リック・オウエンス(Rick Owens)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月27日(木)に発表された。“水しぶき”会場が再び!!ショー会場につくやいなや雨カッパを手渡されたのはちょうど1年前のこと。パリ・セーヌ川に面したパレ・ド・トーキョーに設置された会場で、激しいスプラッシュの中行われたランウェイショー。水しぶきの中やっとの思いで洋服を見た覚えがある。今季は同じ会場。あのとき水がたっぷり引かれたプールは姿を消し、水が抜かれた空間には三角形のタワーが一つ。メンズと連動した動きを見せるブランドであるため「まさか…」と思いながら、期待に胸を膨らませて始まりを待った。不可思議な肌を守るためのピース始まりと同時に現れたのはブラックジャケット。アームは不自然に膨らみ、羽のように突起が出ていて羽ばたくようにゆれてまるで"昆虫”みたい。後から登場したドレスは軽量素材で作られていて、バックスタイルの装飾部分がふわーっと風にのり、蝶のように羽を広げている。襟口だけがデフォルメされたテーラード、長方形の謎の突起が刺さったラップスカート。太ももに取り付けられたポーチ、腕につけられた不可思議な立体的バングル。三角形を幾何学的に配置したワンピースやコート。アーキテクチャーなその佇まいが、ますます「塔」をキーワードにしたメンズコレクションとのシンクロ性を感じさせる。謎が多いピースが続くが、やはり気になるのは防御的な小物たち。サングラスは大振りで目を守るというよりは、顔半分を覆いつくすようなビッグサイズ。顔~首、さらに髪の毛全体を守っているのはスカーフではなくTシャツだ。燃えた!!水の次は火だった不思議に思っていると、手に聖火を持ったモデルが現れ…リック・オウエンスの楽しいショータイムの幕開けだ。三角形のオブジェが燃え出し会場全体に熱気が包まれた。燃え上がる炎、観客の顔面まで伝わる熱波。そう、この身体保護のアイテムは、メンズコレクション同様にきっと防火のピースだったのだ。メンズコレクションではインビテーションにマスクがついていたというが、ウィメンズは紙一枚。しかし、シートにはうちわと水が用意されていて"暑さを避けて”というメッセージだろうか…。一緒に強いアルコールが入っていたが、これは“もっと燃やせ”という意味だったのだろうか…。デザイナーの意図は定かではないが、やっぱりワクワクさせてくれる演出が魅力的。熱く燃え上がる会場の中で、防火服を纏ったモデルたちが一人、また一人と炎の近くへ降り立ちランウェイを闊歩している。洋服はショート丈のボトムスで足は露出、トップスやドレスは穴ぼこでボディが露わになっている。ボディは守れていないに等しいが、いずれも顔~首にかけての防火対策は万全だ。
2018年10月01日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月27日(木)に発表された。ミステリアスでフェミニンブランドが持つミステリアスで厳かな世界観を保ちつつも、フェミニンなエッセンスを加えて女性らしさを香らせてる。テーラードジャケットもロングシルエット&深く入れたスリットで、そのテキスタイルの豊かな動きを楽しみながらも可愛らしく仕上げられている。フラワー&ギャザーで女性らしくフェミニニティ、その形を象徴的に表現するのが、フラワーのアップリケだ。ジャケットのラペルの上から顔を出したり、時にはベストの全面で満開の花を咲かせている。ジャケットに交じったロングアウターは、アームの部分にギャザーを施すことて柔らかさをプラスする。インナーには、シースルーのロングドレス、透かしレースのブラウスなどをセレクト。白黒の世界にペールトーンが登場ブラック&ホワイトのモノトーンの世界観。厳格な雰囲気を作り出す印象的なパレットにも、今季は新しい試みを投じた。ペールピンクやペパーミントグリーン。優しいカラーは、シースルー素材やシルクにのせることで、光沢や透明感といった質感でもコレクション全体に華を添える。動きのあるディテールが複雑なシルエットを生む長くのびた袖、どこからか伸びるリボン、バックスタイルに垂れ流れたベルト、途中から二手に分かれたスカーフ。ロングシルエットを強調するディテールは、歩みにあわせて自由に動き回ることでその複雑なシルエットをより複雑に見せていくのだ。ショルダーにも巻き付いた二重のベルト、胸元に巻き付いたレザーのベルトも、洋服の境目を曖昧にする。ディテールや小物によりマジックにより、えらく装飾やデザインが入り組んでいるようにもみえるが、実は今季はプレーンなシルエットが多い。ベーシックなトップス、装飾をそぎ落としたロングドレスなど、クリーンなデザインも多く起用されていた。
2018年10月01日マルベリー(MULBERRY)の2019年春夏ウィメンズコレクション、インスピレーション源となったのは、60年代のイギリスだ。クリエイティブ・ディレクターのジョニー・コカは、就任以来英国文化にフォーカスを当ててクリエーションを続けている。これまでは、上流階級の英国婦人を切り取り、ロマンティックで女性らしい姿を表現してきた。勢いのあった60年代英国にフューチャーしかし、今季はもっとも勢いのあった60年代にフォーカス。自由・開放・革命が謳歌された当時のイギリスは、まさに流行の発信地。明るくポジティブなエネルギーに包まれた英国からはファッションを含め、様々な文化が生まれていた。ジョニー・コカは、当時の美だけでなく、パワフルであった街、国全体のムードも切り取りファッションに落とし込んだ。サイケ柄、ミニスカート…60’Sが蘇るとにかく楽し気でポップ。“懐かしい…”と思わずつぶやいてしまう人もいるほど、当時の姿がそのアグレッシブな状態のままに現代に蘇っている。透けそうなほど薄い高級絹にのっているのは、サイケデリック柄。カラフルな色彩と動きのあるモチーフは“あの時のまま”ワンピースやタイツに顔を出している。ミニスカート全盛期だった60年代を切り取ったボトムス。前衛的で斬新であったミニ丈は、今も女性たちを美しくみせてくれる。ギンガムチェックの格子柄はクラシックなコートに描きだされ、さらに大振りボタンも並べてデザイン性を楽しんでいる。ミント、レモン、ソフトピンクなどお菓子のようにスイートなカラーたちは、フェミニンなドレスにのせて。透明ソールの新シューズ&三日月型バッグシューズもプレイフルな雰囲気を受け継いで、鮮やかなカラーで仕上げ、さらにプレキシガラスのヒールで質感の遊びも加えた。新作バッグは、三日月形状のブロックウェル。ブランドのアイコニックなライダーズロックを新デザインで起用している。
