モレの不安を解消する“吸水ショーツ”が誕生! 老舗下着メーカーが開発の苦労を語る
商品企画課の白浜久美子さんに、開発エピソードを伺った。
「2020年くらいから国内でもフェムケア市場が拡大してきて、ワコールでも安心して使っていただける商品を開発したいと思っていました。社内の調査でも、生理用品から経血がモレる心配を抱えているという声が多く寄せられたので、多い日やナプキンをなかなか替えられない時でも、モレの不安を解消できるショーツを作ろうと開発がスタートしました」
しかし、その最重要課題である“モレ対策”が、想像以上に困難な作業だったという。
「モレないようにするための吸水構造を作るのが本当に大変で…。縫製の際に、どうしても針で布に穴を開けてしまうので、そこからモレる心配があるんです。なので、いかに針穴を出さずにカバーするか、マチの部分には手間をかけ、縫製はかなり試行錯誤しました。そこをクリアしたら今度は、モレにくさとはきやすさの兼ね合いにも苦労しました。吸水性を高くするために吸水体を厚くすると快適な着用感が損なわれたり、かといって吸水体を薄くするとモレの不安が出てくるので、何度も何度もパタンナーに細かく指示して調整してもらいました。
その上でどのくらいの着用時間なら大丈夫なのか、動いたり座ったりして圧力がかかっても問題ないのか、あらゆるシーンで安心して使ってもらえるかどうかの検証にもすごく苦労しました。