自分で部屋も借りた。実は初めてのひとり暮らしだった。あらゆることが一気に変わっていったため、当時の記憶があまりない。
私を採用してくれた社長や会社に何とか役に立ちたい、貢献したいとがむしゃらに働いた。また、そうすることで新しい自分に生まれ変わりたかったのだ。
当時私が扱っていたランジェリーは百貨店でも高級とされるジャンルになり、とても美しいランジェリーだった。そのぶん、ブラジャーは2万円近く、ショーツも1万円近くで高級品。
贅沢ができない当時の私は、一体誰が買うのだろう? と思っていた。
確かに美しいランジェリーに興味はあったけれど、国産の安い黒やベージュの下着ばかり着用していた。
そんなある日、その会社のプロのフィッター(先輩)からフランスのランジェリーのフィッティング研修を受ける。「あなたにはこのサイズでこの形がきっと合うよ!」
正しいつけ方も教えてもらった。そのときの衝撃と感動は今でもはっきり覚えている。これが私の胸? 綺麗に寄っていて美しいバストライン、美しいレース、鏡に映った自分……。
■ブランクがあっても人生は軌道修正できる
専業主婦だった頃、夫と別れることばかり考えていた。