2018年10月01日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、2018年9月26日(水)にフランス・パリで発表された。「今」をみつめること→コントラストを楽しむこと過去でもなく未来でもない「今」に視点を合わせたという今シーズン。相反するものが同時に存在しているのに、互いにいがみ合うことなくほどよく調和し、ランウェイにはポジティブなムードが広がっている。弾けるようなビタミンカラーと鮮明な青、何にも染まらないホワイトと安定感のあるアースカラー。コントラストが強いパレットが1つのピースの中で、1つのコーディネートの中で、そしてコレクション全体で溶け合い融合する。実用主義VS贅沢クチュール実用主義に特化したワークウェアと贅沢の象徴であるオートクチュールの対比。機能性のみを残し装飾性をそぎ落としたミリタリードレスの後には、ドラマティックなベアドレスが続く。デイリーユースにぴったりなスウェットトップスのお相手は、スパンコールたっぷりのスカート。スポーティなフードコートの下からのぞくのは、総スパンコールのクチュールライクなスカートである。テーラードのセットアップの上には、スパンコールの装飾を贅沢に肩から飾って。写実的な花、現代アートのようなモチーフドレスの柄をとっても対比と融合が繰り返される。いきいきとした花々が写実的に描かれたかと思えば、モダンアートのような抽象的なモチーフにフォーカスがあてられる。素材の対比は遊び心たっぷりに。極薄なコットンやリネンと半透明なナイロン地のコンビネーション。ミリタリーウェアにみられる厚手のテキスタイルと肌を透かせてみせるシースルー素材のマッチング。カラーフェザーで花を添えてコレクションに花を添えるのは、鳥からのインスピレーション。モデルのヘアにのせれらたのはカラフルなフェザーのヘアピースだ。バッグやヒールシューズも羽のモチーフがたっぷりと添えられている。
2018年09月30日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月28日(金)に発表された。「黒」で出来る表現方法はいくつあるかブランドを象徴する色、黒。この1色での表現の多様さ、そして一つのアイテムから生み出されるバリエーションの豊富さ、デザイナーの力量が試される豊かな表現力が感じられるシーズンだと感じた。ジャケットの表現方法は∞黒のテーラードジャケットは、ラペルやボタンの位置、身体を包むアウターとしての役割など、洋服本来の形・意義を保ちながらもモダナイズされている。同じ黒だが異なる生地を肩の部分だけパッチワークさせてドロップショルダーにしたもの。軽やかな素材を選びつつも、シャツのように肌に沿わずすっとした落ち感を保ったもの。片方のラペルだけがずり落ち、装飾としての新しい任務をみつけたもの。同じ黒のテーラードから生まれているのに、それぞれが強い個性を放ち、全く異なるものに生まれ変わっている。肌みせで色気を引き出すブラックドレスジャケットと並んでフォーカスされたブラックドレスは、ローエッジで無骨さを残しながらも女性のセンシュアルな魅力を引き出すアイテムに昇華した。一枚布を巻き付けたかのようなシンプルな作りであるが、布の重なりはすべて計算され、ほんのり肌がみえるようになっている。腰の周りをえぐるようなカッティング、半分だけ見えた肩甲骨、菱形に切り取られた胸下。生地同士が重なり、たゆみ、ひねり…布での表現方法を限界まで楽しみながら、女性の色気を引き出している。曲線美を強調させたビッグドレス後半に登場したビックサイズのドレスは、序盤とは一変ボディラインを覆い隠したもの。生地を贅沢に使い、こぶのような凹凸を首下から裾にかけてランダムに配した。女性の曲線的なラインをデフォルメしたかのような、デコボコなドレスには弾けるような色彩をのせて。自由奔放に感情のままに描かれたかのような抽象的なモチーフは、宇宙を表現しているようにも、手が下にのびているようにも見え、絵画のように見るものに解釈の自由を与えている。包み隠すことで生まれる色気フィナーレは、Tシャツ&ロングスカートというシンプルな装い。肌見せ、凹凸、曲線美。ショーを通じて展開してきた女性にまつわる捉え方を休み、女性の美しいとされる身体や髪、脚などを包み隠すアプローチのように見えた。ストレートにセンシュアリティを表現しないことで、前半とのギャップが楽しく、また女性らしさをより際立たせているように感じる。
2018年09月30日©DOLCE&GABBANAドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)が2019春夏ウィメンズコレクションを発表。ショーには、女優のモニカ・ベルッチ(Monica Bellucci)や エヴァ・ハーツィゴヴァ(Eva Herzigova)、カーラ・ ブルーニ(Carla Bruni)、ヘレナ・クリステンセン(Helena Christensen)ら90年代を代表するスーパー モデルが登場しショーを盛り上げていた。また、日本からは女優でモデルの三吉彩花が参加。
2018年09月30日アールト(AALTO)2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月26日(木)に発表された。満ち足りたパワフルウーマンを表現女性の強さを表現したという今シーズン。クリエーションの起点は女性らしさ、幸福、パワー、スピード、フィンランド語で国民性を表す言葉・sisuだったとコレクションノートに記載されている。その世界観の一部を表現するように、ランウェイを歩くモデルたちの動きはパワフル。早朝ウォーキングをするアスリートのように、足早に歩き、力強さと満ちたりた表情に溢れている。軽快&デザイン性たっぷりの新ユニフォーム纏っているのは、今を力強く生きるために現代女性に向けて用意されたウェア。ビジネスウーマンのアイコンであるスーツは、暖かい季節に沿うようホワイトリネンで仕立てた。軽やかな素材感を活かすようラペルは波打つようにカッティングして、大きく分量をとり、風をきって動くように設計している。また、ロングパンツに代わって足首の見えるカプリパンツをセットアップに起用。ランダムに配した刺繍が遊びこころをくすぐる。シャツもスタンダードなホワイトではなく、虹色に輝くオーロラ地をセレクト。さらに、ショートパンツやスパッツと合わせた快活なルックも登場する。荷物をいれるバッグはビニル素材で軽量に。AALTOのロゴを配したバッグは、コンパクトサイズで、より機能性に特化したウエストポーチタイプもある。
