ブレインパッドは5月26日、ファンケルが運営するECサイト「ファンケルオンライン」に、レコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」の「広告配信機能」を導入したことを発表した。今回の導入支援は、Rtoasterの販売代理店であるアイ・エム・ジェイと共同で実施したもの。ファンケルがRtoasterの広告配信機能を採用した理由は、以下の3点。RtoasterのプライベートDMPを利用することで、個人情報に配慮したセキュアな状態で、主要なDSPに対して広告配信をすることが可能2009年から導入されているRtoasterを利用することで、新たなシステムの導入を行うことなく、これまで蓄積してきたWebサイト内のユーザー行動情報、ユーザー拡張された豊富なデータやセグメントを活用し、広告配信をすることが可能CRMシステムなどの基幹システムのデータをAPI経由で簡単に取り込め、すぐに施策に活用できる今後、ファンケルは、RtoasterのプライベートDMPに蓄積されたデータを活用してデジタル広告配信を実施し、既存顧客に留まらず、潜在顧客や休眠顧客に対する接点の強化を推進する考えだ。
2015年05月27日かっこは5月26日、大手ECサイト向け不正注文検知サービス「O-PLUX」の簡易版となる「O-PLUX LIGHT」をリリースした。「O-PLUX」は、ECや決済事業者を対象とした、統計解析技術を活用した審査サービス。消費者の氏名などが判別できない状態で取引データを取得し、過去に発生した代金未回収の傾向や使用された端末など、企業の枠を超えたビッグデータとの類似性をリアルタイムに解析することで、取引の危険度を審査する。今回新たに提供開始となる「O-PLUX LIGHT」は、「O-PLUX」を中小規模のEC事業者でも導入しやすい価格にて提供するもの。導入企業は、注文データをCSV形式のファイルでアップロードするだけで数分後に審査結果を確認することができるため、商品の出荷前に、疑わしい注文内容について本人確認を行うなどの対策を講じることが可能だ。価格は、月間審査件数1,000件までのプランが月額3万円(税別)、月間審査件数3,000件までのプランが月額5万円(税別)となる。
2015年05月27日COMITAS(コミタス)はこのほど、エンドユーザー(消費者)参加型クラウドファンディングECサイト「DREAM ORDER(ドリームオーダー)」をオープンした。同サイトでは、アパレルブランドがこれまで製品化してこなかったアイテムを、ソーシャルクラウドファンディングを通して販売する。エンドユーザーはWEB上でオーダー(先行予約発注)し、その予約数が一定数に達すると商品が生産され、手元に届く仕組み。同サービスにおける製品の生産は、日本のアパレル繊維工場が行う。同社によると、近年、日本のアパレル繊維工場は、安価な製造ラインを持つ海外に受注を奪われ、売り上げが減少傾向にあるとのこと。同サイトの完全受注システムを導入することで、「余剰の生産能力を利用して生産でき、工場稼働率も上がるため、収益アップの新たなチャンスになる」と同社。また、アパレルブランドにとっても、在庫リスクのコスト削減が可能になるとのこと。それによって消費者も、手頃な価格でブランドアイテムを手に入れることができるという。最近は、スマートフォンやSNSの普及に伴い、ソーシャルなどを活用した新しいショッピングモデル「eコマース」サービスも次々と現れているという。同社では、「次世代のeコマースプラットホームとして同サイトを定着させ、アパレルの流通が最適化される新しい消費スタイルを提案していく」としている。
2015年05月14日Amazonは11日、Amazonアカウントで他社ECサイトにログインし、そのまま購入手続きに進めるサービス「Amazonログイン&ペイメント」を提供開始した。12日現在、2つのECサイトで導入されている。対象サイトは随時拡大予定。Amazonログイン&ペイメントは、他社ECサイトでAmazonアカウントの登録情報を使用できるサービス。対象のサイトにAmazonのユーザーIDとパスワードでログインすると、登録済みの配送先住所やクレジットカード情報を利用して購入手続きを行える。月額の支払いや商品の定期購入にも対応する。同サービスは12日現在、「劇団四季」「出前館」のECサイトで利用可能。
2015年05月12日デジタルリバージャパンが主催する「Digital River グローバルEコマースサミット 2015 東京」では、同社が提案するEコマース(EC)のグローバル化戦略が明らかになった。同サミットに登壇した米Digital River Global Strategies Senior DirectorのHoward West氏(ハワード氏)によると、「どの市場を狙い、どの範囲までグローバル化するか」という点を明確化することが重要だという。○拡大するグローバルEC市場(越境EC市場)同社によると、2014年1月にA.T. Kearneyが発表した調査結果において、2013年度のグローバルなEC市場(EC経由で購入された商品の総額)は約1兆2520億ドル(約150兆円)で、2017年には約2兆3570億ドル(約280兆円)、平均成長率88%を達成する見込みだ。特にアジア地域は、中国や新興国を中心に取引が増加し、平均成長率174%を実現するのではと推測されている。商品のジャンルを国別で見ていくと、多くの国において、電化製品(世界平均77%)やファッション用品(76%)、書籍(73%)などの購入率が高く、食品や生活用品の購入ではEC利用率は高くない。なお余談だが、同データによると、日本ではECを利用した電化製品の購入が比較的少ない印象を受ける。これに対しハワード氏は、「実店舗が充実しており、ECサイトで購入する必要性をあまり感じていないのでは」と分析する。加えて、日本と中国においては、他国に比べ、食品の購入率が高い(68% / 90%)ことも特徴だろう。○どの市場に進出し、どの範囲でグローバル化するかこのような背景のほか、日本国内では、少子高齢化による国内消費市場の縮小が懸念されているため、ECを展開する企業の多くは、グローバルへの対応を視野に入れているようだ。では、ECのグローバル化とは、どのような段階を経て実現するものなのだろう。ハワード氏によると、「CRAWL (GOOD)」から「WALK (BETTER)」「RUN (BEST)」へという具合に3つの段階を経た拡大方法が好ましいという。「CRAWL(赤ちゃんのはいはい)の段階では、ECサイトの多言語化や製品価格のローカリゼーション、国際的なクレジットカード会社との提携による決済方法のグローバル対応などを行う一方、商品の提供に関しては購入者に直輸入してもらうという形式が考えられます」(ハワード氏)これに加え、各地域に応じたUXの提供や関税・租税の処理も実現する「WALK」、在庫や物流も各国にて設け、マーケティング戦略も国別で行う「RUN」と、グローバル対応を行う機能を拡大していく。「最終的には、それぞれの国において求められている機能を対応させていくことになるでしょう。しかし、ここで最も重要なことは "どの市場に進出し、どの範囲でグローバル化するか" という判断です」(ハワード氏)文頭で説明したように、国によって、EC市場規模や購入されやすい製品に違いがあるほか、扱われている言語や通貨、決済方法、法準拠、物流、カスタマサービス、税金処理、マーケティング手法にもそれぞれの特徴がある。「これらの情報を収集・分析することで、費用対効果やユーザーの特徴を明らかにし、どの機能に投資を行いどれくらいの収益を見込めるのかという戦略と見通しを立てることが、グローバル化に向けた第1歩だろう」と同氏は語った。
2015年05月11日●イオンモールの2店舗を皮切りに実証実験を開始5月1日、イオンモールでは音のユニバーサルデザイン化支援システム「おもてなしガイド」を活用した実証実験を開始した。実証実験のプロジェクト名は「イオンモール×ヤマハ SoundUD化プロジェクト」。ヤマハが開発したシステムを、イオンモールの一部店舗から展開して行く取り組みだ。この実証実験について、イオンモール幕張新都心においてプレス向けの体験会が開催された。「おもてなしガイド」は、イオンモールのために開発されたアプリではない。ヤマハが、共通のアプリを各所で利用できることを目指して開発したもので、2014年10月より提供。「音のユニバーサルデザインサービスを受けられる社会」の実現を目的としている。「おもてなしガイド」は、利用者がアナウンスやナレーションなどの日本語音声が流れているところで、自身のスマートフォンやタブレットからアプリケーションを開くだけで、翻訳された音声や文字を受け取ることができるというもの。翻訳コンテンツは、各モバイル端末の言語設定にあわせて提供されるため、難しい設定を行うことなく必要とする言語で情報を受け取れる。翻訳コンテンツは、音声信号をトリガーにして、あらかじめ用意しておいた翻訳音声や文字を提供。この音声信号を、いつも流しているアナウンスや映像などに埋め込むことで、既存のコンテンツを活かした音声・文字ガイドの構築を行える。体験会に先立って、イオンモール マーケティング統括部 統括部長 檜山護氏は「訪日外国人への対応をイオングループをあげて強化中だ。バリアフリーについても施設の環境整備等強化している。ご来店いただいているさまざまなお客様の暮らしの未来をデザインすることにつながると考え、今回の実証実験のスタートに至った。よりモールで快適な時間を過ごしていただけるようにしたい」と語った。また、ヤマハ 執行役員 事業開発部 部長 小林和徳氏は、「このシステムは日常のアナウンスを何も変えずに日本語のわからない方や耳の不自由な方に情報が伝えられるのが特徴。今後もいろいろな企業の方々とともに、多くの環境、多くの条件のもとで、よりよく改良をかさねてよいものにしたい。