6歳の男の子が「高級レゴ」欲しさに成し遂げたこと子どもからちょっと高価なものをおねだりされた時、皆さんならどうしますか? 我慢するように言い聞かせる? 「テストで満点とったらね」と条件付きでOKする? それとも……?アーティスト・絵本作家として活動するBoojil ブージル-おかっぱちゃん(@Boojil)さんは、そのどちらでもありませんでした。色彩豊かで丁寧に編まれたマフラーを作ったのは、ブージルさんの長男で6歳のかんちゃん。子どもの創造力とセンスの良さに脱帽です。かんちゃんが手作りマフラーを販売することになったのは、クリスマスプレゼントに“高級レゴ”をおねだりされたブージルさんが、「せっかくだから」と思い立ち、かんちゃんが趣味で作っているマフラーを「お店で販売してみたら?」と提案したのがきっかけ。ブージルさん夫婦は、東京都練馬区でイベントスペース「東京おかっぱちゃんハウス」を営んでいます。最初は自信が持てず、「マフラー売らない!」→「売りたい!」を行き来していたかんちゃんですが、いざ販売初日を迎えると「マフラー売ってますよ〜いかがですか〜」と営業をかける商売人っぷり! かんちゃんの手作りマフラー屋さんは、かんちゃんの名前と「あなたも、わたしも“できる”よ!」という意味を込めて「CAN」と名付けられました。――クオリティの高さに驚きました……! かんちゃんはいつから編み物を始めたのでしょうか?ブージルさん今年の10月に入ってからなので、現時点で編み物歴は2ヶ月です。保育園で担任の先生に教えてもらったのをきっかけに熱中し、「家でもやりたい」というので、毛糸をたくさん買ってあげました。――編み物歴2ヶ月でこの技術力はすごいですね。色の組み合わせ方も素敵です!ブージルさん色の組み合わせについては先生も私もリクエストしたことはなく、本人がいいと思った色で作っているようです。色がカラフルなのは、私の描く作品がいろんな色を使っているので、もしかしたらその作品に囲まれて育ったからなのかもしれません。また、自宅には世界各国の手仕事をインテリアとして飾っています。特に先住民族の方が作る手仕事は色彩が豊かです。息子が1歳の時から3歳になるまでにタイ、台湾、アメリカ、メキシコ、キューバを一緒に旅しました。特にタイとメキシコは街そのものが彩りに溢れていますので、影響を少なからず受けているのかもしれませんね。――「ほしいものを手に入れるために商売をする」を、幼い頃から学べるのは貴重な体験ですよね。ブージルさん我が子にいつからお金について知識をつけさせてあげるか少々悩ましい時期ではあったのですが、私の幼少期を思い返すと、両親からお金の扱いについて教えてもらったのは小学校に入ってからでした。お小遣いを両親から少しずつもらっていて、そのお金を何に使うかを考える習慣はあったのですが、収入を得ると言う形でのお金の扱いについては経験がほとんどなく、体験として身についたのは、高校生に上がって自身でアルバイトを始めてからだったと思います。仕事をしてお金をもらい、生活基盤を作る大変さを知りました。また、母である私は一度も就職をしたことがなく、19歳でフリーランスのイラストレーターとして活動を始めました。自分で仕事を作り上げていく事は大変な時もありましたが、好きなことを仕事にする喜びの方が断然勝っていた20代だったと思います。現在37歳ですが、絵で生計を立てています。また主人も長男が生まれる前までサラリーマンだったのですが、産後に脱サラして、一緒に古民家をリノベーションしたイベントスペース・東京おかっぱちゃんハウスを営んでいます。――編み物をしているかんちゃん、とってもイキイキしていますね!ブージルさん子どもたちには自分の好きなことを1つでも見つけ、本人が情熱を注げることができたらいいなと思っています。必ずしも「好きを仕事にしてほしい」ということではないのですが、社会に大きな変動があった時にも手から生み出せるものがあれば、この不安定な社会でもきっと何か力になってくれると信じています。日本の社会は就職することが最優先とされ、いろんな生き方があることを知らないで育つこどもたちが多い印象です。今でこそ副業が認められるような社会になってきましたが、自ら仕事を生み出すことへの関心やサポート、また理解が他国よりも認識が低いと思っています。だからこそ、私としては、子どもたちには柔軟な心で「やってみたい」と思ったことに、背中を押してあげたい。