2018年09月30日グッチ(GUCCI)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。グッチがホームタウンのミラノを飛び出し、パリの歴史あるシアターでランウェイショーを開催。プレフォール、リゾートに続き、フランスへのオマージュを捧げるコレクションがついに完結する。パリの歴史あるシアターでランウェイショー会場がシアターであることから、始まりは一つのムービーから。女性が登場するのはホラームービーさながらのちょっぴり“おぞましい”作品。上映が終わると、1階の客席後ろからモデルが一人また一人と現れ、中央のステージに向かってキャットウォークを披露する。仏文化への敬意はヴィンテージテイストで再現新作コレクションも様々な要素が乱れていて、アレッサンドロ・ミケーレが継続して綴っている「折衷主義」の物語が続いている。フランス文化にオマージュを捧げたという今季は、パリのアンティークショップを覗いたかのような懐かしさとヴィンテージライクであることが特徴。特に、ウィメンズは80年代からの影響を強く受けていて、ビッグショルダーがポイントになっている。色鮮やかラッフルドレスはには丸みのあるパワーショルダーを、カラフルなロングドレスにはたっぷりのフリルをあしらって肩周りに重量感をもたせた。また、デコラティブな要素も共通し、キラキラと輝くラメ入りのフリンジが取り入れられている。空飛ぶピッグが新登場動植物を愛する“グッチファミリー”に新たに加わったのは、フライングピッグ。その名の通り羽をつけた豚さんが、ミケーレならではのアニマルワールドに加わった。ドレスの胸元に刺繍されたり、ブローチ、アクセサリーなどになって登場している。新作シューズは月や貝殻をモチーフにした、ロマンティックな仕上がり。ヴィンテージライクなパンプスの中央にメタルで仕上げたモチーフを飾った。ディズニーコラボ、ミッキーマウスバッグバッグは過去から着想を得て、60年代のアーカイブをベースにしたものを一つ。また、マリナチェーンとロープをミックスして持ち手にした、エンベローブバッグも展開している。さらに、ディズニーとのコラボレーションによりミッキーマウスのフェイスをモチーフにしたハンドバッグも展開された。
2018年09月30日トム ブラウン(THOM BROWNE)は、2019年春夏ウィメンズコレクションを、日本時間の2018年9月30日(日)午後10時00分より発表する。ファッションプレスでは、その模様をライブ配信。毎度ドラマティックなショー演出で観衆を惹きつけるトム ブラウン。「ペインティング」をテーマに掲げた、2018-19年秋冬コレクションでは、キャンバスを取り入れた斬新なフォルムのテーラードをはじめ、ランジェリーを想起させるリボンテープやパッチなどをあしらった、エロティックなドレスなどを披露。会場に溢れかえったアーティスティックなピースは、ラストまで続く物語に奥行きをもたらした。今季のトム ブラウンは、一体どのようなストーリーを吹き込みながら、新作を披露してくれるのだろう。是非リアルタイムでそのクリエーションを鑑賞してみて。【詳細】トム ブラウン2019年春夏ウィメンズコレクション日本時間:2018年9月30日(日)22:00現地時間:2018年9月30日(日)15:00
2018年09月29日フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月22日(土)に発表された。春夏シーズンの到来、ブランドが暖かな季節にするのは、ホワイトやベージュなどの優しいカラーを主役にした爽やかなピース。素材もシフォンやレースなど、エアリーなものをセレクトし軽快に仕上げている。リズミカルなシルエットコレクションには、ワンピースやブラウスなど、フェミニンなウェアが多く登場しているが、どれもシルエットに緩急をつけた、こだわりのフォルムが特徴的だ。バルーンスリーブで袖元にボリュームを持たせたり、胸から肩にかけて大きくなフリルをあしらったり、ショルダーに立体的なフリルを添えたり…一定部分にボリュームを持たせている。かと思えば、ウエストラインはボディラインに寄り添うようにタイト。ステッチでデザイン性を高めた肘下のアームも、ぴったりと肌にフィットしている。超ミニ丈でフレッシュにレングスはとにかく短く。ワンピースやスカートの類は、膝下20cm以上の超ミニ丈が基本だ。ショートパンツも裾を斜めにカットアウトすることで、そのショート丈を強調している。時折、ロングドレスが展開されるが、その長い丈を忘れさせるほど深いスリットが入っている。パンツはテーパードが主流で、くるぶしを見せてフレッシュに仕上げた。温かみのあるロープをアクセントにウエストライン、そしてヘッドピースとして起用されたのが、ナチュラルな印象のロープ。クラフト感のあるロープがベルトに代わり、ヘアバンドに変身し、優しげなムードを加えている。
2018年09月29日サンローラン(Saint Laurent)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月25日(火)に発表された。エッフェル塔をバッグに始まるショーパリ有数の観光スポットであるトロカデロ庭園で行われる、アンソニー ヴァカレロ率いるサンローランのショー。パリのランドマーク・エッフェル塔を一望できる贅沢な空間に、この夜だけのための特別なショー会場が設けられる。定刻を過ぎて始まるショーが多い中、予定時刻にきっちり合わせて始まるサンローランのショーは、エッフェル塔のライティングも演出に巻き込む。20時になるとエッフェル塔がキラキラと輝き、特別な光を会場へ届けてくれるのだ。また、半屋外となった会場には、パリ市民がサンローランのショーを一目見ようと訪れている。パリ一体となって始まる、このブランドのショーは特別感が感じられる。今季は、トロカデロ庭園内の噴水がそのままランウェイに代わり、水の上をモデルたちが闊歩。周りには真っ白なヤシの木を添えられ、陽が沈むとまるでリゾート地のようにヤシの木の向こうには、グラデーションの美しい夕空が広がっていた。漆黒の世界から幕を開ける序盤はアンソニーのコードであるボディコンシャスなドレスやミニ丈ドレスなどが並んでいる。つば広のハットが印象で、アイコンであるスモーキングやテーラードジャケットはブラック一色で染められている。カラフル&キラキラの新作ピーススパンコールでストライプ模様を描いた、ホワイトジャケットの登場からは一転。あらゆる色彩がトロカデロ庭園内に降り立ち、漆黒の世界を色鮮やかに染める。デニムのショートジャケットやスエードジャケット、スター模様のショートジャケットなど、序盤に比べてカジュアルな印象のピースたち。ドレスルックもポップに代わり、シルバースター付きのリボンドレスや、ハートやスターモチーフが散りばめられたドレスなどが登場。スモーキングもラペル全面にスパンコールが施され華やかになっている。ドレス&スイムウェアが交互に登場しフィナーレへ時間の経過とともに漆黒の世界が再び顔を出すが、再登場時にはメタリックカラーを味方につけて、ルックの一部がゴールドまたはシルバーに変更。スパンコールのケープやフリンジ付きのパンツ、幾何学的のシャツなど民族的なエッセンスを融合したウェアが多くみられた。一度音楽が鳴りやみ、太鼓のような音色とともに登場したのはドレスライン。ヤシの木が並ぶビーチシーンを想起させる、スイムウェアが並んだ。いずれも背中や腰の周りが露出されていたり、センシュアルなデザインを積極的に起用している。間に差し込まれたドレスは、どれもシースルー素材で軽やかな素材使いが特徴的だ。ロング丈のドレス、マント風のドレスなど、テキスタイルの柔らかさを活かしたロング丈のものが多い。フィナーレはブラックパンツで。ブラックのロングマントとキラキラと輝くシルバーバングルとコーディネートされていた。