今後も実証実験は多く計画している」と「おもてなしガイド」についてコメントした。●音声をトリガーに音波で情報を配信「おもてなしガイド」は音声をトリガーにして、伝達内容をユーザーの利用言語に合わせたテキストでスマートフォンに表示するアプリだ。日本語のわからない外国人に母国語で表示するだけでなく、聴覚障害者等の音声では十分な情報を得づらい人に日本語で表示する機能も持つ。大きな特徴は、情報の伝達にLTEやWi-Fiといった一般的な通信手段を採用していないことだ。ヤマハの技術によって音波で伝達するため、電波状況の悪い環境でも十分に利用できる。また、音声を翻訳しているわけではなく音をトリガーにしてアプリに情報を受け取らせているため、通常の日本語アナウンスだけで多言語向けの案内を行なうことが可能だ。「現在訪日観光客は中国本土からくる人よりもタイから来る人の方が増えているが、タイ語のアナウンスはあまり見かけない。しかしタイ語、フランス語と各国語のアナウンスを追加して行くと日本人にとってわかりづらくなってしまう」とガイド言語を増やす方式の問題を語ったのは、ヤマハ 事業開発部 プロデューサー 瀬戸優樹氏だ。音はトリガーになっているだけなので、店内アナウンスの終盤などでアプリに翻訳の指示を出しても、全文が確認可能だ。トリガーとしての音が十分アプリに聞き取れる必要はあるが、健常者が特別な注意をしなくとも内容が理解できる程度に聞こえていれば問題はないという。実際にイオンモール幕張新都心店の店内で、営業時間中に行なわれた体験会では、来客が行き交い、迷子の泣き声なども近くでしている中で行なわれた店内放送をトリガーにメッセージがスムーズに表示された。表示される言語はスマートフォンの言語設定にあわせられるため、ユーザーはいちいち選択せず自動的に母国語でのアナウンスが受けられる。外国人親子モニターによる「子供が迷子になった」というシーンを想定したデモンストレーションも行なわれた。こちらは通常のシステムを通した店内アナウンスではなく、リアルタイムに呼び出しを行なう形になるが、こちらでも問題なく翻訳結果が表示された。●イオモール以外でも同じアプリを利用してサービスを受けられる実証実験を展開「おもてなしガイド」は、採用する事業者が対応言語を決定する部分はあるが、アプリとしては何カ国語にも対応している。イオンモールの場合は幕張新都市心見せで日本語、英語、中国語の3カ国語に対応。成田店ではこれに韓国語とタイ語を加えた5カ国語対応となっている。汎用アプリであるため、幕張新都心店と成田店で同じアプリが使えるのはもちろん、今後実証実験に参加する交通機関などが増えてきた場合には同じアプリを各所で利用することができる。アナウンスはあらかじめ用意されたシステムからの音声出力の場合、ひもづくテキスト情報を用意しておき送付している。迷子放送などについてもテンプレート的な部分は事前準備をしたテキストを利用し、名前や特徴といった変化する部分についてのみ音波で追加送信するような形がとれるようだ。またスピーカーについてはヤマハ製のものである必要はなく、市役所等に備え付けの一般的なスピーカーからの出力でも利用可能だという。さらに音は人間に聞こえる必要もない。BGMをトリガーにして情報配信することもできるが、人には聞こえない音を使って場に合わせた情報を表示することも可能だという。日本人健常者に向けたアナウンス以上の音を流すことなく、必要な人には随時わかりやすいテキストでの情報提供が行なわれるということで、健常者にとっても情報が多すぎて目的のものがわかりづらくなるというようなデメリットがないのも特徴だ。同日から開始されるミラノ万博の日本館では同様の技術を専用アプリに組み込んだ形で利用されているほか、5月15日からは東急バスでもイオンモールと同じアプリを採用。今後はさまざまな企業や自治体と順次展開予定となっている。ゲストスピーカーとして登壇した経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 広瀬健治氏は、「日本は高齢者や障害者にくわえ、子供、女性、訪日外国人などを含めたダイバーシティ社会の創出が求められている。そのために専用の機器を用意するのは非効率的だが、それはITによって解決されると考えている。SoundUD化プロジェクトはアナウンスが聞き取れない、意味が分からないといった問題を同時に解決してくれる。また、訪日観光客による買い物消費額は2兆円をこえ、いかに楽しくストレスフリーに買い物をしてもらうかという観点は大切。このような大型ショッピングモールで実証実験が行なわれるのはよいこと」と語った。
2015年05月08日富士通は4月27日、EC事業を展開する顧客向けに、プロモーションやマーケティング機能を実現する統合型ECソリューション「FUJITSU Business Application SNAPECシリーズ」の新商品として、レコメンド、サイト内検索、メール配信、サイト分析の4つのSaaSサービスを5月末より販売開始すると発表した。新サービスは、富士通システムズ・ウエストが開発した。レコメンドサービス「FUJITSU Business Application SNAPEC-FORCE Recommend」は、顧客の購買履歴や閲覧している商品情報を基に、リアルタイムに商品レコメンドを提供するサービス。価格は月額69,000円(税別)からサイト内検索サービス「FUJITSU Business Application SNAPEC-FORCE Search」では、SaaSサービスならではの素早い検索結果の表示、精度の高い検索など、使い勝手の良いサイト内サーチを実現する。価格は月額57,000円(税別)から。メール配信サービス「FUJITSU Business Application SNAPEC-FORCE Mail」は、大量のメールを送り届ける配信エンジンと使いやすいメール編集ツールを提供することでマーケティング活動の現場を支える。価格は月額58,000円(税別)から。サイト分析サービス「FUJITSU Business Application SNAPEC-FORCE Analytics」は、ECの自動コンサルティングを目指したECサイトのアクセス分析サービス。ECサイトが陥りがちな典型的な症状を自動判定し、解決に向けた具体的なアドバイスまでを提供する。価格は月額15,000円(税別)から。また今回、ECソリューションの基本機能を備えた「SNAPEC-EX」を刷新し、新機能として店頭受取機能や定期購買機能を追加し、ユーザビリティのさらなる向上を図った。さらに、データベースにオープンスタンダードなデータベースであるPostgreSQLを正式サポートしたほか、ライセンス使用料の月額払いを可能とした。
2015年04月27日西友とディー・エヌ・エーが協働で運営する西友のネットスーパー「SEIYU ドットコム」は16日、KDDIが運営する「au ショッピングモール」に初の総合スーパーマーケットとして出店した。今回の出店により、auユーザーは「au ショッピングモール」を通して「SEIYU ドットコム」のサービスを利用することが可能となる。商品は、食品(生鮮食品・要冷品は除く)と日用品を中心に約2万品目を用意し、「SEIYU ドットコム」専用の配送センターから全国の利用者へ配達する。「SEIYU ドットコム」では、大容量商品はもちろん単品でも買うことができ、2,980円(税抜)以上の購入で配送料が無料となる。「au ショッピングモール」ならではの利用特典として、100円(税込)ごとに1ポイント以上のWALLETポイントを付与。auかんたん決済で支払った場合は、さらに100円(同)ごとに1ポイントのWALLETポイントを付与する。貯まったポイントは、1ポイント=1円として「au ショッピングモール」での買い物などに利用できる。西友では、今後も需要の伸長が見込まれる「SEIYU ドットコム」をビジネス成長の大きな軸と位置づけており、今回の「au ショッピングモール」への出店は事業拡大のために重要な施策のひとつと考えているという。今後は、さらなる顧客サービス強化を図ることにより、2015年度は「SEIYU ドットコム」の売上前年比40%増を目指すとしている。
2015年04月17日本連載では過去5回にわたり、モール出店に焦点を絞り、モールの選び方や効果的な集客方法、店舗の分析・改善方法など、売上げアップを図るための戦略を紹介してきました。それはひとえに、日本のEC市場では、各モールがユーザーをうまく囲い込んでいるため、成功するにはまず、モールを攻略する必要があるからです。では、独自ドメイン店となる本店は、どのように捉えればよいでしょうか。本連載の最終回となる今回は、本店の運営方法について、見ていくことにします。○オムニチャネルの台頭で、どうなる本店?最近のEC市場の大きなトレンドといえば「オムニチャネル」ではないでしょうか。セブン&アイ・ホールディングスをはじめ、日本の大手流通チェーンがオムニチャネルの仕組みを整え、本格的に展開し始めています。オムニチャネルにおける優位性は、「店舗在庫の共有化」と「店舗とネットにおける顧客情報の一元化」の2つでしょう。実店舗と本店(独自ドメイン店)、モール店舗などさまざまなチャネルの在庫を共有することで、有効的な在庫の活用を実現し、売上げの最大化を図ることができますし、店舗とネットにおける顧客情報の一元化では、ライフタイムバリュー(LTV)最大化の実現が可能です。この結果、ロングテールで考えると、顧客一人あたりの単価が上がるほか、企業は、顧客獲得コストをより多くかけた場合でも、売上増を見込めるようになります。しかし、オムニチャネル化しておらず、本店のみを運営している場合、これらの利点を活かすことはできません。加えて、小売系のナショナルクライアントなどは予算の額も大きいほか、本店の集客・売上向上に向け、費用対効果の高いSEO・SEMに莫大な資金を投入することが可能です。つまり、オムニチャネルの台頭により本店は、間違いなく厳しい戦いを強いられるということです。