それは我が子に限らず、世界中の子どもたち、そして大人の皆さんにも伝えたいことです。――自分が作ったものが売れていくようすを見て、かんちゃんはどんな反応をしていますか?ブージルさん最初は売れるかどうか不安もあったそうですが、大好きなお友達が身につけている姿を見て、とても嬉しそうにしていました。また、購入いただいた際は本当に嬉しかったようです。マフラーは完売したのですが、やる気に更に火がついてオーダーを受けた分(5本)をいま制作中です。――5本も!“CAN”、さっそく大人気ですね。ブージルさん自分の手から何かを生み出せることは今回経験できたので、自分の「好き」を信じてどこまでも楽しむ気持ちを伸ばしていってほしいです。=====素敵なエピソードをありがとうございました! 何かを叶えるために、自分で作って、自分で売る。小さい頃にはなかなか体験できない、貴重な機会だったのではないでしょうか。かんちゃんの手作りマフラー屋さん・CANの発展を応援しています!投稿主Boojil ブージル-おかっぱちゃんTwitter@boojilInstagram@boojil@okappachanhouse@onlyonename_boojil(マイナビ子育て編集部)<関連リンク>【深い愛を感じる】猫がモニターを見ていると思ったら手を伸ばして…?「大好きなんでしょうね」「愛情深い」【なぜそこで!?】猫たちがプロレスごっこ⇒戦いの舞台がまさかすぎて「娘ちゃん強い」「ニャンコマイスターを受け継いでる」柴犬のお姉ちゃんが可愛すぎる!!0歳児の密着攻撃に動じない姿がネットで話題「良いお姉ちゃんしてますねえ」「見てるだけで幸せ」
2021年12月27日みなさんはお子さんのヘアカットをどこで済ませているだろうか?美容院にもいろいろ種類があり、キッズカットの格安メニューを用意されている美容室もあれば、大人と同じ料金のところも多い。そもそもいくつになったら髪を切りにお店にいくものであるのか?思い返せば、幼い頃、わたしは小学校高学年になるまでずっと母に切ってもらっていた気がする。■子どものヘアカットどうしてる?息子も2歳を過ぎ、出生時、ツルツルだった坊主頭もこの2年でようやく一人前の毛量に育ち、そろそろ髪の毛を切ってもいいんじゃないかという時期に到達した。美容院で幼児の髪型に数千円投じるのは、もったいなく感じてしまう…。だってまだ2歳だし。「子供のヘアカットをどうしてる?」男の子を持つ友だち夫婦に相談したら、「ヘアスタイルの事で悩むのは時間とお金の無駄だ」と答えが返ってきた。その家では、子どもはバリカンで坊主頭スタイルを中学校まで通すことに決めているらしい。「あぁ、そういう手もたしかにあるなあ」いろんな家庭の意見を聞きつつ、いろいろ悩んだ末、どうせすぐ伸びるし…と、わたしたちは自分たちで、息子のヘアカットをすることに決めた。■子どもの断髪式直前、「まさか」の出来事が!産まれて間もない頃、あまりにも毛が薄いのでこのまま大人になるまで薄いままだったらどうしたものか…。そんなことを想像したりもした。とにかく、いまのいままで髪に対する執着が強すぎてヘアカットをしばらく怠っていた。「断髪式はいつにしようか…」ぼんやり考えながら近所を散歩していると、びっくり!道端に“ご自由にどうぞ”と書かれたBOXが設置されていて、なかに子ども用のヘアカット用のケープが入っていた。しかも、未使用に近い美品。どうやら家の建て直しをするタイミングで不要になったあらゆるものを、ご近所さんに無料配布しようという計画らしい。これも何かの縁なので、ありがたく頂戴し家に持ち帰ることにした。夕方、仕事を終え息子を保育園に迎えに行き、家に帰る途中で「かんちゃん、髪が長くなったから今日髪の毛切ってみようか」と、提案をしてみる。「うん」と素直な返事が聞こえた。家に帰るなり、さっそく準備に取り掛かった。■自宅で子どものヘアカットに挑戦!天使の輪がついた、サラサラな髪。子どもの髪はなぜこんなにも美しいのか。赤ちゃんの頃、薄毛で悩んでいた頃が懐かしい。あれから2年半すっかりお兄さんになったものだ。どんな髪型にしようかな。これといって理想の髪型もないので、少し短くするくらいでいいか。息子には好きなテレビアニメでも見せておけば、きっと集中できるだろう。しめしめ、口を開けてテレビに夢中になっているうちに、気軽な気持ちで、まずは前髪にハサミをいれてみる。