2018年09月29日モスキーノ(MOSCHINO)が2019年春夏ウィメンズコレクションをミラノで発表した。
2018年09月29日リック・オウエンス(RICK OWENS)がパリで2019年春夏メンズコレクションを発表した。
2018年09月29日アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2019年春夏ウィメンズコレクションは、従来のパリ・ファッションウィークの時期からクチュールコレクションの時期に移行し発表。「ダンス」を着想源にこれまでに比べてシックでエレガントな雰囲気を纏った新作ピースは、「ダンス」からのインスピレーションをもとにデザインされている。ダンサーたちのレッスン着、舞台衣装、さらに休日のオフスタイルまでに着目。有名なバレエの演目『白鳥の湖』や、アメリカの人気振り付け師・ダンサーのマーク・カニングからもヒントを得た。ソフトな素材使いがキーワードダンサーたちのしなやかな身体の動きを切り取るように、ウェアのほとんどには肌にフィットする薄い素材を使用している。ワイドパンツにはとろみのあるシースルー素材を、トップスにはストッキングのように伸縮性のある素材を起用。繰り返されるレイヤードスタイルの主役・レザーベストも、バックにニット地を組み合わせることで、柔らかなシルエットに仕上げた。ダンサーや白鳥、劇場をプリントで切り取るバレエを視覚的に打ち出したピースは、ブランドには珍しい写実的な模様で。ダンサーたちやショー会場、白鳥など、インスピレーション源と縁のあるモチーフがプリントで描かれ、シャツやワンピースになって登場している。白鳥をモチーフにしたコブラン織りのテキスタイルは、パンタロンへと昇華。新スニーカーor下駄風サンダル、どっちが好み?足元には、新作のスニーカーまたは下駄風サンダルを。スニーカーはゴツゴツとしたソールがポイントで、レースアップタイプとベルクロタイプを用意。下駄風サンダルは、スポンジのような素材を使用し、驚くほど軽量な仕上がりだ。
2018年09月29日アンリアレイジ(ANREALAGE)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月26日(火)に発表された。テーマは「クリア」「日常と非日常の境界線」をテーマにクリエーションを行うアンリアレイジは、これまで対極にあるもの狭間を様々な形で表現してきた。今季のテーマは「クリア(CLEAR)」。光を完全に吸収する黒とその対極にある光を完全に透過する透明の2色を繋ぐ。また、テクノロジーにフォーカスを当てて創作活動を行ってきた彼らであるが、今季はその対極ともいえる手仕事にも着目。人の手がなければ完成しえない繊細な装飾もポイントだ。黒から透明に変わるテクニカル素材黒と透明をコネクトするツールとして起用したのは、三井化学と共同開発したフューチャリスティックな素材・クリアブラックフォトクロミックだ。このマテリアルは太陽光にあたると真っ黒に変化し、蛍光灯の下では黒がだんだんと透けていき透明に変化する。このクリアブラックフォトクロミックを使ってボタンやスタッズ、パール、スパンコールなどを製作。ドレスや2ピース、コートなどには、円形や花の形、三角、四角など様々な形のパーツが1着あたり5000以上施されている。歩みに合わせて“ジャラジャラ”と揺れ動くさまは、洋服というより芸術作品に近い感覚だ。ランウェイに登場した時は黒だった洋服も、時間とともに徐々にその色を薄め、淡いグレーのような色味に変化する。さらに、ファーストルックからの7体はフィナーレで再登場するのだが、その時にはほぼ透明に近いクリアな姿に変化していた。色と質感が変わる定番アウターまた、色の変化だけでなくテキスタイルの変化もショーの中では紹介された。ミリタリージャケットやデニムジャケット、トレンチコートなどの定番アウターが、途中から透明に変わるというアウターシリーズ。頭に近い襟口などは不透明で本来の色彩をしっかりと持っているが、下にいくにつれてその色彩はホロホロとくずれるように曖昧になり、裾にかけては透明に変化している。カラーだけでなくテクスチャーそのものも連動させて変化させ、ハリのある生地がコットンのようにソフトなテキスタイルへと姿を変えるというから驚きだ。オニツカタイガーとコラボスニーカーフットウェアにはニュースが2つ。一つは、オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)とのコラボレーションスニーカー。これにもクリアブラックフォトクロミックが起用されているので、洋服同様に色の変化が楽しめる。竹ヶ原敏之介のオーセンティック・シュー&コーがシューズデザイン開始また、シューズデザイナー竹ヶ原敏之介率いるオーセンティック シュー&コー(AUTHENTIC SHOE & Co.)がシューズデザインを開始。プラットフォームのレザーシューズなどが初披露されていた。
