襲しながら、個人的な人物が脇を固める設定で描かれる。ナンパの達人でもある色男の作戦参謀、民主化運動で友人である主人公の兄を亡くした実直な選挙本部長(カン・シニルの名演が光る)、使命感に燃える“お局さま”のメディア担当とそれにまつわる微笑ましい恋愛など見所満載。また、特筆すべきは、主役であるチェ・スジョンが実生活でも夫婦であるハ・ヒラとドラマ内で夫婦役を演じたことだ。 さらに、この大統領選の展開に、主人公の隠し子と養女の存在が絡み、複雑なストーリー展開になっていくが、最後まで二転三転する選挙活動の盛衰、そして、意外な結末はちょっと予想できないだろう。筆者は原作漫画を読んでいたにも拘わらず、巧妙な作劇の中で、原作自体のエンディングの意外さを失念していたくらいだが、違う解釈の結末ながら、このドラマの方が主人公の非情さを示すためにも説得力があったのではないか。女性目線で見ても、満足度が高いドラマの一つとして、この作品を推薦しておきたい。
2017年05月29日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第6回】『私の人生の春の日』。限られた時間の中の幸福感について 韓国ドラマの特徴の一つは、鑑賞後に感じる幸福感だと筆者は常々思っているが、その典型的な例として挙げるのがこの作品『私の人生の春の日』だ。これもストーリーはとりたてて新しいものではなく、そんなに新しい要素が付け加えられているわけでもない。だが、何を語るというより、どう語るかも映像表現ーードラマの一側面であり、重要な要素だ。 テーマは、別に韓国でなくても多用されている「闘病もの」の一つで、心臓に持病を抱えていた若い女性が献体で生体移植が可能になり、一命をとりとめて平穏な人生を過ごしているところに、ずいぶん歳の違うある会社経営者と知り合う。 実はその女性に移植された心臓は、その男の事故死した妻からのものだった。さらにその女性の婚約者は男の実弟という密接な設定の中、当然、この男女の恋愛がメインストーリーになっていく。興味深いのは、その心臓移植により、どういうわけか女性の中に、男の前妻の感情も同時に移植されたのではと思わせるシーンが効果的に使用されていて、情感の中の既視感(デジャヴ)ともいえる、説明のつかない繊細な印象を見る者に与えたのは予想外の効果だっただろう。 例えば、その女性が男の子を見ると何か胸にこみ上げるものがあり、理由もなく泣いてしまうとか、子どもたちと離れると寂しく思うといった情感を抱くようになると、同時に女性は男に対するもう一つの特別な感情を意識し始める。そして、男も、妻の心臓が女性に移植されていることに気付き、恋愛感情が芽生えた瞬間、同時に女性の体調が悪化し、残された限りある日々を男の家族と共に過ごすことになる。 この静かな時間の流れは、映画はもちろん、韓国ドラマ独特の特異な点の一つだ。 最後は女性がめぐり合った男とその家族との時間に、さらに、自分の人生に感謝して短い生涯を終えることを暗示してこのドラマは終わる。タイトルはその「みじかくも美しく燃え」た日々のことを例えたもので、その時期が私の人生の春の日だったという意味が込められている(ちなみに、女性の役名はボミ、ハングルで「春」という意味である)。 視聴後に残るのは、間違いなく、切ないほどの幸福感だ。
2017年05月22日