そして、もみあげ、次に後ろの髪と、自分なりに整えてみた。“チョキチョキチョキ”なかなか楽しい。しかしながら、その様子を見ていた夫が驚いた顔で私に言った。■散髪に失敗!? ここで登場したのは…「ちょっと!カッパみたいになってるよ!!」「え!?」「本当だ、、カッパだ。」気づかぬうちに息子の髪を切りすぎていたようで、後ろ髪はだいぶばらつきがあり、前髪はカッパのようにギザギザな仕上がりになっていた。これでは保育園の先生や保護者のみなさん、クラスメイトに笑われてしまう。息子に申し訳ない気持ちでいっぱいに。カッパ頭になってしまった息子の髪型を見て、さすがにこれではかわいそうだと、ここで夫が登場。「見てられない! 貸して!!」ハサミを取り上げ「チョキチョキチョキ!」慎重に切りそろえていく。どこで習得したのか?私よりもはるかに腕が良いようで、息子の髪型は前髪パッツンの、おしゃれなショートヘアへと変身した。あやうくカッパ頭で登園するところだった息子は、父の力によってその道を回避した。これを機に我が家では、子供のヘアカットはお父さんが担当することがなった。「この髪型じゃやだー!」とか、そんなことを言い出す年齢はいつやってくるのだろう。きっとあっという間に大人に近づいていくんだろうなぁ。そう思うとちょっぴり切ない。
2019年01月23日ミュージシャンの坂本美雨さん( @miu_sakamoto )と、2015年からウーマンエキサイトで おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 を連載中で、このたび絵本「おかっぱちゃん」を発売された作者Boojilさん( @boojil )に、初めての出産のときのことや仕事をしながら育児をする毎日について、等身大の意見を伺いました。――はじめての出産。ブージルさんは「子育て奮闘日記」にて陣痛に20時間耐え、出産されたと綴っておられました。出産や子育てについて、プレッシャーはありましたか?「陣痛の痛みって…!」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.2 <Boojil> わたしは、産後うつも経験したし、今思えばプレッシャーはあったんだと思います。ただ、これから「お母さん」っていう新しい生き物になるんだっていう感覚もあって。自分がおっぱいをあげないと赤ちゃんは生きていけないから、だんだん母になっていった気がします。<坂本> わたしはね、妊娠中「絶対、ネコのほうがかわいい」って不安だったの(笑)。だけど、帝王切開で生まれた娘の顔を見た瞬間に「超かわいい! なんでこんなにかわいいの?」って思えたので、自分でもびっくりしました。<Boojil> 生まれる前と後で、赤ちゃんに対する気持ちがぜんぜん違う。<坂本> 妊娠中は「出産後はすぐに保育園に入れて、バリバリ働くタイプだろうな」と思っていたけど、産んでみたらしばらくそういうモードになれなかったんですよね。ときには人の手を借りて、育児の頑張りすぎは厳禁――産後、夜泣きにおびえるほど不眠に悩まされたというBoojilさん。ほかにもくじけそうになったことや育児の悩みについて解消法があったら教えてください。「産後の不眠解消術」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.12 <坂本> 私は性格的にネガティブだから、例えば、子どもが離れていっちゃうときのことを考えちゃうんです。ハーフバースデーのときに「もう成人までの40分の1が終わってしまった!」って。そう考えると毎日がかけがえのない貴重な日になるっていうのはありますね。だから、まだくじけるまではないかなあ。<Boojil> 育児は楽しいよね。ただ、わたしは、3年間一度も時間の余裕を感じられてないんです。例えば、料理本を見て「これ食べさせてあげたいな」とか考えてあげられない。だから、今後はちょっとのんびりやっていきたいなと…。<坂本> 思いきって人の手を借りるのが一番だと思う。わたしは諦めが早いから(笑)すぐ人に甘えちゃう。あと例えば「今日は子どものご飯を作って、寝かしつけまでひとりでやったらイライラしちゃいそうだな」と思ったら、外に食べに出ちゃいます。可能なら、友だちと会う。子どもも、他の人と触れ合うことで気分転換になるようだし。