2018年09月29日ウジョー(Ujoh)の2019年春夏コレクションが、イタリア・ミラノにて発表された。上品で女性らしいエレガントさ今シーズンのウジョーが考えたのは女性の“テーラード・スタイル”。ランウェイには、マニッシュなイメージのテーラードが、現代を生きる女性たちのエレガントさを引き出すアイテムへと再解釈され登場した。大胆なカッティングで生み出される新しいピーステーラード・スタイルを代表するジャケットは、大胆なカッティングで今までに見たことのない姿に変貌した。ウエスト以下の部分が削ぎ落され、ショート丈にリメイクされたジャケットは、“テーラード・スタイル”のイメージとは裏腹に前衛的にも見える。さらに目を惹かれるのがジャケットを“裏返し”で着用したルック。“新しいアイテム”を“新しい着方”で着ることで生まれる新感覚のスタイルは、新たなファッションの方向性やビジョンを提示しているようだ。マニッシュなアイテムをフェミニンかつドレッシーにまた、テーラードアイテムと並んでマニッシュなイメージを持つワークウェアにもブランドのスパイスを加えて展開。オーバーオールにはドレッシーなサテンやナチュラルなコットンを素材として採用することで、上品な印象の1着へと昇華させた。ワークウェアのエッセンスはシルエットデザインだけではなく、ドレスやスカートに取り入れられたサファリスタイルやカモフラージュテイストのパターンにも反映された。それらのパターンは、なめらかな素材感が際立つ生地の上に用いられ、上品さをキープしつつ落ち着きのある彩りをスタイルに添えている。シンプルで季節感のあるカラーランウェイの上に登場するアイテムの色使いは至ってシンプル。アイテム単体ではワントーンが主流で、コーディネート全体で見ても使用される色が3色以内にまとめられているルックがほとんどだ。その中でアクセントとして機能しているのがミントグリーンやレモンイエローといった季節感のあるカラー。軽やかで明るい色味は、着る女性が持つエレガントさをより一層引き出してくれる。
2018年09月28日サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、2018年9月22日(土)イタリア・ミラノでメンズコレクションとともに発表された。ワークスタイルから着想クリエイティブ ディレクターのポール・アンドリュー、セカンドシーズンとなる今季は、デビュー時より重きを置いている「計算され尽されたカラーパレット・豊富なレザー使い・新しいシルエットの研究」の3つのポイントを保持したまま、新しいスタイルを探求。新たなアプローチとして印象的だったのは、ワークスタイルからのインスピレーションだ。ワークの代表として起用されたのは、カーゴパンツ。サイドポケットのついた無骨なボトムスが、サルヴァトーレ フェラガモの上質な素材によって、洗練された形に生まれ変わっている。デザートシャツも、とろみのある光沢素材で再現されることで上品な雰囲気に。アーカイブスカーフから着想したというボタニカル模様をライナーにしたコートや、膝丈のハーフパンツとのマッチさせた、サファリ風コーディネートも、都会にふさわしい上品な仕上がりだ。鮮やかカラーのハンカチーフドレスドレスやスカートなどは、アシンメトリーなシルエットが魅力。ハンカチーフのようを折りたたんだようなラインは、複雑に動きまわり強い個性を放つ。また、アースカラーで仕上げたワークルックと、バイオレットやイエローなどの鮮やかな発色のドレス群との交わりは、カラーコントラストが効いていて印象的だ。ブランドが誇る、レザーのクラフトマンシップブランドが大切にしているレザーは、クラフトマンシップを感じさせる手編みのディテールで表現。ブーツやバッグなど小物はもちろん、ウッドビーズを組み合わせたドレスにもなって登場している。新作バッグには、アイコンのガンジーニモチーフを全面に配した。新作シューズは、ヴァラ・リボンのついたアイコニックなシューズ「ヴァラ」をアップデートしたもの。中央のリボンをグログランテープからメタルに変更することで、よりモダンに仕上げている。
2018年09月28日アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)の2019年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月24日(月)に発表された。60年代ファッション&音楽シーンを切り取るクラシックであることをブランドコンセプトの一つに掲げる、アツシ ナカシマは今季「リバイバル」をテーマに60年代にフォーカスを向ける。ミラノデビューより堂本剛が音楽活動をする「ENDRECHERI」のサウンドをショーミュージックに起用するなど、かねてから音楽に親交が深いデザイナー中島篤が目を向けたのは、ファンク・ディスコ・ソウル・R&B・ロカビリーなどの音楽カルチャー。ファッションとリンクして移り変わる、音楽シーンも一つの着想源とした。ファンクの引き出しからは、裾にかけてフレアに広がるダンスパンツや開襟シャツをピックアップした。アメリカで勢いのあったロカビリーのエッセンスは、メンズのジャケットに落とし込まれている。Aモチーフのオリジナルレースドレス60年代ファッションから影響を受け、ウィメンズではドレスルックを多数展開。ブランドとしては珍しいフェミニンな印象のピースは、オリジナル素材のレースで仕立てられている。ブランドロゴのAを切り取り、幾何学的に並べオリジナルのレース地を作成した。スエードドレス&バッグもオリジナルモノグラムでドレス同様にAを幾重にも重ねて、モノグラム調に仕上げたレザーグッズも登場。高級スエード調の人工レザーを使ったドレスや、いくつかの形状で展開される日本製のバッグなどに起用されている。特に、スエード地のドレスはユニークで、レザー加工により立体感のあるモチーフが万華鏡のように重ねられ、強い個性を放っている。
2018年09月28日ミッソーニ(Missoni)の2019年春夏コレクションが、2018年9月22日(土)イタリア・ミラノで発表された。ミラノの夜空をバッグに、ルーフトップでランウェイショーショー会場は、ミラノ市内でも開拓が進んでいる新興エリアに設けられたコンベンションセンター。波のようにうねる屋根が特徴の巨大スポットは、これまでいくつかのブランドがコレクション発表の場として選んできた場所だ。しかし、ミッソーニのアイデアは斬新。コンベンションセンター内のスペースではなく、屋外エリアを会場に設定。ちょうどショーの始まりは21時を過ぎていたので、夜空に瞬くネオンや日中の暑さを拭いさってくれる夜風、そして雲に包まれ幻想的に光を放つ月が印象的だった。アート作品のような新作ニットウェアルーフトップの開放的な空間で行われたショー。その会場選びだけでなく、新作ピースも彼らのこだわりと個性を感じぜるにはいられない。ブランドのアイデンティティであるニットを主役に、アートピースさながらのドラマティックなデザインを作り出すのだ。アートを描くキャンバスは、もちろんニット。肌にそっと寄り添うソフトな質感を活かして、タイトなロングドレスやロングべストなどを展開。そこに、織りを使って思いのままを表現する。顔モチーフで芸術性をプラスボーダー、ストライプ、ジグザグなライン、チェック、ポイントカラー。アクセントとなそうな模様は、様々な色彩で表現され、ニットキャンバスの上にランダムに登場している。夜空に輝く星々とリンクするように、ラメ糸も取り入れ、アーティスティックなウェアの中に、光沢感を加えた。さらに、今季を象徴するモチーフとして人面のモチーフをプラス。胸元、ウエストなどあらゆるところから登場する、アンニュイな表情は、ファッションを芸術作品へと昇華させるようなエネルギーをもっている。葉っぱディテールで簡単レイヤードもスタイリッシュに装いは着やすさを重視して、一枚で着れるワンピースやカーディガン+トップスなど、コーディネートしやすいピースを揃えた。ドレスは1枚でも様になるティアードデザインを繰り返し起用。羽織りもののボタン位置には、葉っぱモチーフのアクセサリーを添えて、シンプルなレイヤードスタイルにこだわりの要素を加えている。