だからといって、本店を放棄することは、あまりに消極的な戦略だと私たちは考えます。○自社の強みを生かしたサイト構築が重要に本店の運営に取り組む際に忘れてはならないことは、「顧客がどこで商品を購入するかは、顧客に選択権がある」ということです。顧客が「この店で買いたい」と思えるショップ作りをすれば、十分、オムニチャネルに対抗することはできます。そこで大切になることは、自社の強みを活かしたサイト構築です。例えば、洋服を扱う実店舗を持ち、コーディネイトの提案を得意とするブランドがあるとします。このブランドが顧客に「この店で買いたい」と思ってもらうためには、どのデバイスにおいても本店にてコーディネイトの提案ができる仕組みを構築する――といった具合です。そのほかBtoBでは、本店でも見積もりや注文が可能になるとよいでしょう。このような取り組みを強化している企業の1つとして、青山商事があります。同社のブランドとなる「洋服の青山」では、実店舗でサイズを測り会員登録をしたあと、本店(独自ドメインECサイト)にてログインすると、自分のサイズの洋服がのみ表示することができます。このように、自社の強みを生かしたサイト構築は、制約が設けられているモールで行うことはできません。本店だからこそ、できる戦略なのです。○価格の安いASPから始めて様子を見るさて、本店を構築する際、多種多様な業者の中からどこを選べばいいのか、大きな悩みどころになるでしょう。カート業者は、導入価格が安くカスタマイズに制限がある「Aグループ」と、導入価格が中間程度で拡張性の高い「Bグループ」、導入価格が高くカスタマイズの自由度が高い「Cグループ」といった3つのグループに分けることができます。(パッケージが無く、ゼロから制作 : フルスクラッチするという選択肢もあります。)これから本店を構築するのであれば、まずはAグループで安く導入し、機能を一通り使ってみるとよいでしょう。その結果、機能内容に満足であればAグループで運営を継続し、やりたいことの実現に限界を感じた際は、BグループやCグループを選びます。いきなりBグループやCグループを使うと、「実はAグループで機能的には十分だった…!」ということも起こります。Aグループから導入を開始し、ステップを踏みながら、最適なカートを選んだほうが得策です。今後、工夫をせずに本店のみで運営をしていては、モール店舗やオムニチャネルに埋もれてしまう可能性が高いといえます。顧客に選んでもらうためには、自社の強みを活かした店づくりが、何よりも重要です。EC市場の規模はこの先もしばらく、伸びていくでしょう。成長に比例して競争が増えていく流れは続く見込みです。大きな方向性を持たずに、闇雲に始めてしまうことは、時間とお金の無駄遣いになりかねません。モール店舗と本店の両方をしっかりと運営するか、それとも、片方に注力するかをはっきりと決め、勝ち残る店舗を創っていきましょう。6回にわたり掲載してきました本連載は、今回にて終了となります。内容はいかがだったでしょうか?これまで、ビジネスとして初めてネット通販に携わる方向けに、最も基礎的な内容をお伝えしてきました。連載はこれで終わりますが、みなさんの今後には、店舗の成長に合わせ、戦略・戦術を考え実施し続けていく、長い長い物語が続きます。その物語のどこかで、迷ったり、行き詰まりして、この連載の先を読みたくなったときには、ご遠慮なくお声をお掛けください。あなた専用の第7回をご用意して、解決のお手伝いをさせていただきます。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!○執筆者紹介いつも.創業以来、EC支援に特化して事業を行い、のべ7300社の支援実績を持つ。ECの成功に必要な集客や制作、販売、システム、コンサルティングをすべて自社スタッフがワンストップで提供する。支援対象は、自社サイトや楽天市場、ヤフーショッピング、ポンパレモール、DeNA、Amazon、紙通販、実店舗まで。米国最大のECイベント「IRCE」の公式パートナーとして、世界最先端のEC情報の提供も行う。公式Webサイトはこちら。
2015年04月16日KDDIは4月14日、セレクト・アウトレット型ECサイト「LUXA(ルクサ)」を運営するルクサの発行済株式を取得し、連結子会社化すると発表した。ルクサは、「お得に贅沢体験」をコンセプトに、経験豊富なバイヤーが厳選したデザイン雑貨、家電、お届けグルメ、コスメ、アパレルなど、日々の生活を豊かにする商品を時間限定・数量限定で提供している。KDDIは、2013年9月にグローバル・ブレインが運営する「KDDI Open Innovation Fund」を通じてルクサに対して出資し、auスマートパス会員向けに、同社のサービスを提供するなど、業務提携を進めていた。今回の資本関係強化により両社は、両社の持つ様々な資産を活用。顧客に新たなショッピング体験を提案する予定だ。
2015年04月15日Ryo-MAとダイレクトマーケティングゼロ(DM0)は4月8日、事業提携を締結し、EC通販企業が自社KPIを手軽に診断することのできるツール「ECドクター」の提供を開始した。ECドクターは、ECや通販事業を運営する企業が自社のKPIの相対的な評価を診断することができるサービス。CPO(コストパーオーダー)やLTV(ライフタイムバリュー)など26個の質問に答えるだけで、自社の強みと弱みを数値で確認することが可能だ。また、DM0のコンサルティング経験から蓄積したEC通販企業約100社のデータベースを基に基準値をひき出しているため、自社の状況を相対的に数値化することができる。今後、Ryo-MAの運営するポータルサイト「ECのミカタWEB」内やメルマガ、「ECのミカタ通信」にて「ECドクター」の登録と利用を案内する予定だ。
2015年04月10日前回は、ユーザーの満足度を高め、売上アップを実現するために、モール店舗をしっかり構築することが重要であるとお話しました。そして、その取り組みとして、何よりも優先すべきは「商品の登録」と「レビュー数の獲得」の2つであるとお伝えしました。とはいえ、こうした取り組みを行っても、なかなか結果が伴わないこともあるでしょう。モール全体の売上が右肩上がりだった時代は、店舗をオープンすれば、どんどん売上が上がるケースも多く見られましたが、今は、そう簡単にはいかない時代になってきています。そこで、ぜひ実践したいのが、モール店舗の分析です。さまざまなデータの分析を通して、改善すべきポイントを見出していくのです。実際、私たちの会社にも、分析の相談が増えてきています。これは、モール店舗の分析が、売上アップのための重要戦略の一つになっていることを物語っています。○アクセス数の改善は集客元をチェックからモール店舗の分析は、まず、「店舗全体のアクセス数」と「転換率」「客単価」の3つについて、前年同期(季節商品でなければ対前月も)と比較することから始めます。本稿では、「店舗全体のアクセス数」と「転換率」の分析と改善方法について紹介します。「店舗全体のアクセス数」では、店舗全体の集客元(楽天市場では参照元)を前年同期比で見ていき、どの集客元が悪いのかを調べて、それぞれ改善していきます。一方、数字が伸びている集客元があれば、さらに伸ばすように努力します。具体的に見ていきましょう。まず「お気に入り」などからアクセスする「直接参照元」は、リピーターの数を示しています。数字が伸びている場合は、メールマガジンなどの効果が出ていることが予想されるため、さらなるブランディング化を図っていくことが大切になります。一方、数字が伸び悩んでいる場合は、メールマガジンの内容の改善などを図っていきます。○モール内検索は、広告出稿も視野になお、モール内検索については、上位30くらいのキーワードについて、前年同期比で一つひとつチェックしていきます。アクセス数が伸びているにも関わらず、全体の順位が下がっているキーワードは、モール内の検索エンジン対策を行い、順位が上がるように努力します。目指す順位は、1ページ目です。また、モール内の検索エンジン対策を頑張っても順位が上がらない場合は、広告の出稿も視野に入れます。楽天市場であれば「楽天サーチワード広告」になります。Yahoo! やGoogleなどの検索エンジンを経由したアクセス数が鈍化している場合は、通常の検索エンジン対策を実施します。○離脱率の高いページを改善し、転換率アップを続いて、「転換率」の改善策を見ていきましょう。転換率が悪い場合は、その原因として「ページの完成度の低さ」が考えられます。店舗内にて、「アクセス数が多い一方、離脱率が高いページ」を優先的に改善していくことが基本になります。この改善策は、PCとスマホで分けて行っていきます。まず、PCの場合は、商品ページの閲覧比率が高い傾向にあります。モールで買い物をするユーザーの多くは、各ショップのトップページからは入らず、楽天市場のトップページの検索窓に商品名を入れ、目当ての商品を探し、各店舗の商品ページにアクセスするためです。商品ページの離脱率が高いのは、商品ページに何かしらの問題があるということになります。ページの作り直しを含め、商品ページの改善を図る必要があります。カテゴリページの離脱率が高い場合は、大きなチャンスを逃している状態です。モールで、ユーザーがカテゴリページにたどり着くのは奇跡といえます。モールでは、広告や検索結果の多くがリンク先を商品ページとし、ユーザーは、これらを行ったり来たりしているためです。それだけに、カテゴリページに目を向けるユーザーは、購入意欲が高く、決して手離してはいけない存在です。掲載商品数を増やすなど、ユーザーの関心を高める取り組みを行う必要があります。一方、スマホの場合は、商品ページのほか、トップページの閲覧率が高まる傾向にあります。スマホは左メニューがないので、トップページに立ち戻ることが多いからです。そのためトップページの離脱率が高いのは、致命傷になります。トップページの強化を図ることが求められます。○PCとスマホの転換率の比較も重要ここまで、店舗全体のアクセス数と転換率の分析を通して、改善すべき点を見出していきましたが、ほかにも分析するポイントは多くあります。例えば、楽天市場では、各ジャンルの売上げトップ10をチェックすることができます。そこで一番売れているジャンルのトップ10の売上数を合算し、前年と比較することで、そのジャンルの人気の推移を確かめることができます。また、最近の時流として、PCとスマホのアクセス数と転換率の比較も欠かせません。スマホのアクセス数がPCよりも多いのにも関わらず、転換率がPCよりも低い場合は、スマホ向けサイトの作り方に問題があると考えられます。モール店舗の分析は今後、ますます、売上アップを実現するための大きなカギとなることは間違いありません。皆さんもぜひ、分析を通して改善ポイントを見出し、店舗を成長させていってください。○執筆者紹介いつも.創業以来、EC支援に特化して事業を行い、のべ7200社の支援実績を持つ。ECの成功に必要な集客や制作、販売、システム、コンサルティングをすべて自社スタッフがワンストップで提供する。支援対象は、自社サイトや楽天市場、ヤフーショッピング、ポンパレモール、DeNA、Amazon、紙通販、実店舗まで。米国最大のECイベント「IRCE」の公式パートナーとして、世界最先端のEC情報の提供も行う。公式Webサイトはこちら。