<Boojil> わたしも夫とけんかしたときに、友だちが遊びにきてくれると発散できたな。人としゃべると元気になれる。東京での子育ても、もっと支えてくれる人が増えてくれればいいのになあって思います。子どもが生まれてから旦那さんが脱サラ。何もかもが新たな挑戦――Boojilさんの、産後2ヶ月で旦那さんが脱サラしたというエピソードには驚きました。仕事と育児を両立していく上で、不安はありましたか? 「夫が脱サラ!? ~仕事と育児~前編」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.20 <Boojil> 当時は「自分がどうかしないと」って、プレッシャーを感じていました。母親役も父親役も両方やるぞーって。でも仕事が単純に好きだから、やってこられた部分もあります。声をかけてもらったら絶対に断らないという精神で走ってきたので、ここまで怒濤の3年間でした。<坂本> わたしは、出産前に産休スケジュールを決めてしまっていたので、産後2ヶ月で復帰しました。初めての出産だから、よくわかってなかったんですよね。<Boojil> わたしも結局、入院中の1週間しか産休はとらなかったなあ。<坂本> まわりがパワフルな女性ばかりだからかもね(笑)。ありがたいことに娘を仕事場に連れていける環境だったので、スタッフやマネージャー、みんなで育ててもらいましたね。ただ、職場に限らずですが、子連れでウェルカムされるかどうかは、親とまわりの関係性にもかかっているんじゃないかって。子どもを暖かく見守ってもらえるかどうかは、自分が普段からどう人と関わっているかというのも大事なんだなと学びました。おしゃべりができるようになって感じる、子どもの心の成長――お子さんが1歳を迎えたときの奮闘日記は、成長の喜びにあふれていました。おふたりはいま、お子さんの成長や幸せをどんなときに感じますか? 「おめでとう、ありがとう。1歳の誕生日」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.37 <坂本> 最近は、喋っているときですね。わたしとも喋ってくれるけど、相手をしなくてもひとりでずーっと! 今年で3歳になるから、なにをやるにも一緒に会話をしながら楽しめるのがうれしいです。<Boojil> 言葉でコミュニケーションがとれるのってすごいことだよね。わたしが「腰がいたい」とか「肩がいたい」とかって言っていると、「だいじょうぶ、かんちゃんが、いるから」って。そんな言葉、どこで覚えたんだろうって感動しました。<坂本> おなじこと、娘にも言われたよ! なんだか、わたしは娘のことを相棒のように感じていて。いまは、相棒と呼べる相手がいることが幸せです。子どものおかげで変化した母の心境――出産後、Boojilさんが一番がまんしていたことは旅行だと連載で綴っておられました。ほかにも、母になって、旅行や仕事など制限されたと思うことはありますか? 「1歳の息子を連れてタイ・チェンマイへ! 初めての子連れ旅 移動編」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.43 <Boojil> やっぱり、一番は旅行ですね。でも、奮闘日記にも書いたように、息子が1歳のときにはタイへ。それから台湾にもいきました。子どもに負担をかけないように気をつけています。それでも「覚えていないんだから連れていかなくても」っていう考えもあると思いますが…。<坂本> 旅行にいくと、行くさきざきで子どもをかわいがってもらえるよね。わたしは、そうやって人に会うことが子どもの財産になると思っています。<Boojil> “今”は確実に旅行にいったことも覚えているんですよね。「台湾で大きいかき氷を食べたね!」とか。旅行で得た経験は血肉になっていると思うし、大人になったときに海外へのハードルが低くなってくれればうれしいです。<坂本> 親子で思い出話をするのも楽しいですよね。「制限される」というよりはむしろ、子どもが生まれて、自分の世界が広がった気がします。例えば、世界中のニュースが他人事じゃなくなったり。直接知らない子どもですら大事に思えて、自分にできることはないかと考えたり。子どものおかげで関心ごとが増え、それによって出会いも増えましたね。仕事もしながら、柔軟に子育てを楽しんでいる様子のおふたり。