エコノミークラス症候群だけじゃない! 災害時に気をつけたい女性の病気

●熊本地震で、エコノミークラス症候群が女性に多かった理由
○水分を控えて「エコノミークラス症候群」に

飛行機のエコノミークラスの座席のような狭い場所に長時間座っていると、血流が悪くなった足の静脈に、血栓(血のかたまり)ができることがあります。この血栓が、血流に乗って肺に移動し、肺の血管が詰まって呼吸困難や胸の痛み、失神などを引き起こすのが「エコノミークラス症候群(肺そく栓症)」です。

狭い避難所や車中は、まさにエコノミークラス症候群を引き起こしやすい環境と言えますが、熊本地震では、特に女性が発症するケースが多かったと報告されています。近くにちゃんとしたトイレがない、常に避難所のトイレが混んでいるという状況下では、女性はトイレの回数を少なくするために、水を飲む量を控えがち。ただでさえ運動不足で血流が悪くなっているところに水分が不足すると、血液が濃くなって余計に血栓ができやすくなります。そのような女性の行動傾向が、熊本地震で、特に女性にエコノミークラス症候群が多発した原因ではないかと考えられています。

エコノミークラス症候群は、最悪の場合は死に至る病。対策としては、季節に関わらず、適度な運動と水分補給を心がけることが重要です。