2015年04月02日前回、モール店舗で売上を伸ばすためには、その時代に応じた「集客のための戦略」を立てることが大切であるとお話しました。そして、広告費用が高騰している現在ではローコストの集客がトレンドで、メルマガとモール内検索を攻略することが重要であるとお伝えしました。とはいえ、モール店舗がしっかり構築されていなければ、ユーザーの満足度は得られず、売上アップは望めません。そこで今回は、モール店舗を作る上で大切にすることについて紹介していきます。○モール店舗を作るときに大切な2つのことモール店舗の構築は、トップページや商品ページ、カテゴリページの制作や商品写真の撮影など、さまざまなステップを踏む必要があります。まずは、こうした基本的な工程を忠実に実行していきましょう。その際、すべてのクオリティをあげることが重要になります。なぜなら、競合店のサイトデザインの質が高まっているなか自社店舗の完成度が低ければ、他店に埋もれてしまいますし、写真の出来栄えが悪いと、ユーザーの購買意欲は高まらないからです。しかし、そうした取り組みだけでは、売上が伸びない時があります。実は、モール店舗を作る上で最優先すべき取り組みが2つあり、その実践が売上アップの大きなカギとなります。その取り組みとは、「商品の登録」と「レビュー数の獲得」の2つです。前者は「集客」、後者は「転換率」に直結するほか、両者とも一石二鳥以上の効果があります。○集客に直結する商品登録まずは「商品の登録」から見ていきましょう。この取り組みの中で一番重要なことは、とにかく商品の登録数を増やすということです。最初から「これは売れそう」「これは売れそうもない」と、自らの判断で商品をセレクトしてはいけません。何が売れるかはユーザーが決めることであって、店舗が決めることではないからです。商品の登録は「そんなものも?」というものまで、幅広く行っていきましょう。自社商品を扱うのであれば、倉庫に眠っているものも登録します。破棄しようと思っているものも、登録します。取引先があれば、そのデッドストック品にも目を向けます。こうして、商品数をとにかく増やすことにより確実に集客数が増えます。モールで買い物をするユーザーの多くは、モール内検索にて目当ての商品を探します。商品数をたくさん登録すると、検索対象ワード数が増えるため、集客数が増えるのです。これが1つ目の効果です。○商品登録は、3C分析を可能にする?!また、商品の登録数が多いと、それだけで売れる商品が見えてきます。ユーザーの欲する商品が浮かび上がることで、競合が取り扱わない商品が分かったり、あるいは自社の強みの商品が分かったりします。つまり、商品登録するだけで3C分析を行うことができるのです。これが2つめの効果です。そして3つめの効果は、マーケティングデータが取れる点です。ユーザーの買う商品と買わない商品が明らかになるため、買う商品についてはその商品で間違ってないことが分かり、一方買わない商品については、ユーザーはこういう商品は欲していないというマーケティングデータが取れるようになるのです。○レビューで得られる効果とは次いで、「レビュー数の獲得」を見ていきましょう。この取り組みも商品の登録数と同様に、数を増やすことが何よりも重要になります。レビュー数が多いことによる一番の効果は、転換率アップに直結するという点です。アメリカのNRFのセミナーで聞いたデータですが、20代を対象に行われた「商品を買う場合、何をチェックしたいか?」というアンケートにおいて、「商品を手に取ってみたい(50%)」という回答を押さえ、「レビューを見たい(70%)」との声が上位になったといいます。また、レビューには、書くことで店や商品のことが忘れにくくなるという効果や、友人や知り合いに口頭で説明しやすくなり、他人に紹介する機会も増えるという効果もあります。なぜならば、ユーザーはレビューを書くことで、商品の良さや気に入った点が整理できるほか、その店舗や商品についてポジティブに捉えるようになり、よい記憶として脳裏に残りやすくなるためだそうです。さらに、顧客満足度が上がるという効果もあります。レビューを書くことで、商品の良さを再認識したり、レビューを読んだほかのユーザーから「良い商品を紹介してくれてありがとう」と評価されたりといったことを通じて、より満足度が向上していく仕組みです。そして最後に、レビュー数が多いとモール内検索で上位表示されやすくなるという利点があります。「レビューが多い順」にてフィルターをかけ、検索することもできるので、レビュー数の多さはそのまま集客力アップに直結します。○レビュー集めは、店舗側の働きかけが大切最後に、レビューの効率的な集め方をお話しておきます。レビューは、店舗側から働きかけて書いてもらうことが重要になります。弊社の知見では、何もフォローしていないショップにおけるレビューの記入率は1~2%ですが、「レビューを書いてね!」などのフォローメールを送った場合では5~10%に伸びます。さらに、レビューキャンぺーンを行うと、男性で10~15%、女性では30~50%にまで伸びます。レビューキャンペーンは、ポイント付与のほか、送料無料や割引、クーポンなどが行われることが多いです。なお、Amazonでは、レビューキャンペーン等はできないため、Amazonが提供する「Amazon Vine先取りプログラム」を使用するのも戦略の一つとなります。同サービスは、トップレビュアーに商品を無償提供し、レビューを書いてもらうというものです。有料サービスとなりますが、新商品のアップ時や早くレビューをもらいたい時などうまく活用していくとよいでしょう。○執筆者紹介いつも.創業以来、EC支援に特化して事業を行い、のべ7200社の支援実績を持つ。ECの成功に必要な集客や制作、販売、システム、コンサルティングをすべて自社スタッフがワンストップで提供する。支援対象は、自社サイトや楽天市場、ヤフーショッピング、ポンパレモール、DeNA、Amazon、紙通販、実店舗まで。米国最大のECイベント「IRCE」の公式パートナーとして、世界最先端のEC情報の提供も行う。公式Webサイトはこちら。
2015年03月19日ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)が、ECサイト「VOGUE Shopping」を3月6日から4月30日までの期間限定でオープンする。このサイトでは最新号の別冊付録「VOGUE Shopping」と連動し、本誌にも登場した様々なアイテムを販売。この内、スニーカーにインスパイアされたという「アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)」のショルダーバッグ(20万4,000円)は、今回が日本では初の取り扱いとなる。更に、「コーチ(COACH)」も世界で2点だけの限定トートバッグ(9万6,000円)を発売。そのデザインには、ブランドのSSコレクションを彩った、ゲイリー・ベースマン手掛ける“クリーチャーズ”のイラストがあしらわれた。その他、「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beaute)」のハイライター(55万円)は、日本未発売の9カラットゴールドケースでお届け。「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」のビーチタオルとバッグのセット(16万4,000円)、「ペリエ ジュエ」のシャンパンセット(3本/5万5,000円)なども取り扱われる。また、今回のECサイトオープンを記念し、全3者との限定コラボレーションが実現。ウィング部分をスワロフスキーでドレスアップしたのは、「アディダス オリジナルス バイ ジェレミー スコット(adidas originals by JEREMY SCOTT)」のスニーカー(28万円)。また、写真家の蛭川実花はバッグやスウェット、ポーチなど、鮮やかな色彩の全6アイテムを用意する。家業の漆器工房から受け継いだ伝統技術を元に、アバンギャルドなアート作品を発表している木村浩一郎が金塗りを施した、箸(3万円)、シャンパングラス(12万円)、プレート(5万円)の3点セットを加え、全8ブランドによるアイテムをラインアップした。3月6日には編集部初の試みとして、TVショッピングQVCとのコラボも実現。20時から22時までの番組中に、商品ラインアップの中から厳選した3ブランドのアイテムが販売される。