出産からこれまでの育児について、等身大のお話をうかがいましたが、まだまだ友だち同士の会話は尽きないようでした。(取材/いずみかな 写真/松木宏祐)坂本美雨さん 音楽家5月1日生まれ。1990年に両親が音楽活動の拠点をニューヨークに移したことをきっかけに移住。1997年に坂本龍一 featuring Sister M「The Other Side of Love」でデビュー。現地の高校を卒業後、本格的に音楽活動を開始。ソロ活動に加え、シンガーソングラーターのおおはた雄一氏とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」としても活躍。2014年には初の自著『ネコの吸い方』を発刊。“ネコ吸い妖怪”としても有名。TOKYO FM「ディアフレンズ」パーソナリティーを務める。このほど、子どもの虐待問題への取り組みとしてチーム『こどものいのちはこどものもの』を結成。(写真左から真鍋かをり、福田萌、犬山紙子、ファンタジスタさくらだ、坂本美雨) Boojilさん イラストレーター1984年、横浜生まれ。世界各国を旅した経験から、カラフルでピースフルな作品を描く。NHK総合『妄想ニホン料理』のキャラクターデザインを手がけ、2011年に自身の旅エッセイ『おかっぱちゃん旅に出る』がNHK Eテレでアニメ化。絵本『おかっぱちゃん』(あかね書房)にて絵本作家デビュー。コミュニケーションを目的としたアトリエ兼イベントスペース「東京おかっぱちゃんハウス」を主宰。 絵本 「おかっぱちゃん」 (あかね書房)天気のよい日、おかっぱちゃんは絵の具とスケッチブックを持っておでかけ。いろいろな動物に「にがおえ かいて! おかっぱちゃん」とたのまれます。クマ、ワニ、キツネと出会い、最後におかっぱちゃんが似顔絵を書いてあげるのは……? 著者Boojilさんが実際に旅した国々の風景がカラフルに広がる、心温まるオリジナルストーリー。
2018年07月14日NHK Eテレでアニメーション番組になった「おかっぱちゃん」がいよいよ絵本になりました。著者のBoojil(ブージル)さんは、ウーマンエキサイトで おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 を連載中。3歳になる息子さんを育てるママでもあります。そこで、『おかっぱちゃん』の絵本の出版を記念し、Boojilさん( @boojil )と以前から親交のある坂本美雨さん( @miu_sakamoto )を迎えて、対談インタビューをお届け。坂本美雨さんとBoojilさんには共通の知人が多く、お互いに音楽とイラストと、それぞれの分野で活躍する中で縁が重なったそう。お子さんの年齢も2ヶ月違いで同学年。最近では、ママとしての会話もはずむと話してくれました。世界を旅したBoojilさんとニューヨーク育ちの坂本美雨さん、ふたりの子育てとは?――まず、絵本『おかっぱちゃん』を読んだ感想をお聞かせください。<坂本> 絵本を書いたのが初めてっていうのが意外でした。気負っていなくて、軽やかさがあるなあと。それでいて、Boojilちゃん自身の体験をもとにしているから、説得力がある。動物の絵描き歌もかわいいです。<Boojil> 褒めてもらってうれしいです。絵本の中に出てくる場所は、自分が旅行した国々をイメージして描きました。ラオスの湿地帯や、カンボジアやグアテマラのイメージ。Boojilさんが大好きだというメキシコの世界遺産の町など、カラフルな海外のイメージが絵本を彩ります。――10ヶ国以上を旅してきたBoojilさん。そして、ニューヨーク育ちの坂本美雨さん。ふたりの子育てにその経験は影響しているのでしょうか?<坂本> 9歳くらいのときに渡米して、自分の価値観がまったく通用しないという経験をしたんですね。英語もしゃべれないし、サイズ感もまったく違うし。一番衝撃だったのは、貸したペンを返してもらえなかったこと。自分から主張しないといけないんです。<Boojil> その経験って、自分の子育てに影響してる? わたしは大人になってから海外にいったから。そこで初めて海外とのギャップを感じて、子育てをするうえで、子どもにはいろいろな感覚を持ってもらいたいと思うようになった。<坂本> そうだね。娘には社会の中で意見を持って、人と関わっていくのが大事だってことは知ってほしいかな。