2018年09月27日マルニ(MARNI)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月23日(日)に発表された。フェミニニティにフォーカス強くフェミニニティを提示しているように見える、今シーズン。モデルには、様々なスタイルの女性たちが起用され、彼女たちは曲線的なボディラインを強調させる装いを纏っている。ドレスはウエストラインをきゅっと絞り、ヒップラインから丸く膨らませた。胸の辺りにはのせた円形のパッチで、バストの丸みも表現されている。スカートはタイトなシェイプが中心で、スリットからほんのり見える肌がセンシュアルだ。なめらかなシルク、ソフトなコットンなどを使用し、テクスチャーでも女性のやわらかさを描き出した。コラージュ&デコで個性をプラスまた、クラフト感を感じさせる装飾類も今季のキーワードの一つ。女性の身体や石造、ニュースペーパーなど、共通項のないモチーフがコラージュされるかのように、テキスタイルの上にランダムにプリントされている。スカートやドレスの裾には、洋服のデコレーションとは思えぬほど大きなビーズやビジューが散りばめられた。切りっぱなしのローエッジな裾と交わると、より“人の手で仕上げた”暖かみが増す。また、小さなスパンコールで絵を描いたモデルや、レザーロープをあしらったものなど、DIY的なぬくもりのある装飾を施したウェアも揃った。ヌードピアス&Wフラップバッグ注目の新作バッグは、Wフラップハンドバッグ。表と裏にポケット部分のあるユニークなシルエットだ。アクセサリーは、大振りなものが多く、女性のヌードをモチーフにした片耳ピアスや葉っぱモチーフのネックレスなどが展開されている。
2018年09月27日A.F.ヴァンデヴォースト(A.F.VANDEVORST)の2019年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月22日(土)に発表された。結婚20周年を祝してデザイナーのアン&フィリップ・ヴァンデヴォルスト夫妻結婚20周年を記念した、今季は「ウェディング」がテーマ。何世紀にも渡って伝わる伝統的なウェディングドレスから得たインスピレーションをストリートの要素を交えてモダンにアレンジする。コットンレース&シルクサテンに浮かぶ、繊細な刺繍レディ・トゥ・ウェアに落とし込まれたウエディング。フーディスウェットやTシャツなどの日常服とウェディングの要素が混じり合うのだが、そのテイストミックスはさておき、際立つのは、美しくウェディングを切り取った彼らの力量だ。パールやスパンコールを繊細に並べた、ドラマティックな刺繍は、心をうっとりとさせてくれ、リボンやフリルなど女子の心をつかむフェミニンな要素は美しく印象に残る。光沢あるシルクサテンや、刺繍をのせたコットンレースは、スウェット地やコットンと肩を並べることで、それぞれが持つ質感の個性が強調されてより印象的に見える。ディウェアに落とし込まれた、花嫁の高揚感彼らのアプローチの一つとして挙げられるのが、デイウェアの一部分にウェディングドレスのエッセンスを落とし込むこと。フーディをインナーにジャケットを羽織ったファーストルックでは、長く伸びたドレスのスカート部分だけを採用。白Tシャツにはスリーブの部分だけをピックアップして、ふわっと丸みのあるパフスリーブを添えている。命を失った、モノクロの花束花嫁が持つウェディングブーケ。本来は幸せの象徴とされるものだが、ウィットに富んだ感性でモノクロームのプリントに。花々の生き生きとした姿は皮肉にも消え去り、プリントシャツやワンピースの上でひっそりと顔を出している。タキシードをウィメンズ仕様にアレンジ花婿が纏うタキシードは、性差を超えてウィメンズ服へと変身。肩周りを強調させたパワーショルダーのジャケットや、クロップド丈のジャケットへと転身した。さらに、ワークの要素をプラスしてオールインワンへと姿を変えたものもある。“いま”を提示するウェディングドレスフィナーレにかけては、10体のドレスルックを披露。床を引きずるほど長く、たっぷりのレースとシルクで仕上げたロングドレスは圧巻。しかし、モデルが持つフラワーブーケは逆さになっていて、彼らのユーモアを感じさせる。その他は、ウェディングドレスで思い浮かべるスタンダードな形とは全く異なり、白シャツを解体したようなドレスや、スカート部分を途中でカットアウトしたかのようなトップス、ベルトディテールを施したミリタリー風のベアドレスなどが揃っている。
2018年09月26日エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)の2019年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月22日(土)に発表された。テーマは「フューチャリスティック レトロ」テーマは「フューチャリスティック レトロ」。過去の産物からのインスピレーションを手掛かりに、未来へ向けてファッションを発信する今季。エルマンノ シェルヴィーノが示したのは、オーセンティックを保ちながらも斬新さを融合させた、安心感と革新性を共存させた装いである。シルエットをモダンにアレンジ男性服から着想したオーバーサイズのテーラードジャケットは、ラペルを長くとり、さらに角を排除して丸みのあるシルエットにアレンジしている。ストライプシャツは、その正統派な雰囲気を維持しながらも、クロップド丈に整えられ、若々しい表情も共存させた。シックなパンツスーツも、ブルー×ブラウンの刺激的な配色で、ボタニカル模様を描くことで新しさを投じている。キャミソールタイプのドレスは、フェミニンな趣を残しながらも、レザーで仕立てることでハードな一面を共存させた。3ボタンのパンツスーツやドレスなどに使われたのは、色を抜いたジャカード素材。光を放つ主張の強い素材でありながらも、その褪せた色彩はヴィンテージ風で、温かな雰囲気を運んでくる。レザーはシルクのようにソフトにレザージャケットは、従来のイメージを一新するほど軽やかに仕上げた。シルクのようにソフトな肌触りの革を厳選し、さらに表と裏で異なるカラーで染め上げることで、モダンな印象へと昇華させている。正統派ニットは近未来なカラーでカレッジスタイルを想起させる、Vネックのラインニット。こちらはメタリックシルバーにし、さらにツヤっぽい加工を施すことで、正統派を脱ぎ捨てパンチの効いた表情へと変化させた。チュールやシフォンで仕上げたドラマティックなドレスは、ビックサイズのベルトと組み合わせてカジュアルダウンさせて、日常に溶け込ませている。