2015年03月06日前回の記事にて、どのモールに出店すべきかという判断は、企業の「人・モノ・金・情報」という4つの要素の有無を参考にするとよいとお話しました。今回は、出店を決めたモールで、どのように売上を伸ばしていけばよいか、その戦略の立て方を紹介します。○時代に合わせて登場した戦略、消えた戦略ポイントや配送関連のサービスなどにより、楽天市場やAmazonなどの各モールは、うまくユーザーを囲い込んでおり、活気に満ちあふれています。そのため、出店さえすれば売上が伸びると思いがちですが、そうとも言い切れません。特に競合他店が乱立している場合は、何もしなければ、ただ埋もれてしまうだけです。売上を伸ばすには、その時代に応じた、集客のための戦略を立てることが重要になります。ここで楽天市場を例に、集客の歴史を振り返ってみましょう。十数年前、楽天市場では、「懸賞企画」が集客の王道として人気を集めました。プレゼント企画を行い、そこでユーザー名簿(メールアドレス)を獲得し、彼らにメルマガを送り、売上を伸ばすという戦略です。次いで「オークション」という、1円でオークションをスタートさせ、たくさん応募してもらい、ユーザー名簿を獲得するという戦略が脚光を浴びました。そして、その次が「共同購入」でした。ショップ側がユーザー人数を決め、その人数に到達すると、安く買えるという企画で、その過程で、多くのユーザー名簿を獲得しました。この3つの集客方法は、ローコストで顧客名簿が集められるため、当初、ショップ側にとっては費用対効果が高い戦略でした。しかし次第に、取得できる名簿数が少なくなっていきました。というのも、ユーザーにとって懸賞企画やオークションは、商品が得られるかどうか不確かなものだったため、より確実な方法で商品の購入を求めていったためだと考えられます。こうして2015年現在、一人あたりのユーザー獲得コストは、どんどん上がってきています。一方で、全モールは、通常販売商品をいかに安く売るかがトレンドになりつつあり、ショップ側も広告費用をふんだんにはかけにくい状況です。思い切り広告費をかけられるのは、資本のある企業や商品の利益率の高い商材を持っている企業だけでしょう。このような背景により、各モールでは、いかにして無料・ローコストでユーザーを獲得するかが命題となっています。そして、この状況に対応できる集客戦略は「メルマガ」と「モール内検索」なのです。○決して侮れない、メルマガの力メルマガは、以前に比べればその効果は落ちていますが、メルマガ購読後の購入率は、全般的に高いことに変わりはないでしょう。その理由は、メルマガが、ユーザーとコミュニケーションが一番取りやすいツールだからです。一度承認さえ取っておけば、ユーザーのメールボックスに入り込めるメルマガの力を侮ってはいけません。また、アメリカでは今、メールマーケティングが見直されています。パーソナライゼーション(個別対応)が注目されるなか、メルマガについても、そのユーザーに適した内容が届く「個別配信」が始まっています。日本でも、個別配信を含め、ユーザーの購買意欲を高めるメルマガをいかに配信するかが、集客のカギを握っています。なお、Amazonは店舗ごとのメルマガ配信ができませんが、そのほかのモールは、すべてメルマガ配信をサービス化しています。楽天市場では、4月1日から1件につき0.75円の費用がかかるように改定されますが、それでもローコストであることは変わりありませんし、有料化により配信数が減ると予想されますので、逆に売上を伸ばすチャンスと考えると良いでしょう。売上が伸びないと感じた際には会員向けにイベント告知をするなど、即効性のあるツールとなるメルマガを有効活用しましょう。○モール内のSEO対策が重要 - その2つの理由一方、モール内検索は、ここ最近の集客戦略のトレンドといえます。モールで買い物をするユーザーの多くは、モールに出店する各ショップのトップページからは入らず、モールのトップページの検索窓に商品名を入れて、目当ての商品を探します。これがモール内検索です。これまでのユーザーは、その多くがモール内に掲載された広告を見て購入していましたが、現在は、ユーザー自らが商品を検索し、購買に至るケースが増えているのです。ここで重要になることが、モール内検索で上位表示を実現する「モール内のSEO対策」です。モール内のSEO対策は、GoogleのSEO対策よりもシンプルなため、やるべきことをすれば確実に順位が上がります。EC事業者はそのノウハウをつかんで、一人でも多くのユーザー獲得を目指す必要があります。また、モール内のSEO対策は、Googleにて検索しモールへ流入するユーザーを取り込むためにも有効です。検索エンジンにて、買い物を目的に商品を探すユーザー数は減っていますが、それでもゼロになったわけではありません。Googleの検索エンジンで「Tシャツ黒」などと検索すると、楽天市場のカテゴリや楽天サーチの検索結果ページ、Amazonのカテゴリが上位に表示されます。つまり、モール内のSEO対策をしていれば、Googleを経由するユーザーも取り込むことができるのです。冒頭でお話したように、売上を伸ばすためは、その時代に応じた集客戦略を立てることが重要です。そして2015年現在、その戦略の中心に位置づけられるの施策が「メルマガ」と「モール内検索」なのです。この2つを攻略して、売上アップを実現していきましょう。○執筆者紹介いつも.創業以来、EC支援に特化して事業を行い、のべ7200社の支援実績を持つ。ECの成功に必要な集客や制作、販売、システム、コンサルティングをすべて自社スタッフがワンストップで提供する。支援対象は、自社サイトや楽天市場、ヤフーショッピング、ポンパレモール、DeNA、Amazon、紙通販、実店舗まで。米国最大のECイベント「IRCE」の公式パートナーとして、世界最先端のEC情報の提供も行う。公式Webサイトはこちら。
2015年03月06日LINEは3月4日、モバイル送金・決済サービス「LINE Pay」におけるグローバル展開を目的に、グローバルでEC決済管理サービスを提供するCyberSourceと戦略的提携の基本合意を行ったと発表した。LINE Payは、キャリアやOSに左右されることなく、LINEを通じてユーザー間での送金や、提携サービス・店舗での決済を簡単・便利に行うことができるモバイル送金・決済サービス。LINE Payでは、サービス公開時からCyberSourceの提供する決済管理システムを導入しており、これにより世界で発行される様々なクレジットカードでのオンライン決済処理することが可能になるという。LINEによると、世界最大の不正取引検出レーダーを搭載した唯一の不正抑止プラットフォーム「CyberSource Decision Manager」を活用しており、不正な決済利用を素早く正確に特定。これにより、LINE Payの安全性を向上させるとともに、決済管理業務の最適化も図る。両社では今後も連携を強化し、CyberSourceの提供する様々な決済管理サービスを活用することで、LINE Payの利便性と安全性のさらなる向上を図り、LINE Pay事業のグローバルでの展開を進めていく。
2015年03月04日ロックウェーブは2月25日、レスポンシブECサイト構築運用ASP「aishipR」に、「受注CSVデータ一括取り込み機能」をオプションとして追加した。同機能により、新規受注情報を一括で取り込むことが可能となり、コールセンターなどのECサイト以外を経由した受注とECサイトでの受注を、一括管理することができるようになる。また、独自ドメインECサイトを運営するEC事業者が、テレビ通販などを含めた多様なチャネルから商品を販売することも可能となるという。
2015年02月25日●なぜ、PaaS型を選択したのかこのたび、EC(電子商取引)業務に特化した新タイプのクラウド・サービスが登場した。PaaS(Platform as a Service)モデルを採用した「Commerable EC PaaS」がそれだ。ECのシステムに、高い生産性とカスタマイズ性、拡張性、そしてコスト・パフォーマンスをもたらす仕組みとして注目を集めつつある。○SaaSの俊敏性と手組の自由度をミックスEC業務特化型PasS「Commerble EC PaaS」――開発・提供元となるcommerbleは、同社CEOの橋本圭一氏が代表取締役を務めるシグマコンサルティングと、EC支援のクラウドサービスを展開するクロスワープの共同出資で2014年9月に設立された。橋本氏は、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」のMVP(Most Valuable Professional)に、日本で初めて選出された経歴を持つ「クラウドシステムのエキスパート」。これまで、規模を問わず、Azureを用いたさまざまなSI案件を手がけてきた。同氏が、「PaaSモデルでECシステムの開発・運用の革新を加速させる」というクロスワープ 代表取締役社長 山崎真吾氏の考えに賛同。両氏は、Commerble EC PaaSの開発と新会社の設立へと一気に動いたという。クロスワープではこれまで、ECサイト構築支援のクラウド・サービスとして、SaaS(Software as a Service)型の「MODD SaaS」シリーズを提供し、実績を積み上げてきた。同シリーズのユーザー層には、在京キー局やアニメ企画制作会社アニプレックス、大手フィットネス・クラブのコナミスポーツ&ライフ、大手コンピューターゲームメーカー、芸能事務所など多彩な企業が名を連ねている。そんな同社がなぜ、PaaSのビジネスに乗り出したのか――。「SaaSモデルの優位性は、目的のシステムが手早く入手できることと、プラットフォームの拡張性に優れていること、そして、IT設備への投資が不要で、初期費用がかからず、投資にも無駄がないことです。ただし、SaaSは基本的に、ソフトウェアパッケージをサービスとして提供し、ユーザーに共用してもらうモデル。このモデルでは機能の汎用性を追求しなければならず、どうしてもユーザー個々の細かなカスタマイズ要求に対応しづらいというネックがあります。