ただ、海外にいくだけが多様な価値観には触れる機会じゃないとも思う。<Boojil> それは確かにそうだよね。娘ちゃんを連れて、国内はいろんなところにいってるよね?<坂本> うん。仕事がからんでいることが多いけど、いろいろな地方に連れていってて。東京だけじゃなくて、いろいろなところに故郷と思える場所を作ってほしいから。親がいろんな人たちと仲良くなっている姿を見てもらいたいと思ってるよ。お手本はやっぱり自分のお母さん?――ポジティブに子育てをしている印象のおふたりですが、悩むこともあると思います。そういうときにお手本にしている人はいますか?<Boojil> 子育てについては、やっぱり母かな。でも、あんなふうにはなれないです。一般的な事務の仕事をしているんですけど。わたしと3つ上の姉を育てながら、朝から晩まで働いている人ような人なんです。<坂本> わたしも母と言いたいところだけど…ちょっと次元が違いすぎて参考にならないかな…(笑)。ただ、大人と子どもの線引きはしっかりする人でした。理不尽だなって思うこともあったけど、そのへんは厳しくしてもらってよかった。<Boojil> 子どもには子どもの世界がありますからね。<坂本> コンサート会場では静かにするとか、大人が集中しているときには話しかけないとか。空気を読み取る力をもらいました。現場に連れていってもらった思い出が良いものになっているから、自分の子どもにもそうしたいと思っています。――今後、親子で挑戦したいことがあれば教えてください。<Boojil> 親子留学かなあ。これからは子ども本人の意見が出てくるから、どうなるかはわからないですけど。わたしは環境を変えて創作して、子どもが現地の学校に行ってっていう感じ。楽しそう。<坂本> 車の免許もとったし、アイスランドにいきたいですね。大自然の中で子どもとドライブしたいな。なごやかに対談が進みます。次回は、これまでの「おかっぱちゃんの子育て奮闘日記」を振り返りながら、ふたりの子育てについて、もっとお聞きします。坂本美雨さんが描いた絵描き歌のキャラクター! 絵本にはないイラストも?おかっぱちゃんハウスで行われた絵本出版イベントで、Boojilさんの絵描き歌に合わせて、坂本美雨さんがその場で描いたイラストたち。左下の猫の絵は、絵描き歌はないものの、おかっぱちゃんが「お母さんの絵」を描いているシーンを読んでいる際に、坂本美雨さんが描いた猫のイラスト。そして、対談記事vol.2では、初めての出産や育児のお話をしていただきます。こちらもお楽しみに!(取材/いずみかな 写真/松木宏祐)坂本美雨さん 音楽家5月1日生まれ。1990年に両親が音楽活動の拠点をニューヨークに移したことをきっかけに移住。1997年に坂本龍一 featuring Sister M「The Other Side of Love」でデビュー。現地の高校を卒業後、本格的に音楽活動を開始。ソロ活動に加え、シンガーソングラーターのおおはた雄一氏とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」としても活躍。2014年には初の自著『ネコの吸い方』を発刊。“ネコ吸い妖怪”としても有名。TOKYO FM「ディアフレンズ」パーソナリティーを務める。このほど、子どもの虐待問題への取り組みとしてチーム『こどものいのちはこどものもの』を結成。(写真左から真鍋かをり、福田萌、犬山紙子、ファンタジスタさくらだ、坂本美雨) Boojilさん イラストレーター1984年、横浜生まれ。世界各国を旅した経験から、カラフルでピースフルな作品を描く。NHK総合『妄想ニホン料理』のキャラクターデザインを手がけ、2011年に自身の旅エッセイ『おかっぱちゃん旅に出る』がNHK Eテレでアニメ化。絵本『おかっぱちゃん』(あかね書房)にて絵本作家デビュー。コミュニケーションを目的としたアトリエ兼イベントスペース「東京おかっぱちゃんハウス」を主宰。 絵本 「おかっぱちゃん」 (あかね書房)天気のよい日、おかっぱちゃんは絵の具とスケッチブックを持っておでかけ。いろいろな動物に「にがおえ かいて! おかっぱちゃん」とたのまれます。クマ、ワニ、キツネと出会い、最後におかっぱちゃんが似顔絵を書いてあげるのは……? 著者Boojilさんが実際に旅した国々の風景がカラフルに広がる、心温まるオリジナルストーリー。
2018年07月13日