2018年09月25日ヴェルサーチ(VERSACE)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月21日(金)に発表された。乱れるパワフルなカラー&パターン色とりどりのカラーと多彩なパターンに彩られた、今季。ランウェイには、情熱的なレッド、発色のよいイエロー、爽やかなグリーン、パワフルなオレンジなど主張の強いカラーが並び、それらのパレットで花模様やストライプ、アニマル柄などが作られている。単体でも主張の強い色柄であるが、それらはランダムにコンビネーションされることで、より強い力を発揮している。テキスタイルをぐるりと巻き付けたようなボディコンシャスなドレスでは、それが顕著で、1つのウェアの中に数種類の色柄が重なり合って共存している。ドレスはボディコン or エアリー装いは、ミニ丈スカートやボディフィットなドレスなど、ヴェルサーチらしい色気のあるウェアを中心に、オーセンティックなルック、そしてエアリーなドレスをミックス。序盤は、ジャケット&ミニスカートなど正統派なスタイルが数多く並び、時間の経過とともに、カラーレザーで仕上げたミニドレス、軽やかなシフォンドレスなどが続いた。柄ON柄のミックスコーデ&デコラティブアクセ特徴的なのは、柄ON柄の斬新なコーディネート。色鮮やかなドレスにさらに柄タイツを組み合わせるのが、今季のヴェルサーチスタイルだ。また、煌びやかなアクセサリーを起用しているルックが多く、センターパートでかっちりとまとめたヘアに、メデューサかフラワーをモチーフにしたゴールドのヘアピンをオン。さらに、ゴールドまたはシルバーに、カラービジューを組み合わせたイヤーカフも重ね付けしている。
2018年09月25日MSGM(エムエスジーエム)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月21日(金)に発表された。ビビットカラーが元気よく飛び出すピンク、グリーン、イエロー、オレンジ…クレヨンをひっくり返したかのように、鮮やかな色彩が飛び交う今シーズン。観る者にエネルギーを与えてくれるそれらのカラーは、フォーストルックに取り入れられた花々のように、スピーディーにその形態を変え、驚きをもらしてくれる。序盤は、パワフルなカラーで映し出したフラワーが主役。クリア素材で仕立てたロングコート、ロングパンツ、量感たっぷりのロングドレスなどにプリントされ、生き生きとした姿をみせている。テキスタイルの凹凸・動きを的確にとらえる花びらの色、ピンクや赤をじっくりと観察するかのように、時間とともにこの2色にフォーカスがあてられる。ドレスやスカートから模様は姿を消し、単色になることで色彩が持つ力を露わになる。と同時に、ストンとストレートだった洋服のラインが、うねり、ギャザーで寄せられ、波をうち、複雑なフォルムへと変化していく。青空に向かって伸びる、夏の花主役が暖色からシトラスカラーへと変わると、ランウェイにも黄色の花が咲く。夏の青空を想起させるようなライトブルーのコートの上に咲いたのは、温暖な気候が似合うイエローのフラワーだった。色の見せ方にふり幅をそこからは、植物たちそして青空そのものを個性を主張するかのように、色柄を複雑に描き出す。タイダイ染めのようにまばらにカラーを見せたり、ホワイトをサンドしてカラーを強調させたり。その動きとリンクするように、洋服もデコラティブに代わり、肩からバストラインにかけてボリューミーなフリルを飾ったワンショルダードレスや、毛足の長いフェザーを使ったキャミソールドレスなどが登場。澄んだ青空と浮かんだもくもくの雲を想起させるランダムブリーチのデニムもリボンを飾ったドレスに変形している。
2018年09月25日ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、2018年9月23日(日)イタリア・ミラノで発表された。テーマは「THE SHAPE OF COLOUR」。うっとりするほど美しい色から何が生まれる?光を帯びたシルバーグレー、明るいピンク、澄んだブルー、うっとりするほど美しい色彩が並んだ。それらのパレットは、ツヤのあるシルクや、オーロラのような光沢素材、透明感のあるシースルー素材の上にのることで、光を受けながら表情を変え続け、よりその魅力を発揮する。揺れ動く水面をテキスタイルで再現特に、模様入りのマルチカラーテキスタイルの上に、オーガンザをのせたルックは圧巻。水面をのぞいたときのようなリキッドな表情をみせ、ぼんやりと内側のテキスタイルを浮かび上がらせる。シンプルシルエットの中に細かなこだわりをカラーの美しさを最大限に引き出すため、本来のベーシックシルエットを保ちながら、細部を微調整している。クロップドパンツはストレートなラインであるが、ほどよく幅を持たせることで、歩みに合わせて揺れ動くように設計。ブラウスは、ボディをふわりと八の字にし、ロングスカートにはスリットを、ショートジャケットはヘムのラインを広げることでテキスタイルの自由な動きを引き出した。海やオーロラを想起させるまるでそれぞれが意思をもって動き、変化しているように見えるテキスタイル群は、海や川など、自然界の美しい風景を不思議と思い出たせてくれる。また、ホログラム加工やスパンコール・ビジューの装飾が重なると、オーロラまでをも想起させてくれるのだ。キラキラアクセサリー&シューズアクセサリーはキラキラと輝くものをセレクト。耳元で強い光を放ち、より印象的にルックをみせてくれる。新作バッグは、いくつかのロープを格子状にあしらったもの。また、籠バッグ風のデザインも登場。シューズは、シルバーのピンヒールが特徴的なパンプスと、ソックス風のアンクルブーツが揃っている。