そうした課題を、PaaSモデルで解決しようと考えたのです」(山崎氏)山崎氏によれば、BtoCのECシステムはライフサイクルが短く、完成後も機能追加・機能変更が頻繁に発生するのが常であるという。それゆえに、ソフトウェアパッケージ(あるいは手組)によってオンプレミス上に構築されたECシステムが、立ち上げからわずか3~4年で完全に陳腐化し、新システムへの全面的な切り換えを余儀なくされるケースも珍しくない。結果として、購入・開発したソフトウェア資産や、場合によってはシステムを稼働させていたハードウェア資産がすべて無駄になってしまうと、山崎氏は指摘する。もちろん、SaaSならば、ソフトウェアやハードウェアを資産として持つ必要がなく、システムが陳腐化し破棄に追い込まれても、大きな投資の無駄は発生しない。とはいえ、山崎氏が言うように、SaaSは基本的に「汎用性を持った出来合いのアプリケーション」だ。個別的な要件をサービスに反映させるには、どうしても時間がかかり、お金もかかる。また、そもそも「個別的なカスタマイズ要求への対応」はSaaSの本道ではない。一方で、IaaS(Infrastructure as a Service)を用い、ECシステムをほぼ一から手組で構築し、カスタマイズの自由度も高めるという選択肢もある。だが、顧客ニーズの変化や時流に的確に対応していくためには、ECサイトの立ち上げや刷新のスピードを極限まで高めなければならない。そうしたスピード感を手組での開発に求めるのには無理があり、その意味で、手組開発には「商機を逸するリスク」がつきまとうことになる。こうした考え方から、山崎氏は、PaaSモデルの採用が最適との結論を導き出した。要するに、PaaSモデルによって、アプリケーションパッケージの利便性と手組開発の自由度、そしてクラウドの拡張性・俊敏性をバランス良く融合させようと考えたのである。●クラウドサービス理想型は、Win-Winなエコ・システム○「PaaS&従量課金」だから築ける - SIerとユーザーのWin-Winもちろん、PaaSの場合、SaaSに比して目的のシステムを構築・導入する際の難度は高まる。ただし、Commerble EC PaaSの場合、認定SIerがシステムのインテグレーションを担当するというビジネス・モデルを採用している。2015年2月時点では、Commerble EC PaaSのイングレーションは、シグマコンサルティングとクロスワープの2社が中心に担っているが、Commerble EC PaaSを利用した構築を検討するSIerも増えてきているようだ。「ECサイト構築のイングレーションには、パッケージソフトウェアがよく利用されるのですが、大抵の場合、そうしたパッケージのカスタマイズはSIerには行えず、開発元に依頼せざるをえない状況にあるようです。結果、SIerは、ECサイト自体ではさしたる収益は稼げず、また、パッケージベンダーのエンジニアが優秀でない場合、プロジェクトに支障をきたし、いわゆる炎上案件に陥ることも間々あるとの話です。Commerble EC PaaSなら、そのような心配はなく、その点でこのサービスに対する期待感が高まっているのです」(橋本氏)さらに、Commerble EC PaaSの場合、SIerやユーザーの経済的なメリットを生む重要な特徴がある。それは、サービス課金の仕組みとして、トランザクション・ベースの従量課金制が採用されていることだ。具体的には、サービス利用の初期費用はかからず、ECサイト上で1つの受注処理が発生するごとに、現状200円のフィーが発生する格好だ。しかも、Commerble EC PaaSの導入企業が増え、トランザクションが増えることで「規模の経済」の原理が働く。山崎氏は、これにより、課金単価を200円から180円、150円へと引き下げられるようになり、実際にそうするつもりだと述べる。これはつまり、Commerble EC PaaSユーザーが増え、それぞれのEC売上げが増えれば増えるほど、commerble社の収益がアップし、同時にユーザーの利も膨らんでいくことを意味する。もちろん、Commerble EC PaaSのユーザー数の増大は、SIerの案件増と同義だ。橋本氏と山崎氏は、こうしたWin-Winなエコ・システムの形成こそが、クラウドサービスで目指すべきものだと力説する。○エキスパートの知を結集Commerble EC PaaSでは、ECサイトの構築・運用に必要とされている道具立てを網羅的に提供している。つまり、標準的なAPIを通じて、受注管理から仮予約管理、商品・在庫管理、顧客(サイト会員管理)、販促管理、コンテンツ管理(CMS)、バッチ処理管理などの機能を持ったサイトが開発できるわけだ。もちろん、バックエンドの基幹システムとの連携や多店舗サイト連携、コーセンター連携、POS・O2O連携などの機能も備えている。こうしたCommerble EC PaaSの活用によって、例えば、ユーザーの個別要件に応じた「ID連携」「ユーザープロファイリング」「検索機能」を独自に実装したり、サイトで扱う商品点数の上限を広げたりすることも容易になる。また、Commerble EC PaaSは、サービス提供のプラットフォームとして、AzureとAWS(Amazon Web Services)の双方を活用。コアのプラットフォームとしてAzureを活用しつつ、DNSやロードバランサーにAWSを用いるといった「いいとこ取りの構成」だと橋本氏は説明する。そのため、Commerble EC PaaSでは、大量のトランザクションにも十分耐えうる性能と拡張性が担保されているほか、可用性のレベルも高いのだという。「クロスワープはEC業界で長く経験を積み、SaaSのプラットフォームとしてAWSを使い込んできました。一方の橋本は、Azureのエキスパートでミッションクリティカルなクラウドシステムの開発にも精通している。両者のスキル・ノウハウの融合によって、Commerble EC PaaSは、機能・性能・信頼性のあらゆる面で申し分のないパフォーマンスを発揮していると自負しています」(山崎氏)2014年8月発表の経済産業省の調査によれば、BtoC型のEC市場規模は2013年で前年比17.4%増の11.2兆円へと成長。消費市場のEC化率も前年比6ポイント増の3.7%に達しているという。この成長市場では競争も激しく、ECサイトの運営側も、また、それに対して製品・サービスを提供する側も、いかに早く新たなアイデアをかたちにし、顧客を利するかが勝負となっている。そのため、B2C商材を扱う大手企業の間では、自社の開発体制を強化し、EC・顧客サービスの開発力を増す動きも活発化しているようだ。そんな市場にあって、業界特化型PaaSと従量課金という新たなコンセプトを国内他社に先駆けてかたちにしたCommerble――その今後に注目が集まる。
2015年02月24日前回の記事にて日本のEC市場は今後しばらく、モールがけん引していくことになるとお話しました。また、各モールの現状について考察したのち、楽天市場とAmazonはできる限り出店すべきモールであるとお伝えしました。今回は、モールへ出店することを考えたとき、「どのモールを選択すればよいのか」ということを、もう一歩踏み込んで学んでいきましょう。○4つの軸がそろっていれば、全モールに出店せよ2015年2月時点で日本のモールは、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・DeNAショッピング・ポンパレモールの5つが主流です。この中でどのモールに出店すべきかといった判断は、企業の「人・モノ・金・情報」という4つの要素の有無を参考にするとよいでしょう。「人」とは、ECに関わるスタッフ数のことです。「モノ」とは商品の種類や品数を意味し、「金」はECに費やせる費用を指します。そして「情報」は、HTMLやバナー製作、受注・出荷など、運営スタッフのEC全般のスキルをいいます。これら4つをすべて十分に備える企業は、楽天市場やAmazonはもちろん、すべてのモールに出店すべきです。なぜならば、Amazonを除く各モールはポイント戦略に力を注いでおり、うまくユーザーを囲い込んでいるためです。楽天市場は「楽天スーパーポイント」、Yahoo!ショッピングは「Tポイント」、DeNAショッピングは「auWALLETポイント」、ポンパレモールは「リクルートポイント」といった具合です。○囲い込み戦略で、ユーザーはあまり重複していない私たちは、DeNAと楽天市場のユーザーが重複している割合を、せいぜい1~2割程度だと分析しています。つまり、DeNAショッピングのユーザーは、楽天市場では買い物せずに、DeNAショッピングにて購入することでポイントをためている可能性が高いということです。一方Amazonは、ポイント戦略よりも、お急ぎ便・日時指定が無料の「amazonプライム」を活用し、ユーザーの囲い込みに成功しています。また、各モールの売上目安は、楽天市場で月商1000万円のショップの場合、Yahoo!ショッピングとAmazonではそれぞれ200万円、DeNAショッピングとポンパレモールではそれぞれ100万円だと考えられます。したがって、各モールにて売上げを伸ばすことは可能でしょう。このように、ポイント戦略などによりモールごとユーザーのすみ分けがされているため、一部のモールに出店しないという選択肢は、わざわざ売上を逃すことだと言っても過言ではありません。○商品リストは簡単に横展開できるすべてのモールに出店すべき理由は、まだあります。モールに出店する際、多大な労力を必要とする作業として、商品紹介ページなど商品リストの作成があります。しかし、一度作成した商品リストは、極めて安易に別のモールに横展開することができます。したがって、商品リストを一つのモールでのみ使うということは、非常にもったいないことだと思います。また、複数のモールを運営する上では、受注管理や在庫管理が複雑になるといった懸念を抱くでしょう。しかし昨今は、一元管理ソフトウェアの種類が充実しており、導入できる資金さえあれば、この点で苦労することはありません。各モールへ出店する際の初期作業のみ乗り越えれば、ストレスなく運営できる外部環境が整いつつあります。「人・モノ・金・情報」といった4つの要素を満たす企業であれば、ぜひ、すべてのモールに出店することを視野に入れてください。○何か要素が不足しているなら…では、4つの要素のうち何かが不足している場合は、どうすればよいでしょうか。まず、商品の種類や数など「モノ」だけ不足している企業は、すべてのモールに出店すべきだと考えています。モノが少なく、モール内の競争に勝てないという理由から、出店に消極的な企業も多いのですが、その考えは間違いです。モノが少ないということは、EC特有の「ロングテール効果による集客」ができなくなるため、集客の方法が限定されます。そこで、一人でも多くの顧客を確保するために、可能な限り複数のモールに出店することが必要となります。また、読者の中には、商品(モノ)の内容によってモールの選び方が変わるのではないかとお考えになる人もいるのではないでしょうか。確かに一昔前まででしたら、オリジナル商品は楽天市場の独壇場であり、これらを扱うECは、楽天市場への出店だけで十分でした。しかし昨今は、楽天市場以外のモールであっても、売上を伸ばす土壌が整いつつあります。加えて、楽天市場は、ショップ・オブ・ザ・イヤーの上位を品番型の商品を扱う店舗が占めていることからも、オリジナル商品と品番型の商品の売上比率が変わらない状況になっています。したがって、商品(モノ)の内容は、出店するモールを選択する上で、最も重要なことではないと言えるでしょう。○情報不足ならAmazonへ、資金不足ならYahoo!ショッピングへでは「情報」が不足している企業は、どうしたらよいでしょうか。HTMLなどの知識がなく、受注・出荷といった運営スキルにも乏しいわけですから、それらをアウトソーシングできるAmazonが出店モールの第一候補となります。Amazonは、在庫保管・受注・梱包・配送業務を代行するサービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を提供しており、企業は簡単に利用することができるためオススメです。また、資金(金)が不足している場合は、完全無料で運営できるYahoo!ショッピングが選択肢となります。さて、ここまで「人・モノ・金・情報」という4つの要素にて、出店するモールの選び方を紹介しましたが、最後に一つ「客層」という要素にも触れておきます。楽天市場は「30~40代女性」、Amazonは「所得の高い男性」など、各モールが得意とする客層があることは事実ですが、その敷居は徐々に狭まってきています。これにより、モールの客層をうのみにして、モールの取捨選択をする必要はないと断言できます。このようにして出店するモールを決定した後は、それぞれのモールで「売上を伸ばすための戦略を立てるステップ」に入ります。次回にご期待ください。○執筆者紹介いつも.創業以来、EC支援に特化して事業を行い、のべ7200社の支援実績を持つ。ECの成功に必要な集客や制作、販売、システム、コンサルティングをすべて自社スタッフがワンストップで提供する。支援対象は、自社サイトや楽天市場、ヤフーショッピング、ポンパレモール、DeNA、Amazon、紙通販、実店舗まで。米国最大のECイベント「IRCE」の公式パートナーとして、世界最先端のEC情報の提供も行う。公式Webサイトはこちら。
2015年02月19日ロックオンは2月10日、EC構築オープンソース「EC-CUBE」において、単なるデバイス対応というWeb領域に留まることなく、スマホアプリやリアルPOSレジ、IoT対応なども視野に入れた「EC-CUBE 3」の開発を開始したと発表した。2015年3月にβ版、2015年5月の正式版リリースに向け開発を進めていく。「EC-CUBE」は、ロックオンが開発したECサイト構築パッケージをオープンソースとして2006年9月に公開したもの。2013年9月には税率管理機能を大幅に強化した「EC-CUBE2.13」をリリース、2014年9月には企業間商取引(BtoB)向けECサイト構築パッケージ「EC-CUBE B2B」をリリースしている。今回開発を開始した「EC-CUBE 3」は、EC-CUBEの開発ポリシーである「安心・安全」「対応環境への柔軟性」「あらゆる要求を叶える拡張性」の3点を軸とし、特に「拡張性」の向上を追及した最新版で、標準機能のほぼ全てをAPI化。多様な周辺サービスや、アプリケーションとの連携をよりシームレスに実現。また、開発のベースとして、PHPマイクロフレームワークであるSilexを採用予定で、近年のPHPアプリケーション開発の手法を取り入れより柔軟な拡張性と開発効率の向上を図る。さらに、管理画面をレスポンシブウェブデザインとし、タブレットをはじめとするタッチデバイスでも快適に使えるメニューへと刷新。顧客側では購入フローを大きく見直し、カゴから購入完了までを3ステップに短縮。同社では、開発に際し、GitHubでの開発に参加する開発コミッターを広く募集する。
2015年02月13日広告ソリューションやプロダクトの企画開発とサービス提供を行うフレイ・スリーは2月9日、iOS向け動画制作アプリ「1Roll for business」を通販・EC業界向けに特化し、「TVショッピング風動画」を簡単に制作できるEコマースプランの提供を3月1日より開始すると発表した。同アプリは、これまで、高いコストと長期の制作期間が必要とされていた動画制作の過程をテンプレート・簡略化し、低コスト・高品質な動画をその場で制作できるようにするもの。今回提供開始する「Eコマースプラン」では、コンテンツあたりの視聴時間が短い傾向にあるスマートフォンに合わせたテンプレートや編集効果などを採用し、短時間に構成することが可能だ。また、実際のCM監督がテンプレートを監修し撮影ガイドを作成したため、映像制作に詳しくない場合であっても、iPhoneで簡単に「TVショッピング風」の動画撮影ができる。
2015年02月10日この連載は、ECの現場で支援するコンサルタントが「最新の業界基礎知識」をお伝えするものです。ECのことを一から学びたい新人担当者はもちろん、「売上げアップ」の課題を持つ担当者も、取り組みのヒントを見付けることができると思います。第1回目は、楽天市場やAmazonなど各モールの特長を踏まえつつ、日本のEC市場の最新基礎知識を学んでいきましょう。○100人のうち、98人を捨てますか?皆さんは、ネットで買い物をするとき、どのサイトで商品を探しますか? 先日開催したセミナーで聞いたところ、100人中50人が楽天市場、48人がAmazon、2人がGoogleと答えました。この数字は、現在の状況を的確に表していると思います。ネットで買い物をするとき、Googleで商品を探すユーザーは、本当に少なくなりました。その理由は、各モールがユーザーをうまく囲い込んでいること。楽天市場にはスーパーポイントが、Amazonにはアマゾンプライムがあり、各ユーザーにとっては、それぞれのモールで購入したほうが特典が受けられたりなどのお得感があります。しかも、モールには、レビュー機能など買い物を後押ししてくれる情報がたくさんあります。一方、Googleは「白いシャツを買いたい」と思って検索しても、あまりいい答えが返ってきません。それならば、値段まで教えてくれて、在庫までも分かるモールで買ったほうが、良いわけです。今の日本のEC市場で成功するには、モールを外すということはありえない行為だと断言できます。モールに出店せず、独自ドメイン店だけで運営するのは、先のセミナー参加者で言えば、100人中98人を捨て、2人を相手に商売をするようなものです。これからECの運営を行う場合も、すでにECの運営を行っている場合も、「モールへの出店は必須だ」と認識してください。○世界的に見ても珍しい「楽天市場の存在」では、どのモールを選ぶべきなのでしょうか。日本にはさまざまなモールがありますが、まず外せないのが日本最大の売上げを誇る楽天市場です。2013年の楽天の国内EC流通総額は約1兆7334億円で、小売EC市場の約3割を占めています。楽天市場は、世界的に見ても珍しい存在です。なぜかといえば、Amazonに負けていないからです。GoogleがYahoo!JAPANを凌駕したように、Facebookがmixiを凌駕したように、海外のサービスによって、日本の多くのサービスは駆逐されてきました。Amazonも世界中で、各国のサービスを駆逐してきました。日本では、そのAmazonに対し、楽天市場はどっしり渡り合って負けていません。Amazonは、常に仮想敵を作り、その敵の売上げを徹底的に奪う戦略でシェアを伸ばしてきました。ここ数年、日本のAmazonの仮想敵は楽天市場です。同社は、楽天市場の一大イベントとなるスーパーセールに似たセールを世界で初めて日本で開催するなど、猛攻勢をかけています。しかし、それでも楽天市場は日本のモール界のトップに君臨し続けています。こんなに市場規模の大きいモールに出店しないのは、EC市場を目の前に敵前逃亡しているようなものです。必ず出店すべきです。○品番型商品だけじゃない! 本気のAmazon楽天市場の対抗馬となるのは、やはりAmazonです。今後、さらに猛攻勢をかけて、確実に楽天市場のシェアを奪っていくことが予想されます。Amazonの強みは2つあります。1つは、Amazon自体も販売を行っていることです。楽天市場に出店しているショップが、例えば、ミネラルウォーターを最安値で販売していると、Amazonは、直接メーカーから仕入れその最安値を下回る値段で売ります。楽天市場は自ら販売することができないため、Amazonより最安値を付けるためには出店する店舗に頼むしかありません。こうしてAmazonは、入口商品を作ることでユーザーの流入を誘い込み、モール全体を活性化させています。そして、2つ目の強みはスピードです。アメリカでは1時間後に届くサービスも開始し、どこよりも負けないスピードを実現しています。