2018年09月24日ブルマリン(Blumarine)の2019年春夏コレクションが、2018年9月21日(金)イタリア・ミラノで発表された。ネオンカラーでパワフルに明るく元気いっぱいなブルマリンの春夏。ランウェイにはネオンカラーがまばゆいほどに並び、ラメやシースルー素材などキラキラとした質感が、透明感を運んでくる。アンバランスさを全力で楽しむ装いは、アンバランスなミックススタイルが主流だ。ブランドロゴ入りのブラトップ&スパッツをキーアイテムとし、何度も繰り返し登場させる。明るいオレンジ、ライトグリーン、パープルなどで彩ったスポーツウェアさながらのカジュアルピースは、全く異なるテイストの装いとミックスさせた。流れるように揺れ動くシフォンワンピースや、繊細なビーズ刺繍をあしらったレーシーなドレス。ブロークンダメージを入れたデニムパンツや蛍光色のカーゴパンツ、光沢サテンのオールインワンなど、共通項のないものが交わり融合されていく。ショートパンツ&スパッツのレイヤード特に際立っていたのは、自由な発想で生まれたスパッツの着こなし。膝上のピタッとフィットのスパッツの上には、膝上15cm以上のショートパンツが重ねられ、インナーが露わになった大胆スタイルで提案されている。アニマル&花柄ミックスショーの後半からは、ポップな色彩に交えて総柄パターンも登場させる。よりアクティブでリズミカルになったランウェイでも、アニマル模様と花柄が共存するなど、やはりアンバランスな組み合わせが繰り返されている。
2018年09月24日トッズ(TOD’S)の2019年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月21日(金)に発表された。レザーへの探求心をよりディープにレザーへの探求心を深め、一つの素材から多彩な表情を引き出すブランド・トッズ。今季もその表現力の高さとふり幅の大きさに驚かされることになる。フォーマルな場にふさわしいパンツスーツ、休日のおでかけにぴったりなワンピース、パーティーで纏いたいミニスカート。生活の様々なシーンを想起させてくれるワードローブはすべてレザー仕立てだ。しかし、ハードな印象は全く抱かせず、長袖シャツやシャツワンピース風のドレスは、コットンのようにソフトな印象であり、サイドライン入りのパンツは、ナイロン素材で仕上げたときのように軽快さを保っている。カラー&装飾でより表情豊かに同じレザーでも、オレンジやウォームピンクに染めれば、女性らしさを引き出し、鮮やかなブルーであればクールに決まる。さらにジップディテールをあしらえば、タフな雰囲気に変化するし、ステッチを施せば温もりを感じさせる。パッチワークが生む多彩な表情さらに、数種類のレザーをミックスすると変幻自在に表情を変える。パイソンなどのエキゾチックレザーとカラーレザー、スウェードをミックス。ストライプ模様のように組み合わせれば男性的に映るし、幾何学的にパッチワークすればアーティーな印象をも与えてくれる。異素材MIXコーデで際立つ個性最もレザーの魅力が引き立つのが、異素材とのミックスコーディネート。光沢のあるシルクプリントパンツやデニムパンツ、コットンTシャツと合われば、レザー本来が持つ温もりがより際立って見える。
2018年09月24日エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)の2019年春夏コレクションが、プレゼンテーション形式でイタリア・ミラノで発表された。テーマは「カリブ海への旅」今季のテーマは「カリブ海への旅」。大きく広がった砂浜と澄んだ海、キラキラと輝く太陽を味方につけた青空、そんなビーチシーンを容易に想起できるサマールックが満載だ。さらと一枚で着られるロングドレスや、リラックスできるワイドパンツ、快活なブラトップなどが登場している。着回しアレンジができる洋服たち一つひとつのピースは、新しいアイデアのもと、着回しができるように製作。アシンメトリーにしたり、ボリュームをもたせたりして、他のピースとのレイヤードを楽しめるようにデザインしている。プリーツ加工を施したロングドレスは、単体で着るのはもちろんのこと、前ボタンを全開にしてインナーをレイヤードすることで、ロングジレ風に。なめらかなシャツドレスも、一枚で纏えばエレガントに、パンツと組み合わせてシャツに変身させ、シティライクに楽しむこともできるようにした。ジューシーカラーで作る“プッチ柄”パレットは、イエロー、レッド、グリーン、ライトブルーなど、果物のようにジューシーなカラーを厳選。エミリオ・プッチのコードである“プッチ柄”はこれまでよりも少ないカラーで作り上げ、各々のカラーが持つパワーを楽しんでいる。
2018年09月24日モスキーノ(MOSCHINO)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、2018年9月20日(木)イタリア・ミラノで発表された。デザイナーアトリエから生まれる新作ピース“トゥルルル…”電話の着信音がショーの始まりの合図。ランウェイに光が灯されると、中央にはファッションデザイナーのアトリエ風空間が。大きなデスクと壁一面に並んだ書籍、そしてデスクの前にはデッサン画が張り付けられている。書き起こしたばかりの新作ピースは、まるで紙から飛び出してきたかのように、ランウェイに勢いよく現れた。ファッションピースが生まれる過程真っ白なキャンバスで仕立てた、ジャケットやベアドレス、トレンチコート、パンツスーツ。シルエットはどれもクラシックであるのに、その上にのった色彩は“ぐちゃぐちゃ”とラフにかかれた線である。初めは白紙にブラックラインだけだったものが、ピンクになり黄色になり、上から格子柄の模様を描いたり、複数の色を重ねたり複雑になる。その移ろいは『この色がいいかな、やっぱりこっちの方がいいか』と、デザイナーがデッサン画を書きながら悩む姿を想起させる。時の流れとともに、モスキーノベアや苺の模様、ピースマークのゴールドアクセサリーなどのモチーフまで、テキスタイルの上に登場し、それらは塗り絵のように色付けされている。色、柄が進化したころには、装いそのものにも変化が。クラシック一辺倒から、大振りリボンをあしらったデコラティブなドレスが現れたり、タンクトップ・ショートパンツといったスポーティなピースが起用されたり、スイムウェアが登場したり、多様性に富んでくる。ファンションにまつわるものは何でもドレスに変わるラストにかけてはモスキーノ流のドレススタイルが登場。「モスキーノ クチュール」と名付けられたドレス群は、どれもノーマルではない個性派な印象だ。米袋のような素朴な素材で仕立てたベアドレスは、本来見えてはいけないはずのクリノリン風の格子状パーツが裾から顔を出している。また、メジャーや針、ハサミ、巻き布など、洋服を仕立てる上で必要な“デザイナーのお供”もファッションに転身。ドレスやアクセサリー、帽子などに姿を変えてランウェイの上に現れている。ウェディングでショーは閉幕フィナーレは、結婚行進曲とともに。ぷっくりと膨らんだミニドレスに、スーパーロングなヴェールを組み合わせて。ふわふわと揺れ動くヴェールの上には、カラフルな蝶々が飛び回り、おとぎ話のようなドリーミーなムードが広がっている。
2018年09月24日