さて、これまでのAmazonは、品番型商品の取扱量を増やそうと、主に大手店舗の出店に力を入れてきました。しかし、ここにきて、楽天市場が強みとするノンブランド商品の取扱量を増やすべく、中小店舗にも積極的に門戸を広げ始めました。例えば、1クリック2円~の「スポンサープロダクト」の開始があります。従来のAmazonでの広告が100万円~だったことを考えると、中小店舗はかなり広告が出しやすくなったと思います。また、「Aプラス」というサービスを開始し、詳しい商品紹介が可能になりました。これも中小店舗がノンブランド商品を売るための布石といえます。このようにAmazonは、日本EC市場のトップシェアを獲得するために本気を出しています。楽天市場との差はまだありますが、両方のモールに出店し、今後、EC市場がどう変化しても、動じない体制を整えておく姿勢が大切です。○Yahoo!ショッピングやDeNAショッピング、ポンパレモールも面白い存在にこのほか、日本にはYahoo!ショッピングやポンパレモール、DeNAショッピングなどがあります。どれも、どんぐりの背比べといった感じですが、完全無料化に踏み切ったYahoo!ショッピングは2014年、楽天市場を出店数で上回るなど少し勢いが出てきました。Yahoo!JAPAN全体がスマートフォンに注力する中、最適化したモールを作り上げることができれば、面白い存在になるかもしれません。楽天市場もAmazonもスマートフォンの完成度は高くないですし、出店料が無料なため、出店してマイナスなことは何もありません。日本EC市場は、今後もモールがけん引していくことは間違いないでしょう。その中で、どのモールに出店し、どのような攻め方をするか。それは、EC担当者の腕にかかっています。次回以降では、その戦略について、さらに詳しく紹介していきます。○執筆者紹介いつも.創業以来、EC支援に特化して事業を行い、のべ7200社の支援実績を持つ。ECの成功に必要な集客や制作、販売、システム、コンサルティングをすべて自社スタッフがワンストップで提供する。支援対象は、自社サイトや楽天市場、ヤフーショッピング、ポンパレモール、DeNA、Amazon、紙通販、実店舗まで。米国最大のECイベント「IRCE」の公式パートナーとして、世界最先端のEC情報の提供も行う。公式Webサイトはこちら。
2015年02月05日フリューはこのほど、カラーコンタクトのEC(電子商取引)サイト『Mew contact(ミューコンタクト)』 において、買い手視点のレビュー情報を掲載する新コンテンツを開始した。同サイトでは、"安心・安全に可愛くなれる"ことをモットーに、厳選した取扱商品の販売。商品使用に関するていねいな説明やサポートなど、女子高生を中心とした若年層女性にも利用しやすい工夫を行っている。このほど、新たに開始したレビューコンテンツは、「お試しができない商品だからこそ購入前に詳しい情報が欲しい」というユーザーの悩みを解決するために開設した。現実感にこだわった内容で、掲載している装着時のレンズ写真は、無加工としている。そのため、実物に近い装着画像が閲覧できるという。また、目のアップ画像だけでなく、装着時の顔全体の写真も公開しているため、装着後の顔全体の印象がどう変わるのかが具体的にイメージできる。ブランドごとの各色レビュー、ブランドを横断した比較レビュー記事、ブランドの全色を一括でレビューするなど、さまざまな切り口でカラーコンタクトを紹介している。レビューを投稿するライターは、10代後半から20代後半までの年齢やタイプの異なる4名。自分に近いタイプのライターが投稿した記事を読むことにより、商品による印象の変化や違いを見ることができる。
2015年02月03日ランサーズは2月1日、ECサイトの一元管理サービス「CROSS MALL」を運営するアイルと業務提携を行うと発表した。今回の業務提携では、EC事業者やCROSS MALLを利用する企業を対象にした支援策を実施する。具体的には、バックヤード業務やクリエイティブ制作の支援を行うプランを新たに提供する。プランを利用した企業は、ECサイト運営時に必要となる業務のいくつかをアウトソースすることができるようになり、業務効率化、固定費の流動費化を実現できるなど、経営効率の向上が可能となるとしている。ランサーズには、以前からECサイトの運営における日常業務をアウトソースしたいとの要望が多く届いていたほか、ECサイトのバックヤード業務に関する発注が増えていたという。なお、2月3日に実施される「バックヤード カンファレンス 2015」において、ランサーズの安達和久氏が登壇する。安達氏は、今回の業務提携の目的およびEC事業者向けのクラウドソーシングを活用したクリエイティブ支援について講演を行う予定だ。
2015年02月03日UZENはこのたび、ECプラットフォーム「G1」を2015年春にリリースすると発表し、問い合わせ受付を開始した。同プラットフォームは、「ECコンサルティング」や「オムニチャネル対応」「海外展開支援」「モール連携」などの特長をもち、オムニチャネル化の推進やブランド力強化、海外展開などをサポートする515の機能を提供する。
2015年02月02日イー・ガーディアンはこのたび、ECモール事業者やECサイト向けサービス事業者などを対象に、人工知能型画像認識システムROKA SOLUTIONを利用した「模倣品画像検知システム」を開発し、提供を開始した。同システムは、大量の画像・動画データを目視により分類後、教師データとしてコアエンジンに学習させる一方、実際の対象画像・動画をシステムに判定させ、正しく判定できるかを数値で評価し、間違っていれば自動学習するという作業を繰り返すことで判別精度をあげていくもの。システムによる自動判定なので、0.3秒/枚という速度で判定結果を得ることができる。
2015年01月29日マスタードシードは15日、ZOWIE GEAR製のゲーミングマウス「EC1-A」と「EC2-A」の2モデルを発表した。価格と発売日は未定。「EC1-A」は、「Avago ADNS-3310」光学センサーを搭載する右手用ゲーミングマウス。同社のゲーミングマウス「EC EVO CL」などで好評だったラバーコーティングを採用した。左右クリックスイッチとスクロールホイール、サイドスイッチの合計ボタン数は「5」。スクロールホイールは24ノッチと使いやすい。解像度は400 / 800 / 1,600 / 3,200dpiの4段階、リフトオフディスタンスは1.5mm~1.8mm、USBポーリングレートは125 / 500 / 1,000Hzの3段階で切り替えられる。インタフェースはUSB、ケーブル長は2m。本体サイズはW128×D64×H43mm、重量は99g。対応OSはWindows 2000 / XP / Vista / 7 / 8、Mac OS X 10.2以降。「EC2-A」は、上記「EC1-A」より若干小型のモデル。本体サイズはW123×D61×H33mm、重量は87gとなっている。仕様などは「EC1-A」とほぼ共通。
2015年01月15日健康食品を扱う、太田胃散初のECサイト太田胃散は、健康食品を扱う、同社初のECサイト「太田胃散健康食品館本店」を、2014年12月17日にオープンした。実際の購入については2014年12月22日に開始となる。これまで楽天市場・Yahoo!ショッピングに出店する形で店舗を展開してきたが、「もっと詳しい情報が知りたい」「太田胃散独自のサービスはないか」などの声に対応しオープンに至ったもの。桑の葉ダイエットシリーズを中心に7品目を販売販売商品は、「桑の葉ダイエット」や「桑の葉ダイエットゴールド」「 桑の葉青汁」など、桑の葉ダイエットシリーズを中心とした健康食品7品目12アイテム。「桑の葉ダイエット」は、良質の桑の葉抽出エキスと桑の葉粉末からできており、糖質が気になる人やダイエットが必要な人のための健康食品。桑の葉に含まれるイミノシュガー、フラノボイド、ステロール類、食物繊維、ビタミン類、アミノ酸など、桑の葉特有の有用成分である「DNJR」を豊富に含み、糖質の吸収を和らげ、ダイエットの補助や、健康の維持・増進に役立つという。同サイトでは、会員限定キャンペーンやお得情報などさまざまなイベントを開催予定としている。(画像はプレスリリースより)【参考】・太田胃散プレスリリース(@Press)
2014年12月20日ドリコムは12月16日、動画配信広告ネットワーク「poncan ビデオアド」が、ソフトバンクモバイルの「Tモール動画 for SoftBank」と連携を開始したと発表した。「poncan ビデオアド」は、ポイントサイト・モール等で提供されるリワード広告と、CM視聴を組み合わせた広告手法で、ポイントメディアを中心に広告を配信するネットワークを保有する。広告主は、同ネットワークに向けてリワード型の動画広告を出稿することができる。今回の連携により、広告主は、従来のポイントメディアのユーザーに加え、ソフトバンクモバイルユーザーへの動画広告のリーチが可能となる。一方、ソフトバンクモバイルユーザーは、「Tモール動画 for SoftBank」から動画広告を見るだけでTポイントを獲得することができ、獲得したTポイントは、携帯電話の新規購入・機種変更、毎月の利用料金への充当のほか、Tポイント提携先で1ポイントあたり1円として利用できる。
2014年12月17日サムライファクトリーはこのたび、月間納品記事数が15万記事以上の実績を誇るテキスト特化型クラウドソーシングサービス「Shinobiライティング」から、ECサイト向け「Shinobiライティング(ECライト)」の提供を開始した。Shinobiライティングは、幅広いジャンルに対応可能なライターを確保する文章作成特化型クラウドソーシングサービス。今回新たに提供するサービスは、商品紹介に特化したオリジナルの記事を作成するもので、発注から納品までWeb上にて完結することができる。
2014年12月15日